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特開2024-77246容器詰めペースト調味料及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077246
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】容器詰めペースト調味料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240531BHJP
   A23L 27/10 20160101ALI20240531BHJP
【FI】
A23L27/00 D
A23L27/10 C
A23L27/10 F
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189210
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】713011603
【氏名又は名称】ハウス食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130443
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 真治
(72)【発明者】
【氏名】岩畑 慎一
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB09
4B047LE02
4B047LG11
4B047LG23
4B047LG39
4B047LG43
4B047LG46
4B047LP04
4B047LP05
4B047LP14
(57)【要約】
【課題】本発明の一以上の実施形態は、2種以上の香辛料を配合した食品を調製するために利用できる調味料を提供する。
【解決手段】第1の実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有するペースト調味料と、それを収容する容器を備え加圧加熱処理されている。第2の実施形態に係る容器詰めペースト調味料の製造方法は、30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封し、続いて、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製することを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有するペースト調味料、並びに、
前記ペースト調味料を収容する容器
を備え、加圧加熱処理されている、容器詰めペースト調味料。
【請求項2】
タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項3】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項4】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、請求項3に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項5】
前記加圧加熱処理が、前記容器中において、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理することを含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項6】
前記ペースト調味料の食塩の含有量が1質量%以下である、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項7】
前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項8】
容器詰めペースト調味料の製造方法であって、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封する工程、並びに、
前記容器中の前記原料混合物を、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製する工程
を含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
容器詰めペースト調味料の製造方法。
【請求項9】
前記原料混合物が、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記原料混合物の食塩の含有量が1質量%以下である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一以上の実施形態は、容器詰めペースト調味料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カレーソースを調製するための固形カレールウは、2種以上の香辛料、糊化していない小麦粉等の澱粉、牛脂等の固形油脂、糖類、食塩等を含む。固形カレールウは、油脂含量が30~35質量%、水分含量が約3質量%、食塩含量が約10質量%、ショ糖含量が約10質量%であることが一般的である(例えば特許文献1)。
【0003】
一方、容器から取り出してそのまま喫食することができるレトルトカレーは、2種類以上の香辛料と、糊化した澱粉を含み、油脂含量が10質量%未満、水分含量が75質量%以上、食塩含量が約1質量%、ショ糖含量が約2質量%であることが一般的である(例えば特許文献2)。
【0004】
近年、レトルト耐性容器内での加圧加熱処理を利用して調味料を製造する方法が開発されている。例えば特許文献3では、煮込み感と旨味を煮込み料理に付与することができるトマトオニオン調味料としての利用に適した、トマト加工物、オニオン加工物及び糖類を含み、水分活性が0.94以下であるトマトオニオン調味料と、前記調味料を封入する容器とを含む、レトルト食品が記載されている。特許文献3の実験1では、100gあたりオニオンソテー8g、トマトペースト17g、純果糖6g、グラニュー糖8g、塩3g、ソルビトール7g、水51gを含む原料混合物を、95℃達温後5分間加熱調理し放冷してトマトオニオンベースソースを得て、それをレトルトパウチに充填密封し、レトルト処理(120℃、30分間、F値4)を施して、「濃縮タイプ」のトマトオニオン調味料を調製したことが記載されている。前記トマトオニオン調味料は、油脂を含まず、水分含量が75質量%以上、食塩含量が約4%、糖類含量が約14%である。特許文献3では、前記トマトオニオン調味料をカレーパウダー等と組み合わせてカレーソースを製造した例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-97552号公報
【特許文献2】特開2003-52340号公報
【特許文献3】特開2021-106582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている固形カレールウを用いてカレー風味のスパイス料理を製造する場合、熱水中で加熱して油脂を溶融させ澱粉を糊化させることが必要である。
【0007】
特許文献2に記載されているようなレトルトカレーは、直接喫食するための組成を有しているため、調味料としての利用には適していない。
【0008】
特許文献3では容器内での加圧加熱処理により調製されたトマトオニオン調味料が記載されており、それをカレーパウダーと組み合わせてカレーソースを調製することが記載されているが、前記トマトオニオン調味料自体は2種以上の香辛料を含むものではない。
【0009】
本発明の一以上の実施形態は、2種以上の香辛料を配合した食品を調製するために利用できる新たな調味料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、油脂と水と糖類と2種以上の香辛料とを含有する原料混合物を容器中にて加圧加熱処理して容器詰めペースト調味料を製造する場合に、前記原料混合物中の油脂及び水の含有量が、容器詰めペースト調味料の「香辛料のまとまり」及び「コク」に影響を与えること、並びに、前記原料混合物中の油脂の含有量を30質量%~65質量%、水の含有量を5質量%~35質量%とすることにより、「香辛料のまとまり」及び「コク」が優れた容器詰めペースト調味料が得られることを見出した。すなわち本発明は下記の一以上の実施形態を包含する。
【0011】
(1)30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有するペースト調味料、並びに、
前記ペースト調味料を収容する容器
を備え、加圧加熱処理されている、容器詰めペースト調味料。
【0012】
(2)タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、(1)に記載の容器詰めペースト調味料。
【0013】
(3)前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、(1)又は(2)に記載の容器詰めペースト調味料。
【0014】
(4)前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、(3)に記載の容器詰めペースト調味料。
【0015】
(5)前記加圧加熱処理が、前記容器中において、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理することを含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
(1)~(4)のいずれかに記載の容器詰めペースト調味料。
【0016】
(6)前記ペースト調味料の食塩の含有量が1質量%以下である、(1)~(5)のいずれかに記載の容器詰めペースト調味料。
【0017】
(7)前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、(1)~(6)のいずれかに記載の容器詰めペースト調味料。
【0018】
(8)容器詰めペースト調味料の製造方法であって、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封する工程、並びに、
前記容器中の前記原料混合物を、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製する工程
を含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
容器詰めペースト調味料の製造方法。
【0019】
(9)前記原料混合物が、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、(8)に記載の方法。
【0020】
(10)前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、(8)又は(9)に記載の方法。
【0021】
(11)前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、(10)に記載の方法。
【0022】
(12)前記原料混合物の食塩の含有量が1質量%以下である、(8)~(11)のいずれかに記載の方法。
【0023】
(13)前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、(8)~(12)のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一以上の実施形態によれば、2種以上の香辛料を配合した食品を調製するために利用できる新たな調味料及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0026】
<容器詰めペースト調味料>
本発明の第1の実施形態は、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有するペースト調味料、並びに、
前記ペースト調味料を収容する容器
を備え、加圧加熱処理されている、容器詰めペースト調味料、
に関する。
【0027】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、2種以上の香辛料が一体にまとまり、コクのある風味を有する。
【0028】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、2種以上の香辛料により風味づけされた食品を製造するための調味料として使用することができる。本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、例えば、カレーソース、ウスターソース、デミグラスソース、カレー粉等の、2種以上の香辛料を含む食材により風味づけされる食品の製造において、前記食材類の代わりに又は前記食材に加えて、調味料として添加することができる。また、本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、ソーセージ、肉類、バケット等の食材に直接付けることにより、前記食材に風味を付与することができる。2種以上の香辛料を含む食品は、香辛料の風味のまとまりやコクを付与するために、長時間の煮込みや熟成が必要であることが一般的であるが、本実施形態に係る容器詰めペースト調味料を配合することにより、2種以上の香辛料が一体にまとまりコクのある風味を有する食品を簡便に調製することができる。
【0029】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封する工程、並びに、
前記容器中の前記原料混合物を加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製する工程
を含む方法により製造することができる。この製造方法の好ましい実施形態は後述する通りである。
【0030】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、好ましくは容器ごと加圧加熱処理された食品であり、典型的にはレトルト食品である。容器ごと加圧加熱処理された容器詰めペースト調味料は、常温流通が可能である。
【0031】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料に用いる油脂は、技術分野で通常採用されるものを、特に制限されることなく使用でき、例えば菜種油、オリーブ油、パーム油、大豆油、ココナツ油、キャノーラ油、コメ油、からし油、ピーナツ油、牛脂、ラード、バター等の油脂を用いることができる。前記油脂は好ましくは常温(25℃)において液状の油脂である。常温で液状の油脂を含む本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、常温での流通及び保存時に容器内のペースト調味料中で油脂が固化せず成分の分離が生じにくい。液状の油脂としては、菜種油等の常温で液体の油脂のみからなるものであってもよいし、牛脂等の常温で固体の油脂に常温で液体の油脂を混合して液状化した油脂であってもよい。
【0032】
本明細書において「油脂」とは、後述する脂質の測定法により検出される成分を指し、「脂質」と言い換えることができる。前記ペースト調味料に含まれる油脂(脂質)は、原料混合物に油脂(脂質)として配合されたものには限らず、油脂以外の形態で配合された原料(例えば香辛料)に由来する油脂(脂質)も包含する。
【0033】
同様に、前記ペースト調味料に含まれる水は、原料混合物に水として配合されたものには限らず、水以外の形態で配合された原料(例えば香辛料、タマネギ、ニンニク)に由来する水も包含する。
【0034】
油脂、水、糖類及び2種以上の香辛料を含有し、且つ、前記油脂の含有量が30質量%~65質量%且つ前記水の含有量が5質量%~35質量%である前記ペースト調味料は、2種以上の香辛料が一体にまとまり、コクのある風味を有する。前記ペースト調味料において、油脂の含有量は好ましくは40質量%~65質量%であり、より好ましくは45質量%~65質量%であり、最も好ましくは49質量%~62質量%である。前記ペースト調味料において、水の含有量は好ましくは7質量%~35質量%であり、より好ましくは7質量%~25質量%である。
【0035】
油脂(脂質)の含有量の測定は、「消費者庁 食品表示法 栄養成分等の分析方法 別添 栄養成分等の分析方法等 通則」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/food_labeling_cms101_200327_11.pdf)に記載されているエーテル抽出法に基づいて行うことができる。
【0036】
水の含有量の測定は、前記の「消費者庁 食品表示法 栄養成分等の分析方法 別添 栄養成分等の分析方法等 通則」に記載されている常圧加熱乾燥法に基づいて行うことができる。
【0037】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料において、前記ペースト調味料が含む糖類は、単糖類又は二糖類であって糖アルコールでないものを指す。前記ペースト調味料は、糖類として少なくともショ糖を含むことが好ましい。
【0038】
前記ペースト調味料に含まれる糖類は、原料混合物に糖類として配合されたものには限らず、糖類以外の形態で配合された原料(例えばタマネギ、ニンニク)に由来する糖類も包含する。例えばタマネギはショ糖を多く含むため、タマネギを含む原料混合物には、タマネギに由来するショ糖が含まれる。
【0039】
前記ペースト調味料の糖類の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。好ましくは前記ペースト調味料におけるショ糖の含有量が上記範囲である。
【0040】
前記ペースト調味料中の糖類及びショ糖の含有量の測定は、前記の「消費者庁 食品表示法 栄養成分等の分析方法 別添 栄養成分等の分析方法等 通則」に記載されている高速液体クロマトグラフ法に基づいて行うことができる。
【0041】
前記ペースト調味料に含まれる2種以上の香辛料は、カレーなどのスパイス風味の食品で用いることができる香辛料であることができ、例えばフェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー、唐辛子、コショウ、セロリ等から選択される2種以上が挙げられるがこれらには限定されない。
【0042】
前記2種以上の香辛料は、好ましくは、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する。これらの2種以上の香辛料を含む前記ペースト調味料は、それぞれの香辛料が有する特徴的な風味が一体にまとまりコクのある風味を有する。前記2種以上の香辛料は、より好ましくは、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する。香辛料のこの組み合わせにより、食べ飽きない好ましい風味の容器詰めペースト調味料が得られる。
【0043】
前記ペースト調味料における2種以上の香辛料の含有量は特に限定されないが、2種以上の香辛料が合計で、例えば10質量%~45質量%であり、好ましくは20質量%~40質量%であることができる。原料混合物全量に対する香辛料の配合割合を、前記ペースト調味料中の香辛料の含有量とすることができる。
【0044】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料において、前記ペースト調味料は、好ましくは、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する。タマネギ及びニンニクから選択される1種以上により、前記ペースト調味料に特有のコクのある風味が付与される。上記の通り、タマネギはショ糖を多く含むため、タマネギを配合したペースト調味料には、ショ糖等の糖類を別途配合する必要がない。ニンニクは糖類の含有量が少ないため、ニンニクを配合したペースト調味料には、ショ糖等の糖類を別途配合することが好ましい。タマネギ及びニンニクは、それぞれ濃縮物として配合してもよい。タマネギ及びニンニクから選択される1種以上の含有量は特に限定されないが、前記ペースト調味料の全量に対する、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上の乾燥物換算の含有量が、例えば1質量%~15質量%、好ましくは3質量%~10質量%であることができる。
【0045】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料において、ペースト調味料の食塩の含有量は好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。このとき前記ペースト調味料の食塩の含有量の下限は限定されず、食塩の含有量が0質量%、すなわち食塩を含まないものであってもよい。通常、食塩はコクのある風味に寄与するものと考えられているが、本実施形態に係る容器詰めペースト調味料は、食塩に依らずに、2種以上の香辛料のまとまりとコクのある風味を奏することができるため、食塩の使用量が低減された健康志向の容器詰めペースト調味料とすることができる。
【0046】
前記ペースト調味料の食塩の含有量の測定は、前記の「消費者庁 食品表示法 栄養成分等の分析方法 別添 栄養成分等の分析方法等 通則」に記載されている、ナトリウム量に基づく食塩相当量の測定方法により行うことができる。ナトリウム量は誘導結合プラズマ発光分析法で測定することができる。
【0047】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料において、ペースト調味料は、好ましくは、25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである。この粘性を有するペースト調味料は、水分の分離が抑制され、且つ、流動性を有するため取扱いが容易であるという点で好ましい。
【0048】
ペースト調味料の粘度はB型粘度計を用いた測定方法(JIS Z 8803:2011に準ずる)で測定することができる。
【0049】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料において、ペースト調味料は、当技術分野の調味料に配合され得る他の成分を更に含んでもよい。前記他の成分としては、例えば、小麦胚芽、小麦ふすま、酵母エキス、チャツネ、風味油脂、たんぱく加水分解物、ゼラチン、トマトペースト、各種畜肉エキス、各種海鮮エキス、各種野菜エキス、ウスターソース、トマトケチャップ、デキストリン、着色料、香料、甘味料、苦味料、酸味料、うま味調味料、発酵調味料、保存料、防カビ剤、酸化防止剤、乳化剤、pH調整剤、かんすい、増粘安定剤、酵素、製造用剤、栄養強化剤、みょうばん等が挙げられる。
【0050】
本実施形態に係る容器詰めペースト調味料における容器は、加圧加熱耐性を有する容器であればよく、パウチ、パック等の形態であることができる。加圧加熱耐性を有する容器の素材としては、紙、缶、コーティング紙、PET等の樹脂、アルミニウム等の金属、ガラス等が使用できる。加圧加熱耐性を有する容器は、好ましくは樹脂フィルムから構成される。樹脂フィルムは、樹脂層に加えてアルミニウム箔等の金属箔の層を更に含むものであってもよい。樹脂フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)/NY(ナイロン)/AL(アルミニウム箔)/CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET/NY/CPP、PET/NY/NY/CPP、PET/エバール(商標)/NY/CPP、アルミ蒸着PET/NY/CPP、透明蒸着PET/NY/CPP等の層構造を有する多層フィルムであることが好ましい。
【0051】
<容器詰めペースト調味料の製造方法>
本発明の第2の実施形態は、
容器詰めペースト調味料の製造方法であって、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封する工程(この工程を「第1工程」と称する場合がある)、並びに、
前記容器中の前記原料混合物を、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製する工程(この工程を「第2工程」と称する場合がある)
を含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
容器詰めペースト調味料の製造方法、
に関する。
【0052】
本実施形態7に係る方法では、2種以上の香辛料が一体にまとまり、コクのある風味を有する容器詰めペースト調味料を製造することができる。所定の配合の原料混合物を容器内に密封した状態で加圧加熱することにより、開放条件下での加熱では揮発する香気成分や風味に関与する成分を含むペースト調味料が得られる。また、本実施形態に係る方法では容器ごとレトルト処理装置や圧力釜等の加圧加熱装置により加圧加熱処理するため、製造された容器詰めペースト調味料の品質を、ロット間でのばらつきが少ない一定の品質にすることができる。更に、本実施形態に係る方法により製造された容器詰めペースト調味料は常温流通が可能である。
【0053】
前記第1工程における原料混合物の好ましい態様について以下に説明する。
【0054】
前記原料混合物に用いる油脂、水、糖類、香辛料は、それぞれ、本発明の第1の実施形態における油脂、水、糖類、香辛料に関して説明した通りである。
【0055】
油脂、水、糖類及び2種以上の香辛料を含有し、且つ、前記油脂の含有量が30質量%~65質量%且つ前記水の含有量が5質量%~35質量%である原料混合物を容器内に密封し前記第2工程において加圧加熱処理して得られる容器詰めペースト調味料は、2種以上の香辛料が一体にまとまり、コクのある風味を有する。前記原料混合物において、油脂の含有量は好ましくは40質量%~65質量%であり、より好ましくは45質量%~65質量%であり、最も好ましくは49質量%~62質量%である。前記原料混合物において、水の含有量は好ましくは7質量%~35質量%であり、より好ましくは7質量%~25質量%である。
【0056】
前記原料混合物の糖類の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。好ましくは前記原料混合物におけるショ糖の含有量が上記範囲である。
【0057】
前記原料混合物における2種以上の香辛料の含有量は特に限定されないが、2種以上の香辛料が合計で、例えば10質量%~45質量%であり、好ましくは20質量%~40質量%であることができる。前記原料混合物全量に対する香辛料の配合割合を、前記原料混合物中の香辛料の含有量とすることができる。
【0058】
前記原料混合物は、好ましくは、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する。タマネギ及びニンニクから選択される1種以上により、製造される前記ペースト調味料に特有のコクのある風味が付与される。上記の通り、タマネギはショ糖を多く含むため、タマネギを配合した前記原料混合物には、ショ糖等の糖類を別途配合する必要がない。ニンニクは糖類の含有量が少ないため、ニンニクを配合した前記原料混合物には、ショ糖等の糖類を別途配合することが好ましい。タマネギ及びニンニクは、それぞれ濃縮物として配合してもよい。前記原料混合物におけるタマネギ及びニンニクから選択される1種以上の含有量は特に限定されないが、前記原料混合物の全量に対する、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上の乾燥物換算の含有量が、例えば1質量%~15質量%、好ましくは3質量%~10質量%であることができる。
【0059】
前記原料混合物の食塩の含有量は好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。このとき前記原料混合物の食塩の含有量の下限は限定されず、食塩の含有量が0質量%、すなわち食塩を含まないものであってもよい。通常、食塩はコクのある風味に寄与するものと考えられているが、本実施形態に係る方法により製造される容器詰めペースト調味料は、食塩に依らずに、2種以上の香辛料のまとまりとコクのある風味を奏することができるため、食塩の使用量が低減された健康志向の容器詰めペースト調味料とすることができる。
【0060】
前記原料混合物中の油脂、水、糖類、ショ糖及び食塩の含有量は、本発明の第1の実施形態に係る容器詰めペースト調味料中の油脂、水、糖類、ショ糖及び食塩の含有量の測定方法として説明した方法を利用して測定することができる。
【0061】
前記原料混合物は、当技術分野の調味料に配合され得る他の成分を更に含んでもよい。前記他の成分の具体例は、本発明の第1の実施形態におけるペースト調味料に配合され得る他の成分に関して説明した通りである。
【0062】
前記第1工程において用いる容器は、本発明の第1の実施形態における容器に関して説明した通りである。
【0063】
前記原料混合物の容器内へ収容し密封する工程は、例えば開放口を有する前記容器を用意し、前記開放口を通じて前記原料混合物を前記容器内に収容した後、前記開放口をヒートシール等で封鎖することを含む。この場合、前記開放口を封鎖する前に容器内の空気をできるだけ排出しておくことが好ましい。
【0064】
次に前記第2工程について説明する。
【0065】
前記第2工程において「加熱価」は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値であり、加熱量の大きさを示すパラメーターである。加熱価は、加圧加熱処理中、品温を毎分測定することにより、算出することができる。例えば、6分間の加圧加熱処理において、各時間における品温(℃)が、表1に示される値であったとする。
【0066】
【表1】

【0067】
上記の6分間の加圧加熱処理の場合、加熱価は12.6と算出される。
【0068】
前記第2工程において、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理を行うことにより、容器内で原料混合物の加熱とメイラード反応が進み、2種以上の香辛料がまとまりコクのある風味を有するペースト調味料が容器内で調製される。加熱価が33未満である場合、メイラード反応が十分に進まず好ましい風味が得られにくい。加熱価が80超である場合、メイラード反応が進み過ぎ焦げたような味が感じられる。加熱価は、好ましくは35以上、より好ましくは45以上であり、好ましくは70以下、より好ましくは65以下である。最高到達品温はより好ましくは110℃~130℃である。
【0069】
上記条件での加圧加熱処理は、レトルト処理装置や圧力釜を用いて実施することができる。
【0070】
前記第2工程では容器内で調製されるペースト調味料の、25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sとなるように加圧加熱処理を行うことが好ましい。この粘性を有するペースト調味料は、水分の分離が抑制され、且つ、流動性を有するため取扱いが容易であるという点で好ましい。ペースト調味料の粘度の測定方法は、本発明の第1の実施形態に係る容器詰めペースト調味料の粘度の測定方法に関して説明した通りである。
【実施例0071】
<容器詰めペースト調味料の調製>
(調製方法)
下記表に示す各原料を総量100gとなるよう、PET(ポリエチレンテレフタレート)/NY(ナイロン)/AL(アルミニウム箔)/CPP(無延伸ポリプロピレン)の層構造を有する樹脂フィルムから形成された、縦横寸法170mm×130mmのレトルトパウチに収容して密封し、続いてレトルト処理装置を用いて加圧加熱処理(レトルト処理)を行い、容器詰めペースト調味料を調製した。
【0072】
使用した濃縮タマネギは水分70質量%、ショ糖含量6質量%であった。
【0073】
使用したニンニクは水分67質量%、ショ糖含量0.2質量%であった。
【0074】
(油脂含量、水分含量、食塩含量の測定)
油脂含量、水分含量及び食塩含量は、前記「消費者庁 食品表示法 栄養成分等の分析方法 別添 栄養成分等の分析方法等 通則」に記載の下記の方法により測定した。
油脂含量の測定方法:エーテル抽出法
水分含量の測定方法:常圧加熱乾燥法(105℃、16時間)
食塩含量の測定方法:誘導結合プラズマ発光分析法
【0075】
(加圧加熱処理及び加熱価)
比較例3を除いて、加熱加圧処理は、最高到達品温123℃に50分間保持することを含む、上記で定義した加熱価が60となる条件で行った。
【0076】
比較例3では、加熱加圧処理は行わず、最高到達品温80℃に50分間保持することを含む、上記で定義した加熱価が2.4となる条件で加熱処理を行った。
【0077】
(評価方法)
加圧加熱処理してから12時間後に、4名のパネルが、各容器詰めペースト調味料の内容物を直接喫食して、「香辛料のまとまり」及び「コク」を以下の評価基準に従って1~5の5段階で評価した。「香辛料のまとまり」及び「コク」の各項目について4名のパネルの評価点の平均値を求め、平均値が4以上を◎、3以上4未満を〇、2以上3未満を△、2未満を×とした。
【0078】
「香辛料のまとまり」の評価基準
5:個々のスパイスが認識できないくらい一体感が強い
4:スパイスの一体感が強い
3:スパイスの一体感を感じる
2:スパイスの香りに一体感がない、と感じる
1:スパイスの香りに、全く一体感があると感じられない
【0079】
「コク」の評価基準
5:非常に強いコクがある
4:コクがある
3:コクが感じられる
2:コクをほとんど感じられない
1:コクを全く感じない
【0080】
各容器詰めペースト調味料の内容物の粘性を、25℃において、B型粘度計を用いた測定方法(JIS Z 8803:2011に準ずる)により測定した。
【0081】
(結果)
下記表において各原料の配合量の単位は質量部であり、油脂含量、水分含量及び食塩顔料の単位は質量%である。「香辛料のまとまり」及び「コク」については、評価、4名のパネルの評価点の平均値、及び、4名のパネルの評価点を示す。
【0082】
【表2】

【0083】
【表3】
【0084】
【表4】

【0085】
【表5】

【手続補正書】
【提出日】2024-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、合計で10質量%~45質量%の2種以上の香辛料を含有するペースト調味料、並びに、
前記ペースト調味料を収容する容器
を備え、加圧加熱処理されている、容器詰めペースト調味料。
【請求項2】
タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項3】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項4】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、請求項3に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項5】
前記加圧加熱処理が、前記容器中において、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理することを含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項6】
前記ペースト調味料の食塩の含有量が1質量%以下である、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項7】
前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項8】
容器詰めペースト調味料の製造方法であって、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、合計で10質量%~45質量%の2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封する工程、並びに、
前記容器中の前記原料混合物を、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製する工程
を含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
容器詰めペースト調味料の製造方法。
【請求項9】
前記原料混合物が、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記原料混合物の食塩の含有量が1質量%以下である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、請求項8又は9に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、合計で10質量%~45質量%の2種以上の香辛料を含有するペースト調味料、並びに、
前記ペースト調味料を収容する容器
を備え、加圧加熱処理されており
前記加圧加熱処理が、前記容器中において、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理することを含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10 {(A-120)/30} で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
容器詰めペースト調味料。
【請求項2】
タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項3】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項4】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、請求項3に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項5】
前記ペースト調味料の食塩の含有量が1質量%以下である、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項6】
前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、請求項1又は2に記載の容器詰めペースト調味料。
【請求項7】
容器詰めペースト調味料の製造方法であって、
30質量%~65質量%の油脂、5質量%~35質量%の水、糖類、及び、合計で10質量%~45質量%の2種以上の香辛料を含有する原料混合物を容器に収容し密封する工程、並びに、
前記容器中の前記原料混合物を、最高到達品温が100℃~140℃、加熱価が33~80となるように加圧加熱処理して、前記容器中においてペースト調味料を調製する工程
を含み、
前記加熱価は、品温A(℃)に対して10{(A-120)/30}で求められる値を加熱時間(分)で積分した値である、
容器詰めペースト調味料の製造方法。
【請求項8】
前記原料混合物が、タマネギ及びニンニクから選択される1種以上を含有する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリーク、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される2種以上を含有する、請求項又はに記載の方法。
【請求項10】
前記2種以上の香辛料が、フェヌグリークと、ターメリック、クミン、コリアンダー及び唐辛子から選択される1種以上とを含有する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記原料混合物の食塩の含有量が1質量%以下である、請求項又はに記載の方法。
【請求項12】
前記ペースト調味料の25℃における粘度が500mPa・s~60000mPa・sである、請求項又はに記載の方法。