(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080946
(43)【公開日】2024-06-17
(54)【発明の名称】製造装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194317
(22)【出願日】2022-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】302046920
【氏名又は名称】株式会社デザインネットワーク
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】原 史朗
(72)【発明者】
【氏名】山本 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 孝弘
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA00
5F131BB03
5F131BB13
5F131DA05
5F131DA22
5F131DB92
5F131DB93
5F131DD33
5F131DD43
5F131KA12
5F131KB22
(57)【要約】
【課題】複数の製造装置で複数の工程を行う場合の工程間の待ち時間の増大を抑止し、生産性を向上させることができる製造装置を提供する。
【解決手段】半導体製造装置2A,2B,2Cは、筐体3に設けられた凹部7に、ウェハ4が収容されたウェハ搬送容器10を、筐体3の内部でウェハ4の処理を行うために載置する容器載置台9と、ウェハ搬送容器10を仮置きするための仮置き台8と、ウェハ搬送容器10を、容器載置台9、及び仮置き台8、及び隣接する複数の半導体製造装置2A,2B,2Cの間で搬送する搬送ユニット11とを設け、搬送ユニット11は、ウェハ搬送容器10を容器載置台9から仮置き台8に搬送する基本動作1と、ウェハ搬送容器10を仮置き台8から容器載置台9に搬送する基本動作2と、ウェハ搬送容器10を複数の仮置き台8,8のうちの一の仮置き台8から他の仮置き台8に搬送する基本動作3と、をそれぞれ行うように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部において、基板に対する各種の処理を行う製造装置であって、
該筐体の一部に凹部が設けられ、
この凹部に、
前記基板が収容された収容容器を、前記筐体の内部で前記基板の処理を行うために載置する容器載置台と、
該容器載置台に載置する前後の前記収容容器を仮置きするための仮置き台と、
前記収容容器を、前記容器載置台、及び前記仮置き台、及び隣接する複数の前記製造装置の間で搬送する搬送ユニットとを設け、
前記搬送ユニットは、
前記収容容器を前記容器載置台から前記仮置き台に搬送する第一の動作と、
前記収容容器を前記仮置き台から前記容器載置台に搬送する第二の動作と、
前記収容容器を複数の前記仮置き台のうちの一の前記仮置き台から他の前記仮置き台に搬送する第三の動作と、をそれぞれ行うように構成されたことを特徴とする製造装置。
【請求項2】
前記搬送ユニットは、複数の前記製造装置が併設された状態において、一方向側に隣接された前記製造装置の前記仮置き台、及び/又は、他方向側に隣接された前記製造装置の前記仮置き台に前記収容容器を搬送できる距離まで移動可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記仮置き台は、一の前記製造装置において、前記容器載置台の一方向側又は他方向側に設けられ、
前記第三の動作は、一の前記製造装置の前記仮置き台と、該一の製造装置に隣接された他の前記製造装置の前記仮置き台との間で前記収容容器を搬送することで行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記仮置き台は、一の前記製造装置において、前記容器載置台の一方向側及び他方向側に設けられ、
前記第三の動作は、一の前記製造装置の前記それぞれの仮置き台の間で前記収容容器を搬送することで行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項5】
前記第一の動作、及び/又は、前記第三の動作において、
隣接する複数台の前記製造装置の間で前記収容容器の搬送を行う場合、前記収容容器の搬送先側にある前記搬送ユニットが前記収容容器を取得して搬送する、又は、前記収容容器の搬送元側にある前記搬送ユニットが前記収容容器を取得して搬送する、ように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項6】
前記第三の動作において、
同一の前記製造装置の間で前記収容容器の搬送を行う場合、前記一方向側の前記仮置き台、前記容器載置台、前記他方向側の前記仮置き台のうちの何れを搬送元とし、何れを搬送先とできることを特徴とする請求項4に記載の製造装置。
【請求項7】
前記第三の動作において、
前記容器載置台に一の前記収容容器が載置された状態で、前記容器載置台の一方向側の前記仮置き台に載置された他の前記収容容器を他方向側の前記仮置き台に搬送する順方向側の追越し搬送、及び/又は、
前記容器載置台に一の前記収容容器が載置された状態で、前記容器載置台の前記他方向側の前記仮置き台に載置された他の前記収容容器を前記一方向側の前記仮置き台に搬送する逆方向側の追越し搬送をそれぞれ行えるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項8】
前記第一の動作、及び、前記第二の動作、及び、前記第三の動作において、
一方向側の前記容器載置台、又は、一方向側の前記仮置き台に第一の前記収容容器が載置された状態で、前記第一の前記収容容器を他方向側の前記仮置き台、又は、他方向側の容器載置台に搬送する順方向側の搬送と、
他方向側の前記仮置き台、又は、他方向側の前記容器載置台に第二の前記収容容器が載置された状態で、前記第二の前記収容容器を前記一方向側の前記容器載置台、又は、前記一方向側の前記仮置き台に搬送する逆方向側の搬送と、
を有するすれ違い搬送を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項9】
前記凹部には、二次元コードを読み取るための読取手段が設けられ、
前記読取手段は、前記収容容器に記録された、該収容容器の搬送手順を決定するための搬送情報が記録された二次元コードを読み取ることで前記収容容器の搬送制御を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一つに記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路など、複数の製造装置間で処理対象を搬送して製造するための製造装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路等の各種デバイスは、複数の製造工程を経て製造される。たとえば、半導体ウェハを基板としてデバイスとしての半導体チップを製造する場合、複数の工程のそれぞれに用いる複数の製造装置間で基板を搬送しながら製造が行われる。このような製造工程においては、製造装置間で基板を安全かつ自動的に搬送する技術が求められる。
【0003】
従来、基板にデバイスを製造する工程において、複数の製造装置を併設し、これらの製造装置に搬送ユニットを設け、基板の収容容器にウェハを収容し、搬送ユニットによって製造装置間で収容容器を搬送する技術が知られている。
【0004】
図12に、この従来の技術の概略図を示す。同図に示すとおり、この技術においては、複数併設された半導体製造装置101A,101B,101Cに、処理対象のウェハがそれぞれ収容された収容容器100
1,100
2,100
3,を順次搬送しながら基板を製造する。
図12には、半導体製造装置101A,101B,101Cの搬送経路104
1,104
2,104
3,104
4,104
5,104
6を模式的に示している。半導体製造装置101A,101B,101Cには、収容容器100
1,100
2,100
3,を載置する仮置き台102と処理対象のウェハが収容された収容容器100
1,100
2,100
3を載置する容器載置台103とが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、引用文献1に記載の発明においては、複数の半導体製造装置101A,101B,101Cの間の収容容器1001,1002,1003の搬送経路1041,1042,1043,1044,1045,1046に分岐や合流がない。そして、1つの搬送経路1041,1042,1043,1044,1045,1046上で複数の収容容器1001,1002,1003,を順次搬送することになる。また、それぞれの収容容器1001,1002,1003は、それぞれの半導体製造装置101A,101B,101Cにおいて、仮置き台102と容器載置台103とを順に経由して搬送される。
【0007】
このため、例えば
図12に示すように、特定の装置たとえば半導体製造装置101Cで基板への処理が長時間行われる場合や、半導体製造装置101Cで故障が起きた場合には、半導体製造装置101Cの容器載置台103に載置された収容容器100
1の搬送が停止する。そして、収容容器100
1よりも搬送順序の遅い収容容器100
2,100
3の搬送は滞留してしまい、収容容器100
2,100
3に収容されたウェハの処理は遅延する。それゆえ、無駄な待機時間の発生により製造工程が無駄に長くなり、生産性が低下するという問題がある。また、複数の半導体製造装置101A,101B,101Cは順方向(
図12における右側から左側)のみに収容容器100
1,100
2,100
3を搬送するため、搬送経路と逆方向の工程を混在させることはできず、多様なデバイスを製造することに支障を来たし、生産性が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の製造装置で複数の工程を行う場合の工程間の待ち時間の増大を抑止し、生産性を向上させることができる製造装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、筐体の内部において、基板に対する各種の処理を行う製造装置であって、該筐体の一部に凹部が設けられ、この凹部に、前記基板が収容された収容容器を、前記筐体の内部で前記基板の処理を行うために載置する容器載置台と、該容器載置台に載置する前後の前記収容容器を仮置きするための仮置き台と、前記収容容器を、前記容器載置台、及び前記仮置き台、及び隣接する複数の前記製造装置の間で搬送する搬送ユニットとを設け、前記搬送ユニットは、前記収容容器を前記容器載置台から前記仮置き台に搬送する第一の動作と、前記収容容器を前記仮置き台から前記容器載置台に搬送する第二の動作と、前記収容容器を複数の前記仮置き台のうちの一の前記仮置き台から他の前記仮置き台に搬送する第三の動作と、をそれぞれ行うように構成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記搬送ユニットは、複数の前記製造装置が併設された状態において、一方向側に隣接された前記製造装置の前記仮置き台、及び/又は、他方向側に隣接された前記製造装置の前記仮置き台に前記収容容器を搬送できる距離まで移動可能に構成されたことを特徴とする
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記仮置き台は、一の前記製造装置において、前記容器載置台の一方向側又は他方向側に設けられ、前記第三の動作は、一の前記製造装置の前記仮置き台と、該一の製造装置に隣接された他の前記製造装置の前記仮置き台との間で前記収容容器を搬送することで行われることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記仮置き台は、一の前記製造装置において、前記容器載置台の前記一方向側及び前記他方向側に設けられ、前記第三の動作は、一の前記製造装置の前記それぞれの仮置き台の間で前記収容容器を搬送することで行われることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第一の動作、及び/又は、前記第三の動作において、隣接する複数台の前記製造装置の間で前記収容容器の搬送を行う場合、前記収容容器の搬送先側にある前記搬送ユニットが前記収容容器を取得して搬送する、又は、前記収容容器の搬送元側にある前記搬送ユニットが前記収容容器を取得して搬送する、ように構成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の構成に加え、前記第三の動作において、同一の前記製造装置の間で前記収容容器の搬送を行う場合、前記一方向側の前記仮置き台、前記容器載置台、前記他方向側の前記仮置き台のうちの何れを搬送元とし、何れを搬送先とできることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第三の動作において、前記容器載置台に一の前記収容容器が載置された状態で、前記容器載置台の一方向側の前記仮置き台に載置された他の前記収容容器を他方向側の前記仮置き台に搬送する順方向側の追越し搬送、及び/又は、前記容器載置台に一の前記収容容器が載置された状態で、前記容器載置台の前記他方向側の前記仮置き台に載置された他の前記収容容器を前記一方向側の前記仮置き台に搬送する逆方向側の追越し搬送をそれぞれ行えるように構成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第一の動作、及び、前記第二の動作、及び、前記第三の動作において、一方向側の前記容器載置台、又は、一方向側の前記仮置き台に第一の前記収容容器が載置された状態で、前記第一の前記収容容器を他方向側の前記仮置き台、又は、他方向側の容器載置台に搬送する順方向側の搬送と、
他方向側の前記仮置き台、又は、他方向側の前記容器載置台に第二の前記収容容器が載置された状態で、前記第二の前記収容容器を前記一方向側の前記容器載置台、又は、前記一方向側の前記仮置き台に搬送する逆方向側の搬送と、を有するすれ違い搬送を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一つに記載の構成に加え、前記凹部には、二次元コードを読み取るための読取手段が設けられ、前記読取手段は、前記収容容器に記録された、該収容容器の搬送手順を決定するための搬送情報が記録された二次元コードを読み取ることで前記収容容器の搬送制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、収容容器を、容器載置台、及び仮置き台、及び隣接する複数の製造装置の間で搬送する搬送ユニットを設け、搬送ユニットは、前記収容容器を前記容器載置台から前記仮置き台に搬送する第一の動作と、前記収容容器を前記仮置き台から前記容器載置台に搬送する第二の動作と、前記収容容器を複数の前記仮置き台のうちの一の前記仮置き台から他の前記仮置き台に搬送する第三の動作と、をそれぞれ行うように構成されている。そのため、製造装置を複数台直列状に並べて製造装置間で収容容器を搬送させて複数の工程を行う場合に、複数の収容容器の順序を入れ替えたり、特定の収容容器を特定の容器載置台を飛び越して搬送させたり、特定の収容容器を逆方向に搬送させたりと、多様な搬送を実現できる。また、そのような収容容器の多様な搬送を実現することで、複数の収容容器の搬送の滞留が生じる事態を抑止できる。これにより、複数の製造装置で複数の工程を行う場合の工程間の待ち時間の増大を抑止し、生産性を向上させることができる製造装置を提供することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、搬送ユニットは、複数の製造装置が併設された状態において、一方向側に隣接された製造装置の仮置き台、及び/又は、他方向側に隣接された製造装置の仮置き台に収容容器を搬送できる距離まで移動可能に構成されている。そのため、複数の製造装置間での、搬送ユニットによる仮置き台と容器載置台との間での収容容器の搬送や、搬送ユニットによる仮置き台と仮置き台との間での収容容器の搬送を支障なく行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、複数の製造装置の間で、仮置き台と仮置き台との間での収容容器の搬送を支障なく行うことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、一の製造装置において、仮置き台と仮置き台との間での収容容器の搬送を支障なく行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、収容容器の搬送先側にある搬送ユニットが収容容器を取得して搬送する、又は、収容容器の搬送元側にある搬送ユニットが収容容器を取得して搬送する、ように構成されたことにより、搬送ユニットを画一的な制御手順によって制御できる。そのため、制御用のプログラムや制御用の機構を画一化、簡略化することができ、搬送制御の煩雑化を抑止できる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、同一の製造装置における、一方向側の仮置き台、容器載置台、他方向側の仮置き台のうちの何れを搬送元とし、何れを搬送先とできることにより、同一の製造装置において、第一の動作、第二の動作、第三の動作を支障なく行うことができる。これにより、同一の製造装置において、多様な搬送を実現し、複数の収容容器の搬送の滞留が生じる事態を抑止できる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、容器載置台に一の収容容器が載置された状態で、仮置き台に載置された他の収容容器を順方向側、及び/又は、逆方向側に追越し搬送を行わせる。そのため、特定の製造装置における製造工程の最中に、複数の収容容器の順序を入れ替えたり、特定の収容容器を特定の容器載置台を飛び越して搬送させたり、特定の収容容器を逆方向に搬送させたりすることを実現できる。これにより、製造工程中の製造装置において、多様な搬送を実現し、複数の収容容器の搬送の滞留が生じる事態を抑止できる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、第一の収容容器を順方向側に、第二の収容容器を逆方向側に搬送させることにより、複数の収容容器の多様な搬送を迅速に支障なく行うことができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、収容容器に記録された二次元コードによって収容容器の搬送制御を行うことにより、個々の収容容器に収容された基板ごとの製造工程に基づいて、収容容器ごとに搬送順序や搬送先を容易かつ確実に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】この実施の形態1の生産ラインを示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はウェハが収容されたウェハ搬送容器である。
【
図2】同上生産ラインにおける、基本動作1、基本動作2によるウェハ搬送容器の搬送工程を示す図である。
【
図3】同上生産ラインにおける、基本動作3によるウェハ搬送容器の搬送工程を示す図である。
【
図4】同上生産ラインにおける追越し搬送を示す概略図である。
【
図5】同上生産ラインにおける追越し搬送の第1の例を示す概略図である。
【
図6】同上生産ラインにおける追越し搬送の第2の例を示す概略図である。
【
図7】同上生産ラインにおける追越し搬送の第3の例を示す概略図である。
【
図8】この実施の形態2の生産ラインを示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はウェハが収容されたウェハ搬送容器である。
【
図9】同上生産ラインにおける、ルール1、ルール2によるウェハ搬送容器の搬送工程を示す図である。
【
図10】同上生産ラインにおけるウェハ搬送容器の追越し搬送を示す図である。
【
図11】同上生産ラインにおけるウェハ搬送容器のすれ違い搬送を示す図である。
【
図12】引用文献1に示す従来技術の問題点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[発明の実施の形態1]
図1乃至
図7には、この発明の実施の形態1を示す。
【0028】
実施の形態1に係る生産ライン1Aは、
図1の(a)に示すように、複数、この実施の形態1では3個の「製造装置」としての半導体製造装置2A,2B,2Cが床面上に一直線上に隣接して並設されている。それぞれの半導体製造装置2A,2B,2Cは、小型、たとえば直径約12.5mmの「基板」としてのウェハ4により半導体チップを製造するための個々の製造工程を行うための装置である。
図1の(c)に示すように、この実施の形態1のウェハ4は、直径約40mm、高さ約15mmほどの略円筒形で気密性を有する「収容容器」としてのウェハ搬送容器10に収容された状態で、半導体製造装置2A,2B,2C相互間で搬送される。
【0029】
なお、ウェハ4やウェハ搬送容器10の形状や大きさや上述のもののみに限定されず、本実施の形態1を実現できる形状や大きさならどのようなものでもよい。また、ウェハ4の材質は、半導体チップの材料となるものであれば、シリコン、酸化ガリウム、サファイア、各種化合物半導体等、どのようなものでもよい。
【0030】
図1における右側の半導体製造装置2A、中央の半導体製造装置2B、左側の半導体製造装置2Cは、互いに所定間隔(例えば、6mm)の隙間を挟んで横向きに対向している。
【0031】
なお、以下は説明を簡略化するため、特に区別の必要がある場合を除き、半導体製造装置2A,2B,2C等を半導体製造装置2と記載する。
【0032】
各半導体製造装置2はそれぞれ、
図1に示すように、所定の大きさ(例えば、幅30cm、奥行き45cm、高さ144cm)の略直方体状の筐体3を有している。半導体製造装置2の形状や大きさは、上述のものに限定されず、本実施の形態1を実現できる形状や大きさであればどのようなものでもよい。また、半導体製造装置2A,2B,2Cの形状や大きさは同一であることが望ましいが、本実施の形態1を実現できるものであれば、それぞれの形状や大きさに相違があってもよい。
【0033】
筐体3の内部には、
図1の(b)に示すように、ウェハ4に各種の処理を行う処理機器(図示せず)が内蔵された処理室5と、処理室5の前方に位置して、処理前と処理後のウェハ4を前後方向及び上下方向に搬送する内部搬送装置(図示せず)が設けられた前室6が配設されている。
【0034】
また、筐体3の前部には、
図1の(a)(b)に示すように、凹部7が前室6の上方に形成されている。この凹部7は、使用者が操作を行う前面側、および、複数の半導体製造装置2が連接されてウェハ4が搬送される方向である側面側が開放され、前面から奥行きに向けて凹んでいる。凹部7には、ウェハ搬送容器10を載置するための容器載置台9と、ウェハ搬送容器10を一時的に保持するための仮置き台8が設置されている。
【0035】
容器載置台9は、載置されたウェハ搬送容器10の底面を開放させる開放装置(図示せず)を備え、ウェハ搬送容器10に収容されたウェハ4を前室6の内部搬送装置(図示せず)に載置したり、内部搬送装置(図示せず)に載置されたウェハ4をウェハ搬送容器10に収容する機能を備える。
【0036】
仮置き台8は、
図1の(a)に示すように、半導体製造装置2の正面視の状態で、容器載置台9よりも一方向側である右側に配設されている。この仮置き台8は、ウェハ搬送容器10とほぼ同径の略円板状の台で、容器載置台9に載置される前後のウェハ搬送容器10が一時的に載置される。
【0037】
図1の(a)に示すように、半導体製造装置2が複数並設されたときの正面視において、任意の半導体製造装置2の仮置き台8は、その半導体製造装置2の容器載置台9と、その隣の半導体製造装置2の容器載置台9との間に位置するように設けられている。
図1の(b)に示すように、容器載置台9と仮置き台8とは前後方向(
図1の(b)の矢印Y方向)が同じ位置に配設されている。
【0038】
また、半導体製造装置2が複数並設されたときには、これら複数の半導体製造装置2の並設方向(
図1(a)の矢印X方向)に延伸する複数の凹部7が、ウェハ搬送容器10の搬送経路11aを形成する。
【0039】
図2に示すとおり、筐体3には、凹部7に搬送ユニット11が設けられている。この搬送ユニット11は、半導体製造装置2の併設方向に延伸する。
【0040】
搬送ユニット11は、
図2に示すように、X軸モータ(図示せず)によってX方向に移動する搬送アーム12と、この搬送アーム12の一端(
図2右端)に回転自在に取り付けられた駆動側プーリ13と、搬送アーム12の他端(
図2左端)に回転自在に取り付けられた従動側プーリ14と、駆動側プーリ13および従動側プーリ14に架け渡されたベルト15と、このベルト15の一部に固定され、ウェハ搬送容器10の上部を吸着して把持する容器把持部材16とから構成されている。そして、X軸モータ(図示せず)を回転駆動すると、搬送アーム12がX方向に移動するとともに駆動側プーリ13が転動し、ベルト15が回転して、容器把持部材16がX方向に移動するように構成されている。搬送アーム12と容器把持部材16との間には、ピニオン・ラック構造(図示せず)により搬送アーム12のX方向の移動を増速して容器把持部材16に伝える増速機構が設けられている。この増速機構により、例えば、搬送アーム12がX方向に25cm移動すると、容器把持部材16はX方向に30cm移動する。
【0041】
搬送ユニット11は、複数の半導体製造装置2が併設された状態において、一の半導体製造装置2の容器載置台9の一方向側に設けられた仮置き台8と、この半導体製造装置2の他方向側に隣接された半導体製造装置2の仮置き台8とにウェハ搬送容器10を搬送できる距離まで移動可能に構成されている。即ち、搬送ユニット11の容器把持部材16は、
図2の(a)に示す、一方向側の半導体製造装置2の仮置き台8の位置から、
図2の(c)に示す、他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8の位置までの距離D1を移動可能に構成されている。
【0042】
図1の(a)に示すとおり、この実施の形態1の生産ライン1Aは、搬送制御装置17を有する。搬送制御装置17は、たとえばパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット等の機器であり、CPU等の演算機能と、RAM、ROM、EPROM等のデータやプログラムの演算処理領域や記録手段としての機能を有する。また、搬送制御装置17は、通信インターフェース機能を有し、個々の半導体製造装置2A,2B,2Cとデータや信号の送受信を行う。
【0043】
搬送制御装置17は、個々の半導体製造装置2A,2B,2Cの搬送ユニット11の搬送を統括的に制御する。搬送制御装置17は、プログラムの実行等によって構成される、機能手段としての搬送制御部17aを備える。搬送制御部17aは、個々のウェハ搬送容器10に収容された個々のウェハ4の製造工程や、その製造工程を実現するための、それぞれの半導体製造装置2A,2B,2Cにおけるウェハ搬送容器10の搬送制御を行う。
【0044】
具体的には、例えば、搬送制御部17aは、それぞれの半導体製造装置2A,2B,2Cにおいて、どのウェハ搬送容器10がどの仮置き台8や容器載置台9に載置されているかについての載置位置情報、それぞれの半導体製造装置2A,2B,2Cでの処理開始の情報や処理終了の情報を、それぞれの半導体製造装置2A,2B,2Cから受領する。そして、搬送制御部17aは、搬送ユニット11に対し、個々の半導体製造装置2A,2B,2Cの搬送ユニット11に対し、ウェハ搬送容器10を搬送させるための搬送命令を出力し、搬送ユニット11に、半導体製造装置2A,2B,2Cの内部、あるいは半導体製造装置2A,2B,2C相互間でのウェハ搬送容器10の搬送を行わせる。
【0045】
なお、搬送制御装置17は、半導体製造装置2A,2B,2Cの何れか一つに内蔵されてもよい。また、搬送制御装置17は、個々の半導体製造装置2A,2B,2Cに分散して設けられたものがネットワーク接続されて連携動作する構成や、クラウドシステム上の構成であってもよい。
【0046】
[ウェハ搬送容器の構成等]
図1の(c)に示すように、ウェハ搬送容器10の表面には、QRコード(登録商標)、バーコード等の二次元コード18が付されている。この二次元コード18には、それぞれのウェハ搬送容器10に収容されたウェハ4によって製造される製品の製造工程に関する情報、たとえば、製品の製造に用いる半導体製造装置2や、複数の半導体製造装置2間の搬送順序等を決定するための搬送情報が記録されている。
【0047】
この実施の形態1の生産ライン1Aには、二次元コード運用手段19が設けられている。この二次元コード運用手段19は、カメラ20と二次元コード解析部21とを備える。
【0048】
カメラ20は、それぞれの半導体製造装置2、例えば容器載置台9の上方に設けられて、搬送中のウェハ搬送容器10の二次元コード18を撮影する。カメラ20は、半導体製造装置2のどの部分に設けられていてもよく、たとえば容器把持部材16に設けられていてもよい。
【0049】
二次元コード解析部21は、搬送制御装置17においてプログラムの実行等による機能手段として実現される。二次元コード解析部21は、カメラ20が撮影した二次元コード18を解析し、二次元コード18に記録されている、それぞれのウェハ搬送容器10の搬送順序等を認識し、認識した情報を搬送制御装置17における個々のウェハ搬送容器10の搬送制御に用いる。
【0050】
なお、二次元コード18と二次元コード解析部21に替えて、RFIDタグ、三次元コード等、情報を記録できるコードや部材、及びそれらの読取装置や識別装置等、搬送順序や製造工程等を記録し認識できる他の手段を用いることもできる。
【0051】
[工程と基板搬送の順序]
この実施の形態1においては、基本的に、ウェハ4を収容したウェハ搬送容器10が、まず
図1に示す半導体製造装置2A、次に半導体製造装置2B、次に半導体製造装置2C、と、右側から左側に向かって順次搬送されて工程が行われる。
【0052】
ただし、工程の少なくとも一部が
図1の左側から右側に進行してもよい。たとえば、一つのウェハ4に対し、まず半導体製造装置2A、次に半導体製造装置2B、の順に処理工程が行われたのち、再度半導体製造装置2Aで工程が行われてもよい。またたとえば、一つのウェハ4に対し、まず半導体製造装置2A、次に半導体製造装置2Bを飛ばして半導体製造装置2Cで工程が行われてもよい。さらに、順次工程が行われる複数のウェハ4には、それぞれ異なる処理が行われてもよい。
【0053】
以上により、この実施の形態1においては、半導体製造装置2A,2B,2Cに搬送される複数のウェハ搬送容器10は、相互間の搬送順序や、それぞれの半導体製造装置2A,2B,2Cでの工程の回数等がそれぞれ異なっていてもよい。
【0054】
[搬送制御1.概説]
図2及び
図3は、この実施の形態1の生産ライン1Aにおけるウェハ搬送容器10の搬送工程を模式的に示す図である。以下、これらの図に基づいて搬送工程を説明する。
【0055】
図2及び
図3においては、複数たとえば2つの半導体製造装置2が一方向側(同図の右側)と他方向側(同図の左側)に隣接して設置された状態の概要を示している。
【0056】
[搬送制御2.前提動作]
生産ライン1Aにおける生産工程の開始前は、半導体製造装置2の容器載置台9、及び仮置き台8にウェハ搬送容器10は載置されていない(図示せず)。
【0057】
ここで、生産工程が開始され、
図2の(a)に示すように、ウェハ4が収容されたウェハ搬送容器10が一方向側の半導体製造装置2の仮置き台8に載置された場合を考える。半導体製造装置2の搬送ユニット11は、搬送制御装置17の搬送制御部17aの制御により、容器把持部材16を、デフォルト位置である容器載置台9の上方から、
図2の(a)に示すように、仮置き台8の上方に移動させる。二次元コード運用手段19のカメラ20が把持されたウェハ搬送容器10の二次元コード18を撮影し、二次元コード解析部21が、このウェハ搬送容器10の搬送順序や搬送先を決定する。
【0058】
この状態で、容器把持部材16が下方に移動し、容器把持部材16が仮置き台8上のウェハ搬送容器10を把持する。この状態で、搬送ユニット11は、容器把持部材16を上方に移動させ、さらに他方向側に移動させる。この状態で、容器把持部材16は、一方向側の半導体製造装置2の容器載置台9の上方まで移動される。搬送ユニット11が容器把持部材16を下方に移動させ、
図2の(b)の矢印Aに示すように、ウェハ搬送容器10を容器載置台9に載置すると、容器載置台9はウェハ搬送容器10の下方からウェハ4を取り出して半導体製造装置2内に取り込み、半導体製造装置2はウェハ4への処理工程を行う。
【0059】
一方向側の半導体製造装置2で処理工程が完了すると、ウェハ4は半導体製造装置2内からウェハ搬送容器10内に収容される。
【0060】
[搬送制御3.基本動作1]
このウェハ搬送容器10を一方向側の半導体製造装置2から他方向側の半導体製造装置2に搬送する場合、「第一の動作」としての基本動作1が行われる。
【0061】
基本動作1とは、搬送ユニット11が、ウェハ搬送容器10を容器載置台9から仮置き台8に搬送する工程である。
【0062】
図2において、基本動作1の一例を示す。一方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11は、容器把持部材16を容器載置台9上で下方に移動させて容器載置台9上のウェハ搬送容器10を把持する。搬送ユニット11は、
図2の(c)の矢印Bに示すように容器把持部材16を上方、さらに他方向側に移動させ、
図2の(c)に示すように、容器把持部材16を他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8の上方まで移動させる。
図2の(c)の矢印Cに示すように、搬送ユニット11は、容器把持部材16を下方に移動させて、他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8にウェハ搬送容器10を載置する。このように、基本動作1が行われる。
【0063】
[搬送制御4.基本動作2]
一の半導体製造装置2内でウェハ搬送容器10を搬送する場合、搬送ユニット11は、「第二の動作」としての基本動作2を行う。
【0064】
基本動作2とは、搬送ユニット11が、ウェハ搬送容器10を仮置き台8から容器載置台9に搬送する工程である。
【0065】
図2において、基本動作2の一例を示す。たとえば、
図2の(d)に示す、他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8にウェハ搬送容器10が載置された場合を考える。この場合、搬送制御装置17の制御により、容器把持部材16はデフォルト位置である容器載置台9の上方から、
図2の(d)に示す、仮置き台8の上方に移動される。この状態で、搬送ユニット11は容器把持部材16を下方に移動させて、容器把持部材16によって仮置き台8上のウェハ搬送容器を把持し、
図2の(e)の矢印Dに示すように、容器把持部材16を上方、次いで他方向側に移動させる。そして、
図2の(e)の矢印Eに示すように、容器把持部材16が容器載置台9上にウェハ搬送容器10を載置する。このように、基本動作2が行われ、他方向側の半導体製造装置2内でウェハ4に対する処理工程が行われる。
【0066】
[搬送制御5.基本動作1と基本動作2のバリエーション]
上記とは逆に、まず他方向側の半導体製造装置2、次いで一方向側の半導体製造装置2で処理工程を行う場合も、基本動作1と基本動作2が用いられる。ただし、上述の説明とは逆に、
図2の(e)→(d)→(c)→(b)→(a)の順番に工程が行われる。
【0067】
[搬送制御6.基本動作3]
この実施の形態1の生産ライン1Aにおいて、一方向側の半導体製造装置2の仮置き台8に載置されたウェハ搬送容器10に収容されたウェハ4を、一方向側の半導体製造装置2での処理工程を飛ばして他方向側の半導体製造装置2での処理工程を行う場合を考える。この場合、「第三の動作」としての基本動作3が行われる。
【0068】
基本動作3とは、搬送ユニット11が、ウェハ搬送容器10を一の仮置き台8から他の仮置き台8に搬送する工程である。
【0069】
なお、一のウェハ搬送容器10が、容器載置台9に載置された他のウェハ搬送容器10を飛び越して搬送経路上の一方向側や他方向側に搬送される工程を「追越し搬送」と称する(以下、本明細書において同じ。)。
【0070】
基本動作3の一例を説明する。
図3の(a)に示すように、一方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11は、容器把持部材16を仮置き台8の上方に移動させる。容器把持部材16が仮置き台8上のウェハ搬送容器10を把持すると、
図3の(b)の矢印Aに示すように、搬送ユニット11は容器把持部材16を他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8の上方まで移動させる。そして、搬送ユニット11は、矢印Bに示すように、ウェハ搬送容器10を他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8に載置する。このように、基本動作3による追越し搬送が行われる。
【0071】
図3の(c)に示すように、他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11は、仮置き台8の上方まで移動し、仮置き台8に載置されたウェハ搬送容器10を把持し、矢印C、矢印Dに示すようにウェハ搬送容器10を容器載置台9に搬送して、他方向側の半導体製造装置2での処理工程を行わせる。一方向側の搬送ユニット11は、矢印Eに示すように、容器載置台9上のウェハ搬送容器10を持ち上げて、他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8に搬送する。
【0072】
[搬送制御7.基本動作3の具体例(1)]
図4は、この実施の形態1の追越し搬送を示す概略図である。
図5は、この実施の形態1の追越し搬送の第1の例を示す概略図である。
図4,
図5では、一例として、4つの半導体製造装置2A,2B,2C,2Dが併設された場合を示している。
【0073】
図4及び
図5の第一の搬送経路22
1,22
2,22
3,22
4,22
5,22
6,22
7,22
8,22
9は、上述の、基本動作1と、基本動作2のみによるウェハ搬送容器10
1,10
2の搬送経路を模式的に示したものである。この第一の搬送経路22
1,22
2,22
3,22
4,22
5,22
6,22
7,22
8,22
9において、複数のウェハ搬送容器10
1,10
2は、順次搬送が行われ、複数のウェハ搬送容器10
1,10
2の搬送の順序が途中で入れ替わることはない。また、すべてのウェハ搬送容器10
1,10
2は、必ず、それぞれの半導体製造装置2A,2B,2C,2Dの容器載置台9を通過する。
【0074】
そのため、
図4において、第一の搬送経路22
1,22
2,22
3,22
4,22
5,22
6,22
7,22
8,22
9のみで搬送が行われる場合、搬送先側の一のウェハ搬送容器10
1と搬送元側の他のウェハ搬送容器10
2の搬送順序が入れ替わることはない。
【0075】
図5は、半導体製造装置2Cが搬送トラブルを起こし、半導体製造装置2Cの容器載置台9上で、一のウェハ搬送容器10
1の搬送が止まった状態を示している。この場合、
図5に示すように、第1の搬送経路22
6,22
7(
図4参照)がなくなってしまう。そのため、残りの第一の搬送経路22
1,22
2,22
3,22
4,22
5,22
8,22
9のみでは、後続の他のウェハ搬送容器10
2は、半導体製造装置2Cの仮置き台8よりも先に搬送できなくなってしまう。そして、一のウェハ搬送容器10
1の搬送が再開するまで、他のウェハ搬送容器10
2の搬送は無駄に停滞してしまう。
【0076】
一方、
図4に模式的に示すように、基本動作3に基づく第二の搬送経路23
1,23
2,23
3がさらに設けられた場合は、
図5の状況において、他のウェハ搬送容器10
2は、第二の搬送経路23
3を用いてウェハ搬送容器10
1を追越す追越し搬送を行い、半導体製造装置2Dに搬送できる。そして、半導体製造装置2Cの容器載置台9上で、一のウェハ搬送容器10
1の搬送が止まった場合であっても、他のウェハ搬送容器10
2の追越し搬送を行い、半導体製造装置2Dに搬送できる。これにより、ウェハ搬送容器10
2の搬送の無駄な停滞や処理の遅滞を防ぐことができる。
【0077】
[搬送制御8.基本動作3の具体例(2)]
図6は、この実施の形態1の追越し搬送の第2の例を示す概略図である。
図6も、4つの半導体製造装置2A,2B,2C,2Dが併設された場合を示し、
図4と同一の構成に同一の符号を付している。
【0078】
図6において、一のウェハ搬送容器10
1に収容したウェハ4は半導体製造装置2Cでの処理が必要で、他のウェハ搬送容器10
2に収容したウェハ4は半導体製造装置2Cでの処理が不要であるとする。
【0079】
図6の(a)には、一のウェハ搬送容器10
1が半導体製造装置2Cの容器載置台9に載置され、他のウェハ搬送容器10
2が半導体製造装置2Bの容器載置台9に載置された状態を示している。
【0080】
図6の(b)に示すように、他のウェハ搬送容器10
2は、半導体製造装置2Cの仮置き台8に載置されたのち、第二の搬送経路23
3により、一のウェハ搬送容器10
1を追越して搬送される。そして、他のウェハ搬送容器10
2は、半導体製造装置2Dの仮置き台8に載置される。
図6の(c)に示すように、他のウェハ搬送容器10
2は、第一の搬送経路22
8により、半導体製造装置2Dの仮置き台8から容器載置台9に搬送される。その後、一のウェハ搬送容器10
1は、基本動作1により、半導体製造装置2Cの容器載置台9から半導体製造装置2Dの仮置き台8に搬送される。これにより、ウェハ搬送容器10
2の搬送の無駄な停滞や処理の遅滞を防ぐことができる。
【0081】
[搬送制御9.基本動作3の具体例(3)]
図7は、この実施の形態1の追越し搬送の第3の例を示す概略図である。
図7も、4つの半導体製造装置2A,2B,2C,2Dが併設された場合を示し、
図4と同一の構成に同一の符号を付している。
【0082】
図7において、一のウェハ搬送容器10
1に収容したウェハ4は半導体製造装置2Cでの工程が不要である。他のウェハ搬送容器10
2に収容したウェハ4は半導体製造装置2Bでの工程が不要である。
【0083】
図7の(a)には、一のウェハ搬送容器10
1が半導体製造装置2Bの容器載置台9に載置され、他のウェハ搬送容器10
2が半導体製造装置2Aの容器載置台9に載置された状態を示している。
【0084】
図7の(b)に示すように、一のウェハ搬送容器10
1は、半導体製造装置2Bの容器載置台9に載置されている。この状態で、半導体製造装置2Aの容器載置台9から半導体製造装置2Bの仮置き台8には、第一の搬送経路22
3により、他のウェハ搬送容器10
2が搬送される。
【0085】
図7の(b)に示すように、他のウェハ搬送容器10
2は、第二の搬送経路23
2を用いた基本動作3により、一のウェハ搬送容器10
1への追越し搬送が行われて、半導体製造装置2Cの仮置き台8に載置される。さらに、他のウェハ搬送容器10
2は、第一の搬送経路22
6により容器載置台9に搬送され、
図7の(c)に示す状態となる。
【0086】
さらに、
図7の(d)に示すように、一のウェハ搬送容器10
1は、第一の搬送経路22
5により、半導体製造装置2Bの容器載置台9から半導体製造装置2Cの仮置き台8に搬送される。そして、一のウェハ搬送容器10
1は、第二の搬送経路23
3を用いた基本動作3により、他のウェハ搬送容器10
2への追越し搬送が行われ、半導体製造装置2Dの仮置き台8に載置される。さらに、一のウェハ搬送容器10
1は、第一の搬送経路22
8により容器載置台9に搬送される。
【0087】
以上の追越し搬送により、一のウェハ搬送容器101、他のウェハ搬送容器102の搬送の無駄な停滞や処理の遅滞を防ぐことができる。
【0088】
[搬送制御10.基本動作3のバリエーション]
なお、他方向側の半導体製造装置2の仮置き台8に載置されたウェハ搬送容器10に収容されたウェハ4を一方向側に搬送し、一方向側の半導体製造装置2で基本動作3による追越し搬送を行うこともできる。この場合は、上記とは逆に、
図3の(c)→(b)→(a)の順番に工程が行われる。
【0089】
[作用効果]
以下、この実施の形態1においては、ウェハ搬送容器10を、容器載置台9、及び仮置き台8、及び隣接する複数の半導体製造装置2の間で搬送する搬送ユニット11を設ける。搬送ユニット11は、ウェハ搬送容器10を容器載置台9から仮置き台8に搬送する基本動作1と、ウェハ搬送容器10を仮置き台8から容器載置台9に搬送する基本動作2と、ウェハ搬送容器10を複数の仮置き台8,8のうちの一の仮置き台8から他の仮置き台8に搬送する基本動作3と、をそれぞれ行うように構成されている。
【0090】
そのため、半導体製造装置2を複数台直列状に並べて半導体製造装置2間でウェハ搬送容器10を搬送させて複数の工程を行う場合に、多様な搬送を実現できる。たとえば、複数のウェハ搬送容器10の順序を入れ替えたり、特定のウェハ搬送容器10を特定の容器載置台9を飛び越して搬送させたりできる。また、そのようなウェハ搬送容器10の多様な搬送を実現することで、複数のウェハ搬送容器10の搬送の滞留が生じる事態を抑止できる。
【0091】
これにより、複数の半導体製造装置2で複数の工程を行う場合の工程間の待ち時間の増大を抑止し、生産性を向上させることができる半導体製造装置2を提供できる。
【0092】
この実施の形態1においては、搬送ユニット11は、複数の半導体製造装置2が併設された状態において、一方向側に隣接された半導体製造装置2の仮置き台8、及び/又は、他方向側に隣接された半導体製造装置2の仮置き台8に収容容器を搬送できる距離まで移動可能に構成されている。そのため、複数の半導体製造装置2間での、搬送ユニット11による仮置き台8と容器載置台9との間でのウェハ搬送容器10の搬送や、搬送ユニット11による仮置き台8と仮置き台8との間でのウェハ搬送容器10の搬送を支障なく行うことができる。
【0093】
この実施の形態1においては、複数の半導体製造装置2の間で、仮置き台8と仮置き台8との間でのウェハ搬送容器10の搬送を支障なく行うことができる。
【0094】
この実施の形態1においては、容器載置台9に一のウェハ搬送容器10が載置された状態で、仮置き台8に載置された他のウェハ搬送容器10を順方向側、及び/又は、逆方向側に追越し搬送を行わせる。そのため、特定の半導体製造装置2における製造工程の最中に、複数のウェハ搬送容器10の順序を入れ替えたり、特定のウェハ搬送容器10を特定の容器載置台9を飛び越して搬送させたり、特定のウェハ搬送容器10を逆方向に搬送させたりすることを実現できる。これにより、製造工程中の半導体製造装置2において、多様な搬送を実現し、複数のウェハ搬送容器10の搬送の滞留が生じる事態を抑止できる。
【0095】
この実施の形態1においては、ウェハ搬送容器10に記録された二次元コード18によってウェハ搬送容器10の搬送制御を行うことにより、個々のウェハ搬送容器10に収容されたウェハ4ごとの製造工程に基づいて、ウェハ搬送容器10ごとに搬送順序や搬送先を容易かつ確実に制御できる。
【0096】
[変形例]
なお、この実施の形態1の半導体製造装置2においては、容器載置台9の一方向側(
図1の(a)における右側)に仮置き台8を設け、搬送元である一方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11が搬送先である他方向側(
図1の(a)における左側)の仮置き台8にウェハ搬送容器10を搬送する構成とした。しかし、これに限らず、半導体製造装置2において、容器載置台9の他方向側に仮置き台8を設け、搬送先である他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11が搬送元である一方向側の仮置き台8からウェハ搬送容器10を搬送する構成としてもよい。
【0097】
また、
図1の(a)に示す、容器載置台9の一方向側に仮置き台8を設ける構成において、他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11の容器把持部材16が一方向側の仮置き台8まで移動できる構成とし、搬送先である他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11が搬送元である一方向側の仮置き台8からウェハ搬送容器10を搬送する構成としてもよい。
【0098】
[発明の実施の形態2]
図8乃至
図11に、この発明の実施の形態2を示す。
【0099】
この実施の形態2の生産ライン1Bは、
図8の(a)に示すように、複数たとえば3つの半導体製造装置2A,2B,2Cのそれぞれが、容器載置台9の一方向側(
図8の(a)に示す右側)の「仮置き台」としての第一の仮置き台24と、容器載置台9の他方向側(
図8の(a)に示す左側)の「仮置き台」としての第二の仮置き台25を備えている。第一の仮置き台24、第二の仮置き台25の形状や大きさは、実施の形態1の仮置き台8の形状や大きさと同じである。
【0100】
この実施の形態2の搬送制御装置17の搬送制御部17aは、それぞれの半導体製造装置2の搬送ユニット11を、下記の(ルール1)及び(ルール2)に基づいて搬送制御を行う。この場合も、実施の形態1の基本動作1,2,3が適宜用いられる。
【0101】
(ルール1)
複数の半導体製造装置2の間でウェハ搬送容器10を搬送する場合、搬送先である半導体製造装置2の搬送ユニット11が、搬送元である半導体製造装置2から取得して搬送する。たとえば、
図8の(a)において、半導体製造装置2Aから半導体製造装置2Bにウェハ搬送容器10を搬送する場合、半導体製造装置2Bの搬送ユニット11が、半導体製造装置2Aの第二の仮置き台25に載置されたウェハ搬送容器10を把持して半導体製造装置2B側に搬送する。
【0102】
(ルール2)
一の半導体製造装置2においてウェハ搬送容器10を搬送する場合、容器載置台9、第一の仮置き台24、第二の仮置き台25のどれをウェハ搬送容器10の搬送元とし、どれをウェハ搬送容器10の搬送先としてもよい。
【0103】
この実施の形態2の搬送ユニット11は、上記の(ルール1)(ルール2)を実現できるように構成される。
【0104】
具体的には、
図9の(c)に示すように、搬送ユニット11の容器把持部材16は、特定の半導体製造装置2の一方向側に隣接した半導体製造装置2の第二の仮置き台25の位置から、他方向側に隣接した半導体製造装置2の第一の仮置き台24までの距離D2を移動できるように構成される。この場合、搬送ユニット11は、搬送制御装置17の搬送制御部17aの制御により、距離D2の範囲で移動するように構成する。これにより、上記(ルール1)も(ルール2)も実行できる。
【0105】
上記以外の構成は、実施の形態1と同じである。
【0106】
[工程と基板搬送の順序]
この実施の形態2においても、実施の形態1の[工程と基板搬送の順序]と同様のウェハ4への工程と、ウェハ搬送容器10の搬送制御が行われる。
【0107】
[搬送制御11.概説]
図9は、この実施の形態2の生産ライン1Bにおけるウェハ搬送容器10の搬送手順を模式的に示す図である。以下、同図に基づいて搬送手順を説明する。
【0108】
[搬送制御12.前提動作]
生産工程開始前、及び、生産工程開始から一方向側の半導体製造装置2で処理工程を行うときは、上記(ルール2)により、実施の形態1の[搬送制御2.前提動作]と同様の工程が行われる。
【0109】
即ち、
図9の(a)に示すとおり、一方向側の半導体製造装置2の第一の仮置き台24にウェハ搬送容器10が載置されると、
図9の(b)に示すとおり、搬送ユニット11の容器把持部材16がウェハ搬送容器10を把持する。そして、基本動作2により、矢印Aに示すように、その半導体製造装置2の容器載置台9まで搬送する。
【0110】
半導体製造装置2でのウェハ4の処理が完了すると、その半導体製造装置2の搬送ユニット11の容器把持部材16が容器載置台9のウェハ搬送容器10を把持し、
図9の(b)の矢印Bに示すように、基本動作1により、その半導体製造装置2の第二の仮置き台25まで搬送する。
【0111】
[搬送制御13.ルール1による搬送]
一方向側の半導体製造装置2から他方向側の半導体製造装置2にウェハ搬送容器10を搬送するときは、上記(ルール1)による工程が行われる。
【0112】
すなわち、
図9の(c)に示すように、搬送先である他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11の容器把持部材16を、搬送元である一方向側の半導体製造装置2の第二の仮置き台25上に移動させる。そして、容器把持部材16は、第二の仮置き台25上のウェハ搬送容器10を把持し、矢印Cに示すように上方に持ち上げる。搬送ユニット11は、矢印Dに示すように容器把持部材16を他方向側に移動させる。搬送ユニット11は、
図9の(d)に示すように、ウェハ搬送容器10を他方向側の半導体製造装置2の容器載置台9上に載置する。
【0113】
なお、さらに他方向側の半導体製造装置2(
図9の(c)の点線表記参照)にウェハ搬送容器10を搬送する場合は、
図9の(d)の矢印Eに示すように、搬送ユニット11は容器載置台9上のウェハ搬送容器10を第二の仮置き台25上に搬送する。その後、さらに他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット(図示せず)は
図9の(c)の矢印C,Dと同様の搬送制御を行う。
【0114】
[搬送制御14:ルール1とルール2のバリエーション]
上記とは逆に、まず他方向側の半導体製造装置2、次いで一方向側の半導体製造装置2で処理工程を行う場合は、上述の説明とは逆に、
図9の(d)→(c)→(b)→(a)の順番に工程が行われる。ただしこの場合、
図9の(d)(c)(b)(a)においては、下記のように搬送が行われる。
図9の(d):(ルール2)により、他方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11が、矢印Fに示すように、容器載置台9上のウェハ搬送容器10を第一の仮置き台24上に搬送する。
図9の(c):(ルール1)により、一方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11が、他方向側の半導体製造装置2の第一の仮置き台24上のウェハ搬送容器10(
図9の(d)参照)を、一方向側の半導体製造装置2の容器載置台9上に搬送する。
図9の(b):(ルール2)により、一方向側の半導体製造装置2の搬送ユニット11が、矢印Gに示すように、一方向側の半導体製造装置2の容器載置台9上のウェハ搬送容器10を第一の仮置き台24に搬送する。これにより、
図9の(a)に示す状態となる。
【0115】
[搬送制御15:追越し搬送]
図10は、この実施の形態2における、追越し搬送を模式的に示す概略図である。
【0116】
図10の(a)~(d)には、半導体製造装置2A,2B,2Cが一連に設置された状態の概略が示されている。
図10には、半導体製造装置2Bの容器載置台9に載置されたウェハ搬送容器10
1に対し、一方向側(
図10の右側)から他方向側(
図10の左側)に順方向側の追越し搬送が行われる場合と、他方向側から一方向側に逆方向側の追越し搬送が行われる場合を模式的に示している。
【0117】
まず、
図10の(a)に示すように、半導体製造装置2Bの容器載置台9には、ウェハ搬送容器10
1が載置され、半導体製造装置2Aの容器載置台9には、ウェハ搬送容器10
2が載置されている。半導体製造装置2Bの容器載置台9のウェハ搬送容器10
1の位置が固定された状態のまま、半導体製造装置2Aの容器載置台9のウェハ搬送容器10
2は、基本動作1により第二の仮置き台25(
図10の(b))に、基本動作3により半導体製造装置2Bの第二の仮置き台25(
図10の(c))に、基本動作2により半導体製造装置2Cの容器載置台9(
図10の(d))に、と順次搬送される。このようにして、順方向側の追越し搬送が行われる。
【0118】
次に、
図10の(a)に示すように、半導体製造装置2Bの第二の仮置き台25には、ウェハ搬送容器10
3が載置されている。半導体製造装置2Bの容器載置台9のウェハ搬送容器10
1の位置が固定された状態のまま、基本動作3により半導体製造装置2Bの第一の仮置き台24に搬送される。このようにして、逆方向側の追越し搬送が行われる。
【0119】
[搬送制御16:すれ違い搬送]
図11は、この実施の形態2における、すれ違い搬送を模式的に示す概略図である。このすれ違い搬送とは、一方向側の「第一の収容容器」としてのウェハ搬送容器10を他方向側に、他方向側の「第二の収容容器としての」ウェハ搬送容器10を一方向側にそれぞれ搬送して並び順を入れ替える工程のことである(以下本明細書において同じ。)。
【0120】
図11の(a)~(d)には、半導体製造装置2A,2Bが並んで設置された状態の概略が示されている。
図11の(a)には、一方向側(
図11の右側)の半導体製造装置2Aの容器載置台9にウェハ搬送容器10
1が、他方向側(
図11の左側)の半導体製造装置2Bの容器載置台9にウェハ搬送容器10
2が、それぞれ載置された状態を模式的に示している。
【0121】
ウェハ搬送容器10
1は、基本動作1により半導体製造装置2Aの容器載置台9(
図11の(a))から第二の仮置き台25に(
図11の(b))、さらに、基本動作2により半導体製造装置2Bの容器載置台9に、一方向側に搬送される(
図11の(c)(d))。一方、ウェハ搬送容器10
2は、基本動作1により半導体製造装置2Bの容器載置台9(
図11の(a))から第一の仮置き台24に(
図11の(b)(c))に、さらに、基本動作2により半導体製造装置2Aの容器載置台9に搬送される(
図11の(d))。このようにして、ウェハ搬送容器10
1,10
2のすれ違い搬送が行われる。
【0122】
[作用効果]
この実施の形態2においては、上記実施の形態1に示す作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
【0123】
この実施の形態2においては、一の半導体製造装置2において、第一の仮置き台24と第二の仮置き台25との間でのウェハ搬送容器10の搬送を支障なく行うことができる。
【0124】
この実施の形態2においては、ウェハ搬送容器10の搬送先側にある搬送ユニット11がウェハ搬送容器10を取得して搬送する、又は、ウェハ搬送容器10の搬送元側にある搬送ユニット11がウェハ搬送容器10を取得して搬送する、ように構成されている。そのため、搬送ユニット11を画一的な制御手順によって制御することができる。そのため、搬送制御部17aにおける制御用のプログラムや搬送ユニット11等の制御用の機構を画一化、簡略化することができ、搬送制御の煩雑化を抑止できる。
【0125】
この実施の形態2においては、同一の半導体製造装置2における、一方向側の第一の仮置き台24、容器載置台9、他方向側の第二の仮置き台25のうちの何れを搬送元とし、何れを搬送先とできることにより、同一の半導体製造装置2において、第一の動作、第二の動作、第三の動作を支障なく行うことができる。これにより、同一の半導体製造装置2において、多様な搬送を実現し、複数のウェハ搬送容器10の搬送の滞留が生じる事態を抑止できる。
【0126】
この実施の形態2においては、第一のウェハ搬送容器101を順方向側に、第二のウェハ搬送容器102を逆方向側に搬送させることにより、複数のウェハ搬送容器101,102の多様な搬送を迅速に支障なく行うことができる。
【0127】
上記実施の形態1及び2は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態1及び2のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0128】
2,2A,2B,2C,2D,101A,101B,101C・・・半導体製造装置(製造装置)
3・・・筐体
4・・・ウェハ(基板)
7・・・凹部
8,102・・・仮置き台
9,103・・・容器載置台
10,101,102,1001,1002,1003・・・ウェハ搬送容器(収容容器)
11・・・搬送ユニット
18・・・二次元コード
20・・・カメラ(読取手段)
24・・・第一の仮置き台(仮置き台)
25・・・第一の仮置き台(仮置き台)