(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079332
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報処理システム、情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192209
(22)【出願日】2022-11-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸司
(72)【発明者】
【氏名】菊地 英敏
(72)【発明者】
【氏名】千代 直貴
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】仮想空間を利用する第1の利用者への応対に、より適した第2の利用者を判定すること。
【解決手段】第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、第2の仮想空間での第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置であって、第1の仮想空間及び第2の仮想空間における第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得手段と、第1の仮想空間及び第2の仮想空間における第1の利用者の行動に関する情報と第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、第1の利用者に応対する第2の利用者を判定する判定手段と、を有することで上記課題を解決する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置であって、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定手段と、
を有する情報提供装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報を用いて、前記第1の利用者への応対が可能な少なくとも一人の前記第2の利用者を特定し、更に、前記少なくとも一人の前記第2の利用者から、前記第1の利用者の行動に関する情報に基づき、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する
請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記第1の利用者の行動に関する情報は、前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動履歴情報及び商談情報を含み、
前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報は、前記第1の利用者端末に映像で表示される現実空間に存在する店舗に関する情報を含む
請求項1又は2記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記現実空間に存在する店舗に関する情報は、前記店舗の在庫情報、前記店舗の混雑状況情報、前記店舗の前記第2の利用者の連絡可否情報、及び前記店舗の前記第2の利用者のスキル情報の少なくとも一つを含む
請求項3記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記現実空間に存在する複数の店舗のうち、前記第1の利用者の登録住所により近い前記店舗の前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
請求項4記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記商談情報を用いて、前記第1の利用者との相性がより良い前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
請求項4記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段に、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者の情報を送信する送信手段を更に有する
請求項1又は2記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する前記第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段を更に有する
請求項7記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記第2の利用者が応対する前記第1の利用者の行動に関する情報を第2の利用者端末に表示させる仮想空間制御手段を更に有する
請求項1又は2記載の情報提供装置。
【請求項10】
第1の利用者が操作する第1の利用者端末と、第2の利用者が操作する第2の利用者端末と、前記第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者の情報を提供する情報提供装置と、が通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報提供装置は、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定手段と、
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する前記第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項11】
第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置の情報提供方法であって、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定ステップと、
を有する情報提供方法。
【請求項12】
前記判定ステップは、前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報を用いて、前記第1の利用者への応対が可能な少なくとも一人の前記第2の利用者を特定し、更に、前記少なくとも一人の前記第2の利用者から、前記第1の利用者の行動に関する情報に基づき、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する
請求項11記載の情報提供方法。
【請求項13】
前記第1の利用者の行動に関する情報は、前記第1の仮想空間における前記第1の利用者の行動履歴情報及び商談情報を含み、
前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報は、前記第1の利用者端末に映像で表示される現実空間に存在する店舗に関する情報を含む
請求項11又は12記載の情報提供方法。
【請求項14】
前記現実空間に存在する店舗に関する情報は、前記店舗の在庫情報、前記店舗の混雑状況情報、前記店舗の前記第2の利用者の連絡可否情報、及び前記店舗の前記第2の利用者のスキル情報の少なくとも一つを含む
請求項13記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記判定ステップは、前記現実空間に存在する複数の店舗のうち、前記第1の利用者の登録住所により近い前記店舗の前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
請求項14記載の情報提供方法。
【請求項16】
前記判定ステップは、前記商談情報を用いて、前記第1の利用者との相性がより良い前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
請求項14記載の情報提供方法。
【請求項17】
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段に、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者の情報を送信する送信ステップを更に有する
請求項11又は12記載の情報提供方法。
【請求項18】
前記接続制御手段が、前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する前記第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御ステップを更に有する
請求項17記載の情報提供方法。
【請求項19】
前記第2の利用者が応対する前記第1の利用者の行動に関する情報を第2の利用者端末に表示させる仮想空間制御ステップを更に有する
請求項11又は12記載の情報提供方法。
【請求項20】
第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置に、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得ステップ、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報処理システム、情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、個人が時間や場所を問わずにインターネットに接続することにより商品等を購入するいわゆるEC(Electronic Commerce)販売等が増加している。さらに、近年ではインターネット空間にある施設のストリートビューでの閲覧や当該施設で販売されている商品を購入することが可能となった(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、インターネット空間のECサイトや仮想空間における商品購入が可能となったとしても、利用者は店舗スタッフなどと相談しながら商品の質感や大きさなどを確認し、商品購入を行いたい場合がある。このような場合を踏まえた購入体験等の提供は、インターネット空間のECサイトや仮想空間における商品購入において十分にできていなかった。
【0004】
本開示は、仮想空間を利用する第1の利用者への応対に、より適した第2の利用者を判定すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置であって、前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得手段と、前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、仮想空間を利用する第1の利用者への応対に、より適した第2の利用者を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係るスマートフォンの一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報提供装置及び仮想空間表示装置の一例の機能構成図である。
【
図5】本実施形態に係る第1の利用者端末の一例の機能構成図である。
【
図6】本実施形態に係る第2の利用者端末の一例の機能構成図である。
【
図11】本実施形態に係る情報処理システムの登録処理の一例を示したフローチャートである。
【
図12】本実施形態に係る情報処理システムのサービス利用処理の一例を示したフローチャートである。
【
図13】商品購入処理の一例を示したフローチャートである。
【
図14】購入方法選択画面の一例のイメージ図である。
【
図15】第2の利用者端末に表示される画面イメージである。
【
図16】リアル店舗における店舗スタッフ等の撮影について説明する一例の図である。
【
図17】応対する店舗スタッフ等の判定処理の一例のフローチャートである。
【
図18】行動履歴情報及び商談情報を利用した絞り込み処理の一例のフローチャートである。
【
図19】ブロックチェーンのデータ構造を説明するための図である。
【
図20】第1の利用者端末に表示される仮想店舗の画像の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、販売する商品がアパレル系の例である。
【0010】
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1に示す情報処理システム1は、情報提供装置10、仮想空間表示装置11、第1の利用者端末13、第2の利用者端末14、全天球映像記録装置16、店舗システム17、及び計測装置18を有し、ネットワーク19を介して通信を行う。ネットワーク19はインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、
図1の点線で示した情報提供装置12は、情報提供装置10及び仮想空間表示装置11の機能を一つにまとめた装置の一例である。
【0011】
第1の利用者端末13は、商品の購入者又は購入予定者(以下、購入者等と呼ぶ)が操作する情報処理端末である。購入者等は第1の利用者の一例である。第1の利用者端末13は、PC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0012】
第2の利用者端末14は、購入者等に応対する店員、係員、接客スタッフ、又は店舗スタッフ(以下、店舗スタッフ等と呼ぶ)が操作する情報処理端末である。店舗スタッフ等は第2の利用者の一例である。第2の利用者端末14は、PC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等である。第2の利用者端末14は、内蔵カメラ、又は店舗スタッフ等が装着するウエアラブルカメラによる撮影が可能である。
【0013】
ウエアラブルカメラは、店舗スタッフ等が頭又は肩などに装着し、ハンズフリーで店舗スタッフ等が見ている方向の画像(目線画像)を撮影するカメラである。第2の利用者端末14はスマートグラス等の内蔵カメラを利用してもよい。例えば第2の利用者端末14は後述するリアル店舗の商品の売場等を撮影する。
【0014】
仮想空間表示装置11は、仮想空間の表示に関する処理、及び購入者等と店舗スタッフ等とのコミュニケーションに関する処理を実行する。仮想空間表示装置11は、後述の仮想店舗及びリアル店舗を第1の利用者端末13に表示させる。なお、本実施形態において仮想店舗は、CG(Computer Graphics)技術によって生成された仮想空間に存在する店舗である。購入者等は第1の利用者端末13を操作し、例えばアバターで仮想店舗内を移動しながら仮想店舗内で商品を閲覧できる。
【0015】
また、本実施形態においてリアル店舗は、現実空間に存在する店舗(いわゆる実店舗とも呼ばれる)である。購入者等は第1の利用者端末13を操作し、リアル店舗内を撮影した映像(ライブ映像)でリアル店舗内を見学できる。リアル店舗内の撮影は、後述の全天球映像記録装置16、現実空間に存在する店舗の店舗スタッフ等が装着するウエアラブルカメラ、又は販売員が操作する第2の利用者端末14の内蔵カメラなどで行うことができる。
【0016】
仮想空間表示装置11の購入者等と店舗スタッフ等とのコミュニケーションに関する処理は、通話機能、音声データによるパケット通信、又はWebRTC(Web Real-Time Communication)などを利用して音声による双方向のコミュニケーション機能を、購入者等及び店舗スタッフ等に提供する。
【0017】
仮想空間表示装置11の購入者等と店舗スタッフ等とのコミュニケーションに関する処理は、チャット機能などを利用して文字(テキスト)による双方向のコミュニケーション機能を、購入者等及び店舗スタッフ等に提供してもよい。
【0018】
全天球映像記録装置16は、リアル店舗の商品の売場等に設置される。全天球映像記録装置16は周囲の360度画像を撮影し、リアル店舗の商品の売場等のライブ映像を配信可能である。全天球映像記録装置16は、一度の撮影で360°の全天球パノラマ画像を得るデジタルカメラなどを利用できる。全天球映像記録装置16は一例であって、例えば第1の利用者端末13又は第2の利用者端末14から撮影方向を左右方向に振るパン操作及び上下方向に振るチルト操作が可能な撮影装置であってもよい。また、全天球映像記録装置16は例えば複数台の撮影装置で構成され、各装置を用いて撮影された映像を連続的につなぎ合わせた店舗内の映像を配信可能な形態のものであってもよい。
【0019】
店舗システム17は、本実施形態に係る情報処理システム1を利用して商品を販売する店舗の店舗システムである。店舗システム17は、商品の決済機能などの商品を販売するWebサイトに関する処理を行う。なお、商品を販売するWebサイトに関する処理は仮想空間表示装置11で行ってもよい。商品を販売するWebサイトに関する処理は、例えばサーバ装置、ASP、又はクラウドコンピューティングにより実現する。
【0020】
計測装置18は、購入者等の身体形状をスキャンする装置である。計測装置18は、購入者等の属性情報の一例である身体形状を計測する。また、計測装置18は、第1の利用者端末13にインストール(ダウンロード)したアプリなどによって利用者を撮影した画像から測定した情報を受信する形態で実現してもよい。本実施形態に係る情報処理システム1は、商品の選択に必要になる購入者等の属性情報の種類に応じて、計測装置18に替えて、又は計測装置18と共に、購入者等の属性情報を入力するための装置を有していてもよい。また、後述する他の実施形態における家電量販店及び大型家具店の仮想店舗及びリアル店舗である場合は、利用者が撮影した画像から、三角測量の原理、360°の全天球パノラマ画像等の任意の手法を用いて、撮影画像内の対象物の計測情報を取得することができる。この場合の計測情報は、撮影画像内の対象物(つまり、商品が設置される場所)の大きさ(例えば、家具や家電品等の縦の長さと横の長さ等)であり、利用者の居住空間等に応じた商談や商品の購入を効率的に進めることが可能である。
【0021】
情報提供装置10は、仮想店舗及びリアル店舗における後述の購入者等の行動に関する情報を取得する。また、情報提供装置10は後述のリアル店舗情報を取得する。情報提供装置10は購入者等の行動に関する情報及びリアル店舗情報を用いて、購入者等への応対に適した店舗スタッフ等を後述のように判定する。
【0022】
購入者等の行動に関する情報は、仮想店舗及びリアル店舗における後述の購入者等の行動履歴情報及び商談情報などを含む。また、リアル店舗情報は、例えばリアル店舗の在庫情報、混雑状況情報、店舗スタッフ等のプレゼンス状態情報、及びスキル情報を含む。プレゼンス状態情報は店舗スタッフ等の現在の状態を示し、店舗スタッフ等が連絡可能であるか否かを判定するために利用可能である。
【0023】
購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の判定は、例えば購入者等が第1の利用者端末13にリアル店舗のライブ映像を表示させるタイミング、又は仮想店舗の映像に店舗スタッフ等による案内を提案するタイミングなどに行われる。
【0024】
例えば情報提供装置10は、判定した購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の情報を仮想空間表示装置11に送信する。仮想空間表示装置11は、購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の第2の利用者端末14を購入者等が操作する第1の利用者端末13と通信可能に接続することで、購入者等への応対に適した店舗スタッフ等に、購入者等への応対を行わせる。したがって、第1の利用者端末13を操作する購入者等は、第2の利用者端末14を操作する店舗スタッフ等と相談しながら、リアル店舗のライブ映像に映った商品の質感や大きさなどを確認し、商品購入の判断を行うことができる。一方、リアル店舗は購入者等への応対に適した店舗スタッフ等に応対させることで、購入率の向上が期待できる。
【0025】
情報提供装置10及び仮想空間表示装置11はPC又はワークステーション等である。情報提供装置10及び仮想空間表示装置11はサーバ装置、ASP(Application Service Provider)、又はクラウドコンピューティングにより実現してもよい。
【0026】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、これまでに第1の利用者端末13に表示した仮想店舗またはリアル店舗における購入者等の行動に関する情報を、次回以降に表示するリアル店舗に引き継いで、その購入者等への応対に適した店舗スタッフ等を判断する為に利用できる。
【0027】
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報提供装置10の機能の少なくとも一部は、仮想空間表示装置11に設けるようにしてもよい。また、仮想空間表示装置11の機能の少なくとも一部は、情報提供装置10に設けるようにしてもよい。さらに、情報提供装置10及び仮想空間表示装置11の一部は、第1の利用者端末13又は第2の利用者端末14に設けるようにしてもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の情報提供装置10、仮想空間表示装置11は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、
図1の第1の利用者端末13は、PCである場合、例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。
図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0029】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0030】
これらのうち、CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0031】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク19を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0032】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0033】
なお、
図2に示したハードウェア構成は一例であり、
図2に示した構成要素を全て含む必要はなく、または、
図2に示した構成要素以外を含むものであってもよい。
【0034】
《スマートフォン》
第1の利用者端末13及び第2の利用者端末14は、例えば
図3に示したハードウェア構成のスマートフォン700により実現される。ここでは第1の利用者端末13及び第2の利用者端末14がスマートフォン700である例を説明する。
図3は本実施形態に係るスマートフォンの一例のハードウェア構成図である。
図3に示されているように、スマートフォン700は、CPU701、ROM702、RAM703、EEPROM704、CMOSセンサ705、撮像素子I/F706、加速度・方位センサ707、メディアI/F709、及びGPS受信部711を備えている。
【0035】
CPU701は、スマートフォン700全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701やIPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。EEPROM704は、CPU701の制御にしたがって、スマートフォン700用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。
【0036】
CMOSセンサ705は、CPU701の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵カメラ(内蔵型の撮像手段)の一種である。スマートフォン700は、CCDセンサ等の撮像手段、又はウエアラブルカメラを有していてもよい。撮像素子I/F706は、CMOSセンサ705の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ707は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。
【0037】
メディアI/F709は、フラッシュメモリ等の記録メディア708に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部711は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0038】
また、スマートフォン700は、遠距離通信回路712、CMOSセンサ713、撮像素子I/F714、マイク715、スピーカ716、音入出力I/F717、ディスプレイ718、外部機器接続I/F719、近距離通信回路720、近距離通信回路720のアンテナ720a、及びタッチパネル721を備えている。
【0039】
遠距離通信回路712は、ネットワーク19を介して他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ713は、CPU701の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F714は、CMOSセンサ713の駆動を制御する回路である。マイク715は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ716は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。
【0040】
音入出力I/F717は、CPU701の制御に従ってマイク715及びスピーカ716との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ718は被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示部の一種である。ディスプレイはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)であってもよい。外部機器接続I/F719は各種の外部機器を接続するインタフェースである。近距離通信回路720はNFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル721は、購入者等又は店舗スタッフ等がディスプレイ718を押下することで、スマートフォン700を操作する入力部の一種である。
【0041】
また、スマートフォン700は、バスライン710を備えている。バスライン710は
図3に示されているCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0042】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1の情報提供装置10及び仮想空間表示装置11は例えば
図4に示すような機能構成により実現される。
図4は本実施形態に係る情報提供装置及び仮想空間表示装置の一例の機能構成図である。なお、
図4の機能構成図は本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。情報提供装置10及び仮想空間表示装置11は、OS及びアプリケーション等のプログラムを実行することにより、例えば
図4の機能構成を実現する。
【0043】
図4の仮想空間表示装置11は、通信部70、店舗情報登録受付部72、商品情報登録受付部74、利用者情報登録受付部76、仮想空間制御部78、認証部80、提案情報取得部82、接続制御部83、及び記憶部84を有する。記憶部84は、仮想店舗情報記憶部90、リアル店舗情報記憶部91、商品情報記憶部92、利用者情報記憶部94、行動履歴情報記憶部96、及び商談情報記憶部98を有する。
【0044】
通信部70は、情報提供装置10、第1の利用者端末13、第2の利用者端末14、全天球映像記録装置16、店舗システム17、及び計測装置18との通信処理を行う。店舗情報登録受付部72は仮想店舗及びリアル店舗を第1の利用者端末13に表示させる為に必要な仮想店舗情報及びリアル店舗情報の登録を受け付け、記憶部84の仮想店舗情報記憶部90及びリアル店舗情報記憶部91に記憶させる。仮想店舗情報記憶部90は仮想店舗情報を記憶する。また、リアル店舗情報記憶部91はリアル店舗に関する情報であるリアル店舗情報を記憶する。
【0045】
商品情報登録受付部74は仮想店舗及びリアル店舗で販売する商品の商品情報の登録を受け付け、記憶部84の商品情報記憶部92に記憶させる。商品情報記憶部92は商品情報を記憶する。利用者情報登録受付部76は仮想店舗及びリアル店舗を利用する購入者等の利用者情報の登録を受け付け、記憶部84の利用者情報記憶部94に記憶させる。利用者情報記憶部94は利用者情報を記憶する。
【0046】
仮想空間制御部78は、第1の利用者端末13に対する購入者等の操作に従い、仮想店舗及びリアル店舗を第1の利用者端末13に表示させる。また、仮想空間制御部78は第1の利用者端末13に表示させた仮想店舗又はリアル店舗における購入者等の行動に関する情報の一例としての行動履歴情報及び商談情報を、記憶部84の行動履歴情報記憶部96及び商談情報記憶部98に記憶させる。行動履歴情報記憶部96は、行動履歴情報を記憶する。商談情報記憶部98は、商談情報を記憶する。
【0047】
認証部80は、第1の利用者端末13を操作する購入者等、及び第2の利用者端末14を操作する店舗スタッフ等の認証を行う。提案情報取得部82は、記憶部84に記憶されているリアル店舗情報、商品情報、利用者情報、行動履歴情報、及び商談情報などを情報提供装置10に提供し、情報提供装置10から第1の利用者端末13の購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の情報を、提案情報として取得する。
【0048】
接続制御部83は、情報提供装置10から取得した提案情報に基づいて、例えば購入者等の第1の利用者端末13と、その購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の第2の利用者端末14とを通信可能に接続する。したがって、購入者等と、その購入者等への応対に適した店舗スタッフ等とは、コミュニケーションを取ることができるようになる。
【0049】
また、
図4の情報提供装置10は、通信部20、情報取得部22、判定部24、提案情報生成部26、及び記憶部28を有する。通信部20は、送信部30及び受信部32を有する。記憶部28は、利用者情報記憶部50、コーディネート履歴情報記憶部52、行動履歴情報記憶部54、商談情報記憶部56、及びリアル店舗情報記憶部58を有する。
【0050】
通信部20は仮想空間表示装置11との通信処理を行う。通信部20の送信部30は各種情報を仮想空間表示装置11に送信する。受信部32は各種情報を仮想空間表示装置11から受信する。情報取得部22は、仮想空間表示装置11から各種情報を取得する。
【0051】
判定部24は、行動履歴情報、商談情報、及びリアル店舗情報に基づき、購入者等への応対に適した店舗スタッフ等を後述のように判定する。提案情報生成部26は購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の情報を仮想空間表示装置11に送信する為の提案情報を生成する。
【0052】
記憶部28の利用者情報記憶部50は、仮想空間表示装置11から取得した利用者情報を記憶する。コーディネート履歴情報記憶部52は、仮想空間表示装置11から取得した購入者等のコーディネート履歴情報を記憶する。コーディネート履歴情報は、仮想空間において購入者等が行ったコーディネートの履歴情報である。行動履歴情報記憶部54は、仮想空間表示装置11から取得した購入者等の行動履歴情報を記憶する。
【0053】
商談情報記憶部56は、仮想空間表示装置11から取得した仮想店舗及びリアル店舗における購入者等と店舗スタッフ等との商談の内容(例えば、購入者等、店舗スタッフ等、及び商品の購入有無など)を示した商談情報を記憶する。
【0054】
リアル店舗情報記憶部58は、仮想空間表示装置11から取得したリアル店舗情報をリアル店舗ごとに記憶する。リアル店舗情報は、例えばリアル店舗の現在の状況を示した情報であり、例えばリアル店舗の在庫情報、リアル店舗の混雑状況情報、リアル店舗の店舗スタッフ等のプレゼンス状態情報、及び店舗スタッフ等のスキル情報を含んでいる。
【0055】
なお、
図4の機能構成は一例であって、情報提供装置10の機能の一部を仮想空間表示装置11に設けるようにしてもよいし、仮想空間表示装置11の機能の一部を情報提供装置10に設けるようにしてもよい。また、情報提供装置10の機能及び仮想空間表示装置11の機能を一体化した情報提供装置12であってもよい。さらに、
図4の情報提供装置10及び仮想空間表示装置11の区分は一例であって、3つ以上の装置に区分して実現するようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態に係る情報処理システム1の第1の利用者端末13は、例えば
図5に示すような機能構成により実現される。
図5は本実施形態に係る第1の利用者端末の一例の機能構成図である。なお、
図5の機能構成図は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。第1の利用者端末13は、OS及びアプリケーション等のプログラムを実行することにより、例えば
図5の機能構成を実現する。
【0057】
図5に示した第1の利用者端末13は、通信部100、操作受付部102、表示制御部104、及びコミュニケーション機能制御部106を有する。通信部100は仮想空間表示装置11及び店舗システム17と通信を行う。操作受付部102は、購入者等からの操作を受け付ける。表示制御部104は、購入者等の操作に基づき、仮想店舗及びリアル店舗の映像をディスプレイ506又は718に表示させる。コミュニケーション機能制御部106は、第1の利用者端末13を操作する購入者等に、リアル店舗にいる店舗スタッフ等とのコミュニケーション機能を提供する。なお、
図5の機能構成は一例である。
【0058】
また、本実施形態に係る情報処理システム1の第2の利用者端末14は、例えば
図6に示すような機能構成により実現される。
図6は本実施形態に係る第2の利用者端末の一例の機能構成図である。なお、
図6の機能構成図は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。第2の利用者端末14は、OS及びアプリケーション等のプログラムを実行することにより、例えば
図6の機能構成を実現する。
【0059】
図6に示した第2の利用者端末14は、通信部200、操作受付部202、表示制御部204、コミュニケーション機能制御部206、及び撮影部208を有する。通信部200は仮想空間表示装置11及び店舗システム17と通信を行う。操作受付部202は、店舗スタッフ等からの操作を受け付ける。表示制御部204は、店舗スタッフ等の操作に基づき、各種情報を表示する。例えば表示制御部204は、仮想空間表示装置11からの購入者等の応対依頼及び購入者等に関する情報などをディスプレイ718に表示させる。
【0060】
また、コミュニケーション機能制御部206は、第2の利用者端末14を操作する店舗スタッフ等に、第1の利用者端末13を操作する購入者等とのコミュニケーション機能を提供する。なお、
図6の機能構成は一例である。
【0061】
<データ構成>
図7は店舗スタッフ情報の一例の構成図である。店舗スタッフ情報は、リアル店舗情報に含まれている。
図7の店舗スタッフ情報は、店舗名、店舗スタッフ名、スキルのある商品カテゴリ、商品、及びスキル属性を項目として有している。店舗名の項目は、リアル店舗の識別情報の一例であって、リアル店舗の名称が設定されている。店舗スタッフ名の項目は、店舗名の項目で識別されるリアル店舗に所属する店舗スタッフ等の識別情報の一例であって、店舗スタッフ等の名前が設定されている。
【0062】
スキルのある商品カテゴリの項目は、店舗スタッフ名の項目で識別される店舗スタッフ等が説明スキルなどのスキルを有している商品カテゴリが設定されている。商品の項目は商品カテゴリに含まれる商品が設定されている。
【0063】
スキル属性の項目は、店舗スタッフ名の項目で識別される店舗スタッフ等が、商品の項目で識別される商品に対して有するスキルランクが、購入者等の年代及び性別ごとに設定されている。例えば
図7の店舗スタッフ情報では、同一の店舗スタッフ等及び同一の商品であったとしても、購入者等の年代及び性別によってはスキルランクが異なることがあることを示している。
【0064】
図8は利用者情報の一例の構成図である。
図8の利用者情報は、ユーザID(利用者の識別情報)、メールアドレス、姓、名、性別、年齢、住所、電話番号、身体形状、関心のある商品カテゴリ、及び購買履歴のある商品カテゴリを項目として有している。関心のある商品カテゴリ及び購買履歴のある商品カテゴリの項目は、購入者等の嗜好の一例である。
【0065】
性別、年齢、身体形状、関心のある商品カテゴリ、及び購買履歴のある商品カテゴリの項目は、購入者等の属性情報の一例である。身体形状の項目は、例えば計測装置18が計測した購入者等の身体形状を表すデータであってもよいし、購入者等が入力した身体形状を表すデータであってもよい。
【0066】
なお、
図8の利用者情報の関心のある商品カテゴリ及び購買履歴のある商品カテゴリの項目は、初期設定を購入者等に行わせ、後に、行動履歴情報から判定して更新するようにしてもよい。
【0067】
図9は行動履歴情報の一例の構成図である。
図9の行動履歴情報は、ある一人の購入者等の行動履歴情報を示している。複数人の購入者等の行動履歴情報の場合は、ユーザIDなどの購入者等を識別する識別情報の項目が追加される。
図9の行動履歴情報は、時刻、行動種別、目線、閲覧時間、商品確認、ランディングページ確認、ランディングページ確認時間、及び関心度を項目として有している。
【0068】
時刻の項目は、その行動を購入者等が行った日時情報が設定される。行動種別の項目は購入者等が行った行動の種別を表した情報である。
図9では、入店、小物エリア滞在、服エリア滞在、及び退店などが設定されている。目線の項目は、仮想店舗又はリアル店舗において購入者等の目線の先にあった商品であって、購入者等が閲覧していた商品が設定されている。
【0069】
閲覧時間の項目は、購入者等が商品を閲覧した時間が設定されている。商品確認の項目は購入者等が商品を閲覧した時間に基づき、購入者等による商品確認の有無が設定されている。例えば
図9の例では、閲覧時間が15秒以上であれば、購入者等による商品確認があったものとして設定される。
【0070】
ランディングページ確認の項目は、購入者等が商品案内又は商品購入のWebページの一例であるランディングページを第1の利用者端末13に表示させて確認したか否かが設定される。ランディングページ確認時間の項目は、購入者等が商品案内又は商品購入のWebページの一例であるランディングページを第1の利用者端末13に表示させて確認していた時間が設定されている。
【0071】
関心度の項目は、閲覧時間の項目及びランディングページ確認時間の項目に基づき、購入者等の商品に対する関心度が設定される。例えば
図9では、閲覧時間及びランディングページ確認時間が他の商品と比較して長い商品「香水」及び「スマホケース」の関心度が高く設定されている。
【0072】
図10は商談情報の一例の構成図である。
図10の商談情報は、ある一人の購入者等の商談情報を示している。複数人の購入者等の商談情報の場合は、ユーザIDなどの購入者等を識別する識別情報の項目が追加される。
図10の商談情報は、商品カテゴリ、商品、応対した店舗スタッフ等のスキル属性、及び購入有無を項目として有している。商品カテゴリの項目は、商品のカテゴリが設定されている。商品の項目は、商品カテゴリに含まれる商品が設定されている。
【0073】
応対した店舗スタッフ等のスキル属性は、購入者等に対応した店舗スタッフ等のスキル属性の情報であって、購入者等に対応した店舗スタッフ等が商品の項目で識別される商品に対して有するスキルランクが、購入者等の年代及び性別ごとに設定されている。購入有無の項目は、店舗スタッフ等の応対による購入者等の商品購入の有無が設定されている。
【0074】
<処理>
本実施形態に係る情報処理システム1の処理手順について説明する。
図11は本実施形態に係る情報処理システムの登録処理の一例を示したフローチャートである。なお、
図11のフローチャートの処理の順番は一例であって、処理の順番を入れ替えてもよい。
【0075】
ステップS10において、仮想空間表示装置11の商品情報登録受付部74は、仮想店舗及びリアル店舗で販売する商品の商品情報の登録を受け付け、記憶部84の商品情報記憶部92に記憶させる。
【0076】
ステップS12において、仮想空間表示装置11の店舗情報登録受付部72は仮想店舗を第1の利用者端末13に表示させる為に必要な仮想店舗情報の登録を受け付け、記憶部84の仮想店舗情報記憶部90に記憶させる。仮想店舗情報には、仮想店舗を第1の利用者端末13に表示させる為に必要な3Dデータ等の各種データが含まれる。
【0077】
また、店舗情報登録受付部72は購入者等がリアル店舗を第1の利用者端末13に表示させて店舗スタッフ等とコミュニケーションを取る為に必要なリアル店舗情報の登録を受け付け、記憶部84のリアル店舗情報記憶部91に記憶させる。
【0078】
リアル店舗情報には、リアル店舗を第1の利用者端末13に表示させる為に必要なリアル店舗の全天球映像記録装置16のアクセス先のURL(Uniform Resource Locator)などの各種データが含まれる。また、リアル店舗情報には、
図7に示したような店舗スタッフ情報が含まれる。
【0079】
ステップS14において、仮想空間表示装置11の利用者情報登録受付部76は仮想店舗及びリアル店舗を利用する購入者等の利用者情報の登録を受け付け、記憶部84の利用者情報記憶部94に例えば
図8の利用者情報を記憶させる。なお、利用者情報登録受付部76はステップS14において、例えば計測装置18が計測した利用者の身体形状を表すデータを受信してもよい。
【0080】
第1の利用者端末13を操作する購入者等は、例えば
図12に示す手順で本実施形態に係る情報処理システム1が提供するサービスを利用する。
図12は本実施形態に係る情報処理システムのサービス利用処理の一例を示したフローチャートである。
【0081】
ステップS30において、仮想空間表示装置11の認証部80は第1の利用者端末13からログイン操作を受け付ける。ステップS32において、認証部80は第1の利用者端末13を操作する購入者等の認証を行う。認証に成功しなければ、仮想空間表示装置11はステップS34以降の処理を行わない。認証に成功すると、仮想空間表示装置11はステップS34以降の処理を行う。
【0082】
ステップS34において、仮想空間表示装置11の仮想空間制御部78は、購入者等が操作する第1の利用者端末13に仮想店舗を表示させる。例えば仮想空間制御部78はデフォルトの仮想店舗が設定されている場合、デフォルトの仮想店舗を自動的に表示してもよい。また、例えば仮想空間制御部78は、ログイン後に表示する仮想店舗を店舗選択画面から選択させてもよい。
【0083】
仮想空間制御部78は、第1の利用者端末13に対する購入者等の操作に従い、仮想店舗を第1の利用者端末13に表示させる。購入者等は第1の利用者端末13を操作し、表示された仮想店舗において、仮想店舗間の移動、仮想店舗内のエリア移動、仮想店舗内の閲覧、商品確認、及びランディングページ確認などの行動を行う。
【0084】
ステップS36において、仮想空間制御部78は第1の利用者端末13に表示させた仮想店舗における購入者等の行動を、例えば
図9の行動履歴情報のように行動履歴情報記憶部96に記憶させる。したがって、
図9の行動履歴情報には、第1の利用者端末13に表示された仮想店舗における購入者等の行動履歴が蓄積されていく。
【0085】
ステップS38において、仮想空間制御部78は購入者等から商品の購入方法選択画面を表示する操作を受け付けたか否かを判定する。ここでは、購入者等が商品を選択した後で購入方法選択画面の表示操作を行ったものとする。
【0086】
商品の購入方法選択画面を表示する操作を受け付けたと判定すると、仮想空間制御部78はステップS40の商品購入処理を開始する。商品の購入方法選択画面を表示する操作を受け付けていないと判定すると、仮想空間制御部78はステップS40の商品購入処理をスキップする。ステップS40の商品購入処理の詳細は後述する。
【0087】
ステップS42において、仮想空間制御部78はログアウトの操作を購入者等から受け付けていなければ、ステップS34の処理に戻る。仮想空間制御部78はログアウトの操作を購入者等から受け付けると、
図12のフローチャートの処理を終了する。なお、第1の利用者端末13に表示された仮想店舗は第1の仮想空間の一例である。第1の利用者端末13に表示されるリアル店舗は、第2の仮想空間の一例である。
【0088】
図13は、商品購入処理の一例を示したフローチャートである。ステップS50において仮想空間制御部78は第1の利用者端末13に例えば
図14の購入方法選択画面を表示させ、購入者等から商品の購入方法の選択操作を受け付ける。
【0089】
図14は購入方法選択画面の一例のイメージ図である。
図14の購入方法選択画面1000は「仮想店舗でこのまま購入」ボタン1002と「リアル店舗につないで購入」ボタン1004とを有する。購入者等は
図14の購入方法選択画面1000から商品の購入方法として、仮想店舗でこのまま購入、又はリアル店舗につないで購入を選択できる。
【0090】
ステップS52において、仮想空間制御部78はリアル店舗につないで購入が選択されたか否かを判定する。仮想空間制御部78は仮想店舗でこのまま購入が選択され、リアル店舗につないで購入が選択されていないと判定すると、ステップS62においてECサイトに購入者等からの商品の購入を受付させる。
【0091】
仮想空間制御部78はリアル店舗につないで購入が選択されたと判定すると、ステップS54の処理に進む。ステップS54において、仮想空間表示装置11の提案情報取得部82は第1の利用者端末13の購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の情報を情報提供装置10に要求する。
【0092】
情報提供装置10の判定部24は第1の利用者端末13の購入者等への応対に適した店舗スタッフ等を後述のように判定する。仮想空間表示装置11の提案情報取得部82は第1の利用者端末13の購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の提案情報を情報提供装置10から取得する。
【0093】
ステップS56において、仮想空間表示装置11の接続制御部83は情報提供装置10から取得した提案情報に基づいて、購入者等への応対に適した店舗スタッフ等の第2の利用者端末14に例えば
図15(A)の応対依頼画面1100を表示させる。
図15は第2の利用者端末に表示される画面イメージである。
図15(A)の応対依頼画面1100が表示された第2の利用者端末14の店舗スタッフ等は、応対開始ボタン1102を押下することで、リアル店舗につないで購入を選択した購入者等とのコミュニケーションを開始できる。
【0094】
ステップS58において、仮想空間表示装置11の仮想空間制御部78は購入者等とのコミュニケーションを開始した店舗スタッフ等の第2の利用者端末14に、購入者等との商談に役立つ情報を、例えば
図15(B)の応対画面1200に表示する。応対画面1200により、購入者等に応対する店舗スタッフ等は、これまでに第1の利用者端末13に表示した仮想店舗及びリアル店舗における購入者等の行動に関する情報を引き継ぎ、その購入者等への応対に役立てることができる。
【0095】
また、購入者等に応対する店舗スタッフ等は、応対画面1200の商品の撮影開始ボタン1202を押下することで、リアル店舗の商品の撮影を開始できる。
図16はリアル店舗における店舗スタッフ等の撮影について説明する一例の図である。
【0096】
店舗スタッフ等は例えば
図16(A)のようにウエアラブルカメラを装着し、ハンズフリーで見ている方向の画像(目線画像)を撮影する。店舗スタッフ等は、応対中の購入者等が質感や大きさを確認したい商品を例えば
図16(B)のように撮影し、応対中の購入者等の第1の利用者端末の画面1300に例えば
図16(C)のようなライブ映像(第2の仮想空間の一例)を表示させながら商品説明を行うことができる。また、店舗スタッフ等は、応対中の購入者等にお勧めの商品を撮影し、応対中の購入者等の第1の利用者端末の画面1300にライブ映像を表示させながら商品説明を行うことができる。
【0097】
購入者等は第1の利用者端末の画面1300に表示されたライブ映像で商品を確認しながら店舗スタッフ等の商品説明を受けた上で商品の購入を決めることができる。ステップS60において、店舗スタッフ等は、応対中の購入者等から商品の購入を受け付け、商品の購入処理を行う。また、店舗スタッフ等は購入者等との商談の結果は、
図10の商談情報に登録される。
【0098】
ステップS54の応対する店舗スタッフ等の判定処理は、例えば
図17に示すような手順で行われる。
図17は、応対する店舗スタッフ等の判定処理の一例のフローチャートである。なお、
図17のフローチャートは、同一の商品を扱うリアル店舗が複数あり、リアル店舗ごとに複数の店舗スタッフ等がいる企業などの例を説明する。
【0099】
ステップS100において、情報提供装置10の判定部24はリアル店舗の在庫情報を確認し、購入者等が購入を検討している商品を在庫として持ち、ライブ映像で商品を確認させることができるリアル店舗を絞り込む。リアル店舗の在庫情報は、例えば店舗システム17の在庫管理システムとの連携により取得できる。
【0100】
ステップS102において、判定部24はステップS100で絞り込んだリアル店舗の混雑状況情報を確認し、リアル店舗の来客が映り込まない混雑状況のリアル店舗を更に絞り込む。リアル店舗の混在状況情報は、例えば全天球映像記録装置16が撮影したリアル店舗の商品の売場等のライブ映像から混雑状況を分析する混雑状況可視化システムとの連携により取得できる。
【0101】
ステップS104において、判定部24はステップS102で絞り込んだリアル店舗の店舗スタッフ等のスキル情報を確認し、購入者等に応対が可能な店舗スタッフ等を更に絞り込む。店舗スタッフ等のスキル情報は、例えば店舗システム17の人事データベースとの連携により取得できる。店舗スタッフ等のスキル情報は、リモート接客対応できるスキルの有無であってもよいし、購入者等が購入を検討している商品を説明できるスキルの有無であってもよい。
【0102】
ステップS106において、判定部24はステップS104で絞り込んだリアル店舗の店舗スタッフ等のプレゼンス状態情報を確認し、連絡可能な状態である店舗スタッフ等を更に絞り込む。店舗スタッフ等のプレゼンス状態情報は、例えば店舗システム17の店舗スタッフ等のプレゼンス状態情報を管理するシステムとの連携により取得できる。
【0103】
ステップS108において、判定部24はステップS100~S106の処理により絞り込まれた店舗スタッフ等の人数が0人であるか否かを判定する。判定部24は絞り込まれた店舗スタッフ等の人数が0人であれば、ステップS106に戻り、ステップS104で絞り込んだリアル店舗の店舗スタッフ等が連絡可能な状態になるまで待機する。
【0104】
判定部24は絞り込まれた店舗スタッフ等の人数が0人でなければ、ステップS110の処理に進む。ステップS110において、判定部110はステップS100~S106の処理により絞り込まれた店舗スタッフ等を、購入者等の行動履歴情報及び商談情報を利用して一人に絞り込む。
【0105】
ステップS100~S106の処理により絞り込まれた店舗スタッフ等を一人に絞り込むステップS110の処理は、例えば
図18に示すように行われる。
図18は、行動履歴情報及び商談情報を利用した絞り込み処理の一例のフローチャートである。
【0106】
ステップS150において、判定部24は、
図9に示した購入者等の行動履歴情報を利用して、購入者等が関心のある商品カテゴリの特定を行う。例えば
図9の例では、閲覧時間の項目に設定されている購入者等が商品を閲覧した時間を確認し、閲覧時間が所定時間以上である商品の商品カテゴリを、購入者等が関心のある商品カテゴリとして特定することができる。
【0107】
また、
図9の例では、ランディングページ確認時間の項目に設定されている購入者等が商品案内又は商品購入のWebページの一例であるランディングページを第1の利用者端末13に表示させて確認していた時間が所定時間以上である商品の商品カテゴリを、購入者等が関心のある商品カテゴリとして特定することができる。さらに、判定部24は購買履歴のある商品カテゴリを、購入者等が関心のある商品カテゴリとして特定してもよい。
【0108】
ステップS152において、判定部24はステップS150で特定した購入者等が関心のある商品カテゴリ、
図7の店舗スタッフ情報、及び
図10の商談情報を利用して、購入者等との相性のよい店舗スタッフ等を絞り込む。
【0109】
例えば判定部24は、
図7の店舗スタッフ情報を参照することで、購入者等が関心のある商品カテゴリの商品に対して有するスキルランクを確認できる。また、判定部24は
図10の商談情報を参照することで、購入者等に過去に応対した店舗スタッフ等の情報、及びその店舗スタッフ等の応対による購入者等の商品購入の有無を確認できる。
【0110】
購入者等が関心のある商品カテゴリの商品に対して店舗スタッフ等が有しているスキルランク、購入者等に過去に応対した店舗スタッフ等の情報、及びその店舗スタッフ等の応対による購入者等の商品購入の有無の情報を利用することで、判定部24は購入率の向上が期待できる店舗スタッフ等を、相性のよい店舗スタッフ等として絞り込む。
【0111】
例えば
図8の利用者情報のユーザIDが「user002」の購入者等であれば、
図7に示した店舗スタッフ名「スタッフA」のように、購入者等の年代「30~39」及び性別「女性」に対する商品「香水」のスキルランクが「高」に設定されている店舗スタッフ等が、相性のよい店舗スタッフ等として絞り込まれる。スキル属性におけるスキルランクは相性の一例であり、本実施形態ではスキルランク「小」より「中」、「中」より「高」の店舗スタッフ等が相性がより良い店舗スタッフ等を意味する。
【0112】
図9の行動履歴情報はブロックチェーン技術を利用して記憶し、管理してもよい。行動履歴情報は、例えば複数のコンピュータ(例えば店舗ごとになど)により、ブロックチェーンの分散台帳として管理することができる。情報提供装置10の情報取得部22は、ブロックチェーンで記録された行動履歴情報を取得できる。
【0113】
図19はブロックチェーンのデータ構造を説明するための図である。購入者等の行動履歴情報は
図19に示すような複数のブロックがチェーン状に接続されたブロックチェーンにより管理される。各ブロックは、仮想店舗又はリアル店舗における購入者等の行動履歴情報であるトランザクションデータと、直前のブロックのハッシュ値とを含む。
【0114】
図19のように、ブロックチェーンでは直前のブロックのハッシュ値を含んだ複数のブロックがチェーン状に接続されることにより、各ブロックのトランザクションデータの改ざんが困難となっている。本実施形態の情報処理システム1は、ブロックチェーンで行動履歴情報を管理することで、行動履歴情報の正当性を担保できる。
【0115】
例えば本実施形態の情報処理システム1では、情報提供装置10、仮想空間表示装置11、及び店舗システム17により、行動履歴情報をブロックチェーンの分散台帳として管理することで、行動履歴情報の信頼性を担保できる。
【0116】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、仮想店舗からリアル店舗に移動する購入者等に、仮想店舗での購入者等の行動に関する情報を引き継いで、購入者等に応対させる、より適切な店舗スタッフ等の提案情報を提供できる。
【0117】
[他の実施形態]
図17の応対する店舗スタッフ等の判定処理は一例であって、例えば購入者等のリアル店舗への来店を見据えて、購入者等の住所に近いリアル店舗の店舗スタッフ等が優先して購入者等への応対に適した店舗スタッフ等として絞り込まれるようにしてもよい。
【0118】
また、
図17の応対する店舗スタッフ等の判定処理は、在庫のあるリアル店舗の店舗スタッフ等が優先される判定処理及び購入者等の住所に近いリアル店舗の店舗スタッフ等が優先される判定処理を、購入者等が選択可能であってもよい。
【0119】
また、本実施形態では、購入者等から商品の購入方法選択画面を表示する操作を受け付けた後、購入者等に応対する店舗スタッフ等を判定していたが、この例に限定されるものではない。例えば
図20に示すように、仮想空間表示装置11は店舗スタッフ等の提案情報を第1の利用者端末13に表示させてもよい。
【0120】
図20は第1の利用者端末に表示される仮想店舗の画像の一例のイメージ図である。
図20(A)は、仮想店舗の画像1500に提案商品の画像を含む提案情報1502及び店舗スタッフ等の提案情報1504が表示されたイメージである。
図20(B)は、仮想店舗の画像1500に店舗スタッフ等の提案情報1504が表示されたイメージである。
【0121】
図20の店舗スタッフ等の提案情報1504が表示された第1の利用者端末13を操作する購入者等は、例えば店舗スタッフ等の提案情報1504の選択操作を行い、仮想店舗の表示をリアル店舗の表示に切り替えることができる。第1の利用者端末13に表示されるリアル店舗は、店舗スタッフ等の提案情報1504で提案された店舗スタッフ等のいるリアル店舗となる。購入者等は、店舗スタッフ等の提案情報1504で提案された店舗スタッフ等と通信によりコミュニケーションを取りながら、リアル店舗のライブ映像で商品の質感や大きさなどを確認し、商品購入の判断を行うことができる。
【0122】
第1の実施形態では、販売する商品がアパレル系の例を説明したが、アパレル系の商品に限定するものではない。例えば本実施形態に係る情報処理システム1において、アパレル系以外の家電量販店及び大型家具店等の商品を扱ってもよい。また、仮想店舗及びリアル店舗間を購入者等が繰り返し移動する場合は、異なる商品カテゴリの仮想店舗における購入者等の行動に関する情報を、購入者等に応対させる店舗スタッフ等の判定に利用してもよい。また、第1の実施形態では、商品を販売する仮想店舗を第1の仮想空間の一例として説明したが、商品の紹介を目的とした仮想空間などが含まれていてもよい。
【0123】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0124】
実施例に記載された装置群は本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。本実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及び、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0125】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0126】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置であって、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定手段と、
を有する情報提供装置。
<2>
前記判定手段は、前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報を用いて、前記第1の利用者への応対が可能な少なくとも一人の前記第2の利用者を特定し、更に、前記少なくとも一人の前記第2の利用者から、前記第1の利用者の行動に関する情報に基づき、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する
前記<1>記載の情報提供装置。
<3>
前記第1の利用者の行動に関する情報は、前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動履歴情報及び商談情報を含み、
前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報は、前記第1の利用者端末に映像で表示される現実空間に存在する店舗に関する情報を含む
前記<1>又は<2>記載の情報提供装置。
<4>
前記現実空間に存在する店舗に関する情報は、前記店舗の在庫情報、前記店舗の混雑状況情報、前記店舗の前記第2の利用者の連絡可否情報、及び前記店舗の前記第2の利用者のスキル情報の少なくとも一つを含む
前記<3>記載の情報提供装置。
<5>
前記判定手段は、前記現実空間に存在する複数の店舗のうち、前記第1の利用者の登録住所により近い前記店舗の前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
前記<3>又は<4>記載の情報提供装置。
<6>
前記判定手段は、前記商談情報を用いて、前記第1の利用者との相性がより良い前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
前記<3>又は<4>記載の情報提供装置。
<7>
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段に、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者の情報を送信する送信手段を更に有する
前記<1>乃至<6>の何れか一項に記載の情報提供装置。
<8>
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する前記第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段を更に有する
前記<7>記載の情報提供装置。
<9>
前記第2の利用者が応対する前記第1の利用者の行動に関する情報を第2の利用者端末に表示させる仮想空間制御手段を更に有する
前記<1>乃至<8>の何れか一項に記載の情報提供装置。
<10>
第1の利用者が操作する第1の利用者端末と、第2の利用者が操作する第2の利用者端末と、前記第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者の情報を提供する情報提供装置と、が通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報提供装置は、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定手段と、
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する前記第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段と、
を有する情報処理システム。
<11>
第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置の情報提供方法であって、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定ステップと、
を有する情報提供方法。
<12>
前記判定ステップは、前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報を用いて、前記第1の利用者への応対が可能な少なくとも一人の前記第2の利用者を特定し、更に、前記少なくとも一人の前記第2の利用者から、前記第1の利用者の行動に関する情報に基づき、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する
前記<11>記載の情報提供方法。
<13>
前記第1の利用者の行動に関する情報は、前記第1の仮想空間における前記第1の利用者の行動履歴情報及び商談情報を含み、
前記第2の仮想空間に対応する実空間情報は、前記第1の利用者端末に映像で表示される現実空間に存在する店舗に関する情報を含む
前記<11>又は<12>記載の情報提供方法。
<14>
前記現実空間に存在する店舗に関する情報は、前記店舗の在庫情報、前記店舗の混雑状況情報、前記店舗の前記第2の利用者の連絡可否情報、及び前記店舗の前記第2の利用者のスキル情報の少なくとも一つを含む
前記<13>記載の情報提供方法。
<15>
前記判定ステップは、前記現実空間に存在する複数の店舗のうち、前記第1の利用者の登録住所により近い前記店舗の前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
前記<13>又は<14>記載の情報提供方法。
<16>
前記判定ステップは、前記商談情報を用いて、前記第1の利用者との相性がより良い前記第2の利用者を優先して、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者として判定する
前記<13>又は<14>記載の情報提供方法。
<17>
前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御手段に、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者の情報を送信する送信ステップを更に有する
前記<11>乃至<16>の何れか一項に記載の情報提供方法。
<18>
前記接続制御手段が、前記第1の利用者が操作する前記第1の利用者端末と、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者が操作する前記第2の利用者端末と、を通信可能に接続する接続制御ステップを更に有する
前記<17>記載の情報提供方法。
<19>
前記第2の利用者が応対する前記第1の利用者の行動に関する情報を第2の利用者端末に表示させる仮想空間制御ステップを更に有する
前記<11>乃至<18>の何れか一項に記載の情報提供方法。
<20>
第1の利用者が操作する第1の利用者端末に表示される第1の仮想空間及び第2の仮想空間のうち、前記第2の仮想空間での前記第1の利用者に応対する第2の利用者の情報を提供する情報提供装置に、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報を取得する情報取得ステップ、
前記第1の仮想空間及び前記第2の仮想空間における前記第1の利用者の行動に関する情報と前記第2の仮想空間に対応する現実空間情報とを用いて、前記第1の利用者に応対する前記第2の利用者を判定する判定ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0127】
1 情報処理システム
10、12 情報提供装置
11 仮想空間表示装置
13 第1の利用者端末
14 第2の利用者端末
16 全天球映像記録装置
17 店舗システム
18 計測装置
19 ネットワーク
20 通信部
22 情報取得部
24 判定部
26 提案情報生成部
30 送信部
50 利用者情報記憶部
52 コーディネート履歴情報記憶部
54 行動履歴情報記憶部
56 商談情報記憶部
58 リアル店舗情報記憶部
78 仮想空間制御部
82 提案情報取得部
83 接続制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】