(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077165
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240531BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240531BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
G03G21/18 114
G03G21/00 538
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189051
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】松本 和樹
(72)【発明者】
【氏名】細川 浩
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AA37
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC02
2H077AC16
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD18
2H077AD24
2H077AE06
2H077BA08
2H077CA11
2H077EA03
2H077GA04
2H171FA02
2H171FA06
2H171FA13
2H171GA29
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA45
2H171KA01
2H171NA06
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB32
2H171QB36
2H171QC22
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H270KA09
2H270KA22
2H270SA03
2H270SB03
2H270SB13
2H270SC06
(57)【要約】
【課題】所望の通気方向への通気を良好におこなう。
【解決手段】現像装置5の内外の通気を可能とする通気口59aが形成された現像ケース59が設けられている。また、現像ケース59の通気口59aを覆い、現像剤を捕集して通気するフィルタ60と、現像ケース59の外側で空隙Cを形成した状態でフィルタ60を覆うフィルタカバー61と、が設けられている。そして、フィルタカバー61は、通気口59aにおける通気方向と同方向の通気を可能とする開口部61aが、通気方向に見て通気口59aと重ならない位置に形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に現像剤が収容されて、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
当該現像装置の内外の通気を可能とする通気口が形成された現像ケースと、
前記現像ケースの前記通気口を覆い、現像剤を捕集して通気するフィルタと、
前記現像ケースの外側で空隙を形成した状態で前記フィルタを覆うフィルタカバーと、
を備え、
前記フィルタカバーは、前記通気口における通気方向と同方向の通気を可能とする開口部が、前記通気方向に見て前記通気口と重ならない位置に形成されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記フィルタカバーは、前記通気口に対向する壁部が、前記現像ケースにおける前記通気口の周囲のケース面に対して傾斜するように形成されるとともに、前記像担持体に潜像を形成するために照射される光の光路に対して略平行に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記フィルタカバーは、前記通気口に対向する壁部から前記フィルタに向けて延びるリブが前記空隙に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記リブは、前記フィルタとの間に隙間が形成されるように形成されるか、又は、前記フィルタを圧接することなく前記フィルタに接触するように形成されるか、したことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記フィルタカバーは、前記開口部を覆い通気可能な第2フィルタが設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第2フィルタは、その捕集効率が前記フィルタの捕集効率に比べて小さく、その通気性が前記フィルタの通気性に比べて大きいことを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記フィルタカバーの前記開口部は、前記空隙において前記フィルタから最も離れた位置に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項8】
前記通気口は、前記現像ケースにおいて側方に開口するように形成され、
前記開口部は、前記フィルタカバーにおいて上方に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項9】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1又は請求項2に記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像装置と、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に設置される現像装置において、装置内の内圧上昇によるトナー飛散を防止するために、現像ケースに通気口を形成するとともに、その通気口をフィルタで覆う技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような現像装置は、通気口を覆うフィルタが、装置外に露呈するように設置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の現像装置は、通気口を覆うフィルタが装置外に露呈するように設置されていたため、フィルタの周囲に大きな気流が生じている場合などに、その気流によってフィルタ及び通気口の機能が損なわれてしまい、所望の通気方向への通気が良好におこなわれなくなる可能性があった。そして、そのような場合には、かえってトナー飛散などの不具合を助長してしまうことになる。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、所望の通気方向への通気が良好におこなわれる、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明における現像装置は、内部に現像剤が収容されて、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、当該現像装置の内外の通気を可能とする通気口が形成された現像ケースと、前記現像ケースの前記通気口を覆い、現像剤を捕集して通気するフィルタと、前記現像ケースの外側で空隙を形成した状態で前記フィルタを覆うフィルタカバーと、を備え、前記フィルタカバーは、前記通気口における通気方向と同方向の通気を可能とする開口部が、前記通気方向に見て前記通気口と重ならない位置に形成されたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、所望の通気方向への通気が良好におこなわれる、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図5】フィルタカバーを、(A)上面から示す斜視図と、(B)底面から示す斜視図と、(C)幅方向中央部を切断して示す斜視図と、である。
【
図6】フィルタカバーのリブが形成された部分を示す断面図である。
【
図7】比較例としての、現像装置の要部を示す断面図である。
【
図8】変形例1としての、現像装置の要部を示す断面図である。
【
図9】変形例2としての、現像装置の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0009】
まず、
図1、
図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1において、100は画像形成装置としてのプリンタ、1は像担持体としての感光体ドラム、4は感光体ドラム1の表面を帯電する帯電装置としての帯電ローラ、6は感光体ドラム1上にトナー像(画像)を形成するプロセスカートリッジ(作像部)、7はパソコンなどの入力装置から入力された画像情報に基づいた露光光L(光)を感光体ドラム1上に照射する露光部(書込み部)、9は感光体ドラム1上に担持されたトナー像を転写ニップ部(転写位置)に搬送される用紙Pに転写する転写装置としての転写ローラ、12は用紙P(記録媒体)が収納された給紙部(給紙カセット)、20は用紙P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、45は感光体ドラム1と転写ローラ9とが当接する転写ニップ部に向けて用紙Pを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す。
【0010】
ここで、
図1及び
図2を参照して、プロセスカートリッジ6は、像担持体としての感光体ドラム1と、帯電装置としての帯電ローラ4と、現像装置5(現像部)と、クリーニング装置2(クリーニング部)と、リサイクルトナー経路3、29と、が一体的にユニットとして構成されている。このプロセスカートリッジ6は、画像形成装置本体100に対して、着脱可能(交換可能)に設置されている。
【0011】
さらに詳しくは、像担持体としての感光体ドラム1は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。感光体ドラム1は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下地層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層が順次積層されている。また、感光体ドラム1は、駆動モータ(不図示)による回転駆動によって、所定方向(
図1の反時計方向である。)に回転駆動される。
帯電装置としての帯電ローラ4は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、感光体ドラム1に長手方向(幅方向)で当接している。帯電ローラ4には、通常の画像形成動作時に、電源部から所定の帯電バイアス(本実施の形態ではマイナス極性のDCバイアスである。)が印加されて、これにより対向する感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。
【0012】
現像装置5は、主として、感光体ドラム1に対向する現像ローラ51と、仕切部材を介して並設された2つの搬送スクリュ53、54、現像ローラ51に対向するドクターブレード52と、で構成される。現像装置5内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤(現像剤)が収容されている。また、現像装置5の上方には、プロセスカートリッジ6とは別に着脱可能に設置されたトナー容器(新品のトナーが収容されている。)が接続されている。
なお、現像装置5の構成・動作については、後で
図2~
図6等を用いて、詳しく説明する。
【0013】
図1及び
図2を参照して、クリーニング装置2には、感光体ドラム1に当接して感光体ドラム1の表面に付着した未転写トナーを除去するクリーニングブレード2aや、クリーニング装置2で除去・回収された未転写トナーを撹拌・搬送する撹拌部材2cや、クリーニング装置2で除去・回収された未転写トナーを幅方向(
図1、
図2の紙面垂直方向である。)に搬送する搬送スクリュ2b、などが設置されている。なお、未転写トナーには、用紙Pから生じる紙粉、未転写トナー同士が凝集したもの(凝集トナー)、帯電ローラ4による放電時に感光体ドラム1上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等の付着物が含まれている。
【0014】
クリーニングブレード2aは、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料からなる板状のブレード本体が保持板に保持されたものであって、感光体ドラム1の表面に所定角度かつ所定圧力で長手方向に当接している。これにより、感光体ドラム1上に付着する未転写トナーが機械的に掻き取られてクリーニング装置2内に回収されることになる。なお、本実施の形態において、クリーニングブレード2aは、感光体ドラム1の走行方向(回転方向)に対してカウンタ方向にて感光体ドラム1に当接している。
撹拌部材2cは、回転軸部に撹拌部が設置されたものであって、駆動モータからの駆動力を受けて所定方向に回転する。
搬送スクリュ2bは、回転軸部にスクリュ部が螺旋状に巻装されたものであって、駆動モータからの駆動力を受けて所定方向に回転する。
【0015】
そして、クリーニング装置2で回収された未転写トナーは、リサイクルトナーとしてリサイクルトナー経路3、29を経由して現像装置5に供給されることになる。
詳しくは、リサイクルトナー経路は、クリーニング装置2(プロセスカートリッジ6)の上方に配設されて搬送スクリュ2bが内設された搬送経路部29(水平搬送部)と、搬送経路部29と現像装置5とを中継する落下経路部3と、からなる。そして、クリーニング装置2の内部に回収された未転写トナーは、搬送経路部29の幅方向(
図1、
図2の紙面垂直方向である。)の一端側に形成された流入口から流入されて、搬送経路部29内で搬送スクリュ2bによって幅方向(回転軸方向)に搬送されて幅方向他端側の流出口から落下経路部3に向けて流出される。そして、落下経路部3に流入した未転写トナーは、落下経路部3を自重落下した後に、供給口から現像装置5内に供給されて、現像装置5内でリサイクルトナーとして用いられることになる。
【0016】
図1、
図2を参照して、画像形成装置100における、通常の画像形成動作について説明する。
まず、パソコン等の入力装置から画像形成装置1の露光部7に画像情報が送信されると、露光部7からその画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、感光体ドラム1の表面に向けて発せられる。なお、本実施の形態では、露光部7として、公知のLD光源(レーザダイオード)を用いたものを使用している。具体的に、露光部7は、画像情報に基づいてLD光源から射出された露光光Lを、高速回転するポリゴンミラーに反射させて主走査方向(幅方向)に走査させて、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成するものである。
一方、感光体ドラム1は、矢印方向(反時計方向)に回転している。そして、まず、感光体ドラム1の表面は、帯電ローラ4との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム1上には、帯電電位(-900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム1の表面は、それぞれの露光光Lの照射位置に達する。そして、露光光Lが照射された部分の電位が潜像電位(0~-100V程度である。)となって、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される(露光工程である。)。すなわち、感光体ドラム1の表面において、露光光Lが照射された部分は画像部(静電潜像)として潜像電位(画像部電位)が形成されて、それ以外の部分は非画像部(地肌部)として帯電電位(非画像電位)が維持される。
【0017】
その後、静電潜像が形成された感光体ドラム1の表面は、現像装置5(現像ローラ51)との対向位置に達する。そして、現像装置5から感光体ドラム1上にトナーが供給されて、感光体ドラム1上の潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム1の表面は、転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に達する。そして、転写ローラ9との転写ニップ部で、転写用電源部から転写ローラ9に転写バイアス(トナーの極性とは異なる極性のバイアスであって、本実施の形態ではプラス極性のバイアスである。)が印加されることによって、レジストローラ45により搬送された用紙P(記録媒体)上に、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写される(転写工程である。)。
【0018】
そして、転写工程後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置2との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニングブレード2aによって感光体ドラム1上に残存する未転写トナー(紙粉、凝集トナー等の、その他の付着物も含まれる。)が機械的に除去されて、クリーニング装置2内に回収される(クリーニング工程である。)。
その後、クリーニング工程後の感光体ドラム1の表面は、除電装置(不図示)の除電光が照射される位置に達する。そして、この位置で、除電装置によって感光体ドラム1上の表面電位がほぼ0Vにリセットされる(除電工程である。)。
こうして、感光体ドラム1における一連の作像プロセスが終了する。
【0019】
一方、感光体ドラム1と転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に搬送される用紙Pは、次のように動作する。
まず、給紙部12に収納された用紙Pの最上方の1枚が、給紙ローラ41によって、搬送経路に向けて給送される。
その後、用紙Pは、レジストローラ45の位置に達する。そして、レジストローラ45の位置に達した用紙Pは、感光体ドラム1上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ニップ部(転写ローラ9と感光体ドラム1との当接位置である。)に向けて搬送される。
【0020】
そして、転写工程後の用紙Pは、転写ニップ部(転写ローラ9)の位置を通過した後に、転写ガイド板や定着ガイド板によって形成される搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着された用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体100から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0021】
次に、現像装置5の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
図2、
図3を参照して、現像装置5は、主として、感光体ドラム1に対向して現像領域を形成する現像剤担持体としての現像ローラ51、現像ローラ51に対向する第1搬送スクリュ53(第1搬送部材)、仕切部材を介して第1搬送スクリュ53に対向する第2搬送スクリュ54(第2搬送部材)、現像ローラ51に対向して現像ローラ51上に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材としてのドクターブレード52、等で構成される。
これらの現像ローラ51、第1、第2搬送スクリュ53、54、ドクターブレード52は、現像装置5の現像ケース59に保持されている。なお、現像装置5において、現像ケース59には通気口59aが設けられ、通気口59aを覆うフィルタ60と、フィルタ60を覆うフィルタカバー61と、が設けられているが、これらについては後で
図4~
図6等を用いて詳しく説明する。
【0022】
現像装置5の内部には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤(現像剤)が収容されている。
現像ローラ5は、感光体ドラム1に対して微小なギャップをあけて対向して現像領域を形成するように構成されている。現像ローラ5は、
図3に示すように、内部に固設されてローラ外周面上に複数の極(磁極)を形成する磁石体51aと、磁石体51aの周囲を回転するスリーブ51bと、で構成される。
【0023】
2つの搬送スクリュ53、54は、現像装置5の内部に収容された現像剤を長手方向(幅方向)に搬送して循環経路(
図3にて破線矢印で示す循環経路である。)を形成する。すなわち、2つの搬送スクリュ53、54は、現像剤を長手方向(
図3の左右方向であって、
図2の紙面垂直方向である。)に搬送する複数の搬送経路B1、B2を形成する。具体的に、第1搬送スクリュ53による第1搬送経路B1と、第2搬送スクリュ54による第2搬送経路B2と、による現像剤の循環経路が形成されている。
【0024】
第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とは仕切部材(壁部)によって隔絶されていて、2つの搬送経路B1、B2の長手方向両端部は互いに連通している。具体的に、
図3を参照して、第1搬送経路B1の搬送方向下流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向上流側の端部と、が第1中継部を介して連通していて、第1搬送経路B1の搬送方向上流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向下流側の端部と、が第2中継部を介して連通している。すなわち、仕切部材は、長手方向両端部を除く位置に配設されている。
第1搬送スクリュ53(第1搬送経路B1)は現像ローラ51に対向するように配設され、第2搬送スクリュ54(第1搬送経路B1)は仕切部材を介して第1搬送スクリュ53(第1搬送経路B1)に対向するように配設されている。
本実施の形態において、2つの搬送スクリュ53、54は、水平方向に並設されている。2つの搬送スクリュ53、54は、いずれも、軸部にスクリュ部が巻装されたものである。
【0025】
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にしてさらに詳しく説明する。
現像ローラ51は、駆動モータ(不図示)による駆動により、
図2の矢印方向(時計方向)に回転する。現像装置5内の現像剤は、
図3に示すように、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ53及び第2搬送スクリュ54の矢印方向の回転によって、トナー容器から補給口58を介して補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(
図3における破線矢印方向の循環である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、現像ローラ51上に形成された剤汲上げ極によって、キャリアとともに現像ローラ51上に汲み上げられる。現像ローラ51上に担持された現像剤は、
図2の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52との対向位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51上に残った現像剤はスリーブの回転にともない第1搬送スクリュ53の上方に達して、この位置で現像ローラ51から離脱される。ここで、現像領域における電界は、現像用の電源部によって現像ローラ51に印加される所定の電圧(現像バイアス)と、帯電工程と露光工程とによって感光体ドラム1の表面に形成される表面電位(潜像電位)と、によって形成されるものである。
【0026】
なお、トナー容器内のトナーは、現像装置5内のトナーの消費にともない、補給口58から現像装置5内に適宜に補給されるものである。現像装置5内のトナーの消費は、現像装置5内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)を磁気的に検知するトナー濃度センサ(不図示)によって検知される。
また、補給口58は、第2搬送スクリュ54の長手方向(
図3の左右方向である。)の一端であって、第2搬送スクリュ54(第2搬送経路B2)の上方に設けられている。
なお、本実施の形態において、現像装置5は、画像形成装置100に装着された状態で現像用の駆動モータに接続されて、この現像用の駆動モータが制御部による制御によって駆動されることで現像ローラ51や搬送スクリュ53、54が回転駆動されることになる。
【0027】
以下、本実施の形態における現像装置5(プロセスカートリッジ6)の、特徴的な構成・動作について詳述する。
図2~
図4等を参照して、本実施の形態における現像装置5は、現像装置5の内外の通気を可能にする通気口59a(開口)が形成された現像ケース59が設けられている。また、現像装置5には、現像ケース59の通気口59aを覆い、現像剤を捕集して通気するフィルタ60が設けられている。
詳しくは、現像装置5の現像ケース59の天井部には、内外に貫通する通気口59a(通気路)が形成されている。そして、その通気口59aを塞ぐようにフィルタ60が設けられている。フィルタ60は、現像剤を捕集して通気するためのものである。
換言すると、現像装置5の内部から外部に向けて空気を送出するための通気口59aが、現像ケース59に形成されている。そして、その通気口59aにフィルタ60が設置されている。このフィルタ60は、トナーやキャリアが通過しないように繊維が絡み合った構造を有していて、空気のみが通過できるように形成されている。また、本実施の形態におけるフィルタ6は、略長方体のものであって、その底部の外周部が両面テープを介して通気口59aの縁部に上方から貼着されている。
【0028】
なお、本実施の形態では、フィルタ60として、静電フィルタが用いられているが、フィルタはこれに限定されることはない。
また、本実施の形態では、フィルタ60及び通気口59a(及び、後述するフィルタカバー61)を第1搬送経路B1の上方に設置しているが、フィルタ60及び通気口59a(及び、後述するフィルタカバー61)を設置する位置はこれに限定されることはない。
また、本実施の形態では、フィルタ60及び通気口59a(及び、後述するフィルタカバー61)を長手方向のほぼ全域にわたって延在するように構成したが、フィルタ60及び通気口59a(及び、後述するフィルタカバー61)が設置される範囲はこれに限定されることはない。
【0029】
ここで、現像領域の下流側における現像ローラ5と現像ケース59とのギャップ(ケーシングギャップ)には、吸込み気流が生じる。そして、その吸込み気流によって、現像装置5の内圧は高まる傾向にあり、内圧が高まってしまうと現像装置5の隙間からトナー飛散が生じてしまうことになる。これに対して、本実施の形態では、フィルタ60が設置された通気口59aが設けられているため、現像剤(トナー)を捕集して外部への飛散を防止しながら通気のみをおこなって、現像装置5の内圧の上昇を抑えている。すなわち、現像装置5の内圧の上昇によるトナー飛散を防止している。
【0030】
ここで、
図4、
図5(及び、
図2)等を参照して、本実施の形態における現像装置5には、現像ケース59の外側で空隙Cを形成した状態でフィルタ60を覆うフィルタカバー61が設けられている。
詳しくは、フィルタカバー61は、樹脂材料からなり、フィルタ60の排気側で、フィルタ60に密着するのではなくて、フィルタ60に対して隙間(空隙C)をあけて設置されている。なお、現像ケース59に対するフィルタカバー61の設置は、両面テープなどで貼着しても良し、ネジ止め、パッチン止めなどで固定しても良い。
【0031】
そして、本実施の形態において、フィルタカバー61は、通気口59aにおける通気方向(
図4において矢印で示す方向である。)と同方向の通気を可能とする開口部61aが、通気方向に見て通気口59aと重ならない位置に形成されている。
すなわち、現像装置5を上方から投影して見て、フィルタカバー61の開口部61aは、通気口59aとは重ならずにズレた位置に形成されている。
特に、本実施の形態では、フィルタカバー61の開口部61aが、空隙Cにおいてフィルタ60から最も離れた位置(
図4の右斜め最上方の位置である。)に形成されている。
【0032】
具体的に、現像ケース59(現像装置5)の内部の空気は、通気口59aからフィルタ60を介して、現像ケース59の外部であってフィルタカバー61の内部(空隙C)に向けて矢印方向(上方)に送出される。そして、フィルタカバー61の空隙Cに送出された空気は、空隙C内を
図4の斜め右上方に流動して、開口部61aからフィルタカバー61の外部に向けて矢印方向(上方)に送出される。
【0033】
このように構成されたフィルタカバー61を設けることで、通気口59aを覆うフィルタ60が現像装置5の外側に直接的に露呈しないことになるため、フィルタ60の周囲に大きな気流(画像形成装置100内で生じる気流であって、例えば、
図4の白矢印で示すような気流である。)が生じている場合であっても、その気流がフィルタカバー61によって遮られて、気流がフィルタ60に達することはない。そのため、フィルタ60及び通気口59aの機能(内圧上昇によってトナー飛散を防止する機能である。)が損なわれにくくなる。
すなわち、
図7に比較例として示すように、フィルタカバー61が設置されていない場合には、白矢印で示す気流が、フィルタ60を介しての通気口59aからの空気の送出を妨げて、フィルタ60及び通気口59aの機能を損なってしまう。
【0034】
また、本実施の形態では、フィルタ60を介して通気口59aから送出された空気は、そのまま直接的に装置外に排出されずに一時的にフィルタカバー61の空隙Cを流動するものの、最終的に通気口59aからの通気方向(上方への通気である。)を維持した状態で通気口59aからズレた開口部61aから装置外に排出されることになる。
そのため、フィルタカバー61によって通気方向が大きく変化する場合(例えば、通気口59aから上方に送出された空気が、フィルタカバーによって水平方向に排出される場合などである。)に比べて、装置内から装置外に良好に通気されることになる。したがって、フィルタ60及び通気口59aの機能(内圧上昇によってトナー飛散を防止する機能である。)も良好に維持されることになる。
【0035】
さらに、本実施の形態における現像装置5は、フィルタカバー61が設けられているため、現像ケース59内のトナー(現像剤)がフィルタ60を介して現像ケース59外に漏出してしまったとしても、その漏出したトナーは、フィルタカバー61の空隙C内に留まることになるため、装置外へのトナー飛散は生じにくくなる。
また、フィルタ60がトナーで汚れてしまったり、フィルタ60からトナーが漏出してしまったりしても、そのような状態がフィルタカバー61によって隠されることになるため、現像装置5(プロセスカートリッジ6)の交換時などにユーザーに視覚的な不快感を与えにくくなる。
また、フィルタ60を構成する繊維60a(
図7参照)がフィルタ60から剥がれてしまっても、その剥がれた繊維60aは、現像装置5の外部に浮遊することなく、フィルタカバー61の空隙C内に留まることになるため、装置外への繊維60aの浮遊による不具合を軽減することができる。
また、フィルタカバー61によって現像ケース59との間にフィルタ60の外周部を挟み込むように構成する場合には、フィルタ60が剥がれて現像ケース59との間に隙間が形成されてしまう不具合を防止することができる。
【0036】
ここで、
図4(及び、
図2)を参照して、本実施の形態において、フィルタカバー61は、通気口59aに対向する壁部61b(対向面部)が、現像ケース59における通気口59aの周囲のケース面59bに対して傾斜するように形成されるとともに、感光体ドラム1(像担持体)に潜像を形成するために照射される光L(露光光)の光路に対して略平行に形成されている。
換言すると、感光体ドラム1の回転軸に対して直交する断面でみたときに、露光部7(
図1参照)から感光体ドラム1に向けて照射される露光光Lの光路と、フィルタカバー61の壁部61bと、が略平行になるように構成されている。
【0037】
このように、フィルタカバー61の壁部61bを斜めに形成することで、その斜め方向の最上方に開口部61aを形成して、開口部61aを通気口59aから充分に離れた位置に配置することが可能になる。また、フィルタ60(通気口59a)から送出された空気は、壁部61bの傾斜面に沿うように流動して、その後に開口部61aから装置外に排出されることになる。そのため、現像装置5の内部から外部に向けて、スムーズに空気が流動することになる。
また、フィルタカバー61の壁部61b(傾斜面)は、露光光Lの光路に対して略平行であるため、露光光Lの光路がフィルタカバー61(現像装置5)に近い場合であっても、壁部61bが光路を妨げることはない。
また、フィルタ60を構成する繊維60a(
図7参照)がフィルタ60から剥がれてしまっても、その剥がれた繊維60aは、現像装置5の外部に浮遊することなく、フィルタカバー61の空隙C内に留まることになるため、装置外に浮遊した繊維60aによって露光光Lが遮られるような不具合も軽減される。さらに、フィルタ60を構成する繊維60a(
図7参照)がフィルタ60から解れてしまっても、その解れた繊維60aは、フィルタカバー61の内部に留まり、露光光Lを遮ることはない。
【0038】
ここで、
図5、
図6等を参照して、本実施の形態において、フィルタカバー61は、通気口59aに対向する壁部61b(対向面部)からフィルタ60に向けて延びるリブ61cが空隙Cに形成されている。
詳しくは、リブ61cは、フィルタカバー61(現像装置5)の幅方向(
図4、
図6の紙面垂直方向である。)に直交する断面でみたときに、空隙Cの形状に合わせて、略三角形で形成されている。また、
図5に示すように、リブ61cは、幅方向に間隔をあけて複数(本実施の形態では、3つである。)設けられている。
このようにリブ61cを設けることで、フィルタカバー61に撓みや捻じれなどの変形が生じにくくなる。また、このリブ61cによってフィルタ60を上方から押さえることが可能になるため、フィルタ60が剥がれて現像ケース59との間に隙間が形成されてしまう不具合を防止することができる。
【0039】
なお、リブ61cは、
図6(A)に示すように、フィルタ60との間に隙間Hが形成されるように形成するか、
図6(B)に示すように、フィルタ60を圧接することなくフィルタ60に接触(軽接触)するように(隙間Hがゼロになるように)形成するか、することが好ましい。
このように構成することにより、フィルタ60が潰されて(圧縮されて)フィルタ機能が損なわれる不具合を生じさせることなく、フィルタ60を押さえてフィルタ60の剥がれを防止するリブ61cの機能を発揮させることができる。
【0040】
<変形例1>
図8に示すように、変形例1における現像装置5は、フィルタカバー61に、開口部61aを覆い通気可能な第2フィルタ62が設置されている。
この第2フィルタ62は、トナーやキャリアの粒径よりも小さなメッシュからなり、空気のみが通過できるように形成されている。また、第2フィルタ62は、略長方体のものであって、その底部の外周部が両面テープを介して開口部61aの縁部やリブ61cの上面に貼着されている。
このようにフィルタカバー61の開口部61aに第2フィルタ62を設けることで、フィルタ60からフィルタカバー61内に向けて送出された空気にトナーが混ざってしまっても(フィルタ60からトナーが漏出してしまっても)、そのトナーを開口部61aから排出することなく、第2フィルタ62で捕集することが可能になる。したがって、現像装置5の外部へのトナー飛散を軽減する効果がさらに発揮されることになる。
ここで、第2フィルタ62は、その捕集効率がフィルタ60(第1フィルタ)の捕集効率に比べて小さく、その通気性がフィルタ60(第1フィルタ)の通気性に比べて大きくなるように設定されている。これは、現像装置5の内部から外部に向けて漏出しようとするトナーは、ほとんどフィルタ60(第1フィルタ)で捕集されるため、第2フィルタ62の捕集効率はフィルタ60のものほど高くする必要がなく、むしろ第2フィルタ62の通気性をフィルタ60のものより高く設定することで、現像装置5からフィルタカバー61を介しての装置外への通気がスムーズにおこなわれるためである。
なお、本願明細書等において、フィルタ60、62の「捕集効率」とは、一定の割合でトナーを含む一定量の空気がフィルタを通過したときにフィルタによって捕集されるトナーの割合であるものと定義する。したがって、「捕集効率」は、フィルタにおける捕集能力とほぼ同義である。
また、本願明細書等において、フィルタ60、62の「通気性」とは、一定量の空気がフィルタを通過したときにフィルタを通過する空気の割合であるものと定義する。したがって、「通気性」は、フィルタにおける通気能力とほぼ同義である。
【0041】
<変形例2>
図9(A)に示すように、変形例2における現像装置5は、フィルタカバー61に複数の開口部61a(
図9(A)の例では2つである。)が設けられている。
具体的に、
図9(A)に示すフィルタカバー61は、幅方向に直交する断面でみたときに、略台形状に形成されていて、対向する2つの傾斜する壁部の上方にそれぞれ開口部61aが形成されている。また、これらの開口部61aは、いずれも上方から投影してみたときに、通気口59aに重ならずに、ズレた位置に形成されている。このように構成した場合であっても、所望の通気方向への通気を良好におこなうことができる。
また、
図9(B)に示す現像装置5は、通気口59aが、現像ケース59において側方に開口するように形成されている。そして、フィルタカバー61の開口部61aは、フィルタカバー61において上方(重力方向下方ではなく重力方向上方である。)に形成されている。
具体的に、
図9(B)に示すフィルタカバー61は、幅方向に直交する断面でみたときに、略三角形状に形成されていて、傾斜する壁部の最上方に略水平方向に開口する開口部61aが形成されている。このように構成した場合であっても、所望の通気方向への通気を良好におこなうことができる。また、開口部61aは、重力方向上方に形成されているため、フィルタ60からフィルタカバー61内にトナーが漏出してしまっても、その漏出したトナーは空隙Cの下方に溜まることになり、開口部61aがトナーで埋没することはない。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置5は、内部に現像剤が収容されて、感光体ドラム1(像担持体)の表面に形成される潜像を現像する現像装置5であって、現像装置5の内外の通気を可能とする通気口59aが形成された現像ケース59が設けられている。また、現像ケース59の通気口59aを覆い、現像剤を捕集して通気するフィルタ60と、現像ケース59の外側で空隙Cを形成した状態でフィルタ60を覆うフィルタカバー61と、が設けられている。そして、フィルタカバー61は、通気口59aにおける通気方向と同方向の通気を可能とする開口部61aが、通気方向に見て通気口59aと重ならない位置に形成されている。
これにより、所望の通気方向への通気を良好におこなうことができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、現像装置5や感光体ドラム1(像担持体)を、プロセスカートリッジ6の構成部材として構成した。これに対して、現像装置5や感光体ドラム1(像担持体)をプロセスカートリッジ6の構成部材とせずに、それぞれ単体で画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置されるユニットとして構成することもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置(帯電部)と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置(現像部)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置(クリーニング部)と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0044】
また、本実施の形態では、現像剤担持体として1つの現像ローラ51が設置されて、複数の搬送部材として2つの搬送スクリュ53、54が水平方向に並設されて、ドクターブレード52が現像ローラ51の上方に対向するように設置された現像装置5に対して本発明を適用したが、本発明が適用される現像装置はこれに限定されることはない。
例えば、現像剤担持体として1つの現像ローラが設置されて、複数の搬送部材として2つの搬送スクリュが水平方向に並設されて、ドクターブレードが現像ローラの下方に対向するように設置された現像装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
さらに、複数の搬送部材として2つの搬送スクリュがそれぞれ現像ローラに対向するように上下方向に並設された現像装置や、現像剤担持体として複数の現像ローラが感光体ドラムに対向するように設置された現像装置や、複数の搬送部材として3つ以上の搬送スクリュが設置された現像装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いた2成分現像方式の現像装置5に対して本発明を適用したが、トナーのみからなる1成分現像剤を用いた1成分現像方式の現像装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、1組のフィルタ60及び通気口59aが形成された現像装置5に対して本発明を適用したが、複数組のフィルタ及び通気口が形成された現像装置に対しても本発明を適用することができる。そして、その場合、複数のフィルタのすべてに対して本発明のフィルタカバーを覆設することもできるし、複数のフィルタのうちトナー飛散が生じやすいフィルタに対してのみ本発明のフィルタカバーを覆設することもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0046】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0047】
なお、本願明細書等において、フィルタによって「通気口を覆う」状態とは、フィルタによって通気口が塞がれた状態のすべてを含むものと定義する。したがって、通気口の送出側でフィルタが被さられた状態はもちろんのこと、通気口の送入側でフィルタが被さられた状態や、通気口にフィルタが嵌め込まれた状態なども、フィルタによって「通気口を覆う」状態となる。
【符号の説明】
【0048】
1 感光体ドラム(像担持体)、
5 現像装置、
6 プロセスカートリッジ、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
59 現像ケース(筐体)、
59a 通気口(第1通気口)、
59b ケース面、
60 フィルタ、
61 フィルタカバー(カバー部材)、
61a 開口部(第2通気口)、
61b 壁部(対向面部)、
61c リブ、
62 第2フィルタ、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
C 空隙、 L 露光光(光)。
【0049】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~10の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
内部に現像剤が収容されて、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
当該現像装置の内外の通気を可能とする通気口が形成された現像ケースと、
前記現像ケースの前記通気口を覆い、現像剤を捕集して通気するフィルタと、
前記現像ケースの外側で空隙を形成した状態で前記フィルタを覆うフィルタカバーと、
を備え、
前記フィルタカバーは、前記通気口における通気方向と同方向の通気を可能とする開口部が、前記通気方向に見て前記通気口と重ならない位置に形成されたことを特徴とする現像装置。
(付記2)
前記フィルタカバーは、前記通気口に対向する壁部が、前記現像ケースにおける前記通気口の周囲のケース面に対して傾斜するように形成されるとともに、前記像担持体に潜像を形成するために照射される光の光路に対して略平行に形成されたことを特徴とする付記1に記載の現像装置。
(付記3)
前記フィルタカバーは、前記通気口に対向する壁部から前記フィルタに向けて延びるリブが前記空隙に形成されたことを特徴とする付記1又は付記2に記載の現像装置。
(付記4)
前記リブは、前記フィルタとの間に隙間が形成されるように形成されるか、又は、前記フィルタを圧接することなく前記フィルタに接触するように形成されるか、したことを特徴とする付記3に記載の現像装置。
(付記5)
前記フィルタカバーは、前記開口部を覆い通気可能な第2フィルタが設置されたことを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載の現像装置。
(付記6)
前記第2フィルタは、その捕集効率が前記フィルタの捕集効率に比べて小さく、その通気性が前記フィルタの通気性に比べて大きいことを特徴とする付記5に記載の現像装置。
(付記7)
前記フィルタカバーの前記開口部は、前記空隙において前記フィルタから最も離れた位置に形成されたことを特徴とする付記1~付記6のいずれかに記載の現像装置。
(付記8)
前記通気口は、前記現像ケースにおいて側方に開口するように形成され、
前記開口部は、前記フィルタカバーにおいて上方に形成されたことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載の現像装置。
(付記9)
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
付記1~付記8のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(付記10)
付記1~付記8のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】