IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-面状光源の製造方法 図1
  • 特開-面状光源の製造方法 図2
  • 特開-面状光源の製造方法 図3A
  • 特開-面状光源の製造方法 図3B
  • 特開-面状光源の製造方法 図4
  • 特開-面状光源の製造方法 図5
  • 特開-面状光源の製造方法 図6
  • 特開-面状光源の製造方法 図7
  • 特開-面状光源の製造方法 図8
  • 特開-面状光源の製造方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079140
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】面状光源の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240604BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240604BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240604BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20240604BHJP
【FI】
H01L33/62
F21S2/00 443
F21S2/00 423
F21S2/00 250
F21V19/00 170
F21Y115:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191890
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田村 洋介
(72)【発明者】
【氏名】井谷 雄彦
【テーマコード(参考)】
3K013
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K244BA23
3K244BA31
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA23
3K244EA12
3K244EA19
3K244FA04
3K244FA07
3K244GA02
3K244GA05
5F142AA54
5F142AA81
5F142BA32
5F142CA16
5F142CD02
5F142CD24
5F142CD44
5F142CD47
5F142CE06
5F142CG01
5F142CG03
5F142DB02
5F142DB18
5F142FA34
5F142FA50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性の高い面状光源を製造する方法の提供。
【解決手段】支持体1と、接着層2と、導光部材3と、光源4と、を備える中間体100を準備する工程と、一対の挟持部を有する挟持部材であって、挟持部の一方は、第1部分81と、第1部分81の下面に設けられた第1凸部811と、を備え、挟持部の他方は、第2部分82と、第2部分82の下面に設けられた第2凸部822と、を備える挟持部材を準備する工程と、第1部分81の下面及び第2部分82の下面を導光部材3の上面に対向させ、第1凸部811及び第2凸部822を貫通孔3h内に配置する工程と、第1凸部811及び第2凸部822で光源4を挟持した状態で、挟持部材を上方に移動させることで光源4を接着層2から分離する工程と、を備え、第1部分81の下面からの高さは、貫通孔3hの深さよりも小さく、第2部分82の下面からの高さは、貫通孔3hの深さよりも小さい、面状光源の製造方法。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、前記支持体上に配置される接着層と、前記接着層上に配置され、前記接着層が露出する貫通孔が設けられた導光部材と、前記貫通孔において露出する前記接着層上に配置される光源と、を備える中間体を準備する工程と、
一対の挟持部を有する挟持部材であって、前記挟持部の一方は、第1部分と、前記第1部分の下面に設けられた第1凸部と、を備え、前記挟持部の他方は、第2部分と、前記第2部分の下面に設けられた第2凸部と、を備える挟持部材を準備する工程と、
前記第1部分の下面及び前記第2部分の下面を前記導光部材の上面に対向させ、前記第1凸部及び前記第2凸部を前記貫通孔内に配置する工程と、
前記第1凸部及び前記第2凸部で前記光源を挟持した状態で、前記挟持部材を上方に移動させることで前記光源を前記接着層から分離する工程と、を備え、
前記第1凸部の前記第1部分の下面からの高さは、前記貫通孔の深さよりも小さく、
前記第2凸部の前記第2部分の下面からの高さは、前記貫通孔の深さよりも小さい、面状光源の製造方法。
【請求項2】
前記第1部分の下面及び前記第2部分の下面は、曲面である請求項1に記載の面状光源の製造方法。
【請求項3】
前記第1凸部の下面及び前記第2凸部の下面は、曲面である請求項2に記載の面状光源の製造方法。
【請求項4】
前記貫通孔内に配置する工程において、前記第1部分の下面及び前記第2部分の下面を、前記導光部材の上面に接触させる、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源の製造方法。
【請求項5】
前記接着層から分離する工程において、前記挟持部材の移動方向と、前記接着層の上面との角度が45°以上90°未満である、請求項4に記載の面状光源の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面状光源の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、導光板の貫通孔に光源が配置された発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-211085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、信頼性の高い面状光源を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、面状光源の製造方法は、支持体と、前記支持体上に配置される接着層と、前記接着層上に配置され、前記接着層が露出する貫通孔が設けられた導光部材と、前記貫通孔において露出する前記接着層上に配置される光源と、を備える中間体を準備する工程と、一対の挟持部を有する挟持部材であって、前記挟持部の一方は、第1部分と、前記第1部分の下面に設けられた第1凸部と、を備え、前記挟持部の他方は、第2部分と、前記第2部分の下面に設けられた第2凸部と、を備える挟持部材を準備する工程と、前記第1部分の下面及び前記第2部分の下面を前記導光部材の上面に対向させ、前記第1凸部及び前記第2凸部を前記貫通孔内に配置する工程と、前記第1凸部及び前記第2凸部で前記光源を挟持した状態で、前記挟持部材を上方に移動させることで前記光源を前記接着層から分離する工程と、を備え、前記第1凸部の前記第1部分の下面からの高さは、前記貫通孔の深さよりも小さく、前記第2凸部の前記第2部分の下面からの高さは、前記貫通孔の深さよりも小さい。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、信頼性の高い面状光源を製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態における面状光源の製造方法の一工程において準備する中間体を説明するための模式的な平面図及びその断面図である。
図2】実施形態における面状光源の製造方法の一工程において準備する挟持部材を説明するための模式的な斜視図である。
図3A】実施形態における面状光源の製造方法の一工程において準備する挟持部材を説明するための模式的な側面図である。
図3B】実施形態における面状光源の製造方法の一工程において準備する挟持部材を説明するための模式的な側面図である。
図4】実施形態における面状光源の製造方法の一工程を説明するための模式的な断面図である。
図5】実施形態における面状光源の製造方法の一工程を説明するための模式的な断面図である。
図6】実施形態における面状光源の製造方法の一工程を説明するための模式的な断面図である。
図7】実施形態における面状光源の製造方法の一工程を説明するための模式的な断面図である。
図8】実施形態における面状光源の製造方法の一工程を説明するための模式的な断面図である。
図9】実施形態における面状光源の製造方法の一工程を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。実施形態に記載されている構成部の寸法、材料、形状、相対的配置などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(又は下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(又は下方)に位置している場合を含む。また、本明細書において、特定的な記載がない限り、部材が被覆対象を覆うとは、部材が被覆対象に接して被覆対象を直接覆う場合と、部材が被覆対象に非接触で被覆対象を間接的に覆う場合を含む。
【0010】
図1図9を参照して、実施形態における面状光源の製造方法について説明する。
【0011】
実施形態における面状光源の製造方法は、主として以下の工程を備える。
(1)支持体と、支持体上に配置される接着層と、接着層上に配置され、接着層が露出する貫通孔が設けられた導光部材と、貫通孔において露出する接着層上に配置される光源と、を備える中間体を準備する工程と、
(2)一対の挟持部を有する挟持部材であって、挟持部の一方は、第1部分と、第1部分の下面に設けられた第1凸部と、を備え、挟持部の他方は、第2部分と、第2部分の下面に設けられた第2凸部と、を備える挟持部材を準備する工程と、
(3)第1部分の下面及び第2部分の下面を導光部材の上面に対向させ、第1凸部及び第2凸部を貫通孔内に配置する工程と、
(4)第1凸部及び第2凸部で光源を挟持した状態で、挟持部材を上方に移動させることで光源を接着層から分離する工程と、
を備える。 なお、第1凸部の第1部分の下面からの高さは、貫通孔の深さよりも小さく、第2凸部の第2部分の下面からの高さは、貫通孔の深さよりも小さい。
【0012】
(1:中間体を準備する工程)
中間体100を準備する。図1を参照し、中間体100の構造を説明する。中間体100は、支持体1と、接着層2と、導光部材3と、光源4と、を少なくとも備える。
【0013】
支持体1は、例えば、配線基板である。面状光源の薄型化のため、支持体1が配線基板である場合、フレキシブル基板であることが好ましい。支持体1は、上面と下面の少なくとも一方に、配線層11を有することができる。図1においては、支持体1の下面に配線層11が配置されている。配線層11としては、例えば、金属や、金属粒子を含有する樹脂などが挙げられる。また、支持体1には、一対の孔部1hが設けられている。後述するように、配線層11と、光源4が、孔部1hに設けられる導電部材5を介して電気的に接続される。
【0014】
接着層2は、支持体1上に配置される。接着層2は、例えば、支持体1と導光部材3を接着する。接着層2は、例えば、単層であっても複数層であってもよい。接着層2を複数層とすることで、光源4が発する光を好適に取り出すことができる。図1に示す例においては、接着層2は、第1層21、第2層22、及び、第3層23を有する。第1層21は、導光部材3及び第2層22と接する。第2層22は、第1層21及び第3層23と接する。第3層は、第2層22及び支持体1と接する。第1層21は、導光部材3と第2層22とを接着し、光源4が発する光を横方向に伝搬する。第2層22は、第1層21内を伝搬する光を導光部材3の方向に反射する。第3層23は、支持体1と第2層22とを接着する。接着層2は、例えば、樹脂層である。接着層2に用いられる樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、接着層2は、光散乱粒子を含んでもよく、光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。接着層2には、孔部1hと連通する孔部が設けられている。
【0015】
導光部材3は、接着層2上に配置される。導光部材3は、光源4が発する光に対する透光性を有する部材である。光源4のピーク波長に対する導光部材3の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。導光部材3の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスを用いることができる。導光部材3の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。本明細書において、各部材の厚さとは、接着層3の上面に垂直な方向である第3方向Zにおける各部材の上面と下面との間の距離の最大値を表す。
【0016】
導光部材3は、接着層2が露出する貫通孔3hを有する。貫通孔3hにおいて露出する領域の接着層2上に光源4が配置される。平面視において貫通孔3hは、例えば円形とすることができる。また、貫通孔3hは、平面視において、例えば、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形とすることができる。
【0017】
導光部材3は、溝3gを有することができる。溝3gは、第1方向X及び第2方向Yに延びる。導光部材3は、溝3gによって、第1方向X及び第2方向Yにおいて互いに分離された複数の発光部を有する。各発光部は、例えばローカルディミングの駆動単位とすることができる。ここで、第1方向Xは、第3方向Zに垂直な方向である。第2方向Yは、第1方向X及び第3方向Zに垂直な方向である。
【0018】
光源4は、導光部材3の貫通孔3hにおいて露出する接着層2上に配置される。光源4は、発光素子41を含む。発光素子41は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。また、発光素子41は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。さらに、光源4は、下面側に配置された正負の一対の電極45を含む。一対の電極45のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。平面視において、一対の電極45のうちの一方は、一対の孔部1hのうちの一方と重なり、一対の電極45のうちの他方は、一対の孔部1hのうちの他方と重なる。
【0019】
光源4は、さらに第1透光性部材42を含むことができる。第1透光性部材42は、発光素子41の上面及び側面を覆っている。第1透光性部材42は、発光素子41を保護するとともに、第1透光性部材42に添加される粒子に応じて、波長変換や光拡散等の機能を備える。
【0020】
光源4は、さらに被覆部材43を含むことができる。被覆部材43は、発光素子41の下面に配置される。被覆部材43は、光源4の電極45の下面が被覆部材43から露出するように配置される。被覆部材43は、発光素子41の側面を覆う第1透光性部材42の下面にも配置される。被覆部材43は、発光素子41が発する光に対する反射性を有する。被覆部材43は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。被覆部材43の光散乱粒子として例えば、接着層2に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。被覆部材43の樹脂材料としては、例えば、接着層2に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。
【0021】
さらに、光源4は、光反射部材44を含むことができる。光反射部材44は、光源4の上面に配置される。光反射部材44は、発光素子41の上面を覆っている。光反射部材44は、第1透光性部材42の上面に配置され、第1透光性部材42の上面から出射する光の量や出射方向を制御する。光反射部材44は、発光素子41が発する光に対する反射性及び透光性を有する。第1透光性部材42の上面から出射した光の一部は光反射部材44により反射し、他の一部は光反射部材44を透過する。発光素子41が発する光に対する光反射部材44の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。これにより、光源4の直上での輝度を低下させ、面状光源の輝度むらを軽減する。光反射部材44は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。光反射部材44の光散乱粒子として例えば、接着層2に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。光反射部材44の樹脂材料としては、例えば、接着層2に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。
【0022】
なお、上述した中間体を準備する工程において準備した中間体は、例えば製造ばらつき等により、接着層2上に配置された光源4が所定の位置よりもずれて配置されている場合がある。そこで実施形態における面状光源の製造方法では、以下に説明する工程により、光源4を所定の位置に配置し直すことができる。
【0023】
(2:挟持部材を準備する工程)
挟持部材8を準備する。図2及び図3を参照し、挟持部材8の構造を説明する。挟持部材8は、接着層2から光源4を分離する際に用いる部材である。挟持部材8は、一対の挟持部80を有する。挟持部80の一方は、第1部分81と、第1部分81の下面81aに設けられる第1凸部811を備える。挟持部80の他方は、第2部分82と、第2部分82の下面82aに設けられる第2凸部822を備える。挟持部材8は、例えば、延伸部83を有する。挟持部材8は、一対の挟持部80が延伸部83によって連結される、例えば、ピンセットなどが挙げられる。なお、一対の挟持部80は、延伸部83によって連結されておらず、それぞれが独立して可動してもよい。
【0024】
第1凸部811及び第2凸部822は、後述するように、光源4を接着層2から分離するときに、光源4を挟持する部分である。第1凸部811の第1部分81の下面81aからの高さは、導光部材3の貫通孔3hの深さよりも小さい。また、第2凸部822の第2部分82の下面82aからの高さは、導光部材3の貫通孔3hの深さよりも小さい。第1凸部811の第1部分81の下面81aからの高さとは、例えば、後述する工程で第1凸部811を貫通孔内3hに配置した状態における、第1部分81の下面81aと、第1凸部811の下面811aの第3方向Zにおける最長距離である。第2凸部822の第2部分82の下面82aからの高さとは、例えば、後述する工程で第2凸部822を貫通孔内3hに配置した状態における、第2部分82の下面82aと、第2凸部822の下面822aの第3方向Zにおける最長距離である。導光部材3の貫通孔3hの深さとは、貫通孔3hを画定する導光部材3の内側面の第3方向Zにおける長さである。第1凸部811及び第2凸部822の高さが、このような関係であることで、後述するように、第1凸部811及び第2凸部822が、接着層2に接触しにくくできる。
【0025】
第1部分81及び第2部分82は、後述するように、導光部材3の上面に対向させる部分である。図3Bは、挟持部材8の第1部分81及び第2部分82を、延伸部83と反対側の側方から見た模式図である。図3Bに示すように、第1部分81から第2部分82に向かう方向における、第1部分81の最大幅81wは、第1部分81から第2部分82に向かう方向における第1凸部811の最大幅811wよりも大きい。第1部分81から第2部分82に向かう方向における、第2部分82の最大幅82wは、第1部分81から第2部分82に向かう方向における第2凸部822の最大幅822wよりも大きい。第1部分81及び第2部分82の第1部分81から第2部分82に向かう方向における最大幅が、このような関係であることで、光源4を接着層2から分離するときに、第1部分81及び第2部分82を導光部材3の上面に接触させることができる。その結果、挟持部材8を安定させつつ、第1凸部811及び第2凸部822が、接着層2に接触しにくくできる。
【0026】
図3Aは、挟持部材8の第2部分82及び第2凸部822を第2部分82側の側方から見た模式図である。図3Aに示すように、第2部分82の下面82aは、曲面であることが好ましい。第2部分82の下面が、曲面であることで、第2部分82の下面が導光部材3に接触した場合に、導光部材3に接触した跡が残りにくくできる。同様に、第1部分81の下面81aも曲面であることが好ましい。
【0027】
第2部分82の下面82aが曲面である場合、第2部分82の下面82aが導光部材3に接触した際に、挟持部材8が回転しやすい。一方、第2凸部822の下面822aが曲面である場合においては、第2凸部22に角が存在しないので、挟持部材8が回転してしまったとしても、第2凸部822が、接着層2と接触しにくくできる。従って、図3Aに示すように、第2凸部822の下面822aは、曲面であることが好ましい。同様に、第1凸部811の下面811aも、曲面であることが好ましい。また、第2部分82の下面82aの曲率と、第2凸部822の下面822aの曲率は、同じであることが好ましい。同様に、第1部分81の下面81aの曲率と、第1凸部811の下面811aの曲率は、同じであることが好ましい。
【0028】
(3:第1凸部及び第2凸部を貫通孔内に配置する工程)
図4を参照し、第1凸部811及び第2凸部822を貫通孔3h内に配置する工程を説明する。中間体100及び挟持部材8を準備した後、挟持部材8を移動させ、挟持部材8の第1凸部811及び第2凸部822を導光部材3の貫通孔内3h内に配置する。このとき、第1凸部811及び第2凸部822との間に、光源4が位置するように、第1凸部811及び第2凸部822を貫通孔3h内に配置する。また、このとき、挟持部材8の第1部分81の下面81a及び第2部分82の下面82aを導光部材3の上面に対向させる。このように、第1部分81の下面81a及び第2部分82の下面82aを導光部材3の上面に対向させつつ、第1凸部811及び第2凸部822を貫通孔3h内に配置する。
【0029】
さらに、上述したように、第1凸部811の第1部分81の下面81aからの高さは、導光部材3の貫通孔3hの深さよりも小さい。また、第2凸部822の第2部分82の下面82aからの高さは、導光部材3の貫通孔3hの深さよりも小さい。第1凸部811及び第2凸部822の高さが、このような関係であることで、第1凸部811及び第2凸部822が、接着層2に接触しない。換言すると、第1凸部811及び第2凸部822が、接着層2と離隔する。その結果、光源4を分離する際に、接着層2に傷や剥がれなどが、発生しにくくできる。その結果、例えば、面状光源が所望の光学特性を得られなくなること、後述する導電部材5が意図しない領域に形成されてしまいショートの原因になること、などが発生しにくくなり、面状光源の信頼性を高くすることができる。
【0030】
さらに、図4において、第1部分81及び第2部分82を導光部材3の上面に接触させている。上述したように、第1部分81及び第2部分82を導光部材3の上面に接触させることで、光源4を挟持する際に挟持部材8の第3方向Zの位置を安定させることができる。
【0031】
(4:光源を接着層から分離する工程)
図5を参照し、光源4を接着層2から分離する工程を説明する。第1凸部811及び第2凸部822を貫通孔3h内に配置した後、第1凸部811部及び第2凸部822で光源4を挟持する。光源4の形状が、四角柱である場合、光源4の対向する2つの側面のうち一方が第1凸部811と接し、他方が第2凸部822と接する。第1凸部811と接する側の光源4の側面は、その面積の50%以上、好ましくは60%以上が第1凸部811と接する。同様に、第2凸部822と接する側の光源4の側面は、その面積の50%以上、好ましくは60%以上が第2凸部822と接する。光源4と第1凸部811及び第2凸部822の接触面積がこのような値になることで、光源4を安定して挟持することができる。
【0032】
第1凸部811部及び第2凸部822で光源4を挟持した状態で、挟持部材8を上方に移動させることで光源4を接着層2から分離する。挟持部材8の移動方向と、接着層2の上面との角度は、45°以上90°未満とすることが好ましい。挟持部材8の移動方向と、接着層2の上面との角度を45°以上90°未満とすることで、接着層2が、光源4とともに分離されにくくできる。
【0033】
(5:光源を配置する工程)
図6を参照し、光源4を配置する工程を説明する。光源4を接着層2から分離した後、光源4を接着層2上に配置する。配置する光源4は、接着層2から分離した光源を再利用してもよく、別途準備した光源を利用してもよい。本明細書では、接着層2から分離する前の光源と、接着層2から光源を分離した後に配置した光源を区別せず「光源4」と表記する。光源4の配置の際も、挟持部材8を用いることが好ましい。光源4の配置の際も、挟持部材8で光源4を挟持し、接着層2上に配置することで、接着層2に傷や剥がれなどが発生しにくくできる。この工程により、例えば、ずれた位置に配置されていた、光源4が正しい位置に配置される。
【0034】
(6:導電部材を形成する工程)
図7を参照し、導電部材5を形成する工程を説明する。光源4を接着層2上に配置した後、支持体1に導電部材5を形成する。導電部材5は、支持体1の下面上、孔部1h内、一対の電極45上、配線層11上に形成されることで、光源4と配線層11を電気的に接続する。導電部材5は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材5の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。例えば、印刷、ディスペンス等の方法で、ペースト状の導電部材5を孔部1hに供給した後、熱硬化させる。
【0035】
(7:貫通孔に第2透光性部材を配置する工程)
図8を参照し、第2透光性部材6を配置する工程を説明する。導電部材5を形成した後、貫通孔3hに、第2透光性部材6を配置する。第2透光性部材6は、光源4の側面と導光部材3との間、及び光源4の上に配置される。第2透光性部材6は、導光部材3及び光源4と接することが好ましい。このようにすることで、光源4からの光を導光部材3に導光させやすくなる。第2透光性部材6は、光源4が発する光に対する透光性を有する。光源4のピーク波長に対する第2透光性部材6の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。第2透光性部材6の材料として、例えば樹脂を用いることができる。例えば、第2透光性部材6の材料として導光部材3の材料と同じ樹脂、又は導光部材3の材料との屈折率差が小さい樹脂を用いることができる。
【0036】
(8:貫通孔の上方に光調整部材を配置する工程)
図9を参照し、光調整部材7を配置する工程を説明する。光調整部材7は、第2透光性部材6の上に配置される。光調整部材7は、第2透光性部材6を介して、光源4の上方に配置される。また、光調整部材7は、第2透光性部材6及び光源4に接していてもよい。
【0037】
光調整部材7は、光源4が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源4のピーク波長に対する光調整部材7の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光調整部材7は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、例えば、接着層2に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。光散乱粒子としては、例えば、接着層2に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。また、光調整部材7は、上述した透光性樹脂が、光散乱粒子を含まず多数の気泡を含んでいてもよい。また、光調整部材7は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0038】
光調整部材7の上面は、導光部材3の上面とともに面状光源の発光面(光出射面)として機能する。光調整部材7は、光源4が配置された貫通孔3hの上方へ向かう光の一部を反射させ、他の一部を透過させる。これにより、面状光源の発光面において、光源4の直上及び周辺の領域の輝度と、他の領域の輝度との差を小さくすることができる。これにより、面状光源の発光面における輝度むらを軽減することができる。
【0039】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【0040】
本発明の実施形態は、以下の面状光源の製造方法を含む。
[項1]
支持体と、前記支持体上に配置される接着層と、前記接着層上に配置され、前記接着層が露出する貫通孔が設けられた導光部材と、前記貫通孔において露出する前記接着層上に配置される光源と、を備える中間体を準備する工程と、
一対の挟持部を有する挟持部材であって、前記挟持部の一方は、第1部分と、前記第1部分の下面に設けられた第1凸部と、を備え、前記挟持部の他方は、第2部分と、前記第2部分の下面に設けられた第2凸部と、を備える挟持部材を準備する工程と、
前記第1部分の下面及び前記第2部分の下面を前記導光部材の上面に対向させ、前記第1凸部及び前記第2凸部を前記貫通孔内に配置する工程と、
前記第1凸部及び前記第2凸部で前記光源を挟持した状態で、前記挟持部材を上方に移動させることで前記光源を前記接着層から分離する工程と、を備え、
前記第1凸部の前記第1部分の下面からの高さは、前記貫通孔の深さよりも小さく、
前記第2凸部の前記第2部分の下面からの高さは、前記貫通孔の深さよりも小さい、面状光源の製造方法。
[項2]
第1部分の下面及び前記第2部分の下面は、曲面である上記項1に記載の面状光源の製造方法。
[項3]
前記第1凸部の下面及び前記第2凸部の下面は、曲面である上記項1または項2に記載の面状光源の製造方法。
[項4]
前記貫通孔内に配置する工程において、前記第1部分の下面及び前記第2部分の下面を、前記導光部材の上面に接触させる、上記項1~項3のいずれか1つに記載の面状光源の製造方法。
[項5]
前記接着層から分離する工程において、前記挟持部材の移動方向と、前記接着層の上面との角度が45°以上90°未満である、上記項1~項4のいずれか1つに記載の面状光源の製造方法。
【符号の説明】
【0041】
1…支持体、11…配線層、1h…孔部、2…接着層、21…第1層、22…第2層、23…第3層、3…導光部材、3h…貫通孔、3g…溝、4…光源、41…発光素子、42…第1透光性部材、43…被覆部材、44…光反射部材、45…電極、5…導電部材、6…第2透光性部材、7…光調整部材、8…挟持部材、80…挟持部、81…第1部分、811…第1凸部、82…第2部分、822…第2凸部、83…延伸部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9