(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082238
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】距離測定のための装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/02 20060101AFI20240612BHJP
G01S 7/34 20060101ALI20240612BHJP
G01S 13/89 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G01S7/02 210
G01S7/34
G01S13/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190695
(22)【出願日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0169698
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン チョン ウン
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB17
5J070AB24
5J070AC01
5J070AC02
5J070AC06
5J070AD05
5J070AD08
5J070AE01
5J070AE09
5J070AH35
5J070BA01
5J070BE01
(57)【要約】
【課題】TOFセンサの距離測定性能を向上させる。
【解決手段】本開示の実施例によるイメージセンサは、2個以上のピクセル35と、第1モードにおいて、ピクセル35それぞれに互いに180度の位相差を有する第1変調電圧および第2変調電圧を提供し、第2モードにおいて、ピクセル35のうち第1ピクセルに第1変調電圧を、ピクセル35のうち第2ピクセルに第2変調電圧を提供する制御回路40と、を含むことができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個以上のピクセルと、
第1モードにおいて、前記ピクセルそれぞれに互いに180度の位相差を有する第1変調電圧および第2変調電圧を提供し、
第2モードにおいて、前記ピクセルのうち第1ピクセルに前記第1変調電圧を、前記ピクセルのうち第2ピクセルに前記第2変調電圧を提供する制御回路と、を含むことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記2個以上のピクセルは、
2×2アレイに配列された4個のピクセルを含む単位ピクセルであることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記単位ピクセルの頂点それぞれに対応するように配置された第1タップ、第2タップ、第3タップ、および第4タップと、
前記単位ピクセルの内側に配置された第5タップと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記第1モードにおいて、前記第1タップ、前記第2タップ、前記第3タップ、および前記第4タップに前記第1変調電圧を、前記第5タップに前記第2変調電圧を提供し、
前記第2モードにおいて、前記第1タップに前記第1変調電圧を、前記第4タップに前記第2変調電圧を提供することを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記制御回路は、
前記第2モードにおいて、前記第2タップ、前記第3タップ、および前記第5タップをフローティングさせることを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1モードにおいて、前記4個のピクセルに生成された光電荷は、それぞれ前記第1タップ、前記第2タップ、前記第3タップ、または前記第4タップのうちのいずれか1つのタップおよび前記第5タップによってキャプチャされ、
前記第2モードにおいて、前記光電荷は、前記第1タップおよび前記第4タップによってキャプチャされることを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1モードにおいて、前記第1タップ、前記第2タップ、前記第3タップ、前記第4タップ、および前記第5タップでキャプチャされた前記光電荷に対応する第1タイプのピクセルデータを取得し、
前記第2モードにおいて、前記第1タップおよび前記第4タップでキャプチャされた前記光電荷に対応する第2タイプのピクセルデータを取得する読み出し回路をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1ピクセルおよび前記第2ピクセルは、
前記単位ピクセルの頂点のうち、互いに対角線方向に位置する頂点に対応するように配置されることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1ピクセルに配置された第1タップおよび第2タップと、
前記第2ピクセルに配置された第3タップおよび第4タップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記第1モードにおいて、前記第1タップおよび前記第3タップに前記第1変調電圧を、前記第2タップおよび前記第4タップに前記第2変調電圧を提供し、
前記第2モードにおいて、前記第1タップに前記第1変調電圧を、前記第4タップに前記第2変調電圧を提供することを特徴とする請求項9に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記第2モードにおいて、前記第2タップおよび前記第3タップをフローティングさせることを特徴とする請求項10に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
光源を介して第1位相に対応する変調光を出力するステップと、
2個以上のピクセルを介して、前記変調光が外部物体によって反射された反射光から光電荷を生成するステップと、
モードに応じて、第1モードにおいて前記ピクセルそれぞれに前記第1位相に対応する第1変調電圧、および前記第1変調電圧と180度の位相差を有する第2変調電圧を提供するか、第2モードにおいて前記ピクセルのうち第1ピクセルに前記第1変調電圧を、前記ピクセルのうち第2ピクセルに前記第2変調電圧を提供するステップと、
前記第1変調電圧および前記第2変調電圧によってキャプチャされた前記光電荷を利用して前記外部物体との距離を識別するステップと、を含むことを特徴とする距離測定方法。
【請求項13】
前記第1モードまたは前記第2モードに応じて前記第1変調電圧および前記第2変調電圧を提供するステップは、
2×2アレイに配列された4個のピクセルを含む単位ピクセル、前記単位ピクセルの頂点それぞれに対応するように配置された第1タップ、第2タップ、第3タップ、および第4タップ、並びに前記単位ピクセルの内側に配置された第5タップを利用して、
前記第1モードにおいて、前記第1タップ、前記第2タップ、前記第3タップ、および前記第4タップに前記第1変調電圧を、前記第5タップに前記第2変調電圧を提供するステップと、
前記第2モードにおいて、前記第1タップに前記第1変調電圧を、前記第4タップに前記第2変調電圧を提供するステップと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の距離測定方法。
【請求項14】
前記キャプチャされた光電荷を利用して前記距離を識別するステップは、前記第1モードにおいて、
前記4個のピクセルに生成された前記光電荷が、それぞれ前記第1タップ、前記第2タップ、前記第3タップ、または前記第4タップのうちのいずれか1つのタップおよび前記第5タップによってキャプチャされるステップと、
読み出し回路を介して前記第1タップ、前記第2タップ、前記第3タップ、前記第4タップ、および前記第5タップでキャプチャされた前記光電荷に対応する第1タイプのピクセルデータを取得するステップと、
前記第1タイプのピクセルデータを利用して前記距離を識別するステップと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の距離測定方法。
【請求項15】
前記キャプチャされた光電荷を利用して前記距離を識別するステップは、前記第2モードにおいて、
前記単位ピクセルに生成された前記光電荷が前記第1タップおよび前記第4タップによってキャプチャされるステップと、
読み出し回路を介して前記第1タップおよび前記第4タップでキャプチャされた前記光電荷に対応する第2タイプのピクセルデータを取得するステップと、
前記第2タイプのピクセルデータを利用して前記距離を識別するステップと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の距離測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TOF(time of flight)方式を利用して外部物体との距離を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、セキュリティ、医療機器、自動車、ゲーム機、VR/AR、モバイル機器など様々な分野で外部物体との距離を測定するイメージセンサに対する需要が増加している。距離を測定する方式には、三角測量(triangulation)方式、飛行時間距離測定(time of flight、以下、TOF)方式、および干渉法(interferometry)などが含まれる。そのうち、TOF方式は、光または信号などの飛行時間、すなわち光または信号を出力した後、外部物体から反射されてくる時間を測定して距離を計算する方式であって、活用範囲が広く、処理速度が速く、コスト面でも有利であるという長所がある。
【0003】
TOF方式の中でも、間接(indirect)TOF方式は、光源を介して変調された光波(modulated light wave、以下、変調光)を放出し、変調光は、正弦波、パルストレイン、または他の周期的な波形を有することができる。TOFセンサは、観測された場面内の表面から前記変調光が反射された反射光を検出する。電子装置は、放出された変調光と受信された反射光との間の位相差を測定して、TOFセンサと前記場面内の外部物体との間の物理的距離(または、深度)を算出することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TOFセンサは、ピクセルに変調電圧を印加することでピクセル内にピクセル電流を発生させ、前記ピクセル電流に応じて移動する光電荷をキャプチャして変調光と反射光との間の位相差を測定することになる。このとき、前記ピクセル電流は、ピクセルの大きさが減少するほど、および/または印加される変調電圧間の電圧差が大きいほど増加する。ただし、ピクセル内にピクセル電流が一定レベル以上発生すると、TOFセンサの電源消費量が増加し、印加される電圧間の差に比べて光電荷がキャプチャされる効率が低下するという問題がある。例えば、ピクセルの大きさ(または、ピクセルの横長や縦長)が5μm以下の場合には、ピクセル電流が一定レベル以上発生することによって、TOFセンサの距離測定性能が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例によるイメージセンサは、2個以上のピクセルと、第1モードにおいて、前記ピクセルそれぞれに互いに180度の位相差を有する第1変調電圧および第2変調電圧を提供し、第2モードにおいて、前記ピクセルのうち第1ピクセルに前記第1変調電圧を、前記ピクセルのうち第2ピクセルに前記第2変調電圧を提供する制御回路と、を含むことができる。
【0006】
本開示の実施例による距離測定方法は、光源を介して第1位相に対応する変調光を出力するステップと、2個以上のピクセルを介して、前記変調光が外部物体によって反射された反射光から光電荷を生成するステップと、モードに応じて、第1モードにおいて前記ピクセルそれぞれに前記第1位相に対応する第1変調電圧、および前記第1変調電圧と180度の位相差を有する第2変調電圧を提供するか、第2モードにおいて前記ピクセルのうち第1ピクセルに前記第1変調電圧を、前記ピクセルのうち第2ピクセルに前記第2変調電圧を提供するステップと、前記第1変調電圧および前記第2変調電圧によってキャプチャされた前記光電荷を利用して前記外部物体との距離を識別するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、TOFセンサのピクセル内に流れるピクセル電流を減少させて、TOFセンサの電源消費量を減少させ、光電荷がキャプチャされる効率を増加させ、TOFセンサの距離測定性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例による電子装置の構成を概略的に説明するための図である。
【
図2】本発明の実施例によるピクセルアレイの一例を説明するための図である。
【
図3】本発明の実施例によるピクセルアレイの他の例を説明するための図である。
【
図4】本発明の実施例によって、第1モードにおいてピクセルに提供される変調電圧を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施例によって、第2モードにおいてピクセルに提供される変調電圧を説明するための図である。
【
図6】本発明の実施例によって、ピクセルに変調電圧を伝達する信号線を説明するための図である。
【
図7】本発明の実施例によって、第1モードにおいてピクセルを読み出す方式を説明するための図である。
【
図8】本発明の実施例によって、第2モードにおいてピクセルを読み出す方式を説明するための図である。
【
図9】本発明の実施例によって、モードに応じて互いに異なる方式で変調電圧を提供する方法の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書または出願に開示されている本発明の概念による実施例についての特定の構造上および機能上の説明は、単に本発明の概念による実施例を説明する目的で例示されたものであり、本発明の概念による実施例は様々な形態で実施することができ、本明細書または出願に説明される実施例に限定されるものと解釈されてはならない。
【0010】
以下では、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できるほど詳細に説明するために、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例による電子装置(electronic device)の構成を概略的に説明するための図である。
【0012】
図1を参照すると、電子装置100は、TOF(time of flight)方式を利用して外部物体1との距離を測定できる。TOF方式は、外部物体1に向かって変調光を照射し(emit)、外部物体1から反射されて入射される反射光を感知し、変調光と反射光との間の位相差(phase difference)に基づいて間接的(indirect)に電子装置100と外部物体1との間の距離を測定する方式を意味することができる。
【0013】
図1を参照すると、電子装置100は、光源10、レンズモジュール20、ピクセルアレイ30、制御回路40、および距離測定モジュール50を含むことができる。
【0014】
光源10は、制御回路40から提供される光変調信号MLSに応答して外部物体1に光を照射することができる。光源10は、特定の波長帯域の光(例えば、近赤外線、赤外線、可視光)を発光するレーザーダイオード(LaserDiode;LD)、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、近赤外線レーザー(Near Infrared Laser;NIR)、点光源、白色ランプとモノクロメータ(monochromator)が組み合わせられた単色(monochromatic)照明源、または他のレーザー光源の組み合わせであり得る。例えば、光源10は、800nm~1000nmの波長を有する赤外線を発光することができる。光源10から照射される光は、予め定められた周波数で変調された変調光(modulated light)であり得る。すなわち、光源10は、第1位相に対応する変調光を出力できる。第1位相は、指定された周期に従って活性化電圧(例えば、1.2V)と非活性化電圧(例えば、0V)が繰り返される位相であり得る。
図1では、説明の便宜のため、1つの光源10のみを示しているが、複数の光源がレンズモジュール20の周辺に配列されてもよい。
【0015】
レンズモジュール20は、外部物体1から反射された光を収集してピクセルアレイ30のピクセル35に集中させることができる。レンズモジュール20は、ガラスまたはプラスチック表面の集中レンズあるいは他の円筒形光学元素を含むことができる。レンズモジュール20は、光軸を中心に整列された複数のレンズを含むことができる。
【0016】
ピクセルアレイ30は、二次元マトリックス構造で連続して配列された複数のピクセル35を含むことができる。例えば、ピクセルアレイ30は、ロー(row)方向およびカラム(column)方向に連続して配列されたピクセル35を含むことができる。ピクセル35は、ピクセルアレイ30上において、同じ形態が繰り返し配列される最小単位であり得る。
【0017】
ピクセル35それぞれは、半導体基板に形成されることができ、各ピクセル35は、レンズモジュール20を介して受信された光を、光の強度に対応する電気信号に変換してピクセル信号を出力することができる。前記ピクセル信号は、電子装置100と外部物体1との間の距離を測定するのに利用されることができる。
【0018】
ピクセル35は、CAPD(current-assisted photonic demodulator)ピクセル、VFM(vertical field modulator)ピクセル、GAPD(gate assisted photonic demodulator)ピクセル、QEM(quantum efficiency modulation)ピクセル、またはPPD(pinned photodiode)ピクセルのうちのいずれか1つであり得る。例えば、ピクセル35がCAPDピクセルである場合、ピクセル35は、入射光によって基板内で生成された光電荷を、電圧差によるホール電流(hole current)を利用してキャプチャすることができる。各ピクセル35のより詳細な構造については、
図2および
図3を参照して後述する。また、本開示では、説明の便宜のため、CAPDピクセル構造であることを前提にして主に説明するが、本開示による技術的思想は、GAPD、QEM、PPD方式にも適用可能である。
【0019】
制御回路40は、ロードライバ(row driver)41、復調ドライバ(demodulation driver)42、光源ドライバ(light source driver)43、およびタイミングコントローラ(timing controller;T/C)44を含むことができる。
【0020】
制御回路40(例えば、ロードライバ41、復調ドライバ42)は、タイミングコントローラ44から出力されたタイミング信号に応答して、ピクセルアレイ30のピクセル35を駆動することができる。
【0021】
制御回路(例えば、ロードライバ41)は、ピクセルアレイ30の複数のローライン(row lines)のうち少なくとも1つのローラインを選択および制御できる制御信号を生成することができる。前記制御信号は、リセットトランジスタを制御するリセット信号(reset signal)、検出領域に蓄積された光電荷の伝達を制御する伝送信号(transfer signal)、選択トランジスタを制御する選択信号(select signal)のうち少なくとも一部を含むことができる。
【0022】
制御回路(例えば、復調ドライバ42)は、ピクセル35の基板内にピクセル電流(pixel current)(例えば、ホール電流)を発生させるための駆動信号(drive signal)を生成および出力することができる。前記ピクセル電流は、基板から生成された光電荷を検出領域(例えば、タップ)方向に移動させるための電流であり得る。
【0023】
図1においては、ロードライバ41と復調ドライバ42が互いに独立した構成であるとして示されたが、これは一つの例示であり、ロードライバ41と復調ドライバ42は一つの構成で具現され、ピクセルアレイ30の一側に配置されてもよい。
【0024】
光源ドライバ43は、タイミングコントローラ44の制御によって光源10を駆動させることが可能な光変調信号MLSを生成することができる。光変調信号MLSは、指定された周波数で変調された信号であり得る。
【0025】
タイミングコントローラ44は、ロードライバ41、復調ドライバ42、光源ドライバ43および読み出し回路45の動作を制御するためのタイミング信号を生成することができる。
【0026】
読み出し回路45は、タイミングコントローラ44の制御によってピクセルアレイ30から出力されるピクセル信号を処理して、デジタル信号形態のピクセルデータを生成することができる。例えば、読み出し回路45は、ピクセルアレイ30から出力されたピクセル信号に対してCDS(correlated double sampling)を行うことができる。電子装置100は、CDSを通じて前記ピクセル信号に含まれた読み出しノイズを減少させることができる。また、読み出し回路45は、CDSが行われた出力信号をデジタル信号に変換するためのADC(analog-digital converter)を含むことができる。さらに、読み出し回路45は、ADCから出力されるピクセルデータを一時的に記憶し、タイミングコントローラ44の制御によって外部に出力するためのバッファ回路を含むことができる。
【0027】
ピクセル35から読み出し回路45にピクセル信号を伝達するためのカラムラインは、ピクセルアレイ30の1カラム当たり少なくとも1個ずつ備えられることができ、各カラムラインから出力されるピクセル信号を処理するための構成も各カラムラインに対応して備えられることができる。
【0028】
距離測定モジュール50は、読み出し回路45からピクセルデータを受信することができ、前記ピクセルデータに基づいて外部物体1との距離(または、深度)を識別することができる。例えば、光源10が、電子装置100が撮影する場面に向かって予め定められた周波数で変調された変調光を照射し、電子装置100は、場面内の外部物体1から反射された反射光(または、入射光)を感知すると、変調光と反射光との間には電子装置100と外部物体1との間の距離に応じた時間遅延(time delay)が存在することになる。変調光の位相が第1位相に対応する場合、反射光の位相は、前記第1位相と一定の位相差を有する第2位相に対応できる。距離測定モジュール50は、前記ピクセルデータに基づいて、反射光に対応する第2位相を識別できる。また、距離測定モジュール50は、前記第1位相と前記第2位相との間の位相差に基づいて、外部物体1との距離を識別できる。電子装置100は、変調光と反射光の位相差を利用して、各ピクセル35ごとの深度情報を含む深度イメージを生成することができる。
【0029】
図1において、イメージセンサについては別途に示していないが、
図1に示す構成のうちピクセルアレイ30、ロードライバ41、復調ドライバ42、および読み出し回路45は、イメージセンサに含まれた構成として理解され得る。
【0030】
図2は、本発明の実施例によるピクセルアレイの一例を説明するための図である。
【0031】
図2に示すピクセルアレイ200は、
図1のピクセルアレイ30の一例に該当することができる。また、
図2に示す各ピクセル211、212、213、214は、
図1のピクセル35にそれぞれ対応することができる。
【0032】
図2を参照すると、ピクセルアレイ200は、2個以上のピクセル211、212、213、214を含むことができる。例えば、ピクセルアレイ200には、第1ピクセル211、第2ピクセル212、第3ピクセル213、および第4ピクセル214が含まれることができる。第1ピクセル211、第2ピクセル212、第3ピクセル213、および第4ピクセル214は、2×2アレイに配列されて単位ピクセルを形成することができる。本開示において、2×2アレイに配列された4個のピクセルが一つの単位ピクセルを構成することを前提にして説明するが、これは説明の便宜のためのものであり、単位ピクセルは、2個のピクセルを含むか、3×3に配列された9個のピクセルを含んでもよい。
【0033】
図2を参照すると、ピクセルアレイ200に含まれた各ピクセル211、212、213、214は、各々2個のタップを含むことができる。例えば、第1ピクセル211は、第1タップ221と第2タップ222を含むことができる。第2ピクセル212は、第3タップ223と第4タップ224を含むことができる。第3ピクセル213は、第5タップ225と第6タップ226を含むことができる。第4ピクセル214は、第7タップ227と第8タップ228を含むことができる。ただし、
図2に示されたタップ221、222、223、224、225、226、227、228の位置および形状は一例であり、本開示の権利範囲を限定しない。例えば、第1タップ221と第2タップ222は、x軸方向に並んで配置される他、y軸方向に並んで配置されるか、対角線方向に配置されてもよい。また、各タップ221、222、223、224、225、226、227、228は、円の他に様々な形状で具現されることができる。
【0034】
制御回路40(例えば、復調ドライバ42)は、ピクセルアレイ200に含まれたピクセル211、212、213、214のうちの少なくとも1つに変調電圧を提供することができる。制御回路40は、ピクセル211、212、213、214のうちの少なくとも1つに変調電圧を提供することによって、ピクセル211、212、213、214内にピクセル電流を発生させることができ、タップ221、222、223、224、225、226、227、228のうちの少なくとも1つを利用して、前記ピクセル電流に応じて移動する光電荷をキャプチャすることができる。
【0035】
各タップ221、222、223、224、225、226、227、228は、制御ノードおよび検出ノードを含むことができる。例えば、第1タップ221は、制御ノード231および制御ノード231を囲む検出ノード232を含むことができる。また、第2タップ222は、制御ノード233および制御ノード233を囲む検出ノード234を含むことができる。制御回路40は、制御ノード231、233に変調電圧を印加することができ、検出ノード232、234を介して光電荷をキャプチャすることができる。
【0036】
制御回路40は、イメージセンサの駆動モードに応じて、互いに異なる方式でピクセルアレイ200に変調電圧を提供することができる。イメージセンサの駆動モードには、一般モードおよびビニングモード(binning mode)が含まれることができる。本開示において、第1モードは、一般モード、第2モードは、ビニングモードを意味することができる。
【0037】
第1モードにおいて、制御回路40は、ピクセル211、212、213、214それぞれに互いに180度の位相差を有する第1変調電圧および第2変調電圧を提供することができる。例えば、
図2の下段に示す第1ピクセル211の断面図を参照すると、制御回路40は、第1タップ221の制御ノード231には、第1変調電圧VmixAを印加し、第2タップ222の制御ノード233には、第2変調電圧VmixBを印加することができる。第1タップ221および第2タップ222にそれぞれ第1変調電圧VmixAおよび第2変調電圧VmixBが印加される場合、第1ピクセル211内に生成された光電荷は、ピクセル電流によって第1タップ221の検出ノード232および第2タップ222の検出ノードでキャプチャされることができる。読み出し回路45は、第1タップ221と第2タップ222を読み出して外部物体1との距離を測定することができる。
【0038】
同様に、第2ピクセル212の場合、制御回路40は、第3タップ223に第1変調電圧を印加し、第4タップ224には第2変調電圧を印加することができる。または、制御回路40は、第3タップ223に第2変調電圧を印加し、第4タップ224には第1変調電圧を印加することもできる。すなわち、制御回路40は、各ピクセル211,212,213,214ごとに含まれた2個のタップに互いに異なる位相を有する第1変調電圧と第2変調電圧をそれぞれ提供することができる。
【0039】
電子装置100は、イメージセンサを第1モード(一般モード)で駆動することによって、ピクセルアレイ30に含まれたピクセル35の数に対応するピクセルデータを取得することができる。すなわち、電子装置100は、第1モードにおいてピクセルアレイ30の解像度に対応する深度イメージデータを取得することができる。本開示において、ピクセルアレイ30の解像度に対応するピクセルデータは、第1タイプのピクセルデータと呼ぶことができる。
【0040】
第2モードにおいて、制御回路40は、ピクセル211、212、213、214のうちのいずれか1つのピクセル(例えば、第1ピクセル211)には前記第1変調電圧を提供し、他のピクセル(例えば、第4ピクセル214)には前記第2変調電圧を印加することができる。制御回路40は、ピクセル211、212、213、214ごとにそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を提供する代わりに、単位ピクセルに含まれたピクセルのうちのいずれか2個のピクセルにそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を提供することができる。例えば、制御回路40は、第1ピクセル211の第1タップ221には第1変調電圧を提供し、第4ピクセル214の第8タップ228には第2変調電圧を提供することができる。このとき、制御回路40は、第1タップ221と第8タップ228を除いた残りのタップ(例えば、222、223、224、225、226、227)はフローティング(floating)させることができる。
【0041】
制御回路40が第1ピクセル211の第1タップ221に第1変調電圧を印加し、第4ピクセル214の第8タップ228に第2変調電圧を印加し、その他のタップはフローティングさせる場合、第1ピクセル211、第2ピクセル212、第3ピクセル213、および第4ピクセルで生成された光電荷は、第1タップ221および第8タップ228によってキャプチャされることができる。読み出し回路45は、第1タップ221と第8タップ228を読み出して外部物体1との距離を測定することができる。
【0042】
電子装置100は、イメージセンサを第2モード(ビニングモード)で駆動することによって、ピクセルアレイ30に含まれたピクセル35の数に比べて少ない数に対応するピクセルデータを取得することができる。すなわち、電子装置100は、第2モードにおいてピクセルアレイ30の解像度よりも低い解像度の深度イメージデータを取得することができる。例えば、2×2アレイに配列された4個のピクセルが一つの単位ピクセルを形成する場合、電子装置100は、第2モードにおいてピクセルアレイ30の解像度よりも1/4ほど低い解像度の深度イメージデータを取得することができる。本開示において、ピクセルアレイ30の解像度よりも低い解像度に対応するピクセルデータは、第2タイプのピクセルデータと呼ぶことができる。
【0043】
図2では、第2モードにおいて制御回路40が第1ピクセル211と第4ピクセル214にそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を印加することを前提にして説明したが、これは一例であり、本開示の権利範囲を限定しない。例えば、制御回路40は、第2ピクセル212と第3ピクセル213にそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を印加するか、第1ピクセル211と第3ピクセル213にそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を印加することもできる。他の例では、2個のピクセル(例えば、第1ピクセル211と第2ピクセル212)が一つの単位ピクセルを形成する場合には、制御回路40が第1ピクセル211と第2ピクセル212にそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を印加することもできる。
【0044】
図3は、本発明の実施例によるピクセルアレイの他の例を説明するための図である。
【0045】
図3に示すピクセルアレイ300は、
図1のピクセルアレイ30の他の例に該当することができる。また、
図3に示す各ピクセル311、312、313、314は、
図1のピクセル35にそれぞれ対応することができる。
【0046】
図3を参照すると、ピクセルアレイ300は、2個以上のピクセル311、312、313、314を含むことができる。例えば、ピクセルアレイ300には、第1ピクセル311、第2ピクセル312、第3ピクセル313、および第4ピクセル314が含まれることができる。第1ピクセル311、第2ピクセル312、第3ピクセル313、および第4ピクセル314は、2×2アレイに配列されて単位ピクセルを形成することができる。
【0047】
図3を参照すると、
図2に示したピクセルアレイ200とは異なり、ピクセルアレイ300に含まれた各ピクセル(例えば、311、312、313、314)は、タップ(例えば、321、322、323、324、325)を互いに共有することができる。すなわち、
図2のように、各ピクセル211、212、213、214ごとに2個のタップを含む代わりに、
図3のように、各ピクセル311、312、313、314の頂点のうちの一部に対応するようにタップ321、322、323、324、325が配置されることができる。例えば、ピクセルアレイ300は、前記単位ピクセルの頂点それぞれに対応するように配置された第1タップ321、第2タップ322、第3タップ323、および第4タップ324を含むことができ、前記単位ピクセルの内側に配置された第5タップ325を含むことができる。前記第5タップ325は、単位ピクセルの中心に対応するように配置されることができる。
【0048】
ピクセルアレイ300に含まれた各ピクセル311、312、313、314は、四角形の形状を有することができ、上左側、上右側、下左側、および下右側それぞれに4個の頂点領域を含むことができる。本開示では、各ピクセル311、312、313、314の上左側、上右側、下左側、および下右側に位置する頂点領域をそれぞれ第1頂点領域、第2頂点領域、第3頂点領域、および第4頂点領域と定義する。本開示において、頂点領域は、ピクセルの各頂点を含む領域を意味することができる。
【0049】
各ピクセル311、312、313、314で斜線方向に対向する2つの頂点領域(例えば、第1頂点領域と第4頂点領域、または第2頂点領域と第3頂点領域)それぞれにタップ321、322、323、324、325が配置されることができる。このとき、第1頂点領域と第4頂点領域とを結ぶ斜線方向を第1斜線方向と定義し、第2頂点領域と第3頂点領域とを結ぶ斜線方向を第2斜線方向と定義する。
図3を参照すると、いずれか1つのピクセル(例えば、第1ピクセル311)でタップ(例えば、第1タップ321と第5タップ325)が第1斜線方向に配置されると仮定すると、前記ピクセル(例えば、第1ピクセル311)の上、下、左、右に隣接するピクセル(例えば、第2ピクセル312)では、タップ(例えば、第2タップ322と第5タップ325)が第2斜線方向に配置されることができる。
【0050】
図3を参照すると、ピクセルアレイ300でロー方向またはカラム方向に沿って、タップ321、322、323、324、325は、連続する頂点領域ごとに配置されず、疎らに(sparsely)配置されてもよい。すなわち、ロー方向またはカラム方向に沿って、タップの配置された頂点領域とタップの配置されない頂点領域が交互に配置されてもよい。
【0051】
ピクセルアレイ300に含まれたタップ(例えば、第5タップ325)は、それぞれ制御ノード(例えば、330)および制御ノードを囲む検出ノード(例えば、331、332、333、334)を含むことができる。
図3では、制御ノード330の形状が円形であり、検出ノード331、332、333、334の形状が台形で例示されているが、本開示の権利範囲はこれに限定されない。
図3では、検出ノード331、332、333、334は、制御ノード330に隣接する辺が前記辺に対向する辺よりも短い台形の形状を有することができる。このような台形形状は、各検出ノード331、332、333、334が該当制御ノード330をできるだけ広い面積で囲むようにするためであり、このような形状を有する検出ノード331、332、333、334は、制御ノード330によって形成されるピクセル電流に沿って移動する光電荷をより容易にキャプチャすることができる。
【0052】
各タップ321、322、323、324、325の制御ノードは、単位ピクセルを構成する4個のピクセル311、312、313、314の中心(または、各ピクセルの頂点領域)に配置され、検出ノードは、制御ノードを中心に第1斜線方向または第2斜線方向に沿って互いに対向するように配置されることができる。また、各検出ノードは、制御ノードに隣接する4個のピクセルそれぞれに含まれるように配置されることができる。例えば、第5タップ325の制御ノード330は、ピクセル311、312、313、314の中心に配置され、各検出ノード331、332、333、334は、ピクセル311、312、313、314それぞれに含まれるように配置されることができる。
【0053】
図3に示すように、4個のピクセル311、312、313、314が1つの制御ノード330を共有することによって、
図2に示したように、各ピクセルごとに制御ノードを独立して含む場合に比べて、ピクセルアレイ300で必要な制御ノードの数は1/4に減少することができる。したがって、イメージセンサの電力消費が減少され、ピクセルアレイ300内でタップが占める容積が減少することができる。
【0054】
制御回路40は、イメージセンサの駆動モードに応じて、互いに異なる方式でピクセルアレイ300に変調電圧を提供することができる。第1モード(一般モード)および第2モード(ビニングモード)における制御回路40の動作については、
図4および
図5をそれぞれ参照して後述する。
【0055】
図4は、本発明の実施例によって、第1モードにおいてピクセルに提供される変調電圧を説明するための図である。
【0056】
第1モードにおいて、制御回路40は、ピクセル311、312、313、314それぞれに互いに180度の位相差を有する第1変調電圧および第2変調電圧を提供することができる。例えば、制御回路40は、第1タップ321、第2タップ322、第3タップ323、および第4タップ324には第1変調電圧を提供し、第5タップ325には第2変調電圧を提供することができる。
【0057】
第1ピクセル311の場合、制御回路40が第1タップ321および第5タップ325にそれぞれ第1変調電圧および第2変調電圧を印加する場合、第1ピクセル311内に生成された光電荷は、ピクセル電流によって第1タップ321の検出ノードおよび第5タップ325の検出ノード331でキャプチャされることができる。
図4に示す矢印は、ピクセル内に発生されたピクセル電流によって光電荷が移動する方向を示すことができる。読み出し回路45は、第1タップ321と第5タップ325を読み出して外部物体1との距離を測定することができる。
【0058】
同様に、第2ピクセル312の場合、制御回路40が第2タップ322および第5タップ325にそれぞれ第1変調電圧および第2変調電圧を印加する場合、第2ピクセル312内に生成された光電荷は、ピクセル電流によって第2タップ322の検出ノードおよび第5タップ325の検出ノード332でキャプチャされることができる。読み出し回路45は、第2タップ322と第5タップ325を読み出して外部物体1との距離を測定することができる。第3ピクセル313と第4ピクセル314に対しても該当内容を適用できる。
【0059】
電子装置100は、イメージセンサを第1モード(一般モード)で駆動することによって、ピクセルアレイ30に含まれたピクセル35の数に対応するピクセルデータを取得することができる。すなわち、電子装置100は、第1モードにおいてピクセルアレイ30の解像度に対応する深度イメージデータを取得することができる。本開示において、ピクセルアレイ30の解像度に対応するピクセルデータは、第1タイプのピクセルデータと呼ぶことができる。
【0060】
図5は、本発明の実施例によって、第2モードにおいてピクセルに提供される変調電圧を説明するための図である。
【0061】
第2モードにおいて、制御回路40は、ピクセル311、312、313、314のうちのいずれか1つのピクセル(例えば、第1ピクセル311)には前記第1変調電圧を提供し、他のピクセル(例えば、第4ピクセル314)には前記第2変調電圧を印加することができる。制御回路40は、単位ピクセルに含まれたピクセルのうちのいずれか2個のピクセルにそれぞれ第1変調電圧と第2変調電圧を提供することができる。例えば、制御回路40は、第1ピクセル311の上左側の頂点領域に配置された第1タップ321には第1変調電圧を提供し、第4ピクセル314の下右側の頂点領域に配置された第4タップ324には第2変調電圧を提供することができる。このとき、制御回路40は、第2タップ322、第3タップ323、および第5タップ325はフローティング(floating)させることができる。
【0062】
制御回路40が第1タップ321に第1変調電圧を印加し、第4タップ324に第2変調電圧を印加し、第2タップ322、第3タップ323、および第5タップ325はフローティングさせる場合、第1ピクセル311、第2ピクセル312、第3ピクセル313、および第4ピクセル314で生成された光電荷は、第1タップ321および第4タップ324によってキャプチャされることができる。読み出し回路45は、第1タップ321および第4タップ324を読み出して外部物体1との距離を測定することができる。
【0063】
本開示において、第2モードで動作する制御回路40は、タップのうちの一部タップをフローティングさせることができ、このとき、フローティングさせるという意味は、該当タップに変調電圧などの駆動信号を提供しないことを意味することができる。制御回路40が一部タップ(例えば、第1タップ321、第4タップ324)には変調電圧を印加し、残りのタップ(例えば、第2タップ322、第3タップ323、第5タップ325)には変調電圧を印加しない場合、第1ピクセル311、第2ピクセル312、第3ピクセル313、および第4ピクセル314を含む単位ピクセル内で生成された光電荷は、第1タップ321および第4タップ324によってキャプチャされ、第2タップ322、第3タップ323、および第5タップ325によってはキャプチャされないことができる。すなわち、
図4に示された第1モードと
図5に示された第2モードを比較すると、第1モードでは、光電荷がピクセル内で移動し、キャプチャされるのに対して、第2モードでは、光電荷がピクセルの境界を越えて単位ピクセル内で移動し、キャプチャされることができる。
【0064】
電子装置100は、イメージセンサを第2モード(ビニングモード)で駆動することによって、ピクセルアレイ30に含まれたピクセル35に比べて少ない数に対応するピクセルデータを取得することができる。すなわち、電子装置100は、第2モードにおいてピクセルアレイ30の解像度よりも低い解像度の深度イメージデータを取得することができる。例えば、2×2アレイに配列された4個のピクセルが一つの単位ピクセルを形成する場合、電子装置100は、第2モードにおいてピクセルアレイ30の解像度よりも1/4ほど低い解像度の深度イメージデータを取得することができる。本開示において、ピクセルアレイ30の解像度よりも低い解像度に対応するピクセルデータは、第2タイプのピクセルデータと呼ぶことができる。
【0065】
従来のイメージセンサは、ビニングモードで動作する際にも一般モードと同様にすべてのタップに変調電圧を提供した。イメージセンサは、単位ピクセルを形成する4個のピクセルそれぞれに第1変調電圧および第2変調電圧を印加し、すべてのタップを読み出して、変調電圧の印加に応じてキャプチャされる光電荷に対応するピクセルデータを取得した。イメージセンサは、ピクセルデータのビニングのために、4個のピクセルからそれぞれ取得されたピクセルデータを平均演算したり、合算したりすることで、ビニングされた深度イメージデータを取得した。このとき、イメージセンサが変調電圧を印加するノード間の距離は、例えば第1タップ321と第5タップ325との間の距離、すなわち√2・dに該当することができる。
【0066】
これとは異なり、本開示によれば、第2モード(ビニングモード)において変調電圧が印加されるノード(例えば、第1タップ321の制御ノードおよび第4タップ324の制御ノード)間の距離を従来に比べて2倍に増加させることができる。例えば、制御回路40が第2モードにおいて変調電圧を印加するノード間の距離は、第1タップ321と第4タップ324との間の距離、すなわち2√2・dに該当することができる。
【0067】
制御回路40が変調電圧を印加するノード間の距離が短くなるほど、前記変調電圧によってピクセル内に流れるピクセル電流の強度は増加することができる。ピクセル電流は、一定レベル以上発生する場合、イメージセンサ(または、TOFセンサ)の電源消費量が増加したり、印加される電圧間の差に比べて光電荷がキャプチャされる効率が低下したりするという問題がある。例えば、制御回路40が互いに1.2Vの差が出るように変調電圧を提供しても、ピクセル内に発生されたピクセル電流によって前記電圧差が相殺され、キャプチャ効率が低下し得る。したがって、本開示によれば、制御回路40が第2モードにおいて変調電圧を印加するノード間の距離が従来に比べて増加することによって、ピクセル内に発生されるピクセル電流の強度を減少させることができる。また、ピクセル内に流れるピクセル電流が減少するにつれてIRドロップが減って、イメージセンサの電源消費量が減少し、光電荷がキャプチャされる効率が増加し、制御回路40(例えば、復調ドライバ42)の駆動能力が向上し、イメージセンサの距離測定性能が向上することができる。また、本開示によれば、イメージセンサのピクセル35の大きさはdに維持しながらも、第2モードではピクセルの大きさが2dのピクセルを利用するようにピクセル電流を低減できるという効果が現れる。
【0068】
また、従来のイメージセンサでは、第2モードにおいてすべてのタップを読み出した後、別途に平均演算または合算を進行するデジタルビニング動作が要求されていたが、本開示によれば、変調電圧が印加される一部タップだけを読み出すので、別途のビニング動作が省略可能である。これによって、デジタルビニングと関連するハードウェアを省略できるという効果も現れる。
【0069】
図2及び
図5で説明された第2モード(ビニングモード)に関して、制御回路40は、第1変調電圧や第2変調電圧が提供されないタップをフローティングさせると説明したが、その他にも様々な実施例が可能である。例えば、制御回路40は、
図2で変調電圧が印加されるタップ以外のタップや、
図5の第2タップ322、第3タップ323、および第5タップ325をフローティングさせる代わりに、V
SSを印加するか、特定の強度の電圧を印加することもできる。
【0070】
図6は、本発明の実施例によって、ピクセルに変調電圧を伝達する信号線を説明するための図である。
【0071】
図6は、制御回路40が
図5で説明された方式で動作するためにピクセルアレイ300に配置されるべき信号線の例を示す。
図6で説明される内容は、本開示による第2モード(ビニングモード)動作のための信号線の一つの例示に該当するので、本開示の権利範囲を限定しない。
【0072】
制御回路40(例えば、復調ドライバ42)は、ピクセルアレイ300の基板内にピクセル電流(pixel current)(例えば、ホール電流)を発生させるための駆動信号(drive signal)を生成および出力することができる。復調ドライバ42は、ピクセルアレイ300に含まれたピクセルに提供するための変調電圧を生成することができる。復調ドライバ42は、ピクセルアレイ300の1カラム当たり少なくとも1個の信号線を利用して、ピクセルに前記生成された変調電圧を提供することができる。
【0073】
図6を参照すると、制御回路40(例えば、復調ドライバ42)は、信号線601、602、603、604、605、606、607,608、609、610、611、612、613、614のうちの少なくとも一部を介してピクセルに変調電圧を提供することができる。例えば、イメージセンサは、ピクセルアレイ300の1カラムごとに2個ずつ配置された信号線を含むことができる。復調ドライバ42は、信号線を介してタップに変調電圧を印加することができる。
【0074】
第1モードにおいて、制御回路40(例えば、復調ドライバ42)は、信号線601、602、605、606、609、610、613、614を介してタップに第1変調電圧を伝達し、信号線603、604、607、608、611、612を介してタップに第2変調電圧を伝達することができる。
【0075】
第2モードにおいて、制御回路40(例えば、復調ドライバ42)は、信号線601、609を介してタップ(例えば、第1タップ321)に第1変調電圧を伝達することができ、信号線605、613を介してタップ(例えば、第4タップ324)に第2変調電圧を伝達することができる。第2モードにおいて、制御回路40(例えば、復調ドライバ42)は、信号線602、603、604、606、607、608、610、611、612、614を介しては変調電圧を伝達しないことができる。
【0076】
図6は、制御回路40が第2モードにおいて第1変調電圧および第2変調電圧を出力する様子を示すものと理解できる。本開示によれば、制御回路40は、第2モードにおいて同じ縦線上のタップのうちの一部には変調電圧を提供し、他の一部には変調電圧を提供しないことができる。例えば、
図5を参照すると、制御回路40は、同じ縦線上に配置された第1タップ321と第3タップ323のうち、第1タップ321には第1変調電圧を提供し、第3タップ323には変調電圧を提供しないことができる。したがって、ピクセルアレイ300には、1カラム当たり2個の信号線が配置されることができる。
【0077】
図6で説明された信号線601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614は、読み出し回路45がピクセルアレイ300のピクセルを読み出すためのカラムラインとは別個に配置された構成であり得る。
【0078】
図7は、本発明の実施例によって、第1モードにおいてピクセルを読み出す方式を説明するための図である。
【0079】
読み出し回路45は、ピクセルアレイ30に含まれた複数のロー(row)の中からロードライバ41によって選択された1つのローを読み出すことができる。
図7を参照すると、読み出し回路45は、複数のADC(analog-digital converter)を含むことができる。読み出し回路45に含まれたADCは、ピクセルアレイ30の1カラムごとに2個ずつ連結されるように配置されることができる。例えば、ピクセルアレイ30が
図2のピクセルアレイ200と同じ構造である場合、ADC_A701およびADC_B702は、それぞれ第1タップ221の検出ノード232および第2タップ222の検出ノード234に連結されるとして理解できる。他の例では、ピクセルアレイ30が
図3のピクセルアレイ300と同じ構造である場合、ADC_A701は、第1タップ321の検出ノードの中から第1ピクセル311に含まれた検出ノードに連結され、ADC_B702は、第5タップ325の検出ノード331に連結されるとして理解できる。
【0080】
参照番号710を参照すると、ロードライバ41は、ピクセルアレイ30の中からいずれか1つのローライン(例えば、Row#0)を選択でき、読み出し回路45は、前記選択されたローライン(例えば、Row#0)に対応するピクセル(または、タップ)を読み出すことができる。参照番号720を参照すると、ロードライバ41は、ピクセルアレイ30の中からいずれか1つのローライン(例えば、Row#1)を選択でき、読み出し回路45は、前記選択されたローライン(例えば、Row#1)に対応するピクセル(または、タップ)を読み出すことができる。同様に、参照番号730を参照すると、ロードライバ41は、ピクセルアレイ30の中からいずれか1つのローライン(例えば、Row#2)を選択でき、読み出し回路45は、前記選択されたローライン(例えば、Row#2)に対応するピクセル(または、タップ)を読み出すことができる。同様に、参照番号740を参照すると、ロードライバ41は、ピクセルアレイ30の中からいずれか1つのローライン(例えば、Row#3)を選択でき、読み出し回路45は、前記選択されたローライン(例えば、Row#3)に対応するピクセル(または、タップ)を読み出すことができる。
【0081】
図8は、本発明の実施例によって、第2モードにおいてピクセルを読み出す方式を説明するための図である。
【0082】
読み出し回路45は、ピクセルアレイ30に含まれた複数のロー(row)の中からロードライバ41によって選択された1つ以上のローを読み出すことができる。例えば、第2モードにおいて読み出し回路45は、複数のローの中からロードライバ41によって選択された2つのローを一緒に読み出すことができる。
【0083】
参照番号810を参照すると、ロードライバ41は、ピクセルアレイ30の中から連続する2個のローライン(例えば、Row#0とRow#1)を選択でき、読み出し回路45は、前記選択されたローライン(例えば、Row#0とRow#1)に対応するピクセル(または、タップ)を読み出すことができる。このとき、読み出し回路45は、選択されたローライン(例えば、Row#0とRow#1)に含まれたすべてのタップ(または、検出ノード)を読み出す代わりに、一部タップ(または、検出ノード)のみを読み出すことができる。例えば、参照番号810において、Row#0、Row#1とCol#0、Col#1に該当する4個のピクセルに含まれた8個のタップ(または、検出ノード)の中から、読み出し回路45は、2個のタップ(または、検出ノード)のみを読み出すことができる。読み出し回路45が読み出す2個のタップ(または、検出ノード)は、変調電圧の印加に応じて光電荷がキャプチャされたタップ(または、検出ノード)に対応することができる。参照番号820、830、および840でも、ロードライバ41によって選択されるローラインを変更する以外は、参照番号810で説明された内容を適用できる。
【0084】
図9は、本発明の実施例によって、モードに応じて互いに異なる方式で変調電圧を提供する方法の流れを説明するための図である。
図9で説明されるステップは、電子装置100または電子装置100に含まれたイメージセンサによって実行されるとして理解され得る。
【0085】
ステップS910において、電子装置100は、光源10を介して第1位相に対応する変調光を出力することができる。
【0086】
ステップS920において、電子装置100は、2個以上のピクセルを介して、前記変調光が外部物体1によって反射された反射光から光電荷を生成することができる。例えば、ピクセルアレイ30(例えば、ピクセルアレイ200、ピクセルアレイ300)に反射光が入射される場合、前記反射光の強度に比例する光電荷が基板内に発生することができる。
【0087】
ステップS930において、電子装置100は、イメージセンサ(または、TOFセンサ)の駆動モードを決定することができる。例えば、電子装置100は、イメージセンサを第1モード(一般モード)で駆動するか、または第2モード(ビニングモード)で駆動するか否かを決定することができる。電子装置100は、撮影環境(例えば、照度)やズーム倍率、要求される距離測定の正確度など様々な条件を考慮してイメージセンサの駆動モードを決定することができる。
【0088】
ステップS940において、電子装置100は、第1モード(一般モード)においてピクセルそれぞれに第1位相に対応する第1変調電圧、および第1変調電圧と180度の位相差を有する第2変調電圧を提供することができる。例えば、電子装置100は、各ピクセル内で光電荷が移動およびキャプチャされるように、各ピクセルごとに第1変調電圧と第2変調電圧を印加することができる。
【0089】
ステップS950において、電子装置100は、第2モードにおいてピクセルのうち第1ピクセルには前記第1変調電圧を提供し、ピクセルのうち第2ピクセルには前記第2変調電圧を提供することができる。例えば、電子装置100は、単位ピクセルに含まれた2個以上のピクセルのうちのいずれか1つのピクセルには第1変調電圧を提供し、もう1つのピクセルには第2変調電圧を提供することができる。
【0090】
ステップS960において、電子装置100は、第1変調電圧および第2変調電圧によってキャプチャされた光電荷を利用して外部物体1との距離を識別することができる。電子装置100は、前記キャプチャされた光電荷に対応するピクセルデータを利用して変調光と反射光との間の位相差を計算することができ、前記位相差を利用して外部物体1との距離を測定することができる。
【符号の説明】
【0091】
300 ピクセルアレイ
311 第1ピクセル
312 第2ピクセル
313 第3ピクセル
314 第4ピクセル
321 第1タップ
322 第2タップ
323 第3タップ
324 第4タップ
325 第5タップ