(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077532
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド、液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B41J2/14 603
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189672
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】秋山 浩樹
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF40
2C057AG44
2C057AG68
2C057AN05
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】安定した吐出特性が得られる液体吐出ヘッド、液体を吐出する装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出するノズル11に連通する複数の圧力室21と、複数の圧力室21に通じる共通供給流路56と、複数の圧力室21に通じる共通回収流路57とを備え、共通供給流路56内には、短手方向の両側壁50a、50cをつなぐトラス形状に配置された梁59が設けられ、共通回収流路57内には、短手方向の両側壁50b、50cをつなぐトラス形状に配置された梁59が設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、
前記複数の圧力室に通じる共通供給流路と、を備え、
前記共通供給流路内には、短手方向の両側の側壁をつなぐトラス状に配置された梁が設けられている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
液体を吐出するノズルに連通する複数の圧力室と、
前記複数の圧力室に通じる共通供給流路と、
前記複数の圧力室に通じる共通回収流路と、を備え、
前記共通供給流路内及び前記共通回収流路内には、それぞれ、短手方向の両側の側壁をつなぐラス状に配置された梁が設けられている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記共通回収流路の一方の側壁は、前記共通供給流路の一方の側壁の一部と共通である
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記共通回収流路の前記梁は、前記側壁の高さ方向における中央部に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えている
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体吐出ヘッド、液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ヘッドは、例えば、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室(個別液室、加圧液室などとも称される。)の共通の共通供給流路(共通液室)を備える(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液体吐出ヘッドにおいては、駆動するノズルの数によっては共通流路部材が振動し、この振動がノズル板に伝わってメニスカス振動に影響を与え、吐出特性が安定しないという課題がある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定した吐出特性が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、
前記複数の圧力室に通じる共通供給流路と、を備え、
前記共通供給流路内には、短手方向の両側の側壁をつなぐトラス状に配置された梁が設けられている
構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安定した吐出特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの外観斜視説明図である。
【
図2】同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【
図3】同ヘッドのノズル配列方向に沿う断面説明図である。
【
図4】同ヘッドの
図2のA-A線に沿う平断面説明図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【
図8】本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例の概略説明図である。
【
図9】同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドについて
図1ないし
図3を参照して説明する。
図1は同液体吐出ヘッドの外観斜視説明図、
図2は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、
図3は同ヘッドのノズル配列方向に沿う断面説明図である。
【0010】
液体吐出ヘッド1は、圧力室循環型ヘッドであり、ノズル板10と、流路板20と、壁面部材としての振動板部材30とを積層接合している。そして、振動板部材30の振動領域31を変位させる圧電アクチュエータ40と、液体吐出ヘッド1のフレーム部材を兼ねている共通流路部材50と、カバー90を備えている。
【0011】
ノズル板10は、複数のノズル11を配列したノズル列を有している。
【0012】
流路板20は、複数のノズル11にノズル連通路27を介して通じる複数の圧力室21、各圧力室21にそれぞれ通じる流体抵抗部を兼ねる個別供給流路22、1又は複数の個別供給流路22に通じる1又は複数の中間供給流路24を形成している。
【0013】
また、流路板20は、ノズル連通路27を介して複数の圧力室21にそれぞれ通じる流体抵抗部を兼ねる個別回収流路23、1又は複数の個別回収流路23に通じる1又は複数の中間回収流路25を形成している。
【0014】
本実施形態では、流路板20は、ノズル板1側から3枚(限定されない。)の板状部材20A~20Cを積層して構成している。
【0015】
振動板部材30は、流路板20の圧力室21の壁面を形成する変位可能な複数の振動領域31を有する。ここでは、振動板部材30は2層構造(限定されない)とし、流路板20側から薄肉部を形成する第1層30Aと、厚肉部を形成する第2層30Bで構成されている。
【0016】
そして、薄肉部である第1層30Aで圧力室21に対応する部分に変形可能な振動領域31を形成している。振動領域31内には、第2層30Bで圧電アクチュエータ40と接合する厚肉部である島状の凸部31aを形成している。
【0017】
そして、振動板部材30の圧力室21とは反対側に、振動板部材30の振動領域31を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子(圧電素子42)を含む圧電アクチュエータ40を配置している。
【0018】
この圧電アクチュエータ40は、ベース部材45上に接合した圧電部材41にハーフカットダイシングによって溝加工をして、ノズル配列方向において、所要数の柱状の圧電素子42と支柱部43とダミー圧電素子44を所定の間隔で櫛歯状に形成している。
【0019】
圧電素子42は、駆動電圧を与えることで振動領域31を変位させる圧電素子である。支柱部43は、駆動電圧を与えないで圧力室21,21間の隔壁28を支える圧電素子である。ダミー圧電素子44は、ダミー圧力室61に対応する圧電素子である。
【0020】
そして、圧電素子42は、振動板部材30の振動領域31の凸部31aに接着剤で接合している。支柱部43は、振動板部材30の隔壁28に対応する部位に接着剤で接合している。
【0021】
この圧電部材41は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極(端面電極)に接続され、外部電極にフレキシブル配線部材46が接続される。
【0022】
共通流路部材50は共通供給流路56及び共通回収流路57(両者を併せて、共通流路という。)を形成している。共通供給流路56は、振動板部材30に設けた供給側開口32を介して中間供給流路24に通じている。共通回収流路57は、振動板部材30に設けた回収側開口33を介して中間回収流路25に通じている。
【0023】
ここで、共通供給流路56と共通回収流路57とは、ノズル配列方向と直交する方向(短手方向)において、流路板20側で、共通回収流路57が共通供給流路56の一部と重複し、平面視において、共通回収流路57が共通供給流路56の一部と重複する配置としている。
【0024】
したがって、ノズル配列方向と直交する方向(短手方向)において、共通供給流路56は両側に側壁50a、50c及び50dを有し、共通回収流路57は両側に側壁50b、50cを有する。つまり、共通回収流路57の一方の側壁50cは、共通供給流路56の一方の側壁50c及び50dの一部である側壁50cと共通である。
【0025】
共通供給流路56は外部の液体循環装置の供給側に供給口81の供給ポート81a、81bを通じて接続され、共通回収流路57は外部の液体循環装置の回収側に回収口82の回収ポート82a、82bを通じて接続されている。
【0026】
この液体吐出ヘッド1においては、外部の液体循環経路から供給口81に供給された液体は、共通供給流路56、供給側開口32、中間供給流路24、個別供給流路22を介して、圧力室21に供給される。
【0027】
そして、圧電素子42が駆動されることでノズル11から吐出される液体以外の液体は、圧力室21から個別回収流路23、中間回収流路25、回収側開口33、共通回収流路57、回収口82を介して、外部の液体循環経路に戻される。
【0028】
また、圧電素子42が駆動されていないときには、供給された液体は圧力室21から個別回収流路23、中間回収流路25、回収側開口33、共通回収流路57、回収口82を介して、外部の液体循環経路に戻される。
【0029】
次に、本実施形態における共通流路の構造について
図4も参照して説明する。
図4は
図2のA-A線に沿う平断面説明図である。
【0030】
共通供給流路56内には、短手方向(ノズル配列方向と直交する方向)の両側の側壁50aと側壁50cとをつなぐトラス状に配置された梁59が設けられている。共通回収流路57には、短手方向の両側の側壁50cと側壁50bとをつなぐトラス状に配置された梁59が設けられている。
【0031】
これにより、共通供給流路56の両側の側壁50a、50c、及び、共通回収流路57の両側の側壁50b、50cの剛性を高めて、フレーム部材である共通流路部材50の変形による振動を抑えることができる。
【0032】
したがって、フレーム部材である共通流路部材50の振動がノズル板10に伝わってメニスカスが振動することを低減でき、安定した吐出特性を得ることができる。
【0033】
ここで、共通供給流路56の両側の側壁50a、50c、及び、共通回収流路57の両側の側壁50b、50cの高さ方向の中央部に応力が集中する。そこで、梁59は側壁の高さ方向における中央部に配置することで、フレーム部材である共通流路部材50の変形による振動をより効果的抑えることができる。なお、本実施形態ように、共通供給流路56及び共通回収流路57に梁59を設ける場合には、共通の側壁50cの高さ方向における中央部に配置する。
【0034】
次に、比較例における梁の配置について
図5を参照して説明する。
図5は比較例における
図4と同様な平断面説明図である。
【0035】
この比較例では、共通供給流路56内及び共通回収流路57内に、それぞれ、両側の側壁50a、50c、両側の側壁50b、50cをつなぐ、ノズル配列方向と直交する方向に配置した梁59を長手方向(ノズル配列方向)に所定の間隔で並べている。
【0036】
この比較例における梁59の配置にあっては、長手方向において、梁59がある部分と梁59がない部分とが生じるので、ノズル位置によって吐出特性にバラツキが生じるおそれがある。
【0037】
これに対し、上記実施形態のように梁59をトラス状に配置することで、ノズル位置によって発生し得る吐出特性のバラツキを低減することができる。
【0038】
なお、共通供給流路56及び共通回収流路57を備える圧力室循環型ヘッドにおいて、共通供給流路56の両側壁間及び共通回収流路の両側壁間に梁59を設けているが、これに限定されない。つまり、共通供給流路56の両側壁間、及び、共通回収流路の両側壁間、のいずれかにトラス状に配置された梁を設けても、その限度で、上記の作用効果を得ることができる。
【0039】
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドについて
図6を参照して説明する。
図6は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【0040】
本実施形態の液体吐出ヘッド1は、圧力室循環型ヘッドであり、共通供給流路56及び共通回収流路57を備える。本実施形態では、共通供給流路56と共通回収流路57は、ノズル配列方向と直交する方向で並んで配置されているが、前記第1実施形態と異なり、平面視において、共通供給流路56と共通回収流路57とは一部が重ならない配置としている。
【0041】
また、共通供給流路56内には、両側の側壁50a、50cの高さ方向の中央部よりもノズル板10側に偏って、両側の側壁50a、50cをつなぐトラス状に配置された梁59が設けられている。共通回収流路57内には、両側の側壁50b、50cの高さ方向の中央部よりもノズル板10側に偏って、両側の側壁50b、50cをつなぐトラス状に配置された梁59が設けられている。ただし、前記第1実施形態と同様に、側壁の高さ方向の中央部に梁59を設けることもできる。また、共通供給流路56及び共通回収流路57の一方のみに梁59を設けることもできる。
【0042】
本実施形態においても、梁59を設けない場合に比べて、吐出特性の安定化を図ることができる。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドについて
図7を参照して説明する。
図7は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【0044】
本実施形態の液体吐出ヘッド1は、循環型ヘッドではなく、共通供給流路56のみを有し、共通回収流路57を含む回収側の流路を有していない。
【0045】
また、共通供給流路56の両側の側壁50a、50cの高さ方向の中央部に、両側の側壁50a、50cをつなぐトラス状に配置された梁59が設けられている。ただし、前記第1実施形態と同様に、側壁50a、50cの高さ方向の中央部から偏らせて梁59を設けることもできる。
【0046】
本実施形態においても、梁59を設けない場合に比べて、吐出特性の安定化を図ることができる。
【0047】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例について
図8及び
図9を参照して説明する。
図8は同装置の概略説明図、
図9は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
【0048】
印刷装置500は、液体を吐出する装置である。印刷装置500は、搬入手段501と、案内搬送手段503と、印刷手段505と、乾燥手段507と、搬出手段509などを備えている。
【0049】
搬入手段501は、ウェブ状のシート材Sを搬入する。案内搬送手段503は、搬入手段501から搬入されたシート材Sを印刷手段505に案内搬送する。印刷手段505は、シート材Sに対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う。乾燥手段507は、シート材Sを乾燥する。搬出手段509は、シート材Sを搬出する。
【0050】
シート材Sは搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
【0051】
このシート材Sは、印刷手段505において、ヘッドユニット550に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が印刷され、ヘッドユニット555から吐出される処理液で後処理が行われる。
【0052】
ここで、ヘッドユニット550には、例えば、搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ551A、551B、551C、551D(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ551」という。)が配置されている。
【0053】
各ヘッドアレイ551は、液体吐出手段であり、それぞれ、搬送されるシート材Sに対してブラックK,シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
【0054】
ヘッドアレイ551は、例えば、本発明に係る液体吐出ヘッド1をベース部材552上に千鳥状に並べて配置したものであるが、これに限らない。
【0055】
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0056】
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0057】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッドを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0058】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0059】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0060】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0061】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0062】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0063】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0064】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【符号の説明】
【0065】
1 液体吐出ヘッド
10 ノズル板
11 ノズル
20 流路板
21 圧力室
30 振動板部材
40 圧電アクチュエータ
42 圧電素子
50 共通流路部材
50あ、50b、50c 側壁
56 共通供給流路
57 共通回収流路
59 梁
500 印刷装置(液体を吐出する装置)