(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078274
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】業務管理システム、業務管理方法及び業務管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240603BHJP
G06Q 10/0633 20230101ALI20240603BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190714
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 貴士
(72)【発明者】
【氏名】福重 裕菜
(72)【発明者】
【氏名】亀井 友之
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】締切日が定められている業務フローにおいて、処理負荷を平準化するための特典を付与する仕組みを提供する。
【解決手段】業務管理システムは、締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する管理部と、前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する付与部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する管理部と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する付与部と
を有する業務管理システム。
【請求項2】
前記管理部は、更に、前記業務の完成度を管理し、
前記付与部は、前記業務の完成度に応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する、
請求項1に記載の業務管理システム。
【請求項3】
前記管理部は、遂行される業務が効率化されているか否かを管理し、
前記付与部は、遂行される業務が効率化されていることに応じた特典を、前記業務遂行者に付与する、
請求項1に記載の業務管理システム。
【請求項4】
前記業務フローには、申請書類を作成し、申請する申請部門における業務と、前記申請書類の申請を審査し、承認する承認部門における業務とが含まれる、請求項3に記載の業務管理システム。
【請求項5】
前記申請部門における業務には、前記申請書類を作成する業務と、作成された前記申請書類の不備の有無を確認し、不備があった場合に前記申請書類の作成者に差し戻し、不備がなかった場合に、作成された前記申請書類を前記承認部門に申請する業務とが含まれ、
前記承認部門における業務には、申請された前記申請書類の不備の有無を審査し、不備があった場合に、前記申請部門に差し戻す業務と、不備がなかった場合に、申請された前記申請書類を承認する業務とが含まれる、請求項4に記載の業務管理システム。
【請求項6】
前記管理部は、前記申請書類の作成開始が可能な日、前記申請書類の作成が完了した日、前記申請書類を前記作成者に差し戻した日、前記申請書類を前記承認部門に申請した日を管理し、
前記付与部は、
前記申請書類の作成開始が可能な日から前記申請書類の作成が完了した日までの日数の短さに応じた特典、または、前記申請書類の作成が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記申請書類の作成者に付与し、
前記申請書類の作成が完了した日から前記申請書類を前記作成者に差し戻した日または前記承認部門に申請した日までの日数の短さに応じた特典、または、前記申請書類を前記承認部門に申請した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記申請部門に付与する、請求項5に記載の業務管理システム。
【請求項7】
前記管理部は、前記申請部門における前記申請書類の確認者による前記申請書類の作成者への差し戻しの有無、及び、前記承認部門における前記申請書類の審査者による前記確認者への差し戻しの有無により、前記申請書類を作成する業務の完成度、及び、前記申請部門における業務の完成度を管理し、
前記付与部は、前記申請書類の作成者への差し戻しがなかった場合に、前記申請書類の作成者に、前記申請書類の完成度に応じた特典を付与し、前記確認者への差し戻しがなかった場合に、前記申請部門に、前記申請部門における業務の完成度に応じた特典を付与する、請求項5に記載の業務管理システム。
【請求項8】
前記管理部は、前記申請書類を作成する際に必要となる書類がデジタル化されているか否かを管理することで、前記業務が効率化されているか否かを管理し、
前記付与部は、前記申請書類を作成する際に必要となる書類がデジタル化されている場合に、前記業務が効率化されていることに応じた特典を、前記申請書類の作成者に付与する、
請求項4に記載の業務管理システム。
【請求項9】
前記付与部は、前記締切日までに前記申請部門において作成された申請書類の総数に応じて、前記締切日までに付与した特典の一部を、前記締切日より後に調整する、
請求項4に記載の業務管理システム。
【請求項10】
前記締切日までに付与された特典を、前記申請書類の作成者ごと、及び、前記申請部門ごとに集計する集計部を有する、
請求項4に記載の業務管理システム。
【請求項11】
前記申請書類は請求書を処理するための稟議書であり、
前記付与部は、前記特典としてポイントを付与する、請求項4乃至10のいずれか1項に記載の業務管理システム。
【請求項12】
前記管理部は、請求書の発行日及び稟議書の起案日を管理し、
前記付与部は、前記請求書の発行日から前記稟議書の起案日までの日数の短さに応じたポイント、または、前記稟議書の起案日から前記請求書の締め日までの日数の長さに応じたポイントを、前記稟議書の作成者に付与する、請求項11に記載の業務管理システム。
【請求項13】
前記管理部は、稟議書の起案日及び稟議書の申請日を管理し、
前記付与部は、前記申請部門に、前記稟議書の起案日から前記稟議書の申請日までの日数の短さに応じたポイント、または、前記稟議書の申請日から前記請求書の締め日までの日数の長さに応じたポイントを付与する、請求項11に記載の業務管理システム。
【請求項14】
前記管理部は、前記申請部門における前記稟議書の確認者による前記稟議書の作成者への差し戻しの有無を管理し、
前記付与部は、前記稟議書の確認者による前記稟議書の作成者への差し戻しがなかった場合に、前記稟議書の作成者に完成度に応じたポイントを付与する、請求項12に記載の業務管理システム。
【請求項15】
前記付与部は、前記稟議書が起案された場合に、前記稟議書の作成者に完成度に応じたポイントを付与し、前記稟議書の確認者による前記稟議書の作成者への差し戻しがあった場合に、前記稟議書の作成者に付与した前記完成度に応じたポイントを削減する、請求項14に記載の業務管理システム。
【請求項16】
前記管理部は、前記承認部門における前記稟議書の審査者による、前記稟議書の確認者への差し戻しの有無を管理し、
前記付与部は、前記稟議書の審査者による前記稟議書の確認者への差し戻しがなかった場合に、前記申請部門に完成度に応じたポイントを付与する、請求項13に記載の業務管理システム。
【請求項17】
前記付与部は、前記稟議書が申請された場合に、前記申請部門に完成度に応じたポイントを付与し、前記承認部門における前記稟議書の審査者による前記稟議書の確認者への差し戻しがあった場合に、前記申請部門に付与した前記完成度に応じたポイントを削減する、請求項16に記載の業務管理システム。
【請求項18】
前記管理部は、前記請求書がデジタル化されているか否かを管理し、
前記付与部は、前記請求書がデジタル化されていることに応じたポイントを、前記稟議書の作成者に付与する、請求項14に記載の業務管理システム。
【請求項19】
コンピュータが、
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する工程と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する工程と
を実行する業務管理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する工程と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する工程と
を実行させるための業務管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、業務管理システム、業務管理方法及び業務管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求書の処理における締め日等のように、処理期限となる締切日が定められている業務フローの場合、締切日間近に処理が集中する傾向にあり、締切日間近の処理負荷が増大する。これに対して、これまでは業務のデジタル化等を実現することにより対応してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、業務のデジタル化により業務の効率化は実現できても、業務フローに携わる業務遂行者の意識を変えることができなければ、処理負荷の平準化を実現することはできない。
【0004】
本開示は、締切日が定められている業務フローにおいて、処理負荷を平準化するための仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、業務管理システムは、
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する管理部と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する付与部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、締切日が定められている業務フローにおいて、処理負荷を平準化するための仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】業務管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】業務管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】ポイント付与処理の概要を説明するための第1の図である。
【
図6】ポイントデータの一例を示す第1の図である。
【
図7】業務管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】管理データ取得処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図9】管理データ取得処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【
図10】迅速着手ポイント付与処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図11】迅速着手ポイント付与処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【
図12】早期完了ポイント付与処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図13】早期完了ポイント付与処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【
図14】完成度ポイント付与処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図15】完成度ポイント付与処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【
図16】デジタル化ポイント付与処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】ポイント付与処理の概要を説明するための第2の図である。
【
図20】ポイントデータの一例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0009】
[第1の実施形態]
<業務管理システムのシステム構成>
はじめに、第1の実施形態に係る業務管理システムのシステム構成について説明する。
図1は、業務管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、業務管理システム100は、
・業務管理装置110と、
・業務端末121、122、131、132と、
を有する。業務管理装置110と、業務端末121、122、131、132とは、ネットワーク140を介して、通信可能に接続される。
【0010】
第1の実施形態において、業務管理システム100は、
・"請求書の処理"が行われる場合において、"請求書の処理"のための業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務を管理する。
・"請求書の処理"が締め日に集中することがないよう、処理負荷を平準化させるための動機付けを、業務遂行者または業務遂行者が属する部門に対して行う。
【0011】
具体的には、第1の実施形態において、業務管理システム100の業務管理装置110は、"請求書の処理"のための業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者が、各々の業務を遂行したことを検知する。また、業務管理システム100の業務管理装置110は、各業務を遂行した日等を示すデータを、管理データとして格納する。
【0012】
なお、"請求書の処理"が、例えば、所定の電子稟議システムを用いて行われる場合にあっては、業務管理システム100は、各業務遂行者が、各業務を遂行したことを、当該所定の電子稟議システムとの間で情報を送受信することにより検知する。ただし、業務管理システム100による検知方法は、これに限定されず、他の任意の検知方法が用いられてもよい。
【0013】
図1に示すように、"請求書の処理"のための業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者には、申請部門120に属する作成者123及び確認者124と、承認部門130に属する審査者133及び承認者134とが含まれる。業務管理装置110では、このうち、申請部門120に属する作成者123及び確認者124が各業務を遂行したことを検知し、各業務を遂行した日等を示すデータを、管理データに格納する。
【0014】
また、第1の実施形態において、業務管理システム100の業務管理装置110は、管理データに基づき、各業務遂行者または各業務遂行者が属する部門に対して、動機付けとして、ポイントを付与する。
【0015】
図1の場合、業務管理装置110では、管理データに基づき、作成者123と、確認者124が属する申請部門120とに、ポイントを付与する。
【0016】
業務端末121、122、131、132は、作成者123、確認者124、審査者133、承認者134が、"請求書の処理"のための業務フローに含まれる各業務を遂行する際に用いられる。
【0017】
第1の実施形態において、作成者123は、業務端末121を操作することで、請求書を処理するための申請書類である"稟議書"を起案する。確認者124は、作成者123の上司にあたり、業務端末122を操作することで、作成者123により起案された稟議書を確認したうえで、承認部門130に稟議書を申請する。
【0018】
また、第1の実施形態において、審査者133は、業務端末131を操作することで、申請された稟議書を審査する。承認者134は、業務端末132を操作することで、審査者133により審査された稟議書を承認し、請求書に対する支払手続きを許可する。
【0019】
このように、第1の実施形態に係る業務管理システム100では、請求書の処理のための業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者によって遂行される各々の業務の遂行状況を管理し、請求書の処理の処理負荷を平準化させるための動機付けを行う。これにより、第1の実施形態に係る業務管理システム100によれば、各業務遂行者は締め日より前に各業務を遂行するようになるため、請求書の処理が締め日に集中することが無くなり、処理負荷を平準化させることが可能になる。
【0020】
<各装置のハードウェア構成>
次に、業務管理システム100を構成する業務管理装置110、業務端末121、122、131、132のハードウェア構成について説明する。なお、業務管理装置110と、業務端末121、122、131、132とは、同様のハードウェア構成を有するため、ここでは、業務管理装置110のハードウェア構成について説明する。
【0021】
図2は、業務管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。業務管理装置110は、コンピュータによって構築されており、
図2に示すように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、データバス210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0022】
これらのうち、CPU201は、業務管理装置110全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、ネットワーク140を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス210は、
図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0023】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア215に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0024】
<業務フローの概要>
次に、請求書の処理のための業務フローの詳細について説明する。
図3は、業務フローの概要を示す第1の図であり、請求書の処理のための業務フローに携わる、作成者123、確認者124、審査者133、承認者134が遂行する各々の業務の詳細を例示したものである。
【0025】
図3に示すように、作成者123が遂行する業務には、
・取引先より請求書を受領すること、
・受領した請求書を処理するための稟議書を起案すること、
等が含まれる。また、確認者124が遂行する業務には、
・作成者123により起案された稟議書を受領すること、
・受領した稟議書に不備がないかを確認すること、
・受領した稟議書に不備があった場合に、稟議書を作成者123に差し戻すこと、
・受領した稟議書に不備がなかった場合に、稟議書を承認部門130に申請すること、
等が含まれる。また、審査者133が遂行する業務には、
・申請された稟議書を受領すること、
・受領した稟議書を審査すること、
・受領した稟議書が適正でなかった場合に、稟議書を確認者124に差し戻すこと、
・受領した稟議書が適正であった場合に、稟議書を承認者134に提出すること、
等が含まれる。また、承認者134が遂行する業務には、
・審査者133により提出された稟議書を受領すること、
・受領した稟議書を最終承認し、請求書に対する支払手続きを許可すること、
等が含まれる。
【0026】
<ポイント付与処理の概要>
次に、業務管理装置110が、管理データに基づき、作成者123と、確認者124が属する申請部門120とに、ポイントを付与するポイント付与処理の概要について説明する。
図4は、ポイント付与処理の概要を説明するための図である。
【0027】
第1の実施形態において、業務管理装置110は、
図4に示すポイント付与ルール400に従って、ポイント付与処理を行うものとする。
図4に示すように、ポイント付与ルール400には、ポイントを付与するか否かを判定するために、各業務の遂行状況を監視する対象である付与判定対象が定められている。ポイント付与ルール400によれば、第1の実施形態における付与判定対象は、作成者123及び確認者124である。
【0028】
また、
図4に示すように、ポイント付与ルール400には、付与ポイント名、ポイントの定義、付与条件が定められている。ポイント付与ルール400によれば、第1の実施形態における付与ポイント名には、"迅速着手ポイント"、"早期完了ポイント"、"完成度ポイント"、"デジタル化ポイント"が含まれる。
【0029】
また、ポイント付与ルール400のポイントの定義によれば、
・"迅速着手ポイント"は、業務に迅速に着手した場合に付与されるポイント、
・"早期完了ポイント"は、業務を早期に完了させた場合に付与されるポイント、
・"完成度ポイント"は、業務の完成度が高い場合に付与されるポイント、
・"デジタル化ポイント"は、デジタル化を実現した場合に付与されるポイント、
である。
【0030】
また、ポイント付与ルール400の付与条件によれば、
・"迅速着手ポイント"は、作成者123による請求書の受領から稟議書の起案までの日数が短い場合、または、確認者124による稟議書の受領から差し戻し(または承認部門130への申請)までの日数が短い場合に付与される。
・"早期完了ポイント"は、作成者123による稟議書の起案から、請求書の締め日までの日数が長い場合、または、確認者124による申請から、請求書の締め日までの日数が長い場合に付与される。
・"完成度ポイント"は、確認者124から作成者123への稟議書の差し戻しが無い場合、または、審査者133から確認者124への稟議書の差し戻しが無い場合に付与される。
・"デジタル化ポイント"は、作成者123が取引先に働きかけることで、請求書のデジタル化を実現した場合に付与される。
【0031】
また、ポイント付与ルール400の付与対象によれば、
・付与判定対象である作成者123が付与条件を満たした場合、業務管理装置110は、作成者123にポイントを付与する。
・付与判定対象である確認者124が付与条件を満たした場合、業務管理装置110は、確認者124が属する申請部門120にポイントを付与する。
【0032】
<管理データの具体例>
次に、管理データの具体例について説明する。
図5は、管理データの一例を示す第1の図である。
【0033】
このうち、管理データ(作成者用)510は、作成者123用の管理データであり、作成者123にポイントを付与する際に参照される。このため、管理データ(作成者用)510には、情報の項目として、
・作成者123が取引先から請求書を受領した日である、"請求書発行日"と、
・作成者123が稟議書を起案した日である、"稟議書起案日"と、
・確認者124からの稟議書の差し戻しがあったか否かを示す"確認者からの差し戻しの有無"、
・作成者123による取引先への働きかけにより、請求書のデジタル化を実現した日である、"デジタル化を実現した日"、
が含まれる。なお、各情報の項目には、作成者ごと、業務フローごとに分けてデータが格納される。第1の実施形態において、1つの業務フローには、1つの取引先が対応付けられているものとする。
図5において、"WF1_1"、"WF1_2"、・・・等は、それぞれの業務フローを識別するための識別子である。
【0034】
一方、管理データ(確認者用)520は、確認者124用の管理データであり、確認者124が属する申請部門120にポイントを付与する際に参照される。このため、管理データ(確認者用)520には、情報の項目として、
・作成者123が稟議書を起案した日である、"稟議書起案日"と、
・確認者124が稟議書を作成者123に差し戻した日である、"差し戻し日"と、
・確認者124が稟議書を承認部門130に申請した日である"申請日"と、
・審査者133からの稟議書の差し戻しがあったか否かを示す"審査者からの差し戻しの有無"、
が含まれる。なお、各情報の項目には、確認者ごと、業務フローごとに分けてデータが格納される。
【0035】
<ポイントデータの具体例>
次に、ポイントデータの具体例について説明する。
図6は、ポイントデータの一例を示す第1の図である。
【0036】
このうち、ポイントデータ(作成者用)610には、作成者123に付与されたポイントが格納される。このため、ポイントデータ(作成者用)610には、情報の項目として、"迅速着手ポイント"、"早期管理ポイント"、"完成度ポイント"、"デジタル化ポイント"が含まれる。なお、ポイントデータ(作成者用)610には、作成者ごとに分けてポイントが格納される。
【0037】
一方、ポイントデータ(申請部門用)620には、申請部門に付与されたポイントが格納される。このため、ポイントデータ(申請部門用)620には、情報の項目として、"迅速着手ポイント"、"早期管理ポイント"、"完成度ポイント"が含まれる。なお、ポイントデータ(申請部門用)620には、部門ごとに分けてポイントが格納される。
【0038】
<業務管理装置の機能構成>
次に、業務管理装置110の機能構成について説明する。
図7は、業務管理装置の機能構成の一例を示す図である。第1の実施形態において、業務管理装置110には業務管理プログラムがインストールされており、業務管理装置110が当該業務管理プログラムを実行することで、業務管理装置110は、
・管理データ取得部701、
・迅速着手ポイント付与部702、
・早期完了ポイント付与部703、
・完成度ポイント付与部704、
・デジタル化ポイント付与部705、
・集計部706、
として機能する。また、業務管理装置110は、HD204において管理データ格納部711を実現し、管理データ(作成者用)510及び管理データ(確認者用)520を格納する。更に、業務管理装置110は、HD204においてポイントデータ格納部712を実現し、ポイントデータ(作成者用)610及びポイントデータ(申請部門用)620を格納する。
【0039】
管理データ取得部701は、作成者123が取引先から請求書を受領した場合に、これを検知し、請求書に記載されている発行日を取得する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(作成者用)510内の"請求書発行日"の欄のうちの、対応する作成者、対応する業務フローの欄に、請求書発行日を示すデータを格納する。
【0040】
また、管理データ取得部701は、作成者123が稟議書を起案した場合に、これを検知し、稟議書の起案日を取得する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(作成者用)510内の"稟議書起案日"の欄のうちの、対応する作成者、対応する業務フローの欄に、稟議書起案日を示すデータを格納する。
【0041】
また、管理データ取得部701は、作成者123が確認者124から稟議書を差し戻された場合に、これを検知し、差し戻し有りと判定する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(作成者用)510内の"確認者からの差し戻しの有無"の欄のうちの、対応する作成者、対応する業務フローの欄に、差し戻し有りを示すデータを格納する。
【0042】
また、管理データ取得部701は、作成者123が請求書のデジタル化を実現した場合に、これを検知し、デジタル化を実現した日を取得する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(作成者用)510内の"デジタル化を実現した日"の欄のうちの、対応する作成者、対応する業務フローの欄に、デジタル化を実現した日を示すデータを格納する。
【0043】
また、管理データ取得部701は、作成者123が稟議書を起案し、確認者124に提出した場合に、これを検知し、稟議書の起案日を取得する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(確認者用)520内の"稟議書起案日"の欄のうちの、対応する確認者、対応する業務フローの欄に、稟議書起案日を示すデータを格納する。
【0044】
また、管理データ取得部701は、確認者124が稟議書を作成者123に差し戻した場合に、これを検知し、差し戻し日を取得する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(確認者用)520内の"差し戻し日"の欄のうちの、対応する確認者、対応する業務フローの欄に、差し戻し日を示すデータを格納する。
【0045】
また、管理データ取得部701は、確認者124が稟議書を承認部門130に申請した場合に、これを検知し、申請日を取得する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ720内の"申請日"の欄のうちの、対応する確認者、対応する業務フローの欄に、申請日を示すデータを格納する。
【0046】
また、管理データ取得部701は、確認者124が審査者133から稟議書を差し戻された場合に、これを検知し、差し戻し有りと判定する。これにより、管理データ取得部701は、管理データ(確認者用)520内の"審査者からの差し戻しの有無"の欄のうちの、対応する確認者、対応する業務フローの欄に、差し戻し有りを示すデータを格納する。
【0047】
迅速着手ポイント付与部702は、管理データ格納部711の管理データ(作成者用)510を監視する。監視の結果、迅速着手ポイント付与部702は、いずれかの作成者のいずれかの業務フローにおいて、"稟議書起案日"に、新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたと判定した場合、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ(作成者用)510の"請求書発行日"を参照し、対応する作成者の対応する業務フローの欄に格納された、請求書発行日を示すデータを読み出す。
【0048】
また、迅速着手ポイント付与部702は、請求書発行日を示すデータと稟議書起案日を示すデータとに基づいて、対応する作成者が、請求書を受領してから稟議書を起案するまでに要した日数を算出する。更に、迅速着手ポイント付与部702は、算出した日数が所定日数以下であった場合、対応する作成者に、迅速着手ポイント(短さに応じたポイント)を付与する。つまり、ポイントデータ(作成者用)610の対応する作成者の"迅速着手ポイント"の欄に、加算した迅速着手ポイントを格納する。
【0049】
また、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ格納部711の管理データ(確認者用)520を監視する。監視の結果、迅速着手ポイント付与部702は、いずれかの確認者のいずれかの業務フローにおいて、"差し戻し日"または"申請日"に、新たに、差し戻し日を示すデータまたは申請日を示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、差し戻し日を示すデータまたは申請日を示すデータが格納されたと判定した場合、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ(確認者用)520の"稟議書起案日"を参照する。これにより、迅速着手ポイント付与部702は、対応する確認者の対応する業務フローの欄に格納された、稟議書起案日を示すデータを読み出す。
【0050】
また、迅速着手ポイント付与部702は、稟議書起案日を示すデータと差し戻し日を示すデータとに基づいて、対応する確認者が、稟議書を受領してから差し戻すまでに要した日数を算出する。あるいは、迅速着手ポイント付与部702は、差し戻し日を示すデータが格納されることなく申請日を示すデータが格納されていた場合にあっては、対応する確認者が、稟議書を受領してから申請を行うまでに要した日数を算出する。なお、迅速着手ポイント付与部702では、稟議書起案日を示すデータと申請日を示すデータとに基づいて、稟議書を受領してから申請を行うまでに要した日数を算出する。
【0051】
更に、迅速着手ポイント付与部702は、算出した日数が所定日数以下であった場合、対応する確認者が属する申請部門に、迅速着手ポイント(短さに応じたポイント)を付与する。つまり、ポイントデータ(申請部門用)620の対応する申請部門の"迅速着手ポイント"の欄に、加算した迅速着手ポイントを格納する。
【0052】
早期完了ポイント付与部703は、管理データ格納部711の管理データ(作成者用)510を監視し、いずれかの作成者のいずれかの業務フローにおいて、"稟議書起案日"に、新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたと判定した場合、早期完了ポイント付与部703は、当該月の締め日を示すデータを取得する。
【0053】
また、早期完了ポイント付与部703は、稟議書起案日を示すデータと締め日を示すデータとに基づいて、稟議書を起案してから締め日までの間の日数を算出する。更に、早期完了ポイント付与部703は、算出した日数を、長さに応じてランク分けし、ランクに応じた早期完了ポイント(長さに応じたポイント)を、対応する作成者に付与する。つまり、ポイントデータ(作成者用)610の対応する作成者の"早期完了ポイント"の欄に、加算した早期完了ポイントを格納する。
【0054】
また、早期完了ポイント付与部703は、管理データ格納部711の管理データ(確認者用)520を監視し、いずれかの確認者のいずれかの業務フローにおいて、"申請日"に、新たに、申請日を示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、申請日を示すデータが格納されたと判定した場合、早期完了ポイント付与部703は、当該月の締め日を示すデータを取得する。
【0055】
また、早期完了ポイント付与部703は、申請日を示すデータと締め日を示すデータとに基づいて、稟議書を申請してから締め日までの間の日数を算出する。更に、早期完了ポイント付与部703は、算出した日数を、長さに応じてランク分けし、ランクに応じた早期完了ポイント(長さに応じたポイント)を、対応する確認者が属する申請部門に付与する。つまり、ポイントデータ(申請部門用)620の対応する申請部門の"早期完了ポイント"の欄に、加算した早期完了ポイントを格納する。
【0056】
完成度ポイント付与部704は、管理データ格納部711の管理データ(作成者用)510を監視し、いずれかの作成者のいずれかの業務フローにおいて、"稟議書起案日"に、新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたと判定した場合、完成度ポイント付与部704は、対応する作成者に完成度ポイントを付与する。つまり、ポイントデータ(作成者用)610の対応する作成者の"完成度ポイント"の欄に、加算した完成度ポイントを格納する。
【0057】
また、完成度ポイント付与部704は、管理データ格納部711の管理データ(作成者用)510を監視し、いずれかの作成者のいずれかの業務フローにおいて、"確認者からの差し戻し有無"に、新たに、差し戻し有りを示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、差し戻し有りを示すデータが格納されたと判定した場合、完成度ポイント付与部704は、対応する作成者の完成度ポイントを削減する。つまり、ポイントデータ(作成者用)610の対応する作成者の"完成度ポイント"の欄に、減算した迅速着手ポイントを格納する。
【0058】
また、完成度ポイント付与部704は、管理データ格納部711の管理データ(確認者用)520を監視し、いずれかの確認者のいずれかの業務フローにおいて、"申請日"に、新たに、申請日を示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、申請日を示すデータが格納されたと判定した場合、完成度ポイント付与部704は、対応する確認者が属する申請部門に完成度ポイントを付与する。つまり、ポイントデータ(申請部門用)620の対応する申請部門の"完成度ポイント"の欄に、加算した完成度ポイントを格納する。
【0059】
また、完成度ポイント付与部704は、管理データ格納部711の管理データ(確認者用)520を監視し、いずれかの確認者のいずれかの業務フローにおいて、"審査者からの差し戻し有無"に、新たに、差し戻し有りを示すデータが格納されたか否かを判定する。新たに、差し戻し有りを示すデータが格納されたと判定した場合、完成度ポイント付与部704は、対応する確認者が属する申請部門の完成度ポイントを削減する。つまり、ポイントデータ(申請部門用)620の対応する申請部門の"完成度ポイント"の欄に、減算した完成度ポイントを格納する。
【0060】
デジタル化ポイント付与部705は、管理データ格納部711の管理データ(作成者用)510を監視し、いずれかの作成者のいずれかの業務フローにおいて、"デジタル化を実現した日"に、デジタル化を実現した日を示すデータが格納されているか否かを判定する。デジタル化を実現した日を示すデータが格納されていると判定した場合、デジタル化ポイント付与部705は、現在日時を取得し、現在日時が属する月が、デジタル化を実現した日が属する月と同一月であるか否か判定する。また、同一月であると判定した場合、デジタル化ポイント付与部705は、当該月の締め日に到達したタイミングで、対応する作成者にデジタル化ポイントを付与する。つまり、ポイントデータ(作成者用)610の対応する作成者の"デジタル化ポイント"の欄に、加算したデジタル化ポイントを格納する。これにより、デジタル化ポイント付与部705は、1つの取引先について、対応する作成者に対して、1回のみデジタル化ポイントを付与することができる。
【0061】
ただし、デジタル化ポイント付与部705は、デジタル化ポイントを、対応する作成者に対して複数回付与するように構成してもよい。例えば、デジタル化を実現した日から1年以内であれば、毎月、締め日に到達したタイミングで、対応する作成者にデジタル化ポイントを付与するように構成してもよい。
【0062】
この場合、デジタル化ポイント付与部705は、現在日時が属する月が、デジタル化を実現した日が属する月から1年以内であるか否か判定する。また、1年以内であると判定した場合、デジタル化ポイント付与部705は、当該月の締め日に到達したタイミングで、対応する作成者にデジタル化ポイントを付与する。つまり、ポイントデータ(作成者用)610の対応する作成者の"デジタル化ポイント"の欄に、加算したデジタル化ポイントを格納する。これにより、デジタル化ポイント付与部705は、1つの取引先について、対応する作成者に対して、1年間にわたり継続してデジタル化ポイントを付与することができる。
【0063】
集計部706は、ポイントデータ格納部712に格納されたポイントデータ(作成者用)610を、締め日ごと、作成者ごとに集計する。また、集計部706は、ポイントデータ格納部712に格納されたポイントデータ(申請部門用)620を、締め日ごと、申請部門ごとに集計する。
【0064】
また、集計部706は、ポイントデータ(作成者用)610を集計する際、迅速着手ポイントについては、当該月に、対応する作成者が属する申請部門において申請された稟議書の総数に応じて調整する。また、集計部706は、ポイントデータ(作成者用)610を集計する際、早期完了ポイントについては、当該月に、対応する作成者が属する申請部門において申請された稟議書の総数に応じて調整する。
【0065】
同様に、集計部706は、ポイントデータ(申請部門用)620を集計する際、迅速着手ポイントについては、当該月に、対応する申請部門において申請された稟議書の総数に応じて調整する。また、集計部706は、ポイントデータ(申請部門用)620を集計する際、早期完了ポイントについては、当該月に、対応する申請部門において申請された稟議書の総数に応じて調整する。
【0066】
<管理データ取得処理の流れ>
次に、業務管理装置110の管理データ取得部701による管理データ取得処理の流れについて説明する。なお、説明は、管理データ(作成者用)510を取得するための処理と、管理データ(確認者用)520を取得するための処理とに分けて行う。
【0067】
(1)管理データ(作成者用)取得処理の流れ
はじめに、管理データ(作成者用)510を取得するための管理データ(作成者用)取得処理の流れについて説明する。
図8は、管理データ取得処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【0068】
ステップS801において、管理データ取得部701は、取引先にて発行された請求書が作成者によって受領されたことを検知したか否かを判定する。ステップS801において、検知したと判定した場合には(ステップS801においてYESの場合には)、ステップS802に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS801においてNOの場合には)、ステップS803に進む。
【0069】
ステップS802において、管理データ取得部701は、作成者によって受領された請求書に含まれる発行日を、請求書発行日を示すデータとして抽出する。また、管理データ取得部701は、抽出した請求書発行日を示すデータを、管理データ(作成者用)510内の"請求書発行日"の欄であって、対応する作成者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0070】
ステップS803において、管理データ取得部701は、稟議書が作成者によって起案されたことを検知したか否かを判定する。ステップS803において、検知したと判定した場合には(ステップS803においてYESの場合には)、ステップS804に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS803においてNOの場合には)、ステップS805に進む。
【0071】
ステップS804において、管理データ取得部701は、作成者によって稟議書が起案された日を、稟議書起案日を示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、取得した稟議書起案日を示すデータを、管理データ(作成者用)510内の"稟議書起案日"の欄であって、対応する作成者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0072】
ステップS805において、管理データ取得部701は、稟議書が確認者によって作成者に差し戻されたことを検知したか否かを判定する。ステップS805において、検知したと判定した場合には(ステップS805においてYESの場合には)、ステップS806に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS805においてNOの場合には)、ステップS807に進む。
【0073】
ステップS806において、管理データ取得部701は、確認者によって稟議書が作成者に差し戻されたことを、差し戻し有りを示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、取得した差し戻し有りを示すデータを、管理データ(作成者用)510内の"確認者からの差し戻し有無"の欄であって、対応する作成者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0074】
ステップS807において、管理データ取得部701は、取引先の請求書がデジタル化されたことを検知したか否かを判定する。ステップS807において、検知したと判定した場合には(ステップS807においてYESの場合には)、ステップS808に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS807においてNOの場合には)、ステップS809に進む。
【0075】
ステップS808において、管理データ取得部701は、請求書のデジタル化を実現した日を、デジタル化を実現した日を示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、デジタル化を実現した日を示すデータを、管理データ(作成者用)510内の"デジタル化を実現した日"の欄であって、対応する作成者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0076】
ステップS809において、管理データ取得部701は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS809において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS809においてNOの場合には)、ステップS801に戻る。
【0077】
一方、ステップS809において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS809においてYESの場合には)、管理データ(作成者用)取得処理を終了する。
【0078】
管理データ(作成者用)取得処理が終了すると、管理データ(作成者用)510はリセットされる。その後、次の締め日に向けて、再び、管理データ(作成者用)取得処理が開始され、請求書発行日を示すデータ、稟議書起案日を示すデータ、差し戻し有りを示すデータが管理データ(作成者用)510に新たに格納されていく。ただし、デジタル化ポイントを複数回付与するケースにあっては、デジタル化を実現した日を示すデータはリセットされず、対応する作成者、対応する業務フローの欄に複数回にわたって引き継がれるものとする。
【0079】
(2)管理データ(確認者用)取得処理の流れ
次に、管理データ(確認者用)520を取得するための管理データ(確認者用)取得処理の流れについて説明する。
図9は、管理データ取得処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【0080】
ステップS901において、管理データ取得部701は、作成者によって稟議書が起案され、確認者によって受領されたことを検知したか否かを判定する。ステップS901において、検知したと判定した場合には(ステップS901においてYESの場合には)、ステップS902に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS901においてNOの場合には)、ステップS903に進む。
【0081】
ステップS902において、管理データ取得部701は、作成者によって稟議書が起案され、確認者によって受領された日を、稟議書起案日を示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、取得した稟議書起案日を示すデータを、管理データ(確認者用)520内の"稟議書起案日"の欄であって、対応する確認者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0082】
ステップS903において、管理データ取得部701は、稟議書が確認者によって作成者に差し戻されたことを検知したか否かを判定する。ステップS903において、検知したと判定した場合には(ステップS903においてYESの場合には)、ステップS904に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS903においてNOの場合には)、ステップS905に進む。
【0083】
ステップS904において、管理データ取得部701は、確認者によって稟議書が差し戻された日を、差し戻し日を示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、取得した差し戻し日を示すデータを、管理データ(確認者用)520内の"差し戻し日"の欄であって、対応する確認者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0084】
ステップS905において、管理データ取得部701は、稟議書が確認者によって承認部門に申請されたことを検知したか否かを判定する。ステップ905において、検知したと判定した場合には(ステップS905においてYESの場合には)、ステップS906に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS905においてNOの場合には)、ステップS907に進む。
【0085】
ステップS906において、管理データ取得部701は、確認者によって稟議書が申請された日を、申請日を示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、取得した申請日を示すデータを、管理データ(確認者用)520内の"申請日"の欄であって、対応する確認者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0086】
ステップS907において、管理データ取得部701は、稟議書が審査者によって確認者に差し戻されたことを検知したか否かを判定する。ステップS907において、検知したと判定した場合には(ステップS907においてYESの場合には)、ステップS908に進み、検知していないと判定した場合には(ステップS907においてNOの場合には)、ステップS909に進む。
【0087】
ステップS908において、管理データ取得部701は、稟議書が審査者によって差し戻されたことを、差し戻し有りを示すデータとして取得する。また、管理データ取得部701は、差し戻し有りを示すデータを、管理データ(確認者用)520内の"審査者からの差し戻し有無"の欄であって、対応する確認者の対応する業務フローの欄に格納する。
【0088】
ステップS909において、管理データ取得部701は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS909において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS909においてNOの場合には)、ステップS901に戻る。
【0089】
一方、ステップS909において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS909においてYESの場合には)、管理データ(確認者用)取得処理を終了する。
【0090】
管理データ(確認者用)取得処理が終了すると、管理データ(確認者用)520はリセットされる。その後、次の締め日に向けて、再び、管理データ(確認者用)取得処理が開始され、稟議書起案日を示すデータ、差し戻し日を示すデータ、申請日を示すデータ、差し戻し有りを示すデータが管理データ(確認者用)520に新たに格納されていく。
【0091】
<迅速着手ポイント付与処理の流れ>
次に、業務管理装置110における迅速着手ポイント付与処理の流れについて説明する。なお、説明は、作成者用の迅速着手ポイント付与処理と、申請部門用の迅速着手ポイント付与処理とに分けて行う。
【0092】
(1)迅速着手ポイント付与処理(作成者用)の流れ
はじめに、迅速着手ポイント付与処理(作成者用)の流れについて説明する。
図10は、迅速着手ポイント付与処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【0093】
ステップS1001において、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ(作成者用)510内を監視し、新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1001において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1001においてNOの場合には)、ステップS1005に進む。
【0094】
一方、ステップS1001において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1001においてYESの場合には)、ステップS1002に進む。
【0095】
ステップS1002において、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ(作成者用)510内の対応する欄に格納されている、請求書発行日を示すデータを読み出す。なお、管理データ(作成者用)510内の対応する欄とは、ステップS1001において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納された欄の作成者及び業務フローと、同じ作成者、同じ業務フローにおける"請求書発行日"の欄を指す。
【0096】
ステップS1003において、迅速着手ポイント付与部702は、請求書発行日を示すデータと、稟議書起案日を示すデータとに基づいて、請求書発行日から稟議書起案日までの日数を算出する。また、迅速着手ポイント付与部702は、算出した日数が所定日数以下であるか否かを判定する。
【0097】
ステップS1003において、所定日数以下ではないと判定した場合には(ステップS1003においてNOの場合には)、ステップS1005に進む。一方、ステップS1003において、所定日数以下であると判定した場合には(ステップS1003においてYESの場合には)、ステップS1004に進む。
【0098】
ステップS1004において、迅速着手ポイント付与部702は、対応する作成者に迅速着手ポイントを付与する。つまり、迅速着手ポイント付与部702は、加算した迅速着手ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610の、対応する作成者の欄に格納する。
【0099】
なお、迅速着手ポイント付与部702が、対応する作成者に迅速着手ポイントを付与する際のポイント数は、符号1010に示すように任意である。例えば、固定のポイント数P1を付与するように構成してもよい。あるいは、請求書発行日から稟議書起案日までの日数と、所定日数との差分に係数をかけ合わせることで算出されるポイント数Pxを付与するように構成してもよい。あるいは、請求書発行日から稟議書起案日までの日数が、
・所定日数の1/3以下の場合に、ポイント数P3を付与し、
・所定日数の1/3より大きく、かつ、所定日数の2/3以下の場合に、ポイント数P2を付与し、
・所定日数の2/3より大きく、かつ、所定日数以下の場合に、ポイント数P1を付与する、
ように構成してもよい。
【0100】
ステップS1005において、迅速着手ポイント付与部702は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1005において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1005においてNOの場合には)、ステップS1001に戻る。
【0101】
一方、ステップS1005において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1005においてYESの場合には)、ステップS1006に進む。
【0102】
ステップS1006において、集計部706は、前月の締め日の翌日から今月の締め日までの間に申請部門により申請された稟議書の総数を算出する。また、集計部706は、算出した稟議書の総数に基づいて、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610に格納されている迅速着手ポイントを調整する。
【0103】
集計部706は、例えば、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610に格納されている迅速着手ポイントを、算出した稟議書の総数で除算し、所定の係数を乗算することにより調整する。
【0104】
(2)迅速着手ポイント付与処理(申請部門用)の流れ
次に、迅速着手ポイント付与処理(申請部門用)の流れについて説明する。
図11は、迅速着手ポイント付与処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【0105】
ステップS1101において、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ(確認者用)520内を監視し、新たに、差し戻し日を示すデータまたは申請日を示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1101において、差し戻し日を示すデータまたは申請日を示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1101においてNOの場合には)、ステップS1105に進む。
【0106】
一方、ステップS1101において、差し戻し日を示すデータまたは申請日を示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1101においてYESの場合には)、ステップS1102に進む。
【0107】
ステップS1102において、迅速着手ポイント付与部702は、管理データ(確認者用)520内の対応する欄に格納されている、稟議書起案日を示すデータを読み出す。なお、管理データ(確認者用)520内の対応する欄とは、ステップS1101において、差し戻し日を示すデータまたは申請日を示すデータが新たに格納された欄の確認者及び業務フローと、同じ確認者、同じ業務フローにおける"稟議書起案日"の欄を指す。
【0108】
ステップS1103において、迅速着手ポイント付与部702は、稟議書起案日を示すデータと、差し戻し日を示すデータとに基づいて、稟議書起案日から差し戻し日までの日数を算出する。あるいは、迅速着手ポイント付与部702は、差し戻し日を示すデータが格納されていなかった場合にあっては、稟議書起案日を示すデータと、申請日を示すデータとに基づいて、稟議書起案日から申請日までの日数を算出する。また、迅速着手ポイント付与部702は、算出した日数が所定日数以下であるか否かを判定する。
【0109】
ステップS1103において、所定日数以下ではないと判定した場合には(ステップS1103においてNOの場合には)、ステップS1105に進む。一方、ステップS1103において、所定日数以下であると判定した場合には(ステップS1103においてYESの場合には)、ステップS1104に進む。
【0110】
ステップS1104において、迅速着手ポイント付与部702は、対応する確認者が属する申請部門に迅速着手ポイントを付与する。つまり、迅速着手ポイント付与部702は、加算した迅速着手ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620の、対応する確認者が属する申請部門の欄に格納する。
【0111】
なお、迅速着手ポイント付与部702が、対応する確認者が属する申請部門に迅速着手ポイントを付与する際のポイント数は、符号1110に示すように任意である。例えば、固定のポイント数P1を付与するように構成してもよい。あるいは、稟議書起案日から差し戻し日または申請日までの日数と、所定日数との差分に係数をかけ合わせることで算出されるポイント数Pxを付与するように構成してもよい。あるいは、稟議書起案日から差し戻し日または申請日までの日数が、
・所定日数の1/3以下の場合に、ポイント数P3を付与し、
・所定日数の1/3より大きく、かつ、所定日数の2/3以下の場合に、ポイント数P2を付与し、
・所定日数の2/3より大きく、かつ、所定日数以下の場合に、ポイント数P1を付与する、
ように構成してもよい。
【0112】
ステップS1105において、迅速着手ポイント付与部702は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1105において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1105においてNOの場合には)、ステップS1101に戻る。
【0113】
一方、ステップS1105において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1105においてYESの場合には)、ステップS1106に進む。
【0114】
ステップS1106において、集計部706は、前月の締め日の翌日から今月の締め日までの間に申請部門により申請された稟議書の総数を算出する。また、集計部706は、算出した稟議書の総数に基づいて、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620に格納されている迅速着手ポイントを調整する。
【0115】
集計部706は、例えば、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620に格納されている迅速着手ポイントを、算出した稟議書の総数で除算し、所定の係数を乗算することにより調整する。
【0116】
<早期完了ポイント付与処理の流れ>
次に、業務管理装置110における早期完了ポイント付与処理の流れについて説明する。なお、説明は、作成者用の早期完了ポイント付与処理と、申請部門用の早期完了ポイント付与処理とに分けて行う。
【0117】
(1)早期完了ポイント付与処理(作成者用)の流れ
はじめに、早期完了ポイント付与処理(作成者用)の流れについて説明する。
図12は、早期完了ポイント付与処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【0118】
ステップS1201において、早期完了ポイント付与部703は、管理データ(作成者用)510内を監視し、新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1201において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1201においてNOの場合には)、ステップS1205に進む。
【0119】
一方、ステップS1201において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1201においてYESの場合には)、ステップS1202に進む。
【0120】
ステップS1202において、早期完了ポイント付与部703は、今月の請求書の締め日を特定する。
【0121】
ステップS1203において、早期完了ポイント付与部703は、稟議書起案日を示すデータと締め日を示すデータとに基づいて、稟議書起案日から締め日までの日数を算出し、算出した日数に応じてランク付けを行う。
【0122】
早期完了ポイント付与部703は、例えば、稟議書起案日から締め日までの日数が20日~30日であった場合、当該日数をランク1に分類する。また、早期完了ポイント付与部703は、例えば、稟議書起案日から締め日までの日数が10日~19日であった場合、当該日数をランク2に分類する。また、早期完了ポイント付与部703は、例えば、稟議書起案日から締め日までの日数が0日~9日であった場合、当該日数をランク3に分類する。
【0123】
ステップS1204において、早期完了ポイント付与部703は、対応する作成者に、ランクに応じた早期完了ポイントを付与する。つまり、早期完了ポイント付与部703は、ランクに応じて加算した早期完了ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610の、対応する作成者の欄に格納する。
【0124】
なお、早期完了ポイント付与部703が、対応する作成者に早期完了ポイントを付与する際のポイント数は、符号1210に示すように任意である。例えば、ランク1及びランク2に分類された場合には、固定のポイント数p1を付与し、ランク3に分類された場合には、ポイント数ゼロを付与するように構成してもよい。あるいは、ランク1に分類された場合には、固定のポイント数p2を付与し、ランク2に分類された場合には、固定のポイント数p1を付与し、ランク3に分類された場合には、ポイント数ゼロを付与するように構成してもよい。あるいは、ランク1及びランク2に分類された場合には、変動のポイント数を付与するように構成してもよい。具体的には、稟議書起案日から締め日までの日数(ただし、10日以上の場合に限る)に係数をかけ合わせることで算出されるポイント数pxを付与するように構成してもよい。
【0125】
ステップS1205において、早期完了ポイント付与部703は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1205において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1205においてNOの場合には)、ステップS1201に戻る。
【0126】
一方、ステップS1205において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1205においてYESの場合には)、ステップS1206に進む。
【0127】
ステップS1206において、集計部706は、前月の締め日の翌日から今月の締め日までの間に申請部門により申請された稟議書の総数を算出する。また、集計部706は、算出した稟議書の総数に基づいて、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610に格納されている早期完了ポイントを調整する。
【0128】
集計部706は、例えば、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610に格納されている早期完了ポイントを、算出した稟議書の総数で除算することにより調整する。
【0129】
(2)早期完了ポイント付与処理(申請部門用)の流れ
次に、早期完了ポイント付与処理(申請部門用)の流れについて説明する。
図13は、早期完了ポイント付与処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【0130】
ステップS1301において、早期完了ポイント付与部703は、管理データ(確認者用)520内を監視し、新たに、申請日を示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1301において、申請日を示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1301においてNOの場合には)、ステップS1305に進む。
【0131】
一方、ステップS1301において、申請日を示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1301においてYESの場合には)、ステップS1302に進む。
【0132】
ステップS1302において、早期完了ポイント付与部703は、今月の請求書の締め日を特定する。
【0133】
ステップS1303において、早期完了ポイント付与部703は、申請日を示すデータと締め日を示すデータとに基づいて、申請日から締め日までの日数を算出し、算出した日数に応じてランク付けを行う。
【0134】
早期完了ポイント付与部703は、例えば、申請日から締め日までの日数が20日~30日であった場合、当該日数をランク1に分類する。また、早期完了ポイント付与部703は、例えば、申請日から締め日までの日数が10日~19日であった場合、当該日数をランク2に分類する。また、早期完了ポイント付与部703は、例えば、申請日から締め日までの日数が0日~9日であった場合、当該日数をランク3に分類する。
【0135】
ステップS1304において、早期完了ポイント付与部703は、対応する確認者が属する申請部門に、ランクに応じた早期完了ポイントを付与する。つまり、早期完了ポイント付与部703は、ランクに応じて加算した早期完了ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610の、対応する確認者が属する申請部門に格納する。
【0136】
なお、早期完了ポイント付与部703が、対応する確認者が属する申請部門に早期完了ポイントを付与する際のポイント数は、符号1310に示すように任意である。例えば、ランク1及びランク2に分類された場合には、固定のポイント数p1を付与し、ランク3に分類された場合には、ポイント数ゼロを付与するように構成してもよい。あるいは、ランク1に分類された場合には、固定のポイント数p2を付与し、ランク2に分類された場合には、固定のポイント数p1を付与し、ランク3に分類された場合には、ポイント数ゼロを付与するように構成してもよい。あるいは、ランク1及びランク2に分類された場合には、変動のポイント数を付与するように構成してもよい。具体的には、稟議書起案日から締め日までの日数(ただし、10日以上の場合に限る)に係数をかけ合わせることで算出されるポイント数pxを付与するように構成してもよい。
【0137】
ステップS1305において、早期完了ポイント付与部703は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1305において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1305においてNOの場合には)、ステップS1301に戻る。
【0138】
一方、ステップS1305において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1305においてYESの場合には)、ステップS1306に進む。
【0139】
ステップS1306において、集計部706は、前月の締め日の翌日から今月の締め日までの間に申請部門により申請された稟議書の総数を算出する。また、集計部706は、算出した稟議書の総数に基づいて、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620に格納されている早期完了ポイントを調整する。
【0140】
集計部706は、例えば、今月の締め日の時点でポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620に格納されている早期完了ポイントを、算出した稟議書の総数で除算することにより調整する。
【0141】
<完成度ポイント付与処理の流れ>
次に、業務管理装置110における完成度ポイント付与処理の流れについて説明する。なお、説明は、作成者用の完成度ポイント付与処理と、申請部門用の完成度ポイント付与処理とに分けて行う。
【0142】
(1)完成度ポイント付与処理(作成者用)の流れ
はじめに、完成度ポイント付与処理(作成者用)の流れについて説明する。
図14は、完成度ポイント付与処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【0143】
ステップS1401において、完成度ポイント付与部704は、管理データ(作成者用)510内を監視し、新たに、稟議書起案日を示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1401において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1401においてNOの場合には)、ステップS1405に進む。
【0144】
一方、ステップS1401において、稟議書起案日を示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1401においてYESの場合には)、ステップS1402に進む。
【0145】
ステップS1402において、完成度ポイント付与部704は、対応する作成者に完成度ポイントを付与する。つまり、完成度ポイント付与部704は、加算した完成度ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610の、対応する作成者の欄に格納する。
【0146】
ステップS1403において、完成度ポイント付与部704は、管理データ(作成者用)510内を監視し、新たに、差し戻し有りを示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1403において、差し戻し有りを示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1403においてNOの場合には)、ステップS1405に進む。
【0147】
一方、ステップS1403において、差し戻し有りを示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1403においてYESの場合には)、ステップS1404に進む。
【0148】
ステップS1404において、完成度ポイント付与部704は、対応する作成者から完成度ポイントを削減する。つまり、完成度ポイント付与部704は、減算した完成度ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610の、対応する作成者の欄に格納する。
【0149】
ステップS1405において、完成度ポイント付与部704は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1405において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1405においてNOの場合には)、ステップS1401に戻る。
【0150】
一方、ステップS1405において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1405においてYESの場合には)、完成度ポイント付与処理(作成者用)を終了する。
【0151】
(2)完成度ポイント付与処理(申請部門用)の流れ
次に、完成度ポイント付与処理(申請部門用)の流れについて説明する。
図15は、完成度ポイント付与処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【0152】
ステップS1501において、完成度ポイント付与部704は、管理データ(確認者用)520内を監視し、新たに、申請日を示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1501において、申請日を示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1501においてNOの場合には)、ステップS1505に進む。
【0153】
一方、ステップS1501において、申請日を示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1501においてYESの場合には)、ステップS1502に進む。
【0154】
ステップS1502において、完成度ポイント付与部704は、対応する確認者が属する申請部門に完成度ポイントを付与する。つまり、完成度ポイント付与部704は、加算した完成度ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620の、対応する確認者が属する申請部門の欄に格納する。
【0155】
ステップS1503において、完成度ポイント付与部704は、管理データ(確認者用)520内を監視し、新たに、差し戻し有りを示すデータが格納されたか否かを判定する。ステップS1503において、差し戻し有りを示すデータが新たに格納されていないと判定した場合には(ステップS1503においてNOの場合には)、ステップS1505に進む。
【0156】
一方、ステップS1503において、差し戻し有りを示すデータが新たに格納されたと判定した場合には(ステップS1503においてYESの場合には)、ステップS1504に進む。
【0157】
ステップS1504において、完成度ポイント付与部704は、対応する確認者が属する申請部門から完成度ポイントを削減する。つまり、完成度ポイント付与部704は、減算した完成度ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(申請部門用)620の、対応する確認者が属する申請部門の欄に格納する。
【0158】
ステップS1505において、完成度ポイント付与部704は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1505において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1505においてNOの場合には)、ステップS1501に戻る。
【0159】
一方、ステップS1505において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1505においてYESの場合には)、完成度ポイント付与処理(申請部門用)を終了する。
【0160】
<デジタル化ポイント付与処理の流れ>
次に、業務管理装置110におけるデジタル化ポイント付与処理の流れについて説明する。
図16は、デジタル化ポイント付与処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、デジタル化を実現した日から、1年以内は、対応する作成者に、締め日のタイミングでデジタル化ポイントを継続して付与するケースについて説明する。
【0161】
ステップS1601において、デジタル化ポイント付与部705は、管理データ(作成者用)510内を監視し、デジタル化を実現した日を示すデータが格納されているか否かを判定する。ステップS1601において、デジタル化を実現した日を示すデータが格納されていないと判定した場合には(ステップS1601においてNOの場合には)、デジタル化ポイント付与処理を終了する。
【0162】
一方、ステップS1601において、デジタル化を実現した日を示すデータが格納されていると判定した場合には(ステップS1601においてYESの場合には)、ステップS1602に進む。
【0163】
ステップS1602において、デジタル化ポイント付与部705は、デジタル化を実現した日を示すデータと、現在日時を示すデータとに基づいて、現在日時が、デジタル化を実現した日から1年以内であるか否かを判定する。ステップS1602において、1年を超えていると判定した場合には(ステップS1602においてNOの場合には)、デジタル化ポイント付与処理を終了する。
【0164】
一方、ステップS1602において、1年以内であると判定した場合には、ステップS1603に進む。
【0165】
ステップS1603において、デジタル化ポイント付与部705は、現在日時が締め日に到達したか否かを判定する。ステップS1603において、現在日時が締め日に到達していないと判定した場合には(ステップS1603においてNOの場合には)、ステップS1601に戻る。
【0166】
一方、ステップS1603において、現在日時が締め日に到達したと判定した場合には(ステップS1603においてYESの場合には)、ステップS1604に進む。
【0167】
ステップS1604において、デジタル化ポイント付与部705は、対応する作成者にデジタル化ポイントを付与する。つまり、デジタル化ポイント付与部705は、加算されたデジタル化ポイントを、ポイントデータ格納部712のポイントデータ(作成者用)610の、対応する作成者の欄に格納する。
【0168】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る業務管理システム100は、
・請求書の処理のための業務フローにおいて、請求書発行日及び稟議書起案日を管理する。
・請求書発行日から稟議書起案日までの日数の短さに応じたポイント、または、稟議書起案日から締め日までの日数の長さに応じたポイントを、作成者または確認者が属する申請部門に付与する。
【0169】
このように、第1の実施形態に係る業務管理システム100によれば、作成者または確認者は、締め日より前に各業務を遂行するようになるため、請求書の処理が締め日に集中することが無くなり、承認部門における処理負荷を平準化させることが可能になる。つまり、第1の実施形態に係る業務管理システム100によれば、請求書の処理のための業務フローにおいて、処理負荷を平準化するための仕組み(ポイントを付与する仕組み)を提供することができる。
【0170】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、締切日が定められている業務フローとして、請求書の処理のための業務フローを挙げ、当該業務フローにおいて、処理負荷を平準化するための仕組みとして、ポイントを付与する仕組みを提供するケースについて説明した。
【0171】
しかしながら、処理負荷を平準化するための仕組みの提供先は、請求書の処理のための業務フローに限定されず、請求書の処理以外の一般的な書類の処理のための業務フローであってもよい。
【0172】
以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0173】
<業務フローの概要>
はじめに、一般的な書類の処理のための業務フローについて説明する。
図17は、業務フローの概要を示す第2の図である。
図17に示す業務フローは、一般的な書類の処理のための業務フローであり、
・部門1710に属する第1業務遂行者1710_1及び第2業務遂行者1710_2と、
・部門1720に属する第1業務遂行者1720_1及び第2業務遂行者1720_2と、がそれぞれ遂行する業務の詳細を例示したものである。
【0174】
図17に示すように、部門1710に属する第1業務遂行者1710_1が遂行する業務には、
・書類の作成開始の指示を受領すること、
・書類を作成すること、
等が含まれる。また、部門1710に属する第2業務遂行者1710_2が遂行する業務には、
・第1業務遂行者1710_1により作成された書類を受領すること、
・受領した書類に不備がないかを確認すること、
・受領した書類に不備があった場合に、書類を第1業務遂行者1710_1に差し戻すこと、
・受領した書類に不備がなかった場合に、次部門に書類を提出すること、
等が含まれる。また、部門1720に属する第1業務遂行者1720_1が遂行する業務には、
・提出された書類を受領すること、
・受領した書類を審査すること、
・受領した書類が適正でなかった場合に、書類を部門1710に属する第2業務遂行者1710_2に差し戻すこと、
・受領した書類が適正であった場合に、書類を第2業務遂行者1720_2に提出すること、
等が含まれる。また、部門1720に属する第2業務遂行者1720_2が遂行する業務には、
・提出された書類を受領すること、
・受領した書類を承認すること、
・承認した書類を次部門に提出すること、
等が含まれる。
【0175】
なお、上記第1の実施形態で説明した、請求書の処理のための業務フローでは、申請部門と承認部門の2つの部門が携わる場合について示した。しかしながら、一般的な書類の処理のための業務フローでは、
図17に示すように、3つ以上の部門が携わってもよく、例えば、部門1710より前に、業務フローに携わる他の部門が含まれていてもよい。あるいは、部門1710と部門1720との間に、業務フローに携わる他の部門が含まれていてもよい。あるいは、部門1720の後に、業務フローに携わる他の部門が含まれていてもよい。
【0176】
ただし、
図17の例の場合、部門1710は、ポイントを付与するか否かを判定するために、業務の遂行状況を監視する対象である付与判定対象(第1業務遂行者1710_1、第2業務遂行者1710_2)が属する部門である。また、
図17の例の場合、部門1720は、部門1710により提出された書類が適正でなかった場合に、差し戻す権限を有する部門であって、かつ、部門1710により提出される書類を処理するにあたっての締切日を定める権限を有する部門である。なお、ここでいう、締切日は、業務フロー全体に対して定められた締切日と同じであっても、業務フロー全体に対して定められた締切日よりも前の締切日であってもよい。
【0177】
<ポイント付与処理の概要>
次に、業務管理装置110が、管理データに基づき、第1業務遂行者1710_1と、第2業務遂行者1710_2が属する部門1710とに、ポイントを付与するポイント付与処理の概要について説明する。
図18は、ポイント付与処理の概要を説明するための第2の図である。
【0178】
第2の実施形態において、業務管理装置110は、
図18に示すポイント付与ルール1800に従って、ポイント付与処理を行うものとする。
図18に示すように、ポイント付与ルール1800には、ポイントを付与するか否かを判定するために、各業務の遂行状況を監視する対象である付与判定対象が定められている。ポイント付与ルール1800によれば、第2の実施形態における付与判定対象は、第1業務遂行者1710_1及び第2業務遂行者1710_2である。
【0179】
また、
図18に示すように、ポイント付与ルール1800には、付与ポイント名、ポイントの定義、付与条件が定められている。ポイント付与ルール1800によれば、第2の実施形態における付与ポイント名には、"迅速着手ポイント"、"早期完了ポイント"、"完成度ポイント"、"業務効率化ポイント"が含まれる。
【0180】
また、ポイント付与ルール1800のポイントの定義によれば、
・"迅速着手ポイント"は、業務に迅速に着手した場合に付与されるポイント、
・"早期完了ポイント"は、業務を早期に完了させた場合に付与されるポイント、
・"完成度ポイント"は、業務の完成度が高い場合に付与されるポイント、
・"業務効率化ポイント"は、業務効率化を実現した場合に付与されるポイント、
である。
【0181】
また、ポイント付与ルール1800の付与条件によれば、
・"迅速着手ポイント"は、第1業務遂行者1710_1による業務遂行の開始が可能な日から業務完了日までの日数が短い場合に付与される。または、第2業務遂行者1710_2による業務遂行の開始が可能な日から差し戻し日(または次部門への提出日)までの日数が短い場合に付与される。
・"早期完了ポイント"は、第1業務遂行者1710_1による業務完了日から、締切日までの日数が長い場合、または、第2業務遂行者1710_2による次部門への提出日から、締切日までの日数が長い場合に付与される。
・"完成度ポイント"は、第2業務遂行者1710_2から第1業務遂行者1710_1への書類の差し戻しが無い場合、または、次部門から第2業務遂行者1710_2への書類の差し戻しが無い場合に付与される。
・"業務効率化ポイント"は、第1業務遂行者1710_1が、業務の効率化を実現した場合に付与される。
【0182】
また、ポイント付与ルール1800の付与対象によれば、
・付与判定対象である第1業務遂行者1710_1が付与条件を満たした場合、業務管理装置110は、第1業務遂行者1710_1にポイントを付与する。
・付与判定対象である第2業務遂行者1710_2が付与条件を満たした場合、業務管理装置110は、第2業務遂行者1710_2が属する部門1710にポイントを付与する。
【0183】
<管理データの具体例>
次に、管理データの具体例について説明する。
図17に示した一般的な書類の処理のための業務フローにおいて、上記第1の実施形態と同様に、迅速着手ポイント、早期完了ポイント、完成度ポイント、業務効率化ポイントを付与するには、業務管理装置110は、第1業務遂行者用として、
・"請求書発行日"に代えて、第1業務遂行者1710_1による書類作成の開始が可能な日(書類の作成開始の指示を受領した日)にあたる"業務遂行の開始が可能な日"を管理する、
・"稟議書起案日"に代えて、第1業務遂行者1710_1による書類の作成が完了した日にあたる"業務完了日"を管理する、
・"確認者からの差し戻し有無"に代えて、第2業務遂行者1710_2からの差し戻し有無を管理する、
・"デジタル化を実現した日"に代えて、第1業務遂行者1710_1が業務効率化に貢献した場合の"業務効率化を実現した日"を管理する、
ことになる。
【0184】
また、
図17に示した一般的な処理のための業務フローにおいて、上記第1の実施形態と同様に、迅速着手ポイント、早期完了ポイント、完成度ポイント、業務効率化ポイントを付与するには、業務管理装置110は、第2業務遂行者用として、
・"稟議書起案日"に代えて、第2業務遂行者1710_2による書類確認の開始が可能な日(書類の作成が完了した日)にあたる"業務遂行の開始が可能な日"を管理する、
・"差し戻し日"を管理する、
・"申請日"に代えて、第2業務遂行者1710_2が、次部門に書類を提出した日にあたる"次部門への提出日"を管理する、
・"審査者からの差し戻し有無"に代えて、次部門からの差し戻しの有無を管理する、
ことになる。
【0185】
図19は、管理データの一例を示す第2の図である。このうち、管理データ(第1業務遂行者用)1910は、第1業務遂行者1710_1用の管理データであり、第1業務遂行者1710_1にポイントを付与する際に参照される。
図5の管理データ(作成者用)510との相違点は、管理データ(第1業務遂行者用)1910の場合、情報の項目として、"業務遂行の開始が可能な日"、"業務完了日"が含まれる点である。更に、管理データ(第1業務遂行者用)1910の場合、情報の項目として、"第2業務遂行者からの差し戻し有無"、"業務効率化を実現した日"が含まれる点である。
【0186】
一方、管理データ(第2業務遂行者用)1920は、第2業務遂行者1710_2用の管理データであり、第2業務遂行者1710_2が属する部門1710にポイントを付与する際に参照される。
図5の管理データ(確認者用)520との相違点は、管理データ(第2業務遂行者用)1920の場合、情報の項目として、"業務遂行の開始が可能な日"、"次部門への提出日"、"次部門からの差し戻し有無"が含まれる点である。
【0187】
なお、第2の実施形態に係る業務管理システム100は、管理データ(第1業務遂行者用)1910に格納されるデータを、例えば、所定の業務システム(特定の業務遂行に特化し、効率化を叶えるためのシステム)との間で情報を送受信することにより検知する。同様に、第2の実施形態に係る業務管理システム100は、管理データ(第2業務遂行者用)1920に格納されるデータを、例えば、所定の業務システム(特定の業務遂行に特化し、効率化を叶えるためのシステム)との間で情報を送受信することにより検知する。
【0188】
<ポイントデータの具体例>
次に、ポイントデータの具体例について説明する。
図20は、ポイントデータの一例を示す第2の図である。
【0189】
このうち、ポイントデータ(第1業務遂行者用)2010には、第1業務遂行者1710_1に付与されたポイントが格納される。このため、ポイントデータ(第1業務遂行者用)2010には、情報の項目として、"迅速着手ポイント"、"早期管理ポイント"、"完成度ポイント"、"業務効率化ポイント"が含まれる。なお、ポイントデータ(第1業務遂行者用)2010には、第1業務遂行者ごとに分けてポイントが格納される。
【0190】
一方、ポイントデータ(部門用)2020には、部門(例えば、部門1710)に付与されたポイントが格納される。このため、ポイントデータ(部門用)2020には、情報の項目として、"迅速着手ポイント"、"早期管理ポイント"、"完成度ポイント"が含まれる。なお、ポイントデータ(部門用)2020には、部門ごとに分けてポイントが格納される。
【0191】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係る業務管理システム100は、
・締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する。
・業務遂行の開始が可能な日から業務が完了した日までの日数の短さに応じた迅速着手ポイント、または、業務が完了した日から締切日までの日数の長さに応じた早期完了ポイントを、業務遂行者または業務遂行者が属する部門に付与する。
【0192】
このように、第2の実施形態に係る業務管理システム100によれば、各業務遂行者は締切日より前に各業務を遂行するようになるため、一般的な書類の処理が、締切日に集中することが無くなり、処理負荷を平準化させることが可能になる。つまり、第2の実施形態に係る業務管理システム100によれば、締切日が定められた、一般的な処理のための業務フローにおいて、処理負荷を平準化するための仕組み(ポイントを付与する仕組み)を提供することができる。
【0193】
[その他の実施形態]
上記第1の実施形態では、申請書類として稟議書を挙げて説明したが、申請書類は稟議書に限定されず、稟議書以外の申請書類であっても、上記第1の実施形態に係る業務管理システム100が適用されうる。
【0194】
上記各実施形態では、処理負荷を平準化させるための動機付けとして、ポイントを付与することとしたが、処理負荷を平準化させるための動機付けは、ポイントの付与に限定されず、ポイント以外の任意の特典を付与してもよい。
【0195】
また、上記各実施形態では、処理負荷を平準化させるための動機付けとして、ポイントを付与することとしたが、付与したポイントを、業務遂行者及び部門に対する表彰及び評価につなげることで、動機付けをサポートするようにしてもよい。
【0196】
また、上記各実施形態では、業務管理システム100による付帯的な効果について言及しなかったが、上記各実施形態に係る業務管理システム100によれば、以下のような付帯的な効果が得られる。
・管理データ取得部701は、業務遂行者に、業務以外の追加の業務を遂行させることなく、管理データを取得することができる。
・集計部706は、迅速着手ポイント及び早期完了ポイントを集計する際に、稟議書の申請総数に応じて、迅速着手ポイント及び早期完了ポイントを調整するため、部門に属する業務遂行者の数等に伴う不公平が発生しない。
・管理データ取得部701により取得された管理データに基づいて、各種ポイントが算出されるため、人による恣意的な判断が介在することなく、各種ポイントを算出することができる。
・加算方式によるポイントの付与を基本とし、罰則によるポイントの減算を行わないため、動機付けの効果が高い。
【0197】
また、上記各実施形態では、電子稟議システムまたは業務システムを実現する装置について言及しなかったが、電子稟議システムまたは業務システムは、業務管理装置110とは別体の装置であって、ネットワーク140上の装置において実現されてもよい。あるいは、電子稟議システムまたは業務システムは、業務管理装置110において実現されてもよい。
【0198】
また、上記各実施形態では、業務管理装置110が、単体で業務管理プログラムを実行する場合について説明した。しかしながら、業務管理装置110は、例えば、複数台のコンピュータにより構成されてもよく、それぞれに業務管理プログラムをインストールすることで、業務管理プログラムが、分散コンピューティングの形態で実行されてもよい。
【0199】
なお、開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する管理部と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する付与部と
を有する業務管理システム。
(付記2)
前記管理部は、更に、前記業務の完成度を管理し、
前記付与部は、前記業務の完成度に応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する、
付記1に記載の業務管理システム。
(付記3)
前記管理部は、遂行される業務が効率化されているか否かを管理し、
前記付与部は、遂行される業務が効率化されていることに応じた特典を、前記業務遂行者に付与する、
付記1または2に記載の業務管理システム。
(付記4)
前記業務フローには、申請書類を作成し、申請する申請部門における業務と、前記申請書類の申請を審査し、承認する承認部門における業務とが含まれる、付記1乃至3のいずれかに記載の業務管理システム。
(付記5)
前記申請部門における業務には、前記申請書類を作成する業務と、作成された前記申請書類の不備の有無を確認し、不備があった場合に前記申請書類の作成者に差し戻し、不備がなかった場合に、作成された前記申請書類を前記承認部門に申請する業務とが含まれ、
前記承認部門における業務には、申請された前記申請書類の不備の有無を審査し、不備があった場合に、前記申請部門に差し戻す業務と、不備がなかった場合に、申請された前記申請書類を承認する業務とが含まれる、付記4に記載の業務管理システム。
(付記6)
前記管理部は、前記申請書類の作成開始が可能な日、前記申請書類の作成が完了した日、前記申請書類を前記作成者に差し戻した日、前記申請書類を前記承認部門に申請した日を管理し、
前記付与部は、
前記申請書類の作成開始が可能な日から前記申請書類の作成が完了した日までの日数の短さに応じた特典、または、前記申請書類の作成が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記申請書類の作成者に付与し、
前記申請書類の作成が完了した日から前記申請書類を前記作成者に差し戻した日または前記承認部門に申請した日までの日数の短さに応じた特典、または、前記申請書類を前記承認部門に申請した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記申請部門に付与する、付記5に記載の業務管理システム。
(付記7)
前記管理部は、前記申請部門における前記申請書類の確認者による前記申請書類の作成者への差し戻しの有無、及び、前記承認部門における前記申請書類の審査者による前記確認者への差し戻しの有無により、前記申請書類を作成する業務の完成度、及び、前記申請部門における業務の完成度を管理し、
前記付与部は、前記申請書類の作成者への差し戻しがなかった場合に、前記申請書類の作成者に、前記申請書類の完成度に応じた特典を付与し、前記確認者への差し戻しがなかった場合に、前記申請部門に、前記申請部門における業務の完成度に応じた特典を付与する、付記5または6に記載の業務管理システム。
(付記8)
前記管理部は、前記申請書類を作成する際に必要となる書類がデジタル化されているか否かを管理することで、前記業務が効率化されているか否かを管理し、
前記付与部は、前記申請書類を作成する際に必要となる書類がデジタル化されている場合に、前記業務が効率化されていることに応じた特典を、前記申請書類の作成者に付与する、
付記4乃至7のいずれかに記載の業務管理システム。
(付記9)
前記付与部は、前記締切日までに前記申請部門において作成された申請書類の総数に応じて、前記締切日までに付与した特典の一部を、前記締切日より後に調整する、
付記4乃至8のいずれかに記載の業務管理システム。
(付記10)
前記締切日までに付与された特典を、前記申請書類の作成者ごと、及び、前記申請部門ごとに集計する集計部を有する、
付記4乃至9のいずれかに記載の業務管理システム。
(付記11)
前記申請書類は請求書を処理するための稟議書であり、
前記付与部は、前記特典としてポイントを付与する、
付記4乃至10のいずれかに記載の業務管理システム。
(付記12)
前記管理部は、請求書の発行日及び稟議書の起案日を管理し、
前記付与部は、前記請求書の発行日から前記稟議書の起案日までの日数の短さに応じたポイント、または、前記稟議書の起案日から前記請求書の締め日までの日数の長さに応じたポイントを、前記稟議書の作成者に付与する、付記11に記載の業務管理システム。
(付記13)
前記管理部は、稟議書の起案日及び稟議書の申請日を管理し、
前記付与部は、前記申請部門に、前記稟議書の起案日から前記稟議書の申請日までの日数の短さに応じたポイント、または、前記稟議書の申請日から前記請求書の締め日までの日数の長さに応じたポイントを付与する、付記11または12に記載の業務管理システム。
(付記14)
前記管理部は、前記申請部門における前記稟議書の確認者による前記稟議書の作成者への差し戻しの有無を管理し、
前記付与部は、前記稟議書の確認者による前記稟議書の作成者への差し戻しがなかった場合に、前記稟議書の作成者に完成度に応じたポイントを付与する、
付記12または13に記載の業務管理システム。
(付記15)
前記付与部は、前記稟議書が起案された場合に、前記稟議書の作成者に完成度に応じたポイントを付与し、前記稟議書の確認者による前記稟議書の作成者への差し戻しがあった場合に、前記稟議書の作成者に付与した前記完成度に応じたポイントを削減する、付記14に記載の業務管理システム。
(付記16)
前記管理部は、前記承認部門における前記稟議書の審査者による、前記稟議書の確認者への差し戻しの有無を管理し、
前記付与部は、前記稟議書の審査者による前記稟議書の確認者への差し戻しがなかった場合に、前記申請部門に完成度に応じたポイントを付与する、
付記13乃至15のいずれかに記載の業務管理システム。
(付記17)
前記付与部は、前記稟議書が申請された場合に、前記申請部門に完成度に応じたポイントを付与し、前記承認部門における前記稟議書の審査者による前記稟議書の確認者への差し戻しがあった場合に、前記申請部門に付与した前記完成度に応じたポイントを削減する、付記16に記載の業務管理システム。
(付記18)
前記管理部は、前記請求書がデジタル化されているか否かを管理し、
前記付与部は、前記請求書がデジタル化されていることに応じたポイントを、前記稟議書の作成者に付与する、付記14に記載の業務管理システム。
(付記19)
コンピュータが、
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する工程と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する工程と
を実行する業務管理方法。
(付記20)
コンピュータに、
締切日が定められている業務フローに携わるそれぞれの業務遂行者と各々の業務について、業務遂行の開始が可能な日及び業務が完了した日を管理する工程と、
前記業務遂行の開始が可能な日から前記業務が完了した日までの日数の短かさに応じた特典、または、前記業務が完了した日から前記締切日までの日数の長さに応じた特典を、前記業務遂行者または前記業務遂行者が属する部門に付与する工程と
を実行させるための業務管理プログラム。
【0200】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0201】
100 :業務管理システム
110 :業務管理装置
121、122 :業務端末
131、132 :業務端末
400 :ポイント付与ルール
510 :管理データ(作成者用)
520 :管理データ(確認者用)
610 :ポイントデータ(作成者用)
620 :ポイントデータ(申請部門用)
701 :管理データ取得部
702 :迅速着手ポイント付与部
703 :早期完了ポイント付与部
704 :完成度ポイント付与部
705 :デジタル化ポイント付与部
706 :集計部
1800 :ポイント付与ルール
1910 :管理データ(第1業務遂行者用)
1920 :管理データ(第2業務遂行者用)
2010 :ポイントデータ(第1業務遂行者用)
2020 :ポイントデータ(部門用)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0202】
【特許文献1】特開2020-4306号公報
【特許文献2】特開2001-350887号公報