(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081184
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲーム実行制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20240611BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240611BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240611BHJP
A63F 13/843 20140101ALI20240611BHJP
A63F 13/818 20140101ALI20240611BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240611BHJP
A63F 13/90 20140101ALI20240611BHJP
【FI】
A63F9/30 502Z
A63F13/79
A63F13/69 510
A63F13/843
A63F13/818
A63F13/52
A63F13/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194615
(22)【出願日】2022-12-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)公開日:2022年9月10日~2022年9月11日、公開場所:『シンカー』の機能を搭載した業務用ゲーム機『釣りスピリッツ』のロケテスト設置店舗であるnamcoコースカベイサイドストアーズ店 (2)掲載日:2022年10月7日~2022年12月6日、https://trsp.bn-am.net/index.htmlおよび本アドレスの下位アドレス (3)掲載日:2022年10月7日、https://www.youtube.com/watch?v=JBm5tltK_gQ&t=11s;2022年10月7日、https://www.youtube.com/watch?v=WNS0hlzBYbk;2022年10月7日、https://www.youtube.com/watch?v=j9xwiB-Fnh4;2022年12月2日、https://www.youtube.com/watch?v=G5Bs0ynla6g (4)掲載日:2022年10月7日、https://bandainamco-am.co.jp/company/NEWS/am/20221007_1100_18-C-015.html,https://bandainamco-am.co.jp/documents/company/NEWS/am/18/20221007_18-C-015.pdf (5)発行日:2022年10月15日、刊行物:月刊コロコロコミック11月号第176頁~第179頁 (6)公開日:2022年11月21日~特許出願日以降の2022年12月14日、公開場所:ゆめタウン八女店ゆめキッズ店他、計13店舗
(71)【出願人】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮平
(72)【発明者】
【氏名】河村 菜月
(72)【発明者】
【氏名】川村 健
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和花
(72)【発明者】
【氏名】赤穂 寿一
(72)【発明者】
【氏名】門谷 祥子
(72)【発明者】
【氏名】小泉 和弘
(72)【発明者】
【氏名】牧野 伸哉
(57)【要約】
【課題】水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を提供すること。
【解決手段】ゲーム装置1200は、釣りゲームを実行する際、ゲーム画像W2における複数の水中層のうちのターゲット層を決定し、ターゲット層にいる魚を狙って釣りを楽しむゲームプレイを進行制御する。複数の水中層は、深層魚22がいる深層と、表層魚25がいる表層とを含み、ゲーム装置1200は、深層の画像である深層画像21と表層の画像である表層画像26とを生成し、深層画像21に対して所定の画像処理を施すことで、深層を泳ぐ魚の姿が水中における光の屈折等によって歪んで見えるように見せることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想的な釣りゲームを実行するゲーム装置であって、
ゲーム画像を表示制御するゲーム画像表示制御手段と、
複数の水中層での釣りのゲームプレイを進行制御するゲーム進行制御手段と、
を備え、
前記複数の水中層は、深層と表層とを少なくとも含み、何れかの水中層に釣りの対象となるオブジェクトが存在し、
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記深層の画像である深層画像と前記表層の画像である表層画像とを生成し、前記深層画像に対して視認性を変更する所定の画像処理を施すことで、前記ゲーム画像を生成する、
ゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム画像表示制御手段は、画像を重ねる順番を、1)所与の深層背景画像、2)前記画像処理を施した前記深層画像、3)前記表層画像、4)所与の水面画像の順とした前記ゲーム画像を生成する、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム進行制御手段は、仮想的な釣りを行う場所、環境、仮想的な時刻のうち何れかを定めたゲームステージの設定を行い、
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記ゲームステージに応じて、前記深層背景画像および/又は前記深層画像の色調整を行う、
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記画像処理は、前記深層に位置する前記オブジェクトの大きさに応じた歪み度合で前記深層画像に対する前記視認性を変更する画像処理を含む、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム進行制御手段は、前記複数の水中層のうちのターゲットとするターゲット層を決定して前記ゲームプレイを進行制御する、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ターゲット層の初期設定を前記表層とし、前記複数の水中層の中から前記ターゲット層を切り替える制御を行う切替制御手段、
を更に備える請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ターゲット層が前記深層の場合に、前記表層に位置する前記オブジェクトの種類、数およびサイズのうちの何れかを変更する表層オブジェクト変更制御手段、
を更に備える請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲーム進行制御手段は、前記ターゲット層が前記深層の場合に、仮想的なウキ、ルアー、エサ、針、おもり、釣り天秤、仕掛け、その他の水中に投入するアイテム(以下「水中投入アイテム」という。)を水中に沈める制御を行い、
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記水中投入アイテムが位置する深度に応じて前記水中投入アイテムの表示形態を変化させる制御を行う、
請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記深層画像は、前記深層に前記水中投入アイテムが位置する場合の前記水中投入アイテムの画像を含む、
請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記水中投入アイテムの表示形態を段階的に変化させる制御を行い、前記段階的な変化の際に所与のエフェクトを表示する制御を行う、
請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記ゲーム進行制御手段は、前記ゲームプレイ中にヒットしたヒットオブジェクトを徐々に水面に近づける移動制御を行い、
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記ヒットオブジェクトが位置する深度に応じて前記ヒットオブジェクトの表示明瞭度を変化させる制御を行う、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記ヒットオブジェクトの表示明瞭度を不明瞭にする方向には制御せず、表示明瞭度を維持する又は高める方向にのみ制御する不可逆的な制御を行う、
請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記ゲーム進行制御手段は、前記ヒットオブジェクトの釣り上げをミスして当該ヒットオブジェクトがミスオブジェクトとなった場合に、当該ミスオブジェクトの表示明瞭度を維持する制御を行う、
請求項12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記ゲーム進行制御手段は、ヒットした時の前記ヒットオブジェクトの大きさに応じて前記ヒットオブジェクトの候補オブジェクト種を選択し、当該候補オブジェクト種の中から前記ヒットオブジェクトのオブジェクト種を決定する、
請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記ゲーム進行制御手段は、プレーヤが過去に釣り上げたことのある獲得オブジェクト種の情報を記憶する記憶部から当該情報を読み出し、前記獲得オブジェクト種となっていないオブジェクト種を前記ヒットオブジェクトとする確率を向上させた抽選を行って、前記ヒットオブジェクトのオブジェクト種を決定する、
請求項14に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記ゲーム進行制御手段は、前記ヒットオブジェクトを釣り上げるまでの間に、前記抽選を複数回行う、
請求項15に記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記ゲーム進行制御手段は、前記ゲーム画像における前記ヒットオブジェクトの上面視表示位置を変化させるバトル演出制御として、a)前記ヒットオブジェクトが前記表層に位置するオブジェクトの場合にはプレーヤに対する遠近方向および左右方向を含む複数方向の何れかに当該ヒットオブジェクトを移動させるバトル演出制御を行い、b)前記ヒットオブジェクトが前記深層に位置するオブジェクトの場合には前記プレーヤに対する遠近方向に沿った方向に当該ヒットオブジェクトを移動させるようにバトル演出制御を行う、
請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項18】
前記ゲーム進行制御手段は、前記ヒットオブジェクトが位置する深度に応じて、釣り上げ速度を変化させる制御を行う、
請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項19】
前記ゲーム進行制御手段は、プレーヤによる所定操作に応じて、前記ヒットオブジェクトを釣り上げる確度を向上させる制御を行う、
請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項20】
仮想的な釣りゲームの実行を制御するゲーム実行制御方法であって、
ゲーム画像を表示制御するゲーム画像表示制御と、
複数の水中層での釣りのゲームプレイを進行制御するゲーム進行制御と、
を含み、
前記複数の水中層は、深層と表層とを少なくとも含み、何れかの水中層に釣りの対象となるオブジェクトが存在し、
前記ゲーム画像表示制御は、前記深層の画像である深層画像と前記表層の画像である表層画像とを生成し、前記深層画像に対して視認性を変更する所定の画像処理を施すことで、前記ゲーム画像を生成すること、を含む、
ゲーム実行制御方法。
【請求項21】
コンピュータに仮想的な釣りゲームの実行を制御させるためのプログラムであって、
ゲーム画像を表示制御するゲーム画像表示制御手段、
複数の水中層での釣りのゲームプレイを進行制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記複数の水中層は、深層と表層とを少なくとも含み、何れかの水中層に釣りの対象となるオブジェクトが存在し、
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記深層の画像である深層画像と前記表層の画像である表層画像とを生成し、前記深層画像に対して視認性を変更する所定の画像処理を施すことで、前記ゲーム画像を生成する、
プログラム。
【請求項22】
前記釣りゲームは、自プレーヤと他プレーヤとが同時にプレイ可能なマルチプレイのゲームであり、
前記ゲーム画像表示制御手段は、前記自プレーヤのゲームプレイによりオブジェクトがヒットした場合には、当該ヒットしたオブジェクトであるヒットオブジェクトが位置する深度に応じて当該ヒットオブジェクトの表示明瞭度を変化させる制御を行い、前記他プレーヤのゲームプレイによりオブジェクトがヒットした場合には、当該ヒットオブジェクトの前記表示明瞭度を変化させる制御とは異なる制御を行う、
請求項21に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想的な魚釣りをテーマとしたゲームがある(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。プレーヤは、釣り竿型のコントローラを操作して、ゲーム映像内に表示された仮想の海などで仮想の釣りを楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-164863号公報
【特許文献2】特開2015-221117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現実の釣りでは、「タナ」と呼ばれる、狙う魚がエサを捕食する水中の層(深さ)を考え、「タナ」に応じた仕掛け(釣り道具)を用意し、釣りをする。従来の釣りゲームには、この「タナ」の概念が無かった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための第1の発明は、仮想的な釣りゲームを実行するゲーム装置であって、
ゲーム画像を表示制御するゲーム画像表示制御手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図10の処理部200、ゲーム画像表示制御部240、
図13のゲーム画像表示制御データ720、
図14のステップS20)と、
複数の水中層での釣りのゲームプレイを進行制御するゲーム進行制御手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図10の処理部200、ゲーム進行制御部220、
図13のプレーヤ管理データ714のターゲット層情報、
図15のステップS60からステップS66)と、を備え、
前記複数の水中層は、深層と表層とを少なくとも含み、何れかの水中層に釣りの対象となるオブジェクトが存在し、前記ゲーム画像表示制御手段は、前記深層の画像である深層画像と前記表層の画像である表層画像とを生成し、前記深層画像に対して視認性を変更する所定の画像処理を施すことで、前記ゲーム画像を生成する(例えば、
図5の歪み処理、
図14のステップS20)、ゲーム装置である。
【0007】
第1の発明によれば、ゲーム装置は、ゲーム画像を表示した仮想的な釣りゲームを実行する際、複数の水中層のうちの何れかを釣りの対象としたゲームを進行制御することができる。つまり、水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を実現することができる。
【0008】
また、第1の発明によれば、複数の水中層は、深層と表層とのを少なくとも含み、ゲーム装置は、深層の画像である深層画像と表層の画像である表層画像とを生成し、深層画像に対して所定の画像処理を施すことができる。よって、プレーヤは、水中のオブジェクトが光の屈折等によって視認性が変化する様子などを仮想体験し、深層のオブジェクトを釣り上げるといった体験が可能になる。つまり、水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を実現することができる。
【0009】
第2の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム画像表示制御手段が、画像を重ねる順番を、1)所与の深層背景画像、2)前記画像処理を施した前記深層画像、3)前記表層画像、4)所与の水面画像の順とした前記ゲーム画像を生成する、ゲーム装置である。
【0010】
第2の発明によれば、深層背景画像の上に、画像処理が施された深層画像、表層画像、水面画像を順番に重ねてゲーム画像を生成することができる。そのため、例えば深層の様子は視認性が低いが、表層の様子は視認性が高いといった具合に、リアルな水中表現を実現できる。
【0011】
第3の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、仮想的な釣りを行う場所、環境、仮想的な時刻のうち何れかを定めたゲームステージの設定を行い(例えば、
図14のステップS6からステップS8)、前記ゲーム画像表示制御手段は、前記ゲームステージに応じて、前記深層背景画像および/又は前記深層画像の色調整を行う(例えば、
図14のステップS20)、ゲーム装置である。
【0012】
第3の発明によれば、深層背景画像および深層画像を、対応するゲームステージの設定に適した色調とすることができる。また、深層背景画像と深層画像との色調を合わせることで、深層に位置するオブジェクトが不自然に目立って見えることを抑制することができる。
【0013】
第4の発明は、上記のゲーム装置において、前記画像処理が、前記深層に位置する前記オブジェクトの大きさに応じた歪み度合で前記深層画像に対する前記視認性を変更する画像処理を含む、ゲーム装置である。
【0014】
第4の発明によれば、深層に位置するオブジェクトの大きさに応じた歪み度合で画像処理を施すことで、深層に位置するオブジェクトが大きさに応じて不自然に見えることを抑制することができる。
【0015】
第5の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記複数の水中層のうちのターゲットとするターゲット層を決定して前記ゲームプレイを進行制御する、
ゲーム装置である。
【0016】
第5の発明によれれば、タナ(水中層)を狙った仮想的な釣りをプレイできるようになる。
【0017】
第6の発明は、上記のゲーム装置において、前記ターゲット層の初期設定を前記表層とし、前記複数の水中層の中から前記ターゲット層を切り替える制御を行う切替制御手段(例えば、
図10の切替制御部222、
図15のステップS60からステップS66)を更に備えるゲーム装置である。
【0018】
第6の発明によれば、ユーザは、例えば、最初は表層狙いでプレイを開始するが、途中で別の水中層を狙うように切り替えるといった仮想的な釣りを楽しむことができる。
【0019】
第7の発明は、上記のゲーム装置において、前記ターゲット層が前記深層の場合に、前記表層に位置する前記オブジェクトの種類、数およびサイズのうちの何れかを変更する表層オブジェクト変更制御手段(例えば、
図10の表層オブジェクト変更制御部224、
図14のステップS10からステップS12)、を更に備えるゲーム装置である。
【0020】
第7の発明によれば、表層に位置するオブジェクトの種類、数、サイズなどによってターゲット層である深層の様子が見え難くなるのを防ぐことができる。
【0021】
第8の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段は、前記ターゲット層が前記深層の場合に、仮想的なウキ、ルアー、エサ、針、おもり、釣り天秤、仕掛け、その他の水中に投入するアイテム(以下「水中投入アイテム」という。)を水中に沈める制御を行い、前記ゲーム画像表示制御手段は、前記水中投入アイテムが位置する深度に応じて前記水中投入アイテムの表示形態を変化させる制御を行う(例えば、
図4の表層用モデル71と深層用モデル72の切り替え、
図15のステップS64)、ゲーム装置である。
【0022】
第8の発明によれば、ゲーム装置は、水中投入アイテムの表示形態を変化させることで、水中投入アイテムが深層に位置しているか、表層に位置しているかを示すことができる。よって、プレーヤはプレイし易くなる。
【0023】
第9の発明は、上記のゲーム装置において、前記深層画像が、前記深層に前記水中投入アイテムが位置する場合の前記水中投入アイテムの画像を含む、ゲーム装置である。
【0024】
第9の発明によれば、水中投入アイテムについても、視認性が変更されるようになる。よって、深層をターゲット層にしたときのリアリティを高めることができる。
【0025】
第10の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム画像表示制御手段が、前記水中投入アイテムの表示形態を段階的に変化させる制御を行い、前記段階的な変化の際に所与のエフェクトを表示する制御を行う(例えば、
図4のエフェクト73、
図15のステップS64)、ゲーム装置である。
【0026】
第10の発明によれば、水中投入アイテムの表示形態の切り替わりを目立たなくすることができる。
【0027】
第11の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記ゲームプレイ中にヒットしたヒットオブジェクトを徐々に水面に近づける移動制御を行い(例えば、
図15のステップS88)、前記ゲーム画像表示制御手段は、前記ヒットオブジェクトが位置する深度に応じて前記ヒットオブジェクトの表示明瞭度を変化させる制御を行う(例えば、
図15のステップS102)、ゲーム装置である。
【0028】
「ヒットした」とは、釣り上げるための仕掛けに掛かったことを意味する。例えば、ヒットオブジェクトが魚であれば、仕掛けの餌等に魚が食いついた状態に相当し、ヒットオブジェクトが海底に沈んでいる宝箱であれば、釣り糸の先端のフック等に当該宝箱が引っかかった状態に相当する。
【0029】
「表示明瞭度」は、オブジェクト種を判別する特徴が明確であるかどうかの度合いであり、表示明瞭度が高くなると、オブジェクト種を判別する特徴がより明確になる。具体的には、画像サイズ、輪郭の明確さ、配色の数、色(色相、彩度、明度を含む)のうちの少なくとも1つが変化することによって、表示明瞭度が変わる。
【0030】
第11の発明によれば、ゲーム装置は、ヒットしたオブジェクトの姿が徐々に明瞭になってくる様子を表現することができる。
【0031】
第12の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム画像表示制御手段が、前記ヒットオブジェクトの表示明瞭度を不明瞭にする方向には制御せず、表示明瞭度を維持する又は高める方向にのみ制御する不可逆的な制御を行う、ゲーム装置である。
【0032】
ヒットオブジェクトの表示明瞭度が徐々に高まれば、釣り上げることへの期待感が膨らむ。一方、釣り上げる途中で表示明瞭度が低下する方向に変化すれば、ヒットオブジェクトが再び水中深く沈もうとしている様子をリアルに表現できる反面、膨らんだ期待感をしぼませる恐れがある。そうした恐れは、プレーヤの年齢が低いほど高くなる。
第12の発明によれば、年齢が低いプレーヤが抱く釣り上げることへの期待感に配慮した釣りゲームを実現することができる。
【0033】
第13の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記ヒットオブジェクトの釣り上げをミスして当該ヒットオブジェクトがミスオブジェクトとなった場合に、当該ミスオブジェクトの表示明瞭度を維持する制御を行う(例えば、
図16のステップS114)、ゲーム装置である。
【0034】
「ミスオブジェクト」は、ヒットオブジェクトであったが、釣り上げ途中で仕掛けから外れたとみなされるオブジェクトである。
第13の発明によれば、釣り上げ途中で仕掛けから外れたミスオブジェクトの姿をプレーヤに見せることができる。これにより、プレーヤに対して、再び当該オブジェクトをツ釣り上げてみたいと思わせ、次のプレイへのモチベーションを向上させることができる。
【0035】
第14の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、ヒットした時の前記ヒットオブジェクトの大きさに応じて前記ヒットオブジェクトの候補オブジェクト種を選択し、当該候補オブジェクト種の中から前記ヒットオブジェクトのオブジェクト種を決定する(例えば、
図10のヒット判定部226、
図15のステップS82)、ゲーム装置である。
【0036】
第14の発明によれば、ヒットオブジェクトは、プレーヤが思った通りの種類になるとは限らないことになる。釣り上げてみるまでどんな魚がかかったか分からない釣りの醍醐味を再現できる。
【0037】
第15の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記プレーヤが過去に釣り上げたことのある獲得オブジェクト種の情報を記憶する記憶部から当該情報を読み出し(例えば、
図11の記憶部500、獲得魚種情報605)、前記獲得オブジェクト種となっていないオブジェクト種を前記ヒットオブジェクトとする確率を向上させた抽選を行って、前記ヒットオブジェクトのオブジェクト種を決定する、ゲーム装置である。
【0038】
第15の発明によれば、プレーヤは、今までに釣り上げたことのないオブジェクトを釣り上げ易くなる。よって、ゲームをプレイするほどに、釣り上げたオブジェクトをコレクションする楽しみが加速して、釣りゲームを更にプレイしたいというモチベーションが高まる。
【0039】
第16の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段は、前記ヒットオブジェクトを釣り上げるまでの間に、前記抽選を複数回行う、ゲーム装置である。
【0040】
第16の発明によれば、ヒットオブジェクトが何かは釣り上げるタイミングまで不確定となり、釣りゲームの興趣が高まる。
【0041】
第17の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記ゲーム画像における前記ヒットオブジェクトの上面視表示位置を変化させるバトル演出制御として、a)前記ヒットオブジェクトが前記表層オブジェクトの場合には前記プレーヤに対する遠近方向および左右方向を含む複数方向の何れかに当該ヒットオブジェクトを移動させるバトル演出制御を行い、b)前記ヒットオブジェクトが前記深層オブジェクトの場合には前記プレーヤに対する遠近方向に沿った方向に当該ヒットオブジェクトを移動させるようにバトル演出制御を行う(例えば、
図15のステップS104)、ゲーム装置である。
【0042】
第17の発明によれば、ゲーム装置は、ヒットオブジェクトが深層オブジェクトであるか表層オブジェクトであるかによって、仕掛けに掛かったヒットオブジェクトが仕掛けから外れそうになる中でなんとかして釣り上げを目指す、いわゆるバトル演出をすることができる。
【0043】
第18の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記ヒットオブジェクトが位置する深度に応じて、釣り上げ速度を変化させる制御を行う(例えば、
図15のステップS66、ステップS88)、ゲーム装置である。
【0044】
第18の発明によれば、ゲーム装置は、水深が深いところでヒットすると、釣り上げまでに時間がかかるといった、現実の釣りに近い仮想的な釣り体験を提供することができる。
【0045】
第19の発明は、上記のゲーム装置において、前記ゲーム進行制御手段が、前記プレーヤによる所定操作に応じて、前記ヒットオブジェクトを釣り上げる確度を向上させる制御を行う(例えば、
図16のステップS130からステップS132)、ゲーム装置である。
【0046】
第19の発明によれば、ゲーム的要素を追加し、仮想的な釣り体験ならではの興趣を加えることができる。
【0047】
第20の発明は、仮想的な釣りゲームの実行を制御するゲーム実行制御方法であって、ゲーム画像を表示制御するゲーム画像表示制御と、複数の水中層での釣りのゲームプレイを進行制御するゲーム進行制御と、を含み、前記複数の水中層は、深層と表層とを少なくとも含み、何れかの水中層に釣りの対象となるオブジェクトが存在し、前記ゲーム画像表示制御は、前記深層の画像である深層画像と前記表層の画像である表層画像とを生成し、前記深層画像に対して視認性を変更する所定の画像処理を施すことで、前記ゲーム画像を生成すること、を含む、ゲーム実行制御方法である。
【0048】
第20の発明によれば、第1の発明と同様の効果が得られるゲーム実行制御方法を実現することができる。
【0049】
第21の発明は、コンピュータに仮想的な釣りゲームの実行を制御させるためのプログラムであって、ゲーム画像を表示制御するゲーム画像表示制御手段、複数の水中層での釣りのゲームプレイを進行制御するゲーム進行制御手段、として前記コンピュータを機能させ、前記複数の水中層は、深層と表層とを少なくとも含み、何れかの水中層に釣りの対象となるオブジェクトが存在し、前記ゲーム画像表示制御手段は、前記深層の画像である深層画像と前記表層の画像である表層画像とを生成し、前記深層画像に対して視認性を変更する所定の画像処理を施すことで、前記ゲーム画像を生成する、プログラムである。
【0050】
第21の発明によれば、第1の発明と同様の効果を発揮できるプログラムを実現することができる。
【0051】
第22の発明は、上記のプログラムにおいて、前記釣りゲームは、自プレーヤと他プレーヤとが同時にプレイ可能なマルチプレイのゲームであり、前記ゲーム画像表示制御手段は、前記自プレーヤのゲームプレイによりオブジェクトがヒットした場合には、当該ヒットしたオブジェクトであるヒットオブジェクトが位置する深度に応じて当該ヒットオブジェクトの表示明瞭度を変化させる制御を行い、前記他プレーヤのゲームプレイによりオブジェクトがヒットした場合には、当該ヒットオブジェクトの前記表示明瞭度を変化させる制御とは異なる制御を行う、プログラムである。
【0052】
第22の発明によれば、他プレーヤのヒットオブジェクトのヒット時の演出表示を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図2】ターゲット層が表層である場合のゲーム画像の表示例を示す図。
【
図3】ターゲット層が深層である場合のゲーム画像の表示例を示す図。
【
図4】ウキの表示形態の変化について説明するための図。
【
図5】ゲーム画像の生成について説明するための図。
【
図6】ヒット魚の引き上げについて説明するための図。
【
図7】ヒット魚の表示制御について説明するための図。
【
図8】ミス魚についての表示制御について説明するための図。
【
図9】ヒット魚への技の発動について説明するための図。
【
図10】ゲーム装置の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図11】記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図12】ゲームステージ初期設定データのデータ構成例を示す図。
【
図14】ゲーム装置における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図17】第2実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図。
【
図18】第2実施形態におけるゲーム装置の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図19】第3実施形態におけるゲームシステムの構成例を示す図。
【
図20】第3実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図21】第3実施形態のサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図22】第3実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図23】変形例におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図24】変形例におけるユーザ端末の端末記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0055】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明が適用されたゲーム装置1200の構成例を示す斜視外観図である。
ゲーム装置1200は、仮想的な釣りゲームを実行するマルチプレイ対応の業務用のゲーム装置である。ゲーム装置1200は、一種のコンピュータシステムでもある。ゲーム装置1200は、筐体1201の上面に表示面を上向きに固定されたフラットパネルディスプレイ1206と、スピーカー1208と、プレーヤ別のステーション1210と、制御基板1250と、を備える。
【0056】
フラットパネルディスプレイ1206は、主にゲーム画像を表示する。フラットパネルディスプレイ1206は、タッチパネル機能を備えてもよい。
【0057】
ステーション1210は、同時プレイ可能なプレーヤの数だけ用意される。
図1の例では、4名によるマルチプレイが可能な形態を示しており、ステーション1210は、上面視において四角形の筐体1201の各辺に合計4箇所用意されている。それぞれのステーション1210は、プレイ対価支払装置1212と、タッチパネル1214と、コードリーダー1213と、釣竿型コントローラ1220と、を有する。なお、ステーションの数は特に制限がなく、適宜設計可能である。
【0058】
プレイ対価支払装置1212は、現金硬貨或いは所定のメダルを投入することでプレイ対価の支払を受け付ける装置である。なお、プレイ対価の支払方法は、現金やメダルに限らず適宜設定可能である。例えば、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー、電子決済用コードなどによって支払うとしてもよい。プレイ対価支払装置1212は、それに応じて適宜カードリーダー、近距離通信機、コードリーダーなどを備えて構成することができる。
【0059】
タッチパネル1214は、当該ステーション1210のプレーヤに向けて個別の表示を行い、当該プレーヤによる操作入力を受け付ける。タッチパネルの代わりに、通常の表示機能を有する小型のフラットパネルディスプレイであってもよい。
【0060】
コードリーダー1213は、各種のコードを読み取る装置である。例えば、2次元コードを読み取ることができるとしてもよい。プレーヤが所有しているオンライン決済機能を備えたカメラ付きの通信端末(例えば、スマートフォンなど)で、電子決済用のコードを表示させ、コードリーダー1213で読み取らせることで、プレイ対価を支払うとしてもよい。
【0061】
釣竿型コントローラ1220は、釣竿の持ち手を模したグリップ1221と、釣竿のロッドの一部を模したダミーロッド1222と、ダミーリール1223と、コントローラ基板1230と、を備える。
【0062】
ダミーリール1223は、ハンドル1224を回転操作することで、現実の釣りにおけるリールの巻き上げに相当する操作入力を受け付ける機構であって、ハンドル1224の回転方向・回転角度を検出するセンサーと、操作スイッチ1225と、を搭載する。ダミーリール1223のセンサーや、操作スイッチ1225は、コントローラ基板1230に電気的に接続されている。なお、ハンドル1224の回転方向・回転角度を検出せずに、単にリールの回転入力の有無を検出するようにしてもよい。
【0063】
コントローラ基板1230は、ICチップ1231と、ICメモリ1232と、3軸加速度センサー1234と、ジャイロセンサー1235と、通信モジュール1236と、を備える。3軸加速度センサー1234とジャイロセンサー1235は、釣竿型コントローラ1220の姿勢や向き、それらの変化を検出する。
【0064】
コントローラ基板1230は、通信ケーブル1240を介して筐体1201に内蔵されている制御基板1250と通信する。コントローラ基板1230は、ハンドル1224への操作入力や操作スイッチ1225への操作入力に応じた入力信号や、3軸加速度センサー1234とジャイロセンサー1235で検出した釣竿型コントローラ1220の姿勢や向きの情報を、制御基板1250へ送信する。
【0065】
制御基板1250は、CPU(Central Processing Unit)1251やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1252、通信装置1253、インターフェース回路1254、を搭載する。制御基板1250の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0066】
ゲーム装置1200は、制御基板1250が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、(1)釣りゲームの進行制御と、(2)ゲーム画像の生成と表示をする制御と、(3)プレーヤ別に釣った魚についての情報を管理する制御と、を行う。勿論、制御基板1250はこれら以外の制御を行うとしてもよい。
【0067】
図2は、ゲーム画像の表示例を示す図である。
ゲーム画像W2は、深層と表層の少なくとも2つの水中層で構成された仮想の水中を、水面の上から見下ろした画像であって、制御基板1250で生成される。
ゲーム画像W2は、仮想的な釣りを行う場所、環境、仮想的な時刻のうちの何れかを定めたゲームステージ別に、異なる画面構成や色調を有し、深層の背景を描く深層背景画像21(
図2中の網掛け領域の重ね合わせで描かれた部分)と、深層を泳ぐ深層魚22と、表層の背景を描く表層背景画像24と、表層を泳ぐ表層魚25と、水面の煌めきやゆらぎを表現する水面画像27と、プレーヤ別のウキ7の画像と、を含む。
【0068】
深層魚22と表層魚25とは、水中に存在するものを表す水中オブジェクトである。ゲーム画像W2に描かれる水中オブジェクトは、深層魚22および表層魚25に限らず、水中に存在する岩、サンゴ、沈没船、宝箱、貝・ヒトデ・イソギンチャク・クラゲなどの魚以外の生物、などを適宜含めてもよい。
【0069】
以降では、深層魚22および表層魚25を釣り上げ対象のオブジェクトとして説明するが、宝箱、ヒトデやクラゲなどの魚以外の生物、などの他のオブジェクトを釣り上げ対象としてもよい。
【0070】
なお、「深層魚」「表層魚」における「魚」は、生物学分類上の魚に限定する意味ではなく、釣りと呼ばれる行為において釣り上げの対象とされるもの全般を指している。よって、深層魚22および表層魚25は、存在する深度が異なるものの、生物学分類上の魚類であってよいことは勿論のこと、イカ・タコのような軟体類、イルカなどの哺乳類、クラゲ類、サメ類、などであってもよい。また、現実に存在する魚に限らず、空想生物などでもよい。
【0071】
同時にゲーム画像W2で表示される深層魚22と表層魚25の数は、フラットパネルディスプレイ1206の大きさなどを考慮して、画面内が魚影で混雑しない程度に適当に設定する。
【0072】
深層魚22は、そもそも一般的な釣り人にとっては珍しい存在なので、複数の候補魚種の中から1種類、多くても数種類程度を抽選し、各種1匹ずつ表示させるとしてもよい。表層魚25は、一般的な釣り人にとっておなじみの存在(比較的釣り上げ易い存在)なので、登場する表層魚25の魚種は、深層魚22よりは多くしてもよい。また表示させる表層魚25の数も深層魚22の数より多くてもよい。
【0073】
但し、表層魚25が深層魚22の上に重なって表示されることを考慮して、深層魚22を釣ろうとしているプレーヤの人数(後述するターゲット層を深層に設定しているプレーヤの人数)に応じて、表示させる表層魚25の数、魚種、サイズを変更して、深層の様子をある程度見易く維持する。
【0074】
例えば、表示させる表層魚25の数をプレーヤの人数に対して反比例させて減らすように変更してもよい。表示させる数はそのままに、表示させる表層魚25を、小サイズの表層魚25ほど選ばれ易い確率に変更して抽選するとしてもよい。表示させる数や、魚種の選択についてはそのままに、表示サイズを小さく変更するとしてもよい。勿論、表示させる数の変更、魚種の変更、表示サイズの変更、を組み合わせてもよい。
【0075】
プレーヤは、深層と表層の何れかの水中層をターゲット層に選択してプレイする。プレイ開始時の初期状態ではターゲット層は表層とされるが、釣竿型コントローラ1220にて所定の操作をする(例えば、操作スイッチ1225を押す)毎にターゲット層を切り替えることができる。
【0076】
現在設定されているターゲット層は、ウキ7の表示形態によって間接的にプレーヤに示される。例えば
図2のゲーム画像W2はターゲット層が表層である場合のウキ7(71)を表しており、
図3のゲーム画像W3はターゲット層が深層である場合のウキ7(72)を表している。そして、ウキ7は、ターゲット層の切替に応じて沈降/浮上するように表示形態が変更される。
【0077】
図4は、ウキ7の表示形態の変化について説明するための図である。
ウキ7には、ターゲット層が表層である場合に使用される表層用モデル71と、ターゲット層が深層である場合に使用される深層用モデル72とが用意されている。各モデルのデザインは適宜設定可能であるが、
図4の例では、表層用モデル71は、円形の中央体の外周にプロペラが装着されたデザインを有する。深層用モデル72は、表層用モデル71が深く水底に沈んだ状態を表すのでプロペラに相当する部分は識別できないという設定であり、円形又は略円形にデザインされている。
【0078】
ターゲット層が表層から深層へ切り替わると、ウキ7に設定されている深度の値が徐々に増加するように変更される。それに伴って、表層用モデル71は、回転表示されながら、深度の増加に応じて表示サイズが小さくなるように表示制御される(
図4(1)→
図4(2)→
図4(3))。
【0079】
ウキ7の深度が所定値(例えば、表層と深層との境に相当する深度値)に達すると、表層用モデル71から深層用モデル72に切り替えられる。その際、モデルの切り替えが目立たないように、モデルの切り替えタイミングの前後でエフェクト73をウキ7の画像に重ねる(
図4(3)、
図4(4))。
【0080】
エフェクト73の内容は、適宜設定可能であるが、
図4の例では気泡群を真上から見た様子を再現するように設定されている。
【0081】
深層用モデル72は、ウキ7の深度が更に深くなるように変更されるにつれて、表示サイズが小さくなるように表示制御されるとともに、明滅するように表示制御される(
図4(4)→
図4(5))。そして、ウキ7の深度が所定の深層深度値に達すると、深層用モデル72の表示サイズの変更は停止され、明滅の表示制御が継続される。
【0082】
ターゲット層が深層から表層へ切替られる場合は、この逆に表示制御される(
図4(5)→
図4(4)→
図4(3)→
図4(2)→
図4(1))。
【0083】
図5は、ゲーム画像W2の生成について説明するための図である。
ゲーム画像W2は、深層背景画像21から順番に、深層魚22の画像を少なくとも含む深層画像23、表層背景画像24上に表層魚25を重ねた表層画像26、水面画像27を重ねて生成される。深層画像23には歪み処理が施されるため、歪み処理が施された後の深層画像23が合成される。
【0084】
深層背景画像21と深層画像23と表層画像26とは、予めゲームステージにおける仮想的な時刻に応じて、色調が調整される。これにより仮想的な時刻が昼間から夕刻に変化するのにともなって、深層背景画像21が暗くなったり、夕焼けの色に色調が調整されることで時刻の変化を演出する。また、深層魚22は、色調が調整された後の深層背景画像21と色調を合わせるように色調整される。これにより、深層魚22が深層背景画像21から浮き上がって目立たないようにする。表層魚25についても、色調が調整された後の表層画像26と色調を合わせるように色調整するとしもよい。
【0085】
なお、ウキ7の深度によっては、ウキ7の画像が深層画像23或いは表層画像26に含まれることになる。因みに、
図5の例では、ウキ7の画像は表層画像26に含まれている。
【0086】
「歪み処理」は、例えば水中の物体が水による光の屈折で揺らいで見える様子などの水中物体の見え方を再現するために視認性を変更する画像処理の1つである。例えば、「水中ゆらぎフィルター」を用いて実現することができる。より具体的には、波をシミュレーションした波高マップデータ(時間経過に応じて波高が変化する。)を用意して、波高マップデータから、描画位置における波高を読み出し、処理対象とする画像(例えば、深層魚22の画像)のドットを、波高に応じた距離だけX軸方向およびY軸方向へずらす。これにより、歪み処理された画像は、輪郭線が崩れて、あたかも深い水の底を見ているかのようになる。
【0087】
そして、歪み処理は、深層魚22の大きさに応じた歪み度合で実行される。具体的には、魚体のサイズが小さいほど歪み度合を小さく、サイズが大きいほど歪み度合を大きくする。サイズが小さいのに歪みが大きいと、輪郭が崩れすぎて魚種を推測できなくなる。輪郭から魚種が推測できることは、プレーヤの興味を惹いて深層魚22を釣ってみたいと思うモチベーションをかき立てるので重要である。
【0088】
なお、本実施形態では、歪み処理の対象は深層魚22の画像のみとしているので、像の歪みに着目すると、深層背景画像21の中で深層魚22のみが歪んでいることになる。これは、子供でも深層背景画像21の中から深層魚22を識別し易くするために意図した処置である。勿論、深層背景画像21の上に深層魚22を重ねた画像に歪み処理を施して深層画像23を生成する構成としてもよい。この場合、深層魚22の識別のし易さが低下する反面、リアリティは向上する。
【0089】
また、歪み処理には、ぼかし処理、モザイク処理、明度や彩度の変更処理、などの画像処理を1つ又は複数組み合わせて実行するとしてもよい。或いは、ぼかし処理、モザイク処理、明度や彩度の変更処理、などの1つ又は複数を歪み処理の代用としてもよい。例えば、歪み処理に色調の変更処理を加えると(例えば、本来のRGB値をずらすなど)、深層魚22の輪郭だけでなく色についても視認性を変更できる。
【0090】
図6は、ヒット魚の引き上げについて説明するための図である。
「ヒット魚」は、釣り上げるための仕掛けに掛かった魚である。つまり、本ゲームにおいて釣り上げ可能とされるオブジェクトのうち、仕掛けに掛かったヒットオブジェクトである。ヒット魚は、深層魚22および表層魚25の何れについても、複数の候補魚種(釣り上げ可能とされる候補オブジェクト種)の中から抽選処理で選択される。
【0091】
具体的には、ゲーム画像W2に表示される魚種を候補魚種として、候補魚種別の確率(珍しい魚種ほど確率が低い)を適用した抽選処理でヒット魚を選択する。また別例として、ゲーム画像W2に表示される魚種の他に、更に魚体が同じサイズ(例えば、小型・中型・大型など)の他の魚種を候補魚種とし、候補魚種別の確率(珍しい魚種ほど確率が低い)を適用した抽選処理で選択する、としてもよい。例えば、小型の表層魚25が泳いでいるときにヒットすると、当該表層魚25又は同程度に小型な別種の表層魚25がヒット魚になる。
【0092】
ゲーム画像W2に表示される魚種を候補魚とする方法では、プレーヤにとってみれば、ゲーム画像W2で見えている深層魚22の魚影からヒット魚の魚種を推定する楽しさがある。ゲーム画像W2に表示される魚種に魚体が同サイズの他の魚種を選抜して加えて候補魚種とする方法では、プレーヤによる魚種の推定を難しくして意外性を演出することができる。この方法は、深層魚22のサイズによって、歪み処理の程度が変わったり、表示明瞭度がサイズによって異なることに適応した方法である、ともいえる。
【0093】
ゲーム装置1200は、プレーヤ別に過去に釣り上げたことのある獲得魚種の情報(獲得オブジェクト種情報)を記憶する機能を有しており、深層魚22および表層魚25の一方又は両方について、獲得魚種となっていない魚種については、初期ヒット確率から所定の向上率の確率を高めた適用ヒット確率を適用して抽選を行う。
【0094】
ヒット魚が釣り上げられるまでに要する所要時間や労力は、表層魚25より深層魚22の方が多くなるようにゲーム進行制御される。
具体的には、仮想の釣り糸の繰り出し距離L(L2,L5)がターゲット層に応じて設定される。ターゲット層が深層の場合の繰り出し距離L2は、表層である場合の繰り出し距離L5よりも大きく設定される。そして、繰り出し距離L2,L5は、釣竿型コントローラ1220のダミーリール1223の巻上操作回数に応じて減じられ、所定値に至るとヒット魚の釣り上げが可能になる。つまり、ヒット魚が位置する深度に応じて、釣り上げ速度を変化させる制御が行われる、といえる。
【0095】
ヒットした後、ヒット魚は仕掛けを外して逃げようと暴れているように動作制御される。釣り人とヒット魚との戦いを表すこの動作制御を「バトル制御」と言う。バトル制御では、a)ヒット魚が表層魚25の場合にはプレーヤに対する遠近方向および左右方向を含む複数方向の何れかに当該ヒット魚を移動させるように制御を行い、b)ヒット魚が深層魚22の場合にはプレーヤに対する遠近方向に沿った方向に当該ヒット魚を移動させるように制御する。
【0096】
なお、釣り上げるプレイの助けとするために、繰り出し距離Lの現在値を、フラットパネルディスプレイ1206のヒットしたプレーヤのステーション1210付近にてゲージとして表示するとしてもよい。或いは、タッチパネル1214に表示するとしてもよい。
【0097】
図7は、ヒット魚の表示制御について説明するための図である。
プレーヤがダミーリール1223で巻上操作をすると、繰り出し距離Lが減算されるともに、ヒット魚に設定されている深度が減算され、ヒット魚は徐々に水面に近づくように表示される。そして、ヒット魚は、深度が「0」に近づくにつれて表示明瞭が高くなるように、また大きさが大きくなるように表示される。
【0098】
具体的には、深層魚22には、予め複数の深度範囲別に異なる表示明瞭度が設定されており、表示明瞭度別に魚影表示モデル8(8a,8b,…)が用意されている。
「表示明瞭度」は、魚種を判別する特徴が明確であるかどうかの度合いであり、表示明瞭度が高くなると、魚種を判別する特徴がより明確になる。具体的には、画像サイズ、輪郭の明確さ、配色の数、色(色相、彩度、明度を含む)のうちの少なくとも1つが変化することによって、表示明瞭度が変更される。
図7の例では、表示明瞭度「1」から表示明瞭度「4」まで段階的に設定されている。表示明瞭度「1」は、輪郭は実際の魚を思わせるが色もほとんど単色に近い配色をしている。表示明瞭度が上がるにつれて、画像サイズは大きくなり、輪郭はより正確さと細かさを増し、描画される配色も増える。表示明瞭度「4」は、実魚を撮影した画像、又はそれに相当するリアル志向のイラストやCGとする。前述のように、ゲーム画像W2の生成に係り、深層魚22の画像には歪み処理が施されるので、魚影表示モデル8aや魚影表示モデル8bは、魚影表示モデル8cや魚影表示モデル8dよりも表示明瞭度は相対的に低くなる。
【0099】
ヒット魚の表示明瞭度の変更は、不明瞭にする方向には制御せず、表示明瞭度を維持する又は高める方向にのみ制御する不可逆的に行う。
ヒット魚の表示明瞭度が徐々に高まれば、釣り上げることへの期待感が膨らむ。表示明瞭度が低下する方向に変化すれば、ヒット魚が再び水中深くへ逃げようとしている様子をリアルに表現できる反面、膨らんだ期待感をしぼませ、残念な感情を抱かせる恐れがある。そうした恐れは、プレーヤの年齢が低いほど高くなる。年齢が低いプレーヤが抱く感情に配慮するため、表示明瞭度について不可逆な制御を行う。
【0100】
また、表示明瞭度について不可逆な制御を行うことにより、ミス魚が逃げる様子をはっきりとプレーヤに見せることができる。
図8は、ミス魚についての表示制御について説明するための図である。
ヒット後、ランダムなタイミング(或いは所定タイミング)で、ヒット魚が仕掛けから外れたか、いわゆる「ミス」「バレ」が発生したかを判定する「ミス判定」を行う。
【0101】
「ミス判定」は、魚種毎に予め設定される「ミス確率」が適用された抽選処理で当選すると、ミス(バレ)が発生したと判定する。ミスが発生すると、ヒット魚はヒット状態からヒットしていない状態に解除されて、ヒット魚はミス魚となる。
【0102】
ヒット魚の釣り上げをミスして当該ヒット魚がミス魚となった場合、当該ミス魚は、表示明瞭度が維持されたまま逃げ去るように表示制御される。例えば、プレーヤから遠ざかる方向へ移動し、そのままフラットパネルディスプレイ1206の表示の縁から外へ向けてフレームアウトするように表示制御される。ヒット魚が深層魚22であれば、再び深層へ逃げ戻るように表示制御してもよいが、釣り上げ途中で逃げたミス魚の姿を、表示明瞭度をそのままにプレーヤにしっかりと見せることで、次のプレイへのモチベーションを高める効果が得られる。
【0103】
図9は、ヒット魚への技の発動について説明するための図である。
ゲーム装置1200は、ヒット魚別に、ランダムなタイミング、又は断続的な実行条件(例えば、繰り出し距離Lが所定基準値以下まで減った後は5秒周期毎)を満たす場合、「釣り上げ判定」を行う。そして、釣り上げ判定で肯定した場合に、当該ヒット魚は釣り上がったと見なす。そして、この「釣り上げ判定」に係るゲーム要素の1つとして、プレーヤは、釣竿型コントローラ1220にて所定の技発動操作(例えば、操作スイッチ1225を押す、など)をすることでヒット魚に対して所定の技を発動できる。
【0104】
技の内容やその表現方法は、適宜設定可能である。
図9では、釣り糸伝いに電気ショックを与える技が例示されている。技の発動とともに、ゲーム画像W2には、技が発動したことを示す技発動表示91と、技がヒット魚に効いている度合を示すダメージ表示92とが、表示される。なお、技の内容やその表現方法の別例としては、水中に爆弾を落として破裂させてヒット魚にショックを与える、としても良い。
【0105】
技は、プレーヤが支払う発動コストに応じて強弱が変化する。「発動コスト」は、例えば所与の量のプレイ対価支払い媒体(例えば、硬貨やメダル)であってもよいし、ゲームプレイに応じてプレーヤに付与されるアイテムやポイントなどであってもよい。
図9では、発動コストを1単位分消費するならばヒット魚にダメージ「100」を与える強度「1」の技が発動され、発動コストを3単位分消費するならばヒット魚にダメージ「200」を与える強度「2」の技が発動されている例を示している。強弱の段階数やコストとの対応関係は、
図9の例に限らず適宜設定可能である。
【0106】
釣り上げ判定は、ヒット魚の魚種に設定されている「釣り上げ確率」を適用して抽選処理を行い、当選すると釣り上げたと肯定判定される。釣り上げ確率は、ヒット魚の体力値が低い程より高確率とるように設定されている。すなわち、技を発動してヒット魚の体力を削れば、それだけ釣り上げに成功する可能性が上がる。
【0107】
次に、機能構成について説明する。
図10は、ゲーム装置1200の機能構成例を示す機能ブロック図である。
ゲーム装置1200は、操作入力部100と、対価支払検出部110と、コード読取部112と、処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、記憶部500と、を備える。
【0108】
操作入力部100は、プレーヤがゲームプレイに係る各種操作を入力するための手段であり、操作入力信号を処理部200へ出力する。
図1の釣竿型コントローラ1220およびタッチパネル1214がこれに該当する。
【0109】
対価支払検出部110は、プレーヤによるプレイ対価の支払いを検出して、検出信号を処理部200へ出力する。
図1のプレイ対価支払装置1212がこれに該当する。
【0110】
コード読取部112は、コードを読み取り、読取信号を処理部200へ出力する。
図1のコードリーダー1213がこれに該当する。なお、読取方法は、光学式、磁気式、を問わない。
【0111】
処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、等に基づいて各種の演算処理を実行して、ゲーム装置1200の動作を統合的に制御する。
図1の制御基板1250がこれに該当する。
【0112】
処理部200は、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294とを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0113】
ユーザ管理部202は、プレーヤであるユーザの登録手続きに係る処理およびユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。具体的には、ユーザ管理部202は、(1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与およびパスワードの設定、(2)ユーザ別のプレイ履歴データの記憶管理、(3)プレイ開始時のユーザ認証、などを行う。
【0114】
なお、ユーザ登録は、ゲーム装置1200以外で行うとしてもよい。例えば、所定のウェブサイトで予めユーザ登録手続をするとしてもよい。ユーザ管理部202は、ゲーム開始前に、ユーザ認証に係る処理を実行する。ユーザ認証の方法は、適宜選択可能である。例えば、タッチパネル1214でユーザ認証画面を表示させ、登録済のアカウントとパスワードの入力をプレーヤに求めるとしてもよい。また、プレーヤが所持するスマートフォン等の情報処理装置にて、アカウントおよびパスワードを含むコード(例えば、2次元コードなど)を表示させ、コードリーダー1213でこれを読み込むとしてもよい。また、アカウントやパスワードを、ICチップや磁気テープなどの情報記憶媒体を有するプラスチックカード(いわゆるメンバーズカード)に記憶させる場合は、筐体1201にそれらに対応する読取装置を設け、当該読取装置でアカウントとパスワードを読み込むとしてもよい。
【0115】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。ゲーム管理部210は、ゲーム進行制御部220と、ゲーム画像表示制御部240と、を含む。
【0116】
ゲーム進行制御部220は、仮想的な釣り具(例えばウキ7;水中投入アイテム)を制御することで、ゲーム画像W2における複数の水中層のうちの何れかをターゲット層として設定し、ターゲット層での釣りのゲームプレイを進行制御する。
【0117】
具体的には、ゲーム進行制御部220は、ゲームステージ設定部221と、切替制御部222と、水中投入アイテム制御部223と、表層オブジェクト変更制御部224と、オブジェクト動作制御部225と、ヒット判定部226と、バトル演出制御部227と、釣り上げ制御部228と、ミス判定部229と、技制御部230と、を有する。
【0118】
ゲームステージ設定部221は、仮想的な釣りを行う場所、環境、仮想的な時刻のうち何れかを定めたゲームステージの設定を行う。
【0119】
切替制御部222は、ターゲット層の初期設定を表層とし、プレーヤの操作入力に基づいて複数の水中層の中からターゲット層を切り替える制御を行う。
【0120】
水中投入アイテム制御部223は、ターゲット層の切り替えに応じて水中投入アイテムを水中に沈める制御/浮上する制御を行う。仮想的なウキ7の沈降/浮上の制御がこれに該当する(
図4参照)。
【0121】
表層オブジェクト変更制御部224は、ターゲット層が深層の場合に、表層オブジェクトの種類、数およびサイズのうちの何れかを変更する制御を行う。表層魚25の種類、数およびサイズのうちの何れかを変更する制御がこれに該当する。
【0122】
オブジェクト動作制御部225は、深層魚22および表層魚25などの移動オブジェクトの移動制御(例えば、深層魚22や表層魚25が泳いでいるように見せる移動制御、ヒット魚を徐々に水面に近づける移動制御、など)を行う。
【0123】
ヒット判定部226は、ヒットオブジェクトとなる候補オブジェクト種を選択する。そして、当該候補オブジェクト種の中から、プレーヤが過去に釣り上げたことのある獲得オブジェクト種の情報を参照して、獲得オブジェクト種となっていないオブジェクト種をヒットオブジェクトとする確率を向上させた抽選を行って、ヒットの有無の判定およびヒットオブジェクトのオブジェクト種を決定する。ヒット魚の選定に係る候補魚種の選択、候補魚種からの選定がこれに該当する。
【0124】
バトル演出制御部227は、ゲーム画像W2におけるヒットオブジェクト(ヒット魚)の上面視表示位置を変化させる制御を行う。
釣り上げ制御部228は、ヒットオブジェクト(ヒット魚)が位置する深度に応じて、釣り上げ速度を変化させる制御を行う。
【0125】
ミス判定部229は、ヒットオブジェクト(ヒット魚)が仕掛けから外れたかを判定する。
技制御部230は、プレーヤによる所定の技の発動操作に応じて、ヒットオブジェクト(ヒット魚)を釣り上げる確度を向上させる制御を行う。
【0126】
ゲーム画像表示制御部240は、水面を見下ろすゲーム画像W2を表示制御する(
図2参照)。具体的には、ゲーム画像表示制御部240は、深層の画像である深層画像23と表層の画像である表層画像26とを生成し、深層画像23に対して視認性を変更するための所定の画像処理を施すことで、ゲーム画像W2を生成する。より具体的には、ゲーム画像表示制御部240は、画像を重ねる順番を、1)所与の深層背景画像、2)歪み処理を施した深層画像、3)表層画像、4)所与の水面画像の順としたゲーム画像を生成する(
図5参照)。
【0127】
より詳細には、ゲーム画像表示制御部240は、
(1)ゲームステージに応じて深層背景画像21および/又は深層画像23の色調整、
(2)深層画像23の深層魚22の大きさに応じた歪み度合で歪み処理する制御(
図5の歪み処理)、
(3)ヒット魚が位置する深度に応じてヒット魚の表示明瞭度を変化させる制御(
図5の歪み処理および
図7の魚影表示モデル8の変更)、
(4)ウキ7が位置する深度に応じてウキの表示形態を段階的に変化させる制御(
図4参照)、
(5)ウキ7の段階的な変化の際に所与のエフェクト73を表示する制御(
図4参照)、
を行う。
【0128】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の各種計時を行う。
【0129】
音生成部290は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、ゲームの実行に係る操作音や効果音、BGM、などの音声データを生成或いはデコードする。そして、音声信号は音出力部390へ出力する。
【0130】
音出力部390は、音声を出力する。
図1のスピーカー1208がこれに該当する。
【0131】
画像生成部292は、画像表示部392に表示させる画像を生成し、その画像信号の出力を行う。ゲーム画像W2の生成に係る機能がこれに該当する。
【0132】
画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
図1のフラットパネルディスプレイ1206がこれに該当する。
【0133】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0134】
通信部394は、ネットワークに接続して外部装置との間の通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1253がこれに該当する。
【0135】
記憶部500は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例ではICメモリ1252がこれに該当する。
【0136】
図11は、記憶部500が記憶するプログラムやデータの例を示す図である。
記憶部500は、プログラム501と、ゲームステージ初期設定データ510と、ユーザ管理データ600と、プレイデータ700と、現在日時900と、を記憶する。サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶する。
【0137】
図12は、ゲームステージ初期設定データ510のデータ構成例を示す図である。
ゲームステージは、仮想的な釣りを行う場所、環境、仮想的な時刻、のうちの少なくとも1つが異なるように複数種類が用意されている。ゲームステージ初期設定データ510は、ステージID511と、深層背景画像21のデータである深層背景画像データ513と、歪み処理用フィルターデータ515と、表層背景画像24のデータである表層背景画像データ517と、水面画像27のデータである水面画像データ519と、当該ゲームステージで登場可能とされる深層魚22の魚種別に用意された深層魚定義データ520と、当該ゲームステージで登場可能とされる表層魚25の魚種別に用意された表層魚定義データ530と、ウキ7に係る各種データを格納するウキ定義データ540と、を含む(
図5参照)。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0138】
1つの深層魚定義データ520は、魚種521と、魚種選択条件データ522と、表示明瞭度別設定データ523と、ヒット確率524と、釣り上げ確率525と、ミス確率527と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0139】
魚種選択条件データ522は、当該深層魚を選択するために満たすべき条件を定義する。例えば、仮想時刻、プレーヤ人数の合計、ターゲット層を深層に設定しているプレーヤ人数、プレーヤが過去に釣ったことのある魚種、などについての条件として記述される。
【0140】
表示明瞭度別設定データ523は、表示明瞭度(
図7参照)の別に用意され、当該表示明瞭度における当該深層魚22をどのように表示させるかに係る各種データを格納する。表示明瞭度別設定データ523は、例えば、表示明瞭度ID、当該設定データが適用される深度の範囲を示す適用深度、魚体のサイズ、初期体力値、魚影表示モデルデータ、移動制御用の移動パターンデータ、バトル制御用のバトルパターンデータ、逃げ表示用のパターンデータ、などを格納する。各パターンデータは、複数種類用意してもよい。
【0141】
釣り上げ確率525は、ヒット魚の体力値と繰り出し距離Lとを変数とする関数で定義され、体力値が低いほど確率が高くなるように、繰り出し距離Lが短いほど(ヒット魚の深度が浅くなるほど)確率が高くなるように、定義されている。なお、魚種によっては繰り出し距離Lが短いほど確率が低くなる設定があってもよい。
【0142】
魚影表示モデルデータは、ゲーム画像W2を3DCGとしてレンダリングして生成する場合には、3DCG用のオブジェクトモデルやテクスチャとする。魚影を2D画像とする場合には、移動パターンデータ、バトルパターンデータ、逃げパターンデータ、の各パターンデータ別に用意された2Dアニメーションの各コマ画像に相当する2D静止画群で実現する。
【0143】
表層魚定義データ530は、基本的には深層魚定義データ520と同様のデータ構成を有する。但し、表示明瞭度別設定データ523に相当するデータは省略され、当該表層魚25を表示させるための1つの表示モデルデータ(表示明瞭度「4」に相当。)を格納する。
【0144】
ウキ定義データ540は、水中投入アイテムの一例であるウキの定義データであって、ウキ7(
図2から
図4参照)に係る各種定義データを格納する。例えば、ウキ7の表層用モデル71と、深層用モデル72と、エフェクト73のデータと、を格納する。
【0145】
図11に戻って、ユーザ管理データ600は、所定のユーザ登録手続を済ませたユーザ毎に用意され、当該ユーザに係る各種データを格納する。1つのユーザ管理データ600は、ユーザアカウント601と、パスワード602と、プレイ履歴データ603と、獲得魚種情報605と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0146】
プレイ履歴データ603は、ゲームプレイ毎に作成され、プレイ日時や、獲得魚種(釣り上げた魚種)別の釣果リスト、獲得アイテムリスト、獲得ポイント、等のデータを格納する。
【0147】
獲得魚種情報605は、過去に釣り上げた魚種(獲得魚の種類;釣り上げ可能なオブジェクトのうち、獲得したと判定された獲得オブジェクトの種類)、と釣り上げた数とを対応づけて格納する。例えば、獲得魚種情報605は、ゲームに登場する魚種毎に釣り上げた数を対応づけたリストであり、釣り上げられる毎に更新される。
【0148】
プレイデータ700は、ゲーム進行制御およびゲーム画像表示制御に係る各種データを格納する。プレイデータ700は、例えば
図13に示すように、現在のゲームプレイに使用されているゲームステージを示す適用ステージID701と、ゲーム世界における時刻を示す仮想時刻703と、ゲーム画像W2に表示される深層魚22毎に作成される深層魚管理データ710と、ゲーム画像W2に表示される表層魚25毎に作成される表層魚管理データ712と、プレーヤ別に作成されるプレーヤ管理データ714と、プレーヤ別に作成されるウキ管理データ716と、ヒット魚別に作成されるヒット魚管理データ718と、ゲーム画像W2の生成のための各種データを格納するゲーム画像表示制御データ720と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0149】
仮想時刻703は、現在日時900とは異なる時間経過をするように自動制御される。
【0150】
深層魚管理データ710は、適用ステージID701の示すゲームステージの深層魚定義データ520(
図12参照)の魚種を候補として、その中から魚種選択条件データ522が満たされる候補魚種の中から選択された深層魚22のデータである。例えば、魚ID、魚種、表示位置、深度、姿勢、動作制御データ、などを含む。なお、ゲーム画像を、オブジェクトを配置した3次元仮想空間の様子をレンダリングして生成する、いわゆる3DCGで生成する場合は、表示位置および深度を、3次元仮想空間の3次元座標系における配置位置に置き換えてもよい。
【0151】
表層魚管理データ712は、適用ステージID701の示すゲームステージの表層魚定義データ530(
図12参照)の魚種を候補として、その中から魚種選択条件が満たされる候補魚種の中から選択された表層魚25のデータである。例えば、魚ID、魚種、表示位置、深度、姿勢、動作制御データ、などを含む。
【0152】
プレーヤ管理データ714は、プレーヤID、使用しているステーション1210を示すステーションID、当該プレーヤのウキ7を示すウキID、当該プレーヤの仮想の釣竿から繰り出された仮想の釣り糸の繰り出し距離L、ターゲット層を示すターゲット層情報、等を格納する。
【0153】
ウキ管理データ716は、プレーヤが使用する水中投入アイテムの管理データであって、ウキID、当該ウキが対応付けられるプレーヤID、表示位置、深度、などを格納する。
【0154】
ヒット魚管理データ718は、ヒットオブジェクトの管理データであって、釣り上げ可能なオブジェクトのうちのヒット魚とされた魚(オブジェクト)を示す魚ID、魚種、当該ヒット魚をヒットしたプレーヤを示すプレーヤID、適用魚影表示モデルデータ、体力値、深度、などを格納する。
【0155】
図14から
図16は、ゲーム装置1200における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図14に示すように、ゲーム装置1200は、先ずゲームステージ更新条件が満たされているかを判定する。例えば、起動時や、誰もプレイしていない場合、誰もプレイしていない状態が所定時間続いた場合、などにおいてゲームステージ更新条件が満たされたと判定する。
【0156】
そして、ゲームステージ更新条件が満たされたならば(ステップS6のYES)、ゲーム装置1200はゲームステージを選択し、仮想時刻703を設定して時間進行を開始する(ステップS8)。ゲームステージの選択はランダムに選択するとしてもよいし、ゲームステージ毎にステージ選択条件を予め設定しておいて、当該選択条件を満たすゲームステージを選択するとしてもよい。
【0157】
次いで、魚種選定条件を満たすかを判定する(ステップS10)。魚種選定条件は、例えば、起動時や、ゲームステージが再選択された場合、当該ゲームステージでの仮想時刻703が所定の時刻を示した場合、などとすることができる。
【0158】
魚種選定条件を満たす場合(ステップS10のYES)、ゲーム装置1200は、ゲーム画像W2に表示する深層魚22と表層魚25とを選択し(ステップS12)、深層魚22についてはその深度を所定の深層値に設定する(ステップS14)。配置位置はランダムに決定してもよい。動作制御パターンは何れかを選択する。
【0159】
次に、ゲーム装置1200は、深層背景画像21と、深層魚22の色調を調整して(ステップS16)、表示する深層魚22および表層魚25の動作制御を開始する(ステップS18)。そして、ゲーム画像W2(
図2参照)の生成とフラットパネルディスプレイ1206への表示制御とを開始する(ステップS20)。
【0160】
ゲーム装置1200は、プレイ開始操作を監視している。例えば、プレイ対価支払装置1212にて所定のプレイ対価の支払いが検出されるとプレイ開始操作が有りとみなす。そして、ゲーム装置1200は、プレイ開始操作を検出すると(ステップS30のYS)、ユーザ認証をする(ステップS32)。
【0161】
ユーザ認証では、ゲーム装置1200は、タッチパネル1214でユーザ認証画面を表示して、ユーザアカウントとパスワードの入力を受け付ける。該当するユーザ管理データ600があれば、当該ユーザ管理データ600に基づいてプレーヤ管理データ714を作成する。なお、ターゲット層は「表層」、繰り出し距離Lは「0」に初期設定される(
図13参照)。ユーザ認証画面では新規登録の操作も受付可能である。新規登録の操作がなされた場合には、ゲーム装置1200は、所定の新規ユーザ登録処理を実行して、新たにユーザ管理データ600を作成し、プレーヤ管理データ714を作成する。また、ユーザ認証画面では、新規登録をせずにプレイを開始する操作も受け付ける。つまり、プレーヤは、ユーザ登録を任意に行うことができる。
【0162】
次に、ゲーム装置1200は、繰り出し距離L=0のプレーヤによる釣り竿の先端を前へ振るような所定の竿振り操作を検出すると(ステップS40のYES)、ゲーム装置1200は、当該プレーヤのターゲット層を「表層」に初期化するとともに、繰り出し距離Lをターゲット層別の初期値に初期化し(ステップS42)、当該プレーヤに対応するウキ7の表示を開始する(ステップS44)。すなわち、新たなウキ管理データ716が作成され、ゲーム画像W2では表層用モデル71(
図4参照)で新たなウキ7が表示開始される。
【0163】
図15に移って、ターゲット層の切替操作を検出すると(ステップS60のYES)、ゲーム装置1200は、当該切替操作をしたプレーヤのターゲット層の設定を切り替える(ステップS62)。当該プレーヤのウキ7が沈降する様子或いは浮上する様子の表示制御を実行し(
図4参照;ステップS64)、当該切替操作をしたプレーヤの繰り出し距離Lを現ターゲット層の初期値に変更する(ステップS66)。
【0164】
次に、ゲーム装置1200は、繰り出し距離L≠0のプレーヤ別、つまりウキ7が表示されているプレーヤ別にループAを実行する(ステップS80からステップS174;
図16)。
【0165】
ループAでは、処理対象プレーヤについてヒット判定をする(ステップS82)。
具体的には、処理対象プレーヤのターゲット層が「深層」であれば、深層魚管理データ710(
図13参照)の魚種を参照し、当該魚種のヒット確率524(
図12参照)を適用した抽選処理を行う。そして、当選すればこれをヒット魚とし、ヒット魚管理データ718(
図13参照)を作成する。
【0166】
ターゲット層が「表層」の場合、表層魚管理データ712(
図13参照)の魚種を参照し、参照した魚種別に適用ヒット確率を設定する。適用ヒット確率の設定は、処理対象プレーヤの獲得魚種情報605(
図11参照)を参照し、過去に釣り上げたことのある魚種については、表層魚定義データ530(
図12参照)で定義されているヒット確率524をそのまま採用する。一方、過去に釣り上げたことのない魚種については、表層魚定義データ530のヒット確率524を当選し易くなるように変更した値を、適用ヒット確率とする。
【0167】
そして、それぞれの適用ヒット確率を適用した抽選処理を行い、当選した魚種をヒット魚とし、ヒット魚管理データ718を作成する。ヒット魚管理データ718に含まれる体力値は、ヒット魚の深層魚定義データ520或いは表層魚定義データ530における初期体力値をコピーする。
【0168】
なお、ターゲット層が「表層」の場合、ヒット魚の選定に、ゲーム画像W2で表示されている表層魚25が釣れる意外性を付与するとしてもよい。具体的には、表層魚管理データ712の魚種(1つ又は複数)と魚体が同サイズ(又は同程度)の候補魚種(適用ステージID701が示すゲームステージ初期設定データ510の表層魚定義データ530)の中から検索してヒット魚の候補魚種の母集団を作成する。そして、当該候補魚種の母集団に含まれる魚種別にそのヒット確率を適用した抽選処理を行ってヒット魚を選定するとしてもよい。また、ターゲット層が「表層」の場合も「深層」の場合も、ウキ7との距離に応じて候補魚を選択するようにしてもよい。「ウキ7との距離」は、ゲーム画像W2(
図2参照)におけるウキ7の表示位置とステーション1210別に予め設定されている画面外縁部の所定位置との間の直線距離としてもよいし、繰り出し距離L(
図6参照)としてもよい。
【0169】
ヒットが有れば(ステップS84のYES)、ゲーム装置1200は、処理対象プレーヤのウキ7とヒット魚の表示位置との深度を合わせて(ステップS86)、処理対象プレーヤによる巻上操作に応じた、処理対象プレーヤの繰り出し距離Lの減算と、ヒット魚およびウキ7の深度変更を開始する(ステップS88)。
【0170】
また、ゲーム装置1200は、巻上操作や釣竿型コントローラ1220の上げ下げ操作、そしてヒットからの時間経過に応じたヒット魚の体力値の減算処理を開始する(ステップS90)。また、ヒット魚が深層魚22である場合には(ステップS100のYES)、ゲーム装置1200は、ヒット魚の深度に応じたゲーム画像W2の生成に使用する魚影表示モデル8(
図7参照)の変更制御を開始する(ステップS102)。
【0171】
次に、ゲーム装置1200は、ヒット魚のバトルパターンの何れかを選択してヒット魚のバトル制御を開始し(ステップS104)、ウキ7の深度に応じた浮上の演出表示を開始する(ステップS106)。
【0172】
よって、ヒットすると、ゲーム画像W2ではヒット魚が逃げようと暴れる様子が表示され、処理対象プレーヤには自分がヒットしたことがわかる。なお、これと同時に、ヒットした旨を知らせる通知を、処理対象プレーヤのステーション1210の付近に表示するとしてもよい。ヒット後、処理対象プレーヤがダミーリール1223で巻上操作をすると、それにつれてヒット魚の表示明瞭度が上がり(
図7参照)、ウキ7も表示モデルが変わる(
図4参照)。そのため、プレーヤは徐々にヒット魚を水面に向かって引き上げてゆく様子を見ることができ、やがてヒット魚が何であるかを理解して、ヒットの興奮が盛り上がる。
【0173】
図16に移って、ヒット後、ゲーム装置1200は、ランダムなタイミングでミス判定を行う(ステップS110)。ミス判定は、ヒット魚のミス確率527を、体力値が初期体力値から低下しているほどミスが発生し難くなるように、またヒットからの経過時間が長くなるほどミスが発生し難くなるように変更した変更ミス確率を適用した抽選処理で行う。
【0174】
そして、ミスが発生したと判定した場合は(ステップS112のYSE)、ゲーム装置1200は、ヒット魚をミス魚と見なし、ミス魚が逃げ去る様子を表示する(ステップS114)。更に、ヒット魚管理データ718(
図13参照)を削除してヒット魚としての設定を解除し(ステップS116)、処理対象プレーヤのウキ7をゲーム画像W2から消去し、繰り出し距離Lを「0」に初期化する(ステップS118)。
【0175】
ゲーム装置1200は、ヒット後、処理対象プレーヤが技発動条件を満たすかを監視している。技の発動コストの支払いと、釣竿型コントローラ1220での所定操作の入力が検出されると、技発動条件を満たしたと肯定判定する。
【0176】
そして、肯定判定すると(ステップS130のYES)、ゲーム装置1200は、技発動表示91(
図9参照)とダメージ表示92とを表示させるとともに、ヒット魚の体力値を所定値だけ減算する(ステップS132)。
次いで、ゲーム装置1200は、ヒット魚の釣り上げ確率525(
図12参照)を適用した抽選処理を実行して釣り上げ判定を行う(ステップS134)。
【0177】
釣り上げ判定で当選しなかった場合、つまり釣り上げられなかったと判定した場合(ステップS140のNO)、ステップS110へ戻る。つまり、ヒット魚がミス魚になるか釣り上げに成功するかの何れかとなるまで、何度となくミス判定処理と釣り上げ判定処理とが繰り返される。この繰り返しは、例えば5秒毎や10秒毎などの所定時間毎に行うとしてもよし、ヒット魚の深度が所定距離変更する毎に行うとしてもよいし、繰り出し距離Lが所定長さ変更する毎に行うとしてもよい。釣り上げ確率525は、ヒット魚の体力値が低いほど確率が高くなり、また繰り出し距離Lが短いほど確率が高くなるように設定されているので、釣り上げるまでの過程に行われる抽選確率の設定は、プレイ状況に応じて変化することになる。上記の繰り返しにより、ヒット魚を釣り上げるまでの間に、抽選が複数回行われることとなる。
【0178】
釣り上げ判定で当選した場合、つまり釣り上がったと判定した場合(ステップS140のYES)、ゲーム装置1200は、ヒット魚の設定の解除とウキ7の表示を解除して、それらの管理データを消去する(ステップS142)。そして、所定の釣り上げ演出表示を行い(ステップS144)、処理対象プレーヤの獲得魚種情報605を更新し(ステップS146)、処理対象プレーヤへヒット魚の魚種に応じた釣り上げボーナス(例えば、ゲーム中で使用可能なアイテム、技発動コストとして消費されるアイテムやポイント、プレイ対価として消費されるメダル、など)を付与する(ステップS132)。ボーナスは、表層魚25よりも深層魚22を釣り上げた時の方が、価値の高い内容とする。
【0179】
もしヒット判定でヒットしなかった場合、ゲーム装置1200は、巻上操作に応じて処理対象プレーヤの繰り出し距離Lを減算し、ウキ7の深度を水面に近づけるように更新する(ステップS150)。そして、繰り出し距離Lが減算の結果「0」に達したならば(ステップS152のYES)、ウキ7の表示を解除し、ウキ管理データ716を消去する(ステップS154)。
【0180】
次に、ゲーム装置1200は、所定のプレイ終了条件を満たすかを判定する。例えば、プレイ開始からの経過時間が所定長に達した場合に、プレイ終了条件を満たすと肯定判定する。
そして、肯定判定したならば(ステップS170のYES)、ゲーム装置1200は処理対象プレーヤへ向けて所定のプレイ終了処理を行い(ステップS172)、ループAを抜ける(ステップS174)。
【0181】
以上、本実施形態によれば、水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を提供することができる。
【0182】
ゲーム装置1200は、水面を見下ろすゲーム画像W2を表示した仮想的な釣りゲームを実行する際、プレーヤの操作入力に基づいて仮想的な釣り具を制御することで、ゲーム画像における複数の水中層のうちのターゲットとするターゲット層を決定し、釣りのゲームプレイを進行制御することができる。つまり、水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を実現することができる。
【0183】
複数の水中層は、深層魚22が位置する深層と、表層魚25が位置する表層との2層を少なくとも含み、ゲーム装置1200は、深層の画像であって深層魚22の画像を含む深層画像23と、表層の画像である表層画像26と、を生成する。そして、深層画像23に対して所定の歪み処理を施すことができる。よって、プレーヤは、深層を泳ぐ魚の姿が水中における光の屈折等によって歪んで見える様子を体験し、深層の魚を釣り上げるといった体験が可能になる。つまり、水中の深さを興趣として取り入れた新たな釣りゲームの技術を実現することができる。
【0184】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ゲーム装置のハードウェア構成が第1実施形態と異なる。なお、以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様構成要素については同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
【0185】
図17は、第2実施形態におけるゲーム装置1200Bの構成例を示す図である。ゲーム装置1200Bは、家庭用の据置型のゲーム装置に分類される装置である。ゲーム装置1200Bは、制御基板1250を内蔵する装置本体1202と、制御基板1250と無線通信接続する第1コントローラ1261と、第2コントローラ1262と、フラットパネルディスプレイ1206と、を備える。
【0186】
第1コントローラ1261と第2コントローラ1262は、ともに把持に適したスティック形状を有し、それぞれ1つ又は複数の操作スイッチや操作レバーなどとともに、コントローラ基板1230を備える。
【0187】
第1コントローラ1261は釣竿の代わりとされる。プレーヤは、釣竿を持つ要領で縦姿勢の第1コントローラ1261を一方の手で持って、竿を操る操作をする。第2コントローラ1262はリールのレバーの代わりとされる。プレーヤは、リールのハンドルを持っているつもりで、横倒しの第2コントローラ1262を他方の手で持って、仮想の水平軸Ax2を周回させるようにして巻上操作をする。技発動は、第1コントローラ1261の操作スイッチの何れかを操作するとしてもよい。
【0188】
第1コントローラ1261と第2コントローラ1262との1セットで、1つのステーション1210に相当する。
図17では、第1コントローラ1261と第2コントローラ1262を1セット分しか描いていないが、複数セット用意してマルチプレイができるようにしてもよい。
【0189】
図18は、第2実施形態におけるゲーム装置1200Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。ゲーム装置1200Bは、基本的には第1実施形態のそれと同様であるが、第1実施形態から対価支払検出部110が省略されている。
【0190】
第2実施形態のゲーム装置1200Bにおける処理の流れは、第1実施形態と同様である。よって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0191】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。
第3実施形態は第1実施形態および第2実施形態のゲームをオンラインゲームとしたところが異なる。なお、以降では、主に第1実施形態や第2実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態や第2実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
【0192】
図19は、オンラインゲームとして釣りゲームを実行させるゲームシステム1000の構成例を示す図である。ゲームシステム1000は、ネットワーク9を介してデータ通信可能に接続されたサーバシステム1100およびユーザ別のユーザ端末1500(1500a,1500b,…)を含み、ユーザ端末1500をマン・マシン・インターフェース(Man Machine Interface:MMIF)とするコンピュータシステムである。
【0193】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネットを含む。
【0194】
サーバシステム1100は、本体装置、キーボード、タッチパネル、ストレージを有し、本体装置に制御基板1150を搭載する。制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153、が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0195】
サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することによりゲームサーバとしての機能を実現する。
【0196】
ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)は、例えば、パソコン、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、携帯型ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、などのネットワーク9に接続可能なコンピュータシステムである。
【0197】
図19の例では、ユーザ端末1500aは、据置型の家庭用ゲーム装置がクライアントプログラムを実行する例を示している。ユーザ端末1500bは、スマートフォン1501がクライアントプログラムを実行する例を示している。
【0198】
ユーザ端末1500bは、操作入力デバイス(例えば、タッチパネル1506、キーボード、ゲームコントローラ、マウスなど)と、画像表示デバイス(例えば、タッチパネル)1506と、制御基板1550と、を備える。ユーザ端末1500bは、プレイ操作をタッチパネルへのタッチ操作で行うこととするが、第1コントローラ1261および第2コントローラ1262を従属する操作具として有していてもよい。
【0199】
制御基板1550は、CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する通信モジュール1553、などを搭載する。制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。制御基板1550は、ユーザ端末1500bとしての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0200】
図20は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。
サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0201】
操作入力部100sは、システム管理のための各種操作を入力するための手段である。例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、などがこれに該当する。
【0202】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
図19の制御基板1150がこれに該当する。
【0203】
サーバ処理部200sは、基本的には第1実施形態と同様の機能部を有する。第2実施形態におけるゲーム画像表示制御部240は、ゲーム画像W2の生成に係る制御と、ゲーム画像W2をユーザ端末1500に表示させるための送信用データを生成する制御とを行う。
【0204】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現される。音生成部290sは、生成した音声信号を音出力部390sへ出力する。音出力部390sは、スピーカー等により実現され、音声信号に基づいて放音する。
【0205】
画像生成部292sは、システム管理のための各種管理画面の画像を生成し、画像データを画像表示部392sに出力する。また、ユーザ端末1500に表示させる画像の一部又は全部の生成に係る処理、例えば、描画処理、合成処理、などを行う。画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
【0206】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0207】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図19の例では、ICメモリ1152がこれに該当する。オンラインストレージで実現してもよい。
【0208】
図21は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。サーバシステム1100のサーバ記憶部500sは、基本的には第1実施形態の記憶部500と同様のプログラムやデータを記憶するが、第1実施形態のプログラム501に代えて、サーバプログラム503と、ユーザ端末1500へ提供するための配信用クライアントプログラム505を記憶する。
【0209】
図22は、ユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。
ユーザ端末1500は、操作入力部100tと、端末処理部200tと、音出力部390tと、画像表示部392tと、通信部394tと、端末記憶部500tと、を備える。
【0210】
操作入力部100tは、ユーザによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200tに出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサー、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。
図19の例では、タッチパネル1506、第1コントローラ1261、第2コントローラ1262がこれに該当する。
【0211】
端末処理部200tは、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100tや端末記憶部500tを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100tからの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
図1の例では、制御基板1550がこれに該当する。
【0212】
そして、端末処理部200tは、クライアント制御部260と、計時部280tと、音生成部290tと、画像生成部292tと、通信制御部294tと、を有する。
【0213】
クライアント制御部260は、クライアント・サーバシステムにおけるクライアントとしての制御を行う。クライアント制御部260は、操作入力情報提供部261と、表示制御部262と、を有する。
【0214】
操作入力情報提供部261は、操作入力部100tより入力された操作入力信号に応じて操作入力情報を生成し、サーバシステム1100へ送信する制御を行う。
【0215】
表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ユーザ端末1500でゲーム画像W2等を表示させるための各種制御を行う。
【0216】
なお、クライアント制御部260にて、ゲーム管理部210(
図19参照)の機能の一部を分担する構成としてもよい。
【0217】
計時部280tは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0218】
音生成部290tは、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390tへ出力する。
【0219】
音出力部390tは、音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
【0220】
画像生成部292tは、クライアント制御部260の制御に基づいて各種の画像を生成する。例えば、サーバシステム1100から受信したデータをデコードしてゲーム画像W2を生成する。そして、それらを表示させるための画像信号を画像表示部392tへ出力する。
図19の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)や、グラフィックコントローラがこれに該当する。
【0221】
画像表示部392tは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
図19の例では、フラットパネルディスプレイ1206、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0222】
通信制御部294tは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394tを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0223】
通信部394tは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図19の例では通信モジュール1553がこれに該当する。
【0224】
端末記憶部500tは、端末処理部200tに所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200tの作業領域として用いられ、端末処理部200tが各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図19の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
【0225】
そして、端末記憶部500tは、端末処理部200tをクライアント制御部260として機能させるためのクライアントプログラム800(アプリケーションプログラム)と、ゲームシステム1000の登録済ユーザとしてのユーザアカウント802と、ログインパスワード804と、現在日時900と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。例えば、クライアント制御部260にて、ゲーム管理部210(
図19参照)の機能の一部を分担する場合には、必要に応じて各種の初期設定データや定義データを、サーバシステム1100からダウンロードして記憶するとしてもよい。
【0226】
サーバシステム1100における処理の流れは、第1実施形態における処理の流れ(
図14から
図16参照)と同様であり、各ステップの実行主体をサーバシステム1100と読み替えればよい。
【0227】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0228】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0229】
(変形例その1)
例えば、第3実施形態では、ゲーム管理部210の全機能をサーバシステム1100で実現したが、第3実施形態をベースとし、ゲーム管理部210の一部機能をユーザ端末1500にて実現する構成も可能である。
【0230】
(変形例その2)
また、上記実施形態では、水中層を表層と深層の2層構造として例示したが、3層以上であってもよい。
【0231】
(変形例その3)
また、上記実施形態では、ターゲット層の切り替えをプレーヤ自らが行う構成としたが、ゲーム装置1200が自動制御する構成としてもよい。例えば、ランダムのタイミングでターゲット層を交互に切り替えるとしてもよいし、ヒットしない時間が所定時間に達した段階でターゲット層を切り替えるとしてもよいし、ランダムなタイミングでターゲット層の選択抽選処理を行って切り替えるとしてもよい。
【0232】
(変形例その4)
また、第3実施形態では、オンラインマルチプレイゲームとして、クライアント・サーバ型を例示したが、サーバシステム1100がマッチングサーバとして機能し、マッチングされたユーザ端末1500同士が通信接続して、オンラインマルチプレイゲームを実現する構成も可能である。
【0233】
この場合、マッチングされたユーザ端末1500は、
図23および
図24に示すように、それぞれ所定のゲームプログラム810を端末処理部200tにて実行して、ユーザ管理部202・ゲーム管理部210・ゲーム画像表示制御部240としての機能を実現するとともに、情報交換制御部242・チャット制御部244としての機能を実現する。
【0234】
情報交換制御部242は、マッチングされたユーザ端末1500間で相互に操作入力情報およびゲーム進行状況情報を交換する制御を行う。
チャット制御部244は、マッチングされたユーザ端末1500間でのテキストチャットや音声チャットを実現するための制御を行う。
【0235】
よって、マッチングされたユーザ端末1500は、それぞれがプレイデータ700を有し、それぞれでゲーム画像W2を生成して表示制御する。また、マッチングされた他のユーザ端末1500から取得した操作入力情報およびゲーム進行状況情報に基づいて、他プレーヤに関するウキ7・ヒット魚・ミス魚などの表示制御を行うことになる。
【0236】
当該構成においては、ウキ7・ヒット魚・ミス魚などの表示制御においては、自機のプレーヤである自プレーヤと、他機のプレーヤの他プレーヤとで制御内容を違えるような制御を行うと好適である。例えば、自プレーヤのヒット魚の表示明瞭度を変更する制御(
図7参照)では、表示明瞭度「1」から「4」まで全てを行うこととする。一方、他プレーヤのヒット魚については表示明瞭度「1」から「2」への変更は行うが表示明瞭度「3」および「4」への変更は行わないといった具合に、限定的に変更する。他プレーヤが何を釣り上げたかをあえて不明瞭とすることで、プレーヤ同士が直接チャットなどで何を釣り上げたかを報告する機会を残し、仮想的な釣り体験でありながら、仲間といっしょに釣りに行って釣果を自慢しあう楽しさも再現できる。勿論、他プレーヤのヒット魚については表示明瞭度を「1」に固定して、表示明瞭度の変更を行わない、すなわち表示明瞭度を変化させる制御とは異なる制御を行うとする構成も可能である。
【0237】
(変形例その5)
また、上記実施形態では、釣りに伴い水中に投入される仮想の釣り具、すなわち水中投入アイテムを、ウキ7(
図2参照)として例示したが、水中投入アイテムはこれに限らない。例えば、疑似餌(ルアー、ワーム、フライ、サビキ、など)、エサ、針、おもり、釣り天秤、仕掛け、網、マジックハンド、などであってもよい。表層用モデル71(
図4参照)は、疑似餌、エサ、針などとしていかにもそれらしいデザイン(例えば、現実のそれらを模したデザイン、架空のデザイン)としてもよい。深層用モデル72は、疑似餌、エサ、針などそのアイテムの種類に係わらず
図4の例と同様としてもよいし、アイテムのアウトラインの角を丸める等のデザインを微修正したものなどとしてもよい。
【0238】
(変形例その6)
また、上記実施形態では、ヒット魚(ヒットオブジェクト)の表示明瞭度を変化させる制御の例として、表示明瞭度別に魚影表示モデル8(8a,8b,…;
図7参照)を予め用意し、これをヒット魚の深度に応じて切り替える例を示したがこれに限らない。
【0239】
例えば、ヒット魚の魚影表示モデル8に対して表示明瞭度に応じた画像処理を施すとしてもよい。具体的には、魚影表示モデル8a,魚影表示モデル8b,魚影表示モデル8cを省略して、表示明瞭度「4」の魚影表示モデル8dのみを用意する。そして、魚影表示モデル8dをベースにして、色数の低減、輪郭のぼかし、輪郭の歪み、ノイズの付加、画像解像度の低減、などの1つ又は複数の画像処理を、表示明瞭度が低いほど処理度合を高く施して、魚影表示モデル8a,魚影表示モデル8b,魚影表示モデル8cの代わりとしてもよい。
【0240】
また例えば、ヒット魚の魚影を含む深層画像23や表層画像26に対して画像処理を施して実現してもよい(
図5参照)。具体的には、ヒット魚の魚影表示モデル8を、引き上げられる過程で変化する深度に応じた背景画像(深層背景画像21、表層背景画像24)に描画して深層画像23や表層画像26を作成する。そして、その深層画像23や表層画像26に対して、色数の低減、輪郭のぼかし、輪郭の歪み、ノイズの付加、画像解像度の低減、などの1つ又は複数の画像処理を施すとしてもよい。
【0241】
(変形例その7)
また、上記実施形態における技の発動は、アイテムの使用に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0242】
7…ウキ(水中投入アイテム)
8(8a,8b,…)…魚影表示モデル
21…深層背景画像
22…深層魚
23…深層画像
24…表層背景画像
25…表層魚
26…表層画像
27…水面画像
71…表層用モデル
72…深層用モデル
73…エフェクト
91…技発動表示
92…ダメージ表示
200…処理部
210…ゲーム管理部
220…ゲーム進行制御部
221…ゲームステージ設定部
222…切替制御部
223…水中投入アイテム制御部
224…表層オブジェクト変更制御部
225…オブジェクト動作制御部
226…ヒット判定部
227…バトル演出制御部
228…釣り上げ制御部
229…ミス判定部
230…技制御部
240…ゲーム画像表示制御部
500…記憶部
501…プログラム
510…ゲームステージ初期設定データ
513…深層背景画像データ
515…歪み処理用フィルターデータ
517…表層背景画像データ
519…水面画像データ
520…深層魚定義データ
523…表示明瞭度別設定データ
530…表層魚定義データ
540…ウキ定義データ
600…ユーザ管理データ
605…獲得魚種情報
700…プレイデータ
701…適用ステージID
703…仮想時刻
710…深層魚管理データ
712…表層魚管理データ
714…プレーヤ管理データ
716…ウキ管理データ
718…ヒット魚管理データ
720…ゲーム画像表示制御データ
1100…サーバシステム
1200…ゲーム装置
1220…釣竿型コントローラ
1500…ユーザ端末
W2、W3…ゲーム画像