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特開2024-79651金属パターニング用材料、化合物、金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079651
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】金属パターニング用材料、化合物、金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/82 20060101AFI20240604BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240604BHJP
   C07D 327/08 20060101ALI20240604BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20240604BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20240604BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20240604BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20240604BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20240604BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20240604BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240604BHJP
   H10K 50/82 20230101ALI20240604BHJP
【FI】
C07D311/82 CSP
C07D405/14
C07D327/08
C07D417/14
C07D405/04
C07D491/056
C07D409/14
C07D405/12
H10K85/60
H10K71/16 166
H10K50/82
H10K71/16 164
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201823
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2022190909
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203312
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 敬孝
(72)【発明者】
【氏名】川島 弘之
(72)【発明者】
【氏名】小池 健仁
(72)【発明者】
【氏名】服部 一希
(72)【発明者】
【氏名】太田 恵理子
(72)【発明者】
【氏名】野村 真太朗
【テーマコード(参考)】
3K107
4C050
4C063
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107CC33
3K107CC45
3K107DD26
3K107DD44Y
3K107FF09
3K107FF18
3K107GG04
3K107GG11
3K107GG28
4C050AA01
4C050AA07
4C050BB07
4C050CC18
4C050EE01
4C050FF02
4C050GG02
4C050HH01
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB09
4C063CC82
4C063CC94
4C063DD12
4C063DD29
4C063DD43
4C063EE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】膜表面への金属薄膜の形成を高度に抑制できる金属パターニング用材料、当該材料を用いた金属パターニング用薄膜等を提供する。
【解決手段】例えば下記式のように合成される化合物(A020)が示される。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(101)、または下記(102)で表される骨格を部分構造として分子内に有する化合物を含み、分子量が600以上かつ6000以下である、金属パターニング用材料:
【化1】
式中、
101、およびX102は、各々独立して、SもしくはОを表す;
101、およびA102は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の炭化水素環、または、
置換されていてもよい炭素数3~26のヘテロ環を表す;
101は、2個のX101を含む六員環と、A101で表される環のうち、1個以上の前記環の任意の位置の置換基である;
102は、A102で表される2個の環のうち、1個以上の前記環の任意の位置の置換基である;
101、およびR102は、各々独立して、下記式(111)で表される基を表す;
【化2】
111は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、
О、S、または、NR111を表す;
Rf111は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
111は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、または、
Rf111を表す;
a101は各々独立して、1から6の整数を表す。
a102は各々独立して、1から8の整数を表す。
b111は各々独立して、0から12の整数を表す。
c111は各々独立して、1から6の整数を表す。
式(101)において、*は、1個若しくは複数の結合手を表し、該結合手は、各々独立して、該結合手の一端が、2個のX101を含む六員環と、A101で表される環のうち、1個以上の前記環に結合しており、該結合手の他端が、前記部分構造以外の他の構造に結合している。
式(102)において、*は、1個若しくは複数の結合手を表し、該結合手は、各々独立して、該結合手の一端が、A102で表される2個の環のうち、1個以上の前記環に結合しており、該結合手の他端が、前記部分構造以外の他の構造に結合している。
式(111)において、*は、前記部分構造に結合する結合手を表す。
【請求項2】
前記フルオロアルキル構造が下記式(001)で表される、請求項1に記載の金属パターニング用材料:
【化3】
式中、
Rf001は、各々独立して、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
001は、各々独立して、
О、S、もしくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、または、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a001は、各々独立して、0から4の整数を表す;
a002は、各々独立して、1から4の整数を表す;
a003は、各々独立して、1から4の整数を表す;
*は結合位置を表す。
【請求項3】
101、およびA102が、置換の炭化水素環、または置換のヘテロ環である場合、これらの環が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
111が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
111が、置換の芳香族炭化水素基、置換のヘテロ芳香族基、または置換の環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基である、請求項1または2に記載の金属パターニング用材料。
【請求項4】
101、およびA102が、各々独立して
(i)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、ピレン環、アントラセン環、クリセン環、ペリレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ピペリジン環、ピペラジン環、ジオキシン環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii)前記(i)で示される環が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環である、請求項1または2に記載の金属パターニング用材料。
【請求項5】
111が、各々独立して、
(iii)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR201、または、
(iv)前記(iii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、請求項1または2に記載の金属パターニング用材料。
【請求項6】
111が、各々独立して、
(v)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、もしくはRf111、または、
(vi)前記(v)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、請求項1または2に記載の金属パターニング用材料。
【請求項7】
101、およびA102が、各々独立して、
(i’)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ジオキシン環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii’)前記(i’)で示される環が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環である、請求項1または2に記載の金属パターニング用材料。
【請求項8】
101が、置換されていてもよいベンゼン環であり、A102の少なくとも1つが、置換されていてもよいベンゼン環である、請求項1または2に記載の金属パターニング用材料。
【請求項9】
101、およびA102が、各々独立して、下記の(Z)からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ以上有する、請求項8に記載の金属パターニング用材料。
(Z)フッ素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、もしくは式(001)で表される構造
【請求項10】
101の少なくとも1つが酸素原子であり、X102の少なくとも1つが酸素原子である、請求項9に記載の金属パターニング用材料。
【請求項11】
下記式(501)で表される化合物:
【化4】
式中、
501は、各々独立して、SもしくはОを表す;
501は、2個のX501を含む六員環の左右に位置する2個の縮環ベンゼン環のうち、1個以上の前記縮環ベンゼン環の任意の位置の置換基である;
501は、2個のX501を含む六員環の左右に位置する2個の縮環ベンゼン環のうち、1個以上の前記縮環ベンゼン環の任意の位置の置換基である;
501は、各々独立して、
フッ素原子、もしくは
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
Rf501は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
501は、下記式(501-M)で表される基を表す;
【化5】
501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素、
О、S、または、NE501を表す;
501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の1から4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の1から4価ヘテロ芳香族基、または
置換されていてもよい炭素数1~18の環状の1から4価脂肪族炭化水素基を表す;
Lcy501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~18の環状の2価脂肪族炭化水素基、
または、単結合を表す;
501は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造、
または、下記式(511)で表される基を表す;
【化6】
Lcy511は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~18の環状の2価脂肪族炭化水素、
または、単結合を表す;
Cy511は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、
または置換されていてもよい炭素数3~18の環状の脂肪族炭化水素を表す;
*は結合位置を表す。
a501は各々独立して、1から6の整数を表す。
b501は各々独立して、0から3の整数を表す。
c501、およびd501は各々独立して、0から3の整数を表す。
e501は各々独立して、1から4の整数を表す。
ただし、少なくとも1つ以上のR501は、各々独立してフッ素原子である。
【請求項12】
前記フルオロアルキル構造が下記式(601)で表される、請求項11に記載の化合物:
【化7】
式中、
Rf601は、各々独立して、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
601は、各々独立して、
О、S、もしくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、または、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a601は、各々独立して、0から4の整数を表す;
a602は、各々独立して、1から4の整数を表す;
a603は、各々独立して、1から4の整数を表す;
*は結合位置を表す。
【請求項13】
501が、置換の2価炭香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価脂肪族炭化水素である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
501が、置換の1から4価芳香族炭化水素基、置換の1から4価ヘテロ芳香族基、置換の1から4価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
Lcy501が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
Lcy511が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
Cy511が、置換の芳香族炭化水素基、置換のヘテロ芳香族基、または置換の環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項14】
501が、各々独立して、
(vii)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくはNE501、または、
(viii)前記(vii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項15】
501が、各々独立して、1から4価の
(ix)ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ペリレン、ベンゾクリセン、ジベンゾクリセン、トリプチセン、コラニュレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、カルバゾール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアゾール、チアジアゾール、チアントレン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾ-1,4-ジオキシン、ベンゾチアゾール、アダマンタン、ジアマンタン、ノルボルネン、もしくはシクロヘキサンに由来する基、または、
(x)前記(ix)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項16】
Lcy501が、各々独立して、
(xi)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xii)前記(xi)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xiii)単結合である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項17】
Lcy511が、各々独立して、
(xiv)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xv)前記(xiv)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xvi)単結合である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項18】
Cy511が、各々独立して、
(xvii)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ジベンゾ-1,4-ジオキシニル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、もしくはシクロヘキシル基、または、
(xviii)前記(xvii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項19】
501の少なくとも1つが酸素原子である、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項20】
請求項1または2に記載の金属パターニング用材料を含み、金属膜または金属積層膜をパターニングすることができる金属パターニング用薄膜。
【請求項21】
水接触角が90°以上である、請求項20に記載の金属パターニング用薄膜。
【請求項22】
陰極を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記陰極は、
イッテルビウム、マグネシウム、銀、アルミニウム、および、マグネシウムと銀との合金からなる群より選択される少なくとも1つを含有し、かつ、
金属パターニング用材料でパターニングされてなり、
該金属パターニング用材料は、請求項11または12に記載の化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項23】
請求項1または2に記載の金属パターニング用材料、または、請求項11または12に記載の化合物を含む有機材料パターンを形成することと、
前記有機材料パターンの形成領域および前記有機材料パターンの未形成領域に金属材料を付与して、該未形成領域に金属パターンを形成することと、を含む、金属パターンの形成方法。
【請求項24】
請求項1または2に記載の金属パターニング用材料、または、請求項11または12に記載の化合物を含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属パターニング用材料、当該材料に好適に使用し得る化合物、当該材料または化合物を用いた金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ、有機センサーといった有機電子デバイスが広く開発されている。有機電子デバイスでは、金属薄膜を電極として用いており、金属薄膜を所望の形状にパターニングする必要がある。
【0003】
金属電極のパターニング方法としては、金属の付着を抑制し得る撥金属性が高い金属パターニング用材料を下地層としてパターニング成膜し、この下地層の上から金属を蒸着する方法が知られている。この方法では、金属パターニング用材料が成膜されていない部分に選択的に金属膜が形成されるため、所望の形状にパターニングされた金属電極を形成することができる。
【0004】
金属パターニング用材料として、特許文献1は、アリーレン基に結合した2個のフェニル基に、フルオロアルキル基が結合した化合物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許第10-2324529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された化合物を用いる方法では、所望の箇所以外への金属の付着を高度に抑制してパターニングを形成するには、いまだ改良の余地がある。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、膜表面への金属薄膜の形成を高度に抑制できる金属パターニング用材料、当該材料に好適に使用し得る化合物、当該材料または化合物を用いた金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ヘテロ原子を含む六員環構造と、フルオロアルキル構造とを併せ持つ化合物を用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本開示の態様は、以下の金属パターニング用材料、化合物、金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法に関する。
【0009】
[1] 下記式(101)、または下記(102)で表される骨格を部分構造として分子内に有する化合物を含み、分子量が600以上かつ6000以下である、金属パターニング用材料:
【化1】
式中、
101、およびX102は、各々独立して、SもしくはОを表す;
101、およびA102は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の炭化水素環、または、
置換されていてもよい炭素数3~26のヘテロ環を表す;
101は、2個のX101を含む六員環と、A101で表される環のうち、1個以上の前記環の任意の位置の置換基である;
102は、A102で表される2個の環のうち、1個以上の前記環の任意の位置の置換基である;
101、およびR102は、各々独立して、下記式(111)で表される基を表す;
【化2】
111は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、
О、S、または、NR111を表す;
Rf111は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
111は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、または、
Rf111を表す;
a101は各々独立して、1から6の整数を表す。
a102は各々独立して、1から8の整数を表す。
b111は各々独立して、0から12の整数を表す。
c111は各々独立して、1から6の整数を表す。
式(101)において、*は、1個若しくは複数の結合手を表し、該結合手は、各々独立して、該結合手の一端が、2個のX101を含む六員環と、A101で表される環のうち、1個以上の前記環に結合しており、該結合手の他端が、前記部分構造以外の他の構造に結合している。
式(102)において、*は、1個若しくは複数の結合手を表し、該結合手は、各々独立して、該結合手の一端が、A102で表される2個の環のうち、1個以上の前記環に結合しており、該結合手の他端が、前記部分構造以外の他の構造に結合している。
式(111)において、*は、前記部分構造に結合する結合手を表す。
【0010】
[2] 前記フルオロアルキル構造が下記式(001)で表される、[1]に記載の金属パターニング用材料:
【化3】
式中、
Rf001は、各々独立して、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
001は、各々独立して、
О、S、もしくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、または、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a001は、各々独立して、0から4の整数を表す;
a002は、各々独立して、1から4の整数を表す;
a003は、各々独立して、1から4の整数を表す;
*は結合位置を表す。
【0011】
[3] A101、およびA102が、置換の炭化水素環、または置換のヘテロ環である場合、これらの環が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
111が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
111が、置換の芳香族炭化水素基、置換のヘテロ芳香族基、または置換の環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基である、[1]または[2]に記載の金属パターニング用材料。
【0012】
[4] A101、およびA102が、各々独立して
(i)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、ピレン環、アントラセン環、クリセン環、ペリレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ピペリジン環、ピペラジン環、ジオキシン環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii)前記(i)で示される環が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環である、[1]~[3]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
【0013】
[5] L111が、各々独立して、
(iii)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR201、または、
(iv)前記(iii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、[1]~[4]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
【0014】
[6] R111が、各々独立して、
(v)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、もしくはRf111、または、
(vi)前記(v)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、[1]~[5]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
【0015】
[7] A101、およびA102が、各々独立して、
(i’)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ジオキシン環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii’)前記(i’)で示される環が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環である、[1]~[6]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
【0016】
[8] A101が、置換されていてもよいベンゼン環であり、A102の少なくとも1つが、置換されていてもよいベンゼン環である、[1]~[7]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
[9] A101、およびA102が、各々独立して、下記の(Z)からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ以上有する、[1]~[8]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
(Z)フッ素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、もしくは式(001)で表される構造
[10] X101の少なくとも1つが酸素原子であり、X102の少なくとも1つが酸素原子である、[1]~[9]のいずれかに記載の金属パターニング用材料。
【0017】
[11] 下記式(501)で表される化合物:
【化4】
式中、
501は、各々独立して、SもしくはОを表す;
501は、2個のX501を含む六員環の左右に位置する2個の縮環ベンゼン環のうち、1個以上の前記縮環ベンゼン環の任意の位置の置換基である;
501は、2個のX501を含む六員環の左右に位置する2個の縮環ベンゼン環のうち、1個以上の前記縮環ベンゼン環の任意の位置の置換基である;
501は、各々独立して、
フッ素原子、もしくは
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
Rf501は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
501は、下記式(501-M)で表される基を表す;
【化5】
501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素、
О、S、または、NE501を表す;
501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の1から4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の1から4価ヘテロ芳香族基、または
置換されていてもよい炭素数1~18の環状の1から4価脂肪族炭化水素基を表す;
Lcy501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~18の環状の2価脂肪族炭化水素基、
または、単結合を表す;
501は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造、
または、下記式(511)で表される基を表す;
【化6】
Lcy511は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~18の環状の2価脂肪族炭化水素、
または、単結合を表す;
Cy511は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、
または置換されていてもよい炭素数3~18の環状の脂肪族炭化水素を表す;
*は結合位置を表す。
a501は各々独立して、1から6の整数を表す。
b501は各々独立して、0から3の整数を表す。
c501、およびd501は各々独立して、0から3の整数を表す。
e501は各々独立して、1から4の整数を表す。
ただし、少なくとも1つ以上のR501は、各々独立してフッ素原子である。
【0018】
[12] 前記フルオロアルキル構造が下記式(601)で表される、[11]に記載の化合物:
【化7】
式中、
Rf601は、各々独立して、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
601は、各々独立して、
О、S、もしくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、または、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a601は、各々独立して、0から4の整数を表す;
a602は、各々独立して、1から4の整数を表す;
a603は、各々独立して、1から4の整数を表す;
*は結合位置を表す。
【0019】
[13] L501が、置換の2価炭香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価脂肪族炭化水素である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
501が、置換の1から4価芳香族炭化水素基、置換の1から4価ヘテロ芳香族基、置換の1から4価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
Lcy501が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
Lcy511が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であり;
Cy511が、置換の芳香族炭化水素基、置換のヘテロ芳香族基、または置換の環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基である、[11]または[12]に記載の化合物。
【0020】
[14] L501が、各々独立して、
(vii)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくはNE501、または、
(viii)前記(vii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、[11]~[13]のいずれかに記載の化合物。
【0021】
[15] Y501が、各々独立して、1から4価の
(ix)ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ペリレン、ベンゾクリセン、ジベンゾクリセン、トリプチセン、コラニュレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、カルバゾール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアゾール、チアジアゾール、チアントレン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾ-1,4-ジオキシン、ベンゾチアゾール、アダマンタン、ジアマンタン、ノルボルネン、もしくはシクロヘキサンに由来する基、または、
(x)前記(ix)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、[11]~[14]のいずれかに記載の化合物。
【0022】
[16] Lcy501が、各々独立して、
(xi)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xii)前記(xi)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xiii)単結合である、[11]~[15]のいずれかに記載の化合物。
【0023】
[17] Lcy511が、各々独立して、
(xiv)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xv)前記(xiv)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xvi)単結合である、[11]~[16]のいずれかに記載の化合物。
【0024】
[18] Cy511が、各々独立して、
(xvii)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ジベンゾ-1,4-ジオキシニル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、もしくはシクロヘキシル基、または、
(xviii)前記(xvii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基である、[11]~[17]のいずれかに記載の化合物。
【0025】
[19] X501の少なくとも1つが酸素原子である、[11]~[18]のいずれかに記載の化合物。
[20] [1]~[10]のいずれかに記載の金属パターニング用材料を含み、金属膜または金属積層膜をパターニングすることができる金属パターニング用薄膜。
[21] 水接触角が90°以上である、[20]に記載の金属パターニング用薄膜。
[22] 陰極を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記陰極は、
イッテルビウム、マグネシウム、銀、アルミニウム、フッ化リチウムおよび、マグネシウムと銀との合金からなる群より選択される少なくとも1つを含有し、かつ、
金属パターニング用材料でパターニングされてなり、
該金属パターニング用材料は、[11]~[19]のいずれかに記載の化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[23] [1]~[10]のいずれかに記載の金属パターニング用材料、または、[11]~[19]のいずれかに記載の化合物を含む有機材料パターンを形成することと、
前記有機材料パターンの形成領域および前記有機材料パターンの未形成領域に金属材料を付与して、該未形成領域に金属パターンを形成することと、を含む、金属パターンの形成方法。
[24] [1]~[10]のいずれかに記載の金属パターニング用材料、または、[11]~[19]のいずれかに記載の化合物を含む、電子機器。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、膜表面への金属薄膜の形成を高度に抑制できる金属パターニング用材料、当該材料に好適に使用し得る化合物、当該材料または化合物を用いた金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】実施例1-3”における金属蒸着前の透過率測定の結果を示す図である。
図1B】実施例1-3”における金属蒸着後の透過率測定の結果を示す図である。
図2A】実施例2-4”における金属蒸着前の透過率測定の結果を示す図である。
図2B】実施例2-4”における金属蒸着後の透過率測定の結果を示す図である。
図3A】実施例3-3”における金属蒸着前の透過率測定の結果を示す図である。
図3B】実施例3-3”における金属蒸着後の透過率測定の結果を示す図である。
図4A】比較例4-1”における金属蒸着前の透過率測定の結果を示す図である。
図4B】比較例4-1”における金属蒸着後の透過率測定の結果を示す図である。
図5A】比較例4-2”における金属蒸着前の透過率測定の結果を示す図である。
図5B】比較例4-2”における金属蒸着後の透過率測定の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の一態様にかかる金属パターニング用材料、化合物、金属パターニング用薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および金属パターンの形成方法について詳細に説明する。
【0029】
≪金属パターニング用材料≫
本実施形態の金属パターンニング用材料は、下記式(101)、または下記(102)で表される骨格を部分構造として分子内に有する化合物を含む。該化合物の分子量は、600以上かつ6000以下である。
【0030】
【化8】
式中、
101、およびX102は、各々独立して、SもしくはОを表す;
101、およびA102は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の炭化水素環、または、
置換されていてもよい炭素数3~26のヘテロ環を表す;
101は、2個のX101を含む六員環と、A101で表される環のうち、1個以上の前記環の任意の位置の置換基である;
102は、A102で表される2個の環のうち、1個以上の前記環の任意の位置の置換基である;
a101は各々独立して、1から6の整数を表す。
a102は各々独立して、1から8の整数を表す。
式(101)において、*は、1個若しくは複数の結合手を表し、該結合手は、各々独立して、該結合手の一端が、2個のX101を含む六員環と、A101で表される環のうち、1個以上の前記環に結合しており、該結合手の他端が、前記部分構造以外の他の構造に結合している。
式(102)において、*は、1個若しくは複数の結合手を表し、該結合手は、各々独立して、該結合手の一端が、A102で表される2個の環のうち、1個以上の前記環に結合しており、該結合手の他端が、前記部分構造以外の他の構造に結合している。
【0031】
金属パターンニング用材料が、上記式(101)で表される化合物において、2個のヘテロ原子を含む六員環構造と、R101で表される置換基とを併せ持つことにより、膜表面への金属薄膜の形成を高度に抑制できる。
金属パターンニング用材料が、上記式(102)で表される化合物において、2個のヘテロ原子を含む六員環構造と、R102で表される置換基とを併せ持つことにより、膜表面への金属薄膜の形成を高度に抑制できる。
【0032】
<X101、およびX102について>
2個のX101を含む六員環構造、および2個のX102を含む六員環構造は、その構造中に二重結合を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
101、およびX102は、各々独立して、SもしくはОを表す。
撥金属性の観点から、X101の少なくとも1つが酸素原子であることが好ましく、X101の2つが酸素原子であることがより好ましい。
撥金属性の観点から、X102の少なくとも1つが酸素原子であることが好ましく、X102の2つが酸素原子であることがより好ましい。
【0033】
<A101、およびA102について>
101、およびA102は、各々独立して、置換されていてもよい炭素数6~26の炭化水素環、または、置換されていてもよい炭素数3~26のヘテロ環を表す。
炭化水素環としては、例えば、単環、連結または縮環の芳香族炭化水素環;環状脂肪族炭化水素環が挙げられる。ヘテロ環としては、例えば、単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族環;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ非芳香族環が挙げられる。
【0034】
101、およびA102で表される炭素数6~26の炭化水素環、または、炭素数3~26のヘテロ環が、
(i)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、ピレン環、アントラセン環、クリセン環、ペリレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ピペリジン環、ピペラジン環、ジオキシン環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii)上記(i)で示される環が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環であることが好ましい。
【0035】
101、およびA102で表される炭素数6~26の炭化水素環、または、炭素数3~26のヘテロ環が、
(i’)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ジオキシン環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii’)前記(i’)で示される環が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環であることがより好ましい。
【0036】
101、およびA102で表される炭素数6~26の炭化水素環、または、炭素数3~26のヘテロ環が、
(i’’)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、シクロヘキサン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii’’)前記(i’’)で示される環が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環であることがさらに好ましい。
【0037】
101、およびA102で表される炭素数6~26の炭化水素環、または、炭素数3~26のヘテロ環が、
(i’’’)ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、シクロヘキサン環、ピリジン環、ピラジン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、インドール環、カルバゾール環、ベンゾジオキシン環、もしくはジベンゾジオキシン環、または、
(ii’’’)前記(i’’’)で示される環が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された環であることがさらにより好ましい。
【0038】
101、およびA102が、置換の炭化水素環、または置換のヘテロ環である場合、これらの環が有する上記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0039】
101が、置換されていてもよいベンゼン環であることが好ましい。A102の少なくとも1つが、置換されていてもよいベンゼン環であることが好ましく、A102の2つが、置換されていてもよいベンゼン環であることがより好ましい。
【0040】
101、およびA102が、各々独立して、下記の(Z)からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ以上有することが好ましい。
(Z)フッ素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、もしくは式(001)で表される構造
【0041】
<R101、およびR102について>
101、およびR102は、各々独立して、下記式(111)で表される基を表す;
【化9】
111は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、
О、S、または、NR111を表す;
Rf111は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
111は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、または、
Rf111を表す;
b111は各々独立して、0から12の整数を表す。
b111は各々独立して、0から10の整数が好ましく、0から8の整数がより好ましく、0から6の整数がさらに好ましく、0から4の整数がさらにより好ましい。
c111は各々独立して、1から6の整数を表す。
c111は各々独立して、1から5の整数が好ましく、1から4の整数がより好ましく、1から3の整数がさらに好ましく、1から2の整数がさらにより好ましい。
式(111)において、*は、前記部分構造に結合する結合手を表す。
【0042】
<L111について>
111で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基は、フェニレン基、もしくは複数のベンゼン環を連結もしくは縮環した構造が好ましい。
【0043】
111で表される単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基は、ヘテロ原子がN、О、Sであり、5員環、6員環、もしくはそれらが縮合した構造が好ましい。
【0044】
111で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基;または、直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(iii)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR201、または、
(iv)前記(iii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることが好ましい。
【0045】
111で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基;または、直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(iii’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、アントラセンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR111、または、
(iv’)前記(iii’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがより好ましい。
【0046】
111で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基;または、直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(iii’’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR111、または、
(iv’’)前記(iii’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがさらに好ましい。
【0047】
111が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
後述する式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0048】
<Rf111について>
Rf111としてのフッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造が、下記式(001)で表されることが好ましい。
【化10】
式中、
Rf001は、各々独立して、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
001は、各々独立して、
О、S、もしくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、または、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a001は、各々独立して、0から4の整数を表す;
a002は、各々独立して、1から4の整数を表す;
a003は、各々独立して、1から4の整数を表す;
*は結合位置を表す。
【0049】
Rf001は、膜表面での金属膜の形成を抑制できることから、各々独立して、フルオロアルキル構造を形成している炭素原子のうち、フッ素原子と直接結合している炭素原子数の割合が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることがさらにより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
【0050】
Rf001は、膜表面での金属膜の形成を抑制できることから、各々独立して、少なくとも1つ以上のフッ素原子で置換されている、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、およびこれらのアルキル基と構造異性の関係にあるアルキル基、ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1-メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、およびアダマンチル基であることがより好ましい。
【0051】
001は、膜表面での金属膜の形成を抑制できることから、各々独立して、
О、S、もしくは、
フッ素原子で置換されていてもよい、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、およびこれらのアルキル基と構造異性の関係にあるアルキル基、ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1-メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、およびアダマンチル基、もしくは、
ビニレン基であることがより好ましい。
【0052】
a001は各々独立して、0から3が好ましく、0から2がより好ましい。
a002は各々独立して、1から3が好ましく、1から2がより好ましい。
a003は各々独立して、1から3が好ましく、1から2がより好ましい。
【0053】
フルオロアルキル構造の炭素数としては、1以上36以下であることが好ましく、1以上34以下であることがより好ましく、1以上32以下であることがさらに好ましい。
【0054】
[フルオロアルキル構造の具体的な例示]
フルオロアルキル構造としては、例えば下記(AAA1)~(AAA108)に示す構造をとることができる。
なお、下記の構造に使用しているマーク「*」は結合部位を表す。
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】
【0057】
【化13】
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
<R111について>
111で表される炭素数6~26の芳香族炭化水素基、ヘテロ芳香族基、または、環状脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(v)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、もしくはRf111、または、
(vi)前記(v)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることが好ましい。
【0062】
111で表される炭素数6~26の芳香族炭化水素基、ヘテロ芳香族基、または、環状脂肪族炭化水素基が、各々独立して
(v’)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、アントリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、もしくはRf111、または、
(vi’)前記(v’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがより好ましい。
【0063】
111で表される炭素数6~26の芳香族炭化水素基、ヘテロ芳香族基、または、環状脂肪族炭化水素基が、各々独立して
(v’’)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、もしくはRf111、または、
(vi’’)前記(v’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがさらに好ましい。
【0064】
111が、置換の芳香族炭化水素基、置換のヘテロ芳香族基、または置換の環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(001)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0065】
前述した化合物の分子量は、600以上6000以下であり、600以上5000以下がより好ましく、600以上4500以下がさらに好ましく、600以上4000以下がさらにより好ましく、600以上3500以下が特に好ましく、600以上3000以下がさらに特に好ましい。
【0066】
≪化合物≫
本実施形態の化合物は、下記式(501)で表される。
【0067】
【化17】
式中、
501は、各々独立して、SもしくはОを表す;
501は、2個のX501を含む六員環の左右に位置する2個の縮環ベンゼン環のうち、1個以上の前記縮環ベンゼン環の任意の位置の置換基である;
501は、2個のX501を含む六員環の左右に位置する2個の縮環ベンゼン環のうち、1個以上の前記縮環ベンゼン環の任意の位置の置換基である;
501は、各々独立して、
フッ素原子、もしくは
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
Rf501は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造を表す;
501は、下記式(501-M)で表される基を表す;
【化18】
501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素、
О、S、または、NE501を表す;
501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の1から4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の1から4価ヘテロ芳香族基、または
置換されていてもよい炭素数1~18の環状の1から4価脂肪族炭化水素基を表す;
Lcy501は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~18の環状の2価脂肪族炭化水素基、
または、単結合を表す;
501は、各々独立して、
フッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造、
または、下記式(511)で表される基を表す;
【化19】
Lcy511は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~18の環状の2価脂肪族炭化水素、
または、単結合を表す;
Cy511は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、
または置換されていてもよい炭素数3~18の環状の脂肪族炭化水素を表す;
*は結合位置を表す。
a501は各々独立して、1から6の整数を表す。
b501は各々独立して、0から3の整数を表す。
c501、およびd501は各々独立して、0から3の整数を表す。
e501は各々独立して、1から4の整数を表す。
ただし、少なくとも1つ以上のR501は、各々独立してフッ素原子である。
【0068】
上記式(501)で表される化合物が、2個のヘテロ原子を含む六員環構造と、Rf501で表されるフルオロアルキル構造とを併せ持つことにより、該化合物を含む金属パターニング材料は、膜表面への金属薄膜の形成を高度に抑制できる。このため、該化合物は、金属パターニング材料として好適に使用し得る。
【0069】
<X501について>
501は、各々独立して、SもしくはОを表す。
撥金属性の観点から、X501の少なくとも1つが酸素原子であることが好ましく、X501の2つが酸素原子であることがより好ましい。
【0070】
<R501、およびRf501について>
501、およびRf501としてのフッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造が、下記式(601)で表されることが好ましい。
【化20】
式中、
Rf601は、各々独立して、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
601は、各々独立して、
О、S、もしくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基、または、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a601は、各々独立して、0から4の整数を表す;
a602は、各々独立して、1から4の整数を表す;
a603は、各々独立して、1から4の整数を表す;
*は結合位置を表す。
【0071】
Rf601は、膜表面での金属膜の形成を抑制できることから、各々独立して、フルオロアルキル構造を形成している炭素原子のうち、フッ素原子と直接結合している炭素原子数の割合が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることがさらにより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
【0072】
Rf601は、膜表面での金属膜の形成を抑制できることから、各々独立して、少なくとも1つ以上のフッ素原子で置換されている、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、およびこれらのアルキル基と構造異性の関係にあるアルキル基、ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1-メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、およびアダマンチル基であることがより好ましい。
【0073】
601は、膜表面での金属膜の形成を抑制できることから、各々独立して、
О、S、もしくは、
フッ素原子で置換されていてもよい、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、およびこれらのアルキル基と構造異性の関係にあるアルキル基、ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1-メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、およびアダマンチル基、もしくは、
ビニレン基であることがより好ましい。
【0074】
a601は各々独立して、0から3が好ましく、0から2がより好ましい。
a602は各々独立して、1から3が好ましく、1から2がより好ましい。
a603は各々独立して、1から3が好ましく、1から2がより好ましい。
【0075】
フルオロアルキル構造の炭素数としては、1以上36以下であることが好ましく、1以上34以下であることがより好ましく、1以上32以下であることがさらに好ましい。
【0076】
[フルオロアルキル構造の具体的な例示]
フルオロアルキル構造としては、例えば、前述の(AAA1)~(AAA108)に示す構造をとることができる。
【0077】
<L501について>
501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基は、フェニレン基、もしくは複数のベンゼン環を連結もしくは縮環した構造が好ましい。
【0078】
501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基は、ヘテロ原子がN、О、Sであり、5員環、6員環、もしくはそれらが縮合した構造が好ましい。
【0079】
501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(vii)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくはNE501、または、
(viii)前記(vii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることが好ましい。
【0080】
501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(vii’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、アントラセンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR501、または、
(viii’)前記(vii’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがより好ましい。
【0081】
501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、直鎖、分岐、もしくは環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(vii’’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、シクロヘキサンジイル基、О、S、もしくは、NR501、または、
(viii’’)前記(vii’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがさらに好ましい。
【0082】
501が、置換の2価炭香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価脂肪族炭化水素である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0083】
<Y501について>
501で表される単環、連結、もしくは縮環の1から4価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の1から4価ヘテロ芳香族基、または、環状の1から4価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、1から4価の
(ix)ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ペリレン、ベンゾクリセン、ジベンゾクリセン、トリプチセン、コラニュレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、カルバゾール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアゾール、チアジアゾール、チアントレン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾ-1,4-ジオキシン、ベンゾチアゾール、アダマンタン、ジアマンタン、ノルボルネン、もしくはシクロヘキサンに由来する基、または、
(x)前記(ix)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることが好ましい。
【0084】
501で表される単環、連結、もしくは縮環の1から4価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の1から4価ヘテロ芳香族基、または、環状の1から4価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、1から4価の
(ix’)ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ペリレン、ベンゾクリセン、ジベンゾクリセン、トリプチセン、コラニュレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、カルバゾール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアゾール、チアジアゾール、チアントレン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾ-1,4-ジオキシン、ベンゾチアゾール、アダマンタン、ジアマンタン、ノルボルネン、もしくはシクロヘキサンに由来する基、または、
(x’)前記(ix’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがより好ましい。
【0085】
501で表される単環、連結、もしくは縮環の1から4価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の1から4価ヘテロ芳香族基、または、環状の1から4価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、1から4価の
(ix’’)ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、アントラセン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、カルバゾール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアゾール、チアジアゾール、チアントレン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾ-1,4-ジオキシン、ベンゾチアゾール、アダマンタン、ジアマンタン、ノルボルネン、もしくはシクロヘキサンに由来する基、または、
(x’’)前記(ix’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがさらに好ましい。
【0086】
501が、置換の1から4価芳香族炭化水素基、置換の1から4価ヘテロ芳香族基、置換の1から4価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0087】
<Lcy501について>
Lcy501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xi)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xii)前記(xi)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xiii)単結合である
ことが好ましい。
【0088】
Lcy501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xi’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xii’)前記(xi’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xiii’)単結合である
ことがより好ましい。
【0089】
Lcy501で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xi’’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xii’’)前記(xi’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xiii’’)単結合である
ことがより好ましい。
【0090】
Lcy501が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0091】
<Lcy511について>
Lcy511で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xiv)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xv)前記(xiv)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xvi)単結合である
ことが好ましい。
【0092】
Lcy511で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xiv’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオランテンジイル基、トリフェニレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、クリセンジイル基、ペリレンジイル基、ベンゾクリセンジイル基、ジベンゾクリセンジイル基、トリプチセンジイル基、コラニュレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xv’)前記(xiv’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xvi’)単結合である
ことが好ましい。
【0093】
Lcy511で表される単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基;または、環状の2価脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xiv’’)フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、9,9-ジメチルフルオレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、カルバゾールジイル基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾフランジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェン基、チアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、チアントレンジイル基、アクリジンジイル基、ジヒドロアクリジンジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ベンゾチアゾールジイル基、アダマンタンジイル基、ジアマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、もしくはシクロヘキサンジイル基、または、
(xv’’)前記(xiv’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基、または、
(xvi’’)単結合である
ことが好ましい。
【0094】
Lcy511が、置換の2価芳香族炭化水素基、置換の2価ヘテロ芳香族基、または置換の2価環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0095】
<Cy511について>
Cy511で表される単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基;または、環状の脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xvii)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ジベンゾ-1,4-ジオキシニル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、もしくはシクロヘキシル基、または、
(xviii)前記(xvii)で示される基が、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェナントリル基、フッ素原子で置換されていてもよいピリジル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾチエニル基、フッ素原子で置換されていてもよいジベンゾフラニル基、および式(601)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることが好ましい。
【0096】
Cy511で表される単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基;または、環状の脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xvii’)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ベンゾクリセニル基、ジベンゾクリセニル基、トリプチセニル基、コラニュレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ジベンゾ-1,4-ジオキシニル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、もしくはシクロヘキシル基、または、
(xviii’)前記(xvii’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがより好ましい。
【0097】
Cy511で表される単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基;単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基;または、環状の脂肪族炭化水素基が、各々独立して、
(xvii’’)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニリル基、アントリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアントリル基、アクリジル基、ジヒドロアクリジル基、フェノキサジル基、フェノチアジル基、ジベンゾ-1,4-ジオキシニル基、ベンゾチアゾリル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基、もしくはシクロヘキシル基、または、
(xviii’’)前記(xvii’’)で示される基が、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数2~10のパーフルオロアルキル基、炭素数2~10のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、重水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいナフチル基、フッ素原子で置換されていてもよいカルバゾリル基、および、式(001)で表される構造からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基であることがより好ましい。
【0098】
Cy511が、置換の芳香族炭化水素基、置換のヘテロ芳香族基、または置換の環状脂肪族炭化水素基である場合、これらの基が有する前記置換基は、各々独立して、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状の脂肪族炭化水素基、
炭素数1~18の直鎖、分岐、もしくは環状のアルコキシ基、
炭素数6~20の芳香族炭化水素基、
炭素数3~20のヘテロ芳香族基、
フッ素原子、重水素原子、
式(601)で表される構造、
および、これらの基が組み合わされた基、からなる群より選ばれる1つ以上の基であることが好ましい。
【0099】
<E501について>
501で表されるフッ素原子を1つ以上含む炭素数1以上のフルオロアルキル構造は、R501、およびRf501における前述のフルオロアルキル構造と同様である。
【0100】
式(501)で表される化合物の分子量は、600以上6000以下が好ましく、600以上5000以下がより好ましく、600以上4500以下がさらに好ましく、600以上4000以下がさらにより好ましく、600以上3500以下が特に好ましく、600以上3000以下がさらに特に好ましい。
【0101】
[金属パターニング材料、化合物の具体例]
本開示の一態様にかかる金属パターニング用材料および化合物について、以下に(A001)から(A090)の化合物を例示するが、本開示はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0102】
【化21】
【0103】
【化22】
【0104】
【化23】
【0105】
【化24】
【0106】
【化25】
【0107】
【化26】
【0108】
【化27】
【0109】
【化28】
【0110】
【化29】
【0111】
【化30】
【0112】
【化31】
【0113】
【化32】
【0114】
≪金属パターニング用薄膜≫
本実施形態の金属パターニング用薄膜は、前述した金属パターニング用材料を含み、金属膜または金属積層膜をパターニングすることができる金属パターニング用薄膜である。
【0115】
金属パターニング用薄膜中に含まれる金属パターニング用材料は、前述の金属パターニング用材料と同じものが使用される。
【0116】
金属パターニング用薄膜の水接触角は、順に、90°以上、91°以上、92°以上、93°以上、94°以上、95°以上、96°以上、97°以上、98°以上、99°以上、100°以上、であることがより一層好ましい。
【0117】
本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陰極を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
上記陰極は、
イッテルビウム、マグネシウム、銀、アルミニウム、フッ化リチウムおよび、マグネシウムと銀との合金からなる群より選択される少なくとも1つを含有し、かつ、
金属パターニング用材料でパターニングされてなり、
該金属パターニング用材料は、前述した≪化合物≫の項目に記載した化合物を含む。
【0118】
≪金属パターンの形成方法≫
本実施形態の金属パターンの形成方法は、
前述の金属パターニング用材料、または、前述の化合物を含む有機材料パターンを形成することと、
上記有機材料パターンの形成領域および上記有機材料パターンの未形成領域に金属材料を付与して、該未形成領域に金属パターンを形成することと、を含む。
【0119】
金属パターニング用材料(化合物)は、金属の付着を抑制したい箇所に成膜して使用する。ここで、金属材料の付着を抑制したい箇所が、有機材料パターンの形成領域に相当する。金属材料の付着を抑制したい箇所以外の箇所が、有機材料パターンの非形成領域に相当する。有機材料パターンの非形成領域が、金属材料の付着を促す領域であって、金属パターンを形成したい箇所である。
【0120】
有機材料パターンの形成方法(成膜方法)としては特に制限はなく、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、バーコード法、オフセット法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン法、オフセット法、フレキソ法、グラビア法、マイクロコンタクト法等の公知の方法を適用することができる。また、成膜後に室温よりも高い温度環境下で膜をアニールしてもよい。有機材料パターンの膜厚についても特に制限はない。
【0121】
また、金属パターニング用材料には、膜表面での金属膜の形成を抑制できる範囲で任意に他の有機分子材料や、ポリマーなどを加えてもよい。
【0122】
有機材料パターンを形成する下地は、金属であっても非金属であってもよく、例えば、有機膜、金属膜、酸化物膜、無機膜等が挙げられ、特に制限はない。また、基板の材質も特に制限はなく、ガラス、プラスチック、金属、セラミック、その他あらゆる材料を用いることができる。
【0123】
金属パターニング用材料を用いて、金属パターンを形成する際の金属材料の種類としては、特に限定は無いが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属または周期表第13族金属等が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、鉄、パラジウム、モリブデン、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、およびクロム、ならびに、これらの金属のうち1種以上を含む合金が挙げられる。合金の例としては、例えば、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチウム-インジウム合金、カルシウム-アルミニウム合金等が挙げられる。
【0124】
金属パターンの形成方法としては特に制限はなく、真空蒸着法、スパッタリング法等のドライプロセス;金属ナノインクを用いたインクジェット法等が挙げられる。また、金属パターンの膜厚についても特に制限はない。
【0125】
有機材料パターンの形成領域および有機材料パターンの未形成領域に金属材料を付与することで、瞬間的に双方の領域に金属材料を含む膜が形成されるが、有機材料パターンの形成領域は金属の付着が抑制されるため、自ずと有機材料パターンの未形成領域のみに金属パターンが形成される。
【0126】
金属パターンの形成方法のより具体的な方法としては、例えば、以下の1)~2)に示す方法が挙げられる。
1)上記した金属パターニング用材料をメタルマスク等を使用して、所望のパターンに蒸着成膜する。
2)その後、金属を蒸着することで、金属パターニング用材料が成膜されていない部分のみに電極が形成される。即ち、金属パターニング用材料の成膜パターンに対してネガ型の金属電極が形成される。
なお、パターニングされた金属電極の面積や線幅は、金属パターニング用材料のパターニング形状で任意に調整することができる。
【0127】
本実施形態の金属パターニング用材料、化合物、および金属パターンの形成方法によれば、太陽電池、光センサー、イメージセンサー、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機太陽電池、有機センサー、有機トランジスタ等の金属電極のパターニングや、回路基板上の金属配線を形成することができる。
【0128】
≪電子機器≫
本実施形態の電子機器は、前述の金属パターニング用材料、または、前述の化合物を含む。前述したように、金属パターンを形成する際に、金属パターニング用材料、または、化合物を含む有機材料パターンが形成されるため、金属パターンと共に有機材料パターンが形成される。したがって、本実施形態の電子機器は、金属パターンとともに、金属パターニング用材料、または、化合物を含む有機材料パターンを備える。
電子機器としては、例えば、太陽電池、光センサー、イメージセンサー、有機EL素子、有機太陽電池、有機センサー、有機トランジスタ等が挙げられる。これらの電子機器は、金属電極のパターニング、または、回路基板上の金属配線等を備える。換言すると、金属電極のパターニング、または、回路基板上の金属配線を備える電子機器であれば、上述した金属パターンの形成方法を用いて、本態様にかかる電子機器を得ることができる。かかる電子機器は、高精度な金属パターンを有する。
【実施例0129】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
【0130】
[化合物(A020)の合成および金属付着性評価]
実施例1-1 中間体(AA-01)の合成
【化33】
【0131】
窒素雰囲気下、1,2-ジブロモ-4,5-ジメトキシベンゼン(3.0mmol)、銅粉末(12.0mmol)、およびノナフルオロブチルヨージド(24mmol)をジメチルスルホキシド(50mL)中に懸濁させ、80℃で24時間撹拌した。室温まで冷却した後、水(300mL)を加え、室温で30分攪拌した。飽和食塩水(200mL)を加えた後、THF(300mL)で抽出を三回行い、硫酸マグネシウムで脱水後、ろ過をしてから、エバポレーターで濃縮を行った。濃縮残渣を減圧蒸留することで、目的物である中間体(AA-01)を得た(収率87%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:574
【0132】
実施例1-2 中間体(AA-02)の合成
【化34】
【0133】
窒素雰囲気下、中間体(AA-01)(3.0mmol)をジクロロメタンに溶解させ、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(7.0mmol)を滴下し、14時間撹拌した。水(300mL)を加え、室温で30分攪拌し、飽和食塩水(200mL)を加えた後、THF(300mL)で抽出を三回行い、硫酸マグネシウムで脱水後、ろ過をしてから、エバポレーターで濃縮を行った。濃縮残渣を減圧蒸留することで、目的物である中間体(AA-02)を得た(収率80%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:546
【0134】
実施例1-3 化合物(A020)の合成
【化35】
【0135】
窒素雰囲気下、パーフルオロビフェニル(5.0mmol)、中間体(AA-02)(11.0mmol)、および炭酸カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A020)を得た(収率50%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1346
【0136】
実施例1-3’ (化合物(A020)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A020)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A020)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0137】
[化合物(A091)の合成および金属付着性評価]
実施例2-1 中間体(AA-03)の合成
【化36】
【0138】
窒素雰囲気下、アダマンタンアミン(15.0mmol)、1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-n-オクチルヨージド(60.0mmol)、リン酸三カリウム(60.0mmol)をアセトニトリル(50mL)中に懸濁させ、80℃で24時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-03)を得た(収率89%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:497
【0139】
実施例2-2 中間体(AA-04)の合成
【化37】
【0140】
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(6.0mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)中に懸濁させ0℃で撹拌し、その懸濁液に中間単(AA-103)(5.0mmol)を20分かけて滴下した。滴下終了後、室温に戻して2時間攪拌した。さらに、その懸濁液に塩化シアヌル(6.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を0℃で20分かけて滴下した。滴下終了後、60℃で5時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-04)を得た(収率67%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:644
【0141】
実施例2-3 中間体(AA-05)の合成
【化38】
【0142】
窒素雰囲気下、中間体(AA-04)(5.0mmol)、2,3,4-フェニルボロン酸(11.0mmol)、炭酸カリウム水溶液(1M, 20ml)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.05mmol)、及びトルエン(35ml)を加え100℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-05)を得た(収率77%)。

化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:836
【0143】
実施例2-4 化合物(A091)の合成
【化39】
【0144】
窒素雰囲気下、中間体(AA-05)(5.0mmol)、中間体(AA-02)(11.0mmol)、および炭酸カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A091)を得た(収率70%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1848
【0145】
実施例2-4’ (化合物(A091)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A091)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A091)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0146】
[化合物(A043)の合成および金属付着性評価]
実施例3-1 中間体(AA-06)の合成
【化40】
【0147】
窒素雰囲気下、塩化シアヌル(5.0mmol)、2,3,4-トリフルオロフェニルボロン酸(11.0mmol)、炭酸カリウム水溶液(1M, 20ml)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.05mmol)、及びトルエン(35ml)を加え100℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-06)を得た(収率77%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:375
【0148】
実施例3-2 中間体(AA-07)の合成
【化41】
【0149】
窒素雰囲気下、AA-06(5.0mmol)、ビス(トリフルオロエチル)アミン(5.5mmol)、リン酸三カリウム(10.0mmol)、及びTHF(50ml)を加え70℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-07)を得た(収率80%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:520
【0150】
実施例3-3 化合物(A043)の合成
【化42】
【0151】
窒素雰囲気下、中間体(AA-07)(5.0mmol)、中間体(AA-02)(11.0mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A043)を得た(収率60%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1532
【0152】
実施例3-3’ (化合物(A043)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A043)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A043)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0153】
実施例4-1 中間体(AA-08)の合成
【化43】
【0154】
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(3.30mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)中に懸濁させ0℃で撹拌し、その懸濁液に1H,1H-ノナオロ-1-ペンタノール(3.30mmol)を20分かけて滴下した。滴下終了後、室温に戻して2時間攪拌した。さらに、その懸濁液にAA-06(3.00mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を0℃で20分かけて滴下した。滴下終了後、60℃で5時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-08)を得た(収率60%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:589
【0155】
実施例4-2 化合物(A041)の合成
【化44】
【0156】
実施例3-3と同様の方法を用いて化合物(A041)を合成した(収率41%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1601
【0157】
実施例4-2’ (化合物(A041)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A041)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、銀を蒸着速度0.1nm/秒で8nm蒸着した。化合物(A041)が蒸着されている部分に銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0158】
実施例5-1 化合物(A103)の合成
【化45】
【0159】
窒素雰囲気下、パーフルオロナフタレン(5.0mmol)、中間体(AA-02)(11.0mmol)、および炭酸カリウム(60.0mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A103)を得た(収率25%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1284
【0160】
実施例5-1’ (化合物(A103)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A103)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、銀を蒸着速度0.1nm/秒で15nm蒸着した。化合物(A103)が蒸着されている部分に銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0161】
実施例6-1 中間体(AA-09)の合成
【化46】
【0162】
窒素雰囲気下、パーフルオロベンゼン(10.0mmol)、4,5-(トリデカフルオロヘキシル)-1,2-ベンゼンジオール(11.0mmol)、および炭酸カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である中間体(AA-09)を得た(収率50%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:892
【0163】
実施例6-2 化合物(A106)の合成
【化47】
【0164】
窒素雰囲気下、p-クレゾール(5.0mmol)、中間体(AA-09)(5.5mmol)、および炭酸カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A106)を得た(収率50%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:778
【0165】
実施例6-1’ (化合物(A106)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A106)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、銀を蒸着速度0.1nm/秒で15nm蒸着した。化合物(A106)が蒸着されている部分に銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0166】
実施例7-1 化合物(A113)の合成
【化48】
【0167】
窒素雰囲気下、ヒドロキノン(2.5mmol)、中間体(AA-09)(5.5mmol)、および炭酸カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A113)を得た(収率50%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1854
【0168】
実施例7-1’ (化合物(A113)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A113)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、銀を蒸着速度0.1nm/秒で15nm蒸着した。化合物(A113)が蒸着されている部分に銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0169】
実施例8-1 化合物(A128)の合成
【化49】
【0170】
窒素雰囲気下、3-[ビス[4-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]フェノール(5.0mmol)、中間体(AA-09)(5.5mmol)、およびリン酸三カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A128)を得た(収率25%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1269
【0171】
実施例8-1’ (化合物(A128)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A128)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、銀を蒸着速度0.1nm/秒で15nm蒸着した。化合物(A128)が蒸着されている部分に銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0172】
実施例9-1 中間体(AA-10)の合成
【化50】
【0173】
実施例6-1と同様の方法を用いて中間体(AA-10)を合成した(収率62%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:908
【0174】
実施例9-2 化合物(A134)の合成
【化51】
【0175】
窒素雰囲気下、ジパーフルオロフェニルアミン(5.5mmol)、中間体(AA-10)(5.0mmol)、およびリン酸三カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A134)を得た(収率25%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1237
【0176】
実施例9-2’ (化合物(A134)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A134)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、銀を蒸着速度0.1nm/秒で15nm蒸着した。化合物(A134)が蒸着されている部分に銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0177】
実施例10-1 中間体(AA-11)の合成
【化52】
【0178】
窒素雰囲気下、AA-06(5.0mmol)、2-(トリフルオロメチルフェニル-3-イル)-N-[[5-(ノナフルオロブチル)-4-フェニル]チアゾール-2-イル]アミン(5.5mmol)、リン酸三カリウム(10.0mmol)、及びTHF(50ml)を加え70℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-11)を得た(収率45%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:949
【0179】
実施例10-2 化合物(A142)の合成
【化53】
【0180】
窒素雰囲気下、中間体(AA-11)(5.0mmol)、4,5-(トリデカフルオロヘキシル)-1,2-ベンゼンジオール(11.0mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A142)を得た(収率20%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:2361
【0181】
実施例10-2’ (化合物(A142)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A142)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A142)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0182】
実施例11-1 中間体(AA-12)の合成
【化54】
【0183】
窒素雰囲気下、AA-06(5.0mmol)、カルバゾール(5.5mmol)、リン酸三カリウム(10.0mmol)、及びTHF(50ml)を加え70℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-12)を得た(収率56%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:578
【0184】
実施例11-2 化合物(A145)の合成
【化55】
【0185】
窒素雰囲気下、中間体(AA-12)(5.0mmol)、4,5-(トリデカフルオロヘキシル)-1,2-ベンゼンジオール(11.0mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A145)を得た(収率20%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1990
【0186】
実施例11-2’ (化合物(A145)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A145)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A145)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0187】
実施例12―1 中間体(AA-13)の合成
【化56】
【0188】
窒素雰囲気下、AA-06(5.0mmol)、9,9-ジメチル-N-(アダマンタン-1-イル)-9H-フルオレン-2-アミン(5.5mmol)、リン酸三カリウム(10.0mmol)、及びTHF(50ml)を加え70℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-13)を得た(収率41%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:754
【0189】
実施例12-2 化合物(A147)の合成
【化57】
【0190】
窒素雰囲気下、中間体(AA-13)(5.0mmol)、4,5-(トリデカフルオロヘキシル)-1,2-ベンゼンジオール(11.0mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A147)を得た(収率20%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:2167
【0191】
実施例12-2’ 化合物(A147)の金属付着性評価
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A147)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A147)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0192】
実施例13-1 化合物(A155)の合成
【化58】
【0193】
窒素雰囲気下、中間体(AA-09)(5.0mmol)、N-(アントラセン-9-イル)-N-(3,5ジトリフルオロメチルベンゼン-4-イル)-3-ヒドロキシアダマンタン-1-アミン(5.5mmol)、および炭酸カリウム(25mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A155)を得た(収率36%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:1427
【0194】
実施例13-1’ 化合物(A155)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A155)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A155)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0195】
実施例14-1 中間体(AA-14)の合成
【化59】
【0196】
窒素雰囲気下、AA-06(5.0mmol)、4-ヒドロキシトリフェニルアミン(5.5mmol)、リン酸三カリウム(10.0mmol)、及びTHF(50ml)を加え70℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の目的物である中間体(AA-14)を得た(収率68%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:672
【0197】
実施例14-2 化合物(A159)の合成
【化60】
【0198】
窒素雰囲気下、中間体(AA-14)(5.0mmol)、4,5-(トリデカフルオロヘキシル)-1,2-ベンゼンジオール(11.0mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A159)を得た(収率20%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:2084
【0199】
実施例14-2’ 化合物(A159)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A159)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、イッテルビウムを蒸着速度0.01nm/秒で2nm蒸着し、その後、銀を蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A159)が蒸着されている部分にイッテルビウム、及び銀は成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
実施例15-1 化合物(A161)の合成
【化61】
【0200】
窒素雰囲気下、パーフルオロビフェニル(5.0mmol)、6-(トリフルオロメチル)-3,4-ピリジンジオール(11.0mmol)、および炭酸カリウム(3.46g,40mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水(200ml)を加え、室温で30分攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノール(200ml)で洗浄し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A161)を得た(収率50%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:612
【0201】
実施例15-1’ (化合物(A161)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A161)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、マグネシウムを蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A161)が蒸着されている部分にマグネシウムは成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0202】
実施例16-1 化合物(A166)の合成
【化62】
【0203】
窒素雰囲気下、1,2,3,4,4a,10a-ヘキサヒドロ-6,7,8,9-テトラフルオロ-ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(5.0mmol)、N-2-ジベンゾチエニル-2-[(1H,1H-トリデカフルオロ-1-ヘプチル)オキシ]-5-ピリミジルアミン(5.5mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A166)を得た(収率20%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:867
【0204】
実施例16-1’ 化合物(A166)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A166)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、マグネシウムを蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A166)が蒸着されている部分にマグネシウムは成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0205】
実施例17-1 化合物(A175)の合成
【化63】
【0206】
窒素雰囲気下、5,6,7,8-テトラフルオロ-2,3-ジヒドロ-2,3-ジメチル-1,4-ベンゾジオキシン(5.0mmol)、N-1-アダマンチル-3-(ノナフルオロ-1-ブチル)-2-ピリジルアミン(5.5mmol)、および炭酸カリウム(50mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁させ、100℃で12時間撹拌した。室温まで放冷後、純水とクロロホルムを用いて分液し、さらに有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、昇華精製することで白色固体の目的物である化合物(A175)を得た(収率20%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS:662
【0207】
実施例17-1’ 化合物(A175)の金属付着性評価)
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。開口部が20mm×10mmのメタルマスクを配置したガラス基板上に化合物(A175)を蒸着速度0.2nm/秒で100nm成膜した。その後、メタルマスクを取り除き、マグネシウムを蒸着速度0.1nm/秒で20nm蒸着した。化合物(A175)が蒸着されている部分にマグネシウムは成膜されず、20mm×10mm透明な領域が形成された。
【0208】
比較例4-1’ (比較化合物(X001)の金属付着性評価)
【化64】
【0209】
実施例1-3’と同様の方法で、化合物(X001)に対する金属の付着性を評価した。化合物(X001)の膜上にもイッテルビウム、及び銀が成膜され、透明な領域は形成されなかった。
【0210】
比較例4-2’ (比較化合物(X002)の金属付着性評価)
【化65】
【0211】
実施例1-3’と同様の方法で、化合物(X002)に対する金属の付着性を評価した。化合物(X002)の膜上にもイッテルビウム、及び銀が成膜され、透明な領域は形成されなかった。
【0212】
比較例4-3’ (比較化合物(X003)の金属付着性評価)
【化66】
【0213】
実施例1-3’と同様の方法で、化合物(X003)に対する金属の付着性を評価した。化合物(X003)の膜上にもイッテルビウム、及び銀が成膜され、透明な領域は形成されなかった。
【0214】
≪透過率測定≫
金属付着性は透過率測定によって評価が可能であり、金属が付着すると透過率は低下する。また、付着量が多くなるとそれに相関して透過率も低くなる。
【0215】
1-1.化合物を含む金属パターニング材料
実施例1-3” 化合物(A020)の透過率測定
ガラス基板をイソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行い、さらに紫外線オゾン洗浄した後に、真空蒸着装置へ設置し、1.0×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。ガラス基板上に金属パターニング材料である化合物(A020)を蒸着速度0.1nm/秒で20nm成膜した。透過率測定の結果を図1Aに示す。さらに化合物(A020)の薄膜上に、銀とマグネシウム(1:1)を蒸着速度0.1nm/秒で10nm蒸着した。透過率測定の結果を図1Bに示す。図1Bにおいて、金属蒸着後の550~800nmの透過率は「≧80%」であり、金属膜の形成が抑制されていた。
【0216】
実施例2-4” 化合物(A091)の透過率測定
実施例1-3”と同様の方法で、化合物(A091)の透過率を測定した。金属蒸着前および金属蒸着後の透過率測定の結果を、それぞれ図2Aおよび図2Bに示す。
図2Bにおいて、金属蒸着後の550~800nmの透過率は「≧80%」であり、金属膜の形成が抑制されていた。
【0217】
実施例3-3” 化合物(A043)の透過率測定
実施例1-3”と同様の方法で、化合物(A043)の透過率を測定した。金属蒸着前および金属蒸着後の透過率測定の結果を、それぞれ図3Aおよび図3Bに示す。
図3Bにおいて、金属蒸着後の550~800nmの透過率は「≧80%」であり、金属膜の形成が抑制されていた。
【0218】
比較例4-1” 化合物(X001)の透過率測定
実施例1-3”と同様の方法で、化合物(X001)の透過率を測定した。金属蒸着前および金属蒸着後の透過率測定の結果を、それぞれ図4Aおよび図4Bに示す。
図4Bにおいて、金属蒸着後の550~800nmの透過率は「≧30%」であり、金属膜の形成を抑制できなかった。
【0219】
比較例4-2” 化合物(X002)の透過率測定
実施例1-3”と同様の方法で、化合物(X002)の透過率を測定した。金属蒸着前および金属蒸着後の透過率測定の結果を、それぞれ図5Aおよび図5Bに示す。
図4Bにおいて、金属蒸着後の550~800nmの透過率は「≧20%」であり、金属膜の形成を抑制できなかった。
【0220】
上記各化合物の透過率測定の結果を下記表1-1にまとめた。
【0221】
【表1-1】
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B