(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081270
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及びフィルム
(51)【国際特許分類】
C08F 290/12 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
C08F290/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194770
(22)【出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100214673
【弁理士】
【氏名又は名称】菅谷 英史
(74)【代理人】
【識別番号】100186646
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】下口 睦弘
(72)【発明者】
【氏名】二川 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】麸山 解
(72)【発明者】
【氏名】奥村 彰朗
【テーマコード(参考)】
4J127
【Fターム(参考)】
4J127AA03
4J127AA04
4J127BB041
4J127BB042
4J127BB081
4J127BB221
4J127BC031
4J127BC151
4J127BD061
4J127BD143
4J127BD412
4J127BE111
4J127BE11X
4J127BE311
4J127BE31X
4J127BE341
4J127BE34Y
4J127BG101
4J127BG10Z
4J127BG171
4J127BG17Z
4J127CB371
4J127CC111
4J127DA43
4J127DA46
4J127EA13
4J127FA21
(57)【要約】
【課題】ヘイズ等の他の特性を変化・悪化させることなく、防眩性を容易かつ厳密に制御可能なハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物の提供。
【解決手段】本発明は、活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)及び微粒子(C)を含有し、微粒子(C)が式(1)~(2)の関係性を満たす有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有し、有機微粒子(C1)は、有機溶剤(B)を構成する全ての有機溶剤中で凝集するものであり、有機微粒子(C2)は、有機溶剤(B)を構成する少なくとも1以上の有機溶剤中に分散するものであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は有機微粒子(C1)~(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は有機微粒子(C1)~(C2)の屈折率である。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)、及び微粒子(C)を含有し、
前記微粒子(C)が、下記式(1)及び下記式(2)の関係性を満たす有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有し、
前記有機微粒子(C1)は、前記有機溶剤(B)を構成する全ての有機溶剤中で凝集するものであり、
前記有機微粒子(C2)は、前記有機溶剤(B)を構成する少なくとも1以上の有機溶剤中に分散するものであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性組成物。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の屈折率である。)
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が水酸基を有する化合物である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、有機架橋微粒子である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項5】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、架橋されたアクリル-スチレン共重合微粒子である、請求項4に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の平均粒子径が、0.05μm~10μmである、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の屈折率が、1.48~1.66である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有する積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに当該組成物を用いたフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は様々な機能を持つ基材の積層体であり、近年、低コスト化と高精細化との要求が高まっている。
FPD表面(視認側)には各種樹脂フィルムが用いられるが、樹脂フィルムの表面は柔らかく耐擦傷性が低いため、これを補う目的で硬化塗膜(ハードコート層)をフィルム表面に設けることが一般的に行われている。具体的には、ロール状に巻いてあるフィルム原反からフィルムを塗工機へ送り出た後、活性エネルギー線硬化性組成物等からなるハードコート剤をフィルム表面に塗工・乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりハードコート剤を硬化してハードコート層を形成した後、再度ロール状に巻き取ることにより、ハードコート層を有するフィルム(ハードコートフィルム)が製造される。
【0003】
FPD最表層を形成するハードコート層としては、下層の樹脂フィルムを保護するのみならず、様々な機能を有するものが求められている。
求められる機能の一つとして蛍光灯などの映り込みを軽減する効果(防眩性)がある。ハードコート層に防眩性を付与する方法としては、有機又は無機の微粒子を含有するハードコート剤を用い、ハードコート層表面に微細な凹凸構造を設けて光を乱反射させる方法が知られている。
【0004】
微細な凹凸構造によるギラ付き感やざらつき感を抑制し、ヘイズによる像鮮明度の低下を抑制して高精細ながら適切な範囲の防眩性を発現させ、白ボケ抑制や視認性低下抑制を制御するためには、大きな凹凸と小さな凹凸を組み合わせて用いることが有効であるとされている。
例えば特許文献1には、光透過性基材と、該光透過性基材の少なくとも一方の面上に形成され、表面に凹凸形状を有する拡散層とを有する防眩性フィルムとして、拡散層中の微粒子の50%以上が互いの中心を結ぶ直線が前記光透過性基材の表面に対して傾斜角をなすように凝集した2個の凝集体を形成している防眩性フィルムが開示されている。
特許文献2には、特許文献1と同様の構成を有する防眩性フィルムにおいて、拡散層の有機微粒子2種とバインダー成分との含有量、平均粒子径、屈折率差が特定の数式を充足する防眩性フィルムが開示されている。
また、特許文献3には、少なくとも透明基材フィルムと防眩層とを積層してなる防眩フィルムとして、防眩層が少なくとも屈折率の異なる第1の透光性微粒子及び第2の透光性微粒子を透光性樹脂中に含み、第1の透光性微粒子の屈折率は第2の透光性微粒子の屈折率よりも大きく、透光性樹脂と第1の透光性微粒子の屈折率差が0.04~0.20である防眩フィルムが開示されている。
特許文献4には、重量平均分子量1万以上の光重合性(メタ)アクリル樹脂を含む光重合性成分、平均粒子径1.0~2.8μmの有機及び/又は無機微粒子、並びに、光重合開始剤を含有し、23℃における粘度が1mPa・s以上1000mPa・s以下である光硬化性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-197330号公報
【特許文献2】国際公開第2012/046664号
【特許文献3】特開2009-86677号公報
【特許文献4】特開2016-45448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1~4に記載の発明では1種又は2種の微粒子によって防眩性の制御を試みた発明である。しかしながらこれら特許文献1~4に記載された防眩性制御方法には未だ改良の余地があった。
防眩性の代替評価方法として一般的な透過鮮明度を用いる場合、用いる2種類の粒子量を変えることで透過鮮明度の制御が可能であることが知られている。しかしながら、特許文献1~3の実施例のように屈折率が大きく異なる2種の微粒子を併用した場合、粒子量、粒子比率を変更すると光学特性として重要なヘイズも大きく変化してしまうため、透過鮮明度とヘイズのバランスを取ることが困難となる。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ハードコート層に求められるヘイズ等の他の特性を変化・悪化させることなく、防眩性(透過鮮明度)を容易かつ厳密に制御可能なハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化物及びそれを用いたフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、有機溶剤に対する凝集性・分散性が異なり、且つ特定の関係式を充足する2種の有機微粒子を併用することにより、他の特性を損なうことなく防眩性を制御できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明に関するものである。
[1]活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)、及び微粒子(C)を含有し、前記微粒子(C)が、下記式(1)及び下記式(2)の関係性を満たす有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有し、前記有機微粒子(C1)は、前記有機溶剤(B)を構成する全ての有機溶剤中で凝集するものであり、前記有機微粒子(C2)は、前記有機溶剤(B)を構成する少なくとも1以上の有機溶剤中に分散するものであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性組成物。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の屈折率である。)
[2]前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂である、[1]の活性エネルギー線硬化性組成物。
[3]前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が水酸基を有する化合物である、[1]又は[2]の活性エネルギー線硬化性組成物。
[4]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、有機架橋微粒子である、[1]~[3]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
[5]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、架橋されたアクリル-スチレン共重合微粒子である、[4]の活性エネルギー線硬化性組成物。
[6]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の平均粒子径が、0.05μm~10μmである、[1]~[5]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
[7]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の屈折率が、1.48~1.66である、[1]~[6]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
[8][1]~[7]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
[9][1]~[7]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有する積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、有機溶剤に対する凝集性・分散性が異なり、且つ特定の関係式を充足する2種の有機微粒子を併用することで、ヘイズを変化させることなく、所望の防眩性を有するハードコート層を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<活性エネルギー線硬化性組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(以下、単に「組成物」ということがある。)は、活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)、及び微粒子(C)を含有するものである。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルとメタクリロイルの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの一方または双方をいう。
【0012】
[活性エネルギー線硬化性化合物(A)]
活性エネルギー線硬化性化合物(A)(以下「化合物(A)」又は「(A)成分」ということがある。(A)成分の他の化合物についても同様にいう。)は、低分子量の単量体(モノマー)であってもよく、特定の繰り返し単位を有するような高分子量の共重合体(樹脂)であってもよい。
単量体の(A)成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)、エポキシ(メタ)アクリレート(A2)、その他の多官能(メタ)アクリレート(A3)、ポリエステル(メタ)アクリレート(A4)、ポリエーテル(メタ)アクリレート、スチレン等を用いることができる。
【0013】
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)としては、例えば、ポリイソシアネート(a1-1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)との反応物;ポリイソシアネート(a1-1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)とポリオール(a1-3)との反応物であり、(メタ)アクリロイル基を1つ以上(好ましくは2~6つ)有するものを用いることができる。
【0014】
ポリイソシアネート(a1-1)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2-メチル-1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、2-メチル-1,5-ジイソシアナトシクロヘキサン等の脂環式ポリイソシアネート;トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0015】
ポリイソシアネート(a1-1)としては、前記したものの中でも、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜の着色を低減できることから、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のポリイソシアネートがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートが更に好ましい。
【0016】
水酸基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)は、水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有するものであり、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε-カプロラクトンで変性した水酸基を有するモノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε-カプロラクトンで変性した水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン-ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート;ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0017】
これらの水酸基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)がポリオール(a1-3)を用いないで得られる場合には、より一層優れた耐擦傷性が得られる点から、化合物(a1-2)としてペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及び、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種類以上の化合物を用いることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)がポリオール(a1-3)を用いて得られる場合には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
【0018】
前記ポリオール(a1-3)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた屈曲性が得られる点から、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましく、ポリテトラメチレングリコールがより好ましい。
【0019】
ポリイソシアネート(a1-1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)との反応、及び、ポリイソシアネート(a1-1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)とポリオール(a1-3)との反応は、常法のウレタン化反応を使用することができる。
また、ウレタン化反応を行う際には、必要に応じてウレタン化触媒を用いてもよい。前記ウレタン化触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン等のリン化合物;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物などを用いることができる。
【0020】
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として、ポリオール(a1-3)を用いるタイプのものを用いる場合におけるウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量としては、より一層優れた屈曲性及び耐擦傷性が得られる点から、800~6,000の範囲であることが好ましく、1,000~4,000の範囲がより好ましい。なお、前記ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法(溶離液;テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により測定した値を示す。
【0021】
エポキシ(メタ)アクリレート(A2)としては、例えば、不飽和モノカルボン酸とエポキシ化合物との付加反応物を用いることができる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐擦傷性の点から、(メタ)アクリル酸を用いることが好ましい。
【0022】
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のビスフェノールA骨格を有するエポキシ化合物;ビスフェノールFジグリシジルエーテル等のビスフェノールF骨格を有するエポキシ化合物;水添フタル酸骨格を有するエポキシ化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよく、これらの重合物を用いてもよい。これらの中でも、耐擦傷性の点から、エポキシ基及び(メタ)アクリル化合物を用いるが好ましく、グリシジル(メタ)アクリレートの重合物を用いることがより好ましい。
【0023】
エポキシ(メタ)アクリレート(A2)の原料として前記エポキシ化合物の重合物を用いる場合において、溶剤を含む前記エポキシ(メタ)アクリレート(A2)の粘度としては、ハードコート層を形成する際の塗工安定性をより一層向上できる点から、100~3,000mPa・sの範囲が好ましく、150~2,000mPa・sの範囲がより好ましい。なお、前記粘度はB型粘度計を使用して測定した値を示す。
【0024】
その他の多官能(メタ)アクリレート(A3)は、前記(A1)及び(A2)以外の、1分子中に(メタ)アクリロイル基を好ましくは2~8個、より好ましくは、3~6個有するモノマーを示す。
その他の多官能(メタ)アクリレート(A3)としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0025】
化合物(A3)としては、前記した中でも、より一層優れた耐擦傷性が得られる点から、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及び、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いることがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及び、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0026】
ポリエステル(メタ)アクリレート(A4)としては、ポリエステルジオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、ジオールと、ジカルボン酸又はその無水物との反応物が好ましい。
ジオールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール、並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物を用いることができる。
ジカルボン酸又はその無水物としては例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸及びトリメリット酸等のジカルボン酸、並びにこれらの無水物を用いることができる。
【0027】
共重合体の(A)成分としては、例えば、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂を用いることが好ましく、このようなアクリル系樹脂としてはアクリルアクリレート樹脂(A11)が挙げられる。
アクリルアクリレート樹脂は、(メタ)アクリレートモノマーに由来する繰り返し単位を主鎖に有する共重合体であって、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するものである。
アクリルアクリレート樹脂(A11)は、例えば、グリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物の単独重合体、又は該化合物と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(以下、これらを「前駆体(1)」と略記する。)を得た後、これと、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物とを反応させることで、アクリルアクリレート樹脂(A11)を得ることができる。
【0028】
ここで前駆体(1)の原料となるグリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α-エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α-n-プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α-n-ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸-3,4-エポキシブチル、(メタ)アクリル酸-4,5-エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸-6,7-エポキシペンチル、α-エチル(メタ)アクリル酸-6,7-エポキシペンチル、βーメチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸-3,4-エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性(メタ)アクリル酸-3,4-エポキシシクロヘキシル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、得られるアクリル重合体(a)の(メタ)アクリロイル基当量を好ましい範囲に調節することが容易となる点で、(メタ)アクリル酸グリシジル、α-エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、及びα-n-プロピル(メタ)アクリル酸グリシジルを用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジルを用いることがより好ましい。
【0029】
前記前駆体(1)を製造する際に併用できる(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1~22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、及び脂環式のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、炭素数1~22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。とりわけ、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニルを用いることが特に好ましい。
共重合させる際の割合〔グリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物〕:〔(メタ)アクリル酸エステル〕は、20/80~95/5(質量比)が好ましく、30/70~90/10(質量比)がより好ましく、60/40~90/10(質量比)がさらに好ましく、80/20~90/10(質量比)が特に好ましい。
【0030】
前駆体(1)は、グリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物由来のエポキシ基を有するが、前駆体(1)のエポキシ当量は、得られるアクリル重合体(a)のアクリロイル当量を145~750g/eqの範囲に調節することが容易となる点で、150~500g/eqの範囲であることが好ましく、150~250g/eqの範囲であることがより好ましく、150~180g/eqの範囲であることが更に好ましい。
【0031】
前記前駆体(1)は、例えば、重合開始剤の存在下、60℃~150℃の温度領域で前記グリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を単独で、又は前記(メタ)アクリル酸エステルとを併用して重合させることにより製造することができるが、前記前駆体(1)の製造と、これに続く前記前駆体(1)とカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物との反応とを連続的に行うことが可能となる点で、溶液重合で製造することが好ましい。
【0032】
前記前駆体(1)の製造を溶液重合法で行う際に用いる溶媒は、反応温度を勘案すると沸点が80℃以上のものであることが望ましく、例えば、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、ジ-n-プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン等のケトン溶剤;n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸-n-アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネート等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、スワゾール1800、スワゾール310、アイソパーE、アイソパーG、エクソンナフサ5号、エクソンナフサ6号等の炭化水素溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。なかでも、得られる前駆体(1)の溶解性に優れる点から、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤や、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル等のエステル溶剤が好ましい。
【0033】
次に用いるカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸、(アクリロイルオキシ)酢酸、アクリル酸2-カルボキシエチル、アクリル酸3-カルボキシプロピル、コハク酸1-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]、フタル酸1-(2-アクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸水素2-(アクリロイルオキシ)エチル及びこれらのラクトン変性物等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;無水コハク酸や無水マレイン酸等の酸無水酸と、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートモノマーとを反応させて得られるカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、得られるアクリル重合体(a)の(メタ)アクリロイル基当量を前記した好ましい範囲に調節することが容易となる点で、(メタ)アクリル酸、(アクリロイルオキシ)酢酸、アクリル酸2-カルボキシエチル、アクリル酸3-カルボキシプロピルが好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
【0034】
アクリルアクリレート樹脂(A11)は、一般的な多官能モノマーと比較して、二重結合当量が高く、アクリルアクリレート樹脂(A11)を使用することにより、本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させた際に硬化物や硬化塗膜の収縮を抑制することが可能となる。
また、(A)成分が構造中に水酸基を有する場合、(A)成分は水酸基の存在により極性が比較的高い親水性化合物となる結果、水酸基を有する(A)成分は後述する微粒子(C)が、アクリル、アクリル-スチレン共重合体、ポリスチレン等の疎水性である場合に凝集を促進させることが可能となる。
よって、(A)成分として水酸基を有する化合物を用いることも好ましい。水酸基を有する(A)成分としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の単量体や、グリシジル基とカルボキシル基との反応で生じた水酸基を構造中に有するアクリルアクリレート樹脂(A11)が好ましい。
【0035】
(A)成分は、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
本発明の組成物中、固形成分全量に対する(A)成分の割合は、1~99質量%が好ましく、5~98質量%がより好ましく、10~96質量%がさらに好ましく、15~95質量%が特に好ましい。
【0036】
[有機溶剤(B)]
有機溶剤(B)としては、微粒子(C)のうち、微粒子(C1)を凝集させ、且つ、微粒子(C2)を分散させる有機溶剤を含有するものであれば特に限定されない。以下、これらをそれぞれ「(B)成分」、「(C)成分」、「(C1)成分」、「(C2)成分」ということがある。
具体的には、微粒子(C1)を凝集させる有機溶剤(B1)と、微粒子(C2)を分散させる有機溶剤(B2)とを組み合わせて2種以上の混合溶剤として用いてもよく、微粒子(C1)を凝集させ、且つ微粒子(C2)を分散させるような1種の有機溶剤を単独で用いてもよい。
なお、便宜上(B)成分を(B1)成分、(B2)成分と分けて説明しているが、これらは(C)成分に対する相対的な尺度であるため、ある有機溶剤種が(B1)成分となるか(B2)成分となるかは、用いる(C1)成分及び(C2)成分の種類によって変化する。
【0037】
本発明の組成物では、(B)成分と(C)成分との組み合わせを工夫し、有機溶剤中での分散・凝集性が異なる2種以上の(C)成分を組み合わせて用いることにより、組成物を塗布してなる塗膜中で(C)成分の分散性を任意に制御することができ、所望の防眩性を、容易且つ厳密に制御することができる。
また本発明では、組成物中の(A)成分~(C)成分等の固形成分の比率や、組成物粘度によって防眩性の制御を行わないため、塗工適性や塗膜硬度に影響を与えることなく、光学特性のみを容易かつ簡便に制御することが可能となる。
【0038】
本発明において、微粒子を「分散させる有機溶剤」とは、当該有機溶剤90gと10gの微粒子を140mLの透明瓶(PS-NO.10K,磯矢硝子工業社製)に入れて混合し、ボルテックスミキサー(MIXER UZUSIO VTX-3000L,LMS CO.LTB社製)を用いて3分間均一混和後、1日間静置した後に目視で観察した際に顕著な相分離が認められない(相分離割合が固液全体の概ね5.0体積%以下となる)有機溶剤のことをいう。
一方、微粒子を「凝集させる有機溶剤」とは、上記「分散させる有機溶剤」以外のものであって、上記同様に混和~静置~目視確認の試験を行った場合に目視で顕著な相分離が認められる(相分離が固液全体の概ね5.0体積%超で認められる)有機溶剤のことをいう。
【0039】
有機溶剤としては、例えばアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、炭化水素系溶剤が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール(ノルマルプロピルアルコール)、イソプロパノール、1-ブタノール、t-ブタノール等が挙げられ、1-プロパノールが好ましい。
グリコール系溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸n-プロピル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、酢酸エチル、又は酢酸n-ブチルが好ましい。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、メチルエチルケトンが好ましい。
炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレン等が挙げられ、トルエンが好ましい。
【0040】
上述のように、(C1)成分を凝集させる有機溶剤(B1)となるか、或いは(C2)成分を分散させる有機溶剤(B2)となるかは、(C1)成分、(C2)成分の種類によって変化するが、(C)成分としてアクリル-スチレン系微粒子を用いる場合、アルコール系溶剤又はグリコール系溶剤が(B1)成分となり、エステル系溶剤、ケトン系溶剤又は炭化水素系溶剤(B2)成分となることが多い。
【0041】
(B)成分が(B1)成分と(B2)成分との2種を含有する場合において、(B1)成分と(B2)成分との配合比率(質量%)は、(B1)成分/(B2)成分=20/80~95/5が好ましく、30/70~90/10がより好ましく、40/60~80/20がさらに好ましく、50/50~70/30が特に好ましい。
【0042】
本発明の組成物中の前記有機溶剤(B)の配合量は、後述する塗工方法に適した粘度になる量であれば特に限定されるものではないが、(B)成分を質量基準で固形分全量の1.0~5.0倍程度用いることが好ましい。
【0043】
[微粒子(C)]
(C)成分は、有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有するものであり、(C1)成分と(C2)成分とが下記式(1)及び下記式(2)の関係性を満たす。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の屈折率である。)
【0044】
すなわち、(C2)成分の平均粒子径は、(C1)成分の平均粒子径の0.8~1.2倍であり、0.85~1.15倍がより好ましく、0.88~1.13倍がさらに好ましい。また、(C2)成分の平均粒子径と(C1)成分の平均粒子径とが同一であることも好ましい。
微粒子の平均粒子径は透過鮮明度に大きく影響を与えるが、(C1)成分と(C2)成分との平均粒子径が近しく、大きく乖離していないことにより、(C1)成分と(C2)成分との含有量や用いる有機溶剤(例えば(B1)成分と(B2)成分との比率)を変更した場合であっても透過鮮明度を大きく変化させることなく、透過鮮明度とヘイズとのバランスを取ることができる。
(C)成分の平均粒子径の値は、凝集力が高まり、より一層優れた防眩性が得られる観点から、0.05~10.0μmが好ましく、0.5~5.0μmがより好ましく、0.6~3.0μmがより好ましく、0.7~1.5μmが特に好ましい。なお、(C)成分の平均粒子径は、粒度分布測定の積算粒子量曲線において、その積算量が50%を占めるときの粒子径を表す。
【0045】
(C2)成分の屈折率と(C1)成分の屈折率との差は0.01以下であり、屈折率が小数点以下第2位まで同一で差がないことも好ましい。
微粒子の屈折率はヘイズに大きく影響を与えるが、(C1)成分と(C2)成分との屈折率が近しく、大きく乖離していないことにより、(C1)成分と(C2)成分との含有量や用いる有機溶剤(例えば(B1)成分と(B2)成分との比率)を変更した場合であってもヘイズを大きく変化させることなく、透過鮮明度とヘイズとのバランスを取ることができる。
(C1)成分及び(C2)成分の屈折率は、バインダーとの屈折率差を調整し、所望の塗膜ヘイズ発現させる観点から、1.48~1.66が好ましく、1.50~1.63がより好ましく、1.52~1.60が特に好ましい。
【0046】
(C1)成分及び(C2)成分の具体的な材料としては、プラスチックポリマービーズを用いることができ、例えば、アクリル系微粒子(屈折率1.49~1.535)、アクリル-スチレン系微粒子(屈折率1.54~1.59)、ポリスチレン系微粒子(屈折率1.60)、メラミン系粒子(屈折率1.57)、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド微粒子、ポリカーボネート微粒子、ポリエチレン微粒子等を用いることができる。
なかでも、凝集性に優れ、塗膜表面に適切な凹凸が形成されて一層優れた防眩性が得られる点から、ポリスチレン微粒子、アクリル-スチレン系微粒子、及びスチレン微粒子からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、アクリル-スチレン系微粒子が特に好ましい。
【0047】
(C)成分は、(C1)成分、(C2)成分に加えて無機系微粒子を有していてもよい。無機系微粒子としては、例えば、球状シリカ、不定形シリカ等のシリカ粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコン、ジルコニア、アルミナ等の酸化金属粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子等を用いることができる。
【0048】
有機系微粒子、無機系微粒子の表面は、未処理であってもよく、親水性処理又は疎水性処理等の表面処理がなされていてもよい。
また、有機系微粒子は架橋がなされた有機系架橋微粒子(有機架橋微粒子)であってもよい。架橋の方法は特に限定されるものではないが、本分野で一般的に用いられる架橋剤を必要に応じて添加し、適切な範囲に架橋度を調整することにより、有機架橋微粒子を得ることができる。例えば、有機系微粒子の表面処理のみを変更して(C1)成分、(C2)成分とすることもできる。
【0049】
(C)成分は、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
本発明の組成物中、固形成分全量に対する(C)成分の割合は、0.1~50質量%が好ましく、0.5~30質量%がより好ましく、1~20質量%がさらに好ましく、5~18質量%が特に好ましい。
【0050】
[その他の成分]
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、上記の(A)~(C)成分以外のその他の成分として、用途、要求特性に応じて、レベリング剤、重合開始剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、光増感剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤以外の表面調整剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機充填剤などを配合することができる。これらその他の成分は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0051】
(レベリング剤)
レベリング剤は、塗膜の表面張力を調整し、塗膜表面を平滑化するために用いられる。レベリング剤の存在により塗膜の表面張力(表面エネルギー)が下がり、水接触角が大きくなる結果、汚れ等が付着しにくくなり、硬化塗膜に防汚性が付与される。
【0052】
レベリング剤としては、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン誘導体、フルオロアルキルエチレンオキシド誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルキルアンモニウム塩、フルオロアルキルアンモニウム塩類等が挙げられる。
なかでも、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルエチレンオキシド誘導体、フルオロアルキルアンモニウム塩等の、フッ素原子を含むフッ素化合物系レベリング剤が好ましい。
【0053】
レベリング剤としては、市販品を用いることもできる。市販品として具体的には、「メガファックF-114」、「メガファックF-251」、「メガファックF-281」、「メガファックF-410」、「メガファックF-430」、「メガファックF-444」、「メガファックF-472SF」、「メガファックF-477」、「メガファックF-510」、「メガファックF-511」、「メガファックF-552」、「メガファックF-553」、「メガファックF-554」、「メガファックF-555」、「メガファックF-556」、「メガファックF-557」、「メガファックF-558」、「メガファックF-559」、「メガファックF-560」、「メガファックF-561」、「メガファックF-562」、「メガファックF-563」、「メガファックF-565」、「メガファックF-567」、「メガファックF-568」、「メガファックF-569」、「メガファックF-570」、「メガファックF-571」、「メガファックR-40」、「メガファックR-41」、「メガファックR-43」、「メガファックR-94」、「メガファックRS-72-K」、「メガファックRS-75」、「メガファックRS-76-E」、「メガファックRS-76-NS」、「メガファックRS-90」、「メガファックEXP.TF-1367」、「メガファックEXP.TF1437」、「メガファックEXP.TF1537」、「メガファックEXP.TF-2066」(以上、DIC社製);「フタージェント100」、「フタージェント100C」、「フタージェント110」、「フタージェント150」、「フタージェント150CH」、「フタージェント100A-K」、「フタージェント300」、「フタージェント310」、「フタージェント320」、「フタージェント400SW」、「フタージェント251」、「フタージェント215M」、「フタージェント212M」、「フタージェント215M」、「フタージェント250」、「フタージェント222F」、「フタージェント212D」、「FTX-218」、「フタージェント209F」、「フタージェント245F」、「フタージェント208G」、「フタージェント240G」、「フタージェント212P」、「フタージェント220P」、「フタージェント228P」、「DFX-18」、「フタージェント601AD」、「フタージェント602A」、「フタージェント650A」、「フタージェント750FM」、「FTX-730FM」、「フタージェント730FL」、「フタージェント710FS」、「フタージェント710FM」、「フタージェント710FL」、「フタージェント750LL」、「FTX-730LS」、「フタージェント730LM」、(以上、ネオス社製);「BYK-300」、「BYK-302」、「BYK-306」、「BYK-307」、「BYK-310」、「BYK-315」、「BYK-320」、「BYK-322」、「BYK-323」、「BYK-325」、「BYK-330」、「BYK-331」、「BYK-333」、「BYK-337」、「BYK-340」、「BYK-344」、「BYK-350」、「BYK-352」、「BYK-354」、「BYK-355」、「BYK-356」、「BYK-358N」、「BYK-361N」、「BYK-357」、「BYK-370」、「BYK-375」、「BYK-377」、「BYK-390」、「BYK-392」、「BYK-UV3500」、「BYK-UV3510」、「BYK-UV3570」、「BYK-Silclean3700」(以上、BYK社製);「TEGO Rad2100」、「TEGO Rad2011」、「TEGO Rad2200N」、「TEGO Rad2250」、「TEGO Rad2300」、「TEGO Rad2500」、「TEGO Rad2600」、「TEGO Rad2650」、「TEGO Rad2700」、「TEGO Flow300」、「TEGO Flow370」、「TEGO Flow425」、「TEGO Flow ATF2」、「TEGO Flow ZFS460」、「TEGO Glide100」、「TEGO Glide110」、「TEGO Glide130」、「TEGO Glide410」、「TEGO Glide411」、「TEGO Glide415」、「TEGO Glide432」、「TEGO Glide440」、「TEGO Glide450」、「TEGO Glide482」、「TEGO Glide A115」、「TEGO Glide B1484」、「TEGO Glide ZG400」、「TEGO Twin4000」、「TEGO Twin4100」、「TEGO Twin4200」、「TEGO Wet240」、「TEGO Wet250」、「TEGO Wet260」、「TEGO Wet265」、「TEGO Wet270」、「TEGO Wet280」、「TEGO Wet500」、「TEGO Wet505」、「TEGO Wet510」、「TEGO Wet520」、「TEGO Wet KL245」、(以上、エボニック・インダストリーズ社製)、「FC-4430」、「FC-4432」(以上、スリーエムジャパン社製)、「ユニダインNS」(以上、ダイキン工業社製)、「サーフロンS-241」、「サーフロンS-242」、「サーフロンS-243」、「サーフロンS-420」、「サーフロンS-611」、「サーフロンS-651」、「サーフロンS-386」(以上、AGCセイミケミカル社製)、「DISPARLON OX-880EF」、「DISPARLON OX-881」、「DISPARLON OX-883」、「DISPARLON OX-77EF」、「DISPARLON OX-710」、「DISPARLON 1922」、「DISPARLON 1927」、「DISPARLON 1958」、「DISPARLON P-410EF」、「DISPARLON P-420」、「DISPARLON P-425」、「DISPARLON PD-7」、「DISPARLON 1970」、「DISPARLON 230」、「DISPARLON LF-1980」、「DISPARLON LF-1982」、「DISPARLON LF-1983」、「DISPARLON LF-1084」、「DISPARLON LF-1985」、「DISPARLON LHP-90」、「DISPARLON LHP-91」、「DISPARLON LHP-95」、「DISPARLON LHP-96」、「DISPARLON OX-715」、「DISPARLON 1930N」、「DISPARLON 1931」、「DISPARLON 1933」、「DISPARLON 1934」、「DISPARLON 1711EF」、「DISPARLON 1751N」、「DISPARLON 1761」、「DISPARLON LS-009」、「DISPARLON LS-001」、「DISPARLON LS-050」(以上、楠本化成社製)、「PF-151N」、「PF-636」、「PF-6320」、「PF-656」、「PF-6520」、「PF-652-NF」、「PF-3320」(以上、OMNOVA SOLUTIONS社製)、「ポリフローNo.7」、「ポリフローNo.50E」、「ポリフローNo.50EHF」、「ポリフローNo.54N」、「ポリフローNo.75」、「ポリフローNo.77」、「ポリフローNo.85」、「ポリフローNo.85HF」、「ポリフローNo.90」、「ポリフローNo.90D-50」、「ポリフローNo.95」、「ポリフローNo.99C」、「ポリフローKL-400K」、「ポリフローKL-400HF」、「ポリフローKL-401」、「ポリフローKL-402」、「ポリフローKL-403」、「ポリフローKL-404」、「ポリフローKL-100」、「ポリフローLE-604」、「ポリフローKL-700」、「フローレンAC-300」、「フローレンAC-303」、「フローレンAC-324」、「フローレンAC-326F」、「フローレンAC-530」、「フローレンAC-903」、「フローレンAC-903HF」、「フローレンAC-1160」、「フローレンAC-1190」、「フローレンAC-2000」、「フローレンAC-2300C」、「フローレンAO-82」、「フローレンAO-98」、「フローレンAO-108」(以上、共栄社化学社製)、「L-7001」、「L-7002」、「8032ADDITIVE」、「57ADDTIVE」、「L-7064」、「FZ-2110」、「FZ-2105」、「67ADDTIVE」、「8616ADDTIVE」(以上、東レ・ダウシリコーン社製)等の例を挙げることができる。
【0054】
レベリング剤は1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
レベリング剤を用いる場合、固形成分全量に対するレベリング剤の割合は、0.0001~3質量部が好ましく、0.0005~1質量部がより好ましく、0.001~0.1量部がさらに好ましい。
【0055】
(重合開始剤)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、基材上に塗工後、活性エネルギー線を照射することで硬化塗膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線をいい、工業的には紫外線が広く用いられている。
重合開始剤は、活性エネルギー線の照射に応じて(A)成分の重合反応を開始させるために本発明の組成物に含有されるものであって、光重合開始剤として一般的に知られている化合物を用いることができる。
光重合開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル(ジベンゾイル)、メチルフェニルグリオキシエステル、オキシフェニル酢酸2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステル、オキシフェニル酢酸2-(2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル等のベンジル系化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ-ケトン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、1-[4-(4-ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルサルフォニル)プロパン-1-オン等が挙げられる。
【0056】
重合開始剤としては、市販品を用いることもできる。市販品として具体的には、アルキルフェノン系化合物:Omnirad 184、Omnirad 1173、Omnirad 1116、Omnirad 907、Omnirad 651、Omnirad 2959、Omnirad 127、Omnirad 369、Omnirad 379(以上、IGM Resins B.V.社製);アシルホスフィンオキサイド系化合物:Omnirad TPO、Omnirad 819(以上、IGM Resins B.V.社製);オキシムエステル系化合物:イルガキュアOXE01、イルガキュアOXE02、イルガキュアOXE03、イルガキュアOXE04(以上、IGM Resins B.V.社製);水素引き抜き型化合物:SB-PI 701、SB-PI 701、SB-PI 707、SB-PI 711、SB-PI 712、SB-PI 716(以上、三陽貿易社製)、カヤキュアDETX-S、カヤキュアEPA(以上、日本化薬社製)、カンタキュア-ITX(ワ-ドプレキンソップ社製)等が挙げられる。
【0057】
重合開始剤は、1種で用いることも、2種以上併用することもできる。
重合開始剤成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.05~30質量部が好ましく、0.5~20質量部がより好ましく、1~15質量部がさらに好ましい。
【0058】
(カップリング剤)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物はカップリング剤を含有していてもよい。カップリング剤としては、複数の材料を結合させうる化合物であれば特に限定されるものではなく、一般的にカップリング剤として知られている化合物を用いることができるが、なかでもシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤として具体的には、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するシランカップリング剤;
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;
p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するシランカップリング剤;
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤;
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノ基を有するシランカップリング剤;
トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート系のシランカップリング剤;
3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系のシランカップリング剤;
3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等のウレイド基を有するシランカップリング剤;
3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファイド等のスルフィド系のシランカップリング剤;
3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、等が挙げられる。
シランカップリング剤やその他のカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物がカップリング剤を含有する場合、その配合量は(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して0.001~10質量部で用いることができる。
【0059】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば各種材料の少なくとも1面に塗工した後に活性エネルギー線を照射することにより、基材に硬度や耐擦傷性を付与する硬化塗膜(ハードコート層)として好適に使用することができる。
本発明の組成物からなる硬化塗膜は、フィルム表面に硬度、耐擦傷性を付与することができ、尚且つ防眩性制御に優れるハードコート層を形成できることから、映り込み軽減が求められるFPD材料のハードコートとして使用した際に特に優れた効果を発揮する。
【0060】
<硬化物・フィルム>
本発明の効果物は、上述の本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化してなるものである。また、本発明のフィルムは、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜と、基材とを有する。
基材に特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えばプラスチック、ガラス、木材、金属、金属酸化物、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。
基材の形状も特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等、目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
【0061】
プラスチック基材としては、樹脂からなるものであれば特に限定なく、例えば前述した熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いればよい。機材としては、樹脂が単独でも複数種を配合した基材であってもよく、単層又は2層以上の積層構造を有するものであってもよい。また、これらのプラスチック基材は繊維強化(FRP)されていてもよい。
【0062】
また、基材は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、有機フィラー、無機フィラー、光安定剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
【0063】
本発明のフィルムは、基材及び硬化塗膜の上に、さらに第二基材を有していても良い。第二基材としては材質に特に限定は無く、ガラス、木材、金属、金属酸化物、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
【0064】
本発明の硬化塗膜は、プラスチックに対しても無機物に対しても密着性が高いため、異種材料の層間材としても好ましく利用可能である。特に好ましくは、基材がプラスチックであり、第二基材が無機層の場合である。無機層としては、例えば、石英、サファイア、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、無機酸化物、蒸着膜(CVD、PVD、スパッタ)、磁性膜、反射膜、Ni,Cu,Cr,Fe,ステンレス等の金属、紙、SOG(Spin On Glass)、SOC(Spin On Carbon)、ポリエステル・ポリカーボネート・ポリイミド等のプラスチック層、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ITOや金属等の導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系基板等が挙げられる。
【0065】
本発明の硬化塗膜の表面のぬれ張力としては、35~60mN/mの範囲であることが好ましく、40~55mN/mの範囲がより好ましい。なお、前記ぬれ張力は、JIS試験方法K6768:1999に準拠して測定した値である。
【0066】
(製造方法)
本発明のフィルムは、基材表面に本発明の組成物を塗布した後に硬化させることで得られる。
基材への塗布は、基材に対し組成物を直接塗工又は直接成形して硬化させる方法により行うことができる。
直接塗工する場合、塗工方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。
また、組成物の硬化物を基材上に積層することにより本発明のフィルムを得てもよい。組成物の硬化物を積層する場合、半硬化の硬化物を基材上に積層してから完全硬化させてもよく、完全硬化済の硬化物を基材上に積層してもよい。
【0067】
本発明の組成物は、重合性不飽和基を有する化合物が含まれていることから、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。
活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。これらのなかでも特に、硬化性および利便性の点から紫外線(UV)が好ましい。
ここで、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その紫外線を照射する装置としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀-キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LEDランプ等が挙げられる。これらを用いて、約180~400nmの波長の紫外線を、塗工又は成形された組成物に照射することによって、硬化塗膜や硬化物を得ることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
【0068】
(用途)
本願の組成物の硬化塗膜は、高い硬度及び耐熱水密着性、耐光密着性に優れることから、外部からの衝撃、水分、及び光から対象物を保護しつつ高い密着性を保つことができ、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)等の表面の傷付き防止用フィルム、ディスプレイ内部の表示素子やタッチパネル(タッチセンサー)等の導電電極材からなる電極の保護膜等の用途に好適に使用されうる。また、自動車の内外装用加飾フィルム(シート)、窓向けの低反射フィルムや熱線カットフィルムなど各種用途にも好適に使用することができる。
【実施例0069】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0070】
(実験例)
表1に示す有機溶剤90gと微粒子10gを140mLの透明瓶(PS-NO.10K,磯矢硝子工業社製)に入れて混合し、ボルテックスミキサー(MIXER UZUSIO VTX-3000L,LMS CO.LTD社製)を用いて3分間均一混和して静置した。1日後に目視で観察を行い、以下の基準で評価を行った。
○:目視で顕著な分離が認められない
×:目視で顕著な分離が認められる
【0071】
【0072】
上表中、略号はそれぞれ以下の意味を有する。
(B)-1:1-プロパノール
(B)-2:酢酸エチル
(B)-3:酢酸ブチル
(B)-4:PGME
(C)-1:アクリル-スチレン共重合体有機微粒子「DLB-006」(商品名、藤倉化成社製、屈折率1.55、平均粒子径0.88μm)
(C)-2:アクリル-スチレン共重合体有機微粒子「DLB-005」(商品名、藤倉化成社製、屈折率1.55、平均粒子径0.98μm)
(C)-3:アクリル-スチレン共重合体有機微粒子「DLB-001」(商品名、藤倉化成社製、屈折率1.59、平均粒子径0.85μm)
(C)-4:アクリル-スチレン共重合体有機微粒子「DLB-201」(商品名、藤倉化成社製、屈折率1.58、平均粒子径0.85μm)
【0073】
上記の結果から、微粒子(C)-1及び(C)-3は1-プロパノール、PGME、酢酸エチル及び酢酸ブチル中で凝集し、微粒子(C)-2及び(C)-4は上記有機溶剤の一部の中で分散することが確認できた。
【0074】
(実施例A1)
(A)成分としてペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物「アロニックス M-450」(商品名、東亞合成社製) 41.74質量部、及びアクリルアクリレート樹脂「EVS-301」(商品名、DIC社製) 35.77質量部、(B)成分として1-プロパノール 62.50質量部及び酢酸エチル 17.12質量部、(C1)成分としてアクリル-スチレン共重合体有機微粒子「DLB-006」(商品名、藤倉化成社製、屈折率1.55、平均粒子径0.88μm) 0.78質量部、(C2)成分としてアクリル-スチレン共重合体有機微粒子「DLB-005」(商品名、藤倉化成社製、屈折率1.55、平均粒子径0.98μm) 1.56質量部、並びに光重合開始剤「Omnirad 184」(商品名、IGM Resins社製) 2.98質量部を均一に混合して、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
【0075】
(実施例A2~A3、比較例A1~A5)
表2に示した組成に変更した以外は実施例A1と同様にして、各例の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
【0076】
[評価用サンプルの作製]
各例の活性エネルギー線硬化性組成物を、トリアセチルセルロースフィルム(TAC)基材(富士フィルム社製の商品名「TAC-TD60U」 厚さ:60μm)に、膜厚が4μmとなるように塗布し、60℃で1分乾燥し、高圧水銀ランプにて240mW/cm2、150mJ/cm2の条件で紫外線照射をし、得られたTAC基材と硬化塗膜とからなる積層体を試験サンプルとした。
【0077】
[ヘイズ値評価]
上記で得られた各例の硬化塗膜について、JIS K7136に準拠し、ヘイズメーター(日本電飾株式会社製「NDH4000」)を用いてヘイズ値を測定した。結果を「ヘイズ」として表中に記載する。
【0078】
[全光透過率評価]
上記で得られた各例の硬化塗膜について、JIS K7136に準拠し、ヘイズメーター(日本電飾株式会社製「NDH4000」)を用いて全光透過率を測定した。結果を「全光透過率」として表中に記載する。
【0079】
[透過鮮明度評価]
上記で得られた各例の試験サンプルを用い、JIS K7374に準拠し、写像性測定器(スガ試験機株式会社製「ICM-IT」)を使用して、光学くし幅;0.125、0.25、0.5、1.0、2.0mmの5点にて測定した。測定した5点の合計値を「写像性」として表中に記載する。
【0080】
【0081】
上表中、略号はそれぞれ上述の意味を有するか、或いは以下の意味を有する。
(A)-1:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物「アロニックス M-450」
(A)-2:アクリルアクリレート樹脂「EVS-301」
(I)-1:光重合開始剤「Omnirad 184」(商品名、IGM Resins社製)
【0082】
実施例A1~A3の本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜は、比較例A1に対し、ヘイズ及び全光透過率を大きく変えずに透過鮮明度(写像性)を変化させることが可能であった。防眩性を表す透過鮮明度を任意に調整可能である上、優れたヘイズ値及び全光透過率を有することが確認できた。
一方で比較例A2~A5ではでは透過鮮明度(写像性)を変えた際にヘイズも変化し、ヘイズを大きく変えずに防眩性の調整することができなかった。
【0083】
(実施例B1~B2、比較例B1)
表3に示した組成に変更した以外は実施例A1と同様にして、各例の活性エネルギー線硬化性組成物を得た後、評価用サンプルを作成し、ヘイズ値、全光透過率及び透過鮮明度の評価を行った。結果を表3に併記する。
【0084】
【0085】
上表中、略号はそれぞれ上述の意味を有するか、或いは以下の意味を有する。
(A)-3:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物「アロニックス M-405」(商品名、東亞合成社製)
(A)-4:10官能ウレタンアクリレート「紫光UV-1700B」(商品名、三菱ケミカル社製)
(A)-5:多官能ポリエステルアクリレート「アロニックス M-9050」(商品名、東亞合成社製)
【0086】
実施例B1~B2の本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜は、比較例B1に対し、ヘイズ及び全光透過率を大きく変えずに透過鮮明度(写像性)を変化させることが可能であった。防眩性を表す透過鮮明度を任意に調整可能である上、優れたヘイズ値及び全光透過率を有することが確認できた。
【0087】
(実施例C1~C2、比較例C1~C3)
表4に示した組成に変更した以外は実施例A1と同様にして、各例の活性エネルギー線硬化性組成物を得た後、評価用サンプルを作成し、ヘイズ値、全光透過率及び透過鮮明度の評価を行った。結果を表4に併記する。表4中、略号はそれぞれ上述の意味を有する。
【0088】
【0089】
実施例C1~C2の本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜は、比較例C1に対し、ヘイズ及び全光透過率を大きく変えずに透過鮮明度(写像性)を変化させることが可能であった。防眩性を表す透過鮮明度を任意に調整可能である上、優れたヘイズ値及び全光透過率を有することが確認できた。
一方で比較例C2~C3では透過鮮明度(写像性)を変えた際にヘイズも変化し、ヘイズを大きく変えずに防眩性の調整することができなかった。