IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077982
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】機器、受信動作表示方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
H04N1/00 J
H04N1/00 912
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190256
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小平 格
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA32
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC36
5C062AC45
5C062AE02
5C062AE14
5C062AF02
5C062AF03
5C062AF06
5C062AF12
5C062AF14
5C062BC06
(57)【要約】
【課題】ファクスの任意の受信日時に対する受信動作を表示する技術を提供すること。
【解決手段】ファクスを受信できる機器9であって、前記ファクスを受信した曜日及び時間帯に応じて、予め設定されている受信動作を実行する受信制御部と、任意の曜日の時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する受信動作表示処理部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクスを受信できる機器であって、
前記ファクスを受信した曜日及び時間帯に応じて、予め設定されている受信動作を実行する受信制御部と、
任意の曜日の時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する受信動作表示処理部と、
を有する機器。
【請求項2】
前記受信動作表示処理部は、複数の曜日ごとに時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示することを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記受信動作表示処理部は、複数の曜日ごとに時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する際、現在の時刻を表すマークを曜日と時刻に対応付けて表示することを特徴とする請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記ファクスを異なる回線で受信するための異なる受信手段を有し、
前記受信動作表示処理部は、前記回線ごとに、前記予め設定されている受信動作を表示することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
曜日ごとかつ時間帯に対応付けて、受信した前記ファクスに対する前記受信動作の設定を受け付ける受信動作設定受付部、を有することを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項6】
前記受信動作設定受付部は、曜日ごとに前記受信動作の表示又は非表示の設定を受け付け、
前記受信動作表示処理部は、前記受信動作設定受付部が表示する旨の設定を受け付けた曜日のみ、時間帯を区分して、前記受信動作を表示することを特徴とする請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記受信動作設定受付部は、前記受信動作を表示する時間帯の設定を受け付け、
前記受信動作表示処理部は、前記受信動作設定受付部が表示する旨の設定を受け付けた時間帯のみ、該時間帯を区分して、前記受信動作を表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の機器。
【請求項8】
前記受信動作表示処理部は、月曜から日曜の各曜日についてそれぞれ時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を該受信動作に応じた色で表示することを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項9】
前記受信動作が、前記ファクスを別の機器に転送する設定の場合、
前記受信動作表示処理部は、転送先の違いによって別の色で時間帯を表示することを特徴とする請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記受信動作表示処理部が表示した受信動作に対し、ユーザーが押下した曜日と時刻を受け付ける操作位置検出部を有し、
前記受信動作表示処理部は、前記操作位置検出部が受け付けた前記曜日において、前記時刻の前後の時間帯を拡大し、該時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示することを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項11】
前記受信動作は、特定の期間を指定して設定された受信動作とそれ以外の受信動作であり、
前記受信動作表示処理部が表示した受信動作に対し、ユーザーが押下した曜日と時刻を受け付ける操作位置検出部を有し、
前記受信動作設定受付部は、前記操作位置検出部が受け付けた前記曜日と前記時刻が前記特定の期間である場合、前記特定の期間の前記受信動作を設定する画面を表示し、
前記操作位置検出部が受け付けた前記曜日と前記時刻が前記特定の期間でない場合、前記受信動作を設定する画面を表示することを特徴とする請求項5に記載の機器。
【請求項12】
ファクスを受信できる機器が行う受信動作表示方法であって、
前記ファクスを受信した曜日及び時間帯に応じて、予め設定されている受信動作を実行する処理と、
任意の曜日の時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する処理と、
を実行する受信動作表示方法。
【請求項13】
ファクスを受信できる機器を、
前記ファクスを受信した曜日及び時間帯に応じて、予め設定されている受信動作を実行する受信制御部と、
任意の曜日の時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する受信動作表示処理部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器、受信動作表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファクスを受信した際に、ファクスを印刷したり、印刷せずに記憶装置に蓄積しておいて後から印刷及び閲覧できるようにしたり、他のファクス装置に転送したりする等、様々な受信動作が可能なファクス装置が知られている。
【0003】
また、ファクスの受信日時によってその受信動作を変える技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、曜日ごとの例外動作を行う時間帯が設定できる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、例外動作を設定した時間帯のみしかユーザーが確認できず、それ以外の時間帯で設定されている受信動作を確認することができない。例えば、以下のように受信日時によって異なる受信動作が設定されているとする。
・金曜20時~日曜4時の間に受信したファクスは記憶装置に蓄積
・日曜4時~月曜10時の間に受信したファクスは記憶装置に蓄積+別のファクス装置に転送
・それ以外の時間帯に受信したファクスは印刷
このように、ファクスの受信時の動作が時刻によって変わるように設定がされると、現時点でファクスを受信したらどういう動作をするかを確認するには、どの時刻にどういう受信をするかという設定を確認しなければならず、一目では分からない。仮に、ユーザーが日時を指定してその日時にファクス装置がファクスを受信したらどのような受信動作をするか、表示させる機能をファクス装置が有するとしても、ある日時の受信動作しか表示されない。つまり、ユーザーは任意の受信日時における受信動作が分からない。
【0005】
本発明は、ファクスの任意の受信日時に対する受信動作を表示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、ファクスを受信できる機器であって、前記ファクスを受信した曜日及び時間帯に応じて、予め設定されている受信動作を実行する受信制御部と、任意の曜日の時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する受信動作表示処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
ファクスの任意の受信日時に対する受信動作を表示する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ファクス装置の操作パネルに表示される受信動作一覧画面の一例を示す図である。
図2】ファクス装置を含むファクスシステムの一例の概略構成図である。
図3】ファクス装置の一例のハードウェア構成図である。
図4】ファクス装置が有する機能をブロックに分けて説明する一例の機能構成図である。
図5】基本受信動作設定(G3用)における設定内容の一例を示す図である。
図6】特定期間受信動作設定(G3用)における設定内容の一例を示す図である。
図7】受信日時ごとの動作表示設定の一例を示す図の一例である。
図8】現在の受信動作(G3用)の一例を示す図の一例である。
図9】ファクス装置が表示する基本受信動作を設定する一例の基本受信動作設定画面を示す図である。
図10】ファクス装置が表示する特定期間受信動作を設定する一例の特定期間受信動作設定画面を示す図である。
図11】任意の日時が特定期間内か否かの判断処理に関する一例のフローチャート図である。
図12】現在の受信動作の更新処理に関する一例のフローチャート図である。
図13】受信動作一覧画面を表示するまでにファクス装置が表示する一例の画面遷移を示す図である。
図14】曜日ごとの受信動作テーブルの一例を示す図である。
図15】受信動作表示処理部が、曜日ごとの受信動作テーブルに基づいて受信動作一覧画面を表示する処理を説明する一例のフローチャート図である。
図16】曜日ごとの受信動作テーブルの作成手順を説明する一例の図である。
図17】受信動作表示処理部が曜日ごとの受信動作テーブルを作成する処理を説明する一例のフローチャート図である。
図18】受信日時ごとの動作表示設定を用いた場合の受信動作一覧画面を表示するまでの画面遷移について説明する図の一例である。
図19】受信動作表示処理部が、曜日ごとの受信動作テーブルと受信日時ごとの動作表示設定に基づいて受信動作一覧画面(受信日時ごとの動作表示設定対応)を表示する処理を説明する一例のフローチャート図である。
図20】受信動作一覧画面における一部の受信動作を拡大して表示する方法を説明する図の一例である。
図21】特定曜日の受信動作画面の表示処理を説明する一例のフローチャート図である。
図22】受信動作一覧画面からの画面遷移を説明する図の一例である。
図23】ユーザーが受信動作一覧画面の任意の曜日の任意の時刻を長押しした場合のファクス装置の動作を説明する一例のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本実施形態に係るファクス装置、ファクス装置による受信動作表示方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0010】
<本実施形態の受信動作一覧の表示例>
図1を参照して、ファクスの任意の受信日時に対する受信動作を表示する技術の概略を説明する。図1は、例えばファクス装置9の操作パネルに表示される受信動作一覧画面200を示す。同様の画面はファクス装置9と通信するPC(Personal Computer)が例えばプリンタドライバで表示することも可能である。
【0011】
図1に示すように、受信動作一覧画面200は、曜日(月曜日~日曜日)と時刻(0時~24時)に対応付けてたファクスを受信した場合の受信動作を色分けした時間割を表示する。図1では作図の都合上、白黒だが、図1では色によって受信動作が異なることを表している。例えば、月曜日の12時から金曜日の20時までは印刷等であることが色で分かる。したがって、ユーザーは、現時点ではない任意の曜日の任意の時刻にファクスを受信した場合にファクス装置9がどういう動作をするか、1週間24時間分の全ての受信動作をまとめて一目で確認できる。
【0012】
また、受信動作一覧画面200は、現在日時を示すマーク50を時間割に重ねて表示する。こうすることで、ユーザーは、現在、ファクス装置9がファクスを受信した場合の受信動作を一目で把握できる。
【0013】
<用語について>
ファクスとは、紙媒体における文書や画像を電子データとして電話回線やインターネットによって遠隔地まで転送すること、送信される電子データ、又は、そのための装置やシステムをいう。
【0014】
受信動作とは、ファクス装置9が受信したファクス(電子データ)に対しファクス装置9がどのような動作を実行するかであり、受信動作設定は受信動作の内容を表す情報である。
【0015】
<システム概要>
次に、図2を参照して、システム構成について説明する。図2は、本実施形態に係るファクス装置を含むファクスシステムの概略構成図である。図2では、三台のファクス装置9a、9b、9cが通信ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。以下、三台のファクス装置9a、9b、9cのうち任意のファクス装置9を「ファクス装置9」という。
【0016】
ファクス装置9bを送信元、ファクス装置9aをファクスを受信する受信機、ファクス装置9cを転送先として説明する。ファクス装置9は、一般的な電話回線を通じてデジタル化された画像データを伝送するG3方式、ISDN回線用のG4方式、G3方式を高速化したスーパーG3方式(以下、これらを単にG3ファクスという)などに対応している。また、ファクス装置9は、インターネットにおけるIP(Internet Protocol)を用いてファクスの送受信を行うためのインターネットファクス機能(以下、IPファクスという)を有している。IPファクスは、電話回線を使用せずにインターネット等のネットワーク回線を経由して電子データ(主に画像データ)を送受信するファクス通信方式である。IPファクスでは、ファクス装置9が、メッセージに相当する送信対象の電子データを電子メールの添付ファイルとして送信する。
【0017】
したがって、通信ネットワーク2は、電話回線等の回線交換ネットワーク、及びインターネットやLAN等のネットワークである。通信ネットワーク2には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。
【0018】
また、ファクス装置9は、受信したファクスの印刷、受信したファクスを装置内のハードディスク等の記憶装置に蓄積する機能、及び、他のファクス装置9に転送する機能等、複数の受信動作を有していることが好ましい。図2において、ファクス装置9aは、通信ネットワーク2を介して、ファクスの送信元であるファクス装置9bからファクスを受信する。ファクス装置9aは、予め設定された受信日時と受信動作の対応に基づいて、ファクスを印刷、記憶装置に保存、又は、転送先であるファクス装置9cへの転送、のいずれか1つ以上を行うことが可能である。ここで、受信日時は、ファクスを受信した日付、時刻、又は曜日のみの少なくとも一つを含む情報でよい。
【0019】
ファクス装置9は、ファクスを受信した受信日時に応じて、ユーザーが受信動作を設定することが可能である。図1の受信動作一覧画面200は、ユーザーが設定した受信日時と受信動作の対応を一覧表示できる。なお、ファクスの送信元に関する条件に応じて、ユーザーが受信動作を設定することも可能である。
【0020】
また、ユーザーが受信動作の設定をG3ファクスとIPファクスごとに行うことができる場合、受信動作一覧画面200では、G3ファクスとIPファクスごとに、受信日時と受信動作の対応を一覧表示する。
【0021】
なお、図2に示す概略図は一例である。例えば、送信元と転送先のファクス装置9はそれぞれ1台であるが、任意の台数であってよい。
【0022】
ファクス装置9は、ファクスの送受信、記憶及び印刷の機能を有する機器であればよく、ファクス装置と呼ばれていなくてもよい。ファクス装置は、例えば、プリンタ、印刷装置、スキャナ、コピー機、複合機、又は、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)等と呼ばれていてもよい。
【0023】
<ハードウェア構成例>
図3は、本発明の実施形態に係るファクス装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、ファクス装置9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。ここで、ファクス装置9は、ファクス機能を有する画像形成装置、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerであってもよい。
【0024】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0025】
これらのうち、CPU901は、ファクス装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0026】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0027】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、プリンタ部932、及びファクス部933との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースが接続されていてもよい。
【0028】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶されたユーザーの認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0029】
操作パネル940は、ユーザーによる入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、ファクス装置9の設定画面などを表示する。
【0030】
<機能について>
図4は、ファクス装置9が有する機能をブロックに分けて説明する機能構成図の一例である。ファクス装置9は、記憶部20と制御部40を有している。制御部40は、更に受信制御部31、操作部制御部32、印刷制御部41、モデム制御部42、及び、ネットワーク制御部43を有している。ファクス装置9が有するこれら各部は、ファクス装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。なお、図4に示す機能は、受信動作に関わる処理や制御を行うものであり、主に本実施形態に特徴的な機能を示す。
【0031】
また、記憶部20は、例えば、ファクス装置9が有するRAM902b(不揮発性も含む)、HD909などの記憶装置によって実現可能である。
【0032】
受信制御部31は、ファクスを受信した際のファクス装置9の動作を制御する。受信制御部31は、受信動作切替部33を有している。受信動作切替部33は、記憶部20に記憶されている各種の設定を参照して受信動作を切り替える。受信動作切替部33は、例えば特定期間受信動作設定(G3用)23や特定期間受信動作設定(IPファクス用)24に従い、例えば1分ごとに現在の受信動作(G3用)26及び現在の受信動作(IPファクス用)27を更新する。
【0033】
操作部制御部32は、操作パネル940に対する表示及び操作を制御する機能として、受信動作設定受付部35、受信動作表示処理部36、及び操作位置検出部37を有している。受信動作設定受付部35は、操作パネル940に各種の設定画面を表示し、ユーザーによる設定の編集を受け付ける。受信動作表示処理部36は、操作パネル940に表示する各種の表示画面の表示制御を行う。操作位置検出部37は、操作パネル940がタッチパネルである場合に、タッチや長押しされた位置を検出する。操作パネル940はタッチパネルに限らずマウスでクリックされたり長押しされたりしてもよい。
【0034】
印刷制御部41は、受信したファクス、又は、PCから受信した印刷ジョブを、用紙種、カラー/モノクロ、両面/片面、集約などの設定にしたがって用紙に印刷する。
【0035】
モデム制御部42は、電話回線を介してファクスが送受信される際に使用されるモデルを制御し、ファクスの送受信に関する制御を行う受信手段及び送信手段である。
【0036】
ネットワーク制御部43は、インターネットやLANなどのネットワーク介してファクスが送受信される際に、TCP/IP、メール送信プロトコル、及びメール受信プロトコル等に基づいて、ファクスの送受信に関する制御を行う受信手段及び送信手段である。
【0037】
<<記憶部の内容>>
記憶部20は、基本受信動作設定(G3用)21、基本受信動作設定(IPファクス用)22、特定期間受信動作設定(G3用)23、特定期間受信動作設定(IPファクス用)24、受信日時ごとの動作表示設定25、現在の受信動作(G3用)26、及び、現在の受信動作(IPファクス用)27を記憶している。これらの詳細は後述するので、まず、概要を説明する。
【0038】
基本受信動作設定(G3用)21は、G3ファクスを受信した場合にファクス装置9が行う受信動作(印刷するか、蓄積するか、転送するか)を記憶している。基本受信動作設定(IPファクス用)22は、IPファクスを受信した場合にファクス装置9が行う受信動作(印刷するか、蓄積するか、転送するか)を記憶している。つまり、基本受信動作設定(G3用)21と基本受信動作設定(IPファクス用)22は、次述の特定期間以外における受信動作を記憶する。なお、基本受信動作設定(G3用)21と基本受信動作設定(IPファクス)22を区別しない場合、単に「基本受信動作設定」という場合がある。
【0039】
特定期間受信動作設定(G3用)23は、G3ファクスを受信した場合の、指定された期間ごとの受信動作を記憶している。特定期間受信動作設定(IPファクス)24は、IPファクスを受信した場合の、指定された期間ごとの受信動作を記憶している。なお、特定期間受信動作設定(G3用)23と特定期間受信動作設定(IPファクス)24を区別しない場合、単に「特定期間受信動作設定」という場合がある。
【0040】
受信日時ごとの動作表示設定25は、受信日時ごとの受信動作の表示に関する設定(任意の曜日のみ表示、任意の時間帯のみ表示)を記憶している。
【0041】
現在の受信動作(G3用)26は、現時点でG3ファクスを受信したらどういう受信動作をするのかを記憶している。現在の受信動作(IPファクス用)27は、現時点でIPファクスを受信したらどういう受信動作をするのかを記憶している。なお、現在の受信動作(G3用)26と現在の受信動作(IPファクス)27を区別しない場合、単に「現在の受信動作」という場合がある。これら2つの「現在の受信動作」は、特定期間受信動作設定(G3用)、特定期間受信動作設定(IPファクス)24にしたがって例えば1分ごとに更新される。
【0042】
<基本受信動作設定>
図5は、基本受信動作設定(G3用)21における設定内容の一例である。基本受信動作設定(G3用)21は、印刷、蓄積、転送、及び転送先の項目を有する。印刷、蓄積、及び転送の項目には、ファクスを受信した際の動作として実行する場合は「on」、実行しない場合は「off」が設定される。また、転送の項目が「on」の場合、転送先の項目に、転送先のファクス装置9cを指定する情報として、ファクス番号が設定されている。
【0043】
図5では、基本受信動作設定(G3用)21を示したが基本受信動作設定(IPファクス用)22も同様でよい。ただし、転送の項目が「on」の場合、転送先の項目にはメールアドレスやIPアドレス等が設定される。
【0044】
<特定期間受信動作設定>
図6は、特定期間受信動作設定(G3用)23における設定内容の一例である。特定期間受信動作設定は、設定番号、設定有効化、開始日時、終了日時、及び受信動作の項目を有する。
【0045】
設定番号の項目は、特定期間受信動作設定(G3用)23における受信動作を特定するための番号であり、図6では、ファクス装置9は、例えば、5種類の異なる受信動作を設定することが可能である。5種類は一例に過ぎない。
【0046】
設定有効化の項目には、各特定期間の受信動作を有効化する場合は「on」、有効化しない(無効化)する場合は「off」が設定される。特定期間の受信動作が有効化されていない場合は、開始日時から終了日時の間に受信されたファクスでも、特定期間の受信動作は実行されない。
【0047】
開始日時と終了日時の項目は、ファクスの受信日時の特定期間を指定する際のそれぞれ始期と終期を設定する項目であり、それぞれ更に曜日と時刻を設定する項目を有する。曜日の設定においては、例えば、日曜日を「0」、月曜日を「1」とし、最後に土曜日「6」とするように昇順に割当てた番号を用いる。ここで、設定番号の項目が異なる各設定において、設定する期間が重複しないよう、受信動作設定受付部35がチェックを行うとよい。ただし、ある設定番号の開始日時と別の設定番号の終了日時は重複してもよい。
【0048】
受信動作の項目には、図5に示した基本受信動作設定(G3用)21と同様の項目が、指定された特定の期間にファクス装置9がファクスを受信した際に実行する受信動作として設定される。
【0049】
図6では、特定期間受信動作設定(G3用)23を示したが特定期間受信動作設定(IPファクス用)24も同様でよい。ただし、転送の項目が「on」の場合、転送先の項目にはメールアドレスやIPアドレス等が設定される。
【0050】
<受信日時ごとの動作表示設定>
図7は、受信日時ごとの動作表示設定25の設定内容を示す。受信日時ごとの動作表示設定25は、更に図7(a)の曜日テーブル25aと図7(b)の時分テーブル25bを有している。曜日テーブル25aは、曜日、表示の項目を有する。時分テーブル25bは表示開始時刻と表示終了時刻に対し、時と分の項目を有している。
【0051】
曜日テーブル25aは各曜日(月曜~日曜)に対し、それぞれ表示する「on」又は非表示「off」を有している。図7の例では、曜日の項目が「土」「日」が「off」となっている。つまり、受信動作一覧画面200で「土」「日」の受信動作が表示されない。
【0052】
また、時分テーブル25bは、受信動作一覧画面200において、何時から(表示開始時刻)から何時まで(表示終了時刻)、受信動作を表示するかに関する設定である。例えばユーザーが受信動作一覧画面200で平日のみの受信動作を表示したい場合に設定される。
【0053】
なお、曜日テーブル25aと時分テーブル25bは、いずれか一方のみが設定されていてもよい。
【0054】
<現在の受信動作>
図8は、現在の受信動作(G3用)26における設定内容の一例である。現在の受信動作(G3用)26は、現在の日時に応じて、基本受信動作設定(G3用)21又は特定期間受信動作設定(G3用)23から取得されたものである。したがって、現在の受信動作(G3用)26の内容は、基本受信動作設定(G3用)21又は特定期間受信動作設定(G3用)23と同じである。
【0055】
図5では、現在の受信動作(G3用)26を示したが現在の受信動作(IPファクス用)27も同様でよい。ただし、転送の項目が「on」の場合、転送先の項目にはメールアドレスやIPアドレス等が設定される。
【0056】
<基本受信動作の設定画面例>
図9は、ファクス装置9が表示する基本受信動作を設定する基本受信動作設定画面の一例である。ファクス装置9は、テンキー940bに「受信動作設定」というキーを有し、ユーザーが該キーを押すと、図9(a)の基本受信動作設定画面(その1)210が表示される。基本受信動作設定画面(その1)210は、G3受信時ボタン211、IPファクス受信時ボタン212、及びファクス受信動作表示ボタン213を有している。ユーザーがG3受信時ボタン211又はIPファクス受信時ボタン212を押下すると、基本受信動作設定画面(その2)220が表示される。以下では、ユーザーがG3受信時ボタン211を押下した場合を説明する。
【0057】
図9(b)は、基本受信動作設定画面(その2)220を示す。基本受信動作設定画面(その2)220は、基本受信動作設定ボタン221と特定期間受信動作設定ボタン222とを有している。ユーザーが基本受信動作設定ボタン221を押下すると、基本受信動作設定画面(その3)230が表示される。
【0058】
図9(c)は、基本受信動作設定画面(その3)230を示す。基本受信動作設定画面(その3)230は、印刷231、蓄積232、転送233にそれぞれ対応付けられた「するボタン」と「しないボタン」を有する。ユーザーが「するボタン」を押下すると図5の基本受信動作設定(G3用)21における、印刷、蓄積、転送の項目が「on」となる。ユーザーが「しないボタン」を押下すると図5の基本受信動作設定(G3用)21における、印刷、蓄積、転送の項目が「off」となる。
【0059】
ユーザーが転送233の項目の「するボタン」を押下すると、基本受信動作設定画面(その4)240に転送先の設定欄234が現れる(図9(d))。ユーザーは、転送先のファクス番号を転送先の設定欄234にテンキー940bから入力できる。
【0060】
ユーザーがOKボタン241を押下した場合、以上の設定が反映され、取消ボタン242を押下した場合、以上の設定を反映せずに前の画面に戻る。この動作は以降の画面フローでも同じである。
【0061】
<特定期間受信動作の設定画面例>
図10は、ファクス装置9が表示する特定期間受信動作を設定する特定期間受信動作設定画面の一例である。図10(a)は図9(b)に示した基本受信動作設定画面(その2)220である。ユーザーが特定期間受信動作設定ボタン222を押下すると、特定期間受信動作設定画面(その1)100が表示される。
【0062】
図10(b)は、特定期間受信動作設定画面(その1)100を示す。特定期間受信動作設定画面(その1)100は、設定選択欄101の項目を有する。設定選択欄101は、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における設定番号で特定される各設定に対応する。例えば、「第1設定」は設定番号の設定値が「1」に対応し、設定されている期間が右側に表示されている。また、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における設定有効化が無効(「off」)に設定されている場合は、「設定しない」と表示される。ユーザーが設定選択欄101の「第1設定」を押下すると、特定期間受信動作設定画面(その2)102が表示され、「第1設定」に設定されている設定内容の表示、及び設定内容の入力又は更新を行うことが可能である。
【0063】
図10(c)は、特定期間受信動作設定画面(その2)102を示す。特定期間受信動作設定画面(その2)102は、確定ボタン103、設定有効化選択ボタン104、開始日時設定ボタン105、終了日時設定ボタン106、及び受信動作設定ボタン107を有する。
【0064】
確定ボタン103は、ユーザーが押下することにより設定画面102で設定した内容を確定して、設定画面100に戻るためのボタンである。
【0065】
設定有効化選択ボタン104において、ユーザーが「設定する」を選択すると「第1設定」が有効化され、「設定しない」を選択すると「第1設定」が無効化される。図10(c)では、「設定する」が選択された状態となっている。
【0066】
開始日時設定ボタン105は、ユーザーが、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における開始日時を設定する際に押下するボタンであり、ボタンを押下すると、特定期間受信動作設定画面(その3)108が表示される。
【0067】
図10(d)は、特定期間受信動作設定画面(その3)108を示す。特定期間受信動作設定画面(その3)108は、確定ボタン109、曜日選択ボタン110、及び時刻設定欄111を有する。確定ボタン109は、設定画面108の設定項目を確定して設定画面102に戻るためのボタンである。曜日選択ボタン110と時刻設定欄111は、それぞれ図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における開始日時の曜日と時刻の項目を設定するために用いられる。
【0068】
終了日時設定ボタン106は、押下することにより、開始日時設定ボタン105と同様の手順により図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における終了日時を設定することが可能である。
【0069】
受信動作設定ボタン107は、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における受信動作を設定する際に押下するボタンであり、ユーザーがボタンを押下すると、特定期間受信動作設定画面(その4)112が表示される。
【0070】
図10(e)は、特定期間受信動作設定画面(その4)112を示す。特定期間受信動作設定画面(その4)112は、印刷114、蓄積115、及び転送116の項目を有し、それぞれ図6の特定期間受信動作設定(G3用)23における受信動作の印刷、蓄積、及び転送の項目を「on」又は「off」に設定することが可能である。また、転送116を「on」に設定した場合は、下部に転送先を設定するための入力欄が表示される。
【0071】
<受信日時判断処理>
図11は、任意の日時が特定期間内か否かの判断処理に関するフローチャートの一例を示す図である。図11では、任意の日時が、図6に示した特定期間受信動作設定(G3用)23において指定された期間内であるか否かをファクス装置9が判断する処理について説明する。なお、任意の日時の一例として、ファクス装置9がファクスを受信した受信日時が挙げられる。
【0072】
まず、受信動作切替部33は、特定期間受信動作設定において設定されている曜日と時刻に基づいて、開始日時(S)と終了日時(E)を数値化し、同様に数値化したファクス受信日時(t)と数値の大小を比較することにより判断を行う。数値化の方法は、曜日が時刻よりも桁が大きい値となるように、例えば、土曜日の23時45分の場合は、「62345」と数値化する。ここで、設定されている期間が、数値化した日時の最大値を跨っているか否か、すなわち、S<Eの場合(図11の条件26)とS>Eの場合(図11の条件27)に分けて、判断処理を実行する。以下、図11の各ステップの処理について説明する。
【0073】
受信動作切替部33は、開始日時(S)の値が終了日時(E)の値よりも小さいか否かを判断する(S21)。SがEよりも小さい場合(S21のYes)、処理はステップS22に遷移し、そうでない場合は処理をステップS23に遷移する。
【0074】
受信動作切替部33は、ファクス受信日時(t)の値が、S≦t<Eの条件を満たすか否かを判断する(S22)。S≦t<Eであるなら(S22のYes)、受信動作切替部33は、設定されている期間内であると判断し(S24)、そうでないならば、期間内でないと判断する(S25)。
【0075】
受信動作切替部33は、ファクス受信日時(t)の値が、t<S又はt≧Eの条件を満たすか否か判断する(S23)。t<S又はt≧Eであるなら(S23のYes)、受信動作切替部33は、設定されている期間内であると判断し(S24)、そうでないならば、期間内でないと判断する(S25)。
【0076】
<現在の受信動作の更新処理>
図12は、現在の受信動作の更新処理に関するフローチャートの一例を示す図である。図12では、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23に基づいて、現在の日時における受信動作設定(現在の受信動作)を更新する処理について説明する。すなわち、受信動作切替部33は、現在の日時が、特定期間受信動作設定のいずれかの設定における期間内であるかを、周期的に(例えば1分毎)に判断することにより、現在の受信動作を更新する。以下、図12の各ステップの処理について説明する。
【0077】
受信動作切替部33は、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23に対して、現在の日時が開始日時(図6の開始日時)と一致する設定を検索する(S31)。
【0078】
一致する設定が存在する場合(S32のYes)、処理はステップS33に遷移し、そうでない場合(S32のNo)、処理はステップS34に遷移する。
【0079】
受信動作切替部33は、ステップS31において検索された設定を現在の受信動作とする(S33)。
【0080】
受信動作切替部33は、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23に対して、現在の日時が終了日時(図6の終了日時)と一致する設定を検索する(S34)。
【0081】
一致する設定が存在する場合(S35のYes)、処理はステップS36に遷移し、そうでない場合(S35のNo)、処理は終了する。
【0082】
受信動作切替部33は、現在の日時が指定期間に含まれる受信動作設定がないため、受信日時と送信元が指定されていない場合に用いる基本受信動作設定を現在の受信動作とする(S36)。
【0083】
<受信動作一覧画面の表示例>
続いて、図13を参照し、ユーザーが受信動作一覧画面200を表示するまでの画面遷移について説明する。図13は、受信動作一覧画面200を表示するまでにファクス装置9が表示する画面遷移を示す。図13(a)は図9(a)の基本受信動作設定画面(その1)210と同じである。ユーザーが、ファクス受信動作表示ボタン213を押下すると、基本受信動作設定画面(その1)210は図13(b)のファクス受信動作表示画面250に遷移する。
【0084】
ファクス受信動作表示画面250は、G3ファクスの現在の受信動作内容253(図13(b)では印刷)、及び、IPファクスにおける現在の受信動作内容254(図13(b)では、蓄積+転送)を表示する。また、ファクス受信動作表示画面250は、G3ファクスとIPファクスのそれぞれについて、受信日時ごとの動作ボタン255,256を表示する。受信日時ごとの動作ボタン255,256が受信動作一覧画面200を表示するためのボタンである。ここでは、G3ファクスに対応している受信日時ごとの動作ボタン255が押下された場合を説明するが、IPファクスの場合も受信動作一覧画面200は同様である。ファクス装置9は、このように回線ごとに、受信動作を表示できる。
【0085】
ユーザーが受信日時ごとの動作ボタン255を押下すると、図13(c)の受信動作一覧画面200が表示される。受信動作一覧画面200は、G3ファクスを受信した場合の受信動作を受信動作に応じた態様で、1週間24時間をまとめて時間割のように表示する。時間割とは、一日の処理や作業を、時間帯を区分して割り振った表である。タイムテーブルと称してもよい。
【0086】
受信動作一覧画面200は、横軸が曜日(月~日)、縦軸が時刻(0時~24時)の2次元の表形式である。横軸と縦軸は逆でもよい。受信動作一覧画面200では、受信動作ごとに対応する日時が色分けして表示されている。これによって、ユーザーは一週間のどの時刻になったら受信動作がどう変わるか一目で確認できる。図13(c)では「蓄積+転送」が緑、「印刷」が黄、「蓄積」が青であるが、色と受信動作の関係は一例である。また、ファクス装置9は受信動作に応じた態様で、受信動作が曜日や時間帯によって異なることを表示できればよい。例えば、ファクス装置9は、色分けでなく、文字や記号で受信動作の違いを表してもよいし、異なる斜線で受信動作の違いを表してもよいし、濃淡で表してもよい。また、ファクス装置9は、これらを組み合わせてもよい。
【0087】
また、受信動作一覧画面200は、現在の時刻が2次元の時間割のどこか分かるように、現時点の曜日・時刻に相当する位置にマーク50(ここでは「★現在」)を表示する。これにより、ユーザーはマーク50がある日時からも現在の受信動作が確認でき、どれだけ時間がたったら次の受信動作に変わるかも確認できる。
【0088】
受信動作一覧画面200は、必ずしも月曜から日曜の全曜日の受信動作を一覧で表示しなくてもよい。例えば受信動作一覧画面200は、当日の曜日の受信動作のみを表示してもよい。あるいは、受信動作一覧画面200は、月曜から日曜の各曜日の受信動作を、1日分ずつユーザーが操作する順に表示してもよい。
【0089】
図13(b)のファクス受信動作表示画面250でIPファクスに対応している受信日時ごとの動作ボタン256が押下された場合も同様である。この場合、特定期間受信動作設定(IPファクス用)24と基本受信動作設定(IPファクス用)22に設定された受信動作が色分けして表示される。
【0090】
このようにユーザーは、G3ファクス、IPファクスそれぞれに対して、一週間のどの時刻になったら受信動作がどう変わるか一目で確認できる。
【0091】
なお、ファクス装置9は、G3ファクスの受信動作一覧画面200とIPファクスの受信動作一覧画面200を1つ画面に同時に表示してもよい。
【0092】
<受信動作一覧画面を表示するための曜日ごとの受信動作テーブル>
受信動作一覧画面200を表示するため、本実施形態では、曜日ごとの受信動作テーブルを使用する。図14は、曜日ごとの受信動作テーブル28の一例を示す。曜日ごとの受信動作テーブル28は、曜日に対応付けられた開始時分と受信動作の項目を有している。つまり、曜日ごとの受信動作テーブル28は、曜日ごとに開始時分28aの項目と受信動作28bの項目のペアのレコードを1つ以上持ち、曜日内にレコードが複数ある場合は開始時分順にレコードを持つ。また、開始時分28aが「00:00」のレコードは全曜日が必ず持つ。開始時分28aが「00:00」以外は、受信動作が変わる時刻でレコードが追加される。
【0093】
受信動作の項目は、基本受信動作設定又は特定期間受信動作設定における「印刷」「蓄積」「転送」のoff/onの組み合わせなので、以下の7種類がある。ただし、すべてOffという設定はないものとする。これは、すべてOffだとファクスに対しファクス装置9が動作を何もしないことになり、ファクスが失われるため、すべてOffという設定はユーザーが設定できない。
1.「印刷」
2.「蓄積」
3.「転送」
4.「印刷+蓄積」
5.「印刷+転送」
6.「蓄積+転送」
7.「印刷+蓄積+転送」
受信動作表示処理部36は、この7種類の受信動作に対し、それぞれ色を割り当て、受信動作に対する色で受信動作一覧画面200を表示する。これによって、ユーザーは、受信動作を色で識別できる。
【0094】
「転送」が受信動作の場合、受信動作表示処理部36は、転送先の違いによって受信動作の種類を「転送(転送先1)」「転送(転送先2)」というように別の種類とし、異なる転送先の「転送」を別の色にして表示するようにしてもよい。
【0095】
図15は、受信動作表示処理部36が、曜日ごとの受信動作テーブル28に基づいて受信動作一覧画面200を表示する処理を説明するフローチャート図である。
【0096】
受信動作表示処理部36は、どの曜日にも開始時分28aが「00:00」のレコードがあるので、開始時分28aが「00:00」のレコードの受信動作を曜日ごとの受信動作テーブル28から取得する。受信動作表示処理部36は、次のレコードの開始時分(受信動作が変わる時刻)までの領域を、その受信動作に対応する色で着色する。例えば、次のテーブルの開始時分28aが「14:00」であれば、受信動作表示処理部36は、「00:00」~「14:00」の領域を着色する。次のレコードがなければ、受信動作表示処理部36は、「24:00」(表示終了時刻)までの領域を着色する。
【0097】
受信動作表示処理部36が領域を受信動作の色で着色したら、着色した領域の終端の時刻が「24:00(表示終了時刻)」ならばその曜日の着色は終了する。着色した領域の終端の時刻が「24:00(表示終了時刻)」でなければ、受信動作表示処理部36は、次の開始時分28aとして、その開始時分28aの受信動作の色で、次のレコードの開始時分(次のレコードなければ「24:00」)までの領域を着色する。
【0098】
以下、図15の各ステップの処理について説明する。図15では、受信動作表示処理部36が、表示開始時刻vsに「00:00」を設定し、表示終了時刻veに「24:00」を設定する。これらは一日の始まりと終わりを示す時刻であり、別の時刻でもよい。
【0099】
受信動作表示処理部36は、受信動作テーブル28の月曜日から日曜日まで、以下の処理を繰り返す(S41)。受信動作表示処理部36は、曜日を表すwに、受信動作テーブル28において着目している曜日を設定する。
【0100】
受信動作表示処理部36は、開始時分を表すsに表示開始時刻vsを設定する(S42)。また、受信動作表示処理部36は、受信動作を表すaに、曜日ごとの受信動作テーブル28における曜日wの開始時分sの受信動作を設定する(S43)。
【0101】
受信動作表示処理部36は、曜日wに次のレコードがあるか否か判断する(S44)。曜日wに次のレコードがある場合(S44のYes)、処理はステップS45に遷移し、そうでない場合(S44のNo)、処理はステップS46に遷移する。
【0102】
ステップS45において、受信動作表示処理部36は、開始時分を表すeに次のレコードの開始時分を設定する(S45)。
【0103】
ステップS46において、受信動作表示処理部36は、開始時分を表すeに表示終了時刻veを設定する(S46)。
【0104】
そして、受信動作表示処理部36は、曜日wの開始時分sから開始時分eまでの領域を受信動作aに対応する色で着色する(S47)。
【0105】
受信動作表示処理部36は、開始時分eが「24:00(表示終了時刻)」と一致したか否か判断する(S48)。つまり、処理がステップS46を通過したか判断される。
【0106】
開始時分eが「24:00(表示終了時刻)」と一致した場合(S48のYes)、受信動作表示処理部36は次の曜日の処理を実行する。そうでない場合(S48のNo)、受信動作表示処理部36は開始時分sに、開始時分eに格納された時刻を設定する(S49)。処理はステップS43に戻り、新しい開始時分sに基づいて処理が実行される。
【0107】
受信動作テーブル28の月曜日から日曜日までの処理が終了すると、図15の処理も終了する(S50)。
【0108】
<<曜日ごとの受信動作テーブルの作成手順>>
図16は、曜日ごとの受信動作テーブル28の作成手順を説明する図である。まず、基本受信動作設定が図16(a)に示すものであるとする。受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28を初期化するため、受信動作表示処理部36は、全曜日、開始時分28aが「00:00」で、図5の基本受信動作設定21に従った受信動作(ここでは印刷On、蓄積Off、転送Offなので「印刷」)のレコードを曜日ごとの受信動作テーブル28に作成する。この状態の曜日ごとの受信動作テーブル28を図16(b)に示す。
【0109】
続いて、受信動作表示処理部36は、特定期間受信動作設定(G3用)23で設定有効化の項目が「on」になっている受信動作を曜日ごとの受信動作テーブル28に反映する。ここでは、図6のように設定番号1と2の設定有効化がonになっている(それ以外の設定有効化はoff)とする。設定番号1の特定期間受信動作設定(G3用)23の抜粋を図16(c)に示す。また、図16(c)の設定が反映された曜日ごとの受信動作テーブル28を図16(d)に示す。
【0110】
図16(d)に示すように、設定番号1の設定では、開始日時が日曜の「04:00」なので、受信動作表示処理部36は、まず日曜に開始時分28aが「04:00」のレコード121を追加する。また、受信動作表示処理部36は、設定番号1の受信動作「蓄積+送信」をこのレコード121に設定する。次に、受信動作表示処理部36は、終了日時(月曜「10:30」)までの間の、開始時分28aが「00:00」のレコード122(ここでは月曜「00:00」のテーブル)の受信動作を、設定番号1の受信動作「蓄積+送信」に変更する。最後に、受信動作表示処理部36は、終了日時(月曜「10:30」)に対し、その終了日時に基本受信動作が始まる(基本受信動作に戻る)ことを表すため、月曜に開始時分28aが「10:30」かつ受信動作が基本受信動作(印刷)のレコード123を追加する。
【0111】
次に、設定番号2の特定期間受信動作設定(G3用)23の曜日ごとの受信動作テーブル28への反映について説明する。設定番号2の特定期間受信動作設定(G3用)23の抜粋を図16(e)に示す。また、図16(e)の設定が反映された曜日ごとの受信動作テーブル28を図16(f)に示す。
【0112】
受信動作表示処理部36は、特定期間受信動作設定(G3用)23の開始日時(金曜「20:00」)に基づいて、金曜に開始時分28aが「20:00」かつ受信動作「蓄積」のレコード124を追加する。また、受信動作表示処理部36は、終了日時(日曜「04:00」)までの間の開始時分28aが「00:00」のレコード125,126( 土曜「00:00」、日曜「00:00」 )の受信動作を「蓄積」に変更する。最後に、受信動作表示処理部36は、特定期間受信動作設定(G3用)23の終了日時(日曜「04:00」)について、その日時が開始時分28aになっているレコード121がすでにあることを検出する。開始時分28aが日曜「04:00」のレコード121の受信動作は基本受信動作(印刷)とは異なる。このためファクス装置9は、終了日時に基本受信動作に戻るのではなく、設定済みの特定期間受信動作設定(G3用)23(設定番号1の受信動作)の受信動作に移るため、開始時分28aが「日曜04:00」のレコード121の受信動作は変更しない。
【0113】
図17は、受信動作表示処理部36が曜日ごとの受信動作テーブル28を作成する処理を説明するフローチャート図である。
【0114】
まず、受信動作表示処理部36は、月曜から日曜までの全曜日、開始時分28aが「00:00」かつ受信動作28bが基本受信動作設定の受信動作であるレコードを曜日ごとの受信動作テーブル28に作成する(S51)。
【0115】
次に、受信動作表示処理部36は、図6の特定期間受信動作設定(G3用)23で設定有効化の項目がonになっている受信動作に対し、以下の処理を繰り返す(S52)。受信動作表示処理部36は、曜日wsに設定有効化の項目がonになっている特定期間受信動作設定の開始曜日(開始日時の曜日)を設定し、開始時分tsに設定有効化の項目がonになっている特定期間受信動作設定の開始時分(開始日時の時と分)を設定する。
【0116】
受信動作表示処理部36は、終了曜日weに設定有効化の項目がonになっている特定期間受信動作設定の終了曜日(終了日時の曜日)を設定し、終了時分teに設定有効化の項目がonになっている特定期間受信動作設定の終了時分(終了日時の時と分)を設定する。また、受信動作表示処理部36は、受信動作aに設定有効化の項目がonになっている特定期間受信動作設定を設定する。
【0117】
受信動作表示処理部36は、設定有効化の項目がonの特定期間受信動作設定(G3用)23の曜日wsに、開始時分tsのレコードがあるか否か判断する(S53)。このレコードがある場合(S53のYes)、処理はステップS54に遷移し、そうでない場合(S53のNo)、処理はステップS55に遷移する。
【0118】
ステップS54では、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28にある開始時分tsのレコードの受信動作を、特定期間受信動作設定(G3用)23の受信動作aに変更する(S54)。ステップS55では、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28の曜日wsに、開始時分tsかつ受信動作aのレコードを追加する(S55)。
【0119】
次に、受信動作表示処理部36は、曜日wsと終了曜日weが異なるか否か判断する(S56)。
【0120】
曜日wsと終了曜日weが異なる場合(S56のYes)、すなわち、特定期間受信動作設定(G3用)23の期間が曜日をまたぐ場合、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28において、曜日wsの次の曜日から終了曜日weの開始時分が「00:00」のレコードの受信動作を受信動作aに変更する(S57)。ただし、終了時分teが「00:00」の場合、終了曜日weの「00:00」は期間内には含まれないため、終了曜日weの開始時分「00:00」のレコードの受信動作を変更しない。
【0121】
最後に、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28において、終了曜日weに開始時分tsのレコードがないか判断する(S58)。終了曜日weに開始時分tsのレコードがない場合(S58のYes)、処理はステップS59に遷移する。
【0122】
ステップS59では、受信動作表示処理部36は、特定期間受信動作の終了日時に基本受信動作設定に戻ることを表すため、曜日ごとの受信動作テーブル28に、終了曜日weに開始時分tsかつ受信動作が「基本受信動作設定」のレコードを追加する(S59)。特定期間受信動作設定(G3用)23で設定有効化の項目がonになっている受信動作がなくなると繰り返しが終了する(S60)。
【0123】
ステップS59について補足する。終了曜日weに開始時分tsのレコードがあっても、該レコードの受信動作が基本受信動作と異なっていれば、終了日時は他の特定期間受信動作設定(G3用)23が開始するため、該レコードの受信動作は変更しない。該レコードの受信動作が基本受信動作と同じなら、特定期間受信動作設定(G3用)23の終了日時に基本受信動作に戻るが、該レコードで基本受信動作に戻ることを表せているので、受信動作を変更する必要はない。したがって、終了曜日weに開始時分tsのレコードがある場合には受信動作の変更はしない。
【0124】
<受信日時ごとの動作表示設定を用いた表示制御>
次に、図18図19を参照して、受信日時ごとの動作表示設定25の設定方法と、受信日時ごとの動作表示設定25を用いた受信動作一覧画面200の表示制御について説明する。
【0125】
図18は、受信日時ごとの動作表示設定25を用いた場合の受信動作一覧画面270を表示するまでの画面遷移について説明する。図18(a)は図13(b)のファクス受信動作表示画面250と同じである。ユーザーが、表示設定ボタン257を押下すると、ファクス受信動作表示画面250は表示設定画面260に遷移する(図18(b))。
【0126】
表示設定画面260は、受信動作一覧画面200において表示される月曜~日曜それぞれのボタン261を有している。各ボタン261は、反転がonを、非反転がoffをそれぞれ示す。ユーザーは受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)において受信動作を表示したい曜日のボタン261を反転させる。
【0127】
また、表示設定画面260は、表示開始時刻と表示終了時刻の設定欄262,263を有している。表示開始時刻と表示終了時刻の設定欄262,263は、受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)において、各曜日に共通に、表示開始時刻(時、分)と表示終了時刻(時、分)が数値で入力される。ユーザーが表示設定画面260で設定した内容は図7の受信日時ごとの動作表示設定25に反映・保持される。
【0128】
図18(c)は、表示設定画面260で設定された受信日時ごとの動作表示設定25に基づいた受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)を示す。受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)は、受信日時ごとの動作表示設定25に従い、表示がonに設定された曜日のみ表示する。図18(b)では月曜から金曜までがonなので、受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)でも月曜から金曜のみの受信動作が表示されている。また、図18(b)では表示開始時刻の設定欄262が09:00、表示終了時刻の設定欄263が「21:00」なので、受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)でも「09:00」~「21:00」のみの受信動作が表示されている。
【0129】
これにより、休日(土曜・日曜)や就業時間外は確認不要な場合に、ユーザーは、休日を除いた営業日(例えば平日)のみ確認でき、就業時間帯のみ確認できる。また、ユーザーはログインすることで自分を宛先とするファクスに対し自分用の特定期間受信動作設定(G3用)23等を設定できてよい。
【0130】
図19は、受信動作表示処理部36が、曜日ごとの受信動作テーブル28と受信日時ごとの動作表示設定25に基づいて受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)を表示する処理を説明するフローチャート図である。なお、図19の説明では図15の相違を説明する場合がある。まず、異なる処理を説明する。
【0131】
・表示開始時刻vsと表示終了時刻veは、受信日時ごとの動作表示設定25から取得した時刻となる。
【0132】
・各曜日の繰り返しは、受信日時ごとの動作表示設定25でonに設定されている曜日に対してのみ行われる。offに設定されている曜日は表示処理を行わないため表示されない。
【0133】
・曜日wに表示開始時刻vsのレコードがないケースがあるため、繰り返しの開始時に最初に着色する受信動作は、曜日wに表示開始時刻vsのレコードがあればそのレコードの受信動作とするが、レコードがなければ、表示開始時刻vsの直前のレコードの受信動作とする。例えば、表示開始時刻が「09:00」で、曜日ごとの受信動作テーブル28に開始時刻が「09:00」のレコードがなく、開始時刻が「00:00」(必ずある)と開始時刻が「04:00」のレコードがある場合、直前のレコードである開始時刻が「04:00」のテーブルの受信動作を表示する。
【0134】
以下、図19の各ステップの処理について説明する。まず、受信動作表示処理部36は、表示開始時刻を表すvsに「09:00」を設定し、表示終了時刻を表すveに「21:00」を設定する。
【0135】
次に、受信動作表示処理部36は、受信日時ごとの動作表示設定25で表示の項目がonになっている月曜日から日曜日まで、以下の処理を繰り返す(S61)。受信動作表示処理部36は、曜日を表すwに、受信日時ごとの動作表示設定25で表示がonの曜日を設定する。
【0136】
受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28において、曜日wに表示開始時刻vsのレコードがあるか否か判断する(S62)。曜日wに表示開始時刻vsのレコードがある場合(S62のYes)、処理はステップS63に遷移し、そうでない場合(S62のNo)、処理はステップS64に遷移する。
【0137】
ステップS63において、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28の開始時分を表すsに、表示開始時刻vsを設定する(S63)。
【0138】
ステップS64において、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28の曜日wのレコードから、開始時分が表示開始時刻vsの直前のレコードを検索する(S64)。受信動作表示処理部36は、開始時分を表すsに検索に適合したテーブルの開始時分を設定する(S65)。
【0139】
次に、受信動作表示処理部36は、受信動作を表すaに曜日wの開始時分sの受信動作を設定する(S66)。
【0140】
そして、受信動作表示処理部36は、曜日ごとの受信動作テーブル28において、曜日wに次のレコードがあるか否か判断する(S67)。曜日ごとの受信動作テーブル28の曜日wに次のレコードがある場合(S67のYes)、処理はステップS68に遷移し、そうでない場合(S67のNo)、処理はステップS69に遷移する。
【0141】
ステップS68において、受信動作表示処理部36は、開始時分eに次のレコードの開始時分を設定する(S68)。
【0142】
ステップS69において、受信動作表示処理部36は、開始時分eに表示終了時刻veを設定する(S69)。
【0143】
そして、受信動作表示処理部36は、曜日wの開始時分sから開始時分eに格納された時刻までの領域を受信動作aに対応する色で着色する(S70)。
【0144】
受信動作表示処理部36は、開始時分eに格納された時刻が表示終了時刻veと一致したか否か判断する(S71)。
【0145】
開始時分eに格納された時刻が表示終了時刻veと一致した場合(S71のYes)、受信動作表示処理部36は次の曜日の処理を実行する。そうでない場合(S71のNo)、受信動作表示処理部36は開始時分を表すsに開始時分eに格納された時刻を設定する(S72)。処理はステップS66に戻り、新しい開始時分sに基づいて処理が実行される。
【0146】
受信日時ごとの動作表示設定25で表示の項目がonになっている曜日がなくなると繰り返し処理が終了する(S73)。
【0147】
<受信動作一覧画面における一部の受信動作の拡大表示>
図20は、受信動作一覧画面200における一部の受信動作を拡大して表示する方法を説明する図である。図20(a)は、受信動作一覧画面200の一例を示す。図20の受信動作一覧画面200では、短時間に異なる複数の受信動作(蓄積、蓄積+転送、蓄積)が設定されてる時間帯201がある。図20(a)では、複数の受信動作の開始日時と終了日時が分からない。そこで、ユーザーが拡大して見たいところをタッチすると、受信動作表示処理部36は、タッチされた曜日のみ、タッチされた時刻の前後2時間だけ拡大して表示する。
【0148】
図20(b)は、特定曜日の拡大受信動作画面280を示す。ユーザーが水曜の「13:30」をタッチしたので、特定曜日の拡大受信動作画面280では水曜の「11:30」~「15:30」(時間帯201に対応)までの受信動作が色分けして表示されている。これにより、設定している各受信動作の期間が短くて受信動作一覧画面200では表示が見にくい場合、ユーザーがその部分の詳細を拡大して確認することができる。
【0149】
図21は、特定曜日の受信動作画面の表示処理を説明するフローチャート図である。図21では、図19との相違を主に説明する場合がある。まず、異なる処理を説明する。
・操作位置検出部37がタッチされた位置を検出し、曜日・時刻を特定する処理が追加される。
・表示開始時刻vsと表示終了時刻veは、タッチ位置で特定された時刻の前後2時間である。なお、前後2時間は一例であり、他の時間でもよいし、ユーザーがこの時間を設定で変えられるようにしてもよい。
・各曜日の繰り返しはせず、タッチされた位置から特定された曜日に対してのみ表示処理が行われる。
【0150】
以下、図21の各ステップの処理について説明する。操作位置検出部37はタッチされた位置を検出し、位置に基づいて曜日と時刻を特定する(S81)。なお、操作位置検出部37は10分を最小単位で時刻を検出するなど、時刻の端数を丸めてよい。受信動作表示処理部36は、曜日wに特定した曜日を設定し、時刻tに特定した時刻を設定する。
【0151】
次に、受信動作表示処理部36は、表示開始時刻vsに「時刻t-2時間」を設定し、表示終了時刻veに「時刻t+2時間」を設定する(S82)。
【0152】
以降のステップS83~S93は図19のステップS62~S72と同様でよい。
【0153】
なお、図20の特定曜日の拡大受信動作画面280は、受信動作に変化のあった時刻281(色の境界となる時刻)を左側に表示している。この時刻281を表示するには、受信動作表示処理部36が、各領域を着色する際に、着色開始位置の左側に、開始時分sを表示すればよい。
【0154】
<受信動作一覧画面の長押し>
次に、図22図23を参照して、ユーザーが受信動作一覧画面200の任意の曜日の任意の時刻を長押しした場合のファクス装置9の動作を説明する。図22は、受信動作一覧画面200からの画面遷移を説明する図である。図22(a)は図13(c)の受信動作一覧画面200と同じである。
【0155】
ユーザーが受信動作一覧画面200の表中の任意の位置を長押しすると、図22(b)(c)に示すように、受信動作設定受付部35が長押しした位置202,203の受信動作を表示する。例えば、ユーザーが長押しした位置202が基本受信動作設定(G3用)21による領域であれば、図22(b)のように、受信動作設定受付部35が基本受信動作設定画面(その3)230を表示する。ユーザーは基本受信動作設定(G3用)21の編集が可能になる。長押しとは、タッチパネルやボタンなどを押してすぐ離すのではなく、一定時間以上押し続ける操作である。
【0156】
また、ユーザーが長押しした位置203が特定期間受信動作設定(G3用)23による領域であれば、図22(c)のように、受信動作設定受付部35が特定期間受信動作設定画面(その2)102を表示する。ユーザーは、特定期間受信動作設定23を編集できる。
【0157】
このように、ユーザーは、受信動作の設定を変えたい場合に、受信動作一覧画面200から、簡単な操作で基本受信動作設定画面(その3)230又は特定期間受信動作設定画面(その2)102に移行できる。
【0158】
図23は、ユーザーが受信動作一覧画面200の任意の曜日の任意の時刻を長押しした場合のファクス装置9の動作を説明するフローチャート図である。
【0159】
操作位置検出部37は、長押しされた位置から曜日・時刻を特定し、受信動作設定受付部35が、特定期間受信動作設定(G3用)23で設定有効化がonになっている受信動作で、特定した曜日・時刻が該受信動作の開始日時~終了日時の間にあるか検索する。検索に適合すれば、受信動作設定受付部35は、特定期間受信動作設定画面(その2)102を表示する。検索に適合しなければ、受信動作設定受付部35は、基本受信動作設定画面(その3)230を表示する。
【0160】
以下、図23の各ステップの処理について説明する。操作位置検出部37は長押しされた位置を検出し、位置に基づいて曜日と時刻を特定する(S101)。受信動作設定受付部35は、曜日wに特定した曜日を設定し、時刻tに特定した時刻を設定する。
【0161】
次に、受信動作設定受付部35は、特定期間受信動作設定(G3用)23で設定有効化の項目がonになっている受信動作について以下の処理を繰り返す(S102)。受信動作設定受付部35は、曜日wsに特定期間受信動作設定(G3用)23の開始曜日を設定し、開始時分tsに特定期間受信動作設定(G3用)23の開始時分を設定し、終了曜日weに特定期間受信動作設定(G3用)23の終了曜日を設定し、終了時分teに特定期間受信動作設定(G3用)23の終了時分を設定する。
【0162】
受信動作設定受付部35は、長押しされた位置で特定した曜日wと時刻tが、特定期間受信動作設定(G3用)23の曜日wsかつ開始時分ts~終了曜日weかつ終了時分teの間か否か判断する(S103)。
【0163】
ステップS103の判断がNoの場合、特定期間受信動作設定(G3用)23で設定有効化の項目がonになっている次の受信動作について処理される(S105)。繰り返し処理を抜けると、受信動作設定受付部35は、基本受信動作設定画面(その3)230を表示する(S106)。
【0164】
ステップS103の判断がYesの場合、受信動作設定受付部35は、特定期間受信動作設定画面(その2)102を表示する(S104)。
【0165】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態のファクス装置9は、ユーザーは、現時点ではない任意の曜日の任意の時刻にファクスを受信した場合にファクス装置9がどういう動作をするか、1週間24時間分全ての受信動作をまとめて一目で確認できる。
【0166】
また、受信動作一覧画面200は、現在日時を時間割に重ねて表示する。こうすることで、ユーザーは、現在、ファクス装置9がファクスを受信した場合の受信動作を一目で把握できる。
【0167】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0168】
例えば、操作パネル940は、PCやスマートフォン等のファクス装置9と有線又は無線で接続される情報端末で構成してもよい。受信動作一覧画面200を情報端末が表示してもよい。
【0169】
また、ファクス装置9が通信しているサーバー装置が基本受信動作設定や特定期間受信動作設定をファクス装置9から取得し、ネットワークを介して情報端末に送信してもよい。情報端末がWebアプリ又はWebページとして受信動作一覧画面200を表示できる。情報端末が基本受信動作設定や特定期間受信動作設定をサーバー装置に送信し、サーバー装置がファクス装置9に送信することで設定してもよい。
【0170】
また、基本受信動作設定(G3用)21、基本受信動作設定(IPファクス用)22、特定期間受信動作設定(G3用)23、特定期間受信動作設定(IPファクス用)24、受信日時ごとの動作表示設定25は、ファクス装置9が外部からインポートしてもよい。
【0171】
また、受信動作一覧画面200や受信動作一覧画面270(受信日時ごとの動作表示設定対応)において、ユーザーが月曜始まり又は日曜始まり等、週の始まりの曜日を設定できてよい。
【0172】
また、本実施形態では、月曜から日曜の曜日に対応付けて受信動作が設定されたが、五十日(ごとおび)のようにカレンダー上の決まった日にちに対応付けて受信動作が設定されてもよいし、カレンダー上の日付ごとに受信動作が設定されてもよい。
【0173】
また、本実施形態では、ファクス装置9がファクスを受信した日時に応じて受信動作を切り替えたが、電子メールを受信した日時に応じて受信動作を切り替えたてよい。例えば、PCが受信した電子メールを印刷、蓄積、転送することができる場合、同様に、ユーザーが受信動作を設定することができる。
【0174】
また、本実施形態では、受信動作として、印刷、蓄積又は転送を例示したが、ファクス装置9が行う受信動作はこれらに限られない。ファクス装置9は例えばワークフローを実行できる。ワークフローとは、予め設定された順番で複数の処理を実行する一連の処理である。ワークフローは対応するアプリケーションとして実行される。本実施形態においては曜日と時間帯に応じてワークフローに対応するアプリケーションが設定される。受信動作一覧画面200では、曜日と時間帯に対応付けてアプリケーションの種別が色分け表示される。
【0175】
また、図4の機能ブロックの構成図の一例は、ファクス装置9による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。ファクス装置9における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0176】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0177】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、ファクス装置9は、複数のコンピューティングデバイス(PCとスキャナなど)を含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0178】
<請求項に関する付記>
[請求項1]
ファクスを受信できる機器であって、
前記ファクスを受信した曜日及び時間帯に応じて、予め設定されている受信動作を実行する受信制御部と、
任意の曜日の時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する受信動作表示処理部と、
を有する機器。
[請求項2]
前記受信動作表示処理部は、複数の曜日ごとに時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示することを特徴とする請求項1に記載の機器。
[請求項3]
前記受信動作表示処理部は、複数の曜日ごとに時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示する際、現在の時刻を表すマークを曜日と時刻に対応付けて表示することを特徴とする請求項2に記載の機器。
[請求項4]
前記ファクスを異なる回線で受信するための異なる受信手段を有し、
前記受信動作表示処理部は、前記回線ごとに、前記予め設定されている受信動作を表示することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
[請求項5]
曜日ごとかつ時間帯に対応付けて、受信した前記ファクスに対する前記受信動作の設定を受け付ける受信動作設定受付部、を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の機器。
[請求項6]
前記受信動作設定受付部は、曜日ごとに前記受信動作の表示又は非表示の設定を受け付け、
前記受信動作表示処理部は、前記受信動作設定受付部が表示する旨の設定を受け付けた曜日のみ、時間帯を区分して、前記受信動作を表示することを特徴とする請求項5に記載の機器。
[請求項7]
前記受信動作設定受付部は、前記受信動作を表示する時間帯の設定を受け付け、
前記受信動作表示処理部は、前記受信動作設定受付部が表示する旨の設定を受け付けた時間帯のみ、該時間帯を区分して、前記受信動作を表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の機器。
[請求項8]
前記受信動作表示処理部は、月曜から日曜の各曜日についてそれぞれ時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を該受信動作に応じた色で表示することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の機器。
[請求項9]
前記受信動作が、前記ファクスを別の機器に転送する設定の場合、
前記受信動作表示処理部は、転送先の違いによって別の色で時間帯を表示することを特徴とする請求項8に記載の機器。
[請求項10]
前記受信動作表示処理部が表示した受信動作に対し、ユーザーが押下した曜日と時刻を受け付ける操作位置検出部を有し、
前記受信動作表示処理部は、前記操作位置検出部が受け付けた前記曜日において、前記時刻の前後の時間帯を拡大し、該時間帯を区分して、前記予め設定されている受信動作を表示することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の機器。
[請求項11]
前記受信動作は、特定の期間を指定して設定された受信動作とそれ以外の受信動作であり、
前記受信動作表示処理部が表示した受信動作に対し、ユーザーが押下した曜日と時刻を受け付ける操作位置検出部を有し、
前記受信動作設定受付部は、前記操作位置検出部が受け付けた前記曜日と前記時刻が前記特定の期間である場合、前記特定の期間の前記受信動作を設定する画面を表示し、
前記操作位置検出部が受け付けた前記曜日と前記時刻が前記特定の期間でない場合、前記受信動作を設定する画面を表示することを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の機器。
【符号の説明】
【0179】
2 通信ネットワーク
9 ファクス装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0180】
【特許文献1】特開2019-041153号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23