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特開2024-79474在庫管理装置、在庫管理方法、プログラムおよび在庫管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079474
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】在庫管理装置、在庫管理方法、プログラムおよび在庫管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240604BHJP
   G01G 19/42 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65G1/137 C
G01G19/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192446
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 幸之助
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522AA03
3F522BB03
3F522BB27
3F522CC09
3F522FF02
3F522FF04
3F522FF24
3F522FF27
3F522GG17
3F522GG24
3F522HH02
3F522HH12
3F522LL36
(57)【要約】
【課題】異なる部品が入った部品箱同士を上下に重ねて置いても、部品箱に入れられた部品の個数を簡単に把握することができるようにする。
【解決手段】各々に部品が格納された複数の部品箱を各々載せることのできる複数のマット型計量装置から重量情報を取得することで、前記部品の個数を管理する在庫管理装置において、前記マット型計量装置と、前記部品箱と、前記部品との対応関係の情報を登録する情報登録手段と、前記マット型計量装置の上下関係の情報を登録する上下関係登録手段と、予め登録された前記マット型計量装置の重量と、前記部品箱の重量と、前記部品の1つ当たりの重量とに基づき、前記部品毎の個数を算出する計算式を取得する計算式取得手段と、前記マット型計量装置から重量情報を取得した際に、前記計算式に基づき、前記部品毎の個数を報知する個数報知手段と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に部品が格納された複数の部品箱を各々載せることのできる複数のマット型計量装置から重量情報を取得することで、前記部品の個数を管理する在庫管理装置において、
前記マット型計量装置と、前記部品箱と、前記部品との対応関係の情報を登録する情報登録手段と、
前記マット型計量装置の上下関係の情報を登録する上下関係登録手段と、
予め登録された前記マット型計量装置の重量と、前記部品箱の重量と、前記部品の1つ当たりの重量とに基づき、前記部品毎の個数を算出する計算式を取得する計算式取得手段と、
前記マット型計量装置から重量情報を取得した際に、前記計算式に基づき、前記部品毎の個数を報知する個数報知手段と、
を備えることを特徴とする在庫管理装置。
【請求項2】
前記情報登録手段は、格納されている前記部品の種類が同一であることを条件として、一の前記マット型計量装置上に複数個の前記部品箱を載置可能とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記マット型計量装置の重量と前記部品箱の重量と前記部品の1つ当たりの重量とは、重量を手動入力する代わりに、前記マット型計量装置と前記部品箱と前記部品とをそれぞれ識別する情報の選択に応じて、予め記憶している重量が選択されて入力される、
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項4】
通常モードの他に、一の前記マット型計量装置上に他の前記マット型計量装置を積み重ねる積み重ねモードを有しており、
前記積み重ねモードにモード設定されている場合に、前記情報登録手段と、前記上下関係登録手段と、前記計算式取得手段と、前記個数報知手段と、を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記上下関係登録手段は、一の前記部品が格納された一の前記部品箱を載置した一の前記マット型計量装置と、他の前記部品が格納された他の前記部品箱を載置した他の前記マット型計量装置とを、上から順に上下関係を登録する、
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項6】
前記計算式取得手段は、上から、部品aが入った部品箱A、マット型計量装置A、部品bが入った部品箱B、マット型計量装置Bの順で上下関係を登録した場合に、次の計算式により、部品aと部品bの個数を算出する、
部品aの個数=(マット型計量装置Aが計測した重量-部品箱Aの重量)÷1つ当たりの部品aの重量
部品bの個数=(マット型計量装置Bが計測した重量-部品箱Bの重量-マット型計量装置Aの重量-マット型計量装置Aが計測した重量)÷1つ当たりの部品bの重量
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項7】
前記計算式取得手段は、予め記憶した各種の前記部品毎の個数を算出する複数の計算式から、管理対象である前記部品に対応する計算式を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項8】
各々に部品が格納された複数の部品箱を各々載せることのできる複数のマット型計量装置から重量情報を取得することで、前記部品の個数を管理する在庫管理装置における在庫管理方法であって、
前記マット型計量装置と、前記部品箱と、前記部品との対応関係の情報を登録する情報登録工程と、
前記マット型計量装置の上下関係の情報を登録する上下関係登録工程と、
予め登録された前記マット型計量装置の重量と、前記部品箱の重量と、前記部品の1つ当たりの重量とに基づき、前記部品毎の個数を算出する計算式を取得する計算式取得工程と、
前記マット型計量装置から重量情報を取得した際に、前記計算式に基づき、前記部品毎の個数を報知する個数報知工程と、
を含むことを特徴とする在庫管理方法。
【請求項9】
各々に部品が格納された複数の部品箱を各々載せることのできる複数のマット型計量装置から重量情報を取得することで、前記部品の個数を管理する在庫管理装置を制御するコンピュータを、
前記マット型計量装置と、前記部品箱と、前記部品との対応関係の情報を登録する情報登録手段と、
前記マット型計量装置の上下関係の情報を登録する上下関係登録手段と、
予め登録された前記マット型計量装置の重量と、前記部品箱の重量と、前記部品の1つ当たりの重量とに基づき、前記部品毎の個数を算出する計算式を取得する計算式取得手段と、
前記マット型計量装置から重量情報を取得した際に、前記計算式に基づき、前記部品毎の個数を報知する個数報知手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
複数のマット型計量装置と、
請求項1ないし7の何れか一項に記載の在庫管理装置と、
を備えることを特徴とする在庫管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理装置、在庫管理方法、プログラムおよび在庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、在庫として部品が入った部品箱の重さを計測するためのマット型計量装置を用いて在庫管理を行う方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、マット型計量装置が設置される工場や作業所などの施設の製造ラインにおいては、部品箱の上に別の部品が入った部品箱を置くことにより、省スペース化を実現している。
【0004】
しかしながら、施設内の省スペース化などの目的で、部品箱を載せたマット型計量装置上に、更に別の部品箱を乗せてしまうと、正確に在庫管理を行うことができなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、異なる部品が入った部品箱同士を上下に重ねて置いても、部品箱に入れられた部品の個数を簡単に把握することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、各々に部品が格納された複数の部品箱を各々載せることのできる複数のマット型計量装置から重量情報を取得することで、前記部品の個数を管理する在庫管理装置において、前記マット型計量装置と、前記部品箱と、前記部品との対応関係の情報を登録する情報登録手段と、前記マット型計量装置の上下関係の情報を登録する上下関係登録手段と、予め登録された前記マット型計量装置の重量と、前記部品箱の重量と、前記部品の1つ当たりの重量とに基づき、前記部品毎の個数を算出する計算式を取得する計算式取得手段と、前記マット型計量装置から重量情報を取得した際に、前記計算式に基づき、前記部品毎の個数を報知する個数報知手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異なる部品が入った部品箱同士を上下に重ねて置いても、部品箱を載せたマット型計量装置の上下関係の登録をするだけで、部品箱に入れられた部品の個数を簡単に把握することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態にかかる在庫管理システムの一例を示す構成図である。
図2図2は、複数のマット型計量装置の設置例を示す図である。
図3図3は、マット型計量装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、在庫管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、在庫管理装置の機能を示す機能ブロック図である。
図6図6は、在庫管理システムにおける在庫管理処理を示すシーケンス図である。
図7図7は、関係情報の登録処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図8図8は、マット型計量装置の上下関係の情報の登録処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、在庫管理装置、在庫管理方法、プログラムおよび在庫管理システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施の形態にかかる在庫管理システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、実施の形態の在庫管理システム1は、工場や作業所などの施設の製造ラインに備えられる。在庫管理システム1は、複数のマット型計量装置2、サーバである在庫管理装置5、クラウドストレージ4を有している。
【0011】
クラウドストレージ4は、クラウド上で各種データの保存や共同編集を行うことが可能な記憶装置である。
【0012】
マット型計量装置2は、平板形状のマット型の筐体を有している。マット型計量装置2は、重量測定部26と、送受信部27と、を備える。マット型計量装置2は、重量測定部26によって、平坦な筐体上部に載置された各種物品の重量を計量する。本実施形態においては、後述するように、マット型計量装置2は、上部に載置された部品箱6(図2参照)および部品箱6の中の部品7(図2参照)の重量を検出する。マット型計量装置2は、所定時間(例えば、5~10分)ごとに、マット型計量装置2上に載置された物の重量を測定し、送受信部27を用いた無線通信によりクラウドストレージ4上に重量のデータをアップロードする。
【0013】
在庫管理装置5は、詳細は後述するが、制御部51と、記憶部52と、操作・表示部53と、送受信部54と、を備える。在庫管理装置5は、各々に部品7が入れられた複数の部品箱6を各々載せた複数のマット型計量装置2から重量情報を取得することで、部品7の個数を管理する。概略的には、在庫管理装置5は、予め、1つ1つの部品7の重量と、部品箱6の重量を測定しておき、在庫として部品7が入った部品箱6の重量を測定することで、部品箱6の中の部品7の個数、つまり、部品7の在庫数を算出する。
【0014】
図2は、複数のマット型計量装置2の設置例を示す図である。図2に示すように、製造作業者であるユーザUの周囲には、工場や作業所などの製造ラインを流れてくる製品に対して装着する部品7を入れた部品箱6が、複数設置されている。図2に示す例では、ユーザUの左側に部品箱6A,6B、右側に部品箱6C,6D,6Eが設置されている。各々の部品箱6A,6B,6C,6D,6Eの中には、部品7a,7b,7c,7d,7eがそれぞれ多数保管されている。
【0015】
また、図2に示すように、部品箱6A,6B,6C,6D,6Eの下には、各々の部品箱6の重量を計測するマット型計量装置2A,2B,2C,2D,2Eが配設されている。マット型計量装置2は、上部に載置された部品箱6および部品箱6の中の部品7の重量を検出する。各々のマット型計量装置2は、定期的に(例えば、10分に1度)重量を計測し、無線でクラウドストレージ4に重量情報を送信する。
【0016】
まず、マット型計量装置2について説明する。
【0017】
ここで、図3はマット型計量装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、マット型計量装置2は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access memory)23、表示部24、操作部25、重量測定部26、及び送受信部27等を備える。
【0018】
CPU21は、プロセッサの一例であり、マット型計量装置2の動作を統括的に制御する。ROM22は、電源を切ってもプログラム又はデータを保持することができる不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。
【0019】
表示部24は、例えば液晶パネル等の表示バイスで形成され、各種の情報を表示する。操作部25は、例えば各種操作ボタン等の入力デバイスを有し、ユーザUによる操作を受け付ける。なお、操作部25は、表示部24に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0020】
重量測定部26は、上部に載置された部品箱6および部品箱6の中の部品7の重量を計測するためのセンサ装置である。重量測定部26は、取得した重量情報をCPU21に出力する。なお、重量測定部26が取得する重量情報には、計測された重量値の他、計測日時を示す日時情報等が含まれてもよい。
【0021】
送受信部27は、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格に準拠した通信インタフェースである。送受信部27はCPU21の制御の下、クラウドストレージ4との間で通信を確立する。
【0022】
CPU21は、ROM22等に格納されたプログラム又はデータをRAM23上に読み出して各種の処理を実行することで、マット型計量装置2の動作を制御する。例えば、CPU22は、予め定められたタイミング毎や、操作部25を介した操作に応じて重量測定部26を動作させる。また、CPU21は、重量測定部26で計測された重量情報を、送受信部27を介してクラウドストレージ4に順次送信させる。
【0023】
なお、CPU21は、マット型計量装置2が備えるRTC(Real Time Clock)等の計時部(図示せず)が計時する日時に基づき、重量測定部26の動作タイミングや現在日時の計時を行う。また、CPU21は、ユーザUを特定することが可能な識別情報をクラウドストレージ4とともに送信させてもよい。
【0024】
次に、在庫管理装置5について説明する。
【0025】
ここで、図4は在庫管理装置5のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示されているように、在庫管理装置5は、コンピュータによって構築されており、図4に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disc Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0026】
これらのうち、CPU501は、制御部51として機能するものであって、在庫管理装置5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
【0027】
HD504は、記憶部52として機能するものであって、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、操作・表示部53として機能するものであって、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
【0028】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、送受信部54として機能するものであって、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
また、キーボード511は、操作・表示部53として機能するものであって、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、操作・表示部53として機能するものであって、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
【0030】
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0031】
続いて、在庫管理装置5が発揮する機能について説明する。図5は、在庫管理装置5の機能を示す機能ブロック図である。
【0032】
在庫管理装置5は、各種機能を有する。具体的には、在庫管理装置5の制御部51は、各種機能として、情報登録手段51aと、上下関係登録手段51bと、計算式取得手段51cと、個数報知手段51dと、を備える。これらの各種機能は、在庫管理装置5のCPU501がプログラムに従って動作することにより実現される。
【0033】
なお、上記で説明した各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0034】
情報登録手段51aは、マット型計量装置2と、部品箱6と、部品7との対応関係の情報を登録する。
【0035】
上下関係登録手段51bは、複数のマット型計量装置2の上下関係の情報を登録する。
【0036】
計算式取得手段51cは、予め登録されたマット型計量装置2、部品箱6、1つ当たりの部品7の重量に基づき、部品7毎の個数を算出する計算式を作成することによって、計算式を取得する。
【0037】
個数報知手段51dは、マット型計量装置2から重量情報を取得した際に、計算式に基づき、部品7毎の個数を報知する。例えば、個数報知手段51dは、マット型計量装置2から重量情報を取得した際に、計算式に基づき、部品7毎の個数をディスプレイ506に表示する。
【0038】
続いて、在庫管理システム1における在庫管理処理について説明する。
【0039】
ここで、図6は在庫管理システム1における在庫管理処理を示すシーケンス図である。図6に示すように、在庫管理装置5の制御部51は、操作・表示部53(キーボード511、ポインティングデバイス512およびディスプレイ506)を介して、部品箱6A,6B,6C,6D,6Eの重量、部品7a,7b,7c,7d,7eの重量、マット型計量装置2A,2B,2C,2D,2Eの重量の入力を受け付ける(ステップS1)。
【0040】
次いで、在庫管理装置5の制御部51は、送受信部54(ネットワークI/F509)を介して、入力されたそれぞれの重量をクラウドストレージ4に対して登録指示する(ステップS2)。
【0041】
次いで、在庫管理装置5の情報登録手段51aおよび上下関係登録手段51bは、操作・表示部53(キーボード511、ポインティングデバイス512およびディスプレイ506)を介して、マット型計量装置2と部品箱6と部品7との対応関係の情報、および、マット型計量装置2の上下関係の情報の登録を受け付ける(ステップS3)。
【0042】
次いで、在庫管理装置5の情報登録手段51aおよび上下関係登録手段51bは、入力された情報を記憶部52(HD504)に対して登録指示する(ステップS4)。
【0043】
まず、マット型計量装置2、部品箱6、部品7の関係情報の登録処理について詳述する。図7は、関係情報の登録処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【0044】
図7に示すように、在庫管理装置5の情報登録手段51aは、全てのマット型計量装置2の名称を、ディスプレイ506に表示する(ステップS21)。
【0045】
情報登録手段51aは、ポインティングデバイス512などを介してマット型計量装置2の名称の1つの選択を受け付ける(ステップS22)。
【0046】
次に、情報登録手段51aは、全ての部品箱6の名称を、ディスプレイ506に表示する(ステップS23)。
【0047】
情報登録手段51aは、ポインティングデバイス512などを介して、ステップS22で選択したマット型計量装置2に載置する部品箱6の名称の1つの選択を受け付ける(ステップS24)。
【0048】
次に、情報登録手段51aは、全ての部品7の名称を、ディスプレイ506に表示する(ステップS25)。
【0049】
情報登録手段51aは、ポインティングデバイス512などを介して、ステップS23で選択した部品箱6に収納する部品7の名称の1つの選択を受け付ける(ステップS26)。
【0050】
その後、情報登録手段51aは、ディスプレイ506に表示された確定ボタンがポインティングデバイス512などを介して選択された場合(ステップS27のYes)、記憶部52(HD504)に対してマット型計量装置2、部品箱6、部品7の関係を記憶する(ステップS28)。
【0051】
続いて、情報登録手段51aは、全てのマット型計量装置2の関係の記憶完了した場合(ステップS29のYes)、マット型計量装置2、部品箱6、部品7の関係の全体を、ディスプレイ506に表示して(ステップS30)、マット型計量装置2の上下関係の情報の登録に進む。
【0052】
一方、情報登録手段51aは、全てのマット型計量装置2の関係の記憶完了していない場合(ステップS29のNo)、ステップS21に戻る。
【0053】
以上の処理によって、マット型計量装置2、部品箱6、部品7の関係情報の登録処理が終了する。
【0054】
次に、マット型計量装置2の上下関係の情報の登録処理について詳述する。図8は、マット型計量装置2の上下関係の情報の登録処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【0055】
図8に示すように、在庫管理装置5の上下関係登録手段51bは、全てのマット型計量装置2の名称をディスプレイ506に表示、および、下になっているマット型計量装置2の名称を選択する旨をディスプレイ506に表示する(ステップS41)。
【0056】
次に、上下関係登録手段51bは、ポインティングデバイス512などを介して、下になっているマット型計量装置2の名称の1つの選択を受け付ける(ステップS42)。
【0057】
次に、上下関係登録手段51bは、ステップS42で選択されたマット型計量装置2以外の名称をディスプレイ506に表示、および、ステップS42で選択されたマット型計量装置2の上になっているマット型計量装置2の名称を選択する旨をディスプレイ506に表示する(ステップS43)。
【0058】
次に、上下関係登録手段51bは、ポインティングデバイス512などを介して、上になっているマット型計量装置2の名称の1つの選択を受け付ける(ステップS44)。
【0059】
その後、上下関係登録手段51bは、ディスプレイ506に表示された確定ボタンがポインティングデバイス512などを介して選択された場合(ステップS45のYes)、記憶部52(HD504)に対してマット型計量装置2の上下関係を記憶する(ステップS46)。
【0060】
続いて、上下関係登録手段51bは、全てのマット型計量装置2の上下関係の登録が完了したかの旨と、「OKボタン」および「NOボタン」とを、ディスプレイ506に表示する(ステップS47)。
【0061】
その後、上下関係登録手段51bは、ディスプレイ506に表示された「OKボタン」がポインティングデバイス512などを介して選択された場合(ステップS48のYes)、マット型計量装置2の上下関係の全体をディスプレイ506に表示して(ステップS49)、処理を終了する。
【0062】
一方、上下関係登録手段51bは、ディスプレイ506に表示された「NOボタン」がポインティングデバイス512などを介して選択された場合(ステップS48のNo)、ステップS41に戻る。
【0063】
以上の処理によって、マット型計量装置2の上下関係の情報の登録処理が終了する。
【0064】
図6に戻り、在庫管理装置5の計算式取得手段51cは、入力された情報に基づき計算式を作成して、記憶部52(HD504)に対して計算式を登録指示する(ステップS5)。計算式の作成例については、後述する。
【0065】
一方、マット型計量装置2は、重量測定部において、10分に1度、重量測定して送受信部27に出力する(ステップS11)。
【0066】
続いて、マット型計量装置2は、送受信部27を介して、重量情報をクラウドストレージ4に登録する(ステップS12)。
【0067】
在庫管理装置5の個数報知手段51dは、送受信部54(ネットワークI/F509)を介して、クラウドストレージ4に対してマット型計量装置2A,B,C,D,Eが測定した重量の取得指示を出力する(ステップS6)。
【0068】
在庫管理装置5の個数報知手段51dは、送受信部54(ネットワークI/F509)を介して、クラウドストレージ4からマット型計量装置2A,B,C,D,Eが測定した重量を取得する(ステップS7)。
【0069】
なお、マット型計量装置2/部品箱6/部品7の重量を、在庫管理装置5側で予め記憶(又はネットワークを介して部品7のメーカー/マット型計量装置2のメーカーなどが提供する情報を取得)しているのであれば、重量を手動入力する代わりにマット型計量装置2/部品箱6/部品7を識別する情報(例えば、種類や型番など)を入力(選択)するだけでも良い。
【0070】
次いで、在庫管理装置5の個数報知手段51dは、記憶部52(HD504)から計算式を読出す(ステップS8)。
【0071】
次いで、在庫管理装置5の個数報知手段51dは、マット型計量装置2A,2B,2C,2D,2Eが測定した重量と計算式に基づき、部品7a,7b,7c,7d,7eの個数を算出して操作・表示部53(ディスプレイ506)に出力するとともに、各部品7の個数とともに、各々のマット型計量装置2と部品箱6の名称を操作・表示部53(ディスプレイ506)に出力する(ステップS9)。
【0072】
ここで、ステップS5における入力された情報に基づく計算式の作成、および、ステップS9における各部品7の個数の算出について、以下において詳述する。
【0073】
例えば、本実施形態では、重量は次の通りとする。
マット型計量装置2A,2B,2C,2D,2Eの重量:全て100g
部品箱6A,6B,6C,6D,6Eの重量:全て100g
部品7aの重量:1g
部品7bの重量:2g
部品7cの重量:3g
部品7dの重量:4g
部品7eの重量:1g
【0074】
また、マット型計量装置2、部品箱6、部品7の対応関係は、以下の通りとする。
マット型計量装置2A-部品箱6A-部品7a
マット型計量装置2B-部品箱6B-部品7b
マット型計量装置2C-部品箱6C-部品7c
マット型計量装置2D-部品箱6D-部品7d
マット型計量装置2E-部品箱6E-部品7e
【0075】
また、マット型計量装置2の上下関係は、図2に示すように、以下の通りとする。
マット型計量装置2Bの上に、マット型計量装置2A
マット型計量装置2Eの上に、マット型計量装置2D
マット型計量装置2Dの上に、マット型計量装置2C
【0076】
上述したような構成の結果、計算式は、以下に示すように作成される。
(部品7aの個数)
部品7aの個数=マット型計量装置2Aが計測した重量-部品箱6Aの重量(100g)÷1つ当たりの部品7aの重量(1g)
【0077】
なお、部品箱6Aは複数個あっても良い。つまり、複数個の部品箱6Aがマット型計量装置2Aに載っていても良い(ただし、複数の部品箱6Aそれぞれに格納されている部品7の種類は同一(例えば、部品7a)であるものとする)。この場合、部品箱6Aの重量とは、複数の部品箱6Aの重量の合計である。これにより、複数の部品箱6Aそれぞれに格納されている部品7aの総数を算出することができる。以下の部品箱6B~6Eについても同様である。
【0078】
(部品7bの個数)
部品7bの個数=(マット型計量装置2Bが計測した重量-部品箱6Bの重量(100g)-マット型計量装置2Aの重量(50g)-マット型計量装置2Aが計測した重量)÷1つ当たりの部品7bの重量(2g)
【0079】
なお、マット型計量装置2Aが計測した重量には部品箱6Aの重量が含まれるので引き算する必要はない。
【0080】
なお、上述した通り、部品箱6Bは複数個あっても良い。つまり、複数個の部品箱6Bがマット型計量装置2Bに載っていても良い(ただし、複数の部品箱6Bそれぞれに格納されている部品7の種類は同一(例えば、部品7b)であるものとする)。この場合、部品箱6Bの重量とは、複数の部品箱6Bの重量の合計である。これにより、複数の部品箱6Bそれぞれに格納されている部品7bの総数を算出することができる。ただし、複数の部品箱6Bは全て、マット型計量装置2B上に置かれ、且つマット型計量装置2Aの下に置かれているものとする。
【0081】
(部品7cの個数)
部品7cの個数=マット型計量装置2Cが計測した重量-部品箱6Cの重量(100g)÷1つ当たりの部品7cの重量(3g)
【0082】
(部品7dの個数)
部品7dの個数=(マット型計量装置2Dが計測した重量-部品箱6Dの重量(100g)-マット型計量装置2Cの重量(50g)-マット型計量装置2Cが計測した重量)÷1つ当たりの部品7dの重量(4g)
【0083】
(部品7eの個数)
部品7eの個数=(マット型計量装置2Eが計測した重量-部品箱6Eの重量(100g)-マット型計量装置2Dの重量(50g)-マット型計量装置2Dが計測した重量)÷1つ当たりの部品7eの重量(1g)
【0084】
なお、マット型計量装置2の位置関係を記憶しているため、「マット型計量装置2Dが計測した重量」には、部品箱6Dの重量とマット型計量装置2Cの重量とマット型計量装置2Cが計測するであろう重量が含まれているので、引き算する必要はない。
【0085】
このように本実施形態によれば、異なる部品7が入った部品箱6同士を上下に重ねて置いても、部品箱6を載せたマット型計量装置2の上下関係の登録をするだけで、部品箱6に入れられた部品7の個数を簡単に把握することができる。
【0086】
なお、在庫管理装置5は、通常モードの他に、一のマット型計量装置2上に他のマット型計量装置2を積み重ねる積み重ねモードを有しており、積み重ねモードにモード設定されている場合に、情報登録手段51aと上下関係登録手段51bと計算式取得手段51cと個数報知手段51dとを実行するようにしてもよい。
【0087】
なお、本実施形態においては、計算式取得手段51cは、予め登録されたマット型計量装置2、部品箱6、1つ当たりの部品7の重量に基づき、部品7毎の個数を算出する計算式を作成することによって、計算式を取得するようにしたが、これに限るものではない。例えば、計算式取得手段51cは、予め記憶した各種の部品7毎の個数を算出する複数の計算式から、管理対象である部品7に対応する計算式を取得するものであってもよい。なお、部品7に対応する計算式は、記憶部52に記憶することができるが、在庫管理装置5が有する他の記憶手段に記憶しても良い。また、計算式取得手段51cは、ネットワークを介して外部装置から計算式を取得しても良い。
【0088】
なお、本実施形態においては、在庫管理装置5が、情報登録手段51aと上下関係登録手段51bと計算式取得手段51cと個数報知手段51dとを備えるようにしたが、これに限るものではなく、マット型計量装置2の一つが、情報登録手段51aと上下関係登録手段51bと計算式取得手段51cと個数報知手段51dとを備えていてもよい。
【0089】
なお、本実施形態の在庫管理装置5で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0090】
また、本実施形態の在庫管理装置5で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の在庫管理装置5で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0091】
また、本実施形態の在庫管理装置5で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0092】
なお、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、在庫管理装置5は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、マット型計量装置2は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0093】
なお、在庫管理装置5は、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 在庫管理システム
2 マット型計量装置
5 在庫管理装置
51a 情報登録手段
51b 上下関係登録手段
51c 計算式取得手段
51d 個数報知手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開2022-109324号公報
【非特許文献】
【0096】
【非特許文献1】https://msng.jp/smart-mat(2022年11月22日検索)
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