(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080697
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204810
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0166967
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソンウク
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA03
4M118CA04
4M118CA07
4M118CA09
4M118CA34
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118GC08
4M118GC14
4M118GD04
4M118GD07
(57)【要約】
【課題】ディープトレンチアイソレーション(DTI)構造を用いてオーバーレイ分析を行うことができるイメージセンシング装置を提供する。
【解決手段】本技術の一実施形態に係るイメージセンシング装置は、入射光を電気的信号に変換する光電変換素子212を含むピクセル領域110、およびピクセル領域110を囲むようにピクセル領域110の外郭に位置し、光電変換素子212を含まないダミー領域130を含む半導体基板210と、ピクセル領域110で半導体基板210上に位置し、入射光を対応する光電変換素子212に集光させる第1マイクロレンズ262と、ダミー領域130で半導体基板210上に位置し、第1マイクロレンズ262とは分離された第2マイクロレンズ264と、第2マイクロレンズ264とアラインするようにダミー領域130の半導体基板210内に位置する少なくとも1つのアラインパターン216と、を含むことができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を電気的信号に変換する光電変換素子を含むピクセル領域、および前記ピクセル領域を囲むように前記ピクセル領域の外郭に位置し、前記光電変換素子を含まないダミー領域を含む半導体基板と、
前記ピクセル領域で前記半導体基板上に位置し、前記入射光を対応する光電変換素子に集光させる第1マイクロレンズと、
前記ダミー領域で前記半導体基板上に位置し、前記第1マイクロレンズとは分離された第2マイクロレンズと、
前記第2マイクロレンズとアラインするように前記ダミー領域の前記半導体基板内に位置する少なくとも1つのアラインパターンと、
を含む、イメージセンシング装置。
【請求項2】
前記第1マイクロレンズを全てカバーし、かつ、前記第2マイクロレンズの少なくとも一部をカバーするように延びるレンズキャッピング膜をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアラインパターンは、
前記半導体基板がエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたトレンチアイソレーション構造を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアラインパターンは、
第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に延びた複数のトレンチが互いに交差した格子構造を有することを特徴とする、請求項3に記載のイメージセンシング装置。
【請求項5】
前記ピクセル領域は、
前記半導体基板がエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたトレンチアイソレーション構造を有し、前記光電変換素子をユニットピクセル単位に分離させる素子分離膜を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアラインパターンは、
前記ダミー領域で前記素子分離膜のトレンチと同一の幅および深さにエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたトレンチアイソレーション構造を含むことを特徴とする、請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアラインパターンのトレンチ間の間隔は、前記素子分離膜のトレンチ間の間隔よりも大きいことを特徴とする、請求項6に記載のイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記第1マイクロレンズそれぞれは、
互いに隣接する複数のユニットピクセルをカバーすることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記第2マイクロレンズは、
前記第1マイクロレンズとは異なるサイズを有することを特徴とする、請求項8に記載のイメージセンシング装置。
【請求項10】
前記半導体基板は、
前記ピクセル領域と前記ダミー領域との間に位置するバッファ領域をさらに含み、
前記バッファ領域において、前記半導体基板上にはマイクロレンズが形成されないことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項11】
前記ダミー領域は、
前記ピクセル領域と隣接する第1ダミー領域、および前記第1ダミー領域の外郭に位置する第2ダミー領域を含み、
前記第1ダミー領域は、
前記アラインパターンとアラインするように前記半導体基板上に位置するグリッド構造物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項12】
前記第2ダミー領域は、
前記第2ダミー領域の半導体基板に光が入射しないように遮断する遮断膜を含むことを特徴とする、請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項13】
前記ピクセル領域は、
カラーフィルタ間に位置し、隣接するカラーフィルタ間のクロストークを防止するグリッド構造物を含み、
前記グリッド構造物は、前記第1マイクロレンズの境界領域にアラインする第1グリッド構造物と、
前記第1グリッド構造物の間に位置し、前記第1マイクロレンズの境界領域にアラインしない第2グリッド構造物と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項14】
入射光を電気的信号に変換する光電変換素子、および入射光を前記光電変換素子に集光させる第1マイクロレンズを含む第1領域と、
前記第1領域の外郭に位置し、前記第1マイクロレンズとは異なるサイズを有する第2マイクロレンズを含む第2領域と、
を含み、
前記第2領域は、
前記第2マイクロレンズの一部とアラインするように半導体基板内に位置する少なくとも1つのアラインパターンを含む、イメージセンシング装置。
【請求項15】
前記第1マイクロレンズを全てカバーし、かつ、前記第2マイクロレンズの少なくとも一部をカバーするように延びるレンズキャッピング膜をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項16】
前記第1マイクロレンズそれぞれは、
隣接する複数の光電変換素子をカバーするサイズを有することを特徴とする、請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項17】
前記第2マイクロレンズは、
前記第1マイクロレンズから一定距離離れて位置することを特徴とする、請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項18】
前記第2マイクロレンズは、
前記第1マイクロレンズよりも大きいサイズを有することを特徴とする、請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのアラインパターンは、
前記半導体基板がエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたトレンチアイソレーション構造を含むことを特徴とする、請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのアラインパターンは、
第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に延びた複数のトレンチが互いに交差した格子構造を有することを特徴とする、請求項19に記載のイメージセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンシング装置は、光に反応する半導体の性質を用いてイメージをキャプチャ(capture)する素子である。近年、コンピュータ産業および通信産業の発達に伴い、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PCS(Personal Communication System)、ゲーム機器、セキュリティ用カメラ、医療用マイクロカメラ、ロボットなどの様々な分野における性能が向上したイメージセンサの需要が増大している。
【0003】
イメージセンシング装置は、CCD(Charge Coupled Device)を用いたイメージセンシング装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いたイメージセンシング装置に大別することができる。近年、アナログおよびデジタル制御回路を1つの集積回路(IC)上に直接実現できるという利点があるため、CMOSを用いたイメージセンシング装置が多く用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、ディープトレンチアイソレーション(DTI:Deep Trench Isolation)構造を用いてオーバーレイ分析を容易に行うことができるイメージセンシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置は、入射光を電気的信号に変換する光電変換素子を含むピクセル領域、および前記ピクセル領域を囲むように前記ピクセル領域の外郭に位置し、前記光電変換素子を含まないダミー領域を含む半導体基板と、前記ピクセル領域で前記半導体基板上に位置し、前記入射光を対応する光電変換素子に集光させる第1マイクロレンズと、前記ダミー領域で前記半導体基板上に位置し、前記第1マイクロレンズとは分離された第2マイクロレンズと、前記第2マイクロレンズとアラインするように前記ダミー領域の前記半導体基板内に位置する少なくとも1つのアラインパターンと、を含むことができる。
【0006】
本発明の他の実施形態に係るイメージセンシング装置は、入射光を電気的信号に変換する光電変換素子、および入射光を前記光電変換素子に集光させる第1マイクロレンズを含む第1領域と、前記第1領域の外郭に位置し、前記第1マイクロレンズとは異なるサイズを有する第2マイクロレンズを含む第2領域と、を含み、前記第2領域は、前記第2マイクロレンズの一部とアラインするように半導体基板内に位置する少なくとも1つのアラインパターンを含むことができる。
【0007】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態は、DTI(Deep Trench Isolation)構造を用いてオーバーレイ分析を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1における受光領域の概略的な平面構造を例示的に示す図である。
【
図3】
図1の受光領域における1つのマイクロレンズが4つのユニットピクセルをカバーするように形成される様子を例示的に示す図である。
【
図4】
図2の受光領域における点線で示されたエッジ(edge)領域の一部を拡大した様子を例示的に示す図である。
【
図5】
図4のX1-X1’線に沿って切断された様子を例示的に示す断面図である。
【
図6】
図4のX2-X2’線に沿って切断された様子を例示的に示す断面図である。
【
図7】
図4のX1-X1’線に沿って切断された様子を例示的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにあたり、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図1を参照すると、イメージセンシング装置は、受光領域(light receiving region)10、ロウドライバ(row driver)20、相関二重サンプラ(correlated double sampler、CDS)30、アナログ-デジタルコンバータ(analog digital converter、ADC)40、出力バッファ(output buffer)50、カラムドライバ(column driver)60、およびタイミングコントローラ(timing controller)70を含むことができる。
【0012】
受光領域10は、ロウ(row)方向およびカラム(column)方向に連続的に配列された複数のユニットピクセルを含むことができる。各ユニットピクセルは、外部から入射した光を光電変換し、入射光に対応する電気的信号(ピクセル信号)を生成することができる。ピクセル信号は、ピクセルトランジスタにより読み出され、イメージ生成のために用いられることができる。
【0013】
受光領域10は、入射光を集光させるためのマイクロレンズを含むことができる。マイクロレンズは、1つのマイクロレンズが隣接する4つのユニットピクセルをカバーする構造に形成されることができる。例えば、1つのマイクロレンズを介して入射した光は、ピクセル分離構造(素子分離構造)であるDTI(Deep Trench Isolation)により4つのチャネルに分かれ、当該ピクセルの光電変換領域に入射することができる。または、マイクロレンズは、各ユニットピクセル毎に1つずつ形成されることができる。マイクロレンズの上部には、マイクロレンズを保護し、マイクロレンズにより発生し得るフレア(flare)現象を防止するためのレンズキャッピング膜が形成されることができる。このようなレンズキャッピング膜は、低温酸化膜(Low Temperature Oxide)を含むことができる。
【0014】
受光領域10のユニットピクセルは、ロウ選択信号、リセット信号、および転送信号のような駆動信号をロウドライバ20から提供を受けることができる。ユニットピクセルは、駆動信号が受信されると活性化され、ロウ選択信号、リセット信号、および転送信号に対応する動作を行うことができる。
【0015】
ロウドライバ20は、タイミングコントローラ70のような制御回路から提供される制御信号に基づいてユニットピクセルを動作させることができる。ロウドライバ20は、受光領域10の少なくとも1つのロウラインに連結された少なくとも1つのユニットピクセルを選択することができる。ロウドライバ20は、複数のロウラインのうち少なくとも1つのロウラインを選択するためのロウ選択信号を生成することができる。選択されたロウラインのユニットピクセルから生成されたピクセル信号は、相関二重サンプラ30に出力されることができる。
【0016】
相関二重サンプラ30は、相関二重サンプリング(CDS:correlated double sampling)方式を用いて、ユニットピクセルの所望しないオフセット(offset)値を除去することができる。相関二重サンプラ30は、タイミングコントローラ70から提供されたクロック信号に基づいて、基準信号の電圧レベルと、複数のカラムラインを介して受光領域10から受信するピクセル信号の電圧レベルとを順次サンプリングおよびホールディングすることができる。相関二重サンプラ30は、基準信号とピクセル信号を相関二重サンプリング(CDS)信号としてアナログ-デジタルコンバータ40に出力することができる。
【0017】
アナログ-デジタルコンバータ40は、相関二重サンプラ30から受信するCDS信号をデジタル信号に変換することができる。アナログ-デジタルコンバータ40は、タイミングコントローラ70から提供されるランプ信号と、相関二重サンプラ30から提供されるCDS信号とを互いに比較して比較信号を生成することができる。アナログ-デジタルコンバータ40は、タイミングコントローラ70から提供されるランプ信号に基づいて比較信号のレベル遷移(transition)時間をカウントし、カウント値を出力バッファ50に出力することができる。
【0018】
出力バッファ50は、アナログ-デジタルコンバータ40から提供されるそれぞれのカラム単位のデータをタイミングコントローラ70の制御に応じて一時的に格納することができる。出力バッファ50は、イメージセンシング装置と連結された他の装置との間の転送(または、処理)速度の差を補償するインターフェースとして動作することができる。
【0019】
カラムドライバ60は、タイミングコントローラ70の制御に応じて出力バッファ50のカラムを選択し、選択された出力バッファ50のカラムに一時的に格納されたデータを順次出力することができる。
【0020】
タイミングコントローラ70は、ロウドライバ20、アナログ-デジタルコンバータ40、出力バッファ50、およびカラムドライバ60の動作を制御するための信号を生成することができる。タイミングコントローラ70は、イメージセンシング装置の各構成の動作に求められるクロック信号、タイミングコントロールのための制御信号、およびロウまたはカラムを選択するためのアドレス信号を、ロウドライバ20、アナログ-デジタルコンバータ40、出力バッファ50、およびカラムドライバ60に提供することができる。
【0021】
図2は、
図1における受光領域の概略的な平面構造を例示的に示す図である。
図2を参照すると、受光領域10は、ピクセル領域110、バッファ領域120、およびダミーマイクロレンズ領域130を含むことができる。
【0022】
ピクセル領域110は、受光領域10の中央部に位置することができ、ロウ方向およびカラム方向に連続的に配列された複数のユニットピクセル(PXs)を含むことができる。複数のユニットピクセルそれぞれは、入射した光を電気的信号に変換する光電変換素子を含むことができる。光電変換素子は、フォトダイオード(photo diode)、フォトトランジスタ(photo transistor)、フォトゲート(photogate)、またはピン留めフォトダイオード(pinned photo diode)を含むことができる。
【0023】
隣接するユニットピクセルの光電変換素子は、素子分離膜によりユニットピクセル単位に分離されることができる。素子分離膜は、半導体基板がエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたトレンチアイソレーション構造を含むことができる。例えば、素子分離膜は、DTI(Deep Trench Isolation)構造を含むことができる。
【0024】
複数のユニットピクセル(PXs)は、レッドカラーフィルタ(red color filter、R)、グリーンカラーフィルタ(green color filter、G)、およびブルーカラーフィルタ(blue color filter、B)のいずれか1つのフィルタを含むことができる。レッドカラーフィルタ(R)、グリーンカラーフィルタ(G)、およびブルーカラーフィルタ(B)は、RGGBベイヤーパターン(Bayer pattern)状に配列されることができる。カラーフィルタ(R、G、B)間には、隣接するカラーフィルタ間のクロストークを防止するためのグリッド構造物が形成されることができる。グリッド構造物は、金属(例えば、タングステン)を含むことができる。
【0025】
ピクセル領域110において、カラーフィルタ(R、G、B)上には、入射光を集光させるためのマイクロレンズを含むことができる。例えば、マイクロレンズは、
図3に示すように、1つのマイクロレンズ(ML)が隣接する4つのユニットピクセル(PXs)をカバーする構造に形成されることができる。1つのマイクロレンズを介して入射した光は、DTIにより4つのチャネルに分かれ、当該ユニットピクセルの光電変換素子に入射することができる。または、マイクロレンズは、各ユニットピクセル(PX)毎に1つずつ形成されてもよい。
【0026】
マイクロレンズの上部には、マイクロレンズを保護し、マイクロレンズにより発生し得るフレア(flare)現象を防止するためのレンズキャッピング膜が形成されることができる。レンズキャッピング膜は、ピクセル領域110を全体的にカバーし、かつ、ダミーマイクロレンズ領域130まで延びて形成されることができる。このようなレンズキャッピング膜は、低温酸化膜(Low Temperature Oxide)を含むことができる。
【0027】
バッファ領域120は、ピクセル領域110の外郭に位置することができる。例えば、バッファ領域120は、ピクセル領域110とダミーマイクロレンズ領域130との境界領域であり、ピクセル領域110とダミーマイクロレンズ領域130との間に位置することができる。バッファ領域120において、半導体基板の上部にはカラーフィルタおよびマイクロレンズが形成されず、グリッド構造物およびレンズキャッピング膜がピクセル領域110から延びて形成されることができる。
【0028】
ダミーマイクロレンズ領域130は、ピクセル領域110のマイクロレンズ上に形成されたレンズキャッピング膜のピールオフ(peel off)を防止するための領域であり、ピクセル領域110を囲む形態でバッファ領域120の外郭に位置することができる。ダミーマイクロレンズ領域130は、三次元構造のダミーマイクロレンズを含むことができ、ダミーマイクロレンズの全部または一部は、レンズキャッピング膜によりカバーされることができる。例えば、1つのレンズキャッピング膜がピクセル領域110とバッファ領域120を全体的にカバーし、かつ、ダミーマイクロレンズ領域130のエッジ領域まで延びて形成されることができる。
【0029】
ダミーマイクロレンズ領域130において、バッファ領域120と隣接する領域(第1ダミーマイクロレンズ領域)には、グリッド構造物がバッファ領域120のグリッド構造物から延びて形成されることができ、第1ダミーマイクロレンズ領域の外郭にある領域(第2ダミーマイクロレンズ領域)には、半導体基板を全体的に覆う遮光膜が形成されることができる。ダミーマイクロレンズおよびレンズキャッピング膜は、グリッド構造物および遮光膜の上に位置することができる。
【0030】
ダミーマイクロレンズは、レンズキャッピング膜のピールオフを防止し、かつ、遮光膜の損傷を防止するための三次元構造のアンチピールオフ(anti-peel off)構造を含むことができる。例えば、ダミーマイクロレンズは、ピクセル領域110のマイクロレンズのような凸レンズの形態を有するが、この際、そのサイズがマイクロレンズよりも大きく形成されることで、レンズキャッピング膜との接触面積を増加させ、かつ、隣接するダミーマイクロレンズ間の空間にレンズキャッピング膜がよりよく挟まれるようにし、レンズキャッピング膜が容易に剥離しないようにすることができる。
【0031】
また、ダミーマイクロレンズ領域130は、複数のアラインパターン(align patterns)を含むことができる。アラインパターンは、半導体基板内で互いに離隔するように任意の位置に選択的に形成されることができる。アラインパターンは、ピクセル領域110に形成された素子分離膜のようなトレンチアイソレーション構造に形成されることができる。例えば、アラインパターンは、ピクセル領域110の素子分離膜と同一の幅および深さにエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたDTI構造に形成されることができる。このようなアラインパターンは、ピクセル領域110の素子分離構造物が形成される際にともに形成されることができる。
【0032】
図4は、
図2の受光領域における点線で示されたエッジ(edge)領域の一部を拡大した様子を例示的に示す図である。また、
図5は、
図4のX1-X1’線に沿って切断された様子を例示的に示す断面図であり、
図6は、
図4のX2-X2’線に沿って切断された様子を例示的に示す断面図である。
【0033】
図4~
図6を参照すると、受光領域10は、基板層210、反射防止膜220、グリッド構造物232、234、遮光膜236、カラーフィルタ層240、オーバーコーティング層250、レンズ層262、264、およびレンズキャッピング膜270を含むことができる。
【0034】
基板層210は、第1面および第1面と対向する第2面を含む半導体基板を含むことができる。この際、第1面は、光が入射する面であってもよい。半導体基板210は、単結晶状態(Single crystal state)であってもよく、シリコン含有材料を含んでもよい。例えば、半導体基板210は、単結晶のシリコン含有材料を含むことができる。半導体基板210は、イオン注入工程により注入されたP型不純物を含むことができる。
【0035】
半導体基板210の内部には、光電変換素子212、光電変換素子212間を素子分離させるための素子分離膜214、およびダミーマイクロレンズ領域130に位置し、オーバーレイを測定するためのアラインパターン216を含むことができる。
【0036】
光電変換素子212は、入射光を電気的信号に変換させることができ、素子分離膜214により定義された領域に形成されることができる。光電変換素子212は、イオン注入工程により半導体基板210にN型不純物が注入されることで形成されることができる。光電変換素子212は、フォトダイオード(photo diode)、フォトトランジスタ(photo transistor)、フォトゲート(photogate)、またはピン留めフォトダイオード(pinned photo diode)を含むことができる。
【0037】
素子分離膜214は、ピクセル領域110内で光電変換素子212が形成される領域を定義し、光電変換素子212を光学的および電気的に分離させることができる。素子分離膜214は、半導体基板210が一定深さにエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたトレンチアイソレーション構造を含むことができる。例えば、素子分離膜214は、DTI(Deep Trench Isolation)構造に形成されることができる。
【0038】
アラインパターン216は、オーバーレイ測定のためのパターンとして、ダミーマイクロレンズ領域130の半導体基板210内に形成されることができる。アラインパターン216は、素子分離膜214のようなトレンチアイソレーション構造に形成されることができる。例えば、アラインパターン216は、素子分離膜214のトレンチと同一の幅および深さにエッチングされたトレンチ内に絶縁物が埋め込まれたDTI構造に形成されることができる。このようなアラインパターン216は、素子分離膜214が形成される際にともに形成されることができるが、素子分離膜214と物理的に分離されることができる。アラインパターン216におけるトレンチ間の間隔は、素子分離膜214におけるトレンチ間の間隔よりも大きくてもよい。
【0039】
アラインパターン216は、
図4に示すように、ダミーマイクロレンズ領域130内で互いに離隔するように位置する複数のアラインパターンを含むことができる。
図4では各アラインパターン216がX方向およびY方向に沿って延びた5つのトレンチが互いに交差して連結された格子構造を有する場合が例示的に示されているが、これに限定されない。
【0040】
反射防止膜220は、半導体基板210の第1面における入射光の反射を防止するためのものであり、半導体基板210の第1面上に位置することができる。反射防止膜220は、光を透過させるとともに絶縁性を有することができ、屈折率(n1)が半導体基板210の屈折率(n2)よりも小さい(n1<n2)透明絶縁膜を含むことができる。このような反射防止膜220は、第1面に形成し得る段差を補償するための平坦化層の役割を行うこともできる。
【0041】
グリッド構造物232、234は、反射防止膜220上に位置することができる。グリッド構造物232、234は、光を遮断させる材料として、例えば、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、または銅(Cu)などの金属またはエア(air)を含むことができる。ピクセル領域110におけるグリッド構造物232は、カラーフィルタ240の境界領域に形成され、隣接するカラーフィルタ間のクロストークを防止することができる。グリッド構造物234は、ダミーマイクロレンズ領域130で反射防止膜220上に位置することができる。例えば、グリッド構造物234は、バッファ領域120と隣接する第1ダミーマイクロレンズ領域でバッファ領域120のグリッド構造物から延びて形成されることができる。または、グリッド構造物234は、バッファ領域120のグリッド構造物と物理的に分離するように形成されてもよい。
【0042】
図5に示すように、ピクセル領域110のエッジ領域に位置するグリッド構造物232は、シェーディング偏差(Shading variations)を改善するために、各ユニットピクセルのCRA(Chief ray angle)に対応するように所定の間隔だけピクセル領域110の外郭方向にシフト(shifted)することができる。例えば、グリッド構造物232は、素子分離膜214とアラインせず、CRAに対応するように所定の間隔だけ外郭方向にシフトすることができる。これに対し、ダミーマイクロレンズ領域130に位置するグリッド構造物234は、シフトせず、アラインパターン216とアラインするように位置することができる。
【0043】
遮光膜236は、ダミーマイクロレンズ領域130で第1ダミーマイクロレンズ領域の外郭に該当する第2ダミーマイクロレンズ領域の反射防止膜220上に位置することができる。遮光膜236は、第2ダミーマイクロレンズ領域を全体的にカバーすることで、入射光が第2ダミーマイクロレンズ領域の半導体基板210内に入射しないようにすることができる。
【0044】
カラーフィルタ層240は、反射防止膜220上でグリッド構造物232により定義された領域に形成されることができる。カラーフィルタ層240は、特定色の可視光を選択的に通過させるカラーフィルタを含むことができる。例えば、カラーフィルタ層240は、ベイヤーパターン状に配列されたレッドフィルタ(R)、グリーンフィルタ(G)、およびブルーフィルタ(B)を含むことができる。このようなカラーフィルタは、ピクセル領域110で各ユニットピクセルに対応して形成されてもよく、バッファ領域120およびダミーマイクロレンズ領域130には形成されなくてもよい。
【0045】
オーバーコーティング層250は、カラーフィルタ層240による段差を補償するために、カラーフィルタ層240上に形成されることができる。オーバーコーティング層250は、バッファ領域120およびダミーマイクロレンズ領域130では、反射防止膜220、グリッド構造物234、および遮光膜236をカバーするように形成されることができる。オーバーコーティング層250は、レンズ層262と同一の物質を含むことができる。
【0046】
レンズ層262、264は、オーバーコーティング層250上に形成されることができる。レンズ層262、264は、ピクセル領域110に位置するマイクロレンズ262、およびダミーマイクロレンズ領域130に位置するダミーマイクロレンズ264を含むことができる。バッファ領域120には、レンズ層262、264が形成されなくてもよい。
【0047】
マイクロレンズ262は、入射光を集光させ、対応するユニットピクセルの光電変換素子212に入射するようにすることができる。マイクロレンズ262は、上述した
図3に示すように、1つのマイクロレンズ262が隣接する4つのユニットピクセルをカバーする構造に形成されることができる。ダミーマイクロレンズ264は、レンズキャッピング膜270のピールオフを防止し、かつ、遮光膜の損傷を防止するための三次元構造のアンチピールオフ(anti-peel off)構造を含むことができる。例えば、ダミーマイクロレンズ264は、ピクセル領域110のマイクロレンズ262のような凸レンズの形態を有するが、この際、そのサイズがマイクロレンズよりも大きく形成されることで、レンズキャッピング膜270との接触面積を増加させ、かつ、隣接するダミーマイクロレンズ264間の空間にレンズキャッピング膜270がよりよく挟まれる形態に形成されることができる。
【0048】
マイクロレンズ262は、シェーディング偏差を改善するために、各ユニットピクセルのCRAに対応するように所定の間隔だけピクセル領域110の外郭方向にシフト(shifted)することができる。例えば、マイクロレンズ262は、素子分離膜214およびグリッド構造物232とアラインせず、CRAに対応するように所定の間隔だけ外郭方向にシフトすることができる。これに対し、ダミーマイクロレンズ264は、シフトせず、グリッド構造物234およびアラインパターン216とアラインするように位置することができる。
【0049】
レンズキャッピング膜270は、マイクロレンズ262を保護し、マイクロレンズ262により発生し得るフレア(flare)現象を防止することができる。レンズキャッピング膜270は、レンズ層262、264およびオーバーコーティング層250の上に形成されることができる。例えば、レンズキャッピング膜270は、ピクセル領域110およびダミーマイクロレンズ領域130ではレンズ層262、264上に形成され、レンズ層262、264が形成されていないバッファ領域120ではオーバーコーティング層250上に形成されることができる。レンズキャッピング膜270は、ピクセル領域110からダミーマイクロレンズ領域130まで延びる1つの膜で形成されることができる。
【0050】
レンズキャッピング膜270は、ダミーマイクロレンズ領域130を全体的にカバーするか、またはダミーマイクロレンズ領域130の一部の領域をカバーするように形成されることができる。ダミーマイクロレンズ264は、ピクセル信号を生成するためのレンズではなく、レンズキャッピング膜270のピールオフ(peel off)を防止するために形成されるレンズであるため、レンズキャッピング膜270がダミーマイクロレンズ264を全てカバーする必要はない。したがって、ダミーマイクロレンズ領域130のエッジ領域に存在するダミーマイクロレンズ264は、レンズキャッピング膜270によりカバーされなくてもよい。
【0051】
上述した
図5の実施形態において、グリッド構造物232は、隣接するマイクロレンズ262間の境界領域に対応するように位置し、グリッド構造物234は、隣接するダミーマイクロレンズ264間の境界領域とアラインするように形成される場合が例示的に示されている。しかし、
図7に示すように、ピクセル領域110のグリッド構造物236は、マイクロレンズ262間の境界領域だけでなく、マイクロレンズ262の中心部に対応するように位置してもよく、ダミーマイクロレンズ領域130のグリッド構造物238は、ダミーマイクロレンズ264間の境界領域だけでなく、ダミーマイクロレンズ264の中心部とアラインするように位置してもよい。
【0052】
また、上述した
図5および
図6の実施形態では半導体基板210の第1面上に形成される構成のみが示されているが、第2面上には光電変換素子212により生成された光電荷を読み出してピクセル信号を出力するための素子(例えば、ピクセルトランジスタ)が形成されることができる。
【0053】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正および変形が可能である。
【0054】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、後述する特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0055】
110:ピクセル領域
120:バッファ領域
130:ダミーマイクロレンズ領域
210:半導体基板
214:素子分離膜
216:アラインパターン
262:マイクロレンズ
264:ダミーマイクロレンズ
270:レンズキャッピング膜