(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081722
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】プラズマ処理ツールにおける画像に基づくプラズマシースプロファイル検出
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240611BHJP
H05H 1/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H05H1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024050612
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2020566673の分割
【原出願日】2019-05-23
(31)【優先権主張番号】15/991,021
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ユホウ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・マイケル・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マッケシニー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレキサンダー・ミラー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板処理チャンバ内のプラズマシースプロファイルを検出および監視するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システムは、カメラ320などの撮像装置によって撮像された、基板316を処理中の基板処理チャンバ300内のプラズマ環境の画像を受信し、基板処理中のプラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す画像の1または複数の特徴を抽出するように構成された画像処理モジュールを備えるシステムコントローラを有する。システムコントローラは、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定し、プラズマシースプロファイルに基づいて基板処理に関する少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
(i)撮像装置によって撮像された、基板処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像処理モジュールと、
(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記プラズマシースプロファイルに基づいて前記基板処理に関する少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整する、ように構成されたコントロールモジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記1または複数の特徴の前記1つは、前記バルクプラズマ領域と前記プラズマシース領域との間の線に相当する、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コントロールモジュールは、(i)前記プラズマシースプロファイルを基準プロファイルと比較し、(ii)前記プラズマシースプロファイルと前記基準プロファイルとの差に基づいて前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整する、ように構成されている、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コントロールモジュールは、(i)前記プラズマシースプロファイルを基準線と比較し、(ii)前記プラズマシースプロファイルと前記基準線との差に基づいて前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整する、ように構成されている、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コントロールモジュールは、前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整するために、前記プラズマシースプロファイルの平坦度を決定するように構成されている、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
(i)前記少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングの高さに相当し、(ii)前記コントロールモジュールは、前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記エッジリングの前記高さを調整する、ように構成されている、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
(i)前記少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングに供給される電力に相当し、(ii)前記コントロールモジュールは、前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記エッジリングに供給される前記電力を調整する、ように構成されている、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
前記撮像装置を含み、前記撮像装置は、前記基板処理チャンバの側壁の開口部を通して前記基板のエッジ領域上方の前記プラズマ環境を観察するように配置されている、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、さらに、
前記基板処理チャンバの前記側壁の前記開口部内で選択的に開閉するように配置されたシャッタを備える、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記コントロールモジュールは、前記撮像装置が前記画像を撮像できるように前記シャッタを選択的に開閉するように構成されている、システム。
【請求項12】
方法であって、
基板処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を撮像することと、
前記基板処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出することと、
前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定することと、
前記プラズマシースプロファイルに基づいて前記基板処理に関する少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記1または複数の特徴の1つは、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記1または複数の特徴の前記1つは、前記バルクプラズマ領域と前記プラズマシース領域との間の線に相当する、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、前記プラズマシースプロファイルを基準プロファイルと比較し、前記プラズマシースプロファイルと前記基準プロファイルとの差に基づいて前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することを含む、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、前記プラズマシースプロファイルを基準線と比較し、前記プラズマシースプロファイルと前記基準線との差に基づいて前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することを含む、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、前記プラズマシースプロファイルの平坦度を決定することを含む、方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法であって、
(i)前記少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングの高さに相当し、(ii)前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記エッジリングの前記高さを調整することを含む、方法。
【請求項19】
請求項12に記載の方法であって、
(i)前記少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングに供給される電力に相当し、(ii)前記少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいて前記エッジリングに供給される前記電力を調整することを含む、方法。
【請求項20】
請求項12に記載の方法であって、さらに、
撮像装置が前記画像を撮像できるように、前記基板処理チャンバの側壁の開口部内のシャッタを選択的に開閉することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年5月29日出願の米国特許出願第15/991,021号の優先権を主張する。上記出願の全ての開示は、本明細書に参照として援用される。
本開示は、基板処理に関し、特に、基板処理チャンバ内のプラズマシースプロファイルを検出および監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0003】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するのに用いられてよい。基板上で実施されうる例示的プロセスは、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、コンダクタエッチング、および/または、他のエッチングプロセス、堆積プロセス、もしくは洗浄プロセスを含むが、それらに限定されない。基板は、基板処理システムの処理チャンバにおいて、台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体の上に配置されてよい。エッチングの間に、処理チャンバにガス混合物が導入されてよく、化学反応を開始するためにプラズマが用いられてよい。
【0004】
プラズマを用いる基板処理の間に、基板の表面上方にプラズマ境界層(プラズマシースと呼ばれる)が形成される。プラズマシース厚は、プラズマ密度、電子温度、駆動電圧などを含むがそれらに限定されない様々な要素に依存する。例えのみでは、プラズマシース厚は、1mmの何分の1から数ミリメートルまで様々であってよい。
【発明の概要】
【0005】
システムは、撮像装置によって撮像された、基板処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、基板処理中にプラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す画像の1または複数の特徴を抽出するように構成された画像処理モジュールを備える。コントロールモジュールは、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定し、プラズマシースプロファイルに基づいて基板処理に関する少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整するように構成されている。
【0006】
他の特徴では、抽出された1または複数の特徴は、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する。抽出された1または複数の特徴は、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との間の線に相当する。コントロールモジュールは、プラズマシースプロファイルを基準プロファイルと比較し、プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整するように構成されている。コントロールモジュールは、プラズマシースプロファイルを基準線と比較し、プラズマシースプロファイルと基準線との差に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整するように構成されている。コントロールモジュールは、少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整するために、プラズマシースプロファイルの平坦度を決定するように構成されている。
【0007】
他の特徴では、少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングの高さに相当し、コントロールモジュールは、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてエッジリングの高さを調整するように構成されている。少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングに供給される電力に相当し、コントロールモジュールは、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてエッジリングに供給された電力を調整するように構成されている。このシステムは、さらに撮像装置を備え、撮像装置は、基板処理チャンバの側壁の開口部を通して基板のエッジ領域上方のプラズマ環境を観察するように配置されている。このシステムは、さらに、基板処理チャンバの側壁の開口部内で選択的に開閉するように配置されたシャッタを備える。コントロールモジュールは、撮像装置が画像を撮像できるようにシャッタを選択的に開閉するように構成されている。
【0008】
方法は、基板処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を撮像することと、基板処理中にプラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す画像の1または複数の特徴を抽出することと、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定することと、プラズマシースプロファイルに基づいて基板処理に関する少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することと、を含む。
【0009】
他の特徴では、抽出された1または複数の特徴は、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との対比に相当する。抽出された1または複数の特徴は、バルクプラズマ領域とプラズマシース領域との間の線に相当する。少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、プラズマシースプロファイルを基準プロファイルと比較し、プラズマシースプロファイルと基準プロファイルとの差に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することを含む。少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、プラズマシースプロファイルを基準線と比較し、プラズマシースプロファイルと基準線との差に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することを含む。少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、プラズマシースプロファイルの平坦度を決定することを含む。
【0010】
他の特徴では、少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングの高さに相当し、少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてエッジリングの高さを調整することを含む。少なくとも1つの処理パラメータは、エッジリングに供給される電力に相当し、少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整することは、画像から抽出された1または複数の特徴に基づいてエッジリングに供給される電力を調整することを含む。この方法は、さらに、撮像装置が画像を撮像できるように基板処理チャンバの側壁の開口部内のシャッタを選択的に開閉することを含む。
【0011】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、説明の目的のみを意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0013】
【
図1】本開示による例示的処理チャンバの機能ブロック図。
【0014】
【
図2A】本開示による下降位置の例示的可動エッジリング。
【0015】
【
図2B】本開示による上昇位置の例示的可動エッジリング。
【0016】
【0017】
【0018】
【
図3B】本開示による例示的コントローラの機能ブロック図。
【0019】
【
図4A】本開示によるプラズマシースプロファイルの例示的画像。
【0020】
【
図4B】本開示によるプラズマシースプロファイルの例示的特徴。
【0021】
【
図4C】本開示によるプラズマシースプロファイルの別の例示的特徴。
【0022】
【
図5】本開示によるプラズマシースプロファイルを決定するための例示的方法。
【0023】
図面では、参照番号は、類似および/または同一の要素を特定するために何度も用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
プラズマを用いる基板処理の結果は、プラズマシースプロファイル(例えば、基板表面にわたるプラズマシースの厚さ)に依存する。例えば、プラズマエッチングプロセスでは、プラズマシースプロファイルは、エッチング速度に影響を及ぼしうる。従って、プロセスの均一性は、プラズマシースの平坦度に依存する。つまり、プロセスの不均一性を最小限にするためには、均一なプラズマシース厚が望ましい。
【0025】
いくつかの例では、プラズマシースプロファイルは、処理の後に評価されてよい。例えば、各完成基板は基板処理に続いて検査されて、エッチングの均一性、チルティングなどが決定されてよい。次に、次回の基板処理のためのプラズマシースプロファイルの調整を試みるために、フィードフォワードベースで処理パラメータおよび/または処理チャンバパラメータに様々な調整が行われてよい。しかし、このようにプラズマシースプロファイルの不均一性を評価し補償することは、コストを増加させ、処理効率およびスループットを低減させうる。
【0026】
本開示の原理によるプラズマシースプロファイルのシステムおよび方法は、基板処理中のプラズマシースプロファイルを決定し、それに応じてプラズマシースプロファイルの制御を容易にする。例えば、カメラなどの撮像装置は、処理チャンバ内のプラズマシースを撮像し監視するように配置されている。カメラは、処理チャンバの外に設置され、処理チャンバの側壁の窓を通してプラズマシースを観察するように配置されてよい。プラズマシースプロファイルは、決定されて、いくつかの例では、処理中にカメラによって撮像された画像に従って制御されてよい。このようにして、プラズマシースプロファイルに関する処理の不均一性は最小限になり、処理コストおよび処理時間は低減される。
【0027】
いくつかの例では、基板処理システムの基板支持体は、可動および/または電動のエッジリングを備えてよい。エッチング速度およびエッチングの不均一性に影響を与える基板処理のいくつかの態様(例えば、プラズマシースプロファイル、プロセスガス流パターンなど)は、エッジリングの高さに応じて異なってよい。例えば、全体のエッチング速度は、基板の上面とガス分配装置の底面との間の距離が増すにつれて変化してよい。さらに、エッチング速度は、基板の中心から基板の外周にかけて異なってよい。従って、可動エッジリングを含む例では、エッジリングは、プロセスの不均一性をさらに最小化するために、測定されたプラズマシースプロファイルに応じて上昇および/または下降されてよい。同様に、プラズマシースプロファイルは、電動エッジリングに供給される電力を変更することでさらに制御されてよい。
【0028】
ここで
図1を参照すると、例示的基板処理システム100が示されている。例えのみでは、基板処理システム100は、RFプラズマおよび/または他の適した基板処理を用いるエッチングを実施するために用いられてよい。基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成部品を取り囲み、RFプラズマを含む、処理チャンバ102を備える。処理チャンバ102は、上部電極104と、静電チャック(ESC)を含む基板支持体106とを備える。動作の間、基板108は、基板支持体106の上に配置される。例として特定の基板処理システム100および処理チャンバ102が示されているが、本開示の原理は、他の種類の基板処理システムおよびチャンバ(in-situでプラズマを生成する基板処理システム、(例えば、プラズマ管、マイクロ波管を用いる)リモートプラズマの生成および供給を実施する基板処理システムなど)に適用されてよい。
【0029】
例えのみでは、上部電極104は、プロセスガスを導入し分配するシャワーヘッド109などのガス分配装置を備えてよい。シャワーヘッド109は、処理チャンバ102の上面に結合された一端を含むステム部を備えてよい。基部は、一般に筒状で、処理チャンバ102の上面から離れた位置で、ステム部の反対端から径方向外向きに伸びる。シャワーヘッド109の基部の基板対向面またはフェースプレートは、プロセスガスまたはパージガスが流れる複数の穴を備える。あるいは、上部電極104は導電板を備えてよく、プロセスガスは別の方法で導入されてよい。
【0030】
基板支持体106は、下部電極として機能する導電性ベースプレート110を備える。ベースプレート110は、セラミック層112を支持する。いくつかの例では、セラミック層112は、セラミックマルチゾーン型加熱プレートなどの加熱層を含んでよい。セラミック層112とベースプレート110との間に、熱抵抗層114(例えば、結合層)が配置されてよい。ベースプレート110は、ベースプレート110を通る冷媒を流すための1または複数の冷媒流路116を備えてよい。いくつかの例では、セラミック層112とベースプレート110との間の結合層114の外周付近に、保護シール176が設けられてよい。
【0031】
RF生成システム120は、RF電圧を生成し、上部電極104および下部電極(例えば、基板支持体106のベースプレート110)のいずれかに出力する。上部電極104およびベースプレート110のもう一方は、DC接地されてよい、AC接地されてよい、または浮遊状態であってよい。例えのみでは、RF生成システム120は、整合分配ネットワーク124によって上部電極104またはベースプレート110に供給されるRF電圧を生成するRF電圧発生器122を備えてよい。他の例では、プラズマは、誘導的にまたは遠隔的に生成されてよい。例示目的で示されたように、RF生成システム120は容量結合プラズマ(CCP)システムに相当するが、本開示の原理は、他の適したシステム(例えのみでは、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、リモートマイクロ波プラズマ生成供給システムなど)において実施されてもよい。
【0032】
ガス供給システム130は、1または複数のガス源、ガス源132-1、ガス源132-2、・・・、およびガス源132-N(総称して、ガス源132)を備える(Nは、ゼロより大きい整数)。ガス源は、1または複数のエッチングガス、キャリアガス、不活性ガス、およびそれらの混合物を供給する。ガス源132は、パージガスを供給してもよい。ガス源132は、バルブ134-1、バルブ134-2、・・・、およびバルブ134-N(総称して、バルブ134)ならびに、マスフローコントローラ136-1、マスフローコントローラ136-2、・・・、およびマスフローコントローラ136-N(総称して、マスフローコントローラ136)によってマニホルド140に接続されている。マニホルド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。例えのみでは、マニホルド140の出力は、シャワーヘッド109に供給される。
【0033】
温度コントローラ142は、セラミック層112に配置された熱制御素子(TCE)などの複数の加熱素子144に接続されてよい。例えば、加熱素子144は、マルチゾーン型加熱プレートのそれぞれのゾーンに対応するマクロ加熱素子、および/または、マルチゾーン型加熱プレートの複数ゾーンにわたって配置されたミクロ加熱素子の配列を含んでよいが、それらに限定されない。温度コントローラ142は、複数の加熱素子144を制御して、基板支持体106および基板108の温度を制御するのに用いられてよい。
【0034】
温度コントローラ142は、流路116を通る冷媒流を制御するために冷媒アセンブリ146と連通してよい。例えば、冷媒アセンブリ146は、冷媒ポンプおよび貯留槽を備えてよい。温度コントローラ142は、基板支持体106を冷却するために、流路116を通じて冷媒を選択的に流すように冷媒アセンブリ146を操作する。
【0035】
バルブ150およびポンプ152は、処理チャンバ102から反応剤を排出するのに用いられてよい。システムコントローラ160は、基板処理システム100の構成部品を制御するのに用いられてよい。ロボット170は、基板を基板支持体106に受け渡し、基板支持体106から取り除くのに用いられてよい。例えば、ロボット170は、基板支持体106とロードロック172との間で基板を搬送してよい。別々のコントローラとして示されているが、温度コントローラ142は、システムコントローラ160の内部に実装されてよい。
【0036】
基板支持体106は、エッジリング180を備える。いくつかの例では、本開示の原理によるエッジリング180は、基板108に対して動作可能(例えば、垂直方向に上下に動作可能)である。例えば、エッジリング180は、システムコントローラ160に応答するアクチュエータによって制御されてよい。いくつかの例では、ユーザは、1または複数の入力機構、表示画面などを含みうるユーザインタフェース184を介して、システムコントローラ160に制御パラメータ(例えば、浸食速度)を入力してよい。
【0037】
カメラ186などの撮像装置は、処理チャンバ102内のプラズマシースを監視するように配置される。例えば、カメラ186は、処理チャンバ102の側壁190に設けられた窓188を通してプラズマシースを観察するように配置される。カメラ186は、以下により詳細に説明されるように、プラズマシースについての情報をシステムコントローラ160に通信する。
【0038】
いくつかの例では、本開示の原理は、
図2Aおよび
図2Bに示された可動エッジリング構成を有する基板支持体200を用いて実施されてよい。例示的基板支持体200は、その上に基板204が配置されている。基板支持体200は、(例えば、ESCに相当する)内側部分208および外側部分212を有するベースまたは台座を備えてよい。例では、外側部分212は、内側部分208から独立し、内側部分208に対して動作可能であってよい。基板204は、処理のために内側部分208に配置される。(例えば、システムコントローラ160に相当する)コントローラ216は、1または複数のアクチュエータ220と通信して、基板支持体200に対するエッジリング224の高さを調整するためにエッジリング224を選択的に昇降する。例えのみでは、エッジリング224は、
図2Aでは完全に下降された位置にあり、
図2Bでは完全に上昇された例示的位置にあることが示されている。図のように、アクチュエータ220は、垂直方向にピン228を選択的に伸縮するように構成されたピンアクチュエータに相当する。他の例では、他の適した種類のアクチュエータが用いられてよい。例えのみでは、エッジリング224は、セラミックエッジリングまたは石英エッジリングに相当する。
図2Aでは、コントローラ216は、アクチュエータ220と通信して、ピン228を介してエッジリング224を直接昇降する。いくつかの例では、内側部分208は、エッジリング224に対して動作可能である。エッジリング224は、以下により詳細に説明される、1または複数の関連する浸食速度を有してよい。
【0039】
他の例では、本開示の原理は、
図2Cに示される電動エッジリング構成を有する基板支持体200を用いて実施されてよい。この例では、コントローラ216は、さらに、RF電力を(例えば、RF発生器232およびRF整合ネットワーク236を介して)エッジリング224に選択的に供給するように構成されている。いくつかの例では、エッジリング224は、可動および電動の両方であってよい。
【0040】
次に
図3Aおよび
図3Bを参照すると、本開示による例示的処理チャンバ300が示されている。処理チャンバ300は、基板支持体304を処理空間308で取り囲む。図のように、基板支持体304は、基板支持体304の上に配置された基板316を囲むように配置されたエッジリング312を備える。いくつかの例では、エッジリング312は、
図2Aおよび
図2Bで上述されたように昇降されるように構成されてよい。
【0041】
基板316の上方の処理空間308を監視するために、1または複数のカメラ(例えば、高解像度デジタルカメラ)320が配置される。基板316のエッジ領域上方の処理空間308の一部を撮像するように配置された2つのカメラ320が示されているが、1または2以上のカメラ320が設けられてよい。例えば、基板316のエッジではプラズマシースの屈曲がより起こりやすい。従って、カメラ320の位置及び観察角度は、プラズマシースの屈曲を検出するために基板316のエッジの被写範囲が最大になるように選択される。さらに、
図3Aではカメラ320は基板316のエッジ領域と並んで示されているが、他の例では、カメラ320は、基板316上方の全ての処理空間308を監視するために異なる位置(例えば、基板316に対してセンタリングされた位置)に配置されてよい。
【0042】
カメラ320は、処理チャンバ300の側壁328の開口部324を通して処理空間308を観察するように配置されている。例えば、カメラ320は、開口部324に配置された窓332を通して処理空間308を観察するように配置されている。窓332は、ガラスまたは他の適した透明材料で構成されてよく、真空封止されている。
【0043】
窓332は、処理チャンバ300内のプラズマおよび他の材料への曝露による摩耗および/または損傷を受けやすいだろう。従って、処理チャンバ300内の環境から窓332を保護するために、耐プラズマ性の機械式ドアまたはシャッタ336が設けられてよい。例えば、シャッタ336は、処理チャンバ300の側壁328と同じ材料で構成されてよい。シャッタ336は、カメラ320が処理空間308の画像を撮像できるように選択的に開かれ、プラズマ環境から窓332を保護して窓332の耐用寿命を延ばすために選択的に閉じられるように構成されてよい。例えば、シャッタ336は、(システムコントローラ160に相当しうる)コントローラ340からの制御信号に応答して選択的に作動されてよい。いくつかの例では、シャッタ336は、真空ゲートバルブなどのゲートバルブに相当する。
【0044】
カメラ320は、(例えば、コントローラ340から受信した制御信号に応答して)窓332を介して処理空間308の画像を選択的に撮像するように構成され、コントローラ340は、撮像された画像に基づいてプラズマシースを検出し、プラズマシースプロファイルを決定し、プラズマシースプロファイルに基づいてプロセスパラメータを調整するように構成されている。処理空間308内のバルクプラズマの特性(例えば、電子温度、イオン濃度など)と、基板316に隣接するプラズマシース領域の特性との差は、撮像された画像に基づいて検出可能であり、プラズマシースは、それに応じて特定されうる。例えば、様々な特性間の差により、プラズマシース領域における可視光および紫外線の発光は、バルクプラズマと比べて異なるため、撮像された画像では識別する(すなわち、対比される)ことができる。このように、コントローラ340は、プラズマシースを示す撮像画像から特徴を抽出するように構成され、検出されたプラズマシースに基づいてプロセスパラメータ(例えば、エッジリング高さ、プラズマ密度プロファイル、上部電極および/または下部電極への供給電力、プロセスガス流量、サイドガス調整、コイル調整など)を選択的に調整してよい。いくつかの例では、カメラ320は、バルクプラズマとプラズマシース領域との対比を高めるために、1または複数の光フィルタを実装してよい。
【0045】
図3Bに示されるように、コントローラ340は、カメラ320に撮像された、プラズマシースを示しうる画像の特徴を抽出するように構成された画像処理モジュール344を備える。コントローラ340の内部に示されているが、いくつかの例では、カメラ320は、画像処理モジュール344を備えてよい。例えのみでは、画像処理モジュール344は、以下により詳細に説明されるように、バルクプラズマとプラズマシース領域との対比を示す撮像画像において線を特定するように構成されている。いくつかの例では、画像処理モジュール344は、撮像画像をフィルタリングし、バルクプラズマとプラズマシース領域との対比を高めるために撮像画像に後処理を施してよい。
【0046】
プラズマシース検出制御モジュール348は、画像処理モジュール344から抽出された特徴を受信する。他の特徴では、プラズマシース検出制御モジュール348は、カメラ320から撮像画像を直接受信してよい、および/または、後処理に続いて画像処理モジュール344から撮像画像を受信してよい。つまり、プラズマシース検出制御モジュール348は、抽出された特徴を受信する、および/または、撮像画像において特徴抽出を実施するように構成されてよい。例えば、プラズマシース検出制御モジュール348は、メモリ352に格納された画像処理アルゴリズムに従って特徴抽出を実施してよい。
【0047】
プラズマシース検出制御モジュール348は、抽出された特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定し、プラズマシースプロファイルに基づいて1または複数のプロセスパラメータを選択的に調整する。例えば、プラズマシース検出制御モジュール348は、プラズマシースプロファイルの平坦度に従ってプロセスパラメータを調整してよい。いくつかの例では、プラズマシース検出制御モジュール348は、プラズマシースプロファイルを基準線(例えば、基板面上方の既定距離に位置する平坦線)などの既定の基準プロファイルと比較し、プラズマシースプロファイルと基準線との差が閾値より大きいかどうかを決定する。例えば、プラズマシース検出制御モジュール348は、基板のエッジにおけるプラズマシースプロファイルと基準線との間の距離、プラズマシースプロファイルと基準線との間の最大分散値、などを計算してよい。
【0048】
一例では、プラズマシース検出制御モジュール348は、(例えば、エッジリングアクチュエータ制御モジュール356を用いて)プラズマシースプロファイルを調整するためにエッジリング312を選択的に昇降する。例えば、プラズマシース検出制御モジュール348は、プラズマシースプロファイルの測定された平坦度に基づいてエッジリング312を昇降し、プラズマシースの追加画像を撮像するようにカメラ320を制御し、所望の平坦度のプラズマシースプロファイルが達成される(例えば、基準線とプラズマシースプロファイルとの差が閾値より小さくなる)まで、エッジリング312が調整された位置でプラズマシースプロファイルの平坦度を決定するように構成されている。プラズマシース検出制御モジュール348は、上述のように他のプロセスパラメータ(例えば、プラズマ密度プロファイル、下部電極および/または上部電極への供給電力、プロセスガス流量、サイドガス調整、コイル調整など)を調整してよい。例えば、プラズマシース検出制御モジュール348は、エッジリング312に供給されるRF電力を調整する(例えば、増加または減少させる)ようにRF発生器232を制御して、基板316のエッジ領域上方のプラズマシースの厚さを調整してよい。
【0049】
プラズマシース検出制御モジュール348は、さらに、シャッタ336を選択的に開閉するようにシャッタアクチュエータ制御モジュール360を制御するように構成されている。例えば、プラズマシース検出制御モジュール348は、カメラ320が処理空間308の画像を撮像できるようにシャッタ336を選択的に開け、次にプラズマ環境から窓332を保護するためにシャッタ336を閉じる。従って、シャッタ336は、画像撮像のためにごく短期間(例えば、1秒未満)だけ開かれてよい。シャッタ336は、1枚の基板の処理の間に定期的に(例えば、1分間隔で)ユーザ入力に応答して、プラズマシースプロファイルを定期的に(例えば、既定数の基板の処理に続いて、週1回または月1回)調整するための画像撮像のために開かれてよい。
【0050】
次に
図4Aを参照すると、カメラ(例えば、カメラ320)によって撮像されたプラズマシースの例示的画像400および画像404が示されている。画像400に示されたように、プラズマシースプロファイル408は、基板416のエッジ412に向かって下向きに屈曲している。他の例では、プラズマシースプロファイル408は、基板416のエッジ412から離れるように上向きに屈曲してよい。下向きまたは上向きの屈曲は、エッジリングが基板416に対して、それぞれ低すぎるまたは高すぎることを示してよい。反対に、画像404に示されるように、プラズマシースプロファイル408は、比較的平坦である。例えば、画像404は、プラズマシースプロファイル408を調整するためのエッジリングの高さまたは他のプロセスパラメータの調整に続いて撮像された画像に相当してよい。
【0051】
図4Bおよび
図4Cは、プラズマシースの撮像画像から抽出された例示的特徴(例えば、線420および線424)を示す。参照の抽出された特徴は、基板支持体428の外側部分について示されている。
図4Bに示されるように、測定されたプラズマシースプロファイルに相当する線420は、基板416の外側エッジ412に向かって下向きに屈曲する。反対に、
図4Cに示されるように、線424は、線420と比べて比較的平坦で、下向きに屈曲しない。例えば、線424は、プラズマシースプロファイルを調整するためのエッジリング432の上昇後のプラズマシースプロファイルに相当してよい。この例では、エッジリング432は、上述のように、線420および線424と基準線436との比較に応じて調整されてよい。
【0052】
次に
図5を参照すると、本開示によるプラズマシースプロファイルを決定するための例示的方法500は、504で開始する。508では、基板は、処理チャンバの基板支持体の上に配置される。512では、基板上でプラズマ処理(例えば、プラズマエッチング工程)が実施される。516では、方法500(例えば、コントローラ340)は、処理チャンバ内のプラズマシースの画像を撮像すべきかどうかを決定する。真の場合、方法500は520に続く、偽の場合、方法500は524に続く。524では、この方法(例えば、コントローラ340)は、プラズマ処理が完了したかどうかを決定する。真の場合、方法500は528で終了する。偽の場合、方法500は512に続く。
【0053】
520では、方法500(例えば、コントローラ340)は、処理チャンバの側壁の開口部を通してプラズマシースの画像が撮像されるようにシャッタ(例えば、1または複数のシャッタ336)を開く。532では、方法500(例えば、カメラ320)は、プラズマシースの画像を撮像する。536では、方法500(例えば、コントローラ340)は、シャッタを閉める。540では、方法500(例えば、コントローラ340)は、プラズマシースプロファイルを決定するために撮像画像を分析する。例えば、方法500は、プラズマシースプロファイルの平坦度を決定する。544では、方法500(例えば、コントローラ340)は、測定されたプラズマシースプロファイルの平坦度に応じて、1または複数のプロセスパラメータ(例えば、エッジリング高さ、エッジリングへの供給RF電力など)を調整すべきかどうかを決定する。真の場合は、方法500は548に続く。偽の場合は、方法500は524に続く。
【0054】
548では、方法500(例えば、コントローラ340)は、プラズマシースプロファイルを調整するために1または複数のプロセスパラメータを調整する。例えば、方法500は、エッジリング高さを調整する。方法500は、次に520に続き、工程520、工程532、工程536、工程540、および工程544を繰り返す。つまり、エッジリング高さの調整後に、方法500は、プラズマシースの別の画像を撮像して、所望平坦度のプラズマシースプロファイルを達成するためにエッジリング高さをさらに調整すべきかどうかを決定する。
【0055】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本技術は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を考察すると他の変更点が明らかになるため、本技術の真の範囲は、それほど限定されるべきでない。方法内の1または複数の工程は、本技術の原理を変更することなく異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有すると上述されているが、本開示の実施形態に関して記載されたそれらの1または複数の特徴は、他の実施形態において、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていなくても)実施されうる。つまり、記載の実施形態は、相互に排他的でなく、1または複数の実施形態の互いの並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0056】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記の開示で第1の要素と第2の要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の要素が介在しない直接的関係でありうるが、第1の要素と第2の要素との間に1または複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書では、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理、OR、を用いる論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0057】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上記の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理構成部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてよい。この電子機器は、システムの様々な構成部品または副構成部品を制御しうる「コントローラ」を意味してよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、プロセスガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールに対するウエハ搬入出、ならびに/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出など、本明細書に記載されたプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0058】
概して、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にする、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造中における1または複数の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、または、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1または複数の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1または複数の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的のために協働することによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1または複数の集積回路と連通する、チャンバ上の1または複数の集積回路であろう。
【0060】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、クリーンチャンバまたはクリーンモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0061】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはツールモジュール、他のツール構成部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つまたは複数と連通しうる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
(i)撮像装置によって撮像された、基板処理中の基板処理チャンバ内のプラズマ環境の画像を受信し、(ii)前記基板処理中の前記プラズマ環境で形成されたプラズマシースを示す前記画像の1または複数の特徴を抽出する、ように構成された画像処理モジュールと、
(i)前記画像から抽出された前記1または複数の特徴に基づいてプラズマシースプロファイルを決定し、(ii)前記プラズマシースプロファイルに基づいて前記基板処理に関する少なくとも1つの処理パラメータを選択的に調整する、ように構成されたコントロールモジュールと、
を備えるシステム。
【外国語明細書】