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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077952
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】収納袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20240603BHJP
   B65D 33/36 20060101ALI20240603BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D33/36
B65D33/25 A
B65D33/25 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190210
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 聖
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BB03
3E064EA12
3E064EA23
3E064FA01
3E064FA03
3E064GA01
3E064HM01
3E064HN06
3E064HN12
3E064HN24
3E064HP01
3E064HP02
3E064HS05
(57)【要約】
【課題】包装袋内の内容物を容器に移す際に、内容物を目的の位置に注ぎやすいこと。
【解決手段】第1縁31と、第1縁31の両端に接続された第2縁32及び第3縁33と、第2縁32と第3縁33とに接続され第1縁31とは反対側に位置する第4縁34と、で囲まれており、対向するように配置されたシートを第1縁に沿って接合したシール部4を備えた収納袋100である。シール部4の収納空間側の辺は、第1縁31に平行な第1内辺411と、第1内辺411よりも収納空間側に位置する第2内辺421と、第1内辺411と第2内辺421とをつなぐ傾斜辺431と、を有する。傾斜辺431の延長線LN1と第4縁34とが交差している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1縁と、前記第1縁の両端に接続された第2縁及び第3縁と、前記第2縁と前記第3縁とに接続され前記第1縁とは反対側に位置する第4縁と、で囲まれており、
対向するように配置されたシートを前記第1縁に沿って接合したシール部を備えた収納袋であって、
前記シール部の収納空間側の辺は、
前記第2縁側に位置し前記第1縁に平行な第1内辺と、
前記第1縁に平行であり、かつ前記第1内辺よりも収納空間側に位置する第2内辺と、
前記第1内辺と前記第2内辺とをつなぐ傾斜辺と、を有し、
前記傾斜辺の延長線と前記第4縁とが交差している、
収納袋。
【請求項2】
前記第2縁から前記シール部まで延びた切り離し線を更に備え、
前記切り離し線は、前記第2縁から離れるに従って前記第1縁に近付くように前記第1縁に対して傾斜し、
前記切り離し線と前記シール部との交点は、前記第1縁に沿う方向において前記傾斜辺と前記第2内辺との接続部よりも前記第2縁側に位置している、
請求項1に記載の収納袋。
【請求項3】
前記切り離し線と前記シール部との交点は、前記傾斜辺上に位置している、
請求項2に記載の収納袋。
【請求項4】
前記シール部は、
第1幅で形成され、前記第1内辺を含む第1接合部と、
前記第1幅よりも広い第2幅で形成され、前記第2内辺を含む第2接合部と、
前記第1接合部と前記第2接合部とをつなぎ、前記第1接合部から前記第2接合部に向かうに従って漸次幅が広くなるように形成され、前記傾斜辺を含む中間接合部と、
を有する、
請求項1に記載の収納袋。
【請求項5】
内部に収納された球体状の複数の内容物を更に備え、
前記収納袋を前記切り離し線に沿って切断することで形成された注ぎ口の前記第1縁に沿う方向における長さをLとし、前記複数の内容物の各々の直径をDとした場合に、L/Dが7.5以上13以下である、
請求項1に記載の収納袋。
【請求項6】
内部に収納された球体状の複数の内容物を更に備え、
前記複数の内容物の各々の直径が、8mm以上10mm以下であり、
前記収納袋を前記切り離し線に沿って切断することで形成された注ぎ口は、前記第1縁に沿う方向における最大長さが75mm以上105mm以下である、
請求項1に記載の収納袋。
【請求項7】
前記シール部に対して収納空間側に配置され、前記収納空間を開閉可能に密封するファスナーを更に備え、
前記ファスナーと前記シール部との間には、全長にわたって隙間がある、
請求項1から6のいずれか一項に記載の収納袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の包装袋が開示されている。特許文献1に記載の包装袋は、詰め替え用の包装袋である。包装袋は、上端に沿って形成されたシール辺を備えている。シール辺は、幅狭シール部と幅広シール部とで構成されており、段差状に形成されている。
【0003】
包装袋は、左右方向の縁のうちの幅狭シール部側の縁に形成された切欠きを備えている。包装袋には、切欠きから幅広シール部まで、包装袋の上端に平行に延びた案内線が設けられている。案内線に沿って包装袋を切断することで、包装袋を開封できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-81151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の収納袋では、幅広シール部の幅狭シール部側の端部が上端に対して垂直であるため、包装袋を傾けて注ぎ口から内容物を出すと、内容物が幅広シール部の端部の引っ掛かることがある。この場合、ユーザは、包装袋を大きく傾けるため、引っ掛かりが外れて、一度に多くの内容物が勢いよく飛び出すことがある。すなわち、特許文献1の収納袋では、注ぎ口から内容物をスムーズに注ぎ出せないため、詰め替えの際、包装袋内の内容物が容器の口から外れやすい、という問題がある。
【0006】
本開示の目的は、包装袋内の内容物を目的の位置に注ぎやすい包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の包装袋は、以下の項1に記載の包装袋を主題とする。
【0008】
項1.第1縁と、前記第1縁の両端に接続された第2縁及び第3縁と、前記第2縁と前記第3縁とに接続され前記第1縁とは反対側に位置する第4縁と、で囲まれており、
対向するように配置されたシートを前記第1縁に沿って接合したシール部を備えた収納袋であって、
前記シール部の収納空間側の辺は、
前記第2縁側に位置し、前記第1縁に平行な第1内辺と、
前記第1縁に平行であり、かつ前記第1内辺よりも収納空間側に位置する第2内辺と、
前記第1内辺と前記第2内辺とをつなぐ傾斜辺と、を有し、
前記傾斜辺の延長線と前記第4縁とが交差している、収納袋。
【0009】
また、本開示の包装袋は、上記項1に記載の包装袋の好ましい態様として、以下の項2に記載の包装袋を包含する。
【0010】
項2.前記第2縁及から前記シール部まで延びた直線状の切り離し線を更に備え、前記切り離し線は、前記第2縁から離れるに従って前記第1縁に近付くように前記第1縁に対して傾斜し、
前記切り離し線と前記シール部との交点は、前記第1縁に沿う方向において前記傾斜辺と前記第2内辺との接続部よりも前記第2縁側に位置している、項1に記載の収納袋。
【0011】
また、本開示の包装袋は、上記項2に記載の包装袋の好ましい態様として、以下の項3に記載の包装袋を包含する。
【0012】
項3.前記切り離し線と前記シール部との交点は、前記傾斜辺上に位置している、項2に記載の収納袋。
【0013】
また、本開示の包装袋は、上記項1から項3のいずれか一項に記載の包装袋の好ましい態様として、以下の項4に記載の包装袋を包含する。
【0014】
項4.前記シール部は、第1幅で形成され、前記第1内辺を含む第1接合部と、前記第1幅よりも広い第2幅で形成され、前記第2内辺を含む第2接合部と、前記第1接合部と前記第2接合部とをつなぎ、前記第1接合部から前記第2接合部に向かうに従って漸次幅が広くなるように形成され、前記傾斜辺を含む中間接合部と、を有する、項1から3のいずれか一項に記載の収納袋。
【0015】
また、本開示の包装袋は、上記項1から項4のいずれか一項に記載の包装袋の好ましい態様として、以下の項5に記載の包装袋を包含する。
【0016】
項5.内部に収納された球体状の複数の内容物を更に備え、前記収納袋を前記切り離し線に沿って切断することで形成された注ぎ口の前記第1縁に沿う方向における長さをLとし、前記複数の内容物の各々の直径をDとした場合に、L/Dが7.5以上13以下である、項1から4のいずれか一項に記載の収納袋。
【0017】
また、本開示の包装袋は、上記項1から項5のいずれか一項に記載の包装袋の好ましい態様として、以下の項6に記載の包装袋を包含する。
【0018】
項6.内部に収納された球体状の複数の内容物を更に備え、前記複数の内容物の各々の直径が、8mm以上10mm以下であり、前記収納袋を前記切り離し線に沿って切断することで形成された注ぎ口は、前記第1縁に沿う方向における最大長さが75mm以上105mm以下である、項1から5のいずれか一項に記載の収納袋。
【0019】
また、本開示の包装袋は、上記項1から項6のいずれか一項に記載の包装袋の好ましい態様として、以下の項7に記載の包装袋を包含する。
【0020】
項7.前記シール部に対して収納空間側に配置され、前記収納空間を開閉可能に密封するファスナーを更に備え、前記ファスナーと前記シール部との間には、全長にわたって隙間がある、項1から6のいずれか一項に記載の収納袋。
【発明の効果】
【0021】
本開示に係る上記態様の包装袋は、包装袋内の内容物を容器に移す際に、内容物を目的の位置に注ぎやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る包装袋の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る包装袋において、切り離し線で切断した状態の斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る包装袋から内容物を詰め替え容器に移し替える状態を示した斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る包装袋本体の正面図である。
図5図5は、変形例に係る包装袋本体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態に係る収納袋100を、図面を参照して説明する。
【0024】
本実施形態に係る収納袋100は、図1に示すように、複数の内容物1が収納された袋である。収納袋100は、内部に収納空間を有する収納袋本体2と、収納空間に配置された複数の内容物1と、を備える。収納袋本体2の一部を切り離すと、図2に示すように、収納空間が開封する。収納空間が開封することで、図3に示すように、収納袋本体2から複数の内容物1を注ぎ出すことができる。
【0025】
収納袋100としては、例えば、消臭剤等の詰め替え用のパウチ、コーヒー粉等の食品用のパウチ、グラスビーズ等の収納袋等が挙げられる。本開示に係る内容物1は、不定形物であることが好ましい。不定形物とは、複数の内容物1全体として流動性を有することで、一定の形に定まらない物を意味する。不定形物としては、例えば、液状物、ペースト状の物、粉体物、粒体物、球状体等の集合物が挙げられる。内容物1としては、例えば、芳香剤、消臭剤、消毒剤、除菌剤、洗剤、漂白剤、柔軟剤、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、カレー、ソース、スープ等が挙げられる。本実施形態では、内容物1の一例として、球体状(ビーズ)の消臭剤を挙げる。また、収納袋100の一例として、詰め替え用のパウチを挙げる。
【0026】
本実施形態では、図1に示すように、起立した状態の収納袋100に基づいて収納袋100を説明する。「上下方向」は、収納袋100の高さ方向に対応する。「左右方向」は、上下方向に直交する。ただし、実施形態における方向の定義は、説明のための定義に過ぎず、発明の使用態様を特定しない。
【0027】
本開示でいう「平行」とは、2つの直線、辺、面等を延長した場合に、互いに交わらない場合だけでなく、仮に交わった場合でも、両者のなす角度が5°以内の範囲である場合も含む。「直交」とは、2つの直線、辺、面等を延長した場合に、互いに90°に交わる場合だけでなく、90°±5°以内の範囲で交わる場合も含む。
【0028】
(収納袋本体2)
収納袋本体2は、内部に収納空間を有する。収納袋本体2の外周部は接合されている。したがって、収納空間は密封空間である。収納袋本体2は、前シート21と、後シート22と、底シート23と、を備える。前シート21、後シート22及び底シート23が、外周部で接合することで収納空間が形成されている。本実施形態に係る収納袋本体2は、いわゆるスタンディングパウチである。各シートは、柔軟な材料でかつ切断可能な材料で構成されている。各シートの材料としては、特に制限はなく、単層シートであってもよいし、多層シートであってもよい。
【0029】
ここで、本開示でいう「シート」は、正面から見た外縁間の最大長さに対して、その厚さが5%以下である材料を意味する。本開示に係る「シート」には、膜、箔、フィルムも含まれる。
【0030】
図4には、内容物1が収納されていない状態の収納袋本体2の正面図を示す。本実施形態に係る収納袋本体2は、図4に示すように、正面視四角形状に形成されている。収納袋本体2において、上側の縁を「第1縁31」という場合がある。第1縁31は、左右方向に沿う。収納袋本体2において、第1縁31に接続された左右方向の一方の縁を「第2縁32」といい、他方の縁を「第3縁33」という場合がある。第2縁32は、第1縁31に対して交差する方向に延びている。第3縁33は、第1縁31に対して交差する方向に延びている。第2縁32と第3縁は平行である。収納袋本体2において下側の縁を「第4縁34」という場合がある。第4縁34は、第2縁32及び第3縁33に接続されている。第4縁34は、第1縁31に対して平行である。第1縁31、第2縁32、第3縁33及び第4縁34は、各々が直線状に形成されている。ただし、第1縁31、第2縁32、第3縁33及び第4縁34の各々の端部は、ラウンド状に形成されてもよい。これによって、隣り合う縁同士が、滑らかに接続される。
【0031】
前シート21は、収納袋本体2において、前方向に向くシートである。後シート22は、収納袋本体2において、後方向に向くシートである。底シート23は、下方向に向く部分を有するシートである。前シート21と後シート22は、互いに同じ形状である。前シート21と後シート22とは、対向するように配置された状態で、左右方向の両側の縁の一部(図4の破線A1以上の部分)、及び上側の縁に沿って接合される。前シート21と底シート23とは、下側の縁、及び左右方向の両側の縁の一部(図4の破線A1よりも下の部分)に沿って接合される。後シート22と底シート23とは、下側の縁、及び左右方向の両側の縁の一部(図4の破線A1よりも下の部分)に沿って接合される。底シート23の折り重なった部分は、互いに接合される。
【0032】
収納袋本体2において第1縁31に沿って接合されたシール部を「第1シール部4」という。収納袋本体2において第2縁32に沿って接合された部分を「第2シール部5」という。収納袋本体2において第3縁33に沿って接合された部分を「第3シール部6」という。収納袋本体2において第4縁34に沿って接合された部分を「第4シール部7」という。各シール部4,5,6,7は、対向するように配置された一対のシートが接合された部分であればよい。各シール部4,5,6,7は、例えば、接着剤によるコールドシール、インパルス式ヒートシール、超音波式ヒートシール、熱融着ヒートシール等で実現される。
【0033】
(第1シール部4)
第1シール部4は、前シート21の上側の縁と後シート22の上側の縁に沿って接合されたシール部である。第1シール部4は、図4に示すように、第1接合部41と、第2接合部42と、中間接合部43と、を備える。第1接合部41、中間接合部43及び第2接合部42は、第1縁31に沿ってこの順で連続している。
【0034】
第1接合部41は、第1シール部4において第1幅D1で形成された部分である。第1接合部41は、全長にわたって同じ幅である。第1幅D1は、4mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは、5mm以上9mm以下であり、更に好ましくは、6mm以上8mm以下である。このようにすることで、第1接合部41の強度を損なわないようにしながら、収納袋本体2の上下方向の長さが長くなり過ぎることを抑制できる。
【0035】
左右方向における第1接合部41の長さL2は、第1シール部4の最大長さに対して、20%以上50%以下であることが好ましく、より好ましくは、25%以上40%以下であり、更に好ましくは、30%以上35%以下である。本実施形態では、左右方向における第1接合部41の長さL2は、80mm以上115mm以下であり、より具体的には、82mm以上112mm以下であり、更に具体的には、85mm以上110mm以下である。
【0036】
第1接合部41の収納空間側の辺(以下、第1内辺411という)は、第1縁31に平行である。第1内辺411は直線である。第1接合部41の外側の辺(以下、第1外辺412という)は、第1縁31に一致する。ただし、第1外辺412と第1縁31とは離れていてもよい。第1外辺412と第1内辺411とは平行である。
【0037】
第2接合部42は、第1シール部4において第2幅D2で形成された部分である。第2幅D2は、第1幅D1よりも広い。第2接合部42は、全長にわたって同じ幅である。第2幅D2は、第1幅D1に対して、1.5倍以上3倍以下であることが好ましく、より好ましくは、2倍以上2.5倍以下である。
【0038】
第2接合部42の上側の辺(以下、第2外辺422)と、第1外辺412とは、同じ直線上に位置する。第2接合部42の下側の辺(以下、第2内辺421)は、第1内辺411よりも収納空間側に位置する。第2内辺421は、直線である。第2内辺421と第1内辺411とは平行である。本実施形態では、第2内辺421の長さは、第1内辺411の長さ以上である。
【0039】
中間接合部43は、第1接合部41と第2接合部42とをつなぐ。中間接合部43は、第1シール部4において、第1接合部41と第2接合部42との間に位置している。中間接合部43は、第1接合部41から第2接合部42に向かうに従って漸次幅が広くなるように形成されている。中間接合部43における下側の縁(以下、傾斜辺431)は、左右方向のうちの第2縁32から第3縁33に向かう方向に進むに従って下方に位置するように、第1縁31に対して傾斜している。
【0040】
傾斜辺431の延長線LN1は、第4縁34に交差している。より好ましくは、傾斜辺431の延長線LN1は、第4シール部7の収納空間側の辺に交差する。第1縁31に対する傾斜辺431の角度θ1は、傾斜辺431の延長線LN1が第4縁34に交差していれば特に制限はないが、例えば、40°以上80°以下が好ましく、より好ましくは、45°以上75°以下である。
【0041】
延長線LN1と第4縁34との交点P3は、第4縁34の第3縁33側の端から所定の距離離れた位置までの範囲内に位置していることが好ましい。ここでいう「所定の距離」とは、第4縁34の全長に対して、1/2の距離であることが好ましく、より好ましくは、1/3の距離であり、更に好ましくは1/4の距離であり、最も好ましくは1/5の距離である。交点P3は、第4縁34の端に位置してもよい。
【0042】
ここでいう延長線LN1は直線状の仮想線である。延長線LN1は、内容物1が収納されていない状態でかつ平らな状態である収納袋本体2上において直線である。
【0043】
傾斜辺431における第1内辺411との接続部は、ラウンド状であることが好ましい。また、傾斜辺431における第2内辺421との接続部は、ラウンド状であることが好ましい。ただし、傾斜辺431と第1内辺411との接続部は角であってもよい。また、傾斜辺431と第2内辺421との接続部は角であってもよい。
【0044】
(切り離し線8)
収納袋本体2には、切り離し線8が設けられている。切り離し線8は、収納袋本体2の一部を切り離す位置を特定する。切り離し線8に沿って切断することで、収納空間を開放する開口(以下、注ぎ口81)を形成できる。
【0045】
切り離し線8としては、例えば、収納袋本体2への印刷、エンボス、ハーフカット、ミシン目等が挙げられる。ハーフカットは、前シート21と後シート22との少なくとも一方に対し、厚さ方向の一部に切り込みを入れる。ミシン目は、一定の間隔をおいて小孔を形成する。ハーフカット及びミシン目は、収納袋本体2における切り離し線8以外の部分に比べて、引張力及びせん断力が弱い。したがって、切り離し線8がハーフカット又はミシン目であれば、比較的弱い力で、収納袋本体2の一部を切り離せる。
【0046】
切り離し線8は、図4に示すように、第2縁32から第1シール部4まで延びている。切り離し線8は、直線状に形成されている。切り離し線8は、第2縁32から第3縁33に向かう方向に進むに従って、第1縁31に近付くように、第1縁31に対して傾斜している。
【0047】
切り離し線8と第2縁32との交点P1は、第1内辺411よりも下方に位置する。交点P1は、第2内辺421よりも下方であることが好ましい。また、交点P1には、切断の起点となるノッチが形成されてもよい。ノッチとしては、例えば、Vノッチ、Iノッチ、Uノッチ、ベースノッチ等が挙げられる。
【0048】
第1縁31と交点P1との間の距離L1は、例えば、10mm以上30mm以下であり、より具体的には、15mm以上25mm以下である。
【0049】
切り離し線8と第1シール部4との交点P2は、傾斜辺431上に位置する。交点P2は、より好ましくは、傾斜辺431と第1内辺411との接続部に位置する。このようにすることで、収納袋本体2を切り離し線8に沿って切断した際に、傾斜辺431をより大きく残すことができる。傾斜辺431があることで、注ぎ口81を拡げた際、図2に示すように、傾斜辺431の延長線に沿って前シート21及び後シート22が曲がりやすい。すなわち、傾斜辺431の延長線よりも第3縁33側の領域では、前シート21と後シート22とが離れにくいのに対し、傾斜辺431の延長線よりも第2縁32側の領域では、前シート21と後シート22とが離れやすい。この結果、内容物1を注ぎ口81から出す際に、収納袋本体2の一部が注ぎ口81に通じた筒状に変形しやすい。
【0050】
本実施形態に係る収納袋100では、傾斜辺431の延長線LN1が第4縁34に交差している。このため、本実施形態に係る収納袋100は、収納袋100の底部(底シート23)から注ぎ口81にかけて筒形状を形成しやすい。
【0051】
本開示では、切り離し線8と第1シール部4との交点P2は、第1内辺411上に位置してもよい。この場合も、収納袋本体2を切り離し線8に沿って切断した際に、傾斜辺431を残すことができる。したがって、交点P2は、左右方向において、傾斜辺431と第2内辺421との接続部よりも第2縁32側に位置していればよい。ただし、交点P2が傾斜辺431上にあることで、収納袋本体2を切り離し線8に沿って切断した際に、第1接合部41の一部が残らない。したがって、内容物1を注ぎ口81から出す際に、内容物1を第1内辺411に当てることなくスムーズに移動させられる。
【0052】
第2縁32に対する切り離し線8のなす角θ2は、90°以上120°以下が好ましく、より好ましくは、95°以上105°以下であり、更に好ましくは、95.7°以上97.8°以下である。このようにすることで、注ぎ口81の第2縁32側の高さが高くなり過ぎるのを軽減できる。したがって、注ぎ口81から内容物1を出す際に、内容物1を狙った位置に落としやすい。また、収納袋100を大きく傾ける必要がなくなるため、内容物1が注ぎ口81から勢いよく飛び出すことを抑制でき、内容物1が注ぎ口81から出る速度を制御しやすい。
【0053】
ここで、注ぎ口81の左右方向における最大長さをLmmとする。内容物1の直径をDmmとする。この場合、L/Dが7.5以上13以下であることが好ましく、より好ましくは、8.5以上11.5以下であり、更に好ましくは、8.5以上10.5以下である。例示すると、内容物1の直径Dは、8mm以上10mm以下に設計されることが好ましい。注ぎ口81の左右方向における最大長さLは、75mm以上105mm以下に設計されることが好ましい。このようにすることで、内容物1を狙った位置に落としやすく、かつ内容物1を注ぎ口81から速やかに注ぎ出せる。
【0054】
本開示で言う「内容物1の直径」は、多数の内容物1から任意に抽出した10個の内容物1の直径の平均値とする。
【0055】
(ファスナー9)
収納袋本体2は、図4に示すように、収納空間を開閉可能に密封するファスナー9を備える。ファスナー9は、第1シール部4に対して収納空間側に配置される。ファスナー9は、前シート21と後シート22とを接続する位置と、離脱する位置とに切り替えられる。ファスナー9は、直線状である。ファスナー9は、第1縁31に平行であることが好ましい。ファスナー9としては、例えば、線ファスナー、面ファスナー等が挙げられる。
【0056】
ファスナー9と第1シール部4との間には、全長にわたって隙間S1があることが好ましい。隙間S1の幅L3は、5mm以上であることが好ましく、より好ましくは、7mm以上であり、更に好ましくは、9mm以上である。また、隙間S1の幅L3は、15mm以下が好ましい。このようにすることで、切り離し線8とは無関係に、第1シール部4とファスナー9との間の領域において切断しやすい。第1シール部4とファスナー9との間の領域において切断することで、第1シール部4を全て切り離すことができる。第1シール部4を全て切り離すことで、注ぎ口81をより大きくできる。
【0057】
本開示でいうファスナー9は、シートに対するファスナー9の固定部分91を含む。すなわち、ファスナー9と第1シール部4との間の隙間S1は、ファスナー9の固定部分91(実施形態では溶着代)とファスナー9との間の距離を意味する。
【0058】
(まとめ)
以上説明したように、本開示に係る収納袋100は、第1縁31に沿って接合されたシール部(第1シール部4)を備える。シール部の収納空間側の辺は、第1内辺411と、第1内辺411よりも収納空間側に位置する第2内辺421と、これらをつなぐ傾斜辺431とを有する。傾斜辺431の延長線LN1と第4縁34とは交差している。
【0059】
このように構成されていることで、第2縁32から傾斜辺431までを切断することで開口(注ぎ口81)が形成される。注ぎ口81を拡げると、収納袋100は、傾斜辺431の延長線LN1を境界にして、一方が注ぎ口81につながる筒状に変形しやすく、他方においては、シート同士が離れにくい。とくに、傾斜辺431の延長線LN1と第4縁34とが交差しているため、収納袋100の底部から注ぎ口81まで、筒形状を形成しやすい。このため、内容物1は、筒状に変形した部分に沿いながら注ぎ口81に向かってスムーズに流動しやすい。この結果、内容物1が注ぎ口81から出る速度をコントロールしやすくなり、意図せずに一度に多くの内容物1が飛び出すことを軽減できる。したがって、本開示の包装袋によれば、内容物1を目的の位置に注ぎやすい。
【0060】
また、収納袋100は、切り離し線8を備える。切り離し線8は、第2縁32から離れるに従って第1縁31に近付くように第1縁31に対して傾斜する。さらに、切り離し線8とシール部との交点は、左右方向において傾斜辺431と第2内辺421との接続部よりも第2縁32側に位置している。
【0061】
切り離し線8が第1縁31に対して傾斜しているため、注ぎ口81から内容物1を出す際に、注ぎ口81における下端に位置する部分を、できる限りユーザの手前側に近付けられる。しかも、収納袋100を大きく傾けることなく、内容物1を注ぎ口81から出すことができる。この結果、注ぎ口81を狙いの位置(例えば、詰め替え容器の開口)に定めやすい。
【0062】
また、本開示に係る収納袋100では、切り離し線8とシール部との交点は、傾斜辺431上に位置しているため、切り離し線8に沿って切断することで、第1内辺411を残すことなく注ぎ口81を形成できる。したがって、内容物1が注ぎ口81から出る際に、第1内辺411に当たることがないため、よりスムーズに内容物1を注ぐことができる。
【0063】
また、本開示に係る収納袋100では、注ぎ口81の左右方向における長さをLとし、各内容物1の直径をDとした場合、L/Dが7.5以上13以下である。このため、内容物1を狙った位置に落としやすく、かつ内容物1を注ぎ口81から速やかに出せる。
【0064】
また、本開示に係る収納袋100では、シール部に対して収納空間側に配置されたファスナー9を備える。ファスナー9とシール部との間には、全長にわたって隙間S1がある。このため、切り離し線8とは無関係に、シール部とファスナー9との間の領域において切断しやすい。シール部とファスナー9との間の領域において切断することで、シール部を全て切り離すことができる。シール部を全て切り離すことで、注ぎ口81をより大きくできる。
【0065】
<変形例>
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0066】
上記実施形態では、収納袋100の切り離し線8は、第1内辺411に対して傾斜していたが、本開示では、図5に示すように、直線状の切り離し線8は、第1内辺411に沿って延びてもよい。一変形例に係る切り離し線8は、第1縁31に平行である。切り離し線8は、少なくとも第2縁32から傾斜辺431まで延びている。本変形例に係る切り離し線8は、第2縁32から第3縁33まで延びている。第1縁31と交点P1との間の距離L1は、第1接合部41の第1幅D1より大きく、かつ第2接合部42の第2幅D2よりも短い。
【0067】
上記実施形態及び変形例では、収納袋100は切り離し線8を有したが、切り離し線8はなくてもよい。
【0068】
上記実施形態では、収納袋100の上端に沿って第1シール部4が配置されたが、本開示では、左縁、右縁又は下縁のいずれかに沿って第1シール部4が配置されてもよい。
【0069】
一変形例では、収納袋本体2は、正面視五角形であってもよく、形状は特に制限はない。また、上縁と左右方向の一方の縁(例えば、左縁)との角部を斜辺とし、当該斜辺に第1シール部4が形成されてもよい。つまり、一変形例においては、斜辺が第1縁31である。
【0070】
上記実施形態の収納袋100は、内容物1を収納していたが、本開示では、内容物1が収納されていない収納袋100であってもよい。
【0071】
<実施例>
以下、本開示の実施例について説明する。
【0072】
実施例1から7として、図4に示す収納袋本体2を用いた。実施例1から7の切り離し線8は、第1縁31に対して傾斜している。実施例8から14として、図5に示す収納袋本体2を用いた。実施例8から14の切り離し線8は、第1縁31に対して平行である。
【0073】
比較例1,2として、延長線LN1が第3縁33と交差する(すなわち、延長線LN1は第4縁34と交差しない)収納袋本体2を用いた。比較例1,2の切り離し線8は、第1縁31に対して平行である。
【0074】
実施例1から14、及び比較例1,2では、それぞれ、切り離し線8で切断したことで形成された注ぎ口81の左右方向の最大長さLを表1,2のように設定した。なお、全ての実施例及び比較例において、注ぎ口81の最大長さL以外の収納袋の寸法は同じである。
【0075】
実施例及び比較例において、注ぎ口81を拡げた状態の前後方向の最大長さを「開口径W」とした。前後方向は、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向である。内容物1として、球状のビーズを用いた。ビーズの直径は10mmである。このときのL/Dを表1,2に示した。
【0076】
実施例及び比較例の収納袋100を用いて、開口の直径が85mmの容器に対し、ビーズを注ぎ込んだ。そのとき零れたビーズの数量を記録した。また、注ぎ口81から容器内に注ぎ込まれる1秒当たりのビーズの量を記録した。
【0077】
試験を行った者が注ぎやすさの評価を行った。「1」から「4」で評価した。数字が大きいほど、良好な評価であるとする。
【0078】
試験結果を表1、表2に示す。
【表1】
【表2】
【0079】
実施例8と比較例1、実施例9と比較例2から、延長線LN1が第3縁33に交差する収納袋よりも、延長線LN1が第4縁34に交差する収納袋のほうが、注ぎやすさの評価が高いことがわかった。
【0080】
表1,2に示すように、実施例1から7と実施例8から14とから、第1縁31に対して、切り離し線8が傾斜した場合でも平行な場合でも、注ぎやすさの評価にそれほど差がないことがわかった。ただし、試験を行った者の感想から、切り離し線8が第1縁31に対して傾斜した場合のほうが、平行な場合に比べて、注ぎ口81を開きやすいことがわかった。
【0081】
実施例1から7と実施例8から14とから、切り離し線8が第1縁31に対して傾斜したほうが、切り離し線8が第1縁31に平行な場合よりも、ビーズの吐出数が多い。このため、切り離し線8が第1縁31に対して傾斜したほうが、平行な場合よりも、速やかに内容物1を注ぎ出せる。
【0082】
また、実施例1から14からもわかるように、注ぎ口81の最大長さLが、75mm以上105mm以下であると、注ぎやすさの評価が3以上であり、また、ビーズの吐出数35粒/秒以上である。注ぎ口81の最大長さLを75mm以上105mm以下とすることで、ユーザは内容物を注ぎやすくなり、内容物1を注ぎ口81から速やかに注ぎ出せる。
【0083】
また、L/Dが7.5以上13以下であれば、注ぎやすさの評価が2以上であり、ビーズの吐出数35粒/秒以上である。したがって、L/Dを7.5以上13以下とすることで、ユーザは内容物を注ぎやすくなり、内容物1を注ぎ口81から速やかに注ぎ出せる。なお、実施例5,7,13,14は、ビーズを数粒こぼしているが、容器の開口に対する注ぎ口81の大きさが大き過ぎることが原因である。
【符号の説明】
【0084】
100 収納袋
1 内容物
31 第1縁
32 第2縁
33 第3縁
34 第4縁
4 第1シール部(シール部)
41 第1接合部
411 第1内辺
42 第2接合部
421 第2内辺
43 中間接合部
431 傾斜辺
8 切り離し線
81 注ぎ口
9 ファスナー
S1 隙間
D1 第1幅
D2 第2幅
LN1 延長線
図1
図2
図3
図4
図5