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特開2024-79505情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079505
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20240604BHJP
   G06Q 10/0633 20230101ALI20240604BHJP
【FI】
G06F16/907
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192486
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 勉
【テーマコード(参考)】
5B175
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FA01
5B175GA01
5B175HA01
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】複数のワークフローアプリの中から、ユーザの業務改善に適したワークフローアプリを提案することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムを提供する。
【解決手段】本発明は、業務における処理対象の属性または取得方法を示す第1入力項目、前記処理対象に対して実行する所定処理を示す第2入力項目、および前記所定処理の処理結果の属性または出力方法を示す第3入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む入力画面と、前記入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むアプリケーション情報と、を含む出力画面と、を表示する表示制御部、を備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務における処理対象の属性または取得方法を示す第1入力項目、前記処理対象に対して実行する所定処理を示す第2入力項目、および前記所定処理の処理結果の属性または出力方法を示す第3入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む入力画面と、
前記入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むアプリケーション情報と、を含む出力画面と、
を表示する表示制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記入力項目に入力される自然文からキーワードを抽出するキーワード抽出処理部と、
抽出した前記キーワードに基づいて、前記アプリケーション情報を検索する検索部と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検索部は、抽出した前記キーワードに類似する前記コンポーネントを特定し、特定した前記コンポーネントを含む前記アプリケーション情報を検索する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記入力項目に基づいて、検索する前記コンポーネントの分類を絞り込み、絞り込んだ前記分類の前記コンポーネントの中から、抽出した前記キーワードに類似する前記コンポーネントを特定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記入力項目に入力される自然文を基に、当該自然文と関連度の高い課題を選択可能な選択画面を表示し、
前記検索部は、前記選択画面において選択される前記課題に予め紐付けられる前記アプリケーション情報を検索する、請求項2から4のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
業務における処理対象の属性または取得方法を示す第1入力項目、前記処理対象に対して実行する所定処理を示す第2入力項目、および前記所定処理の処理結果の属性または出力方法を示す第3入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む入力画面を表示するステップと、
前記入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むアプリケーション情報と、を含む出力画面を表示するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
業務における処理対象の属性または取得方法を示す第1入力項目、前記処理対象に対して実行する所定処理を示す第2入力項目、および前記所定処理の処理結果の属性または出力方法を示す第3入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む入力画面と、
前記入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むアプリケーション情報と、を含む出力画面と、
を表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
デバイスと、情報処理装置と、を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
業務における処理対象の属性または取得方法を示す入力項目、前記処理対象に対して実行する所定処理を示す第2入力項目、および前記所定処理の処理結果の属性または出力方法を示す第3入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む入力画面と、
前記入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むアプリケーション情報と、を含む出力画面と、
を前記デバイスに表示する表示制御部、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のコンポーネントを組み合わせたワークフローアプリについて開示されている。特許文献2には、ユーザが選択した属性と一致するワークフローを検索する検索手段と、その検索結果を表示する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の技術では、ユーザの業務改善に適したアプリがあるのにも関わらず、そのアプリを提案することが出来ない。すなわち、アプリの営業活動では、売りたいアプリありきでユーザにヒアリングする営業となっている。その為、数あるアプリの中で、ユーザの業務改善に適したアプリがあるのにも関わらず、当該アプリを提案することが出来ない。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のアプリの中から、ユーザの業務改善に適したアプリを提案することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、業務における処理対象の属性または取得方法を示す第1入力項目、前記処理対象に対して実行する所定処理を示す第2入力項目、および前記所定処理の処理結果の属性または出力方法を示す第3入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む入力画面と、前記入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むアプリケーション情報と、を含む出力画面と、を表示する表示制御部、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のアプリの中から、ユーザの業務改善に適したアプリを提案することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図1B図1Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムで表示される入力画面の一例を示す図である。
図1C図1Cは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムで表示される検索結果の出力画面の一例を示す図である。
図1D図1Dは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて検索するワークフローアプリが含むコンポーネントの一例を説明するための図である。
図2A図2Aは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムのPCまたはサーバのハードウェア構成図である。
図2B図2Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムが有する端末装置の一例のMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて自然文からワークフローアプリを検索する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図4A図4Aは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるワークフローアプリの検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4B図4Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるワークフローアプリの検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4C図4Cは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるワークフローアプリの検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4D図4Dは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるワークフローアプリの検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムで表示される選択画面の一例を示す図である。
図6図6は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図7図7は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて自然文からワークフローアプリを検索する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8A図8Aは、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて予め登録されている業務課題の一例を説明するための図である。
図8B図8Bは、第2の実施の形態にかかる情報処理システムの課題分類情報記憶部に記憶されるデータベーステーブルの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1Aは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、図1Aに示すように、端末装置1、およびサーバ2を有する。端末装置1は、MFP(Multi-Function Peripheral)、PC(Personal Computer)等であっても良い。
【0010】
端末装置1は、ブラウザ11を有するデバイスの一例である。ブラウザ11は、情報処理システムを利用するクライアントが利用するソフトウェアである。
【0011】
サーバ2は、ユーザからの入力内容に基づいて、ワークフローアプリケーション(以下、ワークフローアプリという)を検索する情報処理装置の一例である。ここで、ワークフローアプリは、各処理を実行するコンポーネントを組み合わせてワークフローとしてその一連の処理を実行するアプリケーションである。ここで、コンポーネントとは、処理を実行するプログラムである。
【0012】
ここで、コンポーネントとしては、一例として、INコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネント等がある。INコンポーネントは、データの入力、生成、取得に関わる処理を実行するコンポーネントである。また、PROCESSコンポーネントは、データの加工および変換等の所定処理を実行するコンポーネントである。また、OUTコンポーネントは、データの出力および送信にかかる処理を実行するコンポーネントである。
【0013】
サーバ2は、IN入力項目、PROCESS入力項目、OUT入力項目の3つの入力項目のうち少なくとも1つの入力項目に入力された自然文を基に、関係があるコンポーネントで構成されたワークフローアプリを検索する。ここで、IN入力項目は、インプットとなる物および情報を指す文書であっても良い。すなわち、IN入力項目は、第1入力項目の一例であり、処理対象に関する情報または該処理対象の取得方法を示す情報である。ここで、処理対象とは、ユーザの業務において処理の対象となる物または情報であり、ユーザによって、または情報処理システムによって処理される対象である。また、処理対象に関する情報としては、例えば処理対象の属性を示す情報である。処理対象の属性とは、該処理対象が電子データであるか紙媒体などの媒体であるかなどの処理対象の形式を示す情報や、処理対象が含む情報の内容やフォーマットに関する情報を含み、処理対象が電子データの場合はファイル形式を含む。また、処理対象の取得方法としては処理対象がデータの場合はデータを取得する端末やサーバの名称又は識別情報、端末やサーバの保存領域の一例であるフォルダやアカウントを含む。以下では、処理対象を取得することをインプットと表現する場合がある。例えば、IN入力項目に記載する業務内容は、「図面や指示書等の原本は紙管理をしている。」である。
【0014】
PROCESS入力項目は、第2入力項目の一例であり、処理対象に対して実行する所定処理を示す情報である。例えば、PROCESS入力項目は、付加価値の追加およびデータ変換等であっても良い。すなわち、PROCESS入力項目は、処理対象がデータである場合には、当該データに対して実行する所定処理(付加価値の追加、データ変換等)を示す。例えば、PROCESS入力項目に記載する業務内容は、「都度スキャナでPDF化を行い、リネームをしている。」である。
【0015】
OUT入力項目は、第3入力項目の一例であり、PROCESSコンポーネントを通じて、所定処理の処理結果に関する情報または該処理結果の出力方法を示す情報である。処理結果とは、処理対象に対する所定処理が実行された後の物または情報である。また、処理結果に関する情報としては、例えば処理結果の属性を示す情報である。処理結果の属性とは、該処理結果が電子データであるか紙媒体などの媒体であるかなどの処理結果の形式を示す情報や、処理結果が含む情報の内容やフォーマットに関する情報を含み、処理結果が電子データの場合はファイル形式を含む。また、処理対象の出力方法としては処理対象がデータの場合はデータを送信する端末やサーバの名称又は識別情報、端末やサーバの保存領域の一例であるフォルダやアカウントを含む。例えば、OUT入力項目は、送り出された成果物および業務の終端であっても良い。すなわち、OUT入力項目は、所定処理が実行されたデータを示す。例えば、OUT入力項目に記載する業務内容は、「ファイルサーバーにアップロードしている。」である。
【0016】
サーバ2は、各入力項目を基にワークフローアプリを検索することで、関連度の高いワークフローアプリを特定または絞り込みをすることができる。つまり、サーバ2は、IN入力項目に入力された自然文に基づいて、関連するINコンポーネントを有するワークフローアプリを検索する。また、サーバ2は、PROCESS入力項目に入力された自然文に基づいて、関連するPROCESSコンポーネントを有するワークフローアプリを検索する。また、サーバ2は、OUT入力項目に入力された自然文に基づいて、関連するOUTコンポーネントを有するワークフローアプリを検索する。なお、各入力項目を全て入力する必要はない。例えば、IN入力項目とPROCESS入力項目を入力してワークフローアプリの検索を実行した場合、サーバ2は、IN入力項目とPROCESS入力項目の入力内容に関連度が高いワークフローアプリを検索する。
【0017】
図1Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムで表示される入力画面の一例を示す図である。サーバ2は、IN入力欄、PROCESS入力欄、およびOUT入力欄を有する入力画面を端末装置1に表示する。IN入力欄、PROCESS入力欄、およびOUT入力欄のそれぞれの入力欄には、自然文を入力することができる。
【0018】
なお、ワークフローアプリは、複数のINコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントを含む場合があるため、IN入力欄、PRCOSESS入力欄、OUT入力欄は追加操作によって追加して表示できても良い。この場合、サーバ2は、追加された入力欄に応じて、複数のコンポーネントを有するワークフローアプリを検索することができる。ただし、入力欄を追加することに代えて、1つの入力欄において複数の自然文を入力するものとしても良い。この場合、自然文同士を分けるために、自然文の間に所定の文字(例えば、スペース、カンマ等)を入力することができる。
【0019】
図1Cは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムで表示される検索結果の出力画面の一例を示す図である。サーバ2は、入力画面で入力された自然文に基づいてワークフローアプリを検索した結果として、1以上のワークフローアプリを含む出力画面を端末装置1に表示する。ここでは、一例として、サーバ2は、「RICOHカンタン文書申請for Cloud」というワークフローアプリを検索結果として出力画面に表示している。出力画面には、検索したワークフローアプリのワークフローアプリ名と、当該ワークフローアプリの説明文が表示されても良い。
【0020】
また、出力画面には、検索に用いた文字が表示されても良い。ここでは、サーバ2は、一例として、IN入力項目として「Dropbox」、PROCESS入力項目として「バーコード」、OUT入力項目として「Box」が検索に用いられたことを示す出力画面を表示している。なお、検索に用いた文字とは、検索に用いた自然文(例えば、ユーザが入力した自然文の全文)であっても良いし、検索時に自然文から抽出したキーワード(例えば、ユーザが入力した自然文の一部)であっても良い。また、図1Bで入力欄を追加した場合には、それに応じて出力画面に表示される文字も追加で表示される。
【0021】
図1Aに戻り、本実施の形態では、サーバ2は、入出力部21、キーワード抽出処理部22、検索部23、およびワークフローアプリ情報記憶部24を有する。
【0022】
入出力部21は、入力内容(入力項目等)を受け付ける。具体的には、入出力部21は、入力画面をディスプレイ506または操作パネル940(図2A図2B参照)等の表示部に表示する表示制御部の一例として機能する。ここで、入力画面は、IN入力項目、PROCESS入力項目、およびOUT入力項目の少なくとも1つの入力項目を含む。また、入出力部21は、検索結果(ワークフローアプリの検索結果等)を出力する。具体的には、入出力部21は、出力画面を表示部に表示する表示制御部の一例として機能する。ここで、出力画面は、入力項目と、当該入力項目に入力される自然文に基づいて検索される、当該入力項目に対応する処理を実行するコンポーネントを含むワークフローアプリケーション(アプリケーション情報の一例)と、を含む。
【0023】
キーワード抽出処理部22は、入力内容の自然文(すなわち、入力項目に入力される自然文)からキーワードを抽出する。検索部23は、IN入力項目、PROCESS入力項目、またはOUT入力項目からそれぞれ抽出されたキーワードに基づいて、ワークフローアプリの検索を行う。本実施の形態では、検索部23は、コンポーネント検索部23a、フロー検索部23b、およびアプリケーション検索部23cを有する。コンポーネント検索部23aは、キーワード抽出処理部22により抽出されるキーワードに類似するコンポーネントを特定する。具体的には、コンポーネント検索部23aは、入力項目に基づいて、検索するコンポーネントの分類を絞り込み、絞り込んだ分類のコンポーネントの中から、抽出したキーワードに類似するコンポーネントを特定する。フロー検索部23bは、特定したコンポーネントを含むワークフローを検索する。アプリケーション検索部23cは、検索されたワークフローを使用するワークフローアプリを検索する。すなわち、フロー検索部23bおよびアプリケーション検索部23cは、特定したコンポーネントを含むワークフローアプリケーションを検索する。
【0024】
ワークフローアプリ情報記憶部24は、ワークフローアプリ情報が格納されている。ここで、ワークフローアプリ情報としては、ワークフローアプリ毎に、当該ワークフローアプリの名称であるワークフローアプリ名と、ワークフローアプリの説明文と、を有する。ワークフローアプリ情報は、図1Cに示すように出力画面の表示時に用いられる。また、ワークフローアプリ情報記憶部24は、ワークフローアプリ毎に、当該ワークフローアプリを構成する1以上のコンポーネントを識別するコンポーネント識別情報(コンポーネント名、コンポーネントID等)を記憶する。
【0025】
また、ワークフローアプリ情報記憶部24は、コンポーネント名またはコンポーネントID毎に、1以上のキーワードを紐づけて記憶する。ここで、キーワードは、コンポーネント毎に、当該コンポーネントを検索するための情報であり、例えば、コンポーネントの機能または効果を示す単語または文字列である。
【0026】
ワークフローアプリ情報記憶部24は、一例として、「RICOHカンタン文書申請for Cloud」というワークフローアプリを構成するINコンポーネントには、「Dropbox」のキーワードを紐づけて記憶する。また、ワークフローアプリ情報記憶部24は、PROCESSコンポーネントには「バーコード」のキーワードを紐づけて記憶する。また、ワークフローアプリ情報記憶部24は、OUTコンポーネントには「Box」のキーワードを紐づけて記憶する。
【0027】
また、ワークフローアプリ情報記憶部24は、コンポーネント名またはコンポーネントID毎に、当該コンポーネントがINコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントのいずれのコンポーネントに該当するかを示す情報を記憶しても良い。これにより、図1BでIN入力欄に入力された自然文に基づいて、INコンポーネントを示すコンポーネントのみを検索することができる(PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントも同様である)。
【0028】
なお、コンポーネントは、複数のワークフローアプリで共通に用いられる場合がある。このため、上記では、ワークフローアプリ情報記憶部24は、ワークフローアプリ毎にキーワードを紐づけて記憶するのではなく、コンポーネント毎にキーワードを紐づけて記憶するものとして説明している。ただし、これに限定されず、ワークフローアプリ情報記憶部24は、ワークフローアプリ毎にキーワードを紐づけて記憶しても良い。
【0029】
図1Dは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて検索するワークフローアプリが含むコンポーネントの一例を説明するための図である。サーバ2は、各処理を実行するコンポーネントを組み合わせたワークフローとしてその一連の処理を実行するワークフローアプリを作成することができる。ここで、コンポーネントは、一例として、INコンポーネント、PROCESSコンポーネント、およびOUTコンポーネントを含む。
【0030】
INコンポーネントは、データの入力、生成、取得等に係る処理を実行するコンポーネントであっても良い。また、PROCESSコンポーネントは、データの加工および変換等の所定処理を実行するコンポーネントであっても良い。また、OUTコンポーネントは、データの出力および送信にかかる処理を実行するコンポーネントであっても良い。ワークフローアプリは、複数のINコンポーネント、複数のPROCESSコンポーネント、複数のOUTコンポーネントを含んでいても良く、複数のアプリによって1つのワークフローアプリを構成することもできる。
【0031】
INコンポーネントは、デバイスからデータを取得する処理が含まれる。例えば、INコンポーネントには、デバイスがMFPまたはカメラ等である場合は原稿および被写体等をスキャンまたは撮影することで電子データを取得する処理が含まれる。また、INコンポーネントには、デバイスがプロジェクタまたはディスプレイ等である場合、表示中の画像データを取得する処理が含まれる。また、INコンポーネントには、デバイスがセンサである場合、センサの検出値を取得する処理が含まれる。また、INコンポーネントには、デバイスがストレージサーバまたは記憶媒体の場合、データを受信または読み取る処理が含まれる。
【0032】
また、INコンポーネントには、ワークフローアプリを実現する情報処理システム内のデータを取得する処理、別のアプリケーションまたはサーバ等の記憶装置からデータを取得する処理が含まれていても良い。例えば、INコンポーネントは、ワークフローアプリとは別のアプリケーション、または、ワークフローアプリを実現する情報処理システムとは別のシステムに対して、当該別のアプリケーションまたは別のシステムで管理しているデータを要求する処理が含まれても良い。別のアプリケーションは、INコンポーネントからの要求に応じて当該別のアプリケーションで管理しているデータ、当該別のアプリケーションに対応するサーバからデータを取得して要求元のINコンポーネントに対して送信する。なお、INコンポーネントは、画像データからテキストデータを生成する等、データ形式を変換することでデータを生成する処理も含まれても良い。
【0033】
OUTコンポーネントは、デバイスからデータを出力する処理が含まれる。例えば、デバイスがMFPである場合、OUTコンポーネントには、電子データを媒体に印刷する処理が含まれる。また、デバイスがプロジェクタまたはディスプレイである場合、OUTコンポーネントには、画像データを表示または音声出力する処理が含まれる。また、デバイスがストレージサーバまたは記憶媒体の場合、OUTコンポーネントには、データを送信または記憶させる処理が含まれる。OUTコンポーネントには、その他、所定の宛先にデータまたは処理の結果を通知する処理が含まれる。
【0034】
また、OUTコンポーネントは、ワークフローアプリを実現する情報処理システム内にデータを出力できるが、ワークフローアプリとは別のアプリケーション、またはワークフローアプリを実現する情報処理システムとは別のシステムにデータを出力する処理を含んでいても良い。例えば、OUTコンポーネントは、当該別のアプリケーションまたは当該別のシステムに対して、当該別のアプリケーションまたは別のシステムでデータまたは処理の結果を管理するよう要求する処理が含まれる。別のアプリケーションは、要求に応じて、受信したデータまたは処理の結果を管理し、または当該別のアプリケーションに対応するサーバで記憶するためにデータまたは処理の結果を送信することができる。
【0035】
例えば、複数のコンポーネントを組み合わせることで、ワークフローアプリは、以下のような機能を実現することができる。INコンポーネントでは、MFPによって原稿をスキャンすることで画像データを生成する。PROCESSコンポーネントでは、画像データに対して文字認識処理を実行することで数値またはテキスト等のデータに変換する。OUTコンポーネントでは、変換したデータを他のシステムの一例である業務管理システムに送信する。業務管理システムでは、ワークフローアプリから受信したデータを分類、または予め設定された入力様式に基づいて整理すること管理データを生成する。
【0036】
PROCESSコンポーネントにおいては、データの分類および管理データの生成を実行しても良い。この場合、OUTコンポーネントでは、分類結果および管理データを業務管理システムへ送信し、業務管理システムは、ワークフローアプリから受信した分類結果および管理データを所定の領域に記憶するだけでよい。
【0037】
また、INコンポーネントでは、業務管理システムが管理するデータを取得する。例えば、INコンポーネントは、設定情報、数値、またはテキスト等を含むデータを取得する。ここで、INコンポーネントは、設定に応じて所定のデータを業務管理システムに要求しても良いし、業務管理システムからの要求に応じて業務管理システムが管理する所定のデータを受信しても良い。
【0038】
PROCESSコンポーネントは、設定情報に基づいて数値またはテキストを整理または加工することで管理データを生成する。例えば、PROCESSコンポーネントは、データとひな型ファイルに基づいて、データに格納されたテキストまたは数値をひな型ファイルで設定された様式または順番に沿って整理することで、管理データとして帳票を作成することができる。PROCESSコンポーネントは、INプロセスで取得したデータを処理することができるが、データおよびひな型ファイルの指定をユーザから受け付けても良いし、予め定められた設定に基づいて自動的にデータおよびひな型ファイルを選択しても良い。
【0039】
OUTコンポーネントでは、管理データ等のデータを業務管理システムに送信する。業務管理システムでは、ワークフローアプリから受信した管理データを所定の領域に記憶する。ただし、OUTコンポーネントでは、ワークフローの実行を要求した端末またはユーザ宛に管理データを返信しても良い。
【0040】
ここで、業務管理システムとワークフローアプリとは、それぞれ異なる事業者によって提供される場合があり、それぞれ異なるサーバによって構成される場合がある。このため、ワークフローアプリは、業務管理システムへデータ送信または受信する場合、業務管理システムを構成するサーバと通信することでデータを送信または受信することができる。
【0041】
図2Aは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムのPCまたはサーバのハードウェア構成図である。ここでは、サーバ2のハードウェア構成について説明するが、端末装置1の一例であるPCも同様のハードウェア構成を有する。
【0042】
図2Aに示されているように、サーバ2は、コンピュータによって構築されており、図2Aに示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk ReWritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0043】
これらのうち、CPU501は、サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、図1Eに示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
【0044】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択または実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0045】
図2Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムが有する端末装置の一例のMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。図2Bに示されているように、MFP(Multi-Function Peripheral/Product/Printer)1は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0046】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、および、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0047】
これらのうち、CPU901は、MFP1の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、およびAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0048】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムおよびデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、およびメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0049】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0050】
MEM-C907は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出または書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0051】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0052】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931およびプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値または選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキーおよびコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP1全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931またはプリンタ部932には、誤差拡散およびガンマ変換等の画像処理部分が含まれている。
【0053】
なお、MFP1は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0054】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920およびネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0055】
図3は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて自然文からワークフローアプリを検索する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、クライアントのMFPから入出力部21へ、IN入力項目、PROCESS入力項目、またはOUT入力項目の各自然文の入力情報(入力内容)が送信される(ステップS301)。入出力部21は、入力項目(入力情報)毎に、キーワード抽出処理部22へ、キーワードの抽出処理を依頼する(ステップS302)。
【0056】
キーワード抽出処理部22は、依頼された自然文からキーワードを抽出する。本実施の形態では、キーワード抽出処理部22は、OSSのMeCab等を用いたキーワード抽出、pkeのようなキーフレーズ抽出等を用いて、自然文からキーワードを抽出する。その後、入出力部21は、入力項目毎に抽出されたキーワードを検索部23へ渡し、コンポーネントの検索処理を依頼する(ステップS303)。
【0057】
検索部23は、まず、カテゴリ毎にコンポーネントの検索を行う。その後、検索部23は、ワークフローアプリの検索を行う。
【0058】
ここで、まず、コンポーネントの検索について、説明する。全てのコンポーネントは、INコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントのいずれかに分類されて、データベースに保存されている。さらに、全てのコンポーネントには、コンポーネントに関連するワードを予め登録しておく。検索部23のコンポーネント検索部23aは、INコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントのいずれかの分類による絞り込みと、関連するワードへの類似検索と、でコンポーネントを検索する。
【0059】
次に、検索部23のフロー検索部23bは、ワークフローを検索する(ステップS304)。フロー検索部23bは、上記でIN入力項目、PROCESS入力項目、OUT入力項目の各入力項目で絞り込んだコンポーネントを含んでいるワークフローを検索する。ワークフローは、コンポーネントの組み合わせで表現され、INコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントの順で、コンポーネントが実行される。ワークフロー内のコンポーネントの組み合わせは、PROCESSコンポーネントが複数あっても構わないが、INコンポーネントおよびOUTコンポーネントは連続することはないとする。ただし、INコンポーネントとOUTコンポーネントは並列で実行される場合がある。例えば、複数の入力先から入力データを取得する場合、複数の宛先に処理済みデータを送信する場合である。
【0060】
検索部23のアプリケーション検索部23cは、最後に、ワークフローの絞り込みが済んだら、そのワークフローを使用しているワークフローアプリを特定する(ステップS305)。そして、アプリケーション検索部23cは、特定されたワークフローアプリを、入出力部21を返却する(ステップS306)。
【0061】
図4A~4Dは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおけるワークフローアプリの検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。検索部23における検索には、図4Aに示すように、コンポーネント検索部23aによる検索処理(ステップS401)と、フロー検索部23bによる検索処理(ステップS402)と、アプリケーション検索部23cによる検索処理(ステップS403)と、が含まれる。
【0062】
コンポーネント検索部23aによる検索処理では、図4Bに示すように、まず、入力画面の入力内容(入力項目)に基づいて、検索するコンポーネントの分類を絞り込む(ステップS404)。次に、コンポーネント検索部23aは、入力画面のIN入力欄に入力された自然文に含まれるキーワード(キーワード抽出処理部22により抽出されたキーワード)に基づいて、複数のINコンポーネントの中からキーワードに合致する1以上のINコンポーネントを特定する。すなわち、コンポーネント検索部23aは、キーワードに基づいて、複数のINコンポーネントの中から、抽出したキーワードに類似するコンポーネントを検索する(ステップS405)。コンポーネント検索部23aは、同様にして、入力画面の入力内容に基づいて、PROCESSコンポーネントおよびOUTコンポーネントのそれぞれを特定する。なお、同一の機能を実現する(すなわち、検索結果に合致する)コンポーネントは、複数存在する場合がある。
【0063】
フロー検索部23bによる検索処理では、特定したINコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントを含むワークフローを検索する。ワークフローアプリは、複数のINコンポーネント、複数のPROCESSコンポーネント、複数のOUTコンポーネントを含みえるため、コンポーネント検索部23aで特定したコンポーネントを少なくとも一部に含むワークフローを特定する。
【0064】
例えば、フロー検索部23bは、図4Cに示すように、コンポーネント検索部23aによってINコンポーネントを特定したか否を判断する(ステップS406)。INコンポーネントを特定している場合には(ステップS406:Yes)、フロー検索部23bは、当該INコンポーネントを含むワークフローを、複数のワークフローの中から特定する(ステップS407)。なお、コンポーネント検索部23aにおいて複数のINコンポーネントを特定している場合、フロー検索部23bは、複数のINコンポーネントそれぞれについて、当該INコンポーネントを含むワークフローを特定する。
【0065】
次に、フロー検索部23bは、コンポーネント検索部23aによってPRCOSESSコンポーネントを特定したか否を判断する(ステップS408)。PROCESSコンポーネントを特定している場合には(ステップS408:Yes)、フロー検索部23bは、当該PRCOSESSコンポーネントを含むワークフローを、複数のワークフローの中から特定する(ステップS409)。または、フロー検索部23bは、既に特定したワークフロー(つまり、特定したINコンポーネントを含む1以上のワークフロー)の中から、特定したPROCESSコンポーネントを含むワークフローを更に特定するようにしても良い。
【0066】
次に、フロー検索部23bは、コンポーネント検索部23aによってOUTコンポーネントを特定したか否を判断する(ステップS410)。OUTコンポーネントを特定している場合には(ステップS410:Yes)、フロー検索部23bは、当該OUTコンポーネントを含むワークフローを、複数のワークフローの中から特定する(ステップS411)。または、フロー検索部23bは、既に特定したワークフロー(つまり、特定したINコンポーネントと特定したPROCESSコンポーネントの両方を含む1以上のワークフロー)の中から、特定したOUTコンポーネントを含むワークフローを更に特定するようにしても良い。
【0067】
これにより、コンポーネント検索部23aで特定したINコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントを含む1以上のワークフローを特定する。なお、同一の機能を実現する(検索結果に合致する)ワークフローは複数存在する場合がある。
【0068】
アプリケーション検索部23cによる検索処理では、図4Dに示すように、特定したワークフローを含むワークフローアプリを検索する(ステップS412)。1つのワークフローアプリには、印刷機能、スキャン機能、FAX機能等の複数の機能が含まれる場合がある。ここで、各機能は、それぞれ異なるワークフローによって実現される場合がある。このため、アプリケーション検索部23cは、特定したワークフローを少なくとも含むワークフローアプリを検索する。
【0069】
このように、1以上のワークフローアプリケーションを特定した場合は、図3にて前述したように、特定したワークフローアプリケーションを検索結果としてクライアントデバイス(端末装置1)へ送信する。これにより、クライアントデバイスでは、図1Cに示すような出力画面が表示される。
【0070】
このように、第1の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、ユーザにより入力される入力項目と、当該入力項目に基づいて検索されるワークフローアプリと、に関連があるか否かを容易に認識できるので、複数のワークフローアプリの中から、ユーザの業務改善に適したワークフローアプリを提案することができる。
【0071】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、入力項目に入力される自然文を基に、当該自然文と関連度の高い課題を選択可能な選択画面を表示し、選択画面において選択される課題に予め紐付けられるワークフローアプリケーションを検索する例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0072】
上述したように、IN入力項目、PROCESS入力項目、またはOUT入力項目のそれぞれの入力項目に対応するコンポーネントを備えたワークフローアプリの検索では、各入力項目に入力された自然文を基に関係があるワークフローアプリを検索することができる。しかしながら、入力された自然文が長い文書の場合、検索に用いるキーワードの中に文書の骨子とは関係が薄いキーワードも含まれる割合が多くなり、ワークフローアプリの検索に影響を与える可能性がある。そこで、本実施の形態では、サーバ2は、図1Bの入力欄に入力された自然文を基に関連度の高い要約文(例えば、課題、困り事)を複数含む選択画面を表示する。
【0073】
図5は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムで表示される選択画面の一例を示す図である。本実施の形態では、入出力部21は、IN入力項目、PROCESS入力項目、またはOUT入力項目を入力可能な入力画面と、ワークフローアプリの検索結果を表示する出力画面と、の間に、図5に示すように、入力内容と関連度の高い課題を選択させる選択画面を表示する。これにより、入力内容と関連度の高い課題をユーザに選択させることで、よりユーザの業務改善に適したワークフローアプリを提案することが出来る。
【0074】
図6は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態では、サーバ2は、図6に示すように、入出力部21、キーワード抽出処理部22、課題分類処理部601、ワークフローアプリ検索処理部602、課題分類情報記憶部603、マッピング情報記憶部604、およびワークフローアプリ情報記憶部605を有する。
【0075】
課題分類処理部601は、抽出されたキーワードから課題(例えば、業務課題)を分類する。ワークフローアプリ検索処理部602は、ワークフローアプリ情報記憶部24からワークフローアプリを取得する。
【0076】
課題分類情報記憶部603は、課題とそれに紐づくキーワードとを含む辞書を記憶する。ワークフローアプリを製品化するタイミングで、そのワークフローアプリが解決する課題とその課題に紐づくキーワードが課題分類情報記憶部603に登録される。
【0077】
マッピング情報記憶部604は、課題とワークフローアプリとを紐づけるマッピング情報を記憶する。ワークフローアプリを製品化するタイミングで、マッピング情報がマッピング情報記憶部604に登録される。
【0078】
ワークフローアプリ情報記憶部605は、ワークフローアプリに関するワークフローアプリ情報が格納されている。ワークフローアプリ情報記憶部605では、業務課題とワークフローアプリとを紐づけて管理している。また、ワークフローアプリ情報記憶部605は、1つの業務課題に対して複数のワークフローアプリを紐づけて管理しても良い。
【0079】
図7は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて自然文からワークフローアプリを検索する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本実施の形態では、検索部23に対してキーワードが渡されて、コンポーネントの検索処理が依頼されると(ステップS303)、課題分類処理部601は、抽出したキーワードを基に予め登録されている課題(例えば、業務課題)のうちどの課題と関連度が高いか検索を行う(ステップS701)。
【0080】
図8Aは、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて予め登録されている業務課題の一例を説明するための図である。図8Bは、第2の実施の形態にかかる情報処理システムの課題分類情報記憶部に記憶されるデータベーステーブルの一例を説明するための図である。課題分類情報記憶部603には、データ形式は問わないが、図8Aに示すように、予め業務課題に紐づくキーワードを登録しておく。
【0081】
課題分類情報記憶部603は、登録するキーワードそれぞれについて、図1Bに示すIN入力欄、PRCOSESS入力欄、OUT入力欄のいずれの入力欄に対応するかを示す情報を関連付けて記憶しても良い。例えば、図8Bに示すように、「紙またはファックス」は、IN入力欄に対応するものと設定する。この場合、IN入力欄に「紙またはファックス」と入力された場合に、課題分類処理部601は、入力内容が業務課題Aに関連すると判断することができる。
【0082】
なお、1つのキーワードは、複数の入力欄に対応するものと設定できても良い。例えば、「取引先との受発注業務」が、IN入力欄、PRCOSESS入力欄、OUT入力欄の全てに対応するものと設定できる。この場合、いずれかの入力欄に「取引先との受発注業務」と入力された場合に、課題分類処理部601は、入力内容が業務課題Aに関連すると判断することができる。このように、業務課題Aに関連すると判断されたキーワードの数が多いほど、入力内容は業務課題Aに関連するもの(関連度が高い)と判断することができる。
【0083】
課題分類処理部601は、課題分類情報記憶部603において業務課題に紐づけられているキーワードに対して、Elastic Searchのような全文検索を行う。検索アルゴリズムは、N-Gramでも形態素解析でも構わない。課題分類処理部601は、キーワード抽出処理部22で抽出されたキーワードを検索ワードとして業務課題を検索することで、入力業務に対する業務課題を検索できる。
【0084】
検索ワードが、業務課題に紐づくキーワード群とより多くヒットすれば、それだけ、入力業務に対する業務課題である可能性が高いと推測できるからである。しかし、業務課題である可能性が高いというだけで、断定は出来ない。その為、検索スコアの上位何件の業務課題を入出力部21へ返却し(ステップS702)、業務課題を選択可能な選択画面の表示を行い(ステップS703)、ユーザに業務課題を選択させる(ステップS704)。
【0085】
選択画面において選択された業務課題は、ワークフローアプリ検索処理部602に渡され、業務課題と紐づくワークフローアプリをワークフローアプリ情報記憶部605(データベース)から検索する(ステップS705)。ワークフローアプリ検索処理部602は、特定されたワークフローアプリを入出力部21へ返却する(ステップS706)。
【0086】
ワークフローアプリ検索処理部602では、選択された業務課題に紐づく1以上のワークフローアプリを特定する。入出力部21は、特定したワークフローアプリを、図1Cに示すように、出力画面に表示することができる。また、出力画面には、IN入力項目、PRCOSESS入力項目、OUT入力項目のそれぞれの入力内容を表示する代わりに、ユーザによって選択された業務課題を表示しても良い。
【0087】
また、サーバ2は、第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせてワークフローアプリを特定しても良い。つまり、ワークフローアプリ検索処理部602は、第2の実施の形態に示すように、業務課題の選択を受け付けることでワークフローアプリを特定する。このとき、複数のワークフローアプリが特定された場合には、ワークフローアプリ検索処理部602は、更に、第1の実施の形態に示す検索方法でワークフローアプリを特定する。これにより、特定するワークフローアプリを更に絞り込むことができる。
【0088】
なお、第1の実施の形態の場合は、入力欄の入力内容に基づくINコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントの全てを含むワークフローアプリを特定するものとしたが、これに限定されない。例えば、入力欄に基づくINコンポーネント、PROCESSコンポーネント、OUTコンポーネントのいずれかを含むワークフローアプリを特定するものとしても良い。これは、業務課題の選択によって、ユーザにとって必要なアプリが既にある程度絞り込めているからである。
【0089】
このように、第2の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、入力内容と関連度の高い課題をユーザに選択させることができるので、よりユーザの業務改善に適したワークフローアプリを提案することができる。
【0090】
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0091】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施の形態では、サーバ2は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、端末装置1は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。同様に、サーバ2の機能は、端末装置1によって実行することができる。また、サーバ2と端末装置1の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0092】
なお、端末装置1は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。端末装置1は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0093】
なお、本実施の形態のサーバ2で実行されるプログラムは、ROM502等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のサーバ2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0094】
さらに、本実施の形態のサーバ2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のサーバ2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0095】
本実施の形態のサーバ2で実行されるプログラムは、上述した各部(入出力部21、キーワード抽出処理部22、課題分類処理部601および、ワークフローアプリ検索処理部602)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501等のプロセッサが上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入出力部21、キーワード抽出処理部22、課題分類処理部601および、ワークフローアプリ検索処理部602が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0096】
1 端末装置
2 サーバ
21 入出力部
22 キーワード抽出処理部
23 検索部
23a コンポーネント検索部
23b フロー検索部
23c アプリケーション検索部
24 ワークフローアプリ情報記憶部
501 CPU
502 ROM
601 課題分類処理部
602 ワークフローアプリ検索処理部
603 課題分類情報記憶部
604 マッピング情報記憶部
605 ワークフローアプリ情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2017-076368号公報
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8A
図8B