IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェーの特許一覧

特開2024-7511クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置
<>
  • 特開-クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置 図1
  • 特開-クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置 図2
  • 特開-クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置 図3
  • 特開-クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置 図4
  • 特開-クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置 図5
  • 特開-クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007511
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】クロスフローを有する複数の基板を処理するための半導体処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240110BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023108472
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】63/358,207
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イヴォ・ライマーカー
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA06
4K030EA05
4K030EA06
4K030EA11
4K030FA01
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA13
4K030HA01
4K030KA04
4K030KA12
4K030LA15
5F045AA08
5F045AA15
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AE19
5F045AE21
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF07
5F045AF13
5F045BB03
5F045DP19
5F045DQ05
5F045EB06
5F045EF01
5F045EF03
5F045EF09
5F045EF13
5F045EG01
5F045EH18
(57)【要約】
【課題】複数の基板を処理するための半導体処理装置が提供される。
【解決手段】好ましい実施形態では、装置は、反応チャンバを備える。反応チャンバは、複数の基板を保持するために構築および配設された基板ボートを受容するための反応空間を備える。反応チャンバは、反応空間の中へとガスを提供するためのガス分配器と、反応空間からガスを除去するためのガス排出口と、をさらに備える。ボート、ガス分配器、およびガス排出口は、少なくとも部分的に基板をボート内に囲み、そして使用時に、ガス分配器からガス排出口へとガス流路を形成するように構築および配設され、ガス流路は実質的に基板の間に配向される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を処理するための半導体処理装置であって、
-反応チャンバであって、
-前記複数の基板を保持するために構築および配設された基板ボートを受容するための反応空間と、
-前記反応空間の中へとガスを提供するためのガス分配器と、
-前記反応空間からガスを除去するためのガス排出口と、を備える反応チャンバを備え、
前記ボート、前記ガス分配器、および前記ガス排出口が、前記ボート内の前記基板を少なくとも部分的に囲み、かつ使用時に、前記ガス分配器から前記ガス排出口へのガス流路を形成するように構築および配設され、前記ガス流路が前記基板間に実質的に配向される、半導体処理装置。
【請求項2】
前記ガス分配器が、前記反応空間の中へとガスを提供するための入口ガスマニホールドであり、かつ前記ガス排出口が、前記反応空間からガスを除去するための排出ガスマニホールドであり、
前記入口ガスマニホールドおよび前記排出ガスマニホールドの各々が、前記基板ボートに面するように構築および配設された凹形の側面を有し、それによって前記反応空間を形成し、
前記入口ガスマニホールドが、前記入口ガスマニホールドへとガスを提供するためのガス入口と、前記反応空間へと前記ガスを提供するための第1の組の開口部と、を備え、かつ前記排出ガスマニホールドが、前記ガスを前記排出ガスマニホールドから除去するためのガス排出出口と、前記反応空間から前記ガスを除去するための第2の組の開口部と、を備え、それによって、使用時に、前記ガス入口マニホールドから前記ガス排出マニホールドへと前記ガス流路を形成し、前記ガス流路が、前記基板間に実質的に配向される、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項3】
前記第1の組に属する前記開口部が、前記第2の組に属する前記開口部に少なくとも部分的に対応するように構築および適合される、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記複数の基板が、前記基板ボート内で、基板間隔によって互いに分離され、前記第1の組に属する前記開口部が、前記基板間隔を通して、前記第2の組に属する前記開口部に少なくとも部分的に対応するように構築および適合される、請求項2または3に記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記入口ガスマニホールドおよび前記排出ガスマニホールドの各々が、前記少なくとも1つのガス入口および前記少なくとも1つのガス排出出口へとそれぞれ動作可能に接続され、かつ前記ガスを分配するため、および前記入口ガスマニホールド内および前記排出ガスマニホールド内から前記ガスを排気するために、それぞれ構築および配設される、少なくとも1つの管を備える、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項6】
前記入口ガスマニホールドおよび前記排気マニホールドの各々が、ミッドピースマニホールドセクションおよび2つの端部マニホールドセクションを結合することによって形成される、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項7】
前記入口ガスマニホールドおよび前記排気マニホールドの前記ミッドピースマニホールドセクションの各々が、それぞれ、前記第1の組の開口部の列および第2の組の開口部の列を備え、それぞれの列の前記開口部の各々が、前記基板間隔を通して、少なくとも部分的に互いに対応するように構成および配設される、請求項6に記載の半導体処理装置。
【請求項8】
前記入口ガスマニホールドおよび前記排出ガスマニホールドの各々が、単一のマニホールドピースによって形成され、かつ前記少なくとも1つのガス入口および前記少なくとも1つのガス排出出口が、前記入口ガスマニホールドおよび前記排出ガスマニホールドに、その下端部およびその上端部のうちの少なくとも1つから動作可能に接続される、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項9】
前記入口ガスマニホールド、前記排出ガスマニホールド、および前記入口ガスマニホールドおよび前記排出ガスマニホールド内にそれぞれ備えられる少なくとも1つの管が、それぞれ金属から構築され、かつ材料の層が提供され、それによって、原位置クリーニングのために好適なエッチング剤に対するエッチングの選択性を提供する、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項10】
前記装置が、前記反応チャンバ内にバッフルをさらに備える、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項11】
前記バッフルが、前記複数の基板の各々の間に、前記反応空間内で、前記ガスを向かわせるように構築および配設される、請求項10に記載の前記半導体処理装置で使用するためのバッフル。
【請求項12】
前記バッフルが、前記入口ガスマニホールドおよび前記排出ガスマニホールドの前記対向する端部の間に画定される空間内に位置付けられるように構築および配設され、かつ画定された前記空間を通して長軸方向に延在するようにさらに構築および配設される、請求項11に記載のバッフル。
【請求項13】
前記ガス分配器が、前記反応空間の中へとガスを提供するためのガスインジェクタであり、前記ガス排出口が、前記反応空間からガスを除去するためのガス排出導管であり、かつ、
前記ガスインジェクタおよび前記排出導管の各々が、前記基板ボートに面するように構築および配置され、それによって前記反応空間を形成し、かつ、
前記基板ボートが、前記基板の周りの輪が除去され、それによって、使用時に、前記ガスインジェクタから前記ガス排出導管へのガス流路を形成し、前記ガス流路が前記基板間に実質的に配向されるように構築および配設される、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項14】
前記基板ボートが、前記第1の表面、前記第1の表面と反対側の第2の表面、および前記第1の表面を前記第2の表面へと接続する少なくとも4つの側面を備え、これにより第1の開口部および前記第1の開口部と反対側の第2の開口部が形成され、それによって、使用時に、前記ガスインジェクタから前記ガス排出導管へと前記ガス流を流す、請求項13に記載の半導体処理装置。
【請求項15】
前記少なくとも4つの側面が、前記基板ボートの対向する側面上の90°より大きい角度で2つの群で互いに接続された真っ直ぐな側面であり、これにより、前記基板ボートが、前記ガスインジェクタから前記ガス排出導管への前記ガス流の方向で減少する断面を有し、使用時に前記ガス流が収束ガス流である、請求項14に記載の半導体処理装置。
【請求項16】
前記排出ガス導管の圧力が、前記反応空間内の圧力より低い、請求項13に記載の半導体処理装置。
【請求項17】
前記反応チャンバが、長方形または正方形の形状を有する、請求項13に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体業界において基板を処理するために使用される機器の分野に関する。より具体的には、本開示は、複数の基板を処理するための半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基板を処理するための半導体処理装置が、半導体処理にますます採用されるようになってきた。これは、プロセス実行当たり増加した数の基板をプロセスすることができる一方で、基板当たりに製造されるチップ数の増加に起因する場合があり、それ故にプロセスのスループットの改善に役立つだけでなく、製造全体のスループットの改善にも役立つ。具体的には、垂直炉は、使用可能なクリーンルーム空間で占有される装置のフットプリントを低減することによって、操業コストの節約にさらに役立つ場合がある。垂直炉は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)だけでなく、酸化、拡散、アニーリングなどの堆積プロセスのために使用されてもよい。
【0003】
垂直炉の採用はまた、プロセス性能に関して様々な課題も提示する場合がある。これらは、堆積特性の調整からクリーニングまで様々である場合がある。プロセスチャンバ内の反応空間内の前駆体ガスの提供および流れは、複数の基板間の拡散に依存する場合がある、均一性、段差被覆、材料特性に役割を果たす場合がある。ガスインジェクタは、これに対処する改善措置としてある程度作用する場合があるが、ガスインジェクタは不均一性に関して課題をもたらす場合がある。
【0004】
したがって、当技術分野では、複数の基板間の流れの改善を可能にすることの必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
この「発明の概要」は、選択された概念を、簡略化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0006】
複数の基板間にバランスの取れた前駆体ガスの流れを提供することに関して改善された半導体処理装置を提供することが、本開示の目的である。より具体的には、プロセス収率に関して改善を提供し、かつ複数の基板の各基板にわたって均一な処理特性を可能にすることが目的である。この目標を少なくとも部分的に達成するために、本開示は、独立請求項に定義されるような、半導体処理装置を提供してもよい。半導体処理装置のさらなる実施形態は、従属請求項に提供される。
【0007】
本開示は、複数の基板を処理するための半導体処理装置に関する。装置は、反応チャンバを備えてもよい。反応チャンバは、複数の基板を保持するために構築および配設された基板ボートを受容するための反応空間を備えてもよい。反応チャンバは、反応空間の中へとガスを提供するためのガス分配器と、反応空間からガスを除去するためのガス排出口と、をさらに備えてもよい。ボート、ガス分配器、およびガス排出口は、少なくとも部分的に基板をボート内に囲み、そして使用時に、ガス分配器からガス排出口へと流路を形成するように構築および配設されてもよく、ガス流路は実質的に基板の間に配向されてもよい。
【0008】
本開示による本発明の半導体処理装置は、反応空間内の長軸方向のプロセスガスの流れを比較して、反応空間を横切るプロセスガスの流れの改善を可能にする場合があり、それによって水平流を可能にする場合がある。さらに、基板ボート内に配設された複数の基板間のプロセスガス流を改善し、それによってクロスフローを可能にする場合がある。本開示の実施形態による半導体処理装置は、それ故に基板ボート内に配設された複数の基板の各基板が、処理のためにその表面にわたってプロセスガスを均一に受容することを可能にする利点を提供する場合がある。
【0009】
それ故に、プロセス性能が改善される場合があることは、本開示の実施形態の利点である場合がある。これは、次いで、有利なことに、基板の各々の表面にわたる均一性の改善につながる場合がある。これはまた、有利なことに、段差被覆の改善にもつながる場合がある。
【0010】
さらに、プロセスガスの利用対プロセスガスの提供の比が、クロスフローを可能にしたおかげで改善される場合があることは、本開示の実施形態の利点である場合がある。これは、次いで有利なことに、前駆体の効率的な利用、形成された層の改善された材料特性、および高い表面積構造における改善されたコンフォーマル性を可能にする場合がある。
【0011】
したがって、メモリデバイス、特にDRAMおよびVNANDなどの高い表面積構造を備えるものの製造が改善される場合があることは、本開示の実施形態の利点である場合がある。
【0012】
さらに、プロセススループットが向上する場合があることは、本開示の実施形態の利点である場合がある。これは、全体的な製造スループットの改善においてさらに有利である場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。図面では、別段の記載のない限り、同様の要素に対して同様の参照番号が使用されることになる。
【0014】
図1図1は、本開示の実施形態による半導体処理装置の概略上面図である。
図2図2a~図2cは、本開示の実施形態による、半導体処理装置の入口ガスマニホールド/排出ガスマニホールドの異なる構成を有する半導体処理装置の概略上面図である。
図3図3a~図3bは、本開示の実施形態による、開口部を含む半導体処理装置の入口ガスマニホールド/排出ガスマニホールドの概略正面図である。
図4図4aおよび図4bは、本開示の実施形態による、半導体処理装置の製造で使用されるミッドピース入口ガスマニホールドセクションの概略正面図である。
図5図5a~図5cは、本開示の実施形態による、異なるように構成されたバッフルを備える半導体処理装置の概略上面図である。
図6図6aおよび図6bは、本開示の実施形態によるガス分配器およびガス排出導管を有する半導体処理装置の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ある特定の実施形態および実施例を下記に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、後述する特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0016】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0017】
示され、かつ記述された特定の実装は、本発明およびその最良の形態の例示であり、態様および実施の範囲をいかなるやり方でも、別の方法で限定することを意図しない。実際、簡潔のために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加的な機能的関係、または物理的接続が実際のシステムにおいて存在してもよく、また/または一部の実施形態では存在しなくてもよい。
【0018】
本明細書に記述される構成および/または取り組みは本質的に例示的であり、またこれらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるため、限定的な意味と考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記述される具体的なルーチンまたは方法は、任意の数の処理方策のうちの1つ以上を代表する場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される順序で実施されてもよく、他の順序で実施されてもよく、または一部の事例では省略されてもよい。
【0019】
本開示の主題は、本明細書に開示の様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分組み合わせ、ならびにそのありとあらゆる均等物を含む。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲に出現する第1の、第2の、第3の、およびこれに類する用語は、任意の様態において必ずしも順番または順序を記述するために使用されない。それどころか、それらは、類似の要素または類似の特徴の間で区別することを意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」という用語は、その後に列挙される手段に制限されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。この用語は、他の要素または工程を除外するものではない。それ故に、1つ以上の他の工程、構成要素、もしくは特徴、またはそれらの群が存在すること、または追加されることを妨げない。この用語は、記載された特徴、工程、または構成要素が、言及されるように存在を特定するものとして解釈されるべきである。
【0022】
本明細書全体を通して、様々な場所における「実施形態」への参照は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すとは限らないが、そのように指す場合もある。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示から当業者には明らかであることになるように、1つ以上の実施形態では、任意の好適な様態で組み合わせられてもよい。
【0023】
本明細書全体を通して、「一部の実施形態(some embodiments)」への言及は、これらの実施形態に関連して記述される特定の構造、特徴工程が、本発明の実施形態の一部の中に含まれることを意味する。それ故に、本明細書全体を通して様々な場所で出現する「一部の実施形態では」などの句は、必ずしもすべてが同じ実施形態の収集を指すとは限らないが、そのように指す場合もある。
【0024】
特許請求の範囲において使用される「実質的に含む」という用語は、具体的に述べられたものより多くのさらなる構成要素、すなわち、言及される材料、化合物、または組成物の本質的な特性に実質的に影響を与えないものが、存在することができるが、しかし必ずしも存在しなければならないわけではないことを指すことに留意されたい。
【0025】
本明細書に記述される一部の実施形態は、他の実施形態に含まれる一部の特徴を含むが、他の特徴は含まない。しかしながら、当業者であれば理解するであろうように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本開示の範囲内であり、また異なる実施形態を形成することを意味する。
【0026】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「均一性」という用語は、複数の基板上に形成された層の厚さの最小限の変動しか有しないことを指す場合がある。
【0027】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「水平流」という用語は、例えば、プロセスガスが、反応空間内で長軸方向に流れるのではなく、主に反応空間を横切って流れ、それによって、プロセスガスが、複数の基板の各々の表面に平行に流れる垂直炉におけるような状況を指してもよい。
【0028】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「クロスフロー」という用語は、例えば、プロセスガスが、基板の周りを流れるのではなく、主に基板間を流れ、それによって、プロセスガスが、複数の基板の各々の表面に平行に流れる垂直炉におけるような状況を指してもよい。
【0029】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「垂直炉」という用語は、垂直方向で長軸方向に延在し、また基板ボート内に提供される複数の基板を一度にプロセスすることができる半導体処理装置を指してもよい。
【0030】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「基板」という用語は、使用されてもよい、またはその上にデバイス、回路、もしくは膜が形成されてもよい、任意の下地材料を指してもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「段差被覆」という用語は、特徴の底部の膜の厚さと、その上面の膜の厚さとの比を指してもよく、特徴は、例えば、ギャップまたはトレンチなどのように、基板の表面から突出する、または基板内に形成される。
【0032】
本明細書で使用される場合、また別段の定めがない限り、「基板間に実質的に配向されたガス流路」という用語は、ほとんどが基板間の空間を通して生じるガス流を指す場合がある。
【0033】
ここで、本開示のいくつかの実施形態の詳細な記述によって本開示を記述する。本開示の他の実施形態を、本開示の技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成することができることは明らかである。本開示は、本明細書に含有される特許請求の範囲の条件によってのみ制限される。
【0034】
本開示の半導体処理装置(100)は、反応チャンバ(120)を備えてもよい。実施形態では、半導体処理装置(100)は垂直炉であってもよい。反応チャンバ(120)は、複数の基板(180)を保持するために構築および配設された基板ボート(170)を受容するための反応空間(140)を備えてもよい。
【0035】
一部の実施形態では、複数の基板(180)は、半導体基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、Si(111)基板またはSi(100)基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、窒化ケイ素基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、炭化ケイ素基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、第III‐V族基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、第III‐N族基板であってもよい。第III‐N族基板は、一部の実施形態では、窒化アルミニウムまたは窒化ガリウム基板であってもよい。実施形態では、1つ以上の表面層が存在してもよく、または複数の基板上に形成されてもよい。
【0036】
一部の実施形態では、複数の基板(180)は、半導体層を含んでもよい。この半導体層は、一部の実施形態では、ケイ素層であってもよい。ケイ素層は、実施形態では、Si(100)層またはSi(111)層であってもよい。
【0037】
反応チャンバ(120)は、反応空間の中へとガスを提供するためのガス分配器(130、210)と、反応空間(140)からガスを除去するためのガス排出口(135、220)と、をさらに備えてもよい。
【0038】
反応空間の中へと提供されるガスは、一部の実施形態では、複数の基板(180)上に膜を形成するためのプロセスガスであってもよい。プロセスガスは、実施形態では、1つ以上の前駆体ガスを含んでもよい。1つ以上の前駆体ガスは、1つ以上の反応ガス混合物中に含まれてもよい。各反応ガス混合物は、堆積サイクル内に含まれてもよい1つ以上の堆積パルスによって、反応チャンバへと提供されてもよい。複数の堆積サイクルの実行は、複数の基板の各基板の表面上の膜の形成につながる場合がある。
【0039】
一部の実施形態では、ガスは不活性ガスを指してもよい。一部の実施形態では、不活性ガスは、例えば、Ar、Kr、Ne、He、またはXeなどの実質的に1つ以上の貴ガスを含んでもよい。一部の実施形態では、不活性ガスは、実質的に、Nおよび1つ以上の貴ガスのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0040】
半導体処理装置(100)は、実施形態では、コントローラを備えてもよい。コントローラは、半導体処理装置に、1つ以上の前駆体ガスを反応チャンバの中へと提供させ、それによって、複数の基板上に膜を形成することができるように構成されてもよい。
【0041】
半導体処理装置は、実施形態では、ガスをガス分配器へと提供するためのガス入口を備えてもよい。反応空間からガスを除去するためのガス排出口は、排出ガス出口に接続されて、次いで、排出ガスを半導体処理装置の外側へ送達してもよい。反応空間からガスを除去するためのガス排出口は、反応チャンバ内の圧力を制御するためにポンプに動作可能に接続されてもよい。半導体処理装置は、実施形態では、ヒーターをさらに備えてもよい。ヒーターは、反応チャンバを、膜の形成を実行するために必要とされる温度まで加熱するように構成されてもよい。
【0042】
ボート(170、171)、ガス分配器(130、210)、およびガス排出口(135、220)は、少なくとも部分的に基板(180)をボート(170、171)内に囲み、そして使用時に、ガス分配器(130、210)からガス排出口(135、220)へと流路を形成するように構築および配設されてもよく、ガス流路は実質的に基板の間に配向されてもよい。この構成は、半導体処理装置が使用中である時、基板間にプロセスガスのクロスフローを提供する利点を提供してもよい。これは、複数の基板(180)の各基板の表面上のプロセスガスのバランスの取れた分配を可能にする場合があり、表面は、膜がその上に形成されてもよい表面である。それ故に、これは、結果として、基板の各々の表面にわたる改善された厚さの均一性につながる場合がある。また、有利なことに、基板の表面にわたって改善された段差被覆を得ることも可能にする場合がある。加えて、プロセスガスに含まれる場合がある1つ以上の前駆体ガスの改善された利用を提供する場合がある。基板(180)の間に実質的に配向されるガスの流れを有することは、表面反応を強化することを増加する場合があり、可能にする場合があり、それによって前駆体ガスの無駄を最小化する場合がある。1つ以上の前駆体ガスの改善された利用は、最終的にプロセスコストの低減につながる場合がある。
【0043】
図1は、本開示の実施形態により、複数の基板を処理するための半導体処理装置の概略上面図を示す。
【0044】
一部の実施形態では、ガス分配器は、反応空間(140)の中へとガスを提供するための入口ガスマニホールド(130)であってもよく、またガス排出口は、反応空間(140)からガスを除去するための排出ガスマニホールド(135)であってもよい。入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々は、凹形の側面(133)を有してもよい。凹形の側面(133)は、基板ボートに面するように構築および配設されてもよく、それによって反応空間(140)を形成してもよい。したがって、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)は、基板ボート内の基板を少なくとも部分的に囲んでもよい。入口ガスマニホールド(130)は、入口ガスマニホールド(130)へとガスを提供するためのガス入口(図1には示さず)と、反応空間(140)へとガスを提供するための第1の組の開口部とを備えてもよく(ガスの提供は、上部の矢印の列によって概略的に表される)、また排出ガスマニホールド(135)は、ガスの排出ガスマニホールド(135)からの除去のためのガス排出出口(図1に示さず)と、反応空間(140)からガスを除去するための第2の組の開口部とを備えてもよく(ガスの除去は、下部の矢印の列によって概略的に表される)、それによって、使用時に、ガス入口マニホールド(130)から排出ガスマニホールド(135)へと、ガス流路を形成し、ガス流路は、実質的に基板間に配向されてもよい。
【0045】
これは、半導体処理装置が使用中である時に、基板間のガスのクロスフローを得ることを可能にする場合がある。これは、複数の基板の各基板の表面にわたるガスのバランスの取れた分配をさらに可能にし、表面は、膜がその上に形成されてもよい表面である。それ故に、これは、結果として、基板の各々の表面にわたる改善された厚さの均一性につながる場合がある。また、有利なことに、基板の表面にわたって改善された段差被覆を得ることも可能にする場合がある。
【0046】
したがって、第1および第2の組の開口部は、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の凹形の側面(133)上に位置してもよい。
【0047】
実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々は、凹形の側面(133)が別の凹形の側面(138)に面してもよく、そのため、マニホールド(130、135)は、内部の凹形の側面(133)および外部の凹形の側面(138)を有してもよいように構築されてもよい。それ故に、この構成は、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)を円弧形状にすることを可能にする場合がある。円弧形状のマニホールドは、特に半導体処理装置が垂直炉である場合に、反応チャンバ(120)内に適合することがより簡単であるという点で有利である場合がある。このマニホールドは、プロセスチャンバ(120)の内側に簡単に整列および適合することができるため、装置のフットプリントを維持する利点をさらに提供する。これらの実施形態では、第1の組の開口部および第2の組の開口部はそれぞれ、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の内部の凹形の側面(133)上に位置してもよい。
【0048】
反応チャンバ(120)は、中央軸を有してもよく、また反応空間(140)および基板ボートは、したがって、中心軸に対して同心であってもよい。したがって、反応チャンバ(120)が空である時、例えば、基板ボートが反応チャンバ(120)の中へとまだ装填されていない時は、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々の凹形の側面(133)は、中央軸に面していてもよい。
【0049】
基板ボートが反応空間(140)を通して反応チャンバ(120)の中へと装填された時、基板ボートは、反応チャンバ(120)の高さに沿って延在してもよい。
【0050】
実施形態では、半導体処理装置は垂直炉であってもよい。
【0051】
実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)は、反応チャンバ(120)の高さに沿って延在してもよく、それによって、基板を基板ボート内で少なくとも部分的に囲む。
【0052】
実施形態では、反応チャンバ(120)は、反応器を形成するためのプロセスチューブ(110)によって境界付けされてもよい。プロセスチューブ(110)は、円形状または正方形の形状を有してもよい。
【0053】
実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々は、少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス排出出口にそれぞれ動作可能に接続された少なくとも1つの管(131、132)を備えてもよい。少なくとも1つのガス入口に動作可能に接続される少なくとも1つの管(131)は、入口ガスマニホールド(130)内にガスを分配するように構築および配設されてもよい。それ故に、少なくとも1つの管(131)は、「供給管」と呼ばれる場合がある。
【0054】
少なくとも1つのガス排出出口に動作可能に接続された少なくとも1つの管(132)は、排出ガスマニホールド(135)内からガスを排気するために構築および配設されてもよい。それ故に、少なくとも1つの管(132)は、「排気管」と呼ばれる場合がある。
【0055】
実施形態では、供給管(131)および排気管(132)は、入口ガスマニホールド(130)または排出ガスマニホールド(135)の高さに沿って、少なくとも部分的に長軸方向に延在してもよい。言い換えれば、供給管(131)および排気管(132)は、入口ガスマニホールド(130)または排出ガスマニホールド(135)の高さに沿って、少なくとも部分的に垂直方向に延在してもよい。実施形態では、供給管(131)は、その遠位端部においてガス噴出ポートを備えてもよく、それによって、ガスが入口ガスマニホールド(130)の中へと入ることを可能にする。遠位端部は、供給管の先端に位置することが理解されるべきである。実施形態では、排気管(132)は、その遠位端部にガス収集ポートを備えてもよく、それによって、排出ガスマニホールド(135)内でガスを収集し、そしてガスを排出ガスマニホールド(135)から除去される役に立つことを可能にする。遠位端部は、排気管の先端に位置することが理解されるべきである。
【0056】
供給管および排気管の形状、数、およびサイズは、一部の実施形態では、同じであってもよい。一部の実施形態では、供給管および排気管の形状、数、およびサイズは異なってもよい。これは、装置内で実行されるプロセスのタイプに依存してもよい。それ故に、これは、少なくとも、プロセス温度、プロセス圧力、前駆体ガスのタイプ、および前駆体ガスの分圧に依存してもよい。
【0057】
入口ガスマニホールド(130)内に複数の供給管(131)を有することは、バランスの取れた基板表面のガスへの曝露を可能にする場合があり、ガスは、1つ以上の前駆体を含む、入口ガスである。さらに、この曝露は、より短い期間内で達成される場合がある。例えば、複数の前駆体を使用する必要があり、かつこれらの前駆体を反応空間(140)内に同時に提供する必要がある、言い換えれば、「共流提供」と呼ばれるプロセスについては、入口ガスマニホールド(130)に2つ以上の供給管を使用することが有利である場合がある。
【0058】
複数の排気管(132)を排出ガスマニホールド(135)内に有することは、ガスを除去することによって、反応空間(140)のより素早い排気を可能にする場合があり、ガスは、反応産物、副産物または未反応前駆体ガスを含む。これは、より高い量の反応産物または副産物が生成されると予想される場合、特に有利である場合がある。さらに、排出ガスマニホールド(135)内に複数の排気管(132)を有することは、反応チャンバ(120)内の前駆体の滞留時間を減少させるためにさらに役立つ場合がある。それ故に、排出ガスマニホールド(135)内に2つ以上の排気管を有することは、プロセススループットの改善も可能にする場合がある。
【0059】
入口ガスマニホールド(130)内の複数の供給管(131)および排出ガスマニホールド(135)内の複数の排気管(132)の位置決めは、実施形態ではそれぞれ、入口ガスマニホールド(130)内のガスの最適化された分配、および排出ガスマニホールド(135)からのガスの最適化された除去を可能にするように、配設されてもよい。実施形態では、入口ガスマニホールド(130)内の複数の供給管(131)の各々、および排出ガスマニホールド(135)内の複数の排気管(132)の各々は、それぞれ、互いに30°~180°の角度下であってもよい。
【0060】
一方で、供給管および排気管の形状およびサイズは、前駆体の流体力学および反応産物または副産物の流体力学を調整するように構成されてもよい。一部の実施形態では、供給管および排気管の形状は円筒状であってもよい。
【0061】
図2a~図2cは、本開示の実施形態による、半導体処理装置の入口ガスマニホールド(130)または排出ガスマニホールド(135)の異なる構成を有する半導体処理装置の概略上面図である。これらの図で概略的に表されるように、反応チャンバ(120)内の入口ガスマニホールド(130)の数および排出ガスマニホールド(135)の数は、異なってもよい。装置内で実行されるプロセスに応じて、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の数および構成を調整することは有利である場合がある。
【0062】
一部の実施形態では、図2aで概略的に表されるように、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々は、凹形の側面(133)が真っ直ぐな側面(137)に面しうるように構築されてもよい。この概略図面で見られるように、反応空間(140)を形成する、単一の入口ガスマニホールド(130)および単一の排出ガスマニホールド(135)がある。図2aで概略化されるように、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々の数は、一部の実施形態では、1より大きくてもよいことが理解されるべきである。例示的な実施形態では、好ましくは、反応チャンバ(120)内で互いに垂直に位置付けられてもよい、2つの入口ガスマニホールドおよび2つの排出ガスマニホールドがあってもよい。この例示的な実施形態では、2つの入口ガスマニホールド(130)の各々、および2つの排出ガスマニホールド(135)の各々は、それぞれ、反応空間(140)を横切って互いに面して位置付けられてもよい。
【0063】
一部の実施形態では、図2bおよび図2cに概略的に表されるように、円弧形状のマニホールドの総数は、3つ以上であってもよい。
【0064】
図2bは、反応チャンバ(120)内の概略的に2つの入口ガスマニホールド(130)および単一の排出ガスマニホールド(135)を表す。この構成は、例えば、入口ガスマニホールドのうちの1つが、反応空間(140)の中へと第1の前駆体ガスを提供するための専用であってもよく、またもう一方の入口ガスマニホールドが、反応空間(140)の中へと第2の前駆体ガスを提供するための専用であってもよいように、2つの前駆体が使用される時など、有利である場合がある。次いで、第1の前駆体ガスおよび第2の前駆体ガスの両方は、同じ排出ガスマニホールド(135)によって反応空間(140)から除去されてもよい。この構成は、原子層堆積(ALD)によって層を形成する時に使用されてもよい。異なる入口ガスマニホールドを通して第1の前駆体ガスおよび第2の前駆体ガスを反応空間(140)へと提供することは、入口ガスマニホールドの内表面がいかなる時点でも2つの前駆体と接触しないため、有利なことに、入口ガスマニホールドの内表面上のコーティング形成のリスクを低減する場合がある。一部の実施形態では、単一の入口ガスマニホールド(130)および2つの排出ガスマニホールド(135)(図には示さず)があってもよいことが理解されるべきである。これは、反応空間(140)からのガスのより速い除去を提供する上で有利である場合がある。
【0065】
図2cは、反応チャンバ(120)内に、例えば、2×2の構成を有するなど、2つの入口ガスマニホールド(130)および2つの排出ガスマニホールド(135)を、概略的に表す。この例示的な実施形態で表されるように、2つの入口ガスマニホールド(130)および2つの排出ガスマニホールド(135)は、それぞれ、反応空間(140)を横切って互いに面して位置付けられてもよい。この構成は、例えば、入口ガスマニホールドのうちの1つが、反応空間(140)の中へと第1の前駆体ガスを提供するための専用であってもよく、またその他の入口ガスマニホールドが、反応空間(140)の中へと第2の前駆体ガスを提供するための専用であってもよいように、2つの前駆体が使用される時などにも、有利である場合がある。
【0066】
一部の実施形態では、第1の前駆体ガスおよび第2の前駆体ガスは、反応空間(140)へと同時に提供されてもよく、それによって、反応空間(140)内で2つの前駆体混合物を有する利点を提供してもよい。反応チャンバ(120)内で互いに面して位置付けられた2つの排出ガスマニホールド(135)は、有利なことに、反応副産物、または第1の前駆体ガスの少なくとも一部分、および第2の前駆体ガスの少なくとも一部分の反応空間(140)からのより速い除去を一緒に可能にする場合がある。この構成は、化学蒸着(CVD)によって層を形成する時にも使用されてもよい。
【0067】
一部の実施形態では、第1の前駆体ガスおよび第2の前駆体ガスは、別個の入口ガスマニホールドを通して反応空間(140)へと交互に提供されてもよい。反応チャンバ(120)内で互いに面して位置付けられた2つの排出ガスマニホールド(135)は、有利なことに、反応副産物、または第1の前駆体ガスの少なくとも一部分、および第2の前駆体ガスの少なくとも一部分の反応空間(140)からのより速い除去を一緒に可能にする場合がある。この構成は、原子層堆積(ALD)によって層を形成する時にも使用されてもよい。
【0068】
一部の実施形態では、第1の前駆体ガスは、2つの入口ガスマニホールドのうちの1つによって反応空間へと提供されてもよく、また2つの排出ガスマニホールドのうちの1つは、反応空間(140)から第1の前駆体ガスを除去するように適合されてもよく、一方で第2の前駆体は、もう一方の入口ガスマニホールドによって反応空間(140)へと提供されてもよく、またもう一方の排出ガスマニホールドは、反応空間(140)から第2の前駆体ガスを除去するように適合されてもよい。この構成は、原子層堆積(ALD)によって層を形成する時にも使用されてもよい。異なる入口ガスマニホールドを通して、第1の前駆体ガスおよび第2の前駆体ガスを反応空間(140)へと提供し、かつ第1の前駆体ガスの少なくとも一部分および第2の前駆体ガスの少なくとも一部分を、異なる排出ガスマニホールドを通して反応空間(140)から除去することは、マニホールドの内表面がいかなる時点でも2つの前駆体と接触しないため、入口ガスマニホールドおよび排出ガスマニホールドの内表面上のコーティング形成のリスクを有利なことに低減する場合がある。
【0069】
一部の実施形態では、反応チャンバ(120)内に、3つの入口ガスマニホールドおよび単一の排出ガスマニホールドがあってもよい。この構成は、例えば、各前駆体が入口ガスマニホールド(130)の各々によって反応空間(140)の中へと提供されてもよいように、3つの前駆体が使用される時などに、有利である場合がある。この構成では、除去は、単一の排出ガスマニホールド(135)によって行われてもよい。
【0070】
円弧形状のマニホールドのサイズは、プロセスに従って調整されてもよいことが理解されるべきである。
【0071】
図2cで概略的に表されるような、2×2構成を有する一部の実施形態では、マニホールド(130、135)は同一であってもよい。図2cで概略的に表されるような、2×2構成を有する一部の実施形態では、マニホールド(130、1350はサイズが異なってもよい。
【0072】
図2cに概略的に表されるような2×2構成を有する一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)のサイズは、排出ガスマニホールド(135)のサイズより大きくてもよい。図2cに概略的に表されるような2×2構成を有する一部の実施形態では、排出ガスマニホールド(135)のサイズは、入口ガスマニホールド(130)のサイズより大きくてもよい。
【0073】
第1の組の開口部および第2の組の開口部の形状、サイズ、アライメント、および数は、基板ボート内の基板間の空間の中への均一なガスの流れおよび基板間のガスの均一な除去を得られる場合があり、それによってプロセス性能を向上させるように構成されてもよいことが理解されるべきである。第1の組の開口部および第2の組の開口部の形状、サイズ、アライメント、および数は、半導体処理装置で実行されるプロセスに従って構成されてもよいことがさらに理解されるべきである。
【0074】
図3aおよび図3bは、開口部(134)を含む半導体処理装置の円弧形状の入口ガスマニホールド(130)の正面図を概略的に表す。円弧形状の入口ガスマニホールド(130)は、内部の凹形の側面であってもよく、外部の凹形の側面であってもよい別の凹形の側面(138)に面してもよい凹形の側面(133)を有してもよい。概略図面では、マニホールドの高さに沿って延在してもよい2つの供給管(131)が示されている。
【0075】
一部の実施形態では、図3aによって表される場合があるように、開口部は丸い形状(134)を有してもよい。一部の実施形態では、丸い形状は、実質的に円形状であってもよい。一部の実施形態では、丸い形状は楕円状であってもよい。実施形態では、丸い形状の開口部(134)は、内部の凹形の側面(133)の表面積を横切って位置してもよい。一部の実施形態では、丸い形状の開口部(134)は、図3aに概略的に表されるように、高さに沿って長軸方向に同一直線上に、かつ入口ガスマニホールドの内部の凹形の側面(133)上で、周方向に整列されてもよい。
【0076】
一部の実施形態では、図3bによって表されてもよいように、開口部はスリット(136)の形状であってもよい。実施形態では、スリット形状の開口部(136)の場所およびアライメントは、図3aに概略的に表されるような、丸い形状の開口部(134)に対して開示されるものと類似していてもよい。
【0077】
開口部(134、136)のサイズは、半導体処理装置内で実行されるプロセスの必要性に従って、かつマニホールドのサイズに従って、さらに構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0078】
図3aおよび図3bは、入口ガスマニホールド(130)を概略的に表すが、類似の概略表現も、実施形態では、排出ガスマニホールド(135)のために保持されてもよいことがさらに理解されるべきである。
【0079】
実施形態では、第1の組に属する開口部は、少なくとも部分的に、第2の組に属する開口部に対応するように構築および適合されてもよい。入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の両方の凹形の側面(133)は、基板ボートに面するように構築および配設されてもよいため、次いで第1の組の開口部および第2の組の開口部も、基板ボートに面してもよい。したがって、形状、サイズ、アライメント、および数に依存して、第1の組の開口部および第2の組の開口部は、少なくとも部分的に、互いに対応してもよい。これは、反応空間(140)を横切るガスの搬送を可能にする場合がある。これは、特に、反応空間(140)を横切る、基板ボート内の基板間のクロスフローの様態でのガスの搬送を可能にする場合がある。
【0080】
実施形態では、複数の基板は、基板ボート内で、基板間隔だけ互いに分離されてもよい。次いで、第1の組に属する開口部は、基板間隔を通して、第2の組に属する開口部に少なくとも部分的に対応するよう構築および適合されてもよい。これは、基板ボート内の基板間の空間へのガスの均一な流れおよび基板間からのガスの均一な除去を有することの利点を提供してもよい。これは、間隔を一掃するガスの流れを得ることを可能にする場合があり、それによってプロセス性能の改善を提供する。これは、基板上に形成される層の厚さが、その表面にわたって実質的に同じであり得るように、均一性に関してプロセス性能を改善する上で有利である場合がある。さらに、これは、特に高い表面積構造のコンフォーマル性および段差被覆の改善を可能にする場合がある。
【0081】
一部の実施形態では、第1の組に属する開口部は、基板間隔を通して、第2の組に属する開口部に直接的に対応するように構築および適合されてもよい。一部の実施形態では、第1の組に属する開口部の1つ以上の列は、基板間隔を通して、第2の組に属する開口部の1つ以上の列に対応するように構築および適合されてもよい。間隔を通して対応する開口部の列の数は、プロセスに依存して構築および配設されてもよいことが理解されるべきである。拡散によって限定されない反応については、第1の組に属する複数列の開口部が、間隔を通して第2の組に属する複数列の開口部に対応しうるようであってもよい。
【0082】
実施形態では、基板ボート内の、基板の各々の間の間隔は、5mm~30mmの範囲内であってもよい。一部の実施形態では、間隔は、10mm~20mmであってもよい。
【0083】
それ故に、実施形態では、第1の組に属する開口部が、基板間隔を通して、第2の組に属する開口部に少なくとも部分的に対応して構築および適合されてもよい場合、第1の組の開口部および第2の組の開口部の垂直方向、すなわち、中央軸に平行な方向におけるピッチ(p)は、それ故に、5mm<p<30mmとして表現されてもよい。一部の実施形態では、垂直方向におけるピッチは、10mm<p<20mmとして表現されてもよい。実施形態では、凹形の側面(133)の円周方向軸上の第1の組の開口部および第2の組の開口部のピッチは、垂直方向のピッチと同じであってもよい。
【0084】
実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排気マニホールド(135)の各々は、ミッドピースマニホールドセクション(130-a、135-a、130-b、135-b)および2つの端部マニホールドセクションを結合することによって形成されてもよい。2つの端部マニホールドセクションは、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の最上部および最下部を作り上げてもよい。
【0085】
ここで、本開示の実施形態による半導体処理装置の製造において使用されてもよい、ミッドピース入口ガスマニホールドセクション(130-a、130-b)およびミッドピース排出ガスマニホールドセクション(135-a、135-b)の概略正面図を表す、図4aおよび図4bを参照する。
【0086】
図4aは、単一のミッドピース入口ガスマニホールドセクション(130-a)および単一のミッドピース排出ガスマニホールドセクション(135-a)の正面図を概略的に表し、それによって各ピースは2列の開口部(134)を備える。
【0087】
図4bは、単一のミッドピース入口ガスマニホールドセクション(130-b)および単一のミッドピース排出ガスマニホールドセクション(135-b)の正面図を概略的に表し、それによって各ピースは1列の開口部(134)を備える。
【0088】
ミッドピースマニホールドセクション(130-a、135-a、130-b、135-b)の各々は、実施形態では、ミッドピースセクション(130-a、135-a、130-b、135-b)の各々が、基板ボート内に配設された基板の各々の間の間隔に対応するように構築および配設されてもよい。これは、堆積がその上に行われる基板の表面にわたる反応空間(140)の中へのガスの均一な提供を可能にし、また結果として、反応空間(140)からの基板の表面からのガスの均一な除去を可能にする場合がある。
【0089】
それ故に、一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排気マニホールド(135)のミッドピースマニホールドセクションの各々は、それぞれ、第1の組の開口部の列および第2の組の開口部の列を備えてもよく、それぞれの列の中の開口部の各々は、少なくとも部分的に、基板間隔を通して、互いに対応するように構成および配設される。これは、間隔を一掃するガスの流れを得ることを可能にする場合があり、それによってプロセス性能の改善を提供する。プロセス性能の改善は、基板上に形成された層の厚さが、その表面にわたって実質的に同じであるように、均一性の改善に関して想定される場合がある。さらに、これは、特に高い表面積構造のコンフォーマル性および段差被覆の改善を可能にする場合がある。
【0090】
一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々は、単一のマニホールドピースによって形成されてもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス排出出口は、その下端部およびその上端部のうちの少なくとも1つから入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)へと動作可能に接続されてもよい。これは、供給管(131)または排気管(132)を有する必要性なしに、入口ガスマニホールドへとガスを直接的に方向付け、また排出ガスマニホールドから直接的にガスを除去する利点を提供してもよい。
【0091】
少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス排出出口の各々は、一部の実施形態では、その下側部分からそれぞれ入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)に動作可能に接続されてもよい。
【0092】
少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス排出出口の各々は、一部の実施形態では、その上側部分からそれぞれ入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)に動作可能に接続されてもよい。
【0093】
少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス排出出口の各々は、一部の実施形態では、対向する部分からそれぞれ入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)に動作可能に接続されてもよい。
【0094】
入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)にそれぞれ備えられた第1の組および第2の組の開口部(134)は、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の高さに沿って様々なサイズを有してもよい。これは、これらのマニホールド(130、135)の高さに沿って前駆体の枯渇または反応産物および/または副産物の生成がある場合には有利である場合がある。
【0095】
少なくとも1つのガス入口が、入口ガスマニホールド(130)にその下側部から動作可能に接続される場合がある実施形態では、これは、入口ガスマニホールド(130)の高さに沿った圧力の差異を補償するのに有利である場合がある。これは、入口ガスマニホールド(130)の上側部分と比較して、下側部分により高い圧力が存在することに起因する場合がある。したがって、入口ガスマニホールド(130)内に備えられる開口部(134)は、入口ガスマニホールドの下側部分においてより小さいサイズを有してもよく、これは、その高さに沿ってその上側部分へと長軸方向に延在して、徐々に増加してもよい。
【0096】
少なくとも1つのガス出口が、その上部から排出ガスマニホールド(135)に動作可能に接続されてもよい実施形態では、これは、排出ガスマニホールド(135)の高さに沿った圧力の差異を補償するために有利である場合がある。したがって、排出ガスマニホールド(135)内に備えられる開口部(134)は、排出ガスマニホールドの上側部分においてより小さいサイズを有してもよく、これは、その高さに沿ってその下側部分へと長軸方向に延在して、徐々に増加してもよい。
【0097】
実施形態では、入口ガスマニホールド(130)、排出ガスマニホールド(135)、および入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)内にそれぞれ備えられる少なくとも1つの管(131、132)は、それぞれ金属から構築されてもよい。これは、マニホールドの簡単な製造を可能にする場合がある。
【0098】
一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)、排出ガスマニホールド(135)、および入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)内にそれぞれ備えられる少なくとも1つの管(131、132)は、それぞれ金属から構築されてもよく、また材料の層が提供されてもよく、それによって、原位置クリーニングのために好適なエッチング剤に向けたエッチングの選択性を提供する。
【0099】
プロセスツールにおけるプロセスサイクルの数が増加するにつれて、マニホールド、供給管(131)、および排気管(132)も含むプロセスチューブ(110)の異なる部分で行われる堆積の量が増加する場合がある。原位置クリーニングは、典型的に、ある特定の数のプロセスサイクル後に、こうした堆積層をこれらの部品から除去するために使用される。原位置クリーニングのために使用されるエッチング剤化学物質は、堆積された層をクリーニングしてこれらの部品から取るために役立つ場合があるが、これらの部品を過剰にエッチングするリスクも負う場合がある。したがって、材料の層の提供は、原位置クリーニング中にエッチング選択性を提供する上で有利である場合がある。
【0100】
この目的のための材料の層は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、または金属ホウ化物を含んでもよい。
【0101】
一部の実施形態では、半導体処理装置は、反応チャンバ(120)内にバッフルをさらに備えてもよい。バッフルは、反応空間(140)内のガスの流れを改善する上で有利である場合がある。これは、前駆体の基板表面との改善された接触を提供する場合があり、それによって、プロセス収率を改善し、かつ前駆体の使用を最適化するために役立つ。
【0102】
ここで、図5a、図5b、および図5cに戻ると、各々がバッフルを含む半導体処理装置の概略上面図を示す。
【0103】
バッフル(150)は、本開示の実施形態による半導体処理装置で使用するためのものであってもよく、またそれらは、反応空間(140)内で、複数の基板の各々の間に、ガスを向かわせるために構築および配設されてもよい。したがって、バッフルは、反応空間(140)内の基板ボート内の基板間のクロスフローの生成をさらに補助する利点を提供してもよい。
【0104】
実施形態では、バッフル(150)は、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の対向する端部(151、152)の間に画定される空間内に位置付けられるように構築および配設されてもよく、また画定された空間を通して長軸方向に延在するようにさらに構築および配設される。マニホールド(130、135)の対向する端部(151、152)は、距離(d)だけ互いに分離されてもよく、それによって、マニホールド(130、135)の対向する端部(151、152)の間に画定された空間を生成する。バッフル(150)は、少なくとも基板ボートの高さに沿って画定される空間を通して長軸方向に延在してもよい。これは、基板ボート内の複数の基板の各基板間にガスを向かわせることを可能にする場合がある。これは、基板ボートの高さに沿った基板間のプロセス変動を低減する上で有利である場合がある。
【0105】
実施形態では、バッフル(150)は、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の対向する端部(151、152)の間に対称的に位置付けられてもよく、これにより対向する端部(151、152)は反応空間(140)の対向する側にあってもよい。
【0106】
実施形態では、バッフル(150)は、画定された空間内のマニホールド(130、135)の対向する端部(151、152)の各々から等距離に位置付けられてもよい。それ故に、バッフルは、画定された空間(d)の真ん中に位置付けられてもよい。
【0107】
一部の実施形態では、バッフル(150)は、図5bに概略的に示すように、プロセスチューブ(110)の内壁(153)上に取り付けられ、そして反応空間(140)に向かって内壁(153)から離れるように延在するようにさらに構成および配設されてもよい。これは、バッフルに対する機械的安定性を改善する場合がある。
【0108】
一部の実施形態では、バッフルはさらに、2つのボートロッド(160)へと取り付けられるように構築および配設されてもよく、2つのボートロッド(160)は、基板ボート(170)内に備えられ、かつ反応空間(140)内で互いに対称的に位置付けられ、またバッフル(150)は、2つのボートロッド(160)から画定された空間に向かって離れるように延在するようにさらに構築および配設されてもよい(図5c)。
【0109】
実施形態では、バッフルは、長方形の金属プレートの形態であってもよく、長方形の金属プレートの長辺は、図5aに概略的に示されるように、マニホールド(130、135)の対向する端部(151、152)に対して少なくとも部分的に平行であり、かつ対応する長さである。バッフル(150)のこの構成は、有利なことに、入口ガスマニホールド(130)の開口部(134)からのガスの流れを反応空間(140)に向かって方向付ける上で役立つ場合がある。さらに、有利なことに、これらは、ガスを反応空間(140)から排出ガスマニホールド(135)の開口部(134)に向かって方向付けるために役立つ。バッフル(150)は、反応空間(140)を通し、かつ基板ボートの高さに沿って長軸方向に延在してもよいため、バッフルは、有利なことに、反応空間(140)内に定置される基板ボート内に配設される基板の各々の間の間隔を通してガスを向かわせる上で役立つ場合がある。
【0110】
実施形態では、プロセスチューブは、金属、セラミック、または石英から作製されてもよい。
【0111】
実施形態では、バッフルはプロセスチューブと同じ材料で作製されてもよい。
【0112】
実施形態では、バッフルは金属から作製されてもよい。
【0113】
一部の実施形態では、バッフルは、金属で作製されてもよく、また材料の層でコーティングされてもよく、その層は、原位置クリーニングのために好適なエッチング剤に対してエッチング選択性を提供する。各プロセスサイクルにおいてプロセスされる基板の数が増加すると、マニホールド、供給管、排気管、およびバッフルを含むプロセスチューブの異なる部分もまた、複数の基板上に形成される膜の層でコーティングされる。原位置クリーニングは、典型的に、ある特定の数のプロセスサイクル後に、堆積層をこれらの部品から除去するために使用される。原位置クリーニングのために使用されるエッチング剤化学物質は、これらの部品上に堆積した層を取り除くために役立つ場合があるが、これらの部品を過剰にエッチングするリスクを負う場合がある。したがって、バッフルを材料の層でコーティングすることは、有利なことにバッフルを含む部品を過剰なエッチングから保護することを可能にする場合がある。これは、バッフルの長い寿命を提供し、かつその形態および寸法が無傷のまま残ることを可能にすることによって、反応空間(140)内のガスの流れを妨害するリスクを低減する場合がある。
【0114】
本開示はまた、半導体処理装置を製造するためのプロセスも開示する。
【0115】
プロセスは、反応チャンバ(120)を形成することを含んでもよく、反応チャンバ(120)は、プロセスチューブ(110)によって境界付けされてもよい。反応チャンバ(120)は、複数の基板を有する基板ボートを受容するように構築および配設された、反応空間(140)を備えてもよい。プロセスは、反応空間(140)の中へとガスを提供するために、反応チャンバ(120)内に入口ガスマニホールド(130)を提供することをさらに含んでもよい。プロセスは、反応空間(140)からガスを除去するために、反応チャンバ(140)内に排出ガスマニホールド(135)を提供することをさらに含んでもよい。入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の各々は、基板ボート(170)に面して構築および配設される凹形の側面を有し、それによって反応空間(140)を形成してもよい。入口ガスマニホールド(130)は、入口ガスマニホールド(130)へとガスを提供するためのガス入口、および反応空間(140)へとガスを提供するための第1の組の開口部を備えてもよい。排出ガスマニホールド(135)は、排出ガスマニホールド(135)からガスを除去するためのガス排出出口、および反応空間(140)からガスを除去するための第2の組の開口部を備えてもよい。
【0116】
実施形態では、第1の組の開口部および第2の組の開口部はそれぞれ、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の凹形の側面(133)上に位置してもよい。
【0117】
一部の実施形態では、第1の組および第2の組の開口部は、丸い形状(134)を有してもよい。一部の実施形態では、丸い形状は、実質的に円形状であってもよい。一部の実施形態では、丸い形状は楕円状であってもよい。一部の実施形態では、第1の組および第2の組の開口部は、スリット(136)の形態であってもよい。
【0118】
実施形態では、第1の組の開口部は、少なくとも部分的に、第2の組の開口部に対応するように構築および適合されてもよい。入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の両方の凹形の側面(133)は、基板ボート(170)に面するように構築および配設されてもよいため、次いで第1の組の開口部および第2の組の開口部も、基板ボート(170)に面してもよい。したがって、形状、サイズ、アライメント、および数に依存して、第1の組の開口部および第2の組の開口部は、少なくとも部分的に、互いに対応してもよい。これは、反応空間(140)を通したガスの搬送を可能にする場合があり、これにより反応空間(140)へと入ってくるガスの流れは、反応空間(140)から出ていくガスの流れとバランスが取れる場合がある。それ故に、これはガス入口マニホールド(130)からガス排出マニホールド(135)へのガス流路を生成する利点を提供する場合があり、ガス流路は実質的に基板(180)間に配向されてもよい。
【0119】
基板ボート(170)は、典型的に、複数の基板(180)を保持するために配設される。典型的に、基板(180)は、基板ボート(170)内で、基板間隔だけ、互いに分離される。実施形態では、間隔は、5mm~30mmの範囲内であってもよい。一部の実施形態では、間隔は、10mm~20mmの範囲内であってもよい。
【0120】
それ故に、一部の実施形態では、第1の組の開口部は、少なくとも部分的に、基板間隔を通して第2の組の開口部に対応するように構築および適合されてもよい。これは、基板ボート内の基板間の空間へのガスの均一な流れおよび基板間からのガスの均一な除去を有することの利点を提供してもよい。これは、間隔を一掃する場合があるガスの流れを得ることを可能にする場合がある。これは、プロセス性能を改善する利点を提供する場合がある。プロセス性能は、均一性に関して、基板上に形成された層の厚さが、その表面にわたって実質的に同じであるようであってもよい。さらに、これは、特に高い表面積構造のコンフォーマル性および段差被覆の改善を可能にする場合がある。
【0121】
それ故に、実施形態では、第1の組に属する開口部が、基板間隔を通して、第2の組に属する開口部に少なくとも部分的に対応して構築および適合されてもよい場合、第1の組の開口部および第2の組の開口部の垂直方向、すなわち、中央軸に平行な方向におけるピッチ(p)は、それ故に、5mm<p<30mmとして表現されてもよい。
【0122】
一部の実施形態では、垂直方向におけるピッチは、10mm<p<20mmとして表現されてもよい。実施形態では、凹形の側面(133)の円周方向軸上の第1の組の開口部および第2の組の開口部のピッチは、垂直方向のピッチと同じであってもよく、または垂直方向のピッチとは異なってもよい。
【0123】
実施形態では、プロセスは、少なくとも1つの管を少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス排出出口へとそれぞれ動作可能に接続することをさらに含んでもよく、それによって、それぞれ入口ガスマニホールド(130)内および排出ガスマニホールド(135)内のガスを分配し、かつガスを排気する。ガス入口に動作可能に接続されてもよい少なくとも1つの管(131)は、それ故に、「供給管」として称される。
【0124】
ガス排出出口に動作可能に接続されてもよい少なくとも1つの管(132)は、それ故に、「排気管」として称される。供給管および排気管の形状、数、およびサイズは、一部の実施形態では、同じであってもよい。一部の実施形態では、供給管および排気管の形状、数、およびサイズは異なってもよい。これは、装置内で実行されるプロセスのタイプに依存してもよい。
【0125】
一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)は、図3aおよび図3bで概略的に表されるように、円弧形状であってもよく、それによって内部の凹形の側面であってもよい凹形の側面(133)を有してもよく、外部の凹形の側面であってもよい別の凹形の側面(138)に面してもよい。
【0126】
一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)は、図2aに概略的に表されるように、凹形の側面(133)が真っ直ぐな側面(137)に面しうるようであってもよい。
【0127】
一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)を提供することは、複数の金属またはセラミックシートを提供することを含んでもよい。実施形態では、金属またはセラミックシートは、丸い形状であってもよい。これは、有利なことに、垂直炉内での配設のために構成されたプロセスチューブ(110)の製造を可能にする場合がある。
【0128】
実施形態では、複数の金属シートの各々は、機械加工されてもよく、それによって、シートの各々において、第2の凹形の側面を有する第2の開口部に面する第1の凹形の側面を有する第1の開口部を形成し、第1の開口部は、実質的に円形状である第3の開口部によって第2の開口部から分離され、そして第1の凹形の側面および第2の凹形の側面は、第1の組の開口部の列と第2の組の開口部の列とをそれぞれ備えてもよい。複数の金属シートを機械加工することは、実施形態では、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工によって行われてもよい。
【0129】
これらの実施形態では、マニホールドの提供は、機械加工されたシートを互いに積み重ねることをさらに含んでもよい。
【0130】
機械加工されたプレートは、一部の実施形態では、整列のための穴およびピンを含有してもよい。
【0131】
機械加工されたシートは、一部の実施形態では、一緒にボルト留めされてもよい。これは、機械加工されたシート間のシールの改善につながる利点を提供する場合がある。これらの実施形態では、Oリングは、シールをさらに改善するために使用されてもよい。
【0132】
マニホールドの提供は、これらの実施形態では、積み重ねられた機械加工されたシートを互いに結合することをさらに含み、それによって、第1の組の開口部を備えてもよい入口ガスマニホールド(130)および第2の組の開口部を備えてもよい排出ガスマニホールド(135)を形成する。複数の金属シートが提供される実施形態では、積み重ねられた機械加工されたシートの結合は、溶接によって行われてもよい。マニホールドは、複数の基板(180)を有する基板ボート(170)を受容するための実質的に円形状の反応空間(140)によって互いに分離されてもよい。
【0133】
一部の実施形態では、入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)を提供することは、複数のミッドピースマニホールドセクションを形成することを含んでもよい。入口ガスマニホールド(130)および排気マニホールド(135)のミッドピースマニホールドセクションの各々は、凹形の側面を有してもよく、またそれぞれ、凹形の側面上に第1の組の開口部の列および第2の組の開口部の列を備えてもよい。入口ガスマニホールド(130)および排出ガスマニホールド(135)の提供は、各々が凹形の側面を有する2つの端部マニホールドセクションを形成することをさらに含んでもよい。
【0134】
さらに、セクションは一緒に結合されてもよく、それによって、第1の組の開口部を備えうる入口ガスマニホールド(130)および第2の組の開口部を備えうる排出ガスマニホールド(135)を形成し、マニホールドは、複数の基板を伴う基板ボートを受けるための反応空間(140)によって互いに分離されてもよい。
【0135】
マニホールドピースの各々の寸法は、ピースの各々の凹形の側面(133)に備えられてもよい開口部の列を通して、ガス入口マニホールド(130)からガス排出マニホールド(135)へのガス流路が、基板(180)間の間隔を通して得られてもよいように、各ピースが基板ボート(170)内の基板間隔に対応してもよいように構成される場合があるので、これらの実施形態に記述されるようにマニホールドを形成することは有利である場合がある。
【0136】
ここで、本開示の実施形態によるガス分配器およびガス排出導管を有する半導体処理装置(100)の概略上面図を示す図6aおよび図6bへと戻る。
【0137】
実施形態では、ガス分配器は、反応空間(140)の中へとガスを提供するためのガスインジェクタ(210)であってもよく、またガス排出口は、反応空間(140)からガスを除去するためのガス排出導管(220)であってもよい。ガスインジェクタ(210)および排出導管(220)の各々は、基板ボート(171)に面するように構築および配設されてもよく、それによって反応空間(140)を形成してもよい。反応チャンバ(120)は、外壁(156)によって画定されてもよく、また反応チャンバ(120)を境界付ける内壁(155)を有してもよい。反応チャンバ(120)の内壁(155)は、反応チャンバ(120)が閉鎖した筐体を形成するようなやり方で、ガス排出導管(220)へと合流してもよい。基板ボート(171)は、基板(180)の周りの輪は除去されてもよく、それによって、使用時に、ガスインジェクタ(210)から排出導管(220)へのガス流路を形成してもよく、ガス流路は実質的に基板の間に配向されうるように構築および配設されてもよい。
【0138】
除去されてもよい基板の周りの輪は、実施形態では、ガス排出導管(220)に面する基板ボート(171)の側面上にあってもよい。輪の除去は、ガス排出導管(220)に向かってガス流路を向かわせることを可能にする場合がある。
【0139】
この構成は、半導体処理装置(100)が使用中である時、基板(180)間にプロセスガスのクロスフローを提供する利点も提供してもよい。これは、複数の基板の各基板の表面上のプロセスガスのバランスの取れた分配を可能にする場合があり、表面は、膜がその上に形成されてもよい表面である。それ故に、これは、結果として、基板の各々の表面にわたる改善された厚さの均一性につながる場合がある。また、有利なことに、基板の表面にわたって改善された段差被覆を得ることも可能にする場合がある。加えて、プロセスガスに含まれる場合がある1つ以上の前駆体ガスの改善された利用を提供し、それによって前駆体ガスの無駄を最小化する場合がある。1つ以上の前駆体ガスの改善された利用は、最終的にプロセスコストの低減につながる場合がある。
【0140】
ガスインジェクタ(210)は、反応チャンバ(120)内で長軸方向に延在してもよい。これは、基板ボート(171)の高さに沿って延在してもよく、それによって、複数の基板の各基板にガスを分配することが可能になる。ガスインジェクタ(210)は、実施形態では、ガスインジェクタの長軸方向軸に沿って互いから離隔した複数のガス注入穴を備えてもよい。
【0141】
実施形態では、ガスインジェクタ(210)は、反応空間(140)の中へとガスを提供するための複数のガスインジェクタ内に備えられてもよい。ガスインジェクタは、群で構築および配設されてもよい。
【0142】
実施形態では、ガスインジェクタの群は、反応空間(140)を通してガスインジェクタ(210)の群から排出導管(220)へのガス流の横方向の分配が得られるようなやり方で、反応チャンバ(120)の内側に構築および配設されてもよい。実施形態では、ガスが2つ以上の前駆体ガスを含む場合、各前駆体ガスは、一緒に群にされてもよい1つ以上のガスインジェクタによって提供されてもよい。
【0143】
ガスインジェクタ(210)を群にすることは、複数の基板(180)の各基板の表面に接触する前に、前駆体ガスの予混合が必要となる場合がある時に有利である場合があり、表面は、その上に膜が形成されてもよい表面である。これは、例えば、化学蒸着(CVD)によって膜を形成する時などに有利である場合がある。ガスインジェクタの群の数および位置決めは、これらの実施形態では、前駆体の改善された混合が得られるように配設されてもよい。ガスインジェクタの位置決めは、互いに対するガスインジェクタ(210)の整列およびそれらの間に設定する必要のある距離を含んでもよい。
【0144】
ガスインジェクタ(210)を群にすることはまた、例えば、原子層堆積(ALD)によって膜を形成する時など、前駆体ガスより多くを交互の順序で反応空間(140)の中へと提供する必要がある時にも有利である場合がある。各前駆体ガスは、ガスインジェクタの1つの群によって提供されてもよく、それによって、異なるガスインジェクタの群の内表面が、異なる前駆体ガスに曝露される際に、ガスインジェクタの内側の潜在的な膜の堆積のリスクを低減する。これは、ガスインジェクタの寿命を延ばすのに役立つ場合があり、またクリーニングに必要とされるダウンタイムを低減するためにさらに役立つ場合がある。
【0145】
半導体処理装置(100)は、実施形態では、それ故に、原子層堆積を実施するための垂直炉であってもよい。これは、複数の基板の各基板上にコンフォーマルな膜を形成することを可能にすることによって、スループットを改善する利点を提供する場合がある。
【0146】
実施形態では、半導体装置(100)は、プラズマ源(230)をさらに備えてもよい(図3b)。これは、複数の基板上にプラズマ強化原子層堆積を実施することを可能にする場合がある。したがって、これは有利なことに複数の基板上で低減されたプロセス温度にて膜を形成するための開放経路とすることができ、また形成された膜の望ましい特性を得るために気相構成成分を最適化するうえで改善された柔軟性を提供する。例示的な実施形態では、プラズマ源(230)は、例えば、窒化物を含む層を形成するために有利である場合がある。これは、窒素ガスが、窒化物を含む層を形成するための窒素ラジカルの生成のために使用される場合があるという事実に起因する場合がある。これは、有利なことに、水素を含まない窒化層を形成することを提供する場合がある。
【0147】
一部の実施形態では、窒化物層は、金属窒化物であってもよい。
【0148】
一部の実施形態では、窒化物は、窒化ケイ素であってもよい。
【0149】
実施形態では、プラズマ源は、反応チャンバ(120)内に備えられてもよい。
【0150】
基板ボート(171)は、複数の基板(180)を保持するために構築および配設されてもよい。
【0151】
実施形態では、基板ボートは、第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面(図には示さず)と、第1の表面を第2の表面へと接続する少なくとも4つの側面と、を備えてもよく、それによって第1の開口部(240)と、第1の開口部(240)とは反対側の第2の開口部(241)とが形成され、それによって、使用時に、ガスインジェクタ(210)から排出導管(220)へとガス流を流す。
【0152】
実施形態では、第1の開口部(240)の幅は、複数のウエハを基板ボート(171)の中へと装填することができるように構成されてもよい。基板ボート(171)は、複数の基板の各基板を基板ボート(171)の内側に定置するために、少なくとも4つの側面の内壁から離れるように延在する突出部を備えてもよい。
【0153】
実施形態では、少なくとも4つの側面は、基板ボートの対向する側面上の90°より大きい角度で2つの群で互いに接続された真っ直ぐな側面であってもよく、これにより、基板ボートは、ガスインジェクタからガス排出導管へのガス流の方向で減少する断面を有してもよく、使用時にガス流は収束ガス流である。したがって、第1の開口部(240)の幅は、実施形態では、第2の開口部(241)より大きくてもよい。収束流は、ガスインジェクタ(210)から来るガス流を収集する利点を提供するだけでなく、排出導管(241)に向かって基板ボート(171)の内側のガス流を向かわせるのにも役立つ。これは、有利なことに、基板ボート(171)を通るクロスフローの生成を提供してもよい。
【0154】
基板ボートの対向する側面上で90°より大きい角度で2つの群で互いに接続される少なくとも4つの側面は、有利なことに、これらの側面の接続点において形成されてもよいギャップ(190)の体積を減少させることを提供してもよい。ギャップ(190)の体積の減少は、それによって基板間のガス流路と比較して、基板ボート(171)内の基板の周りのガス流路を低減するのに役立つ場合があり、有利なことに、ガスのクロスフローの生成を可能にする。角度は、実施形態では、ギャップ(190)の体積を低減するように、2つの群で接続される側面の長さの関数として構成されてもよい。実施形態では、プラズマ源が半導体装置内に含まれてもよい場合、基板ボート(171)は、プラズマ源によって生成される場合があるラジカルを反応空間(140)の中へと向かわせる確率を有利なことに増加する場合がある。したがって、これは、プラズマ発生ラジカルの表面反応を強化し、それによって基板上に形成される層の成長を改善するのに役立つ場合がある。
【0155】
実施形態では、排出導管(220)内の圧力は、反応空間(140)内の圧力より低くてもよい。これは、有利なことに、反応空間(140)から排出導管(220)に向かって配向されるガス流に寄与する場合がある。反応チャンバ(120)内の圧力は、真空圧から大気圧を上回る範囲内であってもよい。一部の実施形態では、反応チャンバ(1200内の圧力は、0.5Torr~5Torrの範囲内であってもよい。
【0156】
一部の実施形態では、ガス排出導管(220)は、ガスが反応空間(140)からガス排出導管(220)の中へと入ることを可能にするために開口部(241)を備えてもよい。開口部(241)は、反応空間(140)に面するガス排出導管(220)の側面上に位置付けられてもよい。開口部(241)は、ガス排出導管(220)の高さに沿って長軸方向に延在してもよい。一部の実施形態では、ガス排出導管(220)は、基板ボート(171)に面する表面上に開口部の組を備えてもよく、それによって、反応空間(140)からガスを除去してもよい。開口部の組は、所定のサイズおよびピッチを有するように構築および配設されてもよく、これにより開口部の組は排出ガス導管(220)内のガスの流れの誘導のバランスを取る。排出ガス導管(220)内のガスの流れの誘導は、排出ガス導管(220)内の下向きのガス流が、開口部の組によって提供されるガスの流れの組み合わせられた誘導より高くなってもよいようであってもよい。
【0157】
実施形態では、ガスの流れが、反応空間(140)からガス排出導管(220)の中へと、そしてさらにガス排出導管(220)内で下向きに合理化されるように、排出ガス導管(220)は構築および配設されてもよい。これは有利なことに、単一方向のガスの流を提供することを可能にしてもよく、それによって、反応空間(140)の中へのガスの逆流または再循環の確率は低減される場合がある。
【0158】
実施形態では、反応チャンバ(120)は、長方形または正方形の形状を有してもよい。これは、反応チャンバ(120)の閉鎖した筐体の形成を可能にするのに役立つ場合があり、それによって反応チャンバ(120)の内壁(155)は、ガス排出導管(220)へと合流してもよい。さらに、これは、ガスインジェクタ(210)からガス排出導管(220)へと配向されるガス流へと寄与する利点を提供する場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】