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特開2024-73704ヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073704
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9728 20170101AFI20240523BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20240523BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240523BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A61K8/9728
A61K8/9794
A61K8/9789
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184550
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小方 美幸
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AD092
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD512
4C083AD532
4C083CC04
4C083CC05
4C083EE12
4C083EE13
(57)【要約】
【課題】優れたヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進作用を有し、かつ安全性が高いヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤の提供。
【解決手段】ノニ果汁、月桃抽出物、レイシ抽出物、エンメイソウ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含むヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノニ果汁、月桃抽出物、レイシ抽出物、エンメイソウ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とするヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子(以下、「ヘパリン結合性上皮成長因子様成長因子」、「HB-EGF」と称することもある。) mRNA発現促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
顔や背中や手足などの紫外線に暴露された部分では老化が進み、局部的な色素沈着、いわゆる「シミ」が形成されてくる。シミの形成メカニズムとしては、紫外線や老化などの刺激によるメラニン生成の亢進と転送されたメラニンの排泄のバランスが崩れたものがシミとなって現れてくると言われている。
【0003】
加齢によって局部的に低下したケラチノサイトのターンオーバーを促進する、言い換えると、ケラチノサイトの増殖・分化を回復、促進させる代表的な有効成分として、レチノイン酸が報告されている。レチノイン酸の表皮部位のターンオーバー促進メカニズムとしては、ケラチノサイトが産生する細胞増殖因子であるヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子の発現を誘導して、ケラチノサイトの増殖・分化を促進させることが報告されている。実際に、レチノイン酸を塗布することにより、表皮中に存在していたメラニンが完全に排泄されている実験データが報告されている。また、HB-EGFは、皮膚の正常部位と比べて、シミ部位の方が顕著に減少していることが報告されている。
【0004】
また、老化皮膚では、加齢によりHB-EGFが減少し、ケラチノサイトの増殖が低下し、表皮部位におけるターンオーバーが遅くなることにより、皮膚がくすみ、ヒアルロン酸などの表皮細胞が産生する潤い成分が減少し、肌荒れなどを引き起こし、皮膚の美しさを大きく損なうことが知られている。
【0005】
そして、老化によりターンオーバーが低下すると、表皮の厚さが薄くなり、シワの原因になるともいわれている。
【0006】
そのため、HB-EGFの発現を促進することは、美白や、皮膚の老化の予防又は改善に有効であると考えられる。
【0007】
また、上皮細胞増殖の阻害を特徴とする疾患の1つとして、慢性膀胱疾患である間質性膀胱炎(以下、「IC」と称することがある。)が知られている。これまでに、ICに罹っている患者の尿では、無症状対照被験者又は急性細菌性膀胱炎患者と比較して、HB-EGFのレベルが異常に低いこと;ヒト膀胱上皮細胞において、増殖抑制因子(以下、「APF」と称することがある。)が膀胱上皮細胞によるHB-EGFの産生を阻害すること;HB-EGFの投与が、IC患者又は対照被験者から採取された膀胱上皮細胞に対するAPFの効果を遮断することが報告されている。
【0008】
そのため、膀胱細胞増殖に対するAPFの効果を阻害し、それによって、膀胱上皮への慢性的損傷を軽減又は排除するためには、HB-EGFの発現を促進することが有効であると考えられる。
【0009】
また、HB-EGFは、心臓の形成と維持にとって必須の因子であり、HB-EGFが欠損すると、心不全などの重篤な疾患になることが報告されている。また、マウスの心臓弁形成と心筋機能にとって膜型の切断による分泌型HB-EGFの生成が必須であることも報告されている。
【0010】
そのため、HB-EGFの発現を促進することは、心機能不全の改善に有効であると考えられる。
【0011】
これまでに、HB-EGFのmRNAの発現を促進させる素材として、胡麻(Sesamum indicum)の抽出物、ジオウ(Rehmannia chinensis)の抽出物、桃(Prunus persica)の抽出物、甘草(Glycyrrhiza uralensis)の抽出物、ドクダミ(Houttuynia cordata)の抽出物、サボテン(Opuntia Streptacantha)の抽出物、小麦胚芽の抽出物、キャッツクロー(Rubiaceae Uncaria)の抽出物、紫蘇(Perilla frutescens)の抽出物、ビワ(Eriobotrya japonica)の抽出物が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
しかしながら、安全性の高い天然物由来成分であって、HB-EGF mRNA発現促進作用を有し、そのため、医薬品、医薬部外品、化粧料等の外用組成物、研究用試薬などの成分として広く利用が可能な新たな素材に対する要望は依然として強く、その速やかな開発が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008-247783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進作用を有し、かつ安全性が高いヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、安全性の高い天然物由来の素材であるノニ果汁、月桃抽出物、レイシ抽出物、エンメイソウ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種が、優れたヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進作用を有することを知見し、本発明を完成した。
【0016】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ノニ果汁、月桃抽出物、レイシ抽出物、エンメイソウ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とするヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れたヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進作用を有し、かつ安全性が高いヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(ヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子 mRNA発現促進剤)
本実施形態に係るヘパリン結合性上皮成長因子様増殖因子(HB-EGF) mRNA発現促進剤は、ノニ果汁、月桃抽出物、レイシ抽出物、エンメイソウ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0019】
本明細書において、HB-EGFのmRNAの発現を促進するとは、前記HB-EGF mRNA発現促進剤を投与しない場合と比較して、HB-EGFのmRNAの発現を増やすことをいう。
【0020】
前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物が、優れたHB-EGF mRNA発現促進作用を有し、HB-EGF mRNA発現促進剤として有用であることは、従来は全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
【0021】
<月桃抽出物>
月桃(学名:Alpinia zerumbet又はAlpinia speciosa (Wendl.) K. Schum.)は、ショウガ科ハナミョウガ属に属する多年生常緑草本であり、九州南部からインドにまで分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0022】
前記月桃抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0023】
前記月桃の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、葉部が好ましい。
前記月桃の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0024】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤における前記月桃抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0025】
<レイシ抽出物>
レイシ(学名:Ganoderma lucidum(Fr.)Karst.)(別名:マンネンタケ)は、サルノコシカケ科(Polyporaceae)の担子菌類である。
【0026】
前記レイシ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0027】
前記レイシの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、子実体などが挙げられる。
前記レイシの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0028】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤における前記レイシ抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0029】
<エンメイソウ抽出物>
エンメイソウ(別名:ヒキオコシ)は、北海道から四国、九州にかけて分布している多年草であるシソ科ヤマハッカ属に属するエンメイソウ(学名:Isodon japonica)の全草であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0030】
前記エンメイソウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0031】
前記エンメイソウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全草、地上部などが挙げられる。
前記エンメイソウの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤における前記エンメイソウ抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0033】
[抽出]
前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、及び前記エンメイソウ抽出物に含まれるHB-EGF mRNA発現促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出等に一般に用いられている抽出方法によって、前記月桃、前記レイシ、及び前記エンメイソウからHB-EGF mRNA発現促進作用を有する抽出物を得ることができる。
【0034】
本発明において、「抽出物」には、抽出処理によって抽出原料から得られる抽出液、抽出液の希釈液もしくは濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【0035】
前記月桃、前記レイシ、及び前記エンメイソウの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供する方法などが挙げられる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。
【0036】
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温又は還流加熱下で、任意の抽出装置を用いて抽出する方法などが挙げられ、より具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料である抽出部位を投入し、必要に応じて適宜撹拌しながら、例えば、30分間~4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことにより抽出液を得る方法などが挙げられる。前記抽出液は、更に、抽出溶媒を留去し、乾燥してもよい。
また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0037】
前記抽出における条件(抽出時間及び抽出温度)、抽出溶媒及び抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0038】
前記抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0039】
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水などの他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。なお、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水なども含まれる。前記水は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記混合溶媒における前記水に対する前記親水性溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低級脂肪族アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部、低級脂肪族ケトンを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~40容量部、多価アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部添加することが好ましい。
【0042】
前記抽出溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
【0043】
得られた前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、及び前記エンメイソウ抽出物は、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、及び前記エンメイソウ抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
【0044】
前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、及び前記エンメイソウ抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液-液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
【0045】
得られた前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、及び前記エンメイソウ抽出物は、そのままでも前記HB-EGF mRNA発現促進剤の有効成分として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
【0046】
<ノニ果汁>
前記ノニ(学名:Morinda citrifolia)は、日本名をヤエヤマアオキといい、アカネ科の植物であり、沖縄~小笠原諸島、台湾~中国、インドの沿岸部等に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0047】
前記ノニの果実を搾り器などで搾って得られるのがノニ果汁である。得られたノニ果汁は乾燥させて用いられ、凍結乾燥品が好ましい。なお、ノニ果汁を抽出処理した抽出物を用いることもできる。前記抽出物は、植物の抽出に一般に用いられる方法により容易に得ることができ、例えば、上記した前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、及び前記エンメイソウ抽出物と同様にして抽出することができる。
【0048】
前記ノニ果汁は、ノニの果実から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0049】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤における前記ノニ果汁の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0050】
<油溶性甘草抽出物>
前記油溶性甘草抽出物は、マメ科グリチルリーザ(Glycyrrhiza)属に属する多年生草本である甘草を抽出原料として使用し、抽出溶媒として有機溶媒を使用して得られる抽出物である。
前記甘草としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、グリチルリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)が好ましい。
【0051】
前記油溶性甘草抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0052】
前記甘草の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、根部、ストロン部又はこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも根部及びストロン部が好ましい。
前記甘草の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0053】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤における前記油溶性甘草抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0054】
[抽出]
前記油溶性甘草抽出物に含まれるHB-EGF mRNA発現促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、抽出溶媒として有機溶媒を使用する植物の抽出に一般に用いられる方法によって、前記甘草からHB-EGF mRNA発現促進作用を有する抽出物を得ることができる。
【0055】
前記抽出物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出処理によって抽出原料から得られる抽出液、抽出液の希釈液もしくは濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物もしくは精製物が挙げられる。
【0056】
前記甘草の抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供する方法などが挙げられる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。また、抽出原料としては、工業的に製造されているグリチルリチンの抽出原料となっている乾燥根部及び乾燥根茎部、又はグリチルリチン等を得るために水で抽出した後の水抽出残渣を原料として使用することもできる。
【0057】
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出原料に対し2~10倍量の有機溶媒を加え、攪拌しながら常温で抽出する方法、加熱還流して抽出する方法等が挙げられる。
【0058】
前記抽出における条件(抽出時間及び抽出温度)、抽出溶媒及び抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0059】
前記抽出溶媒として使用し得る有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、含水メタノール、含水エタノール、含水プロパノールなどが挙げられる。さらには、超臨界流体として二酸化炭素を用いることもできる。これらの有機溶媒の中では、エタノール又は含水エタノールを使用するのが食品衛生法上の問題が少なく、好ましい。
【0060】
前記抽出溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0061】
得られた前記油溶性甘草抽出物は、前記油溶性甘草抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
【0062】
前記油溶性甘草抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液-液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
【0063】
得られた前記油溶性甘草抽出物は、そのままでも前記HB-EGF mRNA発現促進剤の有効成分として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
【0064】
前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物は、優れたHB-EGF mRNA発現促進作用を有しているため、その作用を利用して、HB-EGF mRNA発現促進剤の有効成分として用いることができる。
【0065】
前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらを2種以上併用する場合における各成分の使用量の比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0066】
本実施形態に係るHB-EGF mRNA発現促進剤は、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種のみからなるものであってもよいし、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を製剤化したものであってもよい。
【0067】
上記した前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。
前記HB-EGF mRNA発現促進剤は、他の組成物に配合して使用することができるほか、錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤;注射剤、点滴剤、坐剤等の非経口投与剤;軟膏剤、点眼剤、外用液剤、貼付剤などとして使用することもできる。
【0068】
製剤化したHB-EGF mRNA発現促進剤における前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の合計含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0069】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、前記HB-EGF mRNA発現促進剤の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料、美白剤、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、皮膚栄養剤などが挙げられる。また、必要に応じて、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物以外の、HB-EGF mRNA発現促進作用を有する物質を用いてもよい。前記その他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0070】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0071】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品などが挙げられる。
【0072】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの用法が挙げられる。
【0073】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤の剤形としては、特に制限はなく、公知の剤形を目的に応じて適宜選択することができる。
任意の剤形の前記HB-EGF mRNA発現促進剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0074】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤の投与方法、投与量、投与部位、投与期間、投与間隔などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0075】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤は、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種が有するHB-EGF mRNA発現促進作用を通じて、HB-EGF mRNAの発現を促進することができる。これにより、老化などによりHB-EGFが減少し、ケラチノサイトの分裂が低下し、表皮部位におけるターンオーバーが遅くなることにより、メラニンの排泄が円滑に進まず、シミが停滞しやすくなる皮膚状態を改善したり;老化によりケラチノサイトの細胞増殖機能が低下し、表皮部位におけるターンオーバーが遅くなることにより起こるくすみやシワ等の皮膚老化状態を予防する老化防止効果や美肌効果を発現し、皮膚を健やかに維持したり;HB-EGFの不足から生じる上皮細胞増殖の阻害を特徴とする疾患を治療したり;心機能不全を治療したりすることができる。ただし、本実施形態のHB-EGF mRNA発現促進剤は、これらの用途以外にもHB-EGF mRNA発現促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0076】
前記HB-EGF mRNA発現促進剤は、優れたHB-EGF mRNA発現促進作用を有し、安全性が高いので、皮膚化粧料、頭皮化粧料、頭髪化粧料等の皮膚外用剤などに配合するのに好適である。この場合に、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種をそのまま配合してもよいし、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を製剤化したものを配合してもよい。
【0077】
なお、本実施形態に係るHB-EGF mRNA発現促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、HB-EGF mRNA発現促進効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サル等)に対して適用することも可能である。
【0078】
また、本実施形態に係るHB-EGF mRNA発現促進剤は、HB-EGF mRNA発現促進作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
【0079】
前記皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものである。
前記HB-EGF mRNA発現促進剤を配合可能な皮膚外用剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、化粧水、美容液、ジェル、美容オイル、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディーソープ、アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス、コンディショナー、石鹸などが挙げられる。
【0080】
HB-EGF mRNA発現促進剤を皮膚外用剤に配合する場合、その配合量としては、特に制限はなく、皮膚外用剤の種類などに応じて適宜調整することができるが、前記ノニ果汁、前記月桃抽出物、前記レイシ抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の合計含有量(固形分換算した値)に換算して、0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。
【0081】
皮膚外用剤は、本発明の効果を妨げない限り、通常の皮膚外用剤の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などを併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された他の有効成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
【0082】
前記皮膚外用剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0083】
前記皮膚外用剤の投与方法、投与量、投与部位、投与期間、投与間隔などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0084】
前記皮膚外用剤は、HB-EGF mRNA発現促進用途などに好適に用いることができる。
【0085】
前記皮膚外用剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
【0086】
上述したように、本実施形態のHB-EGF mRNA発現促進剤は、優れたHB-EGF mRNA発現促進作用を有する。
したがって、本発明は、個体に、HB-EGF mRNA発現促進剤を投与することを特徴とするHB-EGF mRNA発現促進方法にも関する。
【実施例0087】
以下、本発明の試験例、配合例を説明するが、本発明は、これらの試験例、配合例に何ら限定されるものではない。
【0088】
(試験例1:ヘパリン結合性EGF様増殖因子 mRNA発現促進作用試験)
下記のものを被験試料として用い、下記の試験方法により、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF) mRNA発現促進作用を試験した。
【0089】
<被験試料>
(1) ノニ果汁
ノニ(ヤエヤマアオキ)の果汁100gにブチレングリコール及び精製水を添加し、調整した。得られた抽出液を乾燥し、ノニ抽出物(5g)を得た。
【0090】
(2) 月桃抽出物
月桃の葉100gに80容量%エタノール溶液1,500mLを加えて2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、月桃葉抽出物(1g)を得た。
【0091】
(3) レイシ抽出物
マンネンタケの子実体の乾燥物100gに精製水1,500mLを加えて、80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、レイシ抽出物(1g)を得た。
【0092】
(4) エンメイソウ抽出物
ヒキオコシの地上部100gに80%容量エタノール溶液1,500mLを加えて2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、エンメイソウ抽出物(11g)を得た。
【0093】
(5) 油溶性甘草抽出物
油溶性甘草エキスHG(丸善製薬株式会社製、甘草根フラボノイドをエタノールで抽出し、精製したもの)を用いた。なお、前記油溶性甘草抽出物における甘草には、グリチルリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)を用いた。
【0094】
<試験方法>
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を1.5×10cells/mLの濃度になるようにKGMで希釈した後、6ウェルプレートに1ウェル当たり2mLずつ播種し、37℃、5%CO下で一晩培養した。
培養後、増殖因子を添加していない培地(KBM)に交換した。24時間後に培養液を捨て、KBMで必要濃度に溶解した被験試料(最終試料濃度は下記表1~2を参照)を各ウェルに2mLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。なお、対照として、被験試料無添加のKBM 2mLを加え、同様に培養した。
培養後、培養液を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン製)にて総RNAを抽出し、波長260nmにおける吸光度からRNA量を計算し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、HB-EGF及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。
mRNAの検出は、リアルタイムPCR装置Thermal Cycler Dice(登録商標) Real Time System III(TaKaRa製)を用いて、PrimeScriptTM RT Master Mix(Perfect Real Time)及びTB Green(登録商標) Fast qPCR Mix(TaKaRa製)による2ステップリアルタイムRT-PCR反応により行った。
HB-EGF mRNAの発現量は、GAPDH mRNAの発現量で補正し算出した。得られた値から、下記式によりHB-EGFのmRNA発現促進率(%)を算出した。結果を表1~2に示す。
HB-EGF mRNA発現促進率(%)=A/B×100
上記式中のA~Bは、それぞれ以下を表す。
A : 被験試料添加時の補正値
B : 被験試料無添加時の補正値
【0095】
【表1】
【表2】
【0096】
表1~2の結果から、前記被験試料が、優れたHB-EGF mRNA発現促進作用を有することが確認された。
【0097】
(配合例1)
下記組成の乳液を常法により製造した。
・ ノニ果汁(試験例1で用いたものと同じ) 0.10g
・ ホホバオイル 4.00g
・ 1,3-ブチレングリコール 3.00g
・ アルブチン 3.00g
・ ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
・ オリーブオイル 2.00g
・ スクワラン 2.00g
・ セタノール 2.00g
・ モノステアリン酸グリセリル 2.00g
・ オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
・ パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
・ グリチルレチン酸ステアリル 0.10g
・ 黄杞エキス 0.10g
・ グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
・ イチョウ葉エキス 0.10g
・ コンキオリン 0.10g
・ オウバクエキス 0.10g
・ カミツレエキス 0.10g
・ 香料 0.05g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0098】
(配合例2)
下記組成のクリームを常法により製造した。
・ 月桃抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 0.2g
・ レイシ抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 0.1g
・ クジンエキス 0.1g
・ オウゴンエキス 0.1g
・ 流動パラフィン 5.0g
・ サラシミツロウ 4.0g
・ スクワラン 10.0g
・ セタノール 3.0g
・ ラノリン 2.0g
・ ステアリン酸 1.0g
・ オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
・ モノステアリン酸グリセリル 3.0g
・ 1,3-ブチレングリコール 6.0g
・ パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
・ 香料 0.1g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0099】
(配合例3)
下記組成の美容液を常法により製造した。
・ エンメイソウ抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 2.0g
・ 油溶性甘草抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 0.2g
・ カミツレエキス 0.1g
・ ニンジンエキス 0.1g
・ キサンタンガム 0.3g
・ ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
・ カルボキシビニルポリマー 0.1g
・ 1,3-ブチレングリコール 4.0g
・ グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
・ グリセリン 2.0g
・ 水酸化カリウム 0.25g
・ 香料 0.01g
・ 防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
・ エタノール 2.0g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)