(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079596
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】素材管理システム、素材管理方法、素材管理装置、素材管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187234
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2022191872
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】柳田 晃司
(72)【発明者】
【氏名】野口 英剛
(72)【発明者】
【氏名】釜谷 智彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC60
5L050CC60
(57)【要約】
【課題】廃棄物の素材の品質の確認を容易にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置とを含む素材管理システムであって、前記素材管理装置は、計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成部と、前記品質情報が格納された品質情報記憶部と、前記端末装置から、前記素材を特定する情報の入力を受け付けて、前記品質情報記憶部に格納された品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力するデータ出力部と、を有し、前記端末装置は、前記品質情報を表示装置に表示させる表示制御部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置とを含む素材管理システムであって、
前記素材管理装置は、
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成部と、
前記品質情報が格納された品質情報記憶部と、
前記端末装置から、前記素材を特定する情報の入力を受け付けて、前記品質情報記憶部に格納された品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力するデータ出力部と、を有し、
前記端末装置は、
前記品質情報を表示装置に表示させる表示制御部を有する、素材管理システム。
【請求項2】
前記素材管理装置は、
前記品質情報を前記品質情報記憶部に格納し、前記計測データと前記品質情報とを対応付けて計測データ記憶部に格納する格納制御部を有する、請求項1記載の素材管理システム。
【請求項3】
前記品質情報生成部は、
前記計測データを用いて、前記素材の名称、前記計測データを取得した日時を示す情報、素材に含まれる不純物に関する情報を取得し、品質情報とする、請求項1記載の素材管理システム。
【請求項4】
前記品質情報生成部は、
前記計測データと共に取得された、前記素材に関する付加データを前記品質情報に含める、請求項1記載の素材管理システム。
【請求項5】
前記付加データは、
前記素材の画像を示す画像データ、前記素材の提供者を特定する識別情報、前記素材の品質を計測されたときの計測条件、前記素材を生産した事業者を特定する情報、前記素材が生産された日を示す情報、生産された前記素材の量、の少なくとも何れか1つを含む、請求項4記載の素材管理システム。
【請求項6】
前記素材管理システムは、
前記端末装置とは別の端末装置と、
前記素材の品質を計測し、前記別の端末装置に対して計測データを出力する計測機器と、を含み、
前記別の端末装置は、前記計測機器から出力される前記計測データを取得すると、前記素材管理装置に対して前記計測データを送信する通信制御部を有し、
前記素材管理装置の格納制御部は、
前記別の端末装置から取得した計測データを、前記計測データ記憶部に格納する、請求項2記載の素材管理システム。
【請求項7】
前記計測機器は、前記素材を透過又は反射する近赤外光を計測する可搬型の分光器であり、
前記計測データは、近赤外光スペクトルと、前記計測機器が計測を行った日時を示す情報と、前記計測機器を特定する計測機器識別番号と、を含む、請求項6記載の素材管理システム。
【請求項8】
前記素材管理装置は、
前記端末装置から前記素材の計測データを取得すると、前記計測データ記憶部に格納された計測データのうち、前記端末装置から取得した計測データと対応する計測データを特定し、特定された計測データと、前記端末装置から取得した計測データとを照合する照合部を有し、
前記データ出力部は、前記照合部による照合の結果を示す情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置は、
前記照合の結果を示す情報を前記表示装置に表示させる、請求項6記載の素材管理システム。
【請求項9】
前記端末装置と、前記別の端末装置とは、産業系廃棄物の回収から再生利用までの一連のプロセスを示すサプライチェーンに含まれる事業者の何れかによって利用される、請求項8記載の素材管理システム。
【請求項10】
前記品質情報生成部は、
前記不純物に関する情報に基づき、前記素材の品質に対するランク付けを行い、ランク付けを行った結果を前記品質情報に含める、請求項3記載の素材管理システム。
【請求項11】
前記品質情報生成部は、
不純物及び添加物が含まれず、塗装が施されていない特定の素材の吸光度波形と、不純物の吸光度波形とを、前記計測データが示す計測波形との相関係数が最大となるように合成した合成波形における前記不純物の割合に基づき、前記素材の品質に対するランク付けを行い、ランク付けを行った結果を前記品質情報に含める、請求項3記載の素材管理システム。
【請求項12】
前記品質情報生成部は、
不純物及び添加物が含まれず、塗装が施されていない特定の素材の吸光度波形と、前記計測データが示す計測波形との相関係数に基づき、前記素材の品質に対するランク付けを行い、ランク付けを行った結果を前記品質情報に含める、請求項3記載の素材管理システム。
【請求項13】
前記データ出力部は、
前記素材の提供者に対する評価を示す評価情報が格納された評価情報記憶部を参照し、前記品質情報と共に、前記素材の提供者と対応する評価情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置は、
前記表示制御部により、前記品質情報と前記評価情報とを前記表示装置に表示させる、請求項5記載の素材管理システム。
【請求項14】
前記素材は、樹脂である、請求項1記載の素材管理システム。
【請求項15】
前記素材管理システムは、
複数の前記素材管理装置を含み、前記複数の前記素材管理装置は、ブロックチェーンシステムに含まれる分散台帳ノードであり、
前記品質情報生成部は、
前記サプライチェーンが示す一連のプロセスに含まれる工程毎に、前記工程の直前の見工程を特定する識別情報を含む品質情報を生成し、
前記格納制御部は、前記工程毎に生成された品質情報をブロックチェーン上に記録する、請求項9記載の素材管理システム。
【請求項16】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置とを含む素材管理システムによる素材管理方法であって、
前記素材管理装置が、
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成し、
前記端末装置から、素材を特定する情報の入力を受け付けて、品質情報記憶部に格納された前記品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置が、
前記品質情報を表示装置に表示させる、素材管理方法。
【請求項17】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置であって、
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成部と、
前記品質情報が格納された品質情報記憶部と、
前記端末装置から、前記素材を特定する情報の入力を受け付けて、前記品質情報記憶部に格納された品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力するデータ出力部と、を有する、素材管理装置。
【請求項18】
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成し、
端末装置から、素材を特定する情報の入力を受け付けて、品質情報記憶部に格納された前記品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力する、処理をコンピュータに実行させる、素材管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材管理システム、素材管理方法、素材管理装置、素材管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、小口分散している廃棄物等の取引ロットを大口にまとめ、廃棄物の性状を平準化し、リサイクル資源の生産量や品質を安定させることで、リサイクル資源の販路確保、安定供給、価格安定、取引市場の規模の維持拡大を支援するシステムが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の技術では、リサイクル資源の取引時に、リサイクル資源の原料となる素材の確認が人手で行われていた。
【0004】
開示の技術は、上記事情に鑑みて成されたものであり、廃棄物の素材の品質の確認を容易にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の技術は、端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置とを含む素材管理システムであって、前記素材管理装置は、計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成部と、前記品質情報が格納された品質情報記憶部と、前記端末装置から、前記素材を特定する情報の入力を受け付けて、前記品質情報記憶部に格納された品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力するデータ出力部と、を有し、前記端末装置は、前記品質情報を表示装置に表示させる表示制御部を有する、素材管理システムである。
【発明の効果】
【0006】
廃棄物の素材の品質の確認を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一の実施形態の素材管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】素材管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】第一の実施形態の品質情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】第一の実施形態の素材管理システムの有する各装置の機能を説明する図である。
【
図6】第一の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
【
図7】第一の実施形態の品質情報生成部の処理を説明するフローチャートである。
【
図8】第一の実施形態における提供側端末の表示例を説明する図である。
【
図9】第一の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。
【
図10】第一の実施形態における利用側端末の表示例を説明する第一の図である。
【
図11】第一の実施形態における利用側端末の表示例を説明する第二の図である。
【
図12】第一の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第三のシーケンス図である。
【
図13】第一の実施形態における利用側端末の表示例を説明する第二の図である。
【
図14】第二の実施形態の素材管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図15】第二の実施形態の品質情報データベースの一例を示す図である。
【
図16】第二の実施形態の素材管理装置の機能構成を説明する図である。
【
図17】第二の実施形態の品質情報生成部の処理を説明するフローチャートである。
【
図18】不純物の割合に応じたランク付けについて説明する図である。
【
図19】第二の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。
【
図20】第二の実施形態における端末装置の表示例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して、本実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態の素材管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0009】
本実施形態の素材管理システム100は、素材管理装置200、端末装置300、端末装置400、計測機器500、計測機器600を有する。
【0010】
本実施形態の素材管理システム100において、素材管理装置200と、端末装置300と、端末装置400とは、インターネット等のネットワークを介して接続される。また、素材管理システム100において、計測機器500は、端末装置300とブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を行い、計測機器600は、端末装置400とブルートゥース等の近距離無線通信を行う。
【0011】
本実施形態の素材管理システム100は、廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を管理する。素材の品質情報は、廃棄物を取り扱う事業者同士の取引において、参照されてよい。品質情報の詳細は後述する。
【0012】
廃棄物を取り扱う事業者とは、例えば、廃棄物の素材を提供する提供側の事業者と、廃棄物の素材を利用する利用側の事業者である。具体的には、提供側の事業者とは、廃棄物の排出事業者であり、利用側の事業者とは、廃棄物の処理事業者であってよい。
【0013】
排出事業者とは、廃棄物を複数の素材への分別し、保管する行う事業者であり、処理事業者とは、素材に対する中間処理や、再生処理を行う事業者である。
【0014】
本実施形態の素材管理システム100において、端末装置300は、例えば、提供側の事業者によって利用される端末装置であり、端末装置400は、例えば、利用側の事業者によって利用される端末装置である。以下の説明では、端末装置300を提供側端末300と表現し、端末装置400を利用側端末400と表現する。また、以下の説明では、廃棄物の素材を提供する提供側の事業者を提供側事業者と表現し、廃棄物の素材を利用する利用側の事業者を利用側事業者と表現する。本実施形態における廃棄物の素材とは、例えば、樹脂である。
【0015】
なお、提供側事業者と利用側事業者とは、区別されるものではなく、1つの事業者が、状況に応じて、提供側事業者となってもよいし、利用側事業者となってもよい。
【0016】
本実施形態の計測機器500と計測機器600は、ハンディタイプ(可搬型)の分光器である。計測機器500、600のそれぞれは、取引対象の素材の材質を計測し、近赤外光スペクトルを含む計測データとして提供側端末300、利用側端末400に対して出力する。
【0017】
本実施形態の提供側端末300は、計測機器500から出力された計測データを素材管理装置200へ送信する。具体的には、提供側端末300は、利用側事業者との取引により、利用側事業者へ提供する素材の計測データを素材管理装置200へ送信し、素材管理装置200に計測データを格納する。利用側端末400は、提供側事業者との取引により入手した素材の品質情報を素材管理装置200から取得し、表示させる。また、利用側端末400は、入手した素材の計測データを素材管理装置200へ送信し、素材管理装置200において、提供側端末300から受信した計測データと照合させる。
【0018】
素材管理装置200は、品質情報データベース240、計測データベース250、品質情報管理部260を有する。
【0019】
品質情報データベース240は、素材毎の品質を示す品質情報が格納される。品質情報は品質情報管理部260により生成される。本実施形態の品質情報は、例えば、素材の品質を証明するための証明書情報として、利用されてよい。計測データベース250は、提供側端末300から受信した計測データが格納される。計測データベース250は、計測データ記憶部の一例である。なお、計測データベース250(計測データ記憶部の一例)を品質情報データベース240(品質情報記憶部の一例)として使用してもよい。
【0020】
品質情報管理部260は、提供側端末300から受信した計測データを用いて、素材の品質情報を生成し、品質情報データベース240に格納する。また、品質情報管理部260は、利用側端末400において選択された素材の品質情報を利用側端末400に出力する。また、品質情報管理部260は、利用側端末400から計測データを受信すると、提供側端末300から受信した計測データと照合し、照合結果を利用側端末400に出力する。
【0021】
なお、本実施形態における出力とは、情報を外部装置へ送信すること、情報を表示装置に表示させることを含む。また、外部装置は、素材管理装置200とネットワーク等を介して接続される装置である。また、表示装置は、外部装置が有する表示装置であってもよいし、素材管理装置200が有する表示装置であってもよい。
【0022】
本実施形態では、このように、取引の対象となる素材の品質を示す品質情報を管理することで、取引の際に、各事業者の担当者が素材の保管場所まで赴き、素材の品質を人手で確認する、といった作業が不要となり、素材の品質の確認を容易にできる。
【0023】
なお、本実施形態の素材管理装置200は、インターネット上に設けられたクラウドサーバであってよい。また、素材管理装置200は、それぞれが、複数の情報処理装置によって実現されてもよい。
【0024】
また、
図1の例では、素材管理装置200が、品質情報データベース240、品質情報管理部260を有する構成としたが、これに限定されない。品質情報データベース240、計測データベース250は、一部又は全部が素材管理装置200と通信が可能な他の装置に設けられていてもよい。
【0025】
また、本実施形態の素材管理システム100では、提供側端末300と利用側端末400とをそれぞれ1台としているが、これに限定されない。提供側端末300と利用側端末400の台数は、素材管理システム100が提供するサービスを利用する事業者の数に応じたものとなってよい。
【0026】
また、以下の実施形態では、再生利用が可能な産業系廃棄物を、廃棄物の一例として説明する。より具体的には、本実施形態の廃棄物とは、例えば、廃プラスチック等であってよい。
【0027】
次に、
図2を参照して、本実施形態の素材管理装置200とのハードウェア構成について説明する。
図2は、素材管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0028】
図2に示されているように、素材管理装置200は、コンピュータによって構築されており、
図2に示されているように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、バスライン210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0029】
これらのうち、CPU201は、素材管理装置200全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ(表示装置)206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン210は、
図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0030】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア215に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0031】
次に、提供側端末300、利用側端末400のハードウェア構成について説明する。以下の説明では、提供側端末300を端末装置の一例として示す。
図3は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
本実施形態の端末装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、CMOSセンサ305、撮像素子I/F306、加速度・方位センサ307、メディアI/F309、GPS受信部311を備えている。
【0033】
これらのうち、CPU301は、端末装置400全体の動作を制御する演算処理装置である。ROM302は、CPU301やIPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。EEPROM304は、CPU301の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。ROM302、RAM303、EEPROM304は、端末装置300の記憶装置の一例である。
【0034】
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ305は、CPU301の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。
【0035】
撮像素子I/F306は、CMOSセンサ305の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ307は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F309は、フラッシュメモリ等の記録メディア308に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部311は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0036】
また、端末装置300は、遠距離通信回路312、遠距離通信回路312のアンテナ312a、CMOSセンサ313、撮像素子I/F314、マイク315、スピーカ316、音入出力I/F317、ディスプレイ318、外部機器接続I/F(Interface)319、近距離通信回路320、近距離通信回路320のアンテナ320a、及びタッチパネル321を備えている。
【0037】
これらのうち、遠距離通信回路312は、通信ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ313は、CPU301の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F314は、CMOSセンサ313の駆動を制御する回路である。マイク315は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ316は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F317は、CPU301の制御に従ってマイク315及びスピーカ316との間で音信号の入出力を処理する回路である。
【0038】
ディスプレイ318は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F319は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路320は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル321は、利用者がディスプレイ318を押下することで、端末装置300を操作する入力手段の一種である。ディスプレイ318は、端末装置300の有する表示部の一例である。
【0039】
なお、
図3に示すハードウェア構成は、提供側端末300、利用側端末400の一例であり、提供側端末300、利用側端末400のハードウェア構成は、これに限定されない。提供側端末300、利用側端末400のハードウェア構成は、
図2に示す構成であってもよい。
【0040】
次に、
図4を参照して、品質情報データベース240について説明する。
図4は、第一の実施形態の品質情報データベースの一例を示す図である。本実施形態の品質情報データベース240は、品質情報を格納する品質情報記憶部の一例である。品質情報データベース240は、素材管理装置200において、事業者(提供側事業者)毎に管理される。
【0041】
品質情報データベース240は、情報の項目として、事業者ID、事業者名、素材名、計測日時、計測場所、計測対象品画像、計測条件、不純物情報、素材重量、素材生産事業者又は素材処理事業者、素材生産日又は素材処理日、素材生産条件又は素材処理条件、計測データ等を含み、項目「事業者ID」、「素材名」とその他の項目とが対応付けられている。
【0042】
本実施形態では、項目「事業者ID」、「素材名」の値と、その他の項目の値とが対応付けられた情報を品質情報と呼ぶ。
【0043】
本実施形態の品質情報は、廃棄物を構成する素材の品質を定量化した情報である。本実施形態における素材の品質とは、品質情報に含まれる各項目の値によって示される。
【0044】
なお、事業者IDは、事業者を特定するための情報であり、事業者名が事業者IDの代わりに用いられてもよい。
【0045】
また、品質情報データベース240では、項目「事業者ID」、「素材名」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、品質情報と呼ぶ。
【0046】
項目「事業者ID」の値は、素材管理装置200において、提供側事業者を特定するための識別情報である。項目「事業者名」の値は、事業者IDで特定される事業者の名称を示す。
【0047】
なお、本実施形態では、素材を提供する提供元を事業者としているが、これに限定されない。素材を提供する事業者は個人であってもよく、その場合、項目「事業者ID」、「事業者名」の値は、素材を提供する提供者(提供元)を特定するための識別情報と、提供者の名称となる。
【0048】
項目「素材名」の値は、素材の名称を示す。項目「素材名」の値は、例えば、計測データを解析することで特定されてよい。
【0049】
項目「計測日時」の値は、計測機器500による素材の性質の計測が行われた日時を示す。言い換えれば、項目「計測日時」の値は、計測機器500により計測データが取得された日時を示す。
【0050】
項目「計測場所」の値は、計測機器500による素材の性質の計測が行われた場所を示す。具体的には、例えば、項目「計測場所」の値は、提供側端末300により素材の画像を撮像したときの、提供側端末300の現在位置を示す情報であってもよい。
【0051】
項目「計測対象品画像」の値は、提供側端末300により撮像された素材の画像を示す画像データのファイル名を示す。言い換えれば、項目「計測対象品画像」の値は、素材の画像データを特定する識別情報である。なお、素材の画像データは、ファイル名と対応付けられた状態で、品質情報とは別に格納されていてよい。
【0052】
項目「計測条件」の値は、計測機器500による素材の材質の計測が行われたときの条件を示す。具体的には、項目「計測条件」の値は、計測機器500を特定する計測機器識別番号であってもよい。計測機器識別番号は、計測データに含まれてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、計測機器500の計測機器識別番号と、計測機器500の使用履歴を示すログ情報とが対応付けられた状態で、品質情報とは別に、品質情報データベース240に格納されていてよい。また、本実施形態では、計測機器500のログ情報が、計測条件として、品質情報に含まれてもよい。
【0054】
項目「不純物情報」の値は、素材に含まれる不純物に関する情報を示す。具体的には、項目「不純物情報」の値は、素材に含まれる不純物の種類を示す情報と、素材に含まれる不純物の割合を示す情報とを含む。項目「素材重量」の値は、事業者が取引する素材の重量を示す。
【0055】
項目「素材生産事業者又は素材処理事業者」の値は、廃棄物の生産事業者、又は、処理事業者を特定するための識別情報であり、生産事業者の事業者名又は処理事業者の事業者名を示す。廃棄物の生産事業者とは、排出事業者(提供側事業者)によって分別、管理される廃棄物の廃棄元となる事業者である。
【0056】
項目「素材生産日又は素材処理日」の値は、生産事業者によって廃棄物が生産された日、又は、処理事業者によって素材が処理された日を示す。
【0057】
項目「素材生産条件又は素材処理条件」の値は、生産事業者によって廃棄物が生産されときの条件、又は、処理事業者によって素材が処理されたときの条件を示す。項目「計測データ」の値は、例えば、計測データの格納先を示す情報であってよい。具体的には、項目「計測データ」の値は、計測データベース250における計測データの格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)等であってもよい。
【0058】
図4では、事業者ID「101」、事業者名「××社」で特定される提供側事業者が提供する素材名「A」という素材の品質情報の一例を示している。
図4の例では、素材名「A」という素材は、2022年11月5日に事業者名「B社」という生産事業者によって生産され、提供側端末300において、2022年11月10日に、計測機器識別番号「12345」で特定される計測機器500から計測データが取得されたことがわかる。また、
図4の例では、素材名「A」という素材は、2022年11月10日に、×県△市○町にある提供側端末300によって画像データが取得されたことがわかる。
【0059】
また、
図4の例では、素材名「A」という素材は、不純物として「ポリエチレン」を含み、素材に含まれる不純物の割合が10%であることがわかる。
【0060】
なお、本実施形態では、品質情報において、項目「素材名」、「計測日時」、「不純物情報」の値は、計測データから取得されてよい。また、本実施形態では、品質情報において、計測データから値が取得される項目以外の項目の値は、提供側端末300において入力された付加データとして取得されてよい。付加データは、計測データと共に提供側端末300から素材管理装置200に送信されてよい。
【0061】
また、品質情報に含まれる情報の項目は、
図4に示す項目に限定されない。品質情報は、
図4に示す情報の項目以外の項目を含んでもよい。
【0062】
また、本実施形態の品質情報は、
図4に示す全ての項目が含まれなくてもよい。品質情報には、少なくとも、計測データから取得される情報が含まれればよい。言い換えれば、品質情報は、少なくとも、項目「素材名」、「計測日時」、「不純物情報」の値を含んでいればよい。
【0063】
次に、
図5を参照して、本実施形態の素材管理システム100の有する各装置の機能構成について説明する。
【0064】
図5は、第一の実施形態の素材管理システムの有する各装置の機能を説明する図である。はじめに、素材管理装置200の機能について説明する。
【0065】
素材管理システム100において、素材管理装置200の品質情報管理部260は、データ入力部261、格納制御部262、品質情報生成部263、一覧取得部264、品質情報取得部265、データ出力部266、照合部267を有する。
【0066】
データ入力部261は、後述する処理に用いられる各種の情報の入力を受け付ける。具体的には、データ入力部261は、提供側端末300や利用側端末400から送信される計測データや、提供側端末300において入力された付加データを取得する。また、データ入力部261は、利用側端末400に対する操作によって入力された各種の情報を取得する。
【0067】
格納制御部262は、品質情報データベース240、計測データベース250に対する情報の格納を制御する。具体的には、例えば、格納制御部262は、品質情報生成部263により生成された品質情報を品質情報データベース240に格納する。また、格納制御部262は、計測データを、品質情報生成部263により生成される品質情報と対応付けた状態で計測データベース250に格納する。
【0068】
品質情報生成部263は、データ入力部261により、提供側端末300から計測データと付加データとを取得すると、品質情報を生成する。本実施形態の計測データは、例えば、計測機器500から出力された近赤外光スペクトルに、計測機器500が計測を行った日時を示す情報と、計測機器500を特定する計測機器識別番号とが対応付けられたデータであってよい。品質情報生成部263の処理の詳細は後述する。
【0069】
一覧取得部264は、品質情報データベース240を参照し、提供側事業者の一覧や、品質情報が格納されている素材の一覧を取得する。
【0070】
品質情報取得部265は、利用側端末400に対する操作に応じて、品質情報データベース240から品質情報を取得する。
【0071】
データ出力部266は、提供側端末300や利用側端末400に各種の画面を表示させるための情報を出力する。
【0072】
照合部267は、補正データ記憶部268を有し、利用側端末400から計測データを取得すると、計測データベース250に格納された計測データと照合する。照合部267の処理の詳細は後述する。
【0073】
次に、提供側端末300の機能について説明する。提供側端末300は、通信制御部340、入力受付部350、表示制御部360を有する。
【0074】
通信制御部340は、提供側端末300と、他の装置との通信を制御する。具体的には、通信制御部340は、提供側端末300と計測機器500との通信や提供側端末300と素材管理装置200との通信を制御する。
【0075】
入力受付部350は、提供側端末300に対する各種の入力を受け付ける。表示制御部360は、提供側端末300のディスプレイ318(表示装置)における表示を制御する。表示制御部360は、例えば、提供側端末300の有するブラウザによって実現されてよい。
【0076】
次に、利用側端末400の機能について説明する。利用側端末400は、通信制御部440、入力受付部450、表示制御部460を有する。
【0077】
通信制御部440は、利用側端末400と、他の装置との通信を制御する。具体的には、通信制御部440は、利用側端末400と計測機器600との通信や利用側端末400と素材管理装置200との通信を制御する。
【0078】
入力受付部450は、利用側端末400に対する各種の入力を受け付ける。表示制御部460は、利用側端末400のディスプレイ(表示装置)における表示を制御する。表示制御部460は、例えば、利用側端末400の有するブラウザによって実現されてよい。
【0079】
次に、
図6乃至
図8を参照して、本実施形態における品質情報を格納する処理について説明する。
図6は、第一の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
【0080】
本実施形態において、提供側端末300において、素材管理システム100に対する品質情報の登録を指示する操作を受け付けると、提供側端末300には、品質情報を素材管理装置200に格納するための案内画面が表示される(ステップS601)。
【0081】
提供側端末300は、入力受付部350により、案内画面において、計測機器500に対して素材の計測を指示する操作を受け付けると(ステップS602)、通信制御部340により、計測機器500に対して計測の開始を指示する通知を送信する(ステップS603)。
【0082】
計測機器500は、計測の開始を指示する通知を受け付けて、素材の材質の測定を行い(ステップS604)、提供側端末300に対して計測の結果である計測データを送信する(ステップS605)。
【0083】
提供側端末300は、計測データを取得すると、表示制御部360により、素材の画像データを取得するための撮像画面をディスプレイ318に表示させる(ステップS606)。続いて、提供側端末300は、画像を撮像する操作を受け付けて、素材の画像データを取得する(ステップS607)。
【0084】
続いて、提供側端末300は、画像データを取得すると、表示制御部360により、付加データを入力するための入力画面を表示させ(ステップS608)、入力受付部350により、付加データの入力を受け付ける(ステップS609)。
【0085】
なお、撮像画面と入力画面とが表示されるタイミングは、上述した順に限定されない。本実施形態では、提供側端末300が計測データを取得すると、先に入力画面を表示させ、付加データの入力が完了すると、撮像画面が表示されてもよい。
【0086】
続いて、提供側端末300は、通信制御部340により、計測データと付加データとを素材管理装置200へ送信する(ステップS610)。
【0087】
素材管理装置200は、品質情報管理部260のデータ入力部261により、計測データと付加データを取得すると(ステップS611)、品質情報生成部263により品質情報を生成する(ステップS612)。
【0088】
続いて、素材管理装置200は、格納制御部262により、計測データを計測データベース250に格納し、品質情報を品質情報データベース240に格納する(ステップS613)。なお、本実施形態では、計測データは計測データベース250に格納されるものとしたが、品質情報と計測データとが、共に品質情報データベース240に格納されてもよい。
【0089】
次に、
図7を参照して、本実施形態の品質情報生成部263の処理を説明する。
図7は、第一の実施形態の品質情報生成部の処理を説明するフローチャートである。
【0090】
本実施形態の品質情報生成部263は、計測データと付加データとを取得すると、計測データから計測日時、素材名、不純物情報を抽出する(ステップS701)。
【0091】
具体的には、品質情報生成部263は、計測データに含まれる近赤外光スペクトルを解析して、解析結果と対応付けられた素材名を特定する。なお、計測データの解析結果と素材名とを対応付けた情報は、素材管理装置200に格納されていてもよいし、ネットワーク上に設けられた、素材管理装置200と通信が可能な記憶装置に格納されていてもよい。
【0092】
また、品質情報生成部263は、計測データに含まれる近赤外光スペクトルを解析して、素材に含まれる不純物の種類と割合を特定する。また、品質情報生成部263は、計測データに含まれる、計測日時を示す情報を抽出する。
【0093】
続いて、品質情報生成部263は、付加データとして取得された素材の画像を示す画像データの取得日時と、ステップS701で抽出された計測日時とを比較する(ステップS702)。画像データの取得日時とは、提供側端末300において素材の画像が撮像された日時であり、提供側端末300において画像データに付与されたメタデータである。
【0094】
ステップS702において、画像データの取得日時と計測日時との時差が所定範囲内ではない場合、素材管理装置200は、提供側端末300に対して、エラー通知を送信し(ステップS704)、処理を終了する。
【0095】
ステップS702において、画像データの取得日時と計測日時との時差が所定範囲内である場合、品質情報生成部263は、計測データを計測データベース250に格納し、計測データの格納先を示す情報、計測日時、素材名、不純物情報、付加データを対応付ける(ステップS705)。
【0096】
続いて、品質情報生成部263は、計測データの格納先を示す情報、計測日時、素材名、不純物情報、付加データを含む情報を、品質情報として品質情報データベース240に格納する(ステップS706)。
【0097】
このように、本実施形態では、画像データの取得日時と計測日時との時差が所定範囲内である場合に、品質情報を生成する。
【0098】
画像データの取得日時と計測日時との時差が所定範囲内である場合とは、計測機器500による素材の材質の計測と、提供側端末300による素材の画像の撮像が同じ時期に行われた場合を示す。
【0099】
本実施形態では、このようなに、計測が行われた時期と画像が撮像された時期とを比較することで、それぞれ異なる素材の計測データと画像データとが誤って対応付けられることを防止でき、品質情報の精度を向上させることができる。
【0100】
次に、
図8を参照して、提供側端末300の表示例について説明する。
図8は、第一の実施形態における提供側端末の表示例を説明する図である。
【0101】
図8(A)に示す画面81は、
図6のステップS601において提供側端末300のディスプレイ318に表示される案内画面の一例である。画面81は、表示領域81aと操作ボタン81bを含む。
【0102】
表示領域81aには、計測機器500による素材の材質の計測を促すメッセージが表示されている。操作ボタン81bは、計測機器500に対して計測の開始を指示する通知を送信するための操作ボタンである。
【0103】
提供側端末300は、画面81において、操作ボタン81bが操作されると、画面81を、
図8(B)に示す画面82に遷移させる。
【0104】
図8(B)に示す画面82は、
図6のステップS606において提供側端末300のディスプレイ318に表示される撮像画面の一例である。
【0105】
画面82は、表示領域82a、82b、操作ボタン82cを含む。表示領域82aには、素材の画像の撮像を促すメッセージが表示される。表示領域82bは、提供側端末300の有する撮像機能によって撮像される画像が表示される。また、表示領域82bには、素材と提供側端末300との位置関係を示すガイド画像82dが表示されてよい。
【0106】
操作ボタン82cは、提供側端末300に対して画像の撮像を指示するための操作ボタンである。
【0107】
提供側端末300は、画面82において、操作ボタン82cが操作されると、画面82を
図8(C)に示す画面83に遷移させる。
【0108】
図8(C)に示す画面83は、
図6のステップS608において提供側端末300のディスプレイ318に表示される付加データの入力画面の一例である。
【0109】
画面83は、表示領域83a、83b、操作ボタン83cを含む。表示領域83aには、付加データの入力を促すメッセージが表示される。表示領域83bは、付加データに含まれる各種の項目の値の入力欄が表示される。
【0110】
操作ボタン83cは、付加データの入力が完了したことを示す操作ボタンである。提供側端末300は、画面83において、操作ボタン82cが操作されると、素材の画像データを含む付加データと、計測データとを素材管理装置200に送信する。
【0111】
次に、
図9と
図10を参照して、利用側端末400に品質情報を表示させる際の動作について説明する。
【0112】
図9は、第一の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。
【0113】
素材管理システム100において、利用側端末400は、入力受付部450により、素材管理システム100のホーム画面の表示を要求する操作を受け付けると、通信制御部440により、素材管理装置200に対し、ホーム画面の表示要求を送信する(ステップS901)。
【0114】
素材管理装置200は、データ入力部261により、表示要求を受け付けると、一覧取得部264により、品質情報データベース240に品質情報を格納している提供側事業者の一覧を取得する(ステップS902)。提供側事業者の一覧とは、具体的には、品質情報データベース240に品質情報が格納されている提供側事業者の事業者IDの一覧であってよい。
【0115】
続いて、素材管理装置200は、データ出力部266により、提供側事業者の一覧を利用側端末400に送信する(ステップS903)。
【0116】
利用側端末400は、入力受付部450により、提供側事業者の一覧を取得すると、表示制御部460により、提供側事業者の一覧をディスプレイに表示させる(ステップS904)。
【0117】
続いて、利用側端末400は、入力受付部450により、提供側事業者を選択する操作を受け付けると(ステップS905)、通信制御部440により、選択された提供側事業者を示す通知を素材管理装置200に送信する(ステップS906)。選択された提供側事業者を示す通知は、選択された提供側事業者の事業者IDを含んでよい。
【0118】
素材管理装置200は、データ入力部261により、選択された提供側事業者を示す通知を受け付けると、一覧取得部264により、通知に含まれる事業者IDと対応する素材名の一覧を取得する(ステップS907)。
【0119】
具体的には、一覧取得部264は、品質情報データベース240を参照し、通知に含まれる事業者IDを含む品質情報から抽出した素材名の一覧を取得する。
【0120】
続いて、素材管理装置200は、データ出力部266により、素材名の一覧を利用側端末400に送信する(ステップS908)。
【0121】
利用側端末400は、入力受付部450により素材名の一覧を取得すると、表示制御部460により、素材名の一覧をディスプレイに表示させる(ステップS909)。
【0122】
続いて、利用側端末400は、素材名を選択する操作を受け付けると(ステップS910)、通信制御部440により、選択された素材名を示す通知を素材管理装置200に送信する(ステップS911)。
【0123】
素材管理装置200は、データ入力部261により、選択された素材名を示す通知を受け付けると、品質情報取得部265により、ステップS906で受信した通知に含まれる事業者IDと、選択された素材名とを含む品質情報を品質情報データベース240から抽出する(ステップS912)。続いて、素材管理装置200は、データ出力部266により、抽出された品質情報を利用側端末400に対して送信する(ステップS913)。
【0124】
利用側端末400は、入力受付部450により、品質情報を取得すると、表示制御部460により、品質情報を含む画面をディスプレイに表示させる(ステップS914)。
【0125】
次に、
図10及び
図11を参照して、利用側端末400の表示例について説明する。
図10は、第一の実施形態における利用側端末の表示例を説明する第一の図である。
【0126】
図10(A)に示す画面101は、
図9のステップS904において利用側端末400のディスプレイに表示される提供側事業者の一覧画面の一例である。
【0127】
画面101は、表示領域101aと操作ボタン101bを含む。表示領域101aには、品質情報データベース240に品質情報が格納されている提供側事業者名の一覧が表示される。
図10の例では、表示領域101aでは、提供側事業者の事業者名と、チェックボックスとが対応付けられて表示される。
【0128】
操作ボタン101bは、選択された提供側事業者を素材管理装置200に通知するための操作ボタンである。
【0129】
利用側端末400は、表示領域101aにおいて、チェックボックスが選択され、操作ボタン101bが操作されると、選択されたチェックボックスと対応する提供側事業者を、選択された提供側事業者として、素材管理装置200に通知する。
【0130】
図10(B)に示す画面102は、
図9のステップS909において利用側端末400のディスプレイに表示される素材名の一覧画面の一例である。
【0131】
画面102は、表示領域102aと操作ボタン102bを含む。表示領域102aには、選択された提供側事業者が品質情報を格納している素材の素材名の一覧が表示される。
図10の例では、表示領域102aでは、素材名と、チェックボックスとが対応付けられて表示される。
【0132】
操作ボタン102bは、選択された素材名を素材管理装置200に通知するための操作ボタンである。
【0133】
利用側端末400は、表示領域102aにおいて、チェックボックスが選択され、操作ボタン102bが操作されると、選択されたチェックボックスと対応する素材名を、選択された素材名として、素材管理装置200に通知する。
【0134】
図11は、第一の実施形態における利用側端末の表示例を説明する第二の図である。
図11に示す画面111は、
図9のステップS914において利用側端末400に表示される画面の一例である。
【0135】
画面111は、表示領域111a、111bを含む。表示領域111aは、提供側事業者の一覧から選択された提供側事業者の事業者名と、素材名の一覧から選択された素材名とが表示される。
【0136】
表示領域111bは、
図9のステップS912において品質情報データベース240から抽出された品質情報が表示される。
【0137】
このように、本実施形態では、素材を提供する事業者によって格納された品質情報を素材管理装置200に格納し、素材を利用する事業者において選択された素材の品質情報を、素材を利用する事業者に対して提示する。
【0138】
したがって、本実施形態では、素材を利用する事業者に対し、容易に廃棄物の素材の品質を確認させることができる。
【0139】
次に、
図12及び
図13を参照して、利用側端末400において、利用側事業者が入手した素材の品質を照合する際の動作について説明する。
【0140】
図12は、第一の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第三のシーケンス図である。
【0141】
素材管理システム100において、利用側端末400は、入力受付部450により、素材の品質の照合を指示する操作を受け付けると、表示制御部460により、利用側端末400のディスプレイに案内画面を表示させる(ステップS1201)。
【0142】
続いて、利用側端末400は、入力受付部450により、案内画面において、入手した素材の計測データの取得を指示する操作を受け付けると(ステップS1202)、計測機器600に対して計測の開始を指示する通知を送信する(ステップS1203)。
【0143】
計測機器600は、計測の開始を指示する通知を受け付けて、素材の材質の測定を行い(ステップS1204)、利用側端末400に対して計測の結果である計測データを送信する(ステップS1205)。
【0144】
利用側端末400は、計測データを取得すると、表示制御部460により、利用側端末400のディスプレイに照合画面を表示させる(ステップS1206)。続いて、利用側端末400は、入力受付部450により、照合画面に対する情報の入力を受け付ける(ステップS1207)。
【0145】
照合画面で入力される情報は、利用側事業者が入手した素材の素材名及び素材の提供側事業者名であってよい。
【0146】
利用側端末400は、情報が入力されると、通信制御部440により、素材管理装置200に対して計測データの照合を要求する照合要求を送信する(ステップS1208)。この照合要求は、利用側端末400が計測機器600から取得した計測データと、ステップS1207で入力された情報とを含む。
【0147】
素材管理装置200は、データ入力部261により照合要求を受け付けると、照合部267により、照合要求に含まれる計測データから、計測機器600を特定する(ステップS1209)。具体的には、照合部267は、照合要求に含まれる計測データから、計測機器600を特定する計測機器識別番号を抽出してもよい。
【0148】
続いて、素材管理装置200は、照合部267により、計測データベース250に格納された計測データのうち、照合要求に含まれる計測データと照合される計測データを特定する(ステップS1210)。具体的には、照合部267は、計測データベース250において、ステップS1207で入力された素材名と提供側事業者の事業者名とを含む品質情報と対応付けられた計測データを特定すればよい。
【0149】
続いて、素材管理装置200は、照合部267により、補正データ記憶部268に格納された補正データを参照し、照合する2つの計測データを補正する(ステップS1211)。
【0150】
照合される2つの計測データとは、ステップS1208において利用側端末400から取得した計測データと、ステップS1210において特定される計測データである。
【0151】
ここで、ステップS1211の処理について説明する。
【0152】
通常、計測機器500と計測機器600の両方で同一の素材の材質を計測した場合、計測機器500と計測機器600とが同様の機種であっても、それぞれから出力される計測データが完全に一致しない可能性がある。
【0153】
その原因の1つとして、計測機器が、個体毎に固有の特性を有する点が挙げられる。そこで、本実施形態では、補正データ記憶部268に、計測機器の個体毎の固有の特性を補正するため補正データを計測機器の個体を特定する計測機器識別番号と対応付けて予め格納し、この補正データを用いて計測データを補正する。
【0154】
具体的には、照合部267は、利用側端末400から計測データを取得すると、補正データ記憶部268を参照し、計測データに含まれる計測機器識別番号と対応付けられた補正データを用いて計測データを補正する。
【0155】
また、照合部267は、補正データ記憶部268を参照し、ステップS1208において特定された計測データと対応する品質情報に含まれる計測機器識別番号と対応付けられた補正データを用いて、この計測データを補正する。なお、本実施形態では、計測データベース250に計測データを格納する前に計測データを補正し、計測データベース250に補正後の計測データを格納してもよい。
【0156】
続いて、照合部267は、補正後の2つの計測データを照合し(ステップS1212)、照合結果を示す情報をデータ出力部266により利用側端末400に送信する(ステップS1213)。
【0157】
利用側端末400は、照合結果を示す情報を受信すると、表示制御部460により、ディスプレイに、照合結果を示す情報を含む照合結果画面を表示させる(ステップS1214)。
【0158】
図13は、第一の実施形態における利用側端末の表示例を説明する第二の図である。
図13(A)に示す画面131は、
図12のステップS1206において利用側端末400に表示される照合画面の一例である。
【0159】
画面131は、表示領域131aと操作ボタン131bを含む。表示領域131aは、利用側事業者が入手した素材の素材名の入力欄と、素材の提供を受けた事業者の事業者名の入力欄とを含む。
【0160】
本実施形態では、2つの入力欄に対する入力が完了し、操作ボタン131bが操作されると、利用側端末400から素材管理装置200に対して照合要求が送信される。
【0161】
また、利用側端末400は、画面131において操作ボタン131bが操作されると、画面131を、
図13(B)に示す画面132に遷移させる。
【0162】
図13(B)に示す画面132は、
図12のステップS1213において利用側端末400に表示される照合結果画面の一例である。
【0163】
画面132は、表示領域132a、132bを含む。表示領域132aは、画面131の表示領域131aにおいて入力された素材名と事業者名とが表示される。表示領域132bには、素材管理装置200において行われた照合結果を示す情報が表示される。
【0164】
なお、
図13(B)の例では、表示領域132bにおいて、照合結果が一致したことを示す情報が表示されているが、これに限定されない。表示領域132bは、照合結果が一致しない場合には、照合によって得られた2つの計測データの差異を示す情報が表示される。
【0165】
本実施形態では、このように、利用側事業者が入手した素材の計測データと、品質情報と対応する計測データとを照合し、その結果を利用側事業者に提示することができる。したがって、本実施形態によれば、利用側事業者は、素材を入力する前に確認した素材の品質と、実際に入手した素材の品質とが異なる場合に、相応の補償を提供側事業者に要求することができる。
【0166】
このように、本実施形態では、廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を、提供側事業者と利用側事業者で共有させる。このため、本実施形態によれば、取引の現場において、素材の品質を確認の工程をなくすことができ、取引を促進することができる。
【0167】
なお、本実施形態では、提供側端末300、利用側端末400は、計測機器500、計測機器600とそれぞれ通信を行って計測データを取得し、取得した計測データを素材管理装置200へ送信するものとしたが、これに限定されない。素材管理装置200は、計測機器500、計測機器600から直接計測データを取得してもよい。その場合には、提供側端末300と利用側端末400は、計測機器500、計測機器600から計測データを取得しなくてもよい。
【0168】
(第二の実施形態)
以下に、図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、産業系廃棄物の回収から再生利用までの一連のプロセスを示すサプライチェーンにおけるトレーサビリティ管理に、第一の実施形態を適用した形態である。以下に第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0169】
図14は、第二の実施形態の素材管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0170】
本実施形態の素材管理システム100Aは、産業系廃棄物の排出から再生利用までの一連のプロセスを示すサプライチェーンにおけるトレーサビリティ管理を行う。
【0171】
また、本実施形態の素材管理システム100Aは、産業系廃棄物の回収から再生利用までの一連のプロセスを示すサプライチェーンにおいて、事業者間で取引された資源の品質を示す品質情報を管理する。
【0172】
本実施形態の素材管理システム100Aは、1台以上の素材管理装置200A-1、200A-2、・・・、200A-nと、1台以上の端末装置700-1、700-2、・・・、700-nと含む。以下の説明では、素材管理装置200A-1、200A-2、・・・、200A-nを区別しない場合は、素材管理装置200Aと呼び、端末装置700-1、700-2、・・・、700-nを区別しない場合は、端末装置700と呼ぶ。
【0173】
素材管理装置200Aと端末装置700とは、ネットワークを介して接続されており、互いに通信可能となっている。また、素材管理装置200Aは、ブロックチェーンシステムに含まれる分散台帳ノードであり、それぞれがP2P(Peer to Peer)方式で接続されている。本実施形態の端末装置700は、サプライチェーンに含まれる事業者のそれぞれによって利用されてよい。
【0174】
本実施形態では、サプライチェーンに含まれる事業者を、排出事業者、処理事業者、材料メーカ、製造メーカ、ブランドオーナとして説明する。
【0175】
本実施形態のサプライチェーンが示すプロセスに含まれる工程は、例えば、排出事業者により行われる工程、処理事業者により行われる工程、材料メーカにより行われる工程、製造メーカにより行われる工程、ブランドオーナにより行われる工程を含む。
【0176】
排出事業者とは、産業系廃棄物を複数の素材への分別し、保管する行う事業者であり、排出事業者により行われる工程とは、回収された産業系廃棄物の素材への分別と保管である。処理事業者とは、素材に対する中間処理や、再生処理を行う事業者であり、処理事業者により行われる工程とは、素材に対する中間処理や、再生処理である。
【0177】
また、材料メーカとは、中間処理が施された素材から製品の材料を製造して販売する事業者であり、材料メーカにより行われる工程とは、中間処理が施された素材から製品の材料を製造し販売する工程である。製造メーカとは、材料メーカから購入した材料を成型した製品を製造し、販売する事業者であり、製造メーカにより行われる工程とは、材料メーカから購入した材料を成型した製品を製造し、販売する工程である。
【0178】
また、ブランドオーナは、製造メーカが製造した製品を購入して販売する事業者であり、ブランドオーナにより行われる工程とは、製品を販売する工程である。
【0179】
以下の説明では、産業系廃棄物の回収から再生利用までの一連のプロセスにおいて、排出事業者による産業系廃棄物を複数の素材への分別し、保管する工程を最上流とし、ブランドオーナによる製品を販売する工程を最下流とする。
【0180】
図14の例では、端末装置700のうち端末装置700-1を、排出事業者により利用される端末装置とし、端末装置700-2を処理事業者により利用される端末装置とし、端末装置700-3を材料メーカにより利用される端末装置としている。また、
図14の例では、端末装置700-4を製造メーカにより利用される端末装置とし、端末装置700-5をブランドオーナにより利用される端末装置としている。
【0181】
なお、
図14では示していないが、端末装置700は、それぞれが計測機器500と通信が可能に接続されていてよい。
【0182】
また、本実施形態の素材管理装置200Aは、品質情報データベース240A、計測データベース250、品質情報管理部260A、ランク付けデータベース280、評価データベース290を有する。
【0183】
本実施形態の品質情報データベース240Aは、事業者間で取引される資源の品質を示す品質情報が格納される。本実施形態の品質情報は、資源に含まれる素材の取引の履歴を示す情報が含まれる。
【0184】
ランク付けデータベース280は、事業者間で取引された資源の品質に対し、ランク付けを行うための情報が格納される。評価データベース290は、事業者毎の評価を示す評価情報が格納される。評価データベース290は、事業者の評価情報が格納される評価情報記憶部の一例である。
【0185】
本実施形態の品質情報管理部260Aは、資源の品質情報を生成する際に、ランク付けデータベース280を参照し、資源の品質に対するランク付けを行い、ランクを示す情報を品質情報に含める。
【0186】
また、本実施形態の品質情報管理部260Aは、品質情報を端末装置700に表示させる際に、資源の提供元となる事業者の評価を示す評価情報を共に表示させる。
【0187】
本実施形態の素材管理システム100Aでは、例えば、排出事業者が廃棄物から素材を分別した際に、端末装置700-1によって、分別された素材の品質情報が素材管理装置200Aに格納される。この品質情報には、産業系廃棄物の回収元を特定する識別情報が含まれてよい。言い換えれば、この品質情報には、排出事業者による工程の直前に行われた工程を特定する識別情報が含まれてよい。
【0188】
また、素材管理システム100Aでは、例えば、処理事業者が排出事業者から素材を購入する際に、端末装置700-2によって、購入対象の素材の品質情報が取得される。
【0189】
さらに、素材管理システム100Aでは、処理事業者が排出事業者から購入した素材に対して処理を施した後に、端末装置700-2によって、処理後の資源の品質を示す品質情報が素材管理装置200Aに格納される。このとき、品質情報には、排出事業者から素材を購入する際に取得した素材の品質情報を特定する識別情報が含まれてよい。言い換えれば、この品質情報には、処理事業者による工程の直前に行われた工程を特定する識別情報が含まれてよい。
【0190】
また、素材管理システム100Aでは、例えば、材料メーカが処理事業者から資源を購入する際に、端末装置700-3によって、購入対象の資源の品質情報が取得される。
【0191】
さらに、素材管理システム100Aでは、材料メーカが処理事業者から購入した資源から材料を製造した後に、端末装置700-3によって、材料の品質を示す品質情報が素材管理装置200Aに格納される。このとき、端末装置700-3により格納される品質情報には、処理事業者から資源を購入する際に取得した資源の品質情報を特定する識別情報が含まれてよい。言い換えれば、この品質情報には、材料メーカによる工程の直前に行われた工程を特定する識別情報が含まれてよい。
【0192】
また、素材管理システム100Aでは、例えば、製造メーカが材料メーカから材料を購入する際に、端末装置700-4によって、購入対象の材料の品質情報が取得される。
【0193】
さらに、素材管理システム100Aでは、製造メーカが材料メーカから購入した材料から製品を製造した後に、端末装置700-4によって、製品の品質を示す品質情報が素材管理装置200Aに格納される。このとき、端末装置700-4により格納される品質情報には、材料メーカから資源を購入する際に取得した材料の品質情報を特定する識別情報が含まれてよい。言い換えれば、この品質情報には、製造メーカによる工程の直前に行われた工程を特定する識別情報が含まれてよい。
【0194】
また、素材管理システム100Aでは、例えば、ブランドオーナが製造メーカから製品を購入する際に、端末装置700-5によって、購入対象の製品の品質情報が取得される。
【0195】
このように、本実施形態では、各事業者が販売する資源の品質情報を生成する際に、この品質情報に、上流の事業者から購入した資源の品質情報を特定する識別情報を含め、素材管理装置200Aに格納する。
【0196】
つまり、本実施形態では、サプライチェーンが示す一連のプロセスに含まれる工程毎に生成された品質情報が、ブロックチェーン上に記録される。また、本実施形態では、ブロックチェーン上に記録される品質情報は、直前の工程を特定する識別情報を含む。
【0197】
本実施形態では、このようにすることで、品質情報の改ざんを防止できる。また、本実施形態では、事業者は、自身が取り扱っている資源の出所を、取引相手に明示することができる。言い換えれば、ある事業者が下流の事業者に対して資源を販売する際に、この資源の原材料となる素材の品質情報を下流の事業者に提示することができる。
【0198】
また、本実施形態では、ある事業者が資源を購入する際に、上流の事業者が取り扱っている資源の原材料となる素材の品質情報まで遡ることができる。つまり、本実施形態によれば、サプライチェーンに含まれる事業者は、資源に含まれる素材の品質を示す品質情報を遡って閲覧することができる。
【0199】
したがって、本実施形態によれば、上流の事業者は再生資源の出所を下流の事業者に把握させることができ、下流の事業者との取引において、心証を良くすることができる。
【0200】
また、本実施形態によれば、下流の事業者は、取引対象の資源の原材料の品質を、最上流となる素材の品質情報まで遡って閲覧することができる。
【0201】
したがって、例えば、下流の事業者が処理事業者であり、上流の事業者が排出事業者である場合は、取引の際に、この品質情報を用いて、取引対象の素材の購入条件の折衝(価格、納期、購入量)や、取引対象の素材に対する各種の条件決め(洗浄の条件決め、不純物除去の条件決め)等を行うことができる。
【0202】
また、下流の事業者が材料メーカであり、上流の事業者が処理事業者である場合は、取引の際に、この品質情報を用いて、取引対象の素材の購入条件の折衝(価格、納期、購入量)や、取引対象の素材の純度の確認等を行うことができる。
【0203】
また、下流の事業者が製造メーカであり、上流の事業者が材料メーカである場合は、取引の際に、この品質情報を用いて、取引対象の材料の購入条件の折衝(価格、納期、購入量)や、取引対象の材料の純度が製品に適しているか否かの確認や、製品の加工条件決め等を行うことができる。
【0204】
また、下流の事業者がブランドオーナであり、上流の事業者が製造メーカである場合は、取引の際に、この品質情報を用いて、取引対象の製品の購入条件の折衝(価格、納期、購入量)等を行うことができる。
【0205】
以下に、本実施形態の素材管理装置200Aについて説明する。
図15は、第二の実施形態の品質情報データベースの一例を示す図である。
【0206】
本実施形態の品質情報データベース240Aに格納される品質情報は、情報の項目として、
図4に示す品質情報に含まれる各項目に加え、品質情報IDと、使用資源の品質情報IDと、ランクとを含む。
【0207】
項目「品質情報ID」の値は、品質情報を特定するための識別情報である。言い換えれば、項目「品質情報ID」の値は、事業者間で取引される資源(素材)を特定する識別情報である。言い換えれば、項目「品質情報ID」の値は、事業者によって行われた工程を特定する識別情報である。項目「ランク」の値は、品質情報と対応する資源(素材)の品質の良し悪しを示す情報である。
【0208】
項目「使用資源の品質情報ID」の値は、品質情報が品質を示す資源の原材料の品質情報を特定する識別情報である。言い換えれば、項目「使用資源の品質情報ID」の値は、品質情報を格納する事業者が行う工程の直前の工程を特定する識別情報である。
【0209】
品質情報データベース240Aでは、項目「品質情報ID」の値と、項目「ランク」の値は、素材管理装置200Aによって生成された値であってよく、項目「使用資源の品質情報ID」の値は、付加データの入力画面において入力された値であってよい。
【0210】
次に、
図16を参照して、本実施形態の素材管理装置200Aの機能について説明する。
図16は、第二の実施形態の素材管理装置の機能構成を説明する図である。
【0211】
本実施形態の素材管理装置200Aの有するランク付けデータベース280は、品質情報を生成する際に参照される。具体的には、ランク付けデータベース280は、品質情報を生成する資源の品質の良し悪しを判定する際の基準となる情報が格納される。基準となる情報は、例えば、不純物の種類を示す情報や、不純物の割合に対する閾値などであってよい。評価データベース290は、事業者に対する評価情報が格納される。
【0212】
本実施形態の品質情報管理部260Aは、データ入力部261、格納制御部262、品質情報生成部263A、一覧取得部264、品質情報取得部265、データ出力部266、照合部267、評価部269を有する。
【0213】
本実施形態の品質情報生成部263Aは、品質情報を生成する際に、品質情報を識別するための品質情報IDを発行し、品質情報に含める。また、品質情報生成部263Aは、品質情報を生成する際に、ランク付けデータベース280を参照して、資源の品質の良し悪しを示すランク付けを行う。
【0214】
本実施形態の評価部269は、端末装置700から事業者の評価を示す情報が入力されると、評価データベース290における、対応する事業者の評価情報を更新する。具体的には、評価部269は、評価データベース290に格納されている評価情報において、新たに評価を示す情報が入力された事業者の事業者IDと対応づけられた評価情報を抽出する。そして、評価部269は、抽出された評価情報に、新たに入力された評価を示す情報を含めて統計処理を行い、事業者の評価情報を更新してもよい。
【0215】
なお、
図16では説明を省いているが、端末装置700は、
図5に示す提供側端末300、利用側端末400と同様に、通信制御部、入力受付部、表示制御部を有する。
【0216】
次に、
図17を参照して、本実施形態の品質情報生成部263Aの処理について説明する。なお、本実施形態の素材管理システム100Aにおいて、品質情報を品質情報データベース240A格納する動作は、提供側端末300が端末装置700となることと、以下に説明する品質情報生成部263Aの処理以外は、
図6に示すシーケンス図と同様である。
【0217】
図17は、第二の実施形態の品質情報生成部の処理を説明するフローチャートである。本実施形態の品質情報生成部263Aは、計測データと付加データとを取得すると、計測データから計測日時、素材名、不純物情報を抽出する(ステップS1701)。
【0218】
続いて、品質情報生成部263Aは、ステップS1701で計測データから抽出された不純物情報と、ランク付けデータベース280とに基づき、資源(素材)の品質のランク付けを行う(ステップS1702)。
【0219】
具体的には、品質情報生成部263Aは、例えば、ステップS1701で抽出された不純物情報が示す不純物の割合が、ランク付けデータベース280に格納されている閾値未満である場合に品質のランクを「優」とし、閾値以上である場合は品質のランクを「良」としてもよい。また、不純物の割合を示す閾値は、段階的に設けられていてよく、品質情報生成部263Aは、閾値の段階に合わせてランク付けを行ってもよい。品質情報生成部263Aによる、不純物の割合に応じたランク付けの詳細は後述する。
【0220】
また、本実施形態の品質情報生成部263Aは、不純物情報に含まれる不純物の種類に応じて、品質のランク付けを行ってもよい。例えば、品質情報生成部263Aは、素材にある種類の不純物が含まれる場合には、品質のランクを「可」としてもよい。
【0221】
品質情報生成部263Aは、ステップS1702に続いて、ステップS1703に進む。
図17のステップS1703からステップS1705までの処理は、
図7のステップS702とステップS704までの処理と同様であるから説明を省略する。
【0222】
ステップS1704において、画像データの取得日時と計測日時との時差が所定範囲内である場合、品質情報生成部263Aは、計測データを計測データベース250に格納し、計測データの格納先を示す情報、計測日時、素材名、不純物情報、付加データ、ランクを対応付ける(ステップS1706)。
【0223】
続いて、品質情報生成部263Aは、品質情報を特定するための識別情報である品質情報IDを発行する(ステップS1707)。
【0224】
続いて、品質情報生成部263Aは、計測データの格納先を示す情報、計測日時、素材名、不純物情報、付加データ、ランク、品質情報IDを含む情報を、品質情報として品質情報データベース240に格納する(ステップS1708)。
【0225】
なお、本実施形態の付加データには、使用資源の品質情報IDが含まれる。使用資源の品質情報IDは、例えば、
図6のステップS608において端末装置700に表示される付加データの入力画面において入力されてよい。
【0226】
ここで、
図18を参照して、品質情報生成部263Aにより、不純物の割合に応じたランク付けについて説明する。
図18は、不純物の割合に応じたランク付けについて説明する図である。
【0227】
ランク付けデータベース280には、資源の品質の良し悪しを判定する際の基準となる情報として、例えば、PP(ポリプロピレン)100%の樹脂で形成された資源の吸光度波形データと、PE(ポリエチレン)100%の樹脂で形成された資源の吸光度波形データとが格納されていてよい。
【0228】
図18(A)において横軸は波長であり、縦軸は吸光度である。また、
図18(A)において、曲線L1は、PP(ポリプロピレン)100%の樹脂で形成された素材の吸光度波形を示し、
図18(A)において、曲線L2は、PE(ポリエチレン)100%の樹脂で形成された素材の吸光度波形を示す。また、
図18(A)において、曲線L3は、計測対象となる素材の計測データが示す波形を示す。
【0229】
なお、第一の波形は、不純物、添加物が含まれず、塗装もされていない特定の素材の吸光度波形の一例である。また、本実施形態において、PE(ポリエチレン)は、素材に含まれないことが好ましい不純物の一例であり、第二の波形は、不純物の吸光度波形の一例である。
【0230】
以下の説明では、曲線L1が示す、PP(ポリプロピレン)100%の樹脂で形成された素材の吸光度波形を第一の波形と呼び、曲線L2が示す、PE(ポリエチレン)100%の樹脂で形成された素材の吸光度波形を第二の波形と呼ぶ。また、以下の説明では、曲線L3が示す、計測対象となる素材の計測データが示す波形を計測波形と呼ぶ。
【0231】
本実施形態の品質情報生成部263Aは、改重回帰分析を用い、第三の波形との相関係数が最大となるように、第一の波形と第二の波形とを合成する。
図18(B)に示す曲線L4は、第一の波形と第二の波形と合計した合成波形を示す。
図18(B)の例では、合成波形における第一の合成波形の割合は、76.7%であり、第二の波形の割合は、23.3%であった。
【0232】
この場合、品質の良し悪しの判定の対象となる素材に含まれるPP(ポリプロピレン)の割合が76.7%であり、PE(ポリエチレン)の割合が23.3%となる。本実施形態では、このようにして求められた、素材に含まれるPP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)の割合に応じて、素材の品質の良し悪しを判定してよい。
【0233】
具体的には、本実施形態では、改重回帰分析を用いて生成された合成波形におけるPP(ポリプロピレン)の割合に対し、段階的に閾値を設け、この閾値と、合成波形におけるPP(ポリプロピレン)の割合とに基づき、素材の品質の良し悪しを判定してよい。言い換えれば、品質情報生成部263Aは、合成波形における不純物の割合に応じたランク付けを行ってよい。また、合成波形におけるPP(ポリプロピレン)の割合に対する閾値は、ランク付けデータベース280に格納されていてよい。
【0234】
本実施形態では、例えば、段階的に設けられた閾値のうち、第一の閾値を95%、第二の閾値を80%としてもよい。この場合、合成波形におけるPP(ポリプロピレン)の割合が95%以上である素材のランクは「優」と判定され、合成波形におけるPP(ポリプロピレン)の割合が80%以上95%未満である素材のランクは「良」と判定され、合成波形におけるPP(ポリプロピレン)の割合が80%未満である素材のランクは「可」と判定されてよい。
【0235】
したがって、
図18(A)、(B)に示す計測波形が取得された素材のランクは「可」とされる。
【0236】
上述した説明では、ランク付けデータベース280に第一の波形と第二の波形とのそれぞれを示す吸光度波形データが格納されているものとしたが、ランク付けデータベース280には、第二の波形と対応する吸光度波形データは格納されていなくてもよい。言い換えれば、ランク付けデータベース280には、不純物の吸光度波形データは保持されていなくてもよい。
【0237】
この場合、品質情報生成部263Aは、計測波形と、第一の波形との相関係数を算出し、算出された相関係数に応じて、素材の品質の良し悪しを判定すればよい。より具体的には、相関係数が高い素材の品質が、品質の良い素材と判定されるように、相関係数に対する閾値を設け、ランク付けデータベース280に格納すればよい。
【0238】
例えば、相関係数に対する閾値は、例えば、0.99以上である素材のランクは「優」と判定され、0.98以上0.99未満である素材のランクは「良」と判定され、0.98未満の素材のランクが「可」と判定されるように設けられていてよい。
【0239】
また、本実施形態では、計測対象となる素材が、特定の機能を付与するために一定量の添加物が付与されている素材の場合には、その一定量添加された状態が最も良い状態と捉える。この場合、ランク付けデータベース280は、一定量の添加剤が付与されている素材の吸光度波形データを、計測対象となる素材の品質の良し悪しを判定する基準となる情報として保持してよい。そして、品質情報生成部263Aは、一定量の添加剤が付与されている素材の吸光度波形データが示す波形と計測波形との相関係数を算出し、相関係数に応じて、計測対象となる素材に対してランク付けを行う。
【0240】
このようにすることで、計測対象の素材に添加物が含まれている場合や塗装が施されている場合であっても、品質の高い精度で判定することができる。
【0241】
さらに、本実施形態では、第一の波形を示す吸光度波形データと、第二の波形を示す吸光度波形データとの両方がランク付けデータベース280に格納されていない場合には、計測対象となる素材を撮像した画像の明度の高さ、透明度の高さ等に応じて、ランク付けを行ってもよい。
【0242】
本実施形態では、このように、計測対象となる素材の品質を示す情報の精度を高めることができ、迅速な商取引の実現に貢献できる。
【0243】
次に、
図19と
図20を参照して、端末装置700に品質情報を表示させる際の動作について説明する。
【0244】
図19は、第二の実施形態の素材管理システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。
【0245】
図19のステップS1901からステップS1914までの処理は、
図9のステップS901からステップS913までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0246】
ステップS1913において、端末装置700は、素材管理装置200Aから品質情報を取得すると、品質情報を含む画面をディスプレイに表示させる(ステップS1914)。このとき、本実施形態では、品質情報と共に、事業者の評価を入力するための入力欄を画面に表示させる。
【0247】
続いて、端末装置700は、事業者の評価を入力する操作を受け付けると(ステップS1915)、素材管理装置200Aに対して、入力された、事業者の評価を示す情報を送信する(ステップS1916)。
【0248】
素材管理装置200Aは、端末装置700から事業者の評価を示す情報を取得すると、評価部269により、評価を示す情報を用いて、評価データベース290に格納された評価情報を更新する(ステップS1917)。
【0249】
図20は、第二の実施形態における端末装置の表示例を説明する図である。
図20に示す画面111Aは、
図19のステップS1914において端末装置700に表示される画面の一例である。
【0250】
画面111Aは、表示領域111a、111c、111d、111eを含む。表示領域111cは、
図19のステップS1912において品質情報データベース240Aから抽出された、品質情報IDとランク以外の項目の値を含む品質情報が表示される。
【0251】
表示領域111dは、品質情報に含まれる品質情報ID、事業者の評価情報、資源のランク(素材ランク)が表示される。表示領域111eは、品質情報を格納した事業者の評価を示す情報の入力欄が表示される。
【0252】
本実施形態では、このように、サプライチェーンに含まれる各事業者は、自身よりも上流の事業者から提供される資源について、品質を示す品質情報を閲覧することができる。また、本実施形態によれば、購入を検討している資源について、その資源の出所の最上流の事業者が素材管理装置200Aに格納した品質情報まで遡って閲覧することができる。
【0253】
また、本実施形態によれば、サプライチェーンに含まれる事業者同士で取引対象の資源の品質に関する品質情報が共有されるため、不正な取引が抑制され、サプライチェーンに含まれる事業者間の取引を促進させることができる。
【0254】
なお、本実施形態では、サプライチェーンに含まれる全ての事業者が、素材管理装置200Aに格納されている品質情報を閲覧できるものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、品質情報を閲覧するための権限が設定されていてもよい。
【0255】
具体的には、例えば、各事業者は、1つ上流の事業者が格納した品質情報のみを閲覧できるように設定してもよい。
【0256】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0257】
また、各実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0258】
ある実施形態では、素材管理装置200、200Aは、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイス、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、素材管理装置200、200Aは、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0259】
さらに、素材管理装置200、200Aは、開示された処理ステップ、を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、素材管理装置200、200Aによって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、素材管理装置200、200Aによって実行することができる。また、素材管理装置200、200Aにおいて、それぞれが有する各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0260】
なお、計測データの提供元となる装置は、通信機能を備えた装置であればよい。計測データの提供元となる装置は、例えば、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0261】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置とを含む素材管理システムであって、
前記素材管理装置は、
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成部と、
前記品質情報が格納された品質情報記憶部と、
前記端末装置から、前記素材を特定する情報の入力を受け付けて、前記品質情報記憶部に格納された品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力するデータ出力部と、を有し、
前記端末装置は、
前記品質情報を表示装置に表示させる表示制御部を有する、素材管理システム。
<2> 前記素材管理装置は、
前記品質情報を前記品質情報記憶部に格納し、前記計測データと前記品質情報とを対応付けて計測データ記憶部に格納する格納制御部を有する、付記1記載の素材管理システム。
<3> 前記品質情報生成部は、
前記計測データを用いて、前記素材の名称、前記計測データを取得した日時を示す情報、素材に含まれる不純物に関する情報を取得し、品質情報とする、付記1又は2記載の素材管理システム。
<4> 前記品質情報生成部は、
前記計測データと共に取得された、前記素材に関する付加データを前記品質情報に含める、付記1乃至3の何れか一項に記載の素材管理システム。
<5> 前記付加データは、
前記素材の画像を示す画像データ、前記素材の提供者を特定する識別情報、前記素材の品質を計測されたときの計測条件、前記素材を生産した事業者を特定する情報、前記素材が生産された日を示す情報、生産された前記素材の量、の少なくとも何れか1つを含む、付記4記載の素材管理システム。
<6> 前記素材管理システムは、
前記端末装置とは別の端末装置と、
前記素材の品質を計測し、前記別の端末装置に対して計測データを出力する計測機器と、を含み、
前記別の端末装置は、前記計測機器から出力される前記計測データを取得すると、前記素材管理装置に対して前記計測データを送信する通信制御部を有し、
前記素材管理装置の格納制御部は、
前記別の端末装置から取得した計測データを、前記計測データ記憶部に格納する、付記1乃至5の何れか一項に記載の素材管理システム。
<7> 前記計測機器は、前記素材を透過又は反射する近赤外光を計測する可搬型の分光器であり、
前記計測データは、近赤外光スペクトルと、前記計測機器が計測を行った日時を示す情報と、前記計測機器を特定する計測機器識別番号と、を含む、付記6記載の素材管理システム。
<8> 前記素材管理装置は、
前記端末装置から前記素材の計測データを取得すると、前記計測データ記憶部に格納された計測データのうち、前記端末装置から取得した計測データと対応する計測データを特定し、特定された計測データと、前記端末装置から取得した計測データとを照合する照合部を有し、
前記データ出力部は、前記照合部による照合の結果を示す情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置は、
前記照合の結果を示す情報を前記表示装置に表示させる、付記1乃至7の何れか一項に記載の素材管理システム。
<9> 前記端末装置と、前記別の端末装置とは、産業系廃棄物の回収から再生利用までの一連のプロセスを示すサプライチェーンに含まれる事業者の何れかによって利用される、付記6又は7記載の素材管理システム。
<10> 前記品質情報生成部は、
前記不純物に関する情報に基づき、前記素材の品質に対するランク付けを行い、ランク付けを行った結果を前記品質情報に含める、付記1乃至9の何れか一項に記載の素材管理システム。
<11> 前記品質情報生成部は、
不純物及び添加物が含まれず、塗装が施されていない特定の素材の吸光度波形と、不純物の吸光度波形とを、前記計測データが示す計測波形との相関係数が最大となるように合成した合成波形における前記不純物の割合に基づき、前記素材の品質に対するランク付けを行い、ランク付けを行った結果を前記品質情報に含める、付記1乃至9の何れか一項に記載の素材管理システム。
<12> 前記品質情報生成部は、
不純物及び添加物が含まれず、塗装が施されていない特定の素材の吸光度波形と、前記計測データが示す計測波形との相関係数に基づき、前記素材の品質に対するランク付けを行い、ランク付けを行った結果を前記品質情報に含める、付記1乃至9の何れか一項に記載の素材管理システム。
<13> 前記データ出力部は、
前記素材の提供者に対する評価を示す評価情報が格納された評価情報記憶部を参照し、前記品質情報と共に、前記素材の提供者と対応する評価情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置は、
前記表示制御部により、前記品質情報と前記評価情報とを前記表示装置に表示させる、付記1乃至10の何れか一項に記載の素材管理システム。
<14> 前記素材は、樹脂である、付記1乃至11の何れか一項に記載の素材管理システム。
<15> 前記素材管理システムは、
複数の前記素材管理装置を含み、前記複数の前記素材管理装置は、ブロックチェーンシステムに含まれる分散台帳ノードであり、
前記品質情報生成部は、
前記サプライチェーンが示す一連のプロセスに含まれる工程毎に、前記工程の直前の見工程を特定する識別情報を含む品質情報を生成し、
前記格納制御部は、前記工程毎に生成された品質情報をブロックチェーン上に記録する、付記9記載の素材管理システム。
<16> 端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置とを含む素材管理システムによる素材管理方法であって、
前記素材管理装置が、
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成し、
前記端末装置から、素材を特定する情報の入力を受け付けて、品質情報記憶部に格納された前記品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置が、
前記品質情報を表示装置に表示させる、素材管理方法。
<17> 端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される素材管理装置であって、
計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成部と、
前記品質情報が格納された品質情報記憶部と、
前記端末装置から、前記素材を特定する情報の入力を受け付けて、前記品質情報記憶部に格納された品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力するデータ出力部と、を有する、素材管理装置。
<18> 端末装置から、計測機器で測定された、廃棄物を構成する素材の材質を示す計測データを、取得して、前記計測データに基づき廃棄物を構成する素材の品質を示す品質情報を生成し、
素材を特定する情報の入力を受け付けて、品質情報記憶部に格納された前記品質情報から、前記特定する情報と対応付けられた品質情報を前記端末装置に出力する、処理をコンピュータに実行させる、素材管理プログラム。
【0262】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0263】
100、100A 素材管理システム
200、200A 素材管理装置
240 品質情報データベース
250 計測データベース
260、260A 品質情報管理部
261 データ入力部
262 格納制御部
263 品質情報生成部
264 一覧取得部
265 品質情報取得部
266 データ出力部
267 照合部
268 補正データ記憶部
269 評価部
300、400、700 端末装置
500、600 計測機器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0264】