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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008020
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】配線基板及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/24 20060101AFI20240112BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240112BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20240112BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H05K3/24 A
H01L23/12 N
H01L23/12 F
H05K1/09 C
H05K3/34 502E
H05K3/34 501E
H01L23/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109506
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 修平
【テーマコード(参考)】
4E351
5E319
5E343
【Fターム(参考)】
4E351AA03
4E351AA04
4E351BB01
4E351BB33
4E351BB38
4E351CC06
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD12
4E351DD19
4E351DD20
4E351DD24
4E351GG15
5E319AA03
5E319AA06
5E319AB05
5E319AC02
5E319AC17
5E319BB08
5E319GG03
5E343AA02
5E343AA12
5E343AA17
5E343AA18
5E343BB17
5E343BB18
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB44
5E343BB48
5E343DD33
5E343DD43
5E343ER12
5E343GG20
(57)【要約】
【課題】品質の低下を抑制できる配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板10は、配線層20と、配線層20を被覆するソルダーレジスト層30と、ソルダーレジスト層30を厚さ方向に貫通して配線層20の上面の一部を露出する開口部31とを有する。配線基板10は、開口部31から露出する配線層20上に形成されるとともに、開口部31の内部に形成されためっき層41と、めっき層41の側面53と開口部31の内壁面32との間に設けられた隙間S1と、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の表面全面を被覆するめっき層42とを有する。めっき層41は、ニッケル又はニッケル合金からなる。めっき層42は、めっき層41を構成する金属よりも酸化し難い金属からなる。めっき層42は、隙間S1において、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の側面全面を被覆する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線層と、
前記配線層を被覆する保護絶縁層と、
前記保護絶縁層を厚さ方向に貫通して前記配線層の上面の一部を露出する開口部と、
前記開口部から露出する前記配線層上に形成されるとともに、前記開口部の内部に形成された第1めっき層と、
前記第1めっき層の側面と前記開口部の内壁面との間に設けられた隙間と、
前記保護絶縁層から露出する前記第1めっき層の表面全面を被覆する第2めっき層と、を有し、
前記第1めっき層は、ニッケル又はニッケル合金からなり、
前記第2めっき層は、前記第1めっき層を構成する金属よりも酸化し難い金属からなり、
前記第2めっき層は、前記隙間において、前記保護絶縁層から露出する前記第1めっき層の側面全面を被覆するように形成されている配線基板。
【請求項2】
前記保護絶縁層から露出する前記第2めっき層の表面全面を被覆する第3めっき層を更に有し、
前記第2めっき層は、パラジウム又はパラジウム合金からなり、
前記第3めっき層は、金又は金合金からなる請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記配線層の上面には、前記開口部と連通する凹部が形成されており、
前記凹部は、前記保護絶縁層の下面の一部を露出するように形成されており、
前記第1めっき層は、前記凹部を充填するように形成されている請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1めっき層は、前記凹部を充填する充填部と、前記充填部の上面から上方に突出する柱状部とを有し、
前記第2めっき層は、前記柱状部の上面全面と、前記柱状部の側面全面と、前記柱状部から露出する前記充填部の上面全面とを被覆するように形成されている請求項3に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1めっき層は、前記配線層の上面から上方に突出する柱状部を有し、
前記柱状部は、前記保護絶縁層から露出する前記配線層の上面の一部を露出するように形成されており、
前記第2めっき層は、前記柱状部の上面全面と、前記柱状部の側面全面と、前記柱状部及び前記保護絶縁層から露出する前記配線層の上面全面とを被覆するように形成されている請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第1めっき層は、前記第1めっき層の上面の外縁部に設けられた突出部を有し、
前記突出部は、前記第1めっき層の上面の他の部分よりも上方に突出して形成されている請求項1に記載の配線基板。
【請求項7】
前記突出部は、前記第1めっき層の平面中心側から前記第1めっき層の上面の外縁端に向かうに連れて突出量が大きくなるように形成されている請求項6に記載の配線基板。
【請求項8】
配線層を被覆するとともに、前記配線層の上面の一部を露出する開口部を有する保護絶縁層を形成する工程と、
無電解めっき法により、前記開口部から露出する前記配線層上に、ニッケル又はニッケル合金からなる第1めっき層を形成する工程と、
前記第1めっき層の一部をエッチングし、前記第1めっき層の側面と前記開口部の内壁面との間に隙間を形成する工程と、
無電解めっき法により、前記保護絶縁層から露出する前記第1めっき層の表面全面を被覆する第2めっき層を形成する工程と、を有し、
前記第2めっき層は、前記第1めっき層を構成する金属よりも酸化し難い金属からなり、
前記第2めっき層は、前記隙間において、前記保護絶縁層から露出する前記第1めっき層の側面全面を被覆するように形成される配線基板の製造方法。
【請求項9】
無電解めっき法により、前記保護絶縁層から露出する前記第2めっき層の表面全面を被覆する第3めっき層を形成する工程を更に有し、
前記第2めっき層は、パラジウム又はパラジウム合金からなり、
前記第3めっき層は、金又は金合金からなり、
前記第3めっき層は、前記隙間において、前記保護絶縁層から露出する前記第2めっき層の側面全面を被覆するように形成される請求項8に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記第1めっき層を形成する工程の前に、前記開口部から露出する前記配線層の上面に凹部を形成する工程を更に有し、
前記第1めっき層は、前記凹部を充填するとともに、前記開口部の内部に突出するように形成される請求項8又は請求項9に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及び配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子等の電子部品を実装するための配線基板は、様々な形状・構造のものがある。従来の配線基板としては、配線層の形成されたベース基板上にソルダーレジスト層を形成し、そのソルダーレジスト層を厚さ方向に貫通する開口部の底部に露出する配線層を接続パッドとした配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の配線基板では、ソルダーレジスト層の開口部に露出する配線層上にニッケル(Ni)層とパラジウム(Pd)層と金(Au)層とが積層された外装めっき層が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-179797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無電解めっき法によりNi層が形成されると、Ni層がソルダーレジスト層に密着しないため、Ni層の側面とソルダーレジスト層の開口部の内壁面との間に小さな隙間が形成される。この隙間にはPd層及びAu層を形成する際のめっき液が入り込みにくいため、Ni層の側面にPd層及びAu層が形成されない場合がある。この場合には、上記隙間においてNi層が露出した状態となる。このとき、後工程において上記隙間に洗浄水が入り込むと、AuとNiのイオン化傾向の相違に起因する局部電池効果によってNi層から洗浄水にNiが溶出する。これにより、洗浄水がNiで汚染されると、洗浄水を通じてNiがAu層の表面に付着し、その付着したNiに起因してAu層の表面が変色するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、配線層と、前記配線層を被覆する保護絶縁層と、前記保護絶縁層を厚さ方向に貫通して前記配線層の上面の一部を露出する開口部と、前記開口部から露出する前記配線層上に形成されるとともに、前記開口部の内部に形成された第1めっき層と、前記第1めっき層の側面と前記開口部の内壁面との間に設けられた隙間と、前記保護絶縁層から露出する前記第1めっき層の表面全面を被覆する第2めっき層と、を有し、前記第1めっき層は、ニッケル又はニッケル合金からなり、前記第2めっき層は、前記第1めっき層を構成する金属よりも酸化し難い金属からなり、前記第2めっき層は、前記隙間において、前記保護絶縁層から露出する前記第1めっき層の側面全面を被覆するように形成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一観点によれば、品質の低下を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の配線基板を示す概略断面図である。
図2】一実施形態の配線基板の一部を示す概略断面図である。
図3】一実施形態の半導体装置を示す概略断面図である。
図4】(a),(b)は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図5】(a),(b)は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図6】(a),(b)は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図7】変更例の配線基板の一部を示す概略断面図である。
図8】変更例の配線基板の一部を示す概略断面図である。
図9】変更例の配線基板の一部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、便宜上、特徴を分かりやすくするために特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを梨地模様に代えて示し、一部の部材のハッチングを省略している。なお、本明細書において、「平面視」とは、対象物を図1等の鉛直方向(図中上下方向)から見ることを言い、「平面形状」とは、対象物を図1等の鉛直方向から見た形状のことを言う。本明細書における「上下方向」及び「左右方向」は、各図面において各部材を示す符号が正しく読める向きを正位置とした場合の方向である。また、本明細書における「平行」、「直交」や「垂直」は、厳密に平行、直交や垂直の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行、直交や垂直の場合も含まれる。また、本明細書において「等しい」とは、正確に等しい場合の他、寸法公差等の影響により比較対象同士に多少の相違がある場合も含む。
【0009】
(配線基板10の全体構成)
まず、図1及び図2に従って、配線基板10の構造について説明する。
図1に示すように、配線基板10は、例えば、基板本体11を有している。配線基板10は、例えば、基板本体11の上面に配線層20とソルダーレジスト層30とが順に積層された構造を有している。配線基板10は、ソルダーレジスト層30から露出する配線層20の上面に形成された外装めっき層40を有している。配線基板10は、例えば、基板本体11の下面に配線層60とソルダーレジスト層70とが順に積層された構造を有している。配線基板10は、ソルダーレジスト層70から露出する配線層60の下面に形成された外装めっき層80を有している。
【0010】
基板本体11としては、例えば、絶縁樹脂層と配線層とが交互に積層された配線構造体を用いることができる。配線構造体は、例えば、コア基板を有してもよいし、コア基板を有していなくてもよい。絶縁樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性の絶縁性樹脂を用いることができる。熱硬化性の絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂やシアネート樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。また、絶縁樹脂層の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂などの感光性樹脂を主成分とする絶縁性樹脂を用いることもできる。絶縁樹脂層は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。
【0011】
基板本体11の配線層や配線層20,60の材料としては、例えば、銅(Cu)や銅合金を用いることができる。ソルダーレジスト層30,70の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂などの感光性樹脂を主成分とする絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト層30,70は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。
【0012】
(配線層20の構造)
配線層20は、基板本体11の上面に形成されている。配線層20は、配線基板10の最上層の配線層である。配線層20の平面形状は、任意の形状及び大きさに設定することができる。本例の配線層20の平面形状は、円形状に形成されている。配線層20の上面には、基板本体11側に凹む凹部21が形成されている。凹部21の平面形状は、任意の形状及び大きさに設定することができる。本例の凹部21の平面形状は、円形状に形成されている。
【0013】
(ソルダーレジスト層30の構造)
ソルダーレジスト層30は、配線層20を被覆するように、基板本体11の上面に積層されている。ソルダーレジスト層30は、配線基板10の最外層(ここでは、最上層)の絶縁層である。なお、配線層20の上面からソルダーレジスト層30の上面までの厚さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。
【0014】
ソルダーレジスト層30には、当該ソルダーレジスト層30を厚さ方向に貫通して配線層20の上面の一部を接続パッドP1として露出させるための複数の開口部31が形成されている。接続パッドP1は、例えば、半導体素子91(図3参照)などの電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用のパッドとして機能する。
【0015】
開口部31は、例えば、配線層20の凹部21と連通するように形成されている。開口部31は、例えば、凹部21の内面を露出するように形成されている。開口部31の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさに設定することができる。開口部31の平面形状は、例えば、凹部21の平面形状と同様の形状に形成されている。本例の開口部31の平面形状は、円形状に形成されている。開口部31の深さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。
【0016】
図2に示すように、本例の開口部31は、図2において上側(ソルダーレジスト層30の上面側)から下側(配線層20側)に向かうに連れて開口幅(開口径)が小さくなるテーパ状に形成されている。開口部31の内壁面32は、例えば、開口部31の上側の開口端から下側の開口端に向かうに連れて、開口部31の内方(つまり、開口部31の平面中心)に近づくように傾斜して形成されている。なお、内壁面32は、平面である必要はなく、内壁面32の一部又は全部が凸状の曲面や凹状の曲面であってもよい。本例の内壁面32は、断面視において、段差無く直線状に延びるように傾斜した平面に形成されている。すなわち、本例の内壁面32は、一定の傾斜角度で傾斜するように形成されている。
【0017】
内壁面32の下端は、例えば、配線層20の凹部21の内側に突出するように形成されている。内壁面32の下端は、例えば、凹部21の上方に設けられている。内壁面32の下端は、平面視において、凹部21の外周部と重なる位置に設けられている。内壁面32の下端は、凹部21の上部において、その凹部21の内側にリング状に突出するように形成されている。
【0018】
ここで、凹部21は、開口部31と連通するように形成されている。凹部21は、例えば、配線層20の上面から配線層20の厚さ方向の中途位置まで形成されている。すなわち、凹部21は、その底面が配線層20の厚さ方向の中途に位置するように形成されており、配線層20の厚さ方向に貫通しないように形成されている。
【0019】
凹部21の上側の開口端における凹部21の開口幅は、開口部31の下側の開口端における開口部31の開口幅よりも大きい開口幅に設定されている。凹部21は、例えば、ソルダーレジスト層30の下面の一部を露出させるように、内壁面32の下端からソルダーレジスト層30の内側に食い込むように形成されている。凹部21の上側の開口端は、平面視において、内壁面32の下端よりも開口部31の平面中心から離れた位置に設けられている。凹部21の上側の開口端は、例えば、平面視において、開口部31の上側の開口端よりも開口部31の平面中心に近い位置に設けられている。
【0020】
凹部21の断面形状は、例えば、半円形又は半楕円形に形成されている。ここで、本明細書において、「半円形」とは、真円を二等分した半円のみではなく、例えば、半円よりも円弧が長いものや短いものも含む。また、本明細書において、「半楕円形」とは、楕円を二等分した半楕円のみではなく、例えば、半楕円よりも円弧が長いものや短いものも含む。凹部21の内面は、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。凹部21の内面は、例えば、凹部21の上側の開口端から凹部21の平面中心に近づくに連れて、下方に湾曲するように形成されている。凹部21の深さは、例えば、2μm~7μm程度とすることができる。凹部21の平面形状は、例えば、開口部31の平面形状と同心円状に形成されている。
【0021】
(外装めっき層40の構造)
外装めっき層40は、開口部31の底部に露出する配線層20上に形成されている。外装めっき層40は、例えば、めっき層41と、めっき層42と、めっき層43とを有している。本例の外装めっき層40は、開口部31の底部に露出する配線層20上に、めっき層41とめっき層42とめっき層43とがこの順番で積層された構造を有している。これらめっき層41,42,43としては、無電解めっき法により形成された金属層、つまり無電解めっき層を用いることができる。
【0022】
めっき層41は、ニッケル(Ni)又はNi合金からなるNi層である。Ni層であるめっき層41は、例えば、配線層20等に含まれるCuがめっき層42,43に拡散するのを防止する拡散防止機能を有している。めっき層42,43は、配線層20を構成する金属(ここでは、Cu)よりも酸化し難い金属から構成されており、配線層20の酸化を防止する酸化防止機能を有している。めっき層42,43は、めっき層41を構成する金属(ここでは、Ni)よりも酸化し難い金属から構成されている。めっき層42は、例えば、パラジウム(Pd)又はPd合金からなるPd層である。めっき層43は、例えば、金(Au)又はAu合金からなるAu層である。Pd層であるめっき層42は、バリア性に優れており、熱などによるAuとNiとの相互拡散を抑制する機能を有している。
【0023】
めっき層41は、開口部31の底部に露出する配線層20上に形成されている。めっき層41は、例えば、凹部21を充填するとともに、開口部31の内部に形成されている。めっき層41は、例えば、凹部21を充填する充填部51と、開口部31の内部において充填部51よりも上方に突出する柱状部52とを有している。めっき層41は、例えば、充填部51と柱状部52とが連続して一体に形成されている。
【0024】
充填部51は、例えば、凹部21に露出するソルダーレジスト層30の下面を被覆するように形成されている。充填部51は、凹部21と同様の形状に形成されている。本例の充填部51の断面形状は、半円形又は半楕円形に形成されている。本例の充填部51の平面形状は、円形状に形成されている。
【0025】
柱状部52は、例えば、配線層20の上面よりも上方に突出するように形成されている。柱状部52の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさに設定することができる。柱状部52の平面形状は、例えば、開口部31の平面形状と同様の形状に形成されている。本例の柱状部52の平面形状は、円形状に形成されている。柱状部52の厚さは、例えば、3μm~10μm程度とすることができる。柱状部52の平面形状の大きさは、開口部31の平面形状よりも小さく形成されている。柱状部52の平面形状の大きさは、例えば、柱状部52の厚さ方向の全長にわたって、開口部31の平面形状よりも一回り小さく形成されている。
【0026】
本例の柱状部52は、図2において上側(柱状部52の上面側)から下側(配線層20側)に向かうに連れて幅(直径)が小さくなるテーパ状に形成されている。柱状部52は、例えば、上面の直径が下面の直径よりも大径となる逆円錐台形状に形成されている。柱状部52の下面の直径は、例えば、充填部51の上面の直径よりも小径に形成されている。柱状部52の上面の直径は、例えば、充填部51の上面の直径よりも小径に形成されている。柱状部52の側面53は、例えば、柱状部52の上面から柱状部52の下面に向かうに連れて、柱状部52の平面中心に近づくように傾斜して形成されている。なお、側面53は、平面である必要はなく、側面53の一部又は全部が凸状の曲面や凹状の曲面であってもよい。本例の側面53は、断面視において、段差無く直線状に延びるように傾斜した平面に形成されている。すなわち、本例の側面53は、一定の傾斜角度で傾斜するように形成されている。側面53は、例えば、開口部31の内壁面32の傾斜角度と等しい傾斜角度で傾斜するように形成されている。側面53は、例えば、開口部31の内壁面32と平行に延びるように形成されている。側面53は、柱状部52の厚さ方向と直交する平面方向において、開口部31の内壁面32と離れて設けられている。柱状部52の側面53と開口部31の内壁面32との間には、隙間S1が設けられている。隙間S1は、柱状部52の周方向全周にわたって連続して形成されている。隙間S1は、例えば、柱状部52の厚さ方向の全長にわたって延びるように形成されている。隙間S1の幅、つまり柱状部52の側面53と開口部31の内壁面32との間の間隔は、例えば、0.5μm~13μm程度とすることができる。
【0027】
めっき層42は、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の表面全面を被覆するように形成されている。めっき層42は、例えば、柱状部52の上面全面を被覆するとともに、柱状部52の側面53全面を被覆するように形成されている。めっき層42は、例えば、隙間S1において、ソルダーレジスト層30から露出する柱状部52の側面53全面を被覆するように形成されている。めっき層42は、例えば、隙間S1において、柱状部52及びソルダーレジスト層30から露出する部分の充填部51の上面全面を被覆するように形成されている。めっき層42は、例えば、柱状部52の上面と柱状部52の側面53と充填部51の上面とを連続して被覆するように形成されている。柱状部52の上面を被覆する部分のめっき層42の厚さは、例えば、柱状部52の側面53及び充填部51の上面を被覆する部分のめっき層42の厚さよりも厚く形成されている。柱状部52の上面を被覆する部分のめっき層42の厚さは、例えば、0.02μm~0.06μm程度とすることができる。柱状部52の側面53及び充填部51の上面を被覆する部分のめっき層42の厚さは、例えば、0.01μm~0.04μm程度とすることができる。
【0028】
めっき層43は、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層42の表面全面を被覆するように形成されている。めっき層43は、例えば、柱状部52の上面を被覆する部分のめっき層42の上面全面を被覆するとともに、柱状部52の側面53を被覆する部分のめっき層42の側面全面を被覆するように形成されている。めっき層43は、例えば、隙間S1において、めっき層42の側面全面を被覆するように形成されている。めっき層43は、例えば、隙間S1において、充填部51の上面を被覆する部分のめっき層42の上面全面を被覆するように形成されている。柱状部52の上面に設けられためっき層42を被覆する部分のめっき層43の厚さは、例えば、隙間S1の内部に設けられためっき層43の厚さよりも厚く形成されている。柱状部52の上面に設けられためっき層42を被覆する部分のめっき層43の厚さは、例えば、0.03μm~0.09μm程度とすることができる。隙間S1の内部に設けられためっき層43、つまりめっき層42の側面を被覆する部分のめっき層43及び充填部51の上面に設けられためっき層42を被覆する部分のめっき層43の厚さは、例えば、0.01μm~0.05μm程度とすることができる。
【0029】
めっき層43の側面は、例えば、平面方向において、開口部31の内壁面32と離れて設けられている。めっき層43の側面と開口部31の内壁面32との間には、隙間が設けられている。この隙間は、開口部31の周方向全周にわたって連続して形成されている。柱状部52の上面に設けられためっき層42の上面を被覆する部分のめっき層43の上面は、例えば、ソルダーレジスト層30の上面よりも下方に設けられている。すなわち、外装めっき層40は、開口部31の内部に設けられており、ソルダーレジスト層30の上面よりも上方に突出しないように形成されている。
【0030】
以上説明した外装めっき層40は、半導体素子91(図3参照)などの電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用の接続端子として機能する。
(配線層60の構造)
図1に示すように、配線層60は、基板本体11の下面に形成されている。配線層60は、配線基板10の最下層の配線層である。配線層60の平面形状は、任意の形状及び大きさに設定することができる。本例の配線層60の平面形状は、円形状に形成されている。配線層60の下面には、基板本体11側に凹む凹部61が形成されている。凹部61は、例えば、凹部21と同様の構造を有している。このため、凹部61の構造についての詳細な説明を省略する。本例の凹部61の平面形状は、円形状に形成されている。
【0031】
(ソルダーレジスト層70の構造)
ソルダーレジスト層70は、配線層60を被覆するように、基板本体11の下面に積層されている。ソルダーレジスト層70は、配線基板10の最外層(ここでは、最下層)の絶縁層である。なお、配線層60の下面からソルダーレジスト層70の下面までの厚さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。
【0032】
ソルダーレジスト層70には、当該ソルダーレジスト層70を厚さ方向に貫通して配線層60の下面の一部を外部接続用パッドP2として露出させるための複数の開口部71が形成されている。外部接続用パッドP2は、例えば、マザーボードなどの実装基板と電気的に接続するためのパッドとして機能する。
【0033】
開口部71は、例えば、開口部31と同様の構造を有している。このため、開口部71の構造についての詳細な説明を省略する。開口部71は、例えば、配線層60の凹部61と連通するように形成されている。開口部71は、例えば、凹部61の内面を露出するように形成されている。本例の開口部71の平面形状は、円形状に形成されている。本例の開口部71は、図1において下側(ソルダーレジスト層70の下面側)から上側(配線層60側)に向かうに連れて開口幅(開口径)が小さくなるテーパ状に形成されている。
【0034】
(外装めっき層80の構造)
外装めっき層80は、開口部71の底部に露出する配線層60上に形成されている。外装めっき層80は、例えば、外装めっき層40と同様の構造を有している。このため、外装めっき層80の構造についての詳細な説明を省略する。本例の外装めっき層80は、開口部71の底部に露出する配線層60の下面に、めっき層41とめっき層42とめっき層43とがこの順番で積層された構造を有している。外装めっき層80のめっき層41は、例えば、凹部61を充填する充填部51と、開口部71の内部において充填部51よりも下方に突出する柱状部52とを有している。外装めっき層80の柱状部52の側面53と開口部71の内壁面との間には、隙間S2が設けられている。隙間S2は、柱状部52の周方向全周にわたって連続して形成されている。外装めっき層80のめっき層42は、例えば、ソルダーレジスト層70から露出する外装めっき層80のめっき層41の表面全面を被覆するように形成されている。外装めっき層80のめっき層42は、例えば、隙間S2において、ソルダーレジスト層70から露出する外装めっき層80の柱状部52の側面53全面及び充填部51の上面全面を被覆するように形成されている。外装めっき層80のめっき層43は、ソルダーレジスト層70から露出する外装めっき層80のめっき層42の表面全面を被覆するように形成されている。
【0035】
以上説明した外装めっき層80は、配線基板10をマザーボード等の実装基板に実装する際に使用される外部接続端子として機能する。すなわち、本例の配線基板10では、外装めっき層80自体が外部接続端子として機能する。
【0036】
なお、配線基板10は、天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。
(半導体装置90の構造)
次に、図3に従って、半導体装置90の構造について説明する。
【0037】
半導体装置90は、配線基板10と、1つ又は複数(ここでは、1つ)の半導体素子91と、アンダーフィル樹脂95とを有している。
(半導体素子91の構造)
半導体素子91は、例えば、半導体素子91の回路形成面に形成された複数の接続端子92を有している。半導体素子91は、配線基板10にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体素子91の接続端子92は、配線基板10の外装めっき層40に電気的に接続されている。半導体素子91の接続端子92は、はんだ層93を介して外装めっき層40及び配線層20に電気的に接続されている。これにより、半導体素子91は、接続端子92、はんだ層93及び外装めっき層40を介して配線層20と電気的に接続されている。このとき、はんだ層93は、外装めっき層40に接合されるとともに、接続端子92に接合されている。はんだ層93は、例えば、開口部31を充填するように形成されている。
【0038】
半導体素子91としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどのロジックチップを用いることができる。また、半導体素子91としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)チップやSRAM(Static Random Access Memory)チップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることができる。なお、配線基板10に複数の半導体素子91を搭載する場合には、ロジックチップとメモリチップとを組み合わせて配線基板10に搭載するようにしてもよい。
【0039】
(接続端子92の構造)
接続端子92としては、例えば、金属ポストを用いることができる。接続端子92は、例えば、半導体素子91の回路形成面から下方に延びる柱状の接続端子である。本例の接続端子92は、円柱状に形成されている。接続端子92の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。なお、接続端子92としては、金属ポストの他に、例えば金バンプを用いることもできる。
【0040】
(はんだ層93の構造)
はんだ層93としては、例えば、鉛フリーはんだのはんだめっきを用いることができる。はんだめっきの材料としては、例えば、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系の鉛フリーはんだを用いることができる。
【0041】
(アンダーフィル樹脂95の構造)
アンダーフィル樹脂95は、配線基板10と半導体素子91との間の隙間を充填するように設けられている。アンダーフィル樹脂95の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。
【0042】
なお、本実施形態において、めっき層41は第1めっき層の一例、めっき層42は第2めっき層の一例、めっき層43は第3めっき層の一例である。
(配線基板10の製造方法)
次に、図4図6に従って、配線基板10の製造方法について説明する。ここでは、配線基板10の外装めっき層40の製造方法について詳述する。なお、説明の便宜上、最終的に配線基板10の各構成要素となる部分には、最終的な構成要素の符号を付して説明する。
【0043】
まず、図4(a)に示すように、基板本体11の上面に配線層20が形成され、配線層20の上面の一部を露出する開口部31を有するソルダーレジスト層30が基板本体11の上面に形成された構造体を準備する。この構造体は、公知の製造方法により製造することが可能であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0044】
次に、図4(b)に示す工程では、ソルダーレジスト層30の開口部31から露出する配線層20の上面に、開口部31と連通する凹部21を形成する。凹部21は、例えば、ソルダーレジスト層30をエッチングマスクとして配線層20をウェットエッチングすることにより形成できる。このようなウェットエッチングを配線層20に対して施した場合には、エッチングが配線層20の面内方向に進行するサイドエッチ現象により、配線層20の凹部21を開口部31の底部から外側に食い込むように形成することができる。すなわち、配線層20の上面に、開口部31の下側の開口端における開口幅よりも大きい開口幅を有する凹部21を形成することができる。この凹部21は、ソルダーレジスト層30の下面の一部を露出するように形成される。
【0045】
次に、図5(a)に示す工程では、開口部31から露出する配線層20の上面に、ニッケル又はニッケル合金からなるめっき層41を形成する。めっき層41は、無電解めっき法、ここでは無電解Niめっき法により形成することができる。めっき層41は、開口部31の内部において、配線層20の上面よりも上方に突出するように形成される。本例のめっき層41は、凹部21を充填するとともに、開口部31の内部に突出するように形成される。これにより、凹部21を充填する充填部51と、充填部51の上面から上方に突出する柱状部52とを有するめっき層41が形成される。めっき層41の柱状部52は、例えば、開口部31の下部を充填するように形成される。但し、めっき層41がソルダーレジスト層30に密着しないため、柱状部52の側面53とソルダーレジスト層30の開口部31の内壁面32との間には小さな隙間S1aが形成されている。この隙間S1aは、図2に示した隙間S1よりも小さい隙間である。隙間S1aの幅は、例えば、数nm~300nm程度とすることができる。
【0046】
続いて、図5(b)に示す工程では、めっき層41の一部をエッチングし、めっき層41の側面53と開口部31の内壁面32との間に隙間S1を形成する。例えば、ソルダーレジスト層30及び配線層20に対してめっき層41の一部を選択的にエッチング除去することにより、図5(a)に示した隙間S1aを拡大して隙間S1を形成する。具体的には、柱状部52の上面の一部及び柱状部52の側面53の一部をエッチング除去することにより、柱状部52の上面側及び側面53側から柱状部52を薄化する。柱状部52が側面53側から薄化されることにより、柱状部52の側面53と開口部31の内壁面32との間隔が広がって隙間S1が形成される。隙間S1の幅は、例えば、0.5μm~13μm程度とすることができる。本工程で使用するエッチング液としては、例えば、過酸化水素・硝酸系の水溶液等のエッチング液を用いることができる。
【0047】
次いで、図6(a)に示す工程では、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の表面全面を被覆するめっき層42を形成する。めっき層42は、無電解めっき法、ここでは無電解Pdめっき法により形成することができる。めっき層42は、柱状部52の上面全面を被覆するように形成される。めっき層42は、隙間S1において、柱状部52の側面53全面を被覆するように形成される。めっき層42は、隙間S1において、柱状部52から露出する充填部51の上面全面を被覆するように形成される。本工程において、柱状部52の側面53と開口部31の内壁面32との間の隙間S1が大きく形成されているため、その隙間S1にめっき液が入り込みやすくなる。これにより、柱状部52の側面53全面を被覆するようにめっき層42を好適に形成することができる。また、柱状部52から露出する充填部51の上面全面を被覆するようにめっき層42を好適に形成することができる。この結果、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の表面全面を被覆するめっき層42を好適に形成することができる。
【0048】
次に、図6(b)に示す工程では、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層42の表面全面を被覆するめっき層43を形成する。めっき層43は、無電解めっき法、ここでは無電解Auめっき法により形成することができる。めっき層43は、柱状部52の上面に形成されためっき層42の上面全面を被覆するように形成される。めっき層43は、隙間S1において、柱状部52の側面53に形成されためっき層42の側面全面を被覆するように形成される。めっき層43は、隙間S1において、充填部51の上面に形成されためっき層42の上面全面を被覆するように形成される。
【0049】
以上の製造工程により、図2に示した外装めっき層40を形成することができる。なお、ここでは説明を省略するが、図1に示した外装めっき層80も同様の方法により製造することができる。
【0050】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)めっき層41の側面53とソルダーレジスト層30の開口部31の内壁面32との間に隙間S1を設け、その隙間S1において、めっき層41の側面53を被覆するめっき層42,43を形成するようにした。この構成によれば、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の側面53がめっき層42,43により被覆されるため、隙間S1に洗浄水が入り込んだ場合であっても、めっき層41から洗浄水にNiが溶出されることを抑制できる。これにより、めっき層43の表面にNiが付着することを抑制できるため、めっき層43の表面が変色することを抑制できる。この結果、配線基板10の品質が低下することを好適に抑制できる。
【0051】
(2)Pd又はPd合金からなるめっき層42の表面を被覆するめっき層43を設けるようにした。めっき層43は、Au又はAu合金からなる。この構成では、Ni層であるめっき層41と、Au層であるめっき層43との間に、バリア性の高いPd層であるめっき層42が介在される。このため、熱などによるAuとNiとの相互拡散を抑制することができる。
【0052】
(3)配線層20の上面に、開口部31に連通するとともにソルダーレジスト層30の下面の一部を露出する凹部21を形成し、その凹部21を充填するようにめっき層41を形成した。この構成によれば、めっき層41がソルダーレジスト層30と平面視で部分的に重なるように形成される。このため、めっき層41がソルダーレジスト層30から脱離することを好適に抑制できる。
【0053】
(4)めっき層42は、めっき層41の柱状部52の上面全面と、柱状部52の側面53全面と、柱状部52から露出する充填部51の上面全面とを被覆するように形成される。この構成によれば、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の表面全面をめっき層42により好適に被覆することができる。これにより、隙間S1に洗浄水が入り込んだ場合であっても、洗浄水にめっき層41からNiが溶出されることを好適に抑制できる。
【0054】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0055】
・上記実施形態の外装めっき層40では、めっき層43の側面とソルダーレジスト層30の開口部31の内壁面32との間に隙間を設けるようにしたが、これに限定されない。
例えば図7に示すように、めっき層43の側面と開口部31の内壁面32との間に隙間を設けなくてもよい。この場合には、めっき層43の側面が開口部31の内壁面32に接触又は密着している。なお、外装めっき層80についても同様に変更することができる。
【0056】
・例えば図8に示すように、めっき層41が、めっき層41の上面の外縁部に設けられた突出部55を有するようにしてもよい。突出部55は、例えば、柱状部52の上面の外縁部に設けられている。突出部55は、例えば、柱状部52の上面の他の部分よりも上方に突出して形成されている。突出部55は、例えば、柱状部52の周方向の全周にわたって連続して形成されている。突出部55は、例えば、柱状部52の平面中心側から柱状部52の上面の外縁端に向かうに連れて突出量が大きくなるように形成されている。突出部55は、例えば、円弧状に湾曲した曲面56を有している。曲面56は、柱状部52の平面中心側から柱状部52の上面の外縁端に向かうに連れて、上方に膨らむように湾曲している。この場合のめっき層42は、曲面56を含む柱状部52の上面全面と、柱状部52の側面53全面と、柱状部52から露出する充填部51の上面全面とを被覆するように形成されている。また、この場合のめっき層43は、めっき層42の表面全面を被覆するように形成されている。なお、外装めっき層80についても同様に変更することができる。
【0057】
・例えば図9に示すように、配線層20の上面に凹部21を設けないようにしてもよい。この場合のめっき層41は、例えば、開口部31から露出する配線層20の上面から上方に突出する柱状部52のみを有している。柱状部52は、例えば、図2に示した柱状部52と同様の構造を有している。柱状部52は、例えば、ソルダーレジスト層30から露出する配線層20の上面の一部を露出するように形成されている。換言すると、柱状部52の側面53と開口部31の内壁面32との間に設けられた隙間S1の底部には、配線層20の上面の一部が露出されている。この場合のめっき層42は、柱状部52の上面全面と、柱状部52の側面53全面と、柱状部52及びソルダーレジスト層30から露出する配線層20の上面全面とを被覆するように形成されている。また、この場合のめっき層43は、めっき層42の表面全面を被覆するように形成されている。
【0058】
この構成によれば、ソルダーレジスト層30から露出するめっき層41の表面全面、及びソルダーレジスト層30から露出する配線層20の表面全面をめっき層42により好適に被覆することができる。これにより、隙間S1に洗浄水が入り込んだ場合であっても、洗浄水にめっき層41からNiや配線層20からCuが溶出されることを好適に抑制できる。
【0059】
同様に、配線層60の下面に凹部61を設けないようにしてもよい。この場合の外装めっき層80は、図9に示した外装めっき層40と同様の構造に形成することができる。
・上記実施形態では、外装めっき層40として、配線層20の上面から、Ni層であるめっき層41と、Pd層であるめっき層42と、Au層であるめっき層43とを順に積層しためっき層を採用した。これに限らず、外装めっき層40として、例えば、配線層20の上面から、Ni層とAu層とを順に積層しためっき層、Ni層とPd層と銀(Ag)層とを順に積層しためっき層、Ni層とPd層とAg層とAu層とを順に積層しためっき層を採用することができる。なお、外装めっき層80についても同様に変更することができる。
【0060】
・上記実施形態のめっき層42において、柱状部52の上面を被覆する部分の厚さと、柱状部52の側面53を被覆する部分の厚さとを等しい厚さに形成してもよい。
・上記実施形態のめっき層43において、柱状部52の上面に形成されためっき層42の上面を被覆する部分の厚さと、柱状部52の側面53に形成されためっき層42の側面を被覆する部分の厚さとを等しい厚さに形成してもよい。
【0061】
・上記実施形態のソルダーレジスト層30の開口部31の内壁面32を、断面視において、ソルダーレジスト層30の上面に対して垂直に延びるように形成してもよい。この場合の柱状部52の側面53は、断面視において、ソルダーレジスト層30の上面に対して垂直に延びるように形成される。同様に、ソルダーレジスト層70の開口部71の内壁面を、断面視において、ソルダーレジスト層70の下面に対して垂直に延びるように形成してもよい。
【0062】
・上記実施形態の配線基板10における外装めっき層40,80のいずれか一方を省略してもよい。
・上記実施形態では、配線基板10の最外層となる保護絶縁層の一例としてソルダーレジスト層30,70を例示したが、各種の感光性を有する絶縁性樹脂から保護絶縁層を形成することができる。
【0063】
・上記実施形態の半導体装置90におけるアンダーフィル樹脂95を省略してもよい。
・上記実施形態の半導体装置90では、外装めっき層80自体を外部接続端子としたが、これに限定されない。例えば、外装めっき層80上にはんだボールやリードピン等の外部接続端子を設けるようにしてもよい。
【0064】
・上記実施形態の配線基板10に、半導体素子91の代わりに、チップコンデンサ、チップ抵抗やチップインダクタ等のチップ部品や水晶振動子などの半導体素子91以外の電子部品を実装するようにしてもよい。
【0065】
・上記実施形態の配線基板10を、CSP(Chip Size Package)やSON(Small Out line Non-Lead Package)等のパッケージに用いられる配線基板に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 配線基板
11 基板本体
20 配線層
21 凹部
30 ソルダーレジスト層(保護絶縁層)
31 開口部
32 内壁面
40 外装めっき層
41 めっき層
42 めっき層
43 めっき層
51 充填部
52 柱状部
53 側面
55 突出部
56 曲面
60 配線層
61 凹部
70 ソルダーレジスト層(保護絶縁層)
71 開口部
80 外装めっき層
90 半導体装置
91 半導体素子
S1 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9