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特開2024-78671捕集装置、制御装置、捕集方法、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078671
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】捕集装置、制御装置、捕集方法、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/02 20060101AFI20240604BHJP
   G01N 1/22 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G01N1/02 A
G01N1/22 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191153
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】萩原 久
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 賢司
(72)【発明者】
【氏名】須藤 弘康
(72)【発明者】
【氏名】向井 諭
(72)【発明者】
【氏名】矢内 勝
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 基哉
(72)【発明者】
【氏名】菊田 弘輝
(72)【発明者】
【氏名】山岬 健一
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA04
2G052AA40
2G052AD15
2G052AD55
2G052BA05
2G052BA17
2G052EB04
2G052EB13
2G052GA08
2G052HC17
2G052HC22
2G052HC23
2G052JA09
(57)【要約】
【課題】精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる捕集装置を提供する。
【解決手段】冷却装置2は、周囲の空気を冷却する。送風装置4は、冷却装置2の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てる。上流側検出部6は、上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出する。下流側検出部8は、下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出する。制御装置10は、上流側水蒸気量と下流側水蒸気量とに基づいて、領域Ar1に結露が発生して被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように冷却装置2を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置と、
前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置と、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出するように構成された上流側検出手段と、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出するように構成された下流側検出手段と、
前記上流側状態から得られた上流側水蒸気量と前記下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、前記冷却装置の表面の前記風が当たる第1の領域に結露が発生して前記被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように前記冷却装置を制御するように構成された制御装置と、
を有する捕集装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記冷却装置の前記第1の領域に結露が発生するように制御を行う結露発生制御手段と、
結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う水分量制御手段と、
を有する、
請求項1に記載の捕集装置。
【請求項3】
前記結露発生制御手段は、前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第1の閾値よりも小さい状態が予め定められた第1の期間継続した場合に、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
請求項2に記載の捕集装置。
【請求項4】
前記送風装置によって送り出される空気を加湿する加湿装置、
をさらに有し、
前記結露発生制御手段は、前記冷却装置の冷却能力を上限まで上げても前記水蒸気量差が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記加湿装置を稼働させるための制御を行う、
請求項3に記載の捕集装置。
【請求項5】
前記冷却装置の周囲の温度である周囲温度を検出する周囲温度検出手段、
をさらに有し、
前記水分量制御手段は、前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第2の閾値よりも大きい状態が予め定められた第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第1の温度閾値以上となるように、前記冷却装置の冷却能力を下げるための制御を行う、
請求項2に記載の捕集装置。
【請求項6】
前記水分量制御手段は、前記水蒸気量差が予め定められた第3の閾値よりも小さい状態が前記第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第2の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
請求項5に記載の捕集装置。
【請求項7】
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行う結露発生制御手段と、
前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う水分量制御手段と、
を有する制御装置。
【請求項8】
冷却装置によって、周囲の空気を冷却し、
送風装置によって、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当て、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出し、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出し、
前記上流側状態から得られた上流側水蒸気量と前記下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、前記冷却装置の表面の前記風が当たる第1の領域に結露が発生して前記被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように前記冷却装置を制御する、
捕集方法。
【請求項9】
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行い、
前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う、
制御方法。
【請求項10】
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行うステップと、
前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、捕集装置、制御装置、捕集方法、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気中に存在する微粒子等の被検物質を捕集する技術がある。これに関連し、特許文献1は、捕集装置を開示する。特許文献1にかかる捕集装置は、被検物質を含む空気を導入する空気導入部と、空気導入部により導入される空気を水と混合し、水に被検物質を捕集する捕集部と、を備える。また、特許文献1にかかる捕集装置は、空気から水を生成する水生成部と、水生成部で生成された水を貯蔵する貯蔵部と、貯蔵部に貯蔵されている水を、捕集部に供給する水供給部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-206700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にかかる捕集装置では、被検物質を捕集する際に、空気中の水分から水を生成して貯蔵することにより、被検物質を捕集するための水分を外部から供給する必要性を低減することができることを、目的としている。そのため、特許文献1にかかる捕集装置では、貯蔵部に貯蔵されている水量が所定量よりも少ないことを検知した場合には、水生成部は、貯蔵部に貯蔵される水量が所定量以上となるまで、水の生成を行う。このような構成では、水量が多くなってしまうため、被検物質を含む水溶液の濃度が薄くなるおそれがある。したがって、精度よく被検物質の計測を行うことができないおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる捕集装置、制御装置、捕集方法、制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる捕集装置は、周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置と、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出するように構成された上流側検出手段と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出するように構成された下流側検出手段と、前記上流側状態から得られた上流側水蒸気量と前記下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、前記冷却装置の表面の前記風が当たる第1の領域に結露が発生して前記被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように前記冷却装置を制御するように構成された制御装置と、を有する。
【0007】
本開示にかかる制御装置は、周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行う結露発生制御手段と、前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う水分量制御手段と、を有する。
【0008】
本開示にかかる捕集方法は、冷却装置によって、周囲の空気を冷却し、送風装置によって、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当て、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出し、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出し、前記上流側状態から得られた上流側水蒸気量と前記下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、前記冷却装置の表面の前記風が当たる第1の領域に結露が発生して前記被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように前記冷却装置を制御する。
【0009】
本開示にかかる制御方法は、周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行い、前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う。
【0010】
本開示にかかるプログラムは、周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行うステップと、前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる捕集装置、制御装置、捕集方法、制御方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態にかかる捕集装置の概要を示す図である。
図2】本実施の形態にかかる制御装置の概要を示す図である。
図3】本実施の形態にかかる捕集装置によって実行される捕集方法を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態にかかる制御装置によって実行される制御方法を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1にかかる捕集装置を示す図である。
図6】実施の形態1にかかる制御装置の構成を示す図である。
図7】実施の形態にかかる捕集装置によって実行される処理を示すフローチャートである。
図8】実施の形態にかかる捕集装置によって実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本開示にかかる実施の形態の概要)
本実施の形態の説明に先立って、本実施の形態の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる捕集装置1の概要を示す図である。
【0014】
本実施の形態にかかる捕集装置1は、冷却装置2と、送風装置4と、上流側検出部6と、下流側検出部8と、制御装置10とを有する。冷却装置2は、冷却手段としての機能を有する。送風装置4は、送風手段としての機能を有する。上流側検出部6は、上流側検出手段としての機能を有する。下流側検出部8は、下流側検出手段としての機能を有する。制御装置10は、冷却装置2を制御する制御手段としての機能を有する。
【0015】
捕集装置1は、冷却装置2の表面に発生した結露により付着した水分に対して、被検物質を含む空気を当てる。これにより、その水分に、空気に含まれる被検物質が捕集され得る。このような構成により、空気中の水蒸気を用いて被検物質が捕集される水分を確保することができるので、被検物質を捕集するための水分を予め準備する必要がない。
【0016】
被検物質を含む水分(水溶液)を用いて、被検物質の計測を行うことができる。被検物質は、例えば微粒子である。微粒子は、空気中にエアロゾルとして存在し得る。被検物質は、例えば、塵、細菌、ウイルス、花粉等である。被検物質の計測は、例えば、生体分子間相互作用を測定するための、SPR(Surface plasmon resonance;表面プラズモン共鳴)センサ、又はQCM(Quartz Crystal Microbalance;水晶振動子マイクロバランス)センサを用いて行われてもよい。また、被検物質が生物学的な物質である場合、被検物質の計測は、例えば、被検物質のRNA(Ribonucleic acid)を抽出してRT-PCR(Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction)等により行われてもよい。
【0017】
冷却装置2は、周囲の空気を冷却するように構成されている。冷却装置2は、例えば冷却器である。詳しくは後述する。送風装置4は、冷却装置2の表面に、被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成されている。送風装置4による空気の流れを、図1に矢印A1で示す。具体的には、送風装置4は、図1の矢印A1で示すように、空気を送り出して、風を発生させる。図1の例では、空気は、右方向に送り出されることにより、右方向に風が発生する。これにより、冷却装置2の表面の領域Ar1(第1の領域)に、風が当たるようになっている。詳しくは後述する。
【0018】
なお、図1では、風の方向が水平方向であるように描かれているが、風の方向は、これに限定されない。風の方向は任意である。風の向きは、例えば、鉛直方向に平行な方向(上方向又は下方向)であってもよい。また、図1では、送風装置4が冷却装置2に対して風の向きの上流側に配置されているように描かれているが、本実施の形態はこれに限定されない。送風装置4は、冷却装置2に対して風の向きの下流側に配置されていてもよい。このような配置であっても、送風装置4は、冷却装置2の表面に、被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるようにすることができる。これらのことは、後述する実施の形態においても同様である。
【0019】
上流側検出部6は、送風装置4による風の流れ(矢印A1の方向)における冷却装置2の上流側(図1の左側)の空気の状態である上流側状態を検出するように構成されている。ここで、上流側状態は、上流側の空気の水蒸気量(水分量)である上流側水蒸気量を取得するための状態である。例えば、上流側検出部6は、上流側状態として、上流側の空気の温度である上流側温度及び上流側の空気の相対湿度である上流側相対湿度を検出してもよい。あるいは、上流側検出部6は、上流側状態として、上流側の空気の絶対湿度(体積絶対湿度;水蒸気量)である上流側絶対湿度(上流側水蒸気量)を検出してもよい。
【0020】
下流側検出部8は、送風装置4による風の流れ(矢印A1の方向)における冷却装置2の下流側(図1の右側)の空気の状態である下流側状態を検出するように構成されている。ここで、下流側状態は、下流側の空気の水蒸気量(水分量)である下流側水蒸気量を取得するための状態である。例えば、下流側検出部8は、下流側状態として、下流側の空気の温度である下流側温度及び下流側の空気の相対湿度である下流側相対湿度を検出してもよい。あるいは、下流側検出部8は、下流側状態として、下流側の空気の絶対湿度(体積絶対湿度;水蒸気量)である下流側絶対湿度(下流側水蒸気量)を検出してもよい。
【0021】
制御装置10は、例えばコンピュータである。制御装置10は、冷却装置2の冷却機能を制御するように構成されている。制御装置10は、冷却装置2の冷却機能と通信可能に接続されている。制御装置10は、上流側状態から得られた上流側水蒸気量と下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、冷却装置2の表面の領域Ar1に結露が発生して被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように、冷却装置2を制御する。詳しくは後述する。
【0022】
図2は、本実施の形態にかかる制御装置10の概要を示す図である。制御装置10は、結露発生制御部12と、水分量制御部14とを有する。結露発生制御部12は、結露発生制御手段としての機能を有する。水分量制御部14は、水分量制御手段としての機能を有する。
【0023】
結露発生制御部12は、冷却装置2の領域Ar1(第1の領域)に結露が発生するように制御を行う。水分量制御部14は、結露により冷却装置2の領域Ar1(第1の領域)に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う。詳しくは後述する。
【0024】
図3は、本実施の形態にかかる捕集装置1によって実行される捕集方法を示すフローチャートである。冷却装置2は、周囲の空気を冷却する(ステップS12)。送風装置4は、冷却装置2の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てる(ステップS14)。上流側検出部6は、上流側状態を検出する(ステップS16)。下流側検出部8は、下流側状態を検出する(ステップS18)。制御装置10は、冷却装置2の表面の領域Ar1に結露が発生して被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように、冷却装置2を制御する(ステップS20)。なお、各ステップの順序は、図3に示したものに限定されない。また、各ステップは、互いに並行に実行され得る。
【0025】
図4は、本実施の形態にかかる制御装置10によって実行される制御方法を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、図3に示したS20の処理に対応する。結露発生制御部12は、冷却装置2の領域Ar1に結露が発生するように制御を行う(ステップS22)。水分量制御部14は、結露により冷却装置2の領域Ar1に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う(ステップS24)。
【0026】
被検物質の計測を行う計測装置(センサ)は、水溶液に反応することが多い。したがって、被検物質が、水溶液中、つまり水分中に存在することが必要となる。そして、被検物質を含む水溶液を用いて被検物質の計測を行う場合、水溶液における被検物質の濃度が濃い方が、精度よく被検物質の計測を行うことができる。そのためには、水溶液における水分量ができるだけ少ない方が望ましい。しかしながら、上述した特許文献1にかかる技術では、水量が少ない場合に水量を多くするように、水の生成が行われる。これにより、被検物質を含む水溶液の濃度が薄くなるおそれがある。したがって、精度よく被検物質の計測を行うことができないおそれがある。
【0027】
これに対し、本実施の形態にかかる捕集装置1は、冷却装置2の表面に発生する結露により付着する水分の量が所定範囲内になるように、制御を行う。これにより、水分の量が多くなることを抑制することができる。したがって、被検物質を含む水溶液の濃度が薄くなることを抑制することができる。したがって、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる。
また、上述した特許文献1にかかる技術では、貯蔵されている水にも、被検物質が紛れ込む可能性がある。これにより、捕集部で被検物質が捕集される前から貯蔵されている水に紛れ込んだ被検物質と、捕集部で捕集された被検物質とを区別できない可能性がある。したがって、捕集部で捕集された被検物質を精度よく計測することができないおそれがある。これに対し、本実施の形態にかかる捕集装置1は、冷却装置2の表面の風が当たる第1の領域に結露が発生して被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように制御を行うように、構成されている。したがって、第1の領域で結露が発生して得られた水分に被検物質が捕集され得るので、上述した特許文献1にかかる技術と比較して、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる。
【0028】
なお、冷却装置2の冷却機能を制御する制御装置10を用いても、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる。また、捕集装置1を用いた捕集方法及び制御装置10を用いた制御方法によっても、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる。また、制御方法を実現させるプログラムを用いても、精度よく被検物質の計測を行うことが可能となる。
【0029】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0030】
図5は、実施の形態1にかかる捕集装置20を示す図である。捕集装置20は、図1に示した捕集装置1に対応する。捕集装置20は、筐体22と、筐体22の側面に設けられた給気口24a及び排気口24bと、受け皿26とを有する。また、捕集装置20は、冷却装置30と、送風装置40と、加湿装置50とを有する。また、捕集装置20は、上流側温度検出部62と、下流側温度検出部64と、周囲温度検出部66とを有する。また、捕集装置20は、上流側相対湿度検出部72と、下流側相対湿度検出部74と、風速検出部82と、水検出部84とを有する。また、捕集装置20は、制御装置100を有する。
【0031】
冷却装置30は、図1に示した冷却装置2に対応する。冷却装置30は、周囲の空気を冷却するように構成されている。実施の形態1にかかる捕集装置20では、冷却装置30は、筐体22の内部に設けられている。冷却装置30は、例えば冷却器である。冷却装置30は、例えば、銅管又はフィン等の冷却部材の内部を冷却水等の冷媒が循環することによって、周囲の空気を冷却するように構成されてもよい。あるいは、冷却装置30は、ペルチェ素子又はヒートポンプを用いて、周囲の空気を冷却するように構成されてもよい。冷却装置30は、周囲の空気を冷却することによって、空気中の水蒸気を凝縮させて、冷却装置30の表面に結露を発生させる。したがって、冷却装置30は、結露発生部(結露発生手段)として機能する。
【0032】
送風装置40は、被検物質を含む空気を送り出すことで風を発生させて冷却装置30の表面に風を当てるように構成されている。送風装置40は、給気口24aの近傍に設けられている。送風装置40は、例えば送風機又は送風ファンである。送風装置40によって送り込まれた空気は、給気口24aから筐体22の内部に流入して、排気口24bから排出される。したがって、図5の矢印A2で示すように、給気口24aから排気口24bに向かって、空気の流れ、つまり風が発生する。つまり、給気口24aは、風の流れにおける冷却装置30の上流側に対応する。排気口24bは、風の流れにおける冷却装置30の下流側に対応する。なお、図5では、送風装置40が給気口24aの側に設けられているが、送風装置40は、排気口24bの側に設けられていてもよい。このような配置であっても、被検物質を含む空気は、給気口24aから筐体22の内部に流入して、排気口24bから排出される。つまり、送風装置40が排気口24bの側に設けられていても、送風装置40は、冷却装置30の表面に、被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成されている。
【0033】
そして、冷却装置30の表面の領域Ar2(第1の領域)に、送風装置40によって発生した風が当たる(接触する)ようになっている。言い換えると、送風装置40によって発生した風が、冷却装置30の表面の領域Ar2(第1の領域)を通過するようになっている。
【0034】
そして、冷却装置30によって領域Ar2の周囲の空気が冷却されることで空気中の水蒸気が凝縮して、領域Ar2に結露が発生する。したがって、少なくとも領域Ar2に、結露によって水分wが付着する。ここで、上述したように、送風装置40によって送り出される空気には、被検物質が含まれている。したがって、この空気が領域Ar2に付着した水分wに衝突することによって、水分wに被検物質が含まれることとなる。つまり、空気に含まれる被検物質が、領域Ar2に付着した水分wに捕集される。言い換えると、空気に含まれる被検物質が領域Ar2に付着した水分wに溶解して、被検物質が取り込まれた水溶液が得られる。
【0035】
受け皿26は、冷却装置30の領域Ar2の下方に設けられている。受け皿26は、領域Ar2(第1の領域)に付着した水分wが領域Ar2から落下するときに、この水分wを受けるように構成されている。言い換えると、水分wは、領域Ar2から落下すると、受け皿26に収容される。
【0036】
加湿装置50は、筐体22の給気口24aの側に設けられている。加湿装置50は、送風装置40によって送り出される空気を加湿するように構成されている。加湿装置50は、例えば、加湿器である。加湿装置50は、例えば、気化式、水噴霧式又は蒸気式の加湿器であってもよい。加湿装置50は、冷却装置30によって空気が冷却されても結露が発生しないほど空気が乾燥している場合に、稼働し得る。
【0037】
上流側温度検出部62は、図1に示した上流側検出部6に対応する。上流側温度検出部62は、上流側温度検出手段(上流側検出手段)としての機能を有する。上流側温度検出部62は、給気口24a及び送風装置40の近傍に設けられている。上流側温度検出部62は、上流側状態として、送風装置40によって送り出される空気の温度(上流側温度)を検出する。つまり、上流側温度検出部62は、送風装置40による風の流れ(矢印A2の方向)における冷却装置30の上流側(図5の左側)の温度である上流側温度を検出するように構成されている。上流側温度検出部62は、例えば温度センサである。上流側温度検出部62は、例えば、測温抵抗体、熱電対、放射温度計であってもよい。
【0038】
下流側温度検出部64は、図1に示した下流側検出部8に対応する。下流側温度検出部64は、下流側温度検出手段(下流側検出手段)としての機能を有する。下流側温度検出部64は、排気口24bの近傍に設けられている。下流側温度検出部64は、下流側状態として、筐体22から排気口24bを経由して排出される空気の温度(下流側温度)を検出する。言い換えると、下流側温度検出部64は、送風装置40によって送り出され、冷却装置30の冷却部材の近傍を通過した後の空気の温度を検出する。つまり、下流側温度検出部64は、送風装置40による風の流れ(矢印A2の方向)における冷却装置30の下流側(図5の右側)の温度である下流側温度を検出するように構成されている。下流側温度検出部64は、例えば温度センサである。下流側温度検出部64は、例えば、測温抵抗体、熱電対、放射温度計であってもよい。
【0039】
周囲温度検出部66は、周囲温度検出手段としての機能を有する。周囲温度検出部66は、冷却装置30の冷却部材の近傍に設けられている。周囲温度検出部66は、冷却装置30の周囲の温度である周囲温度を検出する。つまり、周囲温度は、冷却装置30の冷却部材の周囲の空気の温度である。周囲温度検出部66は、例えば温度センサである。周囲温度検出部66は、例えば、測温抵抗体、熱電対、放射温度計であってもよい。
【0040】
上流側相対湿度検出部72は、図1に示した上流側検出部6に対応する。上流側相対湿度検出部72は、上流側相対湿度検出手段(上流側検出手段)としての機能を有する。上流側相対湿度検出部72は、給気口24a及び送風装置40の近傍に設けられている。上流側相対湿度検出部72は、上流側状態として、送風装置40によって送り出される空気の相対湿度(上流側相対湿度)を検出する。つまり、上流側相対湿度検出部72は、送風装置40による風の流れ(矢印A2の方向)における冷却装置30の上流側(図5の左側)の相対湿度である上流側相対湿度を検出するように構成されている。上流側相対湿度検出部72は、例えば湿度センサである。上流側相対湿度検出部72は、例えば、抵抗式湿度センサ、又は容量式湿度センサであってもよい。
【0041】
下流側相対湿度検出部74は、図1に示した下流側検出部8に対応する。下流側相対湿度検出部74は、下流側相対湿度検出手段(下流側検出手段)としての機能を有する。下流側相対湿度検出部74は、排気口24bの近傍に設けられている。下流側相対湿度検出部74は、下流側状態として、筐体22から排気口24bを経由して排出される空気の相対湿度(下流側相対湿度)を検出する。言い換えると、下流側相対湿度検出部74は、送風装置40によって送り出され、冷却装置30の冷却部材の近傍を通過した後の空気の相対湿度を検出する。つまり、下流側相対湿度検出部74は、送風装置40による風の流れ(矢印A2の方向)における冷却装置30の下流側(図5の右側)の相対湿度である下流側相対湿度を検出するように構成されている。下流側相対湿度検出部74は、例えば湿度センサである。下流側相対湿度検出部74は、例えば、抵抗式湿度センサ、又は容量式湿度センサであってもよい。
【0042】
風速検出部82は、風速検出手段としての機能を有する。風速検出部82は、冷却装置30の領域Ar2の近傍に設けられている。風速検出部82は、領域Ar2の周囲の風速を検出する。風速検出部82は、例えば風速センサである。風速検出部82は、例えば、熱式風速計であってもよいし、翼等の回転数により風速を測定するタイプの風速計であってもよい。
【0043】
水検出部84は、水検出手段としての機能を有する。水検出部84は、受け皿26に設けられている。水検出部84は、結露水となった水分wを検出する。つまり、水検出部84は、領域Ar2に付着していた水分wが落下して受け皿26に収容されたことを検出する。水検出部84は、例えば、液体を検出する水検出センサである。また、水検出部84は、受け皿26に収容された結露水の水位を検出する水位計であってもよい。水検出部84は、受け皿26に結露水(水分)が存在することを示す水検出情報を、制御装置100に出力する。水検出情報は、受け皿26に収容されている水の量を示してもよい。あるいは、水検出情報は、被検物質の計測に十分な量の水分が検出された場合に、その旨を示す情報として生成されてもよい。
【0044】
制御装置100は、例えばコンピュータである。制御装置100は、図1及び図2に示した制御装置10に対応する。制御装置100は、冷却装置30の冷却機能を制御するように構成されている。制御装置100は、冷却装置30の冷却機能と通信可能に接続されている。また、制御装置100は、加湿装置50を制御するように構成されている。制御装置100は、加湿装置50と通信可能に接続されている。
【0045】
図6は、実施の形態1にかかる制御装置100の構成を示す図である。図6に示すように、制御装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。なお、上述した各検出部(上流側温度検出部62、下流側温度検出部64、周囲温度検出部66、上流側相対湿度検出部72、下流側相対湿度検出部74、風速検出部82及び水検出部84)も、図6に示した制御装置100のハードウェア構成を有し得る。
【0046】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。なお、制御部102は、複数のプロセッサを有してもよい。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。つまり、記憶部104(メモリ)は、1つ以上の命令を格納する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。また、記憶部104は、複数のメモリを有してもよい。
【0047】
通信部106は、冷却装置30、加湿装置50及び各検出部等の他の装置とネットワークを介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108(IF;Interface)は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、例えばタッチスクリーン(タッチパネル)のように、入力装置と出力装置とが一体となるように構成されていてもよい。インタフェース部108は、ユーザ(オペレータ)によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。
【0048】
また、制御装置100は、構成要素として、上流側温度取得部112と、上流側相対湿度取得部114と、下流側温度取得部116と、下流側相対湿度取得部118とを有する。また、制御装置100は、構成要素として、周囲温度取得部122と、風速取得部124と、水検出情報取得部126とを有する。また、制御装置100は、構成要素として、上流側水蒸気量取得部132と、下流側水蒸気量取得部134と、結露発生制御部140と、水分量制御部150と、収容制御部160とを有する。
【0049】
上流側温度取得部112は、上流側温度取得手段(上流側状態取得手段)としての機能を有する。上流側相対湿度取得部114は、上流側相対湿度取得手段(上流側状態取得手段)としての機能を有する。下流側温度取得部116は、下流側温度取得手段(下流側状態取得手段)としての機能を有する。下流側相対湿度取得部118は、下流側相対湿度取得手段(下流側状態取得手段)としての機能を有する。周囲温度取得部122は、周囲温度取得手段としての機能を有する。風速取得部124は、風速取得手段としての機能を有する。水検出情報取得部126は、水検出情報取得手段としての機能を有する。
【0050】
上流側水蒸気量取得部132は、上流側水蒸気量取得手段(上流側水蒸気量算出手段)としての機能を有する。下流側水蒸気量取得部134は、下流側水蒸気量取得手段(下流側水蒸気量算出手段)としての機能を有する。結露発生制御部140は、上述した結露発生制御部12に対応する。結露発生制御部140は、結露発生制御手段としての機能を有する。水分量制御部150は、上述した水分量制御部14に対応する。水分量制御部150は、水分量制御手段としての機能を有する。収容制御部160は、収容制御手段としての機能を有する。
【0051】
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラム(命令)を、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。なお、各構成要素の具体的な機能については後述する。
【0052】
上流側温度取得部112は、上流側温度検出部62から、通信部106を介して、上流側温度を示す上流側温度情報を取得する。上流側相対湿度取得部114は、上流側相対湿度検出部72から、通信部106を介して、上流側相対湿度を示す上流側相対湿度情報を取得する。下流側温度取得部116は、下流側温度検出部64から、通信部106を介して、下流側温度を示す下流側温度情報を取得する。下流側相対湿度取得部118は、下流側相対湿度検出部74から、通信部106を介して、下流側相対湿度を示す下流側相対湿度情報を取得する。
【0053】
周囲温度取得部122は、周囲温度検出部66から、通信部106を介して、周囲温度を示す周囲温度情報を取得する。風速取得部124は、風速検出部82から、通信部106を介して、風速を示す風速情報を取得する。水検出情報取得部126は、水検出部84から、通信部106を介して、水検出情報を取得する。
【0054】
上流側水蒸気量取得部132は、上流側温度と上流側相対湿度とを用いて、上流側水蒸気量を取得(算出)する。下流側水蒸気量取得部134は、下流側温度と下流側相対湿度とを用いて、下流側水蒸気量を取得(算出)する。詳しくは後述する。ここで、上流側水蒸気量は、図5の矢印A2で示す空気(風)の流れにおける上流側の空気の水蒸気量である。また、下流側水蒸気量は、図5の矢印A2で示す空気(風)の流れにおける下流側の空気の水蒸気量である。
【0055】
結露発生制御部140は、少なくとも冷却装置30の領域Ar2(第1の領域)に結露が発生するように制御を行う。詳しくは後述する。水分量制御部150は、結露により冷却装置30の領域Ar2(第1の領域)に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う。詳しくは後述する。収容制御部160は、結露によって生じた水分wが受け皿26に落下するように制御を行う。つまり、収容制御部160は、水分w(結露水)が受け皿26に収容されるように制御を行う。詳しくは後述する。
【0056】
図7及び図8は、実施の形態にかかる捕集装置20によって実行される処理を示すフローチャートである。図7及び図8に示すフローチャートは、捕集装置20によって実行される捕集方法に対応する。また、図7及び図8に示すフローチャートは、制御装置100によって実行される制御方法に対応する。また、図7のS104~S114の処理は、冷却装置30の表面に結露を発生させるための処理(結露発生制御処理)に対応する。また、図8のS122~S140の処理は、結露によって冷却装置30の表面(領域Ar2)に付着した水分の量が所定範囲内となるようにするための処理(水分量制御処理)に対応する。また、図8のS142~S144の処理は、結露によって発生した水分w(結露水)を受け皿26に収容するための処理(収容処理)に対応する。
【0057】
まず、冷却装置30及び送風装置40が稼働する(ステップS100)。冷却装置30及び送風装置40は、制御装置100の制御によって稼働してもよい。あるいは、冷却装置30及び送風装置40は、オペレータがスイッチをオンすることによって、稼働してもよい。
【0058】
制御装置10は、上流側及び下流側の水蒸気量を取得する(ステップS102)。なお、このS102の処理は、以降の処理においても、適宜、実行され得る。具体的には、上流側水蒸気量取得部132は、上流側温度と上流側相対湿度とを用いて上流側の空気の絶対湿度(容積絶対湿度)を算出することにより、上流側水蒸気量WVuを取得する。さらに具体的には、上流側水蒸気量取得部132は、上流側温度を用いて、上流側の空気の飽和水蒸気圧を算出する。そして、上流側水蒸気量取得部132は、算出された飽和水蒸気圧と上流側相対湿度とを用いて、上流側の空気の水蒸気圧(分圧)を算出する。そして、上流側水蒸気量取得部132は、上流側の空気の水蒸気圧と上流側温度とを用いて、上流側水蒸気量(絶対湿度)WVuを算出する。あるいは、上流側水蒸気量取得部132は、上流側温度を用いて、上流側の空気の飽和水蒸気圧を算出する。そして、上流側水蒸気量取得部132は、算出された飽和水蒸気圧と上流側温度とを用いて、上流側の空気の飽和水蒸気量を算出する。そして、上流側水蒸気量取得部132は、上流側の空気の飽和水蒸気量と上流側相対湿度とを用いて、上流側水蒸気量(絶対湿度)WVuを算出する。
【0059】
下流側水蒸気量取得部134は、下流側温度と下流側相対湿度とを用いて下流側の空気の絶対湿度(容積絶対湿度)を算出することにより、下流側水蒸気量WVdを取得する。さらに具体的には、下流側水蒸気量取得部134は、下流側温度を用いて、下流側の空気の飽和水蒸気圧を算出する。そして、下流側水蒸気量取得部134は、算出された飽和水蒸気圧と下流側相対湿度とを用いて、下流側の空気の水蒸気圧(分圧)を算出する。そして、下流側水蒸気量取得部134は、下流側の空気の水蒸気圧と下流側温度とを用いて、下流側水蒸気量(絶対湿度)WVdを算出する。あるいは、下流側水蒸気量取得部134は、下流側温度を用いて、下流側の空気の飽和水蒸気圧を算出する。そして、下流側水蒸気量取得部134は、算出された飽和水蒸気圧と下流側温度とを用いて、下流側の空気の飽和水蒸気量を算出する。そして、下流側水蒸気量取得部134は、下流側の空気の飽和水蒸気量と下流側相対湿度とを用いて、下流側水蒸気量(絶対湿度)WVdを算出する。
【0060】
ここで、飽和水蒸気圧をPws(hPa)、水蒸気圧をPw(hPa)、温度をT(℃)、相対湿度をRH(%)とすると、水蒸気量(容積絶対湿度)WV(g/m)は、例えば、以下の式(1)で表され得る。なお、飽和水蒸気圧Pwsは、温度Tによって求められる。飽和水蒸気圧は、Sonntagの式を用いて算出されてもよいし、Goff-Gratchの式又はTetensの式を用いて算出されてもよい。
Pw=Pws*(RH/100)
WV=216.7*Pw/(273.15+T)
・・・(1)
【0061】
また、飽和水蒸気量をVsとすると、水蒸気量(容積絶対湿度)WV(g/m)は、例えば、以下の式(2)で表され得る。
Vs=216.7*Pws/(273.15+T)
WV=Vs*(RH/100)
・・・(2)
【0062】
結露発生制御部140は、WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、WVth1は予め定められた閾値(第1の閾値)である。また、期間Tp1は、予め定められた期間(第1の期間)である。つまり、結露発生制御部140は、上流側水蒸気量WVuから下流側水蒸気量WVdを減算して得られた水蒸気量差ΔWV(水分量差)が閾値WVth1(第1の閾値)よりも小さい状態が期間Tp1(第1の期間)継続したか否かを判定する。
【0063】
なお、このS104の判定は、冷却装置30の表面における結露速度(kg/(ms))が不足しているか否かの判定に対応し得る。S104の判定が真(YES)の場合、適切に結露が発生するための結露速度が不足していると推定される。一方、S104の判定が偽(NO)である場合、結露速度が十分であると推定される。また、閾値WVth1及び期間Tp1は、結露が発生する程度に結露速度が十分であるか否かを推定できるように、実証実験等によって、適宜、設定され得る。なお、例えば、送風装置40による風の強さ、及び、冷却装置30に対する風の向きによって、冷却装置30の表面における結露の発生し易さは異なり得る。また、例えば、冷却部材の素材によって、その熱伝導性及び表面の性状(親水性、疎水性)が異なるので、冷却装置30の表面における結露の発生し易さは異なり得る。したがって、閾値WVth1及び期間Tp1は、送風装置40による風の強さ及び風の冷却装置30に対する向き、及び、冷却装置30の冷却部材の素材等に応じて、適宜、設定され得る。例えば、閾値WVth1は、風速取得部124によって取得された風速を用いて設定されてもよい。また、閾値WVth1は、上流側温度及び上流側相対湿度を用いて設定されてもよい。また、期間Tp1は、例えば、数分間程度であってもよい。
【0064】
WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続しなかった場合(S104のNO)、結露速度は十分であると推定される。この場合、結露発生制御部140は、結露発生制御処理を終了する。そして、処理フローは、水分量制御処理(S122~S140)に移行する。
【0065】
一方、WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続した場合(S104のYES)、結露速度は十分でないと推定される。この場合、結露発生制御部140は、冷却装置30の冷却能力を上げるための制御を行う(ステップS106)。言い換えると、結露発生制御部140は、水蒸気量差ΔWVが閾値WVth1よりも小さい状態が期間Tp1継続した場合に、冷却装置30の冷却能力を上げるための制御を行う。つまり、結露発生制御部140は、冷却装置30の温度を下げるための制御を行う。
【0066】
例えば、冷却装置30が冷却部材に冷媒を循環させるタイプのものである場合、結露発生制御部140は、冷媒の温度を下げるように制御を行ってもよい。このとき、結露発生制御部140は、冷媒を冷やすチラーを制御してもよい。また、例えば冷却装置30がペルチェ素子を用いて実現される場合、結露発生制御部140は、ペルチェ素子を流れる電流を制御してもよい。あるいは、結露発生制御部140は、冷却装置30の温度を下げる旨のメッセージを、インタフェース部108に表示させてもよい。これにより、オペレータは、冷却装置30の温度を下げるための操作を行うことができる。これらのことは、図7及び図8に示すS124,S144の処理においても同様である。
【0067】
結露発生制御部140は、冷却装置30の冷却能力が上限に達したか否かを判定する(ステップS108)。つまり、結露発生制御部140は、冷却装置30の温度をこれ以上下げることができるか否かを判定する。冷却装置30の冷却能力が上限に達していないと判定された場合(S108のNO)、処理フローはS104に戻り、S104~S108の処理が繰り返される。つまり、結露発生制御部140は、WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続しなくなるまで、つまり結露速度が十分であると推定されるまで、冷却装置30の冷却能力を上げるための処理を行う。
【0068】
一方、冷却装置30の冷却能力が上限に達したと判定された場合(S108のNO)、冷却装置30の冷却能力が上限に達してもなお、冷却装置30の表面における結露速度が十分でないと推定される。これは、結露が発生しないほど空気が乾燥していることに起因し得る。したがって、この場合、結露発生制御部140は、加湿装置50を稼働させるための処理を行う(ステップS110)。すなわち、結露発生制御部140は、冷却装置30の冷却能力を上限まで上げても水蒸気量差ΔWVが閾値WVth1よりも小さい場合に、加湿装置50を稼働させるための制御を行う。
【0069】
具体的には、結露発生制御部140は、加湿装置50を制御して加湿装置50を稼働させてもよい。あるいは、結露発生制御部140は、加湿装置50のスイッチをオンする旨のメッセージを、インタフェース部108に表示させてもよい。これにより、オペレータは、加湿装置50を稼働させるための操作を行うことができる。
【0070】
結露発生制御部140は、WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続したか否かを判定する(ステップS112)。なお、S112の処理は、上述したS104と実質的に同様の処理であってもよい。WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続しなかった場合(S112のNO)、結露速度は十分であると推定される。この場合、結露発生制御部140は、結露発生制御処理を終了する。そして、処理フローは、水分量制御処理(S122~S140)に移行する。
【0071】
一方、WVu-WVd<WVth1である状態が期間Tp1継続した場合(S112のYES)、結露速度は十分でないと推定される。この場合、結露発生制御部140は、加湿装置50の加湿能力を上げるための制御を行う(ステップS114)。つまり、結露発生制御部140は、水蒸気量差ΔWVが閾値WVth1よりも小さい状態が期間Tp1継続した場合に、加湿装置50の加湿能力を上げるための制御を行う。例えば、結露発生制御部140は、加湿装置50を制御して、加湿装置50の加湿能力を上げるようにしてもよい。あるいは、結露発生制御部140は、加湿装置50の加湿能力を上げる旨のメッセージを、インタフェース部108に表示させてもよい。これにより、オペレータは、加湿装置50の加湿能力を上げるための操作を行うことができる。そして、処理フローはS112に戻り、S112~S114の処理が繰り返される。
【0072】
このように、S104~S114の処理によって、結露発生制御部140は、冷却装置30表面の領域Ar2(第1の領域)に、結露を発生させることができる。したがって、結露によって領域Ar2に付着する水分wに、被検物質を含む空気を当てることによって、水分wに被検物質を捕集させることが可能となる。つまり、被検物質を含む水溶液を生成することができる。
【0073】
水分量制御部150は、WVu-WVd>WVth2である状態が期間Tp2継続したか否かを判定する(ステップS122)。ここで、WVTh2は予め定められた閾値(第2の閾値)である。また、期間Tp2は、予め定められた期間(第2の期間)である。つまり、水分量制御部150は、上流側水蒸気量WVuから下流側水蒸気量WVdを減算して得られた水蒸気量差ΔWV(水分量差)が閾値WVth2(第2の閾値)よりも大きい状態が期間Tp2(第2の期間)継続したか否かを判定する。
【0074】
なお、このS122の判定は、被検物質を含む水溶液の濃度が被検物質を精度よく計測できなくなるほど薄くなることを抑制するため、結露により生成される水分の量が所定範囲の上限を超えるか否かを判定することに対応する。S122の判定が真(YES)の場合、水分量が多すぎる、つまり水分量が所定範囲の上限を超えることになると推定される。一方、S122の判定が偽(NO)である場合、水分量が多すぎることにはならない、つまり水分量が所定範囲の上限を超えることにはならないと推定される。閾値WVth2及び期間Tp2は、被検物質を含む水溶液の濃度が薄くなるほど水分量が多すぎるか否かを推定できるように、実証実験等によって、適宜、設定され得る。例えば、閾値WVth2は、風速取得部124によって取得された風速(風量)を用いて設定されてもよい。また、閾値WVth2は、上流側温度及び上流側相対湿度を用いて設定されてもよい。また、期間Tp2は、例えば、数分間程度であってもよい。また、閾値WVth2は、閾値WVth1よりも大きくてもよいし、閾値WVth1よりも小さくてもよいし、閾値WVth1と同じであってもよい。また、期間Tp2は、期間Tp1と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0075】
WVu-WVd>WVth2である状態が期間Tp2継続しなかった場合(S122のNO)、後述するS124の処理はスキップされ、処理フローはS132に進む。一方、WVu-WVd>WVth2である状態が期間Tp2継続した場合(S122のYES)、水分量制御部150は、結露により生成される水分量が多すぎると推定されるので、以下のように、水分量を減らすための制御を行う。
【0076】
水分量制御部150は、周囲温度がTth1以上となるように、冷却装置30の冷却能力を下げるための制御を行う(ステップS124)。言い換えると、水分量制御部150は、水蒸気量差ΔWVが閾値WVth2(第2の閾値)よりも大きい状態が期間Tp2(第2の期間)継続した場合に、冷却装置30の冷却能力を下げるための制御を行う。つまり、水分量制御部150は、冷却装置30の温度を上げるための制御を行う。
【0077】
なお、Tth1は、予め定められた温度閾値(第1の温度閾値)である。温度閾値Tth1は、被検物質を含む水溶液の濃度が薄くなるほど水分量が多くなることが抑制されるように、実証実験等によって、適宜、設定され得る。つまり、温度閾値Tth1は、水溶液の量の上限を規定し得る。
【0078】
例えば、冷却装置30が冷却部材に冷媒を循環させるタイプのものである場合、水分量制御部150は、冷媒の温度を上げるように制御を行ってもよい。このとき、水分量制御部150は、冷媒を冷やすチラーを制御してもよい。また、例えば冷却装置30がペルチェ素子を用いて実現される場合、水分量制御部150は、ペルチェ素子を流れる電流を制御してもよい。あるいは、水分量制御部150は、冷却装置30の温度を上げる旨のメッセージを、インタフェース部108に表示させてもよい。これにより、オペレータは、冷却装置30の温度を上げるための操作を行うことができる。
【0079】
水分量制御部150は、WVu-WVd<WVth3である状態が期間Tp2継続したか否かを判定する(ステップS132)。ここで、WVTh3は予め定められた閾値(第3の閾値)である。また、期間Tp2は、予め定められた期間(第2の期間)である。つまり、水分量制御部150は、上流側水蒸気量WVuから下流側水蒸気量WVdを減算して得られた水蒸気量差ΔWV(水分量差)が閾値WVth3(第3の閾値)よりも小さい状態が期間Tp2(第2の期間)継続したか否かを判定する。
【0080】
なお、このS132の判定は、被検物質を含む水溶液の量が被検物質を精度よく計測できなくなるほど少なくなることを抑制するため、結露により生成される水分の量が所定範囲の下限を超えるか否かを判定することに対応する。S132の判定が真(YES)の場合、水分量が少なすぎる、つまり水分量が所定範囲の下限を下回ることになると推定される。一方、S132の判定が偽(NO)である場合、水分量が少なすぎることにはならない、つまり水分量が所定範囲の下限を下回ることにはならないと推定される。閾値WVth3及び期間Tp3は、被検物質を含む水溶液の量が少なくなるほど水分量が少なすぎるか否かを推定できるように、実証実験等によって、適宜、設定され得る。例えば、閾値WVth3は、風速取得部124によって取得された風速を用いて設定されてもよい。また、閾値WVth3は、上流側温度及び上流側相対湿度を用いて設定されてもよい。また、閾値WVth3は、閾値WVth2よりも小さくてもよいし、閾値WVth2と同じでもよい。また、閾値WVth2は、閾値WVth1よりも小さくてもよいし、閾値WVth1よりも大きくてもよいし、閾値WVth1と同じであってもよい。
【0081】
WVu-WVd<WVth3である状態が期間Tp2継続しなかった場合(S132のNO)、後述するS134の処理はスキップされ、処理フローはS140に進む。一方、WVu-WVd<WVth3である状態が期間Tp2継続した場合(S132のYES)、水分量制御部150は、結露により生成される水分量が少なすぎると推定されるので、以下のように、水分量を増やすための制御を行う。
【0082】
水分量制御部150は、周囲温度がTth2以下となるように、冷却装置30の冷却能力を上げるための制御を行う(ステップS134)。言い換えると、水分量制御部150は、水蒸気量差ΔWVが閾値WVth3(第3の閾値)よりも小さい状態が期間Tp2(第2の期間)継続した場合に、冷却装置30の冷却能力を上げるための制御を行う。つまり、水分量制御部150は、冷却装置30の温度を下げるための制御を行う。
【0083】
なお、Tth2は、予め定められた温度閾値(第2の温度閾値)である。温度閾値Tth2は、被検物質を含む水溶液の量が少なくなるほど水分量が少なくなることが抑制されるように、実証実験等によって、適宜、設定され得る。つまり、温度閾値Tth2は、水溶液の量の下限を規定し得る。
【0084】
水分量制御部150は、制御装置100が制御を開始してから期間Tp3が経過したか否かを判定する(ステップS140)。ここで、期間Tp3は、予め定められた期間(第3の期間)である。期間Tp3は、被検物質の計測に十分な量の水溶液が得られる程度に、結露によって水分wが生成されるように、適宜、設定される。期間Tp3は、例えば、実証実験等によって、適宜、設定され得る。期間Tp3は、期間Tp1及び期間Tp2よりも長い期間であってもよい。期間Tp3は、例えば、60分~120分程度であってもよいが、これに限定されない。
【0085】
期間Tp3が経過していない場合(S140のNO)、処理フローはS122に戻り、S122~S140の処理が繰り返される。一方、期間Tp3が経過した場合(S140のYES)、被検物質の計測に十分な量の水溶液が得られる程度に水分wが生成されたと推定される。この場合、収容制御部160は、受け皿26に水が収容されているか否かを判定する(ステップS142)。具体的には、収容制御部160は、水検出情報を用いて、受け皿26に水(結露水)が収容されているか否かを判定する。このとき、収容制御部160は、被検物質の計測に十分な量の水分が受け皿26に収容されているか否かを判定してもよい。あるいは、収容制御部160は、少しでも受け皿26に水分が収容されているか否かを判定してもよい。
【0086】
受け皿26に水が収容されていると判定された場合(S142のYES)、後述するS144の処理はスキップされ、処理フローは終了する。一方、受け皿26に水が収容されていると判定されなかった場合(S142のNO)、被検物質の計測に必要な量の水分(水溶液)が冷却装置30の表面に付着したまま、受け皿26に落下していないと推定される。したがって、収容制御部160は、受け皿26に水分が収容されるための制御を行う。すなわち、収容制御部160は、周囲温度がTth3以下となるように、冷却装置30の冷却能力を上げるための制御を行う(ステップS144)。なお、Tth3は、予め定められた温度閾値(第3の温度閾値)である。つまり、収容制御部160は、制御装置100が制御を開始してから期間Tp3が経過した後に受け皿26に水分が収容されていない場合に、周囲温度が温度閾値Tth3以下となるように、冷却装置30の冷却能力を上げるための制御を行う。
【0087】
この処理によって、冷却装置30の表面に付着した水分が、受け皿26に落下され得る。したがって、被検物質を含む水溶液を受け皿26に確実に収容させることが可能となる。なお、温度閾値Tth3は、冷却装置30の表面の温度が冷却され、冷却装置30の表面に付着した水分が受け皿26に落下する程度の量の水分が結露によって生成されるように、適宜、設定され得る。温度閾値Tth3は、例えば、実証実験によって設定され得る。
【0088】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、図8のS142~S144の処理はなくてもよい。また、捕集装置20の周囲の空気が十分に湿っている場合、図7のS110~S114の処理はなくてもよい。この場合、捕集装置20は、加湿装置50を有さなくてもよい。
【0089】
また、上述した実施の形態1では、空気の温度及び相対湿度を検出し、検出された温度及び相対湿度から空気の水蒸気量を算出しているが、このような構成に限られない。例えば、空気の絶対湿度を検出することによって、水蒸気量を取得してもよい。また、空気の露点温度を検出して、検出された露点温度から、水蒸気量を算出してもよい。
【0090】
また、上述した実施の形態にかかる制御装置100は、送風装置40によって送り出される風の速度(風量)を制御していないが、このような構成に限られない。結露によって生成される水分の量を増減させるために、送風装置40を制御することによって、風量を制御してもよい。例えば、制御装置100は、生成される水分の量を増やすために、風量を増加させるようにしてもよい。
【0091】
また、上述した実施の形態1では、冷却装置30が筐体22の内部に設けられているが、本実施の形態にかかる捕集装置20は、このような構成に限られない。つまり、捕集装置20は、筐体22を有さなくてもよい。しかしながら、筐体22の内部に冷却装置30が設けられることにより、効率的に、被検物質が水分に捕集され得る。すなわち、筐体22の内部に送風装置40が空気を送り込むことにより、冷却装置30の表面の広い範囲に、風が流れることとなる。したがって、効率的に冷却装置30の周囲の空気を冷却できるようになる。さらに、被検物質を含む空気を、より多く、筐体22の内部に収容できる。したがって、冷却装置30の表面に発生した結露により生成された水分に、効率的に、被検物質を含ませることができる。したがって、効率的に水分に被検物質を捕集することができる。
【0092】
また、上述した実施の形態1では、制御装置100は、図7及び図8に示した処理フローで記述されたルールに従って冷却装置30等を制御するとしたが、本実施の形態にかかる制御装置100は、このような構成に限られない。制御装置100は、機械学習によって学習された学習済みモデルを用いて、冷却装置30等を制御してもよい。この場合、学習済みモデルは、上流側温度及び上流側相対湿度と下流側温度及び下流側相対湿度とを入力パラメータとし、冷却装置30等を制御するための制御パラメータを出力とするように、学習されてもよい。
【0093】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0094】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置と、
前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置と、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出するように構成された上流側検出手段と、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出するように構成された下流側検出手段と、
前記上流側状態から得られた上流側水蒸気量と前記下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、前記冷却装置の表面の前記風が当たる第1の領域に結露が発生して前記被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように前記冷却装置を制御するように構成された制御装置と、
を有する捕集装置。
(付記2)
前記制御装置は、
前記冷却装置の前記第1の領域に結露が発生するように制御を行う結露発生制御手段と、
結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う水分量制御手段と、
を有する、
付記1に記載の捕集装置。
(付記3)
前記結露発生制御手段は、前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第1の閾値よりも小さい状態が予め定められた第1の期間継続した場合に、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記2に記載の捕集装置。
(付記4)
前記送風装置によって送り出される空気を加湿する加湿装置、
をさらに有し、
前記結露発生制御手段は、前記冷却装置の冷却能力を上限まで上げても前記水蒸気量差が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記加湿装置を稼働させるための制御を行う、
付記3に記載の捕集装置。
(付記5)
前記冷却装置の周囲の温度である周囲温度を検出する周囲温度検出手段、
をさらに有し、
前記水分量制御手段は、前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第2の閾値よりも大きい状態が予め定められた第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第1の温度閾値以上となるように、前記冷却装置の冷却能力を下げるための制御を行う、
付記2に記載の捕集装置。
(付記6)
前記水分量制御手段は、前記水蒸気量差が予め定められた第3の閾値よりも小さい状態が前記第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第2の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記5に記載の捕集装置。
(付記7)
前記冷却装置の前記第1の領域の下方に設けられ、前記第1の領域に付着した水分が前記第1の領域から落下するときに当該水分を受ける受け皿、
をさらに有し、
前記制御装置は、
制御が開始されてから予め定められた第3の期間が経過した後に前記受け皿に水分が収容されていない場合に、前記周囲温度が予め定められた第3の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う収容制御手段、
をさらに有する、
付記6に記載の捕集装置。
(付記8)
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行う結露発生制御手段と、
前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う水分量制御手段と、
を有する制御装置。
(付記9)
前記結露発生制御手段は、前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第1の閾値よりも小さい状態が予め定められた第1の期間継続した場合に、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記8に記載の制御装置。
(付記10)
前記結露発生制御手段は、前記冷却装置の冷却能力を上限まで上げても前記水蒸気量差が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記送風装置によって送り出される空気を加湿する加湿装置を稼働させるための制御を行う、
付記9に記載の制御装置。
(付記11)
前記水分量制御手段は、前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第2の閾値よりも大きい状態が予め定められた第2の期間継続した場合に、前記冷却装置の周囲の温度である周囲温度が予め定められた第1の温度閾値以上となるように、前記冷却装置の冷却能力を下げるための制御を行う、
付記8に記載の制御装置。
(付記12)
前記水分量制御手段は、前記水蒸気量差が予め定められた第3の閾値よりも小さい状態が前記第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第2の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記11に記載の制御装置。
(付記13)
制御が開始されてから予め定められた第3の期間が経過した後に、前記冷却装置の前記第1の領域の下方に設けられ前記第1の領域に付着した水分が前記第1の領域から落下するときに当該水分を受ける受け皿に水分が収容されていない場合に、前記周囲温度が予め定められた第3の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う収容制御手段、
をさらに有する付記12に記載の制御装置。
(付記14)
冷却装置によって、周囲の空気を冷却し、
送風装置によって、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当て、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量を取得するための状態である上流側状態を検出し、
前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量を取得するための状態である下流側状態を検出し、
前記上流側状態から得られた上流側水蒸気量と前記下流側状態から得られた下流側水蒸気量とに基づいて、前記冷却装置の表面の前記風が当たる第1の領域に結露が発生して前記被検物質を含む所定範囲の量の水分が付着するように前記冷却装置を制御する、
捕集方法。
(付記15)
前記冷却装置の前記第1の領域に結露が発生するように制御を行い、
結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う、
付記14に記載の捕集方法。
(付記16)
前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第1の閾値よりも小さい状態が予め定められた第1の期間継続した場合に、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記15に記載の捕集方法。
(付記17)
前記冷却装置の冷却能力を上限まで上げても前記水蒸気量差が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記送風装置によって送り出される空気を加湿する加湿装置を稼働させるための制御を行う、
付記16に記載の捕集方法。
(付記18)
前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第2の閾値よりも大きい状態が予め定められた第2の期間継続した場合に、前記冷却装置の周囲の温度である周囲温度が予め定められた第1の温度閾値以上となるように、前記冷却装置の冷却能力を下げるための制御を行う、
付記15に記載の捕集方法。
(付記19)
前記水蒸気量差が予め定められた第3の閾値よりも小さい状態が前記第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第2の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記18に記載の捕集方法。
(付記20)
制御が開始されてから予め定められた第3の期間が経過した後に、前記冷却装置の前記第1の領域の下方に設けられ、前記第1の領域に付着した水分が前記第1の領域から落下するときに当該水分を受ける受け皿に水分が収容されていない場合に、前記周囲温度が予め定められた第3の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記19に記載の捕集方法。
(付記21)
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行い、
前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行う、
制御方法。
(付記22)
前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第1の閾値よりも小さい状態が予め定められた第1の期間継続した場合に、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記21に記載の制御方法。
(付記23)
前記冷却装置の冷却能力を上限まで上げても前記水蒸気量差が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記送風装置によって送り出される空気を加湿する加湿装置を稼働させるための制御を行う、
付記22に記載の制御方法。
(付記24)
前記上流側水蒸気量から前記下流側水蒸気量を減算して得られた水蒸気量差が予め定められた第2の閾値よりも大きい状態が予め定められた第2の期間継続した場合に、前記冷却装置の周囲の温度である周囲温度が予め定められた第1の温度閾値以上となるように、前記冷却装置の冷却能力を下げるための制御を行う、
付記21に記載の制御方法。
(付記25)
前記水蒸気量差が予め定められた第3の閾値よりも小さい状態が前記第2の期間継続した場合に、前記周囲温度が予め定められた第2の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記24に記載の制御方法。
(付記26)
制御が開始されてから予め定められた第3の期間が経過した後に、前記冷却装置の前記第1の領域の下方に設けられ前記第1の領域に付着した水分が前記第1の領域から落下するときに当該水分を受ける受け皿に水分が収容されていない場合に、前記周囲温度が予め定められた第3の温度閾値以下となるように、前記冷却装置の冷却能力を上げるための制御を行う、
付記25に記載の制御方法。
(付記27)
周囲の空気を冷却するように構成された冷却装置の表面の、前記冷却装置の表面に被検物質を含む空気が流れるようにして発生した風を当てるように構成された送風装置によって風が当てられる第1の領域に結露が発生するように、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の上流側の空気の水蒸気量である上流側水蒸気量と、前記送風装置による前記風の流れにおける前記冷却装置の下流側の空気の水蒸気量である下流側水蒸気量とに基づいて、制御を行うステップと、
前記上流側水蒸気量と前記下流側水蒸気量とに基づいて、結露により前記冷却装置の前記第1の領域に付着する水分の量が所定範囲内となるように制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0095】
1 捕集装置
2 冷却装置
4 送風装置
6 上流側検出部
8 下流側検出部
10 制御装置
12 結露発生制御部
14 水分量制御部
20 捕集装置
22 筐体
24a 給気口
24b 排気口
26 受け皿
30 冷却装置
40 送風装置
50 加湿装置
62 上流側温度検出部
64 下流側温度検出部
66 周囲温度検出部
72 上流側相対湿度検出部
74 下流側相対湿度検出部
82 風速検出部
84 水検出部
100 制御装置
112 上流側温度取得部
114 上流側相対湿度取得部
116 下流側温度取得部
118 下流側相対湿度取得部
122 周囲温度取得部
124 風速取得部
126 水検出情報取得部
132 上流側水蒸気量取得部
134 下流側水蒸気量取得部
140 結露発生制御部
150 水分量制御部
160 収容制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8