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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076747
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】メンテナンス方法及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20240530BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B41J2/165 207
B41J2/01 123
B41J2/01 303
B41J2/01 301
B41J2/01 401
B41J2/01 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188461
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】松本 博好
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EC07
2C056EC11
2C056EC41
2C056EC54
2C056FB03
2C056FC01
2C056HA02
2C056HA42
(57)【要約】
【課題】前処理液とインクを吐出する液体吐出装置において、前処理液のメンテナンスを行うことで前処理液の吐出性が低下することを抑制でき、メンテナンスの際に前処理液がインクを吐出するノズルに与える影響を低減できるメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、を備える液体吐出装置が行うメンテナンス方法であって、前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出工程を含み、前記空吐出工程は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出することを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、
前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、
前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、を備える液体吐出装置が行うメンテナンス方法であって、
前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出工程を含み、
前記空吐出工程は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出する
ことを特徴とするメンテナンス方法。
【請求項2】
前記液体吐出装置は、前記第1の液体吐出ヘッドと前記第2の液体吐出ヘッドとを搭載したキャリッジを備え、
前記空吐出工程は、前記キャリッジを前記液体受けに移動させた後、前記インクを吐出し、前記前処理液を吐出する
ことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス方法。
【請求項3】
前記液体吐出装置は、前記第1の液体吐出ヘッドを搭載した第1のキャリッジと、前記第2の液体吐出ヘッドを搭載した第2のキャリッジと、を備え、
前記液体受けは、前記インクが吐出されるインク用液体受けと、前記前処理液が吐出される前処理液用液体受けと、を有し、
前記空吐出工程は、前記インクを前記インク用液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記前処理液用液体受けに吐出する
ことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス方法。
【請求項4】
前記空吐出工程は、前記インクが複数の種類である場合、全ての種類の前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のメンテナンス方法。
【請求項5】
インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、
前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、
前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、
前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドの制御を行う制御部と、を備える液体吐出装置であって、
前記制御部は、前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドに対して、前記前処理液を印刷媒体に吐出した後に前記インクを印刷媒体に吐出する印刷処理と、前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出処理と、を行わせるよう制御し、
前記空吐出処理は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出する
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジを備える
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記キャリッジは往復走査し、該往復走査の方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、印刷媒体は前記副走査方向に搬送され、
前記第1の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前記インクを吐出する領域を印刷領域としたとき、前記液体受けは、前記印刷領域よりも前記主走査方向の一方の外側に備えられた第1の液体受けと、前記印刷領域よりも前記主走査方向の他方の外側に備えられた第2の液体受けと、を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記液体吐出装置は、前記第1の液体吐出ヘッドを搭載した第1のキャリッジと、前記第2の液体吐出ヘッドを搭載した第2のキャリッジと、を備え、
前記第2のキャリッジは、前記第1のキャリッジよりも印刷媒体の搬送方向の上流側で往復走査する
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記第1のキャリッジと前記第2のキャリッジは、同方向に往復走査し、該往復走査の方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、印刷媒体は前記副走査方向に搬送され、
前記液体受けは、前記インクの吐出を受けるインク用液体受けと、前記前処理液の空吐出を受ける前処理液用液体受けと、を有し、
前記第1の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前記インクを吐出する領域を印刷領域としたとき、前記インク用液体受けは、前記印刷領域よりも前記主走査方向の一方の外側に備えられた第1のインク用液体受けと、前記印刷領域よりも前記主走査方向の他方の外側に備えられた第2のインク用液体受けと、を有し、
前記第2の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前記前処理液を吐出する領域を前処理領域としたとき、前記前処理液用液体受けは、前記前処理領域よりも前記主走査方向の一方の外側に備えられた第1の前処理液用液体受けと、前記前処理領域よりも前記主走査方向の他方の外側に備えられた第2の前処理液用液体受けと、を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記印刷媒体は、布帛である
ことを特徴とする請求項5~9のいずれかに記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記前処理液は、水、有機溶剤及び凝集剤を含む
ことを特徴とする請求項5~9のいずれかに記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス方法及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ等の液体吐出装置では、例えばノズルの目詰まり防止やノズルのインク吐出の回復を目的としてメンテナンスを行う技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、ノズルからインクをキャップ部材に予備吐出させるフラッシング動作、キャップ部材でヘッドをキャッピングし、増粘インクや付着物を吸引する吸引動作、ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング動作が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、白色の下地の隠蔽性や発色性を高めるため、例えばロールコーターや液体吐出ヘッドにより前処理液を印刷媒体に付着させた後、白色の下地を形成することが開示されている。しかし、液体吐出ヘッドにより前処理液を吐出する場合、前処理液には凝集剤が含まれているため、乾燥等によってノズルに目詰まりが生じてしまう。前処理液についてもインクと同様にメンテナンスを行おうとすると、インクのノズルに前処理液に含まれる凝集剤が付着し、インクを吐出するノズルが詰まるおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、前処理液とインクを吐出する液体吐出装置において、前処理液のメンテナンスを行うことで前処理液の吐出性が低下することを抑制でき、メンテナンスの際に前処理液がインクを吐出するノズルに与える影響を低減できるメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のメンテナンス方法は、インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、を備える液体吐出装置が行うメンテナンス方法であって、前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出工程を含み、前記空吐出工程は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前処理液とインクを吐出する液体吐出装置において、前処理液のメンテナンスを行うことで前処理液の吐出性が低下することを抑制でき、メンテナンスの際に前処理液がインクを吐出するノズルに与える影響を低減できるメンテナンス方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る液体吐出装置の一例を示す概略図である。
図2】本発明に係る液体吐出装置の一例を示す要部概略図である。
図3】本発明に係る液体吐出装置の他の例を示す要部概略図である。
図4】本発明のメンテナンス方法の一例を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るメンテナンス方法及び液体吐出装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
本発明のメンテナンス方法は、インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、を備える液体吐出装置が行うメンテナンス方法であって、前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出工程を含み、前記空吐出工程は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出することを特徴とする。
【0011】
本発明の液体吐出装置は、インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドの制御を行う制御部と、を備える液体吐出装置であって、前記制御部は、前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドに対して、前記前処理液を印刷媒体に吐出した後に前記インクを印刷媒体に吐出する印刷処理と、前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出処理と、を行わせるよう制御し、前記空吐出処理は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出することを特徴とする。
【0012】
図1は、本発明の液体吐出装置の一実施形態における基本構成を説明するための平面概略図であり、本発明のメンテナンス方法を行う液体吐出装置の一実施形態を説明するための平面概略図である。ただし、図1では、前処理液についての図示及び説明を省略する。
【0013】
なお、液体吐出装置を、液体を吐出する装置などと称してもよい。また、液体吐出装置の一例として、画像形成装置、印刷装置、記録装置、プリンタ、インクジェットプリンタなどが挙げられる。
【0014】
キャリッジ1は、ガイドロット2で保持されており、主走査モータ3との間に渡されたプーリー4を介して主走査モータ3の駆動により主走査方向に走査される。このキャリッジ1には、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド9a、9bが搭載されている。
【0015】
図中、主走査方向と副走査方向を矢印で示している。キャリッジの走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としている。印刷媒体は副走査方向に搬送される。
【0016】
記録ヘッド9a、9bは、色ごとに一方向に複数のインク吐出ノズルが配列されたノズル列10y,10m,10c,10kから各色のインクを独立して吐出できる構成となっている。また、記録ヘッド9aはノズル列10y,10mを有し、記録ヘッド9bはノズル列10c,10kを有する。ノズルの配列方向は、例えば、図示するように副走査方向が挙げられる。ノズルの配列方向は、これに限られず、副走査方向に対して角度を有していてもよい。
【0017】
記録ヘッド9a、9bは、第1の液体吐出ヘッドの一例であり、第1の液体吐出ヘッドはインクを吐出する。第1の液体吐出ヘッドが吐出するインクは、印刷用インク、画像形成用インクなどと称してもよい。本例では、インクとしてイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のインクを用いているが、これに限られるものではなく、適宜変更が可能である。例えば1種のインクであってもよい。
【0018】
第1の液体吐出ヘッドは複数の液体吐出ヘッドであってもよく、本例のように、記録ヘッド9a、9bを第1の液体吐出ヘッドとしてもよい。インクの種類ごとに1つの液体吐出ヘッドであってもよい。
【0019】
なお、前処理液については後述する。前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドは、第1の液体吐出ヘッドが搭載されるキャリッジ1に搭載されていてもよいし、キャリッジ1とは別のキャリッジに搭載されていてもよい。
【0020】
キャリッジ1の位置情報は、例えばキャリッジ1に固定されたエンコーダセンサ6を用いることにより得ることができる。エンコーダセンサ6は、装置筐体に固定されたエンコーダシート5に等間隔で記録されたパターンを、キャリッジ1とともに移動しながら読み取る。例えば制御部100は、エンコーダセンサ6のカウントを加算/減算することでキャリッジ1の位置情報を算出することができる。
【0021】
画像形成の際には、エンコーダセンサ6によりキャリッジ1の位置情報を得ながらキャリッジ1を主走査方向に移動(走査)させて、必要な位置で記録媒体に対してインク滴を吐出する。このとき、主走査方向にキャリッジ1を移動させながらインク吐出動作を1回行うことで、ノズル列の長さと同じ幅のバンドに対して画像を形成することができる。また、1バンド分の画像形成が終了したら副走査モータ7を駆動して記録媒体を副走査方向に移動させて、再度1バンド分の画像形成動作を行う。これらを繰り返して、記録媒体の任意の場所に画像を形成することができる。
【0022】
また、印字中のインクジェット記録装置の機内には、インク吐出用アクチュエータの駆動信号生成回路、モータなど、多くの発熱源が存在する。このため、各種デバイスの温度や機内温度の管理のために、冷却ファン12が必要に応じて設置されている。例えば、装置内部に吸気口を有する吸気ダクトと該吸気ダクトにつながった排気装置(例えば冷却ファン12)とからなる排気ユニットが設けられていてもよい。
【0023】
記録ヘッドのノズル面のインクは、射出されずに一定時間経過すると増粘して吐出特性が劣化したり、吐出できなくなったりするなどして印字品質の低下を招く。このため、前回の印写ジョブから時間が経過している場合などには、維持機構8において、増粘インクを捨てるための空吐出やブレードによるワイピングなどを行ってノズル面のメンテナンスを行い、インク吐出特性を維持する。
【0024】
維持機構8は、インクが空吐出される液体受けを有している。空吐出とあるのは、印刷に寄与しないインクを吐出することを意味する。維持機構8が有する液体受けを符号21で示している。図中の符号8(21)とあるのは、維持機構8が液体受け21を有することを意味する。
【0025】
本実施形態の液体吐出装置は、液体受けを複数有していてもよい。図示するように、本例では紙面左側に、液体受け22が設けられている。2つの液体受けを区別して説明するために、第1の液体受け21、第2の液体受け22と称する。
【0026】
印字中においても印字するチャートによってはインク滴吐出を長時間行わないノズルが発生するため、このようなノズルはインク吐出特性が劣化する場合がある。このため、印字中や印字と印字の間にもインク吐出特性を回復させるために、例えば第2の液体受け22上にキャリッジ1を走査して移動させ、記録ヘッドのノズルから一定量のインク滴を吐出させてもよい。これにより、インクや前処理液の吐出特性をより良好に維持することができる。
【0027】
本例では、第1の液体受け21と第2の液体受け22の用途を使い分けている。例えば、長期に印字を行っていない状態の場合、増粘の度合いが大きくなることが想定されるため、このような場合に第1の液体受け21で空吐出を行う。また、この場合、ワイピングなどのメンテナンスも行う場合があるため、キャリッジ1の走査をさせることなく、その他のメンテナンスも行うことができる。また、維持機構8がキャップ部材を有していてもよく、乾燥を防ぐために液体吐出ヘッドをキャップ部材によりキャッピングする場合がある。キャッピング終了後、長期に印字を行っていない状態の場合に、第1の液体受け21で空吐出を行うようにすることでキャリッジ1の移動を抑え、効率良くメンテナンスを行うことができる。
【0028】
一方、第2の液体受け22では、キャッピングやワイピングを行わずに、空吐出のみを行う構成にする。本例では、印字中や印字と印字の間にもインク吐出特性を回復させるために、第2の液体受け22で空吐出を行う。このようにすることで、よりメンテナンスが行いやすくなり、インクや前処理液の吐出特性をより良好に維持することができる。
【0029】
制御部100は、例えばCPU、ROM、RAM、HDD/SSD、I/F等を備える。制御部100は、例えば第1の液体吐出ヘッド、第2の液体吐出ヘッドの吐出を制御する。この他にも制御部100は、キャリッジ1の走査、印刷媒体の搬送等を制御する。
【0030】
次に、前処理液の吐出について例を挙げて説明する。
図2は、本実施形態の液体吐出装置の一例における要部概略図である。本例は、図1に示す例において、キャリッジ1が第2の液体吐出ヘッドを搭載した場合の例に相当する。
【0031】
図示するように、キャリッジ1は記録ヘッド9cを搭載しており、記録ヘッド9cは、第2の液体吐出ヘッドの一例である。記録ヘッド9cはノズル列10pを有しており、ノズル列10pのノズルから前処理液が吐出される。第2の液体吐出ヘッドは複数の液体吐出ヘッドであってもよく、複数の種類の前処理液を吐出してもよい。
【0032】
本例における印刷工程では、キャリッジ1が主走査方向に往復走査され、第2の液体吐出ヘッドは印刷媒体40に前処理液を吐出し、第1の液体吐出ヘッドは前処理液が付与された印刷媒体40にインクを吐出する。
【0033】
本例のメンテナンス方法における空吐出工程は、第1の液体受け21又は第2の液体受け22に対して行われる。なお、維持機構8の符号は省略している。空吐出工程を行う際、キャリッジ1が第1の液体受け21又は第2の液体受け22の位置に移動し、記録ヘッド9a、9b、9cの空吐出を行う。
【0034】
本実施形態のメンテナンス方法は、空吐出工程の他にも、上述したようなワイピング工程、キャッピング工程などを含んでいてもよい。メンテナンス方法をメンテナンス工程などと称することがある。
【0035】
図3は、本実施形態の液体吐出装置の他の例における要部概略図である。本例は、第1の液体吐出ヘッドを搭載した第1のキャリッジと、第2の液体吐出ヘッドを搭載した第2のキャリッジとを備える場合の例である。
【0036】
本例の液体吐出装置は、記録ヘッド9a、9b(第1の液体吐出ヘッド)を搭載した第1のキャリッジ31と、記録ヘッド9c(第2の液体吐出ヘッド)を搭載した第2のキャリッジ32とを備える。第2のキャリッジ32は、第1のキャリッジ31よりも印刷媒体の搬送方向の上流側で往復走査する。本例における印刷工程でも、第2の液体吐出ヘッドが印刷媒体40に前処理液を吐出し、第1の液体吐出ヘッドは前処理液が付与された印刷媒体40にインクを吐出する。
【0037】
前処理液は、例えばインクの凝集による画像濃度の向上を目的として、インクの吐出よりも前に印刷媒体(記録媒体、媒体などとも称される)に付与される。
前処理液は、例えば、水、有機溶剤、凝集剤を含み、必要に応じて、界面活性剤等を含む。凝集剤としては、例えば、多価金属塩、カチオン性ポリマーなどが挙げられる。
【0038】
印刷媒体として布帛を用いる場合、前処理液の吐出が特に好ましく寄与する。前処理液を布帛に吐出した後にインクを吐出することで、布帛に対してのインクの浸透を抑えることができる。また、前処理液を布帛に吐出することで、インクの定着を向上させることができる。本実施形態の液体吐出装置において、第2の液体吐出ヘッドは印刷媒体に前処理液を吐出し、第1の液体吐出ヘッドは前処理液が吐出された印刷媒体にインクを吐出する。
【0039】
前処理液を吐出する領域としては、適宜選択することができる。前処理液を吐出する領域は、印刷媒体の全面であってもよいし、インクを吐出する領域に応じて適宜選択するようにしてもよい。
【0040】
本実施形態では、印刷工程を行う際、印刷媒体に前処理液を吐出した後、インクを吐出している。前処理液を用いることにより、印刷媒体に対するインクの浸透を抑えることができる、インクの定着を向上させることができる等の利点がある。上述のように、印刷媒体が布帛である場合、このような利点は特に好ましく考慮される。
【0041】
従来技術の一つには、ロールコーターを用いて前処理液を印刷媒体に付与した後、白色の下地を形成するものがある。しかしこの場合、前処理を施す手間が生じてしまい、良好な生産性が得られない。一方、本実施形態の液体吐出装置は前処理液とインクを吐出する。つまり、本実施形態の液体吐出装置は、前処理液の吐出とインクの吐出を行うことができる。このため、本実施形態の液体吐出装置は生産性を向上させることができる。
【0042】
また従来技術の一つには、前処理液とインクをインクジェット方式で印刷媒体に付着させるものがある。しかし、前処理液には凝集剤が含まれているため、乾燥等によってノズルに目詰まりが生じてしまう。前処理液を吐出する液体吐出ヘッドにおいても、通常は印刷工程外での吐出を実施し、ノズルメンテナンスが必要になる。しかし、従来技術には前処理液についてのメンテナンスに関して十分な検討がなされていない。前処理液についてもインクと同様にメンテナンスを行おうとすると、インクのノズルに凝集剤が付着し、インクを吐出するノズルが詰まるおそれがある。
【0043】
例えば、前処理液を空吐出すると、前処理液がミストとして浮遊し、装置内に舞ってしまう。前処理液のミストは、装置内を移動し、インクを吐出する液体吐出ヘッドまで到達し、インクの空吐出に影響を及ぼす。インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドを別のキャリッジにしたとしても、前処理液のミストはインクを吐出する第1の液体吐出ヘッドに到達し得る。
【0044】
そこで本実施形態では、メンテナンスを行う際に、インクを液体受けに吐出した後に、前処理液を液体受けに吐出する。すなわち本実施形態のメンテナンス方法は、インク及び前処理液を液体受けに吐出する空吐出工程を含み、空吐出工程は、インクを液体受けに吐出した後に、前処理液を液体受けに吐出することを特徴としている。
【0045】
また本実施形態の液体吐出装置において、制御部100は、第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドに対して、インク及び前処理液を印刷媒体に吐出して印刷を行う印刷処理と、インク及び前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出処理とを行わせるよう制御し、空吐出処理は、インクを液体受けに吐出した後に、前処理液を液体受けに吐出することを特徴としている。
【0046】
本実施形態によれば、前処理液とインクを吐出する液体吐出装置において、前処理液のメンテナンスを行うことで前処理液の吐出性が低下することを抑制でき、メンテナンスの際に前処理液がインクを吐出するノズルに与える影響を低減できる。
【0047】
本実施形態における空吐出工程では、インクを液体受けに吐出した後に、前処理液を液体受けに吐出する。インクを先に吐出することで、前処理液が系内を浮遊する前に増粘インクを排出(空吐出)することができる。例えばノズル面と液体受けとの間に空間が形成されている場合、空間内に前処理液が浮遊する場合があり、浮遊した前処理液がインクの空吐出に与える影響を低減できる。インクを先に空吐出することで、メンテナンス時にインクと前処理液の反応を避けることができる。
【0048】
一方、空吐出工程において、前処理液をインクよりも先に吐出すると、インクを吐出するノズルのメンテナンスが十分にできない場合がある。ノズル面と液体受けとの間に空間が形成されている場合、空間内に前処理液が浮遊し、浮遊した前処理液がインクを吐出するノズルに影響を及ぼす。例えば、増粘したインクを空吐出する前に、浮遊した前処理液によってノズル近傍のインクが凝集してしまうため、増粘したインクや凝集したインクを十分に吐出できない場合が生じる。このため、インクを吐出するノズルのメンテナンスが十分に実施できず、インクを吐出するノズルが詰まってしまい、インクの吐出性が劣化し、良好な画像が得られなくなってしまう。
【0049】
また、空吐出工程において、前処理液をインクよりも先に吐出すると、系内に前処理液がミストとして浮遊し、その後に空吐出したインクと反応して、インクを吐出するノズルやノズル面に影響を及ぼしてしまう。例えば、ミスト状態のインクがノズルやノズル面に付着した後に前処理液が更に付着すると、固着インクが生じてしまう。その他にも例えば、前処理液が系内に浮遊した状態でインクを空吐出すると、前処理液とインクが反応して系内(例えば装置内)に汚れが生じ、ノズル面や維持機構8に固着インク等の汚れが生じてしまう。
【0050】
また、空吐出工程において、前処理液とインクを同時に吐出すると、インクを吐出するノズルに前処理液に含まれる凝集剤が付着してしまう。このため、インクを吐出するノズルが詰まってしまい、インクの吐出性が劣化し、良好な画像が得られなくなってしまう。
【0051】
図4は、本発明のメンテナンス方法の一例を説明するためのフローである。
メンテナンスを行うかどうかの判定を行い(S101)、メンテナンスを行う場合(S101でYES)、メンテナンス位置に液体吐出ヘッドを移動させる(S102)。
【0052】
メンテナンスを行うかどうかの判定は、例えば制御部100が行う。定められた時期にメンテナンスを行ってもよいし、印刷ジョブの状況等に基づいてメンテナンスを行うようにしてもよい。また、印刷工程が終了してから所定の期間が経過したときにメンテナンスを行うようにしてもよい。
【0053】
メンテナンス位置に液体吐出ヘッドが移動した後、インクを液体受けに吐出する(S103)。次いで、前処理液を液体受けに吐出する(S104)。前処理液を液体受けに吐出して本例のメンテナンスが終了する。
【0054】
図示するフローの例では、メンテナンスとして空吐出工程を行っている。本例の空吐出工程は、フローにおけるS102~S104に相当する。
【0055】
メンテナンス位置としては、例えば液体受けが設けられている位置が挙げられる。液体受けが設けられる位置としては、適宜選択することができる。以下、図2及び図3の例について説明する。
【0056】
図2に示す例において、キャリッジ1は往復走査し、該往復走査の方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、印刷媒体は副走査方向に搬送され、第1の液体吐出ヘッドが印刷媒体にインクを吐出する領域を印刷領域としたとき、液体受けは、印刷領域よりも主走査方向の一方の外側に備えられた第1の液体受け21と、印刷領域よりも主走査方向の他方の外側に備えられた第2の液体受け22と、を有する。
【0057】
印刷領域(図中a)よりも主走査方向の外側に液体受けが設けられていることにより、印刷工程の際の吐出を阻害しない。また、上述したように、第1の液体受け21と第2の液体受け22を有する構成にすることにより、例えば第1の液体受け21と第2の液体受け22の用途を変更することができ、メンテナンスが行いやすくなり、インクや前処理液の吐出特性をより良好に維持することができる。液体受けは1つであってもよいが、本例のように2つであることが好ましい。
【0058】
図2に示す例では、メンテナンス位置がインクと前処理液とで共通しているため、装置を小型化させることができる。また、前処理液の空吐出とインクの空吐出の場所を共通にすることで、メンテナンスの制御が複雑になることを抑えることができる。
【0059】
図3に示す例も同様に、印刷領域よりも主走査方向の外側の所定位置に、インク用の液体受けが備えられている。また、図3に示す例では、下記の前処理領域よりも主走査方向の外側の所定位置に、前処理液用の液体受けが備えられている。
【0060】
図3に示す例において、第1の液体吐出ヘッドを搭載した第1のキャリッジ31と第2の液体吐出ヘッドを搭載した第2のキャリッジ32は、同方向に往復走査し、該往復走査の方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、印刷媒体は副走査方向に搬送される。
液体受けは、インクの吐出を受けるインク用液体受けと、前処理液の空吐出を受ける前処理液用液体受けと、を有する。
第1の液体吐出ヘッドが印刷媒体にインクを吐出する領域を印刷領域としたとき、インク用液体受けは、印刷領域よりも主走査方向の一方の外側に備えられた第1のインク用液体受け41と、印刷領域よりも主走査方向の他方の外側に備えられた第2のインク用液体受け42と、を有する。
第2の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前処理液を吐出する領域を前処理領域としたとき、前処理液用液体受けは、前処理領域よりも主走査方向の一方の外側に備えられた第1の前処理液用液体受け43と、前処理領域よりも主走査方向の他方の外側に備えられた第2の前処理液用液体受け44と、を有する。
【0061】
図3に示す例においても、図2に示す例と同様の効果が得られる。印刷領域(図中a)や前処理領域(図中b)よりも主走査方向の外側に液体受けが設けられていることにより、印刷工程の際の吐出を阻害しない。また、インク用の液体受けと前処理液用の液体受けが、それぞれ2つの液体受けを有する構成にすることにより、例えばそれぞれ2つの用途を変更することができ、メンテナンスが行いやすくなり、インクや前処理液の吐出特性をより良好に維持することができる。
【0062】
図3に示す例では、インクのメンテナンス位置と前処理液のメンテナンス位置が異なっているため、前処理液の空吐出がインクの空吐出に与える影響は、図2に示す例よりも抑えられる。しかし、前処理液を吐出するとミストが装置内を舞ってしまうため、インクの空吐出に影響が生じる。そのため、図3に示す例においても、インクを液体受けに吐出した後に、前処理液を液体受けに吐出する。
【0063】
図3に示す例では、インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドは、別のキャリッジに搭載されている。そのため、図3に示す例は、図2に示す例よりも装置を小型化させにくい。しかし、図3に示す例では、印刷工程における前処理液の吐出によってインクを吐出するノズルに与える影響を低減できる。キャリッジを別にすることにより、前処理液を印刷媒体に吐出してからインクを印刷媒体に吐出するまでに時間差が生じる。この時間の間に前処理液のミストが自然落下することで、インクを吐出するノズルに与える影響を低減できる。
【0064】
図3に示す例における空吐出工程について補足する。本例における空吐出工程では、インクの空吐出をした後に前処理液の空吐出をすればよく、キャリッジの移動のタイミング等については、適宜変更することができる。例えば、第2のキャリッジ32がメンテナンス位置に移動して前処理液の空吐出を行った後に、第1のキャリッジ31がメンテナンス位置に移動してインクの空吐出を行ってもよい。この他にも、第1のキャリッジ31と第2のキャリッジ32がともにメンテナンス位置に移動した後に、前処理液の空吐出を行い、次いでインクの空吐出を行うようにしてもよい。
【0065】
液体受けの構成としては、適宜選択することができる。液体受けは、例えば、ノズルと非接触の状態で前処理液とインクの吐出を受ける。非接触にすることで、液体受けに付着した前処理液やインクがノズルに付着することを防止できる。液体受けは、前処理液とインクの吐出を受ける面に吸収部材を有していてもよい。
【0066】
空吐出工程は、インクが複数の種類である場合、全ての種類のインクを液体受けに吐出した後に、前処理液を液体受けに吐出することが好ましい。このようにすることで、前処理液の空吐出がインクの空吐出に与える影響をより抑制することができる。
【0067】
液体受けには、廃液チューブが接続されていてもよく、廃液チューブは廃液ボトルに接続されていてもよい。この場合、液体受けに吐出された液体が、廃液チューブを介して廃液ボトルに貯留される。これにより、液体受けを長期にわたって使用することができる。
【0068】
印刷工程とは、前処理液とインクを印刷媒体に吐出して印刷媒体に画像を形成する工程である。また印刷処理とは、前処理液とインクを印刷媒体に吐出して印刷媒体に画像を形成する処理である。画像としては、文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されず、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。また、印刷は、画像形成、記録、印字、印写、造形などと称してもよい。
【0069】
印刷工程では、前処理液を印刷媒体に吐出した後、インクを印刷媒体に吐出する。必要に応じて乾燥等を行い、画像が形成された印刷媒体を搬送して出力する。乾燥等の工程を印刷工程に含めてもよいし、含めなくてもよい。
【0070】
印刷工程において、前処理液の吐出によってインクを吐出するノズルに与える影響を低減する方法としては、例えば以下のようにする方法が挙げられる。例えば、装置にファン等の排出手段を設け、印刷工程を行う間、ファンを起動し、ファンによって生じる気流で前処理液のミストを排出する方法が挙げられる。この他にも例えば、インクを吐出するタイミングを制御する方法が挙げられる。この方法では、前処理液を吐出してから所定の時間が経過してからインクを吐出するようにする。これにより、前処理液を吐出した際に生じるミストが自然落下してからインクを吐出することができる。
【0071】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、
前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、
前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、を備える液体吐出装置が行うメンテナンス方法であって、
前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出工程を含み、
前記空吐出工程は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出する
ことを特徴とするメンテナンス方法。
<2>前記液体吐出装置は、前記第1の液体吐出ヘッドと前記第2の液体吐出ヘッドとを搭載したキャリッジを備え、
前記空吐出工程は、前記キャリッジを前記液体受けに移動させた後、前記インクを吐出し、前記前処理液を吐出する
ことを特徴とする<1>に記載のメンテナンス方法。
<3>前記液体吐出装置は、前記第1の液体吐出ヘッドを搭載した第1のキャリッジと、前記第2の液体吐出ヘッドを搭載した第2のキャリッジと、を備え、
前記液体受けは、前記インクが吐出されるインク用液体受けと、前記前処理液が吐出される前処理液用液体受けと、を有し、
前記空吐出工程は、前記インクを前記インク用液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記前処理液用液体受けに吐出する
ことを特徴とする<1>に記載のメンテナンス方法。
<4>前記空吐出工程は、前記インクが複数の種類である場合、全ての種類の前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出する
ことを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のメンテナンス方法。
<5>インクを吐出する第1の液体吐出ヘッドと、
前処理液を吐出する第2の液体吐出ヘッドと、
前記インク及び前記前処理液が吐出される液体受けと、
前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドの制御を行う制御部と、を備える液体吐出装置であって、
前記制御部は、前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドに対して、前記前処理液を印刷媒体に吐出した後に前記インクを印刷媒体に吐出する印刷処理と、前記インク及び前記前処理液を前記液体受けに吐出する空吐出処理と、を行わせるよう制御し、
前記空吐出処理は、前記インクを前記液体受けに吐出した後に、前記前処理液を前記液体受けに吐出する
ことを特徴とする液体吐出装置。
<6>前記第1の液体吐出ヘッド及び前記第2の液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジを備える
ことを特徴とする<5>に記載の液体吐出装置。
<7>前記キャリッジは往復走査し、該往復走査の方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、印刷媒体は前記副走査方向に搬送され、
前記第1の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前記インクを吐出する領域を印刷領域としたとき、前記液体受けは、前記印刷領域よりも前記主走査方向の一方の外側に備えられた第1の液体受けと、前記印刷領域よりも前記主走査方向の他方の外側に備えられた第2の液体受けと、を有する
ことを特徴とする<6>に記載の液体吐出装置。
<8>前記液体吐出装置は、前記第1の液体吐出ヘッドを搭載した第1のキャリッジと、前記第2の液体吐出ヘッドを搭載した第2のキャリッジと、を備え、
前記第2のキャリッジは、前記第1のキャリッジよりも印刷媒体の搬送方向の上流側で往復走査する
ことを特徴とする<5>に記載の液体吐出装置。
<9>前記第1のキャリッジと前記第2のキャリッジは、同方向に往復走査し、該往復走査の方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、印刷媒体は前記副走査方向に搬送され、
前記液体受けは、前記インクの吐出を受けるインク用液体受けと、前記前処理液の空吐出を受ける前処理液用液体受けと、を有し、
前記第1の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前記インクを吐出する領域を印刷領域としたとき、前記インク用液体受けは、前記印刷領域よりも前記主走査方向の一方の外側に備えられた第1のインク用液体受けと、前記印刷領域よりも前記主走査方向の他方の外側に備えられた第2のインク用液体受けと、を有し、
前記第2の液体吐出ヘッドが印刷媒体に前記前処理液を吐出する領域を前処理領域としたとき、前記前処理液用液体受けは、前記前処理領域よりも前記主走査方向の一方の外側に備えられた第1の前処理液用液体受けと、前記前処理領域よりも前記主走査方向の他方の外側に備えられた第2の前処理液用液体受けと、を有する
ことを特徴とする<8>に記載の液体吐出装置。
<10>前記印刷媒体は、布帛である
ことを特徴とする<5>から<9>のいずれかに記載の液体吐出装置。
<11>前記前処理液は、水、有機溶剤及び凝集剤を含む
ことを特徴とする<5>から<11>のいずれかに記載の液体吐出装置。
【符号の説明】
【0072】
1 キャリッジ
2 ガイドロット
3 主走査モータ
4 プーリー
5 エンコーダシート
6 エンコーダセンサ
7 副走査モータ
8 維持機構
9 記録ヘッド
10 ノズル列
12 冷却ファン
21 第1の液体受け
22 第2の液体受け
31 第1のキャリッジ
32 第2のキャリッジ
40 印刷媒体
41 第1のインク用液体受け
42 第2のインク用液体受け
41 第1の前処理液用液体受け
42 第2の前処理液用液体受け
100 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2015-81259号公報
図1
図2
図3
図4