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特開2024-80700情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080700
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024037231
(22)【出願日】2024-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三井 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】丹下 明子
(72)【発明者】
【氏名】曽我 洋行
(57)【要約】
【課題】排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期を決定すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定する第1判定部と、前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定部と、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第3判定部と、前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定する第1判定部と、
前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定部と、
前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第3判定部と、
前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する決定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とが所定の条件を満たす場合、前記被保育者が、前記排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングであると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、
前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とのいずれかが所定の条件を満たさない場合、前記被保育者が、前記排泄行為に関するトレーニングを開始しないタイミングであると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、第1着用物品を着用する前記被保育者が、前記排泄行為に関するトレーニングとして、排泄時に前記第1着用物品とは異なる着用物品である第2着用物品を着用するためのトレーニングを開始するタイミングを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記被保育者に関する情報を取得する取得部と、
前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者が排泄を我慢できる程度を推定する推定部とをさらに備え、
前記第1判定部は、
前記被保育者が排泄を我慢できる程度に基づいて、前記被保育者が睡眠中に、前記連続する複数日以上、前記着用物品内に排泄がないかどうかを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者の精神的な発達の程度をさらに推定し、
前記第2判定部は、
前記被保育者の精神的な発達の程度に基づいて、前記保育行動に対応する前記被保育者の反応が従順であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度をさらに推定し、
前記第3判定部は、
前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が、前記保育者の行動に対する反応であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度をさらに推定し、
前記第3判定部は、
前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が、当該排泄後に、前記保育者に対して意思表示を示す反応であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記推定部は、
前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度をさらに推定し、
前記第3判定部は、
前記被保育者の排泄に対する認識の程度に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が、当該排泄前に、前記保育者に対して意思表示を示す反応であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定部によって決定されたタイミングに基づいて、前記排泄行為に関するトレーニングを開始するか否かを示す情報を提供する提供部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記提供部は、
前記第1判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記提供部は、
前記第1判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の商品に関する情報をさらに提供する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記提供部は、
前記第2判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記提供部は、
前記第3判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定する第1判定工程と、
前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定工程と、
前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第3判定工程と、
前記第1判定工程によって判定された判定結果と、前記第2判定工程によって判定された判定結果と、前記第3判定工程によって判定された判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する決定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定する第1判定手順と、
前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定手順と、
前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第3判定手順と、
前記第1判定手順によって判定された判定結果と、前記第2判定手順によって判定された判定結果と、前記第3判定手順によって判定された判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項17】
所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかの判定結果と、前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果と、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する方法を実施するためのシステムであって、
前記被保育者の情報を管理する管理手段と、
前記各判定結果を得るための情報を前記保育者に示す指示手段と
を備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体内における排泄に関する情報である体内情報と、体内情報とは異なる情報であって体外に関する情報である体外情報とに基づいて、着用物品を着用する着用者が将来排泄する排泄タイミングを予測する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-012485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、例えば、着用者が将来排泄する排泄タイミングを予測するに過ぎず、排泄行為に関するトレーニングの開始時期を予測しているわけではない。このため、上記従来技術では、適切な開始時期を決定することができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定する第1判定部と、前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定部と、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第3判定部と、前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理装置が実行する決定処理の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る判定基準の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る管理情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る判定基準情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る通知情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る情報処理装置が実行する決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。
図12図12は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。
図13図13は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。
図14図14は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。
図15図15は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
態様1は、所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定する第1判定部と、前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定部と、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する第3判定部と、前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【0011】
このような態様1によれば、例えば、第1判定基準を満たすか否かを判定する。より具体的な例を挙げると、第1判定基準が、子供(被保育者の一例)が2日以上連続でお昼寝中に排泄を我慢できるであるものとする。また、子供が、1週間の期間において、3日連続でお昼寝中におねしょをしていないものとする。この場合、態様1は、2日以上連続で、お昼寝中に、子供のおむつ内に排泄がないと判定する。
【0012】
続いて、態様1は、第2判定基準に基づく判定処理を実行する。より具体的な例を挙げると、第2判定基準が、保育士(保育者の一例)の保育行動に対応する子供の反応が従順であるものとする。また、保育士の保育行動に対応する子供の反応が従順であるものとする。この場合、態様1は、保育士の保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たすと判定する。
【0013】
そして、態様1は、第3判定基準に基づく判定処理を実行する。より具体的な例を挙げると、第3判定基準が、子供が、排泄がしたい場合に保育士の言葉がけに対して意思表示ができるであるものとする。また、子供が、排泄がしたい場合に、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、態様1は、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすと判定する。
【0014】
続いて、態様1は、第1判定基準に基づく第1判定結果と、第2判定基準に基づく第2判定結果と、第3判定基準に基づく第3判定結果とに基づいて、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する。例えば、態様1は、第1判定結果が第1判定基準を満たし、第2判定結果が第2判定基準を満たし、第3判定結果が第3判定基準を満たす場合、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定する。
【0015】
態様2は、態様1において、前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とが所定の条件を満たす場合、前記被保育者が、前記排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングであると決定することを特徴とする。
【0016】
例えば、第1判定結果と、第2判定結果と、第3判定結果とが所定の条件を満たす場合が、第1判定結果が第1判定基準を満たし、第2判定結果が第2判定基準を満たし、第3判定結果が第3判定基準を満たす場合であるものとする。この場合、態様2によれば、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定する。これにより、態様2は、排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期を決定することができる。
【0017】
態様3は、態様1又は2において、前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とのいずれかが所定の条件を満たさない場合、前記被保育者が、前記排泄行為に関するトレーニングを開始しないタイミングであると決定することを特徴とする。
【0018】
例えば、第1判定結果と、第2判定結果と、第3判定結果とのいずれかが所定の条件を満たさない場合が、第1判定結果と、第2判定結果と、第3判定結果とのいずれかがそれぞれの判定基準を満たさない場合であるものとする。すなわち、第1判定結果と、第2判定結果と、第3判定結果とのいずれかが所定の条件を満たさない場合は、第1判定結果が第1判定基準を満たさない場合、第2判定結果が第2判定基準を満たさない場合、又は、第3判定結果が第3判定基準を満たさない場合である。このような場合、態様3によれば、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングが現時点ではないと決定する。これにより、態様3は、排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期を決定することができる。
【0019】
態様4は、態様1~3のいずれかにおいて、前記第1判定部によって判定された判定結果と、前記第2判定部によって判定された判定結果と、前記第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、第1着用物品を着用する前記被保育者が、前記排泄行為に関するトレーニングとして、排泄時に前記第1着用物品とは異なる着用物品である第2着用物品を着用するためのトレーニングを開始するタイミングを決定することを特徴とする。
【0020】
態様4によれば、例えば、第1判定結果が第1判定基準を満たし、第2判定結果が第2判定基準を満たし、第3判定結果が第3判定基準を満たす場合、おむつ(第1着用物品の一例)を着用する子供が、排泄時にトイレトレーニング用のパンツ(第2着用物品の一例)を着用するためのトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定する。これにより、態様4は、排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期を決定することができる。
【0021】
態様5は、態様1~4のいずれかにおいて、前記被保育者に関する情報を取得し、前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者が排泄を我慢できる程度を推定し、前記被保育者が排泄を我慢できる程度に基づいて、前記被保育者が睡眠中に、前記連続する複数日以上、前記着用物品内に排泄がないかどうかを判定することを特徴とする。
【0022】
態様5によれば、例えば、子供に関する情報として、子供の氏名や、年齢や、性別や、住所や、着用物品や、保育士によって入力された保育履歴等の情報を所定の記憶部から取得する。続いて、態様5は、第1判定基準と関連する子供の状態を推定する。例えば、子供が、1週間の期間において、3日連続でお昼寝中におねしょをしていないものとする。この場合、態様5は、子供に関する情報に基づいて、2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できると推定する。
【0023】
続いて、態様5は、推定した子供の状態に基づいて、第1判定基準を満たすか否かを判定する。例えば、態様5は、推定した「2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できる」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第1判定基準を満たす場合、2日以上連続で、お昼寝中に、子供のおむつ内に排泄がないと判定する。これにより、態様5は、子供の状態に基づいて、子供が所定の期間のうち、連続する複数日以上、排泄を我慢できるか否かを判定することができる。
【0024】
態様6は、態様5において、前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者の精神的な発達の程度をさらに推定し、前記被保育者の精神的な発達の程度に基づいて、前記保育行動に対応する前記被保育者の反応が従順であるか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
態様6によれば、例えば、第2判定基準と関連する子供の状態を推定する。例えば、保育士の保育行動に対応する子供の反応が従順であるものとする。この場合、態様6は、子供に関する情報に基づいて、精神的な発達の程度が高いと推定する。
【0026】
続いて、態様6は、推定した子供の状態に基づいて、第2判定基準を満たすか否かを判定する。例えば、態様6は、推定した「精神的な発達の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第2判定基準を満たす場合、保育行動に対応する子供の反応が従順であると判定する。これにより、態様6は、子供の状態に基づいて、保育行動に対応する子供の反応が従順であるか否かを判定することができる。
【0027】
態様7は、態様6において、前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度をさらに推定し、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が、前記保育者の行動に対する反応であるか否かを判定することを特徴とする。
【0028】
態様7によれば、例えば、第3判定基準と関連する子供の状態を推定する。例えば、子供が、排泄がしたい場合に、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、態様7は、子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定する。
【0029】
続いて、態様7は、推定した子供の状態に基づいて、第3判定基準を満たすか否かを判定する。例えば、態様7は、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第3判定基準を満たす場合、子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応であると判定する。これにより、態様7は、子供の状態に基づいて、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるか否かを判定することができる。
【0030】
態様8は、態様6において、前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度をさらに推定し、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が、当該排泄後に、前記保育者に対して意思表示を示す反応であるか否かを判定することを特徴とする。
【0031】
例えば、子供が排泄した後に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、態様8によれば、子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定する。
【0032】
続いて、例えば、第3判定基準が、子供が排泄した後に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、態様8は、例えば、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第3判定基準を満たすことから、子供自身の排泄に対する子供の反応が、排泄後に、保育士に対して意思表示を示す反応であると判定する。これにより、態様8は、子供の状態に基づいて、排泄した後に保育士に対して意思表示ができるか否かを判定することができる。
【0033】
態様9は、態様6において、前記被保育者に関する情報に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する認識の程度をさらに推定し、前記被保育者の排泄に対する認識の程度に基づいて、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が、当該排泄前に、前記保育者に対して意思表示を示す反応であるか否かを判定することを特徴とする。
【0034】
例えば、子供が排泄する前に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、態様9によれば、子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定する。
【0035】
例えば、第3判定基準が、子供が排泄する前に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、態様9は、例えば、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第3判定基準を満たすことから、子供自身の排泄に対する子供の反応が、排泄前に、保育士に対して意思表示を示す反応であると判定する。これにより、態様9は、子供の状態に基づいて、排泄する前に保育士に対して意思表示ができるか否かを判定することができる。
【0036】
態様10は、態様1~9のいずれかにおいて、前記決定部によって決定されたタイミングに基づいて、前記排泄行為に関するトレーニングを開始するか否かを示す情報を提供することを特徴とする。
【0037】
態様10によれば、例えば、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングが、現時点であることを示す旨の情報を提供する。このように、態様10は、排泄行為に関するトレーニングを開始することを示す情報を提供する。これにより、態様10は、排泄行為に関するトレーニングの適切な開始時期に関する情報を提供することができる。
【0038】
態様11は、態様10において、前記第1判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供することを特徴とする。
【0039】
態様11によれば、例えば、判定結果が、所定の期間のうち連続する複数日以上子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄が有るである場合、所定の通知情報として、「まだまだ不安にならなくても待つのがいいと思うよ」といった通知内容を示す通知情報をさらに提供する。
【0040】
このように、態様11は、子供の状態に応じて生じた障害等を解消するようなアドバイスを示す通知情報を提供することができる。これにより、態様11は、第1判定基準に基づく判定結果に基づく適切なアドバイスに関する情報を通知情報として提供することができる。
【0041】
態様12は、態様10又は11において、前記第1判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の商品に関する情報をさらに提供することを特徴とする。
【0042】
態様12によれば、例えば、商品が、排泄の有無を示すインジケータが付されたおむつであるものとする。この場合、態様12は、判定結果が、所定の期間のうち連続する複数日以上子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄が有るである場合、排泄の有無を示すインジケータが付されたおむつに関する情報をさらに提供する。
【0043】
このように、態様12は、第1判定部134によって判定された判定結果に基づいて、第1判定基準に基づく判定がしやすくなる商品に関する情報を提供することができる。これにより、態様12は、利用者に対して子供の第1判定基準に基づく判定がしやすくなるように促すことができる。
【0044】
態様13は、態様10~12のいずれかにおいて、前記第2判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供することを特徴とする。
【0045】
態様13によれば、例えば、判定結果が、保育士の保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として、脳神経発達学に基づくアドバイスを示す通知情報をさらに提供する。
【0046】
このように、態様13は、子供の状態に応じて生じた障害等を解消するようなアドバイスを示す通知情報を提供することができる。これにより、態様13は、第2判定基準に基づく判定結果に基づく適切なアドバイスに関する情報を通知情報として提供することができる。
【0047】
態様14は、態様10~13のいずれかにおいて、前記第3判定部によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供することを特徴とする。
【0048】
態様14によれば、例えば、判定結果が、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として、「トイレの声掛けをもっとしてみよう!」といった通知内容を示す通知情報をさらに提供する。
【0049】
このように、態様14は、子供の状態に応じて生じた障害等を解消するようなアドバイスを示す通知情報を提供することができる。これにより、態様14は、第3判定基準に基づく判定結果に基づく適切なアドバイスに関する情報を通知情報として提供することができる。
【0050】
態様17は、所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかの判定結果と、前記被保育者を保育する保育者の保育行動に対応する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果と、前記被保育者自身の排泄に対する前記被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果とに基づいて、前記着用物品を着用する前記被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する方法を実施するためのシステムであって、前記被保育者の情報を管理する管理手段と、前記各判定結果を得るための情報を前記保育者に示す指示手段とを備えることを特徴とする。
【0051】
このような態様17は、例えば、2日以上連続で、お昼寝中に、子供のおむつ内に排泄がないかどうかの判定結果と、保育士の保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果と、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果とに基づいて、保育士が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する方法を実施するためのシステムある。また、態様17は、子供に関する情報を管理し、判定結果を得るための情報として子供に関する情報を示す。これにより、態様17によれば、保育士は、適切なトイレトレーニングの開始時期を決定することができる。
【0052】
以下に、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及びシステムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及びシステムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0053】
〔1.第1実施形態〕
〔1-1.情報処理装置が実行する決定処理の一例〕
図1を用いて、第1実施形態に係る情報処理装置100が実行する決定処理の一例について説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理装置100が実行する決定処理の一例を示す図である。
【0054】
図1の例では、利用者U1が自身で利用する端末装置10に予めインストールされているアプリケーションAPを利用して、トイレトレーニングを開始するタイミング(以下では、トイレトレーニングの開始タイミングと表記する場合がある)を示す旨の情報を受付ける例について説明する。ここで、トイレトレーニングの開始タイミングは、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングの一例である。
【0055】
図1の例では、利用者U1は、乳幼児等の子供B1(被保育者の一例)の親である。また、子供B1は、着用物品の一例として、おむつを着用しているものとする。また、アプリケーションAPは、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報を提供する機能を有する。なお、アプリケーションAPは、情報処理装置100を管理する事業者によって提供されるものとする。
【0056】
以下、図1を用いて、トイレトレーニングの開始タイミングを決定する例について説明する。図1に示すように、情報処理装置100は、提供要求を端末装置10から受付ける(ステップS1)。例えば、利用者U1が、アプリケーションAPが提供するサービスに予め登録しているものとする。この場合、利用者U1は、アプリケーションAPを利用するためのアカウント情報を登録しているものとする。例えば、アカウント情報とは、利用者U1を識別する識別子(利用者ID(Identifier))と、利用者によって設定されたパスワードとの組合せの情報である。なお、利用者IDは、利用者U1が利用しているメールアドレス等であってもよい。
【0057】
利用者U1は、アプリケーションAP上で、アカウント情報を入力する。そして、端末装置10は、アプリケーションAP上でかかるアカウント情報が認証された場合、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報の提供要求を情報処理装置100に送信する。このような場合、情報処理装置100は、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報の提供要求を端末装置10から受付ける。なお、情報処理装置100は、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報の提供要求とともに、利用者IDを端末装置10から受付けてもよい。
【0058】
続いて、情報処理装置100は、子供B1に関する情報を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100が有する所定の記憶部に子供B1に関する情報が記憶されているものとする。この場合、情報処理装置100は、子供B1に関する情報として、子供B1の氏名や、年齢や、性別や、住所や、着用物品や、子供B1を保育する保育士(保育者の一例)によって入力された保育履歴等の情報を所定の記憶部から取得する。
【0059】
ここで、図2を用いて、トイレトレーニングの開始タイミングを決定するための3つの判定基準について説明する。図2は、第1実施形態に係る判定基準の一例を示す図である。
【0060】
図2は、トイレトレーニングの開始タイミングを決定するための3つの判定基準が含まれる判定表C1を示す。図2の例では、判定表C1は、判定基準として、「第1判定基準」と、「第2判定基準」と、「第3判定基準」とを示す。
【0061】
また、判定表C1は、子供の状態として、第1判定基準と関連する子供の状態である「排泄を我慢できる程度」と、第2判定基準と関連する子供の状態である「精神的な発達の程度」と、第3判定基準と関連する子供の状態である「自身の排泄に対する認識の程度」とを示す。
【0062】
また、判定表C1は、第1判定基準の判定基準内容が「DC1」と、第2判定基準の判定基準内容が「DC2」と、第3判定基準の判定基準内容が「DC3」とを示す。より具体的な例を挙げると、第1判定基準の判定基準内容は、「お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がない」である。このように、第1判定基準の判定基準内容は、子供が排泄を我慢できる程度を示す。
【0063】
また、第2判定基準の判定基準内容は、「保育行動に対応する子供の反応が従順である」である。このように、第2判定基準の判定基準内容は、保育士が子供に対して行う保育行動がスムーズであるか否かの程度を示す。
【0064】
また、第3判定基準の判定基準内容は、「子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応である」である。このように、第3判定基準の判定基準内容は、保育士の排泄に関する言葉かけに対する反応の程度を示す。このように、各判定基準に基づく判定処理は、各判定基準と関連する子供の状態に基づいて、各判定基準を満たすか否かを判定する。
【0065】
図1の説明に戻る。図1に示すように、ステップS4が示す情報処理が、図2が示す第1判定基準に基づく判定処理に対応する。図1の例では、情報処理装置100は、第1判定基準に基づく判定処理を実行する。以下、第1判定基準に基づく判定処理について説明する。
【0066】
まず、情報処理装置100は、第1判定基準と関連する子供の状態を推定する。図1の例では、情報処理装置100は、子供B1に関する情報に基づいて、子供B1が排泄を我慢できる程度を推定する(ステップS3)。例えば、子供B1が、1週間の期間において、3日連続でお昼寝中におねしょをしていないものとする。この場合、情報処理装置100は、子供B1に関する情報に基づいて、2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できると推定する。
【0067】
次に、情報処理装置100は推定した子供B1の状態に基づいて、第1判定基準を満たすか否かを判定する。図1の例では、情報処理装置100は、1週間の期間において、お昼寝中に、連続する2日以上、子供B1のおむつ内に排泄がないかどうかを判定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、推定した「2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できる」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第1判定基準を満たすことから、2日以上連続で、お昼寝中に、子供B1のおむつ内に排泄がないと判定する。
【0068】
このように、情報処理装置100は、子供の排泄の有無を確認するときを昼寝のときとすることで、一定の時間の範囲でおむつ内に排泄がないことを精度良く把握することができる。また、昼寝等の集団行動時では、保育士は、子供の排泄の有無を確認することがしやすい。このため、保育士の業務の手間が増えることがなくなる。
【0069】
続いて、情報処理装置100は、第2判定基準に基づく判定処理を実行する。図1の例では、ステップS6が示す情報処理が、図2が示す第1判定基準に基づく判定処理に対応する。以下、第2判定基準に基づく判定処理について説明する。
【0070】
まず、情報処理装置100は、第2判定基準と関連する子供B1の状態を推定する。図1の例では、情報処理装置100は、子供B1に関する情報に基づいて、子供B1の精神的な発達の程度を推定する(ステップS5)。例えば、保育士の保育行動に対応する子供B1の反応が従順であるものとする。この場合、情報処理装置100は、子供B1に関する情報に基づいて、精神的な発達の程度が高いと推定する。
【0071】
次に、情報処理装置100は推定した子供B1の状態に基づいて、第2判定基準を満たすか否かを判定する。図1の例では、情報処理装置100は、保育行動に対応する子供B1の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS6)。例えば、保育士の保育行動に対応する子供B1の反応が従順であるものとする。この場合、情報処理装置100は、推定した「精神的な発達の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第2判定基準を満たすことから、保育行動に対応する子供B1の反応が従順であると判定する。
【0072】
そして、情報処理装置100は、第3判定基準に基づく判定処理を実行する。図1の例では、ステップS8が示す情報処理が、図2が示す第1判定基準に基づく判定処理に対応する。以下、第3判定基準に基づく判定処理について説明する。
【0073】
まず、情報処理装置100は、第3判定基準と関連する子供B1の状態を推定する。図1の例では、情報処理装置100は、子供B1に関する情報に基づいて、子供B1自身の排泄に対する認識の程度を推定する(ステップS7)。例えば、子供B1が、排泄がしたい場合に、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、情報処理装置100は、子供B1に関する情報に基づいて、子供B1自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定する。
【0074】
次に、情報処理装置100は推定した子供B1の状態に基づいて、第3判定基準を満たすか否かを判定する。図1の例では、情報処理装置100は、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS8)。例えば、子供B1が、排泄がしたい場合に、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、情報処理装置100は、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が第3判定基準を満たすことから、子供B1自身の排泄に対する子供B1の反応が、保育士の行動に対する反応であると判定する。
【0075】
続いて、情報処理装置100は、判定結果に基づいて、子供のトイレトレーニングの開始タイミングを決定する(ステップS9)。例えば、情報処理装置100は、第1判定基準に基づく判定結果が「2日以上連続で、お昼寝中に、子供B1のおむつ内に排泄がない」であり、第2判定基準に基づく判定結果が「保育行動に対応する子供B1の反応が従順である」であり、第3判定基準に基づく判定結果が「子供B1自身の排泄に対する子供B1の反応が、保育士の行動に対する反応である」である場合に、子供B1のトイレトレーニングの開始タイミングが現時点であると決定する。
【0076】
より具体的な例を挙げると、情報処理装置100は、各判定結果がそれぞれの判定基準を満たす場合に、おむつを着用する子供B1が、排泄時にトイレトレーニング用のパンツを着用するためのトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定する。
【0077】
また、他の例として、情報処理装置100は、各判定結果がそれぞれの判定基準を満たす場合に、子供B1に対してトイレに誘う等のトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定してもよい。
【0078】
なお、図1に示すステップS4、S6及びS8において説明した各判定基準に基づく判定処理において、第1判定基準と、第2判定基準と、第3判定基準とのいずれか1つが対応する判定基準を満たさない場合、情報処理装置100は、トイレトレーニングの開始タイミングが現時点ではないと決定する。
【0079】
続いて、情報処理装置100は、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報を端末装置10に提供する(ステップS10)。例えば、情報処理装置100は、トイレトレーニングの開始タイミングが、現時点であることを示す旨の情報を端末装置10に提供する。そして、利用者U1の操作に応じて、端末装置10は、トイレトレーニングの開始タイミングが現時点であることを示す旨の情報を、アプリケーションAPを介して表示する。
【0080】
従来、体内における排泄に関する情報である体内情報と、体内情報とは異なる情報であって体外に関する情報である体外情報とに基づいて、着用物品を着用する着用者が将来排泄する排泄タイミングを予測する技術が知られている。例えば、従来技術では、着用者が将来排泄する排泄タイミングを予測するに過ぎず、トイレトレーニングの開始時期を予測しているわけではなかった。このため、従来技術では、適切なトイレトレーニングの開始時期を決定することができるとは限らなかった。
【0081】
また、一般に、保育園では2歳又は2歳半等になった子供に対して、一律にトイレトレーニングを開始する場合があった。しかしながら、例えば、トイレトレーニングを開始することに対して心身の発達の準備ができている子供と、準備ができていない子供とがおり、子供によってはトイレトレーニングがうまくいかない場合があった。このため、適切なタイミングでトイレトレーニングが開始できるならば、子供にとってトイレで排泄を行うことへの心理的なハードルを低減することができると考えられる。また、トイレトレーニングがうまくいかない場合の子供の親の心理的負担を低減することができると考えられる。さらに、トイレトレーニングがうまくいかない場合に生じる保育士の業務的負担も低減することができると考えられる。
【0082】
そこで、情報処理装置100は、所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかを判定した判定結果と、保育者の保育行動に対応する被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定した判定結果と、被保育者自身の排泄に対する被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かを判定した判定結果とに基づいて、被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する。これにより、情報処理装置100は、適切なトイレトレーニングの開始時期を決定することができる。
【0083】
このようにして、情報処理装置100は、子供にとってトイレで排泄を行うことへの心理的なハードルを低減することができる。また、情報処理装置100は、親の心理的負担を低減することができる。さらに、情報処理装置100は、トイレトレーニングがうまくいかない場合に生じる保育士の業務的負担も低減することができる。
【0084】
〔1-2.情報処理システムの構成〕
次に、図3を用いて、第1実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とを含む。端末装置10及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図3に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0085】
端末装置10は、ブラウザに表示されるウェブコンテンツやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする利用者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、携帯電話機や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0086】
情報処理装置100は、インターネット等のネットワークNを介して、各種装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置100は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0087】
〔1-3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、第1実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0088】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0089】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、管理情報記憶部121と、判定基準情報記憶部122と、通知情報記憶部123とを有する。
【0090】
(管理情報記憶部121について)
管理情報記憶部121は、予め登録された利用者や被保育者の各種情報や、保育者によって入力された各種情報を記憶する。ここで、図4に、第1実施形態に係る管理情報記憶部121の一例を示す。図4に示した例では、管理情報記憶部121は、「管理情報ID」、「施設ID」、「保育者ID」、「被保育者情報」といった項目を有する。例えば、「被保育者情報」は、「利用者ID」、「被保育者ID」、「氏名」、「年齢」、「性別」、「住所」、「着用物品」、「保育履歴」といった項目を有する。
【0091】
「管理情報ID」は、管理情報を識別する識別子である。「施設ID」は、「管理情報ID」に対応付けられた管理情報が取得された施設を識別する識別子である。例えば、施設IDは、施設に予め割り振られた識別子等である。ここでいう施設とは、例えば、被保育者が利用する保育園等の施設である。
【0092】
「保育者ID」は、「施設ID」に対応付けられた施設の従業員である保育者を識別する識別子である。例えば、保育者IDは、保育者が所属する施設で予め割り振られた従業員コード等である。
【0093】
「利用者ID」は、「保育者ID」に対応付けられた利用者を識別する識別子である。ここでいう利用者とは、例えば、被保育者の両親や、祖父母等である。「被保育者ID」は、「保育者ID」に対応付けられた被保育者を識別する識別子である。ここでいう被保育者とは、例えば、子供である。
【0094】
「氏名」は、「被保育者ID」に対応付けられた被保育者の氏名に関する情報である。「年齢」は、「被保育者ID」に対応付けられた被保育者の年齢に関する情報である。「性別」は、「被保育者ID」に対応付けられた被保育者の性別に関する情報である。「住所」は、「被保育者ID」に対応付けられた被保育者の住所に関する情報である。「着用物品」は、「被保育者ID」に対応付けられた被保育者が着用している着用物品に関する情報である。例えば、着用物品は、おむつや、トイレトレーニング用のパンツ等である。
【0095】
「保育履歴」は、「被保育者ID」に対応付けられた被保育者に対する保育に関する情報である。例えば、保育履歴は、保育者によって入力された日付と、入力された保育に関する情報とを対応付けて記憶された情報である。ここでいう保育に関する情報とは、例えば、被保育者の排泄に関する記録や、被保育者の着用物品に関する記録や、被保育者の行動等に対する気付いた点に関する記録等に関する情報である。なお、保育に関する情報は、保育日誌に記載される情報をさらに含んでもよい。
【0096】
例えば、図4では、管理情報IDによって識別された「M1」は、施設IDが「F1」であり、保育者IDが「NU1」であり、利用者IDが「U1」であり、被保育者IDが「BU1」である。また、「M1」は、氏名が「BUN1」であり、年齢が「BUE1」であり、性別が「BUT1」であり、住所が「BUA1」である。また、「M1」は、着用物品が「BUM1」であり、保育履歴が「BUH1」である。
【0097】
なお、図4に示した例では、氏名等を、「BUN1」等の抽象的な符号で表現したが、年齢等は、数値や、文字列に関する情報や、氏名等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0098】
(判定基準情報記憶部122について)
判定基準情報記憶部122は、各判定基準に関する情報を記憶する。ここで、図5に、第1実施形態に係る判定基準情報記憶部122の一例を示す。図5に示した例では、判定基準情報記憶部122は、判定基準ID毎に対応する判定基準に関する情報が登録されたテーブルを複数有する。
【0099】
例えば、判定基準情報記憶部122は、「第1判定基準ID」、「第1判定基準」といった項目が登録されたテーブルを有する。また、判定基準情報記憶部122は、「第1判定基準ID」、「第2判定基準」といった項目が登録されたテーブルを有する。また、判定基準情報記憶部122は、「第3判定基準ID」、「第3判定基準」といった項目が登録されたテーブルを有する。
【0100】
「第1判定基準ID」は、第1判定基準を識別する識別子である。なお、図5に示す「第2判定基準ID」又は「第3判定基準ID」は、第2又は第3判定基準を識別する識別子である。
【0101】
「第1判定基準」は、「第1判定基準ID」が識別する第1判定基準の内容に関する情報である。例えば、第1判定基準の判定基準内容は、「お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がない」である。すなわち、第1判定基準の判定基準内容は、子供が排泄を我慢できる程度を示す。
【0102】
なお、第1判定基準の判定基準内容は、上記例に限定されなくともよく、例えば、「散歩する前に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がない」や、「お昼寝の準備を開始する前に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がない」等であってもよい。すなわち、子供達の集団行動前におむつ内に排泄がないことを確認できるならば、如何なる集団行動前の時期であってもよい。また、第1判定基準の判定基準内容は、例えば、「散歩する前に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がなく、お昼寝の準備を開始する前に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がない」等であってもよい。
【0103】
また、第1判定基準の判定基準内容のうち、所定の期間のうち連続する複数日以上は、1週間のうち連続する2日以上であってもよい。ここでいう連続する複数日は、2日以外では、3~5日が望ましい。また、第1判定基準の判定基準内容のうち、所定の期間のうち連続する複数日以上は、1週間のうち連続する5日以上であって、平日に保育園に出席した日すべてであってもよい。
【0104】
また、図5に示す「第2判定基準」又は「第3判定基準」は、「第2判定基準ID」又は「第3判定基準ID」が識別する第2又は第3判定基準の内容に関する情報である。
【0105】
例えば、第2判定基準の判定基準内容は、「保育行動に対応する子供の反応が従順である」である。すなわち、第2判定基準の判定基準内容は、保育士が子供に対して行う保育行動がスムーズであるか否かの程度を示す。
【0106】
なお、他の例として、第2判定基準の判定基準内容は、「子供が行動Aから遊びBに行動を切り替えるときがスムーズである」であってもよい。また、第2判定基準の判定基準内容は、「子供が朝の気分と、昼ごはん前の気分とで大きな変化がない」であってもよい。このように、第2判定基準の判定基準内容は、子供が保育園で生活をスムーズに行えているか否かの程度を示してもよい。
【0107】
例えば、第3判定基準の判定基準内容は、「子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応である」である。すなわち、第3判定基準の判定基準内容は、保育士の排泄に関する言葉かけに対する反応の程度を示す。
【0108】
また、他の例として、第3判定基準の判定基準内容は、「子供自身の排泄に対する子供の反応が、排泄後に、保育士に対して意思表示を示す反応である」である。また、第3判定基準の判定基準内容は、「子供自身の排泄に対する子供の反応が、排泄前に、保育士に対して意思表示を示す反応である」である。すなわち、第3判定基準の判定基準内容は、保育士に対して排泄の意思表示ができる程度を示す。ここでいう意思表示とは、例えば、言葉、及び身振り手振り等の何かしらの形で表示する意思表示である。
【0109】
例えば、図5では、第1判定基準IDによって識別された「DC1」は、第1判定基準が「DCR11」である。なお、図5に示した例では、第1判定基準等を、「DCR11」等の抽象的な符号で表現したが、第1判定基準等は、数値や、文字列に関する情報や、第1判定基準等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0110】
(通知情報記憶部123について)
通知情報記憶部123は、各判定基準に対応する通知に関する通知情報を記憶する。ここで、図6に、第1実施形態に係る通知情報記憶部123の一例を示す。図6に示した例では、通知情報記憶部123は、判定基準毎に対応する通知情報が登録されたテーブルを複数有する。
【0111】
例えば、通知情報記憶部123は、「第1通知情報ID」、「第1判定基準の通知情報」といった項目が登録されたテーブルを有する。また、通知情報記憶部123は、「第2通知情報ID」、「第2判定基準の通知情報」といった項目が登録されたテーブルを有する。また、通知情報記憶部123は、「第3通知情報ID」、「第3判定基準の通知情報」といった項目が登録されたテーブルを有する。
【0112】
「第1通知情報ID」は、第1通知情報を識別する識別子である。なお、図6に示す「第2通知情報ID」又は「第3通知情報ID」は、第2又は第3通知情報を識別する識別子である。
【0113】
「第1判定基準の通知情報」は、「第1通知情報ID」が識別する第1判定基準に対応する通知情報である。なお、図6に示す「第2判定基準の通知情報」又は「第3判定基準の通知情報」は、「第2通知情報ID」又は「第3通知情報ID」が識別する第2又は第3判定基準に対応する通知情報である。
【0114】
例えば、図6では、第1通知情報IDによって識別された「N1」は、第1判定基準の通知情報が「NI11」である。なお、図6に示した例では、第1判定基準の通知情報等を、「NI11」等の抽象的な符号で表現したが、第1判定基準の通知情報等は、数値や、文字列に関する情報や、第1判定基準の通知情報等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0115】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0116】
図3に示すように、制御部130は、受付部131と、取得部132と、推定部133と、第1判定部134と、第2判定部135と、第3判定部136と、決定部137と、提供部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0117】
(受付部131について)
受付部131は、各種情報を受付ける。具体的には、受付部131は、提供要求を端末装置10から受付ける。例えば、受付部131は、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報の提供要求を端末装置10から受付ける。なお、受付部131は、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報の提供要求とともに、利用者IDを端末装置10から受付けてもよい。
【0118】
(取得部132について)
取得部132は、各種情報を取得する。具体的には、取得部132は、被保育者に関する情報を取得する。例えば、取得部132は、被保育者の一例として、子供に関する情報を管理情報記憶部121から取得する。より具体的な例を挙げると、取得部132は、子供に関する情報として、子供の氏名や、年齢や、性別や、住所や、着用物品や、保育履歴等の情報を管理情報記憶部121から取得する。
【0119】
(推定部133について)
推定部133は、取得部132によって取得された子供に関する情報に基づいて、子供の状態を推定する。例えば、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、子供の状態として、子供が排泄を我慢できる程度を推定する。ここで推定した子供が排泄を我慢できる程度とは、第1判定基準と関連する子供の状態である。より具体的な例を挙げると、子供が、1週間の期間において、3日連続でお昼寝中におねしょをしていないものとする。この場合、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できると推定する。
【0120】
また、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、子供の状態として、子供の精神的な発達の程度を推定する。ここで推定した子供の精神的な発達の程度とは、第2判定基準と関連する子供の状態である。より具体的な例を挙げると、保育士の保育行動に対応する子供の反応が従順であるものとする。この場合、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、精神的な発達の程度が高いと推定する。
【0121】
また、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度を推定する。ここで推定した子供自身の排泄に対する認識の程度とは、第3判定基準と関連する子供の状態である。より具体的な例を挙げると、子供が、排泄がしたい場合に、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定する。
【0122】
また、他の例として、子供が、排泄する前に又は排泄をした後に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、推定部133は、子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定する。
【0123】
(第1判定部134について)
第1判定部134は、判定基準情報記憶部122に記憶された第1判定基準に基づいて、各種条件を判定する。具体的には、第1判定部134は、判定基準情報記憶部122に記憶された第1判定基準に基づいて、所定の期間のうち、連続する複数日以上、子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄がないかどうかを判定する。
【0124】
例えば、第1判定部134は、1週間の期間において、お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がないかどうかを判定する。より具体的な例を挙げると、第1判定部134は、推定部133が推定した「2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できる」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第1判定基準を満たすことから、2日以上連続で、お昼寝中に、子供のおむつ内に排泄がないと判定する。
【0125】
(第2判定部135について)
第2判定部135は、判定基準情報記憶部122に記憶された第2判定基準に基づいて、各種条件を判定する。具体的には、第2判定部135は、判定基準情報記憶部122に記憶された第2判定基準に基づいて、保育者の保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0126】
より具体的な例を挙げると、保育者として保育士の保育行動に対応する子供の反応が従順であるものとする。この場合、第2判定部135は、推定した「精神的な発達の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第2判定基準を満たすことから、保育行動に対応する子供の反応が従順であると判定する。
【0127】
(第3判定部136について)
第3判定部136は、判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準に基づいて、各種条件を判定する。具体的には、第3判定部136は、判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準に基づいて、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0128】
より具体的な例を挙げると、子供が、排泄がしたい場合に、保育士の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、第3判定部136は、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準を満たすことから、子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応であると判定する。
【0129】
他の例として、子供が、排泄をした後に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、第3判定部136は、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準を満たすことから、子供自身の排泄に対する子供の反応が、排泄後に、保育士に対して意思表示を示す反応であると判定する。
【0130】
また、子供が、排泄をする前に、保育士に対して意思表示ができるものとする。この場合、第3判定部136は、推定した「認識の程度が高い」という推定結果に基づいて、かかる推定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準を満たすことから、子供自身の排泄に対する子供の反応が、排泄前に、保育士に対して意思表示を示す反応であると判定する。
【0131】
(決定部137について)
決定部137は、第1判定部によって判定された判定結果と、第2判定部によって判定された判定結果と、第3判定部によって判定された判定結果とに基づいて、子供が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する。
【0132】
具体的には、決定部137は、第1判定部によって判定された判定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第1判定基準を満たし、第2判定部によって判定された判定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第2判定基準を満たし、第3判定部によって判定された判定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準を満たす場合に、現時点がトイレトレーニングの開始タイミング(排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングの一例)であると決定する。
【0133】
より具体的な例を挙げると、決定部137は、第1判定基準に基づく判定結果が「2日以上連続で、お昼寝中に、子供のおむつ内に排泄がない」であり、第2判定基準に基づく判定結果が「保育行動に対応する子供の反応が従順である」であり、第3判定基準に基づく判定結果が「子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応である」である場合に、子供のトイレトレーニングの開始タイミングが現時点であると決定する。このように、決定部137は、各判定結果がそれぞれの判定基準を満たす場合に、おむつを着用する子供が、排泄時にトイレトレーニング用のパンツを着用するためのトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定する。
【0134】
また、他の例として、決定部137は、各判定結果がそれぞれの判定基準を満たす場合に、おむつを着用する子供に対してトイレに誘う等のトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定してもよい。
【0135】
一方、決定部137は、第1判定部によって判定された判定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第1判定基準を満たさない場合、第2判定部によって判定された判定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第2判定基準を満たさない場合、又は、第3判定部によって判定された判定結果が判定基準情報記憶部122に記憶された第3判定基準を満たさない場合、現時点がトイレトレーニングの開始タイミングではないと決定する。
【0136】
より具体的な例を挙げると、決定部137は、第1判定基準に基づく判定結果が「2日以上連続で、お昼寝中に、子供のおむつ内に排泄がある」である場合に、現時点が子供のトイレトレーニングの開始タイミングではないと決定する。また、決定部137は、第2判定基準に基づく判定結果が「保育行動に対応する子供の反応が従順ではない」である場合に、現時点が子供のトイレトレーニングの開始タイミングではないと決定する。また、決定部137は、第3判定基準に基づく判定結果が「子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応ではない」である場合に、現時点が子供のトイレトレーニングの開始タイミングではないと決定する。このように、決定部137は、各判定結果のいずれかが対応する判定基準を満たさない場合に、現時点が子供のトイレトレーニングの開始タイミングではないと決定する。
【0137】
また、他の例として、決定部137は、各判定結果のいずれかが対応する判定基準を満たさない場合に、現時点が、おむつを着用する子供に対してトイレに誘う等のトレーニングを開始するタイミングではないと決定してもよい。
【0138】
(提供部138について)
提供部138は、各種情報を提供する。具体的には、提供部138は、決定部137によって決定されたタイミングに基づいて、排泄行為に関するトレーニングを開始するか否かを示す情報を提供する。例えば、提供部138は、排泄行為に関するトレーニングとしてトイレトレーニングを開始することを示す情報を提供する。
【0139】
例えば、提供部138は、トイレトレーニングの開始タイミングを示す旨の情報を端末装置10に提供する。例えば、提供部138は、トイレトレーニングの開始タイミングが、現時点であることを示す旨の情報を端末装置10に提供する。
【0140】
〔1-4.処理手順〕
次に、図7を用いて、第1実施形態に係る情報処理装置100が実行する決定処理の手順について説明する。図7は、第1実施形態に係る情報処理装置100が実行する決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0141】
図7に示すように、受付部131は、提供要求を受付ける(ステップS101)。例えば、受付部131は、提供要求を受付けていない場合(ステップS101;No)、提供要求を受付けるまで待機する。
【0142】
一方、第1判定部134は、受付部131が提供要求を受付けた場合(ステップS101;Yes)、お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がないかどうかを判定する(ステップS102)。
【0143】
例えば、推定部133は、取得部132によって取得された子供に関する情報に基づいて、子供が排泄を我慢できる程度を推定する。そして、第1判定部134は、子供が排泄を我慢できる程度に基づいて、お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がないと判定する(ステップS102;Yes)。
【0144】
続いて、第2判定部135は、保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS103)。例えば、推定部133は、取得部132によって取得された子供に関する情報に基づいて、子供の精神的な発達の程度を推定する。そして、第2判定部135は、子供の精神的な発達の程度に基づいて、保育行動に対応する子供の反応が従順であると判定する。この場合、第2判定部135は、保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たすと判定する(ステップS103;Yes)。
【0145】
そして、第3判定部136は、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。例えば、推定部133は、取得部132によって取得された子供に関する情報に基づいて、子供自身の排泄に対する認識の程度を推定する。そして、第3判定部136は、子供自身の排泄に対する認識の程度に基づいて、子供自身の排泄に対する子供の反応が、保育士の行動に対する反応であると判定する。この場合、第3判定部136は、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすと判定する(ステップS104;Yes)。
【0146】
続いて、決定部137は、子供が、トイレトレーニングを開始するタイミングと決定する(ステップS105)。そして、提供部138は、子供が、トイレトレーニングを開始するタイミングを示す旨を含む情報を提供する(ステップS106)。
【0147】
一方、決定部137は、第1判定部134が、子供が排泄を我慢できる程度に基づいて、お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄があると判定した場合(ステップS102;No)、第2判定部135が保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS103;No)、又は、第3判定部136が子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS104;No)、子供が、トイレトレーニングを開始するタイミングと決定する(ステップS107)。続いて、提供部138は、子供が、トイレトレーニングを開始しないタイミングを示す旨を含む情報を提供する(ステップS108)。
【0148】
〔2.第2実施形態〕
〔2-1.情報処理装置が示す情報処理の一例〕
次に、第2実施形態について説明する。上述してきた第1実施形態では、情報処理装置100が、トイレトレーニングの開始タイミングを決定する例について説明した。第2実施形態では、情報処理装置200が、各判定結果を得るための情報を保育士に示す情報処理の例を示す。
【0149】
図8を用いて、第2実施形態に係る情報処理装置200が実行する情報処理の一例について説明する。図8は、第2実施形態に係る情報処理装置200が実行する情報処理の一例を示す図である。
【0150】
図8に示すように、第2実施形態に係る情報処理システム2(システムの一例)の構成について説明する。図8は、第2実施形態に係る情報処理システム2の構成例を示す図である。図8に示すように、情報処理システム2は、端末装置10と、情報処理装置200とを含む。端末装置10及び情報処理装置200は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図8に示す情報処理システム2には、複数台の端末装置10や、複数台の情報処理装置200が含まれてもよい。
【0151】
情報処理装置200は、インターネット等のネットワークNを介して、各種装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置200は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0152】
以下では、図8を用いて、保育士N1が判定表C2を利用して、トイレトレーニングの開始タイミングを決定する例について説明する。ここで、判定表C2は、図2に示した判定表C1が示す判定基準が印字された書類である。なお、図8で説明するステップは、便宜上自然人の行動を含み得る。
【0153】
図8の例では、保育士N1は、自身の保育担当である子供B1及びB2を担当する先生である。また、子供B1及びB2は、おむつを着用しているものとする。以下では、保育士N1が判定表C2を利用して、子供B1及びB2のトイレトレーニングの開始タイミングを決定する例について説明する。
【0154】
図8に示すように、情報処理装置200は、保育士N1によって利用される端末装置10から、管理情報の提供要求を受付ける(ステップS21)。例えば、端末装置10は、管理情報として子供B1及びB2に関する情報の提供要求を情報処理装置200に送信する。この場合、情報処理装置200は、子供B1及びB2に関する情報の提供要求を端末装置10から受付ける。
【0155】
続いて、情報処理装置200は、管理情報を提供する(ステップS22)。例えば、情報処理装置200が有する所定の記憶部に子供B1及びB2に関する情報が記憶されているものとする。この場合、情報処理装置200は、管理情報として、子供B1に関する情報として、子供B1の氏名や、年齢や、性別や、住所や、着用物品や、保育履歴等の情報を所定の記憶部から提供する。
【0156】
また、情報処理装置200は、管理情報として、子供B2に関する情報として、子供B2の氏名や、年齢や、性別や、住所や、着用物品や、保育履歴等の情報を所定の記憶部から提供する。
【0157】
そして、端末装置10は、判定結果を得るための情報を示す(ステップS23)。例えば、端末装置10は、判定結果を得るための情報として、子供B1及びB2に関する情報を示す。
【0158】
続いて、保育士N1は、1週間の観察記録期間において、お昼寝中に、連続する2日以上、子供のおむつ内に排泄がないかどうかを判定する(ステップS24)。図8の例では、保育士N1は、子供B1及びB2に対して、判定表C2に記載の第1判定基準に基づく判定を行う。例えば、子供B1が、1週間の観察記録期間において、3日連続でお昼寝中におねしょをしていないものとする。この場合、保育士N1は、子供B1に関する情報に基づいて、2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できると推定されるため、かかる推定結果が第1判定基準を満たすと判定する。そして、保育士N1は、子供B1に対して、2日以上連続で、お昼寝中に、子供B1のおむつ内に排泄がないと判定する。
【0159】
また、例えば、子供B2が1週間の観察記録期間において、6日連続でお昼寝中におねしょをしなかったことがなかったものとする。この場合、保育士N1は、子供B2に関する情報に基づいて、2日以上連続で、お昼寝中に排泄を我慢できると推定できないため、かかる推定結果が第1判定基準を満たさないと判定する。そして、保育士N1は、子供B2に対して、2日以上連続で、お昼寝中に、子供B1のおむつ内に排泄がないことがないと判定する。
【0160】
そして、保育士N1は、保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS25)。図8の例では、保育士N1は、子供B1に対して、判定表C2に記載の第2判定基準に基づく判定を行う。例えば、保育士N1の保育行動に対応する子供B1の反応が従順であるものとする。この場合、保育士N1は、子供B1に関する情報に基づいて、精神的な発達の程度が高いと推定されるため、かかる推定結果が第2判定基準を満たすと判定する。そして、保育士N1は、子供B1に対して、保育行動に対応する子供B1の反応が従順であると判定する。
【0161】
続いて、保育士N1は、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS26)。図8の例では、保育士N1は、子供B1に対して、判定表C2に記載の第3判定基準に基づく判定を行う。例えば、子供B1が、排泄がしたい場合に、保育士N1の言葉がけに対して意思表示ができるものとする。この場合、保育士N1は、子供B1に関する情報に基づいて、子供B1自身の排泄に対する認識の程度が高いと推定されるため、かかる推定結果が第3判定基準を満たすと判定する。そして、保育士N1は、子供B1に対して、子供B1自身の排泄に対する子供B1の反応が、保育士N1の行動に対する反応であると判定する。
【0162】
そして、保育士N1は、判定結果に基づいて、子供が、トイレトレーニングの開始タイミングを決定する(ステップS27)。例えば、保育士N1は、第1判定基準に基づく判定結果が「2日以上連続で、お昼寝中に、子供B1のおむつ内に排泄がない」であり、第2判定基準に基づく判定結果が「保育行動に対応する子供B1の反応が従順である」であり、第3判定基準に基づく判定結果が「子供B1自身の排泄に対する子供B1の反応が、保育士N1の行動に対する反応である」である場合に、子供B1のトイレトレーニングの開始タイミングが現時点であると決定する。
【0163】
より具体的な例を挙げると、保育士N1は、各判定結果がそれぞれの判定基準を満たす場合に、おむつを着用する子供B1を、排泄時にトイレに誘う等のトレーニングを開始するタイミングが現時点であると決定する。
【0164】
一方、保育士N1は、第1判定基準に基づく判定結果が「2日以上連続で、お昼寝中に、子供B1のおむつ内に排泄がないことがない」である場合に、子供B2のトイレトレーニングの開始タイミングが現時点ではないと決定する。
【0165】
より具体的な例を挙げると、保育士N1は、各判定結果のいずれかが対応する判定基準を満たさない場合に、おむつを着用する子供B2をトイレに誘う等のトレーニングを開始するタイミングが現時点ではないと決定する。このため、保育士N1は、子供B2に対して、おむつの着用を続けるように対応する。
【0166】
続いて、情報処理装置200は、保育活動に関する情報を端末装置10から受付ける(ステップS28)。例えば、端末装置10は、保育士N1が子供B1及びB2に対する保育活動に関する情報を入力した場合に、かかる保育活動に関する情報を情報処理装置200に送信する。この場合、情報処理装置200は、保育活動に関する情報を端末装置10から受付ける。
【0167】
そして、情報処理装置200は、保育活動に関する情報を管理する(ステップS29)。例えば、情報処理装置200は、受付けた保育活動に関する情報を保育履歴として所定の記憶部に記憶し、管理する。
【0168】
従来、体内における排泄に関する情報である体内情報と、体内情報とは異なる情報であって体外に関する情報である体外情報とに基づいて、着用物品を着用する着用者が将来排泄する排泄タイミングを予測する技術が知られている。かかる従来技術では、例えば、着用者が将来排泄する排泄タイミングを予測するに過ぎず、トイレトレーニングの開始時期を予測しているわけではなかった。このため、従来技術では、適切なトイレトレーニングの開始時期を決定することができるとは限らなかった。
【0169】
また、一般に、保育園では2歳又は2歳半等になった子供に対して、一律にトイレトレーニングを開始する場合があった。しかしながら、例えば、トイレトレーニングを開始することに対して心身の発達の準備ができている子供と、準備ができていない子供とがおり、子供によってはトイレトレーニングがうまくいかない場合があった。このため、適切なタイミングでトイレトレーニングが開始できるならば、子供にとってトイレで排泄を行うことへの心理的なハードルを低減することができると考えられる。また、トイレトレーニングがうまくいかない場合の子供の親の心理的負担を低減することができると考えられる。さらに、トイレトレーニングがうまくいかない場合に生じる保育士の業務的負担も低減することができると考えられる。
【0170】
そこで、情報処理システム2は、所定の期間のうち、連続する複数日以上、被保育者が排泄時に着用する着用物品内に排泄がないかどうかの判定結果と、保育者の保育行動に対応する被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果と、被保育者自身の排泄に対する被保育者の反応が所定の条件を満たすか否かの判定結果とに基づいて、被保育者が、排泄行為に関するトレーニングを開始するタイミングを決定する方法を実施するためのシステムあり、情報処理システム2は、被保育者の情報を管理し、各判定結果を得るための情報を保育者に示す。これにより、情報処理システム2は、適切なトイレトレーニングの開始時期を決定することができる。
【0171】
このようにして、情報処理システム2は、子供にとってトイレで排泄を行うことへの心理的なハードルを低減することができる。また、情報処理システム2は、親の心理的負担を低減することができる。さらに、情報処理システム2は、トイレトレーニングがうまくいかない場合に生じる保育士の業務的負担も低減することができる。
【0172】
〔2-2.情報処理装置の構成〕
次に、図9を用いて、第2実施形態に係る情報処理装置200の構成について説明する。図9は、第2実施形態に係る情報処理装置200の構成の一例を示す図である。図9に示すように、情報処理装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0173】
(記憶部220について)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、管理情報記憶部121を有する。なお、記憶部220が有する管理情報記憶部121は、第1実施形態に係る管理情報記憶部121と同一のため説明を省略する。
【0174】
(制御部230について)
制御部230は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、情報処理装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0175】
図9に示すように、制御部230は、受付部231と、管理部232と、提供部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部230の内部構成は、図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0176】
(受付部231について)
受付部231は、各種情報を受付ける。具体的には、受付部231は、管理情報の提供要求を端末装置10から受付ける。例えば、受付部231は、子供に関する情報の提供要求を端末装置10から受付ける。
【0177】
また、受付部231は、保育士が子供に対する保育活動に関する情報を端末装置10から受付ける。
【0178】
(管理部232について)
管理部232は、各種情報を管理する。具体的には、管理部232は、被保育者の情報を管理する。例えば、管理部232は、保育活動に関する情報を管理する。より具体的には、管理部232は、受付部231によって受付けられた保育活動に関する情報を保育履歴として管理情報記憶部121に記憶し、管理する。
(提供部233について)
提供部233は、各種情報を提供する。具体的には、提供部233は、管理情報を提供する。例えば、提供部233は、管理情報として、子供に関する情報として、子供の氏名や、年齢や、性別や、住所や、着用物品や、保育履歴等の情報を管理情報記憶部121から提供する。
【0179】
〔2-3.処理手順〕
次に、図10を用いて、第2実施形態に係る情報処理装置200が実行する情報処理の手順について説明する。図10は、第2実施形態に係る情報処理装置200が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0180】
図10に示すように、受付部231は、提供要求を受付ける(ステップS201)。例えば、受付部231は、提供要求を受付けていない場合(ステップS201;No)、提供要求を受付けるまで待機する。
【0181】
一方、提供部233は、受付部231が提供要求を受付けた場合(ステップS201;Yes)、管理情報記憶部121に記憶された管理情報を提供する(ステップS202)。
【0182】
〔3.実験結果〕
次に、図11図14を用いて判定表C1及びC2を用いた際の実験結果について説明する。以下では、判定表C2を用いた例について説明する。
【0183】
まず、トイレトレーニングの実施するに際し、かかる実施に参加した参加者(子供)のうち、介入群が220名であり、対照群が197名である。この場合、介入群では、37の保育園が協力した。また、対照群では、33の保育園が協力した。
【0184】
ここで、介入群とは、判定表C2を用いてトイレトレーニングの開始時期が決定された参加者の群である。また、対照群は、判定表C2を用いずに、従来の保育園での方法でトイレトレーニングの開始時期が決定された参加者の群である。
【0185】
介入群及び対照群にトイレトレーニングを実施させた期間は、2022年7月~2023年6月までの期間である。また、介入群及び対照群に対して、トイレトレーニングを実施する前(2022年6月)と、トイレトレーニングを実施した後(2023年3月~6月)とでアンケートを実施した。以下の説明では、アンケート結果に基づいて実験結果を示す。
【0186】
まず、介入群及び対照群の参加者の傾向について確認する。ここで、図11に、実験開始時の介入群の参加者の月齢の傾向を示す。図11は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。図11において、縦軸が頻度を示し、横軸が月齢を示す。図11では、介入群の月齢の平均は、27.3ヶ月であった。
【0187】
また、図12に、実験開始時の対照群の参加者の月齢の傾向を示す。図12は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。図12において、縦軸が頻度を示し、横軸が月齢を示す。図12では、対照群の月齢の平均は、27.6ヶ月であった。
【0188】
図11図12とを比較すると、介入群と対照群とでは、月齢に有意差はなかった。また、介入群と対照群とで性別についてさらに比較すると、男女の比率についても有意差はなかった。
【0189】
次に、判定表C2を用いることで、参加者のトイレトレーニングの期間が短縮されるか、及び、トイレトレーニングが完了する月齢が前倒しとなるか実験を行った。かかる実験結果を表1と、表2とに示す。
【0190】
【表1】
【0191】
【表2】
【0192】
表1は、トイレトレーニングを完了した完了者について、トイレトレーニングを開始した月齢(表1の開始月齢に相当)と、トイレトレーニングを終了した月齢(表1の終了月齢に相当)と、トイレトレーニングの期間(表1のトイトレ期間に相当)とを示す。表1では、介入群において、トイレトレーニングを完了した完了者は、24名であった。この場合、開始月齢の平均値が33.8ヶ月であり、終了月齢の平均値が36.2ヶ月であり、トイトレ期間の平均値が2.4ヶ月であった。なお、介入群のうち、トイレトレーニングを開始した開始者は、56名であった。
【0193】
また、表1では、対照群において、トイレトレーニングを完了した完了者は、27名であった。この場合、開始月齢の平均値が35.4ヶ月であり、終了月齢の平均値が39.4ヶ月であり、トイトレ期間の平均値が3.9ヶ月であった。また、対象群のうち、トイレトレーニングを開始した開始者は、62名であった。
【0194】
表1において介入群と対照群との間の有意差検定をすると、開始月齢のp値が0.242であり、終了月齢のp値が0.005であり、トイトレ期間のp値が0.025であった。このように、終了月齢のp値に基づくと、介入群の終了月齢と、対照群の終了月齢とでは有意差があり、終了月齢が短くなることがわかった。ここで、p値<0.05であるときに、有意差があると判断した。また、トイトレ期間のp値に基づくと、介入群のトイトレ期間と、対照群のトイトレ期間とでは有意差があり、トイトレ期間が短くなることがわかった。このことから、参加者のトイレトレーニングの期間が短縮され、且つ、トイレトレーニングが完了する月齢が前倒しとなることを確かめることができた。
【0195】
表2は、表1と異なり、対照群のうち、従来の保育園の方法が判定表C2と同様な判定基準に基づいてトイレトレーニングを開始している保育園を除外した場合の実験結果を示す。表2は、トイレトレーニングを完了した完了者について、開始月齢と、終了月齢と、トイトレ期間とを示す。表2の介入群は、表1の介入群と同一の内容であるため、説明を省略する。
【0196】
また、表2では、対照群において、トイレトレーニングを完了した完了者は、15名であった。この場合、開始月齢の平均値が35.2ヶ月であり、終了月齢の平均値が39.6ヶ月であり、トイトレ期間の平均値が4.4ヶ月であった。
【0197】
表2において介入群と対照群との間の有意差検定をすると、開始月齢のp値が0.320であり、終了月齢のp値が0.024であり、トイトレ期間のp値が0.040であった。このように、表2でも同様に、終了月齢のp値に基づくと、介入群の終了月齢と、対照群の終了月齢とでは有意差があり、終了月齢が短くなることがわかった。また、トイトレ期間のp値に基づくと、介入群のトイトレ期間と、対照群のトイトレ期間とでは有意差があり、トイトレ期間が短くなることがわかった。このことから、表2においても、参加者のトイレトレーニングの期間が短縮され、且つ、トイレトレーニングが完了する月齢が前倒しとなることを確かめることができた。
【0198】
以上のように、表1及び表2によれば、トイレトレーニングの適切な開始時期を判定できることを確認することができた。このように、トイレトレーニングの期間が短縮することにより、利用者及び子供は、トイレトレーニングに対する悩みの蓄積を避けることができると考えられる。また、トイレトレーニングの期間が短縮することで、保育園側の負担が低減する可能性がある。また、表1及び表2によると、判定表C2を用いることで、トイレトレーニングの開始月齢も前倒しできることが示唆された。
【0199】
次に、図13図14を用いて、保育士に対するアンケート結果を示す。図13は、判定表C2を使用することで自己肯定感に変化が生じたか否かに関するアンケートを保育士にとった結果を示す。図13は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。図13では、縦軸が、アンケート結果を解析した際に算出したスコアである。また、横軸は、判定表C2を用いる前(事前)と、判定表C2を用いる後(事後)とを示す。図13に示すアンケート結果は、介入群に含まれる保育園に勤務する保育士33人のアンケート結果である。図13によると、事前と事後とを比較すると、事前と事後とでは、有意差はなかった。このように、図13によると、判定表C2を用いたことで保育士の自己肯定感に有意な変化はないと考えられる。
【0200】
しかしながら、事前のスコアと、事後のスコアとを比較すると、事後のスコアの方が高い傾向があることがわかった。これについて考察する。一般に、保育士は、保育方法について業務を行いつつ、保育方法を習得する。また、保育士は、研修に参加することで保育方法についてより習熟していく。しかしながら、保育方法のうちには、慣習的に行っている保育方法が含まれる。そのため、科学的な根拠を有する保育方法を習得することが望まれる場合がある。例えば、保育士は、科学的な根拠を有する保育方法を習得することで、利用者に対して説得力を持って保育方法について説明することができる。また、保育士は、自身の保育方法について自信を持って実施することできる。これにより、保育士は、自身の自己肯定感を向上させることを可能とすると考えられる。
【0201】
例えば、保育士は、判定表C2を用いることで、子供毎にトイレトレーニングを開始することができる発達状態であることを判定することができる。また、保育士は、判定表C2を用いれば、科学的な根拠に基づいて、トイレトレーニングの期間を短縮することができる。このように、保育士は、判定表C2を用いることで、科学的な根拠に基づいて保育方法をより深く理解することができる。また、保育士は、自信を持って保育できる可能性がある。このように、アンケート結果によれば、保育士自身の自己肯定感を向上させる可能性があると推察される。
【0202】
図14は、判定表C2を使用することで業務負担に変化が生じたか否かに関するアンケートを保育士にとった結果を示す。図14は、第1及び第2実施形態に係る実験結果の一例を示す図である。図14では、縦軸が、アンケート結果を解析した際に算出したスコアである。また、横軸は、判定表C2を用いる前(事前)と、判定表C2を用いる後(事後)とを示す。図14に示すアンケート結果は、介入群に含まれる保育園に勤務する保育士33人のアンケート結果である。図14によると、事前と事後とを比較すると、事前と事後とでは、有意差はなかった。すなわち、判定表C2を用いたことで保育士の業務負担が増えたと感じることはなかったと考えられる。
【0203】
また、いくつかの保育園の保育士に判定表C2を説明したところ、第1~第3判定基準の内容が理解でき、判定表C2に基づく行動を行うことができると確認することができた。このように、判定表C2に記載の第1~第3判定基準は、保育士にとって理解しやすく、且つ、判定しやすいものであることがわかった。また、実際に、トイレトレーニングの期間が短くなることで、おもらし等の掃除及び洗濯や、子供をトイレに誘う行動等の業務を減らせることが可能となった。これにより、保育士は、子供への保育の業務に時間をより費やすことが可能となると考えられる。
【0204】
〔4.変形例〕
上述した情報処理装置100又は200は、上記第1又は第2実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100又は200の他の実施形態について説明する。
【0205】
〔4-1.施設〕
上記第1又は第2実施形態では、施設が、子供が利用する保育園である例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、施設が、子供が利用する保育園であって、所定のサービスに登録された保育園であってもよい。例えば、所定のサービスは、保育園を利用する子供が着用する着用物品を保育園に提供するサブスクリプションサービスである。この場合、利用者が、かかるサブスクリプションサービスに契約している。また、保育園は、かかるサブスクリプションサービスが利用可能な保育園として登録されている。なお、上記サブスクリプションサービスは、情報処理装置100を管理する事業者によって提供される。
【0206】
〔4-2.商品情報〕
上記第1実施形態では、提供部138が、決定部137によって決定されたタイミングに基づいて、排泄行為に関するトレーニングを開始するか否かを示す情報を提供する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、提供部138は、第1判定部134によって判定された判定結果に基づいて、所定の商品に関する情報をさらに提供してもよい。例えば、所定の商品とは、第1判定基準に基づく判定がしやすくなる商品である。
【0207】
より具体的な例を挙げると、商品が、排泄の有無を示すインジケータが付されたおむつであるものとする。この場合、提供部138は、判定結果が、所定の期間のうち連続する複数日以上子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄が有るである場合、排泄の有無を示すインジケータが付されたおむつに関する情報をさらに提供してもよい。
【0208】
このように、提供部138は、第1判定部134によって判定された判定結果に基づいて、第1判定基準に基づく判定がしやすくなる商品に関する情報を提供することができる。これにより、提供部138は、利用者に対して子供の第1判定基準に基づく判定がしやすくなるように促すことができる。
【0209】
〔4-3.通知情報〕
上記第1実施形態では、提供部138が、決定部137によって決定されたタイミングに基づいて、排泄行為に関するトレーニングを開始するか否かを示す情報を提供する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、提供部138は、所定の通知情報をさらに提供してもよい。
【0210】
例えば、提供部138は、第1判定部134によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供してもよい。より具体的な例を挙げると、提供部138は、判定結果が、所定の期間のうち連続する複数日以上子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄が有るである場合、所定の通知情報として、「まだまだ不安にならなくても待つのがいいと思うよ」といった通知内容を示す通知情報をさらに提供してもよい。
【0211】
また、他の例として、提供部138は、判定結果が、所定の期間のうち連続する複数日以上子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄が有るである場合、所定の通知情報として、「~のような生活行動を行うといいよ」といった通知内容を示す通知情報をさらに提供してもよい。
【0212】
なお、提供部138は、判定結果が、所定の期間のうち連続する複数日以上子供が排泄時に着用するおむつ内に排泄が有るである場合、所定の通知情報として「何日後に、また挑戦してみよう」等といった通知内容を示す通知情報を提供してもよい。
【0213】
また、提供部138は、第2判定部135によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供してもよい。より具体的な例を挙げると、提供部138は、判定結果が、保育者の保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として、脳神経発達学に基づくアドバイスを示す通知情報をさらに提供してもよい。
【0214】
なお、提供部138は、判定結果が、保育者の保育行動に対応する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として「何日後に、また挑戦してみよう」等といった通知内容を示す通知情報を提供してもよい。
【0215】
また、提供部138は、第3判定部136によって判定された判定結果に基づいて、所定の通知情報をさらに提供してもよい。より具体的な例を挙げると、提供部138は、判定結果が、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として、「トイレの声掛けをもっとしてみよう!」といった通知内容を示す通知情報をさらに提供してもよい。
【0216】
また、他の例として、子供に兄弟等がいるものとする。この場合、提供部138は、判定結果が、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として、「お兄さんといっしょにトイレにいってみよう」といった通知内容を示す通知情報をさらに提供してもよい。
【0217】
なお、提供部138は、判定結果が、子供自身の排泄に対する子供の反応が所定の条件を満たさないである場合、所定の通知情報として「何日後に、また挑戦してみよう」等といった通知内容を示す通知情報を提供してもよい。
【0218】
このように、提供部138は、第1~第3判定基準に基づく判定結果毎に、子供の状態に応じて生じた障害等を解消するようなアドバイスを示す通知情報をさらに提供してもよい。これにより、提供部138は、第1~第3判定基準に基づく判定結果に基づく適切なアドバイスに関する情報を通知情報として提供することができる。
【0219】
〔4-4.判定表〕
さらに、上記第2実施形態で説明した判定表は、バーコード等の1次元コードや、QR(Quick Response)コード(登録商標)等の2次元コード等が印字されていてもよい。例えば、判定表に2次元コードが印字されているものとする。この場合、2次元コードには、保育士と、子供との識別情報が含まれていてもよい。例えば、端末装置10がカメラ機能を有するものとする。この場合、端末装置10は、保育士の操作に応じて、2次元コードを読取る。2次元コードを読取った場合、端末装置10は、保育士によって入力された保育活動に関する情報を情報処理装置200に送信するように機能してもよい。
【0220】
〔4-5.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0221】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成してもよい。
【0222】
また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組合せて実行されてもよい。
【0223】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路に読み替えることができる。
【0224】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や、情報処理装置100及び200は、例えば、図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下では、情報処理装置100を例に挙げて説明する。図15は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0225】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0226】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0227】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0228】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0229】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
【0230】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0231】
N ネットワーク
1 情報処理システム
2 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 管理情報記憶部
122 判定基準情報記憶部
123 通知情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 取得部
133 推定部
134 第1判定部
135 第2判定部
136 第3判定部
137 決定部
138 提供部
200 情報処理装置
220 記憶部
230 制御部
231 受付部
232 管理部
233 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15