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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081738
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】顕微鏡画像のスマート計測
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240611BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G06T7/00
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024053661
(22)【出願日】2024-03-28
(62)【分割の表示】P 2019186519の分割
【原出願日】2019-10-10
(31)【優先権主張番号】16/177,034
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ウメーシュ アディガ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】荷電粒子顕微鏡で取得した画像による、画像処理と計測自動化を改善する顕微鏡画像のスマート計測方法を提供する。
【解決手段】所望の特徴の自動計測のために画像を処理する方法300は、少なくとも異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含む画像から関心領域(ROI)を抽出するステップと、一つ又は複数のフィルタに基づいて少なくとも抽出されたROIをエンハンスするステップと、エンハンスされたROIに基づいてROIのマルチスケールデータセットを生成するステップと、ROIのモデルを初期化するステップと、ROIのモデル及びマルチスケールデータセットに基づいて、エンハンスされたROI内の複数のアクティブな輪郭を最適化し、最適化した複数のアクティブな輪郭が、ROI内の一つ又は複数の境界を特定するステップと、特定した境界に基づいてROIで計測を実行するステップと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心領域の異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含む関心領域を画像から抽出するステップと、
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスするステップと、
前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成するステップであって、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、適応空間スケール空間から選択された複数のスケール空間を使用して、前記エンハンスされた関心領域の複数の画像解像度レベルを生成するステップを含む、ステップと、
前記関心領域のモデルを初期化するステップであって、前記初期化されたモデルは、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定する、ステップと、
前記関心領域の前記モデルに基づき、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップであって、前記最適化された複数のアクティブな輪郭は、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を識別する、ステップと、そして、
前記識別された境界に基づいて前記関心領域で計測を実行するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップが、
前記初期化されたモデルの前記第1及び第2境界内の第1の複数のアクティブな輪郭を初期化し、前記第1の複数のアクティブな輪郭には、前記関心領域内の境界よりも多くのアクティブな輪郭がある、ステップと、そして
前記第1の複数のアクティブな輪郭を前記複数のアクティブな輪郭に最適化し、前記関心領域内の一つ又は複数の境界を識別することができるステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップが、
一つ又は複数のスケール空間の各スケール空間の各画像解像度レベルに対して、前記エンハンスされた関心領域内の前記複数のアクティブな輪郭を最適化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一つ又は複数のスケール空間が、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、及び適応空間スケール空間から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記関心領域のモデルを初期化するステップであって、前記初期化されたモデルは、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定する、ステップが、
バイナリラベルマップ、インタラクティブマップ、距離マップ、CADマップ、前記マルチスケールデータセットからの統計モデル、ダイキャスト、幾何学的形状のランダム分布、又は幾何学的モデルから選択される、一つ又は複数のイメージマップに基づいて、前記関心領域の前記モデルを初期化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記関心領域のモデルを初期化するステップが、元の画像又は前記エンハンスされた関心領域に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された前記関心領域をエンハンスするステップが、
前記画像内の少なくとも前記関心領域のコントラストを改善するステップと、そして
前記画像内の少なくとも前記関心領域の信号対雑音比を改善するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コントラスト及び前記信号対雑音比を改善するステップが、
ヒストグラム操作、線形若しくは非線形コントラストのエンハンス、ローカルに基づくデータ正規化、低頻度のデータ分散、ガンマ補正、ログ補正、又は輝度補正から選択される、一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された前記関心領域をエンハンスするステップが、
前記関心領域の鮮明度を改善するステップと、
前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別し検出するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記関心領域の鮮明度を改善し、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別及び検出するステップが、
反応拡散フィルタリング、アドプティブ等方性(adoptive isotropic)及び異方性拡散フィルタリング、中央値フィルタリング、非線形拡散の非線形拡散フィルタリングに基づくMumford-Shahモデル、バックグラウンド抑制及びエッジ/境界抽出、及びオブジェクト境界でのコヒーレンス強化フィルタリングから選択される、一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記関心領域の鮮明度を改善し、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別及び検出するステップが、
Gabor、Haralick、Laws、LCP、又はLBPから選択される、一つ又は複数の振幅又はテクスチャベースのフィルタを自動的に選択して適用するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記関心領域の鮮明度を改善し、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別及び検出するステップが、
エネルギー分散型X線分析技法又は電子エネルギー損失分光法技法のいずれかから選択される、分析技法を前記関心領域に適用し、前記一つ又は複数の境界の数と位置を決定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記一つ又は複数のフィルタが、画像のメタデータに基づいて自動的に選択及び適用され、前記画像のメタデータは、少なくともデータ型、解像度、又はピクセルサイズを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記識別された境界に基づいて、前記関心領域で計測を実行するステップが、
前記一つ又は複数の境界で区切られた前記異なるセクションの幾何学的分析を自動的に実行するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
一つ又は複数のプロセッサで実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに以下を実行させるコードを含む、非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)であって、前記コードは前記一つ又は複数のプロセッサに、
画像から関心領域を抽出させ、前記関心領域は、前記関心領域の異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含み、
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスさせ、
前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成させ、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、適応空間スケール空間から選択された複数のスケール空間を使用して、前記エンハンスされた関心領域の複数の画像解像度レベルを生成させ、
前記関心領域のモデルを初期化させ、前記初期化されたモデルは、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定し、
前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させ、前記最適化された複数のアクティブな輪郭は、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を識別し、そして、
前記識別された境界に基づいて前記関心領域で計測を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させる前記コードが、実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記初期化されたモデルの前記第1境界及び第2境界内で第1の複数のアクティブな輪郭を初期化させ、前記第1の複数のアクティブな輪郭には、前記関心領域内の境界よりも多くのアクティブな輪郭があり;そして、
前記第1の複数のアクティブな輪郭が前記複数のアクティブな輪郭に最適化され、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を識別することを可能にさせるコードをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させるコードが、実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに、
一つ又は複数のスケール空間の各スケール空間における各画像解像度レベルについて、前記エンハンスされた関心領域内の前記複数のアクティブな輪郭を最適化させるコードをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記一つ又は複数のスケール空間が、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、又は適応空間スケール空間から選択される、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成させるコードが、
ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、適応空間スケールから選択された一つ又は複数のスケール空間を使用して、前記エンハンスされた関心領域の複数の画像解像度レベルを生成することを、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに実行させるコードをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記関心領域のモデルを初期化させるコードであり、前記初期化されたモデルが、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定する、コードが、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
バイナリラベルマップ、インタラクティブマップ、距離マップ、CADマップ、データからの統計モデル、ダイキャスト、幾何学的形状のランダム分布、又は幾何学的モデルから選択した一つ又は複数の画像マップに基づいて、前記関心領域の前記モデルを初期化することを、実行させるコードをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記関心領域の前記初期化されたモデルが、元の前記画像又は前記エンハンスされた関心領域に基づく、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
実行時に、一つ又は複数のフィルタに基づいて前記一つ又は複数のプロセッサに少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスさせるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記画像内の少なくとも前記関心領域のコントラストを改善し、そして、
少なくとも前記画像内の前記関心領域の信号対雑音比を改善することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記コントラスト及び前記信号対雑音比を改善させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
ヒストグラム操作、線形及び非線形コントラストのエンハンス、ローカルに基づくデータの正規化、低頻度のデータ分散、ガンマ補正、ログ補正、又は輝度補正から選択される、前記一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項22に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項24】
実行時に、一つ又は複数のフィルタに基づいて前記一つ又は複数のプロセッサに少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスさせるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記関心領域の鮮明度を改善し、そして
前記関心領域の前記一つ又は複数の境界を区別して検出することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項25】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域の鮮明度を改善させ、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別して検出させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
反応拡散フィルタリング、アドプティブ等方性(adoptive isotropic)及び異方性拡散フィルタリング、中央値フィルタリング、非線形拡散フィルタリングに基づくMumford-Shahモデル、バックグラウンド抑制及びエッジ/境界から選択される抽出、及びオブジェクト境界でのコヒーレンス強化フィルタリングから選択される、一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項24に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項26】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域の鮮明度を改善させ、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別して検出させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
Gabor、Haralick、Laws、LCP、又はLBPから選択される、一つ又は複数の振幅又はテクスチャベースのフィルタを自動的に選択して適用することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項24に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域の鮮明度を改善させ、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別して検出させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
エネルギー分散型X線分析技法又は電子エネルギー損失分光技法のいずれかから選択される、分析技法を前記関心領域に適用して、前記一つ又は複数の境界の数と位置を決定することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項24に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記一つ又は複数のフィルタが、画像のメタデータに基づいて自動的に選択及び適用され、前記画像のメタデータには、少なくともデータ型、解像度、ピクセルサイズを含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項29】
実行時に、前記識別された境界に基づいて前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域で計測を実行させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記一つ又は複数の境界で区切られた様々なセクションの幾何学的分析を自動的に実行することを、実行させるコードがさらに含まれる、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される技術は、概して、画像を使用したスマート計測の実装に関し、より具体的には、荷電粒子顕微鏡で取得された画像によるスマート計測を実行することに関する。
【背景技術】
【0002】
画像内の特徴の計測は、特に荷電粒子顕微鏡によって取得された画像では困難であり、時間がかかるプロセスである。困難で時間のかかるプロセスの一部は、自動画像処理アルゴリズムが処理を困難にし、ユーザー操作と複数のステップにつながるノイズの多い画像に起因する可能性がある。分析する画像が少ない場合、これは問題にはならない。しかし、多数のサンプルを画像化し、分析が必要な半導体業界などの製造環境では、分析のプロセスは非常に遅くなる。
【0003】
長年に渡り、画像処理の改善が行われ、計測精度と効率は向上したが、これらの改善は、ノードサイズやスループットなどの今日の半導体製造環境では十分ではない。したがって、画像処理と計測自動化の改善が業界全体で望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示されるスマート計測方法及び装置は、所望の特徴の自動計測のために画像を処理する。例示的な方法は、少なくとも、異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含む画像から関心領域を抽出するステップと、一つ又は複数のフィルタに基づいて少なくとも抽出された関心領域をエンハンス又は先鋭化する(enhancing)ステップと、エンハンスされた関心領域に基づいて関心領域のマルチスケールデータセットを生成するステップと、関心領域のモデルを初期化するステップと、関心領域のモデルに基づいて、さらにマルチスケールデータセットに基づいて、エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップであって、最適化された複数のアクティブな輪郭は、関心領域内の一つ又は複数の境界を識別する、ステップと、そして、識別された境界に基づいて関心領域で計測を実行するステップと、を含む。
【0005】
別の実施形態は非一時的なコンピュータ可読媒体を含み、該非一時的なコンピュータ可読媒体は、一つ又は複数のプロセッサによって実行されると、一つ又は複数のプロセッサに関心領域の異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含む関心領域を画像から抽出させ;一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも抽出された関心領域をエンハンスさせ;エンハンスされた関心領域に基づいて関心領域のマルチスケールデータセットを生成させ;関心領域のモデルを初期化させ、初期化されたモデルは、関心領域の少なくとも第1及び第2の境界を決定し;関心領域のモデルに基づいて、さらにマルチスケールデータセットに基づいて、エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させ、最適化された複数のアクティブな輪郭は、関心領域内の一つ又は複数の境界を識別し;そして、識別された境界に基づいて関心領域で計測を実行させる、コードを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
特許又は出願ファイルには、カラーで作成された少なくとも一つの図面が含まれる。カラー図面を含むこの特許又は特許出願公開のコピーは、要求及び必要な料金の支払いに応じて、特許庁(Office)によって提供される。
図1】本開示の実施形態に係る、画像処理及び結果として生じる計測を示す例示的な画像シーケンスである。
図2】本開示の実施形態に係る、画像処理を示す例示的な画像シーケンスである。
図3】本開示の実施形態に係る、画像を処理し、画像内の一つ又は複数の特徴に対して計測を実行するための例示的な方法である。
図4】本開示の実施形態に係る、ROI内の複数のアクティブな輪郭を最適化する方法である。
図5】本開示の実施形態に係る、例示的な画像シーケンスである。
図6】本開示の一実施形態による、例示的な方法である。
図7】本発明の実施形態が実装され得るコンピュータシステムを示すブロック図である。
図8】本明細書に開示された方法の少なくとも一部を、本開示の実施形態に従って実行するための例示的な荷電粒子顕微鏡環境である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
同じ参照番号は、図面のいくつかの図全体にわたって、対応する部分を指す。
【0008】
本発明の実施形態は、顕微鏡画像におけるスマート計測に関する。いくつかの例では、画像が処理されて所望の特徴がエンハンスされ、次にアクティブな輪郭が最適化されて、特徴インターフェースで形成された境界が特定される。アクティブな輪郭は、特徴の正確な計測を実行するためのアンカーになる。しかし、本明細書に記載の方法は、広範囲の異なるAIエンハンス計測に一般的に適用可能であり、限定されるものではないことを理解されたい。
【0009】
本出願及び特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形も含む。さらに、用語「含む(includes)」は、「含む(comprises)」の意味である。さらに、用語「接続された(coupled)」は、接続されたアイテム間の中間要素の存在を排除するものではない。さらに、以下の説明及び特許請求の範囲では、「含む(including)」及び「含む(comprising)」という用語は自由に使用され、したがって「を含むが、これに限定されない(including, but not limited to)」を意味すると解釈されるべきである。用語「集積回路(integrated circuit)」は、マイクロチップの表面にパターン化された一連の電子部品とそれらの相互接続(内部電気回路要素、集合)を指す。用語「半導体デバイス(semiconductor device)」は、一般的に、半導体ウェーハに統合されている、ウェーハから分離されている、又は回路基板上で使用するためにパッケージ化される集積回路(IC)を指す。用語「FIB」又は「集束イオンビーム(focused ion beam)」は、本明細書では、イオン光学及び集束イオンビームによって集束されるビームを含み、あらゆる平行イオンビームを指すために使用される。
【0010】
本明細書に記載のシステム、装置、及び方法は、多少なりとも制限的なものとして解釈されるべきではない。むしろ、本開示は、単独で、ならびに相互の様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせにおいて、様々な開示された実施形態のすべての新規性及び非自明性を有する特徴及び態様を対象とする。開示されたシステム、方法、及び装置は、任意の特定の態様又は特徴若しくはそれらの組み合わせに限定されず、開示されたシステム、方法、及び装置は、任意の一つ又は複数の特定の利点が存在する、又は問題が解決されることも必要としない。いずれの動作理論も説明を容易にするためであるが、開示されたシステム、方法、及び装置は、そのような動作理論に限定されない。
【0011】
開示された方法のいくつかの動作は、便宜上、特定の順番で記載されているが、以下に記載される具体的な用語によって特定の順序が要求されない限り、この説明方法が並び替えを包含することを理解されるものとする。例えば、順に記載される動作は、いくつかの場合では、並び替え又は同時に実行されてもよい。さらに、単純化のために、添付の図面は、開示されたシステム、方法、及び装置が、他のシステム、方法、及び装置とともに使用され得る様々な方法を示さないことがある。さらに、説明は、開示された方法を説明するために、「製造する(produce)」及び「提供する(provide)」のような用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実施に応じて、様々であり、当業者には容易に認識できる。
【0012】
本明細書で開示されるスマート計測技術は、画像内の特徴の自動計測を可能にする。荷電粒子顕微鏡(SEM、TEM、STEM、FIBなど)又は光学顕微鏡で画像を取得して、いくつかの例を提供する。画像は、通常、例えば関心領域などの一つ又は複数の特徴を含むことがあり、少なくとも一つ又は複数の特徴のサイズを決定することが望ましい。スマート計測は、例えば、アクティブな輪郭に関連する複数の画像処理アルゴリズムに基づいて測定を実行してもよい。アクティブな輪郭は、画像処理された画像に基づいて初期化されることができ、一つ又は複数のスケール空間を使用して繰り返し最適化されることができる。例えば、画像を最初に処理して、一つ又は複数の関心領域(ROI)を見つけて分離することができる。次に、これらのROIの一つ又は複数にデータ特性標準化フィルタリングを適用して、信号対雑音比(SNR)を高める、及び/又は画像の特徴部分間のコントラストを改善することができる。画像のSNR及び/又はコントラストを改善した後、画像は一つ又は複数の画像処理アルゴリズムの対象となり、特徴の部分間の境界の鮮明度及び/又は識別及び検出をエンハンスする。境界の識別及び検出は、データを実装された特定の画像処理アルゴリズムで必要とされるデカルト空間や極空間などの異なる表現空間に変換するかどうかにかかわらず実行できる。次に、前のプロセスで得られたデータを処理して、ガウス、幾何、非線形、及び/又は適応形状スケール空間のマルチスケールデータセットを生成する。次に、マルチスケールデータセットを使用して、画像内の複数のアクティブな輪郭を初期化する。アクティブな輪郭は、一つ又は複数の空間スケールの各解像度レベルで繰り返し初期化及び最適化され、アクティブな輪郭の段階的な最適化が可能になる。最適化されると、アクティブな輪郭はROI内のすべての境界を識別して特定する。
【0013】
次に、最適化されたアクティブな輪郭は、元の画像又はエンハンスされた画像の特徴の所望の部分又は側面に対して計測を実行するための基礎を形成し得る。計測は、その中の輪郭に基づいた特徴のセグメント化された領域の幾何学的分析を含み得る。さらに、計測は、統計分析などとともに、特徴分析の他の分析的側面を特徴づけてもよい。
【0014】
さらに、追加的又は代替的に、アクティブな輪郭は、マルチモード分析などの別個のイメージングモードに基づいて開始されてもよい。例えば、特徴を含むサンプルは、エネルギー分散型X線分光法(EDX)を使用して分析され、特徴の部分間の初期境界を最初に決定し、それぞれのアクティブな輪郭を初期化する場所として使用され得る。EDXは、サンプル全体の単一ラインスキャンである場合があり、これにより、境界が存在する可能性のある特徴上の少なくとも一つのポイントが提供される。一部のサンプルには、ラウンドROIが含まれている場合があり、これにより、EDXラインスキャンの各境界に二つのポイントが提供される。もちろん、完全な2-D EDXスキャンも実行できるが、時間がかかることは望ましくない。
【0015】
図1は、本開示の実施形態に係る、画像処理及び結果として生じる計測を示す例示的な画像シーケンス100である。画像シーケンス100は、任意の画像タイプで実行することができるが、荷電粒子顕微鏡法により得られた画像の文脈で説明する。より具体的には、開示された技術を説明するために使用される画像は、限定はされないが、半導体構造のものである。画像処理及び計測は、任意の所望の画像コンテンツに対して実行することができ、図1の画像の楕円形の特徴は単なる例であり、本明細書で開示する技術に限定されない。画像シーケンス100の場合、楕円形の領域は、VNANDと呼ばれることもある垂直メモリデバイスである。これらのデバイスには、背の高いビアに形成された様々な層(例えば、一つ又は複数のエピ層を貫通する材料に形成された穴)が含まれ、様々な材料層のそれぞれが異なる材料から形成され、動作回路デバイスが形成される。プロセス制御及び欠陥検出の場合、VNANDデバイスのメーカーは、操作デバイスを形成する材料層の厚さの測定を望んでおり、これは、材料層やそれらの間の境界等のインターフェースを検出するSEM及び/又はTEMのような高解像度顕微鏡を要する。
【0016】
画像シーケンス100は、元の画像102で始まる。画像102は、より明るい色の領域に囲まれた暗い楕円形のように見えるが、実際には、例えば画像108及び110に見られるように、暗い楕円形の中にいくつかのリング、例えば材料層がある。画像100は、暗視野(DF)画像又はHAADF画像(高角環状暗視野)であり得、従来は、関心領域(ROI)よりも背景が明るくなる。画像処理シーケンスの場合、その目的は、ROI内の各リングの位置及び/又は境界を決定し、一つ又は複数のリングの幅を測定することであり、例えば、VNANDデバイスで計測を実行する。目的の計測を実行するには、少なくともそれらの間の境界を特定して、より正確な測定を行えるようにする。しかし、このような測定を実行するには、画像をエンハンスし、境界の位置をより正確に特定させる必要がある場合がある。
【0017】
一般的に、シーケンスには、信号対雑音比、コントラスト、領域の鮮明度などの点で画像をエンハンスする前処理セグメントが含まれ、一つ又は複数のROIの抽出/識別も含まれる。前処理、又は一般的な画像エンハンスの後、アクティブな輪郭を初期化及び最適化できるように、マルチスケールデータセットが生成される。最適化されたアクティブな輪郭は、画像内の様々な材料間の境界を特定する。次いで、境界の識別に基づいて、画像内の所望の層又は領域の計測が実行されてもよく、これは自動的に実行されてもよい。
【0018】
画像処理を開始するために、元の画像102を分析して一つ又は複数のROIを抽出することができる。ROIの抽出は、各ROIに粗い外側境界を提供し、例えば粗い外側境界内で画像処理が集中し得る領域を指定することができる。一例として、画像を二値化して外側の境界を定義するなど、ROI抽出に使用する多くの手法がある。追加の手法については、以下で説明する。いくつかの実施形態では、元の画像のメタ情報も画像処理の対象となり得る。メタ情報は、データタイプ(例えば、イメージングモード)、解像度、ピクセルサイズなどの情報を含む。
【0019】
ROIを抽出した後、破線のボックス106に示されるように、画像の少なくともその部分は、ROIの画像をエンハンスするために、さらに処理を受ける。一般的に、ROIのエンハンスには、信号対雑音比の低減、コントラストと画像の鮮明度のエンハンスが含まれ、異なるセクション/材料間の境界が大まかに識別される。例えば、画像108は、コントラストが改善された元の画像(背景が除去された)からのROIを示している。次いで、改善されたコントラスト画像108は、画像110で示されるように、鮮明度を向上させるために、さらに処理を受ける場合がある。画像110は、例えば反応拡散フィルタリングなどの様々なフィルタリング操作が実行された後のROIを示す。
【0020】
さらに、画像110を使用して、異なるスケールが少なくともガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、及び適応形状スケール空間を含むマルチスケールデータセットを生成することができる。その後、各スケール空間の画像は、画像を滑らかにするために一連のぼやけ(blurring)又はサブサンプリングの対象となる。このような処理は、アクティブな輪郭を滑らかに変形するためのポテンシャル面を構築するために実行される。
【0021】
さらに、ROIのモデルは、さらなる処理のためにROIの境界を提供するために形成される。例えば、ROIの様々なマップを生成して、さらなる画像処理が行われる領域を確立するために使用される内側境界及び外側境界を決定することができる。マップの例は、ROIの中心と外側のエッジを決定するROIの距離マップである。
【0022】
元の画像の一つ又は複数のROIが、少なくとも鮮明度とコントラストのためにエンハンスされた後、多数のアクティブな輪郭がエンハンスされたROI内で開始され、生成されたROIのモデルに応じて配置され、数十から数百の多数のアクティブな輪郭が含まれる。材料層などの境界の数やその位置が事前にわからないため、多数のアクティブな輪郭が使用される。一般的には、初期化されたアクティブな輪郭の数は、境界の数よりも多くなる。画像112は、ROI内の複数のアクティブな輪郭の初期化を示しており、これは元の画像又は元の画像のエンハンス版に配置することができる。アクティブな輪郭は、画像の最小エネルギー位置と一致する境界を特定するために最適化される。画像114は、最適化されたアクティブな輪郭、例えば蛇状(snakes)を示す。複数のアクティブな輪郭の一部は誤って最適化され、結果的には削除される。例えば、誤って最適化されたアクティブな輪郭は、ROI内の異なる境界に緩和される場合がある。
【0023】
最適化されたアクティブな輪郭は、画像116に示すように、ROI内の様々な材料層の厚さを測定するための基準として使用できる。
【0024】
図2は、本開示の実施形態に係る、画像処理を示す例示的な画像シーケンス200である。シーケンス200は、画像シーケンス100に示されるものとは異なるシーケンス全体の異なる部分を示す例示的な画像処理シーケンスである。一般的に、ここで説明するプロセスの各ステップは、一つ又は複数の画像処理アルゴリズムを使用して実行でき、実装されるアルゴリズムの選択は、少なくとも元の画像のメタ情報に基づいて自動的に選択される。画像シーケンス200は、図に示すように、画像102とは異なる初期品質のものである元の画像202から始まる。さらに、画像202は、明視野(BF)画像、又はROIより暗い背景を有する画像を生成するTEMイメージングモードを使用して取得された可能性がある。画像202のVNAND構造を処理してROIを抽出することができ、その結果は画像204に示されている。上記のとおり、ROIの抽出は一般的にROIの外側の境界を確立することができる。
【0025】
次いで、画像204の抽出されたROIは、例えば、ROIのモデルを初期化するなど、画像202上に距離マップを形成するためのテンプレートとして使用され得る。距離マップは、ROIの中心にあり、画像212に示すように、アクティブな輪郭の初期配置の境界を定めるために使用できる。さらに、画像218に示されているROIのモデルは、画像212の最内側と最外側の破線で示されている内側と外側の境界を確立するために使用される。画像212のアクティブな輪郭は、シーケンス100のボックス106に示されるように、ROIエンハンスの処理を経た画像上に、ROI内の領域にエネルギー値を提供するマルチスケールデータセットの生成とともに配置され得る。アクティブな輪郭は、例えば、抽出されたROIの外側だがROI内の背景から遠ざかる距離に配置できる。さらに、画像218に示されているROIのモデルは、画像212の最内側と最外側の破線で示されている内側と外側の境界を確立するために使用される。
【0026】
アクティブな輪郭を配置した後、マルチスケールデータセットに基づいて最適化することができる。アクティブな輪郭を最適化した後、ボックス220に示すように、画像202に示すVNANDの層で計測を実行することができる。
【0027】
図3は、本開示の実施形態に係る、画像を処理し、画像内の一つ又は複数の特徴に対して計測を実行するための例示的な方法300である。図1及び2に少なくとも部分的に示されている方法300は、いくつか例を挙げると、SEM、TEM、STEMなどの荷電粒子顕微鏡で得られた画像に対して実行することができる。しかし、荷電粒子画像の使用は、本明細書で開示される技術を限定するものではない。さらに、方法300は、画像ツールハードウェア、ネットワークを介して画像ツールに接続された一つ又は複数のサーバー、ユーザーのデスクトップワークステーション、又はそれらの組み合わせによって実行され得る。一般的に、方法300は、技術のライブラリから自動的に選択された一つ又は複数の画像処理技術を実施して、正確かつ自律的に測定できる画像に到達し、例えば、画像の一つ又は複数の特徴に対して計測を実行する。
【0028】
方法300は、画像の前処理を含む処理ブロック301で開始することができる。一般的に、アクティブな輪郭を使用してROI内の境界を識別して、それらの境界を形成する層の計測につながる前に、画像にコントラストと鮮明度をエンハンスする処理が行われる場合がある。前処理には、ROIの抽出、コントラスト/領域の鮮明度のエンハンス、SNRの改善、又は、領域境界の区別若しくは検出という複数のプロセスが含まれる。画像エンハンスは、ROI内でのみ、又は画像全体にわたって実行することができ、本開示の非限定的な態様である。もちろん、エンハンスをROI内に限定することで、方法300全体のプロセス時間と効率を改善できる。
【0029】
処理ブロック301のオプションのサブステップである処理ブロック303は、画像から関心領域を抽出することを含む。画像は、画像102、202などの最初に取得された画像であってもよく、又は元の画像の切り取られた部分であってもよい。プロセス300は、入力画像の画像データとともに、入力画像に関するメタ情報も受信し、メタ情報は、データタイプ(例えば、イメージングモード)、ピクセルサイズ、又は画像に関する他のデータを含む。メタ情報は、方法300の画像処理ステップ、例えば少なくともステップ301及び303でどの画像処理技術を実施するかを自動的に決定する際の補助として使用され得る。画像に添付されたメタ情報は、前処理フィルタを処理ブロック301で実装して、それらのパラメーターを画像のイメージングモードに自動調整する。解像度は、どの材料層を正確にセグメント化するかを決定する際に役立つ。例えば、画像の解像度が低い場合、厚さが1ナノメートル又は2ナノメートルしかない材料層には、正確に処理するのに十分なピクセルがない場合がある。解像度にも関連するピクセルサイズは、データを標準ピクセルサイズに正規化してプロセスを自動化し、ピクセル単位ではなく標準MKI単位で測定値を生成するために必要になる場合がある。
【0030】
ROIの抽出に使用できる画像処理技術は、多数ある。以下には、実装可能な技術の非排他的なリストが含まれているが、使用される技術は、本開示の非限定的な側面である:線形等方性拡散、コントラストのエンハンスのためのヒストグラム操作、自動しきい値処理、コンポーネントラベリング、問題固有のサイズ形状基準、部分的表現の検出及び除去など。これらは、自動的に選択され、適用される。ROIの抽出は、追加の画像処理又は計測が実行される大まかな境界を提供する。
【0031】
処理ブロック303の後に、処理ブロック305が続くことがあり、これは少なくとも画像内のROIをエンハンスさせることを含む。一般的に、エンハンスは、データプロパティの標準化を取得し、ROI内の領域境界の検出を向上するために実行される。さらに、このエンハンスにより、画像のコントラスト、信号対雑音比(SNR)、領域の鮮明度、領域の境界の識別及び検出が向上される場合がある。領域境界の識別及び検出は、実装された画像フィルタリング技術で必要とされる可能性のあるデカルト空間又は極空間などの異なる表現空間にデータを変換するかしないかにかかわらず実行できる。
【0032】
いくつかの実施形態では、処理ブロック305は、二つの工程段階に分割することができ、コントラスト又はSNRが一つのステップ(ステップA)で改善され、領域の鮮明度及び領域境界の識別かつ検出の向上は別のステップ(ステップB)で実行される。ステップAを実装するために、ヒストグラム操作、線形及び非線形コントラストのエンハンス、局所的な低周波データ分布に基づくデータ正規化、ガンマ補正、対数補正、輝度補正など、多くの画像操作アルゴリズムを選択できる。選択されたアルゴリズムは、少なくとも画像のROIに自動的に適用され、少なくともメタ情報に基づいて選択される。ステップAは、データプロパティの標準化ステップも実行することに留意されたい。
【0033】
同様に、ステップBには、少なくともメタ情報に基づいて、自動的に実装される類似のアルゴリズムのグループから一つ又は複数のアルゴリズムを選択することが含まれる。実装アルゴリズムは、反応拡散フィルタリング、アドプティブ等方性(adoptive isotropic)及び異方性拡散、中央値フィルタリング、非線形拡散に基づくMumford-Shahモデル、バックグラウンド抑制及びエッジ/境界抽出、オブジェクト境界のコヒーレンス強化フィルタリング、及び振幅機能、テクスチャ(Gabor、Haralick、Laws、LCP、LBPなど)技法のアプリケーションから選択できる。いくつかの実施形態では、利用可能な場合、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、電子エネルギー損失分光法(EELS)などの別の画像診断技法を使用して、領域境界を区別することができる。他の画像診断技術の使用に関するより詳細な議論は、以下に含まれる。
【0034】
処理ブロック301の後に、少なくともROIのマルチスケールデータセットの生成を含む処理ブロック307が続く場合がある。マルチスケールデータセットは、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、適応形状スケール空間など、いくつかのスケール空間の一つ又は複数で生成される。マルチスケールデータセットの生成に使用される一つ又は複数のスケール空間は、複数のアクティブな輪郭を最適化するために使用される。アクティブな輪郭は、各スケールレベルで初期化又は最適化され、元のスケールレベルでROI内の境界を決定する。したがって、マルチスケールデータセットは、アクティブな輪郭を最適化し、ROIのセクション間の境界を識別するための基礎となる。
【0035】
処理ブロック307の後に、少なくともROIのモデルを初期化することを含む処理ブロック309が続く場合がある。処理ブロック309は、ROIの第1及び第2の境界を形成するためにROIの一般的なモデルを初期化する。追加処理は、主にモデルによって設定された境界内で実行される。モデルは、バイナリラベルマップ、インタラクティブマップ、距離マップ、CADマップ、データからの統計モデル、ダイキャスト、幾何学的形状のランダム分布、幾何モデルなどから選択された一つ又は複数の手法に基づいて作成できる。画像218に示されている距離マップは、初期モデルの例を示している。処理ブロック309は、処理ブロック305及び307と並行して実行することができ、処理ブロック307に続く必要はないことに留意されたい。さらに、処理ブロック307で初期化されたモデルは、元の画像あるいはエンハンスされた画像のいずれかに基づいてもよい。
【0036】
処理ブロック309の後に、処理ブロック311が続き、これは、エンハンスされたROI内の複数のアクティブな輪郭を最適化して、エンハンスされたROI内の特徴の境界を特定することを含む。アクティブな輪郭を最適化するプロセス、又はアクティブな輪郭を最適化することを可能にするプロセスは、アクティブな輪郭の第1の複数(first plurality)の初期化から始まり得る。ここで、第1の複数(first plurality)は、最適化後に残っている数よりも大きく、ROI内の境界よりも大きい数である。ROI内の境界の数及び/又はROI内のそれらの位置に関する先験的な(priori)知識の欠如により、境界よりも多くのアクティブな輪郭を初期化することが実行され得る。初期化されたアクティブな輪郭は、すべて最適化されるが、同じ境界へ最適化することにより結びつきやすい輪郭がある一方で、ROI内の異なる境界への最適化などの誤った最適化により削除される可能性のある輪郭もある。したがって、最適化されたアクティブな輪郭は、ROI内の様々なセクション/材料を分離する境界を識別し、特定する。
【0037】
アクティブな輪郭を初期化又は最適化するプロセスは、処理ブロック307で生成されたマルチスケールデータセットの各スケールレベルで、及びそれに基づいて実行される反復処理であり得る。例えば、アクティブ輪郭の最初の初期化又は最適化は、エンハンスされたROI画像のスケールの第4レベルで実行され、スケールの第4レベルは、元のエンハンスされたROI画像の1/16の分解能を有する。スケール画像の第4レベルに最適なアクティブ輪郭は、その後、スケール画像の第3レベル、例えば、最適化を許可された1/8解像度画像で初期アクティブ輪郭になる。このプロセスは、元のスケールイメージのアクティブな輪郭が初期化又は最適化されるまで繰り返し実行される。これにより、ROI内で要求される境界を識別し、特定する。
【0038】
処理ブロック311の後に、処理ブロック313が続くことがあり、これは、最適化された複数のアクティブな輪郭に基づいて元の画像内のROIに対して計測を実行することを含む。計測は、異なる境界間の距離に基づいて異なるセクションの幅の測定値を提供し、さらに境界の全体的な形状に関する情報を提供する。いくつかの実施形態では、計測は、セグメント化された、例えば識別されたセクションの幾何学的分析、又は輪郭を使用してもよい。計測後、得られたデータは、統計的推論、仮説生成、欠陥検出、プロセス制御、時間分析、予測、その他のアプリケーションに使用できる。
【0039】
図4は、本開示の実施形態に係る、ROI内の複数のアクティブな輪郭を最適化する方法400である。方法400は、ステップ311などの方法300と併せて実施することができ、ステップ311の一実施例を提供することができる。方法400は、画像のマルチスケールデータセットの生成を含む処理ブロック401で開始することができる。マルチスケールデータセットには、複数の解像度レベルのデータセットが含まれ、いくつか例を挙げると、ガウス、幾何、非線形、適応形状のスケール空間などの複数(plurality)のスケール空間のそれぞれが含まれる。もちろん、他のスケール空間も実装できる。マルチスペースデータセットは、方法300の処理ブロック301によって生成されたエンハンスされた画像から生成される。エンハンスされた画像を使用することにより、境界がより明確に定義され、マルチスケールデータセットで強調表示及び平滑化される。処理ブロック401の後に、処理ブロック403が続く場合があり、これは各スケール空間について方法400の残りの部分を完了するように指示する。
【0040】
各スケール空間について、処理ブロック405又は407は、各解像度レベルに対して実行され得る。また、スケール空間のすべての解像度レベルが実行されると、最適化されたアクティブな輪郭は、後続のスケール空間の最初のアクティブな輪郭として使用できる。もちろん、これは限定的なものではなく、各スケール空間はアクティブな輪郭の新しいセットで始まる場合がある。
【0041】
処理ブロック403の後に、処理ブロック405が続くことがあり、これはROI上の複数のアクティブな輪郭を初期化することを含む。これがスケール空間の処理ブロック403の初期性能である場合、複数のアクティブな輪郭は、最低解像度レベルのデータで初期化される。最低解像度レベルは、画像の初期品質に依存してもよいが、1/16解像度以下とすることができる。しかしながら、使用される最低レベルは、本開示の非限定的な態様である。これが最低レベルの解像度画像でない場合、初期化されたアクティブな輪郭は、例えば処理ブロック405又は407の処理前の反復などの、より低い解像度レベルの画像からの最適化されたアクティブな輪郭になる。
【0042】
各スケール空間内の異なる解像度の画像でのROIの画像は、解像度のレベルに基づいた量に応じてぼやけている(blurred)として特徴付けられ、解像度が低いほどより多くのぼやけ(blurring)が生じる。エンハンスされた画像の境界をぼかす(blurring)ことにより、アクティブな輪郭のエネルギーバンドが大きくなり、それに応じて最適化される。また、より高いレベルのデータセットでは、ぼやけ(blur)が少ないため、最適化のためのエネルギーバンドがより狭くなることに留意されたい。したがって、低解像度で最適化されたアクティブな輪郭を連続して使用することにより、アクティブな輪郭は段階的な方法により最大解像度に最適化される。
【0043】
処理ブロック405の後に、処理ブロック407が続くことがあり、これは複数のアクティブな輪郭を最適化することを含む。アクティブな輪郭の最適化により、アクティブな輪郭は、各解像度レベルが提供する平滑化された境界の中央に移動/定着する。処理ブロック405及び407が繰り返し実行されると、アクティブな輪郭は、階段状の関数で最適化され、最終的に元の解像度画像の境界に最適化され、画像内の一つ又は複数の境界を特定する。
【0044】
処理ブロック407の後に、処理ブロック409が続き、これはスケール空間のすべての解像度レベルが完了したどうかを判定する。「いいえ」の場合、処理ブロック405及び407が次の解像度レベルの画像について繰り返される。「はい」の場合、方法400は、処理ブロック411に進み、すべてのスケール空間が完了したかどうかを判定する。「いいえ」の場合、プロセスは処理ブロック403に戻り、「はい」の場合、処理ブロック413で終了となる。方法400の完了は、エンハンスされた画像のROI内のすべての境界を特定して識別し、その後、元の画像の領域/境界に重ねる(overlaid)又は関連付けられてもよい。
【0045】
図5は、本開示の実施形態に係る、例示的な画像シーケンス500である。画像シーケンス500は、計測を固定するためのアクティブな輪郭を初期化又は最適化するために使用できる別のプロセスを示している。画像502は、他の二つのVNANDの部分とともに、VNANDの元の画像を含む。画像522は、画像502に示されているのと同じVNAND上のEDXデータを示す。画像522に見られるように、化学分析を提供するEDXデータは、VNANDの異なるリングを形成する材料間の変化を示す。この化学情報を使用して、VNAND内の境界の数とそれらの各境界のおおよその位置を決定できる。
【0046】
いくつかの実施形態では、EDXデータは、画像522に示されるような広域スキャンによって提供され得る。しかし、このような広域スキャンは、より迅速で効率的な単純なEDXラインスキャンに置き換えることができる。EDXラインスキャンは、VNAND又は画像化された構造全体で実行され、構造の直径全体の各リングの境界を識別する。
【0047】
次いで、画像522のEDXデータを使用して、指示された境界でアクティブな輪郭のそれぞれの数を初期化し、境界の位置に従ってそれらを画像522上に配置することができる。アクティブな輪郭が配置されると、最適化が許可される。アクティブな輪郭の最適化では、境界の位置をより正確に識別する必要がある。いくつかの実施形態では、EDXデータによって識別された境界は、最適化のためにそれぞれの数のアクティブな輪郭を配置するために使用される。例えば、EDXデータが七つの境界を示す場合、七つのアクティブな輪郭が初期化され、各アクティブな輪郭は一つの識別された境界の位置で初期化される。他の実施形態では、エンハンスされた画像データを使用してマルチスケールデータセットを生成し、それがアクティブな輪郭の初期化及び最適化の基礎となる。しかし、そのような実施形態では、初期化されたアクティブな輪郭の数と位置は、EDXデータによって識別される境界に基づいている。
【0048】
画像514に見られるように、最適化されたアクティブ輪郭は、ブロック516に示されるように、計測を実行するための基礎を提供するために、元の画像502又は画像502のエンハンス版に重ね(overlaid)られ得る。
【0049】
図6は、本開示の実施形態に係る、例示的な方法600である。方法600は、画像シーケンス500によって少なくとも部分的に示されており、セクション境界の決定及び計測の固定を補助するために、画像を形成するために使用されたものとは異なる画像診断技法を含む。本開示は、異なる技法としてEDXを使用しているが、例えばEELSなどの他の技法も使用され得る。方法600は、サンプルの少なくともROIの画像を取得することを含む処理ブロック601で開始することができる。画像は、SEM、TEM、STEM、又は第1の画像技術と呼ばれることがある他の画像技術を使用して取得することができる。荷電粒子顕微鏡の場合、画像は、サンプルを通過する電子(例えば、TEM又はSTEM)、二次電子(例えば、SEM)、及び/又は後方散乱電子(例えば、SEM)に基づくグレースケール画像である場合がある。もちろん、画像は光学顕微鏡からも取得できる。
【0050】
処理ブロック601の後に、処理ブロック603が続くことがあり、これは少なくともROIに対して第2の画像技術を実行することを含む。第2の画像技術は、第1の画像技術とは異なる任意の画像/分析技法であり得る。いくつかの実施形態では、第2の画像技術は、EDXなどの化学分析ツールであることが望ましい場合がある。EDXを第2の画像技術の例として使用すると、EDXデータは材料の変化を化学的に示す。材料のこれらの変更により、ROI内の境界の近似値が提供される。EDXを第2の画像技術として使用すると、ROI全体の二次元エリアスキャンとして、又はROI全体のラインスキャンとして実行できる。
【0051】
処理ブロック603の後に、処理ブロック605が続くことがあり、これは、取得画像のROI内の複数のアクティブな輪郭を初期化することを含み、取得画像は、第1の画像技術を使用して取得される。いくつかの実施形態では、取得画像は、追加の画像処理を受けていない最初に取得された画像である。しかし、他の実施形態では、複数のアクティブな輪郭は、境界がより明確になるように、第2の画像技術を使用して画像化するとともに、コントラスト、SNR、鮮明度などを向上するために処理されたエンハンスされた画像上で初期化されてもよい。さらに別の実施形態では、複数のアクティブな輪郭は、上述したように、一つ又は複数のスケール空間の一連の解像度調整画像上で反復的かつ再帰的に初期化又は最適化され得る。しかし、方法300及び400などの先の方法は、境界があったよりも多数のアクティブな輪郭を初期化したが、方法600では、第2の画像技術はROI内にある多数の境界を提供する。したがって、方法600におけるアクティブな輪郭の初期化は、第2の画像技術によって識別される境界があるので、アクティブな輪郭のそれぞれの数を初期化することを含む。さらに、処理ブロック605で初期化されたアクティブな輪郭は、第2の画像技術データによって決定された位置で初期化される。
【0052】
処理ブロック605の後に、処理ブロック607が続き、これは、ROI内の複数のアクティブな輪郭を最適化して、ROI内の特徴の境界を特定することを含む。アクティブな輪郭の最適化は、方法300及び/又は400に関して前述したように実行されてもよいが、第2の画像技術データに基づいて実行されてもよい。最適化プロセスに関係なく、処理ブロック605は、ROI内の境界に関する識別及び位置情報をもたらし、境界は、図5のVNANDなどのROI内の異なる材料間のインターフェースである。
【0053】
処理ブロック607の後に、処理ブロック609が続き、これは、最適化された複数のアクティブな輪郭に基づいてROI内の特徴に対する計測を実行することを含む。計測は、特徴の寸法、ROI内の特徴の全体形状、プロセス制御や欠陥に関する情報、その他の望ましい測定ベースの情報など、ROI内の特徴の様々な側面の測定を提供する。
【0054】
一実施形態によれば、本明細書に記載される技術は、一つ又は複数の特殊目的の計算装置によって実装される。特殊目的の計算装置は、技術を実行するために、ハードワイヤードであるか、一つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はネットワーク処理ユニット(NPU)などのデジタル電子デバイスを含む場合があり、技術を実行するために、永続的にプログラムされているか、ファームウェア、メモリ、その他のストレージ、又は組み合わせのプログラム命令に従って技術を実行するようにプログラムされている一つ又は複数の汎用ハードウェアプロセッサ又はグラフィック処理ユニット(GPU)を含む場合がある。このような特殊目的の計算装置は、カスタムハードワイヤードロジック、ASIC、FPGA、又はNPUとカスタムプログラミングを組み合わせて、技術を実現することもできる。特殊目的の計算装置は、デスクトップコンピューターシステム、ポータブルコンピューターシステム、携帯用デバイス、ネットワークデバイス、又は技術を実装するためのハードワイヤード及び/又はプログラムロジックを組み込むその他のデバイスである。いくつかの実施形態では、特殊目的の計算装置は、荷電粒子顕微鏡の一部であっても、顕微鏡及び他のユーザー計算装置に接続されていてもよい。
【0055】
例えば、図7は、本発明の実施形態が実装され得るコンピュータシステム700を示すブロック図である。コンピュータシステム700は、図8に示される荷電粒子環境に含まれるコンピュータハードウェアの一例であり得る。コンピュータシステム700は、少なくとも、情報を通信するためのバス若しくは他の通信機構、及び情報を処理するためにバス(図示せず)に接続されたハードウェアプロセッサ730を含む。ハードウェアプロセッサ730は、例えば、汎用マイクロプロセッサであり得る。コンピュータシステム700は、方法300、400及び/又は600など、本明細書で開示される方法及び技術を実装するために使用され得、画像を取得し、一つ又は複数のフィルタ/アルゴリズムで前記画像を処理するためにも使用され得る。
【0056】
コンピュータシステム700は、プロセッサ730によって実行される情報又は命令を記憶するためにバスに接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などのメインメモリ732も含む。メインメモリ732を使用して、プロセッサ730によって実行される命令の実行中に、テンポラリ変数又は他の中間情報を記憶することもできる。そのような命令は、プロセッサ730にアクセス可能な非一時的記憶媒体に記憶されると、コンピュータシステム700を、命令で指定された動作を実行するようにカスタマイズされた専用マシンにレンダリングする。
【0057】
コンピュータシステム700は、静的情報及びプロセッサ730に対する命令を記憶するために、バス740に接続された読み取り専用メモリ(ROM)734又は他の静的記憶装置をさらに含み得る。磁気ディスク又は光学ディスクなどの記憶装置736が提供され、かつ情報及び命令を記憶するためにバス740に接続される。
【0058】
コンピュータシステム700は、情報をコンピュータユーザーに表示するために、バスを介して陰極線管(CRT)などのディスプレイに接続されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力装置は、プロセッサ730に情報及びコマンド選択を通信するためにバスに接続されている。別の種類のユーザー入力装置は、方向情報及び命令選択をプロセッサ730に通信し、かつ表示器上のカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御である。この入力装置は一般的に、装置が平面内の位置を指定することを可能にする、二つの軸、すなわち、第1の軸(例えば「x」)及び第2の軸(例えば「y」)における二方向の自由度を有する。
【0059】
コンピュータシステム700は、カスタマイズされたハードワイヤードロジック、一つ又は複数のASIC又はFPGA、ファームウェア及び/又はコンピュータシステムと組み合わせてコンピュータシステム700を専用マシンにするプログラムロジックを使用して、本明細書に記載の技術を実装してもよい。一実施形態によれば、本明細書の技術は、メインメモリ732に含まれる一つ又は複数の命令の一つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ730に応答して、コンピュータシステム700によって実行される。そのような命令は、記憶装置736などの別の記憶媒体からメインメモリ732に読み込まれてもよい。メインメモリ732に含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ730は、本明細書に記載される工程段階を実行する。代替的な実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用してもよい。
【0060】
本明細書で使用される「記憶媒体(storage media)」という用語は、機械を特定の方法で動作させるデータ及び/又は命令を記憶する任意の非一時的媒体を指す。そのような記憶媒体は、不揮発性媒体及び/又は揮発性媒体を含み得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置736のような、光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ732のような動的メモリを含む。記憶媒体の一般的な形式は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又はその他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、その他の光学データ記憶媒体、物理穴のパターンを持つ媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、NVRAM、その他のメモリチップ若しくはカートリッジ、連想メモリ(CAM)、及び三値連想メモリ(TCAM)を含む。
【0061】
記憶媒体は、伝送媒体とは異なるが、伝送媒体と組み合わせて使用してもよい。伝送媒体は、記憶媒体間の情報の転送に関与する。例えば、伝送媒体には、バスを構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、光ファイバーが含まれる。伝送媒体は、電波や赤外線データ通信中に生成されるものなど、音響波又は光波の形態をとってもよい。
【0062】
コンピュータシステム700は、バスに接続された通信インターフェース738も含む。通信インターフェース738は、例えばローカルネットワークに接続されたネットワークリンク(図示せず)に接続する双方向データ通信を提供する。別の例として、通信インターフェース738は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクの実装であってもよい。そのような実装では、通信インターフェース738は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0063】
コンピュータシステム700は、ネットワーク、ネットワークリンク、又は通信インターフェース738を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバーは、インターネット、ISP、ローカルネットワーク、又は通信インターフェース738を介して、アプリケーションプログラムに要求されたコードを送信する。
【0064】
受信されたコードは、受信時にプロセッサ730によって実行され、及び/又は記憶装置736、又は後で使用するための他の不揮発性記憶装置に記憶され得る。
【0065】
図8は、本明細書に開示された方法の少なくとも一部を、本開示の実施形態に従って実行するための例示的な荷電粒子顕微鏡環境800である。荷電粒子顕微鏡(CPM)環境800は、荷電粒子顕微鏡850、ネットワーク860、ユーザーステーション880、又はサーバー870を含むことができる。CPM環境800の様々なコンポーネントは、ユーザーの場所と同じ場所に配置するか、あるいは分散させることができる。さらに、コンポーネントのいくつか又はすべては、本明細書で開示される方法を実行するためのコンピュータシステム700などのコンピュータシステムを含むことになる。もちろん、CPM環境は、開示された技術を実装するための単なる例示的な動作環境であり、前記技術の実装を制限するものとみなされるべきではない。
【0066】
CPM850は、TEM、SEM、STEM、デュアルビームシステム、又は集束イオンビーム(FIB)システムなどの任意のタイプの荷電粒子顕微鏡であってもよい。デュアルビームシステムは、SEMとFIBの組み合わせであり、画像化又は材料除去/堆積の両方が可能である。もちろん、顕微鏡のタイプは、本開示の非限定的な態様であり、本明細書に開示される技術は、他の形態の顕微鏡検査及び画像化によって得られた画像にも実装され得る。CPM850を使用して、本明細書で開示される方法で処理するためにそこに含まれるサンプル及びROIの画像を取得することができる。しかし、開示された方法は、他の顕微鏡によって得られた画像に対してもCPM環境800によって実装され得る。
【0067】
ネットワーク860は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどの任意のタイプのネットワークであり得る。ネットワーク860は、開示された技術を実施するためにデータ及び処理コードが様々なコンポーネントに送信されるように、CPM環境800の他のコンポーネント間に接続されてもよい。例えば、ユーザーステーション880のユーザーは、開示された技術に従って処理するために、画像をCPM850から受信することができる。次に、ユーザーは、画像処理及び計測を実行するために、直接又はネットワーク860を介して、サーバー870からコードを取得することができる。そうでない場合、ユーザーは、画像を直接又はネットワーク860を介してCPM850からサーバー870に提供することにより、プロセスを開始することができ、処理及び計測はサーバー870によって行われる。
【0068】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最低(lowest)」、「最良(best)」、「最小(minimum)」などと呼ばれる。そのような表現は、多くの使用された機能的選択肢からの選択が可能であることを示すことを意図しており、そのような選択は、他の選択よりも優れている(better)、小さい(smaller)、又はその他の点で望ましい(otherwise preferable)必要はない。さらに、選択された値は、数値的又は他の近似的手段によって得られてもよく、単に理論的に正しい/値に対する近似値であってもよい。
【0069】
[付記1]
関心領域の異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含む関心領域を画像から抽出するステップと、
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスするステップと、
前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成するステップと、
前記関心領域のモデルを初期化するステップであって、前記初期化されたモデルは、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定する、ステップと、
前記関心領域の前記モデルに基づき、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップであって、前記最適化された複数のアクティブな輪郭は、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を識別する、ステップと、そして、
前記識別された境界に基づいて前記関心領域で計測を実行するステップと、を含む方法。
[付記2]
前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップが、
前記初期化されたモデルの前記第1及び第2境界内の第1の複数のアクティブな輪郭を初期化し、前記第1の複数のアクティブな輪郭には、前記関心領域内の境界よりも多くのアクティブな輪郭がある、ステップと、そして
前記第1の複数のアクティブな輪郭を前記複数のアクティブな輪郭に最適化し、前記関心領域内の一つ又は複数の境界を識別することができるステップと、を含む、付記1に記載の方法。
[付記3]
前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化するステップが、
一つ又は複数のスケール空間の各スケール空間の各画像解像度レベルに対して、前記エンハンスされた関心領域内の前記複数のアクティブな輪郭を最適化するステップを含む、付記1に記載の方法。
[付記4]
前記一つ又は複数のスケール空間が、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、及び適応空間スケール空間から選択される、付記3に記載の方法。
[付記5]
前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成するステップが、
ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、適応空間スケール空間から選択された一つ又は複数のスケール空間を使用して、前記エンハンスされた関心領域の複数の画像解像度レベルを生成するステップを含む、付記1に記載の方法。
[付記6]
前記関心領域のモデルを初期化するステップであって、前記初期化されたモデルは、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定する、ステップが、
バイナリラベルマップ、インタラクティブマップ、距離マップ、CADマップ、前記データからの統計モデル、ダイキャスト、幾何学的形状のランダム分布、又は幾何学的モデルから選択される、一つ又は複数のイメージマップに基づいて、前記関心領域の前記モデルを初期化するステップを含む、付記1に記載の方法。
[付記7]
前記関心領域のモデルを初期化するステップが、元の画像又は前記エンハンスされた関心領域に基づく、付記1に記載の方法。
[付記8]
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された前記関心領域をエンハンスするステップが、
前記画像内の少なくとも前記関心領域のコントラストを改善するステップと、そして
前記画像内の少なくとも前記関心領域の信号対雑音比を改善するステップと、を含む、付記1に記載の方法。
[付記9]
前記コントラスト及び前記信号対雑音比を改善するステップが、
ヒストグラム操作、線形若しくは非線形コントラストのエンハンス、ローカルに基づくデータ正規化、低頻度のデータ分散、ガンマ補正、ログ補正、又は輝度補正から選択される、一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用するステップを含む、付記8に記載の方法。
[付記10]
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された前記関心領域をエンハンスするステップが、
前記関心領域の鮮明度を改善するステップと、
前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界の区別と検出するステップと、を含む、付記1に記載の方法。
[付記11]
前記関心領域の鮮明度を改善し、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別及び検出するステップが、
反応拡散フィルタリング、アドプティブ等方性(adoptive isotropic)及び異方性拡散フィルタリング、中央値フィルタリング、非線形拡散の非線形拡散フィルタリングに基づくMumford-Shahモデル、バックグラウンド抑制及びエッジ/境界抽出、及びオブジェクト境界でのコヒーレンス強化フィルタリングから選択される、一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用するステップを含む、付記10に記載の方法。
[付記12]
前記関心領域の鮮明度を改善し、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別及び検出するステップが、
Gabor、Haralick、Laws、LCP、又はLBPから選択される、一つ又は複数の振幅又はテクスチャベースのフィルタを自動的に選択して適用するステップを含む、付記10に記載の方法。
[付記13]
前記関心領域の鮮明度を改善し、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別及び検出するステップが、
エネルギー分散型X線分析技法又は電子エネルギー損失分光法技法のいずれかから選択される、分析技法を前記関心領域に適用し、前記一つ又は複数の境界の数と位置を決定するステップを含む、付記10に記載の方法。
[付記14]
前記一つ又は複数のフィルタが、画像のメタデータに基づいて自動的に選択及び適用され、前記画像のメタデータは、少なくともデータ型、解像度、又はピクセルサイズを含む、付記1に記載の方法。
[付記15]
前記識別された境界に基づいて、前記関心領域で計測を実行するステップが、
前記一つ又は複数の境界で区切られた前記異なるセクションの幾何学的分析を自動的に実行するステップを含む、付記1に記載の方法。
[付記16]
一つ又は複数のプロセッサで実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに以下を実行させるコードを含む、非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)であって、前記コードは前記一つ又は複数のプロセッサに、
画像から関心領域を抽出させ、この領域は、前記関心領域の異なるセクション間の一つ又は複数の境界を含み、
一つ又は複数のフィルタに基づいて、少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスさせ、
前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成させ、
前記関心領域のモデルを初期化させ、前記初期化されたモデルは、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定し、
前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させ、前記最適化された複数のアクティブな輪郭は、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を識別し、そして、
前記識別された境界に基づいて前記関心領域で計測を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
[付記17]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させる前記コードが、実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記初期化されたモデルの前記第1境界及び第2境界内で第1の複数のアクティブな輪郭を初期化させ、前記第1の複数のアクティブな輪郭には、前記関心領域内の境界よりも多くのアクティブな輪郭があり;そして、
前記第1の複数のアクティブな輪郭が前記複数のアクティブな輪郭に最適化され、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を識別することを可能にさせるコードをさらに含む、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記18]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記関心領域の前記モデルに基づいて、さらに前記マルチスケールデータセットに基づいて、前記エンハンスされた関心領域内の複数のアクティブな輪郭を最適化させるコードが、実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに、
一つ又は複数のスケール空間の各スケール空間における各画像解像度レベルについて、前記エンハンスされた関心領域内の前記複数のアクティブな輪郭を最適化させるコードをさらに含む、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記19]
前記一つ又は複数のスケール空間が、ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、又は適応空間スケール空間から選択される、付記18に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記20]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記エンハンスされた関心領域に基づいて前記関心領域のマルチスケールデータセットを生成させるコードが、
ガウススケール空間、幾何学的スケール空間、非線形スケール空間、適応空間スケールから選択された一つ又は複数のスケール空間を使用して、前記エンハンスされた関心領域の複数の画像解像度レベルを生成することを、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに実行させるコードをさらに含む、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記21]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに、前記関心領域のモデルを初期化させるコードであり、前記初期化されたモデルが、前記関心領域の少なくとも第1境界及び第2境界を決定する、コードが、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
バイナリラベルマップ、インタラクティブマップ、距離マップ、CADマップ、データからの統計モデル、ダイキャスト、幾何学的形状のランダム分布、又は幾何学的モデルから選択した一つ又は複数の画像マップに基づいて、前記関心領域の前記モデルを初期化することを、実行させるコードをさらに含む、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記22]
前記関心領域の前記初期化されたモデルが、元の前記画像又は前記エンハンスされた関心領域に基づく、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記23]
実行時に、一つ又は複数のフィルタに基づいて前記一つ又は複数のプロセッサに少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスさせるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記画像内の少なくとも前記関心領域のコントラストを改善し、そして、
少なくとも前記画像内の前記関心領域の信号対雑音比を改善することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記24]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記コントラスト及び前記信号対雑音比を改善させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
ヒストグラム操作、線形及び非線形コントラストのエンハンス、ローカルに基づくデータの正規化、低頻度のデータ分散、ガンマ補正、ログ補正、又は輝度補正から選択される、前記一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記23に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記25]
実行時に、一つ又は複数のフィルタに基づいて前記一つ又は複数のプロセッサに少なくとも前記抽出された関心領域をエンハンスさせるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記関心領域の鮮明度を改善し、そして
前記関心領域の前記一つ又は複数の境界を区別して検出することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記26]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域の鮮明度を改善させ、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別して検出させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
反応拡散フィルタリング、アドプティブ等方性(adoptive isotropic)及び異方性拡散フィルタリング、中央値フィルタリング、非線形拡散フィルタリングに基づくMumford-Shahモデル、バックグラウンド抑制及びエッジ/境界から選択される抽出、及びオブジェクト境界でのコヒーレンス強化フィルタリングから選択される、一つ又は複数のフィルタを自動的に選択して適用することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記25に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記27]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域の鮮明度を改善させ、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別して検出させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
Gabor、Haralick、Laws、LCP、又はLBPから選択される、一つ又は複数の振幅又はテクスチャベースのフィルタを自動的に選択して適用することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記25に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記28]
実行時に、前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域の鮮明度を改善させ、前記関心領域内の前記一つ又は複数の境界を区別して検出させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
エネルギー分散型X線分析技法又は電子エネルギー損失分光技法のいずれかから選択される、分析技法を前記関心領域に適用して、前記一つ又は複数の境界の数と位置を決定することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記25に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記29]
前記一つ又は複数のフィルタが、画像のメタデータに基づいて自動的に選択及び適用され、前記画像のメタデータには、少なくともデータ型、解像度、ピクセルサイズを含む、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
[付記30]
実行時に、前記識別された境界に基づいて前記一つ又は複数のプロセッサに前記関心領域で計測を実行させるコードには、実行時に前記一つ又は複数のプロセッサに、
前記一つ又は複数の境界で区切られた様々なセクションの幾何学的分析を自動的に実行することを、実行させるコードがさらに含まれる、付記16に記載のコンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】