(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077447
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B41J2/175 119
B41J2/175 167
B41J2/175 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189550
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 茂
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA22
2C056EA29
2C056EB15
2C056EB20
2C056EB38
2C056EB44
2C056EB45
2C056EB50
2C056EB51
2C056EB59
2C056EC26
2C056KC06
2C056KC22
(57)【要約】
【課題】同一種類のカートリッジが異なるスロットに装着された場合に、ユーザによるカートリッジ残量情報の誤認を低減可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】開示の一態様に係る画像形成装置は、同一種類の記録材を保持する複数のカートリッジを着脱可能な複数のスロットを有する画像形成装置であって、前記カートリッジに保持される記録材の残量情報を表示する表示部を有し、前記表示部は、前記複数のカートリッジが前記複数のスロットから取り外された後、前記スロットに再装着される際、取り外し前とは異なる前記スロットに前記カートリッジが装着される入れ違いがあった場合に、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一種類の記録材を保持する複数のカートリッジを着脱可能な複数のスロットを有する画像形成装置であって、
前記カートリッジに保持される記録材の残量情報を表示する表示部を有し、
前記表示部は、前記複数のカートリッジが前記複数のスロットから取り外された後、前記スロットに再装着される際、取り外し前とは異なる前記スロットに前記カートリッジが装着される入れ違いがあった場合に、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する、画像形成装置。
【請求項2】
前記複数のスロットと、前記複数のスロットに装着された前記複数のカートリッジと、の対応関係情報に基づいて、前記入れ違いがあったことを検出する検出部を有し、
前記表示部は、前記検出部による検出結果に基づき、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数のスロットと、前記複数のスロットに装着された前記複数のカートリッジと、の対応関係情報を記憶する記憶部を有し、
前記検出部は、前記記憶部により記憶された前記対応関係情報に基づいて、前記入れ違いがあったことを検出し、
前記表示部は、前記検出部による検出結果に基づき、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示部は、所定期間経過後に、前記入れ違いがあったことを示す標識の表示を停止する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記標識は、前記入れ違えがあった全ての前記カートリッジの残量情報表示部を指し示す図形である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録材が収容されたカートリッジを着脱可能な画像形成装置が知られている。
【0003】
また、カートリッジの交換において、交換前のカートリッジと種別の異なるカートリッジがスロットに装着された場合、ユーザにその旨を警告する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、同一種類のカートリッジがそれまでとは異なるスロットに装着された場合に、ユーザがカートリッジの残量情報を誤認する場合がある。
【0005】
開示の技術は、同一種類のカートリッジが異なるスロットに装着された場合に、ユーザによるカートリッジ残量情報の誤認を低減可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の一態様に係る画像形成装置は、同一種類の記録材を保持する複数のカートリッジを着脱可能な複数のスロットを有する画像形成装置であって、前記カートリッジに保持される記録材の残量情報を表示する表示部を有し、前記表示部は、前記複数のカートリッジが前記複数のスロットから取り外された後、前記スロットに再装着される際、取り外し前とは異なる前記スロットに前記カートリッジが装着される入れ違いがあった場合に、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、同一種類のカートリッジが異なるスロットに装着された場合に、ユーザによるカートリッジ残量情報の誤認を低減可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る画像形成装置のスロットに各カートリッジが装着された状態を示す概略図である。
【
図4】第1実施形態に係る画像形成装置の制御部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る画像形成装置の操作パネルに表示される入れ違い通知の表示態様の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る画像形成装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る画像形成装置の制御部の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
[第1実施形態]
<画像形成装置1の全体構成例>
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置1の全体構成の一例を示す概略上面図である。本実施形態に係る画像形成装置1は、インクジェット式のカラー画像形成装置であるが、電子写真式のカラー画像形成装置であってもよい。また、用紙以外の例えば布帛などの記録媒体に印刷可能な画像形成装置であってもよい。
【0011】
画像形成装置1は、
図1に示されるように、板金と一体となったスライドレール104と、スライドレール104に保持されるキャリッジ100と、主走査モータ105と、駆動プーリ106と、従動プーリ107と、駆動プーリ106及び従動プーリ107間に架け渡されたタイミングベルト102と、を有する。
【0012】
主走査モータ105の駆動に伴い、駆動プーリ106及び従動プーリ107が回転する。また、駆動プーリ106及び従動プーリ107の回転に連動して、タイミングベルト102が駆動する。これにより、キャリッジ100が、スライドレール104に沿って主走査方向に移動する。
【0013】
キャリッジ100には、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、ホワイト(W1)、ホワイト(W2)の各色のインクを吐出する4個の液吐出ヘッドから成る記録ヘッド118が設けられる。各記録ヘッド118は、主走査方向と直交する方向(副走査方向)に配列する複数のインク吐出ノズルを備える。キャリッジ100に装着された記録ヘッド118のインク吐出ノズルは、下方側に向けられている。なお、記録ヘッド118から吐出されるインクの色の数及び配置順は、特に限定されない。なお、インクは、「記録材」の一例である。
【0014】
記録ヘッド118からインクの液滴を吐出させるための圧力発生手段の例として、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等が挙げられる。
【0015】
画像形成装置1は、キャリッジ100の主走査方向の位置を検出するリニアエンコーダを更に備える。リニアエンコーダは、主走査方向に沿って設けられ、所定ピッチで形成されるスリットを有するエンコーダスケール103と、エンコーダスケール103のスリットを検出するエンコーダセンサ117から構成される。
【0016】
画像形成装置1は、キャリッジ100の記録ヘッド118から吐出されるインクによって画像が形成される記録媒体を搬送するための搬送プラテン101を更に備える。
【0017】
副走査モータ35によって、搬送駆動プーリ121と搬送プーリ122間に架け渡されたタイミングベルト123を介して搬送ローラ109を回転駆動する。これにより、搬送プラテン101が駆動する。本実施形態の搬送プラテン101は、フラットベッド方式であり、搬送ローラ109とテンションローラ110との間に架け渡されたタイミングベルト119を介して、副走査方向に沿って水平移動する。
【0018】
搬送プラテン101の副走査方向の位置は、ホイールエンコーダによって検出される。ホイールエンコーダは、搬送ローラ109と同軸に設けられると共に、スリットを含むエンコーダホイール124と、エンコーダホイール124のスリットを検出するエンコーダセンサ125と、を有する。
【0019】
次に、
図2及び
図3を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を説明する。
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。また、
図3は、画像形成装置1において、各色のインクを保持するカートリッジ50がスロット60に装着された状態を示す概略図である。
【0020】
図2に示されるように、本実施形態の制御部10は、画像形成装置1における各種動作(用紙の搬送動作及び記録ヘッド118の移動動作を含む)を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、CPU11が実行するプログラム及びその他の固定データを格納するROM(Read Only Memory)12と、画像データ等を一時格納するRAM(Random Access Memory)13と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持可能な不揮発性メモリ(Non Volatile Random Access Memory:NVRAM)14と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC(Application Specific Integrated Circuit)15とを備えている。なお、ROM12は、「記憶部」の一例である。
【0021】
制御部10は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読取装置、デジタルカメラ等の撮像装置を含むホスト側のプリンタドライバ16が生成した印刷データ等の送受信を行うための入出力I/F(Input output Interface)17と、リニアエンコーダ31やホイールエンコーダ32からの検出パルス、及びその他の各種センサからの検知信号を入力するためのI/O18を備える。
【0022】
制御部10は、記録ヘッド118を駆動するための駆動波形を生成すると共に、記録ヘッド118の圧力発生手段を選択駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データをヘッドドライバ33に出力するヘッド制御部21と、主走査モータ34を駆動するための主走査モータ駆動部22と、副走査モータ35を駆動するための副走査モータ駆動部23と、操作情報の入力及び各種情報の表示を行うための操作パネル40と、を有する。これらの各種ハードウェアは、バスを介して相互に接続される。なお、操作パネル40は、「表示部」の一例である。
【0023】
キャリッジ100は、各色のインクを保持するカートリッジ50を装着するためのスロット60を有する。各カートリッジ50がスロット60に装着されることで、カートリッジ50の記録材が、記録ヘッド118に供給される。
【0024】
本実施形態の場合、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、ホワイト(W1)、ホワイト(W2)の各色のインクをそれぞれ保持する6つのカートリッジ51からカートリッジ56が、対応する6つのスロット61からスロット66に装着される(
図3参照)。本実施形態におけるスロット60は、例えば、インクの色等によって定められる特定種類のカートリッジ50を装着可能に構成される。ただし、画像形成装置1は、ホワイト(W1,W2)に対応するスロット60を2つ有する(スロット61及びスロット62)。ホワイト(W1,W2)の記録材を保持する2つのカートリッジ51,52に関しては、スロット61,62のいずれに装着されてもよい。なお、
図3に示されるように、各スロット60の上部位置等の、ユーザが視認可能なキャリッジ100の所定位置に、スロット60の種別を示す文字列等が表示されてもよい。「W1A」は、スロット61に対応する。また、「W1B」は、スロット62に対応する。カートリッジ50の種類数や、カートリッジ50に保持されるインクの色は、これに限られない。
【0025】
カートリッジ50は、
図2に示されるように、各カートリッジ50を識別するための識別情報を記憶したEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)70を備える。カートリッジ50の識別情報は、カートリッジ50毎に付与される固有情報、保持するインクの色等を識別するための種類情報、インクの残量情報等を含む。なお、EEPROM70は、各カートリッジ50が備える「記録媒体」の一例である。
【0026】
カートリッジ50がスロット60に装着されると、制御部10は、スロット60内に設けられる、例えばリーダ120等の読取装置を介して、EEPROM70に記憶されたカートリッジ50の識別情報を読み取る。
【0027】
制御部10は、カートリッジ50がいずれのスロット60に装着されたかを検出し、検出結果に基づき、複数のスロット60のうちのいずれのスロット60にいずれのカートリッジ50が装着されているかの対応関係情報を生成する。また、制御部10は、識別情報と対応関係情報をROM12に記憶する。カートリッジ50がスロット60に装着される度に、制御部10は、これら一連の処理を実行する。
【0028】
次に、
図4及び
図5を参照して、第1実施形態の制御部10における機能構成の一例を説明する。
図4は、制御部10の機能構成例を示すブロック図である。また、
図5は、操作パネル40に表示される入れ違い通知の表示態様の一例を示す図である。
【0029】
図4に示されるように、制御部10は、情報読取部111と、情報記憶部112と、カートリッジ入れ違え検出部113と、入れ違え通知出力部114と、を有する。
【0030】
情報読取部111は、スロット60に装着されたカートリッジ50の識別情報を読み取る。具体的には、情報読取部111は、各スロット60に装着されたカートリッジ50の識別情報を、そのカートリッジ50に備わるEEPROM70から読み取る。
【0031】
本実施形態の場合、例えば、ホワイト(W1)のインクを保持するカートリッジ51が、対応するスロット61に装着された場合、カートリッジ51に備わるEEPROM70を介して、カートリッジ51の固有情報を読み取る。特に限定されないが、カートリッジ50の固有情報の例として、「51・・・」のようなシリアル番号が挙げられる。また、情報読取部111は、カートリッジ51のEEPROM70を介して、例えば、カートリッジ51が保持するインクの色等の情報を含む種類情報を併せて読み取る。種類情報の例として、「W(ホワイト)」のような文字列が挙げられる。また、情報読取部111は、読み取った識別情報を情報記憶部112に出力する。なお、本実施形態において、情報読取部111は、リーダ120とI/O18によって実現される。
【0032】
情報記憶部112は、情報読取部111から出力された識別情報と、出力された識別情報を有するカートリッジ50を装着するスロット60の識別情報とに基づき、いずれのスロット60にいずれのカートリッジ50が装着されているかの対応関係情報を得る。また、情報記憶部112は、得られた対応関係情報を記憶する。
【0033】
対応関係情報の例として、ホワイト(W1)の記録材を保持するカートリッジ51がスロット61に装着されていること、ホワイト(W2)の記録材を保持するカートリッジ52がスロット62に装着されていること、イエロー(Y)の記録材を保持するカートリッジ53がスロット63に装着されていること、シアン(C)の記録材を保持するカートリッジ54がスロット64に装着されていること、マゼンタ(M)の記録材を保持するカートリッジ55がスロット65に装着されていること、ブラック(K)の記録材を保持するカートリッジ56がスロット66に装着されていること等を含む情報が挙げられる。なお、本実施形態において、情報記憶部112は、ROM12によって実現される。
【0034】
カートリッジ入れ違え検出部113は、カートリッジ50の取り外しによって、異なるスロット60に入れ違えられたカートリッジ50があるか否かを検出する。ここで、インクの長期使用を担保するためのカートリッジ50の撹拌を行うため、カートリッジ50が、スロット60から取り外された後、スロット60に再装着される場合がある。カートリッジ入れ違え検出部113は、カートリッジ50の再装着の際、ROM12に記憶されている対応関係情報に基づき、取り外し前とは異なる別のスロット60に入れ違えられたことを検出する。なお、カートリッジ入れ違え検出部113は、「検出部」の一例である。
【0035】
具体的には、カートリッジ入れ違え検出部113は、取り外されたカートリッジ50がスロット60に再装着された際、情報読取部111及び情報記憶部112を介して新たに得られた対応関係情報と、既にROM12に記憶されている対応関係情報とを比較して、再装着されたカートリッジ50のうちの少なくとも1つのカートリッジ50が、取り外し前に他のカートリッジ50を装着していた別のスロット60に入れ違えられたことを検出する。
【0036】
例えば、スロット60からの取り外し前にROM12に記憶されていた対応関係情報が、「ホワイト(W1)の記録材を保持するカートリッジ51がスロット61に装着されていること、ホワイト(W2)の記録材を保持するカートリッジ52がスロット62に装着されていること、・・・」の情報を含むのに対して、カートリッジ50がスロット60に再装着されたことで得られる対応関係情報が、「ホワイト(W2)の記録材を保持するカートリッジ52がスロット61に装着されていること、ホワイト(W1)の記録材を保持するカートリッジ51がスロット62に装着されていること、・・・」の情報に変化した場合、カートリッジ入れ違え検出部113は、カートリッジ50の取外作業の前後で、カートリッジ50の入れ違えが生じたことを検出する。なお、本実施形態において、カートリッジ入れ違え検出部113は、CPU11によって実現される。
【0037】
カートリッジ入れ違え検出部113が、カートリッジ50の入れ違いを検出した場合、入れ違え通知出力部114は、カートリッジ50の入れ違いがあったことを通知する標識を表示させるための制御情報を操作パネル40に出力する。操作パネル40は、入れ違え通知出力部114からの制御情報に応じて、カートリッジ50の入れ違えを示す標識を表示する。なお、本実施形態において、入れ違え通知出力部114は、CPU11によって実現される。
【0038】
操作パネル40に表示される入れ違え通知の標識の態様は、特に限定されないが、一例として、
図5に示されるように、操作パネル40に表示される各カートリッジ50の残量情報表示部のうち、入れ違えられたカートリッジ50の全ての残量情報表示部を指し示す矢印状の図形200が挙げられる。
【0039】
図形200のように、入れ違えられたカートリッジ50を視覚的に示す標識を操作パネル40に表示することで、同一種類のカートリッジ50のうちの少なくとも1つが、取り外し前と異なるスロット60に装着されたために、操作パネル40における残量情報の変化が起こったことをユーザに明瞭に認識させることができる。
【0040】
また、入れ違え通知の標識の他の例として、図形200と同様、入れ違えられたカートリッジ50の双方の残量情報表示部を指し示す一方、図形200とは異なる形状の図形であってもよい。また、入れ違え通知の標識の他の例として、図形ではなく、入れ違えられたカートリッジ50の双方の残量情報表示部の境界を別の色で示す、又は点滅させる等の標識であってもよい。
【0041】
<画像形成装置1の動作例>
次に、
図6を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置1の動作の一例を説明する。
図6は、画像形成装置1の動作の例を示すフローチャートである。なお、
図6では、ともにホワイト(W1,W2)の記録材を保持するカートリッジ51,52を用いて、画像形成装置1の動作を説明するが、同一種類の記録材を保持する異なるカートリッジ50を装着可能な画像形成装置1に関しても、同様の動作が行われる。
【0042】
まず、ステップS11において、ユーザによって、ホワイト(W1)のカートリッジ51がスロット61に装着されると共に、ホワイト(W2)のカートリッジ52がスロット62に装着されると、制御部10の情報読取部111は、カートリッジ51,52に備わるEEPROM70から、双方のカートリッジ51,52の識別情報を読み取る。
【0043】
続いて、ステップS12において、制御部10の情報記憶部112は、カートリッジ50が装着されるスロット60の対応関係情報として、カートリッジ51がスロット61に装着され、カートリッジ52がスロット62に装着されたことの情報をROM12に記憶する。
【0044】
続いて、ステップS13において、例えば、保持されるインクの撹拌を促す通知が操作パネル40に表示されたことに応じて、ユーザによって、カートリッジ51(52)がスロット61(62)から取り外され、撹拌後、双方のカートリッジ51,52がスロット61、62に再装着された場合、制御部10の情報読取部111は、カートリッジ51,52に備わるEEPROM70から、双方のカートリッジ51,52の識別情報を再び読み取る。
【0045】
続いて、ステップS14において、制御部10の情報記憶部112は、カートリッジ50の再装着に伴い新たに得られた対応関係情報をROM12に記憶する。
【0046】
続いて、ステップS15において、制御部10のカートリッジ入れ違え検出部113は、読み取られた識別情報に基づき、スロット60に装着されたカートリッジ50が新たなカートリッジ50か否かを判定する。
【0047】
カートリッジ入れ違え検出部113は、スロット60に装着されたカートリッジ50が新たなカートリッジ50である場合、ステップS16において、各スロット60に装着されるカートリッジ50毎のインク残量を示す操作パネル40の残量情報表示部に、新たに装着されたカートリッジ50の残量情報を表示する。
【0048】
これに対して、カートリッジ入れ違え検出部113が、スロット60に新たなカートリッジ50が装着されていないと判定する場合、ステップS17において、カートリッジ入れ違え検出部113は、再装着されたカートリッジ51,52の入れ違えが生じたか否かを判定する。
【0049】
具体的には、カートリッジ入れ違え検出部113は、ROM12に記憶される、カートリッジ50の取り外し直前の対応関係情報と、カートリッジ50の再装着によって新たに得られた対応関係情報とを比較する。また、カートリッジ入れ違え検出部113は、双方の対応関係情報の比較結果に基づきカートリッジ51が、取り外し前に装着されていたスロット61とは異なるスロット62に装着され、カートリッジ52が、取り外し前に装着されていたスロット62とは異なるスロット61に装着された否かを判定する。
【0050】
カートリッジ入れ違え検出部113は、カートリッジ50の入れ違えが生じたと判定する場合、入れ違えられたカートリッジ50を検出し、カートリッジ50の入れ違えが生じたことの情報を入れ違え通知出力部114に出力する。それに応じて、入れ違え通知出力部114は、ステップS18において、カートリッジ50の入れ違え通知に係る標識を表示させるための制御情報を操作パネル40に出力する。これにより、同一種類の記録材を保持する複数のカートリッジ50の入れ違え通知を示す標識を、操作パネル40を介してユーザに通知することができる。
【0051】
<画像形成装置1による作用効果>
例えば、ともにホワイトの記録材を保持する同一種類の複数のカートリッジ50を装着可能な画像形成装置1において、記録材の撹拌のために実施されるカートリッジ50の取外作業によって、ユーザが意図せず、同一種類のカートリッジ50を取り外し前とは異なる別のスロット60に入れ違える事態が起こり得る。本実施形態によれば、画像形成装置1の操作パネル40を介して、同一種類のカートリッジ50の入れ違えを示す標識を表示する。このように、カートリッジ50の入れ替え通知を視覚的に示す標識を用いることで、同一種類のカートリッジ50が、取り外し前と異なるスロット60に装着されたために、操作パネル40における残量情報の変化が起こったことをユーザに認識させることができる。すなわち、同一種類のカートリッジ50が異なるスロット60に装着された場合に、ユーザによるカートリッジ残量情報の誤認を低減することができる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る画像形成装置1aについて説明する。
【0053】
図7は、第2実施形態に係る画像形成装置1aにおける制御部10aの機能ブロック図である。
図7に示されるように、第2実施形態の制御部10aは、表示時間制御部115を更に有する。
【0054】
表示時間制御部115は、操作パネル40に表示されるカートリッジ50の入れ違い通知を示す標識の表示を所定期間経過後に停止する。具体的には、表示時間制御部115は、カートリッジ50の入れ違い通知を示す標識の表示時間が所定期間を超えた場合に、操作パネル40における標識の表示を停止する。なお、本実施形態における表示時間制御部115は、CPU11によって実現される。
【0055】
本実施形態によれば、所定期間経過後、カートリッジ50の入れ替え通知を示す標識の表示を停止することで、各カートリッジ50における記録材の残量情報とは異なる情報にユーザの意識が向くことを避けることができる。これにより、スロット60に再装着された後のカートリッジ50の残量情報をユーザに明瞭に示すことができる。
【0056】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、画像形成装置1,1aが、電子写真式のカラー画像形成装置の場合、カートリッジ50は、記録材としてトナーを保持する。また、スロット60は、カートリッジ50から感光体ドラムにトナーを供給するための現像器と接続する。
【0057】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 同一種類の記録材を保持する複数のカートリッジを着脱可能な複数のスロットを有する画像形成装置であって、
前記カートリッジに保持される記録材の残量情報を表示する表示部を有し、
前記表示部は、前記複数のカートリッジが前記複数のスロットから取り外された後、前記スロットに再装着される際、取り外し前とは異なる前記スロットに前記カートリッジが装着される入れ違いがあった場合に、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する、画像形成装置。
<2> 前記複数のスロットと、前記複数のスロットに装着された前記複数のカートリッジと、の対応関係情報に基づいて、前記入れ違いがあったことを検出する検出部を有し、
前記表示部は、前記検出部による検出結果に基づき、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する、前記<1>に記載の画像形成装置。
<3> 前記複数のスロットと、前記複数のスロットに装着された前記複数のカートリッジと、の対応関係情報を記憶する記憶部を有し、
前記検出部は、前記記憶部により記憶された前記対応関係情報に基づいて、前記入れ違いがあったことを検出し、
前記表示部は、前記検出部による検出結果に基づき、前記残量情報が表示される部分に、前記入れ違いがあったことを示す標識を表示する、前記<2>に記載の画像形成装置。
<4> 前記表示部は、所定期間経過後に、前記入れ違いがあったことを示す標識の表示を停止する、前記<1>から前記<3>のいずれか1つである画像形成装置。
<5> 前記標識は、前記入れ違えがあった全ての前記カートリッジの残量情報表示部を指し示す図形である、前記<1>から前記<4>のいずれか1つである画像形成装置。
【符号の説明】
【0058】
1,1a 画像形成装置
10,10a 制御部
50,51,52 カートリッジ
60,61,62 スロット
70 EEPROM
111 情報読取部
112 情報記憶部
113 カートリッジ入れ違え検出部
114 入れ違え通知出力部
115 表示時間制御部
120 リーダ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】