(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076088
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240529BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240529BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
B41J29/38 104
G03G21/00 398
G03G21/00 500
H04N1/00 885
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187474
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】澤田 夕暉
(72)【発明者】
【氏名】定野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】土佐 茂
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HK11
2C061HN15
2C061HT03
2C061HT07
2C061HT08
2C061HT09
2H270KA46
2H270LA72
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2H270RB01
2H270ZC03
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2H270ZC08
2H270ZD06
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB17
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5C062AB40
5C062AB42
5C062AB46
5C062AB49
5C062AB53
5C062AC15
5C062AC22
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】復帰要因を発生する機能部を管理する複数のコントローラの起動を制御する場合に、無駄な電力の消費を抑えて省エネモードからの復帰を迅速に行う。
【解決手段】画像形成装置は、複数の第1コントローラと第2コントローラとを有する。第2コントローラは、復帰要因を発生した機能部を示す復帰要因情報を第1記憶部に格納し、復帰要因の発生に基づいて、電源をオンさせる復帰要求を複数の第1コントローラに出力する。第1コントローラは、自コントローラが管理する機能部を示す復帰要因情報が第1記憶部に保持され、偽の復帰要因の発生を検知した場合、偽復帰要因検知フラグをセットする。第1コントローラの1つであるメインコントローラは、偽復帰要因検知フラグがセットされている場合、エンジン機構を起動することなく、第2コントローラに省エネルギーモードへの移行を要求し、メインコントローラの電源をオフする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
省エネルギーモード中に電源がオフされる複数の第1コントローラと、前記複数の第1コントローラの前記省エネルギーモードからの解除を制御する第2コントローラと、複数の機能部とを有する画像形成装置であって、
前記第2コントローラは、
前記複数の機能部のうち前記複数の第1コントローラの各々が管理する機能部が発生した前記省エネルギーモードからの復帰要因に基づいて、復帰要因を発生した機能部を示す復帰要因情報を第1記憶部に格納する復帰要因検知部と、
復帰要因の発生に基づいて、電源をオンさせる復帰要求を前記複数の第1コントローラに出力する復帰制御部と、を有し、
前記複数の第1コントローラの各々は、復帰要求に基づいて、前記第1記憶部に保持されている復帰要因情報が自コントローラが管理する機能部を示す場合、偽の復帰要因が発生したか否かを検知し、偽の復帰要因の発生を検知した場合、偽の復帰要因に対応する機能部に対応付けて偽復帰要因検知フラグをセットする偽復帰要因検知部を有し、
前記複数の第1コントローラの1つであるメインコントローラは、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、画像の形成に使用するエンジン機構を起動することなく、前記第2コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を要求し、前記メインコントローラの電源をオフする省エネ管理部を有する
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2コントローラは、自コントローラが管理する機能部からの偽の復帰要因の発生を検知した場合、前記復帰制御部による前記複数の第1コントローラへの復帰要求の出力を行わず、前記省エネルギーモードを維持する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
省エネルギーモードからの復帰要因毎に、ノイズチェックを実施するコントローラを示す情報と、偽復帰要因検知フラグの格納先を示す情報とが保持されるテーブルを有し、
電源がオンされた前記複数の第1コントローラの各々は、前記テーブルで示される、自コントローラが管理する機能部で復帰要因が発生した場合、偽復帰要因検知フラグを前記テーブルで示される格納先に格納する
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記省エネ管理部は、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、さらに、前記メインコントローラを除く他の第1コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を指示し、
前記省エネルギーモードへの移行の指示を受けた前記他の第1コントローラは、電源をオフする
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記省エネ管理部は、偽復帰要因検知フラグのいずれもセットされていない場合、前記エンジン機構の起動を指示する
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
省エネルギーモード中に電源がオフされる複数の第1コントローラと、前記複数の第1コントローラの前記省エネルギーモードからの解除を制御する第2コントローラと、複数の機能部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記第2コントローラは、
前記複数の機能部のうち前記複数の第1コントローラの各々が管理する機能部が発生した前記省エネルギーモードからの復帰要因に基づいて、復帰要因を発生した機能部を示す復帰要因情報を第1記憶部に格納し、
復帰要因の発生に基づいて、電源をオンさせる復帰要求を前記複数の第1コントローラに出力し、
前記複数の第1コントローラの各々は、復帰要求に基づいて、前記第1記憶部に保持されている復帰要因情報が自コントローラが管理する機能部を示す場合、偽の復帰要因が発生したか否かを検知し、偽の復帰要因の発生を検知した場合、偽の復帰要因に対応する機能部に対応付けて偽復帰要因検知フラグをセットし、
前記複数の第1コントローラの1つであるメインコントローラは、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、画像の形成に使用するエンジン機構を起動することなく、前記第2コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を要求し、前記メインコントローラの電源をオフする
画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
装置本体の動作を制御し、省エネルギーモード(以下、省エネモード)中に動作が停止するメインCPU(Central Processing Unit)と、省エネモードからの復帰信号を上位装置から受信した場合にメインCPUを起動する省エネCPUとを有する画像処理装置が知られている。例えば、省エネCPUは、復帰信号のパルス幅に応じて復帰信号がノイズにより誤って生成されたか否かを検出することでメインCPUの無駄な起動を抑止し、画像処理装置の消費電力を低減している(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、復帰信号がノイズによるものかを判別した後に、メインCPUを起動する場合、省エネモードからの復帰が遅くなり、画像形成装置の性能が低下する。省エネCPUが起動を制御するCPUが複数あり、復帰信号を出力する複数の機能部が各CPUによりそれぞれ管理される場合、省エネモードからの復帰がさらに遅くなるおそれがある。
【0004】
上記の課題に鑑み、本発明は、復帰要因を発生する機能部を管理する複数のコントローラの起動を制御する場合に、無駄な電力の消費を抑えて省エネモードからの復帰を迅速に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の画像形成装置は、省エネルギーモード中に電源がオフされる複数の第1コントローラと、前記複数の第1コントローラの前記省エネルギーモードからの解除を制御する第2コントローラと、複数の機能部とを有する画像形成装置であって、前記第2コントローラは、前記複数の機能部のうち前記複数の第1コントローラの各々が管理する機能部が発生した前記省エネルギーモードからの復帰要因に基づいて、復帰要因を発生した機能部を示す復帰要因情報を第1記憶部に格納する復帰要因検知部と、復帰要因の発生に基づいて、電源をオンさせる復帰要求を前記複数の第1コントローラに出力する復帰制御部と、を有し、前記複数の第1コントローラの各々は、復帰要求に基づいて、前記第1記憶部に保持されている復帰要因情報が自コントローラが管理する機能部を示す場合、偽の復帰要因が発生したか否かを検知し、偽の復帰要因の発生を検知した場合、偽の復帰要因に対応する機能部に対応付けて偽復帰要因検知フラグをセットする偽復帰要因検知部を有し、前記複数の第1コントローラの1つであるメインコントローラは、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、画像の形成に使用するエンジン機構を起動することなく、前記第2コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を要求し、前記メインコントローラの電源をオフする省エネ管理部を有する。
【発明の効果】
【0006】
復帰要因を発生する機能部を管理する複数のコントローラの起動を制御する場合に、無駄な電力の消費を抑えて省エネモードからの復帰を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【
図2】
図1の制御装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2の復帰判別テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図2の制御装置による省エネモードからの復帰処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】他の画像処理装置に搭載される制御装置の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図6の制御装置による省エネモードからの復帰処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。なお、以下では、画像形成装置の一例としてデジタル複合機(MFP:Multi-Function Printer)が説明される。しかしながら、本発明は、スキャナ、プリンタまたはファクシミリ等の単一の機能を有する画像形成装置に適用可能である。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、画像形成装置1の操作部のアプリケーション切り替えキー等により、複写機能、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能をそれぞれ実現する動作モードを相互に切り替えることが可能である。画像形成装置1は、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリント機能の選択時にはプリントモードとなり、スキャナ機能の選択時にはスキャナモードとなり、ファクシミリ機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
【0010】
また、画像形成装置1は、内部回路の状態に応じて、内部状態が通常モードまたは省エネモード(省電力モード)等に切り替わる。例えば、通常モードは、動作中モード(動作している状態)および待機モード(待機している状態)を有する。
【0011】
例えば、動作中モードは、画像またはテキストデータ等を紙媒体等に印刷する複写モードまたはプリントモードを含む。プリントモードは、ファクシミリモードにおいて受信データを紙媒体等に印刷する動作を含む。また、動作中モードは、原稿等をスキャンするスキャナモードまたはファクシミリモードにおける送受信動作を含む。内部回路の状態は、画像形成装置1のユーザによる操作部の操作または画像形成装置1内での制御により切り替わる。
【0012】
例えば、画像形成装置1は、自動原稿送り装置2(ADF:Auto Document Feeder)、画像読み取り装置3、書き込みユニット4、プリンタユニット5、操作部11、電源装置12および制御装置100を有する。プリンタユニット5は、感光体ドラム6、現像装置7、搬送ベルト8および定着装置9と、給紙トレイ10が収納される収納空間とを有する。
図1では、制御装置100は、プリンタユニット5内に配置されているが、プリンタユニット5には含まれない。例えば、制御装置100は、電源装置12に隣接して配置されてもよい。
【0013】
電源装置12は、電源ケーブルを介して商用電源ACに接続され、商用電源ACから供給される交流電圧を使用して、例えば、交流電圧および直流電圧を生成する。電源装置12は、生成した交流電圧および直流電圧のいずれかを、自動原稿送り装置2、画像読み取り装置3、書き込みユニット4、プリンタユニット5および操作部11等の各種負荷および制御装置100に供給する。
【0014】
プリンタユニット5は、画像情報に基づいて紙媒体等に転写するトナー像を作成する。プリンタユニット5は、画像の形成に使用するエンジン機構の一例である。以下、画像形成装置1での画像の形成の流れの一例として、動作モードが複写モードに設定されている場合について簡単に説明する。
【0015】
複写モードでは、複写の対象である原稿束(複数枚の原稿)が自動原稿送り装置2にセットされ、あるいは、複写の対象である原稿が画像読み取り装置3上にセットされる。操作部11に表示されるスタートボタンが押されると、自動原稿送り装置2は、原稿を1枚ずつ画像読み取り装置3に給送する。画像読み取り装置3は、自動原稿送り装置2から順に送られる原稿の各々または画像読み取り装置3にセットされた原稿の画像情報を読み取る。画像読み取り装置3により読み取られた画像情報は、例えば、制御装置100に搭載される画像処理部により処理される。
【0016】
書き込みユニット4は、画像処理部により処理された画像情報を光情報に変換する。感光体ドラム6は、感光体ドラム6に対向する位置に配置される帯電器により一様に帯電された後、書き込みユニット4により変換された光情報を含むレーザ光により露光される。露光により、感光体ドラム6上には静電潜像が形成される。現像装置7は、感光体ドラム6上の静電潜像を現像し、感光体ドラム6上にトナー像を形成する。搬送ベルト8は、トナー像を紙媒体等に転写する。定着装置9は、トナー像を紙媒体等に定着させる。そして、原稿の画像が複写された転写紙は、画像形成装置1から排出される。
【0017】
操作部11は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、操作部11の表示部に各種の情報を表示する。例えば、操作部11に表示される情報は、入力を受け付けた操作を示す情報、画像形成装置1の動作状況を示す情報、または、画像形成装置1の設定状態を示す情報などである。
【0018】
制御装置100は、内蔵する複数のCPU等のコントローラに制御プログラムを実行させることで、プリンタユニット5の制御、通信の制御および操作部11への入力の制御等、画像形成装置1の全体の動作を制御する。プリンタユニット5の制御は、電源の供給の制御を含む。制御装置100は、画像処理プログラムまたはデータ処理プログラムを実行することで画像処理またはデータ処理を実施し、紙媒体等に転写する画像を形成する。
【0019】
また、制御装置100は、動作モード(通常モードおよび省エネモード)の切り替えを制御する機能を有する。さらに、制御装置100は、画像形成装置1を有線または無線でネットワークに接続する機能を有する。例えば、制御装置100は、ネットワークを介してユーザ等からの画像データ等を含む印刷指示を受信し、または、画像形成装置1のサービス拠点との間でメンテナンス情報またはエラー情報等を送受信する。
【0020】
図2は、
図1の制御装置100の一例を示すブロック図である。
図2は、制御装置100のハードウェア構成とともに、各ハードウェアの機能構成を示している。制御装置100は、メインCPU110、サブCPU120、省エネCPU130、RAM(Random Access Memory)140およびROM(Read Only Memory)150を有する。メインCPU110は、第1コントローラおよびメインコントローラの一例である。サブCPU120は、第1コントローラの一例である。省エネCPU130は、第2コントローラの一例である。
【0021】
例えば、メインCPU110、サブCPU120、省エネCPU130、RAM140およびROM150は、制御基板に搭載され、システムバスBUSを介して相互に接続される。特に限定されないが、例えば、メインCPU110、サブCPU120および省エネCPU130は、SoC(System on Chip)として集積され、SoCが制御基板に搭載されてもよい。
【0022】
メインCPU110は、システム制御部111、省エネ管理部112、復帰要因処理部113、復帰判別部114、ノイズ検知部115、サブCPU通知部116および省エネCPU通知部117を有する。サブCPU120は、ノイズ検知部121、サブモジュール制御部122およびサブモジュール123を有する。省エネCPU130は、サブCPU制御部131、メインCPU制御部132および復帰要因検知部133を有する。サブCPU制御部131およびメインCPU制御部132は、復帰要求を出力する復帰制御部の一例である。ノイズ検知部115は、偽復帰要因検知部の一例である。
【0023】
例えば、メインCPU110およびサブCPU120は、通常モード中に電源がオンされて動作し、省エネモード中に電源がオフされて動作を停止する。省エネCPU130は、通常モードおよび省エネモードにかかわりなく電源がオンされて動作する。省エネCPU130は、メインCPU110およびサブCPU120の電源のオンとオフとを制御することで、通常モードと省エネモードとの切替えを実施する。
【0024】
RAM140は、共有メモリ141と通常メモリ142とを有する。共有メモリ141は、ノイズ検知フラグを保持する領域と、省エネモードからの復帰要因を保持する領域とが割り当てられる。ノイズ検知フラグは、偽復帰要因検知フラグの一例である。復帰要因を保持する領域は、第1記憶部の一例である。以下では、復帰要因を保持する領域は、復帰要因保存領域とも称される。通常メモリ142は、ノイズ検知フラグを保持する領域が割り当てられる。ROM150は、復帰判別テーブル151を保持する領域が割り当てられる。
【0025】
例えば、共有メモリ141および通常メモリ142は、互いに異なるチップ内に設けられる。共有メモリ141は、メインCPU110、サブCPU120および省エネCPU130によりアクセス可能である。通常メモリ142は、メインCPU110によってのみアクセス可能である。例えば、共有メモリ141のメモリ容量は、通常メモリ142のメモリ容量より小さい。
【0026】
図3は、
図2の復帰判別テーブル151の一例を示す図である。復帰判別テーブル151は、省エネモードからの復帰要因毎に、ノイズチェックを実施するCPUを示す情報と、ノイズチェックの結果を示すノイズ検知フラグの格納アドレスを示す情報とが保持される領域を有する。ここで、ノイズチェックは、省エネモードから通常モードへの復帰要因がノイズにより誤って発生したか否かを判別する処理である。以下では、ノイズにより誤って発生した復帰要因は、偽の復帰要因とも称される。
【0027】
省エネCPU130が判別する省エネモードからの復帰要因として、自動原稿送り装置2が開かれたことを検知する圧版検知、ユーザによる操作部11の操作の検知およびプリンタユニット5のメンテナンス用のドアが開けられたことのドア検知等がある。以下では、ユーザによる操作部11の操作の検知は、操作部検知とも称される。
【0028】
サブCPU120が判別する省エネモードからの復帰要因として、ファクシミリの着呼等がある。メインCPU110が判別する省エネモードからの復帰要因として、画像形成装置1に接続されるネットワークからのパケット受信等がある。
【0029】
自動原稿送り装置2、操作部11、プリンタユニット5、ファクシミリ制御部およびパケット受信部は、復帰要因の発生元の機能部の一例である。例えば、ファクシミリ制御部は、サブCPU120内にサブモジュール123として搭載されてもよい。また、パケット受信部は、メインCPU110内に搭載されてもよい。このように、復帰要因の発生元の機能部の幾つかは、サブCPU120内またはメインCPU110内に設けられてもよい。
【0030】
サブCPU120は、例えば、ファクシミリ着呼による復帰要因が偽であることを検知した場合、RAM140内の共有メモリ141の所定のアドレスにノイズ検知フラグを格納する。メインCPU110は、例えば、ネットワークからのパケット受信による復帰要因が偽であることを検知した場合、RAM140内の通常メモリ142の所定のアドレスにノイズ検知フラグを格納する。
【0031】
復帰判別テーブル151は、メインCPU110、サブCPU120および省エネCPU130に共通に設けられる。これにより、復帰要因を発生する機能部とノイズチェックを実施するCPUとの対応関係、および、ノイズ検知フラグの格納アドレスを一元管理することができる。これにより、例えば、復帰要因を発生するオプションのハードウェアが画像形成装置1に追加される場合に、省エネモードからの復帰制御に使用される情報の管理を容易にすることができる。
【0032】
省エネCPU130は、省エネCPU130が管理する機能部から発生する復帰要因が正常であるか偽であるかを検知する機能を有する。省エネCPU130は、偽の復帰要因の発生を検知した場合、省エネモードを維持し、サブCPU120およびメインCPU110の電源をオンせずに電源のオフ状態を維持する。
【0033】
省エネCPU130が管理する機能部に対して偽の復帰要因を検知したときの処理は、省エネCPU130のみで実施される。このため、省エネCPU130は、省エネCPU130が管理する機能部に対して偽の復帰要因を検知した場合、ノイズ検知フラグをRAM140に格納しない。したがって、省エネCPU130に対応するノイズ検知フラグの格納場所の領域は、復帰判別テーブル151に設けられない。
【0034】
図4および
図5は、
図2の制御装置100による省エネモードからの復帰処理の一例を示すシーケンス図である。
図4および
図5に示すシーケンス図は、偽の復帰要因の検知時の処理も含む。
図4および
図5において、実行状態を示す細長い矩形のうち、網掛けで示す部分は、省エネモードからの復帰処理を示す。
【0035】
図4の始まりにおいて、画像形成装置1は、通常モードで動作している。システム制御部111は、例えば、予め設定されたタイマ時間の間に画像形成装置1の操作がなかったため、省エネ管理部112に、通常モードから省エネモードに移行させる省エネ移行要求を出力する(
図4(a))。省エネ移行要求を受けた省エネ管理部112は、サブCPU通知部116を介してサブCPU120に省エネ移行を指示し、省エネCPU通知部117を介して省エネCPU130に省エネ移行を指示する(
図4(b)、(c))。
【0036】
サブCPU120のサブモジュール制御部122は、省エネ移行の指示に基づいて、サブモジュール123に停止指示を出力し、サブモジュール123に動作を停止させる(
図4(d))。サブモジュール123に停止指示を出力したサブCPU120は、省エネ移行の指示の応答を省エネ管理部112に出力し、電源をオフする(
図4(e))。
【0037】
省エネCPU130は、省エネ移行の指示に基づいて、省エネ移行の指示の応答を省エネ管理部112に出力する(
図4(f))。省エネ移行の指示の応答を受けた省エネ管理部112は、メインCPU110の電源をオフする(
図4(g))。そして、画像形成装置1の動作モードは、通常モードから省エネモードに移行される。
【0038】
この後、省エネCPU130は、省エネモードから通常モードに復帰させる復帰要因の発生を検出する。例えば、省エネCPU130の復帰要因検知部133は、復帰要因の発生元から復帰要求を受信した場合、復帰要因を検知する(
図4(h))。そして、復帰要因検知部133は、復帰要因の発生元を示す情報を復帰要因として共有メモリ141の復帰要因保存領域に保存する(
図4(i))。復帰要因の発生元を示す情報は、復帰要因情報の一例である。
【0039】
省エネCPU130のサブCPU制御部131は、サブCPU120に復帰要求を出力する(
図4(j))。サブCPU120は、復帰要求の受信により電源がオンされて起動される(
図4(k))。起動されたサブCPU120のサブモジュール制御部122は、サブモジュールに起動指示を出力し、サブモジュールを起動させる(
図4(l))。また、省エネCPU130のメインCPU制御部132は、メインCPU110に復帰要求を出力する(
図4(m))。メインCPU110は、復帰要求の受信により電源がオンされて起動される(
図4(n))。
【0040】
なお、この時点では、メインCPU110のシステム制御部111は、システムの起動処理を実施しないため、プリンタユニット5には電源が供給されず、プリンタユニット5は停止状態である。このため、消費電力の増加は、サブCPU120およびメインCPU110の電源のオンに伴う過渡的な増加だけである。
【0041】
サブCPU120は、ROM150の復帰判別テーブル151にアクセスし、サブCPU120が管理する省エネモードからの復帰要因を発生する機能部(この例ではファクシミリ着呼)を示す情報とノイズ検知フラグの格納アドレスとを取得する(
図4(o))。次に、サブCPU120は、RAM140の共有メモリ141にアクセスし、省エネCPU130が復帰要因保存領域に格納した復帰要因を取得する(
図4(p))。
【0042】
サブCPU120は、取得した復帰判別テーブル151の情報を参照し、発生した復帰要因のノイズチェックをサブCPU120で実施するか否かを判別する。例えば、サブCPU120は、復帰要因がファクシミリの着呼である場合、ノイズチェックの実施を決定し、ノイズ検知部121にノイズチェックを実施させる(
図4(q))。
【0043】
ノイズ検知部121は、例えば、ファクシミリの着呼を制御するファクシミリ制御部に設けられる復帰要因送信レジスタを参照し、復帰要因送信レジスタに保持されていた値を共有メモリ141のノイズ検知フラグに保存する(
図4(r))。
【0044】
ファクシミリ制御部は、ファクシミリの着呼が発生した場合に復帰要因送信レジスタをセットし、省エネモードから通常モードへの復帰要求を出力する。ファクシミリ制御部は、ファクシミリの着呼がない場合、復帰要因送信レジスタをセットしないため、復帰要因送信レジスタはリセット状態に維持される。共有メモリ141のノイズ検知フラグは、ファクシミリの着呼に対応付けられているため、復帰要因送信レジスタがセットされた場合、その後、共有メモリ141のノイズ検知フラグもセットされる。
【0045】
図5において、起動されたメインCPU110の省エネ管理部112は、復帰判別部114に復帰要因を判別させる(
図5(a))。復帰判別部114は、ROM150の復帰判別テーブル151にアクセスし、メインCPU110が管理する省エネモードからの復帰要因を発生する機能部(この例ではネットワーク受信)を示す情報とノイズ検知フラグの格納アドレスとを取得する(
図5(b))。次に、復帰判別部114は、RAM140の共有メモリ141にアクセスし、省エネCPU130が復帰要因保存領域に格納した復帰要因を取得する(
図5(c))。
【0046】
復帰判別部114は、取得した復帰判別テーブル151の情報を参照し、発生した復帰要因のノイズチェックをメインCPU110で実施するか否かを判別する。例えば、復帰判別部114は、復帰要因がネットワークからのパケット受信である場合、ノイズチェックの実施を決定し、ノイズ検知部115にノイズチェックを実施させる(
図5(d))。
【0047】
ノイズ検知部115は、例えば、ネットワークに対して情報を送受信する通信制御部に設けられる復帰要因送信レジスタを参照し、復帰要因送信レジスタに保持されている値を通常メモリ142のノイズ検知フラグに保存する(
図5(e))。
【0048】
通信制御部は、ネットワークからパケットを受信した場合に復帰要因送信レジスタをセットし、省エネモードから通常モードへの復帰要求を出力する。通信制御部は、ネットワークからパケットを受信しない場合、復帰要因送信レジスタをセットしないため、復帰要因送信レジスタはリセット状態に維持される。通常メモリ142のノイズ検知フラグは、ネットワークからのパケット受信に対応付けられているため、復帰要因送信レジスタがセットされた場合、通常メモリ142のノイズ検知フラグもセットされる。
【0049】
次に、復帰判別部114は、RAM140の共有メモリ141に保持されたノイズ検知フラグと、RAM140の通常メモリ142に保持されたノイズ検知フラグとを取得する(
図5(f))。復帰判別部114は、共有メモリ141および通常メモリ142にそれぞれ保持されたノイズ検知フラグに基づいて、復帰要因が正常であるか偽であるかを判別する(
図5(g))。
【0050】
共有メモリ141および通常メモリ142のノイズ検知フラグのいずれかがセットされている場合、復帰判別部114は、ノイズにより偽の復帰要因が発生したと判別する(
図5(h)のbreak)。この場合、復帰判別部114は、
図4のループ処理loopの先頭に処理を戻す。省エネ管理部112は、省エネモードへの移行処理を実施する。これにより、偽の復帰要因の発生に基づいて電源がオンされたメインCPU110およびサブCPU120の電源を再びオフすることができ、画像形成装置1を省エネモードに確実に移行することができる。
【0051】
一方、共有メモリ141および通常メモリ142のノイズ検知フラグのいずれもセットされていない場合、復帰判別部114は、正常な復帰要因が発生したと判別する(
図5(i))。この場合、省エネ管理部112は、システム制御部111にシステム起動要求を出力する(
図5(j))。
【0052】
システム制御部111は、システム起動要求に基づいて、システムを起動し、プリンタユニット5に電源を供給する。そして、画像形成装置1の動作モードが省エネモードから通常モードに復帰する(
図5(k))。復帰要因の判別を、機能部を各々管理するメインCPU110、サブCPU120および省エネCPU130で個別に実施する場合にも、復帰要因が正常である場合、動作モードを省エネモードから通常モードに復帰させることができる。
【0053】
図4および
図5に示すように、ノイズにより偽の復帰要因が発生した場合、システム制御部111によるシステムの起動が実施されることなく、画像形成装置1を省エネモードに戻すことができる。すなわち、ノイズにより偽の復帰要因が発生した場合、画像を形成するエンジン機構であるプリンタユニット5を起動することなく、画像形成装置1を省エネモードに戻すことができる。したがって、偽の復帰要因の発生によりシステム制御部111によりシステムが起動された後に省エネモードに戻る場合に比べて、画像形成装置1の消費電力を抑制することができる。
【0054】
なお、
図3で説明したように、省エネCPU130は、省エネモード中に圧版検知、操作部検知およびドア検知を行い、通常モードに復帰する制御を実施する。圧版検知、操作部検知およびドア検知の各々により発生する復帰要因は、ノイズによる偽の復帰要因の場合があり得る。このため、省エネCPU130は、圧版検知、操作部検知またはドア検知の各々においてノイズチェックを実施する。
【0055】
省エネCPU130は、偽の復帰要因の発生を検知した場合、サブCPU120およびメインCPU110に復帰要求を出力することなく、省エネモードを継続する。また、省エネCPU130は、復帰要因の発生元を示す情報を復帰要因保存領域に保存しない。省エネモードを継続する場合、サブCPU120およびメインCPU110の電源はオンされないため、省エネモードでの低消費電力状態を維持することができる。換言すれば、偽の復帰要因の発生の検知(ノイズチェック)を復帰要因の発生元を管理するCPU毎に実施することで、偽の復帰要因が発生した場合の消費電力の増加量をそれぞれ最小限にすることができる。
【0056】
以上、この実施形態では、メインCPU110およびサブCPU120は、自分が管理する機能部毎に、発生した復帰要因が正常か偽かを判別するノイズチェックを実施し、チェック結果をノイズ検知フラグとしてRAM140に格納する。そして、ノイズ検知フラグに基づいて、正常な復帰要因が発生した場合にシステムを起動する処理を実施し、偽の復帰要因が発生した場合に省エネモードに戻す処理を実施する。
【0057】
復帰要因の発生が正常か否かを復帰要因の発生元の機能部を管理するCPU毎に判別することで、最小限のハードウェアを起動して省エネモードから通常モードへの復帰制御を実施することができる。この結果、システム制御部111によりシステムを起動して復帰制御を実施する場合に比べて、画像形成装置1の消費電力を抑制することができる。また、偽の復帰要因の発生の検知処理の後にメインCPU110およびサブCPU120の電源をオンする場合に比べて、省エネモードからの復帰を迅速に行うことができる。したがって、復帰要因を発生する機能部を管理するメインCPU110およびサブCPU120の起動を制御する場合に、無駄な電力の消費を抑えて省エネモードからの復帰を迅速に行うことができる。
【0058】
省エネCPU130が管理する機能部で偽の復帰要因が発生した場合、サブCPU120およびメインCPU110の電源がオンされることなく省エネモードが継続される。これにより、省エネCPU130が管理する機能部で偽の復帰要因が発生した場合に、省エネモードでの低消費電力状態を維持することができ、画像形成装置1の消費電力をさらに抑制することができる。
【0059】
復帰判別テーブル151を設けることで、復帰要因を発生する機能部とノイズチェックを実施するCPUとの関係、および、ノイズ検知フラグの格納アドレスを一元管理することができる。これにより、例えば、復帰要因を発生するオプションのハードウェアが画像形成装置1に追加される場合に、省エネモードからの復帰制御に使用される情報の管理を容易にすることができる。
【0060】
メインCPU110は、偽の復帰要因の発生を検知した場合、サブCPU120および省エネCPU130に省エネ移行を指示する。これにより、偽の復帰要因の発生に基づいて電源がオンされたサブCPU120の電源を再びオフすることができ、省エネCPU130の制御により画像形成装置1を省エネモードに確実に移行することができる。
【0061】
機能部を各々管理するメインCPU110、サブCPU120および省エネCPU130により復帰要因の発生が偽であるか否かの判別を個別に実施する場合にも、復帰要因が正常である場合、動作モードを省エネモードから通常モードに復帰させることができる。
【0062】
図6は、他の画像処理装置に搭載される制御装置の一例を示すブロック図である。
図2と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6に示す制御装置102は、
図1に示した制御装置100の代わりに画像形成装置1に搭載される。
【0063】
制御装置102は、
図2と同様に、メインCPU110、サブCPU120、省エネCPU130、RAM140およびROM150を有する。メインCPU110は、
図2のメインCPU110から復帰判別部114およびノイズ検知部115を除いた構成を有する。サブCPU120は、
図2のサブCPU120からノイズ検知部121を除いた構成を有する。
【0064】
省エネCPU130は、
図2の省エネCPU130と同様の構成を有する。RAM140は、
図2のRAM140から通常メモリ142を除いた構成を有する。また、共有メモリ141は、ノイズ検知フラグを保持する領域を持たない。ROM150は、復帰判別テーブル151を保持する領域を持たない。
【0065】
図7は、
図6の制御装置102による省エネモードからの復帰処理の一例を示すシーケンス図である。
図4および
図5と同様の動作については、詳細な説明は省略する。
図7に示す例では、ノイズによる偽の復帰要因の発生が判別され、画像形成装置1は、通常モードに復帰した後に省エネモードに戻る。省エネ移行要求の発生から電源がオフするまでの動作と、復帰要因の発生後、メインCPU110の電源がオンされるまでの動作は、
図4および
図5と同様である。
【0066】
図7では、省エネCPU130のメインCPU制御部132から復帰要求を受けたメインCPU110の省エネ管理部112は、システム制御部111にシステム起動要求を出力する(
図7(a))。システム制御部111は、システム起動要求に基づいてシステムを起動し、画像形成装置1の動作モードを省エネモードから通常モードに復帰する(
図7(b))。これにより、プリンタユニット5に電源が供給される。
【0067】
メインCPU110の復帰要因処理部113は、復帰要因の判別処理を開始する(
図7(c))。復帰要因処理部113は、RAM140の共有メモリ141にアクセスし、復帰要因保存領域に保持された復帰要因(この例では偽の復帰要因)を取得する(
図7(d))。復帰要因処理部113は、取得した復帰要因が偽であるため、ノイズ等による復帰要因の発生を判別し、システム制御部111を介して省エネ管理部112に省エネ移行要求を出力する(
図7(e))。省エネ移行要求を受けた省エネ管理部112は、通常モードに復帰した画像形成装置1を省エネモードに戻す処理を実施する。
【0068】
図7に示す例では、正常な復帰要因が発生したか、偽の復帰要因が発生したかにかかわらず、システム制御部111によりシステムが起動され、画像形成装置1の動作モードが省エネモードから通常モードに復帰される。これにより、プリンタユニット5に電源が供給され、感光体ドラム6、現像装置7および定着装置9等が動作可能な状態になるため、システムの起動前に比べて消費電力が増加する。換言すれば、偽の復帰要因の発生により動作モードが通常モードに復帰し、無駄なハードウェアの動作により消費電力が増加してしまう。
【0069】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
省エネルギーモード中に電源がオフされる複数の第1コントローラと、前記複数の第1コントローラの前記省エネルギーモードからの解除を制御する第2コントローラと、複数の機能部とを有する画像形成装置であって、
前記第2コントローラは、
前記複数の機能部のうち前記複数の第1コントローラの各々が管理する機能部が発生した前記省エネルギーモードからの復帰要因に基づいて、復帰要因を発生した機能部を示す復帰要因情報を第1記憶部に格納する復帰要因検知部と、
復帰要因の発生に基づいて、電源をオンさせる復帰要求を前記複数の第1コントローラに出力する復帰制御部と、を有し、
前記複数の第1コントローラの各々は、復帰要求に基づいて、前記第1記憶部に保持されている復帰要因情報が自コントローラが管理する機能部を示す場合、偽の復帰要因が発生したか否かを検知し、偽の復帰要因の発生を検知した場合、偽の復帰要因に対応する機能部に対応付けて偽復帰要因検知フラグをセットする偽復帰要因検知部を有し、
前記複数の第1コントローラの1つであるメインコントローラは、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、画像の形成に使用するエンジン機構を起動することなく、前記第2コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を要求し、前記メインコントローラの電源をオフする省エネ管理部を有する
画像形成装置。
<2>
前記第2コントローラは、自コントローラが管理する機能部からの偽の復帰要因の発生を検知した場合、前記復帰制御部による前記複数の第1コントローラへの復帰要求の出力を行わず、前記省エネルギーモードを維持する
<1>に記載の画像形成装置。
<3>
省エネルギーモードからの復帰要因毎に、ノイズチェックを実施するコントローラを示す情報と、偽復帰要因検知フラグの格納先を示す情報とが保持されるテーブルを有し、
電源がオンされた前記複数の第1コントローラの各々は、前記テーブルで示される、自コントローラが管理する機能部で復帰要因が発生した場合、偽復帰要因検知フラグを前記テーブルで示される格納先に格納する
<1>または<2>に記載の画像形成装置。
<4>
前記省エネ管理部は、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、さらに、前記メインコントローラを除く他の第1コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を指示し、
前記省エネルギーモードへの移行の指示を受けた前記他の第1コントローラは、電源をオフする
<1>ないし<3>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<5>
前記省エネ管理部は、偽復帰要因検知フラグのいずれもセットされていない場合、前記エンジン機構の起動を指示する
<1>ないし<4>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<6>
省エネルギーモード中に電源がオフされる複数の第1コントローラと、前記複数の第1コントローラの前記省エネルギーモードからの解除を制御する第2コントローラと、複数の機能部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記第2コントローラは、
前記複数の機能部のうち前記複数の第1コントローラの各々が管理する機能部が発生した前記省エネルギーモードからの復帰要因に基づいて、復帰要因を発生した機能部を示す復帰要因情報を第1記憶部に格納し、
復帰要因の発生に基づいて、電源をオンさせる復帰要求を前記複数の第1コントローラに出力し、
前記複数の第1コントローラの各々は、復帰要求に基づいて、前記第1記憶部に保持されている復帰要因情報が自コントローラが管理する機能部を示す場合、偽の復帰要因が発生したか否かを検知し、偽の復帰要因の発生を検知した場合、偽の復帰要因に対応する機能部に対応付けて偽復帰要因検知フラグをセットし、
前記複数の第1コントローラの1つであるメインコントローラは、偽復帰要因検知フラグのいずれかがセットされている場合、画像の形成に使用するエンジン機構を起動することなく、前記第2コントローラに前記省エネルギーモードへの移行を要求し、前記メインコントローラの電源をオフする
画像形成装置の制御方法。
【0070】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
2 自動原稿送り装置
3 画像読み取り装置
4 書き込みユニット
5 プリンタユニット
6 感光体ドラム
7 現像装置
8 搬送ベルト
9 定着装置
10 給紙トレイ
11 操作部
12 電源装置
100 制御装置
110 メインCPU
111 システム制御部
112 省エネ管理部
113 復帰要因処理部
114 復帰判別部
115 ノイズ検知部
116 サブCPU通知部
117 省エネCPU通知部
120 サブCPU
121 ノイズ検知部
122 サブモジュール制御部
123 サブモジュール
130 省エネCPU
131 サブCPU制御部
132 メインCPU制御部
133 復帰要因検知部
140 RAM
141 共有メモリ
142 通常メモリ
150 ROM
151 復帰判別テーブル
AC 商用電源
BUS システムバス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】