(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078398
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】画像形成方法及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20240603BHJP
G03G 15/22 20060101ALI20240603BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G03G15/20 510
G03G15/22 103A
G03G15/20 555
G03G15/22 103B
B41J29/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151507
(22)【出願日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】P 2022190046
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 陽平
(72)【発明者】
【氏名】石井 賢治
(72)【発明者】
【氏名】辺見 香理
【テーマコード(参考)】
2C061
2H033
2H078
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061CK01
2H033AA45
2H033BA32
2H033CA07
2H033CA30
2H078AA10
2H078BB01
2H078BB10
2H078BB12
2H078DD53
2H078DD57
2H078DD62
2H078EE02
2H078EE04
2H078FF05
(57)【要約】
【課題】箔部の表面の光沢を優れた状態で維持しつつ、十分なトナー定着性を得ることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】被記録媒体Sの一方の面に箔41aが付着された箔部47を形成する箔部形成工程と、箔部形成工程後の被記録媒体Sの一方の面に画像を転写する画像転写工程と、画像転写工程により被記録媒体Sの一方の面に転写された画像を定着させる定着工程と、を備え、画像形成装置1を用いて被記録媒体Sに箔部47と画像とを有する箔画像部52を形成する画像形成方法において、箔部形成工程と画像転写工程との間に、箔部47が形成された被記録媒体Sを乾燥させる乾燥工程を備える画像形成方法。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体の一方の面に箔が付着された箔部を形成する箔部形成工程と、
前記箔部形成工程後の前記被記録媒体の前記一方の面に画像を転写する画像転写工程と、
前記画像転写工程により前記被記録媒体の前記一方の面に転写された画像を定着させる定着工程と、を備え、画像形成装置を用いて被記録媒体に箔部と画像とを有する箔画像部を形成する画像形成方法において、
前記箔部形成工程と前記画像転写工程との間に、前記箔部が形成された前記被記録媒体を乾燥させる乾燥工程を備える画像形成方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成方法において、
前記乾燥工程は前記被記録媒体を加熱することにより行われ、前記乾燥工程では前記一方の面側の温度を前記一方の面と対向する他方の面側の温度よりも低く設定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成方法において、
前記箔部形成工程は、前記被記録媒体に前記箔を転写させるためのベース画像部を定着させる第1の工程と、前記被記録媒体に定着された前記ベース画像部に前記箔を転写させる第2の工程とを有し、
前記各工程は前記被記録媒体を加熱することにより行われ、前記各工程では前記一方の面側の温度を前記一方の面と対向する他方の面側の温度よりも低く設定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成方法において、
前記定着工程は前記被記録媒体を加熱することにより行われ、前記定着工程では前記一方の面側の温度を前記一方の面と対向する他方の面側の温度よりも低く設定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
請求項2ないし4の何れか一つに記載の画像形成方法において、
前記一方の面側の温度は100℃未満であることを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
請求項1画像形成方法において、
前記画像形成装置は加熱手段と加圧手段とを備え被記録媒体に転写された画像を定着させる定着部を有し、
前記定着工程及び前記乾燥工程は前記被記録媒体が前記定着部を通過する際に行われることを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成方法において、
前記乾燥工程は、前記定着部の前記加圧手段側に前記被記録媒体の前記一方の面が、前記加熱手段側に前記被記録媒体の前記一方の面と対向する他方の面が対応するように、前記定着部に対して前記被記録媒体が搬送され、
前記定着工程は、前記定着部の前記加熱手段側に前記被記録媒体の前記一方の面が、前記加圧手段側に前記被記録媒体の前記他方の面が対応するように、前記定着部に対して前記被記録媒体が搬送されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
一方の面に箔部が形成された被記録媒体を用いて請求項7記載の画像形成方法を実行可能な画像形成装置であって、
画像形成を行う画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像を前記被記録媒体に転写させる転写部と、
前記定着部と、
前記定着部に対して前記被記録媒体を反転搬送可能な反転搬送部と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記被記録媒体に箔部を形成する箔部形成部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記乾燥工程を行う乾燥部を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル画像形成が可能な被記録媒体の表面に箔部を形成することにより、光沢性に優れたメタリック調の表現を行うことが可能なデジタル箔加工法が広く知られている。箔部により形成された画像は、表面光沢性の観点でいわゆるメタリックトナーにより形成された画像よりも光沢性に優れ、より高級感あふれる表現が可能である。このようなデジタル箔加工法において、箔部の表面にさらなる画像形成を行って箔画像部を形成すること(オーバープリント工法)により、多彩なメタリック調のフルカラー表現を行う画像形成方法が知られている(たとえば「特許文献1」、「特許文献2」参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したオーバープリント工法では、箔部の表面に転写された箔画像部のトナーを定着させる工程が必要であり、トナーを定着させるべく被記録媒体に対して十分な熱及び圧力を付与する必要がある。この定着工程において、付与する熱量を高めることで箔部の表面に対してトナーを良好に定着させることができる。しかし、高い熱量を箔部の表面に付与すると被記録媒体中の水分が付与された熱により気泡へと変化し、発生した気泡が被記録媒体の箔部に顕出すると箔部の表面が荒れてしまい、箔部の表面の光沢性が低下する場合がある。
本発明は上述した問題点を解決し、箔部の表面の光沢を優れた状態で維持しつつ、十分なトナー定着性を得ることが可能な画像形成方法及び画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、被記録媒体の一方の面に箔が付着された箔部を形成する箔部形成工程と、前記箔部形成工程後の前記被記録媒体の前記一方の面に画像を転写する画像転写工程と、前記画像転写工程により前記被記録媒体の前記一方の面に転写された画像を定着させる定着工程と、を備え、画像形成装置を用いて被記録媒体に箔部と画像とを有する箔画像部を形成する画像形成方法において、前記箔部形成工程と前記画像転写工程との間に、前記箔部が形成された前記被記録媒体を乾燥させる乾燥工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、乾燥工程中に被記録媒体の内部に含有されている水分は気化して他方の面から蒸発するため、一方の面側に形成された箔部には気泡が発生しない。これにより箔部の表面が荒れることが防止され、箔部の表面の光沢を優れた状態で維持しつつ、十分なトナー定着性を得ることが可能な画像形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態を適用可能な画像形成装置の概略正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る箔部形成部を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る箔部形成工程を説明する概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る被記録媒体に箔画像部を形成する画像転写工程及び定着工程を説明する概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る被記録媒体に箔画像部を形成する定着工程時に生じる問題点を説明する概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る乾燥工程を説明する概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態を適用可能な液滴吐出装置の概略構成図である。
【
図8】本発明の一実施形態を適用可能な他の液滴吐出装置の概略斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態を適用可能な他の液滴吐出装置の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示している。カラープリンタ1の装置本体2の上部には、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナー像を形成するための、画像形成部としてのプロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kが配置されている。各プロセスカートリッジ3には、それぞれ対応する感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kが設けられている。
図1において、各感光体ドラム4の周囲には、それぞれ帯電装置5Y,5M,5C,5K、現像装置6Y,6M,6C,6K、感光体クリーニング装置7Y,7C,7M,7Kが配置されている。各プロセスカートリッジ3Y,3Mの上方には各感光体ドラム4Y,4Mにレーザ光を照射する光学ユニット8Aが、各プロセスカートリッジ3C,3Kの上方には各感光体ドラム4C,4Kにレーザ光を照射する光学ユニット8Bがそれぞれ配置されている。各光学ユニット8A,8Bは、レーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ及びミラー等を有する周知の構成である。
【0008】
各プロセスカートリッジ3の下方には、各プロセスカートリッジ3によって形成されたトナー像が転写される、中間転写ベルト9を有する中間転写ユニット10が設けられている。中間転写ユニット10は、中間転写ベルト9を支持する複数のローラを有しており、中間転写ベルト9は駆動ローラ11、従動ローラ12,13、テンションローラ14、二次転写対向ローラ15にそれぞれ掛け渡されている。各ローラ11,12,13,14,15のうち、駆動ローラ11が図示しない駆動モータによって回転駆動されることにより、中間転写ベルト9が
図1に矢印で示す時計回り方向に走行駆動される。
【0009】
中間転写ベルト9の内周側であって各感光体ドラム4と対向する位置には、各感光体ドラム4上に形成されたトナー像を中間転写ベルト9上に一次転写させる一次転写ローラ16Y,16M,16C,16Kが設けられている。ここで、各感光体ドラム4への各色トナー像形成と、中間転写ベルト9へのトナー像の一次転写について説明する。
各感光体ドラム4は
図1においてそれぞれ反時計回り方向に回転駆動され、それぞれの表面に各除電装置からの除電光が照射されて各感光体ドラム4の表面電位が初期化される。初期化された各感光体ドラム4の表面電位は、各帯電装置5によって一様に所定の極性(本実施形態ではマイナス極性)に帯電される。帯電された各感光体ドラム4の表面に光学ユニット8A,8Bから射出されたレーザービームがそれぞれ照射され、各感光体ドラム4の表面に各色画像に対応した静電潜像がそれぞれ形成される。
【0010】
各感光体ドラム4上に形成された静電潜像は、各現像装置6によってトナー像として可視像化される。一方、各一次転写ローラ16には、各感光体ドラム4上に形成されたトナー像とは逆極性(本実施形態ではプラス極性)の転写電圧が印加される。これにより、各感光体ドラム4とこれに対応する各一次転写ローラ16との間に転写電界が形成され、各感光体ドラム4上の各色トナー像が中間転写ベルト9上に静電的に転写される。このとき、各色トナー像が中間転写ベルト9上に重畳転写されて、中間転写ベルト9上にフルカラートナー像が形成される。各色トナー像を中間転写ベルト9上に転写した各感光体ドラム4は、その表面に付着した転写残トナーを各感光体クリーニング装置7によって除去され、新たな画像形成に備えられる。
【0011】
一次転写ローラ16Kよりも中間転写ベルト9の走行方向下流側には、中間転写ベルト9上に一次転写されたトナー像を被記録媒体上に二次転写させる二次転写ローラ17が、二次転写対向ローラ15と対向して設けられている。二次転写ローラ17は、二次転写対向ローラ15に掛け渡された中間転写ベルト9に対して接離自在に構成されており、中間転写ベルト9に接触する接触位置と、中間転写ベルト9から離間する離間位置とを選択的に占める。二次転写ローラ17と二次転写対向ローラ15とは、二次転写ローラ17が接触位置を占めたときに中間転写ベルト9を介して接触して二次転写ニップNを形成し、二次転写ローラ17が離間位置を占めたときに二次転写領域を形成する。二次転写ローラ17には所定の転写電圧が印加され、これにより二次転写ニップNにおいて中間転写ベルト9上に形成されたトナー像が被記録媒体上に二次転写される。また、二次転写対向ローラ15よりも中間転写ベルト9の走行方向下流側には、画像転写後の中間転写ベルト9上に残留した残留トナーを除去するベルトクリーニング装置18が設けられている。上述した中間転写ユニット10、各一次転写ローラ16、二次転写ローラ17、ベルトクリーニング装置18によって、転写部19が構成されている。
【0012】
二次転写ローラ17の左方には、被記録媒体上に二次転写されたトナー像を定着させる、加熱手段としての加熱ベルト20aと加圧手段としての加圧ローラ20bとを有する定着部としての定着装置20が配置されている。加熱ベルト20aは、内部にヒータ等の加熱手段を有する加熱ローラ20a1と、図示しないモータによって回転駆動される駆動ローラ20a2と、各ローラ20a1,20a2間に掛け渡されたベルト部材20a3とを有する周知の構成である。加圧ローラ20bは、図示しない付勢手段によって付勢されており、ベルト部材20a3を介して加熱ローラ20a1の周面にその周面を所定の圧接力で圧接されている。
二次転写ローラ17と定着装置20との間には、二次転写ニップNを通過した被記録媒体を定着装置20へと搬送する搬送コンベヤ21が設けられている。搬送コンベヤ21は、駆動ローラ、従動ローラ、各ローラ間に掛け渡された無端ベルト等を有する周知のコンベヤである。また、定着装置20の被記録媒体搬送方向下流側には、コンベヤに対してローラを圧接して構成されたシート搬送部材39が配置されている。シート搬送部材39は、定着装置20で定着が行われた定着後の被記録媒体をさらに下流側へと搬送する。
【0013】
装置本体2の下部には、給紙部22が配置されている。給紙部22は、給紙カセット23,24、給紙ローラ25,26、複数の搬送ローラ対27、レジストローラ対28を有している。給紙カセット23,24内に収容された被記録媒体である転写シートSは給紙ローラ25,26によって分離給送され、搬送ローラ対27を介してレジストローラ対28に向けて給送された後、レジストローラ対28にて一時停止される。レジストローラ対28は、中間転写ベルト9上に形成されたトナー像が転写シートSの所定位置に合致する所定のタイミングで、一時停止されている転写シートSを二次転写ニップNに向けて給送する。
装置本体2の上部には、各現像装置6へ供給するためそれぞれ対応する色のトナーを収容したトナーボトル29Y,29M,29C,29Kが配置されている。
【0014】
中間転写ベルト9上にフルカラートナー像が形成されるとき、給紙部22では給紙カセット23または給紙カセット24内の転写シートSが給紙ローラ25または給紙ローラ26の作動によって一枚分離給送される。給送された転写シートSはレジストローラ対28で一時停止された後、レジストローラ対28の作動により所定のタイミングで二次転写ニップNに送られる。二次転写ニップNにおいて、中間転写ベルト9上に形成されたフルカラートナー像が転写された転写シートSは、定着装置20に送られて転写された画像を定着される。画像が定着された転写シートSは、排紙路32へと搬送された後に定着装置20のシート搬送方向下流側に配置された排出ローラ対30によって装置本体2の側部に設けられた排紙トレイ31上に排出される。各感光体ドラム4と同様に、中間転写ベルト9上に残存した転写残トナーはベルトクリーニング装置18によってクリーニングされる。各トナーボトル29内に収容されている各色トナーは、必要に応じて図示しないトナー搬送経路を介して対応する現像装置6にそれぞれ所定量ずつ補給される。
【0015】
カラープリンタ1は、切替爪33、第一再搬送路34、スイッチバック通路35、第二再搬送路36、周回搬送路48等からなる反転搬送部37を有しており、転写シートSの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面画像形成動作、及び一度画像形成が行われた転写シートSの画像形成面を再度二次転写領域に搬送する再搬送動作がそれぞれ実行可能に構成されている。
具体的に説明すると、転写シートSの一面のみに画像形成を行う片面画像形成動作時には、切替爪33は転写シートSの搬送先を排紙路32に設定する。これにより、一方の面にのみ画像が形成された転写シートSは、排紙路32経由で排出ローラ対30に送られて排紙トレイ31上に排出される。
また、両面画像形成動作時及び再搬送動作時には、切替爪33は定着装置20から受け取った転写シートSのその後の搬送先を排紙路32または第一再搬送路34に切り替える。両面画像形成時において、両面にそれぞれトナー像が定着された転写シートSを定着装置20から受け取った場合には、切替爪33は転写シートSの搬送先を排紙路32に設定する。これにより、両面に画像が形成された転写シートSは、排出ローラ対30によって排紙トレイ31上に排出される。
【0016】
一方、両面画像形成動作時において、一方の面にのみ画像が定着された転写シートSを定着装置20から受け取った場合には、切替爪33は転写シートSの搬送先を第一再搬送路34に設定する。第一再搬送路34にはスイッチバック通路35及び周回搬送路48が接続されており、第一再搬送路34に送られた転写シートSは切替爪49に案内されてスイッチバック通路35に進入する。そして、スイッチバック通路35に設けられたローラ対50が反転駆動することにより転写シートSの表裏及び前後が反転し、反転された転写シートSは切替爪38に案内され、第二再搬送路36を経由して二次転写ニップNに再送される。二次転写ニップNで他方の面にもトナー像が転写された転写シートSは、定着装置20を経由して他方の面にトナー像を定着された後、切替爪33、排紙路32、排出ローラ対30を経由して排紙トレイ31上に排出される。
また、周回搬送路48は、定着装置20を通過した転写シートSを、表裏及び前後を反転させない状態で再び二次転写ニップN(二次転写領域)に送る場合に用いられる。第一再搬送路34に送られた転写シートSは切替爪49に案内されて周回搬送路48に進入し、第二再搬送路36を経由して二次転写ニップNに先ほどと同じ姿勢で再送される。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る箔部形成部としての箔転写装置を示す概略図である。同図において箔転写装置40は、箔供給ロール41、加熱ローラ42、加圧ローラ43、巻き取りロール44、分離部45を備えている。
箔供給ロール41は、一方の面にアルミ蒸着層を有する箔41aを、他方の面に箔41aを保持する原紙41bをそれぞれ有する箔原紙41cが、一方の面が外側を向く態様で巻成されることにより構成されている。本実施形態では、箔41aとして厚みが16μmのものを用いている。箔41aとしては、熱伝達と搬送性の観点から厚みが12~20μmのものが好ましい。熱伝達を考慮すると箔41aは厚みが薄い方がよいが、箔41aをしわが発生することなく良好に搬送させるためには、ある程度の厚みによる剛性が必要となる。加熱ローラ42は内部に熱源を有しており、箔原紙41cの他方の面に対応して配置されている。加熱ローラ42は、熱源を外部に有する構成であってもよい。
加圧ローラ43は箔原紙41cの一方の面に対向して配置されており、図示しない付勢手段によって加熱ローラ42の周面にその周面を所定の圧接力で圧接されている。加圧ローラ43には接離手段43aが設けられており、接離手段43aの作動により加圧ローラ43は、
図2に実線で示す圧接位置と二点鎖線で示す離間位置とを選択的に占める。加圧ローラ43は、圧接位置を占めた際にその周面が所定の圧接力で加熱ローラ42の周面に圧接し、離間位置を占めた際にその周面が加熱ローラ42の周面から離間して各ローラ42,43間に転写シートSが通過可能な隙間が生成される。加圧ローラ43の周面が加熱ローラ42の周面に対して圧接する所定の圧接力は、本実施形態では50N/cm
2に設定されている。この圧接力は、転写メディアに対する箔転写性と、メディアとの圧接部におけるメディア搬送性の観点から、20~100N/cm
2の範囲が好ましい。圧接力が弱いと平滑性の悪い転写メディア表面の凹凸へ追従しないことから十分な箔転写性が得られない場合があり、また圧接力が強すぎると転写メディアに搬送しわやカールが生じる場合がある。
【0018】
巻き取りロール44は図示しない芯部を有しており、この芯部を回転させることにより箔原紙41cを所定の速度で巻き取る。なお、箔供給ロール41は巻き取りロール44の回転に従動して回転するが、従動回転し過ぎないように図示しないストッパが設けられており、箔原紙41cは所定の張力を保った状態で各ローラ42,43間に供給される。箔原紙41cを巻き取る所定の速度は100~200mm/secが好ましい。
分離部45は、箔転写装置40に供されその一方の面に箔41aが転写された転写シートSと箔41aが分離された原紙41bとを分離させるべく、原紙41bに対して転写シートSから分離する分離角度を付与する位置に配置されている。
このような箔転写装置40は、本実施形態ではカラープリンタ1においてシート搬送部材39に代えて用いられる。なお、特開2020-196551号公報に開示された構成と同様に、箔転写装置40をカラープリンタ1の装置本体2内に設けず、別の装置としてカラープリンタ1に接続させる構成としてもよい。この場合には接離手段43aを設ける必要がなく、装置構成を簡易化できる。
【0019】
次に、上述した構成のカラープリンタ1を用いたオーバープリント工法、すなわち転写シートSの上に形成された箔部の表面にさらなる画像形成を行い、転写シートS上に箔画像部を形成する画像形成動作について、従来行われていた画像形成方法を説明する。
先ず、転写シートS上に箔部を形成する箔部形成工程について説明する。
転写シートS上に箔部を形成する場合、特許第5782893号公報に開示された技術と同様に、転写シートS上に箔41aを転写させるためのベース画像部を形成する第1の工程と、形成したベース画像部に箔41aを転写させる第2の工程とを行う。
【0020】
先ず、給紙トレイ23または給紙トレイ24から一枚の転写シートSが給送され、給送された転写シートSはレジストローラ対28で一時停止される。
給紙部22からの転写シートSの給送と同時に、プロセスカートリッジ3Kが作動して感光体ドラム4Kが回転駆動される。感光体ドラム4Kの周面には、形成される箔部に対応したレーザービームが光学ユニット8Bから照射されて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像装置6Kによって現像され、感光体ドラム4Kの周面には形成される箔部に対応したトナー像が形成される。そして、一次転写ローラ16Kが作動することにより感光体ドラム4Kの周面に形成されたトナー像が中間転写ベルト9上に一次転写される。なお、プロセスカートリッジ3Kの作動時において、他のプロセスカートリッジ3Y,3M,3Cはそれぞれ動作を停止している。
【0021】
その後、中間転写ベルト9上のトナー像にタイミングを合わせてレジストローラ対28が作動し、一時停止されていた転写シートSが二次転写ニップNに向けて給送される。二次転写ニップNでは、走行する中間転写ベルト9と給送される転写シートSとに合わせて二次転写ローラ17に所定の転写電圧が印加され、転写シートS上に中間転写ベルト9上のトナー像が転写されて
図2に示すように転写シートSの一方の面上にベース画像部46が形成される。
ベース画像部46が形成された転写シートは、搬送コンベヤ21によって定着装置20に搬送される。定着装置20に送られた転写シートSは、加熱ベルト20aと加圧ローラ20bとの圧接部を通過する際に、転写されたベース画像部46を熱と圧力とによって定着される。
【0022】
ベース画像部46が定着された転写シートSは、そのシート搬送方向下流側にシート搬送部材39に代えて設けられた箔転写装置40へと送られる。箔転写装置40では、接離手段43aの作動により加圧ローラ43が離間位置を占めている。そして、転写シートSが搬送されてきたことを図示しないセンサによって検知すると、ベース画像部46が加熱ローラ42と加圧ローラ43との対向位置に到達するタイミングで、接離手段43aが作動して加圧ローラ43が離間位置から圧接位置に変位する。また、これと同時に転写シートSの搬送速度と同じ搬送速度となるように、巻き取りロール44の芯部が回転して箔供給ロール41から箔原紙41cが送り出される。この加圧ローラ43の変位及び巻き取りロール44の芯部の回転駆動により、転写シートS上のベース画像部46に箔41aが圧接され、圧接された箔41aは熱と圧力とによってベース画像部46上に転写される。この一連の動作により、
図3に示すように、転写シートSの一方の面上のベース画像部46上に箔41aが付着して箔部47が形成され、箔部形成工程が完了する。
一方の面に箔部47が形成された転写シートSは、さらなる画像形成、すなわちオーバープリント工法が行われない場合には、排出ローラ対30の作動により排紙トレイ31上に排出積載される。
【0023】
箔部形成工程完了後、引き続いて画像転写工程が行われる。
箔転写装置40を通過してベース画像部46上に箔41aが付着され箔部47が形成された転写シートSは、箔転写装置40を抜けた後に切替爪33によって第一再搬送路34に案内され、さらに切替爪49によって周回搬送路48に案内される。そして周回搬送路48から第二再搬送路36を経由した転写シートSは、元の姿勢のままレジストローラ対28まで搬送され、レジストローラ対28で一時停止される。
周回搬送路48からの転写シートSの再搬送と同時に、各プロセスカートリッジ3が作動して各感光体ドラム4が回転駆動される。各感光体ドラム4の周面には、転写シートS上に形成される箔画像部を構成する画像部に対応したレーザービームが各光学ユニット8から照射され、各感光体ドラム4の周面には照射されたレーザービームにより静電潜像がそれぞれ形成される。形成された各静電潜像は各現像装置6によってそれぞれ現像され、各感光体ドラム4の周面には形成される画像部に対応したトナー像がそれぞれ形成される。そして、各一次転写ローラ16が作動することにより各感光体ドラム4の周面に形成された各トナー像が中間転写ベルト9上にそれぞれ一次転写され、中間転写ベルト9上には画像部に対応したフルカラートナー像が形成される。
【0024】
その後、中間転写ベルト9上のフルカラートナー像にタイミングを合わせてレジストローラ対28が作動し、一時停止されていた転写シートSが二次転写ニップNに向けて給送される。二次転写ニップNでは、走行する中間転写ベルト9と給送される転写シートSとに合わせて二次転写ローラ17に所定の転写電圧が印加され、転写シートS上に中間転写ベルト9上のフルカラートナー像が転写されて、
図4に示すように転写シートS上にベース画像部46を含む箔部47、定着前画像部51aが形成される。上述した一連の動作により、画像転写工程が完了する。
なお、上述の工程では、箔転写装置40を通過して箔部47が形成された転写シートSを切替爪33によって第一再搬送路34に案内し、さらに切替爪49によって周回搬送路48に案内してレジストローラ対28まで再送する構成を示した。しかし、これに代えて、箔部47が形成された転写シートSを排紙トレイ31に排出し、排出された転写シートSを再度給紙トレイ23あるいは給紙トレイ24に収容して、給紙トレイ23,24から箔部47が形成された転写シートSを給送する構成を採用してもよい。
【0025】
画像転写工程が完了して、箔部47、定着前画像部51aが形成された転写シートSは、搬送コンベヤ21によって定着装置20に搬送される。定着装置20に送られた転写シートSは、加熱ベルト20aと加圧ローラ20bとの圧接部を通過する際に、転写された定着前箔画像部51aを熱と圧力とによって定着され、
図4に示すように画像部51が形成される。そして、転写シートS上に箔部47及び画像部51からなる箔画像部52が形成されて定着工程が完了する。
定着工程が完了して箔画像部52が形成された転写シートSは、切替爪33に案内されて排紙路32に導かれ、排出ローラ対30によって排紙トレイ31上に排出される。なお、このとき接離手段43aは加圧ローラ43を離間位置に位置決めさせており、転写シートSは箔転写装置40の各ローラ42,43間を通過する。このとき、図示しない駆動手段により加圧ローラ43を回転駆動させ、転写シートSの搬送を補助する構成としてもよい。
上述の実施形態では、箔部47上に画像部51の全てが載置された状態の箔画像部52を示したが、箔画像部52はこれに限られず、箔部47と画像部51とが転写シートSの一方の面上に存在していれば、箔部47上に画像部51が載置されていなくとも箔画像部52が形成される。
【0026】
上述した従来の画像形成方法における、[発明が解決しようとする課題]の欄に記載した問題点について以下に説明する。
従来の画像形成方法では、
図4に示すように、箔部47が形成された転写シートS上に定着前画像部51aを転写させ、この転写シートSを定着装置20で定着することにより箔部47と画像部51とを有する箔画像部52を形成していた。この定着工程時において、定着装置20を通過する転写シートSを観察すると、
図4に示すA部を拡大した
図5に示すように、転写シートSの内部には多くの水分が含まれており、この水分が定着装置20の熱によって蒸発して多数の気泡53を形成することが判明した。そして、形成された気泡53が箔部47の表面に顕出することにより、箔部47の表面に
図5に示すような凸部47aが多数生じ、箔部47の表面が荒れて箔部47の表面の光沢性が低下するという問題点があった。
【0027】
以下に、上述した問題点を解消する本発明の画像形成方法を説明する。本発明の画像形成方法では、上述した箔部形成工程完了後、画像転写工程に先立って、箔部47が形成された転写シートSを乾燥させる乾燥工程を行う。この乾燥工程を行うことにより、転写シートSの内部に含まれている水分を除去し、気泡53の発生を抑制して箔部47における凸部47aの発生を防止する。以下に、乾燥工程を説明する。
箔部形成工程完了後、ベース画像部46上に箔41aが付着され箔部47が形成された転写シートSは、箔転写装置40を抜けた後に切替爪33によって第一再搬送路34に案内され、さらに切替爪49によってスイッチバック通路35に案内される。そしてローラ対50が反転駆動することにより、表裏及び前後が反転された転写シートSは切替爪38に案内され、第二再搬送路36を経由してレジストローラ対28の作動により二次転写領域に再送される。このとき二次転写ローラ17は離間位置を占めており、レジストローラ対28によって搬送された転写シートSは、二次転写領域を通過した後に搬送コンベヤ21を介して定着装置20に送られる。
【0028】
定着装置20に送られた転写シートSは、箔部形成工程時とは表裏及び前後が反転されているため、
図6に示すように、箔部47が形成された一方の面を下向きとした態様で定着装置20に搬送される。そして転写シートSは、定着装置20の加熱ベルト20aと加圧ローラ20bとの間を通過するが、この通過時において転写シートSは箔部形成工程とは異なり、箔部47を加圧ローラ20bと対向させる状態で定着装置20を通過する。
転写シートSの通過時において、カラープリンタ1の動作を制御する図示しない制御装置は、加圧ローラ20b側の温度が加熱ローラ20a1側よりも低くなるように、すなわち転写シートSにおける箔部47が形成された一方の面側の温度が、箔部47を有さない他方の面側の温度よりも低くなるように、加熱ローラ20a1の温度制御を行う。具体的には、転写シートSの搬送速度が200~400mm/secの場合において、加熱ローラ20a1側の温度を160~200℃、加圧ローラ20b側の温度を90℃にそれぞれ設定する。そして図示しない制御装置は、図示しない速度検知手段により検知された速度に基づいて、上述の搬送速度を満足するように駆動ローラ20a2を回転駆動する図示しないモータの作動を制御する。またこれと共に、図示しない温度検知手段により検知された温度に基づいて、上述の設定温度を満足するように加熱ローラ20a1の加熱手段の作動を制御する。
【0029】
上述した乾燥工程を行うことにより、転写シートSの内部に含有されている水分は、
図6に示すように、気化して蒸気54として転写シートSの他方の面から蒸発する。従って、転写シートSの内部に含有されていた水分が蒸発したことから転写シートSの一方の面側に形成された箔部47には気泡53が発生せず、箔部47に凸部47aが形成されることが防止され、箔部47の表面が荒れることが防止される。これにより、箔部47の表面の光沢を優れた状態で維持しつつ、十分なトナー定着性を得ることが可能な画像形成方法を提供できる。
また、加圧ローラ20b側の温度が100℃未満である90℃に設定されているので、転写シートSの内部に含有されている水分は転写シートSの一方の面側では気化せず、箔部47に凸部47aが形成されることが防止される。
【0030】
以下に、加圧ローラ20bの温度制御について説明する。
上記の説明では、加圧ローラ20bの温度を90℃に設定する例を挙げたが、本実施形態の定着装置20では、転写シートSを介して加圧ローラ20bと加熱ローラ20a1とが接触するため、加圧ローラ20bよりも高温に設定された加熱ローラ20a1側の熱が加圧ローラ20b側に移動する。このため、加圧ローラ20bを加熱ローラ20a1よりも低い温度に制御するためには、加圧ローラ20b側に何らかの冷却手段を設ける必要がある。この冷却手段の一例として、加圧ローラ20b表面の熱を定着装置20の外部に排出する冷却ファンが挙げられる。冷却手段の他の例としては、熱の輸送性に優れるヒートパイプローラ等を加圧ローラ20bに当接させて表面の熱を排出する構成等も考えられるが、より簡潔な構成としては冷却ファンを用いることが好適である。
【0031】
上述した転写シートSを介する熱伝達の観点では、加熱ローラ20a1と加圧ローラ20bとの温度差は小さい方が好ましいが、加熱ローラ20a1の設定温度が低すぎると十分なシート乾燥効果が得られない場合がある。加熱ローラ20a1側の温度は、使用する転写シートSの紙厚に応じた十分な乾燥効果が得られる温度設定を行う必要があり、例えば転写シートSの紙厚が0.2~0.3mmの場合に良好な乾燥効果を得るためには、本実施形態では170℃程度の温度設定が好適である。
転写シートSの紙厚に対する加熱温度が高すぎると、転写シートSの収縮によるしわの発生や、加熱面とは反対側の箔加工面に画像不良等の不具合が発生する虞がある。例えば,紙厚0.1mmの転写シートSに対して加熱ローラ20a1の温度設定を200℃とすると、このような不具合が発生する可能性が高まる。
加圧ローラ20bの設定温度は90℃よりも低い温度、例えば50℃であっても本発明の作用効果を期待できるが、加圧ローラ20bの温度設定を低くすればするほど必要な冷却手段の出力、冷却ファンであれば風量が増大し、また冷却手段を追加する必要が生じて、装置の大型化及び複雑化の観点から好ましくない。上述した冷却ファンを用いる装置構成では、加圧ローラ20bの温度設定としては90℃近傍での設定が好適である。
【0032】
乾燥工程完了後、箔部47が形成され乾燥がなされた転写シートSに対して画像を転写する画像転写工程が続いて行われる。乾燥工程終了後、定着装置20を通過した転写シートSは、切替爪33に案内されて第一再搬送路34に送られた後、切替爪49に案内されてスイッチバック通路35に進入する。その後、ローラ対50の反転駆動により表裏及び前後が反転された転写シートSは切替爪38に案内され、第二再搬送路36を経由して二次転写ニップNに再送されてレジストローラ対28で一時停止される。このとき転写シートSは、一方の面を中間転写ベルト9に向ける態様で搬送される。
なお、箔部47が形成され乾燥された転写シートSを排紙トレイ31に排出し、排出された転写シートSを再度給紙トレイ23あるいは給紙トレイ24に収容して、給紙トレイ23,24から箔部47が形成された転写シートSを給送する構成を採用してもよい。
しかし、普通紙からなる転写シートSは吸湿性が高いため、乾燥工程と画像転写工程との間の時間が長くなると再度湿度を吸収してしまい、上述した問題点が解消されなくなる。このため、乾燥工程が完了した転写シートSは、上述したように乾燥工程後に連続して画像転写工程を行う構成とすることが好ましい。
【0033】
スイッチバック通路35からの転写シートSの再搬送と同時に、各プロセスカートリッジ3が作動して各感光体ドラム4が回転駆動される。各感光体ドラム4の周面には、転写シートS上に形成される箔画像部を構成する画像部に対応したレーザービームが各光学ユニット8から照射され、各感光体ドラム4の周面には照射されたレーザービームにより静電潜像がそれぞれ形成される。形成された各静電潜像は各現像装置6によってそれぞれ現像され、各感光体ドラム4の周面には形成される画像部に対応したトナー像がそれぞれ形成される。そして、各一次転写ローラ16が作動することにより各感光体ドラム4の周面に形成された各トナー像が中間転写ベルト9上にそれぞれ一次転写され、中間転写ベルト9上には画像部に対応したフルカラートナー像が形成される。
【0034】
そして、中間転写ベルト9上のフルカラートナー像にタイミングを合わせてレジストローラ対28が作動し、一時停止されていた転写シートSが二次転写ニップNに向けて給送される。二次転写ニップNでは、走行する中間転写ベルト9と給送される転写シートSとに合わせて二次転写ローラ17に所定の転写電圧が印加され、転写シートS上に中間転写ベルト9上のフルカラートナー像が転写される。転写シートSには、
図4に示すように箔部47上に定着前画像部51aが形成され、画像転写工程が完了する。
【0035】
画像転写工程が完了して、箔部47及び定着前画像部51aが形成された転写シートSは、搬送コンベヤ21によって定着装置20に搬送される。定着装置20に送られた転写シートSは、加熱ベルト20aと加圧ローラ20bとの圧接部を通過する際に転写された定着前箔画像部51aを熱と圧力とによって定着され、
図4に示すように画像部51が形成される。そして、転写シートS上に箔部47及び画像部51からなる箔画像部52が形成されて定着工程が完了する。
定着工程が完了して箔画像部52が形成された転写シートSは、上述と同様に、切替爪33、排紙路32、排出ローラ対30を介して排紙トレイ31上に排出積載される。
【0036】
本発明の画像形成方法によれば、箔部形成工程と画像転写工程との間に乾燥工程を備えている。乾燥工程中に転写シートSの内部に含有されている水分は気化して蒸気54として転写シートSの他方の面から蒸発するため、定着工程時において加熱されても転写シートSの一方の面側に形成された箔部47には気泡53が発生しない。これにより、定着工程時において箔部47に凸部47aが形成されることが防止されて箔部47の表面が荒れることが防止され、箔部47の表面の光沢を優れた状態で維持しつつ、十分なトナー定着性を得ることが可能な画像形成方法を提供できる。
【0037】
本発明の画像形成方法において、箔部形成工程は従来の画像形成方法と同様に、転写シートS上にベース画像部46を形成する第1の工程と、ベース画像部46上に箔41aを転写させる第2の工程とが行われる。
各工程は従来と同様に行われるが、カラープリンタ1の動作を制御する図示しない制御装置は、各工程においてベース画像部46が形成される転写シートSの一方の面側の温度をこれと対向する他方の面側の温度よりも低く設定している。
具体的には、第1の工程では、転写シートSの搬送速度が300~500mm/secの場合において、加熱ローラ42側の温度を160~180℃、加圧ローラ43側の温度を90℃にそれぞれ設定する。
第2の工程では、転写シートSの搬送速度が50~100mm/secの場合において、加熱ローラ42側の温度を120~150℃、加圧ローラ43側の温度を90℃にそれぞれ設定する。
そして図示しない制御装置は、図示しない温度検知手段により検知された温度に基づいて、上述の設定温度を満足するように加熱ローラ42の加熱手段の作動を制御する。
【0038】
上述の構成とすることにより、転写シートS上に良好に箔部47を形成することができる。ここで、第1の工程における転写シートSの搬送速度及び各ローラ側での温度は、転写シートSに対してベース画像部46が良好に定着する条件設定であれば特に制約はない。しかし、転写シートSの表面へのトナー定着時よりも箔部47の表面(すなわち箔41aの表面)へのトナー定着時の方がより高い熱量が必要であることが多いことが実験の結果判明している。このことから、第1の工程における熱量(温度/搬送速度)は、定着工程時における熱量(転写シートSの搬送速度200~400mm/sec、加熱ローラ20a1側の温度160~200℃、加圧ローラ20b側の温度90℃)よりも小さく設定している。
【0039】
第2の工程における転写シートSの搬送速度及び各ローラ側での温度は、その熱量が定着工程時における熱量よりも小さくなるように設定することが望ましい。ここで、第2の工程時での熱量を定着工程時での熱量よりも大きくした場合には、ベース画像部46への箔41aの転写時において、熱量過多により箔41aの表面が荒れる虞がある。
また、各工程時において、ベース画像部46が形成される転写シートSの一方の面側の温度を、これと対向する他方の面側の温度よりも低く設定している。これにより、転写シートS内に含有されている水分が蒸発してベース画像部46及び箔部47に対して悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0040】
本実施形態において、定着工程における転写シートSの搬送速度及び各ローラ側での温度は、乾燥工程時と同じ条件、すなわち転写シートSの搬送速度200~400mm/sec、加熱ローラ20a1側の温度160~200℃、加圧ローラ20b側の温度90℃に設定している。このような設定とすることにより、温度制御に必要な待ち時間を設けることなく、単一の定着装置20を用いて乾燥工程及び定着工程を交互に実施でき、画像形成時間を短縮できる。
ただし、乾燥工程と定着工程とでは転写シートSの表裏が反転しているため、乾燥工程時の熱量よりも定着工程時の熱量を大きくすることが望ましい。仮に乾燥工程時の熱量を定着工程時の熱量よりも大きく設定すると、転写シートS内に水分が多く含まれた状態で高い熱量を箔部47に与えてしまうことにより、気泡53が発生して箔部47の表面に凸部47aが顕出する虞がある。この不具合の発生を防止するためにも、乾燥工程では転写シートSの一方の面側の温度を他方の面側の温度よりも低く設定し、一方の面側の温度を100℃未満とすることが望ましい。また、転写工程でも同様の設定とすることにより、転写シートSの一方の面からの気泡53の発生が確実に防止され、箔画像部52における画像面の荒れを防止できる。
【0041】
本実施形態では、単一の定着装置20を用いて乾燥工程及び定着工程を行う構成とした。この構成により、装置本体2に新たに乾燥部(乾燥装置)を設けることなく既設の定着装置20を用いて乾燥工程を行うことができ、定着装置20を乾燥部として機能させることによりコストダウンを図ることができる。しかしこの構成では、乾燥工程時と定着工程時とでは定着装置20に対して転写シートSを反転させた状態で搬送する必要があるため、反転搬送部37が必要となる。
また、定着装置20の他に装置本体2に乾燥部を設ける構成、乾燥部を装置本体2とは別体で設ける構成としてもよい。このような構成によれば、反転搬送部37を設けることなく箔部47の表面が荒れることを防止できる。しかし、上述したように乾燥工程と次の転写工程との間の時間が長い場合には転写シートSが再度湿度を吸収してしまい、乾燥による箔部47の表面の荒れ防止効果が小さくなる。このことから、乾燥工程と次の転写工程との間の時間を短縮するため及び装置の簡素化を図る上でも、装置本体2に設けられた定着装置20を用いて乾燥工程を行うことが望ましい。
【0042】
本実施形態では、箔部形成工程を行う箔部形成部としての箔転写装置40を装置本体2の内部に備えた構成を示したが、上述したように箔転写装置40をカラープリンタ1の装置本体2内に設けず、装置本体2とは別の装置内に箔部形成部を設けてカラープリンタ1に接続させる構成としてもよい。この場合には接離手段43aを設ける必要がなく装置構成を簡易化できるが、箔部形成部からカラープリンタ1に対して箔部が形成された転写シートを搬送する経路を設ける必要がある。
【0043】
上記実施形態では、本発明が適用可能な画像形成装置としてカラープリンタ1を用いた例を示したが、本発明が適用可能な画像形成装置としてはこれに限られず、複写装置、ファクシミリ、複合機等にも本発明は適用可能である。本実施形態では、加圧ローラ20bによる加圧力は15~30N/cm2程度に設定されているが、このような加圧力であれば定着装置20の早期劣化を招くことが防止され、長期にわたって良好な定着品質を得ることができる。
また上記実施形態では、画像が形成される被記録媒体として転写シートSを用いる構成を示したが、この転写シートSとは記録紙には限定されず、厚紙、ハガキ、ロール紙、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、OHPフィルム、樹脂フィルム等も含まれ、シート状で画像形成可能であり、吸湿性を有する物質であればどのようなものを用いてもよい。本実施形態では厚さ0.2~0.3mmのパルプ系の転写シートを用いたが、市場流通性の良好な一般的な材質のものにも本発明は適用可能である。また、これ等以外の被記録媒体であっても、使用する被記録媒体に適応した搬送速度及び温度条件を選定することにより、本実施形態で示した搬送速度及び温度条件に限らず、本発明の適用が可能である。
【0044】
上述したように、本発明に用いられるベース画像部46は、トナーにより上記方式で形成されている場合に本発明の効果が得られより好適であるが、同様の成分で転写シートS上にベース画像部46を形成できるのであればその形成方法は上記方式に限定されず、インクジェット方式でもよい。以下に、転写シートS上にベース画像部46を形成可能なインクジェット転写方式を適用した液滴吐出装置の概略構成を説明する。
【0045】
図7は、ベース部材46を形成可能なインクジェット転写方式を適用した画像形成装置としての液滴吐出装置55を示している。この液滴吐出装置55は、液滴吐出ヘッド56C,56M,56Y,56Kを有するヘッドユニット56が液滴を吐出し、転写ベルト57の外周面上に画像やパターン等を形成する。形成された画像やパターンは乾燥装置58によって乾燥され、転写ベルト57上に膜化した画像が形成される。各液滴吐出ヘッド56に付された文字は、Cがシアン、Mがマゼンタ、Yがイエロ、Kがブラックをそれぞれ意味しており、ヘッドユニット56によりフルカラー画像が形成される。
転写ベルト57に形成された膜化した画像は、転写ベルト57が転写ローラ59と対向する転写部において転写シートSに転写される。転写ローラ59の転写ベルト走行方向下流側には、転写後の転写ベルト57表面をクリーニングするクリーニングローラ60が配置されている。
【0046】
転写ベルト57は、駆動ローラ61、転写対向ローラ62、4個の従動ローラ63,64,65,66、及び4個の支持ローラ67,68,69,70に掛け渡されており、転写ベルト駆動モータ71に駆動されて回転する駆動ローラ61に従動して、
図7において時計回り方向に走行駆動される。制御手段73によって駆動制御される転写ベルト駆動モータ71の出力軸にはエンコーダ72が取り付けられており、制御手段73はエンコーダ72からの出力信号に基づいて転写ベルト駆動モータ71の駆動制御を行い、これにより転写ベルト57の走行速度制御が行われる。
4個の支持ローラ67,68,69,70は各液滴吐出ヘッド56C,56M,56Y,56Kにそれぞれ対向して設けられており、各液滴吐出ヘッド56C,56M,56Y,56Kから液滴が吐出される際に転写ベルト57の引っ張り状態を維持する。
【0047】
転写ローラ59は転写モータ74によって回転駆動され、転写モータ74は制御手段73によって駆動制御される。転写対向ローラ62には接離モータ75によって回転駆動されるカム76が取り付けられており、制御手段73によって接離モータ75が駆動制御されることにより転写対向ローラ62が転写ローラ59に対して接離する。この構成では転写対向ローラ62を転写ローラ59に対して接離させる構成を示したが、転写ローラ59を転写対向ローラ62に対して接離させる構成を採用してもよい。
上述の構成により、転写シートS上に転写ベルト57に形成された膜化した画像を転写でき、これによって転写シートS上にベース画像部46を形成することができる。
【0048】
次に、転写シートS上にベース画像部46を形成可能なインクジェット画像形成方式を適用した液滴吐出装置の概略構成を説明する。
図8及び
図9は、ベース部材46を形成可能なインクジェット転写方式を適用した画像形成装置としての液滴吐出装置77を示している。液滴吐出装置77は、その装置本体内部に主走査方向に対して移動可能であり、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の液滴吐出ヘッド78を搭載するキャリッジ79を有している。また装置本体内部には、各液滴吐出ヘッド78及び各液滴吐出ヘッド78にインクを供給するインクタンク80等で構成される液滴吐出ユニット81等が収納されている。装置本体の下部には、前方側から多数枚の被記録媒体である転写シートSを積載可能な給紙カセット(給紙トレイでもよい)82が抜き差し自在に装着されている。さらに装置本体には、転写シートSを手差しで給紙する際に開放される手差しトレイ83が配設されている。液滴吐出装置77は、給紙カセット82または手差しトレイ83から給紙される転写シートSを取り込み、液滴吐出ユニット81によって所望の画像を記録した後、画像形成後の転写シートSを後面側に配設された排紙トレイ84に排出する。
【0049】
液滴吐出ユニット81は、図示しない左右の側板に掛け渡されたガイド部材である主ガイドロッド85と従ガイドロッド86とキャリッジ79とを主走査方向に摺動自在に保持している。キャリッジ79には、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色インク液滴を吐出する各液滴吐出ヘッド78が設けられている。
またキャリッジ79には、各液滴吐出ヘッド78に各色インクを供給する各インクタンク80が交換可能に装着されている。各インクタンク80は、上方に大気と連通する大気口を、下方に各液滴吐出ヘッド78へインクを供給する供給口をそれぞれ有している。インクタンク80の内部にはインクが充填された多孔質体が設けられており、多孔質体の毛管力によって液滴吐出ヘッド78に供給されるインクを僅かな負圧に維持している。
【0050】
キャリッジ79は、後方側である用紙搬送方向下流側を主ガイドロッド85に摺動自在に嵌装され、前方側である用紙搬送方向上流側を従ガイドロッド86に摺動自在に載置されている。キャリッジ79を主走査方向に移動走査させるため、主走査モータ87で回転駆動される駆動プーリ88と従動プーリ89との間にタイミングベルト90を掛け渡し、タイミングベルト90をキャリッジ79に固定している。この構成より、主走査モータ87の正逆回転により、キャリッジ79が往復移動される。
【0051】
一方、給紙カセット82にセットした転写シートSを液滴吐出ヘッド78の下方側へと搬送するため、給紙カセット82から転写シートSを分離給送する給紙ローラ91及びフリクションパッド92が配設されている。また、転写シートSを案内するガイド部材93、給送された転写シートSを反転させて搬送する搬送ローラ94が配設されている。さらに、搬送ローラ94の周面に押し付けられる搬送コロ95、搬送ローラ94から転写シートSの送り出し角度を規定する先端コロ96が設けられている。搬送ローラ94は、図示しない副走査モータによってギヤ列を介して回転駆動される。
【0052】
キャリッジ79の主走査方向における移動範囲に対応し、搬送ローラ94から送り出された転写シートSを液滴吐出ヘッド78の下方位置で案内するため、シートガイド部材である印写受け部材97が配設されている。印写受け部材97の用紙搬送方向下流側には、転写シートSを排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ98及び拍車99が設けられている。また、さらに転写シートSを排紙トレイ84に送り出す排紙ローラ100及び拍車101と、排紙経路を形成するガイド部材102,103が配設されている。
【0053】
上述の液滴吐出装置77では、記録時においてキャリッジ79を移動させつつ画像信号に応じて液滴吐出ヘッド78を駆動する。これにより、停止している転写シートSにインクを吐出して1行分を記録し、その後に転写シートSを所定量搬送した後に次の行の記録を行う。記録終了信号または転写シートSの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、液滴吐出装置77は記録動作を終了させて転写シートSを排紙する。
【0054】
キャリッジ79の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド78の吐出不良を回復させるための回復装置104が配設されている。回復装置104は、吸引キャップとポンプとワイピング装置とを有している。キャリッジ79は印字待機中に回復装置104側に移動され、吸引キャップで液滴吐出ヘッド78をキャッピングして液滴吐出ヘッド78内のノズルを湿潤状態に保つことにより、インク乾燥による吐出不良の発生を防止している。また、記録途中等に記録とは関係のないインクを吐出することにより、全てのノズルのインク粘度を一定にさせて安定した吐出状態を維持している。
【0055】
吐出不良が発生した場合等には、吸引キャップで液滴吐出ヘッド78のノズルを密封し、ポンプによりノズルからインクと共に気泡等を吸い出す。そして、ノズル面に付着したインクやごみ等をワイピングブラシによって除去し、これにより吐出不良が回復する。また、吸引したインクは本体下部に設けられた廃液タンクに排出され、廃液タンク内部に設けられたインク吸収体に吸収保持される。
上述した液滴吐出装置77により、転写シートS上に液滴吐出ヘッド78によってベース画像部46を形成することができる。
【0056】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
[1]被記録媒体の一方の面に箔が付着された箔部を形成する箔部形成工程と、前記箔部形成工程後の前記被記録媒体の前記一方の面に画像を転写する画像転写工程と、前記画像転写工程により前記被記録媒体の前記一方の面に転写された画像を定着させる定着工程と、を備え、画像形成装置を用いて被記録媒体に箔部と画像とを有する箔画像部を形成する画像形成方法において、前記箔部形成工程と前記画像転写工程との間に、前記箔部が形成された前記被記録媒体を乾燥させる乾燥工程を備える画像形成方法である。
[2]前記乾燥工程は前記被記録媒体を加熱することにより行われ、前記乾燥工程では前記一方の面側の温度を前記一方の面と対向する他方の面側の温度よりも低く設定することを特徴とする[1]に記載の画像形成方法である。
[3]前記箔部形成工程は、前記被記録媒体に前記箔を転写させるためのベース画像部を定着させる第1の工程と、前記被記録媒体に定着された前記ベース画像部に前記箔を転写させる第2の工程とを有し、前記各工程は前記被記録媒体を加熱することにより行われ、前記各工程では前記一方の面側の温度を前記一方の面と対向する他方の面側の温度よりも低く設定することを特徴とする[1]または[2]に記載の画像形成方法である。
[4]前記定着工程は前記被記録媒体を加熱することにより行われ、前記定着工程では前記一方の面側の温度を前記一方の面と対向する他方の面側の温度よりも低く設定することを特徴とする[1]ないし[3]の何れか一つに記載の画像形成方法である。
[5]前記一方の面側の温度は100℃未満であることを特徴とする[2]ないし[4]の何れか一つに記載の画像形成方法である。
[6]前記画像形成装置は加熱手段と加圧手段とを備え被記録媒体に転写された画像を定着させる定着部を有し、前記定着工程及び前記乾燥工程は前記被記録媒体が前記定着部を通過する際に行われることを特徴とする[1]ないし[5]の何れか一つに記載の画像形成方法である。
[7]前記乾燥工程は、前記定着部の前記加圧手段側に前記被記録媒体の前記一方の面が、前記加熱手段側に前記被記録媒体の前記他方の面が対応するように、前記定着部に対して前記被記録媒体が搬送され、前記定着工程は、前記定着部の前記加熱手段側に前記被記録媒体の前記一方の面が、前記加圧手段側に前記被記録媒体の前記他方の面が対応するように、前記定着部に対して前記被記録媒体が搬送されることを特徴とする[6]に記載の画像形成方法である。
[8]一方の面に箔部が形成された被記録媒体を用いて[7]に記載の画像形成方法を実行可能な画像形成装置であって、画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を前記被記録媒体に転写させる転写部と、前記定着部と、前記定着部に対して前記被記録媒体を反転搬送可能な反転搬送部と、を有する画像形成装置である。
[9]前記被記録媒体に箔部を形成する箔部形成部を有することを特徴とする[8]に記載の画像形成装置である。
[10]前記乾燥工程を行う乾燥部を有することを特徴とする[8]または[9]に記載の画像形成装置である。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0058】
1 画像形成装置(カラープリンタ)
3Y,3M,3C,3K 画像形成部(プロセスカートリッジ)
19 転写部
20 定着部、乾燥部(定着装置)
20a 加熱手段(加熱ベルト)
20b 加圧手段(加圧ローラ)
37 反転搬送部
40 箔部形成部(箔転写装置)
41a 箔
46 ベース画像部
47 箔部
52 箔画像部
S 被記録媒体(転写シート)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特許第5782893号公報
【特許文献2】特開2020-196551号公報