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特開2024-82241分割された選択ラインを含む半導体集積回路装置及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082241
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】分割された選択ラインを含む半導体集積回路装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20240612BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023193125
(22)【出願日】2023-11-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0169938
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク ジン ス
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER23
5F083GA06
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA20
5F083PR05
5F083PR06
5F083PR36
5F083ZA28
5F101BA45
5F101BB02
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BH09
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】分割された選択ラインを含む半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置は、第1の方向に沿って交互に積層される複数の絶縁膜及び複数の導電層を含む積層構造体と、前記複数の導電層の少なくとも一つの選択導電層、及び前記選択導電層と隣接している前記複数の絶縁膜を分割するように構成される分離構造体と、前記分離構造体と離隔して配置され、前記積層構造体内に形成される複数のチャンネル構造体と、前記分離構造体と一部が接し、前記積層構造体内に形成される少なくとも一つの境界チャンネル構造体と、を含むことができる。前記分離構造体により分割された前記選択導電層の切断面は、前記分離構造体により分割された前記複数の絶縁膜の切断面よりも、前記分離構造体の中心からさらに遠く位置し得る。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に沿って交互に積層される複数の絶縁膜及び複数の導電層を含む積層構造体と、
前記複数の導電層の少なくとも一つの選択導電層、及び前記選択導電層と隣接している前記複数の絶縁膜を分割するように構成される分離構造体と
前記分離構造体と離隔して配置され、前記積層構造体内に形成される複数のチャンネル構造体と、
前記分離構造体と一部が接し、前記積層構造体内に形成される少なくとも一つの境界チャンネル構造体と、を含み、
前記分離構造体により分割された前記選択導電層の切断面は、前記分離構造体により分割された前記複数の絶縁膜の切断面よりも、前記分離構造体の中心からさらに遠く位置する、半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記複数のチャンネル構造体及び前記境界チャンネル構造体の各々は、第1の方向に沿って延長される第1の導電型チャンネル層を含む、請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記境界チャンネル構造体の前記チャンネル層の濃度は、前記複数のチャンネル構造体の前記チャンネル層の濃度と異なる、請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記複数の導電層は、少なくとも一つのワードライン及び前記ワードラインの上部に位置する少なくとも一つのドレイン選択ラインを含み、
前記選択導電層は、前記少なくとも一つのドレイン選択ラインを含む、請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記複数のチャンネル構造体の各々は、
前記複数の絶縁膜及び前記複数の導電層を貫通するように形成される円筒状のチャンネル層と、
前記チャンネル層の外周に形成されるメモリ膜と、
前記チャンネル層の上部に、前記チャンネル層と電気的に連結するように形成されるキャッピングパターンと、を含む、請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記境界チャンネル構造体は、
前記複数の絶縁膜及び前記複数の導電層を貫通するように形成されるチャンネル層と、
前記チャンネル層の上部に形成されるメモリ膜と、
前記チャンネル層の外周に形成されるキャッピングパターンと、を含み、
前記境界チャンネル構造体の前記チャンネル層、前記メモリ膜及び前記キャッピングパターンの所定部分等は、前記分離構造体と直接接触される、請求項5に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記複数のチャンネル構造体及び前記境界チャンネル構造体の前記キャッピングパターン等の各々は、第1の導電型の前記チャンネル層と反対である第2の導電型不純物を有する半導体層を含む、請求項6に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
少なくとも一つのソース選択ライン、複数のワードライン、及び少なくとも一つのドレイン選択ラインの各々が、絶縁膜を挟んで第1の方向に積層されて構成される積層構造体と、
前記ソース選択ライン、前記複数のワードライン、及び前記ドレイン選択ラインと対向するように、前記積層構造体内に前記第1の方向に沿って延長される円筒状のチャンネル層を各々含む複数のチャンネル構造体と、
前記積層構造体内に形成され、前記ドレイン選択ラインを複数個に分離するように、前記複数のチャンネル構造体の少なくとも一つと接するように形成される分離構造体と、を含み、
前記分離構造体と直接的に接する前記ドレイン選択ラインの切断面、前記ドレイン選択ラインと隣接している前記絶縁膜の切断面、及び前記チャンネル構造体の切断面が提供され、
前記ドレイン選択ラインの切断面は、前記チャンネル構造体の切断面よりも、前記分離構造体の中心線を基準としてさらに遠く位置し、
前記分離構造体と接する前記チャンネル構造体の前記チャンネル層の不純物の濃度は、前記分離構造体と離隔した前記複数のチャンネル構造体の前記チャンネル層の不純物の濃度と異なる、半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記分離構造体と接する前記チャンネル構造体の前記チャンネル層の不純物の濃度は、前記分離構造体と離隔した前記複数のチャンネル構造体の前記チャンネル層の不純物の濃度よりも相対的に高い、請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
前記絶縁膜の切断面は、前記ドレイン選択ラインの切断面よりも、前記分離構造体の中心線を基準としてさらに近く位置する、請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項11】
前記ドレイン選択ラインは、前記第1の方向と交差する第2の方向に延長され、
前記分離構造体の平面構造は、前記第2の方向と交差する第3の方向に沿って延長され、前記第2の方向に延長される前記ドレイン選択ラインを分割し、
前記分離構造体の深さは、前記積層構造体の上部表面から、前記ドレイン選択ラインの底面までの長さを有する、請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項12】
前記複数のチャンネル構造体の各々は、
前記円筒状のチャンネル層の外周に形成されるメモリ膜と、
前記円筒状のチャンネル層内の下部空間に形成されるコア絶縁膜と、
前記円筒状のチャンネル内の上部空間に相当する前記コア絶縁膜の上部に形成されるキャッピングパターンと、を含む、請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項13】
前記チャンネル層は、前記コア絶縁膜の外周に位置する第1のチャンネル領域と、前記キャッピングパターンの外周に位置する第2のチャンネル領域と、を含み、
第1のチャンネル領域は、第1の導電型不純物を含む、請求項12に記載の半導体集積回路装置。
【請求項14】
前記キャッピングパターン及び前記第2のチャンネル領域は、第1の導電型と反対である第2の導電型不純物を含む半導体層を含む、請求項13に記載の半導体集積回路装置。
【請求項15】
複数の絶縁膜及び複数の導電層を交互に積層して、少なくとも一つのソース選択ライン、複数のワードライン及び少なくとも一つのドレイン選択ラインを含む積層構造体を形成するステップと、
前記積層構造体内に、円筒状のチャンネル層を各々含む複数のチャンネル構造体を形成するステップと、
前記積層構造体の前記ドレイン選択ライン及び前記複数のチャンネル構造体の少なくとも一つの一部を除去して、前記積層構造体内に分離ホールを形成するステップと、
前記分離ホールの側壁から露出された前記ドレイン選択ラインの切断面を所定の長さだけリセスするステップと、
前記分離ホールの側壁から露出された前記チャンネル構造体のチャンネル層に、第1の導電型不純物を選択的に注入するステップと、
前記分離ホール内に埋め込み絶縁膜を充填して、分離ホールを形成するステップと、を含む、半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項16】
前記チャンネル構造体を形成するステップは、
前記積層構造体を貫通するチャンネルホールを形成するステップと、
前記チャンネルホールの側壁に沿ってメモリ膜を形成するステップと、
前記メモリ膜の側壁に沿って第1の濃度の第1の導電型不純物を含むチャンネル層を形成するステップと、
前記チャンネル層で取り囲まれた前記チャンネルホール内にコア絶縁膜を充填するステップと、
前記チャンネルホール内の前記コア絶縁膜の上部に、第1の導電型と反対である第2の導電型不純物を含む半導体層を埋め込み、キャッピングパターンを形成するステップと、を含む、請求項15に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項17】
第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型である、請求項15に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置及びその製造方法に関し、より詳しくは、分割された選択ラインを含む半導体集積回路装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ装置の集積度を向上させるための方案として、3次元半導体メモリ装置が導入された。3次元半導体メモリ装置は、複数のメモリセルを3次元的に配列して、基板の単位面積当たりメモリセルが占有する面積を減少させることにより、集積度を向上させるための努力を持続している。
【0003】
代表的な3次元メモリ装置である3Dナンド(NAND)メモリ装置は、限定された空間、例えば、メモリブロック内により多くの数のメモリセルストリング(memory cell string)が配置されることが要求されている。さらに、当該メモリブロック内に集積されたメモリセルストリングの選択的な駆動のために、メモリブロックの構成要素の一つである選択ライン等の分割が要求されている。
【0004】
最近、選択ラインの分割のために、積層構造体内に所定の深さの分離構造体を形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例等は、動作信頼性及び集積度を改善できる半導体集積回路装置及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置は、第1の方向に沿って交互に積層される複数の絶縁膜及び複数の導電層を含む積層構造体と、前記複数の導電層の少なくとも一つの選択導電層、及び前記選択導電層と隣接している前記複数の絶縁膜を分割するように構成される分離構造体と、前記分離構造体と離隔して配置され、前記積層構造体内に形成される複数のチャンネル構造体と、前記分離構造体と一部が接し、前記積層構造体内に形成される少なくとも一つの境界チャンネル構造体と、を含むことができる。前記分離構造体により分割された前記選択導電層の切断面は、前記分離構造体により分割された前記複数の絶縁膜の切断面よりも、前記分離構造体の中心からさらに遠く位置し得る。
【0007】
前記複数のチャンネル構造体及び前記境界チャンネル構造体の各々は、前記第1の方向に沿って延長される第1の導電型チャンネル層を含むことができる。
【0008】
例示的な実施例として、前記境界チャンネル構造体の前記チャンネル層の濃度は、前記複数のチャンネル構造体の前記チャンネル層の濃度と異なることができる。
【0009】
本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置は、少なくとも一つのソース選択ライン、複数のワードライン、及び少なくとも一つのドレイン選択ラインの各々が、絶縁膜を挟んで第1の方向に積層されて構成される積層構造体と、前記ソース選択ライン、前記複数のワードライン、及び前記ドレイン選択ラインと対向するように、前記積層構造体内に、前記第1の方向に沿って延長される円筒状のチャンネル層を各々含む複数のチャンネル構造体と、第1の方向と垂直をなす第2の方向に延長される前記ドレイン選択ライン、及び前記複数のチャンネル構造体の少なくとも一つの一部を切断するように構成される分離構造体と、を含むことができる。前記ドレイン選択ラインの切断面は、前記分離構造体により切断された前記チャンネル構造体の切断面よりも、前記分離構造体の中心線を基準として外側に位置し得る。前記分離構造体により一部が切断された前記チャンネル構造体の前記チャンネル層の不純物の濃度は、前記分離構造体と離隔した前記複数のチャンネル構造体の前記チャンネル層の不純物の濃度よりも、相対的に高いことができる。このとき、前記分離構造体により切断される前記絶縁膜の切断面は、前記ドレイン選択ラインの切断面よりも、前記分離構造体の中心線を基準としてさらに内側に位置し得る。
【0010】
前記分離構造体の平面は、前記第2の方向と交差する第3の方向に沿って延長され、前記分離構造体の深さは、前記メモリブロックの上部表面から前記ドレイン選択ラインの底面までの長さを有することができる。
【0011】
前記複数のチャンネル構造体の各々は、前記円筒状のチャンネル層の外周を取り囲むように構成されるメモリ膜と、前記円筒状のチャンネル層内の下部空間に充填されるコア絶縁膜と、前記円筒状のチャンネル層内の前記コア絶縁膜の上部に位置し、前記円筒状のチャンネル層とコンタクトされるキャッピングパターン(capping pattern)と、を含むことができる。
【0012】
前記チャンネル層は、第1の導電型不純物を含む半導体層を含み、前記キャッピングパターンは、前記第1の導電型と反対である第2の導電型不純物を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法は、次の通りである。まず、複数の絶縁膜及び複数の導電層を交互に積層し、少なくとも一つのソース選択ライン、複数のワードライン及び少なくとも一つのドレイン選択ラインを含む積層構造体を形成できる。前記積層構造体内に、円筒状のチャンネル層を各々含む複数のチャンネル構造体を形成できる。前記積層構造体の前記ドレイン選択ライン及び前記複数のチャンネル構造体の少なくとも一つの一部が切断されるように、前記積層構造体内に分離ホールを形成できる。前記分離ホールの側壁から露出された前記ドレイン選択ラインを所定の長さだけリセス(recess)できる。前記分離ホールの側壁から露出された前記切断されたチャンネル構造体のチャンネル層に、第1の導電型不純物を選択的に注入できる。前記分離ホール内に埋め込み絶縁膜を充填して分離構造体を形成できる。
【発明の効果】
【0014】
本実施例等によれば、分離構造体を形成する際に、導電層及び絶縁膜間のエッチング不均一により、分離構造体の側壁面から露出された導電層等(例えば、ドレイン選択ライン用導電層等)を所定の長さだけリセスさせることができる。これにより、分離構造体の側壁面に発生し得るダメージを減少させることができる。
【0015】
また、分離構造体により切断された境界チャンネル構造体のチャンネル層にホウ素イオン(boron ion)を注入して、境界チャンネル構造体と連結される選択トランジスタの特性を補償できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係る3次元半導体メモリ装置のメモリブロックの一例を示す概略回路図である。
図2】本発明の一実施例に係るメモリブロックを示す概略平面図である。
図3図2のI-I'線に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施例に係るチャンネル構造体を示す平面図である。
図5】本発明の一実施例に係る分離構造体を備える境界チャンネル構造体を示す平面図である。
図6】本発明の一実施例に係る分離ホールの形成直後の分離ホールを示す概略断面図である。
図7】本発明の一実施例に係るリセス工程の遂行後の分離ホールを示す概略断面図である。
図8】本発明の一実施例に係る分離構造体を備える境界チャンネル構造体を示す平面図である。
図9】本発明の一実施例に係る境界チャンネル構造体を示す概略斜視図である。
図10a】本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための各工程別断面図である。
図10b】本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための各工程別断面図である。
図10c】本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための各工程別断面図である。
図10d】本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための各工程別断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の利点や特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述する実施例等を参照すれば明確になる。しかしながら、本発明は、以下で開示している実施例等に限定されず、互い異なる多様な形態で具現化できる。ただし、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明のカテゴリを正確に認識させるために提供されるものであり、本発明は請求の範囲のカテゴリにより定義されるだけである。図において、層及び領域の大きさ及び相対的な大きさは、説明の明瞭性のために誇張されたものであり得る。明細書の全般に渡り、同じ参照符号は同じ構成要素を称する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る3次元半導体メモリ装置のメモリブロックの一例を示す概略回路図である。
【0019】
図1を参照すれば、3次元半導体メモリ装置は、メモリセルアレイ及びメモリセルアレイを駆動させるための制御回路ブロックを含むことができる。メモリセルアレイ及び制御回路ブロックは、水平的に配置されてもよく、垂直的に配置されてもよい。
【0020】
一実施例に係るメモリセルアレイは、少なくとも一つのメモリブロックBLKを含むことができる。例えば、メモリブロックBLKは、複数のメモリセルMC0~MCnを含むことができる。メモリブロックを構成する複数のメモリセルMC0~MCnは、単一の動作によりデータの削除(erase)を同時に遂行できる。
【0021】
メモリブロックBLKは、複数のワードラインWL0~WLn及び複数のビットラインBL0~BLmを含むことができ、複数のワードラインWL0~WLn及び複数のビットラインBL0~BLm間で複数のメモリセルが生成され得る。
【0022】
一実施例として、メモリブロックBLKは、複数のメモリセルストリングCSを含むことができる。各々のメモリセルストリングCSは、直列に連結された少なくとも一つのソース選択トランジスタSST1~SST3、複数のメモリセルMC0~MCn、及び少なくとも一つのドレイン選択トランジスタDST11~DST13、DST21~DST23を含むことができる。例示的な実施例として、少なくとも一つのソース選択トランジスタSST1~SST3、複数のメモリセルMC0~MCn、及び少なくとも一つのドレイン選択トランジスタDST11~DST13、DST21~DST23は、共通ソースラインCSL及びビットラインBL間に直列に連結され得る。一例として、メモリセルストリングCSを構成するソース選択トランジスタSST1~SST3、複数のメモリセルMC、及びドレイン選択トランジスタDST11~DST13は、一つのチャンネル層を共有できる。
【0023】
ソース選択トランジスタSST1~SST3のゲートは、ソース選択ラインSSLと連結されて駆動できる。複数のメモリセルMC0~MCnは、複数のワードラインWL0~WLnと各々連結されてデータを格納できる。ドレイン選択トランジスタDST11~DST13、DST21~DST23のゲートは、ドレイン選択ラインDSLと各々連結され得る。図1において、ソース選択ライン及びドレイン選択ラインの個数は、デバイスの仕様によって変更し得る。
【0024】
一実施例として、ビットラインBL0及び共通ソースラインCSL間に、第1のメモリセルストリングCS1及び第2のメモリセルストリングCS2が連結され得る。第1のメモリセルストリングCS1のメモリセルMC0~MCn及び第2のメモリセルストリングCS2のメモリセルMC0~MCnは、同じワードラインWL0~WLnにより制御されるため、第1のメモリセルストリングCS1及び第2のメモリセルストリングCS2は、互いに並列に連結され得る。
【0025】
同じビットライン(BL0~BLmの一つ)に連結された第1のメモリセルストリングCS1及び第2のメモリセルストリングCS2の同時駆動を防止するために、ドレイン選択ラインDSLは、第1のドレイン選択ライングループDSL1及び第2のドレイン選択ライングループDSL2に分割され得る。これにより、第1のメモリセルストリングCS1は、第1のドレイン選択ライングループDSL1により制御され、第2のメモリセルストリングCS2は、第1のドレイン選択ライングループDSL1と分離された第2のドレイン選択ラインDSL2により制御される。
【0026】
例示的な実施例として、第1のメモリセルストリングCS1及び第2のメモリセルストリングCS2の各々が、第1乃至第3のドレイン選択トランジスタDST11~DST13を含む場合、分割された第1及び第2のドレイン選択ライングループDSL1、DSL2は、第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcを各々含むことができる。
【0027】
一方、ビットラインBLは、それと連結されたメモリセルストリングCSのメモリ動作を遂行するための多様な電圧を受信できる。共通ソースラインCSLは、選択されたメモリセルストリングCSに格納されたデータをディスチャージするための電圧が提供され得る。例示的な実施例として、共通ソースラインCSLは、半導体基板に形成される導電ラインであるか、或いは、別の導電層を含むことができる。
【0028】
図2は、本発明の一実施例に係るメモリブロックを示す概略平面図である。図3は、図2のI-I'線に沿った断面図である。
【0029】
図2及び図3を参照すれば、メモリブロックBLKは、積層構造体ST、複数のチャンネル構造体CHP及び複数のビットラインBLを含むことができる。
【0030】
積層構造体STは、ソース選択ラインSSL、複数のワードラインWL0~WLn及びドレイン選択ラインDSLを、図面の第1の方向D1に沿って順次積層できる。ソース選択ラインSSL、複数のワードラインWL0~WLn及びドレイン選択ラインDSLは、絶縁膜を挟んで各々オーバーラップできる。
【0031】
例示的な実施例として、図面の第1の方向D1は、基板(図示せず)の上部表面に対して垂直方向又は積層方向として定義できる。第2の方向D2は、第1の方向D1に対して垂直をなす基板の上部表面と平行な方向の一つとして、例えば、ロー(row)方向に相当し得る。第3の方向D3は、基板の上部表面と平行な方向の一つとして、第1の方向D1及び第2の方向D2に対して垂直をなすコラム(column)方向に相当し得る。以下の実施例において、「平面」とは、第2の方向D2及び第3の方向D3に各々延長される面を指すことができる。また、第1乃至第3の方向D1~D3に各々延長される平面等により、メモリ装置の3次元的構造が限定される。
【0032】
例示的な実施例として、ソース選択ラインSSLは、例えば、第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa、SSLb、SSLcを含むことができ、ドレイン選択ラインDSLは、例えば、第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa、DSLb、DSLcを含むことができる。第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa~SSLc、複数のワードラインWL0~WLn、第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcは、各々第1の絶縁膜110を挟んで交互に順次積層できる。第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa~SSLc、複数のワードラインWL0~WLn、第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcは、例えば、第2及び第3の方向D2、D3に各々延長され得る。
【0033】
例示的な実施例として、メモリセルMC0~MCnを選択する複数のワードラインWL0~WLnは、第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa~SSLc、及び第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcよりも、高い電圧を伝達できる。これにより、複数のワードラインWL0~WLnの厚さは、第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa~SSLcの厚さ、及び第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの厚さよりも、大きいことができる。
【0034】
第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa~SSLc、複数のワードラインWL0~WLn、及び第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの各々は、少なくとも一つの導電薄膜を含むことができる。他の一例として、第1乃至第3のサブソース選択ラインSSLa~SSLc、複数のワードラインWL0~WLn、及び第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの各々は、バリア膜及び導電薄膜の積層膜を含むことができる。導電薄膜は、タングステン(W)のような金属膜であり得るが、タングステンの以外に多様な金属膜を使用してもよい。
【0035】
積層構造体STは、スリット構造体SIにより区画され、メモリブロックBLKを限定できる。スリット構造体SIは、例えば、絶縁プラグ形状を有することのできるが、これに限定されるものではない。
【0036】
また、本実施例の積層構造体STは、ドレイン選択ラインDSL及びビットライン間を絶縁させるための少なくとも一つの層間絶縁膜をさらに含むことができる。
【0037】
一実施例として、積層構造体STは、第1及び第2の層間絶縁膜120、165を含むことができ、第1及び第2の層間絶縁膜120、165は、第1の絶縁膜110の厚さよりも大きい厚さを有することができる。
【0038】
例えば、第1の層間絶縁膜120は、複数のチャンネル構造体CHPの上部領域を取り囲むように構成できる。第2の層間絶縁膜165は、チャンネル構造体CHPの上部表面及びビットラインBLを連結させるためのコンタクトプラグCTを含むことができる。
【0039】
ビットラインBLは、例えば、第2の方向D2に沿って複数個が一定の間隔を置いて平行に配列され得る。例えば、一つのチャンネル構造体CHP上に複数のビットラインBLa、BLb、BLcをオーバーラップできるが、オーバーラップされる複数のビットラインBLa、BLb、BLcの一つとコンタクトプラグCTにより電気的に連結され得る。
【0040】
複数のチャンネル構造体CHPは、積層構造体ST内に形成できる。例示的な実施例として、複数のチャンネル構造体CHPは、互いに最小線幅を保持しながら、できるだけ多くの数で積層構造体ST内に集積できる。本実施例のチャンネル構造体CHPは、図2に示すように、最大個数が集積されるように、第2の方向D2及び第3の方向D3の各々に対して多様な規則により配列できる。各々のチャンネル構造体CHPは、積層構造体STを垂直に貫通するように形成できる。
【0041】
図4は、本発明の一実施例に係るチャンネル構造体を示す平面図である。参考として、図4は、ビットラインを省略した図2のA部分の平面構造である。
【0042】
チャンネル構造体CHPの各々は、積層構造体ST内に円筒状で形成できる。チャンネル構造体CHPは、積層構造体ST内を貫通するように形成された円筒状のチャンネルホールH1内に具備できる。各々のチャンネル構造体CHP及びその外周に位置した積層構造体STの導電層等(例えば、ソース選択ライン、ワードライン及びドレイン選択ライン)が、図1のメモリセルストリングを構成できる。
【0043】
各々のチャンネル構造体CHPは、図3及び図4に示すように、メモリ層130、チャンネル層140、コア絶縁膜145及びキャッピングパターン150を含むことができる。
【0044】
メモリ層130は、チャンネル構造体CHPが形成されるチャンネルホールH1の側壁面に沿って形成できる。メモリ層130は、ブロッキング絶縁膜132、データ格納膜134及びトンネル絶縁膜136を含むことができる。ブロッキング絶縁膜132は、チャンネルホールH1の内側壁に沿って形成できる。データ格納膜134は、ブロッキング絶縁膜132の内側表面に沿って形成できる。データ格納膜134は、ファウラーノルドハイム(Fowler-Nordheim)方式により電荷を格納できる物質膜、例えば、電荷トラップ膜(charge trap film)を含むことができる。或いは、データ格納膜134は、対応する導電層(例えば、ソース選択ライン、ワードライン又はドレイン選択ライン)及びチャンネル層140の電界により抵抗特性が可変する物質であり得る。一実施例として、データ格納膜134は、シリコン窒化膜、相変化物質膜又はナノドット(nanodot)物質を含むことができる。トンネル絶縁膜136は、データ格納膜134の内側壁に沿って形成できる。トンネル絶縁膜136は、対応する導電層に電圧が印加される際に、電荷がトンネルリングできる厚さで形成できる。例示的な実施例として、ブロッキング絶縁膜132及びトンネル絶縁膜136は、シリコン酸化膜で形成できる。
【0045】
チャンネル層140は、メモリ層130の内側壁に沿って形成できる。これにより、チャンネル層140もチャンネルホールH1のような円筒状で構成できる。チャンネル層140は、半導体層を含むことができる。例示的な実施例として、チャンネル層は、導電型不純物を含む半導体層を含むことができる。半導体層は、シリコン、ポリシリコン又はシリコンゲルマニウムを含むことができる。チャンネル層140は、第1の濃度を有する第1の導電型不純物、例えば、p型不純物を含むことができる。第1の導電型不純物は、例えば、ホウ素(B)を含むことができる。チャンネル層140の第1の導電型不純物の濃度は、メモリセルストリングを構成するトランジスタの閾値電圧の濃度を考慮して設定できる。
【0046】
コア絶縁膜145及びキャッピングパターン150により、チャンネルホールH1を埋め込むことができる。例示的な実施例として、コア絶縁膜145は、チャンネルホールH1の大部分の空間を埋め込むことができる。キャッピングパターン150は、コア絶縁膜145の上部のチャンネルホールH1の空間を埋め込むことができる。コア絶縁膜145は、キャッピングパターン150の下部に相当するチャンネルホールH1の下部空間を埋め込むことができる。コア絶縁膜145は、例えば、空間の埋め込み性に優れた低誘電率絶縁膜を含むことができる。
【0047】
例示的な実施例として、キャッピングパターン150は、第1の層間絶縁膜120内に位置し得る。例えば、キャッピングパターン150は、層間絶縁膜間に限定されたチャンネルホールH1の上部空間に形成できる。例えば、キャッピングパターン150の底面は、第1のサブドレイン選択ラインDSLaの上部表面よりも上方に位置し得る。キャッピングパターン150は、第1の導電型と反対である第2の導電型不純物を含む半導体層を含むことができる。例示的な実施例として、キャッピングパターン150は、高農度のn型不純物、例えば、リン(P)イオンを含むことができる。キャッピングパターン150は、実質的にビットライン及びメモリセルストリングを電気的に連結させるドレインコンタクト部に相当し得る。
【0048】
また、チャンネル層140は、コア絶縁膜145の側壁と接する第1のチャンネル領域140aと、キャッピングパターン150の側壁と接する第2のチャンネル領域140bとを含むことができる。第1のチャンネル領域140aは、メモリセルストリングを構成するトランジスタ等の実質的なチャンネルとして動作するため、第1の導電型不純物を含むことができる。反面、第2のチャンネル領域140bは、蒸着当時には第1の導電型を有するが、キャッピングパターン150と接するため、キャッピングパターン150から拡散した高農度の第2の導電型不純物の流入により、第2の導電型を有することができる。
【0049】
一方、メモリブロックBLKは、ドレイン選択ラインDSLを複数のドレイン選択ライングループに分割する少なくとも一つの分離構造体170を含むことができる。
【0050】
図5は、本発明の一実施例に係る分離構造体を備える境界チャンネル構造体を示す平面図である。図6は、本発明の一実施例に係る分離ホールの形成直後の分離ホールを示す概略断面図である。図7は、本発明の一実施例に係るリセス工程の遂行後の分離ホールを示す概略断面図である。参考として、図5乃至図7では、説明の便宜のために、ビットラインの構造を省略した。
【0051】
図2乃至図4を参照すれば、分離構造体170の平面構造は、ドレイン選択ラインDSLを第2の方向D2に対して分離できるように、第2の方向D2に対して実質的に垂直な第3の方向D3に沿って延長できる。また、分離構造体170の断面構造は、図3に示すように、ドレイン選択ラインDSLのみが分離されるように、積層構造体STの上部から所定の深さで形成できる。
【0052】
例示的な実施例として、分離構造体170は、ドレイン選択ラインDSLを、第1のドレイン選択ライングループDSL1及び第2のドレイン選択ライングループDSL2に分割できる。第1のドレイン選択ライングループDSL1及び第2のドレイン選択ライングループDLS2が同等の機能を遂行できるように、分離構造体170は、メモリブロックBLK、すなわち、メモリブロックBLKの形態に限定された積層構造体STの中心部に位置し得る。
【0053】
例えば、ドレイン選択ラインDSLが第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcからなる場合、第1のドレイン選択ライングループDSL1及び第2のドレイン選択ライングループDLS2も、第1乃至第3のサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcからなる。
【0054】
従来の分離構造体は、チャンネル構造体の未形成領域に形成されたが、メモリ装置の集積度を減少させる要因になった。
【0055】
一方、他の方案として、分離構造体がチャンネル構造体の一部を占有するように構成することにより、集積度を高める方案が提案された。しかし、分離構造体が具備されたチャンネル構造体(以下、境界チャンネル構造体)の場合、一部の面積が分離構造体によりロスされるため、定常的な構造を有するノーマル(normal)チャンネル構造体と異なる機能を持つので、ダミーチャンネル構造体として分類された。しかし、高い集積度の要求により、ダミーチャンネル構造体を構成するトランジスタ等の特性を調節することで、境界チャンネル構造体も、メモリセルストリングの一部として使用するための努力を持続している。
【0056】
本実施例に係る半導体集積回路装置は、分離構造体により一部が切断された境界チャンネル構造体CHPBの電気的な特性をさらに補償することで、集積度を改善させる技術を提供する。
【0057】
一実施例に係る分離構造体170は、積層構造体ST内に所定の深さで形成される分離ホールH2と、分離ホールH2内に形成される埋め込み絶縁膜171とを含むことができる。分離ホールH2の底面は、最下部のドレイン選択ライン及び最上部のワードライン間に位置し得る。例えば、分離ホールH2の底面の第3のサブドレイン選択ラインDSLc及び第nのワードラインWLn間の第1の絶縁膜110内に位置し得る。
【0058】
埋め込み絶縁膜171は、コア絶縁膜145と同じ物質を含んだり、埋め込み性に優れた絶縁膜で形成したりできる。
【0059】
また、図5を参照すれば、本実施例の分離構造体170の側壁面170Sから露出されたサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1は、分離構造体の側壁面170Sから露出された第1の絶縁膜110の切断面E2よりも後退(pull-back)させることができる。換言すれば、分離構造体170の中心部170Cを基準として、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1が、第1の絶縁膜110の切断面E2よりもさらに遠く位置し得る。
【0060】
サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1が、第1の絶縁膜110の切断面E2よりも後退しているので、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1及び第1の絶縁膜110の切断面E2間にギャップgが発生し得る。ギャップgは、後続に進行される埋め込み絶縁膜171により充填され得る。
【0061】
こうした分離構造体170の側壁面の構造変更により、分離構造体の形成による寄生電界パス、及びこれによる漏れ電流の発生に従うダメージを低減できる。
【0062】
より具体的に説明すれば、分離構造体170を形成するための分離ホールH2は、図6に示すように、積層構造体STの上部領域、すなわち、第2の層間絶縁膜165、第1の層間絶縁膜120、導電層を含むサブドレイン選択ラインDSLa~DSLc及び導電層間の第1の絶縁膜110を順次エッチングして形成できる。
【0063】
第2の層間絶縁膜165、第1の層間絶縁膜120、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLc及び第1の絶縁膜110の物性が異なるため、各々の物質に対して優れたエッチング特性を持つエッチング媒体を利用して、分離ホールH2を形成するためのエッチング工程を進行しても、図6に示すように、分離ホールH2の側壁はデコボコした形状を有することになる。特に、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcを構成する導電層がタングステンのような金属膜からなるので、絶縁膜110、120、165に比べて、エッチング速度が遅いことがある。特に、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcと隣接している第1の絶縁膜110は、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcに比べて薄膜で形成され得る。このような理由により、分離ホールH2を形成するためのエッチング直後、図6に示すように、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1が、絶縁膜110、120、165の切断面E2よりも、分離ホールH2内にさらに突出され得る。
【0064】
分離ホールH2の側壁面において、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1の不均一な突出は、第1の絶縁膜110内に残存するエッチング残存物等と共に寄生電界を誘発させ、これにより、以後、分離構造体170内にヒューム(hume)によるダメージを誘発させる。
【0065】
本実施例によれば、図7に示すように、分離ホールH2の側壁面170Sにより不均一に突出されたサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcを一定の長さだけリセスできる。これにより、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1が、第1の絶縁膜110の切断面E2よりも、分離ホールH2の中心線(170C、又は分離構造体の中心)を基準として外側に位置し得る。すなわち、分離ホールH2の中心線170C及びサブドレイン選択ラインの切断面E1間の距離d1が、分離ホールH2の中心線170C及び第1の絶縁膜110の切断面E2間の距離d2よりも大きいことができる。
【0066】
これにより、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1が、第1の絶縁膜110の介在なしに直接的に露出されることにより発生する寄生電界の発生を防止することで、分離構造体170内のダメージを防止できる。さらには、突出されたサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1間のショット(short)問題も防止できる。
【0067】
また、本実施例において、分離ホールH2の中心線170C及び分離構造体170の中心線170Cは、同じ線であることが分かる。
【0068】
図8は、本発明の一実施例に係る境界チャンネル構造体を示す平面図である。図9は、本発明の一実施例に係る境界チャンネル構造体を示す概略斜視図である。
【0069】
前述したように、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの切断面E1のリセスにより、分離構造体170の側壁面で発生する電気的な問題は解決できた。
【0070】
しかし、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcの面積(又は大きさ)の変化により、境界チャンネル構造体CHPBのドレイン選択トランジスタDST11~DST13のゲートの有効面積を減少させることができる。
【0071】
一般に、ゲートの有効面積、すなわち、ゲートの大きさが減少する場合、トランジスタの閾値電圧(threshold voltage)が変化することにより、トランジスタの誤動作を誘発させる。すなわち、分離構造体170内の電気的な問題を低減するためのサブドレイン選択ラインDSLa~DSLcのリセス工程により、境界チャンネル構造体CHPBの動作条件が変化し得る。
【0072】
これにより、本実施例では、境界チャンネル構造体CHPBの動作条件を補償するために、図8及び図9に示すように、分離ホールH2により露出されたチャンネル層140の濃度を調節できる。
【0073】
例示的な実施例として、分離ホールH2により露出されたチャンネル層140に、第2の濃度を有する第1の導電型不純物をさらに注入できる。第2の濃度は、ノーマルチャンネル構造体CHPの第1のチャンネル領域140aの濃度に対して、同一又は異なることができる。例えば、第2の濃度は、サブドレイン選択ラインDSLa~DSLcのリセス程度(又は、ギャップgの体積)、及び境界チャンネル構造体CHPBを構成するドレイン選択トランジスタ等の動作特性を全部考慮して設定できる。しかし、第1の濃度及び第2の濃度は、一般に低濃度として分類されたものであり得る。また、さらに注入される第1の導電型不純物は、例えば、ホウ素(B)であり得る。
【0074】
また、第1の導電型不純物の追加イオン注入は、露出されたチャンネル層140の全体に実施されるが、実質的にドレイン選択トランジスタDST11~DST13のチャンネル層140cに相当する第1のチャンネル領域140aの濃度のみを変化させることができる。例えば、境界チャンネル構造体CHPBのチャンネル層140cの不純物の濃度を上昇させることで、ドレイン選択トランジスタDST11~DST13の動作特性を改善させることができる。
【0075】
前述したように、キャッピングパターン150周辺の第2のチャンネル領域140bは、第1のチャンネル領域140aと反対である高農度の第2の導電型不純物を含むので、第2の濃度を有する第1の導電型不純物がさらにイオン注入されても、第2のチャンネル領域140bの不純物の濃度は変化しない。
【0076】
このように、境界チャンネル構造体CHPBにおいて、分離構造体170と対向する部分のチャンネル層140の濃度を調節して、境界チャンネル構造体CHPBのドレイン選択トランジスタDST11~DST13の動作特性を補償できる。
【0077】
図10a乃至図10dは、本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための各工程別断面図である。
【0078】
図10aを参照すれば、下部構造物(図示せず)の上部に予備積層構造体PSTを形成できる。下部構造は、基板、周辺回路層又は共通ソース層を形成するための半導体層を含むことができる。
【0079】
予備積層構造体PSTは、第1の絶縁膜310及び犠牲膜312を交互に数回繰り返し積層して形成できる。犠牲膜312は、第1の絶縁膜310に対してエッチング選択比を有することができる。例えば、第1の絶縁膜310は、シリコン酸化膜を含むことができ、犠牲膜312は、第1の絶縁膜310とエッチング選択比が異なる第2の絶縁膜、例えば、シリコン窒化膜を含むことのできるが、ここに限定されるものである。このとき、予備積層構造体PSTの最上部に第1の絶縁膜310が位置し得る。
【0080】
予備積層構造体PSTの上部にハードマスクパターンHMを形成した後、エッチング工程を実施して、ハードマスクパターンHM及び予備積層構造体PSTを貫通するチャンネルホールH1を形成できる。
【0081】
チャンネルホールH1の側壁に沿って、ブロッキング絶縁膜332、データ格納膜334及びトンネル絶縁膜336を順次形成して、メモリ層330を形成できる。続いて、メモリ層330の表面、例えば、トンネル絶縁膜336の表面に沿ってチャンネル層340を形成できる。チャンネル層340は、例えば、第1の濃度を有する第1の導電型不純物を含むことができる。第1の導電型は、例えばp型不純物、例えばホウ素イオンであり得る。また、前述したように、第1の濃度は、半導体製造工程において低濃度帯域として分類された不純物の濃度の一つであり得る。
【0082】
メモリ層330及びチャンネル層340で取り囲まれたチャンネルホールH1内にコア絶縁膜345を埋め込むことができる。例示的な実施例として、コア絶縁膜345は、チャンネルホールH1の全体に埋め込まれた後、上部表面から一定の深さだけエッチングされ、チャンネルホールH1の上部にグルーブ(図示せず)が提供され得る。グルーブ内にキャッピングパターン350が形成され、チャンネル構造体CHPを形成できる。キャッピングパターン350は、第2の導電型不純物を含む半導体パターンであり得る。キャッピングパターン350は、以後、ビットラインと実質的なコンタクトがなされる部分として、高濃度の不純物を含むことができる。例示的な実施例として、キャッピングパターン350は、ポリシリコン膜をグルーブ内に埋め込んだ後、第2の導電型不純物、すなわち高濃度のn型不純物を注入して形成できる。高農度のn型不純物を注入する過程において、キャッピングパターン350を取り囲むチャンネル層340の周辺に、n型不純物が拡散され得る。
【0083】
これにより、チャンネル層340は、メモリセルストリングを構成するトランジスタのチャンネルとして用いられる部分である第1のチャンネル領域340aと、キャッピングパターン350とコンタクトされる第2のチャンネル領域340bとに区分でき、第1のチャンネル領域340aは、第1の濃度の第1の導電型を有し、第2のチャンネル領域340bは、第2の濃度の第2の導電型を有することができる。
【0084】
図10bを参照すれば、ハードマスクパターンHMを公知の方式により除去できる。ハードマスクパターンHMの除去時、ハードマスクパターンHMと隣接しているメモリ層330が除去され得る。ハードマスクパターンHMの除去により、キャッピングパターン350及びキャッピングパターン350を取り囲む第2のチャンネル領域340bが外部に露出され得る。
【0085】
キャッピングパターン350を取り囲むように、第1の絶縁膜310の上部に第1の層間絶縁膜360を形成できる。その後、第1の層間絶縁膜360の上部に第2の層間絶縁膜365を形成できる。
【0086】
次に、予備積層構造体PSTの予定された領域の第2の層間絶縁膜365、第1の層間絶縁膜360、第1の絶縁膜310及び犠牲膜312をエッチングして、スリットSを形成できる。スリットSの側壁を通して、犠牲膜312を選択的に除去した後、犠牲膜312が除去された第1の絶縁膜310間の空間に導電層380を取り替える(replace)ことができる。一実施例として、導電層380は、導電特性及び埋め込み性に優れたタングステン(W)金属膜が用いられる。
【0087】
これにより、導電層380は、図3の少なくとも一つのサブソース選択ラインSSLa、SSLb、SSLc、複数のワードラインWL0~WLn、及び少なくとも一つのサブドレイン選択ラインDSLa、DSLb、DSLcとして動作するようになる。
【0088】
本実施例は、犠牲膜312を選択的に除去した後、導電層380を取り替える工程に対して例示したが、犠牲膜312の代わりに、導電層を直接蒸着することもできる。
【0089】
予備積層構造体PSTは、スリットSの形成により、メモリブロックの大きさに限定できる。また、導電層380の取り替え工程により、メモリブロックを形成するための積層構造体STを限定できる。
【0090】
図10cを参照すれば、スリットS内に少なくとも一つの物質膜で埋め込んでスリット構造体370を形成できる。一実施例として、スリット構造体370は、隣接している積層構造体ST間の電気的な問題が発生しないように、少なくとも一つの絶縁物質を含むことができる。
【0091】
積層構造体STの上部に、ドレイン選択ラインを分離するためのマスクパターン(図示せず)を形成できる。マスクパターンを用いて、第2の層間絶縁膜365、第1の層間絶縁膜360、少なくとも一つの第1の絶縁膜310及びドレイン選択ラインとして用いられる導電層380をエッチングして、分離ホールH2を形成できる。分離ホールH2により、ドレイン選択ライン用導電層380は、第1のドレイン選択ライングループDSL1を構成する複数のサブドレイン選択ライン、及び、第2のドレイン選択ライングループDSL2を構成する複数のサブドレイン選択ラインに区分できる。
【0092】
分離ホールH2を形成するためのエッチング工程は、シリコン酸化膜を含む第2の層間絶縁膜365、第1の層間絶縁膜360、第1の絶縁膜310及びタングステン金属膜を含む導電層380をエッチングしなければならないため、例えば、プラズマ雰囲気下でF(フッ素)成分を含むエッチングガスを用いて進行できる。
【0093】
図6でも説明した通り、分離ホールH2を形成するためのエッチング工程の際に、エッチングガスに対するシリコン酸化膜及びタングステン金属膜のエッチング選択比の差により、サブドレイン選択ラインに相当する導電層380等の切断面380Eが、第1の絶縁膜310の切断面310Eよりも、分離ホールH2の内側に突出できる。さらに、プラズマエッチングの残存物が帯電された状態で分離ホールH2の側壁面に残存して、寄生電界及び漏れ電流源として動作し得る。
【0094】
図10dに示すように、分離ホールH2の側壁面に露出された導電層380の切断面380E'を、所定の長さだけリセス又は後退させることができる。リセス工程は、第1の絶縁膜310よりも、導電層380のエッチング特性に優れたエッチング媒体を用いて進行できる。
【0095】
リセス工程により、導電層380の切断面380E'は、第1の絶縁膜310の切断面310Eよりも、分離ホールH2の中心線CLから遠く離隔し得る。これにより、導電層380の切断面380E'が外部に露出されず、第1の絶縁膜310により遮断されることで、漏れ電流等による電気的な問題を防止できる。
【0096】
また、図9で説明した通り、サブドレイン選択ラインを構成する導電層380のリセス工程により、境界チャンネル構造体CHPBを構成するドレイン選択トランジスタの動作特性の変形を補償するために、分離ホールH2により露出されたチャンネル層(図示せず)に、第1の導電型不純物、例えばホウ素イオンをさらに注入できる。図10dの矢印は、ホウ素イオンを示すことができる。図10dには示していないが、分離ホールH1内に埋め込み絶縁膜を形成して、分離構造体(図3の170)を形成する。続いて、公知の方式により、第2の層間絶縁膜365内にビットラインコンタクトプラグ(図示せず)を形成した後、ビットラインコンタクトプラグと電気的に連結するように、ビットラインを形成できる。
【0097】
本実施例等によれば、分離構造体を形成する際に、導電層及び絶縁膜間のエッチング不均一により、分離構造体の側壁面から露出された導電層等(例えば、ドレイン選択ライン用導電層等)を所定の長さだけリセスさせることができる。これにより、分離構造体の側壁面に発生し得るダメージを減少させることができる。
【0098】
また、分離構造体により切断された境界チャンネル構造体のチャンネル層にホウ素イオンを注入して、境界チャンネル構造体と連結される選択トランジスタの特性を補償できる。
【0099】
本実施例では、一つのメモリスタックを一例として説明したが、これは例示に過ぎず、複数のメモリスタックに全部適用できることは勿論である。
【0100】
また、本実施例では、ドレイン選択ラインを分離する分離構造体を一例として説明したが、導電層及び絶縁膜を貫通して形成される全ての種類のホール構造に適用できることは自明である。
【0101】
以上、本発明を好適の実施例により詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で当該分野における通常の知識を有する者によって多様な変形が可能である。
【符号の説明】
【0102】
110、310 第1の絶縁膜
120 第1の層間絶縁膜
130、330 メモリ層
140、340 チャンネル層
145、345 コア絶縁膜
150、350 キャッピングパターン
170 分離構造体
171 埋め込み絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d