(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074142
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】超音波画像撮影装置、超音波画像の生成方法、及び超音波画像の生成プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185238
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 雅史
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB06
4C601BB21
4C601EE12
4C601EE14
4C601GB04
4C601HH21
4C601JB01
4C601JB02
4C601JB51
(57)【要約】
【課題】遅延処理に係る負荷を低減することができる超音波画像撮影装置、超音波画像の生成方法、及び超音波画像の生成プログラムを提供する。
【解決手段】超音波画像撮影装置が備えるプロセッサが、前記複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、前記受信焦点と前記遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、前記複数の受信走査線毎に、前記複数の受信振動子に対応する複数の前記遅延量計算用振動子を前記遅延量計算用の振動子群から選択し、選択した複数の前記遅延量計算用振動子の前記受信遅延量に基づいて、前記複数の受信振動子の各々から取得された前記受信信号から前記受信走査線の受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列状に配置された複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置が備えるプロセッサが、
前記複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、前記受信焦点と前記遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、
前記複数の受信走査線毎に、前記複数の受信振動子に対応する複数の前記遅延量計算用振動子を前記遅延量計算用の振動子群から選択し、
選択した複数の前記遅延量計算用振動子の前記受信遅延量に基づいて、前記複数の受信振動子の各々から取得された前記受信信号から前記受信走査線の受信ビーム信号を生成する
超音波画像撮影装置。
【請求項2】
前記遅延量計算用の振動子群に含まれる前記遅延量計算用振動子の数は、前記受信開口の幅、前記複数の受信走査線の数、前記複数の受信走査線の間隔、及び前記振動子の間隔に基づいた数である
請求項1に記載の超音波画像撮影装置。
【請求項3】
前記遅延量計算用の振動子群は、前記複数の受信振動子と、前記複数の受信振動子の両端の各端部に位置するk個の振動子と、を含み、
前記振動子の数kは、前記複数の受信走査線の数をX、前記複数の受信走査線の間隔をW、前記振動子の間隔をHとした場合の(1)式を満たし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数Nは、前記受信開口の幅をMとした場合の(2)式を満たす、
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
N=M+k×2 ・・・(2)
請求項2に記載の超音波画像撮影装置。
【請求項4】
前記遅延量計算用の振動子群は、前記複数の受信振動子と、前記複数の受信振動子の一方の端部に位置するk個の振動子と、を含み、
前記振動子の数kは、前記複数の受信走査線の数をX、前記複数の受信走査線の間隔をW、前記振動子の間隔をHとした場合の(1)式を満たし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数Nは、前記受信開口の幅をMとした場合の(2)式を満たす、
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
N=M+k ・・・(2)
請求項2に記載の超音波画像撮影装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、
前記受信走査線に対応する前記複数の受信振動子毎に、前記受信遅延量を予め定められた一律の補正量を加算することにより補正する、
請求項1に記載の超音波画像撮影装置。
【請求項6】
受信遅延量と受信振動子との対応関係を表す情報が、前記複数の受信走査線のうちから予め定められた基準走査線と受信振動子との位置関係に応じて複数設けられており、
前記プロセッサは、
前記基準走査線と受信振動子との位置関係に応じて選択した前記対応関係を用いて、前記受信ビーム信号を生成する
請求項1に記載の超音波画像撮影装置。
【請求項7】
列状に配置された複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置による超音波画像の生成方法であって、
前記複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、前記受信焦点と前記遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、
前記複数の受信走査線毎に、前記複数の受信振動子に対応する複数の前記遅延量計算用振動子を前記遅延量計算用の振動子群から選択し、
選択した複数の前記遅延量計算用振動子の前記受信遅延量に基づいて、前記複数の受信振動子の各々から取得された前記受信信号から前記受信走査線の受信ビーム信号を生成する
処理をプロセッサが実行する超音波画像の生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波画像撮影装置、超音波画像の生成方法、及び超音波画像の生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に向けて送信した超音波による超音波エコーを複数の振動子で受信し、受信した超音波エコーに基づく受信信号を出力する超音波プローブを用いて被検体の超音波画像を撮影する超音波画像撮影装置が知られている。このような超音波画像撮影装置として、複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する技術が知られている。特許文献1及び2には、ビームフォーミングとして、複数の受信信号に対して、遅延処理を行って位相を揃えたうえで、それらを加算する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-064249号公報
【特許文献2】特開2018-187014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載の技術では、複数の受信信号に対する遅延処理に係る負荷が大きいという問題があった。例えば、遅延量を随時、計算する場合、その計算量が多いという問題があった。また例えば、予め得られた遅延量を、記憶部に記憶させておく場合、記憶容量が非常に多くなるという問題があった。
【0005】
本開示は上記事情を考慮して成されたものであり、遅延処理に係る負荷を低減することができる超音波画像撮影装置、超音波画像の生成方法、及び超音波画像の生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本開示の第1の態様の超音波画像撮影装置は、列状に配置された複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置が備えるプロセッサが、複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、受信焦点と遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、複数の受信走査線毎に、複数の受信振動子に対応する複数の遅延量計算用振動子を遅延量計算用の振動子群から選択し、選択した複数の遅延量計算用振動子の受信遅延量に基づいて、複数の受信振動子の各々から取得された受信信号から受信走査線の受信ビーム信号を生成する。
【0007】
本開示の第2の態様の超音波画像撮影装置は、第1の態様の超音波画像撮影装置において、遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数は、受信開口の幅、複数の受信走査線の数、複数の受信走査線の間隔、及び振動子の間隔に基づいた数である。
【0008】
本開示の第3の態様の超音波画像撮影装置は、第2の態様の超音波画像撮影装置において、遅延量計算用の振動子群は、複数の受信振動子と、複数の受信振動子の両端の各端部に位置するk個の振動子と、を含み、振動子の数kは、複数の受信走査線の数をX、複数の受信走査線の間隔をW、振動子の間隔をHとした場合の(1)式を満たし、遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数Nは、受信開口の幅をMとした場合の(2)式を満たす。
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
N=M+k×2 ・・・(2)
【0009】
本開示の第4の態様の超音波画像撮影装置は、第2の態様の超音波画像撮影装置において、遅延量計算用の振動子群は、複数の受信振動子と、複数の受信振動子の一方の端部に位置するk個の振動子と、を含み、振動子の数kは、複数の受信走査線の数をX、複数の受信走査線の間隔をW、振動子の間隔をHとした場合の(1)式を満たし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数Nは、前記受信開口の幅をMとした場合の(2)式を満たす。
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
N=M+k ・・・(2)
【0010】
す。
本開示の第5の態様の超音波画像撮影装置、第1の態様の超音波画像撮影装置において、受信走査線に対応する複数の受信振動子毎に、受信遅延量を予め定められた一律の補正量を加算することにより補正する。
【0011】
また、上記目的を達成するために本開示の第6の態様の超音波画像の生成方法は、列状に配置された複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置による超音波画像の生成方法であって、複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、受信焦点と遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、複数の受信走査線毎に、複数の受信振動子に対応する複数の遅延量計算用振動子を遅延量計算用の振動子群から選択し、選択した複数の遅延量計算用振動子の受信遅延量に基づいて、複数の受信振動子の各々から取得された受信信号から受信走査線の受信ビーム信号を生成する処理をプロセッサが実行するための方法である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、遅延処理に係る負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態の超音波画像撮影装置における全体の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】画像生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】受信走査線毎に遅延量を説明するための図である。
【
図6A】受信開口内の各振動子における第1受信走査線に応じた受信遅延量の一例を説明するための図である。
【
図6B】受信開口内の各振動子における第2受信走査線に応じた受信遅延量の一例を説明するための図である。
【
図6C】受信開口内の各振動子における第3受信走査線に応じた受信遅延量の一例を説明するための図である。
【
図6D】受信開口内の各振動子における第4受信走査線に応じた受信遅延量の一例を説明するための図である。
【
図7】遅延制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】受信走査線毎に遅延量を説明するための図である。
【
図9】超音波の送受信に要する時間を説明するための図である。
【
図10】受信遅延量の補正について説明するための図である。
【
図11】振動子と基準走査線との位置関係を説明するための図である。
【
図12】振動子と基準走査線との位置関係に応じた受信遅延量を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
【0015】
まず、本実施形態の超音波画像撮影装置13について、全体の構成の一例について説明する。
図1には、本実施形態の超音波画像撮影装置13について全体の構成の一例を表したブロック図が示されている。
図1に示すように本実施形態の超音波画像撮影装置13は、超音波プローブ10及び本体部12を備える。
【0016】
超音波プローブ10は、振動子アレイ21と、送信回路24及び受信回路26を含む送受信回路22とを備える。振動子アレイ21は、1次元状、又は2次元状に配列された複数の振動子20を備える。一例として本実施形態では、超音波プローブ10が、複数の振動子が直線状に配列されたリニア型の超音波プローブである形態について説明する。なお、超音波プローブ10は、本形態に限定されず、振動子が湾曲して配列されたコンベックス型又はセクタ型の超音波プローブであってもよい。複数の振動子20の各々は、送信回路24から印加される駆動信号に基づいて超音波を送信するとともに、被検体内で生じた超音波エコーを受信して、受信した超音波エコーに応じた電気信号を出力する。
【0017】
複数の振動子20の各々は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride)に代表される高分子圧電素子、及び、PMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate)に代表される圧電単結晶等の圧電性を有する材料である圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
【0018】
送信回路24は、振動子アレイ21から被検体に向けて超音波ビームの送信を行わせる。具体的には、送信回路24は、例えば、複数のパルス発生器(図示省略)を含んでおり、本体部12からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づき、振動子アレイ21が有する複数の振動子の各々に対して、それぞれの遅延量を調整して駆動信号を供給して電圧を印加する。それぞれの駆動信号は、パルス状又は連続波状の電圧信号であり、振動子アレイ21の振動子20の電極に電圧が印加されると、圧電体が伸縮する。以上の結果、それぞれの振動子20からパルス状又は連続波状の超音波が発生し、それらの超音波の合成波から超音波ビームが形成される。
【0019】
送信された超音波ビームは、被検体内の各部位(例えば、血管及び他の組織等)及び被検体内に配置された器具等にて反射されることで超音波エコーが発生する。発生した超音波エコーは、被検体内を伝搬して振動子アレイ21が有する複数の振動子20によって受信される。各振動子20は、受信した超音波エコーに応じた受信信号を発生させる。各振動子20において発生した受信信号は受信回路26に出力される。
【0020】
受信回路26は、本体部12の本体部12からの制御信号に従い、振動子アレイ21から出力される受信信号に対して処理を行って、音線信号を生成する。
図2には、本実施形態の受信回路26の構成の一例を表すブロック図が示されている。
図2に示すように受信回路26は、例えば、増幅部50、AD(Analog Digital)変換部52、遅延器54、加算器56、及び遅延制御部58を有する。
【0021】
増幅部50は、振動子アレイ21が有する複数の振動子20の各々から出力された受信信号を増幅し、増幅後の受信信号をAD変換部52に出力する。AD変換部52は、増幅後の受信信号をデジタルの受信データに変換し、変換された各受信データを遅延器54に出力する。遅延器54は、遅延制御部58の制御に応じて選択された受信遅延量に基づいて、AD変換部52によって変換された各受信データに対してそれぞれの遅延量を与える。加算器56は、遅延量が与えられた各受信データを加算して、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、遅延器54により遅延量が与えられた各受信データが整相加算され、且つ、超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号である受信ビームが生成される。生成された音線信号は、本体部12の通信I/F(Interface)部40を介して画像生成部46に出力される。なお、遅延器54及び遅延制御部58の動作については詳細を後述する。
【0022】
一方、本体部12は、プロセッサ30、メモリ32、記憶部34、通信I/F部40、入力I/F部42、表示部44、及び画像生成部46を備える。プロセッサ30、メモリ32、記憶部34、通信I/F部40、入力I/F部42、表示部44、及び画像生成部46はシステムバスやコントロールバス等のバス49を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0023】
プロセッサ30は、記憶部34に記憶された各種のプログラムをメモリ32へ読み出し、読み出したプログラムに従った処理を実行する。これにより、プロセッサ30は、超音波画像の撮影に関する制御を行う。メモリ32は、プロセッサ30が処理を実行するためのワークメモリである。
【0024】
記憶部34には、画像生成部46により生成された超音波画像の画像データ、プロセッサ30により実行される各種プログラム、及びその他の各種情報等が記憶される。記憶部34の具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びSD(Secure Digital)カード等が挙げられる。
【0025】
通信I/F部40は、無線通信、若しくは有線通信により、超音波プローブ10、及び本体部12の外部の装置との間で各種情報の通信を行う。本体部12からは通信I/F部40を介して超音波プローブ10に超音波画像を撮影するための制御信号が出力される。また、超音波プローブ10から通信I/F部40を介して本体部12に音線信号が入力される。
【0026】
入力I/F部42及び表示部44はユーザインタフェースとして機能する。表示部44は、ユーザに対して、超音波画像の撮影に関する各種の情報を提供する。表示部44は特に限定されるものではなく、液晶モニタ及びLED(Light Emitting Diode)モニタ等が挙げられる。また、入力I/F部42は、超音波画像の撮影等に関する各種の指示を入力するためにユーザによって操作される。入力I/F部42は特に限定されるものではなく、例えば、キーボード、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。なお、入力I/F部42及び表示部44を一体化したタッチパネルディスプレイを採用してもよい。
【0027】
画像生成部46は、超音波プローブ10の受信回路26から入力された音線信号に基づいて超音波画像を生成する機能を有する。
図3には、本実施形態の画像生成部46の構成の一例を表すブロック図が示されている。
図3に示すように画像生成部46は、例えば、信号処理部60、DSC(Digital Scan Converter)62、及び画像処理部64を有する。信号処理部60は、受信回路26によって生成された音線信号に対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、超音波画像Uを示すBモード画像信号を生成する。DSC62は、信号処理部60で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換等により変換する。画像処理部64は、DSC62から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を出力する。画像生成部46から出力されたBモード画像信号が、超音波画像Uに相当する。
【0028】
画像生成部46により生成された超音波画像Uの一例を
図4に示す。
図4に示した超音波画像Uには、血管Bの横断面が示されている。ここで、血管Bの横断面とは、血管Bの延出方向と直交する切断面を意味する。なお、本実施形態では、
図4に示すように、超音波画像Uにおいて、体表面Sと被検体の内部とを結ぶ方向を深度方向Dという超音波画像U中の血管Bの各部分は、深度方向Dにおいて、超音波プローブ10が接触した被検体の体表面Sからの距離、すなわち深度に応じた位置に表示される。
【0029】
上記の構成により、本実施形態の超音波画像撮影装置13では、超音波画像Uが得られる。
【0030】
次に、本実施形態の受信回路26の遅延器54及び遅延制御部58の作用について詳細に説明する。一例として、
図5に示すように、受信開口mの幅M(受信開口m内に位置する振動子20の数)が21であり、1回の送信ビーム70の送信に対して、第1受信走査線(受信ビーム信号)72
1~第4受信走査線72
4の各々に応じた受信信号を加算して受信ビームを生成する場合について説明する。なお、以下では、第1受信走査線72
1~第4受信走査線72
4について、個々を区別せずに総称する場合、個々を区別するための符号1~4の記載を省略し、受信走査線72という。また、以下では、受信開口m内に位置する振動子20を「受信振動子」という。
【0031】
受信振動子20の受信信号の移動を遅延させるための受信遅延量は、受信走査線72に近い受信振動子20ほど大きく、受信走査線72から離れた受信振動子20ほど小さくなる。例えば、第1受信走査線72
1に応じた受信ビームを生成する場合、受信開口m内の受信振動子20各々の受信信号の位相を遅延させるための受信遅延量は、
図6Aに示したようになる。また、第2受信走査線72
2に応じた受信ビームを生成する場合、受信開口m内の受信振動子20各々の受信信号の位相を遅延させるための受信遅延量は、
図6Bに示したようになる。また、第3受信走査線72
3に応じた受信ビームを生成する場合、受信開口m内の受信振動子20各々の受信信号の位相を遅延させるための受信遅延量は、
図6Cに示したようになる。さらに、第4受信走査線72
4に応じた受信ビームを生成する場合、受信開口m内の受信振動子20各々の受信信号の位相を遅延させるための受信遅延量は、
図6Dに示したようになる。
図6A~
図6Dに示すように、対応する受信走査線72により、各受信振動子20の受信遅延量は異なる。なお、各受信走査線72における各受信振動子20の受信遅延量は、受信振動子20と受信焦点との距離に応じて異なる。受信振動子20と受信焦点との距離が長くなるほど、受信遅延量は大きくなる。
【0032】
本実施形態の遅延制御部58は、各受信走査線72に応じた受信遅延量(
図6A~
図6D参照)を遅延量データ59から取得して、遅延器54に出力する。
図7には、本実施形態の遅延制御部58の構成の一例を表すブロック図が示されている。
図7に示すように、本実施形態の遅延制御部58は、遅延量取得部580、選択部582、及び遅延量指示部584を備える。
図7に示した遅延制御部58は、プロセッサ及びメモリを含んで構成され、メモリには、遅延量データ59、及びプロセッサで実行される各種プログラムが記憶される。メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、プロセッサが、遅延量取得部580、選択部582、及び遅延量指示部584として機能する。
【0033】
本実施形態では、
図8に示すように、受信開口m内に位置する複数の受信振動子20よりも多数の振動子20を含む振動子群を、遅延量計算用の振動子群81としている。
図8に示した例では、遅延量の基準となる基準走査線72
0を中心としており、遅延量計算用の振動子群81は、33個の遅延量計算用振動子80(80
1~80
33)を含む。本実施形態では、
図8の遅延量と振動子との対応関係を表す情報が予め遅延量データ59として遅延制御部58内のメモリに予め記憶されている。なお、
図8に示した遅延量と振動子との対応関係は、上述したように、受信焦点毎に設けられている。なお、超音波プローブ10の種類等に応じて、遅延量と振動子との対応関係が異なる場合がある。そのため、遅延量データ59は、超音波プローブ10の種類等に対応付けられた複数の遅延量と振動子との対応関係を表す情報を含むことが好ましい。
【0034】
遅延量取得部580は、遅延量計算用の振動子群81に含まれる遅延量計算用振動子80の各々について、受信走査線72上の受信焦点と遅延量計算用振動子80との距離に応じた受信遅延量を、遅延量データ59から取得する機能を有する。
【0035】
選択部582は、受信走査線72毎に、複数の受信振動子20に対応する複数の遅延量計算用振動子80を遅延量計算用の振動子群81から選択する。
【0036】
具体的には、
図8に示すように、選択部582は、第1受信走査線72
1に対して、21個の遅延量計算用振動子80
13~80
33を遅延量計算用の振動子群81から選択する。
図8及び
図6Aを比較するとわかるように、第1受信走査線72
1に対する遅延量計算用振動子80
13~80
33各々の受信遅延量は、受信開口m内の受信振動子20の受信遅延量と同様である。また、選択部582は、第2受信走査線72
2に対して、21個の遅延量計算用振動子80
9~80
29を遅延量計算用の振動子群81から選択する。
図8及び
図6Aを比較するとわかるように、第2受信走査線72
2に対する遅延量計算用振動子80
9~80
29各々の受信遅延量は、受信開口m内の受信振動子20の受信遅延量と同様である。また、選択部582は、第3受信走査線72
3に対して、21個の遅延量計算用振動子80
5~80
25を遅延量計算用の振動子群81から選択する。
図8及び
図6Aを比較するとわかるように、第3受信走査線72
3に対する遅延量計算用振動子80
5~80
25各々の受信遅延量は、受信開口m内の受信振動子20の受信遅延量と同様である。また、選択部582は、第4受信走査線72
4に対して、21個の遅延量計算用振動子80
1~80
21を遅延量計算用の振動子群81から選択する。
図8及び
図6Aを比較するとわかるように、第4受信走査線72
4に対する遅延量計算用振動子80
1~80
21各々の受信遅延量は、受信開口m内の受信振動子20の受信遅延量と同様である。
【0037】
遅延量指示部584は、遅延量取得部580が取得した遅延量計算用の振動子群81の各遅延量計算用振動子80の受信遅延量から、選択部582により選択された遅延量計算用振動子80の受信遅延量を、受信走査線72毎に遅延器54に出力する。具体的には、遅延量取得部580は、第1受信走査線721に対する遅延量計算用振動子8013~8033各々の受信遅延量を遅延器54に出力する。これにより、遅延器54は遅延量計算用振動子8013~8033各々の受信遅延量に基づいて、第1受信走査線721の受信信号の位相を遅延させ、遅延させた第1受信走査線721を加算器56に出力する。また、遅延量取得部580は、第2受信走査線722に対する遅延量計算用振動子809~8029各々の遅延量を遅延器54に出力する。これにより、遅延器54は遅延量計算用振動子809~8029各々の受信遅延量に基づいて、第2受信走査線722の受信信号の位相を遅延させ、遅延させた第2受信走査線722を加算器56に出力する。また、遅延量取得部580は、第3受信走査線723に対する遅延量計算用振動子805~8025各々の遅延量を遅延器54に出力する。これにより、遅延器54は遅延量計算用振動子805~8025各々の受信遅延量に基づいて、第3受信走査線723の受信信号の位相を遅延させ、遅延させた第3受信走査線723を加算器56に出力する。また、遅延量取得部580は、第4受信走査線724に対する遅延量計算用振動子801~8021各々の遅延量を遅延器54に出力する。これにより、遅延器54は遅延量計算用振動子803~8021各々の受信遅延量に基づいて、第4受信走査線724の受信信号の位相を遅延させ、遅延させた第4受信走査線724を加算器56に出力する。
【0038】
加算器56は、上記のようにして位相が遅延され受信信号から、各受信走査線72における受信ビーム信号を生成する
【0039】
なお、遅延量計算用振動子群81は、
図8に示した例のように、複数の受信振動子20に対応する遅延量計算用振動子80と、受信振動子20の両端の各端部に位置するk個の遅延量計算用振動子80と、を含むとした場合、受信振動子20の数kは、複数の受信走査線72の数をX、複数の受信走査線72の間隔をW、振動子20の間隔をHとした場合の(1)式を満たすことが好ましい。
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
【0040】
この場合、遅延量計算用振動子群81に含まれる遅延量計算用振動子80の数Nは、受信開口mの幅をMとした場合の(2)式を満たす。
N=M+k×2 ・・・(2)
【0041】
また、遅延量計算用振動子群81は、
図8に示した例と異なり、複数の受信振動子20に対応する遅延量計算用振動子80と、受信振動子20の一方の端部に位置するk個の遅延量計算用振動子80と、を含むとした場合、受信振動子20の数kは、複数の受信走査線72の数をX、複数の受信走査線72の間隔をW、振動子20の間隔をHとした場合の(3)式を満たすことが好ましい。
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(3)
【0042】
この場合、遅延量計算用の振動子群81に含まれる遅延量計算用振動子80の数Nは、受信開口mの幅をMとした場合の(4)式を満たす、
N=M+k×2 ・・・(4)
【0043】
なお、受信振動子の一方の端部にk個の遅延量計算用振動子80を設ける形態の場合、受信走査線72の位置が、受信開口mの中心から左右対象の場合であることが好ましい
【0044】
このようにして生成された受信ビーム信号は、受信回路26から出力され、本体部12の画像生成部46により、超音波画像Uが生成される。
【0045】
このように、本実施形態の超音波画像撮影装置13の受信回路26では、遅延量計算用の振動子群81に含まれる複数の遅延量計算用振動子80各々の遅延量、即ち
図8に示した遅延量と振動子との対応関係を表す情報を遅延量データ59として記憶しておけばよい。従って、受信走査線72毎に対応する振動子20の遅延量を演算する、もしくは、受信走査線72毎に対応する振動子20の遅延量を記憶しておく場合よりも、遅延処理に係る負荷を低減することができる。例えば、本実施形態と異なり各受信走査線72毎に振動子20の遅延量を記憶する場合、
図6A~
図6Bに示した遅延量と振動子との対応関係を表す情報することになる。即ち、受信振動子20:21個×受信走査線72の数:4本=84個分の遅延量を記憶することになる。これに対し、本実施形態では、33個の遅延量計算用振動子80各々の遅延量を記憶すればよいため、遅延処理に係る負荷を低減することができる。
【0046】
なお、送信ビーム70が、焦点を持つ収束ビームである場合、例えば、特開2017-064249に記載された技術のように、ビームの波面を考慮した遅延量の補正を行うことがある。この場合、受信走査線に対応する複数の受信振動子毎に、受信遅延量を予め定められた一律の補正量を加算することにより補正し、その後、各受信振動子に応じた遅延量で補正する形態としても良い。
【0047】
具体的には、
図9に示すように、振動子20のピッチをnΔxとし、送信ビームにおける送信焦点90と振動子20との距離をd
ef、受信焦点92A、92B各々と受信振動子20との距離をd
te、送信焦点90と受信焦点91との距離をd
ftとした場合、超音波の送受信に要する時間は、下記(5)式及び(6)式で表される。なお、(5)式は、受信焦点92Aに対応し、距離d
teが距離d
efよりも短い場合である。また、(6)式は、受信焦点92Bに対応し、距離d
teが距離d
efよりも長い場合である。
【0048】
【0049】
そのため、
図10に示すように、各受信走査線72毎に、遅延量計算用振動子80の各々に応じた遅延量に対して、上記(5)式及び(6)式に応じた2dte/cに応じた補正量を、加算することにより補正し、その後、各受信振動子に応じた遅延量で補正する形態としても良い。
【0050】
また、受信走査線72の間隔によっては、1つの振動子20に対する基準走査線72
0の位置が異なる場合がある。例えば、
図11に示す基準走査線72
0_1~72
0_7の各々では。振動子20と基準走査線72
0との位置関係が異なる。振動子20と基準走査線72
0との位置関係が異なると、振動子20に対応する遅延量が異なる。例えば、
図12に示すように、基準走査線72
0_1の場合、遅延量を表す遅延量カーブは、
図8に示した場合に比べて、左側にシフトした状態となる。このように、振動子20と基準走査線72
0との位置関係に応じて振動子20に対する遅延量が異なるため、振動子20と基準走査線72
0との位置関係に応じて複数の遅延量と振動子20との対応関係を表す情報を遅延量データ59として設けておき、振動子20と基準走査線72
0との位置関係に応じて用いる対応関係を選択することが好ましい。
【0051】
なお、本開示の技術は、上記各形態に限定されず、さらに種々の変形が可能である。
【0052】
上記各形態では、音線信号に基づいて超音波画像Uを生成する画像生成部46が本体部12に設けられているが、これに代えて、画像生成部46は、超音波プローブ10内に設けられていてもよい。この場合、超音波プローブ10は、超音波画像Uを生成して本体部12に出力する。本体部12は、超音波プローブ10から入力された超音波画像Uを表示部44に表示させる。
【0053】
また、上記形態において、例えば、遅延制御部58といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0054】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0055】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0056】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0057】
また、上記各実施形態では、遅延制御部58が有するメモリに遅延制御部58のプロセッサにおいて実行されるプログラムが予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。遅延制御部58において実行されるプログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、遅延制御部58において実行されるプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0058】
以上の記載から、以下の付記に記載の発明を把握することができる。
【0059】
[付記1]
列状に配置された複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置が備えるプロセッサが、
前記複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、前記受信焦点と前記遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、
前記複数の受信走査線毎に、前記複数の受信振動子に対応する複数の前記遅延量計算用振動子を前記遅延量計算用の振動子群から選択し、
選択した複数の前記遅延量計算用振動子の前記受信遅延量に基づいて、前記複数の受信振動子の各々から取得された前記受信信号から前記受信走査線の受信ビーム信号を生成する
超音波画像撮影装置。
【0060】
「付記2」
前記遅延量計算用の振動子群に含まれる前記遅延量計算用振動子の数は、前記受信開口の幅、前記複数の受信走査線の数、前記複数の受信走査線の間隔、及び前記振動子の間隔に基づいた数である
付記1に記載の超音波画像撮影装置。
【0061】
「付記3」
前記遅延量計算用の振動子群は、前記複数の受信振動子と、前記複数の受信振動子の両端の各端部に位置するk個の振動子と、を含み、
前記振動子の数kは、前記複数の受信走査線の数をX、前記複数の受信走査線の間隔をW、前記振動子の間隔をHとした場合の(1)式を満たし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数Nは、前記受信開口の幅をMとした場合の(2)式を満たす、
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
N=M+k×2 ・・・(2)
付記2に記載の超音波画像撮影装置。
【0062】
「付記4」
前記遅延量計算用の振動子群は、前記複数の受信振動子と、前記複数の受信振動子の一方の端部に位置するk個の振動子と、を含み、
前記振動子の数kは、前記複数の受信走査線の数をX、前記複数の受信走査線の間隔をW、前記振動子の間隔をHとした場合の(1)式を満たし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の数Nは、前記受信開口の幅をMとした場合の(2)式を満たす、
(X-1)÷2×W≦k×H ・・・(1)
N=M+k ・・・(2)
【0063】
付記2に記載の超音波画像撮影装置。
【0064】
「付記5」
前記プロセッサが、
前記受信走査線に対応する前記複数の受信振動子毎に、前記受信遅延量を予め定められた一律の補正量を加算することにより補正する、
付記1から付記4のいずれか1つに記載の超音波画像撮影装置。
【0065】
「付記6」
受信遅延量と受信振動子との対応関係を表す情報が、前記複数の受信走査線のうちから予め定められた基準走査線と受信振動子との位置関係に応じて複数設けられており、
前記プロセッサは、
前記基準走査線と受信振動子との位置関係に応じて選択した前記対応関係を用いて、前記受信ビーム信号を生成する
付記1から付記5のいずれか1つに記載の超音波画像撮影装置。
【0066】
「付記7」
列状に配置された複数の振動子のうち、受信開口内に位置する複数の受信振動子の各々が、1回の送信ビームの送信に対して受信した受信信号に基づいて、受信走査線上の受信焦点についてビームフォーミングすることにより、複数の受信走査線毎に受信ビーム信号を生成する超音波画像撮影装置による超音波画像の生成方法であって、
前記複数の受信振動子の数よりも多数の振動子を含む振動子群を遅延量計算用の振動子群とし、前記遅延量計算用の振動子群に含まれる遅延量計算用振動子の各々について、前記受信焦点と前記遅延量計算用振動子との距離に応じた受信遅延量を取得し、
前記複数の受信走査線毎に、前記複数の受信振動子に対応する複数の前記遅延量計算用振動子を前記遅延量計算用の振動子群から選択し、
選択した複数の前記遅延量計算用振動子の前記受信遅延量に基づいて、前記複数の受信振動子の各々から取得された前記受信信号から前記受信走査線の受信ビーム信号を生成する
処理をプロセッサが実行する超音波画像の生成方法。
【符号の説明】
【0067】
1 超音波診断装置
10 超音波プローブ
12 本体部
13 超音波画像撮影装置
20 振動子(受信振動子)
21 振動子アレイ
22 送受信回路
24 送信回路
26 受信回路
30 プロセッサ
32 メモリ
34 記憶部
40 通信I/F部
42 入力I/F部
44 表示部
46 画像生成部
49 バス
50 増幅部
52 A/D変換部
54 遅延器
56 加算器
58 遅延制御部、580 遅延量取得部、582 選択部、584 遅延量指示部
59 遅延量データ
60 信号処理部
62 DSC
64 画像処理部
70 送信ビーム
72 受信走査線、720、720_1~720_7 基準走査線、721 第1受信走査線、722 第2受信走査線、723 第3受信走査線、724 第4受信走査線
80、801~8033 遅延量計算用振動子
81 遅延量計算用の振動子群
90 送受信点
92A、92B 受信焦点
B 血管
D 深度方向
m 受信開口
nΔx ピッチ
S 体表面
U 超音波画像
def、dft、dte 距離