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特開2024-77463情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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  • 特開-情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077463
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240531BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189578
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢部 裕久
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA09
5C054EA05
5C054EA07
5C054FC12
5C054FC13
5C054FE28
5C054GB02
5C054GB05
5C054GD01
5C054HA12
5C054HA19
5C087DD03
5C087DD30
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】管理者は異常箇所のみを重点的に確認すればよくなり、確認コストを削減することができる情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、外部装置から撮影データを取得する取得部と、前記撮影データを撮影する撮影装置毎に、当該撮影装置が設置された場所に関する場所情報を記憶する記憶部と、前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析する解析部と、前記記憶部に記憶される前記場所情報のうち前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断する判断部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から撮影データを取得する取得部と、
前記撮影データを撮影する撮影装置毎に、当該撮影装置が設置された場所に関する場所情報を記憶する記憶部と、
前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析する解析部と、
前記記憶部に記憶される前記場所情報のうち前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断する判断部と、
前記音量または前記動作量が前記閾値を超えたか否かに基づいて、警告を送信する送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記音量または前記動作量が前記閾値を超えたか否かに基づいて、警告を送信する送信部をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判断部は、前記場所情報に基づいて、前記閾値を変更する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判断部は、前記場所情報が示す前記場所が、前記音または前記動作が発生する可能性が低い場所である場合、前記閾値を下げる、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判断部は、前記場所情報が示す前記場所が、前記音または前記動作が発生する可能性が高い場所である場合、前記閾値を上げる、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記場所情報は、前記場所の属性情報を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記送信部は、予め設定された時間内の前記警告の送信回数が所定回数以上である場合、前記場所情報が正しくない旨と外部装置に通知する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
外部装置から撮影データを取得するステップと、
前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析するステップと、
記憶部に記憶される、撮影装置が設置された場所に関する場所情報のうち、前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
外部装置から撮影データを取得する取得部と、
前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析する解析部と、
記憶部に記憶される、撮影装置が設置された場所に関する場所情報のうち、前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断する判断部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラを用いて、介護施設等におけるハラスメントを検知する技術が開発されている。具体的には、一定以上の音量を検知した場合にのみ、監視カメラの映像を解析した上で、異常状態と認識して監視カメラを動作させることにより、緊急性のある異常状態に対しては正確な情報を入手できるようにする監視システムが開示されている。また、特許文献1には、監視システムにおいて監視または防犯に対する誤認を排除する目的で、映像を監視する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、介護現場において、監視カメラで施設内を撮影しハラスメントが発生していないか確認する場合において、監視カメラの録画映像を1から検証することはコストがかかる。そのため、異常状態として認識された映像等の撮影データ(異常個所)をマーキングして管理者に提供できれば異常箇所のみを重点的に確認すればよくなるため、確認コストが削減できる。この異常個所の検知方法には、音または映像解析が存在する。
【0004】
しかし、そもそも介護施設においては監視カメラの設置場所(部屋、廊下、レクリエーションルーム等)によって、異常状態ととらえられる閾値(例えば、レクリエーションルームでの音または動きが激しい映像であっても、レクリエーションによるものが想定される)が変わるため、異常音または動きが検知されても実際には問題ないケースも、一律に異常状態と検出されてしまう場合がある。すなわち、監視カメラの設置場所による異常状態の認識をすることには課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、監視用途等に用いられるカメラの設置場所に対応した異常状態を認識することができる情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、外部装置から撮影データを取得する取得部と、前記撮影データを撮影する撮影装置毎に、当該撮影装置が設置された場所に関する場所情報を記憶する記憶部と、前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析する解析部と、前記記憶部に記憶される前記場所情報のうち前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断する判断部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、監視カメラの設置場所に応じて異常状態を認識することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施の形態にかかる情報処理システムが有するPC、映像保存装置、および映像解析装置のハードウェア構成図である。
図3図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、本実施の形態にかかる情報処理システムの映像保存装置が記憶するカメラ設置場所情報のデータ構造の一例を説明するための図である。
図5図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるカメラ情報の保存処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける撮影データの保存処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける撮影データの解析処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、図1に示すように、カメラ1、PC(Personal Computer)2、映像保存装置3、および映像解析装置4を有する。本実施の形態では、PC2、映像保存装置3、および映像解析装置4は、情報処理システムおよび情報処理装置の一例として機能する。
【0011】
図2は、本実施の形態にかかる情報処理システムが有するPC、映像保存装置、および映像解析装置のハードウェア構成図である。本実施の形態では、映像保存装置3および映像解析装置4は、サーバにより実現されるものとする。ここでは、PC2のハードウェア構成について説明するが、映像保存装置3および映像解析装置4も同様のハードウェア構成を有する。
【0012】
図2に示されているように、PC2は、コンピュータによって構築されており、図2に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0013】
これらのうち、CPU501は、PC2全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリまたはプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
【0014】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0015】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。カメラ1は、撮影データを撮影する撮影装置の一例である。具体的には、カメラ1は、介護施設等の人が生活する施設の各部屋に設置され、24時間、映像および音等を記録(例えば、撮影、録音)する。カメラ1の設置場所は、居室に限らず、リビングまたはラウンジ、出入り口等、生活エリア全体が考えられる。また、カメラ1は、記録した映像および音等を含む撮影データを定期的に自動でPC2に送信する。これにより、カメラ1内の記録媒体の容量が一杯になることを防止できる。なお、以下では、カメラ1として監視カメラを例にして説明するが、カメラ1は所定の場所に設置されるカメラであれば良く、監視用途のカメラに限定されない。
【0016】
PC2は、図3に示すように、取得部201を有する。取得部201は、カメラ1等の外部装置から撮影データを取得する。そして、取得部201は、カメラ1から受信(取得)した映像等の撮影データを映像保存装置3に保存する。また、取得部201は、映像保存装置3に保存されている撮影データの検索を行うことができる。また、取得部201は、ユーザにより入力されるカメラ設置場所情報を受け付ける。ここで、カメラ設置場所情報は、カメラ1の設置場所、カメラ1の設置場所の分類情報または属性情報等、カメラ1の設置場所に関する場所情報の一例である。ここで、カメラ1の設置場所は、カメラ1の位置情報であっても良い。また、カメラ1の分類情報または属性情報は、カメラ1の設置場所の属性(例えば、個室、レクリエーション室)を示す情報であっても良い。そして、取得部201は、入力を受け付けたカメラ設置場所情報を映像保存装置3に送信する。
【0017】
映像保存装置3は、図3に示すように、保存部301、送信部302、および記憶部303を有する。保存部301は、PC2から受信する映像等を含む撮影データをRAM503等の記憶部303に保存する。その際、保存部301は、PC2から送信されるカメラ設置場所情報(例えば、カメラ1の設置場所、当該設置場所の分類情報または属性情報)と紐づけて、撮影データを保存する。すなわち、RAM503等の記憶部303は、カメラ1毎に、カメラ設置場所情報を記憶する。また、保存部301は、映像解析装置4に対して、映像等の撮影データの解析依頼を行う。その際、保存部301は、カメラ1の設置場所および設置場所の分類等のカメラ設置場所情報も映像解析装置4に送信して、撮影データの解析依頼を行う。
【0018】
また、保存部301は、撮影データの解析結果(例えば、ハラスメントの可能性がある映像、当該映像の時間である映像時間)を、撮影データと紐づけて、RAM503等の記憶部303に保存する。
【0019】
送信部302は、撮影データの解析結果に、ハラスメントの可能性がある映像が含まれる場合、PC2にアラートを通知する。すなわち、送信部302は、映像解析装置4(判断部402)によってカメラ1の設置場所における音の音量または人の動作の量(動作量)が閾値を超えたか否かに基づいて、アラーム(警告)をPC1等に送信(通知)する。なお、動作量とは、カメラ1の被写体である人および物の全体または一部の動静を定量的に示す指標である。ただし、送信部302は、アラートが頻繁に上がるカメラ1の設置場所は、カメラ1の設置場所の分類が正しくないことが想定されるので、その旨をPC2に通知しても良い。具体的には、送信部302は、予め設定された時間内のアラートの送信回数が所定回数以上である場合、カメラ設置場所情報が正しくない旨をPC1等の外部装置に通知することも可能である。ここで、所定回数は、予め設定された回数である。記憶部303は、撮影データ、および撮影データの解析結果を記憶する。
【0020】
映像解析装置4は、基本機能として、施設で生活する人の特徴、施設で生活する人の行動または動作の特徴等の特徴データを記憶する。ここで、特徴データは、カメラ1の設置場所毎に、施設等においてハラスメント等の異常状態が発生していると判断する音量または動作量の閾値を含む。また、映像解析装置4は、解析部401、および判断部402を有する。解析部401は、映像保存装置3から受信する撮影データに含まれる音または動作を解析する。その際、解析部401は、映像保存装置3から通知される、カメラ設置場所情報を付加情報として用いて、撮影データの解析を行う。本実施の形態では、解析部401は、撮影データに含まれる撮影データに含まれる音の音量または動作量を求める。
【0021】
判断部402は、その特徴データを基に、映像保存装置3から受信する撮影データから、異常状態(例えば、ハラスメントと疑わしい事象)を検知する。具体的には、判断部402は、RAM503に記憶されるカメラ設置場所情報のうち撮影データを撮影したカメラ1のカメラ設置場所情報に基づいて、解析部401により解析した音の音量または動作の動作量が、特徴データが示す閾値を超えたか否かを判断する。その際、判断部402は、映像保存装置3から受信するカメラ設置場所情報が示すカメラ1の設置場所に対応する特徴データを用いて、音量または動作量が閾値を超えたか否かを判断する。そして、判断部402は、撮影データの解析結果(例えば、撮影データのうち異常個所の映像と、その映像の時間である映像時間)を、映像保存装置3に返す。本実施の形態では、撮影データに含まれる音の音量または動作の動作量が閾値を超えたか否かの判断結果が付加された撮影データ(アラート付き撮影データ)を映像保存装置3に返す。
【0022】
また、判断部402は、カメラ設置場所情報に基づいて、閾値を変更しても良い。例えば、判断部402は、カメラ設置場所情報が示すカメラ1の設置場所が、個室等、動きまたは音が発生する可能性が低い場所である場合、特徴データが示す閾値を下げる。これにより、動きまたは音が発生する可能性が低い場所においては、異常を検知し易くすることができる。また、例えば、判断部402は、カメラ設置場所情報が示すカメラ1の設置場所が、レクリエーション室等、動きまたは音が発生する可能性が高い場所である場合、特徴データが示す閾値を上げても良い。これにより、動きまたは音が発生する可能性が高い場所である場合、頻繁に異常が検知されることを抑制することができる。
【0023】
図4は、本実施の形態にかかる情報処理システムの映像保存装置が記憶するカメラ設置場所情報のデータ構造の一例を説明するための図である。本実施の形態では、映像保存装置3は、図4に示すように、カメラ1の名称(例えば、カメラA、カメラB、カメラC)と、カメラ1の設置場所(例えば、個室、レクリエーション室)と、カメラ1の設置場所の分類(例えば、個室、レクリエーション室)と、詳細分類と、を含む撮影データを保存する。
【0024】
ユーザは、PC2を用いて、各カメラ1とその設置場所に対して、当該設置場所の分類を設定できる。また、ユーザは、PC2を用いて、詳細分類も必要に応じて設定可能である。映像解析装置4は、このカメラ情報を、ハラスメントの判定に利用する。例えば、映像解析装置4は、設置場所の分類が個室である場合、そこまでの動きまたは音は発生しないことが想定されるので、大きな音または激しい動作が撮影データに含まれていれば異常として検知する。すなわち、映像解析装置4は、設置場所の分類が個室のカメラ設置場所情報の特徴データが含む閾値を下げる。これにより、映像解析装置4の判断部402は、大きな音または激しい動作が撮影データに含まれていれば異常として検知することが可能となる。
【0025】
また、例えば、映像解析装置4は、設置場所の分類がレクリエーション室である場合、大人数が発する音および激しい動きが撮影データに含まれることが想定されるので、異常として検知する音または動きの基準(閾値)を上げる。これにより、映像解析装置4の判断部402は、大きな音または激しい動作が撮影データに含まれていても、頻繁に異常が検知されることを抑制できる。
【0026】
図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるカメラ情報の保存処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、ユーザが、PC2を用いて、カメラ設置場所情報を入力する(ステップS301)。PC2の取得部201は、ユーザから入力を受け付けたカメラ設置場所情報を映像保存装置3に通知する(ステップS302)。映像保存装置3の保存部301は、PC2から通知されるカメラ設置場所情報を保存する(ステップS303)。
【0027】
図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける撮影データの保存処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、カメラ1が、撮影した撮影データをPC2に転送する(ステップS304)。PC2の取得部201は、カメラ1から受信した撮影データを映像保存装置3に転送する(ステップS305)。映像保存装置3の保存部301は、PC2から受信した撮影データを、カメラ設置場所情報と紐付けて保存する(ステップS306)。
【0028】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける撮影データの解析処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、ユーザが、PC2に対して、撮影データの閲覧および検索を要求すると(ステップS307)、PC2の取得部201は、映像保存装置3に対して、撮影データの取得を要求する(ステップS308)。
【0029】
映像保存装置3の保存部301は、PC2から撮影データの検索が要求されると、映像解析装置4に対して、取得が要求された撮影データの解析を要求する(ステップS309)。その際、保存部301は、取得が要求された撮影データと、当該撮影データに紐付けられるカメラ設置場所情報を映像解析装置4に渡す。映像解析装置4の解析部401は、撮影データの解析を実行する(ステップS310)。また、判断部402は、カメラ設置場所情報に基づいて、解析部401により解析した音の音量または動作の動作量が、特徴データが示す閾値を超えたか否かを判断する。
【0030】
そして、判断部402は、撮影データに異常が含まれていた場合、すなわち、解析部401により解析した音の音量または動作の動作量が、特徴データが示す閾値を超えた場合、撮影データにアラートを付して、映像保存装置3に送信する(ステップS311)。ここで、アラートは、撮影データにおいて、異常が検知された映像、および当該映像時間を含んでいても良い。映像保存装置3の送信部302は、映像解析装置4から受信した撮影データおよびアラートをPC2に送信する(ステップ312)。
【0031】
このように、本実施の形態にかかる情報処理システムによれば、カメラ1で施設内を撮影しハラスメントが発生していないか確認する場合において、撮影データを1から検証することなく、異常個所をマーキングして管理者に提供できるので、管理者は異常箇所のみを重点的に確認すればよくなり、確認コストを削減することができる。
【0032】
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0033】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施の形態では、PC2は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークまたは共有メモリ等を含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、映像保存装置3または映像解析装置4は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。さらに、PC2、映像保存装置3、および映像解析装置4は、開示された処理ステップ、例えば、図3を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、PC2によって実行されるプロセスは、映像保存装置3または映像解析装置4によって実行され得る。同様に、映像保存装置3または映像解析装置4の機能は、PC2によって実行することができる。また、PC2、映像保存装置3、および映像解析装置4の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0034】
なお、情報処理装置は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。情報処理装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0035】
なお、本実施の形態のPC2、映像保存装置3、および映像解析装置4で実行されるプログラムは、ROM502等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のPC2、映像保存装置3、および映像解析装置4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0036】
さらに、本実施の形態のPC2、映像保存装置3、および映像解析装置4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のPC2、映像保存装置3、および映像解析装置4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0037】
本実施の形態のPC2、映像保存装置3、および映像解析装置4で実行されるプログラムは、上述した各部(取得部201、保存部301、送信部302、解析部401、判断部402)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU等のプロセッサが上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、取得部201、保存部301、送信部302、解析部401、判断部402が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0038】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
【0039】
<1>外部装置から撮影データを取得する取得部と、
前記撮影データを撮影する撮影装置毎に、当該撮影装置が設置された場所に関する場所情報を記憶する記憶部と、
前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析する解析部と、
前記記憶部に記憶される前記場所情報のうち前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断する判断部と、
を備える情報処理システム。
【0040】
<2>前記音量または前記動作量が前記閾値を超えたか否かに基づいて、警告を送信する送信部をさらに備える<1>に記載の情報処理システム。
【0041】
<3>前記判断部は、前記場所情報に基づいて、前記閾値を変更する、<1>または<2>に記載の情報処理システム。
【0042】
<4>前記判断部は、前記場所情報が示す前記場所が、前記音または前記動作が発生する可能性が低い場所である場合、前記閾値を下げる、<3>に記載の情報処理システム。
【0043】
<5>前記判断部は、前記場所情報が示す前記場所が、前記音または前記動作が発生する可能性が高い場所である場合、前記閾値を上げる、<3>または<4>に記載の情報処理システム。
【0044】
<6>前記場所情報は、前記場所の属性情報を含む、<1>から<5>のいずれか一に記載の情報処理システム。
【0045】
<7>前記送信部は、予め設定された時間内の前記警告の送信回数が所定回数以上である場合、前記場所情報が正しくない旨と外部装置に通知する、<1>から<6>のいずれか一に記載の情報処理システム。
【0046】
<8>情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
外部装置から撮影データを取得するステップと、
前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析するステップと、
記憶部に記憶される、撮影装置が設置された場所に関する場所情報のうち、前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断するステップと、
を含む情報処理方法。
【0047】
<9>コンピュータを、
外部装置から撮影データを取得する取得部と、
前記撮影データに含まれるユーザが発する音または前記ユーザの動作を解析する解析部と、
記憶部に記憶される、撮影装置が設置された場所に関する場所情報のうち、前記撮影データを撮影した前記撮影装置の前記場所情報に基づいて、前記音の音量または前記動作の動作量が、異常状態に対応する閾値を超えたか否かを判断する判断部と、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0048】
1 カメラ
2 PC
3 映像保存装置
4 映像解析装置
201 取得部
301 保存部
302 送信部
401 解析部
402 判断部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特許第5560397号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7