(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079370
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、機器管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20240604BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240604BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20240604BHJP
G06F 21/41 20130101ALI20240604BHJP
【FI】
G06F21/32
H04N1/00 127A
G06F21/31
G06F21/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192278
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中村 葵
(72)【発明者】
【氏名】松浦 熱河
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA07
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC05
5C062AC34
5C062AF08
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】第1の電子機器で使用された情報を用いて第2の電子機器を動作させる。
【解決手段】情報処理装置が、第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、第1の電子機器の使用情報と第1の画像とに基づいて、第1のユーザを特定する第1ユーザ特定部と、第1のユーザが第1の電子機器で入力した認証情報を第1の電子機器から受信する入力情報受信部と、第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、第2の画像から第2のユーザを特定する第2ユーザ特定部と、第1のユーザ及び第2のユーザの情報と認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、第2の電子機器に、認証情報又は認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する動作指示部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した認証情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信部と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定部によって特定された前記第2のユーザの情報と前記認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記認証情報又は前記認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する動作指示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器を使用した使用情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信部と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定部によって特定された前記第2のユーザの情報と前記使用情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記使用情報を用いた動作を指示する動作指示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の条件が、前記第1のユーザが前記第1の電子機器で、料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、前記料金が未払いである場合に、
前記第2の電子機器に対して指示する前記動作が、前記第1のユーザに提示する請求額に、前記第1の電子機器の利用料金を表示または加算する動作である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件が、前記第1のユーザと同じグループIDを持つ他のユーザが、前記第1の電子機器で、料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、前記料金が未払いである場合に、
前記第2の電子機器に対して指示する前記動作が、前記第1のユーザに提示する請求額に、前記他のユーザに関する前記第1の電子機器の利用料金を加算して表示する動作、または、前記他のユーザに関する前記第1の電子機器の利用料金を、前記第1のユーザではなく前記他のユーザが支払う旨を示す選択肢を表示する動作である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の条件が、前記第1のユーザが前記第1の電子機器で、料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、前記料金が未払いである場合に、
前記第2の電子機器に対して指示する前記動作が、前記第1のユーザに対する請求額を、支払い済み料金を含めずに表示する動作である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の条件が、前記第1のユーザが前記第1の電子機器でログインする操作を行った機器操作情報が存在し、前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した前記認証情報が前記第2の電子機器で認証可能であり、かつ、前記第2の電子機器が未ログインである場合に、
前記第2の電子機器に対して指示する前記動作が、前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した前記認証情報を用いてログインする動作である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の条件が、前記第1のユーザと同じグループIDを持つ他のユーザが、前記第1の電子機器でログインする操作を行った機器操作情報が存在し、前記他のユーザが前記第1の電子機器で入力した前記認証情報が前記第2の電子機器で認証可能であり、かつ、前記第2の電子機器が未ログインである場合に、
前記第2の電子機器に対して指示する前記動作が、前記他のユーザが前記第1の電子機器で入力した前記認証情報を用いてログインする動作である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記機器操作情報が、前記第1の電子機器に情報を入力する操作を含む場合に、
前記第2の電子機器に対して指示する前記動作が、前記第1の電子機器に入力された前記情報を表示する旨を示す選択肢を表示する動作である、
請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
第1の電子機器、第2の電子機器、撮影装置及び情報処理装置がネットワークを介して通信可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した認証情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信部と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定部によって特定された前記第2のユーザの情報と前記認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記認証情報又は前記認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する動作指示部と、
を備える情報処理システム。
【請求項10】
第1の電子機器、第2の電子機器、撮影装置及び情報処理装置がネットワークを介して通信可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器を使用した使用情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信部と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定部と、
前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定部によって特定された前記第2のユーザの情報と前記使用情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記使用情報を用いた動作を指示する動作指示部と、
を備える情報処理システム。
【請求項11】
第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータが、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信手順と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した認証情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信手順と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信手順と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定手順によって特定された前記第2のユーザの情報と前記認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記認証情報又は前記認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する動作指示手順と、
を実行する機器管理方法。
【請求項12】
第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータが、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信手順と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器を使用した使用情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信手順と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信手順と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定手順によって特定された前記第2のユーザの情報と前記使用情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記使用情報を用いた動作を指示する動作指示手順と、
を実行する機器管理方法。
【請求項13】
第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータに、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信手順と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した認証情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信手順と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信手順と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定手順によって特定された前記第2のユーザの情報と前記認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記認証情報又は前記認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する動作指示手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータに、
前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信手順と、
前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器を使用した使用情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信手順と、
前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信手順と、
前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定手順と、
前記第1ユーザ特定手順によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定手順によって特定された前記第2のユーザの情報と前記使用情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記使用情報を用いた動作を指示する動作指示手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、機器管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティングにおいて、ソフトウェアを連携してシングルサインオンを実現する技術がある。例えば、特許文献1には、複数のサービスで共通の認証基盤を利用することで、あるサービスで認証されたユーザが他のサービスでの認証を省略することができる発明が開示されている。
【0003】
電子機器等のハードウェアによる認証において、各ハードウェアの認証処理を関連付ける技術がある。例えば、特許文献2には、機密情報を扱う領域への入退室を管理するシステムと、当該領域内にある電子機器とを連携することで、入退室管理システムにおいて認証されたユーザでなければ電子機器での認証を許可しない発明が開示されている。
【0004】
ハードウェア間の連携では、ユーザの同一性を判定することが困難である。特許文献2に開示された発明は、電子機器での認証において入退室管理システムの認証状態を利用しているが、ユーザはそれぞれで認証操作を行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の一実施形態は、第1の電子機器で使用された情報を用いて第2の電子機器を動作させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一実施形態である情報処理装置は、第1の電子機器、第2の電子機器及び撮影装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、前記撮影装置から前記第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、前記第1の電子機器の使用情報と前記第1の画像とに基づいて、前記第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する第1ユーザ特定部と、前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザが前記第1の電子機器で入力した認証情報を前記第1の電子機器から受信する入力情報受信部と、前記撮影装置から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、前記第2の画像から前記第2の電子機器の操作可能位置に存在する前記第2のユーザを特定する第2ユーザ特定部と、前記第1ユーザ特定部によって特定された前記第1のユーザ及び前記第2ユーザ特定部によって特定された前記第2のユーザの情報と前記認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記第2の電子機器に、前記認証情報又は前記認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する動作指示部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、第1の電子機器で使用された情報を用いて第2の電子機器を動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における機器管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態における全天球撮影装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態におけるセルフサービスターミナル/電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態における機器管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態における状態管理情報の一例を示す図である。
【
図8】一実施形態における第1の基本フローチャートの一例を示す図である。
【
図9】一実施形態における第2の基本フローチャートの一例を示す図である。
【
図10】一実施形態における機器管理方法の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態における物体状態更新処理の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態における検知物体リスト作成処理の一例を示す図である。
【
図13】一実施形態における登録物体リスト更新処理の一例を示す図である。
【
図14】一実施形態における登録物体リスト更新処理の一例を示す図である。
【
図15】一実施形態におけるグループID付与処理の第1の例を示す図である。
【
図16】一実施形態におけるグループID付与処理の第2の例を示す図である。
【
図17】一実施形態における機器状態更新処理の一例を示す図である。
【
図18】一実施形態における出力情報決定処理の一例を示す図である。
【
図19】一実施形態における出力条件判定処理の一例を示す図である。
【
図20】一実施形態における機器出力情報の第1の例を示す図である。
【
図21】一実施形態における機器出力情報の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
本発明の一実施形態は、複数の電子機器を管理する機器管理システムである。本実施形態における機器管理システムは、ある電子機器で入力された情報を用いた動作を他の電子機器に指示することで、電子機器間の連携を実現する。
【0011】
従来、ハードウェア間の連携では、同一のデバイス(例えば、IC(Integrated Circuit)カード又は携帯情報端末等)を所持していることによりユーザの同一性を判定していた。その結果、ハードウェア間で連携しても、各ハードウェアでの認証操作は必要であった。ソフトウェア連携によるシングルサインオンでは、あるサービスで認証されたユーザが他のサービスにアクセスする場合、同一の装置から操作が行われるため、ユーザの同一性を容易に判定することができる。
【0012】
本実施形態における機器管理システムは、管理装置が、複数の電子機器が設置された空間を撮影した画像に基づいて、電子機器間を移動する人物を追跡する。これにより、管理装置は、ある電子機器を操作したユーザと、他の電子機器の近傍にいるユーザとの同一性を判定することができる。
【0013】
ユーザの同一性を判定できれば、ある電子機器で入力された情報を用いた動作を、他の電子機器に実行させることができる。例えば、ユーザが近傍にいる電子機器で、当該ユーザが他の電子機器で入力した認証情報を用いた認証を行えば、ハードウェア連携によるシングルサインオンを実現することができる。認証を行わない場合でも、撮影した画像に基づいて人物の同一性を確認できれば、同一人物が使用したハードウェア間で機器設定情報やデータを連携できる。
【0014】
<機器管理システムの全体構成>
まず、本実施形態における機器管理システムの全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における機器管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【0015】
図1に示されているように、本実施形態における機器管理システム1は、管理装置10、1台以上の監視装置20及び複数の電子機器30(第1の電子機器、第2の電子機器の例)を含む。管理装置10、監視装置20及び電子機器30は、それぞれ通信ネットワークN1に接続している。
【0016】
通信ネットワークN1は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。
【0017】
通信ネットワークN1は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0018】
監視装置20及び電子機器30は、管理対象空間R1に設置される。管理対象空間R1は、建物内の部屋等の1つの空間でもよいし、扉又は廊下等の出入り可能な空間で接続された複数の空間でもよい。
【0019】
管理対象空間R1の一例は、コンビニエンスストア等の小規模店舗における売り場又はバックヤード等である。管理対象空間R1の他の一例は、オフィスの会議室又は執務室等である。管理対象空間R1の他の一例は、ホテルのロビー又は客室等である。管理対象空間R1の他の一例は、空港、書店又は工場等である。管理対象空間R1はこれらに限定されず、複数のユーザが操作し得る電子機器が設置される空間であればどのようなものでもよい。
【0020】
管理装置10は、電子機器30を管理するPC(Personal Computer)、ワークステーション又はサーバ等の情報処理装置である。管理装置10は、監視装置20が取得した画像に基づいて、電子機器30に動作指示を送信する。管理装置10の一例は、コンピュータである。
【0021】
監視装置20は、管理対象空間R1に設置された電子機器30の近傍を含む画像を取得する電子機器である。監視装置20は映像(すなわち、画像の時系列)を取得してもよい。監視装置20は、複数の電子機器30すべてを撮影可能な位置に設置される。
【0022】
監視装置20の一例は、全天球撮影装置である。監視装置20の他の一例は、複数のネットワークカメラである。監視装置20が複数のネットワークカメラである場合、各ネットワークカメラは管理対象空間R1内に死角が生じないように画角を調整して配置される。
【0023】
以降では、監視装置20が複数ある場合に、各々を区別するときは、「監視装置20-1」、「監視装置20-2」等と枝番を用いて記載する。
【0024】
電子機器30は、ユーザ(第1のユーザ、第2のユーザの例)が使用する各種の電子機器である。電子機器30は、IC(Integrated Circuit)カード等のハードウェアを用いた認証が可能なように構成されている。
【0025】
電子機器30の一例は、画像形成装置(プリンタ、FAX装置、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer:デジタル複合機)、スキャナ装置等)である。電子機器30の他の一例は、料金精算機能を有するセルフサービスターミナル、または、電子黒板(IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板))である。
【0026】
以降では、複数の電子機器30について、各々を区別するときは、「電子機器30-1」、「電子機器30-2」等と枝番を用いて記載する。
【0027】
電子機器30は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置、セルフサービスターミナル又は電子黒板に限られない。すなわち、電子機器30は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
【0028】
<機器管理システムのハードウェア構成>
次に、本実施形態における機器管理システムに含まれる各装置のハードウェア構成について、
図2から
図5を参照しながら説明する。
【0029】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
図2は、管理装置10がコンピュータで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0030】
図2に示されているように、一実施形態におけるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティング機器512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0031】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0032】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0033】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティング機器512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0034】
≪全天球撮影装置のハードウェア構成≫
図3は、監視装置20が全天球撮影装置で実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。以下では、全天球撮影装置は、2つの撮像素子を使用した全天球(全方位)撮影装置とするが、撮像素子は2つ以上であればいくつでもよい。また、必ずしも全方位撮影専用の装置である必要はなく、通常のデジタルカメラやスマートフォン等に後付けの全方位の撮像ユニットを取り付けることで、実質的に全天球撮影装置と同じ機能を有するようにしてもよい。
【0035】
図3に示されているように、一実施形態における全天球撮影装置は、撮像ユニット601、画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605、マイク608、音処理ユニット609、CPU(Central Processing Unit)611、ROM(Read Only Memory)612、SRAM(Static Random Access Memory)613、DRAM(Dynamic Random Access Memory)614、操作部615、外部機器接続I/F616、通信部617、アンテナ617a、加速度・方位センサ618、ジャイロセンサ619、加速度センサ620、及びMicro USB用の凹状の端子621によって構成されている。
【0036】
このうち、撮像ユニット601は、各々半球画像を結像するための180°以上の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)602a,602bと、各広角レンズに対応させて設けられている2つの撮像素子603a,603bを備えている。撮像素子603a,603bは、魚眼レンズ602a,602bによる光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサなどの画像センサ、この画像センサの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、この撮像素子の動作に必要な種々のコマンドやパラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。
【0037】
撮像ユニット601の撮像素子603a,603bは、各々、画像処理ユニット604とパラレルI/Fバスで接続されている。一方、撮像ユニット601の撮像素子603a,603bは、撮像制御ユニット605とは、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)で接続されている。画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605及び音処理ユニット609は、バス610を介してCPU611と接続される。さらに、バス610には、ROM612、SRAM613、DRAM614、操作部615、外部機器接続I/F(Interface)616、通信部617、及び加速度・方位センサ618なども接続される。
【0038】
画像処理ユニット604は、撮像素子603a,603bから出力される画像データをパラレルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施した後、これらの画像データを合成処理して、正距円筒射影画像のデータを作成する。
【0039】
撮像制御ユニット605は、一般に撮像制御ユニット605をマスタデバイス、撮像素子603a,603bをスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子603a,603bのレジスタ群にコマンド等を設定する。必要なコマンド等は、CPU611から受け取る。また、撮像制御ユニット605は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子603a,603bのレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU611に送る。
【0040】
また、撮像制御ユニット605は、操作部615のシャッターボタンが押下されたタイミングで、撮像素子603a,603bに画像データの出力を指示する。全天球撮影装置によっては、ディスプレイ(例えば、スマートフォンのディスプレイ)によるプレビュー表示機能や動画表示に対応する機能を持つ場合もある。この場合は、撮像素子603a,603bからの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行われる。
【0041】
また、撮像制御ユニット605は、後述するように、CPU611と協働して撮像素子603a,603bの画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、全天球撮影装置にはディスプレイが設けられていないが、表示部を設けてもよい。
【0042】
マイク608は、音を音(信号)データに変換する。音処理ユニット609は、マイク608から出力される音データをI/Fバスを通して取り込み、音データに対して所定の処理を施す。
【0043】
CPU611は、全天球撮影装置の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM612は、CPU611のための種々のプログラムを記憶している。SRAM613及びDRAM614はワークメモリであり、CPU611で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM614は、画像処理ユニット604での処理途中の画像データや処理済みの正距円筒射影画像のデータを記憶する。
【0044】
操作部615は、シャッターボタン615aなどの操作ボタンの総称である。ユーザは操作部615を操作することで、種々の撮影モードや撮影条件などを入力する。
【0045】
外部機器接続I/F616は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやPC(Personal Computer)等である。DRAM614に記憶された正距円筒射影画像のデータは、この外部機器接続I/F616を介して外付けのメディアに記録されたり、必要に応じて外部機器接続I/F616を介してスマートフォン等の外部端末(装置)に送信されたりする。
【0046】
通信部617は、全天球撮影装置に設けられたアンテナ617aを介して、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信技術によって、スマートフォン等の外部端末(装置)と通信を行う。この通信部617によっても、正距円筒射影画像のデータをスマートフォン等の外部端末(装置)に送信することができる。
【0047】
加速度・方位センサ618は、地球の磁気から全天球撮影装置の方位を算出し、方位情報を出力する。この方位情報はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮影画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮影日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。また、加速度・方位センサ618は、全天球撮影装置6の移動に伴う角度の変化(Roll角、Pitch角、Yaw角)を検出するセンサである。角度の変化はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮像画像の画像補正等の画像処理に利用される。
【0048】
更に、加速度・方位センサ618は、3軸方向の加速度を検出するセンサである。全天球撮影装置は、加速度・方位センサ618が検出した加速度に基づいて、自装置(全天球撮影装置)の姿勢(重力方向に対する角度)を算出する。全天球撮影装置に、加速度・方位センサ618が設けられることによって、画像補正の精度が向上する。
【0049】
≪MFPのハードウェア構成≫
図4は、電子機器30がMFPで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0050】
図4に示されているように、一実施形態におけるMFPは、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F(Interface)950を備えている。
【0051】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ908、及び、記憶部であるHD(Hard Disk)909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0052】
これらのうち、CPU901は、MFPの全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0053】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM(Read Only Memory)902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM(Random Access Memory)902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0054】
SB904は、NB903とPCI機器、周辺機器とを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0055】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0056】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0057】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0058】
なお、MFPは、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0059】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0060】
≪セルフサービスターミナル/電子黒板のハードウェア構成≫
図5は、電子機器30がセルフサービスターミナルまたは電子黒板で実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。セルフサービスターミナルと電子黒板のハードウェアは、表示機能、ユーザによる入力機能など近接しているため、本例のハードウェア構成で双方をカバーできる。
【0061】
図5に示されているように、一実施形態におけるセルフサービスターミナル/電子黒板は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F(Interface)205、及び、外部機器接続I/F206を備えている。
【0062】
これらのうち、CPU201は、セルフサービスターミナル/電子黒板全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、セルフサービスターミナル/電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ205は、通信ネットワークN1との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0063】
また、セルフサービスターミナル/電子黒板は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0064】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。
【0065】
接触センサ214は、ディスプレイ280上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ280に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0066】
電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、セルフサービスターミナル/電子黒板の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0067】
更に、セルフサービスターミナル/電子黒板は、バスライン210を備えている。バスライン210は、
図5に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0068】
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0069】
<機器管理システムの機能構成>
次に、本実施形態における機器管理システムの機能構成の一例について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態における機器管理システムに含まれる各装置の機能構成を例示するブロック図である。
【0070】
≪管理装置の機能構成≫
図6に示されているように、本実施形態における管理装置10は、画像受信部11、操作情報受信部12、状態管理部13、動作指示部14及び状態記憶部100を備える。本実施形態における状態管理部13は、物体状態管理部131、機器状態管理部132及び出力情報決定部133を備える。
【0071】
画像受信部11、操作情報受信部12、状態管理部13及び動作指示部14は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0072】
状態記憶部100は、例えば、
図2に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0073】
状態記憶部100は、管理対象空間R1に存在する機器及び物体の状態を管理する状態管理情報を記憶する。本実施形態における状態管理情報は、登録物体リスト、登録機器リスト及び検出物体リストを含む。
【0074】
登録物体リストは、管理対象空間R1に存在する物体に関する情報を管理するリストである。本実施形態における物体は、人物である。
【0075】
登録機器リストは、管理対象空間R1に存在する機器に関する情報を管理するリストである。本実施形態における機器は、電子機器30である。
【0076】
検知物体リストは、管理対象空間R1で検知された物体を管理するリストである。検知物体リストは、登録物体リストを更新するために用いられる一時的なリストである。
【0077】
ここで、本実施形態における状態管理情報について、
図7を参照しながら説明する。
図7(A)は、登録物体リストの一例を示す概念図である。
【0078】
図7(A)に示されているように、本実施形態における登録物体リストは、データ項目として、登録物体ID、グループID、存在確認フラグ、属性情報及び機器操作情報を有する。
【0079】
登録物体IDは、登録物体リストに含まれる物体を識別する識別情報である。
【0080】
グループIDは、複数の登録物体が属するグループを識別する識別情報である。グループIDは、登録物体リストに含まれる登録物体の一部が同じグループに属すると判定された場合に付与される。グループに属すると判定されていない登録物体のグループIDは、初期値(例えばゼロ)が設定される。
【0081】
グループとは、例えば同僚、親子又は友人である。グループに属するメンバーは共同で会議又は買い物等のジョブを遂行する。そのため、グループを認識することにより人物の行動をより精度よく把握することが期待できる。例えば、無人店舗に親子が存在する場合、親が精算する際に子供が手に取った商品の精算を同時にできれば利便性が高い。また、MFP及び電子黒板が設置された会議室で複数の社員が会議をするとき、ある社員がMFPで認証を行えば他の社員が電子黒板を使用するときに認証を省略できると利便性が高い。
【0082】
存在確認フラグは、当該登録物体が管理対象空間R1に存在するか否かを示すフラグである。存在確認フラグは、例えば、存在すれば1、存在しなければ0が設定される。
【0083】
属性情報は、登録物体に付随する情報であって、管理に必要な情報である。本実施形態では、登録物体の位置及び当該位置が確認された時刻(以下、「画像取得時刻」とも呼ぶ)である。登録物体の位置は三次元座標(すなわちX軸、Y軸、Z軸等の直交座標系における各軸上の数値)で表される。
【0084】
位置情報を取得する方法は監視装置20の種別によって異なる。例えば、監視装置20がネットワークカメラであれば、物体までの距離をステレオカメラで取得し、方向と併せて三次元座標にマッピングする等、公知の技術を用いることができる。
【0085】
なお、属性情報は、登録物体の位置に加えて、登録物体の特徴を示す種々の情報を含んでもよい。例えば、登録物体の色又は形状を用いることができる。物体が人物である場合、形状は姿勢によって変化するため、色を用いると好適である。色の種類の数又は各色の面積も姿勢によって変化するため、物体が同一か否かを判定する際には、少なくとも1つの色が連続しているか否かを条件とすると好適である。
【0086】
機器操作情報は、登録物体が行なった機器操作に関する情報である。機器操作情報は、当該機器操作においてユーザが入力した入力情報を含むことがある。機器操作情報は、例えば、ユーザが電子機器で実行した機能、操作時刻、操作の対価としての料金情報、各料金情報と一対一に紐づけられその料金が既に支払い済みであることを示す支払い済みフラグ情報(後述)、使用言語等である。入力情報は、認証操作における認証情報又は機器設定操作における設定情報等である。
【0087】
管理対象空間R1に存在する物体の数は時々刻々と変化する。そのため、登録物体リストに含まれる登録物体の数は可変である。
【0088】
図7(B)は、登録機器リストの一例を示す概念図である。
図7(B)に示されているように、本実施形態における登録機器リストは、データ項目として、登録機器ID、属性情報、機器入力情報及び機器出力情報を有する。
【0089】
登録機器IDは、登録機器リストに含まれる機器を識別する識別情報である。
【0090】
属性情報は、登録機器に付随する情報であって、管理に必要な情報である。本実施形態では、登録機器の位置、電源オン/オフ状況、スリープモード状態か否か、認証要否、オプション搭載状況、メンテナンス中/メンテナンス予定時刻/省エネモード中などの状態情報等である。登録機器の位置は登録物体と同様に三次元座標で表される。
【0091】
機器入力情報(以下、「使用情報」とも呼ぶ)は、登録機器が操作された場合に管理される所定の情報である。機器入力情報は、当該機器操作においてユーザが入力した入力情報を含むことがある。機器入力情報は、例えば、ユーザにより登録機器で実行された機能、操作時刻、操作の対価として請求すべき料金情報等である。機器入力情報は、当該機器操作においてユーザが設定した画面設定情報を含んでもよい。画面設定情報は、例えば、使用言語、使用文字のフォント、使用文字のサイズ等である。
【0092】
機器出力情報は、登録機器に対して予め登録された情報である。機器出力情報は、動作指示を送信する契機となる出力条件、及び当該出力条件が満たされた場合に当該登録機器に送信する動作指示を対応付けるリストである。
【0093】
管理対象空間R1に設置される機器の数は変化する可能性がある。そのため、登録機器リストに含まれる登録機器の数は可変である。
【0094】
図7(C)は、検知物体リストの一例を示す概念図である。
図7(C)に示されているように、本実施形態における検知物体リストは、データ項目として、検知物体ID、グループID及び属性情報を有する。
【0095】
検知物体IDは、検知物体リストに含まれる物体を識別する識別情報である。
【0096】
グループIDは、複数の検知物体が含まれるグループを識別する識別情報である。グループIDは、検知物体リストに含まれる検知物体の一部が同じグループに属すると判定された場合に付与される。グループに属すると判定されていない検知物体のグループIDは、初期値(例えばゼロ)が設定される。
【0097】
属性情報は、検知物体に付随する情報であって、管理に必要な情報である。本実施形態では、検知物体の位置及び画像取得時刻である。検知物体の位置は登録物体と同様に三次元座標で表される。
【0098】
管理対象空間R1で検知される物体の数は時々刻々と変化する。そのため、検知物体リストに含まれる検知物体の数は可変である。
【0099】
図6に戻って説明する。画像受信部11は、監視装置20から画像を受信する。画像受信部11は、状態管理部13の要求に応じて、受信した画像を状態管理部13に送る。なお画像受信部11は、第1画像受信部及び、第2画像受信部の1例である。また第1画像受信部、第2画像受信部は1つのソフトウェアモジュール、または複数のソフトウェアモジュールで構成されていてもよい。画像受信部11は、例えば、第1画像受信部で第1の電子機器を使用している第1のユーザを撮影した第1の画像を受信する。また、画像受信部11は、例えば、第2画像受信部で撮影装置から第2の電子機器の操作可能位置に存在している第2のユーザを撮影した第2の画像を受信する。
【0100】
操作情報受信部12は、電子機器30から機器操作情報を受信する。操作情報受信部12は、状態管理部13の要求に応じて、受信した機器操作情報を状態管理部13に送る。なお操作情報受信部12は、入力情報受信部の1例である。操作情報受信部12は、例えば、第1ユーザ特定部によって特定された第1のユーザが第1の電子機器で入力した認証情報を第1の電子機器から受信する。また、操作情報受信部12は、例えば、第1ユーザ特定部によって特定された第1のユーザが第1の電子機器を使用した使用情報を第1の電子機器から受信する。
【0101】
状態管理部13は、物体状態管理部131及び機器状態管理部132を用いて、電子機器30及び物体の状態を管理する。また、状態管理部13は、出力情報決定部133を用いて、電子機器30に送信する動作指示の内容を決定する。なお状態管理部13は、第1ユーザ特定部及び、第2ユーザ特定部の1例である。また第1ユーザ特定部及び、第2ユーザ特定部は1つのソフトウェアモジュール、または複数のソフトウェアモジュールで構成されていてもよい。状態管理部13は、第1の電子機器の使用情報と第1の画像とに基づいて、第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する。また、状態管理部13は、第2の画像から第2の電子機器の操作可能位置に存在する第2のユーザを特定する。この処理は次の物体状態管理部131と機器状態管理部132とを用いて実行する。
【0102】
物体状態管理部131は、画像受信部11から受け取った画像に基づいて、状態記憶部100に記憶されている登録物体リストを更新する。例えば物体状態管理部131は、第1の画像に基づいて第1のユーザを特定する。また、例えば物体状態管理部131は、第2の画像から第2の電子機器の操作可能位置に存在する第2のユーザを特定する。処理の詳細は後述する。
【0103】
機器状態管理部132は、操作情報受信部12から受け取った機器操作情報に基づいて、状態記憶部100に記憶されている登録機器リスト及び登録物体リストを更新する。例えば機器状態管理部132は、第1の電子機器の使用情報と第1の画像とに基づいて、第1の電子機器を使用した前記第1のユーザを特定する。処理の詳細は後述する。
【0104】
出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報に基づいて、電子機器30に送信する動作指示の内容を決定する。出力情報決定部133は、決定した動作指示を動作指示部14に送る。
【0105】
動作指示部14は、状態管理部13から受け取った動作指示を、電子機器30に送信する。動作指示部14は、例えば、第1ユーザ特定部によって特定された第1のユーザ及び、第2ユーザ特定部によって特定された第2のユーザの情報と認証情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、第2の電子機器に、認証情報又は認証情報中の画面設定情報を用いた動作を指示する。また、動作指示部14は、例えば、第1ユーザ特定部によって特定された第1のユーザ及び、第2ユーザ特定部によって特定された第2のユーザの情報と使用情報とに基づいて、所定の条件を満たす場合に、第2の電子機器に、使用情報を用いた動作を指示する。
【0106】
例えば、所定の条件は、第1のユーザが第1の電子機器で、料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、料金が未払いである場合である。このとき、動作指示部14は、第1のユーザに提示する請求額に、第1の電子機器の利用料金を表示または加算する動作を、第2の電子機器に対して指示する。
【0107】
また、例えば、所定の条件は、第1のユーザと同じグループIDを持つ他のユーザが、第1の電子機器で、料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、料金が未払いである場合である。このとき、動作指示部14は、第1のユーザに提示する請求額に、他のユーザに関する第1の電子機器の利用料金を加算して表示する動作、または、他のユーザに関する第1の電子機器の利用料金を、第1のユーザではなく他のユーザが支払う旨を示す選択肢を表示する動作を、第2の電子機器に対して指示する。
【0108】
また、例えば、所定の条件は、第1のユーザが第1の電子機器で、料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、料金が未払いである場合である。このとき、動作指示部14は、第1のユーザに対する請求額を、支払い済み料金を含めずに表示する動作を、第2の電子機器に対して指示する。
【0109】
また、例えば、所定の条件は、第1のユーザが第1の電子機器でログインする操作を行った機器操作情報が存在し、第1のユーザが第1の電子機器で入力した認証情報が第2の電子機器で認証可能であり、かつ、第2の電子機器が未ログインである場合である。このとき、動作指示部14は、第1のユーザが第1の電子機器で入力した認証情報を用いてログインする動作を、第2の電子機器に対して指示する。
【0110】
また、例えば、所定の条件は、第1のユーザと同じグループIDを持つ他のユーザが、第1の電子機器でログインする操作を行った機器操作情報が存在し、他のユーザが第1の電子機器で入力した認証情報が第2の電子機器で認証可能であり、かつ、第2の電子機器が未ログインである場合である。このとき、動作指示部14は、他のユーザが第1の電子機器で入力した認証情報を用いてログインする動作を、第2の電子機器に対して指示する。
【0111】
さらに、動作指示部14は、機器操作情報が、第1の電子機器に情報を入力する操作を含む場合に、第1の電子機器に入力された情報を表示する旨を示す選択肢を表示する動作を第2の電子機器に対して指示する。
【0112】
≪監視装置の機能構成≫
図6に示されているように、本実施形態における監視装置20は、画像取得部21及び画像送信部22を備える。
【0113】
画像取得部21は、管理対象空間R1に設置された電子機器30の近傍を含む画像を取得する。画像取得部21は、例えば、
図3に示されているROM612からSRAM613上に展開されたプログラムがCPU611及び撮像制御ユニット605に実行させる処理によって実現される。
【0114】
画像送信部22は、画像取得部21が取得した画像を管理装置10に送信する。画像送信部22は、例えば、
図3に示されているROM612からSRAM613上に展開されたプログラムがCPU611及び外部機器接続I/F616に実行させる処理によって実現される。
【0115】
≪電子機器の機能構成≫
図6に示されているように、本実施形態における電子機器30は、操作情報送信部31及び機器制御部32を備える。
【0116】
操作情報送信部31及び機器制御部32は、例えば、
図4に示されているHD909からRAM902b上に展開されたプログラムがCPU901及びHDDコントローラ908に実行させる処理によって実現される。
【0117】
操作情報送信部31は、ユーザが行った操作に関する機器操作情報を管理装置10に送信する。
【0118】
機器制御部32は、管理装置10から動作指示を受信する。機器制御部32は、受信した動作指示に基づいて、当該電子機器30の動作を制御する。例えば、機器制御部32は、動作指示に含まれる認証情報を用いて、ユーザを認証する。また、例えば、機器制御部32は、動作指示に含まれる設定情報を用いて、当該電子機器30の設定変更を行う。
【0119】
<機器管理方法の処理手順>
次に、本実施形態における機器管理システムが実行する機器管理方法について、
図8から
図20を参照しながら説明する。
【0120】
≪基本フローチャート≫
本実施形態における機器管理方法では、あるリストに含まれる各データとあるリストに含まれる各データとのすべての組み合わせについて処理を行う2重ループ処理が多く含まれる。そこで、本実施形態では、2重ループ処理の枠組みを示す基本フローチャートを導入し、以降の説明では基本フローチャート中の処理を中心に説明する。なお、基本フローチャート中の各処理は、2つのデータの組み合わせ1つに対して行う処理である。
【0121】
本実施形態における基本フローチャートは、2つの基本フローチャートを含む。第1の基本フローチャートは、異なるリストに含まれる2つのデータを2重ループ処理する場合に使用される。第2の基本フローチャートは、同じリストに含まれる2つのデータを2重ループ処理する場合に使用される。
【0122】
図8は、本実施形態における第1の基本フローチャートの一例を示すフローチャートである。
【0123】
ステップS101において、リストAを読み出す。リストAのデータ数はNとする。ステップS102において、リストBを読み出す。リストBのデータ数はMとする。
【0124】
ステップS103において、変数nを1に初期化する。ステップS104において、変数mを1に初期化する。ステップS105において、処理A1を実行する。
【0125】
ステップS106において、変数mがデータ数Mと等しいか否かを判定する。これは、リストAのn番目のデータについてリストBのすべてのデータとの組み合わせを処理したか否かを意味する。変数mがデータ数Mと異なる場合(NO)、ステップS107に進む。変数mがデータ数Mと等しい場合(YES)、ステップS109に進む。
【0126】
ステップS107において、処理A3を実行する。ステップS108において変数mをインクリメントする。その後、ステップS106に戻る。
【0127】
ステップS109において、処理A2を実行する。ステップS110において、変数nがデータ数Nと等しいか否かを判定する。これは、リストAのすべてのデータについてリストBのすべてのデータとの組み合わせを処理したか否かを意味する。変数nがデータ数Nと異なる場合(NO)、ステップS111に進む。変数nがデータ数Nと等しい場合(YES)、ステップS113に進む。
【0128】
ステップS111において、処理A5を実行する。ステップS112において変数nをインクリメントする。その後、ステップS104に戻る。
【0129】
ステップS113において、処理A4を実行する。以上により、リストA及びリストBに含まれるデータ同士のすべての組み合わせに対する処理が完了する。
【0130】
図9は、本実施形態における第2の基本フローチャートの一例を示すフローチャートである。
【0131】
ステップS201において、リストAを読み出す。リストAのデータ数はNとする。
【0132】
ステップS202において、変数nを1に初期化する。ステップS203において、変数mにn+1を代入する。ステップS204において、処理B1を実行する。
【0133】
ステップS205において、変数mがNと等しいか否かを判定する。これは、リストAのn番目のデータについてリストAのすべてのデータとの組み合わせを処理したか否かを意味する。変数mがNと異なる場合(NO)、ステップS206に進む。変数mがNと等しい場合(YES)、ステップS208に進む。
【0134】
ステップS206において、処理B3を実行する。ステップS207において変数mをインクリメントする。その後、ステップS204に戻る。
【0135】
ステップS208において、処理B2を実行する。ステップS209において、変数nがN-1と等しいか否かを判定する。これは、リストAのすべてのデータについてリストAの他のすべてのデータとの組み合わせを処理したかを意味する。変数nがN-1と異なる場合(NO)、ステップS210に進む。変数nがN-1と等しい場合(YES)、ステップS212に進む。
【0136】
ステップS210において、処理B5を実行する。ステップS211において変数nをインクリメントする。その後、ステップS203に戻る。
【0137】
ステップS212において、処理B4を実行する。以上により、リストAに含まれるデータ同士のすべての組み合わせに対する処理が完了する。
【0138】
≪機器管理方法≫
図10は、本実施形態における機器管理システムが実行する機器管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0139】
機器管理システムは、
図10に示すフローチャートを所定の時間間隔で繰り返し実行する。時間間隔は任意に設定すればよいが、例えば、3秒である。
【0140】
ステップS1において、監視装置20が備える画像取得部21は、電子機器30-1の近傍を撮影した第1の画像を取得する。また、画像取得部21は、電子機器30-2の近傍を撮影した第2の画像を取得する。監視装置20は、管理対象空間R1に設置された電子機器30-1及び電子機器30-2の近傍が画角に入るように設置されている。そのため、画像取得部21が取得する第1の画像には、電子機器30-1の近傍が撮影されている。また、画像取得部21が取得する第2の画像には、電子機器30-2の近傍が撮影されている。
【0141】
電子機器30-1又は電子機器30-2の近傍とは、ユーザが当該電子機器30-1又は電子機器30-2を操作可能な位置の範囲(以下、「操作可能位置」とも呼ぶ)である。操作可能位置はユーザが電子機器30-1又は電子機器30-2に手が届く位置である。操作可能位置は例えば電子機器30-1又は電子機器30-2から1メートル以内の位置である。したがって、第1の画像は、電子機器30-1と当該電子機器30-1を利用する利用者とを撮影した画像である。また、第2の画像は、電子機器30-2と当該電子機器30-2を利用する利用者とを撮影した画像である。
【0142】
電子機器30-1及び電子機器30-2それぞれの操作可能位置が、1枚の画像に撮影可能な場合には、1枚の画像に電子機器30-1及び電子機器30-2それぞれの操作可能位置を撮影してもよい。この場合、第1の画像と第2の画像とは、同一の画像となる。
【0143】
画像取得部21が取得する第1の画像及び第2の画像は、静止画に限定されず、動画であってもよい。
【0144】
次に、画像取得部21は、取得した第1の画像及び第2の画像を画像送信部22に送る。画像送信部22は、画像取得部21から第1の画像及び第2の画像を受け取る。次に、画像送信部22は、受け取った第1の画像及び第2の画像を管理装置10に送信する。管理装置10では、画像受信部11が、監視装置20から第1の画像及び第2の画像を受信する。
【0145】
ステップS2において、管理装置10が備える状態管理部13は、画像受信部11に第1の画像及び第2の画像を要求する。次に、状態管理部13は、画像受信部11から受け取った第1の画像及び第2の画像を物体状態管理部131に入力する。
【0146】
続いて、物体状態管理部131は、後述する物体状態更新処理を実行し、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報の登録物体リストを更新する。監視装置20が複数ある場合、物体状態管理部131は、複数の監視装置20それぞれから受信した複数の画像それぞれについて、物体状態更新処理を実行する。
【0147】
≪物体状態更新処理≫
ここで、本実施形態における物体状態更新処理について、
図11から
図16を参照しながら説明する。
図11は、本実施形態における物体状態管理部131が実行する物体状態更新処理(
図10のステップS2)の一例を示すフローチャートである。
【0148】
ステップS21において、物体状態管理部131は、後述の検知物体リスト作成処理を実行し、状態管理部13から入力された画像に基づいて、検知物体リストを作成する。
【0149】
図12は、本実施形態における物体状態管理部131が実行する検知物体リスト作成処理(
図11のステップS21)の一例を示すフローチャートである。
【0150】
ステップS21-1において、物体状態管理部131は、状態記憶部100に記憶されている検知物体リストをクリアする。すなわち、検知物体リストに含まれるデータをすべて削除する。
【0151】
ステップS21-2において、物体状態管理部131は、状態管理部13から入力された画像を取得する。画像は、1台の監視装置20から受信した1つの画像でもよく、複数の監視装置20から受信した複数の画像でもよい。
【0152】
次に、物体状態管理部131は、画像を所定のブロックに分割する。続いて、物体状態管理部131は、ブロック毎に、画像に撮影されている物体とカメラとの距離を測定する。また、物体状態管理部131は、測定した距離から三次元座標を求める。距離から三次元座標に変換する方法は、公知の方法を利用すればよい。
【0153】
ステップS21-3において、物体状態管理部131は、取得した画像から画像取得時刻Tを取得する。画像から画像取得時刻が取得できない場合は、現在時刻を画像取得時刻Tとして取得すればよい。
【0154】
ステップS21-4において、物体状態管理部131は、取得した画像を解析し、当該画像に撮影されている物体を検知する。本実施形態では、画像に撮影されている人物を検知する。
【0155】
人物の検知は、公知の手法を用いることができる。例えば、機械学習モデルを用いたパターンマッチングを用いることができる。具体的には、公知の領域ベース畳み込みニューラルネットワーク(Region Based Convolutional Neural Networks: R-CNN)等を用いて、画像の中から人物を切り出すことができる。
【0156】
さらに、切り出した人物の画像を、予め記憶されている比較画像とパターンマッチングすることで検知の精度を向上することができる。なお、これら以外にも、公知の様々な人物検知手法を用いることができる。
【0157】
ステップS21-5において、物体状態管理部131は、検知した物体を識別する検知物体IDを付与する。
【0158】
ステップS21-6において、物体状態管理部131は、検知物体ID及び属性情報(検知物体の位置及び画像取得時刻)を検知物体リストに登録する。なお、この段階では、グループIDにはグループに属さないことを示す初期値が設定される。
【0159】
図11に戻って説明する。ステップS22において、物体状態管理部131は、後述の登録物体リスト更新処理を実行し、検知物体リストに基づいて、登録物体リストを更新する。
【0160】
図13及び
図14は、本実施形態における物体状態管理部131が実行する登録物体リスト更新処理(
図11のステップS22)の一例を示すフローチャートである。
【0161】
登録物体リスト更新処理は、第1の基本フローチャート(
図8参照)の枠組みで行われる。具体的には、検知物体リストをリストAとし、登録物体リストをリストBとし、検知物体と登録物体のすべての組み合わせについて、処理A1(
図13)及び処理A4(
図14)を実行する。なお、処理A2、A3及びA5に相当する処理はない。
【0162】
図13は、登録物体リスト更新処理の処理A1の一例を示すフローチャートである。処理A1は、登録物体と検知物体との同一性を判定し、登録物体の位置を更新するための処理である。
【0163】
ここでは、検知物体リストのn番目の検知物体と登録物体リストのm番目の登録物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0164】
ステップS22-1において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の存在確認フラグをクリアする。すなわち、m番目の登録物体の存在確認フラグに0を設定する。これは、当該登録物体が管理対象空間R1に存在するか否かが不明であることを意味する。
【0165】
ステップS22-2において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の三次元座標とn番目の検知物体の三次元座標との距離Xを計算する。
【0166】
ステップS22-3において、物体状態管理部131は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)以下であるか否かを判定する。距離Xが閾値を超えている場合(NO)、物体状態管理部131は、処理A1を終了する。これは、両者の距離が離れているため、同一の人物ではないと判断されたことを意味する。距離Xが閾値以下である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS22-4に処理を進める。
【0167】
ステップS22-4において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の属性情報に、n番目の検知物体の三次元位置及び映像取得時刻を追加する。これは、両者の距離が近いため、同一の人物であり、n番目の検知物体の位置がm番目の登録物体の画像取得時刻Tにおける位置であると判断されたことを意味する。
【0168】
登録物体リストの属性情報は、画像から当該登録物体が検知される限り、物体状態更新処理を実行する度に増えていくことになる。逆に言うと、登録物体リストの属性情報は、当該登録物体が管理対象空間内で検知された位置の時系列を表す。したがって、登録物体リストの属性情報により、当該登録物体の移動を追跡することができる。
【0169】
ステップS22-5において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の存在確認フラグをセットする。すなわち、m番目の登録物体の存在確認フラグに1を設定する。これは、ステップS22-3で登録物体と一致する物体が検知されたため、当該登録物体が画像取得時刻Tにおいても管理対象空間R1に存在すると判定されたことを意味する。
【0170】
図14は、登録物体リスト更新処理の処理A4の一例を示すフローチャートである。処理A4は、処理A1において存在が確認できなかった登録物体を登録物体リストから削除する処理である。
【0171】
ステップS22-6において、物体状態管理部131は、変数mを1に初期化する。
【0172】
ステップS22-7において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の存在が確認できたか否かを判定する。具体的には、存在確認フラグが1であるか0であるかを判定する。存在確認フラグが1である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS22-9に処理を進める。存在確認フラグが0である場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS22-8に処理を進める。
【0173】
ステップS22-8において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体を登録物体リストから削除する。
【0174】
ステップS22-9において、物体状態管理部131は、変数mがデータ数Mと等しいか否かを判定する。変数mがデータ数Mと異なる場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS22-10に処理を進める。変数mがデータ数Mと等しい場合(YES)、物体状態管理部131は、処理を終了する。
【0175】
ステップS22-10において、物体状態管理部131は、変数mをインクリメントする。その後、物体状態管理部131は、ステップS22-7に処理を戻す。
【0176】
図11に戻って説明する。ステップS23において、物体状態管理部131は、後述のグループID付与処理を実行し、登録物体リストに含まれる登録物体にグループIDを付与する。
【0177】
グループID付与処理は、第2の基本フローチャート(
図9参照)の枠組みで行われる。具体的には、登録物体リストをリストAとし、2つの登録物体のすべての組み合わせについて、処理B1(
図15又は
図16)を実行する。なお、処理B2-B5に相当する処理はない。
【0178】
ある物体と他の物体とが同じグループに含まれるか否かを判定する処理は、様々な手法が考えられる。本実施形態では、位置近接によるグループ判定及びグループ行為によるグループ判定を説明する。ただし、グループ判定の手法はこれらに限定されず、画像から物体のグループ判定が可能な技術であれば、どのようなものを用いてもよい。
【0179】
図15は、本実施形態における物体状態管理部131が実行するグループID付与処理(
図11のステップS23)の第1の例を示すフローチャートである。グループID付与処理の第1の例は、位置近接によるグループ判定である。
【0180】
位置近接によるグループ判定は、直近の所定回数連続して近接した位置で検知された2つの物体をグループとして登録する処理である。所定回数は、例えば5回である。機器管理方法を実行する時間間隔を3秒とすれば、15秒間連続して近接した位置で検知された2つの物体が同じグループとして判定されることになる。
【0181】
ここでは、登録物体リストのm番目の登録物体とn番目の登録物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0182】
ステップS23A-1において、物体状態管理部131は、変数k及び変数jを1に初期化する。変数kは2つの物体が近接しているか否かを判定した回数を表すカウンタである。変数jは2つの物体が近接していると判定された回数を表すカウンタである。
【0183】
ステップS23A-2において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体のk回前の三次元座標とn番目の登録物体のk回前の三次元座標との距離Xを計算する。
【0184】
ステップS23A-3において、物体状態管理部131は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値未満である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-4に処理を進める。距離Xが閾値以上である場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS23A-5に処理を進める。
【0185】
ステップS23A-4において、物体状態管理部131は、変数jをインクリメントする。
【0186】
ステップS23A-5において、物体状態管理部131は、変数kをインクリメントする。
【0187】
ステップS23A-6において、物体状態管理部131は、変数kが所定回数Kと等しいか否かを判定する。変数kが所定回数Kと異なる場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS23A-2に処理を戻す。変数kが所定回数Kと等しい場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-7に処理を進める。
【0188】
ステップS23A-7において、物体状態管理部131は、変数jが所定回数Kと等しいか否かを判定する。変数jが所定回数Kと異なる場合(NO)、物体状態管理部131は、処理を終了する。変数jが所定回数Kと等しい場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-8に処理を進める。
【0189】
ステップS23A-8において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体及びn番目の登録物体のいずれかにグループIDが付与されているか否かを判定する。グループIDが付与されている場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-9に処理を進める。グループIDが付与されていない場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS23A-10に処理を進める。
【0190】
ステップS23A-9において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体及びn番目の登録物体に付与されているグループIDのいずれかを、付与するグループIDとして決定する。次に、物体状態管理部131は、登録物体リストにおいて、m番目の登録物体及びn番目の登録物体のグループIDに、決定したグループIDを設定する。
【0191】
物体状態管理部131は、以下のようにして付与するグループIDを決定する。一方の登録物体のみにグループIDが付与されている場合、当該グループIDを付与するグループIDとする。すなわち、グループIDが付与されていない登録物体が既存のグループのメンバーに追加される。
【0192】
両方の登録物体にグループIDが付与されている場合、まず、m+1番目以降の登録物体をグループIDでソートしてm番目の登録物体と同じグループIDを持つ登録物体を特定する。次に、m番目の登録物体及び特定された全ての登録物体のグループIDをn番目の登録物体のグループIDで更新する。これにより、m番目の登録物体が属するグループのメンバーすべてがn番目の登録物体と同じグループに属することになる。これにより、3つ以上の登録物体が属するグループも把握できるようになる。
【0193】
ステップS23A-10において、物体状態管理部131は、他のグループIDと重複しない新たなグループIDを発行する。次に、物体状態管理部131は、登録物体リストにおいて、m番目の登録物体及びn番目の登録物体のグループIDに、発行した新たなグループIDを設定する。
【0194】
図16は、本実施形態における物体状態管理部131が実行するグループID付与処理(
図11のステップS23)の第2の例を示すフローチャートである。グループID付与処理の第2の例は、グループ行為によるグループ判定である。
【0195】
グループ行為によるグループ判定は、検知物体リストを作成した後に画像解析によってグループ判定を行う処理である。そのため、グループ行為によるグループ判定を行う場合、ステップS23は、ステップS21とステップS22の間で実行される。
【0196】
ここでは、検知物体リストのm番目の検知物体とn番目の検知物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0197】
ステップS23B-1において、物体状態管理部131は、n番目の検知物体の三次元座標とm番目の検知物体の三次元座標との距離Xを計算する。
【0198】
ステップS23B-2において、物体状態管理部131は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値以上である場合(NO)、物体状態管理部131は、処理を終了する。距離Xが閾値未満である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23B-3に処理を進める。
【0199】
ステップS23B-3において、物体状態管理部131は、n番目の検知物体の三次元座標とm番目の検知物体の三次元座標との中点を計算する。具体的には、物体状態管理部131は、2つの検知物体のX座標、Y座標及びZ座標それぞれの和を2で除算する。
【0200】
ステップS23B-4において、物体状態管理部131は、中点を中心とした半径Yピクセルの映像Pを抽出する。半径Yは映像の解像度に応じて、映像Pに含まれる範囲が実空間における距離で約1mとなるように設定される。
【0201】
ステップS23B-5において、物体状態管理部131は、予め記憶されているグループ行為画像を読み出す。グループ行為画像は、同じグループに属すると判定される行為を表す画像の集合である。例えば、2人の人物が挨拶又は握手等を行っている画像等である。
【0202】
ステップS23B-6において、物体状態管理部131は、映像Pとグループ行為画像それぞれとの類似度をパターンマッチング等により計算する。
【0203】
ステップS23B-7において、物体状態管理部131は、計算した類似度の中に所定の閾値を超えるものがあるか否かを判定する。閾値を超える類似度がある場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23B-8に処理を進める。閾値を超える類似度がない場合(NO)、物体状態管理部131は、処理を終了する。
【0204】
ステップS23B-8において、物体状態管理部131は、他のグループIDと重複しない新たなグループIDを発行する。次に、物体状態管理部131は、検知物体リストにおいて、m番目の検知物体及びn番目の検知物体のグループIDに、発行した新たなグループIDを設定する。
【0205】
その後に実行される登録物体リスト更新処理のステップS22-4(
図13参照)において、物体状態管理部131は、登録物体のグループIDに、同一の物体と判定された検知物体のグループIDを設定する。なお、登録物体に既存のグループIDが付与されている場合、グループID付与処理の第1の例のステップS23A-8からステップS23A-10(
図15参照)が実行される。
【0206】
図10に戻って説明する。ステップS3において、電子機器30-1が備える操作情報送信部31は、ユーザが当該電子機器30-1で行った操作に応じて、操作内容が管理装置10に通知すべき情報であるか否かを判定する。この判定は、予め定めた操作内容のいずれかと合致するか否かにより行われる。
【0207】
操作情報送信部31は、通知すべき操作内容であると判定した場合、機器操作に関する機器操作情報を管理装置10に送信する。管理装置10では、操作情報受信部12が、電子機器30-1から機器操作情報を受信する。
【0208】
本実施形態における操作内容及び操作情報を、以下に例示する。
【0209】
<例1>
操作内容:機器ログイン
操作情報:登録機器ID、機器認証ID(認証が要求される場合)、ログイン時刻
【0210】
<例2>
操作内容:料金が発生する処理(コピー出力、従量課金型ソフトウェアの使用等)
操作情報:登録機器ID、機器認証ID(認証が要求される場合)、料金、入力データ、使用言語
【0211】
<例3>
操作内容:無し
操作情報:メンテナンス、省エネモード中などの状態情報
【0212】
登録機器IDとは、管理装置10の状態記憶部100に記憶されている登録機器リストに含まれる識別情報である。登録機器IDは、管理対象空間R1に設置されている電子機器30それぞれに割り振られている。機器認証IDは、電子機器30のユーザが当該電子機器30を使用するための認証に用いる認証情報である。
【0213】
ステップS4において、管理装置10が備える状態管理部13は、操作情報受信部12に操作情報を要求する。次に、状態管理部13は、操作情報受信部12から受け取った操作情報を機器状態管理部132に入力する。
【0214】
続いて、機器状態管理部132は、後述する機器状態更新処理を実行し、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報の登録機器リストを更新する。
【0215】
≪機器状態更新処理≫
ここで、本実施形態における機器状態更新処理について、
図17を参照しながら説明する。
図17は、本実施形態における機器状態管理部132が実行する機器状態更新処理(
図10のステップS4)の一例を示すフローチャートである。
【0216】
ステップS41において、機器状態管理部132は、機器操作情報に含まれる登録機器IDにより登録機器リストに含まれる登録機器を特定する。次に、機器状態管理部132は、特定された登録機器の機器入力情報に、受け取った機器操作情報を設定する。
【0217】
ステップS42において、機器状態管理部132は、変数nを1に初期化する。
【0218】
ステップS43において、機器状態管理部132は、特定された登録機器の三次元座標とn番目の登録物体の最新の三次元座標との距離Xを計算する。なお、登録機器の三次元座標は、登録物体の三次元座標と同様の手法により予め設定しておく。登録機器の設置位置が移動される場合もあるため、定期的に登録機器の三次元座標を更新する必要があるが、更新頻度は低くてもよい。
【0219】
ステップS44において、機器状態管理部132は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値以上である場合(NO)、機器状態管理部132は、ステップS47に処理を進める。距離Xが閾値未満である場合(YES)、機器状態管理部132は、ステップS45に処理を進める。
【0220】
ステップS45において、機器状態管理部132は、n番目の登録物体の機器操作情報に、特定された登録機器の機器入力情報を追加する。登録物体リストの機器操作情報は、所定数の機器入力情報を格納可能に構成されている。
【0221】
ステップS46において、機器状態管理部132は、変数nがデータ数Nと等しいか否かを判定する。変数nがデータ数Nと異なる場合(NO)、機器状態管理部132は、ステップS47に処理を進める。変数nがデータ数Nと等しい場合(YES)、機器状態管理部132は、処理を終了する。
【0222】
ステップS47において、機器状態管理部132は、変数nをインクリメントする。その後、機器状態管理部132は、ステップS43に処理を戻す。
【0223】
図10に戻って説明する。ステップS5において、管理装置10が備える出力情報決定部133は、後述する出力情報決定処理を実行し、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報に基づいて電子機器30に送信する動作指示を決定する。
【0224】
≪出力情報決定処理≫
ここで、本実施形態における出力情報決定処理について、
図18及び
図19を参照しながら説明する。
図18は、本実施形態における出力情報決定部133が実行する出力情報決定処理(
図10のステップS5)の一例を示すフローチャートである。
【0225】
出力情報決定処理は、第1の基本フローチャート(
図8参照)の枠組みで行われる。具体的には、登録機器リストをリストAとし、登録物体リストをリストBとし、登録機器と登録物体のすべての組み合わせについて、処理A1(
図18)を実行する。なお、処理A2-A5に相当する処理はない。
【0226】
ここでは、登録機器リストのn番目の登録機器と登録物体リストのm番目の登録物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0227】
ステップS51において、出力情報決定部133は、n番目の登録機器の最新の三次元座標とm番目の登録物体の最新の三次元座標との距離Xを計算する。
【0228】
ステップS52において、出力情報決定部133は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値以上である場合(NO)、機器状態管理部132は、処理を終了する。距離Xが閾値未満である場合(YES)、機器状態管理部132は、ステップS53に処理を進める。
【0229】
ステップS53において、出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている登録機器リストから、n番目の登録機器の機器出力情報に含まれる出力条件を取得する。
【0230】
ステップS54において、出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている登録物体リストから、m番目の登録物体の機器操作情報を取得する。
【0231】
ステップS55において、出力情報決定部133は、ステップS54で取得した機器操作情報のいずれかが、ステップS53で取得した出力条件を満たすか否かを判定する。機器操作情報のすべてが出力条件を満たさない場合、(NO)、機器状態管理部132は、処理を終了する。機器操作情報のいずれかが出力条件を満たす場合(YES)、機器状態管理部132は、ステップS56に処理を進める。
【0232】
ステップS56において、出力情報決定部133は、n番目の登録機器の機器出力情報からステップS53で取得した出力条件に対応する動作指示を取得する。なお、登録機器の動作指示には、登録機器の属性情報に応じて適応的に処理を行なうものが含まれていてもよい。例えば、登録機器が動作できない状態であるときは動作指示を送信しないといった条件を含めてもよい。動作できない状態とは、例えば、電源オフ状態又は休止状態等である。
【0233】
図19は、本実施形態における出力情報決定部133が実行する出力条件判定処理(
図18のステップS55)の変形例を示すフローチャートである。
【0234】
図18に示した出力情報決定処理では、ステップS55においてm番目の登録物体の機器操作情報のみに基づいて出力条件を満たすか否かを判定した。
図19に示した出力情報決定処理では、m番目の登録機器以外の機器操作情報を参照し出力条件を満たすか否かを判定する。
【0235】
ステップS55-1において、出力情報決定部133は、m番目の登録物体の機器操作情報のいずれかが、n番目の登録機器の出力条件を満たすか否かを判定する。機器操作情報のいずれかが出力条件を満たす場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-10に処理を進める。機器操作情報のすべてが出力条件を満たさない場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-2に処理を進める。
【0236】
ステップS55-2において、出力情報決定部133は、n番目の登録機器の出力条件に基づいて、他の登録物体の機器操作情報が必要か否かを判定する。他の登録物体の機器操作情報が必要な場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-3に処理を進める。他の登録物体の機器操作情報が不要な場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-9に処理を進める。
【0237】
ステップS55-3において、出力情報決定部133は、変数kを1に初期化する。
【0238】
ステップS55-4において、出力情報決定部133は、変数kが変数mと等しいか否かを判定する。変数kが変数mと等しい場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-5に処理を進める。変数kが変数mと等しくない場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-7に処理を進める。
【0239】
ステップS55-5において、出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている登録物体リストから、k番目の登録物体の機器操作情報を取得する。
【0240】
ステップS55-6において、出力情報決定部133は、k番目の登録物体の機器操作情報のいずれかが、n番目の登録機器の出力条件を満たすか否かを判定する。機器操作情報のいずれかが出力条件を満たす場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-10に処理を進める。機器操作情報のすべてが出力条件を満たさない場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-7に処理を進める。
【0241】
ステップS55-7において、出力情報決定部133は、変数kがデータ数Mと等しいか否かを判定する。変数kがデータ数Mと異なる場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップ55-8に処理を進める。変数mがデータ数Mと等しい場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-9に処理を進める。
【0242】
ステップS55-8において、出力情報決定部133は、変数kをインクリメントする。その後、出力情報決定部133は、ステップS55-4に処理を戻す。
【0243】
ステップS55-9において、出力情報決定部133は、ステップS54で取得した機器操作情報が、ステップS53で取得した出力条件を満たさないと判定し、処理を終了する。
【0244】
ステップS55-10において、出力情報決定部133は、ステップS54で取得した機器操作情報が、ステップS53で取得した出力条件を満たすと判定し、処理を終了する。
【0245】
図20は、本実施形態における機器出力情報の第1の例を示す図である。本実施形態における機器出力情報の第1の例は、無人店舗での支払いに関する出力条件を含む。機器出力情報の第1の例には、他の登録物体の機器操作情報が不要な出力条件、および、他の登録物体の機器操作情報が必要な出力条件(グループID活用)の両方が含まれる。
【0246】
機器出力情報の第1の例は、電子機器30-1がMFP、電子機器30-2が精算装置(セルフサービスターミナル)であって、MFP利用料金を精算装置で支払う利用シーンへの適用例である。
【0247】
図20に示されているように、本実施形態における出力条件1-1は、m番目の登録物体(以下、「人物α」とも呼ぶ)が電子機器30-1(ここでは、MFPとする)で料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、支払い済みフラグが未払いを表す0(=false)であること、である。
【0248】
図20に示されているように、出力条件1-1を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、登録機器(電子機器30-2)または管理装置10に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αに提示する請求額として、MFP利用料金を表示、または他の商品等を購入した料金にMFP利用料金を加算して表示することである。第2の動作指示は、人物αの機器操作情報に支払い済みフラグを、支払い済みを表す1(=true)に更新するように管理装置10に指示することである。
【0249】
本実施形態における出力条件1-2は、k番目の登録物体(以下、「人物β」とも呼ぶ)が電子機器30-1(ここでは、MFPとする)で料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、支払い済みフラグが未払いを表す0(=false)であること、である。なお、人物βは、人物αと同じグループIDを持つものとする。
【0250】
出力条件1-2を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、登録機器(電子機器30-2)または管理装置10に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αに提示する請求額に、人物βに関するMFP利用料金を加算することである。第2の動作指示は、人物βに関するMFP利用料金について「人物αではなく人物βが支払う」旨を示す選択肢と「はい」又は「いいえ」の選択ボタンを表示することである。「はい」が選択された場合、人物αに提示する請求額を、人物βに関するMFP利用料金を加算した請求額とする。「いいえ」が選択された場合、人物αに提示する請求額を、人物βのMFP利用料金を含まない金額とする。第3の動作指示は、人物αが人物βに関するMFP利用料金が加算された請求額を支払った場合、人物βの機器操作情報に支払い済みフラグを、支払い済みを表す1(=true)に更新するように管理装置10に指示することである。
【0251】
本実施形態における出力条件1-3は、m番目の登録物体(以下、「人物α」とも呼ぶ)が電子機器30-1(ここでは、MFPとする)で料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在するが、すでに支払い済みフラグが支払い済みを表す1(=true)であること、である。例えば同じグループに属するk番目の登録物体(人物β)がm番目の登録物体(人物α)のMFP利用料金をすでに支払い済み(支払い済みフラグ=1)の場合、このような状況が発生する。
【0252】
出力条件1-3を満たすと判断された場合、人物αに対する請求額を、支払い済みフラグが1である料金は含めずに算出する。この処理は支払い済みフラグが1でない料金のみを加算するという公知のif演算で簡単に実行できる。もし、人物αの店舗内の利用がMFP利用料金のみであれば、「すでに全ての代金は支払い済みです」という趣旨の表示を行なう。出力条件1-3のように、所定条件が満たされた場合のみ動作指示を行う事で、顧客の利便性を向上させることができる。
【0253】
図10に戻って説明する。ステップS6において、管理装置10が備える出力情報決定部133は、動作指示を表す動作指示情報を動作指示部14に送る。動作指示情報には、決定した動作指示を示す情報が含まれる。
【0254】
動作指示部14は、出力情報決定部133から動作指示情報を受け取る。次に、動作指示部14は、精算装置(セルフサービスターミナル)である電子機器30-2に、動作指示情報に含まれる動作指示を送信する。
【0255】
電子機器30-2(精算装置)では、機器制御部32が、管理装置10から動作指示を受信する。次に、機器制御部32は、受信した動作指示に従って、当該動作指示に含まれる料金情報を用いた動作を実行する。例えば、機器制御部32は、動作指示に含まれる料金情報を、利用者が購入する商品の代金に加えてディスプレイ506に表示する。
【0256】
また、例えば、機器制御部32は、利用者が属するグループ全員に関する料金情報を受信した場合、利用者が精算する料金を選択可能な形式でディスプレイ506に表示する。利用者は、個別精算を希望する場合には、他の利用者による電子機器の操作に基づく料金を除外して精算を行うことができる。
【0257】
更に機器制御部32は、利用者が属するグループメンバーがすでに支払い済みの料金か否かを支払い済みフラグに基づき判断し、支払い済みフラグが1である料金についてはディスプレイ506に表示されないよう、予め除去する。
【0258】
図21は、本実施形態における機器出力情報の第2の例を示す図である。本実施形態における機器出力情報の第2の例は、オフィスにおける電子機器間の情報連携に関する出力条件を含む。機器出力情報の第2の例には、第1の例と同様に、他の登録物体の機器操作情報が不要な出力条件、および、他の登録物体の機器操作情報が必要な出力条件(グループID活用)の両方が含まれる。
【0259】
機器出力情報の第2の例は、電子機器30-1がMFP、電子機器30-2が電子黒板であって、MFPで入力された認証情報を用いて電子黒板にログインする利用シーンへの適用例である。
【0260】
図21に示されているように、本実施形態における出力条件2-1は、m番目の登録物体(以下、「人物α」とも呼ぶ)が他の電子機器(ここでは、MFPとする)で入力した認証情報が、n番目の電子機器(ここでは、電子黒板とする)で認証可能な認証情報であること、および、n番目の電子機器が既に他の人物によって使用されていないことである。
【0261】
他の人物によって使用されていないことを確認することにより、他者が使用中の電子黒板の表示が、人物αの接近によって勝手に切り替わることを防止できる。他の人物によって使用されていないことの確認は、電子黒板のCPUが、電子黒板が認証により使用されていること、あるいは、直近1分以内に電子黒板に書き込みがあったことなどの条件に基づいて、公知のプログラミング手法により適宜確認可能である。
【0262】
出力条件2-1のように、所定条件が満たされた場合のみ動作指示を行う事で、顧客の利便性を向上させることができる。
【0263】
図21に示されているように、出力条件2-1を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、登録機器(電子機器30-2)に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αを電子黒板に自動認証することである。この場合、送信する動作指示には、人物αがMFPで入力した認証情報が含まれる。第2の動作指示は、電子黒板に「αさん、自動認証を行ないました」と数秒間表示することである。
【0264】
第3の動作指示は、人物αがMFPで情報入力(例えば、スキャン操作)を行っていた場合、「さきほど機器○○(MFPの名称)で入力された情報を表示しますか?」という文言と「はい」又は「いいえ」の選択ボタンを表示することである。このとき、「はい」が選択された場合、スキャナで入力された情報が電子黒板に表示される。
【0265】
第4の動作指示は、人物αの機器操作情報からMFPで設定された使用言語を特定し、電子黒板の表示に反映することである。
【0266】
なお出力条件2-1の変形例として、電子黒板の属性情報が「省エネモード中」等の休止状態ではないこと、という出力条件を用いても良い。このようにすれば、休止中の電子黒板が人物αの接近によって電源ONとなることがなく、エネルギー使用効率が良い。
【0267】
図21に示されているように、本実施形態における出力条件2-2は、k番目の登録物体(以下、「人物β」とも呼ぶ)が他の電子機器(ここでは、MFPとする)で入力した認証情報が、n番目の電子機器(ここでは、電子黒板とする)で認証可能な認証情報であること、である。なお、人物βは、人物αと同じグループIDを持つものとする。
【0268】
図21に示されているように、出力条件2-2を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、登録機器(電子機器30-2)に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αを電子黒板に自動認証することである。この場合、送信する動作指示には、人物βがMFPで入力した認証情報が含まれる。第2の動作指示は、電子黒板に「βさんの認証情報で自動認証を行ないました」と数秒間表示することである。
【0269】
第3の動作指示は、人物βがMFPで情報入力(例えば、スキャン操作)を行っていた場合、「βさんが機器○○(MFPの名称)で入力された情報を表示しますか?」という文言と「はい」又は「いいえ」の選択ボタンを表示することである。このとき、「はい」が選択された場合、スキャナで入力された情報が電子黒板に表示される。
【0270】
図10に戻って説明する。ステップS6において、管理装置10が備える出力情報決定部133は、動作指示を表す動作指示情報を動作指示部14に送る。動作指示情報には、決定した動作指示及び送信先の電子機器30-2を示す情報が含まれる。
【0271】
動作指示部14は、出力情報決定部133から動作指示情報を受け取る。次に、動作指示部14は、動作指示情報に含まれる送信先の電子機器30-2に、動作指示情報に含まれる動作指示を送信する。
【0272】
電子機器30-2では、機器制御部32が、管理装置10から動作指示を受信する。次に、機器制御部32は、受信した動作指示に従って、当該動作指示に含まれる入力情報を用いた動作を実行する。例えば、機器制御部32は、動作指示に含まれる認証情報を用いて、ユーザを認証する。また、例えば、機器制御部32は、動作指示に含まれる設定情報を用いて、当該電子機器30-2の設定を変更する。
【0273】
<実施形態の効果>
本実施形態における機器管理システム1は、電子機器30の近傍を撮影した画像に基づいて人物の移動を追跡することで、ユーザが第1の電子機器30-1で入力した情報を用いた動作指示を、当該ユーザが近傍にいることを検知した第2の電子機器30-2に送信する。したがって、本実施形態における機器管理システム1によれば、第1の電子機器に入力された情報を用いた動作を第2の電子機器に実行させることができる。
【0274】
特に、第1の電子機器30-1で認証された認証情報を用いた認証指示を第2の電子機器30-2に送信することで、第1の電子機器30-1で認証されたユーザが第2の電子機器30-2の近傍に移動した際に自動的に認証を行うことができる。すなわち、本実施形態における機器管理システムによれば、ハードウェア連携によるシングルサインオンを実現することができる。
【0275】
[応用例]
上記実施形態では、管理対象空間をオフィスの会議室又は執務室等と想定し、電子機器30をOA(Office Automation)機器として管理する例を中心に説明した。ただし、機器管理システム1を適用可能な利用シーンはこれに限定されず、様々な利用シーンに応用することができる。
【0276】
例えば、機器管理システム1を、ホテルに設置される電子機器を管理するように構成することができる。ホテルには、様々な電子機器が設置されている。例えば、ロビーには自動チェックイン機が設置されていることがある。また、客室にはテレビ放送及びオンデマンド動画を再生可能なセットトップボックスが設置されていることがある。機器管理システム1によりこれらの機器を管理することで、ホテルの宿泊客が自動チェックイン機で設定した使用言語をセットトップボックスの使用言語に自動的に設定することが可能となる。例えば自動チェックイン機が第1の電子機器の1例、セットトップボックスが第2の電子機器の1例である。なお第1の電子機器、第2の電子機器の例は他の機器やこの逆でもよい。
【0277】
また、例えば、機器管理システム1を、空港に設置される電子機器を管理するように構成することができる。空港では航空機に搭乗するまでに、発券、チェックイン、手荷物検査等の手続きを通過する必要があり、各手続きで搭乗券を専用の電子機器で処理している。機器管理システム1によりこれらの機器を管理することで、前の手続きを行う電子機器で設定した使用言語を次の手続きを行う電子機器の使用言語に自動的に設定することが可能となる。例えば発券・チェックイン用の自動チェックイン機が第1の電子機器の1例、発券・チェックイン後に利用する様々なサービス機器(売店、ラウンジ、両替、その他手続き等に利用する機器)が第2の電子機器の1例である。なお第1の電子機器、第2の電子機器の例は他の機器やこの逆でもよい。
【0278】
また、例えば、機器管理システム1を、書店又は図書館に設置される検索端末等の電子機器を管理するように構成することができる。顧客が検索端末で行った検索と、その後に移動した本棚の情報とを連携することで、マーケティングの強化に利用することができる。例えば検索端末が第1の電子機器の1例、精算装置又は貸し出し機(バーコードリーダー付き端末等)が第2の電子機器の1例である。なお第1の電子機器、第2の電子機器の例は他の機器やこの逆でもよい。
【0279】
また、例えば、機器管理システム1を、工場に設置されるPC等の電子機器を管理するように構成することができる。作業員の行動と、作業現場に設置された機器操作内容とを関連付けて検証することで、作業員の作業妥当性を監視することができる。例えば情報処理端末(作業者等に設置されたPC等)が第1の電子機器の1例、作業用機器(生産物の製造装置、検査装置、印刷装置等)が第2の電子機器の1例である。なお第1の電子機器、第2の電子機器の例は他の機器やこの逆でもよい。
【0280】
また、例えば、機器管理システム1を、コンビニエンスストアの無人店舗に設置される電子機器を管理するように構成することができる。コンビニエンスストアには、MFPやセルフサービスターミナル等の精算装置等の電子機器が設置されている。機器管理システム1によりこれらの機器を管理することで、例えば、顧客がMFPで設定した使用言語を精算装置の使用言語に設定することが可能となる。例えばMFPが第1の電子機器の1例、セルフサービスターミナル等の精算装置が第2の電子機器の1例である。なお第1の電子機器、第2の電子機器の例は他の機器でもよい。また、逆に、第1の電子機器として清算装置を、第2の電子機器としてMFPを設定してもよい。この場合、機器管理システム1は、精算装置で事前に印刷料金を支払った顧客の動きを追跡し、その顧客がMFPに近づいたタイミングで、料金に応じた印刷やファクシミリ送信を顧客に許可させることができる。
【0281】
また、例えば、機器管理システム1が、無人店舗であるコンビニエンスストアに設置されるチケット発券機(第1の電子機器の1例であるセルフサービスターミナル)と、精算装置(第2の電子機器の1例)を管理するように構成することができる。このようにすることで、チケット発券機と清算装置がネットワーク経由で直接の情報連携ができない場合であっても、機器管理システム1が、チケット発券機で入力されたチケット購入情報を取得し、また顧客の動きを追跡して清算装置に近づいたタイミングで料金を表示することにより、顧客に適切な精算を依頼することが可能となる。
【0282】
[補足]
上記各実施形態において、管理装置10は情報処理装置の一例である。機器管理システム1は情報処理システムの一例である。監視装置20は撮影装置の一例である。電子機器30は第1の電子機器及び第2の電子機器の一例である。画像受信部11は第1画像受信部及び第2画像受信部の一例である。操作情報受信部12は入力情報受信部の一例である。状態管理部13は第1ユーザ特定部及び第2ユーザ特定部の一例である。
【0283】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0284】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、管理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0285】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0286】
1 機器管理システム
10 管理装置
11 画像受信部
12 操作情報受信部
13 状態管理部
14 動作指示部
100 状態記憶部
131 物体状態管理部
132 機器状態管理部
133 出力情報決定部
20 監視装置
21 画像取得部
22 画像送信部
30 電子機器
31 操作情報送信部
32 機器制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0287】
【特許文献1】特許第6064636号公報
【特許文献2】特許第5238409号公報