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特開2024-74463医療システムユニット及びその作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074463
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】医療システムユニット及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A61B1/045 642
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185617
(22)【出願日】2022-11-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕哉
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161GG00
(57)【要約】
【課題】1つのマイクで、複数の医療システムを音声操作する場合において、各医療システムの操作内容に合わせて、誤作動無く正確に操作する医療システムユニット及びその作動方法を提供する。
【解決手段】タブレット端末12は、マイク13によって入力された音声を受け付け、且つ、音声を内視鏡システム11に送信する。内視鏡システム11が有する第1プロセッサは、少なくとも、超音波内視鏡システム50に対して、音声を配信する。超音波内視鏡システム50が有する第2プロセッサが、音声が超音波内視鏡システム50の動作に対応する音声かどうかを判定し、判定に従って、超音波内視鏡システム50を作動制御する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクによって入力された音声を受け付け、且つ、前記音声を第1医療システムに送信する音声操作端末と、
少なくとも、前記第1医療システムと異なる第2医療システムに対して、前記音声を配信する第1プロセッサを有する前記第1医療システムと、
前記音声が前記第2医療システムの動作に対応する音声かどうかを判定し、前記判定に従って、前記第2医療システムを作動させる第2プロセッサを有する前記第2医療システムとを備える医療システムユニット。
【請求項2】
互いに異なる第1医療システム及び第2医療システムを少なくとも含む複数の医療システムと、
マイクを介して入力された音声を受け付け、且つ、少なくとも複数の医療システムと接続されている音声操作端末を備え、
前記音声操作端末は、前記音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかをそれぞれ判定し、前記判定に基づいて、各医療システムに配信する医療システムユニット。
【請求項3】
前記第1医療システムは内視鏡システムであり、前記第2医療システムは、超音波内視鏡システム、X線透視装置、又は、内視鏡情報管理システムのいずれかである請求項1または2記載の医療システムユニット。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、前記第1医療システム及び前記第2医療システムと異なる第3医療システムに対して、前記音声を配信する場合において、
前記音声が前記第3医療システムの動作に対応する音声かどうかを判定し、前記判定に従って、前記第3医療システムを作動させる第3プロセッサを有する前記第3医療システムを備える請求項1記載の医療システムユニット。
【請求項5】
前記第1医療システムは内視鏡システムであり、前記第2医療システムはX線透視装置であり、前記第3医療システムは内視鏡情報管理システムである請求項4記載の医療システムユニット。
【請求項6】
前記音声操作端末は、音声操作起動用音声の認識によって、前記音声操作端末で受け付けた音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかをそれぞれ判定する請求項2記載の医療システムユニット。
【請求項7】
前記音声操作端末は、インカムシステムと接続されている請求項2記載の医療システムユニット。
【請求項8】
前記音声操作端末はタブレット端末であり、
前記音声操作端末は前記第1医療システムに対して有線又は無線で接続されている請求項1または2記載の医療システムユニット。
【請求項9】
音声操作端末は、マイクによって入力された音声を受け付け、且つ、前記音声を第1医療システムに送信し、
前記第1医療システムが有する第1プロセッサが、少なくとも、前記第1医療システムと異なる第2医療システムに対して、前記音声を配信し、
前記第2医療システムが有する第2プロセッサが、前記音声が前記第2医療システムの動作に対応する音声かどうかを判定し、前記判定に従って、前記第2医療システムを作動させる医療システムユニットの作動方法。
【請求項10】
互いに異なる第1医療システム及び第2医療システムを少なくとも含む複数の医療システムと、マイクを介して入力された音声を受け付け、且つ、少なくとも複数の医療システムと接続されている音声操作端末を備える医療システムユニットの作動方法において、
前記音声操作端末が、前記音声操作端末で受け付けた音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかをそれぞれ判定し、前記判定に基づいて、各医療システムに配信する医療システムユニットの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声を用いて操作を行う医療システムユニット及びその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医療分野においては、内視鏡システム、X線透視装置、内視鏡情報管理システムなど複数種類の医療システムを用いて、検査、診断などが行われている。また、これら医療システムに対する操作手段としては、キーボード、マウス、タブレット端末などの他に、音声操作も用いられつつある(例えば、特許文献1)。また、特許文献2では、1つのマイクで、複数の医療機器を操作することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-267634号公報
【特許文献2】特開2021-18281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各医療システムでは、音声操作で用いる操作の内容は異なっている。例えば、内視鏡システムでは、光源切替という音声操作が存在する一方で、X線透視装置では、光源切替に相当する音声操作は存在しない。したがって、1つのマイクで、複数の医療システムを音声操作する場合には、各医療システムの操作内容に合わせて、誤作動無く正確に操作することが求められていた。
【0005】
本発明は、1つのマイクで、複数の医療システムを音声操作する場合において、各医療システムの操作内容に合わせて、誤作動無く正確に操作する医療システムユニット及びその作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医療システムユニットは、マイクによって入力された音声を受け付け、且つ、音声を第1医療システムに送信する音声操作端末と、少なくとも、第1医療システムと異なる第2医療システムに対して、音声を配信する第1プロセッサを有する第1医療システムと、音声が第2医療システムの動作に対応する音声かどうかを判定し、判定に従って、第2医療システムをさせる第2プロセッサを有する第2医療システムとを備える。
【0007】
本発明の医療システムユニットは、互いに異なる第1医療システム及び第2医療システムを少なくとも含む複数の医療システムと、マイクを介して入力された音声を受け付け、且つ、少なくとも複数の医療システムと接続されている音声操作端末を備え、音声操作端末は、音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかをそれぞれ判定し、判定に基づいて、各医療システムに配信する。
【0008】
第1医療システムは内視鏡システムであり、第2医療システムは、超音波内視鏡システム、X線透視装置、又は、内視鏡情報管理システムのいずれかであることが好ましい。第1プロセッサは、第1医療システム及び第2医療システムと異なる第3医療システムに対して、音声を配信する場合において、音声が第3医療システムの動作に対応する音声かどうかを判定し、判定に従って、第3医療システムを作動させる第3プロセッサを有する第3医療システムを備えることが好ましい。第1医療システムは内視鏡システムであり、第2医療システムはX線透視装置であり、第3医療システムは内視鏡情報管理システムであることが好ましい。
【0009】
音声操作端末は、音声操作起動用音声の認識によって、音声操作端末で受け付けた音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかをそれぞれ判定することが好ましい。音声操作端末は、インカムシステムと接続されていることが好ましい。
【0010】
音声操作端末はタブレット端末であり、音声操作端末は第1医療システムに対して有線又は無線で接続されていることが好ましい。
【0011】
本発明の医療システムユニットの作動方法は、音声操作端末は、マイクによって入力された音声を受け付け、且つ、音声を第1医療システムに送信し、第1医療システムが有する第1プロセッサが、少なくとも、第1医療システムと異なる第2医療システムに対して、音声を配信し、第2医療システムが有する第2プロセッサが、音声が第2医療システムの動作に対応する音声かどうかを判定し、判定に従って、第2医療システムを作動させる。
【0012】
本発明の医療システムユニットの作動方法は、互いに異なる第1医療システム及び第2医療システムを少なくとも含む複数の医療システムと、マイクを介して入力された音声を受け付け、且つ、少なくとも複数の医療システムと接続されている音声操作端末を備える医療システムユニットの作動方法において、音声操作端末が、音声操作端末で受け付けた音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかをそれぞれ判定し、判定に基づいて、各医療システムに配信する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、1つのマイクで、複数の医療システムを音声操作する場合において、各医療システムの操作内容に合わせて、誤作動無く正確に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】内視鏡システムの概略図である。
図2】別々の内視鏡室に設けられる2つの内視鏡システム、及び、電波強度を数値表示するタブレット端末の画面を表す概略図である。
図3】別々の内視鏡室に設けられる2つの内視鏡システム、及び、電波強度をボリューム表示するタブレット端末の画面を表す概略図である。
図4】別々の内視鏡室に設けられる2つの内視鏡システム、及び、音量をボリューム表示するタブレット端末の画面を表す概略図である。
図5】別々の内視鏡室に設けられる2つの内視鏡システムにおいて、タブレット端末を用いてマイクを接続させることを示す説明図である。
図6】2つのマイクを同じ内視鏡室で用いる場合の概略図である。
図7】内視鏡システムとX線透視装置を同じ内視鏡室で用いる場合の概略図である。
図8】ドクターページの概略図である。
図9】タブレット端末に表示される音声操作機能表示面の概略図である。
図10】音声操作機能の動作ステップの遷移を表す説明図である。
図11】音声操作機能の動作状態の切替方法を表す説明図である。
図12】スコープのトグル操作を用いる観察モードの切替方法を表す説明図である。
図13】内視鏡操作に用いられる複数の操作手段を示す概略図である。
図14】複数の操作手段によってほぼ同時に操作を受け付けた場合の処理の一連の流れを示すフローチャートである。
図15】内視鏡システムのディスプレイに表示される音声操作に関する情報を表す説明図である。
図16】内視鏡システム及び超音波内視鏡システムを有し、音声を一斉配信する医療システムユニットの概略図である。
図17】内視鏡システム、X線透視装置、及び、内視鏡情報管理システムを有し、音声を一斉配信する医療システムユニットの概略図である。
図18】内視鏡システム、X線透視装置、及び、内視鏡情報管理システムを有し、音声を選択して配信する医療システムユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、内視鏡室10においては、内視鏡システム11と、タブレット端末12と、マイク13とを備えている。内視鏡システム11は、有線又は無線で、タブレット端末12(音声操作端末)と接続されている。マイク13は、タブレット端末12と有線又は無線で接続されている。マイク13には、ユーザーが発した音声等が入力される。タブレット端末12は、マイク13から入力された音声に対応する操作情報等を内視鏡システム11に送信し、且つ、内視鏡システム11での操作に関する情報を表示する。なお、タブレット端末12には、音声操作アプリがインストールされていることが好ましい。
【0016】
なお、内視鏡システム11とタブレット端末12との接続方法は、LAN(Local Area Network)、WiFi、BlueToothなどである。タブレット端末12とマイク13との接続方法は、LAN、WiFi、BlueToothなどである。また、マイク13は、イヤホンを設けたヘッドセットとしてもよい。
【0017】
なお、内視鏡システム11では、人工知能を用いた病変検出、計測用照明を用いた測長モードなどの多機能化が進んで、これら機能を作動させるためのスコープスイッチやフットスイッチでの操作は飽和状態となりつつある。したがって、機能を増やしても、それを使うための操作手段に制限があり、機能を十分に使いこなせないおそれがある。その他、多機能化に伴って観察モードの数も増えつつあるが、観察モードの切替に伴うスコープのトグル切替操作は、観察モードの数が増えるほど、操作回数が増加して煩雑化する(図12参照)。また、多機能化などに伴って外部映像入力が2系統など複数系統となることで、それら系統の切替をキーボードなどによって行うことは負担が大きい。また、感染管理への意識の高まりから、極力、手で医療機器を触らないほうが好ましい。以上の理由から、本実施形態では、多機能化又は感染管理の観点から、音声操作を導入している。
【0018】
なお、音声操作する内視鏡システムについては、以下の課題がある。従来は、音声操作で用いるマイクについては、直前に使用された内視鏡システムと自動接続していた。しかしながら、マイクを別の内視鏡システムで使用する場合には、改めて接続切替作業が生じることとなり、負担が生じる。これに関しては、マイクをドクター毎に割り当てることが考えられる。これにより、各システムでドクターのマイク別に接続しておくことで、ドクターがマイクをつけたまま他のシステムを使用することが可能となる。また、ドクターが好みのマイクを使用することも可能となる。また、使用するマイクとしては、使用のたび清掃、お手入れが必要なシステム固有のマイクではなく、システムとは別体のマイクを使用することが好ましい。
【0019】
なお、マイクと各医療システムを接続する場合については、以下の課題がある。1つのマイクと複数の医療システムとを接続する場合、接続中のマイクで音声操作使用後に、別のシステムの場所にドクターが移動した場合などには、1つのマイクが、他の医療システムのマイクと誤って接続されることがある。この場合、1つのマイクの繋ぎ替えが課題となる(接続中のマイクが実際にシステムの近くにあるかどうかは分からない)。
【0020】
また、ドクター毎に割り当てた複数のマイクと複数の医療システムとを接続する場合、1つの環境で、複数のドクターが、それぞれ担当する医療システムを同時に使用する場合に、ウェイクワード無しで、誤作動無く正確に音声操作できるようにすることが求められている。また、ドクター毎に割り当てた複数のマイクと1つの医療システムとを接続する場合、どのマイクを使用するかを知らせることが必要であること、及び、教育ケースなどのように、1つの医療システムを意図的に複数のマイクで使用する状況にも対応できるようにすることが求められている。
【0021】
[マイク接続方法]
内視鏡システム11とマイク13とを接続するためのマイク接続方法について、以下説明する。ここで、タブレット端末12が、マイク13の接続制御を行うことが好ましい。また、マイク接続方法は内視鏡診断前に行われることが好ましい。図2図5に示すように、2つの内視鏡室10a、10bにそれぞれマイクA13a、マイクB13bが設けられている場合のマイク接続方法と、図6に示すように、1つの内視鏡室10で、2つのマイクA13a、マイクB13bを用いる場合のマイク接続方法と、図7に示すように内視鏡室10で、内視鏡システム11とX線透視装置15を用いる場合のマイク接続方法と、図8に示すように、内視鏡システム11のディスプレイにドクターページを表示して行う場合のマイク接続方法とついて説明する。なお、内視鏡室10a、10bは、それぞれ別々の部屋であることの他、同じ部屋で、パーティーションなどで分離された別々の空間であることを意味する。また、内視鏡システム11に対するマイク接続方法は、X線透視装置15、超音波内視鏡システム50、内視鏡情報管理システム56などの医療システムに対しても適用可能である。
【0022】
図2の場合のマイク接続方法では、マイク13の電界強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator))が一定以下の場合に、遠くにあると判定する。基準値又は前回正しく使用した時の電界強度(前回値)を記憶しておき、基準値又は前回値と大きく異なるときはアラートを出す。具体的には、内視鏡システム11a、11b間で同じマイク13a、13bの電界強度を共有し、最も近くにある内視鏡システムを特定する。なお、電界強度は、数値が大きいほど接続が安定する。また、マイクの電界強度が低くなった場合には、アラートを出したり、又は、接続を遮断するようにしてもよい。
【0023】
また、タブレット端末12に、予め登録されているマイクA13a、マイクB13b、マイク13Cの電界強度を数値表示し、且つ、これら3つの電界強度との比較のために、基準値又は前回値を表示する。図2の場合であれば、3つのマイクA13a、マイクB13b、マイク13Cの電界強度のうち、マイクA13aの電界強度(-25)が基準値以上であるので、マイクA13aが、タブレット端末12を介して、内視鏡室10aの内視鏡システム11aに接続される。この場合、タブレット端末12のマイク13Aの表示部分は、接続されていることを報知するために、他のマイクB13b、マイク13Cの表示部分と異なり、ハッチング表示されている。なお、電界強度の表示等は、内視鏡システム11のディスプレイに表示してもよい。
【0024】
図3の場合のマイク接続方法では、電界強度に基づいて、マイクの接続を行う点は、図2の場合のマイク接続方法と共通している。相違する部分は、タブレット端末12に、マイクA13a、マイクB13b、マイク13Cの電界強度を、それぞれ横長のボリューム表示で表示し、且つ、基準値を表示する代わりに、ボリューム表示の中央部分に、基準値に対応する基準ラインSLを表示する。ボリューム表示では、電界強度の大きさを、ハッチング表示部分の横方向の長さで表している。
【0025】
内視鏡室10aでは、タブレット端末12aにボリューム表示されるマイクA13a、マイクB13b、マイク13Cの電界強度のうち、基準ラインSLを超えてボリューム表示されるマイクA13aが内視鏡室10aの内視鏡システム11aに接続される。マイクB13bもボリューム表示されているが、基準ラインSLに達していないため、接続されない。
【0026】
一方、内視鏡室10bでは、タブレット端末12bにボリューム表示されるマイクA13a、マイクB13b、マイク13Cの電界強度のうち、基準ラインSLを超えてボリューム表示されるマイクB13bが内視鏡室10bの内視鏡システム11bに接続される。マイクA13aもボリューム表示されているが、基準ラインSLに達していないため、接続されない。なお、いずれのタブレット端末12a、12bも、接続されるマイクの表示部分には、ハッチング表示されている(タブレット端末12aの場合は「マイクA」、タブレット端末12bの場合は「マイクB」)。
【0027】
図4のマイク接続方法では、内視鏡システム11からテスト用音声を発し、テスト用音声を検出するマイク13の音声ボリュームを用いて、マイクの接続を行う。内視鏡室10aにおいて、内視鏡システム11aからテスト用音声を発する。テスト用音声は、内視鏡室10aにあるマイクA13aと、内視鏡室10bにあるマイクB13bで検出される。内視鏡室10aのタブレット端末12aでは、マイクA13aの音声ボリュームが、マイクB13bの音声ボリュームよりも大きく表示される。これに従って、マイクA13aが、内視鏡室10aの内視鏡システム11aに接続される。一方、内視鏡室10bにおいて、内視鏡システム11bからテスト用音声を発する。内視鏡室10bのタブレット端末12bでは、マイクB13bの音声ボリュームが、マイクA13aの音声ボリュームよりも大きく表示される。これに従って、マイクB13bが、内視鏡室10aの内視鏡システム11aに接続される。
【0028】
図5のマイク接続方法では、タブレット端末12で検出した音と、マイク13で検出した音との相関に基づいて、マイクの接続を行う。この場合には、タブレット端末12にマイク機能を設ける必要がある。内視鏡室10aにおいては、マイクA13aとタブレット端末12aとが設けられており、マイクA13aが検出した音の振幅は、タブレット端末12aが検出した音の振幅とほぼ一致している。これにより、マイクA13aは、タブレット端末12aを介して、内視鏡室10aの内視鏡システム11aに接続される。
【0029】
同様にして、内視鏡室10bにおいては、マイクB13bとタブレット端末12bとが設けられている。そして、検出した音の振幅が、マイクB13bとタブレット端末12aとでほぼ一致しているため、マイクB13bは、タブレット端末12bを介して、内視鏡室10bの内視鏡システム11bに接続される。なお、タブレット端末12aには、マイクA13aが接続されていることがハッチング表示で表示されており、タブレット端末12bには、マイクB13bが接続されていることがハッチング表示で表示されている。
【0030】
図6のマイク接続方法では、2つのマイクA13a、マイクB13bを内視鏡室10で用いる場合において、タブレット端末12に、マイクA13a、マイクB13bが、電界強度が基準ラインSLを超えて、いずれも内視鏡システム11に接続可能であることを表示し(ハッチング表示)する。加えて、タブレット端末12には、マイクA13a、マイクB13bそれぞれの電界強度がボリューム表示される。そして、ユーザーは、マイクA13a、マイクB13b、マイクCのうちマイクA13a、マイクB13bが接続可能であることを確認した上で、タブレット端末12で、実際に内視鏡診断で使用するマイク13の表示部分をタップ操作(選択操作)する。例えば、マイクA13aの表示部分をタップ操作した場合には、マイクA13aが内視鏡システム11に接続される。
【0031】
図7のマイク接続方法では、内視鏡室10で、内視鏡システム11(第1医療システム)とX線透視装置15(第2医療システム)を組み合わせた医療システムユニットとして用いる場合、内視鏡システム11に対してはマイクA13a、マイクB13bが、基準ラインSLを超えて接続可能であることを表示し(ハッチング表示)、及び、X線透視装置15に対しては、マイクA13a、マイクB13bが、基準ラインSLを超えて接続可能であることを表示する(ハッチング表示)。加えて、タブレット端末12には、内視鏡システム11及びX線透視装置15に対するマイクA13a、マイクB13bそれぞれの電界強度がボリューム表示される。
【0032】
そして、ユーザーは、マイクA13a、マイクB13b、マイクCのうちマイクA13a、マイクB13bが内視鏡システム11に接続可能であることを確認した上で、タブレット端末12で、実際に内視鏡診断で使用するマイク13の表示部分をタップ操作する。また、ユーザーは、マイクA13a、マイクB13b、マイクCのうちマイクA13a、マイクB13bがX線透視装置15に接続可能であることを確認した上で、タブレット端末12で、実際にX線診断で使用するマイク13の表示部分をタップ操作する。
【0033】
なお、図7のように、X線透視撮影をしながら、内視鏡検査(ERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography)、気管支鏡処置など)を行う場合には、例えば、マイクA13aで内視鏡関連の音声操作(照明光源の切り替えなど)を行いつつ、マイクB13bでX線関連の音声操作(X線画像の表示切替)を行う。
【0034】
図8のマイク接続方法では、内視鏡システム11のディスプレイにドクターページ20を表示して行う。内視鏡検査開始時において、ドクターページ(ドクター個人の設定情報)を表示する。ドクターページ20では、ドクター名と、マイクを識別するためのマイクID20とを含む複数の設定情報が表示されている。ドクターページ20では、内視鏡検査を行うドクター名を選択する。ドクター名とマイクIDとは予め関連付けて記憶されており、ドクター名を選択することで、マイクIDが自動的に選択され、内視鏡システム11に接続される。例えば、ドクターAを選択した場合には、ドクターAに関連付けられているマイクAが選択され、内視鏡システム11に接続される。なお、ドクターページ20の表示立ち上げは、内視鏡システム11のユーザーインターフェースを用いて手動で行ってもよく、声紋認証又はIDカードなどで自動的に行ってもよい。
【0035】
[音声操作に関するユーザーインターフェース]
内視鏡システム11における音声操作に関するユーザーインターフェースについて、以下説明する。図9に示すように、タブレット端末12(音声操作端末)は、各音声操作機能に対応し、機能切替操作可能又は情報表示可能な音声操作機能表示面21が表示されている。音声操作機能表示面21は、音声操作の代替手段としてのタッチ操作可能であり、タッチ操作によって、音声操作機能の動作状態を変更することができる。また、音声操作機能表示面21は、音声操作機能の動作ステップ状態、音声操作された内容、及び、音声操作対象機能の動作状態の少なくとも1つをリアルタイムに表示更新する。例えば、音声操作機能の動作ステップとして、OFF状態、ON状態、発話中などが含まれる。音声操作された内容には、観察モード、ズームレベルなどが含まれる。音声操作対象機能の動作状態には、観察モードのON状態、OFF状態が含まれる。
【0036】
具体的には、図9では、音声操作機能表示面21に、観察モードに関連する音声操作機能表示面21aと、ズームレベルに関連する音声操作機能表示面21bとが含まれている。音声操作機能表示面21aには、観察モードとして、Pモード、Qモード、Rモード、Sモードそれぞれの音声操作機能表示面が表示されており、ハッチング表示されたQモードがON状態で、それ以外のハッチング表示されていないPモード、Rモード、SモードはOFF状態であることを表している。音声操作機能表示面21bには、ズームレベルとして、L倍、M倍、N倍(L、M、Nはそれぞれ正の整数)それぞれの音声操作機能表示面が表示されており、ハッチング表示されたL倍でズームされ、それ以外のハッチング表示されていないM倍、N倍でズームされていないことを表している。なお、観察モードとは、複数の照明光、又は、画像処理に対応するモードである。ズームレベルとは、20倍、40倍、100倍など、複数段階に分けられた拡大率に基づくズームである。
【0037】
以上のように、タブレット端末12に音声操作機能表示面21を表示することで、ユーザーは、容易に、音声操作の動作ステップ、音声操作内容を理解することができ、仮に、誤認識又は誤作動が発生した場合には、容易に、タッチ操作など他の操作手段により、目的の状態に変更することができる。なお、音声操作対象機能が、音声操作以外の他の操作手段(スコープ30のスイッチ、フットスイッチ31、光源装置32又はプロセッサ装置33の操作パネルなど)により操作された場合にも、タブレット端末12の音声操作機能表示面をリアルタイムに更新又は反映させる。
【0038】
音声操作によって、音声操作機能の動作ステップを遷移させる方法は、図10のように、行われる。図10では、OFF状態の音声操作機能表示面21pの場合、タッチ操作(切替操作)することによって、ON状態の音声操作機能表示面21qに切り替えられる。これにより、ウェイクワード(Hi,XYZ)による音声操作機能の起動可能な状態となる。この状態で、音声操作機能を起動させるためのウェイクワードをマイク13が検出すると、音声機能受付可能であることが表示された音声操作機能表示面21rに切り替わる。ウェイクワードが表示された状態で、音声操作機能に対応する音声(ROI Detection)をマイク13が検出すると、音声操作された内容(ROI Detection)が表示された音声操作機能表示面21sに切り替わる。
【0039】
なお、音声操作機能表示面21sから音声操作機能表示面21rへの遷移は、所定条件(例えば3秒)で切り替えることが好ましい。また、音声操作機能表示面21rから音声操作機能表示面21qへの遷移は、所定条件(例えば、タイムアウト)で切り替えることが好ましい。また、音声操作機能表示面21qから音声操作機能表示面21pへの遷移は、タッチ操作で切り替えることが好ましい。
【0040】
音声操作機能の動作状態を切り替える方法については、図11に示すように、目的の動作状態に対応する音声(音声操作)の発話をマイク13で検出し、又は、該当する音声操作機能表示面21をタッチ操作することによって、目的の動作状態にダイレクトに切り替えることができる。図11の場合であれば、「Qモード、ON」の発話、又は、音声操作機能表示面21のQモードの部分をタッチ操作する。これにより、他のモードからQモードの動作状態を一発でON状態に切り替えることができる。
【0041】
なお、内視鏡システム11に設けられたスコープのトグル操作によって観察モードを切り替える場合には、図12に示すように、切替前のモードがRモードの場合であれば、トグル操作を4回行う必要がある。したがって、タブレット端末12へのタッチ操作によれば、複数の操作を伴わずに、目的の動作状態にダイレクトに切り替えを行うことができる。
【0042】
内視鏡システム11では、音声操作の他、複数の操作手段によって、内視鏡操作が可能となっている。具体的には、図13に示すように、内視鏡システム11に対する内視鏡操作としては、マイク13を用いる音声操作、及び、タブレット端末12に対するタッチ操作の他、スコープ30のトグル操作、フットスイッチ31を用いるフット操作、光源装置32及びプロセッサ装置33の操作パネルなどが含まれる。以上のように複数の操作手段が設けられることで、複数の操作手段からほぼ同時に操作されることが想定される。
【0043】
本実施形態では、複数の操作手段によってほぼ同時に操作を受け付けた場合には、図14に示すフローチャートに従って、処理が行われる。内視鏡システムでは、特定の操作手段による操作中でない限り、複数の操作手段による受付可能な状態に設定される。この状態で、内視鏡システム11が、複数の操作手段のうち最初に行われた特定の操作手段による内視鏡操作を受け付けると、他の操作手段による内視鏡操作の受け付けを禁止する。そして、特定の操作手段による内視鏡操作の動作が行われる。内視鏡操作の動作の遷移が完了すると、他の操作手段による内視鏡操作の受け付けが解除されて、複数の操作手段による受付可能状態に復帰する。以上の流れは、内視鏡検査が完了するまで繰り返し行われる。これにより、複数の操作手段によってほぼ同時に操作を受け付けた場合であっても、操作される機能が意図と異なる動作状態となることを回避することができ、また、内視鏡システム11に負荷をかけることなく、システムの動作状態が異常となるおそれを回避することができる。なお、本実施形態では、特定の操作手段を最初に行われた操作手段としているが、予め定められた手段を特定の操作手段としてもよい。
【0044】
本実施形態では、音声操作に関する情報をタブレット端末12に表示しているが、図15に示すように、内視鏡システム11のディスプレイ40に、音声操作に関する情報を表示してもよい。ディスプレイ40には、音声操作に関する情報として、音声操作機能表示面21と同様の表示態様の音声操作機能表示面41と、音声操作の受け付けが可能であることを示すアイコン42とが表示されている。このように、ディスプレイ40に音声操作に関する情報を表示することによって、タブレット端末12の画面に目を背けずに、ディスプレイ40に視線を集中することができる。これにより、ディスプレイ40から視線移動を無くなるため、内視鏡の操作性を妨げるおそれがなくなる。
【0045】
[1つのマイクによる複数の医療システムでの同時利用]
複数の医療システムに対して、1つのマイクにより音声操作する場合において、マイクで検出した音声を複数の医療システムに一斉配信する場合と、マイクで検出した音声の配信先を選択して配信する場合とに分けて以下説明する。音声を一斉配信する場合については、図16に示すように、複数の医療システムを備える医療システムユニット45が、タブレット端末12(音声操作端末)、内視鏡システム11(第1医療システム)、及び、超音波内視鏡システム50(第2医療システム)を備える場合について説明する。なお、音声を一斉配信する場合において、複数の医療システムが第1医療システム及び第2医療システムのみで構成される場合、第2医療システムは、超音波内視鏡システム50の他、X線透視装置15、又は、内視鏡情報管理システム56であってもよい。
【0046】
タブレット端末12は、マイク13によって入力された音声を受け付け、且つ、音声を内視鏡システム11に送信する。内視鏡システム11は、超音波内視鏡システム50に対して、音声を配信する内視鏡プロセッサ(第1プロセッサ)を有する。超音波内視鏡システム50は、音声が超音波内視鏡システム50の動作に対応するかどうかを判定し、判定に従って、超音波内視鏡システム50を作動制御する超音波プロセッサ(第2プロセッサ)を有する。これにより、内視鏡システム11及び超音波内視鏡システム50を含む複数の医療システムに対してそれぞれマイクを接続することなく、1つのマイクで一人のユーザーが、複数の医療システムを音声操作することができる。
【0047】
例えば、内視鏡システム11と超音波内視鏡システム50とを併用して内視鏡検査を行う場合には、タブレット端末12が、マイク13によって入力される音声「ズーム」を受け付けた場合、内視鏡システム11の内視鏡プロセッサは、音声「ズーム」に対応するズーム機能を作動させ、且つ、音声「ズーム」を、超音波内視鏡システム50の超音波プロセッサに送信する。超音波プロセッサは、内視鏡システム11から送信された音声「ズーム」は、超音波内視鏡システム50の動作に対応する音声であると判定する。この判定に従って、超音波プロセッサは、音声「ズーム」に対応するズーム機能を作動させる。
【0048】
以上により、内視鏡システム11及び超音波内視鏡システム50でズーム機能が作動することで、内視鏡システム11のディスプレイ40に表示された内視鏡画像の観察対象と、超音波内視鏡システム50のディスプレイ51に表示された超音波画像の観察対象とが拡大して表示される。これにより、1つのマイク13で、2つの医療システムの音声操作(ズーム機能)を行うことができる。なお、タブレット端末12が音声「光源切替」を受け付けた場合、音声「光源切替」は、内視鏡システム11の動作に対応するものの、超音波内視鏡システム50の動作には対応していない。そのため、音声「光源切替」の場合には、内視鏡システム11で光源切替が行われる一方で、超音波内視鏡システム50では動作が行われない。
【0049】
また、図17に示すように、医療システムユニット55は、タブレット端末12(音声操作端末)、内視鏡システム11(第1医療システム)、X線透視装置15(第2医療システム)、及び、内視鏡情報管理システム56(第3医療システム)を備えてもよい。内視鏡システム11の内視鏡プロセッサは、X線透視装置15及び内視鏡情報管理システム56に対して、音声を配信する。X線透視装置15は、内視鏡システム11から配信された音声がX線透視装置15の動作に対応する音声かどうかを判定し、判定に従って、X線透視装置15を作動制御するX線プロセッサ(第2プロセッサ)を有する。内視鏡情報管理システム56は、内視鏡システム11から配信された音声が内視鏡情報管理システム56の動作に対応する音声かどうかを判定し、判定に従って、内視鏡情報管理システム56を作動制御する内視鏡情報管理プロセッサ(第3プロセッサ)を有する。なお、内視鏡情報管理システム56は、内視鏡システム11と通信を行って、内視鏡システム11に各種情報を送信し、また、内視鏡システムからの情報に基づいて、内視鏡レポートの作成などを行う。
【0050】
例えば、内視鏡システム11と、X線透視装置15とを併用して内視鏡検査を行う場合には、タブレット端末12が、マイク13によって入力される音声「フリーズ」を受け付けた場合、内視鏡システム11の内視鏡プロセッサは、音声「フリーズ」に対応するフリーズ機能を作動させ、且つ、音声「フリーズ」を、X線透視装置15のX線プロセッサに送信する。X線プロセッサは、内視鏡システム11から送信された音声「フリーズ」は、X線透視装置15の動作に対応する音声であると判定する。この判定に従って、X線透視装置15は、音声「フリーズ」に対応するフリーズ機能を作動させる。
【0051】
以上により、内視鏡システム11及びX線透視装置15でフリーズ機能が作動することで、内視鏡システム11で得られる内視鏡画像のフリーズ画像と、X線透視装置15で得られるX線画像のフリーズ画像が得られる。これにより、1つのマイク13で、2つの医療システムの音声操作(フリーズ機能)を行うことができる。なお、タブレット端末12が音声「光源切替」を受け付けた場合、音声「光源切替」は、内視鏡システム11の動作に対応するものの、X線透視装置15の動作には対応していない。そのため、音声「光源切替」の場合には、内視鏡システム11で光源切替が行われる一方で、X線透視装置15では動作が行われない。
【0052】
また、内視鏡システム11と、内視鏡情報管理システム56とを併用して内視鏡検査管理を行う場合には、タブレット端末12が、マイク13によって入力される音声「レポート用画像」を受け付けた場合、内視鏡システム11の内視鏡プロセッサは、音声「レポート用画像」に対応するレポート用画像取得機能を作動させ、且つ、音声「レポート用画像」を、内視鏡情報管理システム56の内視鏡情報管理プロセッサに送信する。内視鏡情報管理プロセッサは、内視鏡システム11から送信された音声「レポート用画像」は、内視鏡情報管理システム56の動作に対応する音声であると判定する。この判定に従って、内視鏡情報管理システム56は、音声「レポート用画像」に対応するレポート用画像取得機能を作動させる。
【0053】
以上により、内視鏡システム11及び内視鏡情報管理システム56でレポート用画像取得機能が作動することで、内視鏡システム11にてレポート用画像が取得され、内視鏡情報管理システム56は、例えば、内視鏡システム11以外の画像管理サーバなどから、レポート用画像を取得する。これにより、1つのマイク13で、2つの医療システムの音声操作(レポート用画像取得機能)を行うことができる。なお、タブレット端末12が音声「光源切替」を受け付けた場合、音声「光源切替」は、内視鏡システム11の動作に対応するものの、内視鏡情報管理システム56の動作には対応していない。そのため、音声「光源切替」の場合には、内視鏡システム11で光源切替が行われる一方で、内視鏡情報管理システム56では動作が行われない。
【0054】
音声を選択して配信する場合について、図18に示すように、医療システムユニット65が、内視鏡システム11(第1医療システム)、X線透視装置15(第2医療システム)、及び、内視鏡情報管理システム56を含む複数の医療システムと、タブレット端末12(音声操作端末)とを備える場合について説明する。ここで、タブレット端末12は、マイク13を介して入力された音声を受け付け、且つ、複数の医療システムと接続されている。また、タブレット端末12は、音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかを判定し、判定に基づいて、各医療システムに配信制御する。なお、音声を選択して配信する場合において、複数の医療システムが第1医療システム及び第2医療システムのみで構成される場合、第2医療システムは、X線透視装置15の他、超音波内視鏡システム50、又は、内視鏡情報管理システム56であってもよい。
【0055】
なお、図18においては、ドクター、看護師などのユーザーが用いるインカム67a、67bと接続されたインカムシステム67も、タブレット端末12に接続されている。インカム67a、67bには、マイク機能とイヤホン機能が設けられており、無線でインカムシステム67と、音声データを送受信する。インカムシステム67は、タブレット端末12との間で、音声データを送受信する。このようなインカムシステム67にも音声を配信するようにしたことで、マイクが接続された医療システムだけでなく、ユーザー間のコミュニケーションツールとしても利用することができる。なお、マイク13で音声操作することに代えて又は加えて、インカム67a、67bで音声操作を行ってもよい。
【0056】
具体的には、タブレット端末12は、マイク13が検出したウェイクワード(音声操作起動用音声)の認識によって、音声が、各医療システムの動作に対応するかどうかを判定する。例えば、タブレット端末12が、ウェイクワードがX線検査を表す音声「Hi,XRay」を認識した場合には、音声「Hi,XRay」の認識後は、タブレット端末12は、マイク13で入力された音声を、X線透視装置15、及び、X線検査を行うユーザーのインカム67a、67bに配信する一方、音声は、内視鏡システム11及び内視鏡情報管理システム56には配信されない。したがって、タブレット端末12は、各システムに対する音声スイッチング機能を備えたセンターデバイスとしての役割を果たす。
【0057】
なお、上記実施形態において、第1プロセッサ、第2プロセッサ、又は、第3プロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0058】
[マイク接続方法に関する請求の範囲]
[付記項1]
音声が入力されるマイクと、
前記マイクの接続制御を行う音声操作端末とを備える医療システム。
[付記項2]
前記音声操作端末は、前記マイクの電界強度を表示する付記項1記載の医療システム。
[付記項3]
前記マイクの電界強度は、数値表示、又は、ボリューム表示される付記項2記載の医療システム。
[付記項4]
前記接続制御は、前記電界強度が基準値を超えるか否かによって行われる付記項2記載の医療システム。
[付記項5]
前記音声操作端末は、前記マイクの音声ボリュームを表示する付記項1記載の医療システム。
[付記項6]
前記マイクの接続制御は、前記音声操作端末で検出した音と前記マイクで検出した音との相関に基づいて行われる付記項1記載の医療システム。
[付記項7]
前記音声操作端末には、複数のマイクが予め登録されている付記項1記載の医療システム。
[付記項8]
前記音声操作端末は、前記複数のマイクのうち接続可能なマイクについて、前記接続可能であることを表示する付記項7記載の医療システム。
[付記項9]
前記複数のマイクが接続可能である場合には、選択操作によって選択されたマイクが接続される付記項7記載の医療システム。
[付記項10]
互いに異なる第1医療システム及び第2医療システムを有する医療システムユニットにおいて、
前記第1医療システムに接続可能なマイク、及び、前記第2医療システムに接続可能なマイクについて、それぞれ接続可能であることを表示する音声操作端末を有する医療システムユニット。
[付記項11]
ドクターページを表示するディスプレイを有し、
前記ドクターページで、ドクター名を選択することよって、前記ドクター名と予め関連付けられたマイクに接続する医療システム。
[付記項12]
前記第1医療システムに接続可能なマイクについて、選択操作によって選択されたマイクが接続され、
前記第2医療システムに接続可能なマイクについて、選択操作によって選択されたマイクが接続される付記項10記載の医療システムユニット。
【0059】
[音声操作に関するユーザーインターフェースに関する請求の範囲]
[付記項1]
音声操作機能に対応し、機能切替操作可能又は情報表示可能な音声操作機能表示面を表示する音声操作端末を備え、
前記音声操作機能表示面は、前記音声操作機能の動作ステップ状態、音声操作された内容、及び、音声操作対象機能の動作状態うち少なくとも一つをリアルタイムに表示更新する医療システム。
[付記項2]
前記動作ステップ状態は、前記音声操作端末に対する切替操作によって、切り替えられる付記項1記載の医療システム。
[付記項3]
前記動作ステップ状態は、ウェイクワードによって、切り替えられる付記項1記載の医療システム。
[付記項4]
前記ウェイクワードによって前記動作ステップ状態が切り替えられた場合において、前記音声操作機能に対応する音声が検出されると、前記動作ステップ状態が切り替えられる付記項3記載の医療システム。
[付記項5]
前記音声操作機能の動作状態は、目的の動作状態に対応する音声をマイクで検出すること、又は、前記音声操作機能表示面に対して切替操作を行うことによって、ダイレクトに切り替えられる付記項1記載の医療システム。
[付記項6]
複数の操作手段のうち最初に行われた特定の操作手段による操作を受け付けた場合には、前記複数の操作手段のうち前記特定の操作手段以外の他の操作手段による操作の受け付けを禁止する付記項1記載の医療システム。
【符号の説明】
【0060】
10、10a、10b 内視鏡室
11、11a、11b 内視鏡システム
12、12a、12b タブレット端末
13、13a、13b マイク
14 X線室
15 X線透視装置
20 ドクターページ
21、21a、21b、21p、21q、21r、21s 音声操作機能表示面
30 スコープ
31 フットスイッチ
32 光源装置
33 プロセッサ装置
40 ディスプレイ
41 音声操作機能表示面
42 アイコン
45 医療システムユニット
50 超音波内視鏡システム
51 ディスプレイ
55 医療システムユニット
56 内視鏡情報管理システム
65 医療システムユニット
67 インカムシステム
67a、67b インカム
SL 基準ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18