(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077444
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、衛生管理データ表示方法、環境データ記録システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240531BHJP
G01K 1/022 20210101ALI20240531BHJP
【FI】
G06Q50/04
G01K1/022
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189544
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】石倉 浩二
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】衛生管理においてユーザーによる入力作業を低減する技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、情報処理装置を、端末装置に対し入力された、対象に関する衛生管理データを受信する通信部と、前記対象に関する環境データを受信する受信部と、前記端末装置から送信された前記衛生管理データと、前記環境データを予め設定された加工方法で加工した環境データとを対応づけた衛生管理画面を前記端末装置に表示するように制御する制御部として機能させるためのプログラムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
端末装置に対し入力された、対象に関する衛生管理データを受信する通信部と、
前記対象に関する環境データを受信する受信部と、
前記端末装置から送信された前記衛生管理データと、前記環境データを予め設定された加工方法で加工した環境データとを対応づけた衛生管理画面を前記端末装置に表示するように制御する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、更に、
予め設定されたタイミングが到来した場合に、前記タイミングにより特定される前記環境データを加工し、加工した前記環境データを前記衛生管理データと対応づけて記録する衛生管理データ処理部として機能させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記衛生管理画面には、前記衛生管理データを記録する日付、又は、日時の設定欄が表示されており、
前記衛生管理データ処理部は、前記端末装置から送信された前記日付、又は、日時の終期が前記タイミングを経過した場合に、前記日付、又は、日時により特定される前記環境データを加工し、加工した前記環境データを前記衛生管理データと対応づけて記録することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記衛生管理データ処理部が、加工した前記環境データを前記衛生管理データと対応づけて記録した後に、前記端末装置が前記衛生管理画面を表示する場合、
前記通信部は、加工した前記環境データを前記端末装置に送信し、
前記端末装置は加工した前記環境データが表示される前記衛生管理画面を表示することを特徴とする請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記端末装置が、現在の環境データを表示する操作を受け付け、
前記通信部が、前記端末装置から前記現在の環境データの要求を受信した場合、最も最近の環境データを前記端末装置に送信し、
前記端末装置が前記衛生管理画面に前記現在の環境データを表示することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記環境データを記録する周期は、前記衛生管理データを記録する周期より短く、
前記衛生管理データ処理部は、前記環境データを加工することで、前記衛生管理データを記録する周期の間に記録された前記環境データの代表値を決定し、前記代表値を前記衛生管理データと対応づけて記録することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報処理装置を、
予め設定されたリスト作成タイミングに、前記リスト作成タイミングにより特定される前記衛生管理データのリストを作成するリスト作成部として機能させ、
前記リスト作成部は、前記衛生管理データ処理部が加工した前記環境データをリストに含め、
前記通信部は、加工した前記環境データを含む、前記衛生管理データのリストを前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記環境データを含む前記衛生管理データのリストを表示することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置を、
前記環境データが閾値以上又は閾値以下の場合に異常と判断する異常判断部として機能させ、
前記異常判断部は、異常を検出した場合に、所定のメールアドレスを宛先に異常を通知することを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記異常に対しユーザーが行った対応の内容が前記衛生管理データに保存されており、
前記通信部は、前記加工した前記環境データ及び前記対応の内容を含む、前記衛生管理データのリストを前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記環境データ及び前記対応の内容を含む前記衛生管理データのリストを表示することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記衛生管理データ処理部は、前記タイミングに応じて前記加工方法を変更することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項11】
前記受信部は、外部の記憶部から前記環境データを受信することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
一台以上の情報処理装置であって、
端末装置に対し入力された、対象に関する衛生管理データを受信する通信部と、
前記対象に関する環境データを受信する受信部と、
前記端末装置から送信された前記衛生管理データと、前記環境データを予め設定された加工方法で加工した環境データとを対応づけた衛生管理画面を前記端末装置に表示するように制御する制御部と、を有する情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が行う衛生管理データ表示方法であって、
端末装置に対し入力された、対象に関する衛生管理データを受信する処理と、
前記対象に関する環境データを受信する処理と、
前記端末装置から送信された前記衛生管理データと、前記環境データを予め設定された加工方法で加工した環境データとを対応づけた衛生管理画面を前記端末装置に表示するように制御する処理と、
を行う衛生管理データ表示方法。
【請求項14】
環境センサと、一台以上の情報処理装置と、端末装置とを有する環境データ記録システムであって、
前記環境センサは、
対象の環境データを検出する環境データ検出部と、
ネットワークを介して前記環境データを一台以上の情報処理装置に送信する第1通信部と、を有し、
前記一台以上の情報処理装置は、
前記端末装置に対し入力された、対象に関する衛生管理データを受信する第2通信部と、
前記対象に関する環境データを受信する受信部と、
前記端末装置から送信された前記衛生管理データと、前記環境データを予め設定された加工方法で加工した環境データとを対応づけた衛生管理画面を前記端末装置に表示するように制御する制御部と、を有し
前記端末装置は、
前記衛生管理画面を表示する表示制御部と、
前記衛生管理画面に対する前記衛生管理データの入力を受け付ける操作受付部と、
前記衛生管理データを前記一台以上の情報処理装置に送信する第3通信部と、
を有する環境データ記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、衛生管理データ表示方法、及び、環境データ記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因を分析する管理手法としてHACCP方式が知られている。HACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Point Systemの略で、衛生管理システムにおける国際的な標準の1つである。HACCP方式は、食品の衛生管理を最も効率よく連続的に行い食品の安全を確保するとされている。日本においては令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組むこととなった。
【0003】
食品の衛生管理においては温度データの管理が重要とされており、温度を記録する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、時系列的に記憶された温度履歴データDS1と作業者、生産設備/機器、生産品名等の関連生産データDS2を、同一の時間軸で記録する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、衛生管理においてユーザーによる入力作業を低減する余地があった。温度などの環境データは、異常監視のために、比較的短い周期(例えば、5分に1回)で自動的に取得されている。一方、HACCPでは事業者が決定した取り決めに基づいて衛生管理を行っていることを記録することが一般的であり、この記録には環境データだけでなく手動で入力されるデータも含まれている。このため、ユーザーは手動で入力するデータに、自動的に記録される環境データを所定の取り決め(タイミングや加工方法など)に基づいて反映させる作業が必要であり、単に手動でデータを入力する作業よりも、入力作業が煩雑になっていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、衛生管理においてユーザーによる入力作業を低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、情報処理装置を、端末装置に対し入力された、対象に関する衛生管理データを受信する通信部と、前記対象に関する環境データを受信する受信部と、前記端末装置から送信された前記衛生管理データと、前記環境データを予め設定された加工方法で加工した環境データとを対応づけた衛生管理画面を前記端末装置に表示するように制御する制御部として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
衛生管理においてユーザーによる入力作業を低減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】環境データ記録システムが環境データを記録する流れの概略を説明する図である。
【
図2】環境データ記録システムが有する装置によるシステム構成例を示す図である。
【
図3】情報処理システム、外部サービスシステム、及び端末装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】環境センサの一例のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】子中継器、親中継器の一例のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】情報処理システム、外部サービスシステム、端末装置、環境センサ、子中継器、親中継器、及び、端末装置の機能構成を示す一例のブロック図である。
【
図7】環境データ記憶部に記憶されている環境データの一例を示す図である。
【
図8】衛生管理データ記憶部に記憶されている衛生管理データの一例を示す図である。
【
図9】入力項目記憶部に記憶されている入力項目の一例を示す図である。
【
図10】衛生管理データ処理部に設定されている衛生管理データを記録するタイミング、及び、加工方法を説明する図である。
【
図11】環境データ記録システムが環境データと衛生管理データを記録する一例のシーケンス図である。
【
図12】衛生管理データ処理部が、環境データを加工し、衛生管理データ記憶部に保存する処理を説明する一例のフローチャート図である。
【
図13】端末装置が表示する衛生管理画面の一例を示す図である。
【
図14】衛生管理データ処理部に設定されている衛生管理データを記録するタイミング、加工方法、リスト作成タイミング、及び、リスト作成方法を説明する図である。
【
図15】端末装置が表示する衛生管理データリスト画面を説明する図である。
【
図16】画面生成部が衛生管理データリスト画面を生成する処理を説明する一例のフローチャート図である。
【
図17】環境データ記録システムが環境データと衛生管理データを記録する一例のシーケンス図である。
【
図18】衛生管理データ処理部が、環境データを加工し、衛生管理データ記憶部に保存する処理を説明する一例のフローチャート図である。
【
図19】情報処理システム、外部サービスシステム、端末装置、環境センサ、子中継器、親中継器、及び、端末装置の機能構成を示す一例の機能ブロック図である。
【
図20】環境データ記録システム100が環境データ及び衛生管理データを記録する処理を説明する一例のシーケンス図である(その1)。
【
図21】環境データ記録システム100が環境データ及び衛生管理データを記録する処理を説明する一例のシーケンス図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、環境データ記録システムと環境データ記録システムが行う衛生管理データ表示方法について図面を参照しながら説明する。
【実施例0010】
<動作又は処理の概略>
まず、
図1を参照し、本実施形態の環境データ記録方法について概略を説明する。
図1は、環境データ記録システム100が環境データを記録する流れの概略を説明する図である。
【0011】
(1) 例えばHACCP方式で衛生管理の履歴(以下、衛生管理データという)を記録するユーザー(顧客、顧客内の社員等)は、どのようなタイミングでどのような温度を記録するかを外部サービスシステム40に登録しておく。タイミングとしてユーザーは、例えば毎日や半日ごとなど所定の作業が完了するタイミングを設定できる。どのような温度を記録するかという加工方法についても、1日の最高値、最低値、又は平均値などを、ユーザーが任意に設定できる。
【0012】
また、ユーザーは、HACCPの衛生管理用の入力項目を設定しておく。ユーザーは入力項目として、業務上の管理に必要な項目を設定できる。HACCPの衛生管理データは、通常、20項目程度あり、業務によって様々である。例えば、日付、手を洗ったか、及び、マスクを着用したか等、ユーザーが任意に設定できる。
【0013】
(2) 冷蔵庫や冷凍庫に設置された環境センサ9は、温度データなどの環境データを決まった時間間隔で情報処理システム10に送信する。時間間隔は環境センサ9に予め設定されている。
【0014】
(3) 情報処理システム10は、外部サービスシステム40に逐次、環境データを送信する。環境データの送信は、外部サービスシステム40からの要求に応じて行われてもよい。外部サービスシステム40は、環境データを時系列に記録する。
【0015】
また、外部サービスシステム40は、ユーザーから、HACCPの衛生管理のために入力項目を表示する衛生管理画面300(
図13参照)を端末装置30に提供する。ユーザーは衛生管理画面300の入力項目(業務上の管理に必要な項目)に必要事項を入力することで、衛生管理データを作成する。この時点では、衛生管理データを入力する当該日付の環境データが全て揃っていなくてもよい。
【0016】
(4) 情報処理システム10は、入力された日付が、設定されているタイミングになると、上記の加工方法にしたがって環境データを加工することで代表値を決定する。外部サービスシステム40は、加工された環境データ(代表値)を当該日付の衛生管理データに追加する。
【0017】
このように、本実施形態の環境データ記録システム100は、ユーザーが入力した衛生管理データに環境データを自動的に記録できる。外部サービスシステム40は、環境データを予め設定された加工方法で加工できるので、環境データの記録周期と衛生管理データの記録周期が異なっても、衛生管理データの記録周期に対し適切な期間の環境データを衛生管理データに自動で保存できる。
【0018】
<用語について>
衛生管理データとは、例えば食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因を分析するために有用なデータである。何を衛生管理データとするかは、ユーザーが業務内容に応じて決定できる。衛生管理データは、例えば、温度データなどの環境データの他、ユーザーが手動で記録する確認項目などを含む。
【0019】
環境センサとは、対象に関する環境データを好ましくは自動で記録するセンサである。環境データは対象に衛生管理上の影響を与える可能性がある環境の特徴を表すデータである。環境データは例えば温度や湿度など、対象によって様々である。
【0020】
対象は、精密機器、医薬品、人体からの抽出物、湿気の影響を受ける紙(書籍)や機械、植物や動物の育成用の空間、微生物を培養する研究施設、半導体工場などの空気質の管理が必要な工場、病院の病室や手術室等、様々である。
【0021】
加工とは、データに対する情報処理である。加工には、統計的な処理、抽出処理、計算処理等、種々の情報処理が含まれる。また、複数のデータからの抽出処理では、加工の前と後でデータが同じでもよい。
【0022】
<システム構成例>
次に、
図2を参照して環境データ記録システム100のシステム構成について説明する。
図2は、環境データ記録システム100が有する装置によるシステム構成例を示す。
図2に示すように、環境データ記録システム100では、情報処理システム10、外部サービスシステム40、子中継器7、親中継器8、及び、端末装置30がネットワークを介して通信可能に接続されている。これらのうち、端末装置30は汎用的なPC等でよいため、常に、システム構成に含まれている必要はない。外部サービスシステム40も、システム構成に含まれている場合とそうでない場合がある。
【0023】
また、ネットワークNは、インターネットやWAN等の広域的なネットワークを有している。また、ネットワークNは、LAN、Wi-Fi(登録商標)、広域イーサネット(登録商標)、VPN(Virtual Private Network)、4G、5G、6G等の携帯電話網、Bluetooth(登録商標)などのネットワークを必要に応じて含むとよい。
【0024】
環境センサ9は、温度、湿度、二酸化炭素、酸素、照度、電力、電流、振動、加速度などの環境に関する環境データを、予め設定された間隔で検出するセンサである。予め設定された間隔は、ユーザーが手動で設定してもよいし、情報処理システム10から設定を送信してもよい。
【0025】
環境センサ9は、検出する環境データに応じて複数、用意されていてもよい。環境センサ9は、環境管理が必要な対象物の近くに設置される。環境センサ9は、例えば、冷蔵庫の中、商品と共に段ボールの中、段ボールの箱の外側等に設置される。この対象物はHACCPでは主に食品であるが、精密機器、医薬品、人体からの抽出物など温度データの管理が特に必要な物であればよい。また、対象物に限らず単に空間の環境が測定されてもよい。
【0026】
環境センサ9は、無線通信により親中継器8と通信する。本実施形態では、環境センサ9が親中継器8と無線通信することが困難な場合や、環境センサ9で消費電力が少ないBluetooth(登録商標)を使用したいが親中継器8が対応していない場合等があるため、環境センサ9は例えばBluetooth(登録商標)等で子中継器7に接続する。子中継器7は、Bluetooth(登録商標)からWi-Fi(登録商標)等に通信方式を変換し、親中継器8と接続する。ただし、子中継器7と親中継器8は有線接続でもよい。こうすることで、環境センサ9の設置場所の自由度が高まると共に、比較的、消費電力が少ないBluetooth(登録商標)等で環境センサ9が子中継器7と通信できる。また、子中継器7は、通信方式を変更して環境データを親中継器8に中継すればよいので、設置場所が固定でよく、電源から常に電力供給を受けられる。
【0027】
親中継器8は、子中継器7と通信すると共にネットワークNに接続する中継装置である。親中継器8は例えばWi-Fi(登録商標)で環境データを受信し、ルーター、ネットワークスイッチ、ハブ等を介してネットワークNに接続する。親中継器8には中継アプリがインストールされており、中継アプリは、環境データに測定時刻(測定日を含む)を関連付けて情報処理システム10に送信する。測定時刻は、環境センサ9、子中継器7又は情報処理システム10が環境データに関連付けてもよい。
【0028】
情報処理システム10は、一台以上の情報処理装置を有している。情報処理システム10は、ネットワークNに接続し、親中継器8から環境データを受信する。また、情報処理システム10はネットワークNを介して外部サービスシステム40と通信し、環境データを外部サービスシステム40に送信する。また、情報処理システム10は、Webサーバーの機能を有しており、端末装置30にWebアプリを提供してもよい。
【0029】
情報処理システム10は、基本的に環境データを逐次、外部サービスシステム40に送信し、例外的に、通信障害などの場合に、適宜、環境データを蓄積しておく。外部サービスシステム40は、環境データのデータ形式を、外部サービスシステム40のWebアプリが対応する形式(単位、小数点以下の桁数、四捨五入などによるデータの丸め方)に変換する。また、情報処理システム10は、環境センサ9が送信する全ての環境データから必要なものを取捨する。また、複数の環境センサ9から環境データを受信する場合、情報処理システム10は、データの形式を同じものに揃える。
【0030】
また、情報処理システム10は、異なる外部サービスシステム40と通信して処理を実行するための複数のモジュール又はコンポーネントを有していてよい。モジュール又はコンポーネントは外部サービスシステム40に専用のプログラムである。一方のモジュール又はコンポーネントは外部サービスシステム40AのAPIを介した通信が可能であり、他方のモジュール又はコンポーネントは外部サービスシステム40BのAPIを介した通信が可能である。
【0031】
情報処理システム10は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される形態をいう。情報処理システム10は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0032】
外部サービスシステム40は、情報処理システム10と通信し、又は、単独で、データの保存、読出、又は加工を行うサービスを提供する一台以上の情報処理装置である。外部サービスシステム40の「外部」とは、主に情報処理システム10とは別のシステムであることをいう。外部サービスシステム40は、情報処理システム10とは例えば異なる企業により運営される場合がある。一方、外部サービスシステム40において情報処理システム10が提供するアプリケーションが実行される場合もあり、外部サービスシステム40と情報処理システム10とを同一視できる場合もある。
【0033】
複数の外部サービスシステム40は、環境データに関して類似したサービスを提供し、例えば一方が簡易的なWebアプリやデータ処理を行ったり、他方が処理負荷の高いデータ処理を行ったりすることで、負荷を分散できる。本実施形態では、複数の外部サービスシステム40を区別せずに説明する。
【0034】
外部サービスシステム40の一例には、例えば、クラウドサービス、ASP(Application Service Provider)等があり、ネットワークを介して提供される各種の外部サービスが含まれてよい。例えば、サービスの一例としてストレージサービスがある。外部サービスシステム40は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0035】
図2では、情報処理システム10と外部サービスシステム40とが別体であるが、情報処理システム10と外部サービスシステム40が一体でもよい。
【0036】
なお、以降では、複数の外部サービスシステム40について、各々を区別するときは、図示されている「外部サービスシステム40A、B」と記載する。
【0037】
端末装置30は、例えば、管理者又はエンドユーザー(以下、単にユーザーという)が使用する情報処理端末である。ユーザーは端末装置30を操作して、情報処理システム10又は外部サービスシステム40に接続させ、これらが提供する各種のサービスを利用することができる。例えば、ユーザーは衛生管理画面300に表示する入力項目を設定したり、上記のタイミングや加工方法を設定したりする場合、端末装置30は外部サービスシステム40から受信したWebアプリを実行する。また、ユーザーはWebアプリとして表示される衛生管理画面300に衛生管理データを入力する。また、ユーザーは、端末装置30を外部サービスシステム40に接続させ、外部サービスシステム40が蓄積する衛生管理データや環境データを閲覧したり、編集したりすることができる。
【0038】
端末装置30は、例えばデスクトップPC、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末等であるが、Webブラウザが動作可能であればよい。また、端末装置30はWebブラウザでWebアプリを実行するのでなく、情報処理システム10に専用のネイティブアプリを実行してもよい。端末装置30は、外部サービスシステム40に専用のネイティブアプリを実行してもよい。
【0039】
<ハードウェア構成例>
図3~
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10、外部サービスシステム40、端末装置30、環境センサ9、子中継器7、及び、親中継器8のハードウェア構成について説明する。
【0040】
<<情報処理システム、外部サービスシステム、端末装置>>
図3は、本実施形態に係る、情報処理システム10、外部サービスシステム40、及び端末装置30の一例のハードウェア構成を示す図である。
図3に示されているように、情報処理システム10、外部サービスシステム40、端末装置30はコンピュータ500によって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0041】
これらのうち、CPU501は、情報処理システム10及び端末装置30全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンター等である。ネットワークI/F509は、ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0042】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWは、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0043】
<<環境センサ>>
図4は、環境センサ9の一例のハードウェア構成を示す図である。
図4に示されているように、環境センサ9は、制御部201、温度センサ202、電源部203、及び、通信I/F204を有している。制御部201は、マイコンの機能を有しており、CPU、RAM、ROM、I/O、DAC、ADC、タイマ等を有している。
【0044】
温度センサ202は、サーミスタ等であり、温度により変化した抵抗値を検出することで、温度に変換する。通信I/F204は無線通信ユニットであり、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの通信方式で子中継器7又は親中継器8と通信する。電源部203は、バッテリーを有しており、環境センサ9の各ハードウェアブロックに電力を供給する。
【0045】
<<子中継器、親中継器>>
図5は、子中継器7、親中継器8の一例のハードウェア構成を示す図である。
図5に示されているように、子中継器7、親中継器8は、制御部211、電源部212、及び、通信I/F213を有している。制御部211は、マイコンの機能を有しており、CPU、RAM、ROM、I/O、DAC、ADC、タイマ等を有している。
【0046】
通信I/F213は無線通信ユニットであり、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi (登録商標)などの通信方式で親中継器8又は情報処理システム10と通信する。電源部212は、バッテリーを有しており、子中継器7又は親中継器8の各ハードウェアブロックに電力を供給する。
【0047】
<機能について>
図6は、情報処理システム10、外部サービスシステム40、環境センサ9、子中継器7、親中継器8、及び、端末装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
<<環境センサ>>
環境センサ9は、通信部61と環境データ検出部62とを有している。環境センサ9が有するこれら機能部は、環境センサ9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図4に示した制御部201が実行することで実現される機能又は手段である。環境センサ9の各機能がIC回路などのハードウェアで実現されてもよい。
【0049】
環境データ検出部62は、温度などの環境データを繰り返し周期的に検出する。周期の時間間隔は、例えば5分間隔などあり、ユーザーが環境センサ9に設定可能である。本実施形態では、環境データとして温度データを例に説明する。
【0050】
通信部61は、例えばBluetooth(登録商標)等の無線通信で環境データを子中継器7に送信する(第1通信部の一例)。通信部61は、環境データ検出部62が環境データを検出するごとに遅延なく子中継器7に送信することが好ましい。温度管理はいつ測定されたのか、すなわち時刻との関係が重要なためである。検出時刻の異なるいくつかの環境データをまとめて子中継器7に送信する場合、環境センサ9が時刻を付与するとよい。通信部61は、環境データを送信するまでは子中継器7との通信を切断しておき、環境データを送信するタイミングになると子中継器7との通信を接続する。こうすることで、環境センサ9は、消費電力を低減できる。なお、通信部61は、環境データに環境センサIDなど、自機の識別情報を添付することが好ましい。環境センサIDと冷蔵庫など設置場所が情報処理システム10に対応付けられており、情報処理システム10は環境センサIDによりどこの環境データかを特定できる。
【0051】
<<子中継器>>
子中継器7は、受信部63と、通信方式変換部64と、送信部65と、を有している。子中継器7が有するこれら機能部は、子中継器7にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図5に示した制御部211が実行することで実現される機能又は手段である。子中継器7の各機能がIC回路などのハードウェアで実現されてもよい。
【0052】
受信部63は、例えばBluetooth(登録商標)等の無線通信で、環境センサ9から環境データを受信する。受信部63は、アドバタイジングすることで環境センサ9から接続待ちしておき、環境センサ9が送信するタイミングで通信を開始する。
【0053】
通信方式変換部64は、環境センサ9が送信する環境データの通信方式(例えばBluetooth(登録商標))を、親中継器8が対応する環境データの通信方式(例えばWi-Fi(登録商標))に変換する。
【0054】
送信部65は、通信方式が変換された環境データを親中継器8に送信する。送信部65は、受信部63が受信した環境データを受信直後に親中継器8に送信することが好ましい。親中継器8の負荷が増大している等の理由で通信困難な場合、送信部65は、親中継器8との通信が復帰した直後に環境データを送信する。この場合、送信部65は、子中継器7で環境データが滞留した時間を環境データに添付するとよい。これにより、親中継器8は環境データに付与する測定時刻を調整できる。
【0055】
<<親中継器>>
親中継器8は、受信部66と、時刻付与部67と、送信部68と、を有している。親中継器8が有するこれら機能部は、親中継器8にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図5に示した制御部211が実行することで実現される機能又は手段である。親中継器8の各機能がIC回路などのハードウェアで実現されてもよい。
【0056】
親中継器8はIOTゲートウェイと同様の機能を有し、環境センサ9がインターネットを介して情報処理システム10と通信する際、中継する役割を担うルーターのような機能を備えた機器である。
【0057】
受信部66は、子中継器7から環境データを受信する。時刻付与部67は、環境データに現在の時刻を付与し、両者を対応付ける。時刻付与部67は、NTP(Network Time Protocol)サーバーと通信したり、GPS衛星と通信したりすることで正確な時刻を付与することが好ましい。
【0058】
送信部68は、時刻が付与された環境データを情報処理システム10に送信する。送信部48は、受信部66が受信した環境データを受信直後に情報処理システム10に送信してもよいし、検出時刻の異なるいくつかの環境データをまとめて子中継器7に送信してもよい。
【0059】
<<情報処理システム>>
情報処理システム10は、通信部11、データ整形部12、転送部13及び環境データ記憶部14を有している。情報処理システム10が有するこれら機能部は、情報処理システム10にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。環境データ記憶部14は、
図3に示したHD504やRAM503等により実現される。
【0060】
通信部11は、親中継器8から時刻が付与された環境データを受信する。通信部11は、ファイアウォールを超えて親中継器8と通信できるようにWebソケットなどの通信方式で、常に、親中継器8と通信接続していることが好ましい。通信部11は、定期的なPingコマンドを親中継器8に送信し、応答を受信するか否かなどに基づいて親中継器8の死活を監視するとよい。
【0061】
データ整形部12は、環境データと時刻データのデータ形式を整形する。データ整形部12は、環境データの温度の単位の変更、小数点以下の桁の丸め方に基づく端数の処理などを行う。データ整形部12は、時刻データも整形する。整形とは、例えば、24時間表示にしたり、時間と分を所定の記号で区切ったりすることを行う。また、データ整形部12は、環境センサ9が送信する全ての環境データから必要なものを取捨する。また、複数の環境センサ9から環境データを受信する場合、データ整形部12は、データの形式を同じものに揃える。データ整形部12は、環境データ記憶部14に環境データを記録する。
【0062】
転送部13は、外部サービスシステム40のAPIを指定することで、環境データ記憶部14に記録された環境データを外部サービスシステム40に転送する。転送部13は、環境データを受信した直後に環境データを転送してよいし、一定量の環境データがたまったら転送してもよい。
【0063】
図7は、環境データ記憶部14に記憶されている環境データの一例を示す。環境データは環境センサ9に対応付けて記録されている。
図7では、環境データ記憶部14は、日付、時刻、及び温度の各項目を有している。
【0064】
・日付と時刻は、例えば親中継器8が付与した時刻データである。
【0065】
・温度の項目には、環境センサ9が検出した温度が記録されている。
図7では、5分ごとに時刻と温度が記録されているが、5分は一例に過ぎない。
【0066】
<<外部サービスシステム>>
図6に戻って説明する。外部サービスシステム40は、通信部41、環境データ記録部42、異常判断部43、衛生管理データ処理部44、画面生成部45、リスト作成部46、環境データ記憶部51、衛生管理データ記憶部52、及び、入力項目記憶部53を有している。外部サービスシステム40が有するこれら機能部は、外部サービスシステム40にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。環境データ記憶部51、衛生管理データ記憶部52、及び、入力項目記憶部53は、
図3に示したHD504やRAM503等により実現される。
【0067】
通信部41は、情報処理システム10から環境データを受信する(第2通信部の一例)。通信部41は、情報処理システム10に要求することで環境データを受信してもよいし、要求しないで環境データを受信してもよい。
【0068】
環境データ記録部42は、通信部41が受信した環境データを環境データ記憶部51に保存する。環境データ記憶部51における環境データの一例は
図7と同様でよい。
【0069】
異常判断部43は、温度など環境データの異常を閾値と比較することで判断する。異常判断部43は、温度が異常と判断すると、予め設定された管理者などのメールアドレス等に冷蔵庫の名称や場所等と共に異常を通知する。
【0070】
衛生管理データ処理部44は、衛生管理データ記憶部52に保存されている日付と、予め設定されたタイミングと加工方法とにしたがって、環境データを加工することで代表値を決定する。衛生管理データ処理部44は、代表値を衛生管理データの一部として、衛生管理データ記憶部52に保存する。タイミングと加工方法については後述する。
【0071】
画面生成部45は、Webサーバーと同様に、端末装置30が実行するWebアプリを提供する。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバー側のプログラムが協調することによって動作し、ブラウザ上で実行されるソフトウェア又はその仕組みを言う。これに対し、端末装置30にインストールされてから実行するアプリケーションをネイティブアプリという。
【0072】
画面生成部45は、入力項目記憶部53に保存されている入力項目を用いて衛生管理画面300を生成し、通信部41を介して端末装置30に送信する。画面生成部45は、端末装置30が入力項目に対し入力した衛生管理データを、通信部41を介して受け取り、衛生管理データ記憶部52に保存する。
【0073】
リスト作成部46は、衛生管理データのリストを作成する。リスト作成部46は、例えば、週ごと、月ごと、年ごとに、衛生管理データのリストを作成する。
【0074】
図8は、衛生管理データ記憶部52に記憶されている衛生管理データの一例を示す。衛生管理データは、日付、いくつかの入力項目、最大温度、最低温度、異常、及び対応の各項目を有している。
【0075】
・日付の項目は、HACCPにしたがってユーザーが決めた衛生管理の周期にしたがって、日時等が設定される。ユーザーが決めた衛生管理の周期が1日なら、
図8のように1日1レコード作成される。ユーザーが決めた衛生管理の周期が半日なら、1日に2レコード作成される。
【0076】
・入力項目(清掃しましたか、ゴミ捨てしましたか、手洗いしましたか)は、ユーザーが設定した業務上の管理に必要な項目である。衛生管理の担当者は少なくとも衛生管理の周期ごとに端末装置30で衛生管理画面300を表示させ、入力項目を入力する。
図8では、各入力項目は、「Yes」又は「No」が選択されているが、ユーザーが自然言語で入力してもよい。
【0077】
・最大温度の項目は、衛生管理データ処理部44が加工方法にしたがって加工した環境データである。すなわち、衛生管理データ処理部44は、ユーザーが決めた衛生管理の周期(ここでは1日)において最も高い温度値を代表値として記録する。
【0078】
・最低温度の項目は、衛生管理データ処理部44が加工方法にしたがって加工した環境データである。すなわち、衛生管理データ処理部44は、ユーザーが決めた衛生管理の周期(ここでは1日)において最も低い温度値を代表値として記録する。
【0079】
・異常の項目は、環境データ(例えば温度)が閾値以上、又は、閾値以下の場合に、異常がある旨を衛生管理データ処理部44が記録する。最大温度と閾値、又は、最低温度と閾値が比較されてもよい。すなわち、衛生管理データ処理部44は、環境データ、最大温度、又は最低温度が異常である場合、その旨を記録する。異常が検出された場合、情報処理システム10がユーザーにメールを送信するなどして警告する。
【0080】
・対応の項目は、異常に対しユーザーが行った対応措置が記録される。警告を受けたユーザーは適切な対応(例えばドアを閉める)を行い、端末装置30を外部サービスシステム40に接続させ、対応の内容を送信する。衛生管理データ処理部44は、送信された対応の内容を衛生管理データ記憶部52に保存する。
【0081】
図9は、入力項目記憶部53に記憶されている入力項目の一例を示す。入力項目は、入力項目IDに対応付けられたラベルの各項目を有している。
【0082】
・入力項目IDは入力項目の識別情報である。
【0083】
・ラベルは、衛生管理画面300に表示される項目名である。ユーザーが衛生管理画面300に入力した衛生管理データは、入力項目IDにより識別され、画面生成部45が入力項目IDに対応する衛生管理データ記憶部52の項目に保存する。
【0084】
<<端末装置>>
図6に戻って説明する。端末装置30は、通信部31と、表示制御部32と、操作受付部33と、を有する。これら各機能部は、端末装置30にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザでもよいし、専用のネイティブアプリでもよい。
【0085】
通信部31は、外部サービスシステム40又は情報処理システム10との間で各種の情報を送受信する(第3通信部の一例)。本実施形態では、通信部31は、衛生管理画面300の画面情報を外部サービスシステム40から受信し、ユーザーが入力項目に入力した衛生管理データを外部サービスシステム40に送信する。
【0086】
表示制御部32は、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部33は、ディスプレイ506に表示された各種画面におけるユーザーの各種操作を受け付ける。
【0087】
<タイミング、加工方法>
次に、
図10を参照し、衛生管理データを記録するタイミング、及び、加工方法について説明する。
図10は、衛生管理データ処理部44に設定されている衛生管理データを記録するタイミング331、及び、加工方法332を説明する図である。
図10では、タイミング331が「24時00分」、加工方法332が「日付が指定する日の最大温度、日付が指定する日の最低温度」となっている。通常、「24時00分」という時刻は翌日の「0時00分」であるが、説明の便宜上、「24時00分」とする。
【0088】
後述するように、タイミング331(ここではある時刻)から次のタイミング331までの環境データが加工の対象となる。衛生管理データ処理部44は、24時00分に、衛生管理データの日付が指定する日の最大温度と最低温度を環境データ記憶部51から取得して、衛生管理データ記憶部52に保存する。ユーザーにより例えば9月2日が指定されると9月2日の24時00分(9月3日の0時00分)以降に、9月2日の最大温度と最低温度が記録される。
【0089】
タイミング331はユーザーが衛生管理データを記録する周期に応じた値をユーザーが設定しておく。つまり、後述する衛生管理画面300が日にちを入力するものなら、タイミング331は24時00分である。衛生管理画面300が「日付と午前」、「日付と午後」、「日付と夜間」を入力するものなら、タイミング331は、12時00分、18時00分、24時00分等である。ユーザーはHACCPに基づいて決めておいた取り決めを設定できる。
【0090】
加工方法332は、代表値の決定方法である。加工方法332についても、上記のタイミング331ごとにどのような温度を記録するかをユーザーが設定しておくことができる。以下は、一例である。
(i) タイミングで決まる期間の平均温度
(ii) タイミングで決まる期間の中央温度
(iii) タイミングで決まる期間の標準偏差、分散
(iv) ユーザーが設定したタイミング(例えば毎日の決まった時刻)の直近の温度
(v) ユーザーが衛生管理画面300から記録指示を送信したタイミング(後述する現在温度取得ボタンの押下)の直近の温度
例えば
図10の例では、衛生管理データ処理部44は、日付が9月2日の衛生管理データがある状態で、現在時刻が9月2日の24時00分になると、9月2日の日付が設定されている環境データのうち、最大温度と最低温度を環境データ記憶部51から取得する。
【0091】
なお、温度の異常が検出された場合、加工方法332に関わらず、衛生管理データ処理部44が、異常になった温度を記録する。
【0092】
加工方法332がタイミング331によって決定されてもよい。例えば、タイミング331が1日の1回の場合、衛生管理データ処理部44は、中央値を加工方法とし、タイミング331が1日の2回の場合、衛生管理データ処理部44は、平均値と標準偏差を加工方法とする。こうすることでタイミングに対し適切な代表値を決定できる。この場合、衛生管理データ処理部44は、予め加工方法332とタイミング331が対応付けられたテーブルから、設定されているタイミング331に対応する加工方法332を特定する。
【0093】
<動作又は処理>
次に、
図11を参照して、環境データ記録システム100が環境データと衛生管理データを記録する処理の流れを説明する。
図11は、環境データ記録システム100が環境データと衛生管理データを記録するシーケンス図の一例である。
【0094】
S1:まず、環境センサ9の環境データ検出部62が、設定している周期(例えば5分に1回)で環境データを検出する。通信部61は環境データを子中継器7に送信する。環境センサ9の送信周期は、ユーザーが衛生管理データを記録する周期より短い。
【0095】
S2:子中継器7の受信部63は、Bluetooth(登録商標)等で環境データを受信し、通信方式変換部64が通信方式をBluetooth(登録商標)からWi-Fi(登録商標)等に変換する。送信部65は、環境データを親中継器8に送信する。
【0096】
S3:親中継器8の受信部66は、環境データを受信し、時刻付与部67が現在の時刻を環境データに添付する。送信部68は、環境データと時刻データを情報処理システム10に送信する。
【0097】
S4:情報処理システム10の通信部11は、環境データと時刻データを受信する。データ整形部12は、環境データと時刻データのデータ形式を成形する。
【0098】
S5:情報処理システム10の転送部13は、環境データと時刻データを外部サービスシステム40に送信する。転送部13は、外部サービスシステム40からの要求に応じて環境データと時刻データを外部サービスシステム40に送信してもよい。外部サービスシステム40の通信部41は、環境データと時刻データを受信すると、環境データ記録部42が環境データ記憶部51に環境データを保存する。そして、異常判断部43が、温度が閾値以上か、又は、温度が閾値以下か判断する。温度に異常がある場合、異常判断部43は予め設定されたメールアドレス等を宛先に、冷蔵庫の名称や場所等と共に異常がある旨を送信する。冷蔵庫の名称は、環境センサIDにより特定される。
【0099】
このように異常判断部43はリアルタイムで異常判断するので、異常が発生した直後に検出できる。ユーザーは冷蔵庫に赴き、迅速な対応が可能になる。また、異常判断は、情報処理システム10が行ってもよいし、情報処理システム10と外部サービスシステム40の両方が行ってもよい。
【0100】
S6:一方、ユーザーは取り決めにしたがって、毎日の就業時や終業時に衛生管理データを記録する。このため、ユーザーは端末装置30を外部サービスシステム40に接続させ、衛生管理画面300を表示させる操作を入力する。端末装置30の操作受付部33が操作を受け付け、通信部31が衛生管理画面300を外部サービスシステム40に要求する。
【0101】
S7:外部サービスシステム40の通信部41が衛生管理画面300の要求を受信し、画面生成部45が入力項目記憶部53から取得した入力項目を用いて衛生管理画面300を生成する。外部サービスシステム40の通信部41が衛生管理画面300の画面情報を端末装置30に送信する。画面生成部45は、すでに入力済みの衛生管理データがある場合は、衛生管理画面300に含めてよい。
【0102】
S8:端末装置30の通信部31は衛生管理画面300の画面情報を受信し、表示制御部32がディスプレイ506に表示する。ユーザーは入力項目を確認し、業務を行った日付と業務内容に応じた衛生管理データを入力する。操作受付部33が入力を受け付ける。
【0103】
S9:ユーザーが保存ボタンを押下したことに応じて、通信部31が衛生管理データを外部サービスシステム40に送信する。外部サービスシステム40の通信部41は衛生管理データを受信し、画面生成部45が衛生管理データを衛生管理データ記憶部52に保存する。
【0104】
S10:そして、外部サービスシステム40の衛生管理データ処理部44は、予め設定されているタイミングになると、環境データを加工方法で加工し、衛生管理データ記憶部52に保存する。ステップS10の処理について詳細は
図12のフローチャート図で説明する。
【0105】
図12は、衛生管理データ処理部44が、環境データを加工し、衛生管理データ記憶部52に保存する処理を説明するフローチャート図である。
図12の処理は繰り返し実行される。
【0106】
衛生管理データ処理部44は、衛生管理データ記憶部52に新たに日付が設定されたか否か判断する(S101)。つまり、ユーザーが衛生管理画面300から安全衛生管理の一環として少なくとも日付を入力したか判断する。ステップS101の判断がNoの場合、環境データの加工が不要なので
図12の処理は終了する。
【0107】
ステップS101の判断がYesの場合、衛生管理データ処理部44は、設定されているタイミングをすでに徒過しているか否か判断する(S102)。設定されているタイミングをすでに徒過しているとは、例えばタイミングが24時00分であるのに、現在時刻が次の日の0時01分以降であることをいう。例えば、ユーザーの勤務時間が9時から17時であれば、ユーザーは17時頃に衛生管理画面300から衛生管理データを入力するので、ステップS102の判断は、通常はNoとなる。しかし、ユーザーが前日の衛生管理データの入力を忘れ、次の日に入力したような場合、ステップS102の判断はYesとなる。
【0108】
あるいは、ユーザーの勤務時間が9時から17時だが、タイミングが12時00分と24時00分の場合、12時00分のタイミングに関してはユーザーが衛生管理画面300から衛生管理データを入力する時刻によって、ステップS102の判断はYes又はNoとなる。ステップS102の判断がYesの場合、処理はステップS104に進む。
【0109】
ステップS102の判断がNoの場合、衛生管理データ処理部44は、日付の終期がタイミング331を経過したか否か判断する(S103)。日付の終期がタイミング331を経過するとは、予め設定されたタイミング331が例えば24時00分で、衛生管理データの日付が9月2日である場合に、9月2日の終期(24時00分)がタイミング331である24時00分になることをいう。ステップS103の判断がYesの場合、処理はステップS104に進む。ステップS103の判断がNoの場合、
図12の処理は終了する。
【0110】
そして、衛生管理データ処理部44は、環境データ記憶部51から、衛生管理データ処理部44に設定されている日付で特定される環境データを取得し、予め設定された加工方法332で環境データを加工する(S104)。日付で特定される環境データはタイミング331で決まる周期の間の環境データでもある。
【0111】
こうすることで、外部サービスシステム40は、ユーザーが入力した衛生管理データに環境データを自動的に記録できる。外部サービスシステム40は、環境データを予め設定された加工方法で加工できるので、環境データの記録周期と衛生管理データの記録周期が異なっても、衛生管理データの記録周期に対し適切な期間の環境データを衛生管理データに自動で保存できる。
【0112】
なお、「(v) ユーザーが衛生管理画面300から記録指示を送信したタイミング(保存ボタンの押下)の直近の温度」のように、ユーザーが現在の環境データを記録する操作を行う場合、外部サービスシステム40は環境データ記憶部51から現在に最も近い環境データを取得すればよい。
【0113】
<衛生管理画面の表示例>
図13を参照して衛生管理画面300の表示例について説明する。
図13は、端末装置30が表示する衛生管理画面300の一例である。
図13(a)は、環境データの代表値が決定される前に、ユーザーが表示した衛生管理画面300である。衛生管理画面300は、日付欄301、1つ以上の入力項目302、現在温度取得ボタン303、保存ボタン304、及び、キャンセルボタン305を有している。
【0114】
・日付欄301は、ユーザーが安全衛生に関する業務を行った日付が設定される設定欄である。この日付の環境データの代表値が衛生管理データに追加される。日付欄301は、カレンダー表示機能を有し、ユーザーはカレンダーから日付を入力できる。この日付欄301の日付は、代表値を決定するための複数の環境データを特定する期間となる。日付欄301に「日付と午前」、「日付と午後」、「日付と夜間」などが設定されてもよいし、「毎時」「3時間ごと」などの時刻が設定されてもよい。
【0115】
なお、日付欄301の初期値は当日であるので、ユーザーが日付を改めて設定しない場合もある。ユーザーが日付を間違えないように、外部サービスシステム40の衛生管理データ処理部44が日付チェックを行うとよい。衛生管理データ処理部44は、入力された日付の前日までの衛生管理データが衛生管理データ記憶部52に記録されているかを判断し、記録されていない場合は、正しい日付(衛生管理データが記録されている最後の日の次の日)を端末装置30に通知する。あるいは、日付欄301の初期値として、衛生管理データ処理部44は、衛生管理データ記憶部52に保存されている最後の日付を検出し、最後の日付の次の日を日付欄301の初期値に設定してもよい。
【0116】
・入力項目302は、入力項目記憶部53に保存されているラベルが入力項目として表示され、このラベルに選択ボックス306が対応付けられている。選択ボックス306はプルダウンメニューになっており、ユーザーはYes又はNoを選択できる。単なる選択でなく、ユーザーは自由筆記で自然言語を入力できてよい。
図13では作図の都合上、一部の入力項目のみを示した。
【0117】
・現在温度取得ボタン303は、現在の環境データ(例えば温度)を温度欄307に表示させる操作を受け付けるボタン(表示部品)である。ユーザーが現在温度取得ボタン303を押下すると、端末装置30が温度取得要求を外部サービスシステム40に送信する。外部サービスシステム40は最も最近記録された温度を環境データ記憶部51から取得して、端末装置30に返す。この現在温度についても日時と共に衛生管理データ処理部44が衛生管理データとして保存してもよい。なお、外部サービスシステム40は、情報処理システム10に対し現在の温度を要求し、情報処理システム10が親中継器8、子中継器7を介して環境センサ9から環境データを取得してもよい。外部サービスシステム40は情報処理システム10から送信された環境データを端末装置30に返す。
【0118】
保存ボタン304が押下されると、ユーザーが入力した衛生管理データが外部サービスシステム40に送信される。キャンセルボタン305が押下されると、入力内容が破棄される。後述する環境データ308が表示される領域をユーザーが押下したことで、衛生管理データが外部サービスシステム40に送信されてもよい。
【0119】
衛生管理データが外部サービスシステム40に送信されると、
図12の処理が実行される。この結果、ステップS104が実行された場合、
図13(b)に示す衛生管理画面300が表示される。例えば、保存ボタン304が押下されたタイミングでステップS104が実行されると、直後に
図13(b)の衛生管理画面300が表示される。保存ボタン304が押下されたタイミングでステップS104が実行されない場合、ステップS103でYesとなった後に、端末装置30が、ステップS103でYesとなった日付の衛生管理データを要求すると、
図13(b)の衛生管理画面300が表示される。
【0120】
図13(b)では、加工方法で加工された環境データ308が表示されている。また、異常の有無309が表示されている。したがって、ユーザーが衛生管理画面300に環境データを入力しなくても、自動で環境データを入力できた。
【0121】
<衛生管理データのリスト表示>
外部サービスシステム40は月単位で衛生管理データをリスト表示することもできる。外部サービスシステム40には、リスト作成方法として「衛生管理データを日にちごとにリスト化」のように設定されている。
【0122】
図14は、衛生管理データ処理部44に設定されている衛生管理データを記録するタイミング331、加工方法332、リスト作成タイミング333、及び、リスト作成方法334を説明する図である。
図14の説明では主に
図10との相違を説明する。
図14では、リスト作成タイミング333とリスト作成方法334が設定されている。これらの設定はユーザーが予め行っておく。
図14ではリスト作成タイミング333は、「月末」となっている。また、リスト作成方法334は、「衛生管理データを日にちごとにリスト化」となっている。リスト作成タイミング333は「週末」「四半期」「年末」「特定の月」でもよいし「5日ごと」などでもよい。リスト作成方法334は、「衛生管理データを週ごとに集計」でもよい。
【0123】
衛生管理データ処理部44は、タイミング331や加工方法332にしたがって最大温度や最低温度等の代表値を特定するが、衛生管理データには代表値を記録しない。もちろん、衛生管理データ処理部44が、代表値を衛生管理データに記録してもよい。リスト作成部46は、リスト作成タイミング333が到来すると、自動的に、月別に衛生管理データを日にちごとにまとめたリストを作成する。リスト作成部46は、月末が到来した当月だけでなく、ユーザーが端末装置30から指定した月の衛生管理データを日にちごとにリスト化することもできる。
【0124】
図15は、端末装置30が表示する衛生管理データリスト画面340を説明する図である。
図15(a)は
図13(a)と同じであり、
図13(b)は
図7と同じである。ユーザーが衛生管理画面300に日付や入力項目の衛生管理データを入力すると、衛生管理データが衛生管理データ記憶部52に保存される。しかし、この時点では、衛生管理データ処理部44は最大温度や最低温度等の代表値を特定しない。そして、リスト作成タイミング333が到来するか、又は、ユーザーが端末装置30を操作してリスト(例えば月報)を要求する操作を入力すると、画面生成部45が
図15(c)に示す衛生管理データリスト画面340を生成し、端末装置30に提供する。
【0125】
・日付の項目341は、当月やユーザーが指定した月の日付である。当月やユーザーが指定した月の現在の日にちまでの全ての日付が衛生管理データリスト画面340に表示される。
【0126】
・安全衛生の項目342は、衛生管理データに異常(No)がないかを示す。リスト作成部46は、全ての入力項目が「Yes」の場合に「OK」を、そうでない場合に「NG」を設定する。
【0127】
・最大温度の項目343は、環境データから加工方法332にしたがって衛生管理データ処理部44が加工した最大温度である。最低温度、又は、最大温度と最低温度が表示されてもよい。
【0128】
・異常の項目344は、いずれか1つでも温度が閾値以上、又は、いずれか1つでも温度が閾値以下の場合、「あり」が設定される。
【0129】
・対応の項目345は、ユーザーが異常に対して行った対応措置であり、ユーザーが衛生管理データ記憶部52に保存した対応の内容である。
【0130】
このように、ユーザーは、月別に衛生管理データを日にちごとにまとめたリストを確認でき、HACCPに準拠した衛生管理が容易になる。
【0131】
なお、ユーザーは
図15(c)の任意のレコードを押下(クリックやタップ)することで、
図15(a)に示すような、押下したレコードに対応する日付の衛生管理データを端末装置30に表示できる。
【0132】
図16は、画面生成部45が衛生管理データリスト画面340を生成する処理を説明するフローチャート図である。
図16の処理は、ユーザーが衛生管理データリスト画面340を外部サービスシステム40に要求した場合、又は、リスト作成タイミング333が到来した場合に実行される。例えば、リスト作成タイミング333が「月末」であれば、月末の24時00分になったこと、又は、1日から31日までの衛生管理データが衛生管理データ記憶部52に保存された場合に
図16の処理が実行される。
【0133】
リスト作成部46は、衛生管理データ記憶部52から当月又はユーザーにより指定された月の衛生管理データを日付ごとに取得し、項目別に集計する(S201)。すなわち、衛生管理データ処理部44は、全ての安全衛生の項目(全ての入力項目)が「Yes」の場合に「OK」を、そうでない場合に「NG」を作成する。また、リスト作成部46は、衛生管理データ記憶部52から異常の項目と対応の項目の内容を取得する。
【0134】
衛生管理データ処理部44は、環境データ記憶部51から日付ごとに環境データを取得し、加工方法332にしたがって加工する(S202)。
【0135】
画面生成部45は、ステップS201で作成又は取得した値、及び、S202で加工した値を衛生管理データリスト画面340の対応する項目に設定することで、衛生管理データリスト画面340を生成する(S203)。
【0136】
衛生管理データリスト画面340の画面情報は、これを要求した端末装置30に送信され、
図15(c)に示したように表示される。ユーザーが衛生管理データリスト画面340を要求していないが、リスト作成タイミング333が到来した場合、衛生管理データリスト画面340はPDF等に変換され、通信部41がメールやワークフロー等でユーザーに送信する。したがって、ユーザーは自動的に月報を取得でき、HACCPに準拠した衛生管理が行われているかを確認できる。
【0137】
<主な効果>
本実施例の環境データ記録システム100は、ユーザーが入力した衛生管理データに環境データを自動的に記録できる。外部サービスシステム40は、環境データを予め設定された加工方法で加工できるので、環境データの記録周期と衛生管理データの記録周期が異なっても、衛生管理データの記録周期に対し適切な期間の環境データを衛生管理データに自動で保存できる。外部サービスシステム40は、衛生管理データのリストを自動的に又はユーザーの要求で作成できるので、HACCPに準拠した衛生管理の記録を作成しやすい。
実施例1では、ユーザーが衛生管理画面300で入力した日付が予め設定されたタイミングになると、環境データが加工され代表値が決定された。本実施例では、ユーザーが衛生管理画面300で日付を入力しなくても予め設定されたタイミング331になると、環境データを作成する外部サービスシステム40について説明する。
衛生管理データ処理部44は、現在時刻と設定されているタイミング331を比較する(S301)。例えば、現在時刻が00時01分で、設定されているタイミング331が24時00分であれば、タイミング331が到来したと判断される。
ステップS302の判断がYesの場合、衛生管理データ処理部44は、環境データ記憶部51からタイミング331で特定される環境データを取得し、加工方法で加工する(S303)。衛生管理データ処理部44は、加工済みの環境データを衛生管理データ記憶部52に保存する。タイミング331で特定される環境データとは、設定されているタイミング331とタイミング331の間のデータである。例えば、タイミング331が24時00分であれば、前日の0時00分から23時59分までの環境データである。タイミング331が12時00分と24時00分であり、現在時刻が12時01分であれば、当日の0時00分から11時59分までの環境データである。
なお、衛生管理データ処理部44は、タイミング331に応じて決まる日付を衛生管理データ記憶部52に保存してもよい。タイミング331に応じて決まる日付は、タイミング331が24時00分であれば、前日の日付である。つまり、ユーザーが衛生管理画面300を表示した時点で日付が入力された状態になる。