(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077071
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、エピタキシャル基板、半導体装置、及び、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法。
(51)【国際特許分類】
H01L 21/20 20060101AFI20240531BHJP
C30B 29/38 20060101ALI20240531BHJP
C30B 29/04 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H01L21/20
C30B29/38 D
C30B29/38 C
C30B29/04 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188893
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】大槻 剛
(72)【発明者】
【氏名】阿部 達夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 三千登
(72)【発明者】
【氏名】水澤 康
(72)【発明者】
【氏名】松原 寿樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 温
【テーマコード(参考)】
4G077
5F152
【Fターム(参考)】
4G077BA03
4G077BE13
4G077BE15
4G077ED04
4G077ED06
4G077HA12
5F152LL02
5F152LN03
5F152LN05
5F152NN03
5F152NN30
5F152NQ02
5F152NQ09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、エピタキシャル基板、半導体装置及びヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法を提供する。
【解決手段】表面にヘテロエピタキシャル層を成長させるための、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板で1あって、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす。
条件1:ドーパント含有量が1.0×10
16atоms/cm
3以上
条件2:酸素含有量が5.0×10
17atоms/cm
3以上
条件3:窒素含有量が5.0×10
15atоms/cm
3以上
条件4:炭素含有量が5.0×10
15atоms/cm
3以上
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にヘテロエピタキシャル層を成長させるための、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板であって、
以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板。
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
【請求項2】
前記ドーパントはボロンであることを特徴とする、請求項1に記載のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板と、
前記ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の表面に形成された前記ヘテロエピタキシャル層と、
を備えることを特徴とする、エピタキシャル基板。
【請求項4】
前記ヘテロエピタキシャル層を構成する材料は、GaN、AlN、ダイヤモンドのいずれか1種であることを特徴とする、請求項3に記載のエピタキシャル基板。
【請求項5】
請求項3に記載のエピタキシャル基板を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造する単結晶製造工程と、
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
前記単結晶製造工程で製造した前記単結晶シリコンからヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板を製造する基板製造工程と、
を含むことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、エピタキシャル基板、半導体装置、及び、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板上にダイヤモンドやGaNなどのシリコンと異なるヘテロエピタキシャル材料をエピタキシャル成長させるヘテロエピタキシャル技術は高価な材料を安価なシリコン基板上に成長させるために、低価格かつ大口径化が可能になり、非常に有効な手法である。しかしながら、シリコンとは異なる材料を成長させることから、シリコンとエピタキシャル材料の格子定数、線膨張係数が異なることによって、エピタキシャル成長後に基板にストレスが生じ、ストレスに起因して転位が発生し、さらに転位が束になってスリップとなることで、基板の反りが生じる場合があり、最悪のケースでは基板に割れが生じて破損してしまう問題がある。
【0003】
基板の反りや割れを抑制する技術としてはシリコン基板を厚くする技術があるが、それ以外の技術として、シリコン基板に着目してシリコンの特性から基板の反りや割れを抑制する試みがなされている。例えば、特許文献1には、単結晶シリコン基板上に付着させたダイヤモンド粒子を核として、化学気相成長法により、単結晶シリコン基板上に厚さが100μm以上の多結晶ダイヤモンド層を成長させる際のシリコン基板として5.0×1017atоms/cm3以下の酸素濃度の基板を使用することが開示されている。
【0004】
さらに別の方法として、シリコン基板をベースとした安価な窒化物半導体の形成に適したシリコン基板としてボロンの濃度を窒素の10~107倍の濃度に制御し、厚膜の窒化物半導体エピタキシャル層を成長させた場合でも、各材料間の格子定数差および熱膨張係数差から生じる、反りや割れの発生を低減し、機械的強度や、熱的強度に優れた窒化物半導体形成用基板が提案されている(特許文献2)。
【0005】
さらに別の方法として、酸素濃度が1.0×1016atoms/cm3程度以下の低酸素単結晶シリコン基板上に、炭化ケイ素薄膜、ダイヤモンド薄膜を順次積層することが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-102598号公報
【特許文献2】特開2022-124012号公報
【特許文献3】特開2002-261011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、シリコン基板上へのヘテロエピタキシャルを行なう場合のシリコン基板として軽元素に注目した技術があるが、実際のシリコン基板には先行技術文献に記載の酸素、ボロン、窒素以外にも炭素も含まれており、ヘテロエピタキシャル用シリコン基板の特徴は先行技術だけで規定できるものではない。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、エピタキシャル基板、半導体装置、及びヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、シリコン単結晶基板へのダイヤモンド成長やGaN、AlNなどのヘテロエピタキシャル成長用に使用するシリコン基板に関する技術であり、より詳しくは、シリコン基板中の軽元素を最適化してヘテロエピタキシャル成長時のシリコン基板の反りや割れを抑制する技術である。
より具体的には、本発明は、表面にヘテロエピタキシャル層を成長させるための、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板であって、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板を提供する。
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
【0010】
この構成では、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板がドーパント、酸素、窒素、炭素を条件1~4のうちの1つ以上を満たすように含有しているので、基板上にヘテロエピタキシャル成長を行う際に基板に生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを、条件1~4のいずれかに規定する含有量を満たす元素が阻止する。
つまり、ドーパント、酸素、窒素、炭素のうちの1つ以上の元素により転位の伸展が抑制され、結果としてスリップの進展も抑制される。
そのため、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるものとなる。
ここでドーパントとは、単結晶シリコンの抵抗率を制御するために添加されるボロン、Al、Ga、インジウム、リン、ヒ素、アンチモン等の不純物のことをいう。
【0011】
前記ドーパントはボロンであってもよい。ドーパントがボロンであると、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板がp型の半導体になる。またボロンの含有量を調整することで、基板の抵抗率を制御できるものとなる。
【0012】
また、本発明は、上記に記載のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板と、前記ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の表面に形成された前記ヘテロエピタキシャル層と、を備えることを特徴とする、エピタキシャル基板を提供する。
【0013】
この構成では、エピタキシャル基板のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板がドーパント、酸素、窒素、炭素の含有量を条件1~4のうちの1つ以上を満たすように含有しているので、基板上にヘテロエピタキシャル成長を行った際に基板に生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを、条件1~4のいずれかに規定する含有量を満たす元素が阻止する。
そのため、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制されたものとなる。
【0014】
前記ヘテロエピタキシャル層を構成する材料は、GaN、AlN、ダイヤモンドのいずれか1種であってもよい。ヘテロエピタキシャル層を構成する材料をGaNとすることで、半導体デバイスを形成した際にシリコン半導体デバイスよりも絶縁破壊電圧が高く、電子飽和速度が速いデバイスになる。ヘテロエピタキシャル層を構成する材料をAlN、ダイヤモンドとすることで、半導体デバイスを形成した際にシリコン半導体デバイスよりも絶縁破壊電圧が極めて高いデバイスになる。
【0015】
さらに、本発明は上記に記載のエピタキシャル基板を備えることを特徴とする半導体装置を提供する。
【0016】
この構成では、半導体装置が上記に記載のエピタキシャル基板を備えるため、ヘテロエピタキシャル成長を行った際に基板に生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを阻止され、反りや割れが抑制されたものとなっている。そのため、反りや割れが抑制され、信頼性の高い半導体装置となる。
【0017】
また、本発明は、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造する単結晶製造工程と、
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
前記単結晶製造工程で製造した前記単結晶シリコンからヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板を製造する基板製造工程と、を含むことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法を提供する。
【0018】
この構成ではヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板を製造する際に単結晶製造工程で、ドーパント、酸素、窒素、炭素の含有量が条件1~4のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造しているので、この単結晶シリコンから製造したヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長を行う際に基板に生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを、条件1~4のいずれかに規定する含有量を満たす元素が阻止する。
そのため、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、エピタキシャル基板、半導体装置、及びヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法を提供できる。
また、本発明の構成により、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるものとなるため、大口径のシリコン基板上へのヘテロエピタキシャル成長が可能なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、およびエピタキシャル基板の概略構成を示す。
【
図2】本発明の実施形態に係るヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法の概略を示す。
【
図3】実施例においてヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板が含有する各種軽元素の含有量とスリップの長さの一覧を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
上述のように、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板、エピタキシャル基板、半導体装置、及びヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法が求められていた。
【0023】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、先行技術とは異なりシリコン基板の特徴を俯瞰的に捉え、ヘテロエピタキシャル用基板に適したシリコン単結晶基板に求められる構成を模索した。
その結果、表面にヘテロエピタキシャル層を成長させるための、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板であって、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板により、ヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できることを見出し、本発明を完成した。
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
【0024】
また、上記に記載のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板と、前記ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の表面に形成された前記ヘテロエピタキシャル層と、を備えることを特徴とする、エピタキシャル基板により、反りや割れが生じるのが抑制された高品質のエピタキシャル基板を提供できることを見出し、本発明を完成した。
【0025】
さらに、上記に記載のエピタキシャル基板を備えることを特徴とする半導体装置により、反りや割れが生じるのを抑制された高品質で信頼性の高い半導体装置を提供できることを見出し、本発明を完成した。
【0026】
また、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造する単結晶製造工程と、
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
前記単結晶製造工程で製造した前記単結晶シリコンからヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板を製造する基板製造工程と、を含むことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法により、得られたヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の表面にヘテロエピタキシャル層を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係るヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の構成を説明する。
【0028】
図1に示すように、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は表面にヘテロエピタキシャル層3を成長させるための単結晶シリコン基板である。
ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の寸法、形状は成長させるヘテロエピタキシャル層3の材料、寸法、形状に応じて適宜選択できるが、円板状のウェーハと呼ばれるものを例示できる。
【0029】
ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす。好ましくは、2つ以上の条件、より好ましくは3つ、あるいは4つ全ての条件を満たすのが好適である。
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
以下、これらの条件について説明する。
【0030】
条件1は、ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上であることを規定したものである。ドーパントは公知の単結晶シリコン基板においては抵抗率を制御したり、n型、p型のような多数キャリアの種類を制御したりするために含有させるものであるが、本発明のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は条件1を満たす範囲でドーパントを含有することで、ヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるものとなる。
具体的には、条件1を満たすことで、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1上にヘテロエピタキシャル成長を行ってヘテロエピタキシャル層3を生成する際に、シリコンとヘテロエピタキシャル層3を構成する材料の格子定数や線膨張係数の相違に起因してヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1に転位が生じても、生じた転位がヘテロエピタキシャル層3に拡張するのをドーパントが阻止する。これにより転位が束になってスリップとなったり、スリップを起点に反りや割れが生じたりするのを抑制することができる。
【0031】
ドーパントとしては、シリコン基板の抵抗率を制御するために含有させる公知の元素であればよい。例えばボロンのような軽元素を例示できる。ドーパントがボロンであると、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1がp型の半導体になる。またボロンの含有量を調整することで、基板の抵抗率を制御できる。
ボロン以外のドーパントとしてはヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1をp型半導体にできるインジウムや、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1をn型半導体にできるリン、ヒ素、アンチモンを例示できる。
【0032】
条件2は、酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上であることを規定したものである。酸素はシリコン単結晶の機械的強度を向上させるものであり、抵抗率にも影響するが、本発明のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は条件2を満たす範囲で酸素を含有することで、ヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるものとなる。
具体的には、条件2を満たすことで、条件1を満たした場合と同様に、ヘテロエピタキシャル層3を生成する際にヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1に転位が生じても、生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを酸素が阻止し、反りや割れが生じるのを抑制する。この場合、酸素濃度(含有量)の基準はASTM’79(American Society for Testing and Materials)に準じるものとする。
【0033】
条件3は、窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上であることを規定したものである。
窒素は公知のシリコン基板においては結晶欠陥の発生を抑制したり、酸素析出物を制御したりするために単結晶シリコン基板に含有させる場合があるが、本発明のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は条件3を満たす範囲で窒素を含有することで、ヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるものとなる。
具体的には、条件3を満たすことで、条件1を満たした場合と同様に、ヘテロエピタキシャル層3を生成する際にヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1に転位が生じても、生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを窒素が阻止し、反りや割れが生じるのを抑制する。
【0034】
条件4は、炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上であることを規定したものである。
炭素は、公知の単結晶シリコン基板においては単結晶製造工程で混入するものであるが、本発明のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は条件4を満たす範囲で炭素を含有することで、ヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できるものとなる。
具体的には、条件4を満たすことで、条件1を満たした場合と同様に、ヘテロエピタキシャル層3を生成する際にヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1に転位が生じても、生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを炭素が阻止し、反りや割れが生じるのを抑制する。
【0035】
ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は、条件1~4のうち、1つ以上の条件を満たせばよいが、2つ以上の条件を満たすことで、反りや割れが生じるのを抑制する効果が、より強く得られる。より好ましくは3つ以上の条件を満たし、最も好ましくは4つの条件を満たす。
つまり、ドーパント、酸素、窒素、炭素の含有量を、効果が明確にみられる含有量として条件1~4に規定された条件を個別ないしは、合わせることで、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1を、より、反りや割れの抑制に有効なヘテロエピタキシャル用の基板とすることが可能である。
【0036】
なお、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1中のドーパント、酸素、窒素、炭素の含有量はFT-IR(フーリエ変換赤外光度分光法)またはSIMS(2次イオン質量分析法)等の公知の測定方法で測定できる。
【0037】
また、条件1~4で規定する元素の含有量の上限は特に限定しないが、例えばシリコンに対する固溶限界、あるいはヘテロエピタキシャル成長を阻害しない範囲の上限である。
【0038】
このように、本発明のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は、条件1~4のうちの1つ以上を満たす。そのため、ヘテロエピタキシャル層3を生成する際にヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1に転位が生じても、生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを阻止でき、反りや割れが生じるのを抑制できる。
以上が本発明のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の説明である。
【0039】
次に
図1を参照して本発明のエピタキシャル基板5の構成について説明する。
図1に示すようにエピタキシャル基板5はヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1と、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の表面に形成されたヘテロエピタキシャル層3を備える。
【0040】
ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の構成の説明に記載の通り、条件1~4のうちの1つ以上を満たすシリコン単結晶基板である。
ヘテロエピタキシャル層3は、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の表面にヘテロエピタキシャル成長により形成された層である。
ヘテロエピタキシャル層3は、シリコンとは異なる材料で、かつヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の表面にヘテロエピタキシャル成長できる材料で構成されていればよい。このような材料としてはGaN、AlN、ダイヤモンドのいずれか1種を例示できる。
【0041】
ヘテロエピタキシャル層3を構成する材料をGaNとすることで、半導体デバイスを形成した際にシリコン半導体デバイスよりも絶縁破壊電圧が高く、電子飽和速度が速いデバイスになる。ヘテロエピタキシャル層3を構成する材料をAlN、ダイヤモンドとすることで、半導体デバイスを形成した際にシリコン半導体デバイスよりも絶縁破壊電圧が極めて高いデバイスになる。
【0042】
なお、ヘテロエピタキシャル層3の成長方法としては気相成長法等の公知の方法を用いればよい。
【0043】
このように、本発明のエピタキシャル基板5は、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1がドーパント、酸素、窒素、炭素の含有量を条件1~4のうちの1つ以上を満たすように含有しているので、条件1~4のいずれかを満たす元素が、基板上にヘテロエピタキシャル成長を行った際に基板に生じた転位がエピタキシャル層に拡張するのを阻止する。
そのため、エピタキシャル基板5はヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制されたものとなる。
以上が本発明のエピタキシャル基板5の構成の説明である。
【0044】
次に
図1を参照して本発明の半導体装置7の構成を説明する。
図1に示すように、本発明の半導体装置7はエピタキシャル基板5を備える。
エピタキシャル基板5の構成は、エピタキシャル基板5の構成の説明に記載の通りである。
このエピタキシャル基板5のヘテロエピタキシャル層3にデバイスを形成し、必要に応じてダイシング等で所望の寸法、形状に成形したものが半導体装置7である。
【0045】
このように、本発明の半導体装置7はエピタキシャル基板5を備えるため、ヘテロエピタキシャル成長を行った際に基板に生じた転位がヘテロエピタキシャル層3に拡張するのを阻止され、反りや割れが抑制されたものとなる。そのため、反りや割れが抑制され、高品質で信頼性の高い半導体装置7となる。
以上が本発明の半導体装置7の構成の説明である。
【0046】
次に
図2を参照してヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の製造方法の概要を説明する。
まず、以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造する(
図2のS1、単結晶製造工程)。
条件1:ドーパント含有量が1.0×10
16atоms/cm
3以上
条件2:酸素含有量が5.0×10
17atоms/cm
3以上
条件3:窒素含有量が5.0×10
15atоms/cm
3以上
条件4:炭素含有量が5.0×10
15atоms/cm
3以上
【0047】
具体的な製造方法としてチョクラルスキー法や帯域溶融法等の公知の製造方法を用いて丸棒状の単結晶シリコンのインゴットを製造すればよい。
なお、単結晶製造工程においては、製造された単結晶シリコンが条件1~4の1つ以上を満たすようにするため、ドーパント、酸素、窒素、炭素を必要に応じて原料のシリコンに所定量となるように添加する。ただし、酸素についてはチョクラルスキー法で単結晶シリコンを製造する場合は石英坩堝から混入するため、必ずしも原料に添加する必要はない。単結晶育成中に坩堝回転速度や対流を制御することによって、酸素含有量を調整できる。
また、炭素についても単結晶製造工程で混入するものであるため、必ずしも原料に添加する必要はないが、原料に添加することで、より多くの炭素を高精度で単結晶中に導入することができる。
【0048】
単結晶製造工程が終了すると、次に単結晶製造工程で製造した単結晶シリコンからヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1を製造する(
図2のS2、基板製造工程)。
具体的には丸棒状の単結晶シリコンの外周を直径が均一になるように研削し、その後ワイヤーソー等を用いて棒の軸方向に垂直に単結晶シリコンを切断して円板状にする。さらにエッチングや表面研磨で表面形状を整えることで、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1が完成する。
【0049】
このように本発明の製造方法ではヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1を製造する際に単結晶製造工程で、ドーパント、酸素、窒素、炭素の含有量を条件1~4のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造している。そのため、この単結晶シリコンから切り出して製造したヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1上にヘテロエピタキシャル成長を行う際に基板に生じた転位がヘテロエピタキシャル層3に拡張するのを、条件1~4のいずれかを満たす元素が阻止する。
そのため、ヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合に反りや割れが生じるのを抑制できる。
以上がヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1の製造方法の概要の説明である。
【実施例0050】
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
条件1~4の1つ以上を満たすヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1を製造してヘテロエピタキシャル層3を成長させ、条件1~4のいずれも満たさない単結晶シリコン基板にヘテロエピタキシャル層3を成長させた場合と割れの有無を比較した。具体的な手順は以下の通りである。
【0051】
(ボロンの含有量とスリップ・割れの関係(実施例1、2、比較例1))
直径300mm、表面が(111)面、ボロンを2.0×1015atoms/cm3から1.0×1018atoms/cm3の間で異なる量で含有する3種類のボロンドープのシリコン単結晶基板(比較例1、実施例1、実施例2)を製造した。酸素の含有量はいずれの基板も2.0×1017atoms/cm3とし、炭素の含有量はいずれの基板も2.0×1015atoms/cm3とし、窒素はドープしなかった。この基板上に、3μm厚のGaNを成長させたのちにX線トポグラフィーを用いて基板内にあるスリップの長さの平均値を求めた。この時に、割れの有無を目視で確認した。なお、スリップ長を求めた理由は、割れは定量的な評価が難しい一方で、一般にはスリップ長が短いほど割れが生じにくくなるため、スリップ長を割れの生じやすさの指標としたためである。ボロンの含有量とスリップ・割れの関係を表1に示す。表1に示すようにボロンの含有量が2.0×1015atoms/cm3の基板では割れが生じていたが、含有量が1.0×1016atoms/cm3以上の基板は割れが生じておらず、スリップ長も短くなっていた。そのため、ボロンの含有量が1.0×1016atoms/cm3以上であれば割れが抑制できることがわかった。
【0052】
【0053】
(酸素の含有量とスリップ・割れの関係(実施例3、実施例4、比較例2))
直径300mm、表面が(111)面、酸素を2.0×1017atoms/cm3から2.0×1018atoms/cm3の間で異なる量で含有する3種類のボロンドープのシリコン単結晶基板(比較例2、実施例3、実施例4)を得た。ボロンの含有量はいずれの基板も2.0×1015atoms/cm3とし、炭素の含有量はいずれの基板も2.0×1015atoms/cm3とし、窒素はドープしなかった。この基板上に、3μm厚のGaNを成長させたのちにX線トポグラフィーを用いて基板内にあるスリップの長さの平均値を求めた。この時に、割れの有無を目視で確認した。酸素の含有量とスリップ・割れの関係を表2に示す。表2に示すように酸素の含有量が2.0×1017atoms/cm3の基板では割れが生じていたが、含有量が5.0×1017atoms/cm3以上の基板は割れが生じておらず、スリップ長も短くなっていた。そのため、酸素の含有量が5.0×1017atoms/cm3以上であれば割れが抑制できることがわかった。
【0054】
【0055】
(窒素の含有量とスリップ・割れの関係(実施例5、実施例6、比較例3))
直径300mm、表面が(111)面、窒素を1.0×1014atoms/cm3から9.0×1015atoms/cm3の間で異なる量で含有する、3種類のボロンドープのシリコン単結晶基板(比較例3、実施例5、実施例6)を製造した。ボロンの含有量は2.0×1015atoms/cm3、酸素の含有量は2.0×1017atoms/cm3、炭素の含有量は2.0×1015atoms/cm3とした。この基板上に、3μm厚のGaNを成長させたのちにX線トポグラフィーを用いて基板内にあるスリップの長さの平均値を求めた。この時に、割れの有無を目視で確認した。窒素の含有量とスリップ・割れの関係を表3に示す。表3に示すように窒素の含有量が1.0×1014atoms/cm3の基板では割れが生じていたが、含有量が5.0×1015atoms/cm3以上の基板は割れが生じておらず、スリップ長も短くなっていた。そのため、窒素の含有量が5.0×1015atoms/cm3以上であれば割れが抑制できることがわかった。
【0056】
【0057】
(炭素の含有量とスリップ・割れの関係(実施例7、実施例8、比較例4))
直径300mm、表面が(111)面、炭素を2.0×1015atoms/cm3から5.0×1016atoms/cm3の間で異なる量で含有する、ボロンドープの単結晶シリコン基板(比較例4、実施例7、実施例8)を製造した。ボロンの含有量は2.0×1015atoms/cm3、酸素の含有量は2.0×1017atoms/cm3とし、窒素はドープしなかった。この基板上に、3μm厚のGaNを成長させたのちにX線トポグラフィーを用いて基板内にあるスリップの長さの平均値を求めた。この時に、割れの有無を目視で確認した。炭素の含有量とスリップ・割れの関係を表4に示す。表4に示すように炭素の含有量が2.0×1015atoms/cm3の基板では割れが生じていたが、含有量が5.0×1015atoms/cm3以上の基板は割れが生じておらず、スリップ長も短くなっていた。そのため、炭素の含有量が5.0×1015atoms/cm3以上であれば割れが抑制できることがわかった。
【0058】
【0059】
なお、割れ、欠けは定量的な評価が難しいため、スリップ長で評価をおこなった結果、具体的には実施例1~8および比較例1~4の元素含有量とスリップ長の関係をグラフにしたものを
図3に示す。
図3に示すように、含有する軽元素の種類・含有量を振った直径300mmのシリコン基板にヘテロエピタキシャル層3を成長させたあとに、X線トポグラフィーでスリップの長さを評価した結果から、シリコンに含まれる軽元素の種類や含有量によってスリップの出方に大きな差がみられるが、含有量が多くなるとスリップが抑制される傾向になることがわかった。またスリップが抑制されることにより、反りも抑制されることが示唆された。
元素別では酸素と炭素の効果が大きいが、他の元素でも有効であることがわかる。すなわち、ヘテロエピタキシャル用の基板は何でも良いわけではなく、強度はじめ特性に応じたシリコン基板設計が必要であることがこの結果から分かった。
【0060】
(条件1~条件4を組み合わせた場合(実施例9~12、比較例5))
直径300mm、表面が(111)面、ボロン、酸素、窒素、炭素を以下の要件を満たすように含有させたシリコン単結晶基板を製造した。
比較例5:ボロン、酸素、窒素、炭素のいずれも含有量が条件1~4を満たさないもの
実施例9:ボロン、酸素、窒素、炭素のうち、1つの含有量が条件1~4のいずれかを満すもの(4通り)
実施例10:ボロン、酸素、窒素、炭素のうち、2つの含有量が条件1~4のいずれかを満すもの(6通り)
実施例11:ボロン、酸素、窒素、炭素のうち、3つの含有量が条件1~4のいずれかを満すもの(4通り)
実施例12:ボロン、酸素、窒素、炭素のうち、4つの含有量が条件1~4のいずれかを満すもの
これらの基板上に、3μm厚のGaNを成長させたのちにX線トポグラフィーを用いて基板内にあるスリップの長さの平均値を求めた。以上の結果を表5に示す。表5に示すように条件1~4を満たす元素数が増えるほど、平均スリップ長が短くなっており、条件1~4を組み合わせることにより、反りや割れを抑制する効果がより高くなることが分かった。
【0061】
【0062】
以上の結果から、条件1~4の1つ以上を満たすヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板1は、条件1~4のいずれも満たさない単結晶シリコン基板と比べてスリップ長が短く、割れを抑制できることが分かった。
また、条件1~4のうち、条件を満たす数が多くなるほどスリップ長が短くなり、割れを抑制する効果が高まることが分かった。
【0063】
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]:表面にヘテロエピタキシャル層を成長させるための、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板であって、
以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板。
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
[2]:前記ドーパントはボロンであることを特徴とする、上記[1]に記載のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板。
[3]:上記[1]又は上記[2]に記載のヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板と、
前記ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の表面に形成された前記ヘテロエピタキシャル層と、
を備えることを特徴とするエピタキシャル基板
[4]:前記ヘテロエピタキシャル層を構成する材料は、GaN、AlN、ダイヤモンドのいずれか1種であることを特徴とする、上記[3]に記載のエピタキシャル基板。
[5]:上記[3]又は[4]に記載のエピタキシャル基板を備えることを特徴とする半導体装置。
[6]:以下の4つの条件のうちの1つ以上を満たす単結晶シリコンを製造する単結晶製造工程と、
条件1:ドーパント含有量が1.0×1016atоms/cm3以上
条件2:酸素含有量が5.0×1017atоms/cm3以上
条件3:窒素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
条件4:炭素含有量が5.0×1015atоms/cm3以上
前記単結晶製造工程で製造した前記単結晶シリコンからヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板を製造する基板製造工程と、
を含むことを特徴とする、ヘテロエピタキシャル用単結晶シリコン基板の製造方法。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。