(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075585
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】磁気ハウジングシステム
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240528BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H05H1/46 M
C23C16/44 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024029496
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2021523475の分割
【原出願日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】62/755,847
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/888,332
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
(72)【発明者】
【氏名】グン, ツァ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】ゴットハイム, サミュエル イー.
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ティモシー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】マンナ, プラミット
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタサブラマニアン, エスワラナンド
(72)【発明者】
【氏名】ヘイウッド, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ガーナー, スティーブン シー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磁気及び電磁石システム、並びにPECVDチャンバの処理空間内で発生したプラズマの密度プロファイルを制御して、膜の堆積プロファイルに影響を及ぼす方法に関する。
【解決手段】1つの実施形態では、磁気ハウジングシステムの回転磁気ハウジング内に、複数の保持ブラケットが配置される。複数の保持ブラケットの各保持ブラケットは、各保持ブラケット間の距離dで回転磁気ハウジング内に配置される。複数の保持ブラケットは、取り外し可能に内部に配置された複数の磁石を有する。複数の磁石は、回転磁気ハウジングが丸形の中央開口部を中心として回転すると円形路を走行するように構成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転磁気ハウジングであって、
上部プレート、
外側壁、
丸形の中央開口部を画定する内側壁、及び
下部プレート
を備える回転磁気ハウジングと、
前記回転磁気ハウジング内に配置された複数の保持ブラケットと
を備え、前記複数の保持ブラケットの各保持ブラケットが、各保持ブラケットの間の距離dで前記回転磁気ハウジング内に配置され、前記複数の保持ブラケットが、その内部に取り外し可能に配置された複数の磁石を有し、前記複数の磁石の各磁石が、前記複数の磁石の各磁石の間のピッチpでそれぞれの保持ブラケットに保持され、前記複数の磁石は、前記回転磁気ハウジングが前記丸形の中央開口部を中心として回転するときに、円形路を走行するように構成される、システム。
【請求項2】
前記回転磁気ハウジングが駆動システムに連結され、前記駆動システムが、
ベルトに連結されたモータ
を備え、前記ベルトが、前記回転磁気ハウジングの周囲に配置される対象であり、前記ベルトが複数のラグを有し、各ラグが、前記回転磁気ハウジングの前記外側壁の複数の溝のうちの1つの溝に対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駆動システム及び前記回転磁気ハウジングが、前記回転磁気ハウジング及び前記駆動システムを昇降させるように動作可能なハウジングリフトシステムに連結される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記回転磁気ハウジングが、チャンバの外側壁に連結可能である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記保持ブラケットがトラックに連結され、前記保持ブラケットが前記トラックの上を移動するように作動される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
チャンバ本体と、
ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、
処理空間を画定するために前記ガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体であって、前記処理空間が中心軸を有する、基板支持体と、
前記基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、
前記チャンバに連結された回転磁気ハウジングを有する回転磁気ハウジングシステムと
を備え、前記回転磁気ハウジングが、
上部プレート、
外側壁、
丸形の中央開口部を画定する内側壁、
下部プレート、及び
前記回転磁気ハウジング内に配置された複数の保持ブラケット
を備え、前記複数の保持ブラケットの各保持ブラケットが、各保持ブラケットの間の距離dで前記回転磁気ハウジング内に配置され、前記複数の保持ブラケットが、その内部に取り外し可能に配置された複数の磁石を有し、前記複数の磁石の各磁石が、前記複数の磁石の各磁石の間のピッチpでそれぞれの保持ブラケットに保持され、前記複数の磁石は、前記回転磁気ハウジングが前記丸形の中央開口部を中心として回転するときに、円形路を走行するように構成される、チャンバ。
【請求項7】
前記回転磁気ハウジングの前記内側壁が、チャンバスペーサの外壁に連結され、前記チャンバスペーサが、
前記チャンバ本体の取付板に連結された第1のフランジと、
前記チャンバリッドに連結された第2のフランジと
を有する、請求項6に記載のチャンバ。
【請求項8】
前記回転磁気ハウジングが、駆動システムに連結され、前記駆動システムが、ベルトに連結されたモータ
を備え、前記ベルトが、前記回転磁気ハウジングの周囲に配置される対象であり、前記ベルトが複数のラグを有し、各ラグが、前記回転磁気ハウジングの前記外側壁の複数の溝のうちの1つの溝に対応する、請求項7に記載のチャンバ。
【請求項9】
前記駆動システム及び前記回転磁気ハウジングが、前記回転磁気ハウジング及び前記駆動システムを昇降させるように動作可能なハウジングリフトシステムに連結される、請求項8に記載のチャンバ。
【請求項10】
前記チャンバスペーサの前記外壁が、ポリマー材料を含む、請求項7に記載のチャンバ。
【請求項11】
前記回転磁気ハウジングが、前記基板支持体に連結され、前記基板支持体が、前記処理空間の前記中心軸を中心として前記基板支持体を回転させるように構成された基板支持駆動システムに連結される、請求項6に記載のチャンバ。
【請求項12】
前記保持ブラケットが、トラックに連結され、前記保持ブラケットが、前記トラック上を移動するように作動される、請求項6に記載のチャンバ。
【請求項13】
チャンバ本体と、
ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、
処理空間を画定するために前記ガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体であって、前記処理空間が中心軸を有する、基板支持体と、
前記基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、
前記チャンバに連結された電磁石ハウジングを有する電磁石磁気ハウジングシステム
とを備え、前記電磁石ハウジングが、
上部プレート、
外側壁、
丸形の中央開口部を画定する内側壁、
下部プレート、及び
2つ以上の導電性ワイヤ
を備え、前記導電性ワイヤの各々が前記電磁石ハウジングのそれぞれの部分に1回以上巻かれ、前記導電性ワイヤの各々が電源に個別に接続されるように動作可能である、チャンバ。
【請求項14】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、交互の極性を有する、請求項13に記載のチャンバ。
【請求項15】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、前記電磁石ハウジング内で互いに等間隔に配置される、請求項13に記載のチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、生成されたプラズマの特性を制御するための磁気ハウジングシステム、及びこれを有するプラズマ強化堆積システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]プラズマ化学気相堆積(PECVD)は、概して、半導体ウエハのような基板上に膜を堆積するために用いられる。プラズマエッチングは、概して、基板上に配置された膜をエッチングするために用いられる。PECVD及びプラズマエッチングは、基板を収容する処理チャンバの処理空間(process volume)内に1つ又は複数のガスを導入することによって実現される。1つ又は複数のガスは、チャンバの頂部付近に位置するディフューザー内で混合し、ディフューザーの複数の孔又はノズルを通して処理空間内に注入される。PECVD及びプラズマエッチングの間に、処理空間内の1つ又は複数のガスの混合物は、エネルギー供給され(例えば、励起され)、チャンバに連結された1つ又は複数のRF源からチャンバに高周波(RF)エネルギーを印加することによってプラズマを発生させる。処理空間内に存在する1つ又は複数のガスの混合物の原子がイオン化され、電子を放出するように、処理空間内に電場が生成される。PECVDにおいて基板支持体に加速されたイオン化原子は、基板上への膜の堆積を容易にする。プラズマエッチングで基板支持体に加速されたイオン化原子は、基板上に配置された膜のエッチングを容易にする。
【0003】
[0003]処理空間内で発生したプラズマは、密度プロファイルなどの特性を有する。不均一な密度プロファイルは、基板上の膜の不均一な堆積又はエッチングを引き起こすことがある。特に、プラズマの密度プロファイルは、基板の表面にわたる膜の堆積の厚さ又はエッチングプロファイルに影響を及ぼす。したがって、当技術分野で必要とされるのは、PECVDチャンバの処理空間内で発生したプラズマの特性を制御するためのシステム及び方法である。
【発明の概要】
【0004】
[0004]1つの実施形態では、システムが提供される。このシステムは、上部プレート、外側壁、丸形の中央開口部を画定する内側壁、及び下部プレートを有する回転磁気ハウジングを含む。回転磁気ハウジング内には、複数の保持ブラケットが配置される。複数の保持ブラケットの各保持ブラケットは、各保持ブラケット間の距離dで回転磁気ハウジング内に配置される。複数の保持ブラケットは、取り外し可能に内部に配置された複数の磁石を有する。複数の磁石の各磁石は、複数の磁石の各磁石の間にピッチpでそれぞれの保持ブラケットに保持され、複数の磁石は、回転磁気ハウジングが丸形の中央開口部を中心として回転するときに、円形路を走行するように構成される。
【0005】
[0005]別の実施形態では、チャンバが提供される。チャンバは、チャンバ本体と、ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、処理空間を画定するためにガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体であって、処理空間が中心軸を有する、基板支持体と、基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、チャンバに連結された回転磁気ハウジングを有する回転磁気ハウジングシステムとを含む。回転磁気ハウジングは、上部プレートと、外側壁と、丸形の中央開口部を画定する内側壁と、下部プレートとを有する。回転磁気ハウジング内には、複数の保持ブラケットが配置される。複数の保持ブラケットの各保持ブラケットは、各保持ブラケット間の距離dで回転磁気ハウジング内に配置される。複数の保持ブラケットは、取り外し可能に内部に配置された複数の磁石を有する。複数の磁石の各磁石は、複数の磁石の各磁石の間にピッチpでそれぞれの保持ブラケットに保持され、複数の磁石は、回転磁気ハウジングが回転するときに、円形路を走行するように構成される。
【0006】
[0006]更に別の実施形態では、チャンバが提供される。チャンバは、チャンバ本体と、ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、処理空間を画定するためにガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体であって、処理空間が中心軸を有する、基板支持体と、
基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、電磁石磁気ハウジングシステムとを含む。電磁石磁気ハウジングシステムは、チャンバに連結された電磁石ハウジングを含む。電磁石ハウジングは、上部プレートと、外側壁と、丸形の中央開口部を画定する内側壁と、下側プレートと、2つ以上の導電性ワイヤとを有する。導電性ワイヤの各々は、電磁石ハウジングのそれぞれの部分において1回以上巻かれている。導電性ワイヤの各々は、電源に個別に接続されるように動作可能である。
【0007】
[0007]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約された本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】[0008]1つの実施形態による、チャンバの外部に配置された回転磁気ハウジングを備えた回転磁気ハウジングシステムを有するプラズマ化学気相堆積(PECVD)チャンバの概略断面図である。
【
図1B】[0009]1つの実施形態による回転磁気ハウジングシステムの概略上面図である。
【
図1C】[0010]1つの実施形態による、チャンバの外部に配置された電磁石磁気ハウジングを備えた電磁石ハウジングシステムを有するPECVDチャンバの概略断面図である。
【
図1D】[0011]1つの実施形態による電磁石ハウジングシステムの概略上面図である。
【
図1E】[0012]1つの実施形態による電磁石システムを有するPECVDチャンバの概略断面図である。
【
図2】[0013]1つの実施形態による、PECVDチャンバの処理空間内に形成されたプラズマの濃度プロファイルを制御する方法のフロー図である。
【
図3A】[0014]1つの実施形態による処理空間中のプラズマの濃度プロファイルを示すグラフである。
【
図3B】1つの実施形態による処理空間中のプラズマの濃度プロファイルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015]理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0010】
[0016]本明細書に記載される実施形態は、膜の堆積特性に影響を及ぼすために、PECVDチャンバの処理空間内で発生したプラズマの特性を制御するための磁気及び電磁石のハウジングシステム及び方法を提供する。1つの実施形態では、磁気ハウジングシステムの回転磁気ハウジング内に、複数の保持ブラケットが配置される。複数の保持ブラケットの各保持ブラケットは、各保持ブラケット間の距離dで回転磁気ハウジング内に配置される。複数の保持ブラケットは、取り外し可能に内部に配置された複数の磁石を有する。複数の磁石の各磁石は、複数の磁石の各磁石の間にピッチpでそれぞれの保持ブラケットに保持され、複数の磁石は、回転磁気ハウジングが丸形の中央開口部を中心として回転するときに、円形路を走行するように構成される。
【0011】
[0017]
図1A、
図1C、及び
図1Eは、様々な実施形態による、プラズマ化学気相堆積(PECVD)システム100の概略断面図である。システム100の1つの例は、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社によって製造されたPRODUCER(登録商標)システムである。以下に記載されるシステムは、例示的なチャンバであり、他の製造業者からのシステムを含む他のシステムが、本開示の態様と共に使用され、又は本開示の態様を実現するために修正されうると理解すべきである。システム100は、チャンバ101a(例えば、第1のチャンバ)及びチャンバ101b(例えば、第2のチャンバ)を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、チャンバ101a、101bはリソースを共有する。例えば、チャンバ101a、101bは、少なくとも1つ又は複数のガス源144、取付板112、及びポンプ150を共有しうる。チャンバ101a、101bも同様に構成される。しかしながら、チャンバ101a、101bの各々が専用のリソースを有することも考えられる。
【0012】
[0018]
図1Aの実施形態では、各チャンバ101a、101bは、チャンバ101a、101bの外側に配置された回転磁気ハウジング104を備えた回転磁気ハウジングシステム102を有する。
図1Cの実施形態では、各チャンバ101a、101bは、チャンバ101a、101bの外側に配置された電磁石ハウジング172を備えた電磁石ハウジングシステム170を有する。
図1Eの実施形態では、各チャンバ101a、101bは、チャンバリッドアセンブリ108のスペーサ114に配置された電磁石システム171を有する。チャンバ101aの態様が論じられているが、チャンバ101bも同様に装備されていることを理解されたい。
図1A、IC、及び1Eでは、明確にすることを目的に、チャンバ101b上で参照番号が省略されうる。
【0013】
[0019]チャンバ101a、101bは、チャンバ本体アセンブリ106及びチャンバリッドアセンブリ108を有する。
図1A及び
図1Cの実施形態のチャンバ本体アセンブリ106は、取付板112に連結されたチャンバ本体110を含む。
図1A及び
図1Cの実施形態のチャンバリッドアセンブリ108は、取付板112に連結された第1のフランジ118と、スペーサ114の第2のフランジ120に連結されたチャンバリッド116とを有するスペーサ114を含む。
図1Eの実施形態のチャンバリッドアセンブリ108は、チャンバ本体110に連結された第1のフランジ118と、スペーサ114の第2のフランジ120に連結されたチャンバリッド116とを有するスペーサ114を含む。チャンバリッド116は、ガス分配アセンブリ122を含む。ガス分配アセンブリ122は、処理空間126をその間に画定する基板支持アセンブリ124の反対側に配置される。
図1A及び
図1Cの実施形態の処理空間126は、チャンバリッド116、スペーサ114の内壁128、取付板112、及びチャンバ本体110によって更に画定される。
図1Eの実施形態の処理空間126は、チャンバリッド116、スペーサ114の内壁128、及びチャンバ本体110によって更に画定される。
【0014】
[0020]基板支持アセンブリ124は、処理空間126内に配置される。基板支持アセンブリ124は、基板支持体130及びステム132を含む。基板支持体130は、基板165を支持するための支持面134を有する。基板支持体130は、典型的には、加熱要素(図示せず)を含む。基板支持体130は、ステム132が基板支持駆動システム136に連結されているチャンバ本体110を通って延びるステム132によって、処理空間126内に移動可能に配置される。基板支持駆動システム136は、上昇した処理位置(図示のように)と、チャンバ本体110を通して形成されたスリットバルブ138を通って処理空間126への及び処理空間126からの基板移動を容易にする下降位置との間で、基板支持体130を移動させる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、基板支持駆動システム136は、ステム132及び基板支持体130を回転させる。
【0015】
[0021]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、ガス分配アセンブリ122は、チャンバ101a、101bの処理空間126内にガスを均一に分配して、基板支持アセンブリ124の基板支持体130上に配置された基板165上へのアドバンスドパターニングフィルム(advanced patterning film)などの膜の堆積を容易にするように構成される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、ガス分配アセンブリ122は、チャンバ101a、101bの処理空間126内にガスを均一に分配して、基板支持アセンブリ124の基板支持体130上に位置付けられた基板165上に配置されたアドバンスドパターニングフィルムなどの膜のエッチングを容易にするように構成される。
【0016】
[0022]ガス分配アセンブリ122は、ハンガー板148から吊り下げられたディフューザー146を通して、1つ又は複数のガス源144に連結された流量コントローラ142からガスを供給するガス入口通路140を含む。ディフューザー146は、複数の孔又はノズル(図示せず)を含み、これらを通して、処理中に気体混合物が処理空間126内に注入される。ポンプ150は、処理空間126内の圧力を制御し、処理空間126から副生成物を排出するために、チャンバ本体110の出口152に連結される。ガス分配アセンブリ122のディフューザー146は、RFリターン(又は接地)に接続することができ、基板支持体130に印加されたRFエネルギーが処理空間126内に電場を生成できるようにし、これを用いて基板165の処理のためのプラズマを発生させる。
【0017】
[0023]RF源154は、ステム132を通って配置された導電性ロッド158を通して基板支持体130内に配置された電極156に連結されている。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、電極156は、電極156の電圧、電流、及びインピーダンスなどの電気的特性を調整するための整合回路と、その電気的特性を測定するためのセンサとを有する整合ボックス163を介して、RF源154に接続される。整合回路は、センサからの信号に応じて、電圧、電流、又はインピーダンスの調整を容易にしうる。ガス分配アセンブリ122のディフューザー146は、RFリターンに接続され、電極156は、容量性プラズマ結合の形成を容易にする。RF源154は、基板支持体130にRFエネルギーを供給し、基板支持体130とガス分配アセンブリ122のディフューザー146との間の容量結合プラズマの生成を容易にする。RF電力が電極156に供給されると、ディフューザー146と基板支持体130との間に電場が発生し、基板支持体130とディフューザー146との間の処理空間126に存在するガスの原子がイオン化され、電子を放出する。基板支持体130に加速されたイオン化原子は、基板支持体130上に配置された基板165への膜の堆積又はエッチングを容易にする。
【0018】
[0024]
図3Aに示すように、プラズマは、処理空間126内に密度プロファイル301を有する。密度プロファイル301は、処理空間126内の水平面167上の位置304におけるイオン密度302(イオン/au
3)に対応する。密度プロファイル301は、イオン密度の最大値305に対応するピーク303と、プラズマの直径に対応する幅307とを含む。回転磁気ハウジングシステム102、電磁石ハウジングシステム170、及び電磁石システム171のうちの1つ、並びに本明細書に記載される方法は、堆積又はエッチングされた膜の均一性及び特性を調整するために、プラズマの密度プロファイル301の制御を提供する。
図1Aの実施形態では、プラズマの密度プロファイルにおける対応する調整を容易にするために、磁石の回転速度、磁石の強度(ガウス)、及び磁石の垂直位置が調整されうる。
図1Cの実施形態では、プラズマの密度プロファイルにおける対応する調整を容易にするために、電磁石の電流の流れ、電磁石の強度(ガウス)、及び電磁石の垂直位置が調整されうる。
図1Eの実施形態では、プラズマの密度プロファイルにおける対応する調整を容易にするために、電磁石の電流の流れ及び電磁石の強度が調整されうる。例えば、基板に対するプラズマの垂直位置、密度プロファイルのピーク位置、又は基板に対する特定の位置におけるイオン密度の値のうちの1つ又は複数に対して、調整が実行されうる。
【0019】
[0025]
図1Aに示すように、チャンバ101a、101b及び回転磁気ハウジングシステム102に連結されたコントローラ164は、処理中にチャンバ101a、101b及び回転磁気ハウジングシステム102の態様を制御するように構成される。
図1Cに示すように、チャンバ101a、101b及び電磁石ハウジングシステム170に連結されたコントローラ164は、処理中にチャンバ101a、101b及び電磁石ハウジングシステム170の態様を制御するように構成される。
図1Eに示すように、チャンバ101a、101b及び電磁石システム171に連結されたコントローラ164は、処理中にチャンバ101a、101b及び電磁石システム171の態様を制御するように構成される。
【0020】
[0026]
図3Aに示すように、磁石143のうちの1つ及び電磁石のコア材料(
図1C及び1Eに示す)の強度は、処理空間126内のプラズマの密度プロファイル301を圧縮し、チャンバ本体110の側壁に向かってプラズマのシースを延ばす。プラズマの密度プロファイル301を圧縮すると、均一な堆積プロファイルについて、基板165上(基板上の相対的な高さ)でイオン及びラジカルの濃度がより均一になる。加えて、密度プロファイル301を圧縮すると、プラズマシースがチャンバ本体110の側壁に向かって半径方向外側に延びる。プラズマのシースがチャンバ本体110の側壁まで延びると、RFエネルギーが側壁から接地に伝搬するための短く対称的な経路が提供される。RFエネルギーが側壁から接地に伝搬するための経路は、電流の流れを改善し、効率の向上を通して基板支持体130の電極156によって必要とされる電流の量を減少させる。電極156により必要とされる電流の量が減少すると、効率の増加を通して、増加した電圧の電極156への供給が可能になる。電圧が増加すると、基板165のイオン又はラジカル衝撃が増大するためにプラズマシースのイオン化が大きくなる。基板165のイオン又はラジカル衝撃の増加が、堆積又はエッチングされる膜の応力を減少させる。加えて、密度プロファイル301の圧縮及びプラズマシースの延長により、堆積又はエッチングされた膜の応力ベクトルの実質的に均一な分布が提供される。
【0021】
[0027]
図1Bは、回転磁気ハウジングシステム102の概略上面図を示す。
図1A及び
図1Bを参照すると、回転磁気ハウジングシステム102は、静磁場又は動磁場を生成するために、処理空間126の中心軸103を中心として回転するように構成された回転磁気ハウジング104を含む。磁場は、プラズマの形状、イオン及びラジカルの濃度、並びにイオン及びラジカルの濃度の移動を修正して、処理空間126内のプラズマの密度プロファイル301を制御する。
【0022】
[0028]回転磁気ハウジングシステム102は、回転磁気ハウジング104と共に、チャンバ101a、101bの外側に配置される。回転磁気ハウジングシステム102は、上部プレート105、上部プレート105に対向して配置された下部プレート107、内側壁109、内側壁109に対向して配置された外側壁113、ハウジングリフトシステム168、及びハウジング駆動システム115を含む。内部側128は、丸形の中央開口部を画定する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、上部プレート105、下部プレート107、及びスペーサ114のうちの少なくとも1つは、回転磁気ハウジング104の温度プロファイルを制御するために熱交換器(図示せず)に連結された1つ又は複数のチャネル(図示せず)を含む。スペーサ114の外壁162は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのポリマー材料を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、外壁162は、ポリマー材料のシートである。スペーサ114の外壁162のポリマー材料により、回転磁気ハウジング104は、処理空間126の中心軸103を中心にスペーサ114の周りを回転できるようになる。
【0023】
[0029]回転磁気ハウジング104は、複数の保持ブラケット129を含む。複数の保持ブラケット129の各保持ブラケットは、各保持ブラケット129の間の距離dで回転磁気ハウジング104内に配置される。複数の保持ブラケット129により、複数の磁石143を、回転磁気ハウジング104内に配置し又は回転磁気ハウジング104から取り外すことができるようになる。1つの実施形態では、複数の磁石143の各磁石143は、複数の磁石143の各磁石143の間のピッチpで保持ブラケット129に保持される。ピッチpは、複数の磁石143の隣接する各磁石143の間の距離に対応する。ピッチpは、回転磁気ハウジング104を回転させることによって生成される磁場を調整する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、保持ブラケット129の各々は、トラック131に連結される。保持ブラケット129は、保持ブラケット129の各々がトラック131に沿って半径方向にスライドして、磁石143の各々から処理空間126の中心軸103までの水平距離133を変化させるように動作可能である。
【0024】
[0030]
図1Cに示すように、電磁石ハウジング172を備えた電磁石ハウジングシステム170は、チャンバ101a、101bの外側に配置される。電磁石ハウジング172は、上部プレート173、上部プレート173に対向して配置された下部プレート174、内側壁176、内側壁176に対向して配置された外側壁175、及びハウジングリフトシステム168を含む。内部側128は、丸形の中央開口部を画定する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、上部プレート173、下部プレート174、及びスペーサ114のうちの少なくとも1つは、電磁石ハウジング172の温度プロファイルを制御するために熱交換器(図示せず)に連結された1つ又は複数のチャネル(図示せず)を含む。導電性ワイヤ178は、電磁石ハウジング172内に配置され、1回以上スペーサ114の周りに巻かれて、スペーサ114を取り囲む単一の電磁石を形成する。電源180は、導電性ワイヤ178に連結されて、処理空間126の周りの円形路において電流を流す。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、導電性ワイヤ178の少なくとも1つの巻き(turn)は、トラック181に連結される。トラック181が作動され、トラック181のうちの1つに連結された導電性ワイヤ178の各巻きが、半径方向にトラック181に沿ってスライドし、導電性ワイヤ178から処理空間126の中心軸103までの水平距離133を変化させるよう動作可能となる。
図1Eに示されるように、導電性ワイヤ178は、スペーサ114内に配置され、処理空間126の周囲に1回以上巻かれる。
【0025】
[0031]
図1Bに示すように、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、回転磁気ハウジング104の第1の半部分137(例えば、約180度を包含する)は、磁石143を有し、N極141が処理空間126に向かって配向されており、回転磁気ハウジング104の第2の半部分139(例えば、約180度を包含する)は、磁石143を有し、S極145が処理空間126とは逆に配向されている。
図3Bに示すように、逆に配向された磁石143を有する第1の半部分137及び第2の半部分139により、密度プロファイル301のピーク303をシフトすることが提供される。磁石143の反対の極性により、磁石143を介して生成された磁場(B-field)が歪む。磁場の歪みにより、密度プロファイル301のピーク303がシフトする。ピーク303のシフトは、プラズマシースのシフトに対応する。回転磁気ハウジング104の回転は、基板165の、歪んだプラズマシースのイオン及びラジカルへのより均一な曝露を容易にする。
【0026】
[0032]回転磁気ハウジング104は、ハウジング駆動システム115に連結される。ハウジング駆動システム115は、ベルト147及びモータ149を含む。回転磁気ハウジング104は、回転磁気ハウジング104の外側壁113に形成された複数の溝151を含む。複数の溝151の各溝は、ベルト161の複数のラグ155のうちの1つのラグ155に対応する。ベルト161は、回転磁気ハウジング104の周囲に配置されるように構成され、ブラシレスDC電気モータのようなモータ149に連結される。ハウジング駆動システム115は、ある回転速度で処理空間126の中心軸103を中心として回転磁気ハウジング104を回転させるように構成されている。回転速度は、修正された磁場から生じる基板165の電流を制御する。1つの例では、チャンバ101a、101bの各々が、個々のハウジング駆動システム115を含むことが企図される。別の例では、チャンバ101a、101bの各々がハウジング駆動システム115を共有することが企図される。
【0027】
[0033]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる、
図1C及び
図1Eのいくつかの実施形態では、導電性ワイヤ178は、導電性ワイヤ178のコア材料の空隙のうちの少なくとも1つ、コア材料の変化する断面積、及び導電性ワイヤ178の各巻きの間の変化する距離を含む。導電性ワイヤ204の第1の半部分(例えば、約180度を包含する)のコア材料は、導電性ワイヤ178の第2の半部分(例えば、約180度を包含する)よりも多くの空隙を有しうる。導電性ワイヤ178の第1の半部分のコア材料は、導電性ワイヤ178の第2の半部分の断面積よりも大きい断面積を有しうる。第1の半部分の導電性ワイヤ178の各巻きの間の距離は、第2の半部分の導電性ワイヤ178の各巻きの間の距離よりも小さくてもよい。導電性ワイヤ178の各巻きの間の空隙、断面積、及び距離のうちの少なくとも1つの調整により、導電性ワイヤ178を通って流れる電流を介して生成された磁場が歪む。電流が円形に流れることにより、基板165を、歪んだプラズマシースのイオン及びラジカルにより均一に曝露することが容易になる。
【0028】
[00100]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる、
図1C及び
図1Eの他の実施形態では、電磁石ハウジング172(
図1C)及び電磁石システム171(
図1E)は、2つ以上の導電性ワイヤ178を含む。電磁石ハウジング172の導電性ワイヤ178の各々は、電磁石ハウジング172のそれぞれの部分に配置される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、導電性ワイヤ178は、電磁石ハウジング172内で互いに等間隔に配置される。電磁石システム171の導電性ワイヤ178の各々は、スペーサ110のそれぞれの部分に配置される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、導電性ワイヤ178は、スペーサ110内で互いに等間隔に配置される。電源180(
図1Dに示されるように、180a、180b、180c、及び180d)は、導電性ワイヤ178の各々に個別に連結される。電気的に動作可能な電源180は、コントローラ164に接続可能である。コントローラ164は、電源180の各々を順次オン/オフし、同時に電源180の各々をオン/オフして、導電性ワイヤ178の各々への電力供給を制御するよう動作可能である。同時に、電源180の各々をオフにすることにより、電磁石によって生成される磁場の分路が可能になる。1つの例では、第1の導電性ワイヤは、半円状に1回以上巻かれ、第1の電磁石を形成するために、処理空間126の第1の半部分に対応する電磁石ハウジング172(
図1C)又はスペーサ110(
図1E)の第1の半部分に配置される。第2の導電性ワイヤは、半円状に1回以上巻かれ、第2の電磁石を形成するために、処理空間126の第2の半部分に対応する電磁石ハウジング172(
図1C)又はスペーサ110(
図1E)の第2の半部分に配置される。第1及び第2の電磁石は、反対の極性を有しうる。
【0029】
[0034]
図1Dに示すように、電磁石ハウジングシステム170の概略上面図であり、1つの例では、第1の導電性ワイヤ178aは、90度以下の角度円弧を有する半円に1回以上巻かれ、処理空間126の第1の象限126aに対応する電磁石ハウジング172の第1の象限179aに配置されて、第1の電磁石を形成する。第2の導電性ワイヤ178bは、90度以下の角度円弧を有する半円に1回以上巻かれ、処理空間126の第2の象限126bに対応する電磁石ハウジング172の第2の象限179bに配置されて、第2の電磁石を形成する。第3の導電性ワイヤ178cは、90度以下の角度円弧を有する半円に1回以上巻かれ、処理空間126の第3の象限126cに対応する電磁石ハウジング172の第3の象限179cに配置されて、第3の電磁石を形成する。第4の導電性ワイヤ178dは、90度以下の角度円弧を有する半円に1回以上巻かれ、処理空間126の第4の象限126dに対応する電磁石ハウジング172の第4の象限179dに配置されて、第4の電磁石を形成する。第1、第2、第3、及び第4の電磁石は、交互の極性を有しうる。
【0030】
[0035]ハウジング駆動システム115及び回転磁気ハウジング104は、ハウジングリフトシステム168に連結される。ハウジング駆動システム115と回転磁気ハウジング104とをハウジングリフトシステム168に連結することにより、基板165に対する回転磁気ハウジング104の垂直調整が容易になる。電磁石ハウジング172をハウジングリフトシステム168に連結することにより、基板165に対する電磁石ハウジング172の垂直調整が容易になる。例えば、磁石143の各々の中心を通って基板165まで形成される平面によって画定される垂直距離135は、対応するチャンバ101a又は101b内に維持されるプラズマの特性を調整するために、増加又は減少させることができる。例えば、導電性ワイヤ178の中心を通って形成される平面によって画定される垂直距離182は、対応するチャンバ101a又は101b内に維持されるプラズマの特性を調整するために、増加又は減少させることができる。ハウジングリフトシステム168は、回転磁気ハウジング104及びハウジング駆動システム115を同時に昇降させるように動作可能であるが、個々の作動も企図される。基板165からの垂直距離135、182を昇降させることで、基板165までのプラズマシースの距離の調整を行い、よって、イオン及びラジカルの濃度の移動を制御して、堆積又はエッチングされた膜の均一性及び応力などの特性を制御する。垂直作動を容易にするために、ハウジングリフトシステム168は、取付板112に対する垂直作動を容易にするために、電気モータ、ステッピングモータ、ねじ付きロッドを含むスクリュードライバなどの1つ又は複数のアクチュエータを含みうる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、モータ149は、マウント157によってハウジングリフトシステム168に連結される。
【0031】
[0036]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、外側壁113、175は、厚さ159を有する。外側壁113、175の材料及び厚さ159は、外側壁113、175の透磁率を制御することによって、処理空間126への磁場の閉じ込めをもたらす。
図1Eに示されるように、導電性ワイヤ178と位置合わせされ、スペーサ114の外壁162に連結されたシールド184の材料及び厚さは、処理空間126への磁場の閉じ込めをもたらす。処理空間126への磁場の閉じ込めは、隣接する処理チャンバの近接する処理空間への磁場の影響を緩和し、したがって、プロセス均一性を改善する。
図1A及び
図1Cに示されるように、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、チャンバ101a、101bは、作動シールド186を含み、その作動シールド186は、作動シールド186の本体188の開口部190が導電性ワイヤ178及び磁石143のうちの1つと位置合わせされるように昇降するよう動作可能である。
図1Eに示すように、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、チャンバ101a、101bは、導電性ワイヤと位置合わせされたシールド192の本体194の開口部196を有するシールド192を含む。作動シールド186及びシールド192の材料及び厚さは、処理空間126への磁場の閉じ込めをもたらす。
【0032】
[0037]
図2は、PECVDチャンバの処理空間126内に形成されたプラズマの密度プロファイル301を制御する方法200のフロー図である。説明を容易にするために、
図2は、
図1A-1Eを参照して説明されることになる。しかしながら、システム100以外のPECVDシステムが、方法200と併せて利用され、回転磁気ハウジングシステム102以外の磁気ハウジングアセンブリが、方法200と併せて利用されうることに留意されたい。
【0033】
[0038]工程201において、基板165は、基板支持体130の支持面134上に配置される。1つの実施形態では、基板は、チャンバ本体110を通して形成され、基板支持体130上に配置されたスリットバルブ138を通して、チャンバ101a、101b内に移送される。次いで、基板支持体130は、基板支持駆動システム136によって、処理空間126内の上昇した処理位置まで上昇する。
【0034】
[0039]工程202では、ある流量で、チャンバ101a、101bの処理空間126内に、1つ又は複数のガスが供給される。1つの実施形態では、流量コントローラ142は、1つ又は複数のガス源144からディフューザー146に1つ又は複数のガスを供給する。1つ又は複数のガスは、混合され、ディフューザー146の複数の孔又はノズルを通して処理空間126に注入される。1つの実施形態では、1つ又は複数のガスは、ディフューザー146に連続的に供給され、ディフューザー146内で混合され、処理空間126内に注入される。別の実施形態では、ポンプ150は、処理空間内の圧力を維持する。ポンプ150は、両方のチャンバ101a、101bに連結されているように
図1Aに示されるが、チャンバ101a、101bの各々が、個別のポンプ150を利用してもよいと考えられる。
【0035】
[0040]工程203において、RF電力が、1つ又は複数のガスの混合物に印加される。1つの実施形態では、RF源154は、基板支持体130にRFエネルギーを供給して、基板支持体130とガス分配アセンブリ122のディフューザー146との間の容量結合プラズマの発生を容易にする。RF電力は、電極156に供給され、ディフューザー146と基板支持体130との間に電場が生成され、基板支持体130とディフューザー146との間の処理空間126に存在するガスの原子がイオン化され、電子を放出する。イオン化された原子は、基板支持体130に加速されて、基板支持体130上に配置された基板165上への膜の堆積又はエッチングを容易にする。
【0036】
[0041]工程204では、処理空間126内に形成されたプラズマの密度プロファイル301が調整される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、回転磁気ハウジングシステム102の回転磁気ハウジング104は、ハウジング駆動システム115を介して、ある回転速度で処理空間126の中心軸103を中心として回転する。回転速度、磁石143の各々から中心軸103までの水平距離133、及び磁石143の各々の中心から基板165までの垂直距離135のうちの少なくとも1つは、工程204中に調整されうる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、電流は、円形路で導電性ワイヤ178に供給される。垂直距離135は、回転磁気ハウジング104及び基板支持体130の少なくとも1つを昇降させることによって調整されうる。回転磁気ハウジング104は、動的磁場を生成する。磁場は、プラズマの形状、イオン及びラジカルの濃度、並びにイオン及びラジカルの濃度の移動を修正して、プラズマの密度プロファイル301、イオン密度302、及び直径を制御する。プラズマの密度プロファイル301、イオン密度302、及び直径を制御することにより、堆積膜の均一性及び特性が調整される。複数の磁石143の各磁気は、複数の磁石143の各磁気の間にピッチpで保持ブラケットに保持される。ピッチpは、複数の磁石143の各隣接する磁石の間の距離に対応する。ピッチpは、回転磁気ハウジング104を回転させることによって生成される磁場を調整する。垂直距離135を調整することにより、基板に対するプラズマシースの距離が修正され、したがって、イオン及びラジカルの濃度の移動が制御されて、堆積された膜の均一性及び応力などの特性が制御される。
【0037】
[0042]別の実施形態では、電流、電力、導電性ワイヤ178から中心軸103までの水平距離133、及び導電性ワイヤ178の各々の中心から基板165までの垂直距離182のうちの少なくとも1つが、工程204中に調整されうる。垂直距離182は、電磁石ハウジング172及び基板支持体130の少なくとも1つを昇降させることによって調整されうる。電磁石ハウジング172は、動的磁場を生成する。磁場は、プラズマの形状、イオン及びラジカルの濃度、並びにイオン及びラジカルの移動を修正して、密度プロファイル301、イオン密度302、及びプラズマの直径を制御する。プラズマの密度プロファイル301、イオン密度302、及び直径を制御することにより、堆積膜の均一性及び特性が調整される。垂直距離182を調整することにより、基板に対するプラズマシースの距離が修正され、したがって、イオン及びラジカルの移動が制御されて、堆積された膜の均一性及び応力などの特性が制御される。
【0038】
[0043]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態では、工程204において、回転磁気ハウジング104の第1の半部分137及び第2の半部分139は、逆に配向された磁石143を有する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、工程204において、導電性ワイヤ178の各巻きの間の空隙、断面積、及び距離のうちの少なくとも1つが調整されうる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、工程204において、反対又は交互の極性を有する2つ以上の電磁石に、電力が順次供給される。
【0039】
[0044]いくつかの実施形態では、基板支持駆動システム136は、基板支持体130を、処理空間126の中心軸103の周りをある回転速度で回転させる。磁石143の強度は、処理される基板の表面の上の所望の半径方向位置にプラズマプロファイルのピークを位置決めするように選択される。逆に配向された磁石143を含む実施形態では、磁石143を介して生成される磁場は歪む。導電性ワイヤ178の各巻きの間の空隙、断面積、及び距離のうちの少なくとも1つの調整を含む実施形態では、導電性ワイヤ178を通る電流の流れを介して生成される磁場は歪む。反対又は交互の極性を有する2つ以上の電磁石に電力を順次供給することを含む実施形態では、導電性ワイヤ178を通る電流の流れを介して生成される磁場は歪む。磁場の歪みは、プラズマシースのピークをシフトさせる。しかしながら、処理中に、磁石143の回転及び処理体積126の周りの円形路内の導電性ワイヤ178を通って流れる電流は、基板の、歪んだプラズマシースのイオン及びラジカルへのより均一な曝露を容易にする。他の実施形態では、基板が回転し、均一な堆積プロファイルをもたらす。対照的に、従来のプロセスは、ピークが基板の上に中心を置くプラズマプロファイルを利用する。このような構成は、基板の半径方向外側エッジに対する基板の中心におけるイオン密度の増加のために、基板の回転を伴っても、不均一な堆積(例えば、中心が重い堆積)をもたらす。
【0040】
[0045]本開示の態様が、永久磁石、電磁石、又はこれらの組合せとともに利用されうると考えられる。加えて、磁石が交互の極性の構成で配置されてもよく、又は同様に配向された極性の磁石が約180度を包含するグループなどのグループで配置されてもよいと考えられる。
【0041】
[0046]要するに、磁気及び電磁石システム、並びにPECVDチャンバの処理空間内に形成されたプラズマの密度プロファイルを制御する方法が、本明細書に記載される。1つの実施形態では、回転磁気ハウジングは、静磁場又は動磁場を生成するために、処理空間の中心軸を中心として回転するように構成される。磁場は、プラズマの密度プロファイルを制御するために、プラズマの形状、イオン及びラジカルの濃度、並びにイオン及びラジカルの濃度の移動を修正する。プラズマの密度プロファイルを制御することにより、堆積又はエッチングされた膜の均一性と特性を調整する。
【0042】
[0047]上記は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の他の実施例及び更なる実施例が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバであって、
チャンバ本体と、
ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、
中心軸を有する処理空間を画定するために前記ガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体と、
前記基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、
前記チャンバに連結された電磁石ハウジングを有する電磁石磁気ハウジングシステムと
を備え、前記電磁石ハウジングが、
上部プレート、
外側壁、
丸形の中央開口部を画定する内側壁、
下部プレート、及び
2つ以上の導電性ワイヤ
を備え、前記導電性ワイヤの各々が前記電磁石ハウジングのそれぞれの部分に1回以上巻かれ、前記導電性ワイヤの各々が電源に個別に接続されるように動作可能である、チャンバ。
【請求項2】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、交互の極性を有する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、
半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第1の半部分に対応する電磁石ハウジングの第1の半部分に配置された第1の導電性ワイヤ、及び
半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第2の半部分に対応する電磁石ハウジングの第2の半部分に配置された第2の導電性ワイヤ
を備え、前記第1の導電性ワイヤと前記第2の導電性ワイヤが反対の極性を有する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項4】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第1の象限に対応する電磁石ハウジングの第1の象限に配置された第1の導電性ワイヤ、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第2の象限に対応する電磁石ハウジングの第2の象限に配置された第2の導電性ワイヤ、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第3の象限に対応する電磁石ハウジングの第3の象限に配置された第3の導電性ワイヤ、並びに
約90度以下の角度円弧を有する半円状に1回以上巻かれ、且つ前記処理空間の第4の象限に対応する電磁石ハウジングの第4の象限に配置された第4の導電性ワイヤ
を備え、前記第1、第2、第3及び第4の導電性ワイヤが交互の極性を有する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項5】
前記電磁石ハウジングが、前記電磁石ハウジングを昇降させるように動作可能であるハウジングリフトシステムに連結される、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項6】
作動シールドをさらに備え、当該作動シールドは、当該作動シールドの開口部が前記2つ以上の導電性ワイヤと整列されるように昇降するように動作可能である、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項7】
前記導電性ワイヤがトラックに連結され、前記導電性ワイヤが前記トラックに沿って作動可能である、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項8】
前記電磁石ハウジングの前記内側壁がチャンバスペーサの外壁に連結され、前記チャンバスペーサが、
前記チャンバ本体の取付板に連結された第1のフランジ、及び
前記チャンバリッドに連結された第2のフランジ
を有する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項9】
チャンバであって、
チャンバ本体と、
ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、
中心軸を有する処理空間を画定するために前記ガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体と、
前記基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、
前記チャンバに連結された電磁石ハウジングを有する電磁石磁気ハウジングシステムと
を備え、前記電磁石ハウジングが、
上部プレート、
外側壁、
丸形の中央開口部を画定する内側壁、
下部プレート、及び
交互の極性を有する2つ以上の導電性ワイヤ
を備え、前記導電性ワイヤの各々が前記電磁石ハウジングのそれぞれの部分に1回以上巻かれ、前記導電性ワイヤの各々が電源に個別に接続されるように動作可能である、チャンバ。
【請求項10】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、
半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第1の半部分に対応する電磁石ハウジングの第1の半部分に配置された第1の導電性ワイヤと、
半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第2の半部分に対応する電磁石ハウジングの第2の半部分に配置された第2の導電性ワイヤと
を備え、前記第1の導電性ワイヤと前記第2の導電性ワイヤが反対の極性を有する、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項11】
前記2つ以上の導電性ワイヤが、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第1の象限に対応する電磁石ハウジングの第1の象限に配置された第1の導電性ワイヤ、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第2の象限に対応する電磁石ハウジングの第2の象限に配置された第2の導電性ワイヤ、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第3の象限に対応する電磁石ハウジングの第3の象限に配置された第3の導電性ワイヤ、並びに
約90度以下の角度円弧を有する半円状に1回以上巻かれ、且つ前記処理空間の第4の象限に対応する電磁石ハウジングの第4の象限に配置された第4の導電性ワイヤ
を備え、前記第1、第2、第3及び第4の導電性ワイヤが交互の極性を有する、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項12】
前記電磁石ハウジングが、前記電磁石ハウジングを昇降させるように動作可能であるハウジングリフトシステムに連結される、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項13】
作動シールドをさらに備え、当該作動シールドは、当該作動シールドの開口部が前記2つ以上の導電性ワイヤと整列されるように昇降するように動作可能である、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項14】
前記導電性ワイヤがトラックに連結され、前記導電性ワイヤが前記トラックに沿って作動可能である、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項15】
前記電磁石ハウジングの前記内側壁がチャンバスペーサの外壁に連結され、前記チャンバスペーサが、
前記チャンバ本体の取付板に連結された第1のフランジ、及び
前記チャンバリッドに連結された第2のフランジ
を有する、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項16】
チャンバであって、
チャンバ本体と、
ガス分配アセンブリを有するチャンバリッドと、
中心軸を有する処理空間を画定するために前記ガス分配アセンブリの反対側に配置された基板支持体と、
前記基板支持体内に配置された電極に連結されるように動作可能な高周波(RF)源と、
前記チャンバに連結された電磁石ハウジングを有する電磁石磁気ハウジングシステムと
を備え、前記電磁石ハウジングが、
上部プレート、
外側壁、
丸形の中央開口部を画定する内側壁、
下部プレート、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第1の象限に対応する電磁石ハウジングの第1の象限に配置された第1の導電性ワイヤ、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第2の象限に対応する電磁石ハウジングの第2の象限に配置された第2の導電性ワイヤ、
約90度以下の角度円弧を有する半円状に巻かれ、且つ前記処理空間の第3の象限に対応する電磁石ハウジングの第3の象限に配置された第3の導電性ワイヤ、及び
約90度以下の角度円弧を有する半円状に1回以上巻かれ、且つ前記処理空間の第4の象限に対応する電磁石ハウジングの第4の象限に配置された第4の導電性ワイヤ
を備え、前記第1、第2、第3及び第4の導電性ワイヤが交互の極性を有し、且つ電源に個別に接続されるように動作可能である、チャンバ。
【請求項17】
前記電磁石ハウジングが、前記電磁石ハウジングを昇降させるように動作可能であるハウジングリフトシステムに連結される、請求項16に記載のチャンバ。
【請求項18】
作動シールドをさらに備え、当該作動シールドは、当該作動シールドの開口部が前記第1、第2、第3及び第4の導電性ワイヤと整列されるように昇降するように動作可能である、請求項16に記載のチャンバ。
【請求項19】
前記第1、第2、第3及び第4の導電性ワイヤがトラックに連結され、前記導電性ワイヤが前記トラックに沿って作動可能である、請求項16に記載のチャンバ。
【請求項20】
前記電磁石ハウジングの前記内側壁がチャンバスペーサの外壁に連結され、前記チャンバスペーサが、
前記チャンバ本体の取付板に連結された第1のフランジ、及び
前記チャンバリッドに連結された第2のフランジ
を有する、請求項16に記載のチャンバ。
【外国語明細書】