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特開2024-79330情報提供装置、情報処理システム、情報提供方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079330
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報処理システム、情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240604BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240604BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192207
(22)【出願日】2022-11-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】千代 直貴
(72)【発明者】
【氏名】菊地 英敏
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸司
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L030BB21
5L030BB22
5L049BB08
5L049BB21
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】仮想空間を利用する利用者に、より適切な提案情報を提供すること。
【解決手段】利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得手段と、第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信手段と、を有することで上記課題を解決する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得手段と、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信手段と、
を有する情報提供装置。
【請求項2】
前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づき、前記提案情報を判定する判定手段、
を更に有する請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記行動履歴情報に基づき判定した前記利用者の嗜好を用いて、前記第2の仮想空間と対応付いた商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
請求項2記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間は商品を販売する仮想店舗であって、
前記判定手段は、前記第2の仮想空間で販売する前記商品の前記商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
請求項3記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記利用者の商品閲覧行動の前記行動履歴情報、及び前記利用者の商品購入行動の前記行動履歴情報の少なくとも一方に基づき、前記利用者の嗜好を判定する
請求項4記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記情報取得手段は、更に、前記第1の仮想空間において設定された前記利用者の属性情報を取得する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記利用者端末に表示する前記第2の仮想空間に、前記提案情報を表示する仮想空間制御手段、を更に有する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報には、前記第1の仮想空間に対応する現実空間における前記利用者の行動履歴情報が更に含まれる
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
情報提供装置と、利用者が操作する利用者端末とが通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報提供装置は、
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得手段と、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信手段と、
を有し、
前記利用者端末は、
前記第1の仮想空間、前記第2の仮想空間、及び前記提案情報を画面に表示する表示制御手段
を有する
情報提供システム。
【請求項10】
情報提供装置が実行する情報提供方法であって、
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得ステップと、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信ステップと、
を有する情報提供方法。
【請求項11】
前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づき、前記利用者に提案する提案情報を判定する判定ステップ、
を更に有する請求項10記載の情報提供方法。
【請求項12】
前記判定ステップは、前記行動履歴情報に基づき、前記利用者の嗜好を判定し、前記利用者の嗜好を用いて、前記第2の仮想空間と対応付いた商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
請求項11記載の情報提供方法。
【請求項13】
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間は商品を販売する仮想店舗であって、
前記判定ステップは、前記第2の仮想空間で販売する前記商品の前記商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
請求項12記載の情報提供方法。
【請求項14】
前記判定ステップは、前記利用者の商品閲覧行動の前記行動履歴情報、及び前記利用者の商品購入行動の前記行動履歴情報の少なくとも一方に基づき、前記利用者の嗜好を判定する
請求項13記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記情報取得ステップは、更に、前記第1の仮想空間において設定された前記利用者の属性情報を取得する
請求項10乃至14何れか一項に記載の情報提供方法。
【請求項16】
前記利用者端末に表示する前記第2の仮想空間に、前記提案情報を表示する仮想空間表示ステップ、を更に有する
請求項10乃至14の何れか一項に記載の情報提供方法。
【請求項17】
前記第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報には、前記第1の仮想空間に対応する現実空間における前記利用者の行動履歴情報が更に含まれる
請求項10乃至14の何れか一項に記載の情報提供方法。
【請求項18】
コンピュータに、
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得ステップ、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報処理システム、情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、個人が時間や場所を問わずにインターネットに接続することにより商品等を購入するいわゆるEC(Electronic Commerce)販売等が増加している。さらに、近年ではインターネット空間にある施設のストリートビューでの閲覧や当該施設で販売されている商品を購入することが可能となった(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなインターネット空間のECサイトや仮想空間における商品購入では、店舗間や施設全体での利用者ごとに異なる属性情報(例えば嗜好など)を踏まえた購入体験等の提供が十分にできていなかった。
【0004】
本開示は、仮想空間を利用する利用者に、より適切な提案情報を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得手段と、第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信手段と、を有する情報提供装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、仮想空間を利用する利用者に、より適切な提案情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るスマートフォンの一例のハードウェア構成図である。
図4】本実施形態に係る情報提供装置及び仮想空間表示装置の一例の機能構成図である。
図5】本実施形態に係る利用者端末の一例の機能構成図である。
図6】利用者情報の一例の構成図である。
図7】コーディネート履歴情報の一例の構成図である。
図8】行動履歴情報の一例の構成図である。
図9】関心度情報の一例の構成図である。
図10】商品情報の一例の構成図である。
図11】本実施形態に係る情報処理システムの登録処理の一例を示したフローチャートである。
図12】本実施形態に係る情報処理システムのサービス利用処理の一例を示したフローチャートである。
図13】店舗選択画面の一例のイメージ図である。
図14】利用者への提案情報を生成する処理の一例のフローチャートである。
図15】利用者の嗜好判定に利用する情報の一例の構成図である。
図16】店舗移動後に利用者端末に表示される仮想店舗又はリアル店舗で販売されている商品ごとのスコアの一例について説明する図である。
図17】利用者端末に表示される仮想店舗又はリアル店舗の画像の一例のイメージ図である。
図18】ブロックチェーンのデータ構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、販売する商品がアパレル系の例である。
【0010】
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1に示す情報処理システム1は、情報提供装置10、仮想空間表示装置11、利用者端末13、全天球映像記録装置16、店舗システム17、及び計測装置18を有し、ネットワーク19を介して通信を行う。ネットワーク19はインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、図1の点線で示した情報提供装置12は、情報提供装置10及び仮想空間表示装置11の機能を一つにまとめた装置の一例である。
【0011】
利用者端末13は、後述するような仮想空間を利用する利用者が操作する情報処理端末である。利用者端末13はPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0012】
仮想空間表示装置11は、仮想空間の表示に関する処理を実行する。仮想空間表示装置11は、後述の仮想店舗及びリアル店舗を利用者端末13に表示させる。なお、本実施形態において仮想店舗は、CG(Computer Graphics)技術によって生成された仮想空間に存在する店舗である。利用者は利用者端末13を操作し、例えばアバターで仮想店舗内を移動しながら仮想店舗内で商品を閲覧できる。
【0013】
また、本実施形態においてリアル店舗は、現実空間に存在する店舗(いわゆる実店舗とも呼ばれる)である。利用者は利用者端末13を操作し、リアル店舗内を撮影した映像(ライブ映像)でリアル店舗内を見学できる。リアル店舗内の撮影は、後述の全天球映像記録装置16、現実空間に存在する店舗の販売員が装着するウエアラブルカメラ、又は販売員が操作する情報処理端末の内蔵カメラなどで行うことができる。
【0014】
ウエアラブルカメラは、販売員が頭又は肩などに装着し、ハンズフリーで販売員が見ている方向の画像(目線画像)を撮影する。例えば利用者は、リアル店舗内を撮影した映像を見ることで、商品の実際の質感などを確認できる。
【0015】
全天球映像記録装置16は、現実空間に存在する店舗の内部の商品の売場等に設置される。全天球映像記録装置16は周囲の360度画像を撮影し、現実空間に存在する店舗の商品の売場等のライブ映像を配信可能である。全天球映像記録装置16は、一度の撮影で360°の全天球パノラマ画像を得るデジタルカメラなどを利用できる。全天球映像記録装置16は一例であって、例えば利用者端末13から撮影方向を左右方向に振るパン操作及び上下方向に振るチルト操作が可能な撮影装置であってもよい。また、全天球映像記録装置16は例えば複数台の撮影装置で構成され、各装置を用いて撮影された映像を連続的につなぎ合わせた店舗内の映像を配信可能な形態のものであってもよい。
【0016】
店舗システム17は、本実施形態に係る情報処理システム1を利用して商品を販売する店舗の店舗システムである。計測装置18は、利用者の身体形状をスキャンする装置である。計測装置18は、利用者の属性情報の一例である身体形状を計測する。また、計測装置18は、利用者端末13にインストール(ダウンロード)したアプリなどによって利用者を撮影した画像から測定した情報を受信する形態で実現してもよい。本実施形態に係る情報処理システム1は、商品の選択に必要になる利用者の属性情報の種類に応じて、計測装置18に替えて、又は計測装置18と共に、利用者の属性情報を入力するための装置を有していてもよい。また、後述する他の実施形態における家電量販店及び大型家具店の仮想店舗及びリアル店舗である場合は、利用者が撮影した画像から、三角測量の原理、360°の全天球パノラマ画像等の任意の手法を用いて、撮影画像内の対象物の計測情報を取得することができる。この場合の計測情報は、撮影画像内の対象物(つまり、商品が設置される場所)の大きさ(例えば、家具や家電品等の縦の長さと横の長さ等)であり、利用者の居住空間等に応じた商談や商品の購入を効率的に進めることが可能である。
【0017】
情報提供装置10は、仮想店舗及びリアル店舗における利用者の後述の行動履歴情報を取得する。また、情報提供装置10は、利用者端末13に仮想店舗又はリアル店舗を表示する利用者に提案する提案情報を、利用者の属性情報及び行動履歴情報に基づいて後述するように判定する。情報提供装置10により判定された提案情報は、利用者が操作する利用者端末13に表示される。
【0018】
情報提供装置10及び仮想空間表示装置11はPC又はワークステーション等である。情報提供装置10及び仮想空間表示装置11はサーバ装置、ASP(Application Service Provider)、又はクラウドコンピューティングにより実現してもよい。
【0019】
なお、仮想空間表示装置11は、商品の決済機能など、店舗が商品を販売するWebサイトに関する処理を行ってもよい。また、商品の決済機能は、店舗システム17が提供してもよい。
【0020】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、これまでに利用者端末13に表示した仮想店舗またはリアル店舗における利用者の行動履歴情報を、次回以降に表示する仮想店舗またはリアル店舗に引き継いで、その仮想店舗またはリアル店舗で販売する商品の中から提案商品(おすすめ商品)を判定する為に利用できる。
【0021】
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報提供装置10の機能の少なくとも一部は、仮想空間表示装置11に設けるようにしてもよい。また、仮想空間表示装置11の機能の少なくとも一部は、情報提供装置10に設けるようにしてもよい。さらに、情報提供装置10及び仮想空間表示装置11の一部は、利用者端末13に設けるようにしてもよい。
【0022】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の情報提供装置10、仮想空間表示装置11は、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、図1の利用者端末13は、PCである場合、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0023】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0025】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク19を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0026】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0027】
なお、図2に示したハードウェア構成は一例であり、図2に示した構成要素を全て含む必要はなく、または、図2に示した構成要素以外を含むものであってもよい。
【0028】
《スマートフォン》
利用者端末13は、例えば図3に示したハードウェア構成のスマートフォン700により実現される。ここでは、利用者端末13がスマートフォン700である例を説明する。図3は本実施形態に係るスマートフォンの一例のハードウェア構成図である。図3に示されているように、スマートフォン700は、CPU701、ROM702、RAM703、EEPROM704、CMOSセンサ705、撮像素子I/F706、加速度・方位センサ707、メディアI/F709、及びGPS受信部711を備えている。
【0029】
CPU701は、スマートフォン700全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701やIPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。EEPROM704は、CPU701の制御にしたがって、スマートフォン700用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。
【0030】
CMOSセンサ705は、CPU701の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサ705ではなく、CCDセンサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F706は、CMOSセンサ705の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ707は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。
【0031】
メディアI/F709は、フラッシュメモリ等の記録メディア708に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部711は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0032】
また、スマートフォン700は、遠距離通信回路712、CMOSセンサ713、撮像素子I/F714、マイク715、スピーカ716、音入出力I/F717、ディスプレイ718、外部機器接続I/F719、近距離通信回路720、近距離通信回路720のアンテナ720a、及びタッチパネル721を備えている。
【0033】
遠距離通信回路712は、ネットワーク19を介して他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ713は、CPU701の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F714は、CMOSセンサ713の駆動を制御する回路である。マイク715は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ716は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。
【0034】
音入出力I/F717は、CPU701の制御に従ってマイク715及びスピーカ716との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ718は被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示部の一種である。ディスプレイはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)であってもよい。外部機器接続I/F719は各種の外部機器を接続するインタフェースである。近距離通信回路720はNFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル721は、ユーザがディスプレイ718を押下することで、スマートフォン700を操作する入力部の一種である。
【0035】
また、スマートフォン700は、バスライン710を備えている。バスライン710は図3に示されているCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0036】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1の情報提供装置10及び仮想空間表示装置11は例えば図4に示すような機能構成により実現される。図4は本実施形態に係る情報提供装置及び仮想空間表示装置の一例の機能構成図である。なお、図4の機能構成図は本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。情報提供装置10及び仮想空間表示装置11は、OS及びアプリケーション等のプログラムを実行することにより、例えば図4の機能構成を実現する。
【0037】
図4の仮想空間表示装置11は、通信部70、仮想店舗情報登録受付部72、商品情報登録受付部74、利用者情報登録受付部76、仮想空間制御部78、認証部80、提案情報取得部82、及び記憶部84を有する。記憶部84は、仮想店舗情報記憶部90、商品情報記憶部92、利用者情報記憶部94、及び行動履歴情報記憶部96を有する。
【0038】
通信部70は情報提供装置10、利用者端末13、全天球映像記録装置16、店舗システム17、及び計測装置18と通信を行う。仮想店舗情報登録受付部72は仮想店舗及びリアル店舗を利用者端末13に表示させる為に必要な仮想店舗情報の登録を受け付け、記憶部84の仮想店舗情報記憶部90に記憶させる。仮想店舗情報記憶部90は仮想店舗情報を記憶する。
【0039】
商品情報登録受付部74は仮想店舗及びリアル店舗で販売する商品の商品情報の登録を受け付け、記憶部84の商品情報記憶部92に記憶させる。商品情報記憶部92は商品情報を記憶する。利用者情報登録受付部76は仮想店舗及びリアル店舗を利用する利用者の利用者情報の登録を受け付け、記憶部84の利用者情報記憶部94に記憶させる。利用者情報記憶部94は利用者情報を記憶する。
【0040】
仮想空間制御部78は、利用者端末13に対する利用者の操作に従い、仮想店舗及びリアル店舗を利用者端末13に表示させる。また、仮想空間制御部78は利用者端末13に表示させた仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動を、行動履歴情報として記憶部84の行動履歴情報記憶部96に記憶させる。行動履歴情報記憶部96は行動履歴情報を記憶する。認証部80は、利用者端末13を操作する利用者の認証を行う。提案情報取得部82は、記憶部84に記憶されている商品情報、利用者情報、及び行動履歴情報を情報提供装置10に提供し、情報提供装置10から提案商品などの提案情報を取得する。
【0041】
仮想空間制御部78は、これまでに利用者端末13に表示した仮想店舗及びリアル店舗における利用者の行動履歴情報に基づいた提案情報を、仮想店舗及びリアル店舗を表示する利用者端末13に表示させる。
【0042】
また、図4の情報提供装置10は、通信部20、情報取得部22、判定部24、提案情報生成部26、及び記憶部28を有する。通信部20は、送信部30及び受信部32を有する。記憶部28は、利用者情報記憶部50、コーディネート履歴情報記憶部52、行動履歴情報記憶部54、関心度情報記憶部56、商品情報記憶部58を有する。
【0043】
通信部20は仮想空間表示装置11と通信を行う。通信部20の送信部30は各種情報を仮想空間表示装置11に送信する。受信部32は各種情報を仮想空間表示装置11から受信する。
【0044】
情報取得部22は、仮想空間表示装置11から商品情報、利用者情報、及び行動履歴情報を取得する。判定部24は、利用者情報及び行動履歴情報に基づき、後述のように利用者の嗜好を判定する。また、判定部24は利用者の嗜好を用いて、利用者に提案する提案商品などの提案情報を判定する。提案情報生成部26は仮想空間表示装置11に送信する提案商品などの提案情報を生成する。
【0045】
記憶部28の利用者情報記憶部50は、仮想空間表示装置11から取得した利用者情報を記憶する。コーディネート履歴情報記憶部52は、仮想空間表示装置11から取得した利用者のコーディネート履歴情報を記憶する。コーディネート履歴情報は、仮想空間において利用者が行ったコーディネートの履歴情報である。行動履歴情報記憶部54は、仮想空間表示装置11から取得した行動履歴情報を記憶する。
【0046】
関心度情報記憶部56は、利用者の行動履歴情報から利用者の嗜好及び提案情報を判定する為に利用する関心度情報を記憶する。関心度情報は、例えば行動履歴ごとにスコアを付ける為に利用される。商品情報記憶部58は、仮想空間表示装置11から取得した商品情報を記憶する。
【0047】
なお、図4の機能構成は一例であって、情報提供装置10の機能の一部を仮想空間表示装置11に設けるようにしてもよいし、仮想空間表示装置11の機能の一部を情報提供装置10に設けるようにしてもよい。また、情報提供装置10の機能及び仮想空間表示装置11の機能を一体化した情報提供装置12であってもよい。さらに、図4の情報提供装置10及び仮想空間表示装置11の区分は一例であって、3つ以上の装置に区分して実現するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態に係る情報処理システム1の利用者端末13は、例えば図5に示すような機能構成により実現される。図5は本実施形態に係る利用者端末の一例の機能構成図である。なお、図5の機能構成図は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。利用者端末13は、OS及びアプリケーション等のプログラムを実行することにより、例えば図5の機能構成を実現する。
【0049】
図5の利用者端末13は、通信部100、操作受付部102、及び表示制御部104を有する。通信部100は仮想空間表示装置11、及び店舗システム17と通信を行う。操作受付部102は、利用者からの操作を受け付ける。表示制御部104は、仮想空間表示装置11から受信した各種のデータに基づき、仮想店舗及びリアル店舗の映像をディスプレイ506又は718に表示させる。なお、図5の機能構成は一例である。
【0050】
<データ構成>
図6は利用者情報の一例の構成図である。図6の利用者情報は、ユーザID(利用者の識別情報)、メールアドレス、姓、名、性別、年齢、住所、電話番号、身体形状、デザイン好み、色好み、及びサイズ好みを項目として有している。デザイン好み、色好み、及びサイズ好みの項目は利用者の嗜好の一例である。また、性別、年齢、身体形状、デザイン好み、色好み、及びサイズ好みの項目は、利用者の属性情報の一例である。身体形状の項目は、例えば計測装置18が計測した利用者の身体形状を表すデータであってもよいし、利用者が入力した身体形状を表すデータであってもよい。
【0051】
なお、図6の利用者情報のデザイン好み、色好み、及びサイズ好みの項目は、初期設定を利用者に行わせ、後に、判定部24の判定結果である利用者の嗜好に従って更新するようにしてもよい。
【0052】
図7はコーディネート履歴情報の一例の構成図である。図7のコーディネート履歴情報は、ユーザID、更新日時、最新、ヘアアクセサリ、ピアス、ネックレス、トップス、ボトムス、及びシューズを項目として有している。更新日時の項目は、そのコーディネートを利用者が仮想空間において行った日時情報が設定される。最新の項目は、そのコーディネートが最新のコーディネートであるか否かを示し、最新の場合に「TRUE」が設定され、最新でない場合に「FALSE」が設定される。
【0053】
また、ヘアアクセサリ、ピアス、ネックレス、トップス、ボトムス、及びシューズの項目は、仮想空間において利用者が行ったコーディネートを記録した情報であって、商品の商品ID(識別情報)が設定される。例えばコーディネート履歴情報は、仮想店舗において利用者がアバターに試着させたコーディネートが設定される。
【0054】
図8は行動履歴情報の一例の構成図である。図8の行動履歴情報は、行動履歴ID(識別情報)、時刻、ユーザID、行動種別、行動時店舗、商品ID、行動先、及び滞在時間(分)を項目として有している。時刻の項目は、その行動を利用者が行った日時情報が設定される。行動種別の項目は、その行動の種別を表した情報であって、店舗移動、商品閲覧、リアル店舗へ移動、商品購入、仮想店舗へ移動などが設定される。例えば行動種別の「リアル店舗へ移動」は利用者端末13に表示する映像を仮想店舗からリアル店舗に切り替える行動である。行動種別の「仮想店舗へ移動」は利用者端末13に表示する映像をリアル店舗から仮想店舗に切り替える行動である。
【0055】
行動種別の「商品閲覧」は、仮想店舗又はリアル店舗で利用者が商品を閲覧する行動である。行動種別の「商品購入」は、仮想店舗又はリアル店舗で利用者が商品を購入する行動である。行動時店舗の項目は、その行動が行われた仮想店舗又はリアル店舗の識別情報である。
【0056】
行動種別が「商品閲覧」又は「商品購入」の場合、商品IDの項目には利用者が仮想店舗又はリアル店舗で閲覧又は購入した商品の識別情報が設定される。行動種別が「店舗移動」「リアル店舗へ移動」又は「仮想店舗へ移動」の場合、行動先の項目には、移動先の仮想店舗又はリアル店舗の識別情報が設定される。滞在時間(分)の項目は、利用者が利用者端末13にリアル店舗又は仮想店舗を映していた時間(リアル店舗又は仮想店舗に利用者が利用者端末13を介して滞在していた時間)である。
【0057】
図9は関心度情報の一例の構成図である。図9の関心度情報は、行動、詳細、ランク、及び加算スコアを項目として有している。行動の項目は、図8の行動履歴情報の行動種別又は滞在時間(分)の項目が設定される。詳細の項目は、行動の項目を補足する情報の一例である。ランクの項目は、利用者の関心度をスコア化する為の利用者の行動の重要度が設定される。加算スコアの項目は、利用者の関心度をスコア化する為、利用者の行動に対して加算するスコア(得点)が設定される。なお、利用者の関心度のスコア化は、ランクの項目(図9では利用者の行動の重要度が高い順にS~Dにランク分けした一例が示されている)、または加算スコアの項目(図9では利用者の行動の重要度が高い順に加算スコアが設定される一例が示されている)の少なくとも一方を用いて行う一例を示しているが、これらに限るものではない(例えば、高い・中・低いなどでランク化してもよい)。
【0058】
図10は商品情報の一例の構成図である。図10の商品情報は、商品ID、発売開始、発売終了、商品分類、登録企業ID(識別情報)、ブランド、トレンド、デザイン種別、色、サイズ、3Dデータ配置場所を項目として有している。トレンドの項目は、その商品がトレンドであるか否かを示し、トレンドである場合に「TRUE」が設定され、最新でない場合に「FALSE」が設定される。
【0059】
デザイン種別、色、及びサイズの項目は、利用者の嗜好を判定する為に利用する情報の一例である。したがって、利用者の嗜好を判定する為に利用する項目は、商品によって異なる。図10のデザイン種別、色、及びサイズの項目は一例である。デザイン種別の項目は、商品のデザインを分類する情報であり、きれい系、カジュアル、及びアウトドア系などが設定される。色の項目は、商品の色が設定される。サイズの項目は、商品のサイズが設定される。また、3Dデータ配置場所の項目は仮想空間において商品を表示する為に利用する3Dデータが配置されている場所が設定される。
【0060】
<処理>
本実施形態に係る情報処理システム1の処理手順について説明する。図11は本実施形態に係る情報処理システムの登録処理の一例を示したフローチャートである。なお、図11のフローチャートの処理の順番は一例であって、処理の順番を入れ替えてもよい。
【0061】
ステップS10において、仮想空間表示装置11の商品情報登録受付部74は、仮想店舗及びリアル店舗で販売する商品の商品情報の登録を受け付け、記憶部84の商品情報記憶部92に例えば図10の商品情報を記憶させる。
【0062】
ステップS12において、仮想空間表示装置11の仮想店舗情報登録受付部72は仮想店舗及びリアル店舗を利用者端末13に表示させる為に必要な仮想店舗情報の登録を受け付け、記憶部84の仮想店舗情報記憶部90に記憶させる。仮想店舗情報には、仮想店舗を利用者端末13に表示させる為に必要な3Dデータ等の各種データ、リアル店舗を利用者端末13に表示させる為に必要なリアル店舗の全天球映像記録装置16のアクセス先のURL(Uniform Resource Locator)などの各種データが含まれる。
【0063】
ステップS14において、仮想空間表示装置11の利用者情報登録受付部76は仮想店舗及びリアル店舗を利用する利用者の利用者情報の登録を受け付け、記憶部84の利用者情報記憶部94に例えば図6の利用者情報を記憶させる。なお、利用者情報登録受付部76はステップS14において、例えば計測装置18が計測した利用者の身体形状を表すデータを受信してもよい。
【0064】
利用者端末13を操作する利用者は、例えば図12に示す手順で本実施形態に係る情報処理システム1が提供するサービスを利用する。図12は本実施形態に係る情報処理システムのサービス利用処理の一例を示したフローチャートである。
【0065】
ステップS30において、仮想空間表示装置11の認証部80は利用者端末13からログイン操作を受け付ける。ステップS32において、認証部80は利用者端末13を操作する利用者の認証を行う。認証に成功しなければ、仮想空間表示装置11はステップS34以降の処理を行わない。認証に成功すると、仮想空間表示装置11はステップS34以降の処理を行う。
【0066】
ステップS34において、仮想空間表示装置11の仮想空間制御部78は記憶部84の仮想店舗情報記憶部90に記憶されている仮想店舗情報を利用して、利用者が操作する利用者端末13に仮想店舗を表示させる。例えば仮想空間制御部78はデフォルトの仮想店舗が設定されている場合、デフォルトの仮想店舗を自動的に表示してもよい。また、例えば仮想空間制御部78はデフォルトの仮想店舗が設定されていない場合、ログイン後に表示する仮想店舗を例えば図13に示す店舗選択画面1000から選択させてもよい。図13は店舗選択画面の一例のイメージ図である。
【0067】
仮想空間制御部78は、利用者端末13に対する利用者の操作に従い、仮想店舗及びリアル店舗を利用者端末13に表示させる。利用者は利用者端末13を操作し、表示された仮想空間において、店舗移動、商品閲覧、リアル店舗へ移動、商品購入、仮想店舗へ移動などの行動を行う。
【0068】
ステップS36において、仮想空間制御部78は利用者端末13に表示させた仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動を、例えば図8の行動履歴情報のように行動履歴情報記憶部96に記憶させる。したがって、図8の行動履歴情報には、利用者端末13に表示された仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動履歴が蓄積されていく。
【0069】
ステップS38において、仮想空間制御部78は利用者端末13に表示させた仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動が店舗移動ありか無しかを判定する。例えば図8の行動履歴情報では、行動種別「店舗移動」「リアル店舗へ移動」又は「仮想店舗へ移動」である場合に、仮想空間制御部78が店舗移動ありと判定する。
【0070】
なお、店舗移動前に利用者端末13に表示されていた仮想店舗又はリアル店舗は、第1の仮想空間の一例である。また、店舗移動後に利用者端末13に表示される仮想店舗又はリアル店舗は、第2の仮想空間の一例である。
【0071】
ステップS38において、仮想空間制御部78は利用者端末13に表示させた仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動が店舗移動無しであると判定すると、ステップS44の処理に進む。仮想空間制御部78は利用者端末13に表示させた仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動が店舗移動有りであると判定すると、ステップS40の処理に進む。ステップS40において、提案情報取得部82は記憶部84に記憶されている商品情報、利用者情報、及び行動履歴情報を情報提供装置10に提供し、利用者端末13を操作する利用者への提案情報(例えば提案商品)を要求する。情報提供装置10の受信部32は、仮想空間表示装置11から商品情報、利用者情報、及び行動履歴情報を受信し、仮想空間表示装置11から提案情報の要求を受け付ける。
【0072】
仮想空間表示装置11から提案情報の要求を受け付けた情報提供装置10は、例えば図14に示す手順で、利用者端末13を操作する利用者への提案情報を生成する。
【0073】
図14は利用者への提案情報を生成する処理の一例のフローチャートである。ステップS50において、情報提供装置10の情報取得部22は仮想空間表示装置11から受信した商品情報、利用者情報、及び行動履歴情報を取得する。
【0074】
ステップS52において、情報提供装置10の判定部24は利用者端末13を操作する利用者の嗜好を以下のように判定する。判定部24は、行動履歴情報の項目に、商品情報のデザイン種別及び色の項目と、関心度情報の加算スコアの項目とを対応付けた図15に示した情報を利用する。
【0075】
図15は利用者の嗜好判定に利用する情報の一例の構成図である。図15の情報のデザイン種別及び色の項目は、行動履歴情報の商品IDの項目に基づいて図10の商品情報から読み出した、利用者が閲覧又は購入した商品のデザイン種別及び色である。例えば図15の行動履歴ID「00002」の行動履歴情報であれば、図10の商品情報から商品ID「U_AAA_M」のデザイン種別「きれい系」及び色「青」が読み出され、行動履歴情報と対応付けられる。
【0076】
また、図15の情報の加算スコアの項目は、行動履歴情報の行動種別の項目に基づいて図9の関心度情報から読み出した、加算スコアである。例えば図15の行動履歴ID「00002」の行動履歴情報であれば、図9の関心度情報から行動種別「商品閲覧」の加算スコア「1.5」が読み出され、行動履歴情報と対応付けられる。
【0077】
判定部24は、図15の情報のデザイン種別の項目に設定された情報を参照し、同一のデザイン種別ごとに加算スコアを算出する。例えば図15の情報であれば、デザイン種別が「きれい系」の加算スコアを「1.5+5.0=6.5」と算出する。また、デザイン種別が「カジュアル系」の加算スコアを「1.5」と算出する。したがって、図15の情報であれば、加算スコアが一番高い「きれい系」が利用者の嗜好する「デザイン好み」であると判定される。
【0078】
また、判定部24は図15の情報のデザイン種別の項目に設定された情報を参照し、同一の色ごとに加算スコアを算出する。例えば図15の情報であれば、色が「青」の加算スコアを「1.5+5.0=6.5」と算出する。色が「赤」の加算スコアを「1.5」と算出する。したがって、図15の情報であれば、加算スコアが一番高い「青」が利用者の嗜好する「色好み」であると判定される。判定された利用者の「デザイン好み」及び「色好み」は、例えば図6の利用者情報のデザイン好み及び色好みの項目の設定又は更新に利用される。
【0079】
図14のステップS54に戻り、判定部24はステップS52で判定した利用者の嗜好を用いて、利用者に提案する提案商品を判定する。例えば判定部24は図6の利用者情報のデザイン好み及び色好みの項目を用いて、店舗移動後に利用者端末13に表示される仮想店舗又はリアル店舗で販売されている商品ごとにスコアを計算する。
【0080】
図16は店舗移動後に利用者端末に表示される仮想店舗又はリアル店舗で販売されている商品ごとのスコアの一例について説明する図である。例えば図16では、デザイン種別が利用者情報のデザイン好みと合致する場合に「+5スコア」とし、色が利用者情報の色後のみと合致する場合に「+5スコア」とし、商品がトレンドの場合に「+3スコア」とし、1ヶ月以内に同じ商品分類の購入がない場合に「+2スコア」としている。
【0081】
判定部24は、計算したスコアを用いて、提案商品を判定する。例えば図16ではスコアが「10」を超え、且つスコアが最も高い商品ID「T_GGG_M」の商品を提案商品と判定する。
【0082】
なお、ステップS54における商品ごとのスコアの計算は、仮想店舗及びリアル店舗ごとにカスタマイズ可能としてもよい。例えば商品ごとのスコアの計算は、1ヶ月以内の購入済み商品と相性の良い商品がある場合に「+10スコア」とし、商品閲覧の時間が10秒より長い商品である場合に「+5スコア」とし、同一の商品分類の購入価格帯が同じでない場合に「-5スコア」とし、在庫の多い商品である場合に「+5スコア」とし、販売終了まで残り1ヶ月以内である商品である場合に「+5スコア」とし、セール対象の商品である場合に「+10スコア」としてもよい。
【0083】
さらに、ステップS54における商品ごとのスコアの計算は、利用者の嗜好と異なる商品を敢えて提案商品として判定することで、イメチェン提案を可能としてもよい。例えば商品ごとのスコアの計算は、利用者の嗜好から離れており、且つトレンドの商品である場合のスコアを高く設定し、利用者の嗜好から離れており、且つ嗜好が同じ他の利用者の購入の多い商品である場合にスコアを高く設定してもよい。ステップS54の提案商品の判定で利用するスコアは、利用者の期待する商品が提案商品となるように、利用者が選択又は設定できてもよい。
【0084】
図14のステップS56に戻り、提案情報生成部26は仮想空間表示装置11に送信する提案商品情報を生成する。情報提供装置10の送信部30は、仮想空間表示装置11に提案商品情報を送信する。
【0085】
図12のステップS42に戻り、仮想空間表示装置11の通信部70は情報提供装置10から提案商品情報を受信する。仮想空間表示装置11の提案情報取得部82は情報提供装置10から受信した提案商品情報を取得する。仮想空間表示装置11の仮想空間制御部78は、情報提供装置10から受信した提案商品情報を用いて、例えば図17に示すような仮想店舗又はリアル店舗の画像を利用者端末13に表示させる。
【0086】
図17は利用者端末に表示される仮想店舗又はリアル店舗の画像の一例のイメージ図である。図17(A)は、仮想店舗の画像1010に提案商品の画像を含む提案情報1020が表示されたイメージである。図17(B)は、リアル店舗のライブ映像1012に提案商品の画像を含む提案情報1020が表示されたイメージである。
【0087】
なお、提案情報1020の位置は一例である。また、提案情報1020の位置は利用者の目線情報に基づき、利用者の目線を避ける位置に表示するようにしてもよい。仮想店舗の画像1010又はリアル店舗のライブ映像1012において、提案商品の画像を色の変化や点滅などの視覚的に変化により提案商品を利用者に認識させてもよい。
【0088】
図8の行動履歴情報はブロックチェーン技術を利用して記憶し、管理してもよい。行動履歴情報は、例えば複数のコンピュータにより、ブロックチェーンの分散台帳として管理することができる。情報提供装置10の情報取得部22は、ブロックチェーンで記録された行動履歴情報を取得できる。例えば本実施形態に係る情報処理システム1では、商品のブランドごと(店舗ごとにでも可能)に行動履歴情報をブロックチェーンの分散台帳として管理してもよい。
【0089】
図18はブロックチェーンのデータ構造を説明するための図である。利用者の行動履歴情報は、図18に示すような複数のブロックがチェーン状に接続されたブロックチェーンにより管理される。各ブロックは、仮想店舗又はリアル店舗における利用者の行動履歴情報であるトランザクションデータと、直前のブロックのハッシュ値とを含む。
【0090】
図18のように、ブロックチェーンでは直前のブロックのハッシュ値を含んだ複数のブロックがチェーン状に接続されることにより、各ブロックのトランザクションデータの改ざんが困難となっている。本実施形態の情報処理システム1は、ブロックチェーンで行動履歴情報を管理することで、行動履歴情報の正当性を担保できる。
【0091】
例えば本実施形態の情報処理システム1では、情報提供装置10、仮想空間表示装置11、及び店舗システム17により、行動履歴情報をブロックチェーンの分散台帳として管理することで、行動履歴情報の信頼性を担保できる。
【0092】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、仮想店舗及びリアル店舗などの仮想空間を移動しながら利用する利用者に、仮想空間での利用者の行動履歴情報を引き継いで、より適切な提案情報を利用者に提供できる。
【0093】
[他の実施形態]
第1の実施形態では、販売する商品がアパレル系の例を説明したが、アパレル系の商品に限定するものではない。また、第1の実施形態では情報処理システム1において利用者が同じ業種の仮想店舗及びリアル店舗間を移動する例を説明したが、異なる業種の仮想店舗及びリアル店舗間を移動する場合にも適用が可能である。
【0094】
例えば本実施形態に係る情報処理システム1において、家電量販店及び大型家具店の仮想店舗及びリアル店舗間を利用者が移動する場合は、図6の利用者情報の利用者の嗜好を示す項目が変更される。例えば図6の利用者情報の場合、デザイン好み、色好み、及びサイズ好みの項目は、家電量販店及び大型家具店で販売する商品に合った項目となる。
【0095】
また、例えば本実施形態に係る情報処理システム1において、家電量販店及び大型家具店の仮想店舗及びリアル店舗間を利用者が移動する場合は、図10の商品情報の利用者の嗜好を判定する為に利用する項目が変更される。例えば図10の商品情報の場合、デザイン種別、色、及びサイズの項目は、家電量販店及び大型家具店で販売する商品に合った項目となる。
【0096】
また、第1の実施形態では、店舗移動前に利用者端末13に表示されていた仮想店舗及びリアル店舗を第1の仮想空間の一例として説明したが、商品を販売しない例えば利用者情報を設定させる仮想空間又は利用者がアバターを設定する仮想空間などが含まれていてもよい。さらに、仮想店舗及びリアル店舗は仮想空間上に構築したショッピングモール単位で管理されてもよいし、何らかのグループ単位で管理されてもよい。
【0097】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0098】
実施例に記載された装置群は本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。本実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及び、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0099】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得手段と、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信手段と、
を有する情報提供装置。
<2>
前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づき、前記提案情報を判定する判定手段、
を更に有する前記<1>記載の情報提供装置。
<3>
前記判定手段は、前記行動履歴情報に基づき判定した前記利用者の嗜好を用いて、前記第2の仮想空間と対応付いた商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
前記<2>記載の情報提供装置。
<4>
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間は商品を販売する仮想店舗であって、
前記判定手段は、前記第2の仮想空間で販売する前記商品の前記商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
前記<3>記載の情報提供装置。
<5>
前記判定手段は、前記利用者の商品閲覧行動の前記行動履歴情報、及び前記利用者の商品購入行動の前記行動履歴情報の少なくとも一方に基づき、前記利用者の嗜好を判定する
前記<4>記載の情報提供装置。
<6>
前記情報取得手段は、更に、前記第1の仮想空間において設定された前記利用者の属性情報を取得する
前記<1>乃至<5>の何れか一項に記載の情報提供装置。
<7>
前記利用者端末に表示する前記第2の仮想空間に、前記提案情報を表示する仮想空間制御手段、を更に有する
前記<1>乃至<6>の何れか一項に記載の情報提供装置。
<8>
前記第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報には、前記第1の仮想空間に対応する現実空間における前記利用者の行動履歴情報が更に含まれる
前記<1>乃至<7>の何れか一項に記載の情報提供装置。
<9>
情報提供装置と、利用者が操作する利用者端末とが通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報提供装置は、
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得手段と、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信手段と、
を有し、
前記利用者端末は、
前記第1の仮想空間、前記第2の仮想空間、及び前記提案情報を画面に表示する表示制御手段
を有する
情報提供システム。
<10>
情報提供装置が実行する情報提供方法であって、
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得ステップと、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信ステップと、
を有する情報提供方法。
<11>
前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づき、前記利用者に提案する提案情報を判定する判定ステップ、
を更に有する前記<10>記載の情報提供方法。
<12>
前記判定ステップは、前記行動履歴情報に基づき、前記利用者の嗜好を判定し、前記利用者の嗜好を用いて、前記第2の仮想空間と対応付いた商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
前記<11>記載の情報提供方法。
<13>
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間は商品を販売する仮想店舗であって、
前記判定ステップは、前記第2の仮想空間で販売する前記商品の前記商品情報の中から前記利用者に提案する前記提案情報を判定する
前記<12>記載の情報提供方法。
<14>
前記判定ステップは、前記利用者の商品閲覧行動の前記行動履歴情報、及び前記利用者の商品購入行動の前記行動履歴情報の少なくとも一方に基づき、前記利用者の嗜好を判定する
前記<13>記載の情報提供方法。
<15>
前記情報取得ステップは、更に、前記第1の仮想空間において設定された前記利用者の属性情報を取得する
前記<10>乃至<14>何れか一項に記載の情報提供方法。
<16>
前記利用者端末に表示する前記第2の仮想空間に、前記提案情報を表示する仮想空間表示ステップ、を更に有する
前記<10>乃至<15>の何れか一項に記載の情報提供方法。
<17>
前記第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報には、前記第1の仮想空間に対応する現実空間における前記利用者の行動履歴情報が更に含まれる
前記<10>乃至<16>の何れか一項に記載の情報提供方法。
<18>
コンピュータに、
利用者が操作する利用者端末に表示された第1の仮想空間における前記利用者の行動履歴情報を取得する情報取得ステップ、
第2の仮想空間を表示する前記利用者に提案する提案情報として、前記利用者の属性情報に対応する前記行動履歴情報に基づいた提案情報を送信する送信ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理システム
10、12 情報提供装置
11 仮想空間表示装置
13 利用者端末
16 全天球映像記録装置
17 店舗システム
18 計測装置
19 ネットワーク
20 通信部
22 情報取得部
24 判定部
26 提案情報生成部
30 送信部
50 利用者情報記憶部
52 コーディネート履歴情報記憶部
54 行動履歴情報記憶部
56 関心度情報記憶部
58 商品情報記憶部
78 仮想空間制御部
82 提案情報取得部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特許第6293341号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18