(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082262
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】二次電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/383 20210101AFI20240612BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240612BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240612BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240612BHJP
【FI】
H01M50/383
H01M50/213
H01M50/204 401F
H01M50/342 101
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205328
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0169818
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0121977
(32)【優先日】2023-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲ベ▼ 光守
(72)【発明者】
【氏名】金 載勝
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H040AA37
5H040AT01
5H040AY08
5H040AY10
5H040NN00
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】有事の際にベントの開放を円滑にして周辺電池セルの連鎖爆発を防止する二次電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による二次電池モジュールは、ベントホールを備える複数の電池セル、前記電池セルの一側を収容して支持する第1ホルダー、前記電池セルの他の一側を収容して支持し前記第1ホルダーに結合される第2ホルダー、前記第2ホルダーの一側に備えられて前記電池セルそれぞれのベントホールに対応する位置に複数の排出口から形成される排出口群をそれぞれ備える第1プレート、および前記第1プレートの一側に配置されて前記ベントホールと前記排出口群につながって排出される排出物を遮断する第2プレートを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベントホールを備える複数の電池セル;
前記電池セルの一側を収容して支持する第1ホルダー;
前記電池セルの他の一側を収容して支持し、前記第1ホルダーに結合される第2ホルダー;
前記第2ホルダーの一側に備えられて、前記電池セルそれぞれのベントホールに対応する位置に複数の排出口から形成される排出口群をそれぞれ備える第1プレート;および
前記第1プレートの一側に配置されて、前記ベントホールと前記排出口群につながって排出される排出物を遮断する第2プレート
を含む二次電池モジュール。
【請求項2】
前記電池セルは、円筒型二次電池から形成される、請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項3】
前記排出口は直径方向に第1幅を有し円周方向に第1長さを有し、
前記排出口群は前記排出口を複数備えて円周方向に第1間隔を有する、請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項4】
前記排出口群は外側の第1直径(D1)と内側の第2直径(D2)によって全体面積(A1-A2)を形成し、
前記全体面積(A1-A2)は複数の第1排出口による開放面積(A3*N)と複数の前記第1排出口の間による閉鎖面積(A4*N)を含み、
前記全体面積(A1-A2)に対する前記閉鎖面積(A4*N)の比は10.78%超過及び31.3%未満に設定される、請求項3に記載の二次電池モジュール。
【請求項5】
前記全体面積(A1-A2)に対する前記閉鎖面積の比(A4*N)は10.78%超過及び15.4%以下にさらに設定される、請求項4に記載の二次電池モジュール。
【請求項6】
前記全体面積(A1-A2)に対する前記閉鎖面積の比(A4*N)は15.4%超過及び31.3%未満にさらに設定される、請求項4に記載の二次電池モジュール。
【請求項7】
前記排出口群は、前記ベントホールに対応する複数の第1排出口および前記第1排出口の外周に備えられる複数の第2排出口を含む、請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項8】
前記第1排出口は直径方向に第1幅を有し円周方向に第1長さを有し、
前記第1排出口は円周方向に第1間隔を有し、
前記第2排出口は直径方向に第2幅を有し円周方向に第2長さを有し、
前記第2排出口は円周方向に第2間隔を有する、請求項7に記載の二次電池モジュール。
【請求項9】
前記第1排出口は外側の第1直径(D1)と内側の第2直径(D2)によって第1全体面積(A1-A2)を形成し、
前記第1全体面積(A1-A2)は複数の前記第1排出口による開放面積(A3*N)と複数の前記第1排出口の間による第1閉鎖面積(A4*N)を含み、
前記第2排出口は外側の第21直径(D21)と内側の第22直径(D22)によって第2全体面積(A21-A22)を形成し、
前記第2全体面積(A21-A22)は複数の前記第2排出口による開放面積(A23*N)と複数の前記第2排出口の間による第2閉鎖面積(A24*N)を含み、
前記第1全体面積(A1-A2)と前記第2全体面積(A21-A22)の合計に対する前記第1閉鎖面積(A4*N)と前記第2閉鎖面積(A24*N)の合計の比は10.78%超過及び31.3%未満に設定される、請求項8に記載の二次電池モジュール。
【請求項10】
前記第1全体面積(A1-A2)と前記第2全体面積(A21-A22)の合計に対する前記第1閉鎖面積(A4*N)と前記第2閉鎖面積(A24*N)の合計の比は10.78%超過及び15.4%以下にさらに設定される、請求項9に記載の二次電池モジュール。
【請求項11】
前記第1全体面積(A1-A2)と前記第2全体面積(A21-A22)の合計に対する前記第1閉鎖面積(A4*N)と前記第2閉鎖面積(A24*N)の合計の比は15.4%超過及び31.3%未満にさらに設定される、請求項9に記載の二次電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池モジュールに関するものであって、より詳しくは、有事の際にベントの開放を円滑にして周辺電池セルの連鎖爆発を防止する二次電池モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は一次電池とは異なり、充電および放電を反復的に行う電池である。小容量化二次電池は、携帯電話機やノートパソコンおよびキャムコーダーのように携帯の可能な小型電子機器に使用される。大容量化および高密度化二次電池は、ハイブリッド自動車および電気自動車のモータ駆動用電源やエネルギー貯蔵用として使用される。
【0003】
二次電池は、電流を充電および放電する電極組立体、電極組立体と電解液を収容するケース、電極組立体に連結されケースの外部に引き出す電極端子を含む。電極組立体は、電極と分離膜を巻き取って形成されるゼリーロールタイプに形成できる。
【0004】
電気自動車およびエネルギー貯蔵装置は大容量の二次電池モジュールを必要とする。大容量の二次電池モジュールは多数の電池セルを備える。モジュールの一つの電池セルで火災や爆発が発生する場合、一つの電池セルから排出される火炎や高温のガスが隣接した他の電池セルに伝播されて連鎖爆発を発生させることがある。
【0005】
これを防止するための技術が要求される。一例として、発泡型ウレタンまたはシリコン物質で電池セルの正極部を覆うポッティング(potting)技術がある。ポッティング物質は平常時に空気と水分から電池セルを保護し、熱暴走のような有事の際には発泡された空隙が開けられるので、電池セルのベントガスとデブリ(debris)を円滑に排出させ、抜け出したデブリが周辺電池セルに転移することを防いで連鎖爆発を防止する。
【0006】
ポッティングは価格が高く、工程管理が難しくて二次電池モジュールの賃加工費上昇を誘発し、円筒型電池でキャップ組立体の間にポッティング物質が浸透して電池セルのベント開放(vent open)を防いで側面爆発(side rupture)につながる副作用を発生させることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態は、有事の際にベントの開放を円滑にして周辺電池セルの連鎖爆発を防止する二次電池モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による二次電池モジュールは、ベントホールを備える複数の電池セル、前記電池セルの一側(下部)を収容して支持する第1ホルダー、前記電池セルの他の一側(上部)を収容して支持し前記第1ホルダーに結合される第2ホルダー、前記第2ホルダーの一側(上部)に備えられて前記電池セルそれぞれのベントホールに対応する位置に複数の排出口から形成される排出口群をそれぞれ備える第1プレート、および前記第1プレートの一側(上部)に配置されて前記ベントホールと前記排出口群につながって排出される排出物を遮断する第2プレートを含む。
【0009】
前記電池セルは、円筒型二次電池から形成できる。
【0010】
前記排出口は直径方向に第1幅を有し円周方向に第1長さを有し、前記排出口群は前記排出口を複数備えて円周方向に第1間隔を有することができる。
【0011】
前記排出口群は外側の第1直径(D1)と内側の第2直径(D2)によって全体面積(A1-A2)を形成し、前記全体面積(A1-A2)は複数の第1排出口による開放面積(A3*N)と複数の第1排出口の間による閉鎖面積(A4*N)を含み、前記全体面積(A1-A2)に対する閉鎖面積(A4*N)の比は10.78%超過及び31.3%未満に設定できる。
【0012】
前記全体面積(A1-A2)に対する閉鎖面積の比(A4*N)は10.78%超過及び15.4%以下にさらに設定できる。
前記全体面積(A1-A2)に対する閉鎖面積の比(A4*N)は15.4%超過及び31.3%未満にさらに設定できる。
【0013】
前記排出口群は、前記ベントホールに対応する複数の第1排出口および前記第1排出口の外周に備えられる複数の第2排出口を含むことができる。
【0014】
前記第1排出口は直径方向に第1幅を有し円周方向に第1長さを有し、前記第1排出口は円周方向に第1間隔を有し、前記第2排出口は直径方向に第2幅を有し円周方向に第2長さを有し、前記第2排出口は円周方向に第2間隔を有することができる。
【0015】
前記第1排出口は外側の第1直径(D1)と内側の第2直径(D2)によって第1全体面積(A1-A2)を形成し、前記第1全体面積(A1-A2)は複数の第1排出口による開放面積(A3*N)と複数の第1排出口の間による第1閉鎖面積(A4*N)を含み、前記第2排出口は外側の第21直径(D21)と内側の第22直径(D22)によって第2全体面積(A21-A22)を形成し、前記第2全体面積(A21-A22)は複数の第2排出口による開放面積(A23*N)と複数の第2排出口の間による第2閉鎖面積(A24*N)を含み、前記第1全体面積(A1-A2)と第2全体面積(A21-A22)の合計に対する第1閉鎖面積(A4*N)と第2閉鎖面積(A24*N)の合計の比は10.78%超過及び31.3%未満に設定できる。
【0016】
前記第1全体面積(A1-A2)と第2全体面積(A21-A22)の合計に対する第1閉鎖面積(A4*N)と第2閉鎖面積(A24*N)の合計の比は10.78%超過及び15.4%以下にさらに設定できる。
前記第1全体面積(A1-A2)と第2全体面積(A21-A22)の合計に対する第1閉鎖面積(A4*N)と第2閉鎖面積(A24*N)の合計の比は15.4%超過及び31.3%未満にさらに設定できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態は、第1プレートに排出口群を形成して各排出口を電池セルそれぞれのベントホールに対応させるので、有事の際に排出口の開放を円滑にして、爆発圧力、火炎およびデブリ(debris)を第1プレート外側に排出するので第1プレートの内部で周辺電池セルの連鎖爆発を防止することができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態による二次電池モジュールの分解斜視図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿って切断して示した断面図である。
【
図3】
図1に適用される円筒型電池セルの断面斜視図である。
【
図4】
図1に適用される第1プレートの部分平面図である。
【
図5】
図1および
図2において電池セルのベントホールに対する第1プレートの排出口関係を示した平面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態による二次電池モジュールに適用される第1プレートの部分平面図である。
【
図7】
図6において電池セルのベントホールに対する第1プレートの排出口関係を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々の異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けた。
【0020】
図1は本発明の第1実施形態による二次電池モジュールの分解斜視図であり、
図2は
図1のII-II線に沿って切断して示した断面図である。
図1および
図2を参照すれば、第1実施形態の二次電池モジュール100は、複数の電池セル30、第1ホルダー11、第2ホルダー12、第1プレート21、および第2プレート22を含む。一実施形態として、電池セル30はベントホール31を有する円筒型二次電池から形成できる。
【0021】
図3は、
図1に適用される円筒型電池セルの断面斜視図である。
図3を参照すれば、円筒型電池セル30は、充電および放電作用する電極組立体32、電極組立体32を内蔵するケース33、および電極組立体32に電気的に連結されケース33の開口に絶縁状態で結合されるキャップ組立体34を含む。キャップ組立体34を形成するキャッププレート35はベントホール31を備え、ベント36の切開時にベントホール31を通じて排出物を排出させることができる。排出物は、ベントガスと爆発圧力、火炎およびデブリ(debris)を含む。
【0022】
再び
図1および
図2を参照すれば、第1ホルダー11は電池セル30の一側下部を収容して支持するように複数の第1収容部111を形成する。第2ホルダー12は電池セル30の他の一側上部を収容して支持するように複数の第2収容部121を形成する。第2ホルダー12は第1ホルダー11に結合されて電池セル30を第1、第2収容部111、121に収容する。
【0023】
一例として、第1ホルダー11は電池セル30の一側下部を支持するように第1突起113を備え、第2ホルダー12は電池セル30の他の一側上部を支持するように第2突起123を備える。第1、第2突起113、123は、第1、第2ホルダー11、12内で電池セル30が図面において上下方向に離脱することを防止する。
【0024】
第1プレート21は、第2ホルダー12の一側上部に備えられて電池セル30それぞれのベントホール31に対応する位置に複数の排出口41から形成される排出口群40をそれぞれ備える。一例として、第1プレート21はプラスチック射出成形で形成することができる。
【0025】
第2プレート22は、第1プレート21の一側上部に配置されてベントホール31と排出口群40の排出口41につながって、ベントホール31を通じて排出される排出物を遮断する。即ち、第2プレート22はベントホール31を通じて排出されるベントガスと爆発圧力、火炎およびデブリ(debris)を遮断する。
【0026】
このために、第1、第2プレート21、22は上下方向に間隙(G)を形成する。間隙(G)による第1、第2プレート21、22の間の空間は、爆発圧力を緩衝し、火炎を放熱し、デブリ(debris)を遮断して二次電池モジュール100外部への飛散を防止する。
【0027】
図4は
図1に適用される第1プレートの部分平面図であり、
図5は
図1および
図2において電池セルのベントホールに対する第1プレートの排出口関係を示した平面図である。
【0028】
図1~
図5を参照すれば、第1プレート21の排出口群40で、排出口41は直径方向に第1幅(W1)を有し円周方向に第1長さ(L1)を有する。第1長さ(L1)は第1幅(W1)の中間で設定される曲線長さを意味する。排出口群40は排出口41を複数備えて円周方向に第1間隔(G1)を有する。第1間隔(G1)は第1幅(W1)の中間で隣接する2つの排出口41の間に設定される曲線長さを意味する。
【0029】
排出口群40において排出口41は複数形成され、隣接する排出口41は第1長さ(L1)の中心を基準にして15°~60°角度(θ)に設定できる。一例として、排出口群40において排出口41は8個形成され、隣接する2つの排出口41は第1長さ(L1)の中心を基準にして45°角度(θ)に設定される。排出口41の個数によって排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)の遮断性能を決定するようになる。排出口41の個数が設定された場合、排出口41の第1幅(W1)、第1長さ(L1)、および第1間隔(G1)の大きさによって排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)の遮断性能を決定するようになる。
【0030】
排出口群40は外側の第1直径(D1)と内側の第2直径(D2)によって全体面積(A1-A2)を形成する。即ち、第1直径(D1)は第1面積(A1)を形成し、第2直径(D2)は第2面積(A2)を形成する。したがって、排出口群40の全体面積(A1-A2)は第1面積(A1)から第2面積(A2)を引いた値で算出される。
【0031】
第1実施形態で、排出口群40の全体面積(A1-A2)は複数の排出口41による開放面積(A3*N)と複数の排出口41の間による閉鎖面積(A4*N)を含む。開放面積(A3*N)はA3*8に設定され、閉鎖面積(A4*N)はA4*8に設定される。排出口群40の全体面積(A1-A2)に対する閉鎖面積(A4*N)の面積比((A4*N)/(A1-A2))は10.78%超過及び31.3%未満に設定される。
【0032】
面積比((A4*N)/(A1-A2))が10.78%以下である場合、射出時、成形が難しくなる。面積比((A4*N)/(A1-A2))が10.78%超過及び15.4%以下である場合、射出成形を可能にし、かつ当該電池セル30のベントホール31から排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)によって排出口41が正常に作動する。したがって、複数の排出口41で設定される排出口群40の全体面積(A1-A2)のみが破れ、爆発しなかった正常電池セル30が位置する第1プレート21における排出口群40は正常状態に維持される。これにより、有事の際に排出口41の開放を円滑にして周辺電池セル30の連鎖爆発が防止できる。
【0033】
また、排出口群40の全体面積(A1-A2)に対する閉鎖面積(A4*N)の面積比((A4*N)/(A1-A2))は、15.4%超過及び31.3%未満に設定できる。面積比((A4*N)/(A1-A2))が15.4%超過及び31.3%未満である場合、当該電池セル30のベントホール31から排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)によって排出口41が正常に作動する。したがって、複数の排出口41で設定される排出口群40の全体面積(A1-A2)のみが破れ、爆発しなかった正常電池セル30が位置する第1プレート21における排出口群40は正常状態に維持できる。これにより、有事の際に排出口41の開放を円滑にして周辺電池セル30の連鎖爆発が防止できる。
【0034】
しかし、排出口群40の全体面積(A1-A2)に対する閉鎖面積(A4*N)の面積比((A4*N)/(A1-A2))が31.3%以上である場合、排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)によって排出口群40の全体面積(A1-A2)が正常に作動せず、第1プレート21が全体的に破れる現象が発生することがある。
【0035】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と比較して同一な部分に関する説明を省略し、互いに異なる部分に関する説明を記載する。
【0036】
図6は本発明の第2実施形態による二次電池モジュールに適用される第1プレートの部分平面図であり、
図7は
図6において電池セルのベントホールに対する第1プレートの排出口関係を示した平面図である。
【0037】
図6および
図7を参照すれば、第2実施形態の二次電池モジュール200において、第1プレート221は第2ホルダー12の一側上部に備えられて電池セル30それぞれのベントホール31に対応する位置に複数の第1排出口241と第2排出口242から形成される排出口群240をそれぞれ備える。
【0038】
即ち、排出口群240は、ベントホール31に対応する複数の第1排出口241および第1排出口241の外周に備えられる複数の第2排出口242を含む。一例として、第1排出口241は直径方向の内側に備えられ、第2排出口242は直径方向の外側に備えられる。
【0039】
第1排出口241は、直径方向に第1幅(W1)を有し円周方向に第1長さ(L1)を有する。第1長さ(L1)は、第1幅(W1)の中間で設定される曲線長さを意味する。第1排出口241は、円周方向に第1間隔(G1)を有する。第1間隔(G1)は、第1幅(W1)の中間で隣接する2つの第1排出口241の間に設定される曲線長さを意味する。
【0040】
一例として、第1排出口241は8個形成され、隣接する2つの第1排出口241は第1長さ(L1)の中心を基準にして45°角度(θ)に設定される。第1排出口241の個数によって排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)のうちの一部の遮断性能を担当するようになる。第1排出口241の個数が設定された場合、第1排出口241の第1幅(W1)、第1長さ(L1)、および第1間隔(G1)の大きさによって排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)のうちの一部の遮断性能を担当するようになる。
【0041】
第2排出口242は、直径方向に第2幅(W2)を有し円周方向に第2長さ(L2)を有する。第2長さ(L2)は、第2幅(W2)の中間で設定される曲線長さを意味する。第2排出口242は、円周方向に第2間隔(G2)を有する。第2間隔(G2)は、第2幅(W2)の中間で隣接する2つの第2排出口242の間に設定される曲線長さを意味する。
【0042】
第2排出口242は複数形成され、隣接する第2排出口242は第2長さ(L2)の中心を基準にして90°~180°角度(θ2)に設定できる。一例として、第2排出口242は2つ形成され、隣接する2つの第2排出口242は第2長さ(L2)の中心を基準にして180°角度(θ2)に設定される。第2排出口242の個数によって排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)のうちの残り部分の遮断性能を担当するようになる。第2排出口242の個数が設定された場合、第2排出口242の第2幅(W2)、第2長さ(L2)、および第2間隔(G2)の大きさによって排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)のうちの残り部分の遮断性能を担当するようになる。
【0043】
第1実施形態の排出口群40のように、第1排出口241は外側の第1直径(D1)と内側の第2直径(D2)によって第1全体面積(A1-A2)を形成する。即ち、第1直径(D1)は第1面積(A1)を形成し、第2直径(D2)は第2面積(A2)を形成する。したがって、排出口群240の第1排出口241領域において全体面積(A1-A2)は第1面積(A1)から第2面積(A2)を引いた値で算出される。
【0044】
第2実施形態の第1排出口241領域において第1全体面積(A1-A2)は複数の第1排出口241による開放面積(A3*N)と複数の第1排出口241の間による第1閉鎖面積(A4*N)を含む。
【0045】
第2排出口242は外側の第21直径(D21)と内側の第22直径(D22)によって第2全体面積(A21-A22)を形成する。即ち、第21直径(D21)は第1面積(A21)を形成し、第22直径(D22)は第2面積(A22)を形成する。したがって、排出口群240の第2排出口242領域において全体面積(A21-A22)は第1面積(A21)から第2面積(A22)を引いた値で算出される。
【0046】
第2排出口242領域において第2全体面積(A21-A22)は、複数の第2排出口242による開放面積(A23*N)と、複数の第2排出口242の間による第2閉鎖面積(A24*N)を含む。
【0047】
排出口群240において第1全体面積(A1-A2)と第2全体面積(A21-A22)の合計に対する第1閉鎖面積(A4*N)と第2閉鎖面積(A24*N)の合計の面積の比、即ち、全体面積((A1-A2)+(A21-A22))に対する閉鎖面積((A4*N)+(A24*N))の面積比(((A4*N)+(A24*N))/((A1-A2)+(A21-A22)))は10.78%超過及び31.3%未満に設定される。
【0048】
面積比(((A4*N)+(A24*N))/((A1-A2)+(A21-A22)))が10.78%以下である場合、射出時、成形が難しくなる。面積比(((A4*N)+(A24*N))/((A1-A2)+(A21-A22)))が10.78%超過及び15.4%以下である場合、射出成形を可能にし、かつ当該電池セル30のベントホール31から排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)によって第1排出口241と第2排出口242が正常に作動する。したがって、複数の第1排出口241と第2排出口242で設定される排出口群240の第1、第2全体面積(A1-A2、A21-A22)のみが破れ、爆発しなかった正常電池セル30が位置する第1プレート21における排出口群240は正常状態に維持される。これにより、有事の際に第1排出口241と第2排出口242の開放を円滑にして周辺電池セル30の連鎖爆発が防止できる。
【0049】
また、排出口群240の面積比(((A4*N)+(A24*N))/((A1-A2)+(A21-A22)))は15.4%超過及び31.3%未満に設定できる。面積比(((A4*N)+(A24*N))/((A1-A2)+(A21-A22)))が15.4%超過及び31.3%未満である場合、当該電池セル30のベントホール31から排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)によって第1排出口241と第2排出口242が正常に作動する。したがって、複数の第1排出口241と第2排出口242で設定される排出口群240の第1、第2全体面積(A1-A2、A21-A22)のみが破れ、爆発しなかった正常電池セル30が位置する第1プレート21における排出口群240は正常状態に維持される。これにより、有事の際に第1排出口241と第2排出口242の開放を円滑にして周辺電池セル30の連鎖爆発が防止できる。
【0050】
しかし、排出口群240の面積比(((A4*N)+(A24*N))/((A1-A2)+(A21-A22)))が31.3%以上である場合、排出される爆発圧力、火炎、およびデブリ(debris)によって第1排出口241と第2排出口242の第1、第2全体面積(A1-A2、A21-A22)が正常に作動せず、第1プレート21が全体的に破れる現象が発生することがある。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、請求範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0052】
11:第1ホルダー
12:第2ホルダー
21、221:第1プレート
22:第2プレート
30:電池セル
31:ベントホール
32:電極組立体
33:ケース
34:キャップ組立体
35:キャッププレート
36:ベント
40、240:排出口群
41:排出口
100、200:二次電池モジュール
111:第1収容部
113:第1突起
121:第2収容部
123:第2突起
241:第1排出口
242:第2排出口
A1:第1面積
A2:第2面積
A1-A2:(第1)全体面積
A3:開放面積
A4:閉鎖面積
A21:第1面積
A22:第2面積
A21-A22:第2全体面積
A23:第2開放面積
A24:第2閉鎖面積
D1:第1直径
D2:第2直径
D21:第21直径
D22:第22直径
G:間隙
G1:第1間隔
G2:第2間隔
L1:第1長さ
L2:第2長さ
W1:第1幅
W2:第2幅
θ、θ2:角度