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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078818
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】冷却装置および冷却方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240604BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240604BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F25D23/00 302K
F25D11/00 101B
A23L3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191384
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金井 理
(72)【発明者】
【氏名】田上 諒
(72)【発明者】
【氏名】比留間 直也
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
4B022
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA08
3L045DA02
3L045EA01
3L045GA08
3L045HA02
3L045JA12
3L045LA02
3L045LA14
3L045MA04
3L045PA04
3L045PA05
3L345AA02
3L345AA17
3L345AA20
3L345BB07
3L345CC01
3L345DD24
3L345DD34
3L345KK04
4B022LA05
4B022LA06
4B022LF02
4B022LF03
4B022LF09
4B022LN02
4B022LP02
(57)【要約】
【課題】マイナス温度帯かつ高湿度環境を安定して維持することのできる冷却装置および冷却方法を提供する。
【解決手段】
冷却装置1は、庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却装置であって、冷却装置を循環する冷媒によって、庫内の空気を冷却するための複数の冷却コイル51、61と、食品を高湿度冷却した庫内の空気を取り込んで、複数の冷却コイルに向けて送風する複数のファン10、20と、を有する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却装置であって、
前記冷却装置を循環する冷媒によって、前記庫内の空気を冷却するための複数の冷却コイルと、
前記食品を高湿度冷却した前記庫内の前記空気を取り込んで、前記複数の冷却コイルに向けて送風する複数のファンと、を有する冷却装置。
【請求項2】
前記冷却コイルは、マイクロチャンネル熱交換器である、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記マイクロチャンネル熱交換器は、鉛直方向に対して、傾斜して配置される、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記マイクロチャンネル熱交換器が、前記鉛直方向に対して傾斜する角度は、45~90度である、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ファンは、遠心ファンである、請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記冷却コイルの下流に設けられ、冷却運転時の一の前記冷却コイルを通過した空気、および解氷運転時の他の前記冷却コイルを通過した空気が混合されて高湿度冷却空気が生成される混合領域をさらに有する、請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記冷却コイルの上流に設けられ、一の前記ファンによって取り込まれた空気、および解氷運転時の前記冷却コイルに空気を送ることによって生じる高湿度空気が混合される混合領域と、
一の前記冷却コイルの下流側に設けられる第1出口領域と、
他の前記冷却コイルの下流側に設けられる第2出口領域と、
前記第1出口領域に設けられ、前記庫内との連通/遮断を切り替え可能な第1開閉装置と、
前記第1出口領域に設けられ、前記混合領域との連通/遮断を切り替え可能な第2開閉装置と、
前記第2出口領域に設けられ、前記庫内との連通/遮断を切り替え可能な第3開閉装置と、
前記第2出口領域に設けられ、前記混合領域との連通/遮断を切り替え可能な第4開閉装置と、を有する請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項8】
一の前記冷却コイルの上流側に設けられる第1入口領域と、
他の前記冷却コイルの上流側に設けられる第2入口領域と、
一の前記冷却コイルの下流側に設けられる第1出口領域と、
他の前記冷却コイルの下流側に設けられる第2出口領域と、
前記第1入口領域に設けられ、前記庫内との連通/遮断を切り替え可能な第1開閉装置と、
前記第1入口領域に設けられ、前記第1出口領域との連通/遮断を切り替え可能な第2開閉装置と、
前記第1出口領域に設けられ、前記庫内との連通/遮断を切り替え可能な第3開閉装置と、
前記第1出口領域に設けられ、前記第1入口領域との連通/遮断を切り替え可能な第4開閉装置と、
前記第2入口領域に設けられ、前記庫内との連通/遮断を切り替え可能な第5開閉装置と、
前記第2入口領域に設けられ、前記第2出口領域との連通/遮断を切り替え可能な第6開閉装置と、
前記第2出口領域に設けられ、前記庫内との連通/遮断を切り替え可能な第7開閉装置と、
前記第2出口領域に設けられ、前記第2入口領域との連通/遮断を切り替え可能な第8開閉装置と、を有する請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項9】
庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却方法であって、
冷却装置を循環する冷媒によって、前記庫内を循環する空気を冷却するための複数の冷却コイルを備える冷凍サイクルにおいて、一方の前記冷却コイルでは冷却運転が行われ、他方の前記冷却コイルでは解氷運転が行われる冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置および冷却方法に関し、特に食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却装置および冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
青果物の多くは収穫後、呼吸・乾燥・成分変化・微生物による腐敗で劣化が進行する。つまり、これらをすべて抑えることで長期間品質(鮮度)を保つことができる。一方で、細菌やカビといった微生物の繁殖は、温度や湿度を下げることで抑えることができるが、青果物に対して湿度を下げることは乾燥に繋がるため好ましくない。このため、青果物は、高湿度環境を維持したまま、青果物が乾燥や凍結することなく、呼吸や成分変化を抑えて、微生物が繁殖できない低い温度帯で貯蔵することが望ましい。
【0003】
高湿度冷却する方法として、冷凍機および加湿器を備える冷蔵貯蔵庫が実用化されている。冷凍機は、例えば圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器により構成されている。加湿器としては、特に限定されないが、例えば水噴霧方式の加湿器である。
【0004】
このような冷蔵貯蔵庫では、冷蔵貯蔵庫内に野菜等を貯蔵し、冷凍機の冷媒によって冷蔵貯蔵庫内の空気を冷却し、その冷気がファンにより強制対流されて、野菜等を冷却する。このとき、加湿器が水を噴霧して冷蔵貯蔵庫内を高湿度に保持する。
【0005】
また、高湿度冷却する方法として、冷却器に散布した不凍液または冷却器を通して循環させた不凍液に冷気を接触させることで冷却する気液接触式のシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-175553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
青果物のうち特に、糖度の高い野菜や果実は、-2~-1℃で保存しても凍結することはない。肉も凍結保存すると解凍時にドリップが出てしまい、品質が損なわれてしまうが、-2~-1℃で保管すると凍結せず品質を保つことができ、加工後の歩留まりもよくなる。すなわち、マイナス温度帯での高湿度環境(対象とする食品の凍結点以上0℃以下かつ相対湿度85%以上)が実現すると、微生物の発生や青果物・食品の呼吸や成分変化のさらなる抑制が可能となり、青果物・食品のより高品質でより長期間の保存ができるようになると考えられる。一方で、マイナス温度帯での高湿度環境を安定して維持することは非常に困難であることが知られている。
【0008】
例えば、従来技術を用いてマイナス温度帯での高湿度条件を維持しようとすると、加湿冷却の場合、冷却装置蒸発温度を0℃以下にする必要があり、冷却コイルに着霜が生じて相対湿度と冷却能力が低下する。これを取り除くため定期的にデフロスト処理が必要で、この間、庫内温度が上昇してしまう。また、加湿装置の水が凍結するためヒータなどの処理が必要になる。さらに、0℃以下ではミストが水蒸気になりにくく、相対湿度が上がらないことなどが問題となる。一方、気液接触式の場合は、不凍液の濃度上昇とともに空気中の湿度が下がることや、貯水タンク・ポンプ・散水ノズルなどが必要になり、加湿冷却よりも設備コストがかかることが問題となる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、マイナス温度帯かつ高湿度環境を安定して維持することのできる冷却装置および冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明に係る冷却装置は、庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却装置であって、前記冷却装置を循環する冷媒によって、前記庫内の空気を冷却するための複数の冷却コイルと、前記食品を高湿度冷却した前記庫内の前記空気を取り込んで、前記複数の冷却コイルに向けてそれぞれ送風する複数のファンと、を有する。
【0011】
また、上記目的を達成する本発明に係る冷却方法は、庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却方法であって、冷却装置を循環する冷媒によって、前記庫内を循環する空気を冷却するための複数の冷却コイルを備える冷凍サイクルにおいて、一方の前記冷却コイルでは冷却運転が行われ、他方の前記冷却コイルでは解氷運転が行われる。
【発明の効果】
【0012】
上述の冷却装置および冷却方法によれば、一方の前記冷却コイルで冷却運転が行われている場合でも、他方の前記冷却コイルでは解氷運転を行うことができるため、マイナス温度帯かつ高湿度環境を長期間に渡り安定して維持することのできる冷却装置および冷却方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る冷却装置における冷媒のフローを示す概略図である。
図2A】本発明の第1実施形態に係る冷却装置を示す概略図であって、第1冷却コイル側において冷却運転している様子を示す図である。
図2B】本発明の第1実施形態に係る冷却装置を示す概略図であって、第2冷却コイル側において冷却運転している様子を示す図である。
図3A】本発明の第2実施形態に係る冷却装置を示す概略図であって、第1冷却コイル側において冷却運転している様子を示す図である。
図3B】本発明の第2実施形態に係る冷却装置を示す概略図であって、第2冷却コイル側において冷却運転している様子を示す図である。
図4A】本発明の第3実施形態に係る冷却装置を示す概略図であって、第1冷却コイル側において冷却運転している様子を示す図である。
図4B】本発明の第3実施形態に係る冷却装置を示す概略図であって、第2冷却コイル側において冷却運転している様子を示す図である。
図5A】マイクロチャンネル熱交換器が鉛直方向に対して傾斜して配置され、かつファンが横吹きの状況を示す概略図である。
図5B】マイクロチャンネル熱交換器が鉛直方向に対して傾斜して配置され、かつファンが下吹きの状況を示す概略図である。
図6】マイクロチャンネル熱交換器が水平方向に配置されている様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る冷却装置1を、図1図2A図2Bを参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る冷却装置1における冷媒のフローを示す概略図である。図2A図2Bは、本発明の第1実施形態に係る冷却装置1を示す概略図である。
【0016】
本実施形態に係る冷却装置1は、庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却するための装置である。庫内温度は、貯蔵される食品によって設定値が変化するが、例えば-2~-1℃で、庫内湿度は、例えば85%以上である。
【0017】
第1実施形態に係る冷却装置1は、図1図2A図2Bに示すように、第1ファン10と、第2ファン20と、第1プレフィルタ30と、第2プレフィルタ40と、第1冷凍サイクル50と、第2冷凍サイクル60と、ハウジング70と、第1静圧センサ81~第4静圧センサ84と、を有する。以下、各構成について説明する。
【0018】
第1ファン10は、図2A図2Bに示すように、第1冷凍サイクル50の第1冷却コイル51の空気の流れの上流側に設けられる。すなわち、第1ファン10は、食品を高湿度冷却した庫内の空気を取り込んで、第1冷凍サイクル50の第1冷却コイル51に向けて送風する。
【0019】
第1ファン10は、軸流ファンよりも遠心ファンを用いることが好ましい。遠心ファンを用いることによって、第1冷却コイル51を通過する空気の前面風速のバラツキを抑制でき、蒸発器としての第1冷却コイル51全面の効率的な使用が可能になる。
【0020】
第1ファン10は、図5Aに示すように、回転軸方向が水平となるように配置されてもよいし、図5Bに示すように、回転軸方向が鉛直となるように配置されてもよい。
【0021】
第2ファン20は、図2A図2Bに示すように、第2冷凍サイクル60の第2冷却コイル61の空気の流れの上流側に設けられる。すなわち、第2ファン20は、食品を高湿度冷却した庫内の空気を取り込んで、第2冷凍サイクル60の第2冷却コイル61に向けて送風する。
【0022】
第2ファン20は、軸流ファンよりも遠心ファンを用いることが好ましい。遠心ファンを用いることによって、第2冷却コイル61を通過する空気の前面風速のバラツキを抑制でき、蒸発器としての第2冷却コイル61全面の効率的な使用が可能になる。
【0023】
第2ファン20は、図5Aに示すように、回転軸方向が水平となるように配置されてもよいし、図5Bに示すように、回転軸方向が鉛直となるように配置されてもよい。
【0024】
第1ファン10および第2ファン20は、ハウジング70の内部に配置される。
【0025】
第1プレフィルタ30は、図2A図2Bに示すように、第1冷凍サイクル50の第1冷却コイル51の空気の流れの上流側かつ第1ファン10の下流側に設けられる。第1プレフィルタ30は、ハウジング70内を移動する空気の集塵および整流を行う。第1プレフィルタ30としては、例えば不織布フィルタを用いることができる。
【0026】
第1プレフィルタ30は、図5A図5Bに示すように、鉛直方向に対して傾斜するように配置されている。第1プレフィルタ30は、図5A図5Bに示すように、第1冷却コイル51と略平行になるように配置される。
【0027】
第2プレフィルタ40は、図2A図2Bに示すように、第2冷凍サイクル60の第2冷却コイル61の空気の流れの上流側かつ第2ファン20の下流側に設けられる。第2プレフィルタ40は、ハウジング70内を移動する空気の集塵および整流を行う。第2プレフィルタ40としては、例えば不織布フィルタを用いることができる。
【0028】
第2プレフィルタ40は、図5A図5Bに示すように、鉛直方向に対して傾斜するように配置されている。第2プレフィルタ40は、図5A図5Bに示すように、第2冷却コイル61と略平行になるように配置される。
【0029】
第1プレフィルタ30および第2プレフィルタ40は、ハウジング70の内部に配置される。
【0030】
第1冷凍サイクル50は、図2A図2Bに示すように、蒸発器としての第1冷却コイル51と、第1圧縮機52と、第1凝縮器53と、第1レシーバ54と、第1膨張弁55と、第1蒸発圧力調整弁56と、第1循環ライン57と、第1ホットガスバイパス流路90(図1参照)を有する。
【0031】
第1冷却コイル51において、第1ファン10によって取り込まれた空気を冷却することによって蒸発した冷媒は、第1圧縮機52によって圧縮され、高温高圧になった冷媒は第1凝縮器53において冷却されて凝縮し、凝縮された冷媒は、第1レシーバ54に貯留され、第1レシーバ54から第1膨張弁55に送られて膨張され、膨張した冷媒は、第1冷却コイル51に送られて、第1ファン10によって取り込まれた空気の冷却に用いられる。
【0032】
第1冷却コイル51は、図2A図2Bに示すように、ハウジング70の第1領域71の内部に配置されている。第1冷却コイル51は、マイクロチャンネル熱交換器である。この構成によれば、フィンのピッチが狭く、単位体積あたりの冷却面積が大きくなることから、庫内から吸い込んだ空気の温度と蒸発温度の温度差△Tをできるだけ小さく保つことが容易になり、マイナス温度帯でも、第1冷却コイル51通過時の空気の除湿を好適に抑制することができる。また、第1冷却コイル51の小型化も達成することができる。
【0033】
第1冷却コイル51は、図5A図5Bに示すように、鉛直方向に対して傾斜するように配置されている。この構成によれば、冷却運転の際に、結氷の原因となるマイクロチャンネル熱交換器上における凝縮水の貯留を好適に抑制できるとともに、解氷運転の際に、結氷した凝縮水を融解した後、重力で下方に落下させることができるため、冷却運転再開後の、第1冷却コイル51における結氷を好適に抑制することができる。なお、第1冷却コイル51が鉛直方向に対して傾斜する角度は、45~90度であることが好ましい。この構成によれば、傾斜を大きくすることによって、マイクロチャンネル熱交換器のフィンに付着する水を重力でより好適に下方に落下させることができる。
【0034】
第1冷凍サイクル50を循環する冷媒としては、フロンやCO等を用いることができるが、特に限定されない。
【0035】
第1蒸発圧力調整弁56は、冷媒の蒸発温度を、第1冷却コイル51を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、マイナス温度帯での庫内空気の除湿を抑制することができる。
【0036】
第2冷凍サイクル60は、図2A図2Bに示すように、蒸発器としての第2冷却コイル61と、第2圧縮機62と、第2凝縮器63と、第2レシーバ64と、第2膨張弁65と、第2蒸発圧力調整弁66と、第2循環ライン67と、第2ホットガスバイパス流路91(図1参照)を有する。第2冷凍サイクル60の第2圧縮機62は、第1冷凍サイクル50の第1圧縮機52と兼用される。第2冷凍サイクル60の第2凝縮器63は、第1冷凍サイクル50の第1凝縮器53と兼用される。第2冷凍サイクル60の第2レシーバ64は、第1冷凍サイクル50の第1レシーバ54と兼用される。なお、兼用されずに、それぞれ個別に設けられてもよい。
【0037】
第2冷却コイル61において、第2ファン20によって取り込まれた空気を冷却することによって蒸発した冷媒は、第2圧縮機62によって圧縮され、高温高圧になった冷媒は第2凝縮器63において冷却されて凝縮し、凝縮された冷媒は、第2レシーバ64に貯留され、第2レシーバ64から第2膨張弁65に送られて膨張され、膨張した冷媒は、第2冷却コイル61に送られて、第2ファン20によって取り込まれた空気の冷却に用いられる。
【0038】
第2冷却コイル61は、図2A図2Bに示すように、ハウジング70の第2領域72の内部に配置されている。第2冷却コイル61は、マイクロチャンネル熱交換器である。この構成によれば、フィンのピッチが狭く、単位体積あたりの冷却面積が大きくなることから、庫内から吸い込んだ空気の温度と蒸発温度の温度差△Tをできるだけ小さく保つことが容易になり、マイナス温度帯でも、第2冷却コイル61通過時の空気の除湿を好適に抑制することができる。また、第2冷却コイル61の小型化も達成することができる。
【0039】
第2冷却コイル61は、図5A図5Bに示すように、鉛直方向に対して傾斜するように配置されている。この構成によれば、冷却運転の際に、マイクロチャンネル熱交換器上における凝縮水の貯留を好適に抑制できるとともに、解氷運転の際に、結氷した凝縮水を融解した後、重力で下方に落下させることができるため、冷却運転再開後の、第2冷却コイル61における結氷を好適に抑制することができる。なお、第2冷却コイル61が鉛直方向に対して傾斜する角度は、45~90度であることが好ましい。この構成によれば、傾斜を大きくすることによって、マイクロチャンネル熱交換器のフィンに付着する水を重力でより好適に下方に落下させることができる。
【0040】
第2冷凍サイクル60を循環する冷媒としては、フロンやCO等を用いることができるが、特に限定されない。
【0041】
第2蒸発圧力調整弁66は、冷媒の蒸発温度を、第2冷却コイル61を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、マイナス温度帯での庫内空気の除湿を抑制することができる。
【0042】
ハウジング70は、図2A図2Bに示すように、第1ファン10、第1プレフィルタ30、および第1冷却コイル51が配置される第1領域71、第2ファン20、第2プレフィルタ40、および第2冷却コイル61が配置される第2領域72、ならびに第1冷却コイル51を通過した空気、および第2冷却コイル61を通過した空気が混合される混合領域73を有する。
【0043】
混合領域73では、冷却運転時の第1冷却コイル51を通過した空気と、解氷運転時の第2冷却コイル61を通過した空気が混合される(図2A参照)。この時、第1冷却コイル51においては冷却時の除湿が好適に抑制されており、一方、第2冷却コイル61においては解氷によって融解した水がフィン上に付着するため、それぞれのコイルを通過した空気は高湿度状態を維持しており、それらが混合領域73で混合されて高湿度冷却空気が生成される。また、混合領域73では、冷却運転時の第2冷却コイル61を通過した空気と、解氷運転時の第1冷却コイル51を通過した空気が混合される(図2B参照)。この時、第2冷却コイル61においては冷却時の除湿が好適に抑制されており、一方、第1冷却コイル51においては解氷によって融解した水がフィン上に付着するため、それぞれのコイルを通過した空気は高湿度状態を維持しており、それらが混合領域73で混合されて高湿度冷却空気が生成される。
【0044】
ハウジング70は、断熱壁から構成されることが好ましい。
【0045】
第1静圧センサ81~第4静圧センサ84は、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61の冷却運転および解氷運転の切り替えのために設けられる。
【0046】
第1静圧センサ81は、図2A図2Bに示すように、第1冷却コイル51の上流側に設けられる。第2静圧センサ82は、第1冷却コイル51の下流側に設けられる。第1静圧センサ81および第2静圧センサ82は、ハウジング70の第1領域71内に配置される。
【0047】
第3静圧センサ83は、図2A図2Bに示すように、第2冷却コイル61の上流側に設けられる。第4静圧センサ84は、第2冷却コイル61の下流側に設けられる。第3静圧センサ83および第4静圧センサ84は、ハウジング70の第2領域72内に配置される。
【0048】
第1静圧センサ81によって測定される数値から第2静圧センサ82によって測定される数値を減算することによって、第1冷却コイル51の静圧上昇を測定することができる。また、第3静圧センサ83によって測定される数値から第4静圧センサ84によって測定される数値を減算することによって、第2冷却コイル61の静圧上昇を測定することができる。
【0049】
例えば、第1冷却コイル51側において冷却運転をしている際に、第1静圧センサ81によって測定される数値および第2静圧センサ82によって測定される数値の差が、60~80Paから160Pa以上となった場合に、第1冷却コイル51に結氷が発生したとして、第1冷却コイル51側を解氷運転に切り替える。
【0050】
一方、第2冷却コイル61側において冷却運転をしている際に、第3静圧センサ83によって測定される数値および第4静圧センサ84によって測定される数値の差が、60~80Paから160Pa以上となった場合に、第2冷却コイル61に結氷が発生したとして、第2冷却コイル61側を解氷運転に切り替える。
【0051】
次に、図1を参照して、本実施形態に係る冷却装置1における冷媒のフローを説明する。
【0052】
第1コンデンシングユニット(第1圧縮機52、第1凝縮器53、および第1レシーバ54に相当)から出てきた冷媒は、第1膨張弁55を通過し、第1冷却コイル51へと流れる。第1冷却コイル51を通過した冷媒は、第1圧縮機52によって圧縮された冷媒の一部(ホットガス)を第1圧縮機52の下流から第1蒸発圧力調整弁56の上流に導く第1ホットガスバイパス流路90と合流し、第1蒸発圧力調整弁56を通過した後、第1コンデンシングユニットに戻る。
【0053】
第2コンデンシングユニット(第2圧縮機62、第2凝縮器63、および第2レシーバ64に相当)から出てきた冷媒は、第2膨張弁65を通過し、第2冷却コイル61へと流れる。第2冷却コイル61を通過した冷媒は、第2圧縮機62によって圧縮された冷媒の一部(ホットガス)を第2圧縮機62の下流から第2蒸発圧力調整弁66の上流に導く第2ホットガスバイパス流路91と合流し、第2蒸発圧力調整弁66を通過した後、第2コンデンシングユニットに戻る。
【0054】
第1膨張弁55および第2膨張弁65は、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61の全面を有効活用するために、第1第2ホットガスバイパス流路90、91が合流した後の温度センサ92、93および第1第2ホットガスバイパス流路90、91の合流点より上流に位置する圧力センサ94、95によって算出される過熱度をもとに開度が調整される。具体的には、第1第2ホットガスバイパス流路90、91を流れるホットガスの量を調整弁96、97によって制御することで過熱度を確保しつつ、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61の出口が可能な限り湿った蒸気となるように、第1膨張弁55および第2膨張弁65の開度が調整される。
【0055】
次に、図2A図2Bを参照して、第1実施形態に係る冷却装置1の冷却方法について説明する。図2Aは、第1冷却コイル51側において冷却運転を、第2冷却コイル61側において解氷運転を行っている様子を示す図であって、図2Bは、第2冷却コイル61側において冷却運転を、第1冷却コイル51側において解氷運転を行っている様子を示す図である。
【0056】
まず、第1冷凍サイクル50および第2冷凍サイクル60において、冷媒を循環させて、庫内のクーリング運転を行う(第1運転状態)。その際、クーリング運転の庫内設定温度は0℃以上とする。
【0057】
そして、第1運転状態を所定の時間続けた後、第1冷凍サイクル50側は運転を停止し、第2冷凍サイクル60側は冷却運転を開始する。その後、第2冷却コイル61の結氷を確認したら、図2Aに示すように、第1冷却コイル51側において冷却運転を開始し、第2冷却コイル61側において解氷運転を行う(第2運転状態)。結氷を確認する方法は、上述したように、静圧センサ81~84を用いた差圧計測が用いられる。
【0058】
第1冷却コイル51側における冷却運転では、第1蒸発圧力調整弁56を制御することによって、冷媒の蒸発温度を、第1冷却コイル51を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、第1冷却コイル51の表面温度(蒸発温度)および取り込む空気の温度(吸込温度)の温度差△Tが極力小さくなるように運転される。このように温度差△Tを小さくすることによって、第1冷却コイル51を通過する際の冷却に伴う庫内空気の減湿を好適に抑制することができ、マイナス温度帯においても高湿度(例えば85%以上)を維持することができる。
【0059】
第2冷却コイル61側における解氷運転では、冷媒の供給を止めずに解氷運転が行われる。具体的には、第2冷却コイル61において、冷媒の蒸発温度を0~3℃の範囲で運転して解氷が行われる。解氷運転において、第2蒸発圧力調整弁66を制御して、第2冷却コイル61内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、第2冷却コイル61を内部から温めることで解氷させる。この時、吸込温度が蒸発温度よりも低ければ、冷媒が蒸発しないため過熱度が0となり第2膨張弁65は全閉して冷媒が冷却コイル61を流れなくなってしまう。そこで、第2膨張弁65の全閉を抑制するために最低開度(例えば10%以下)を設定する。
【0060】
第2運転状態において、第2冷却コイル61における解氷運転によって融解した一部のドレイン水が付着している第2冷却コイル61に空気を送ることによって、ドレイン水が蒸発し、さらに第1冷凍サイクル50の冷却運転によって第1冷却コイル51を通過した空気と混合領域73において混合されることによって、高湿度冷却空気が生成されるため、庫内の食品を高湿度冷却することができる。
【0061】
また、この実施形態によれば、簡易的な装置構成で、マイナス温度帯での高湿度冷却空気を生成することができる。
【0062】
次に、第2運転状態での第2冷却コイル61側における解氷運転が完了した後、図2Bに示すように、第1冷却コイル51側において解氷運転を行い、第2冷却コイル61側において冷却運転を行う(第3運転状態)。第2運転状態から第3運転状態への切り替えは、上述したように静圧センサ81~84を用いた差圧の変動で判断することができる。
【0063】
第2冷却コイル61側における冷却運転では、第2蒸発圧力調整弁66を制御することによって、冷媒の蒸発温度を、第2冷却コイル61を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、第2冷却コイル61の表面温度(蒸発温度)および取り込む空気の温度(吸込温度)の温度差△Tが極力小さくなるように運転される。このように温度差△Tを小さくすることによって、第2冷却コイル61を通過する際の冷却に伴う庫内空気の減湿を好適に抑制することができ、マイナス温度帯においても高湿度(例えば85%以上)を維持することができる。
【0064】
第1冷却コイル51側における解氷運転では、冷媒の供給を止めずに解氷運転が行われる。具体的には、第1冷却コイル51において、冷媒の蒸発温度を0~3℃の範囲で運転して解氷が行われる。解氷運転において、第1蒸発圧力調整弁56を制御して、第1冷却コイル51内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、第1冷却コイル51を内部から温めることで解氷させる。この時、吸込温度が蒸発温度よりも低ければ、冷媒が蒸発しないため過熱度が0となり第1膨張弁55は全閉して冷媒が冷却コイル51を流れなくなってしまう。そこで、第1膨張弁55の全閉を抑制するために最低開度(例えば10%以下)を設定する。
【0065】
第3運転状態において、第1冷却コイル51における解氷運転によって融解した一部のドレイン水が付着している第1冷却コイル51に空気を送ることによって、ドレイン水が蒸発し、さらに第2冷凍サイクル60の冷却運転によって第2冷却コイル61を通過した空気と混合領域73において混合されることによって、高湿度冷却空気が生成されるため、庫内の食品を高湿度冷却することができる。
【0066】
次に、第3運転状態において第1冷却コイルの結氷を確認したら、第3運転状態から第2運転状態に切り替える。第3運転状態から第2運転状態への切り替えは、上述したように静圧センサ81~84を用いた差圧の変動で判断することができる。その後は第2運転状態および第3運転状態を交互に繰り返す。この方法によれば、結氷が生じたら直ちに切り替えることができるため、連続して安定的に庫内に高湿度冷却空気を供給することができる。
【0067】
以上説明したように、第1実施形態に係る冷却装置1は、庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却装置1である。冷却装置1は、冷却装置1を循環する冷媒によって、庫内の空気を冷却するための第1冷却コイル51、第2冷却コイル61と、食品を高湿度冷却した庫内の前記空気を取り込んで、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61に向けて送風する第1ファン10、第2ファン20と、を有する。このように構成された冷却装置1によれば、一方の冷却コイル(例えば第1冷却コイル51)では、冷却運転が行われ、他方の冷却コイル(例えば第2冷却コイル61)では解氷運転が交互に繰り返されるため、マイナス温度帯かつ高湿度環境を安定して維持することができる。
【0068】
また、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61はマイクロチャンネル熱交換器である。このように構成された冷却装置1によれば、冷却面積を確保でき、吸込温度と蒸発温度の温度差△Tをできるだけ小さく保つことによって、マイナス温度帯でも、高湿度にすることができる。
【0069】
また、マイクロチャンネル熱交換器は、鉛直方向に対して傾斜して配置される。このように構成された冷却装置1によれば、解氷運転の際に、マイクロチャンネル熱交換器のフィンに付着保持される水を重力で下方に落下させることができるため、解氷運転終了後に、冷却運転する際に、第1冷却コイル51において結氷することを好適に抑制することができる。
【0070】
また、マイクロチャンネル熱交換器が、鉛直方向に対して傾斜する角度は、45~90度である。このように構成された冷却装置1によれば、解氷運転の際に、マイクロチャンネル熱交換器のフィンに付着保持される水を重力でより好適に下方に落下させることができるため、解氷運転終了後に、冷却運転する際に、第1冷却コイル51において結氷することをより好適に抑制することができる。
【0071】
また、第1ファン10、第2ファン20は、遠心ファンである。このように構成された冷却装置1によれば、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61を通過する空気前面風速のバラツキを抑制でき、蒸発器としての第1冷却コイル51、第2冷却コイル61全面の効率的な使用が可能になる。
【0072】
また、冷却装置1は、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61の下流に設けられ、冷却運転側の冷却コイルを通過した空気、および解氷運転側の冷却コイルを通過した空気を混合することで高湿度冷却空気が生成される混合領域73をさらに有する。このように構成された冷却装置1によれば、簡易的な装置構成によって運転状態の切り替えが容易となり、マイナス温度帯かつ相対湿度85%以上の環境を安定して維持することができる。
【0073】
また、以上説明したように、本実施形態に係る冷却装置1の冷却方法は、庫内の食品を、マイナス温度帯で高湿度冷却する冷却方法であって、冷却装置1を循環する冷媒によって、庫内を循環する空気を冷却するための第1冷却コイル51、第2冷却コイル61を備える第1冷凍サイクル50、第2冷凍サイクル60において、第1冷却コイル51では冷却運転が行われ、第2冷却コイル61では解氷運転が行われる。この冷却方法によれば、マイナス温度帯かつ相対湿度85%以上の環境を安定して維持することができる。
【0074】
<第2実施形態>
次に、図3A図3Bを参照して、第2実施形態に係る冷却装置2の構成について説明する。
【0075】
図3A図3Bは、本発明の第2実施形態に係る冷却装置2を示す概略図である。
【0076】
第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、ハウジング等の構成が異なる。
【0077】
第2実施形態に係る冷却装置2は、図3A図3Bに示すように、第1ファン10と、第2ファン20と、第1プレフィルタ30と、第2プレフィルタ40と、第1冷凍サイクル50と、第2冷凍サイクル60と、第1ハウジング170と、第2ハウジング180と、第1静圧センサ81~第4静圧センサ84と、を有する。第1ファン10、第2ファン20、第1プレフィルタ30、第2プレフィルタ40、第1冷凍サイクル50、第2冷凍サイクル60、および第1静圧センサ81~第4静圧センサ84は、上述した第1実施形態に係る冷却装置1と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0078】
第1ハウジング170は、第2ハウジング180の内部に配置される。第1ハウジング170は、図3A図3Bに示すように、第1ファン10、第1プレフィルタ30、および第1冷却コイル51が配置される第1領域171と、第2ファン20、第2プレフィルタ40、および第2冷却コイル61が配置される第2領域172と、を有する。
【0079】
第1ハウジング170の第1領域171のうち、第1冷却コイル51の下流には、第1出口領域173が形成される。第1出口領域173には、図3A図3Bに示すように、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第1開閉装置11と、第2ハウジング180の最上流に形成される混合領域181との連通/遮断を切り替え可能な第2開閉装置12と、が配置される。開閉装置は、特に限定されないが、例えばダンパーバルブを用いることができる。
【0080】
第1ハウジング170の第2領域172のうち、第2冷却コイル61の下流には、第2出口領域174が形成される。第2出口領域174には、図3A図3Bに示すように、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第3開閉装置13と、第2ハウジング180の最上流に形成される混合領域181との連通/遮断を切り替え可能な第4開閉装置14と、が配置される。
【0081】
第2ハウジング180は、第1ハウジング170を囲うように形成されている。第2ハウジング180は、図3A図3Bに示すように、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61の上流に設けられ、第1ファン10および第2ファン20によって取り込まれた空気、および解氷運転時の第2冷却コイル61に空気を送ることによって生じる高湿度空気が混合される混合領域181と、第1出口領域173および混合領域181を結ぶ第1戻り流路182と、第2出口領域174および混合領域181を結ぶ第2戻り流路183と、を有する。
【0082】
次に、図3A図3Bを参照して、第2実施形態に係る冷却装置2の冷却方法について説明する。図3Aは、第1冷却コイル51側において冷却運転を、第2冷却コイル61側において解氷運転を行っている様子を示す図であって、図3Bは、第2冷却コイル61側において冷却運転を、第1冷却コイル51側において解氷運転を行っている様子を示す図である。
【0083】
まず、第1冷凍サイクル50および第2冷凍サイクル60において、冷媒を循環させて、庫内のクーリング運転を行う(第1運転状態)。その際、クーリング運転の庫内設定温度は0℃以上とする。
【0084】
そして、第1運転状態を所定の時間続けた後、第1冷凍サイクル50側は運転を停止し、第2冷凍サイクル60側は冷却運転を開始する。その後、第2冷却コイル61の結氷を確認したら、図3Aに示すように、第1冷却コイル51側において冷却運転を開始し、第2冷却コイル61側において解氷運転を行う(第2運転状態)。
【0085】
第1冷却コイル51側における冷却運転では、第1蒸発圧力調整弁56を制御することによって、冷媒の蒸発温度を、第1冷却コイル51を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、第1冷却コイル51の表面温度(蒸発温度)および取り込む空気の温度(吸込温度)の温度差△Tが極力小さくなるように運転される。このように温度差△Tを小さくすることによって、第1冷却コイル51を通過する際の冷却に伴う庫内空気の減湿を好適に抑制することができ、マイナス温度帯においても高湿度(例えば85%以上)を維持することができる。
【0086】
第1冷却コイル51側における冷却運転では、第1開閉装置11を開いて、第1出口領域173を庫内と連通させるとともに、第2開閉装置12を閉じて、第1出口領域173を混合領域181と遮断させる。この結果、第1冷却コイル51において冷却された空気は、第1出口領域173から第1開閉装置11を介して、庫内に吹き出される。
【0087】
第2冷却コイル61側における解氷運転では、冷媒の供給を止めずに解氷運転が行われる。具体的には、第2冷却コイル61において、冷媒の蒸発温度を0~3℃の範囲で運転して解氷が行われる。解氷運転において、第2蒸発圧力調整弁66を制御して、第2冷却コイル61内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、第2冷却コイル61を内部から温めることで解氷させる。
【0088】
第2冷却コイル61側における解氷運転では、第3開閉装置13を閉じて、第2出口領域174を庫内と遮断させるとともに、第4開閉装置14を開いて、第2出口領域174を混合領域181と連通させる。この結果、第2運転状態において、第2冷却コイル61における解氷運転によって融解したドレイン水が付着している第2冷却コイル61に空気を送ることによって、ドレイン水が蒸発し高湿度空気が生成されて、この高湿度空気は、第2戻り流路183を介して混合領域181に戻る。そして、混合領域181において、第1ファン10によって吸い込まれた庫内の空気と混合されることによって、高湿度冷却空気が生成されるため、庫内の食品を高湿度冷却することができる。
【0089】
次に、第2運転状態での第2冷却コイル61側における解氷運転が完了した後、図3Bに示すように、第1冷却コイル51側において解氷運転を行い、第2冷却コイル61側において冷却運転を行う(第3運転状態)。
【0090】
第2冷却コイル61側における冷却運転では、第2蒸発圧力調整弁66を制御することによって、冷媒の蒸発温度を、第2冷却コイル61を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、第2冷却コイル61の表面温度(蒸発温度)および取り込む空気の温度(吸込温度)の温度差△Tが極力小さくなるように運転される。このように温度差△Tを小さくすることによって、第2冷却コイル61を通過する際の冷却に伴う減湿を好適に抑制することができ、マイナス温度帯においても高湿度(例えば85%以上)を維持することができる。
【0091】
第2冷却コイル61側における冷却運転では、第3開閉装置13を開いて、第2出口領域174を庫内と連通させるとともに、第4開閉装置14を閉じて、第2出口領域174を混合領域181と遮断させる。この結果、第2冷却コイル61において冷却された空気は、第2出口領域174から第3開閉装置13を介して、庫内に吹き出される。
【0092】
第1冷却コイル51側における解氷運転では、冷媒の供給を止めずに解氷運転が行われる。具体的には、第1冷却コイル51において、冷媒の蒸発温度を0~3℃の範囲で運転して解氷が行われる。解氷運転において、第1蒸発圧力調整弁56を制御して、第1冷却コイル51内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、第1冷却コイル51を内部から温めることで解氷させる。
【0093】
第1冷却コイル51側における解氷運転では、第1開閉装置11を閉じて、第1出口領域173を庫内と遮断させるとともに、第2開閉装置12を開いて、第1出口領域173を混合領域181と連通させる。この結果、第3運転状態において、第1冷却コイル51における解氷運転によって融解したドレイン水が付着している第1冷却コイル51に空気を送ることによって、ドレイン水が蒸発し高湿度空気が生成されて、この高湿度空気は、第1戻り流路182を介して混合領域181に戻る。そして、混合領域181において、第2ファン20によって吸い込まれた庫内の空気と混合されることによって、高湿度冷却空気が生成されるため、庫内の食品を高湿度冷却することができる。
【0094】
次に、第3運転状態において第1冷却コイルの結氷を確認したら、第3運転状態から第2運転状態に切り替える。第3運転状態から第2運転状態への切り替えは、上述したように静圧センサ81~84を用いた差圧の変動で判断することができる。その後は第2運転状態および第3運転状態を交互に繰り返す。
【0095】
以上説明したように、第2実施形態に係る冷却装置2は、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61の上流に設けられ、第1ファン10によって取り込まれた空気、および解氷運転時の第2冷却コイル61に空気を送ることによって生じる高湿度空気が混合される混合領域181と、第1冷却コイル51の下流側に設けられる第1出口領域173と、第2冷却コイル61の下流側に設けられる第2出口領域174と、第1出口領域173に設けられ、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第1開閉装置11と、第1出口領域173に設けられ、混合領域181との連通/遮断を切り替え可能な第2開閉装置12と、第2出口領域174に設けられ、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第3開閉装置13と、第2出口領域174に設けられ、混合領域181との連通/遮断を切り替え可能な第4開閉装置14と、を有する。このように構成された冷却装置2によれば、第2冷却コイル61側の負荷が、第1冷却コイル51側に影響を及ぼすため、第1冷却コイル51側における凍結までの片側運転時間を長くすることができる。
【0096】
<第3実施形態>
次に、図4A図4Bを参照して、第3実施形態に係る冷却装置3の構成について説明する。
【0097】
図4A図4Bは、本発明の第3実施形態に係る冷却装置3を示す概略図である。
【0098】
第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第3実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第3実施形態は、第1実施形態と比較して、ハウジング等の構成が異なる。
【0099】
第3実施形態に係る冷却装置3は、図4A図4Bに示すように、第1ファン10と、第2ファン20と、第1プレフィルタ30と、第2プレフィルタ40と、第1冷凍サイクル50と、第2冷凍サイクル60と、第1ハウジング270と、第2ハウジング280と、第1静圧センサ81~第4静圧センサ84と、を有する。第1ファン10、第2ファン20、第1プレフィルタ30、第2プレフィルタ40、第1冷凍サイクル50、第2冷凍サイクル60、および第1静圧センサ81~第4静圧センサ84は、上述した第1実施形態に係る冷却装置1と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0100】
第1ハウジング270は、第2ハウジング280の内部に配置される。第1ハウジング270は、図4A図4Bに示すように、第1ファン10、第1プレフィルタ30、および第1冷却コイル51が配置される第1領域271と、第2ファン20、第2プレフィルタ40、および第2冷却コイル61が配置される第2領域272と、を有する。
【0101】
第1ハウジング270の第1領域271のうち、第1ファン10の上流には、第1入口領域273が形成され、第1冷却コイル51の下流には、第1出口領域274が形成される。第1入口領域273には、図4A図4Bに示すように、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第1開閉装置21と、第1出口領域274との連通/遮断を切り替え可能な第2開閉装置22と、が配置される。第1出口領域274には、図4A図4Bに示すように、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第3開閉装置23と、第1入口領域273との連通/遮断を切り替え可能な第4開閉装置24と、が配置される。
【0102】
第1ハウジング270の第2領域272のうち、第2ファン20の上流には、第2入口領域275が形成され、第2冷却コイル61の下流には、第2出口領域276が形成される。第2入口領域275には、図4A図4Bに示すように、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第5開閉装置25と、第2出口領域276との連通/遮断を切り替え可能な第6開閉装置26と、が配置される。第2出口領域276には、図4A図4Bに示すように、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第7開閉装置27と、第2入口領域275との連通/遮断を切り替え可能な第8開閉装置28と、が配置される。
【0103】
第2ハウジング280は、第1ハウジング270を囲うように形成されている。第2ハウジング280は、図4A図4Bに示すように、第1入口領域273および第1出口領域274を結ぶ第1戻り流路281と、第2入口領域275および第2出口領域276を結ぶ第2戻り流路282と、を有する。
【0104】
次に、図4A図4Bを参照して、第3実施形態に係る冷却装置3の冷却方法について説明する。図4Aは、第1冷却コイル51側において冷却運転を、第2冷却コイル61側において解氷運転を行っている様子を示す図であって、図4Bは、第2冷却コイル61側において冷却運転を、第1冷却コイル51側において解氷運転を行っている様子を示す図である。
【0105】
まず、第1冷凍サイクル50および第2冷凍サイクル60において、冷媒を循環させて、庫内のクーリング運転を行う(第1運転状態)。その際、クーリング運転の庫内設定温度は0℃以上とする。
【0106】
そして、第1運転状態を所定の時間続けた後、第1冷凍サイクル50側は運転を停止し、第2冷凍サイクル60側は冷却運転を開始する。その後、第2冷却コイル61の結氷を確認したら、図4Aに示すように、第1冷却コイル51側において冷却運転を開始し、第2冷却コイル61側において解氷運転を行う(第2運転状態)。
【0107】
第1冷却コイル51側における冷却運転では、第1蒸発圧力調整弁56を制御することによって、冷媒の蒸発温度を、第1冷却コイル51を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、第1冷却コイル51の表面温度(蒸発温度)および取り込む空気の温度(吸込温度)の温度差△Tが極力小さくなるように運転される。このように温度差△Tを小さくすることによって、第1冷却コイル51を通過する際の冷却に伴う庫内空気の減湿を好適に抑制することができ、高湿度(例えば85%以上)を維持することができる。
【0108】
第1冷却コイル51側における冷却運転では、図4Aに示すように、第1開閉装置21を開いて、第1入口領域273を庫内と連通させるとともに、第2開閉装置22を閉じて、第1入口領域273を第1出口領域274と遮断させる。また、第3開閉装置23を開いて、第1出口領域274を庫内と連通させるとともに、第4開閉装置24を閉じて、第1出口領域274を第1入口領域273と遮断させる。この結果、第1開閉装置21を介して第1入口領域273に入ってきた空気は、第1冷却コイル51において高湿度冷却された後、第1出口領域274から第3開閉装置23を介して、庫内に吹き出される。
【0109】
第2冷却コイル61側における解氷運転では、冷媒の供給を止めずに解氷運転が行われる。具体的には、第2冷却コイル61において、冷媒の蒸発温度を0~3℃の範囲で運転して解氷が行われる。解氷運転において、第2蒸発圧力調整弁66を制御して、第2冷却コイル61内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、第2冷却コイル61を内部から温めることで解氷させる。
【0110】
第2冷却コイル61側における解氷運転では、図4Aに示すように、第5開閉装置25を閉じて、第2入口領域275を庫内と遮断させるとともに、第6開閉装置26を開いて、第2入口領域275を第2出口領域276と連通させる。また、第7開閉装置27を閉じて、第2出口領域276を庫内と遮断させるとともに、第8開閉装置28を開いて、第2出口領域276を第2入口領域275と連通させる。この実施形態では、冷却運転と解氷運転の流路が独立しており、かつ解氷運転側は流路がループ状になっていることから、ファンの顕熱を全て解氷の熱源として利用でき、かつ冷却運転によって生成した冷却空気が混入することなく解氷運転を行うことができることから、解氷時間を短縮することができる。
【0111】
次に、第2運転状態での第2冷却コイル61側における解氷運転が完了した後、図4Bに示すように、第1冷却コイル51側において解氷運転を行い、第2冷却コイル61側において冷却運転を行う(第3運転状態)。
【0112】
第2冷却コイル61側における冷却運転では、第2蒸発圧力調整弁66を制御することによって、冷媒の蒸発温度を、第2冷却コイル61を通過する空気温度よりも0.1~3.0℃低い温度(例えば-1.0℃)に維持することで、第2冷却コイル61の表面温度(蒸発温度)および取り込む空気の温度(吸込温度)の温度差△Tが極力小さくなるように運転される。このように温度差△Tを小さくすることによって、第2冷却コイル61を通過する際の冷却に伴う庫内空気の減湿を好適に抑制することができ、高湿度(例えば85%以上)を維持することができる。
【0113】
第2冷却コイル61側における冷却運転では、図4Bに示すように、第5開閉装置25を開いて、第2入口領域275を庫内と連通させるとともに、第6開閉装置26を閉じて、第2入口領域275を第2出口領域276と遮断させる。また、第7開閉装置27を開いて、第2出口領域276を庫内と連通させるとともに、第8開閉装置28を閉じて、第2出口領域276を第2入口領域275と遮断させる。この結果、第5開閉装置25を介して第2入口領域275に入ってきた空気は、第2冷却コイル61において冷却された後、第2出口領域276から第7開閉装置27を介して、庫内に吹き出される。
【0114】
第1冷却コイル51側における解氷運転では、冷媒の供給を止めずに解氷運転が行われる。具体的には、第1冷却コイル51において、冷媒の蒸発温度を0~3℃の範囲で運転して解氷が行われる。解氷運転において、第1蒸発圧力調整弁56を制御して、第1冷却コイル51内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、第1冷却コイル51を内部から温めることで解氷させる。
【0115】
第1冷却コイル51側における解氷運転では、図4Bに示すように、第1開閉装置21を閉じて、第1入口領域273を庫内と遮断させるとともに、第2開閉装置22を開いて、第1入口領域273を第1出口領域274と連通させる。また、第3開閉装置23を閉じて、第1出口領域274を庫内と遮断させるとともに、第4開閉装置24を開いて、第1出口領域274を第1入口領域273と連通させる。この結果、第3運転状態において、第1冷却コイル51における解氷運転によって融解したドレイン水が付着している第1冷却コイル51に空気を送ることによって、ドレイン水が蒸発し高湿度空気が生成されて、この高湿度空気は、第1戻り流路281を介して第1入口領域273に戻る。
【0116】
次に、第3運転状態において第1冷却コイルの結氷を確認したら、第3運転状態から第2運転状態に切り替える。第3運転状態から第2運転状態への切り替えは、上述したように静圧センサ81~84を用いた差圧の変動で判断することができる。その後は第2運転状態および第3運転状態を交互に繰り返す。
【0117】
以上説明したように、第3実施形態に係る冷却装置3は、第1冷却コイル51の上流側に設けられる第1入口領域273と、第2冷却コイル61の上流側に設けられる第2入口領域275と、第1冷却コイル51の下流側に設けられる第1出口領域274と、第2冷却コイル61の下流側に設けられる第2出口領域276と、第1入口領域273に設けられ、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第1開閉装置21と、第1入口領域273に設けられ、第1出口領域274との連通/遮断を切り替え可能な第2開閉装置22と、第1出口領域274に設けられ、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第3開閉装置23と、第1出口領域274に設けられ、第1入口領域273との連通/遮断を切り替え可能な第4開閉装置24と、第2入口領域275に設けられ、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第5開閉装置25と、第2入口領域275に設けられ、第2出口領域276との連通/遮断を切り替え可能な第6開閉装置26と、第2出口領域276に設けられ、庫内との連通/遮断を切り替え可能な第7開閉装置27と、第2出口領域276に設けられ、第2入口領域275との連通/遮断を切り替え可能な第8開閉装置28と、を有する。このように構成された冷却装置3によれば、解氷時間を短縮できる。
【0118】
以上、実施形態を通じて、冷却装置の構成について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0119】
例えば、上述した実施形態では、第2運転状態から第3運転状態への切り替え等は、差圧計測で行われたが、温度計による温度測定や、タイマーによる時間測定、カメラの撮影等によって行われてもよい。これらの方法によれば、容易に運転状態の切り替えが可能で、一方の冷却コイルの解氷運転中も他方の冷却コイルの冷却運転を継続して行うことができるため、連続して安定的に庫内に高湿度冷却空気を供給することができる。
【0120】
また、上述した実施形態では、解氷運転は、冷媒の供給を止めずに行い、蒸発圧力調整弁を制御して、冷却コイル内の蒸発圧力を上昇させて、冷媒の飽和温度を上昇させて、冷却コイルを内部から温めることで解氷させた。しかしながら、解氷運転は、オフサイクルで、第1ファン10または第2ファン20の顕熱を熱源として用いることによって行われてもよい。
【0121】
また、上述した実施形態では、冷却装置1は、第1ファン10および第2ファン20を有したが、1つのファンによって、食品を高湿度冷却した庫内の空気を取り込んで、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61に向けて送風してもよい。
【0122】
また、上述した実施形態では、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61は、マイクロチャンネル熱交換器であった。しかしながら、第1冷却コイルおよび第2冷却コイルは、プレートフィンコイルであってもよい。
【0123】
また、上述した実施形態では、冷凍サイクルは2つ設けられたが、3つ以上設けられてもよい。
【0124】
また、上述した実施形態では、冷却装置として直膨式が採用されたが、間膨式であってもよい。
【0125】
また、上述した実施形態では、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61は、鉛直方向に対して傾斜するように配置されたが、第1冷却コイル51および第2冷却コイル61は、図6に示すように、水平方向に配置されてもよい。この構成によれば、マイクロチャンネル熱交換器のフィンに付着保持される水を、重力でより好適に下方に落下させることができるため、解氷運転終了後に、冷却運転する際に、第1冷却コイル51、第2冷却コイル61において結氷することをより好適に抑制することができる。
【0126】
また、上述した実施形態では、開閉装置としてダンパーバルブが採用されたが、シャッターであってもよい。
【符号の説明】
【0127】
1、2、3 冷却装置、
10 第1ファン、
11、21 第1開閉装置、
12、22 第2開閉装置、
13、23 第3開閉装置、
14、24 第4開閉装置、
25 第5開閉装置、
26 第6開閉装置、
27 第7開閉装置、
28 第8開閉装置、
20 第2ファン、
51 第1冷却コイル、
61 第2冷却コイル、
73 混合領域、
173 第1出口領域、
174 第2出口領域、
181 混合領域、
273 第1入口領域、
274 第1出口領域、
275 第2入口領域、
276 第2出口領域。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6