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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078416
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】照明装置および画像投射装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20240603BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240603BHJP
   F21V 7/30 20180101ALI20240603BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20240603BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20240603BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240603BHJP
【FI】
G03B21/14 A
F21S2/00 311
F21S2/00 312
F21S2/00 340
F21V7/30
F21V9/32
F21V9/40 200
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186924
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2022190660
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023023726
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023127303
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 崇
(72)【発明者】
【氏名】吉田 桃太朗
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA04
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA45
2K203FA54
2K203FA62
2K203GA25
2K203GA35
2K203GA40
2K203HA27
2K203HA87
2K203HB22
2K203MA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光源の配置を最適化することで高さを押さえて小型化することができる照明装置
【解決手段】照明装置であって、1つの光源ユニットの波長変換素子上の光の照射スポットの最も明るい位置と、1つの光源ユニットの光均一化素子へ入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含み光均一化素子へ入射する光の光路に平行な平面を平面A、平面Aに平行で他の1つの光源ユニットの波長変換素子上の光の照射スポットの最も明るい位置と、他の1つの光源ユニットの光均一化素子へと入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含む平面を平面B、と定義し、平面Aに垂直な方向における平面Aと平面Bとの距離をD、平面Aに垂直な方向における、1つの光源ユニットを構成する構成要素と、他の1つの光源ユニットを構成する構成要素との距離をdとしたとき、構成要素は光源あるいは波長変換素子の何れかであって、D>dの関係を満たす。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源および前記光源から出射された光の波長を変換する回転可能に設けられた波長変換素子をそれぞれ有する少なくとも2つの光源ユニットと、
前記少なくとも2つの光源ユニットのうち、1つの光源ユニットの光を偏向させて、他の1つの光源ユニットの光を同一方向に導いて光均一化素子へ入射させる合成用光学素子と、を備える照明装置であって、
前記1つの光源ユニットの波長変換素子上の光の照射スポットの最も明るい位置と、 前記1つの光源ユニットの前記光均一化素子へ入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含み前記光均一化素子へ入射する光の光路に平行な平面を平面A、前記平面Aに平行で前記他の1つの光源ユニットの波長変換素子上の光の照射スポットの最も明るい位置と、前記他の1つの光源ユニットの前記光均一化素子へと入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含む平面を平面B、と定義し、
前記平面Aに垂直な方向における前記平面Aと前記平面Bとの距離をD、
前記平面Aに垂直な方向における、前記1つの光源ユニットを構成する構成要素と、前記他の1つの光源ユニットを構成する構成要素との距離をdとしたとき、
前記構成要素は前記光源あるいは前記波長変換素子の何れかであって、
D>dの関係を満たすように配置されることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記合成用光学素子は、前記2つの光源ユニットの光のうち少なくとも一方の光を反射する反射部を有することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記平面Aに垂直な方向における、前記1つの光源ユニットの波長変換素子の回転軸中心と、前記他の1つの光源ユニットの波長変換素子の回転軸中心との距離をdとしたとき、
D>dの関係を満たすように前記波長変換素子が配置されることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の照明装置において、
前記平面Aに垂直な方向において、前記平面Aと前記平面Bとの間を平面間内、それ以外を平面間外と定義したとき、
前記1つの光源ユニットの波長変換素子の回転軸中心と、前記他の1つの光源ユニットの波長変換素子の回転軸中心の両方が、前記平面A側の平面間外、または、前記平面B側の平面間外に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項3に記載の照明装置において、
前記1つの光源ユニットの波長変換素子の回転軸中心と、前記他の1つの光源ユニットの波長変換素子の回転軸中心の前記平面Aに垂直な方向の位置が同一であることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記平面Aに垂直な方向における、前記1つの光源ユニットの前記光源の中心部と、前記他の1つの光源ユニットの前記光源の中心部との距離をdとしたとき、
D>dの関係を満たすように前記光源が配置されることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置であって、
前記平面Aに垂直な方向において、前記平面Aと前記平面Bとの間を平面間内、それ以外を平面間外と定義したとき、
前記1つの光源ユニットおよび前記他の1つの光源ユニットの少なくとも何れかの前記光源の光軸が前記平面間内に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項6に記載の照明装置であって、
前記1つの光源ユニットと前記他の1つの光源ユニットとから出射された光束が、何れも前記平面Aと平面Bとの間に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項6に記載の照明装置であって、
前記平面Aに垂直な方向を高さ方向と規定したとき、
前記1つの光源ユニットから出射された光束と、前記他の1つの光源ユニットから出射された光束とが、前記高さ方向において略同一の位置にあることを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記1つの光源ユニットと前記他の1つの光源ユニットとは、それぞれ集光素子を有し、
前記集光素子の光軸が、何れも前記平面Aと前記平面Bとの略中央に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記1つの光源ユニットと前記他の1つの光源ユニットとのそれぞれの光源の中心部が、何れも前記平面Aと前記平面Bとの略中央に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項12】
照明装置と、
前記照明装置からの光を用いて画像を生成する画像生成部とを備えた画像投射装置において、
前記照明装置として請求項1に記載の照明装置を用いたことを特徴とする画像投射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は照明装置およびそれを用いた画像投射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な映像を拡大して投射するプロジェクタ(画像投射装置)が知られている(例えば特許文献1等参照)。
こうした画像投射装置は、光源から出射された光をDMD(Digital Mirror Device)または液晶表示素子といった空間光変調素子(画像表示素子)に集光させ、映像信号に基づいて変調された空間光変調素子からの出射光(反射光あるいは透過光)を投射することでスクリーン上にカラー映像を表示する装置である。
【0003】
こうした画像投射装置に用いられる光源には、高輝度の超高圧水銀ランプ等が用いられてきたが、環境意識の高まりや長寿命化のために、LEDランプやレーザ光源等の個体光源の使用も増えてきている。
カラー映像用の光源には少なくとも3原色の照明光源が必要となるが、個体光源では発光効率や高輝度化の観点から、3原色全てを特定の波長のレーザ光源で生成することは好ましくない。
そのため、最も発光効率の良い青色レーザを励起光として波長変換素子である蛍光体に照射し、蛍光体で波長変換された蛍光から赤色光と緑色光とを生成するレーザ光源と蛍光とを併用する方式が主流となっている。
【0004】
このようにレーザ光源と蛍光とを併用する場合には、2つの光源からの光束を合成して1つの出射光としてスクリーン上に投影する必要がある。
そのため、ロットインテグレータあるいは光トンネルのような構成を用いて複数の光源からの光を合成する構成が知られている(例えば特許文献1等参照)が、単に2光源からの光を合成しようとするとき、光源の配置を左右対称とすると光源配置が左右対称となって照明装置の大型化につながってしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる技術的課題に対してなされたものであり、光源の配置を最適化することで照明装置全体の高さを押さえて小型化した照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置は、光源および前記光源から出射された光の波長を変換する回転可能に設けられた波長変換素子をそれぞれ有する少なくとも2つの光源ユニットと、前記少なくとも2つの光源ユニットのうち、1つの光源ユニットの光を偏向させて、他の1つの光源ユニットの光と同一方向に導いて光均一化素子へ入射させる合成用光学素子と、を備える照明装置であって、前記1つの光源ユニットの波長変換素子上の光の照射スポットの最も明るい位置と、前記1つの光源ユニットの前記光均一化素子へ入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含み前記光均一化素子へ入射する光の光路に平行な平面を平面A、前記平面Aに平行で前記他の1つの光源ユニットの波長変換素子上の光の照射スポットの最も明るい位置と、前記他の1つの光源ユニットの前記光均一化素子へと入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含む平面を平面B、と定義し、前記平面Aに垂直な方向における前記平面Aと前記平面Bとの距離をD、前記平面Aに垂直な方向における、前記1つの光源ユニットを構成する構成要素と、前記他の1つの光源ユニットを構成する構成要素との距離をdとしたとき、前記構成要素は前記光源あるいは前記波長変換素子の何れかであって、D>dの関係を満たすように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光源の配置を最適化することで照明装置全体の高さを押さえて小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像投射装置の構成の一例を示す図である。
図2】画像投射装置の制御部の構成の一例を示すブロック図である。
図3図1における照明装置の構成の一例を示す図である。
図4図3に示した波長変換素子の構成の一例を示す図である。
図5図3に示した光均一化要素の入り口における光強度分布の測定結果の一例を示す図である。
図6】それぞれの光源ユニットから出射される光束の光路と位置関係とを模式的に示す比較例の図である。
図7図6に示した比較例を構成する照明装置の光学ユニットの位置関係を模式的に示す図である。
図8図3に示した照明装置を、他の方向から見たときの光線図の一例を示す図である。
図9図8に示した構成を模式的に示す図である。
図10】画像投射装置の第2の実施形態の構成の一例を示す図である。
図11】照明装置の概略構成図である。
図12】各光源ユニットの第二照射スポットの一例を示す図である。
図13】従来構成における各光源ユニットのロッドインテグレータまでの光路を模式的に示した図である。
図14】従来構成の照射装置を-X方向から見た概略構成図である。
図15】本実施形態の各光源ユニットのロッドインテグレータまでの光路を模式的に示した図である。
図16】第一光源ユニットの蛍光体ホイールの回転軸中心のZ方向の位置と、第二光源ユニットの蛍光体ホイールの回転軸中心のZ方向の位置とを同一(d=0)にした模式図である。
図17】照明装置の第3の実施形態の構成の一例を示す図である。
図18】各光源ユニットの第二照射スポットの一例を示す図である。
図19】3つの光源ユニットを備えた照明装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて順次説明する。実施形態において、同一機能や同一構成を有するものには同一の符号を付し、重複説明は適宜省略する。図面は一部構成の理解を助けるために部分的に省略あるいは簡素化して記載する場合もある。
なお、以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向である。X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向として示すが、かかる構成に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施形態として、照明装置10を備えた画像投射装置100の構成の一例を示す図である。
画像投射装置100は、光源装置となる照明装置10と、照明装置10によって生成される照明光を変調する空間光変調器であるDMD(Digital Micromirror Device)101と、照明装置10から出力された光を略均一に照明してDMD101へと導く照明光学系102と、DMD101によって空間変調された光を投射面104へと拡大して投射する投射光学系103と、を有している。
画像投射装置100は、かかる構成により投射面104に投射画像を生成する。
【0011】
DMD101は、表面に配置された微小鏡面によって入射した光束を反射することで、照明装置10から出射された光束に画像情報を付与する空間光変調器である。
なお、本実施例では、空間光変調器としてDMD101を用いたがその他透過型液晶素子や反射型液晶素子等を用いても良い。
【0012】
投射光学系103は、DMD101よりも光路の下流側にあって、スクリーンである投射面104に向けて投射するための光学系である。
照明光学系102は、照明装置10からの照明光をDMD101に向けて誘導するための光学系である。これらの光学系は、レンズやミラーを含む光学素子で構成され、画像投射装置100の筐体105内に内蔵されている。
【0013】
図2は、画像投射装置100の制御部のハードウェア構成図である。画像投射装置100は、CPU(Central Processing Unit)801、ROM(Read Only Memory)802、RAM(Random Access Memory)803、メディアI/F(Interface)807、操作部808、電源スイッチ809、バスライン810、ネットワークI/F811、LD(Laser Diode)駆動回路814、光源11、投写デバイス816、投写レンズ817、外部機器接続I/F(Interface)818、ファン駆動回路819、冷却ファン820を備えている。
これらのうち、CPU801は、画像投射装置100全体の動作を制御する。ROM802は、CPU801の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。
メディアI/F807は、フラッシュメモリ等の記録メディア806に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
操作部808は、種々のキー、ボタン及びLED等が配設されており、ユーザによる画像投射装置100の電源のON/OFF以外の各種操作を行うのに使用される。例えば、操作部808は、投写画像の大きさの調整操作、色調の調整操作、ピント調整操作、キーストン調整操作等の指示操作を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU801に出力する。
電源スイッチ809は、画像投射装置100の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
バスライン810は、図8に示されているCPU801等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ネットワークI/F811は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
LD駆動回路814は、CPU801の制御下で、光源11の点灯及び消灯を制御する。
光源11は、LD駆動回路814の制御によって点灯されると、投写光を投写デバイス816に照射する。光源11は、例えばレーザーダイオード(Laser Diode:LD)モジュール、LED(Light Emitting Diode)モジュール等の発光素子、個体光源素子を含み、光源ユニットを構成する。
投写デバイス816は、外部機器接続I/F818等を介して与えられた画像データに基づいて、空間光変調方式により光源11からの投写光を変調して得た変調光を、投写レンズ817を通して、スクリーンの投写面へ画像として投写する。投写デバイス816としては、例えば、液晶パネルまたはDMD等が用いられている。上記LD駆動回路814、光源11、投写デバイス816及び投写レンズ817は、全体として、画像データに基づいて投写面に投写画像を投写する投写部(投写手段)として機能している。
外部機器接続I/F818は、直接、PC(Personal Computer)が接続され、PCとの間で、制御信号や画像データを取得する。
ファン駆動回路819は、CPU801及び冷却ファン820に接続されており、CPU801からの制御信号に基づいて、冷却ファン820の駆動/駆動停止を行う。
冷却ファン820は、回転することで、画像投射装置100内部の空気を排気して、画像投射装置100内部を冷却する。
また、CPU801は、電源電力が供給されると、ROM802に予め記憶されている制御プログラムに従って起動し、LD駆動回路814に制御信号を与えて光源11を点灯させるとともに、ファン駆動回路819に制御信号を与えて冷却ファン820を所定の定格回転数で回転させる。また、画像投射装置100は、電源回路21からの電源電力の供給が開始されると、投写デバイス816が画像表示可能状態になり、更に、他の種々の構成要素へ電源回路21から電力が供給される。
また、画像投射装置100は、電源スイッチ809がOFF操作されると、電源スイッチ809から電源OFF信号がCPU801に送られ、CPU801は、電源OFF信号を検知すると、LD駆動回路814へ制御信号を与えて光源11を消灯させる。CPU801は、その後、所定時間が経過すると、ファン駆動回路819へ制御信号を与えて冷却ファン820を停止させるとともに、自身で自身の制御処理を終了させ、最後に電源回路21へ指示を与えて電源電力の供給を停止させる。
【0014】
照明装置10は、図3に示すように、大別すると2つの光源ユニットである第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とを有し、別光源である第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とから出射された光を、プリズム2で合成して光均一化要素であるロッドインテグレータ3に入射することで、均一な照明光を取り出すための装置である。
【0015】
プリズム2は、第一光源ユニットLS1の光F1を第二光源ユニットLS2からの光F2と同一方向へと導くことを目的とする光学素子である。
本実施形態では、プリズム2は4面以上の多面を持つ多面体であって、プリズム2の多面のうち第一光源ユニットLS1からの光F1が入射する1面は反射面2Aを構成している。
なお、プリズム2は2つ以上の光源ユニットからの光を略同一方向へと合成して誘導するための手段であって、かかる構成に限定されるものでもなく、また3以上光源ユニットからの光を合成するためにより多面の構成であっても良い。
反射面2Aは、例えば、反射面2Aを斜面に形成した三角プリズムによって構成してもよく、あるいは片側に形成した平面ミラーによって構成してもよい。
本発明は、少なくとも2つの光源ユニットにおいて用いられる。2つの光源ユニットを備えた照明装置の場合は、例えば、図3に示されるように、1つの光源ユニットとしての第一光源ユニットLS1と、他の1つの光源ユニットとしての第二光源ユニットLS2において本発明が用いられる。
また、少なくとも2つの光源ユニットとして、3つの光源ユニットを備えた照明装置の場合は、第一光源ユニットLS1、第二光源ユニットLS2、第三光源ユニットLS3が、図19に例示されるように配置される。これら3つの光源ユニットのうち、任意の2つの光源ユニットにおいて、本発明が適用される。例えば、第一光源ユニットLS1を少なくとも2つの光源ユニットのうちの1つの光源ユニットとし、第二光源ユニットLS2を少なくとも2つの光源ユニットのうちの他の1つの光源ユニットとすることで、第一光源ユニットLS1、第二光源ユニットLS2の2つの光源ユニットが配置される部分の高さを抑えることができる。
また、第三光源ユニットLS3を、少なくとも2つの光源ユニットのうちの1つの光源ユニットとし、第二光源ユニットLS2を少なくとも2つの光源ユニットのうちの他の1つの光源ユニットとすることで、第二光源ユニットLS2、第三光源ユニットLS3の2つの光源ユニットが配置される部分の高さを抑えることができる。
さらに、第一光源ユニットLS1または第三光源ユニットLS3の何れか一方を、少なくとも2つの光源ユニットのうちの1つの光源ユニットとし、他の一方を少なくとも2つの光源ユニットのうちの他の1つの光源ユニットとすることで、第一光源ユニットLS1、第三光源ユニットLS3の2つの光源ユニットが配置される部分の高さを抑えることができる。
このように高さを抑えた部分には、LD駆動回路基板や冷却用ファン、風の流路などを備えることが可能となり、装置全体のレイアウトを最適化して大きさを抑えることができる。
このように本発明は、少なくとも2つの光源ユニットのうち、任意の2つの光源ユニットについて用いられるものであるが、以降の実施形態では特に第一光源ユニットLS1と、第二光源ユニットLS2とに着目した場合について説明する。
また、本発明が適用される任意の2つの光源ユニット以外の第三、第四などの追加の光源ユニットは、必ずしも後述する蛍光体ホイールを用いた光源でなくてもよく、単色あるいは複数の波長の光を発する光源ユニットでも構わない。また、任意の2つの光源ユニット以外の第三、第四などの追加の光源ユニットは、照明装置10の筐体外部に取り付けられる態様で備えられることもあり得る。
また、プリズム2は例えば拡散面を設けても良い。このように拡散面を設けることによれば、拡散面を通過する光の色や輝度のムラを解消することができる。なお、このような色や輝度のムラの解消方法としては別途拡散板を設けることも挙げられ、特に拡散面を設ける構成に限定されるものではない。
【0016】
プリズム2は、かかる構成により第一光源ユニットLS1からの光F1を反射することで、プリズム2の近傍(例えばZ方向で紙面の上側など)を通過する第二光源ユニットLS2からの光F2と略同一方向へと向かう光束として光均一化要素であるロッドインテグレータ3へと誘導する。
【0017】
ロッドインテグレータ3は、棒状のガラスであって、内部で入射光が複数回反射することによって均質化される光学要素であり本実施形態における光均一化要素として機能する。すなわちロッドインテグレータ3は、入射光を均一化して2つの光源ユニットLS1、LS2の光F1、F2の照度や光強度分布を均質化した照明光Lを出力する。
本実施形態では高効率性、高出力性に優れたロッドインテグレータを用いたが、その他、光均一化要素としてはミラーを4面貼り合わせた角柱状のライトトンネルを用いても良いし、フライアイレンズなどを適用しても良い。
ロッドインテグレータ3は、入射光の入射角に制限があり、後述するようにロッドインテグレータ3の入射位置上において、第一光源ユニットLS1からの光F1と、第二光源ユニットLS2からの光F2とは、何れもロッドインテグレータ3の入射角の制限内に収まるようにプリズム2からの出射位置が調整されている。
【0018】
第一光源ユニットLS1と、第二光源ユニットLS2とは、何れも同等の構成を備えているため、ここでは主に第一光源ユニットLS1について各要素を説明するとともに、第二光源ユニットLS2を構成する各要素についても同一の付番をして説明を適宜省略する。
第一光源ユニットLS1は、励起光の光源たる発光素子11と、発光素子11に対向して配置されたコリメータレンズ12と、光源光学系13と、集光素子14と、ダイクロイックミラー15と、波長変換素子17と、第一集光光学系16と、第二集光光学系18と、を有している。
照明装置10は、こうした光源ユニットを少なくとも2つ有している。
【0019】
発光素子11は、本実施形態における光源であって、複数の発光部11Aを2次元平面上に配列されたマルチチップのレーザーダイオードユニットである。このような複数の発光部11Aが並べられた平面の中央部を、本実施形態では「光源の中心部」とする。
発光部11Aに対向する位置には、コリメータレンズ12がアレイ状に配置されており、発光部11Aから出射される励起光を平行光束へと変換する。
光源光学系13は、コリメータレンズ12によって平行光となった励起光を集光するレンズである。
ここで光源11の中心部は、一般的には光源11から出射される励起光の光軸に一致する。そのため、光源光学系13は、前述した「光源の中心部」と、光源光学系13の光軸との位置が揃えられるように設けられている。
【0020】
集光素子14は、光源光学系13の後段に配置されたレンズである。
集光素子14を透過した光束は、ダイクロイックミラー15によって特定波長の光のみが反射され、第一集光光学系16によって波長変換素子17上の所望の位置に照射スポットたる第一照射スポット51を生じさせる。換言すると第一照射スポット51の近傍に波長変換素子17を設けている。
かかる第一照射スポット51は、一定の範囲を持った照射領域であって、照射領域における最も明るい位置は第一照射スポット51の重心を示し、かかる位置は第一集光光学系16の焦点位置に略一致する。
【0021】
第一照射スポット51に集光された光束は、波長変換素子17によって波長を変換されて、光源11における励起光とは異なる波長の光となる。
波長変換素子17は、図4に示すような円盤状の蛍光体ホイールであって、駆動モータに取り付けられて高速に回転させることで、波長変換素子17上における第一照射スポット51の位置を時間的に移動させる。本実施形態においては、波長変換素子17は、蛍光体が塗布されている蛍光体領域32と、励起光を反射する励起光反射領域33とを有しており、第一照射スポット51の位置は、波長変換素子17の回転によって蛍光体領域32または励起光反射領域33の何れかに位置するように配置される。
なおここでは波長変換素子17が2つの領域に分かれている例を示しているが、蛍光体領域32が2つ以上の複数に分かれていてもよく、また励起光反射領域33が複数あってもよい。
かかる構成により、波長変換素子17は、例えば光源11から出射された励起光として発光強度の中心波長が455nmの青色光を用いたときに、第一照射スポット51が励起光反射領域33に位置するときには青色光を出力し、第一照射スポット51が蛍光体領域32に位置するときには蛍光を出力することとなる。
【0022】
波長変換素子17で反射された光束は、再度第一集光光学系16を通過して第二集光光学系18によって集光された後、第一光源ユニットLS1からの光F1であれば反射面2Aで折り返されてカラーホイール53を通過してロッドインテグレータ3へと入射する。
あるいは、第二光源ユニットLS2からの光F2であれば、プリズム2を透過して、同様にカラーホイール53を通過してロッドインテグレータ3へと入射する。
カラーホイール53は、赤領域R、青色領域B、緑領域G、黄領域Yのフィルターを一体にした円盤であり、回転させながら光学ユニットLS1、LS2からの入射光F1、F2を通すことで、入射光を赤・青・緑・黄に時分割された光に変換する。
青色領域Bは、図4に示した波長変換素子17である蛍光体ホイールの励起光反射領域33に対応し、黄色領域Y、赤領域R、緑領域Gは、図4に示した波長変換素子17の蛍光体領域32にそれぞれ対応するように、同期される。
青色領域Bには透過拡散板を配置することにより、光源11のコヒーレンスを低減することが可能となり、投射面104上でのスペックルを低減させることができる。黄色領域Yは、蛍光体領域32から発光する黄色の蛍光の波長領域をそのまま透過させる。また、赤領域R、緑領域Gは、それぞれダイクロイックミラーを用いることにより、黄色の蛍光L2の波長から不要な波長域の光を反射させ、純度の高い色の光を得る。
このように、波長変換素子17とカラーホイール53によって、時間的に作られた各色の光が照明光学系102を通してDMD101に導かれて各色に対応した画像を形成し、投射光学系103によって投射面104へと拡大して投射される。
【0023】
さて、かかる照明装置10において、ロッドインテグレータ3の入り口には第二集光光学系18によって集光された第二照射スポット52が形成される。
本実施形態においては、第一光源ユニットLS1からの光F1と、第二光源ユニットLS2からの光F2とが、ロッドインテグレータ3の入り口に形成する第二照射スポット52は、図5に示すように形成される。なお、光F1による第二照射スポット52を52A、光F2による第二照射スポット52を52Bとして表示している。
第二照射スポット52は、それぞれの光源ユニットLS1、LS2からの光が集光された領域であって、光強度分布を測定したときには最も明るい(≒光強度の最も強い)位置が定められる。
ビーム光学系においては、このような点のことを第二照射スポット52の重心55と呼ぶこともある。このような重心55は、例えば図5のようにビーム断面の光強度分布を測定した結果を二次元表示したときのビームプロファイル画像の重心位置あるいは図心であって、ビームプロファイルにおける最も明るい位置である。
【0024】
ところで、ロッドインテグレータ3は細長い矩形のガラス棒状であって、このようなロッドインテグレータ3に複数の光源ユニットLS1、LS2からの光F1、F2を入射させるときには、入射角に制限が生じてしまう。
また、このときロッドインテグレータ3の入り口における照度をなるべく広い範囲で均一になるようにするためには、ロッドインテグレータ3の入り口において光F1、F2の第二照射スポット52が互いに重ならないように配置されることが好ましい。
また、従来の技術において、2系統の光源ユニットLS1、LS2からの光F1、F2を合成する場合には、ロッドインテグレータ3の長手方向であるX方向に対して、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とは水平に配置されるのが一般的であった。
【0025】
従って、互いに重ならないように第二照射スポット52を形成するために、一般的には第一光源ユニットLS1と、第二光源ユニットLS2とは高さ方向であるZ方向にギャップを生じさせた段違い配置をする構成が知られている。
このような配置について、少し詳しく説明する。
比較例として、本実施形態と同様の構成において、段違い配置を採用した場合において、光路を仮想的に模式化した図を図6に示している。なお、図6は、それぞれの光源ユニットLS1、LS2との間の光軸位置と、図4で示した第二照射スポット52の照射位置との対応関係を説明するために光路を平行に揃えて表示したときの模式的な説明に過ぎない。
また本比較例を構成する各要素は、図3図4等で述べた実施形態の構成と同様であるため同一の付番をして説明は適宜省略している。
【0026】
図6に示すような段違い配置における第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とのギャップdを表現するために、反射面2Aで折り返してロッドインテグレータ3へと入射する第一光源ユニットLS1からの光F1について、次のような仮想的な平面Aを考える。
すなわち、反射面2Aで折り返される際に生じる入射光の光軸と反射光の光軸とを含む平面に平行であって、かつ第一照射スポット51と第二照射スポット52との各照射スポットの最も明るい位置を含む平面を第一平面Aと定める。かかる第一平面Aは、光路をYZ平面で切り取ったとき、図6に一点鎖線で示されるような位置に仮想的に存在する平面である。
既に述べたように、比較例の第一光源ユニットLS1はかかる第一平面AとX方向について水平な位置に光軸O1’がくるように配置されている。
【0027】
同様に、第二光源ユニットLS2についても、第二光源ユニットLS2からの光F2について、第一照射スポット51と第二照射スポット52との両方を含み、かつ第一平面Aと平行な平面を第二平面Bと定める。
このとき第二光源ユニットLS2はかかる第二平面BとX方向について水平な位置に光軸O2’がくるように配置されている。
従って、光源ユニットLS1、LS2の光源11の中心位置は、垂直方向すなわちZ方向に第一平面Aと第二平面Bとの間の距離dだけ離間しており、このような高さ方向のギャップ分だけ、照明装置10が大型化してしまうという課題が生じていた。
また、このような図6に対応する段違い配置における光路を、図3よるX方向側からYZ平面(前述の通りZは高さ方向(=垂直方向))として見たときの図を図7に示す。第一平面A、第二平面Bとの位置関係のギャップdは、図7に示すように、比較例においては高さ方向であるZ方向の距離である。
【0028】
そこで、本実施形態では、光源ユニットLS1、LS2について、光源ユニットLS1の光源11と光源光学系13とを第二平面B側にシフトし、第二光源ユニットLS2の光源11と光源光学系13とを第一平面A側にシフトするように配置を変えた構成となっている。
このような配置を、図6、7と同様に示したのが図8図9である。なお、図8図9において、第一平面Aから+d/2、第二平面Bから-d/2した位置を、中間位置Oとして二点鎖線で示している。
図8では、光源ユニットLS1、LS2の光源11と、光源光学系13とが、何れも中間位置Oと一致するように配置されており、その光軸は何れも、第一平面Aと第二平面Bとの間に位置する。
既に述べたように、第一集光光学系16は、その焦点位置が、波長変換素子17の第一照射スポット51の最も明るい位置に一致している。
従って、平行光が光源光学系13に入射したときには、焦点位置に第一照射スポット51の最も明るい位置(重心位置)が形成されるので、第一集光光学系16のレンズの開口内であれば光源11と光源光学系13との位置はZ方向へのシフト移動が可能である。
【0029】
本実施形態では、かかる集光光学系16のレンズ特性を利用することにより、光源ユニットLS1の光源光学系13から出射された光束A1が、第一平面Aと第二平面Bとの間に位置するように、光源ユニットLS1の光源11の中心位置または光源光学系13の光軸の位置を制御する。
ここで、光束A1が、第一平面Aと第二平面Bとの間に位置するとは、光束の主光線(略中央)が位置することを意味する。すなわち、第一平面Aと第二平面Bとの間隔が光束A1よりも狭い場合などは、光束A1の大部分が第一平面Aと第二平面Bとの間に位置することとなる。
同様に、第二光源ユニットLS2の光源光学系13から出射された光束B1が、第一平面Aと第二平面Bとの間に位置するように、第二光源ユニットLS2の光源11の中心位置または光源光学系13の光軸の位置を制御する。ここで、「制御」とは光軸位置あるいは光源11の中心位置を設定することを示し、必ずしも駆動機構等を用いて移動可能であることに限定されるものではない。
ここで、光束B1が、第一平面Aと第二平面Bとの間に位置するとは、光束の主光線(略中央)が位置することを意味する。すなわち、第一平面Aと第二平面Bとの間隔が光束B1よりも狭い場合などは、光束B1の大部分が第一平面Aと第二平面Bとの間に位置することとなる。
また、本実施形態においては、中間位置Oと一致させるように各光軸を配置したが、照明装置10の小型化を達成するには、光源ユニットLS1、LS2の間に生じた高さ方向のギャップdを低減すれば良く、従って第一平面Aと第二平面Bとの間に光源光学系13の光軸が位置するとすれば良い。
【0030】
かかる構成によれば、第一照射スポット51、第二照射スポット52の位置を変えることなく、従ってロッドインテグレータ3の入り口における光強度分布を変えることなく、光源11及び光源光学系13の位置を変えることで光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2との間の高さ方向のギャップdを低減するので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0031】
このような照明装置10を最も小型化するためには、ギャップdを最小にすることが望ましく、光源ユニットLS1の光源11の中心位置と、第二光源ユニットLS2の光源11の中心位置とは略同一高さに位置していることが最も好ましい。
同様に、かかる構成において、第一光源ユニットLS1の光源光学系13の光軸の位置と、第二光源ユニットLS2の光源光学系13の光軸の位置とは略同一高さに位置していることが最も好ましい。
このような構成とすることによれば、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2との光源11における高さ方向のギャップdが低く抑えられるので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0032】
さらに、これらのギャップdを低減することは、第一光源ユニットLS1の光源光学系13から出射された光束A1と、第二光源ユニットLS2の光源光学系13から出射された光束B1とが、高さ方向であるZ方向において略同一の位置にあることと等しい。
かかる構成によれば、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2との光源11における高さ方向のギャップdが低く抑えられるので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0033】
このように、第一平面Aと第二平面Bとを定義した上で、かかる第一平面Aと第二平面Bとに挟まれた範囲内で、第一平面Aと第二平面Bとの中間位置Oに向かって光源11の中心位置と光源光学系13の光軸位置とをシフト移動させるような構成とすれば、光源光学系13のレンズ効果によって波長変換素子17上の第一照射スポット51の径方向位置は変えずに、照明装置10の小型化を達成できる。
【0034】
このように、光源光学系13の光軸位置を中間位置Oと一致させるように移動させることで、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2との間の光源11のギャップdを最小化して、照明装置10の小型化を図ることができる。
【0035】
このような照明装置10の第2の実施形態として、図10には、画像投射装置100の概略構成図を示した。図11は、照明装置10の概略平面図(照明装置10を上から見た図)である。
照明装置10は、第1の実施形態と同様に、第一光源ユニットLS1と、第二光源ユニットLS2と、合成用光学素子としてのプリズム2と、カラーホイール53と、光均一化素子としてのロッドインテグレータ3とを有している。
なお、本実施形態においても、第一光源ユニットLS1、第二光源ユニットLS2を構成する各構成要素である光源11、コリメータレンズ12、光源光学系13、集光素子14、ダイクロイックミラー15等の光学素子は共通であるため、同一の付番を付して説明を適宜省略する。また、波長変換素子としての円盤状の蛍光体ホイール17、第一集光光学系16、第二集光光学系18については、構成が同一であるので同一の付番をして説明を省略する。
【0036】
本実施形態の照明装置10において、ロッドインテグレータ3の入り口には各光源ユニットLS1,LS2の第二集光光学系18によって集光された第二照射スポット52が形成される。
図12は、ロッドインテグレータ3の入り口に形成される各光源ユニットの第二照射スポットの一例を示す図である。
図12に示す52Aが、第一光源ユニットLS1からの光F1による第二照射スポットであり、図12に示す52Bが第二光源ユニットLS2からの光F2による第二照射スポット52である。
【0037】
第二照射スポット52は、それぞれの光源ユニットLS1、LS2からの光が集光された領域であって、光強度分布を測定したときには最も明るい(≒光強度の最も強い)位置が定められる。ビーム光学系においては、このような点のことを第二照射スポット52の重心55と呼ぶこともある。このような重心55A,55Bは、例えば図12のようにビーム断面の光強度分布を測定した結果を二次元表示したときのビームプロファイル画像から最も明るい位置を特定することで求めることができる。
【0038】
図12に示すように、本実施形態では、ロッドインテグレータ3の入り口において第一光源ユニットLS1の光F1の第二照射スポット52Aと、第二光源ユニットLS2の光F2の第二照射スポット52Bとが互いに重ならないようにしている。これにより、ロッドインテグレータ3の入り口における照度をなるべく広い範囲で均一するにすることができ、DMD101に照射される照明光を良好に均質化できる。
【0039】
また、ロッドインテグレータ3の長手方向であるX方向に対して、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とを平行に配置することが一般的である。かかる構成とすることで、ロッドインテグレータ3の長手方向に対して高効率にカップリングさせることができるからである。
【0040】
このように、ロッドインテグレータ3の長手方向であるX方向に対して、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とを平行に配置し、かつ、光F1の第二照射スポット52Aと、光F2の第二照射スポット52Bとが互いに重ならないようにするため、次のように各光源ユニットLS1,LS2を配置している。すなわち、第一光源ユニットLS1と、第二光源ユニットLS2とを鉛直方向(Z方向)にギャップを生じさせた段違い配置である。
【0041】
図13は、第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2と段違い配置を採用した従来構成における各光源ユニットのロッドインテグレータ3までの光路を模式的に示した図であり、図14は、従来構成の照射装置を-X方向から見た概略構成図である。なお、図13は、各光源ユニットの光路を模式的に示した図にすぎず、光学素子や蛍光体ホイール等の大小関係は、実際とは異なる。
【0042】
図13図14に示すような段違い配置における第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2とのギャップを表現するために、以下の仮想的な平面を考える。まず、プリズム2の反射面2Aで折り返してロッドインテグレータ3へと入射する第一光源ユニットLS1からの光F1については、次のような仮想的な第一平面Aを考える。すなわち、第一光源ユニットLS1において、第一照射スポット51と第二照射スポット52との各照射スポットの最も明るい位置(重心)を含み、プリズム2からロッドインテグレータ3までの光路(X方向)に平行な平面を第一平面Aと考える。かかる第一平面Aは、光路をYZ平面で切り取ったとき、図13に一点鎖線、図14に破線で示されるような位置に仮想的に存在する平面である。
【0043】
次に、プリズム2の透過面2Bを透過してロッドインテグレータ3へと入射する第二光源ユニットLS2からの光F2については、次のような仮想的な第二平面Bを考える。すなわち、第一光源ユニットLS1と同様に、第二光源ユニットLS2からの光F2について、第一照射スポット51と第二照射スポット52との両方を含み、かつ第一平面Aと平行な平面を第二平面Bと考える。かかる第二平面Bは、光路をYZ平面で切り取ったとき、図13に破線、図14に一点鎖線で示されるような位置に仮想的に存在する平面である。
【0044】
図13図14に示す第一光源ユニットLS1と第二光源ユニットLS2の段違い配置を採用した従来構成においては、蛍光体ホイールについても、段違い配置となっていた。具体的には、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールを、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイールに対して、上記平面Aと上記平面Bとの距離Dだけ上方にずらした配置としている。その結果、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイールの回転軸中心O1と、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールの回転軸中心O2とのZ方向の距離dが、上記平面Aと上記平面Bとの距離D離れていた(d=D)。
【0045】
蛍光体ホイール17は、照射される光により温度上昇する。そのため、蛍光体ホイールの直径を大きくして回転時に光が照射されない期間を長くすることで、蛍光体ホイールの温度上昇を抑制している。そのため、蛍光体ホイール17が、光源ユニットの他の光学素子よりも大きくなってしまう。本実施形態では、各光源ユニットにおいて、同じ光出力の励起光を使用するため、冷却の観点から各光源ユニットの蛍光体ホイール17の直径も同一となっている。
【0046】
このように、蛍光体ホイール17のサイズは、冷却の観点から直径が大きくなり、蛍光体ホイール17のサイズは、光源ユニットの他の光学素子よりも大きく、光源ユニットのサイズに与える影響が大きい。そのため、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールを、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイールに対して、上記平面Aと上記平面Bとの距離Dだけ上方にずらした配置とした図13図14に示す従来構成では、照明装置10がZ方向に大型化してしまう。具体的に説明すると、従来構成では、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールを、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイールに対して、上記平面Aと上記平面Bとの距離Dだけ上方にずらして配置している。そのため、その距離D分だけ、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールが、第一光源ユニットの蛍光体ホイールに対して上方にはみ出ししており、そのはみ出し分、照明装置10のZ方向の寸法が長くなり、装置が大型化してしまうのである。
【0047】
そこで、本実施形態では、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイールの回転軸中心O1と、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールの回転軸中心O2とのZ方向の距離dを、上記平面Aと上記平面Bとの距離Dよりも短くした(d<D)。以下、図面を用いて、本実施形態の特徴部について、説明する。
【0048】
図15は、本実施形態の各光源ユニットLS1,LS2のロッドインテグレータ3までの光路を模式的に示した図である。なお、図15では、集光素子14および第二集光光学系18については、省略している。また、以下の説明では、第一光源ユニットLS1の光学素子については、図番号に「A」を付し、第二光源ユニットLS2の光学素子については、図番号に「B」を付して適宜区分して説明する。
【0049】
図14に示すように、本実施形態では、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイール17Aの回転軸中心O1と、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイール17Bの回転軸中心O2とのZ方向の距離dを、上記平面Aと上記平面Bとの距離Dよりも短くなるように(d<D)、各蛍光体ホイールを配置している。
【0050】
これにより、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイール17Bの第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイール17Aに対する上方のはみ出しを、図13に示した従来構成(d=D)よりも少なくともできる。これにより、図13に示した従来構成よりも、照明装置10を上下方向(Z方向)に短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0051】
図16は、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイール17Aの回転軸中心O1のZ方向の位置と、第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイール17Bの回転軸中心O2のZ方向の位置とを同一(d=0)にした模式図である。
上述したように、本実施形態では、各光源ユニットの蛍光体ホイール17A,17Bの直径が同一である。そのため、各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2のZ方向の位置が同一となるように、各蛍光体ホイールを配置することで、一方の蛍光体ホイールの他方の蛍光体ホイールに対する上方のはみ出しを無くすことができる。これにより、さらに照明装置10を上下方向(Z方向)に短くすることができ、装置の小型化をさらに図ることができる。
【0052】
さらに、図16に示す構成では、各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2が、Z方向において、上記平面Aと平面Bとの間に位置している。図15に示す各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2が、Z方向において、上記平面Aよりも上側に配置されたものは、第一光源ユニットLS1の発光素子11の下端が、蛍光体ホイールの下端よりも下側に位置している。その結果、照明装置10の上下方向(Z方向)の寸法が、蛍光体ホイールの直径よりも大きくなってしまう。
【0053】
一方、図16に示す各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2がZ方向において上記平面Aと平面Bとの間に位置する構成では、蛍光体ホイールを除く各光源ユニットの光学部品(発光素子11、コリメータレンズ12、光源光学系13、集光素子14と、ダイクロイックミラー15、第一集光光学系16および第二集光光学系18)を、Z方向において、蛍光体ホイールの下端から上端までの間に配置できる。これにより、照明装置10の上下方向(Z方向)の長さHを、ほぼ、蛍光体ホイールの直径にでき、図15に示す構成に比べて、照明装置10を上下方向に小型化することができる。
【0054】
なお、上記光学部品の大きさ等によっては、図16に示す構成としても、上記光学部品を、蛍光体ホイールの下端から上端までの間に配置できない場合がある。この場合でも、図15に示す構成に比べて、上記光学部品の蛍光体ホイールからのZ方向におけるはみ出しを抑えることができ、図15に示す構成(各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2がZ方向において上記平面Aと平面Bとの間以外に位置する構成)に比べて、照明装置10をZ方向で小型化できる。
【0055】
特に、図16に示す構成では、各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2を、上記平面Aと上記平面Bとの間の中央に位置するように、各蛍光体ホイールを配置している。これにより、蛍光体ホイールを除く各光源ユニットの光学部品(光源11、コリメータレンズ12、光源光学系13、集光素子14と、ダイクロイックミラー15、第一集光光学系16および第二集光光学系18)を、上下方向(Z方向)において、蛍光体ホイールの回転軸中心付近に配置可能となる。これにより、蛍光体ホイールを除く各光源ユニットの光学部品(光源11、コリメータレンズ12、光源光学系13、集光素子14と、ダイクロイックミラー15、第一集光光学系16および第二集光光学系18)を、Z方向において、蛍光体ホイールの下端から上端までの間に配置することが容易となり、照明装置10の小型化を図ることができる。
【0056】
なお、各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2を、Z方向において、上記平面Aと上記平面Bとの間よりも上方(図15参照)、または、下方に配置することで、以下の利点を得ることができる。すなわち、Z方向において、各蛍光体ホイール17A,17Bの回転軸中心O1,O2の配置側と反対側(図15の場合は、下側)にスペースを確保することができる。これにより、そのスペースに冷却ユニット等のその他大型部品を配置することができ、装置のレイアウトの自由度を高めることができるという利点である。
【0057】
また、第一光源ユニットLS1および第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイールを除くその他の光学部品のうち最下位(図16では、第一光源ユニットの光源たる発光部11Aや光源光学系13Aの下端)と同位置に各蛍光体ホイールの下端が位置するように蛍光体ホイールを配置してもよい。かかる構成とすることでも、照明装置10の上下方向(Z方向)の長さHを、ほぼ蛍光体ホイールの直径にすることが可能となる。
【0058】
なお、上述では、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイール17Aの直径と第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイール17Bの直径とが同一の場合について説明したが、第一光源ユニットLS1の蛍光体ホイール17Aの直径と第二光源ユニットLS2の蛍光体ホイール17Bの直径とが互いに異なる場合でも、d<Dを満たすことで、d≧Dの場合に比べて、装置の小型化を図ることができる。具体的に説明すると、大径の蛍光体ホイールの直径をL1、小径の蛍光体ホイールの直径をL2とすると、小径の蛍光体ホイールが大径の蛍光体ホイールに対してZ方向ではみ出さない回転軸中心間距離dの条件は、L1-L2>dである。d<Dを満たすことで、L1-L2>dの関係を満たすことができ、照明装置10の大型化を避けることができる。
【0059】
また、本発明の第3の実施形態として、第一光源ユニットLS1及び第二光源ユニットLS2を構成する各光学素子を、各光学素子間の距離をdとしたとき、D>dの関係を満たすように各光学素子が配置された例について図17に示す。
【0060】
本実施形態においても、2組の光源ユニットLS1、LS2において光源11から出射された光は光源ユニットLS1、LS2を構成する光学素子であるコリメータレンズ12、光源光学系13、集光素子14、ダイクロイックミラー15、第一集光光学系16を通して蛍光体ホイール17へ出射される。蛍光体ホイール17により波長を変換された光は、再び第一集光光学系16、蛍光体ホイール17、第二集光光学系18を通過しロッドインテグレータ3へ入射される。2組の光源ユニットLS1、LS2はそれぞれ異なる光軸を持つため、ロッドインテグレータ3へと入射させるためには、少なくとも一つの光源ユニットの光線方向を変化させ、同一の光均一化素子へ導く必要がある。
図17では、光源ユニットLS1の光軸を変換するための合成用光学素子としてプリズム2を採用している。合成用光学素子は、かかる構成に限定されるものではなく、回折格子、楔型プリズム棟で光路を偏光しても良いし、反射して折り曲げてもよい。
【0061】
上記の通り、光源ユニットLS1、LS2の構成要素とは、光源11、光源11に対向して配置されたコリメータレンズ12、光源光学系13、集光素子14や、蛍光体ホイール17等を含んだ概念である。
光源ユニットを2組用いる本実施形態の構成では、各光源ユニットLS1、LS2の配置関係によって、画像投射装置100本体のサイズが大きく増減する。
特に高さ方向(図17のZ軸方向)における本体サイズに関して、光源11からロッドインテグレータ3までの光路に含まれる構成要素の高さを近づける事でサイズの増大を抑制することが出来る。
一例として、蛍光体ホイール17上での光線のスポットの図を図18に示す。
図18においては、横軸がY方向、縦軸がZ軸方向で、Z軸方向に、スポット光55A、55Bが並んでいる。このように、図18の55A~55B間の高さ方向の距離をDとし、光学素子18以外の光源ユニットLS1、LS2からロッドインテグレータ3までの光路に含まれる構成要素(光源や光学素子)の中心間の距離をdとするとき、D>dの関係を満たすように配置することで本体サイズの増大を抑制することが出来る。
なお、このような中心間距離dを近づける光学素子は、光源ユニットLS1、LS2を構成する各光学素子のうち任意の素子であって良く指定はないが、光源ユニットLS1、LS2を構成する各光学素子の中で比較的大型の部品となる蛍光体ホイール17、あるいは大型の冷却部品が取りつく光源11の中心間の距離を近づけることにより画像投射装置100本体のサイズが大きく増減するため、より効果的である。
【0062】
(態様1)
上述のように、本発明における照明装置10は、光源11および光源11から出射された光の波長を変換する回転可能に設けられた波長変換素子17をそれぞれ有する少なくとも2つの光源ユニットLS1、LS2と、少なくとも1つの光源ユニットの光を偏向させて、2つの光源ユニットLS1、LS2の光を同一方向に導いて光均一化素子であるロッドインテグレータ3へ入射させるプリズム2と、を備えている。
また、1つの光源ユニットLS1の波長変換素子17上の光の照射スポットの最も明るい位置と、1つの光源ユニットLS1のロッドインテグレータ3へ入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含みロッドインテグレータ3へ入射する光の光路に平行な平面を平面A、平面Aに平行で他の1つの光源ユニットLS2の波長変換素子17上の光の照射スポットの最も明るい位置と、他の1つの光源ユニットLS2のロッドインテグレータ3へと入射する光の照射スポットの最も明るい位置と、の両方を含む平面を平面B、と定義し、平面Aに垂直な方向における平面Aと平面Bとの距離をD、平面Aに垂直な方向における1つの光源ユニットLS1を構成する構成要素と、他の1つの光源ユニットLS2を構成する構成要素との距離をdとしたとき、前記構成要素は前記光源あるいは前記波長変換素子の何れかであって、D>dの関係を満たすように配置されることを特徴とする。
かかる構成とすれば、特に高さ方向(図16のZ軸方向)における画像投射装置100の本体サイズに関して、光源11からロッドインテグレータ3までの光路に含まれる各構成要素の高さを近づける事でサイズの増大を抑制することが出来る。
【0063】
(態様2)
態様1において、プリズム2は、2つの光源ユニットLS1、LS2の光のうち少なくとも一方の光F1を反射する反射部である反射面2Aを有する。
これによれば、2つの光源ユニットの光を略同一方向に導き、ロッドインテグレータ3などの光均一化素子へ入射させることができる。
かかる構成によれば、2つの光源ユニットLS1、LS2の光をロッドインテグレータ3に平行に入射できる。
【0064】
(態様3)
態様1または態様2において、平面Aに垂直な方向における、1つの光源ユニットLS1の波長変換素子17の回転軸中心と、他の1つの光源ユニットLS2の波長変換素子17の回転軸中心との距離をdとしたとき、D>dの関係を満たすように波長変換素子17が配置される。
かかる構成によれば、特に高さ方向(図16のZ軸方向)における画像投射装置100の本体サイズに関して、光源11からロッドインテグレータ3までの光路に含まれる各構成要素のうちで最も大きい蛍光体ホイール17の回転軸中心位置の高さ方向の差を抑える事でサイズの増大を抑制することが出来る。
【0065】
(態様4)
態様1乃至態様3の何れかにおいて、平面Aに垂直な方向(Z方向、上下方向)において、平面Aと平面Bとの間を平面間内、それ以外を平面間外と定義したとき、第一光源ユニットLS1などの1つの光源ユニットの蛍光体ホイール17Aなどの波長変換素子の回転軸中心O1と、第二光源ユニットLS2などの他の1つの光源ユニットの蛍光体ホイール17Bなどの波長変換素子の回転軸中心O2の両方が、平面A側の平面間外、または、平面B側の平面間外に位置する。
これによれば、実施形態で説明したように、平面間内を挟んで、各光源ユニットの蛍光体ホイール17などの波長変換素子の回転軸中心が位置する側と反対側にスペースを生み出すことができ、そのスペースに冷却ユニット等のその他大型部品を配置することが可となる。これにより、装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0066】
(態様5)
態様1乃至態様4の何れかにおいて、第一光源ユニットLS1などの1つの光源ユニットの蛍光体ホイール17Aなどの波長変換素子の回転軸中心O1と、第二光源ユニットLS2などの他の1つの光源ユニットの蛍光体ホイール17Bなどの波長変換素子の回転軸中心O2の平面Aに垂直な方向(Z方向、上下方向)の位置が同一である。
これによれば、図7を用いて説明したように、平面Aに垂直な方向(Z方向、上下方向)において、第一光源ユニットLS1などの1つの光源ユニットの蛍光体ホイール17Aなどの波長変換素子の回転軸中心O1と、第二光源ユニットLS2などの他の1つの光源ユニットの蛍光体ホイール17Bなどの波長変換素子の回転軸中心O2とが互いに異なる場合に比べて、照明装置を上記垂直方向に小型化を図ることができる。
【0067】
(態様6)
態様1乃至態様5の何れかにおいて、平面Aに垂直な方向における、1つの光源ユニットLS1の光源11の中心部と、他の1つの光源ユニットLS2の光源11の中心部との距離をdとしたとき、D>dの関係を満たすように光源11が配置される。
かかる構成によれば、特に高さ方向(図16のZ軸方向)における画像投射装置100の本体サイズに関して、光源11からロッドインテグレータ3までの光路に含まれる各構成要素の光源11の中心位置の高さ方向の差を抑える事でサイズの増大を抑制することが出来る。
【0068】
(態様7)
態様1乃至態様6の何れかにおいて、平面Aに垂直な方向において、平面Aと平面Bとの間を平面間内、それ以外を平面間外と定義したとき、1つの光源ユニットLS1および他の1つの光源ユニットLS2の少なくとも何れかの光源の光軸が平面間内に位置する。
かかる構成によれば、光源ユニットLS1と光源ユニットLS2との光源における高さ方向が低く抑えられるので、照明装置10の小型化を実施することができる。
【0069】
(態様8)
態様1乃至態様7の何れかにおいて、1つの光源ユニットLS1と他の1つの光源ユニットLS2とから出射された光束が、何れも平面Aと平面Bとの間に位置する。
かかる構成によれば、光源ユニットLS1と光源ユニットLS2との高さ方向が低く抑えられるので、照明装置10の小型化を実施することができる。
かかる構成によれば、光源ユニットLS1と光源ユニットLS2との光源11における高さ方向のギャップdが低く抑えられるので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0070】
(態様9)
態様1乃至態様8の何れかにおいて、平面Aに垂直な方向を高さ方向Zと規定したとき、1つの光源ユニットLS1から出射された光束と、他の1つの光源ユニットLS2から出射された光束とが、高さ方向において略同一の位置にあることを特徴とする。
かかる構成によれば、光源ユニットLS1と光源ユニットLS2との光源11における高さ方向のギャップdが低く抑えられるので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0071】
(態様10)
態様1乃至態様9の何れかにおいて、1つの光源ユニットLS1と他の1つの光源ユニットLS2とは、それぞれ集光素子14を有し、集光素子14の光軸が、何れも第一平面Aと第二平面Bとの略中央位置Oに位置することを特徴とする。
かかる構成によれば、光源ユニットLS1と光源ユニットLS2との光源11における高さ方向のギャップdが最小となるので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0072】
(態様11)
態様1乃至態様10の何れかにおいて、1つの光源ユニットLS1と他の1つの光源ユニットLS2とのそれぞれの光源11の中心部が、何れも第一平面Aと第二平面Bとの略中央に位置することを特徴とする。
かかる構成によれば、光源ユニットLS1と光源ユニットLS2との光源11における高さ方向のギャップdが最小となるので、光学上の性能を維持しながら照明装置10の小型化を実施することができる。
【0073】
(態様12)
照明装置10と照明装置からの光を用いて画像を生成するDMD101などの画像生成部とを備えた画像投射装置において、照明装置として態様1乃至態様11のいずれかの照明装置を用いた。
これによれば、装置の小型化を図ることができる。
【0074】
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
2…合成用光学素子(プリズム)
3…光均一化要素(ロッドインテグレータ)
10…照明装置
13…光源光学系
14…集光素子
16…第一集光光学系
17…波長変換素子
18…第二集光光学系
51…第1照射スポット
52…第2照射スポット(集光スポット)
100…画像投射装置
101…空間光変調器(DMD)
103…投射光学系
104…投射面
A…第一平面
B…第二平面
LS1…第一光源ユニット
LS2…第二光源ユニット
LS3…第三光源ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特許第6283932号公報
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