IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山陽特殊製鋼株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-鋳造方法 図1
  • 特開-鋳造方法 図2
  • 特開-鋳造方法 図3
  • 特開-鋳造方法 図4
  • 特開-鋳造方法 図5
  • 特開-鋳造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076270
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】鋳造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 27/06 20060101AFI20240529BHJP
   B22D 7/06 20060101ALI20240529BHJP
   B22D 7/12 20060101ALI20240529BHJP
   B22D 7/10 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
B22D27/06 C
B22D7/06 G
B22D7/12 A
B22D7/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187771
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000180070
【氏名又は名称】山陽特殊製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 祐二
(57)【要約】
【課題】被覆剤の巻き込みを低減し鋼塊の品質の向上に寄与する鋳造方法の提供。
【解決手段】この鋳造方法は、鋳型6の底28に形成された湯口32から鋳型6に溶鋼を注入し鋼塊を得る鋳造方法である。この鋳造方法では、鋳型6内における溶鋼の対流と溶鋼の高さとの相関関係を求める。この相関関係に基づいて鋳型6内における被覆剤の配置高さHsを決定する。配置高さHsに被覆剤を配置する。湯口32から溶鋼を注入し、溶鋼の浴面を被覆剤で覆う。好ましくは、この鋳造方法では、相関関係をコンピュータシミュレーションで求める。好ましくは、コンピュータシミュレーションの条件に鋳型6のキャビティ形状を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型の底に形成された湯口から前記鋳型に溶鋼を注入し鋼塊を得る鋳造方法であって、
前記鋳型内における前記溶鋼の対流と前記溶鋼の高さとの相関関係を求め、
前記相関関係に基づいて前記鋳型内における被覆剤の配置高さを決定し、
前記配置高さに被覆剤を配置し、
前記湯口から前記溶鋼を注入し、前記溶鋼の浴面を前記被覆剤で覆う、鋳造方法。
【請求項2】
前記相関関係をコンピュータシミュレーションで求める、請求項1に記載の鋳造方法。
【請求項3】
前記コンピュータシミュレーションの条件に前記鋳型のキャビティ形状を含む、請求項2に記載の鋳造方法。
【請求項4】
前記鋳型が前記底に向かって先細りな内壁面を有し、
水平方向に対して前記内壁面の傾斜角度が40度以下である、請求項1又は2に記載の鋳造方法。
【請求項5】
鋳型の底に形成された湯口から前記鋳型に溶鋼を注入し鋼塊を得るために、前記鋳型内における前記溶鋼の対流と前記溶鋼の高さとの相関関係を求め、
前記相関関係に基づいて前記鋳型内における被覆剤の配置高さを決定する、被覆剤の配置高さ決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、溶鋼を用いた鋳造によって鋼塊を製造する鋳造方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
鋼材の製造の一例では、鋼材が鋼塊から得られる。この鋼塊は、溶鋼を鋳造して得られる。溶鋼を用いた鋳造方法の一例として、下注ぎ造塊法が知られている。下注ぎ造塊法では、鋳型の底に形成された湯口から溶鋼が鋳型に注入される。
【0003】
下注ぎ造塊法では、溶鋼を鋳型に注入中、被覆剤で溶鋼の浴面が覆われる。この被覆剤は、外気と溶鋼との接触を抑制する。これにより、溶鋼の酸化及び抜熱を抑制する。一方で、この被覆剤が溶鋼に巻き込まれることがある。巻き込んだ被覆剤は、得られる鋼塊の品質を低下させる。
【0004】
特許文献1には、被覆剤の巻き込みを低減しうる下注ぎ造塊法が開示されている。この方法では、被覆剤の添加後において、鋳型への溶鋼の吐出速度が制御されている。この吐出速度を制御することで、被覆剤の巻き込みが低減されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-7626公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の下注ぎ造塊法でも、被覆剤の巻き込みが発生することがある。溶鋼の吐出速度の制御だけでは、被覆剤の巻き込みは十分に抑制できない。
【0007】
本出願人の意図するところは、被覆剤の巻き込みを低減し鋼塊の品質の向上に寄与する鋳造方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示する鋳造方法は、鋳型の底に形成された湯口から前記鋳型に溶鋼を注入し鋼塊を得る鋳造方法である。この鋳造方法では、前記鋳型内における前記溶鋼の対流と前記溶鋼の高さとの相関関係を求める。前記相関関係に基づいて前記鋳型内における被覆剤の配置高さを決定する。前記配置高さに被覆剤を配置する。前記湯口から前記溶鋼を注入し、前記溶鋼の浴面を前記被覆剤で覆う。
【0009】
好ましくは、この鋳造方法では、前記相関関係をコンピュータシミュレーションで求める。
【0010】
好ましくは、前記コンピュータシミュレーションの条件に前記鋳型のキャビティ形状を含む。
【0011】
好ましくは、前記鋳型は前記底に向かって先細りな内壁面を有する。水平方向に対して前記内壁面の傾斜角度は、40度以下である。
【0012】
本明細書が開示する被覆剤の配置高さ決定方法では、鋳型の底に形成された湯口から前記鋳型に溶鋼を注入し鋼塊を得るために、前記鋳型内における前記溶鋼の対流と前記溶鋼の高さとの相関関係を求める。前記相関関係に基づいて前記鋳型内における被覆剤の配置高さを決定する。
【発明の効果】
【0013】
この鋳造方法では、溶鋼への被覆剤の巻き込みが、低減される。この鋳造方法は、得られる鋼塊の品質の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る鋳造設備が示された正面断面図である。
図2図2は、図1の鋳造設備が備える鋳型の断面図である。
図3図3は、図1の鋳造設備の使用状態が示された説明図である。
図4図4は、図1の鋳造設備の他の使用状態が示された説明図である。
図5図5は、図1の鋳造設備の更に他の使用状態が示された説明図である。
図6図6は、図1の鋳造設備の更に他の使用状態が示された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
【0016】
図1に、鋳造設備2が示されている。この鋳造設備2は、注入管4、鋳型6、定盤8、吊り下げ具10を備える。注入管4は、定盤8の上で起立している。鋳型6は、定盤8の上に置かれている。吊り下げ具10は鋳型6に配置されている。
【0017】
注入管4は、鉛直方向に延在している。注入管4は、上端に開口12を有している。注入管4は、第一湯道14を有している。第一湯道14は、注入管4の開口12から下端16にまで至っている。
【0018】
定盤8は、第二湯道18を有している。第二湯道18は水平方向に延在する。第二湯道18は第一湯道14と連通している。
【0019】
吊り下げ具10は、渡し棒20及びチェーン22を有している。渡し棒20は、鋳型6の上に置かれている。チェーン22は、渡し棒20から鋳型6の内側に延びている。
【0020】
図1では、被覆剤36(図5参照)が充填された袋24が示されている。この袋24は、チェーン22に取り付けられている。図1の両矢印Hsは、被覆剤36の配置高さを表している。この配置高さHsは、上下方向において、鋳型6の底面から袋24の下端までの距離として測定される。この吊り下げ具10は、被覆剤36を配置高さHsに配置している。
【0021】
図2には、鋳型6の断面が示されている。鋳型6は、側壁26と底28とを有している。鋳型6は、側壁26と底28とで囲まれたキャビティ30を有する。
【0022】
側壁26は、内壁面26Aと内壁面26Bとを有する。内壁面26Aは、鉛直方向に延びている。内壁面26Bは、内壁面26Aの下端から底28まで傾斜して延びている。この内壁面26Bは、底28に向かって先細りな面である。図2の両矢印θは、内壁面26Bの傾斜角度を表している。
【0023】
底28の上面28Aは、キャビティ30の底面を形成する。底28に湯口32が形成されている。湯口32は、底28の下面28Bから上面28Aまで至っている。湯口32の断面形状は円形である。湯口32は第二湯道18と連通している。
【0024】
図3には、鋳造設備2の使用状態が示されている。湯口32から鋳型6に溶鋼34が注入されている。図3の両矢印Hmは、鋳型6内における、溶鋼34の高さを表している。矢印A1は、湯口32における溶鋼34の流れを表している。矢印B1は鋳型6内の溶鋼34の流れを表している。矢印B1で示される様に、湯口32から注入された溶鋼34は、浴面に向かって上昇し、その後に底28に向かって下降し、更に湯口32に近づく向きに流動している。この様に、この使用状態では、溶鋼34は対流している。
【0025】
図4には、鋳造設備2の他の使用状態が示されている。湯口32から鋳型6に溶鋼34が注入されている。図4の両矢印Hmは、鋳型6内における、溶鋼34の高さを表している。矢印A2は、湯口32における溶鋼34の流れを表している。矢印B2は鋳型6内の溶鋼34の流れを表している。矢印B2で示される様に、湯口32から注入された溶鋼34は、浴面に向かって上昇し、その後に底28に向かって下降し、更に湯口32から離れる向きに流動している。この様に、この使用状態では、溶鋼34は対流していない。また、図4では、溶鋼34は袋24に到達している。
【0026】
図5には、鋳造設備2の更に他の使用状態が示されている。湯口32から鋳型6に溶鋼34が注入されている。矢印A3は、湯口32における溶鋼34の流れを表している。図示されないが、湯口32から注入された溶鋼34は、浴面に向かって上昇し、その後に底28に向かって下降し、更に湯口32から離れる向きに流動している。この使用状態では、図4の使用状態と同様に、溶鋼34は対流していない。この使用状態では、溶鋼34の浴面は、被覆剤36で覆われている。吊り下げ具10は、取り外されている。
【0027】
図6には、鋳造設備2の更に他の使用状態が示されている。鋳型6への溶鋼34の注入は停止している。この使用状態では、溶鋼34の浴面は、被覆剤36で覆われている。
【0028】
この鋳造設備2を用いた鋳造方法では、溶鋼34への被覆剤36の巻き込みが、発生し易い。種々の試験の結果、被覆剤36の巻き込みに、溶鋼34の対流の発生が大きく影響することが見出された。また、溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとには、相関関係があることが見出された。具体的には、溶鋼34の高さHmが低いときに溶鋼34に対流が発生し易く、溶鋼34の高さHmが高いときに溶鋼34に対流が発生し難い。また、この相関関係には、鋳型6の形状も影響することが見出された。具体的には、鋳型6の形状によって、溶鋼34に対流が解消する高さHmが異なることが見出された。この鋳造方法は、これらの知見を基に提案されている。
【0029】
図1の鋳造設備2を例に、溶鋼34を用いた鋳造方法が説明される。
【0030】
鋳型6内における溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとの相関関係が求められる。ここでは、この相関関係が、コンピュータシミュレーションで求められる。この相関関係が、CAE(コンピュータエディットエンジニアリング)で求められる。このCAEの解析条件として、溶鋼34の注入速度、温度、密度及び粘度と、鋳型6の形状(キャビティ30の形状)が用いられた。なお、注入速度は、湯口32の出口での溶鋼34の平均速度である。
【0031】
求められた相関関係に基づき、被覆剤36の配置高さHsが決定される。被覆剤36が袋24に充填される。吊り下げ具10のチェーン22に袋24が取り付けられる。配置高さHsに基づき、チェーン22の長さが調節される。吊り下げ具10が鋳型6の上に置かれる。被覆剤36が、配置高さHsに配置される。この様にして、鋳造設備2は、図1に示される状態にされる。
【0032】
溶鋼34が開口12から注入管4に注入される。溶鋼34は、第一湯道14を下降し、第二湯道18に至る。溶鋼34が、継続して注入管4に注入される。溶鋼34が、湯口32を通り、キャビティ30に注入される。溶鋼34は、鋳型6に下方から注入される。
【0033】
図3に示される様に、注入された溶鋼34は鋳型6内で対流する。更に、連続して溶鋼34が注入される。図4に示される様に、注入された溶鋼34は対流が解消する。鋳型6内における溶鋼34の高さHmが配置高さHsに達する。溶鋼34の熱で袋24が溶融する。被覆剤36が溶鋼34の浴面を覆う。吊り下げ具10が鋳型6から取り外される。この様にして、鋳造設備2は、図5の使用状態に到る。更に、鋳型6に溶鋼34が注入される。図6に示される様に、鋳型6への溶鋼34の注入が停止される。鋳型6に注入された溶鋼34が凝固する。この様にして、溶鋼34から鋼塊が得られる。
【0034】
この鋳造方法では、鋳型6内における溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとの相関関係が求められている。この鋳造方法では、鋳型6内における相関関係が求められている。鋳型6の影響を含めて、溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとの相関関係が求められている。この相関関係に基づいて、鋳型6内における被覆剤36の配置高さHsが決定される。この配置高さHsに被覆剤36が配置される。この鋳造方法は、溶鋼34の対流に被覆剤36が巻き込まれることが抑制される。この鋳造方法は、被覆剤36の巻き込みを抑制し、鋼塊の品質の向上に寄与する。
【0035】
この鋳造方法では、溶鋼34の対流が発生しない高さHm以上に、配置高さHsを決定することで、被覆剤36の巻き込みが一層抑制できる。一方で、溶鋼34の浴面を早期に被覆剤36で覆うことで、外気による酸化等が一層抑制できる。従って、この鋳造方法では、被覆剤36で浴面を早期に覆う観点から、必ずしも、溶鋼34の対流が発生しない高さHm以上に、配置高さHsを決定しなくてもよい。この製造方法では、鋳型6内における溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとの相関関係に基づいて、鋳型6内における被覆剤36の配置高さHsが決定されればよい。
【0036】
この鋳造方法では、溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとの相関関係を求める方法は、特に限定されない。しかしながら、この相関関係は、コンピュータシミュレーションで求めることで、容易にかつ高精度に求められる。この観点から、好ましくは、この相関関係は、コンピュータシミュレーションで求められる。
【0037】
溶鋼34の対流と溶鋼34の高さHmとの相関関係は、キャビティ30の形状の影響を受ける。この相関関係は、キャビティ30の形状を特定することで、更に高精度に求められる。この観点から、好ましくは、この相関関係を求める条件は、キャビティ30の形状を含む。
【0038】
この鋳型6は、底28に向かって先細りな内壁面26Bを有する。内壁面26Bの傾斜角度θが小さい鋳型6では、傾斜角度θが大きい鋳型6に比べて、高さHmが低い状態で溶鋼34の対流が解消する。傾斜角度θが小さい鋳型6では、被覆剤36の配置高さHsを低くできる。これにより、早期に溶鋼34の浴面を被覆剤36で覆うことができる。この様に、内壁面26Bの傾斜角度θが小さい鋳型6は、得られる鋼塊の品質の向上に寄与する。この観点から、内壁面26Bの傾斜角度θは、好ましくは40度以下であり、更に好ましくは20度以下である。
【0039】
なお、この鋳造方法では、被覆剤36の配置器として吊り下げ具10を用いたが、この配置器は、被覆剤36を配置高さHsに配置できればよく、これに限定されない。
【実施例0040】
以下、実施例に係る鋳造方法の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本明細書で開示された範囲が限定的に解釈されるべきではない。
【0041】
[テスト]
[テスト1]
図1に示された形状の鋳型Aを用いて、溶鋼の対流と溶鋼の高さとの相関関係がコンピュータシミュレーションされた。この鋳型Aでは内壁面の傾斜角度は20度であった。この鋳型Aの形状を含む条件で、シミュレーションが実行された。その結果が表1に示されている。
【0042】
[テスト2-3]
鋳型Aと形状が異なる鋳型B及び鋳型Cが準備された。鋳型B及び鋳型Cの内壁面の傾斜角度θは、表1に示す通りであった。その他は、テスト1と同様にして、溶鋼の対流と溶鋼の高さとの相関関係がコンピュータシミュレーションされた。その結果が表1に示されている。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に示される様に、鋳型の形状が異なることで、溶鋼の対流と溶鋼の高さとの関係は変化している。
【0045】
[実施例1]
図1に示された形状の鋳型Dが準備された。この鋳型Dの形状を含むシミュレーション条件で、溶鋼の対流と溶鋼の高さとの相関関係がコンピュータシミュレーションされた。
得られた溶鋼の対流と溶鋼の高さとの相関関係に基づき、被覆剤の配置高さHsが決定された。その配置高さHsに被覆剤を配置して、溶鋼から鋼塊が得られた。
【0046】
[比較例1-2]
二人の作業者がそれぞれ経験から被覆剤の配置高さHsを決定し、その配置高さHsに被覆剤を配置した。その他は、実施例1と同様にして、溶鋼から鋼塊が得られた。
【0047】
[実施例2-4]
鋳型Dと形状が異なる鋳型E、鋳型F、鋳型Gが準備された。その他は、実施例1と同様にして、それぞれの鋳型における溶鋼の対流と溶鋼の高さHmとの相関関係がコンピュータシミュレーションされた。実施例2及び4では、対流が生じない溶鋼の高さHmに被覆剤の配置高さHsが決定された。
実施例3では、鋼塊の仕様上問題のない程度に対流が生じる溶鋼の高さHmに、被覆剤の配置高さHsが決定された。その他は、実施例1と同様にして、溶鋼から鋼塊が得られた。それぞれの鋼塊の不良率が表2に示されている。この不良率は、比較例3を100とする指数で表されている。この指数は数値が小さいほど不良率が小さい。
【0048】
【表2】
【0049】
表2から明らかな通り、実施例の鋳造方法では、不良率が小さい。実施例の鋳造方法において、溶鋼への被覆剤の巻き込みが、抑制されている。この評価結果から、この鋳造方法の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明された鋳造方法は、様々な下注ぎ造塊法の鋳造に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
2・・・鋳造設備
6・・・鋳型
10・・・吊り下げ具
26・・・側壁
26A、26B・・・内壁面
28・・・底
30・・・キャビティ
32・・・湯口
34・・・溶鋼
36・・・被覆剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6