(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078667
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ICチップ、カメラモジュールおよび位置制御システム
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240604BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240604BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240604BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20240604BHJP
H02P 25/064 20160101ALI20240604BHJP
G05D 3/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
G02B7/04 E
G02B7/08 C
H02P25/064
G05D3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191147
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 啓太
(72)【発明者】
【氏名】北元 裕樹
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5H303
5H540
【Fターム(参考)】
2H044BE10
2H044BE18
2H044DC01
2H044DC10
2H044DE06
2K005BA42
2K005CA02
2K005CA23
2K005CA40
2K005CA53
5H303AA26
5H303BB02
5H303BB07
5H303CC01
5H303DD11
5H303GG09
5H303HH01
5H303KK11
5H303LL02
5H540AA10
5H540BA03
5H540BB03
5H540BB07
5H540BB09
5H540EE05
5H540FA03
5H540FA13
5H540FA23
5H540FC07
(57)【要約】
【課題】複数の軸における可動体の位置を検知する場合、検知軸以外の他軸の位置による影響を補正できることが好ましい。
【解決手段】可動体の第1の方向および第2の方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサと、複数の磁気センサが検知する磁場に応じて可動体の第1の方向における第1駆動範囲に対する第1相対位置を算出する第1位置情報設定部と、複数の磁気センサが検知する磁場に応じて可動体の第2の方向における第2駆動範囲に対する第2相対位置を算出する第2位置情報設定部と、第1駆動範囲における第1目標位置を算出する第1目標位置調整部と、第2駆動範囲における第2目標位置を算出する第2目標位置調整部とを備え、第1位置情報設定部および第1目標位置調整部は、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方を補正するICチップを提供する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を含む可動体の第1の方向および第2の方向の位置を検出し、前記可動体を前記第1の方向および前記第2の方向に駆動するためのICチップであって、
前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサが検知する磁場に応じて前記可動体の前記第1の方向における第1駆動範囲に対する第1相対位置を算出する第1位置情報設定部と、
前記複数の磁気センサが検知する磁場に応じて前記可動体の前記第2の方向における第2駆動範囲に対する第2相対位置を算出する第2位置情報設定部と、
前記第1駆動範囲における第1目標位置を算出する第1目標位置調整部と、
前記第2駆動範囲における第2目標位置を算出する第2目標位置調整部と
を備え、
前記第1位置情報設定部および前記第1目標位置調整部は、前記第2相対位置または前記第2目標位置の少なくとも一方に基づいて、前記第1相対位置または前記第1目標位置の少なくとも一方を補正する
ICチップ。
【請求項2】
前記可動体の前記第1の方向における前記第1相対位置に基づいて、前記可動体を前記第1の方向に駆動する第1のドライバと、
前記可動体の前記第2の方向における前記第2相対位置に基づいて、前記可動体を前記第2の方向に駆動する第2のドライバと
を更に備える請求項1に記載のICチップ。
【請求項3】
前記第2位置情報設定部および前記第2目標位置調整部は、前記第1相対位置または前記第1目標位置の少なくとも一方に基づいて、前記第2相対位置または前記第2目標位置の少なくとも一方を補正する
請求項1に記載のICチップ。
【請求項4】
前記第1位置情報設定部は、前記可動体の前記第2の方向における前記第2相対位置に基づいて逐次前記第1相対位置を算出する
請求項1に記載のICチップ。
【請求項5】
前記第1位置情報設定部は、前記第1相対位置を算出するためのパラメータをあらかじめ取得し、保存しておくレジスタ・メモリ部を備える
請求項1に記載のICチップ。
【請求項6】
前記第1位置情報設定部および前記第2位置情報設定部は前記第1駆動範囲および前記第2駆動範囲を更新する
請求項1に記載のICチップ。
【請求項7】
前記光学素子に入射する光の光軸と垂直な方向における補正を行う場合、前記第1位置情報設定部は前記第2相対位置に基づいて、前記第1相対位置を補正し、
前記光学素子に入射する光の光軸と平行な方向における補正を行う場合、前記第1目標位置調整部は前記第2目標位置に基づいて、前記第1目標位置を補正する
請求項1に記載のICチップ。
【請求項8】
前記第1の方向および前記第2の方向は、前記光学素子に入射する光の光軸と平行、垂直もしくは回転方向のうちの2方向である
請求項1に記載のICチップ。
【請求項9】
前記可動体は第1磁石および第2磁石を有し、
前記第1磁石は第1の極性を有する第1の部分と、第2の極性を有する第2の部分を有し、
前記第1の部分および前記第2の部分は前記第1の方向または前記第2の方向において並んで配置され、
前記複数の磁気センサは、前記第1の部分と向かい合って配置された第1の磁気センサと、前記第2の部分と向かい合って配置された第2の磁気センサと
を有する請求項1に記載のICチップ。
【請求項10】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の和または差または和/差の少なくとも一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出する第1演算部と、
前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の和または差の少なくとも一方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出する第2演算部と
を更に備える請求項9に記載のICチップ。
【請求項11】
前記第1位置情報設定部は第1他軸動作モニタ部を有し、
前記第1他軸動作モニタ部は前記第1の方向以外の方向において前記可動体が動作中か静止中かを判断し、
前記第1位置情報設定部は、前記第1他軸動作モニタ部の判断に基づいて、前記第1相対位置または第1目標位置を補正するか否かを決定する
請求項1に記載のICチップ。
【請求項12】
前記第1位置情報設定部は、レジスタ・メモリ部と、
前記第1駆動範囲の上限および下限を決定する第1上限端点情報部および第1下限端点情報部と、
前記第2相対位置と前記レジスタ・メモリ部に保存された情報を用いて、前記第1駆動範囲の上限および下限を演算し、前記第1上限端点情報部および前記第1下限端点情報部へ出力する第1上限端点情報演算部および第1下限端点情報演算部と
を更に備える請求項1に記載のICチップ。
【請求項13】
前記複数の磁気センサのうちの少なくても2つは、前記第1の方向および前記第2の方向以外の方向に沿って配置されている
請求項1に記載のICチップ。
【請求項14】
前記ICチップの端子配置が千鳥配置である
請求項1に記載のICチップ。
【請求項15】
前記ICチップは、前記第1駆動範囲における前記複数の磁気センサが検知する磁場の変動と、前記可動体の前記第1相対位置または前記第1目標位置を補正する第1線形補正部と、
前記第2駆動範囲における前記複数の磁気センサが検知する磁場の変動と、前記可動体の前記第2相対位置または前記第2目標位置を補正する第2線形補正部と
を更に備え、
前記第1線形補正部は、前記第2相対位置または前記第2目標位置の少なくとも一方に基づいて補正を行う
請求項1から14のいずれか1項に記載のICチップ。
【請求項16】
前記第1線形補正部は前記第1目標位置調整部の内部に配置され、
前記第2線形補正部は前記第2目標位置調整部の内部に配置されている
請求項15に記載のICチップ。
【請求項17】
前記第1目標位置調整部は、前記第1駆動範囲を調整する第1駆動範囲調整部を更に備え、
前記第2目標位置調整部は、前記第2駆動範囲を調整する第2駆動範囲調整部を更に備え、
前記第1駆動範囲調整部は前記第2相対位置または前記第2目標位置の少なくとも一方に基づいて前記第1駆動範囲を調整する
請求項16に記載のICチップ。
【請求項18】
前記第1目標位置調整部は、第1温度特性補正部を更に備え、
前記第2目標位置調整部は、第2温度特性補正部を更に備え、
前記第1温度特性補正部は、前記第2相対位置または前記第2目標位置の少なくとも一方に基づいて前記第1駆動範囲を調整する
請求項17に記載のICチップ。
【請求項19】
前記第2線形補正部は、前記第1相対位置または前記第1目標位置の少なくとも一方に基づいて補正を行う
請求項15に記載のICチップ。
【請求項20】
前記第2駆動範囲調整部は前記第1相対位置または前記第1目標位置の少なくとも一方に基づいて前記第2駆動範囲を調整する
請求項17に記載のICチップ。
【請求項21】
前記第2温度特性補正部は、前記第1相対位置または前記第1目標位置の少なくとも一方に基づいて前記第2駆動範囲を調整する
請求項18に記載のICチップ。
【請求項22】
光学素子を含む可動体と、
前記光学素子の光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、
前記可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に前記可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットと、
前記第1の面とは異なる前記可動体の第2の面に配置された部分を有し、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットと、
前記可動体の前記第1の面に向かい合う前記固定部の面、または、前記可動体の前記第1の面に配置され、前記可動体の前記第1の方向における位置、および、前記第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットと
を備え、
前記位置検知ユニットは、第2の方向の動作に伴う、第1の方向における誤差を補償する機能を有する
カメラモジュール。
【請求項23】
光学素子が固定される可動体と、
前記光学素子の光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、
前記可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に前記可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットと、
前記第1の面とは異なる前記可動体の第2の面に配置された部分を有し、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットと、
前記可動体の前記第1の面に向かい合う前記固定部の面、または、前記可動体の前記第1の面に配置され、前記可動体の前記第1の方向における位置、および、前記第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットと
を備え、
前記位置検知ユニットは、第2の方向の動作に伴う、第2の方向における誤差を補償する機能を有する
位置制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ、カメラモジュールおよび位置制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の軸における可動体の位置を検知するアクチュエータ、レンズ駆動装置、レンズ制御装置、カメラモジュールおよび位置検出装置が知られている。(特許文献1、2および3を参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 国際公開第2021/065679号
[特許文献2] 特開2019-120747号公報
[特許文献3] 特許第6695898号公報
[特許文献4] 特開2021-051277号公報
[特許文献5] 特開2012-103497号公報
[特許文献6] 特開2007-114121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の軸における可動体の位置を検知する場合、検知軸以外の他軸の位置による影響を補正できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のひとつの態様においては、ICチップを提供する。ICチップは、光学素子を含む可動体の第1の方向および第2の方向の位置を検出し、可動体を第1の方向および第2の方向に駆動するために用いられてよい。ICチップは、可動体の第1の方向および第2の方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサを備えてよい。上記いずれかのICチップは、複数の磁気センサが検知する磁場に応じて可動体の第1の方向における第1駆動範囲に対する第1相対位置を算出する第1位置情報設定部を備えてよい。上記いずれかのICチップは、複数の磁気センサが検知する磁場に応じて可動体の第2の方向における第2駆動範囲に対する第2相対位置を算出する第2位置情報設定部を備えてよい。上記いずれかのICチップは、第1駆動範囲における第1目標位置を算出する第1目標位置調整部を備えてよい。上記いずれかのICチップは、第2駆動範囲における第2目標位置を算出する第2目標位置調整部を備えてよい。第1位置情報設定部および第1目標位置調整部は、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方を補正してよい。
【0005】
上記いずれかのICチップは、可動体の第1の方向における第1相対位置に基づいて、可動体を第1の方向に駆動する第1のドライバを備えてよい。上記いずれかのICチップは、可動体の第2の方向における第2相対位置に基づいて、可動体を第2の方向に駆動する第2のドライバを備えてよい。
【0006】
上記いずれかのICチップにおいて、第2位置情報設定部および第2目標位置調整部は、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方を補正してよい。
【0007】
上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は、可動体の第2の方向における第2相対位置に基づいて逐次第1相対位置を算出してよい。
【0008】
上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は、第1相対位置を算出するためのパラメータをあらかじめ取得し、保存しておくレジスタ・メモリ部を備えてよい。
【0009】
上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部および第2位置情報設定部は第1駆動範囲および第2駆動範囲を更新してよい。
【0010】
上記いずれかのICチップにおいて、光学素子に入射する光の光軸と垂直な方向における補正を行う場合、第1位置情報設定部は第2相対位置に基づいて、第1相対位置を補正してよい。上記いずれかのICチップにおいて、光学素子に入射する光の光軸と平行な方向における補正を行う場合、第1目標位置調整部は第2目標位置に基づいて、第1目標位置を補正してよい。
【0011】
上記いずれかのICチップにおいて、第1の方向および第2の方向は、光学素子に入射する光の光軸と平行、垂直もしくは回転方向のうちの2方向であってよい。
【0012】
上記いずれかのICチップにおいて、可動体は第1磁石および第2磁石を有してよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1磁石は第1の極性を有する第1の部分と、第2の極性を有する第2の部分を有してよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1の部分および第2の部分は第1の方向または第2の方向において並んで配置されてよい。上記いずれかのICチップにおいて、複数の磁気センサは、第1の部分と向かい合って配置された第1の磁気センサと、第2の部分と向かい合って配置された第2の磁気センサとを有してよい。
【0013】
上記いずれかのICチップにおいて、第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出してよい。上記いずれかのICチップにおいて、第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出してよい。上記いずれかのICチップは、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和または差のまたは和/差の少なくとも一方に基づいて第1の方向における可動体の位置を算出する第1演算部を備えてよい。上記いずれかのICチップは、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和または差の少なくとも一方に基づいて第2の方向における可動体の位置を算出する第2演算部を備えてよい。
【0014】
上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は第1他軸動作モニタ部を有してよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1他軸動作モニタ部は第1の方向以外の方向において可動体が動作中か静止中かを判断してよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は、第1他軸動作モニタ部の判断に基づいて、第1相対位置または第1目標位置を補正するか否かを決定してよい。
【0015】
上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は、レジスタ・メモリ部を備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は、第1駆動範囲の上限および下限を決定する第1上限端点情報部および第1下限端点情報部を備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1位置情報設定部は、第2相対位置とレジスタ・メモリ部に保存された情報を用いて、第1駆動範囲の上限および下限を演算し、第1上限端点情報部および第1下限端点情報部へ出力する第1上限端点情報演算部および第1下限端点情報演算部を備えてよい。
【0016】
上記いずれかのICチップにおいて、複数の磁気センサのうちの少なくても2つは、第1の方向および第2の方向以外の方向に沿って配置されてよい。
【0017】
上記いずれかのICチップにおいて、ICチップの端子配置が千鳥配置であってよい。
【0018】
上記いずれかのICチップは、第1駆動範囲における複数の磁気センサが検知する磁場の変動と、可動体の第1相対位置または第1目標位置を補正する第1線形補正部を更に備えてよい。上記いずれかのICチップは、第2駆動範囲における複数の磁気センサが検知する磁場の変動と、可動体の第2相対位置または第2目標位置を補正する第2線形補正部とを更に備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1線形補正部は、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて補正を行ってよい。
【0019】
上記いずれかのICチップにおいて、第1線形補正部は第1目標位置調整部の内部に配置されてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第2線形補正部は第2目標位置調整部の内部に配置されてよい。
【0020】
上記いずれかのICチップにおいて、第1目標位置調整部は、第1駆動範囲を調整する第1駆動範囲調整部を更に備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第2目標位置調整部は、第2駆動範囲を調整する第2駆動範囲調整部を更に備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1駆動範囲調整部は第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて第1駆動範囲を調整してよい。
【0021】
上記いずれかのICチップにおいて、第1目標位置調整部は、第1温度特性補正部を更に備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第2目標位置調整部は、第2温度特性補正部を更に備えてよい。上記いずれかのICチップにおいて、第1温度特性補正部は、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて第1駆動範囲を調整してよい。
【0022】
上記いずれかのICチップにおいて、第2線形補正部は、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて補正を行ってよい。
【0023】
上記いずれかのICチップにおいて、第2駆動範囲調整部は第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて第2駆動範囲を調整してよい。
【0024】
上記いずれかのICチップにおいて、第2温度特性補正部は、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて第2駆動範囲を調整してよい。
【0025】
本発明の他の態様においては、カメラモジュールを提供する。カメラモジュールは、光学素子を含む可動体を備えてよい。カメラモジュールは、光学素子の光軸と交差する方向において可動体と向かい合う面を有する固定部を備えてよい。上記いずれかのカメラモジュールは、可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットを備えてよい。上記いずれかのカメラモジュールは、第1の面とは異なる可動体の第2の面に配置された部分を有し、第1の方向と交差する第2の方向に可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットを備えてよい。上記いずれかのカメラモジュールは、可動体の第1の面に向かい合う固定部の面、または、可動体の第1の面に配置され、可動体の第1の方向における位置、および、第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットを備えてよい。上記いずれかのカメラモジュールにおいて、位置検知ユニットは、第2の方向の動作に伴う、第1の方向における誤差を補償する機能を有してよい。
【0026】
本発明の他の態様においては、位置制御システムを提供する。位置制御システムは、光学素子が固定される可動体を備えてよい。位置制御システムは、光学素子の光軸と交差する方向において可動体と向かい合う面を有する固定部を備えてよい。上記いずれかの位置制御システムは、可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットを備えてよい。上記いずれかの位置制御システムは、第1の面とは異なる可動体の第2の面に配置された部分を有し、第1の方向と交差する第2の方向に可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットを備えてよい。上記いずれかの位置制御システムは、可動体の第1の面に向かい合う固定部の面、または、可動体の第1の面に配置され、可動体の第1の方向における位置、および、第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットを備えてよい。上記いずれかの位置制御システムにおいて、位置検知ユニットは、第2の方向の動作に伴う、第1の方向における誤差を補償する機能を有してよい。
【0027】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】本発明の第1実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す斜視図である。
【
図1B】本発明の第1実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す上面図である。
【
図2】YZ面における第1磁石32-1、ICチップ70-1および磁気センサ72の配置例を示す図である。
【
図3】可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
【
図4】可動体10のX軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
【
図5】Z軸方向の可動体10の位置の算出結果におけるX軸方向の可動体10の位置の影響を説明する図である。
【
図6】X軸方向の可動体10の位置の算出結果におけるZ軸方向の可動体10の位置の影響を説明する図である。
【
図7】ICチップ70-1の構成例を示す図である。
【
図8】第1演算部36-1および第2演算部36-2の構成例を示す図である。
【
図9】第1演算部36-1および第2演算部36-2の他の構成例を示す図である。
【
図10】他軸の位置の影響に対する補正を説明する図である。
【
図11】他軸の位置の影響に対する目標位置の算出および補正の例を説明する図である。
【
図12】ICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
【
図13】ICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
【
図14】ICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
【
図15】ICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
【
図16】ICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
【
図17】第1位置情報設定部38-1の構成例を示す図である。
【
図18】第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の構成例を示す図である。
【
図19】第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の他の構成例を示す図である。
【
図20】第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の他の構成例を示す図である。
【
図21】第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の他の構成例を示す図である。
【
図22】ICチップ70-1の端子配置を説明する図である。
【
図23】本発明の他の形態に係る位置制御システム200の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、同一の構成要素については同一の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。
【0030】
本明細書においては、レンズの光軸と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する場合がある。「上」、「下」の方向は、重力方向と平行な方向には限定されない。
【0031】
本明細書において「同一」または「等しい」のように大きさまたは量を説明した場合、製造ばらつき等に起因する誤差を有する場合も包含してよい。当該誤差は、例えば5%以内である。また、「平行」、「垂直」、「直交」のように角度を説明した場合、製造ばらつき等に起因する誤差を有する場合も包含してよい。当該誤差は、例えば5度以内である。
【0032】
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す斜視図である。カメラモジュール100は、カメラまたはカメラ機能付きの携帯装置に設けられる。カメラモジュール100は、光学素子20を含む可動体10を備える。光学素子20は、レンズまたはCMOSイメージセンサ等の撮像部である。可動体10は、レンズおよび撮像部の一方を他方に対して移動させることで、レンズおよび撮像部の間の相対位置を調整する。各実施形態では、可動体10がレンズを含み、レンズを動かす例を説明するが、可動体10が撮像部を含み、撮像部を動かしてもよい。カメラモジュール100は、可動体10が撮像部を動かす場合も、可動体10がレンズを動かす場合と同様の機能および構成を有する。本明細書では、光学素子20(本例ではレンズ)の光軸と平行な軸をZ軸、Z軸と直交する2つの軸をX軸およびY軸とする。X軸およびY軸は互いに直交する。本明細書では、光学素子20の光軸を単に光軸と称する場合がある。レンズの下方(Z軸における負方向側)には、レンズを通過した光を受光するCMOSイメージセンサ等の撮像部が設けられるが、
図1Aでは省略している。レンズの光軸とは、レンズのXY面における中心点と焦点位置とを結ぶ軸である。レンズのXY面の中心点における、レンズの上面の法線を光軸としてもよい。また、光学素子20として撮像部が設けられている場合も、レンズの光軸を光学素子20の光軸として扱ってよい。他の例では、撮像部の撮像面の中央における撮像面の法線を、光学素子20の光軸としてもよい。
【0033】
可動体10は、複数の面12を有する。一例として面12は、光学素子20の光軸と平行な面であるが、面12は光軸に対して角度を有していてもよい。
図1Aの例では可動体10は直方体または立方体であり、光軸と平行な側面である第1の面12-1~第4の面12-4の4つの面12を有している。他の例では、可動体10は、3つの面12を有してよく、5つ以上の面12を有していてもよい。
図1Aの例のそれぞれの面12は、Y軸またはX軸のいずれかと垂直である。
図1Aの例では、第1の面12-1および第2の面12-2はYZ面と平行であり、第3の面12-3および第4の面12-4はXZ面と平行である。それぞれの面12は平面であるが、曲面部分または凹凸部分を含んでいてもよい。
【0034】
可動体10は、少なくとも2つの方向に移動可能に設けられる。可動体10は、光軸と平行な方向に移動可能であってよい。可動体10を光軸と平行な方向に動かすことで、例えば光学素子20の焦点位置を制御できる。また可動体10は、光軸と交差する方向に移動可能であってよい。交差するとは、平行でないことを指す。可動体10は、光軸と直交する1つまたは複数の方向に移動可能であってよい。可動体10を光軸とは異なる方向に動かすことで、カメラモジュール100が設けられた装置の振動を相殺して、ブレの少ない画像を撮像できる。本例の可動体10は、X軸、Y軸およびZ軸のうちの少なくとも2つの軸の方向に移動可能である。可動体10には、レンズおよび撮像部のうち一方が設けられ、他方が設けられていなくてよい。これにより、可動体10が移動することで、レンズおよび撮像部の一方が他方に対して相対的に移動する。
【0035】
カメラモジュール100は、後述するICチップ70を1つ以上備える。それぞれのICチップ70は、いずれか1つまたは複数の駆動ユニット30を制御する。駆動ユニット30は、可動体10を動かすための駆動力を生成する。駆動ユニット30は、磁力により可動体10を動かしてよく、ピエゾ素子を用いて可動体10を動かしてよく、SMA(shape memory alloy)を用いた伸縮により可動体10を動かしてよく、他の方法で可動体10を動かしてもよい。本例においては、少なくとも1つの駆動ユニット30は、磁力により可動体10を動かす。全ての駆動ユニット30が磁力により可動体10を動かしてよい。
【0036】
本例のカメラモジュール100は、ICチップ70-1およびICチップ70-2を備える。本例のICチップ70-1は、駆動ユニット30を制御して、可動体10を2つの軸に沿って動かす。本例のICチップ70-1は第1の駆動ユニット30-1および第2の駆動ユニット30-2を制御して、可動体10をZ軸およびX軸に沿って動かす。
【0037】
本例のICチップ70-2は、駆動ユニット30を制御して、可動体10を1つの軸に沿って動かす。本例のICチップ70-2は第3の駆動ユニット30-3を制御して、可動体10をY軸に沿って動かす。
【0038】
第1の駆動ユニット30-1は、可動体10の第1の面12-1に配置された部分を有し、第1の方向に可動体10を駆動するための第1の駆動力を生成する。第1の駆動力は磁力であってよい。第2の駆動ユニット30-2は、第1の面12-1とは異なる可動体10の第2の面12-2に配置された部分を有し、第1の方向と交差する第2の方向に可動体10を駆動するための第2の駆動力を生成する。第3の駆動ユニット30-3は、可動体10の第3の面12-3に配置された部分を有し、第3の方向に可動体10を動かすための第3の駆動力を生成する。第1の方向は、第1の面12-1と垂直な方向であってよく、光軸と平行な方向であってよく、他の方向であってもよい。第2の方向は、第2の面12-2と垂直な方向であってよく、光軸と平行な方向であってよく、他の方向であってもよい。第3の方向は、第3の面12-3と垂直な方向であってよく、光軸と平行な方向であってよく、他の方向であってもよい。
図1Aの例では、第1の駆動ユニット30-1は、光軸と平行な第1の方向に可動体10を動かす。また、第2の駆動ユニット30-2は、第2の面12-2と垂直な第2の方向に可動体10を動かす。また、第3の駆動ユニット30-3は、第3の面12-3と垂直な第3の方向に可動体10を動かす。第1の方向と第2の方向と第3の方向は互いに交差している。第1の方向、第2の方向および第3の方向は、X軸方向、Y軸方向、および、Z軸方向のいずれかであってよい。
図1Aの例では、第1の方向はZ軸方向であり、第2の方向はX軸方向であり、第3の方向はY軸方向である。
【0039】
本例の第1の駆動ユニット30-1は、第1磁石32-1と、第1の磁場発生部34-1とを有する。第1磁石32-1および第1の磁場発生部34-1のうちの一方は、可動体10の第1の面12-1に設けられ、第1磁石32-1および第1の磁場発生部34-1のうちの他方は、第1の面12-1と向かい合う位置に設けられる。カメラモジュール100は、可動体10の1つ以上の面12と向かい合う面を含む固定部を有するが、
図1Aでは省略している。可動体10は第1磁石32-1を有してよい。
図1Aの例では、可動体10に第1磁石32-1が設けられ、固定部に第1の磁場発生部34-1が設けられている。他の例では、固定部に第1磁石32-1が設けられ、可動体10に第1の磁場発生部34-1が設けられていてもよい。磁場発生部34および磁石32の配置は、他の駆動ユニット30についても同様である。
【0040】
それぞれの磁場発生部34は、例えばコイルを有する。それぞれのコイルは、面12と平行な面内において周回している。つまり磁場発生部34は、磁石32に対して垂直な磁場を発生する。コイルに流れる電流の向きを反転させることで、磁場発生部34が発生する磁場の向きを反転させることができる。
【0041】
磁石32は、磁場発生部34と向かい合う面に、第1の極性または第2の極性を有する部分を有する。第1の極性はS極およびN極のうちの一方であり、第2の極性はS極およびN極のうちの他方である。各図面において、磁石32の第2の極性を有する部分にハッチングを付しており、第1の極性を有する部分にはハッチングを付していない。
【0042】
磁場発生部34が磁場を発生すると、磁場発生部34が発生した磁場の向きに応じて、磁場発生部34と、磁石32における所定の極性の部分との間で引力または斥力が発生する。磁石32は可動体10に固定されているので、磁石32に生じる引力または斥力に応じて可動体10がいずれかの方向に移動する。
【0043】
第1磁石32-1は第1の極性を有する第1の部分41と、第2の極性を有する第2の部分42を有する。第1磁石32-1は、第1の磁場発生部34-1と向かい合う面において、第1の部分41および第2の部分42を有する。第1の部分41および第2の部分42は第1の方向または第2の方向において並んで配置されてよい。本例の第1の部分41と第2の部分42はZ軸方向に並んでいる。第1の部分41は第1の極性を有し、第2の部分42は第2の極性を有する。第1磁石32-1は、第1の部分41の裏に第2の極性の部分を有し、第2の部分42の裏に第1の極性の部分を有してもよい。磁石32の部分の裏とは、各部分の面のうち、磁場発生部34と向かい合う面とは逆側の面を指している。
【0044】
本例の第1の磁場発生部34-1は、第1の部分41および第2の部分42の両方に跨るように、第1の部分41および第2の部分42に向かい合って配置された第1のコイルである。第1のコイルは、巻線の中心軸が、第1の部分41および第2の部分42の境界線と重なるように配置されてよく、中心軸が当該境界線とずれて配置されてもよい。第1の磁場発生部34-1は、第1磁石32-1に対して垂直な方向の磁場を発生する。第1の磁場発生部34-1が発生する磁場の向きにより、可動体10が第1の方向に移動する。
図1Aの例において第1の方向はZ軸と平行な方向である。例えば第1の磁場発生部34-1の磁場が第1の部分41と引き合う向きの場合、可動体10は、第1磁石32-1の第1の部分41のZ軸方向の中心が、第1の磁場発生部34-1のZ軸方向の中心に近づく方向(
図1Aの例ではZ軸の負方向)に移動する。第1の磁場発生部34-1の磁場が第2の部分42と引き合う向きの場合、可動体10は、第1磁石32-1の第2の部分42のZ軸方向の中心が、第1の磁場発生部34-1のZ軸方向の中心に近づく方向(
図1Aの例ではZ軸の正方向)に移動する。可動体10をどれだけ移動させるかは、磁場発生部34が発生する磁場の強度(本例ではコイルに流す電流の量)で制御できる。
【0045】
第2の駆動ユニット30-2の一部は、可動体10の第2の面12-2に設けられる。本例の第2の面12-2は、第1の面12-1と向かい合う面である。第2の面12-2は、第1の面12-1と平行であってよい。可動体10は第2磁石32-2を有してよい。本例の第2の駆動ユニット30-2は、可動体10の第2の面12-2に設けられた第2磁石32-2と、第2の磁場発生部34-2とを有する。
【0046】
第2磁石32-2は、第2の磁場発生部34-2と向かい合う面において、第1の部分を有する。第2磁石32-2は、第1の部分の裏に第2の部分を有してもよい。この場合、第1の部分は第1の極性または第2の極性を有し、第2の部分は第1の部分とは逆の極性を有する。
【0047】
第2の磁場発生部34-2は、第2磁石32-2の第1の部分と向かい合って配置されている。第2の磁場発生部34-2は、第2磁石32-2に対して垂直な磁場を発生させる。第2の磁場発生部34-2が発生する磁場の向きに応じて、第2磁石32-2と第2の磁場発生部34-2との間において引力または斥力が生じ、可動体10が第2の方向に移動する。
図1Aの例において第2の方向はX軸と平行な方向である。
【0048】
第3の駆動ユニット30-3の一部は、可動体10の第3の面12-3に設けられる。本例の第3の面12-3は、第2の面12-2と交差する面である。第3の面12-3は、第2の面12-2と直交してよい。本例の第3の駆動ユニット30-3は、可動体10の第3の面12-3に設けられた第3磁石32-3と、第3の磁場発生部34-3とを有する。
【0049】
第3磁石32-3は、第3の磁場発生部34-3と向かい合う面において、第1の部分61を有する。第3磁石32-3は、第1の部分61の裏に第2の部分を有してもよい。この場合、第1の部分61は第1の極性または第2の極性を有し、第2の部分は第1の部分61とは逆の極性を有する。
【0050】
第3の磁場発生部34-3は、第3磁石32-3の第1の部分61と向かい合って配置されている。第3の磁場発生部34-3は、第3磁石32-3に対して垂直な磁場を発生させる。第3の磁場発生部34-3が発生する磁場の向きに応じて、第3磁石32-3と第3の磁場発生部34-3との間において引力または斥力が生じ、可動体10が第3の方向に移動する。
図1Aの例において第3の方向はY軸と平行な方向である。
【0051】
ICチップ70-1は、第1磁石32-1と向かい合う位置に設けられる。第1磁石32-1が可動体10に設けられている場合、ICチップ70-1は、固定部に設けられる。第1磁石32-1が固定部に設けられている場合、ICチップ70-1は、可動体10に設けられる。
【0052】
ICチップ70-1は、可動体10の第1の方向における位置、および、第2の方向における位置を検出する。ICチップ70-1は、複数の磁気センサ72を有してよい。磁気センサ72は、磁場の向きおよび強度を検知できるものであればよい。ICチップ70-1の複数の磁気センサ72は、可動体10の第1の方向および第2の方向における位置に応じた磁場を検出する。第1の方向および第2の方向は、光学素子20に入射する光の光軸と平行、垂直もしくは回転方向のうちの2方向であってよい。ICチップ70-1は、磁気センサ72の検知結果を処理する処理回路、および、駆動ユニット30を駆動するためのドライバの少なくとも一方を有してよい。ICチップ70-1は、シリコン基板に形成されてよく、他の材料の半導体基板に形成されてもよい。磁気センサ72は、トンネル磁気抵抗効果を用いたTMR素子であってよく、巨大磁気抵抗効果を用いたGMR素子であってよく、ホール効果を用いたホール素子であってよく、他の方式のセンサであってもよい。磁気センサ72は、化合物半導体で形成されてよく、他の材料で形成されてもよい。本例のICチップ70-1は、第1磁石32-1からの磁場を検出し、検出した磁場に基づいて可動体10の位置を検出する。
【0053】
ICチップ70-2は、第3磁石32-3と向かい合う位置に設けられる。第3磁石32-3が可動体10に設けられている場合、ICチップ70-2は、固定部に設けられる。第3磁石32-3が固定部に設けられている場合、ICチップ70-2は、可動体10に設けられる。
【0054】
ICチップ70-2は、可動体10の第3の方向における位置を検出する。ICチップ70-2は、1つ以上の磁気センサ72を有してよい。ICチップ70-2の構成はICチップ70-1と同様であってよい。
【0055】
図1Bは本発明の第1実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す上面図である。
図1Bでは
図1Aにおいて省略していた固定部14を図示している。固定部14は、光学素子20の光軸と交差する方向において可動体10と向かい合う面16を有する。本例の固定部14は、可動体10の第1の面12-1と向かい合う第1の面16-1と、可動体10の第2の面12-2と向かい合う第2の面16-2と、可動体10の第3の面12-3と向かい合う第3の面16-3と、可動体10の第4の面12-4と向かい合う第4の面16-4とを有する。本例では、第1の磁場発生部34-1およびICチップ70-1が第1の面16-1に設けられ、第2の磁場発生部34-2が第2の面16-2に設けられ、第3の磁場発生部34-3およびICチップ70-2が第3の面16-3に設けられている。カメラモジュール100は、可動体10の第1の面12-1に向かい合う固定部14の面16、または、可動体10の第1の面12-1に配置され、可動体10の第1の方向における位置、および、第2の方向における位置を検出する位置検知ユニット71を有してよい。位置検知ユニット71はICチップ70-1を指してよく、ICチップ70-1を含んでよい。位置検知ユニット71は、後述する可動体10の第2の方向の動作に伴う、可動体10の第1の方向における位置の誤差を補償する機能を有する。
【0056】
図2は、YZ面における第1磁石32-1、ICチップ70-1および磁気センサ72の配置例を示す図である。本例のICチップ70-1は、第1の磁気センサ72-1と第2の磁気センサ72-2を有する。本例の第1磁石32-1は、ICチップ70-1と向かい合う面において、Z軸方向(第1の方向)に並んだ第1の部分41および第2の部分42を有する。本明細書では、第1磁石32-1においてICチップ70-1と向かい合う面を配置面と称する場合がある。第1の部分41および第2の部分42のY軸方向における位置および長さは同一であってよい。第1の部分41および第2の部分42のZ軸方向における長さは同一であってよい。
【0057】
複数の磁気センサ72は、第1の部分41と向かい合って配置された第1の磁気センサ72-1と、第2の部分42と向かい合って配置された第2の磁気センサ72-2とを有する。複数の磁気センサ72のうちの少なくても2つは、第1の方向および第2の方向以外の方向に沿って配置されてよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の方向(Z軸方向)に並んで配置されてもよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、Y軸方向における位置および長さが同一であってもよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、Z軸方向における長さが同一であってもよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の部分41と第2の部分42との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてもよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2が検出する磁場強度は、可動体10の第1の方向(Z軸方向)における位置に応じて変化し、また、可動体10の第2の方向(X軸方向)における位置に応じて変化する。
【0058】
第1磁石32-1は光軸方向の駆動用途に使用してもよい。それにより光軸垂直方向の駆動用途で使用される第2磁石32-2よりも駆動範囲が長くなるため、第1磁石32-1は第2磁石32-2よりも平面サイズが大きくてもよい。また光軸方向の移動は重力方向の影響を受けやすいため、第1磁石32-1は駆動力向上にむけ、第2磁石より32-2も磁石の厚みを厚くしてもよい。
【0059】
本明細書において各部材の位置を規定する場合、特に説明する場合を除き、所定の原点位置に可動体10が存在している状態の各部材の位置を規定している。Z軸方向における原点位置は、Z軸方向における可動体10の可動範囲の中心である。X軸方向およびY軸方向における原点位置は、光学素子20の中心(または光軸)が、光学素子20の下方の撮像部における受光面の中心と重なるときの可動体10の位置である。
【0060】
ICチップ70-2の磁気センサ72および第3磁石32-3は、ICチップ70-1の磁気センサ72および第1磁石32-1と同様の構成を有してよく、異なる構成を有してもよい。本例の第3磁石32-3は、ICチップ70-2と、向かい合う面に単一の極性の面を有してよい。ICチップ70-2は、第3磁石32-3と向かい合う1つまたは複数の磁気センサ72を有してよい。
【0061】
図3は、可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。各図において、上述した可動体10の原点位置を原点0とする。第1の磁気センサ72-1は第1の磁場強度を検出し、第2の磁気センサ72-2は第2の磁場強度を検出する。第1の磁気センサ72-1が検出する検知磁場の第1の磁場強度をB1とし、第2の磁気センサ72-2が検出する検知磁場の第2の磁場強度をB2とする。
図2に示す初期状態では、第1の磁気センサ72-1は第1の部分41からの磁場を多く検出し、正の磁場強度B1を検出する。第2の磁気センサ72-2は第2の部分42からの磁場を多く検出し、負の磁場強度B2を検出する。
【0062】
Z軸方向において可動体10が移動すると、それぞれの磁気センサ72が検出する第1の部分41からの磁場と、第2の部分42からの磁場の比率が変化する。例えば
図2に示した状態から、可動体10がZ軸の正側に移動した場合、第1の磁気センサ72-1と第2の部分42との距離が小さくなるので、第1の磁気センサ72-1が検出する磁場に含まれる、第1の部分41からの磁場成分が減少し、第2の部分42からの磁場成分が増大する。このため
図3に示すように、可動体10がZ軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1は直線的に減少する。同様に、可動体10がZ軸の正方向に移動すると、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は直線的に減少する。また、可動体10がZ軸の負側に移動した場合、第1の磁気センサ72-1と第2の部分42との距離が大きくなるので、第1の磁気センサ72-1が検出する磁場に含まれる、第1の部分41からの磁場成分が増大し、第2の部分42からの磁場成分が減少する。このため
図3に示すように、可動体10がZ軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1は直線的に増大する。同様に、可動体10がZ軸の負方向に移動すると、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は直線的に増大する。
【0063】
図4は、可動体10のX軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図2に示す初期状態では、第1の磁気センサ72-1は正の第1の磁場強度B1を検出する。第2の磁気センサ72-2は負の第2の磁場強度B2を検出する。
【0064】
X軸方向において可動体10が移動すると、それぞれの磁気センサ72と、第1磁石32-1との距離が変化する。
図4においては、磁気センサ72と第1磁石32-1との距離が減少する方向をX軸の正方向とし、当該距離が増大する方向をX軸の負方向とする。それぞれの磁気センサ72が検知する磁場強度の絶対値は、第1磁石32-1との距離の2乗から3乗に比例して減衰する。それぞれの磁気センサ72の感磁軸は、
図3および
図4に示す特性を示すように設定されている。
【0065】
ICチップ70-1は、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1と、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2とに基づいて、第1の方向における可動体10の位置と、第2の方向における可動体10の位置とを検出する。ICチップ70-1は、第1の磁場強度B1および第2の磁場強度B2の少なくとも一方に基づいて、第2の方向における可動体10の位置を算出してよい。ICチップ70-1は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和、および、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差の一方に基づいて第1の方向における可動体10の位置を算出し、当該和および差の他方に基づいて第2の方向における可動体10の位置を算出してよい。
【0066】
図3に示すように、Z軸の正方向に可動体10が移動するほど、B2+B1は減少し、Z軸の負方向に可動体10が移動するほど、B2+B1は増大する。ICチップ70-1は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和に基づいて、Z軸方向の可動体10の位置を算出してよい。ICチップ70-1は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和を、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との差で除算した値(B2+B1)/(B2-B1)に基づいて、Z軸方向の可動体10の位置を算出してもよい。
【0067】
図4に示すように、X軸の正方向に可動体10が移動するほど、B2-B1の絶対値は大きくなり、X軸の負方向に可動体10が移動するほど、B2-B1の絶対値は小さくなる。ICチップ70-1は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差に基づいて、可動体10のX軸方向の位置を算出してよい。
【0068】
本例によれば、1つのICチップ70-1により、2つの方向における可動体10の位置を検知できる。このため、ICチップ70を各方向毎に設ける場合に比べて、カメラモジュール100の部品点数を削減し、または、カメラモジュール100を小型化できる。また、第1の駆動ユニット30-1に含まれる第1磁石32-1を、位置検知用の磁石としても用いている。このため、位置検知用の磁石を別途設けずともよく、カメラモジュール100の部品点数を削減し、または、カメラモジュール100を小型化できる。
【0069】
ICチップ70-2の磁気センサ72は、
図4のB1またはB2と同様の磁場強度を検出する。この場合、
図4の横軸の磁石位置は、可動体10のY軸方向における位置を指す。ICチップ70-2は、磁気センサ72の検知結果に基づいて、可動体10のY軸方向における位置を算出してよい。他の例では、カメラモジュール100は、第3の面16-3にICチップ70-2を有さずに、磁気センサ72だけを有してもよい。ICチップ70-1が、第3の面16-3の磁気センサ72の検知結果に基づいて、可動体10のY軸方向における位置を算出してもよい。
【0070】
図5は、Z軸方向の可動体10の位置の算出結果におけるX軸方向の可動体10の位置の影響を説明する図である。
図5の横軸はZ軸方向の位置を表しており、縦軸は演算部において
図3または
図4に示す演算を行った後の磁場の値を表している。
図5では、
図3における第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和を、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との差で除算した値(B2+B1)/(B2-B1)に基づいて、Z軸方向の可動体10の位置を算出している。図中の駆動範囲は、ICチップ70が可動体10を移動させる範囲を表している。本明細書では、可動体10が機械的に移動可能な範囲を可動範囲と称する場合がある。磁場発生部34が発生する磁場の強度を増加させても、機械的な干渉等により可動体10は一定範囲を超えて移動できない。当該一定範囲を可動範囲と称する。一方で駆動範囲は、ICチップ70等に予め設定される可動体10の移動範囲である。ICチップ70は、可動体10が駆動範囲内で移動するように、磁場発生部34が発生する磁場を制御する。ICチップ70は、駆動範囲内の各位置に割り当てられた位置コードを用いて、可動体10の位置を検出し、または、可動体10の位置を制御してよい。例えば駆動範囲の一方の端部位置には位置コードの最小値が割り当てられ、駆動範囲の他方の端部位置には位置コードの最大値が割り当てられる。駆動範囲は可動範囲よりも狭い範囲であってよい。Z軸方向の可動体10の位置を算出するとは、予め取得しておいた
図5に示すデータとICチップ70-1が算出する演算磁場とを照らし合わせ、可動体10の駆動範囲に対する相対位置を算出することであってよい。図中の実線は、可動体10のX軸方向の位置が原点の場合を示しており、図中の点線は、可動体10のX軸方向の位置が+300μmにある場合を示している。
【0071】
図6は、X軸方向の可動体10の位置の算出結果におけるZ軸方向の可動体10の位置の影響を説明する図である。
図6の横軸はX軸方向の位置を表しており、縦軸は演算部において
図3または4に示す演算を行った後の磁場の値を表している。
図6では、
図4における第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差に基づいて、可動体10のX軸方向の位置を算出している。図中の実線は、可動体10のZ軸方向での位置が原点の場合を示しており、図中の点線は、可動体10のZ軸方向での位置が+300μmにある場合を示している。
【0072】
図5および
図6に示すように、ICチップ70-1により、X軸またはZ軸方向の可動体10の位置を算出する際に、他軸の可動体10の位置によって算出結果が影響を受けてしまう。
図5では、X軸方向における可動体10の実際の位置が、Z軸方向における可動体10の検出位置に影響を与える例を示した。同様にY軸方向における可動体10の実際の位置も、Z軸方向における可動体10の検出位置に影響を与え得る。また、
図6では、Z軸方向における可動体10の実際の位置が、X軸方向における可動体10の検出位置に影響を与える例を示した。同様にY軸方向における可動体10の実際の位置も、X軸方向における可動体10の検出位置に影響を与え得る。また、X軸方向またはZ軸方向における可動体10の実際の位置は、Y軸方向における可動体10の検出位置に影響を与えうる。このように、各軸における可動体10の実際の位置によって、他の軸における可動体10の検出位置が変動してしまう。そのため可動体10の位置の検出結果に誤差が生じる。また、実際は可動体10が駆動範囲の端まで移動していないにも関わらず、駆動範囲の端まで移動したと誤検出して、それ以上の可動体10の移動を制限してしまう場合がある。この場合、可動体10が駆動範囲の端まで移動しなくなり、可動体10の実際の駆動範囲が狭くなってしまう。また、実際は可動体10が可動範囲の端まで移動しているのにも関わらず、可動体10がまだ駆動範囲内に位置していると誤検出して、さらに可動体10を移動させようとする場合もある。この場合、可動体10を移動させようとしても、可動体10が移動しなくなってしまう。そのためICチップ70-1は、可動体10の他軸の位置に基づいて、相対位置を補正することが望ましい。
【0073】
図7はICチップ70-1の構成例を示す図である。本例のICチップ70-1は、磁気センサ72、AMP22、A/D部24、温度センサ26、第1演算部36-1、第2演算部36-2、第1位置情報設定部38-1、第2位置情報設定部38-2、目標位置受信部44、第1目標位置取得部46-1、第2目標位置取得部46-2、第1目標位置調整部48-1、第2目標位置調整部48-2、第1制御部54-1、第2制御部54-2、第1D/A部56-1、第2D/A部56-2、第1のドライバ58-1および第2のドライバ58-2を有する。磁気センサ72は、検出した磁場強度に応じた信号をAMP22へ出力する。AMP22は磁気センサ72からの信号を増幅してA/D部24へ出力する。A/D部24はAMP22によって増幅された信号をデジタル信号に変換し、第1演算部36-1および第2演算部36-2へ出力する。当該デジタル信号の値は、検知した磁場強度を示している。温度センサ26は、ICチップ70-1内部の温度を検出する。またICチップ70-1は、温度センサ26の出力を用いて内部回路の温度特性を補償してもよい。第1演算部36-1および第2演算部36-2は、
図3~6において説明した、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和または差信号の算出を行う。第1演算部36-1は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和、差または和/差の少なくとも一つに基づいて第1の方向における可動体10の位置を算出してよく、第2演算部36-2は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和または差の少なくとも一方に基づいて第2の方向における可動体10の位置を算出してよい。例えば、第1演算部36-1は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和信号を算出し、第2演算部36-2は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差信号を算出する。
【0074】
第1位置情報設定部38-1は、複数の磁気センサ72が検知する磁場に応じて可動体10の第1の方向における第1駆動範囲に対する第1相対位置を算出する。同様に、第2位置情報設定部38-2は、複数の磁気センサ72が検知する磁場に応じて可動体10の第2の方向における第2駆動範囲に対する第2相対位置を算出する。第1位置情報設定部38-1は予め第1の方向における第1駆動範囲の端点の情報を設定してよい。端点情報の設定は、上述の位置コードであらわされてよい。第1位置情報設定部38-1は第1演算部36-1の結果を位置コードに変換し、当該端点情報を基に可動体10の第1駆動範囲に対する第1相対位置を算出してよい。第2位置情報設定部38-2は予め第2の方向における第2駆動範囲の端点における情報を設定してよい。端点情報の設定はIC内の位置コードであらわされてよい。第2位置情報設定部38-2は第2演算部36-2の結果をIC内の位置コードに変換し、当該端点情報を基に可動体10の第2駆動範囲に対する第2相対位置を算出してよい。
【0075】
第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は第1駆動範囲および第2駆動範囲を更新してよい。第2位置情報設定部38-2は、第1演算部36-1の結果に応じて第2の方向における第2駆動範囲の端点情報を更新してよい。第1位置情報設定部38-1は、第2位置情報設定部38-2において更新された端点情報を用いて算出された第2相対位置に基づいて、第1の方向における第1駆動範囲の端点情報を更新してよい。第1位置情報設定部38-1は、可動体10の第2の方向における第2相対位置に基づいて逐次第1相対位置を算出してよい。逐次第1相対位置を算出するとは、第2相対位置が更新されるごとに第1相対位置を算出することであってよい。第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は、演算部36からの出力結果を直接補正することなく、端点情報を設定、更新することによって、演算部36からの出力結果を補正してよい。本明細書においては、算出および更新も含めて補正という場合がある。補正の具体的な方法は後述する。
【0076】
ICチップ70-1は、目標位置受信部44を有する。目標位置受信部44は外部から可動体10の第1の方向における第1目標位置および第2の方向における第2目標位置を受信する。それぞれの目標位置は、カメラモジュール100の使用者による操作に基づいて設定されてよく、オートフォーカス機能または手振れ補正機能等を実現するための演算結果に基づいて設定されてもよい。第1目標位置取得部46-1は目標位置受信部44から第1目標位置を取得する。第2目標位置取得部46-2は目標位置受信部44から第2目標位置を取得する。第1目標位置調整部48-1は、第1駆動範囲における第1目標位置を算出する。第2目標位置調整部48-2は、第2駆動範囲における第2目標位置を算出する。第1位置情報設定部38-1および第1目標位置調整部48-1は、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方を補正してよい。第1目標位置調整部48-1は、第2目標位置調整部48-2において補正された第2目標位置に応じて第1駆動範囲における第1目標位置を補正してよい。第2位置情報設定部38-2および第2目標位置調整部48-2は、
図12において後述するように、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方を補正してよい。第2目標位置調整部48-2は、第1目標位置調整部48-1において補正された第1目標位置に応じて第2駆動範囲における第2目標位置を補正してよい。算出および補正の具体的な方法については後述する。
【0077】
第1制御部54-1は第1位置情報設定部38-1および第1目標位置調整部48-1から第1駆動範囲における第1相対位置および第1目標位置を取得する。第1制御部54-1は第1相対位置および第1目標位置に基づいて、第1の磁場発生部34-1を制御するための信号を出力する。第1制御部54-1は第1相対位置および第1目標位置の差に基づいて信号を出力してよい。例えば第1制御部54-1は、当該差が小さくなる方向に、当該差に応じた量だけ可動体10を移動させる信号を出力する。当該信号は、第1D/A部56-1にてアナログ信号に変換され、第1のドライバ58-1へ出力される。第1のドライバ58-1は、可動体10の第1の方向における第1相対位置に応じて第1D/A部56-1から入力される信号に基づいて、可動体10を第1の方向に駆動する。第1のドライバ58-1は当該信号に基づいて、第1の磁場発生部34-1において第1磁石32-1に対して発生する磁場を変化させることで、可動体10を駆動する。
【0078】
同様に、第2制御部54-2は第2位置情報設定部38-2および第2目標位置調整部48-2から第2駆動範囲における第2相対位置および第2目標位置を取得する。第2制御部54-2は第2相対位置および第2目標位置に基づいて、第2の磁場発生部34-2を制御するための信号を出力する。第2制御部54-2は第2相対位置および第2目標位置の差に基づいて信号を出力してよい。当該信号は、第2D/A部56-2にてアナログ信号に変換され、第2のドライバ58-2へ出力される。第2のドライバ58-2は可動体10の第2の方向における第2相対位置に基づいて、可動体10を第2の方向に駆動する。第2のドライバ58-2は当該信号に基づいて、第2の磁場発生部34-2において第2磁石32-2に対して発生する磁場を変化させる。本例のICチップ70-1は、第1の方向としてZ軸方向および第2の方向としてX軸方向の可動体10の位置を算出および補正しているが、第1の方向および第2の方向はこれに限定されない。
【0079】
図8は第1演算部36-1および第2演算部36-2の構成例を示す図である。第1演算部36-1は、加算回路37-1および除算回路37-3を有する。第2演算部36-2は、減算回路37-2を有する。本例において第1演算部36-1は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和/差に基づいて第1の方向における可動体10の位置を算出する。本例において第2演算部36-2は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の差に基づいて第2の方向における可動体10の位置を算出する。本例においてICチップ70-1は、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2を有する。なお、
図8においてはAMP22、A/D部24および温度センサ26を省略している。
【0080】
第1の磁気センサ72-1は、第1の磁場強度に応じた信号を加算回路37-1および減算回路37-2に出力する。同様に第2の磁気センサ72-2は、第2の磁場強度に応じた信号を加算回路37-1および減算回路37-2に出力する。加算回路37-1は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和をとり、和信号を除算回路37-3へ出力する。減算回路37-2は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の差をとり、差信号を除算回路37-3および第2位置情報設定部38-2へ出力する。当該差信号は分岐点VHE_2において分岐し、第1位置情報設定部38-1へも出力される。除算回路37-3は、和信号を差信号で除算し、除算した信号を第1位置情報設定部38-1へ出力する。当該除算した信号は分岐点VHE_1において分岐し、第2位置情報設定部38-2へも出力される。
【0081】
図9は第1演算部36-1および第2演算部36-2の他の構成例を示す図である。本例の第1演算部36-1は、2つの加算回路37-1および除算回路37-3を有する。本例の第2演算部36-2は、加算回路37-1および減算回路37-2を有する。本例においてICチップ70-1は、第1の磁気センサ72-1、第2の磁気センサ72-2、第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4を有する。なお、
図9においてもAMP22、A/D部24および温度センサ26を省略している。
【0082】
第1の磁気センサ72-1は、第1の磁場強度に応じた信号を第1演算部36-1の1つ目の加算回路37-1に出力する。同様に第2の磁気センサ72-2は、第2の磁場強度に応じた信号を第1演算部36-1の1つ目の加算回路37-1に出力する。第3の磁気センサ72-3は、第3の磁気センサ72-3が検知する第3の磁場強度に応じた信号を第2演算部36-2の加算回路37-1に出力する。第4の磁気センサ72-4は、第4の磁気センサ72-4が検知する第4の磁場強度に応じた信号を第2演算部36-2の加算回路37-1に出力する。
【0083】
第1演算部36-1の1つ目の加算回路37-1は、第1の磁場強度および第2の磁場強度の和をとり、和信号を第1演算部36-1の2つ目の加算回路37-1および第2演算部36-2の減算回路37-2へ出力する。第2演算部36-2の加算回路37-1は、第3の磁場強度および第4の磁場強度の和をとり、和信号を第1演算部36-1の2つ目の加算回路37-1および第2演算部36-2の減算回路37-2へ出力する。
【0084】
第1演算部36-1の2つ目の加算回路37-1は、第1演算部36-1の1つ目の加算回路37-1から出力された和信号と第2演算部36-2の加算回路37-1から出力された和信号の和をとり、和信号を第1演算部36-1の除算回路37-3へ出力する。第2演算部36-2の減算回路37-2は、第1演算部36-1の1つ目の加算回路37-1から出力された和信号と第2演算部36-2の加算回路37-1から出力された和信号の差をとり、差信号を第1演算部36-1の除算回路37-3および第2位置情報設定部38-2へ出力する。当該差信号は分岐点VHE_2において分岐し、第1位置情報設定部38-1へも出力される。
【0085】
第1演算部36-1の除算回路37-3は、第1演算部36-1の2つ目の加算回路37-1からの和信号を第2演算部36-2の減算回路37-2からの差信号で除算し、除算した信号を第1位置情報設定部38-1へ出力する。当該除算した信号は分岐点VHE_1において分岐し、第2位置情報設定部38-2へも出力される。
【0086】
磁気センサ72が4つ以上の場合であっても同様の処理が行われてよい。磁気センサ72は奇数個であってもよい。例えば磁気センサ72が3つの場合、第2演算部36-2は加算回路37-1を有さなくてもよい。
【0087】
図10は他軸の位置の影響に対する補正を説明する図である。
図10は
図6の場合において、可動体10のX軸方向の位置に対するZ軸方向の位置の影響を補正している。
図6と重複する説明は省略する。また説明のため、他軸の位置の影響を誇張して図示している。
図10において演算部36における磁場の演算結果をM1とする。M1をZ軸方向の位置が原点の場合のデータ(図中の実線)と照合した場合、X軸方向における可動体10の位置はZ1と算出される。可動体10のZ軸方向の位置が原点の場合は正しい位置が算出されているため問題ない。しかし、例えばZ軸方向の位置が+300μmの場合、X軸方向の可動体10の位置と演算磁場の関係を表すデータは図中の点線のようになり、可動体10のX軸方向の位置が原点の場合とはずれている。このように、Z軸方向の位置が原点でない場合に、Z軸方向の位置が原点の場合のデータ(
図10の実線)を用いて可動体10のX軸方向の位置を算出すると、例えばX軸方向の位置が本当はZ2のところがZ1と算出されてしまう。
【0088】
この他軸の位置による誤差を補正するため、第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は、他軸の位置ごとにX軸方向の位置と演算磁場の関係を表すデータを保持し、他軸における可動体10の実際の位置に応じて参照するデータを選択してよい。
【0089】
他の例としては、第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は、駆動範囲の端点の位置を調整することによって補正する。第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は、駆動範囲を設定し、駆動範囲に対する相対位置として可動体10の位置を算出してよい。駆動範囲に対する相対位置とは、駆動範囲内における位置を指す。駆動範囲に対する相対位置とは、例えば駆動範囲の下限位置および上限位置の少なくとも一方と、可動体10の位置との距離を意味してよく、駆動範囲の長さに対する当該距離の比を意味してもよい。その際、可動体10の位置を駆動範囲内の各位置に割り当てられた位置コードを用いて、可動体10の位置を表してよい。
【0090】
図10においては、可動体10のZ軸方向の位置が原点の場合の座標軸を「位置コード」とし、可動体10のZ軸方向の位置が+300μmの場合の座標軸を「位置コード'」としている。本例においては、「位置コード」における駆動範囲の下限を、可動体10のZ軸方向の位置が原点の場合の可動範囲の下限における演算磁場MNに対応する値とし、「位置コード」における駆動範囲の上限を、可動体10のZ軸方向の位置が原点の場合の可動範囲の上限における演算磁場MPに対応する値としている。同様に、「位置コード'」における駆動範囲の下限を、可動体10のZ軸方向の位置が+300μmの場合の可動範囲の下限における演算磁場MN'に対応する値とし、「位置コード'」における駆動範囲の上限を、可動体10のZ軸方向の位置が+300μmの場合の可動範囲の上限における演算磁場MP'に対応する値としている。図中の「位置コード」における位置D1は、可動体10のZ軸方向の位置が原点の場合の演算磁場M1に対応しており、「位置コード'」における位置D1'は、可動体10のZ軸方向の位置が+300μmの場合の演算磁場M1に対応している。本補正方法においては、演算磁場の値を直接補正することなく、駆動範囲の端点情報を調整し、駆動範囲における演算磁場の相対位置を算出することによって、他軸の位置の影響を補正している。
【0091】
目標位置の算出および補正についても同様に駆動範囲の端点を更新することで行ってよい。まず目標位置の算出では、受信した目標位置を図中の駆動範囲内の各位置に割り当てられた位置コードを用いて、駆動範囲における目標位置に変換することで行ってよい。次に補正については、受信した目標位置から駆動範囲における目標位置を算出する場合に、駆動範囲の端点を可動体10の他軸の位置に応じて更新することによって補正してよい。
【0092】
図11は他軸の位置の影響に対する目標位置の算出および補正の例を説明する図である。
図11の横軸は位置コードを、縦軸は可動体10のX軸方向の位置を表している。図中の実線は可動体10のZ軸方向の位置が原点の場合を、点線は+300μmの場合を表している。
図11においてはICチップ70-1が可動体10の位置を制御する場合を示している。
図10と同様の用語または符号については説明を省略する。
図10と同様にZ軸方向の位置が+300μmの曲線は、Z軸方向の位置が原点の曲線と比べてシフトしており、位置コードがある値(図中の点F)以上になると可動体10の位置が飽和し、その後は一定値を示している。そのため、他軸の位置ごとに駆動範囲の端点情報を更新しなければ、位置コード0においては可動体10が端まで駆動されないという問題が生じる。また位置コードが大きい範囲(図中の点F以上)においては可動体10がそれ以上駆動しないという問題が生じる。
【0093】
この他軸の位置による影響を補正するため、第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は、駆動範囲の端点を調整してよい。調整方法は
図10において説明したのと同様の方法であってよい。
図11においては点線が、横軸「位置コード」における負の領域まで延長されており、横軸と交差する点をEとし、点Eを可動体10のZ軸方向の位置が+300μmの場合の駆動範囲の端点の下限として設定している。また、点線が一定値を示し始める点Fを可動体10のZ軸方向の位置が+300μmの場合の駆動範囲の端点の上限として設定している。第1位置情報設定部38-1および第2位置情報設定部38-2は、受信した目標位置を上述の他軸の位置に応じた駆動範囲における相対位置に変換することで目標位置の算出および補正を行う。
【0094】
図12はICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
図12のICチップ70-1においては、第1位置情報演算部が第2演算部36-2から出力される第2位置情報を取得し、第1位置情報演算部で補正した第1相対位置を第2位置情報設定部38-2へ出力する。また第1目標位置調整部48-1が第2目標位置取得部46-2から出力される第2目標位置を取得し、第1目標位置調整部48-1で補正した第1目標位置を第2目標位置調整部48-2へ出力する。他の構成は
図7のICチップ70-1と同様であるため説明を省略する。本例において、第2位置情報設定部38-2および第2目標位置調整部48-2は、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて、第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方を補正してよい。第2位置情報設定部38-2は、可動体10の第1の方向における第1駆動範囲に対する第1相対位置に基づいて第2相対位置を補正してよい。第2目標位置調整部48-2は、第1目標位置調整部48-1において補正された第1駆動範囲における第1目標位置に基づいて第2駆動範囲における第2目標位置を補正してよい。補正の具体的な方法は
図10および
図11で説明した方法と同様である。
【0095】
図13はICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
図13のICチップ70-1においては、第1位置情報設定部38-1は第2演算部36-2から第2位置情報を取得し、第2位置情報設定部38-2は第1演算部36-1から第1位置情報を取得する。また第1目標位置調整部48-1は第2目標位置取得部46-2から第2位置情報を取得し、第2目標位置調整部48-2は第1目標位置取得部46-1から第1位置情報を取得する。第1位置情報設定部38-1は、第2演算部36-2の結果に応じて第1の方向における第1駆動範囲の端点情報を更新してよい。第1位置情報設定部38-1は、第2演算部36-2の結果に応じて第1駆動範囲に対する第1相対位置を補正してよい。第2位置情報設定部38-2は、第1演算部36-1の結果に応じて第2の方向における第2駆動範囲の端点情報を更新してよい。第2位置情報設定部38-2は、第1演算部36-1の結果に応じて第2駆動範囲に対する第2相対位置を補正してよい。第1目標位置調整部48-1は、第2目標位置に応じて第1駆動範囲における第1目標位置を補正してよい。第2目標位置調整部48-2は、第1目標位置に応じて第2駆動範囲における第2目標位置を補正してよい。補正の具体的な方法は
図10および
図11で説明した方法と同様である。
【0096】
図14はICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
図12のICチップ70-1は、
図7,12または13に示したいずれかの構成に加えて第3演算部36-3、第3位置情報設定部38-3、第3目標位置取得部46-3、第3目標位置調整部48-3第3制御部54-3、第3D/A部56-3および第3のドライバ58-3を有する。またカメラモジュール100は、第3の磁場発生部および第3磁石32-3を有する。
【0097】
本例のICチップ70-1は、可動体の第1の方向、第2の方向に加えて第3の方向における位置を検出する構成となっている。第3の方向はY軸方向であってよい。第1磁石32-1は、第1の部分41または第2の部分42と第3の方向において隣り合う第3の部分を有してよい。ICチップ70-1は、第3の磁気センサを有してよい。第3の磁気センサは、第1の磁気センサまたは第2の磁気センサと第3の方向に並んで配置されてよい。ICチップ70-1は、第1の方向におけるのと同様に、第1の磁場強度または第2の磁場強度と第3の磁気センサが検知する第3の磁場強度との和または和/差に基づいて第3の方向における可動体10の位置を検知してよい。
【0098】
図15はICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
図15のICチップ70-1は、
図7、12から14に示したいずれかの構成に加えて第1位置情報選択部64-1、第2位置情報選択部64-2、第1位置情報保存部66-1および第2位置情報保存部66-2を有する。第1位置情報選択部64-1は第1演算部36-1の結果および第1目標位置取得部46-1からの第1目標位置を取得する。第1位置情報選択部64-1は取得した第1演算部36-1の結果および第1目標位置のどちらを第1位置情報とするかを決定する。
【0099】
第2位置情報選択部64-2は第2演算部36-2の結果および第2目標位置取得部46-2からの第2目標位置を取得する。第2位置情報選択部64-2は取得した第2演算部36-2の結果および第2目標位置のどちらを第2位置情報とするかを決定する。
【0100】
第1位置情報保存部66-1は第1位置情報選択部64-1において決定された第1位置情報を保存する。第1位置情報保存部66-1は、レジスタ・メモリを有してよい。第2位置情報保存部66-2は第2位置情報選択部64-2において決定された第2位置情報を保存する。第2位置情報保存部66-2は、レジスタ・メモリを有してよい。第1位置情報設定部38-1および第1目標位置調整部48-1は、第2位置情報保存部66-2に保存された第2位置情報を取得してよい。第2位置情報設定部38-2および第2目標位置調整部48-2は第1位置情報保存部66-1に保存された第1位置情報を取得してよい。第1位置情報設定部38-1は、当該第2位置情報に応じて第1の方向における第1駆動範囲の端点情報を更新してよい。第2位置情報設定部38-2は、当該第1位置情報に応じて第2の方向における第2駆動範囲の端点情報を更新してよい。
【0101】
光学素子20に入射する光の光軸と垂直な方向における補正を行う場合、第1位置情報設定部38-1は第2相対位置に基づいて、第1相対位置を補正してよい。光学素子20に入射する光の光軸と平行な方向における補正を行う場合、第1目標位置調整部48-1は第2目標位置に基づいて、第1目標位置を補正してよい。位置情報(演算部36の結果)は目標位置情報と比べて更新される間隔が短いという特徴がある。第1位置情報選択部64-1および第2位置情報選択部64-2は、例えば手ブレ補正のような位置変化に対して素早く追従する必要がある場合は、演算部36の結果を位置情報として選択してよい。一方焦点位置の制御のような追従間隔が比較的長い場合は、更新頻度が少ない目標位置情報を位置情報として選択してよい。
【0102】
図16はICチップ70-1の他の構成例を示す図である。
図16のICチップ70-1は、
図15に示した構成と比べて、第2位置情報選択部64-2が、第2位置情報設定部38-2から出力された第2位置情報および第2目標位置調整部48-2から出力された第2目標位置を取得する点が異なる。他の構成は
図15の構成例と同一である。第1演算部36-1において、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和および差を用いて第1の方向における第1位置情報を算出し、第2演算部36-2において、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差を用いて第2の方向における第2位置情報を算出する場合、第1位置情報の方が温度特性的に優れ、安定している。この場合、第2位置情報選択部64-2が第2位置情報設定部38-2において補正された第2位置情報を取得することで、他軸が動いた際の誤動作の影響がより低減される。
【0103】
図17は第1位置情報設定部38-1の構成例を示す図である。第1位置情報設定部38-1には、第1の方向における可動体10の検出位置を示す第1位置情報Vip_1と、第2の方向における可動体10の検出位置を示す第2位置情報Vip_2とが入力される。第1位置情報設定部38-1は、第1他軸動作モニタ部74、第1上限端点情報演算部78-1、レジスタ・メモリ部80-1、基本上限端点情報部82-1、第1上限端点情報部76-1、第1下限端点情報演算部78-2、レジスタ・メモリ部80-2、基本下限端点情報部82-2、第1下限端点情報部76-2、減算器84-1、減算器84-2、除算器86、積算器88を有する。第1他軸動作モニタ部74は他軸の動作をモニタしてよい。他軸動作モニタ部は第1の方向以外の方向において可動体10が動作中か静止中かを判断する。本例の第1他軸動作モニタ部74は第2位置情報に基づいて可動体10の第2の方向における動作をモニタする。第2位置情報は第2位置情報設定部38-2が出力する第2相対位置であってよい。第1他軸動作モニタ部74は、可動体10の第2の方向における動作が動作中または静止中を判断した後に第1上限端点情報演算部78-1および第1下限端点情報演算部78-2へ第2位置情報を伝える。第1位置情報設定部38-1は、他軸動作モニタ部の判断に基づいて、第1相対位置または第1目標位置を補正するか否かを決定する。第1位置情報設定部38-1は他軸の動作情報を加味して、端点情報の更新を行ってよい。第1位置情報設定部38-1は他軸の動作情報が動作中の場合は、静止中まで端点情報の更新を保留してよい。第1位置情報設定部38-1は他軸の動作情報が動作中の場合であっても、端点情報を更新してよい。
【0104】
レジスタ・メモリ部80-1は第1相対位置を算出するためのパラメータをあらかじめ取得し、保存している。レジスタ・メモリ部80-1は他軸の位置に応じた端点情報を保存してよい。当該端点情報は他軸の位置ごとに保存されていてよい。当該端点情報は、異なる他軸の位置における有限の端点情報を、近似式を用いて近似したものであってよく、近似式のパラメータであってよい。当該端点情報はリスト化されていてよい。パラメータはICチップ70-1の実装後に生成および更新されてよい。基本上限端点情報部82-1は可動体10の他軸の位置が原点にある場合の端点情報を保存している。第1上限端点情報演算部78-1は、第2相対位置とレジスタ・メモリ部80-1に保存されている情報を用いて第1駆動範囲の上限を演算し、第1上限端点情報部76-1へ出力する。第1上限端点情報演算部78-1は、基本上限端点情報部82-1の情報も合わせて用いて第1駆動範囲の上限PCALを演算してよい。第1上限端点情報部76-1は、第1駆動範囲の上限PCALを決定する。
【0105】
レジスタ・メモリ部80-2は第1相対位置を算出するためのパラメータをあらかじめ取得し、保存している。レジスタ・メモリ部80-2および基本下限端点情報部82-2は、レジスタ・メモリ部80-1および基本上限端点情報部82-1と同一の情報を保存している。第1下限端点情報演算部78-2は、第2相対位置とレジスタ・メモリ部80-1に保存されている情報を用いて第1駆動範囲の下限を演算し、第1下限端点情報部76-2へ出力する。第1下限端点情報演算部78-2は、基本下限端点情報部82-2の情報も合わせて用いて第1駆動範囲の下限NCALを演算してよい。第1下限端点情報部76-2は、第1駆動範囲の下限NCALを決定する。
【0106】
減算器84-2は、第1駆動範囲の上限PCALと、下限NCALとの第1の差分PCAL-NCALを算出する。第1の差分は第1駆動範囲の大きさに相当する。減算器84-1は、第1位置情報Vip_1と、第1駆動範囲の下限NCALとの第2の差分Vip_1-NCALを算出する。第2の差分は第1駆動範囲の下限NCALの位置と、可動体10の第1方向の位置との距離に相当する。除算器86は、第2の差分Vip_1-NCALを、第1の差分PCAL-NCALで除算した値を算出する。当該値は、第1駆動範囲における、可動体10の相対位置に相当する。
【0107】
積算器88は、除算器86からの出力信号を受信し、
VPROC_1=(Vip_1-NCAL)/(PCAL-NCAL)×511
を出力する。511は29-1を示す数値である。この「511」は第1駆動範囲の上限PCALと、下限NCALによって任意に変更されてよい。
【0108】
第2位置情報設定部38-2は第1位置情報設定部38-1と同一の構成を有してよい。第2位置情報設定部38-2は、第1位置情報設定部38-1と同様に、他軸動作モニタ部の判断に基づいて、第2相対位置を補正するか否かを決定してよい。第2位置情報設定部38-2は、第1位置情報設定部38-1と同様に、第2駆動範囲の上限および下限を演算してよい。
【0109】
図18は、第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の構成例を示す図である。第1目標位置調整部48-1は第1線形演算部92-1、レジスタ・メモリ部94-1、基本線形補正部96-1および第1線形補正部90-1を備える。第2目標位置調整部48-2は第2線形演算部92-2、レジスタ・メモリ部94-2、基本線形補正部96-2および第2線形補正部90-2を備える。
【0110】
ICチップ70-1は、第1線形補正部90-1および第2線形補正部90-2を更に備えてよい。本例の第1線形補正部90-1は第1目標位置調整部48-1の内部に配置され、第2線形補正部90-2は第2目標位置調整部48-2の内部に配置されている。第1線形補正部90-1は第1位置情報設定部38-1の内部に配置され、第2線形補正部90-2は第2位置情報設定部38-2の内部に配置されてもよい。第1線形補正部90-1は、第1駆動範囲における複数の磁気センサ72が検知する磁場の変動と、可動体10の第1相対位置または第1目標位置を補正してよい。第2線形補正部90-2は、第2駆動範囲における複数の磁気センサ72が検知する磁場の変動と、可動体10の第2相対位置または第2目標位置を補正してよい。
【0111】
パラメータは線形補正を行うための近似式のパラメータであってよい。基本線形補正部96-1には、可動体10の他軸の位置が原点の場合のパラメータが保存されている。補正を行う際に、他軸の位置によって補正のためのパラメータを調整する必要がある。レジスタ・メモリ部94-1は、他軸の位置が原点以外の場合に線形補正を行うためのパラメータを保存している。当該パラメータは可動体10の他軸の位置ごとに複数のパラメータを取得し、複数のパラメータを近似式で表すことによって保存されてよい。
【0112】
第1線形演算部92-1は、第2目標位置取得部46-2から第2目標位置を取得する。また 第1線形演算部92-1が取得する情報は第2相対位置であってもよい。第1線形演算部92-1は、取得した第2目標位置に基づいてレジスタ・メモリ部94-1および基本線形補正部96-1に保存されたパラメータから新たな線形補正値を導出し、第1線形補正部90-1へ出力する。
【0113】
第1線形補正部90-1は、第2目標位置に基づいて補正を行う。本例では、第1線形補正部90-1は第2目標位置に基づいて導出された新たな線形補正値に基づいて補正を行う。
【0114】
第2目標位置調整部48-2においても同様の処理が行われる。第2線形演算部92-2は、第1目標位置に基づいて新たな線形補正値を導出し、第2線形補正部90-2へ出力する。第2線形補正部90-2は、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて補正を行う。本例では、第2線形補正部90-2は第1目標位置に基づいて導出された新たな線形補正値に基づいて補正を行う。
【0115】
図19は、第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の他の構成例を示す図である。本例のICチップ70-1は、
図18において説明した構成に加えて、第1他軸動作モニタ部74-1および第2他軸動作モニタ部74-2を有する。第1他軸動作モニタ部74-1および第2他軸動作モニタ部74-2は、第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の内部に設けられてもよい。本例において第1他軸動作モニタ部74-1および第2他軸動作モニタ部74-2は、第1目標位置取得部46-1および第2目標位置46-2の手前に設けられている。
【0116】
第1他軸動作モニタ部74-1および第2他軸動作モニタ部74-2は、相対位置を含む他軸の位置情報に基づいて自軸の目標位置を更新するか否かを選択してよい。本例の第1他軸動作モニタ部74-1は、第2相対位置に基づいて第1目標位置を更新するか否かを選択する。本例の第2他軸動作モニタ部74-2は、第1相対位置に基づいて第2目標位置を更新するか否かを選択する。
【0117】
図20は、第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の他の構成例を示す図である。第1目標位置調整部48-1は、
図18または
図19の構成に加えて、第1駆動範囲調整部98-1、第1駆動範囲演算部102-1、レジスタ・メモリ部104-1、基本駆動範囲補正部106-1を備えてよい。第2目標位置調整部48-2は、
図18または
図19の構成に加えて、第2駆動範囲調整部98-2、第2駆動範囲演算部102-2、レジスタ・メモリ部104-2、基本駆動範囲補正部106-2を備えてよい。
【0118】
レジスタ・メモリ部104-1は他軸の位置に応じた端点情報を保存してよい。当該端点情報は他軸の位置ごとに保存されていてよい。当該端点情報は、異なる他軸の位置における有限の端点情報を、近似式を用いて近似したものであってよく、近似式のパラメータであってよい。当該端点情報はリスト化されていてよい。パラメータはICチップ70-1の実装後に生成および更新されてよい。基本駆動範囲補正部106-1は可動体10の他軸の位置が原点にある場合の端点情報を保存している。
【0119】
第1駆動範囲演算部102-1は第2目標位置を取得する。第1線形演算部92-1は、取得した第2目標位置に基づいてレジスタ・メモリ部104-1および基本線形補正部96-1に保存された端点情報またはパラメータから新たな端点情報を導出し、第1駆動範囲調整部98-1へ出力する。
【0120】
第1駆動範囲調整部98-1は第1駆動範囲を調整する。第1駆動範囲調整部98-1は第2相対位置または第2目標位置の少なくとも一方に基づいて第1駆動範囲を調整してよい。本例の第1駆動範囲調整部98-1は、第2目標位置に基づいて第1駆動範囲を調整する。第1駆動範囲調整部98-1は、第1位置情報設定部38-1で設定された第1駆動範囲をシフトさせてよい。第1位置情報設定部38-1で第1駆動範囲を更新する代わりに、第1駆動範囲調整部98-1で第1駆動範囲を調整してよい。
【0121】
第2目標位置調整部48-2においても同様の処理が行われる。第2駆動範囲演算部102-2は第1目標位置に基づいて新たな端点情報を導出する。第2駆動範囲調整部98-2は第2駆動範囲を調整する。第2駆動範囲調整部98-2は第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて第2駆動範囲を調整してよい。本例の第2駆動範囲調整部98-2は、第1目標位置に基づいて第2駆動範囲を調整する。第2駆動範囲調整部98-2は、第2位置情報設定部38-2で設定された第2駆動範囲よりも狭い範囲を第2駆動範囲としてよい。第2位置情報設定部38-2で第2駆動範囲を更新する代わりに、第2駆動範囲調整部98-2で第2駆動範囲を調整してよい。
【0122】
図21は、第1目標位置調整部48-1および第2目標位置調整部48-2の他の構成例を示す図である。本例の第1目標位置調整部48-1は
図20の構成に加えて、第1温度特性補正部108-1、第1温度特性補正演算部110-1、レジスタ・メモリ部112-1、および温度センサ114-1を備える。本例の第2目標位置調整部48-2は
図20の構成に加えて、第2温度特性補正部108-2、第2温度特性補正演算部110-2、レジスタ・メモリ部112-2、および温度センサ114-2を備える。
【0123】
可動体10の内部温度が上昇すると、可動体10に備えられているレンズの温度特性並びに磁石の温度特性が変わってしまうため、その影響を補正することが望ましい。レジスタ・メモリ部112-1は他軸の位置に応じた温度特性情報を保存してよい。当該情報は他軸の位置ごとに保存されていてよい。当該情報は、異なる他軸の位置における有限の情報を、近似式を用いて近似したものであってよく、近似式のパラメータであってよい。当該情報はリスト化されていてよい。パラメータはICチップ70-1の実装後に生成および更新されてよい。温度センサ114-1はICチップ70-1の動作時の温度を測定する。温度センサ114-1は第1目標位置調整部48-1には備えられず、ICチップ70-1の外部にある温度センサの情報をレジスタ・メモリ部112-1へ書き込んでもよい。
【0124】
第1温度特性補正演算部110-1は、第2目標位置を取得する。また 第1温度特性補正演算部110-1が取得する情報は第2相対位置であってもよい。第1温度特性補正演算部110-1は、取得した第2目標位置に基づいて、温度情報およびレジスタ・メモリ部112-1に保存された温度特性から新たな端点情報を導出し、第1温度特性補正部108-1へ出力する。
【0125】
第1温度特性補正部108-1は、第2目標位置に基づいて第1駆動範囲を調整する。第1温度特性補正部108-1は、第1温度特性補正演算部110-1から取得した新たな端点情報に基づいて、第1駆動範囲を調整してよい。本例の第1温度特性補正部108-1は、第2目標位置に基づいて第1駆動範囲を調整する。同様に、第2温度特性補正部108-2は、第1相対位置または第1目標位置の少なくとも一方に基づいて第2駆動範囲を調整する。本例の第2温度特性補正部108-2は、第1目標位置に基づいて第2駆動範囲を調整する。第2温度特性補正部108-2は、第2温度特性補正演算部110-2から取得した新たな端点情報に基づいて、第2駆動範囲を調整してよい。これにより、可動体10の内部の温度変化によるレンズ温度特性補正ならびに磁石の温度特性の変化を補正することができる。
【0126】
図22はICチップ70-1の端子配置を説明する図である。
図1から21のいずれかのICチップ70-1において、ICチップ70-1は
図22に示す端子配置を有していてよい。ICチップ70-1は端子116-1~116-6を有する。本例のICチップ70-1の端子配置は千鳥配置である。本例のICチップ70-1は、ICチップ70-1の短手方向において、ある端子の位置が他の端子の位置と異なる位置に配置されている。
【0127】
千鳥配置とすることで、通常の格子状に端子を配置する場合と比べて、隣り合う端子116-1と端子116-2の距離(図中のA)を広げることができるので、再配線の自由度を高めることができる。また短手方向にも端子116-1~116-6がないため配線を出しやすいという利点がある。特に格子状の配置では端子から長手方向に沿って配線を出しにくいが、千鳥配置では格子状の配置と比べて端子116-1~116-6との距離が開いているため長手方向に配線を引き回すことが容易となっており、設計自由度を高めることができる。
【0128】
図23は本発明の他の形態に係る位置制御システム200の一例を示す斜視図である。位置制御システム200は、
図1から
図22において説明したカメラモジュール100の構成のうち、光学素子20以外の構成のうちの少なくとも一部を備えてよい。本例の位置制御システム200は、カメラモジュール100の構成のうち、光学素子20以外の構成の全てを含む。位置制御システム200に含まれる構成の機能等は、
図1から
図22において説明したカメラモジュール100と同様である。位置制御システム200はカメラ以外の用途にも使用されうる。
【0129】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0130】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0131】
10・・・可動体、12・・・面、12-1・・・第1の面、12-2・・・第2の面、12-3・・・第3の面、12-4・・・第4の面、14・・・固定部、16・・・面、16-1・・・第1の面、16-2・・・第2の面、16-3・・・第3の面、16-4・・・第4の面、20・・・光学素子、22・・・AMP、24・・・A/D部、26・・・温度センサ、30・・・駆動ユニット、30-1・・・第1の駆動ユニット、30-2・・・第2の駆動ユニット、30-3・・・第3の駆動ユニット、32・・・磁石、32-1・・・第1磁石、32-2・・・第2磁石、32-3・・・第3磁石、34・・・磁場発生部、34-1・・・第1の磁場発生部、34-2・・・第2の磁場発生部、34-3・・・第3の磁場発生部、36・・・演算部、36-1・・・第1演算部、36-2・・・第2演算部、36-3・・・第3演算部、37-1・・・加算回路、37-2・・・減算回路、37-3・・・除算回路、38-1・・・第1位置情報設定部、38-2・・・第2位置情報設定部、38-3・・・第3位置情報設定部、41・・・第1の部分、42・・・第2の部分、44・・・目標位置受信部、46-1・・・第1目標位置取得部、46-2・・・第2目標位置取得部、46-3・・・第3目標位置取得部、48-1・・・第1目標位置調整部、48-2・・・第2目標位置調整部、48-3・・・第3目標位置調整部、54-1・・・第1制御部、54-2・・・第2制御部、54-3・・・第3制御部、56-1・・・第1D/A部、56-2・・・第2D/A部、56-3・・・第3D/A部、58-1・・・第1のドライバ、58-2・・・第2のドライバ、58-3・・・第3のドライバ、61・・・第1の部分、64-1・・・第1位置情報選択部、64-2・・・第2位置情報選択部、66-1・・・第1位置情報保存部、66-2・・・第2位置情報保存部、70・・・ICチップ、70-1・・・ICチップ、70-2・・・ICチップ、71・・・位置検知ユニット、72・・・磁気センサ、72-1・・・第1の磁気センサ、72-2・・・第2の磁気センサ、74・・・第1他軸動作モニタ部、74-1・・・第1他軸動作モニタ部、74-2・・・第2他軸動作モニタ部、76-1・・・第1上限端点情報部、76-2・・・第1下限端点情報部、78-1・・・第1上限端点情報演算部、78-2・・・第1下限端点情報演算部、80-1・・・レジスタ・メモリ部、80-2・・・レジスタ・メモリ部、82-1・・・基本上限端点情報部、82-2・・・基本下限端点情報部、84-1・・・減算器、84-2・・・減算器、86・・・除算器、88・・・積算器、90-1・・・第1線形補正部、90-2・・・第2線形補正部、92-1・・・第1線形演算部、92-2・・・第2線形演算部、94-1・・・レジスタ・メモリ部、94-2・・・レジスタ・メモリ部、96-1・・・基本線形補正部、96-2・・・基本線形補正部、98-1・・・第1駆動範囲調整部、98-2・・・第2駆動範囲調整部、100・・・カメラモジュール、102-1・・・第1駆動範囲演算部、102-2・・・第2駆動範囲演算部、104-1・・・レジスタ・メモリ部、104-2・・・レジスタ・メモリ部、106-1・・・基本駆動範囲補正部、106-2・・・基本駆動範囲補正部、108-1・・・第1温度特性補正部、108-2・・・第2温度特性補正部、110-1・・・第1温度特性補正演算部、110-2・・・第2温度特性補正演算部、112-1・・・レジスタ・メモリ部、112-2・・・レジスタ・メモリ部、114-1・・・温度センサ、114-2・・・温度センサ、116-1・・・端子、116-2・・・端子、116-3・・・端子、116-4・・・端子、116-5・・・端子、116-6・・・端子