(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078387
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20240603BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240603BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20240603BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240603BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240603BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/50
H01L33/54
H01L33/00 J
H01L33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115117
(22)【出願日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2022190640
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】藤原 俊平
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA56
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB12
5F142CB15
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD18
5F142CD34
5F142CE03
5F142CE16
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG32
5F142CG45
5F142DA12
5F142DA72
5F142DB24
5F142EA12
5F142GA28
5F241AA23
5F241BB02
5F241BB12
5F241BC42
5F241BC44
5F241BC46
5F241BC47
5F241BC50
(57)【要約】
【課題】保護回路を有する発光装置を小型化する。
【解決手段】本発光装置は、第1面を備えた基板と、前記第1面の上に配置された光源と、前記第1面の上に配置され、平面視で前記光源の周囲に配置される被覆部材と、前記基板に配置された回路と、を有し、前記回路は、前記光源を駆動する駆動回路と、逆極性に直列に接続された2つの保護素子を有し、前記駆動回路と並列に接続される保護回路と、を含み、前記被覆部材は、2つの前記保護素子を被覆している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を備えた基板と、
前記第1面の上に配置された光源と、
前記第1面の上に配置され、平面視で前記光源の周囲に配置される被覆部材と、
前記基板に配置された回路と、を有し、
前記回路は、前記光源を駆動する駆動回路と、逆極性に直列に接続された2つの保護素子を有し、前記駆動回路と並列に接続される保護回路と、を含み、
前記被覆部材は、2つの前記保護素子を被覆している、発光装置。
【請求項2】
前記被覆部材は、平面視で前記光源を囲む枠状である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
2つの前記保護素子は、ベアチップである、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記回路に接続され、平面視で、前記第1面の外縁に沿って配置される複数の接続端子を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
複数の前記接続端子は、前記第1面の第1辺に沿って配置され、
前記被覆部材は平面視で前記光源を囲む矩形枠状であり、
前記被覆部材は、
前記第1辺の方向に延び、前記接続端子に近い側に配置される第1領域と、
前記第1辺の方向に延び、前記接続端子から遠い側に配置される第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域の各々の一端同士を接続する第3領域と、
前記第1領域と前記第2領域の各々の他端同士を接続する第4領域と、を含み、
2つの前記保護素子は、前記第1領域、前記第3領域、及び/又は前記第4領域に配置される、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
2つの前記保護素子は、前記第1領域のみに配置される、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光源は、複数の発光素子と、複数の前記発光素子を被覆する透光性部材と、を含み、
複数の前記発光素子が平面視で全体として矩形となるように配置される、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
複数の前記発光素子は青色発光素子であり、
前記透光性部材は赤色蛍光体を含む、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記駆動回路は集積回路を含み、
複数の前記発光素子は、第1発光素子と、前記第1発光素子と直列に接続された第2発光素子とを含み、前記第1発光素子と前記第2発光素子は前記集積回路に対して並列に接続されている、請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記駆動回路は集積回路を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記集積回路は平面視で矩形であり、前記被覆部材の外縁に沿って配置される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項12】
前記光源は、第1光源と、第2光源と、を含み、
前記駆動回路は、前記第1光源を駆動する第1駆動回路と、前記第2光源を駆動する第2駆動回路と、を含み、
前記第1駆動回路と前記第2駆動回路は独立駆動可能である、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に発光素子及び電子部品が実装された発光装置がある。このような発光装置において、発光素子を保護するために、保護回路が設けられる場合がある。例えば、抵抗などから構成された保護回路が、発光素子と並列に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、保護回路を有する発光装置の小型化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、第1面を備えた基板と、前記第1面の上に配置された光源と、前記第1面の上に配置され、平面視で前記光源の周囲に配置される被覆部材と、前記基板に配置された回路と、を有し、前記回路は、前記光源を駆動する駆動回路と、逆極性に直列に接続された2つの保護素子を有し、前記駆動回路と並列に接続される保護回路と、を含み、前記被覆部材は、2つの前記保護素子を被覆している。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、保護回路を有する発光装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
【
図2】
図1のII-II線における部分断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る発光装置の基板を例示する平面図である。
【
図4】第1実施形態に係る発光装置の回路図である。
【
図5】第1実施形態に係る発光装置における正極サージ及び負極サージの流れについて説明する図である。
【
図6】被覆部材及びその近傍を例示する部分平面図である。
【
図7】第2実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
【
図8】第2実施形態に係る発光装置の基板を例示する平面図である。
【
図9】第2実施形態に係る発光装置の回路図である。
【
図10】第2実施形態に係る発光装置2の被覆部材30で囲まれた領域(つまり発光装置2の発光面)を例示する部分平面図である。
【
図11】第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。
【
図12】第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。
【
図13】第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。
【
図14】第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。
【
図15】第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。
【
図16】第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる。しかし、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分または部材を示す。
【0009】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材料、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。また、本明細書における「矩形」とは、4つの角の角度について、90度±5度の変動が許容されることを意味し、矩形の角が面取り、丸められたもの等、これら矩形に近似する形状を包含する。
【0010】
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
図2は、
図1のII-II線における部分断面図である。
図3は、第1実施形態に係る発光装置の基板を例示する平面図である。
図4は、第1実施形態に係る発光装置の回路図である。
図5は、第1実施形態に係る発光装置における正極サージ及び負極サージの流れについて説明する図である。
【0011】
図1~
図4に示すように、発光装置1は、基板10と、光源20と、被覆部材30と、回路50とを有している。光源20と、被覆部材30と、回路50とは基板10に配置されている。被覆部材30は、光源の周囲に配置され、回路50の一部を被覆している。発光装置1は、例えば、自動車、バイク等のテールランプ及び/又はストップランプなどの車載照明装置に用いられ得る。
【0012】
基板10は、絶縁性を有する平板状の部材である。基板10は、第1面10aを備えている。第1面10aは、例えば、正方形や長方形である。第1面10aの各辺の長さは、例えば、1cm以上3cm以下程度とすることができる。第1面10aが正方形や長方形である場合、正方形や長方形の各角部に面取り等が設けられてもよい。なお、第1面10aは円形や多角形であってもよい。
【0013】
基板10は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等のセラミック材料から構成されている。基板10は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド等の絶縁性の樹脂材料から構成されてもよい。基板10は、金属部材の表面に絶縁性部材が配置されたものでもよい。
【0014】
基板10の第1面10aには、配線11と、配線11と接続された部品実装用のランド12が配置されている。配線11及びランド12は、金、銀、銅又はアルミニウム等の金属などの導電性を有する材料で構成され得る。
【0015】
発光装置1は、回路50に接続され、平面視で、基板10の第1面10aの外縁に沿って配置される複数の接続端子を有してもよい。
図1の例では、2つの接続端子15a及び15bが、平面視で、第1面10aの外縁に位置する第1辺10sに沿って配置され、配線11に接続されている。第1辺10sは、略矩形状を有する第1面10aにおいて、矩形の一辺を構成する。接続端子15a及び15bは、例えば、基板10を貫通する貫通孔10xの周囲にそれぞれ設けられ得る。
【0016】
接続端子15aは例えば電源入力端子であり、接続端子15bは例えばGND端子である。接続端子15a及び15bは、金、銀、銅又はアルミニウム等の金属などの導電性を有する材料で構成され得る。発光装置1をソケット等に搭載する際、それぞれの貫通孔10xに外部のプラグ(例えば給電端子)が通され、接続端子15a及び15bと電気的に接続され得る。なお、3つ以上の接続端子が、平面視で、第1面10aの外縁に沿って配置されてもよい。
【0017】
このように、複数の接続端子を第1面10aの外縁に沿って配置することにより、例えば、基板10に実装される光源や電子部品の直下にヒートシンクを配置する際に、ヒートシンクと複数の接続端子とが互いに干渉しにくくなる。
【0018】
発光装置1は、基板10の第1面10aに、配線11を被覆し、ランド12並びに接続端子15a及び15bを露出するソルダーレジスト層17が設けられてもよい。ソルダーレジスト層17は、例えば、感光性の絶縁樹脂等により配置することができる。なお、
図1において、ソルダーレジスト層17の図示は省略されている。
【0019】
光源20は、基板10の第1面10aの上に配置されている。光源20は、例えば、複数の発光素子21と、透光性部材22とを含む。光源20において、複数の発光素子21は、平面視で全体として矩形の発光領域を有するように行列状に配置され得る。
図1の例では、直列に接続された平面視矩形状の4つの発光素子21a、21b、21c、及び21dが平面視で全体として矩形となるように、2行2列に配置されている。そして、複数の発光素子21を被覆する透光性部材22の上面は略矩形状である。このようにすることで、被覆部材30を、光源20を囲む矩形枠状に配置することができるため、平面視矩形状の複数の電子部品を被覆部材30に沿って基板10の第1面10aに効率的に配置することができる。
【0020】
発光素子21a~21dは、部品実装用のランド12に実装されている。発光素子21a~21dは、基板10上にフリップチップ実装されていることが好ましい。フリップチップ実装では、共晶はんだ、導電ペースト、バンプ等の接合部材等を用いて発光素子21a~21dの電極と基板10上のランド12とが電気的に接合することができる。
【0021】
発光素子21a~21dは、例えば、発光ダイオードである。発光素子21a~21dは、所定の波長の光を発することができれば、その具体的構成は任意である。例えば、発光素子21a~21dは、LEDチップがパッケージに収められたものであってもよいし、LEDチップ単体(ベアチップ)であってもよい。発光素子21a~21dは、ベアチップが基板10上にフリップチップ実装されたものであることが好ましい。これにより、発光装置1の小型化が可能となる。
【0022】
発光素子21a~21dから発せられる光の波長は、発光装置1の用途に応じて適宜設定される。複数の発光素子21は、例えば、青色の光を発する青色発光素子である。この場合、例えば、発光素子21a~21dは、例えば、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を含む。発光素子21a~21dが青色発光する窒化物系半導体の発光素子である場合、発光素子21a~21dの順方向電圧は例えば2.6V以上である。
【0023】
透光性部材22は、平面視で被覆部材30の外縁よりも内側に位置し、発光素子21a~21dを被覆する。透光性部材22の上面は、被覆部材30の上面よりも上方に位置し、光源20の発光面(つまり発光装置1の発光面)を構成する。透光性部材22は、発光素子21a~21dから発せられた光が透過するよう、透光性を有する。透光性部材22は、例えば、樹脂を含む。樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透光性を有する公知の樹脂が挙げられる。なかでも、信頼性に優れるシリコーン樹脂(具体的にはフェニルシリコーン樹脂やジメチルシリコーン樹脂など)を好適に用いることができる。
【0024】
透光性部材22は、蛍光体を含有していてもよい。蛍光体は、発光素子21a~21dが発する光によって励起され、発光素子21a~21dが発する光の波長とは異なる波長の光を発する。一例として、発光素子21a~21dが青色発光素子である場合、透光性部材22は赤色蛍光体を含んでもよい。これにより、光源20の発光面から、赤色の光が出射され、赤色発光の発光装置1とすることができる。
【0025】
蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。
【0026】
被覆部材30は、基板10の第1面10aの上に配置され、平面視で光源20の周囲に配置される。つまり、発光素子21a~21d及び透光性部材22は、平面視で被覆部材30に囲まれる。換言すると、被覆部材30で囲まれた領域が発光装置1の発光面であり、被覆部材30により発光装置1の発光面が画定される。被覆部材30は、例えば、平面視で光源20を囲む枠状である。被覆部材30は、例えば、平面視で光源20を囲む矩形枠状や円形枠状であり得る。被覆部材30上に透光性部材22の一部が延伸してもよい。平面視で、被覆部材30の外縁と内縁との間の幅は、例えば、0.5mm以上1mm以下程度とすることができる。
【0027】
被覆部材30は、遮光性を有することが好ましい。被覆部材30は、例えば、樹脂を含む。被覆部材30は、遮光性を付与するために、透光性部材22で例示した透光性の樹脂に顔料が添加された樹脂を用い得る。被覆部材30において、反射性を高めるために、樹脂に白色顔料等のフィラーが添加されてもよい。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ガラスフィラーなどが好適に用いられ得る。また、被覆部材30は、さらに、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック等の黒色顔料を含有してもよい。
【0028】
回路50は、基板10に配置されている。具体的には、回路50は配線11と電子部品50a~50nとを含む。回路50を構成する電子部品50a~50nは、それぞれに対応する部品実装用のランド12に実装されている。電子部品50a~50nは、それぞれの電極が部品実装用のランド12にはんだ等により接続されてもよいし、ボンディングワイヤを介して接続されてもよい。なお、回路50は、電子部品50a~50n以外の電子部品を含んでいてもよい。
【0029】
図4に示すように、回路50は、光源20(具体的には発光素子21)を駆動する駆動回路51と、駆動回路51及び発光素子21を保護する保護回路52とを含む。
図4の例では、駆動回路51は、電子部品50i~50nから構成されている。
【0030】
電子部品50lは、発光素子21a~21dを駆動する集積回路である。発光素子21a~21dは、電子部品(集積回路)50lの出力側に直列に接続されている。電子部品50lには、電圧降下を生じる能動素子(例えば整流ダイオードなど)を介さずに、外部から電圧が供給されることが好ましい。これにより、外部から供給される電圧のより多くを、発光素子21a~21dを駆動するために使用することができる。発光素子21a~21dが青色発光ダイオードである場合、順方向電圧が比較的高いため、電子部品50lに能動素子を介さずに外部から電圧が供給される意義が大きい。駆動回路51は、電子部品50lとして集積回路を含むことにより、発光素子21a~21dに流れる電流値を制御することができる。
【0031】
電子部品50i~50kは、電子部品50lの動作電圧を設定する抵抗である。電子部品50mは、電子部品50lの出力電流を設定する抵抗である。電子部品50nは、電子部品50lの周辺温度を検出するサーミスタである。電子部品50lは、電子部品50nで検出した温度に基づいて、例えば、基板10の温度上昇時に発光素子21a~21dに流れる電流値を制御することができる。
【0032】
複数の発光素子21は、第1発光素子と、第1発光素子と直列に接続された第2発光素子とを含み、第1発光素子と第2発光素子は電子部品(つまり集積回路)50lに対して並列に接続されてもよい。
図4の例では、直列に接続された発光素子21a~21cが第1発光素子に相当し、発光素子21a~21cと直列に接続された発光素子21dが第2発光素子に相当する。
【0033】
駆動回路51は、第1発光素子及び第2発光素子(すなわち、直列に接続された発光素子21a~21dのすべて)を同時に発光させる第1動作モードと、第1発光素子のみ(すなわち、直列に接続された発光素子21a、21b、及び21c)を発光させる第2動作モードとを有してもよい。第2モードは、例えば、接続端子15aと接続端子15bとの間に印加される電圧が低下し、4つの発光素子の同時駆動が困難な場合に有効である。
【0034】
なお、駆動回路51は、集積回路を含む構成としてもよく、集積回路を含まない構成としてもよい。駆動回路51が集積回路を含む場合、発光素子21に大きな電流を供給できるため、発光素子21の発光強度を高くすることができる。発光素子21の発光強度を高くする必要がない場合は、駆動回路51は、例えば、集積回路の代わりにトランジスタを含む構成や、抵抗を介して外部から供給される電圧を発光素子21に印加する構成としてもよい。
【0035】
保護回路52は、逆極性に直列に接続された2つの保護素子を有し、駆動回路51と並列に接続される。保護回路52は、駆動回路51の入力側に配置される。保護素子は、電子部品50l及び発光素子21等を過大電圧から保護する。
図4の例では、電子部品50c及び50dが保護素子である。保護素子50c及び50dは、接続端子15aと接続端子15bとの間に逆極性に直列に接続されている。
【0036】
保護素子はダイオードであり、中でもツェナーダイオードが好ましい。保護素子は、発光装置1の小型化を考慮するとベアチップであることが好ましい。保護素子がベアチップであると、被覆部材30で被覆することが容易である。保護素子がベアチップである場合、例えば、1辺の長さが0.1mm以上0.3mm以下程度の直方体や立方体とすることができる。保護素子がツェナーダイオードである場合、発光素子21等を駆動するために必要な電圧を駆動回路51に供給する観点、駆動回路51及び発光素子21等を過大電圧から保護する観点から、ツェナー電圧の範囲は16~40V程度であることが好ましい。
【0037】
回路50は、必要に応じて駆動回路51及び保護回路52以外の回路を含んでもよい。
図4の例では、回路50は、駆動回路51及び保護回路52以外に、電子部品50a、50b、及び50e~50hを含む。
【0038】
電子部品50a及び50bは、ノイズ対策用のコンデンサであり、接続端子15aと接続端子15bとの間に直列に接続されている。電子部品50a及び50bは、例えば、無線等の電波ノイズ、ケーブルに誘起したノイズ等を低減することができる。電子部品50a及び50bは、電子部品50c及び50dよりも入力側に接続されている。なお、ここでは、接続端子15a及び15bに近い側を入力側と称し、発光素子21a~21dに近い側を出力側と称する。
【0039】
電子部品50e~50gは、逆接続保護回路であり、電子部品(コンデンサ)50c及び50dの出力側に接続されている。電子部品50eは抵抗であり、電子部品50fに流れる電流値を制御する。電子部品50fは電界効果型トランジスタ(MOSFET)であり、接続端子15bから接続端子15a側に電流が流れないようにする。電子部品50gはツェナーダイオードであり、接続端子15aから接続端子15a側に電流を流した際に、電子部品(MOSFET)50fの電子部品(抵抗)50e側にかかる電圧が最大定格を超えないように保護する。
【0040】
電子部品(抵抗)50eの一端は接続端子15aに接続され、他端は電子部品50fのゲート及び電子部品(ツェナーダイオード)50gのカソードと接続されている。また、電子部品50fのソースは接続端子15bと接続され、電子部品(ツェナーダイオード)50gのアノードは電子部品(MOSFET)50fのドレインと接続されている。この回路では、電子部品(MOSFET)50fのゲートがバイアスされていることにより、電子部品(MOSFET)50fのドレインとソースとの間の電圧降下が小さくなるため、消費電圧を抑えた逆接続保護回路を実現できる。
【0041】
電子部品50hは、ノイズ対策用のコンデンサであり、接続端子15aと接続端子15bとの間に接続されている。電子部品(コンデンサ)50hは、電子部品(逆接続保護回路)50e~50gよりも出力側かつ駆動回路51よりも入力側に接続されている。
【0042】
なお、
図4に示した回路構成は一例であり、発光装置1は別の回路構成を備えていてもよい。発光装置1の備える回路構成は、発光装置1の用途等に応じて適宜変更可能である。
【0043】
回路50において、接続端子15aと接続端子15bとの間には、通常、電源から数[v]から十数[v]程度の電圧が印加される。しかし、接続端子15aと接続端子15bとの間に100[v]を超えるパルス電圧等が印加される場合がある。
【0044】
例えば、発光装置1が自動車の照明装置に用いられる場合、接続端子15a及び15bはバッテリ及びオルタネータと接続される。オルタネータが他の電圧負荷に接続されている間に、接続端子15a及び15bとバッテリとの接続が切断されると、0[v]よりも正側に100[v]を超える正極サージが印加される場合がある。あるいは、自動車の整備などでバッテリの極性が反対に接続されると、0[v]よりも負側に100[v]を超える負極サージが印加される場合がある。
【0045】
この場合、回路50が電子部品50c及び50dからなる保護回路を有していないと、正極サージ及び負極サージは駆動回路51側に流れるため、電子部品(集積回路)50lや発光素子21等が破壊するおそれがある。本実施形態に係る発光装置1においては、回路50は、電子部品50c及び50dからなる保護回路を有しているため、
図5の実線で示すように正極サージS+の大部分は電子部品50c及び50dを通して接続端子15aから接続端子15bに流れる。また、
図5の破線で示すように負極サージS-の大部分は電子部品50c及び50dを通して接続端子15bから接続端子15aに流れる。これにより、電子部品50c及び50dの出力側には、電子部品50lや発光素子21等を破壊させるような過大電圧が印加されないため、電子部品50lや発光素子21等を過大電圧から保護することができる。
【0046】
発光装置1は、自動車等の車両に搭載されることを考慮して、小型であることが好ましい。仮に、保護素子である電子部品50c及び50dを平面視で被覆部材30の外側に配置したとすると、基板10の第1面10aの面積をより大きくする必要があるため、発光装置1の大型化につながる。そこで、
図1及び
図2に示すように、発光装置1では、保護回路を構成する電子部品50c及び50dを光源20の周囲に配置し、被覆部材30で被覆している。これにより、発光装置1は保護回路を有していない場合と同様の大きさとすることが可能となる。発光装置1を小型化する観点から、電子部品50c及び50dはベアチップであることが好ましい。
【0047】
図6は、被覆部材及びその近傍を例示する部分平面図である。
図6に示すように、接続端子15a及び15bは、第1面10aの外縁の1辺である第1辺10sに沿って配置され、被覆部材30は平面視で光源20を囲む矩形枠状に配置されている。そして、被覆部材30は、第1辺10sと平行な方向に延び、接続端子15a及び15bに近い側に配置される第1領域30aと、第1辺10sと平行な方向に延び、接続端子15a及び15bから遠い側に配置される第2領域30bと、第1領域30aと第2領域30bの各々の一端同士を接続する第3領域30cと、第1領域30aと第2領域30bの各々の他端同士を接続する第4領域30dとを含む。
【0048】
保護回路を構成する電子部品50c及び50dは、第1領域30a、第3領域30c、及び/又は第4領域30dのいずれかに配置されることが好ましい。これにより、接続端子15a及び15bから電子部品50c及び50dに至る配線の長さ、すなわち正極サージや負極サージが流れる領域を短くすることができる。保護素子である電子部品50c及び50dは、第1領域30aのみに配置されることがより好ましい。これにより、正極サージや負極サージが流れる領域をさらに短くすることができる。
【0049】
また、集積回路である電子部品50lは平面視で矩形であり、矩形の一辺が被覆部材30の外縁に沿うように、被覆部材30の近傍に配置されることが好ましい。このようにすることで、矩形の電子部品50lを被覆部材30に沿って面積の小さい第1面10aに効率的に配置することができる。これにより、基板10の第1面10aの面積を小さくすることができる。集積回路である電子部品50lは、被覆部材30の第2領域30bに沿って配置されることがより好ましい。このような配置により、接続端子15a及び15bから遠くなるため、正極サージや負極サージの影響をより低減できる。
【0050】
発光装置1は、例えば、以下の方法により製造される。まず、第1面10aに配線11、ランド12、並びに接続端子15a及び15bを有する基板10を準備する。例えば、基板10となる基材等を準備し、基材等の第1面10aに、フォトリソグラフィ法等により、配線11、ランド12、並びに接続端子15a及び15bを形成する。あるいは、第1面10aに配線11、ランド12、並びに接続端子15a及び15bが形成された基板10を購入することで準備してもよい。
【0051】
次に、基板10の第1面10aのランド12に、発光素子21a~21d及び電子部品50a~50nを実装する。次に、発光素子21a~21dを囲み、かつ少なくとも電子部品50c及び50dを被覆するように、未硬化の樹脂材料を基板10の第1面10a上に供給し、硬化させることで被覆部材30を形成する。
【0052】
被覆部材30は、例えば、基板10の上方に樹脂吐出装置のニードルを配置し、ニードルの先端から基板10上に未硬化の樹脂材料を吐出させながら、ニードルを移動させることにより形成される。ニードルから吐出された未硬化の樹脂材料は基板10上で濡れ広がり、断面形状が略半円形状または略半楕円形状の被覆部材30が形成される。
【0053】
次に、発光素子21a~21dを被覆するように、未硬化の透光性の樹脂材料を被覆部材30の内側に露出する基板10の第1面10a上に供給し、硬化させることで透光性部材22を形成する。これにより、発光素子21a~21dは、透光性部材22に封止される。以上により、発光装置1が完成する。なお、透光性部材22を形成する前に、発光素子21a~21dから露出する第1面10aを反射性部材で被覆してもよい。これにより、発光素子21a~21dから出射される光の、基板10への光吸収が低減され、より光取り出し効率の高い発光装置1とすることができる。
【0054】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、2つの駆動回路を有する発光装置の例を示す。
図7は、第2実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
図8は、第2実施形態に係る発光装置の基板を例示する平面図である。
図9は、第2実施形態に係る発光装置の回路図である。
【0055】
図7~
図9に示すように、発光装置2は、基板10と、光源20Bと、被覆部材30と、回路60とを有している。発光装置2は、例えば、自動車、バイク等のストップランプ及び/又はテールランプなどの照明装置に用いられ得る。
【0056】
発光装置2において、光源20Bは、第1光源と、第2光源とを含む。また、回路60は、第1光源を駆動する第1駆動回路と、第2光源を駆動する第2駆動回路とを含む。第1駆動回路と第2駆動回路は独立駆動可能である。
【0057】
図7~
図9の例では、発光素子21a~21d及び透光性部材22が第1光源、発光素子41a及び41b及び透光性部材22が第2光源である。透光性部材22は、第1光源と第2光源を一括して被覆している。また、第1光源を構成する発光素子21a~21dを駆動する駆動回路51が第1駆動回路であり、第2光源を構成する発光素子41a及び41bを駆動する駆動回路61が第2駆動回路である。
【0058】
図9に示すように、回路60は、
図4に示した回路50の構成に加え、駆動回路61を有している。駆動回路61は、電子部品60a~60cから構成されている。電子部品60a~60cと発光素子41a及び41bは、直列に接続されている。電子部品60aは整流ダイオードであり、電子部品60aのアノードが接続端子15cに接続されている。電子部品60aは、逆接続に対する保護と共に、発光素子41及び41bを負極サージから保護することができる。電子部品60b及び60cは、電子部品60aのカソードと発光素子41aとの間に接続される抵抗であり、発光素子41a及び41bに流す電流を調整する。
【0059】
このように、駆動回路61は、集積回路やトランジスタを有さず、整流ダイオードである電子部品60aと、整流ダイオードのカソードに直列に接続される抵抗である電子部品60b及び60cとを有する。発光素子41a及び41bは、整流ダイオードである電子部品60a、並びに抵抗である電子部品60b及び60cを経由して供給される電流により発光する。
【0060】
回路60は、必要に応じて駆動回路61の周辺回路を含んでもよい。
図9の例では、回路60は、駆動回路61の周辺回路として、電子部品60d~60fを含む。電子部品60d及び60eは、ノイズ対策用のコンデンサであり、接続端子15cと接続端子15bとの間に直列に接続されている。電子部品60d及び60eは、例えば、無線等の電波ノイズ、ケーブルに誘起したノイズ等を低減することができる。電子部品60fは、発光素子41及び41bを正極サージから保護するためのツェナーダイオードであり、接続端子15cと接続端子15bとの間に直列に接続されている。電子部品60fは、電子部品60d及び60eよりも出力側に接続されている。
【0061】
発光装置2において、駆動回路51と駆動回路61とは独立駆動可能であるため、発光素子21a~21dと、発光素子41a及び41bを同時に発光させることもできるし、異なるタイミングで発光させることもできる。発光素子21a~21dは例えば自動車のストップランプとして使用され、発光素子41a及び41bは例えば自動車のテールランプとして使用されることができる。
【0062】
図10は、
図7の拡大図であり、第2実施形態に係る発光装置2の被覆部材30で囲まれた領域(つまり発光装置2の発光面)を例示する部分平面図である。第1実施形態と同様に、発光装置2は、光源20Bを囲む矩形枠状の被覆部材30を有する。つまり、光源20Bは略矩形の発光面を有する。発光装置2は、第1光源を構成する複数の発光素子と、第2光源を構成する1以上の発光素子を備える。第1光源を構成する複数の発光素子21a~21dは、それぞれ略同じ大きさで平面視矩形状とすることができる。また、第2光源を構成する1以上(ここでは2つ)の発光素子41a及び41bは、それぞれ略同じ大きさで平面視矩形状とすることができる。平面視で、第2光源を構成する発光素子41の各々は、第1光源を構成する発光素子21の各々よりも小さい。つまり、第2光源を構成する発光素子41の各々は第1光源を構成する発光素子21の各々よりも発光面積が小さい。
【0063】
第1実施形態と同様に、発光装置2において、複数の発光素子21は、平面視で全体として矩形の発光領域を有するように行列状に配置され得る。例えば、複数の発光素子21は全体として被覆部材30で囲まれる矩形の領域と相似の矩形状となるように行列状に配置することができる。
図10の例では、第1光源を構成する発光素子21a~21dは、平面視で、全体として矩形Aを成すように配置されている。具体的には、第1光源を構成する発光素子21a~21dは、外縁を構成する2辺が破線で示す矩形Aの角部近傍と重なるように、平面視で2行2列に配置されている。
【0064】
発光装置2において、第2光源を構成する1以上の発光素子41は、矩形Aの内側に配置され得る。
図10の例では、第2光源を構成する2つの発光素子41a及び41bが矩形Aの内側に配置されている。また、発光装置2において、第2光源を構成する1以上の発光素子41は、平面視で全体として矩形となるように配置され得る。
図10の例では、第2光源を構成する発光素子41a及び41bは、外縁を構成する3辺が破線で示す矩形Bと重なり、平面視で全体として矩形となるように配置されている。
図10~
図16において、矩形A及び矩形Bを示す破線は説明の便宜上の仮想線である。
【0065】
平面視で、矩形Bは矩形Aに内包されることが好ましい。さらに、平面視で、矩形Aと矩形Bとは、中心が重なることが好ましい。これにより、第1光源を構成する発光素子21と第2光源を構成する発光素子41の発光中心を同じにできるため、レンズ等の光学系の設計が容易となる。
【0066】
上述したように、第2実施形態に係る発光装置は、互いに独立駆動可能であり、第1光源を駆動させる駆動回路51と第2光源を駆動させる駆動回路61とを備える。第1光源を構成する発光素子21及び第2光源を構成する発光素子41は、透光性部材22により一括して被覆されている。これにより、発光装置2は、駆動回路を切り替えることで、テールランプに適した光量の光とストップランプに適した光量の光とを出射することができる。なお、自動車のストップランプにおいては、通常、テールランプよりも5倍以上の光量で点灯することが求められる。
【0067】
第1光源を構成する発光素子21が自動車のストップランプとして使用され、第2光源を構成する発光素子41が自動車のテールランプとして使用される場合、テールランプはストップランプの1/5以下の光量でよい。そのため、
図10に示すように、第2光源を構成する1以上の発光素子41は、第1光源を構成する発光素子21よりも発光面積を小さくすることができる。また、小さい第2光源を大きい第1光源よりも内側に配置することで、第1光源及び第2光源の配置がしやすくなると共に、発光装置の発光面積を小さくすることができる。発光面積を小さくすることで、レンズ設計が容易となり、光学系のデザインのバリエーションが広がる。
【0068】
図11~
図15は、第2実施形態の変形例に係る発光装置の発光面(つまり被覆部材30で囲まれる領域)を例示する部分平面図である。これらの変形例においても、第1光源を構成する発光素子21a~21dは、
図10に示す例と同様に、外縁を構成する2辺が破線で示す矩形Aの外縁と重なり、平面視で全体として矩形を成すように配置されている。そして、矩形Aに内包されるように、第2光源を構成する少なくとも1つの発光素子41aが配置されている。
図11の例では、矩形Aの内側に平面視で長方形状の1つの発光素子41aが配置されている。
図12の例では、矩形Aの内側に平面視で正方形状の1つの発光素子41aが配置されている。
図11及び
図12の例では、発光装置2は、第2光源を構成する1つの発光素子41aを備える。この場合、発光素子41aの外縁が矩形Bの外縁である。
【0069】
図13に示すように、第2光源を構成する発光素子41は、3つ以上でもよい。
図13の例では、矩形Aの内側に発光素子41a、41b、及び41cの3つが互いに離隔して配置されている。第2光源を構成する発光素子41a、41b、及び41cは、矩形Bと接し、平面視で全体として矩形を成すように配置されている。
図13の例では、発光素子41の個数を増やすことにより、第2光源の発光面積を大きくすることができる。
【0070】
図14に示すように、第1光源を構成する発光素子21の配置は、
図10と異なっていてもよい。
図14の例では、第1光源を構成する発光素子21a~21dは、外縁を構成する1辺が矩形Aの外縁と重なり、平面視で全体として矩形を成すように配置されている。又、矩形Aの内側に平面視で正方形状の1つの発光素子41aが配置されている。
【0071】
図15に示すように、第1光源を構成する発光素子21は平面視で正方形である必要はなく、平面視で長方形状であってもよい。
図15の例では、第1光源を構成する発光素子21a及び21bは、平面視で長方形状であり、外縁を構成する3辺が矩形Aと接し、平面視で全体として矩形を成すように配置されている。平面視で、発光素子21a及び21bは、発光素子41aを挟んで対向している。
【0072】
以上、
図11~
図15の例に示すように、第1光源を構成する発光素子、第2光源を構成する発光素子の形状、個数、配置をそれぞれ調整することにより、発光装置2は、発光面(つまり透光性部材22の上面)からストップランプ及びテールランプそれぞれに適した所望の光量を出射する発光装置2とすることができる。
【0073】
また、他の変形例として、
図16に示すように、第2光源を構成する発光素子41は、第1光源を構成する発光素子21と別の領域に配置されてもよい。
図16の例では、第2光源を構成する発光素子41aが、第1光源を構成する発光素子21a~21dと別の領域に配置されている。これにより、第1光源と第2光源の発光領域を分けることができる。
【0074】
このように、第1光源と第2光源の発光領域を分けることで、複数の発光面を有する発光装置とすることができる。これにより、第1光源と第2光源で蛍光体の配合を変えることが容易となり、例えば、それぞれで異なる色の光を出射させることができる。また、発光領域を機能別に分けることで、それぞれに対応する光学設計を行うことができる。
【0075】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0076】
以上の実施形態に加えて、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1面を備えた基板と、
前記第1面の上に配置された光源と、
前記第1面の上に配置され、平面視で前記光源の周囲に配置される被覆部材と、
前記基板に配置された回路と、を有し、
前記回路は、前記光源を駆動する駆動回路と、逆極性に直列に接続された2つの保護素子を有し、前記駆動回路と並列に接続される保護回路と、を含み、
前記被覆部材は、2つの前記保護素子を被覆している、発光装置。
(付記2)
前記被覆部材は、平面視で前記光源を囲む枠状である、付記1に記載の発光装置。
(付記3)
2つの前記保護素子は、ベアチップである、付記1又は2に記載の発光装置。
(付記4)
前記回路に接続され、平面視で、前記第1面の外縁に沿って配置される複数の接続端子を有する、付記1から3のいずれか1に記載の発光装置。
(付記5)
複数の前記接続端子は、前記第1面の第1辺に沿って配置され、
前記被覆部材は平面視で前記光源を囲む矩形枠状であり、
前記被覆部材は、
前記第1辺の方向に延び、前記接続端子に近い側に配置される第1領域と、
前記第1辺の方向に延び、前記接続端子から遠い側に配置される第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域の各々の一端同士を接続する第3領域と、
前記第1領域と前記第2領域の各々の他端同士を接続する第4領域と、を含み、
2つの前記保護素子は、前記第1領域、前記第3領域、及び/又は前記第4領域に配置される、付記4に記載の発光装置。
(付記6)
2つの前記保護素子は、前記第1領域のみに配置される、付記5に記載の発光装置。
(付記7)
前記光源は、複数の発光素子と、複数の前記発光素子を被覆する透光性部材と、を含み、
複数の前記発光素子が平面視で全体として矩形となるように配置される、付記1から6のいずれか1に記載の発光装置。
(付記8)
複数の前記発光素子は青色発光素子であり、
前記透光性部材は赤色蛍光体を含む、付記7に記載の発光装置。
(付記9)
前記駆動回路は集積回路を含み、
複数の前記発光素子は、第1発光素子と、前記第1発光素子と直列に接続された第2発光素子とを含み、前記第1発光素子と前記第2発光素子は前記集積回路に対して並列に接続されている、付記7又は8に記載の発光装置。
(付記10)
前記駆動回路は集積回路を含む、付記1から8のいずれか1に記載の発光装置。
(付記11)
前記集積回路は平面視で矩形であり、前記被覆部材の外縁に沿って配置される、付記9又は10に記載の発光装置。
(付記12)
前記光源は、第1光源と、第2光源と、を含み、
前記駆動回路は、前記第1光源を駆動する第1駆動回路と、前記第2光源を駆動する第2駆動回路と、を含み、
前記第1駆動回路と前記第2駆動回路は独立駆動可能である、付記1から11のいずれか1に記載の発光装置。
【符号の説明】
【0077】
1,2 発光装置
10 基板
10a 第1面
10s 第1辺
10x 貫通孔
11 配線
12 ランド
15a,15b,15c 接続端子
17 ソルダーレジスト層
20、20B 光源
21,21a,21b,21c,21d,41,41a,41b 発光素子
22 透光性部材
30 被覆部材
30a 第1領域
30b 第2領域
30c 第3領域
30d 第4領域
50、60 回路
50a~50n,60a~60f 電子部品
51,61 駆動回路
52 保護回路