(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082354
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ベース構造体及びベース構造体を備えた電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20240613BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20240613BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H02G3/16
H05K5/03 A
B60R16/02 610A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196147
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】田村 和也
(72)【発明者】
【氏名】神薗 伸一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 彰久
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 明晴
【テーマコード(参考)】
4E360
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB12
4E360AB22
4E360BA04
4E360BB22
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA12
4E360EA18
4E360EA21
4E360ED02
4E360GA53
4E360GB99
4E360GC08
5G361BA02
5G361BA06
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
5G361BC03
(57)【要約】
【課題】ベース体に収容されている部品の交換または修理後にベース体をカバー本体に容易に組み付けることができるベース構造体及びベース構造体を備えた電気接続箱を提供する。
【解決手段】交換可能な部品が収容される部品収容部を有するベース体と、前記ベース体がスライド挿入されて収容されているカバー本体と、を備えたベース構造体であり、前記カバー本体が、前記ベース体を係止する係止部を有し、前記ベース体が、前記部品収容部が前記カバー本体に収容された状態で前記係止部が係合する第1係合部と、前記第1係合部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられ、前記係止部が係合する第2係合部と、を有するベース構造体。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な部品が収容される部品収容部を有するベース体と、
前記ベース体がスライド挿入されて収容されているカバー本体と、を備えたベース構造体であり、
前記カバー本体が、前記ベース体を係止する係止部を有し、
前記ベース体が、前記部品収容部が前記カバー本体に収容された状態で前記係止部が係合する第1係合部と、前記第1係合部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられ、前記係止部が係合する第2係合部と、を有するベース構造体。
【請求項2】
前記第2係合部が、前記部品収容部が前記カバー本体の先端から突出した状態で前記係止部に係合され、前記第1係合部が、前記部品収容部が前記カバー本体の先端よりも前記ベース体のスライド方向における低い状態で前記係止部に係合される請求項1に記載のベース構造体。
【請求項3】
前記係止部が、前記カバー本体の内周面から前記カバー本体の内部方向へ突出した突出片であり、前記第1係合部及び前記第2係合部が、前記ベース体の外面に形成された凹部である請求項1または2に記載のベース構造体。
【請求項4】
前記ベース体が、前記部品収容部に収容された交換可能な前記部品を前記部品収容部に着脱するための着脱部を有し、前記第2係合部が、前記着脱部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられている請求項1または2に記載のベース構造体。
【請求項5】
前記ベース体が、前記部品収容部に収容された交換可能な前記部品を前記部品収容部に着脱するための着脱部を有し、前記第2係合部が、前記着脱部が前記カバー本体の先端から突出した状態で前記係止部に係合される請求項1または2に記載のベース構造体。
【請求項6】
前記ベース体が、平面視にて長手方向と短手方向とを有し、前記第1係合部が前記ベース体の短手方向を形成する側面に設けられている請求項1または2に記載のベース構造体。
【請求項7】
前記ベース体の短手方向を形成する側面が、第1の側面と前記第1の側面に対向する第2の側面とを有し、前記第1係合部が前記第1の側面と前記第2の側面に設けられている請求項6に記載のベース構造体。
【請求項8】
前記ベース体が、平面視にて長手方向と短手方向とを有し、前記第2係合部が前記ベース体の短手方向を形成する側面に設けられている請求項1または2に記載のベース構造体。
【請求項9】
前記ベース体の短手方向を形成する側面が、第1の側面と前記第1の側面に対向する第2の側面とを有し、前記第2係合部が前記第1の側面と前記第2の側面に設けられている請求項8に記載のベース構造体。
【請求項10】
前記ベース体が、さらに、前記ベース体のスライド方向に延在した、前記ベース体の前記カバー本体への挿入を補助する挿入補助部を有し、前記カバー本体が、さらに、前記ベース体のスライド方向に延在した、前記挿入補助部がスライド可能に係合される補助係合部を有する請求項1または2に記載のベース構造体。
【請求項11】
前記挿入補助部が、平面視にて前記ベース体の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられている請求項10に記載のベース構造体。
【請求項12】
前記挿入補助部が挿入リブであり、前記補助係合部が前記挿入リブをガイドするガイドリブである請求項10に記載のベース構造体。
【請求項13】
前記第2係合部が前記係止部に係合されている状態にて、前記挿入補助部が前記補助係合部に係合されている請求項10に記載のベース構造体。
【請求項14】
前記着脱部が、ボルトのネジ部が挿通される貫通孔である請求項4に記載のベース構造体。
【請求項15】
交換可能な部品が収容される部品収容部を有するベース体と、前記ベース体がスライド挿入されて収容されているカバー本体と、を備えたベース構造体であり、前記カバー本体が、前記ベース体を係止する係止部を有し、前記ベース体が、前記部品収容部が前記カバー本体に収容された状態で前記係止部が係合する第1係合部と、前記第1係合部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられ、前記係止部が係合する第2係合部と、を有するベース構造体と、
交換可能な前記部品と電気的に接続されるバスバーと、
前記ベース体の上部に設けられる上部カバー部と、を備えた電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース構造体及びベース構造体を備えた電気接続箱に関し、ベース体をカバー本体から離脱させなくてもベース体に収容されている部品の交換が可能であり、部品交換後にベース体をカバー本体に容易に組み付けることができるベース構造体及びベース構造体を備えた電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車両には、車両本体に搭載されたバッテリーや様々な電気機器類などに連結されたワイヤーハーネス同士の中継点または分岐点として、また、車両本体に搭載されている様々な電装品を収容する収容部として、電気接続箱が搭載されている。
【0003】
電気接続箱は、ベース体とベース体が収容されるカバー本体とを有するベース構造体を備えており、各種電装品やワイヤーハーネスなどの接続コネクタ等が種別または機能別にベース体の部品収容部に収容されている。ベース体の部品収容部に収容されている各種電装品や接続コネクタ等の部品は、破損や故障等の問題が発生した場合には、新たな部品に交換または修理する必要がある。
【0004】
従来、ベース体の部品収容部に収容されている部品を新たな部品に交換または修理する場合には、作業者は、ベース体をカバー本体から引き抜いてベース体をカバー本体から完全に離脱させることで、ベース体に部品が取り付けられている着脱部を露出させ、着脱部を操作することで問題が発生した部品をベース体の部品収容部から取り外し、新たな部品をベース体の部品収容部に取り付ける、または修理した部品をベース体の部品収容部に取り付ける。作業者は、ベース体の部品収容部に新たな部品または修理した部品を取り付ける作業をし、さらに、ベース体の部品収容部に新たな部品または修理した部品を取り付けた後に、ベース体をカバー本体に嵌めることでベース体をカバー本体に組み付ける。
【0005】
しかし、ベース体をカバー本体から完全に離脱させると、ベース体に設けられた挿入リブが、カバー本体に設けられた、挿入リブと係合するガイドリブから完全に抜けてしまうことになるため、ベース体をカバー本体に組み付ける際に、ベース体をカバー本体に円滑に嵌めることができず、ベース体のカバー本体への組み付け作業に時間を要したり、ベース体やカバー本体を変形等させてしまうことがあった。そこで、ベース体をカバー本体内に収容する際に、ベース体に設けられた全ての挿入ガイドがカバー本体に設けられた各ガイド凹部へ挿入されている状況を、作業者が一目で目視できる構成として、ベース体のカバー本体に対する位置決めを容易化することが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、ベース体のカバー本体に対する位置決めを容易化することで、ベース体のカバー本体に対する組み付け性を向上させるものである。
【0006】
しかし、特許文献1でも、ベース体の部品収容部に収容されている部品を新たな部品に交換または修理する場合に、依然として、ベース体をカバー本体から完全に離脱させる必要があるので、ベース体のカバー本体への組み付け作業性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、ベース体に収容されている部品の交換または修理後にベース体をカバー本体に容易に組み付けることができるベース構造体及びベース構造体を備えた電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]交換可能な部品が収容される部品収容部を有するベース体と、
前記ベース体がスライド挿入されて収容されているカバー本体と、を備えたベース構造体であり、
前記カバー本体が、前記ベース体を係止する係止部を有し、
前記ベース体が、前記部品収容部が前記カバー本体に収容された状態で前記係止部が係合する第1係合部と、前記第1係合部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられ、前記係止部が係合する第2係合部と、を有するベース構造体。
[2]前記第2係合部が、前記部品収容部が前記カバー本体の先端から突出した状態で前記係止部に係合され、前記第1係合部が、前記部品収容部が前記カバー本体の先端よりも前記ベース体のスライド方向における低い状態で前記係止部に係合される[1]に記載のベース構造体。
[3]前記係止部が、前記カバー本体の内周面から前記カバー本体の内部方向へ突出した突出片であり、前記第1係合部及び前記第2係合部が、前記ベース体の外面に形成された凹部である[1]または[2]に記載のベース構造体。
[4]前記ベース体が、前記部品収容部に収容された交換可能な前記部品を前記部品収容部に着脱するための着脱部を有し、前記第2係合部が、前記着脱部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられている[1]または[2]に記載のベース構造体。
[5]前記ベース体が、前記部品収容部に収容された交換可能な前記部品を前記部品収容部に着脱するための着脱部を有し、前記第2係合部が、前記着脱部が前記カバー本体の先端から突出した状態で前記係止部に係合される[1]または[2]に記載のベース構造体。
[6]前記ベース体が、平面視にて長手方向と短手方向とを有し、前記第1係合部が前記ベース体の短手方向を形成する側面に設けられている[1]または[2]に記載のベース構造体。
[7]前記ベース体の短手方向を形成する側面が、第1の側面と前記第1の側面に対向する第2の側面とを有し、前記第1係合部が前記第1の側面と前記第2の側面に設けられている[6]に記載のベース構造体。
[8]前記ベース体が、平面視にて長手方向と短手方向とを有し、前記第2係合部が前記ベース体の短手方向を形成する側面に設けられている[1]または[2]に記載のベース構造体。
[9]前記ベース体の短手方向を形成する側面が、第1の側面と前記第1の側面に対向する第2の側面とを有し、前記第2係合部が前記第1の側面と前記第2の側面に設けられている[8]に記載のベース構造体。
[10]前記ベース体が、さらに、前記ベース体のスライド方向に延在した、前記ベース体の前記カバー本体への挿入を補助する挿入補助部を有し、前記カバー本体が、さらに、前記ベース体のスライド方向に延在した、前記挿入補助部がスライド可能に係合される補助係合部を有する[1]または[2]に記載のベース構造体。
[11]前記挿入補助部が、平面視にて前記ベース体の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられている[10]に記載のベース構造体。
[12]前記挿入補助部が挿入リブであり、前記補助係合部が前記挿入リブをガイドするガイドリブである[10]に記載のベース構造体。
[13]前記第2係合部が前記係止部に係合されている状態にて、前記挿入補助部が前記補助係合部に係合されている[10]に記載のベース構造体。
[14]前記着脱部が、ボルトのネジ部が挿通される貫通孔である[4]に記載のベース構造体。
[15]交換可能な部品が収容される部品収容部を有するベース体と、前記ベース体がスライド挿入されて収容されているカバー本体と、を備えたベース構造体であり、前記カバー本体が、前記ベース体を係止する係止部を有し、前記ベース体が、前記部品収容部が前記カバー本体に収容された状態で前記係止部が係合する第1係合部と、前記第1係合部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられ、前記係止部が係合する第2係合部と、を有するベース構造体と、
交換可能な前記部品と電気的に接続されるバスバーと、
前記ベース体の上部に設けられる上部カバー部と、を備えた電気接続箱。
【0010】
本発明のベース構造体の態様では、カバー本体の係止部は、ベース体の第1係合部または第2係合部に係合する。カバー本体の係止部がベース体の第1係合部に係合することで、ベース体がカバー本体に完全に組み付けられ、カバー本体を備えた電気接続箱を、車両本体に搭載できる状態となる。また、カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合した状態における部品収容部の位置は、前記係止部がベース体の第1係合部に係合した状態における部品収容部の位置よりも高い状態となる。
【0011】
本発明の上記態様において、「平面視」とは、ベース体のカバー本体への挿入方向に対して平行方向、且つカバー本体の内底面に対して対向する方向から視認した状態を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記カバー本体が、前記ベース体を係止する係止部を有し、前記ベース体が、前記部品収容部が前記カバー本体に収容された状態で前記係止部が係合する第1係合部と、前記第1係合部よりも前記ベース体のスライド方向における低い位置に設けられ、前記係止部が係合する第2係合部と、を有することにより、カバー本体の係止部をベース体の第2係合部に係合させると、部品収容部はカバー本体に収容された状態よりもベース体のスライド方向において高い位置となる。従って、カバー本体の係止部をベース体の第2係合部に係合させると、ベース体に収容されている部品の交換または修理作業をすることができる。上記から、本発明のベース構造体の態様によれば、カバー本体の係止部をベース体の第2係合部に係合させてベース体に収容されている部品の交換または修理の作業をすることで、部品の交換または修理にカバー本体からベース体を離脱させる必要がないので、ベース体に収容されている部品の交換または修理の後にベース体をカバー本体に容易に組み付けることができる。
【0013】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記係止部が、前記カバー本体の内周面から前記カバー本体の内部方向へ突出した突出片であり、前記第1係合部及び前記第2係合部が、前記ベース体の外面に形成された凹部であることにより、カバー本体の係止部をベース体の第1係合部と第2係合部に円滑に係合させることができる。
【0014】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記ベース体が、前記部品収容部に収容された交換可能な前記部品を前記部品収容部に着脱するための着脱部を有し、前記第2係合部が、前記着脱部が前記カバー本体の先端から突出した状態で前記係止部に係合されることにより、カバー本体からベース体を離脱させることなく、ベース体に収容されている部品の交換または修理の作業をさらに容易化することができる。
【0015】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記ベース体の短手方向を形成する側面が、第1の側面と前記第1の側面に対向する第2の側面とを有し、前記第1係合部が前記第1の側面と前記第2の側面のそれぞれに設けられていることにより、ベース体のカバー本体に対する組み付けを安定化することができる。
【0016】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記ベース体の短手方向を形成する側面が、第1の側面と前記第1の側面に対向する第2の側面とを有し、前記第2係合部が前記第1の側面と前記第2の側面のそれぞれに設けられていることにより、ベース体に収容されている部品の交換時または修理時におけるベース体の姿勢を安定化することができる。
【0017】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記ベース体が、さらに、前記ベース体のスライド方向に延在した、前記ベース体の前記カバー本体への挿入を補助する挿入補助部を有し、前記カバー本体が、さらに、前記ベース体のスライド方向に延在した、前記挿入補助部がスライド可能に係合される補助係合部を有することにより、カバー本体からベース体を離脱させてもベース体をカバー本体へ容易に組み付けることができる。
【0018】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記挿入補助部が、平面視にて前記ベース体の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられていることにより、ベース体がカバー本体へ組み付けられる際に、ベース体に収容されている部品が逆配置の状態でベース体がカバー本体へ組み付けられることを確実に防止できる。
【0019】
本発明のベース構造体の態様によれば、前記第2係合部が前記係止部に係合されている状態にて、前記挿入補助部が前記補助係合部に係合されていることにより、前記挿入補助部と前記補助係合部がベース体のカバー本体への組み付け作業性の向上に寄与するので、ベース体に収容されている部品の交換または修理の後にベース体をカバー本体に容易に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態例に係るベース構造体を備えた電気接続箱の外観の概要を示す説明図である。
【
図2】本発明の実施形態例に係るベース構造体を備えた電気接続箱の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態例に係るベース構造体を構成するベース体の左方からの斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態例に係るベース構造体を構成するベース体の右方からの斜視図である。
【
図5】カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態となっているベース構造体の全体斜視図である。
【
図6】カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態を説明する左方からの説明図である。
【
図7】カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態を説明する右方からの説明図である。
【
図8】カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態となっているベース構造体の左方における断面図である。
【
図9】カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態となっているベース構造体の右方における断面図である。
【
図10】カバー本体の係止部がベース体の第1係合部に係合している状態を説明する左方からの説明図である。
【
図11】ベース構造体を備えた電気接続箱が車両本体に搭載された状態の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態例に係るベース構造体及びベース構造体を備えた電気接続箱について説明する。まず、ベース構造体を備えた電気接続箱の外観について説明する。
図1は、本発明の実施形態例に係るベース構造体を備えた電気接続箱の外観の概要を示す説明図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の実施形態例に係るベース構造体1を備えた電気接続箱100は、ベース構造体1の構成要素である、ロアカバーであるカバー本体10と、カバー本体10の上方から被せてカバー本体10内部を外部環境から保護する、アッパーカバーである上部カバー部110と、を備えている。ベース構造体1のカバー本体10内部には、交換可能な部品が収容される部品収容部を有するベース体(
図1では図示せず)が収容されている。上記から、上部カバー部110は、カバー本体10内部に収容されているベース体の上方に設けられる。ベース構造体1の構造の詳細については後述する。また、カバー本体10内部には、ベース体の部品収容部に収容されている上記部品と電気的に接続されるバスバー(
図1では図示せず)が備えられている。ベース体は、バスバーを固定する機能も有している。
【0023】
カバー本体10は、電気接続箱100を車両本体に接続、固定するための固定部111と、バッテリーや様々な電気機器類などに連結された電線(
図1では図示せず)を電気接続箱100の内部へ挿通するための電線挿通口112と、を有している。電気接続箱100では、固定部111は貫通孔となっており、ボルト・ナット等の締結手段を用いて、電気接続箱100を車両本体、ブラケット等の支持部材といった車両周辺部品に接続、固定して車両に搭載する。電線挿通口112を介して電気接続箱100の内部へ挿通された電線は、カバー本体10内部に設けられているバスバーと電気的に接続される。
【0024】
次に、電気接続箱100を構成するベース構造体1ついて、以下に説明する。
図2は、本発明の実施形態例に係るベース構造体を備えた電気接続箱の分解斜視図である。
図3は、本発明の実施形態例に係るベース構造体を構成するベース体の左方からの斜視図である。
図4は、本発明の実施形態例に係るベース構造体を構成するベース体の右方からの斜視図である。
【0025】
以下、説明の便宜上、
図2~4におけるベース構造体1におけるベース体20がカバー本体10内部へ挿入される方向及びカバー本体内部10から取り外される方向と平行な方向をz軸方向とする。z軸方向は上下方向であり、z軸方向は「スライド方向」ともいう。ベース構造体1において、ベース体20がカバー本体10内部へ挿入される方向を-z方向(下方向)、ベース体20がカバー本体内部10から取り外される方向を+z方向(上方向)とする。ベース構造体1のz軸方向に直交する方向のうち一方(x軸方向)を前後方向とする。x軸方向はベース構造体1における短手方向でもある。また、ベース構造体1のz軸方向に直交する方向のうち他方(y軸方向)を左右方向とする。y軸方向はベース構造体1における長手方向でもある。ベース構造体1において、-y方向を左方向、+y方向を右方向ともいう。
【0026】
図2に示すように、ベース構造体1は、交換可能な部品200が収容される部品収容部21を有するベース体20と、ベース体20がスライド挿入されて収容されているカバー本体10と、を備えている。ベース体20がカバー本体10内部に所定の配置にて完全に収容されることで、ベース体20のカバー本体10への組み付けが完了する。ベース体20のカバー本体10への組み付け完了後、上部カバー部110を部品収容部21の上方から被せることで電気接続箱100が完成する。
【0027】
図2に示すように、カバー本体10は、平面視にて長手方向と短手方向とを有し、長手方向を形成する周面12と短手方向を形成する周面13を有している。また、カバー本体10は、ベース体20を係止するための係止部11を有している。ベース構造体1では、カバー本体10は、短手方向を形成する周面13の内面側に、ベース体20を係止するための係止部11を有している。また、係止部11は、対向する周面13の内面側に、それぞれ、設けられている。
【0028】
係止部11の形状は、特に限定されず、ベース構造体1では、係止部11は、カバー本体10の内周面(ベース構造体1では短手方向を形成する周面13)からカバー本体10の内部方向へ突出した突出片である。
【0029】
図2、3、4に示すように、ベース体20は、その上部に交換可能な部品200が収容される部品収容部21を有している。ベース構造体1では、部品収容部21は、複数の部品200、200、200・・・を収容する構造となっている。部品収容部21に収容されている部品200は、ベース体20に固定されている金属製のバスバー(
図2~4では図示せず)と電気的に接続されている。なお、
図3、4では、説明の便宜上、部品200を図示していない。ベース体20は、平面視にて長手方向と短手方向とを有し、長手方向を形成する側面22と短手方向を形成する側面23を有している。
【0030】
また、ベース体20は、部品収容部21の左右方向、すなわち、部品収容部21と略同じ高さに、部品収容部21がカバー本体10に収容された状態でカバー本体10の係止部11が係合する第1係合部31と、第1係合部31よりもベース体20のスライド方向における低い位置に設けられ、カバー本体10の係止部11が係合する第2係合部32と、を有している。すなわち、第2係合部32は、第1係合部31よりもベース体20の上下方向(z軸方向)における下方(-z方向)に設けられている。ベース構造体1では、第1係合部31が、ベース体20の短手方向を形成する側面23に設けられている。また、ベース構造体1では、第2係合部32が、ベース体20の短手方向を形成する側面23に設けられている。具体的には、短手方向を形成する側面23の外面側に、第1係合部31と第2係合部32が設けられている。なお、「スライド方向」とは、ベース構造体1におけるz軸方向(上下方向)であり、ベース体20はカバー本体10内部へ下方向(-z方向)にスライドして挿入される。
【0031】
ベース体20の短手方向を形成する側面23は、第1の側面23-1と第1の側面23-1に対向する第2の側面23-2とを有し、第1係合部31は第1の側面23-1と第2の側面23-2に設けられている。第1の側面23-1に設けられている第1係合部31のスライド方向における高さは、第2の側面23-2に設けられている第1係合部31のスライド方向における高さと略同じである。
【0032】
また、第2係合部32も、ベース体20の短手方向を形成する第1の側面23-1と第2の側面23-2に設けられている。第1の側面23-1に設けられている第2係合部32のスライド方向における高さは、第2の側面23-2に設けられている第2係合部32のスライド方向における高さと略同じである。
【0033】
第1係合部31は、部品収容部21がカバー本体10に完全に収容されてベース体20がカバー本体10に組み付けられた状態にて、カバー本体10に設けられた係止部11が係合する部位である。第2係合部32は、第1係合部31よりもスライド方向(z軸方向)における下方(-z方向)に設けられており、部品収容部21がカバー本体10に完全には収容されておらずベース体20がカバー本体10に組み付けられていない状態にて、カバー本体10の係止部11が係合する部位である。
【0034】
第1係合部31及び第2係合部32の形状は、カバー本体10の係止部11が係合できる形状であれば、凹部、凸部、貫通孔部等、特に限定されず、ベース構造体1では、第1係合部31は、ベース体20の外面(ベース構造体1では、短手方向を形成する側面23の外面)に形成された凹部である。また、ベース構造体1では、第2係合部32も、ベース体20の外面(ベース構造体1では、短手方向を形成する側面23の外面)に形成された凹部である。
【0035】
図2、3、4に示すように、ベース体20は、さらに、ベース体20のスライド方向に延在した、ベース体20のカバー本体10への挿入を補助する挿入補助部33を有している。挿入補助部33は、ベース体20の長手方向を形成する側面22から突出し、また、ベース体20の短手方向を形成する側面23から突出した突出片である。ベース体20の長手方向を形成する側面22は、第1の側面22-1と第1の側面22-1に対向する第2の側面22-2とを有し、挿入補助部33は、ベース体20の短手方向を形成する第1の側面23-1とベース体20の長手方向を形成する第1の側面22-1から形成される角部に設けられている。さらに、挿入補助部33は、ベース体20の短手方向を形成する第2の側面23-2とベース体20の長手方向を形成する第2の側面22-2から形成される角部に設けられている。上記から、挿入補助部33は、平面視にてベース体20の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられている。
【0036】
ベース体20が挿入補助部33を有していることに対応して、カバー本体10は、さらに、ベース体20のスライド方向に延在した、挿入補助部33がスライド可能に係合される補助係合部を有している。ベース体20の挿入補助部33が挿入リブであり、カバー本体10の補助係合部が挿入リブ(挿入補助部33)をガイドするガイドリブである。カバー本体10の補助係合部については、後述する。
【0037】
図2、3、4に示すように、ベース体20の長手方向を形成する側面22には、嵌合リブ34が設けられている。嵌合リブ34は、カバー本体10内部に収容されているベース体20の位置決めとしての機能を有している。嵌合リブ34は、側面22から短冊状に突出した突出部である。嵌合リブ34は、第1の側面22-1と第2の側面22-2に設けられている。また、嵌合リブ34は、第1の側面22-1に複数設けられ、また、第2の側面22-2に複数設けられている。
【0038】
図2に示すように、ベース体20の長手方向を形成する側面22に嵌合リブ34が設けられていることに対応して、カバー本体10の長手方向を形成する周面12には、嵌合リブ34が嵌合されるガイドリブ14が設けられている。嵌合リブ34は、ガイドリブ14にスライド方向に沿ってガイドされてガイドリブ14に嵌合される。嵌合リブ34がガイドリブ14に嵌合されることで、ベース体20がカバー本体10内部の所定位置に位置決めされる。ガイドリブ14は、周面12から平面視L字状に突出した突出部である。ガイドリブ14は、周面12の内面側のうち、嵌合リブ34の位置に対応した位置に設けられている。
【0039】
次に、カバー本体10の係止部11がベース体20の第2係合部32に係合している状態について説明をする。
図5は、カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態となっているベース構造体の全体斜視図である。
図6は、カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態を説明する左方からの説明図である。
図7は、カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態を説明する右方からの説明図である。
図8は、カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態となっているベース構造体の左方における断面図である。
図9は、カバー本体の係止部がベース体の第2係合部に係合している状態となっているベース構造体の右方における断面図である。
【0040】
図5に示すように、カバー本体10の係止部11がベース体20の第2係合部32に係合していると、ベース体20の部品収容部21がカバー本体10の上縁部である先端15から突出した状態となる。すなわち、第2係合部32は、部品収容部21がカバー本体10の先端15から突出した状態でカバー本体10の係止部11に係合される。第2係合部32がカバー本体10の係止部11に係合されると、部品収容部21がカバー本体10に完全には収容されておらず、ベース体20がカバー本体10に組み付けられていない状態となる。ベース体20の部品収容部21がカバー本体10の先端15から突出した状態とすることで、作業者は、ベース体20の部品収容部21に収容されている部品200を新たな部品に交換または部品200を部品収容部21から取り外して修理する作業を行うことができる。
【0041】
具体的には、
図5、6、7に示すように、ベース体20は、部品収容部21に収容された交換可能な部品200を部品収容部21に着脱するための着脱部40を有している。着脱部40は、部品収容部21のスライド方向の下方に位置している。第1係合部31が係止部11に係合され、部品収容部21がカバー本体10に完全に収容されてベース体20がカバー本体10に組み付けられた状態では、着脱部40は、カバー本体10内部に位置している。着脱部40がカバー本体10内部に位置していると、作業者は、ベース体20の部品収容部21に収容されている部品200を新たな部品に交換または部品200を部品収容部21から取り外して修理をすることができない。
【0042】
一方で、第2係合部32は、着脱部40よりもベース体20のスライド方向における低い位置に設けられている。第2係合部32がカバー本体10の係止部11に係合されて、部品収容部21がカバー本体10に完全には収容されておらず、ベース体20がカバー本体10に組み付けられていない状態では、着脱部40がカバー本体10の先端15から突出した状態となる。すなわち、着脱部40がカバー本体10の先端15から突出した状態で、第2係合部32が係止部11に係合される。
【0043】
着脱部40がカバー本体10の先端15から突出し、着脱部40がカバー本体10から露出することで、作業者は、ベース体20の部品収容部21に収容されている部品200を新たな部品に交換または部品200を部品収容部21から取り外して修理する作業を行うことができる。
【0044】
カバー本体10とベース体20は樹脂製であり、可撓性を有している。従って、カバー本体10とベース体20が有する可撓性により、カバー本体10の係止部11とベース体20の第2係合部32とを相互に干渉させることで、第2係合部32が係止部11に係合される。また、作業者は、カバー本体10をその長手方向へ撓ませて、ベース体20を上方または下方へスライドさせることで、第2係合部32が係止部11に係合された状態を解除できる。
【0045】
着脱部40の構造としては、特に限定されないが、ベース構造体1では、ボルトのネジ部が挿通される貫通孔である。すなわち、ボルトとナットを用いた締結手段により、交換可能な部品200が部品収容部21に固定されている。
【0046】
また、ベース体20の部品収容部21に収容されている部品200は、金属製の板状部材であるバスバー51と電気的に接続されている。ベース体20は、さらに、バスバー51を固定する機能も有している。バスバー51は、ボルトのネジ部が挿通される貫通孔50を有しており、バスバー51がベース体20に固定されると、貫通孔である着脱部40とバスバー51の貫通孔50とが重なり合う。ボルトのネジ部を着脱部40と貫通孔50に挿通し、ナットを用いてベース体20とバスバー51を締結することで、部品収容部21に収容されている部品200は、金属製の板状部材であるバスバー51と電気的に接続される。
【0047】
なお、着脱部40の構造としては、ボルトのネジ部が挿通される貫通孔に代えて、例えば、コネクタとしてもよい。
【0048】
図8、9に示すように、ベース体20が挿入補助部33を有していることに対応して、カバー本体10は、補助係合部16を有している。補助係合部16は、ベース体20のスライド方向に延在しており、挿入補助部33が補助係合部16にスライド可能に係合される。ベース体20の挿入補助部33が挿入リブであり、カバー本体10の補助係合部16が、突出片である挿入補助部33をガイドするガイドリブである。
【0049】
挿入補助部33は、上記の通り、平面視にてベース体20の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられていることに対応して、補助係合部16は、平面視にてカバー本体10の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられている。すなわち、補助係合部16は、カバー本体10の短手方向を形成する周面13とカバー本体10の長手方向を形成する周面12から形成される角部に設けられている。
【0050】
ベース構造体1では、カバー本体10の係止部11がベース体20の第2係合部32に係合している状態において、挿入補助部33が補助係合部16に係合されている。
【0051】
次に、カバー本体10の係止部11がベース体20の第1係合部31に係合している状態について説明をする。
図10は、カバー本体の係止部がベース体の第1係合部に係合している状態を説明する左方からの説明図である。
【0052】
図10に示すように、カバー本体10の係止部11がベース体20の第1係合部31に係合していると、ベース体20の部品収容部21がカバー本体10の上縁部である先端15から突出していない状態となる。すなわち、第1係合部31は、部品収容部21がカバー本体10の先端15よりもベース体20のスライド方向における低い状態でカバー本体10の係止部11に係合される。第1係合部31がカバー本体10の係止部11に係合されると、部品収容部21がカバー本体10に完全には収容されて、ベース体20がカバー本体10に組み付けられた状態となる。ベース体20がカバー本体10に組み付けられた状態となることで、ベース構造体1が車両本体に搭載可能な状態となる。
【0053】
作業者は、ベース体20の部品収容部21に収容されている部品200を新たな部品に交換または部品200を部品収容部21から取り外して修理する作業を完了した後、カバー本体10の係止部11をカバー本体10の長手方向へ撓ませて第2係合部32が係止部11に係合された状態を解除するとともに、ベース体20を下方へスライドさせる。カバー本体10の係止部11の撓みを解消させつつベース体20をさらに下方へスライドさせ、ベース体20の第1係合部31をカバー本体10の係止部11の位置に合わせることで、カバー本体10の係止部11がベース体20の第1係合部31に係合する。
【0054】
ベース体20を下方へスライドさせるにあたり、ベース体20の挿入補助部33がカバー本体10の補助係合部16にスライド可能に係合されているので、ベース体20の挿入補助部33とカバー本体10の補助係合部16が、ベース体20の下方へのスライドを円滑化させることができる。
【0055】
次に、ベース構造体1を備えた電気接続箱100の内部構造を説明する。
図11は、ベース構造体を備えた電気接続箱が車両本体に搭載された状態の正面断面図である。
【0056】
図11に示すように、車両本体に搭載された状態の電気接続箱100では、カバー本体10の係止部11がベース体20の第1係合部31に係合し、ベース構造体1は、ベース体20がカバー本体10に組み付けられた状態となっている。カバー本体10の電線挿通口112を介して、電線121が電気接続箱100の内部へ挿通されている。ベース体20に固定されているバスバー51は、電気接続箱100の内部へ挿通されている電線121と電気的に接続されている。また、バスバー51の上方に位置する部品収容部21に収容されている部品200は、バスバー51を介して、電気接続箱100の内部へ挿通されている電線121と電気的に接続されている。
【0057】
電線121の末端には接続端子122が設けられている。ベース体20の着脱部40に、接続端子122とバスバー51の貫通孔50とが位置合わせされている。位置合わせされている着脱部40と貫通孔50と接続端子122を締結部材(例えば、ボルトとナット)にて締結することで、バスバー51及び部品収容部21に収容されている部品200は、電線121と電気的に接続されている。
【0058】
電気接続箱100では、部品収容部21に複数の部品200、200、200・・・が収容されていることに対応して、複数の電線121、121、121・・・が電気接続箱100の内部へ挿通され、ベース体20には複数の着脱部40、40、40・・・、バスバー51には複数の貫通孔50、50、50・・・が設けられている。それぞれの着脱部40には、それぞれの電線121が電気的に接続されている。
【0059】
カバー本体10の上方には、上部カバー部110が被せられている。上部カバー部110は、カバー本体10内部に収容されているベース体20の上部に設けられている。上部カバー部110は、部品収容部21に収容されている部品200の上方を外部環境から保護している。
【0060】
部品収容部21に収容されている部品200としては、特に限定されないが、例えば、ヒューズ、リレ-、電子モジュール等が挙げられる。
【0061】
ベース構造体1では、カバー本体10が、ベース体20を係止する係止部11を有し、ベース体20が、部品収容部21がカバー本体10に収容された状態(すなわち、ベース体20をカバー本体10に組み付けた状態)で係止部11が係合する第1係合部31と、第1係合部31よりもベース体20のスライド方向における低い位置に設けられ、係止部11が係合する第2係合部32と、を有するので、カバー本体10の係止部11をベース体20の第2係合部32に係合させることで、部品収容部21はカバー本体10に収容された状態よりもベース体20のスライド方向において高い位置をとることができる。従って、カバー本体10の係止部11をベース体20の第2係合部32に係合させることで、ベース体20に収容されている部品200の交換または修理作業をすることができる。上記から、ベース構造体1では、カバー本体10の係止部11をベース体20の第2係合部32に係合させてベース体20に収容されている部品200の交換または修理の作業をすることで、部品200の交換または修理にカバー本体10からベース体20を離脱させる必要がないので、ベース体20に収容されている部品200の交換または修理の後にベース体20をカバー本体10に容易に組み付けることができる。
【0062】
また、ベース構造体1では、部品200の交換または修理の後にベース体20をカバー本体10に容易に組み付けることができるので、ベース体20のカバー本体10への組み付け作業を円滑化し、また、ベース体20をカバー本体10に組み付ける際に、ベース体20やカバー本体10を変形等させてしまうことを防止できる。
【0063】
特に、ベース構造体1では、係止部11が、カバー本体10の周面13からカバー本体10の内部方向へ突出した突出片であり、第1係合部31及び第2係合部32が、ベース体20の側面23に形成された凹部であるので、カバー本体10の係止部11をベース体20の第1係合部31と第2係合部32に円滑且つ容易に係合させることができる。
【0064】
また、特に、ベース構造体1では、ベース体20が着脱部40を有し、着脱部40がカバー本体10の先端15から突出した状態で、第2係合部32が係止部11に係合されるので、カバー本体10からベース体20を離脱させることなく、ベース体20に収容されている部品200の交換または修理の作業をさらに容易化することができる。
【0065】
また、特に、ベース構造体1では、第1係合部31が第1の側面23-1と第2の側面23-2のそれぞれに設けられていることにより、ベース体20のカバー本体10に対する組み付けを安定化することができる。さらに、ベース構造体1では、第2係合部32が第1の側面23-1と第2の側面23-2のそれぞれに設けられているので、ベース体20に収容されている部品200の交換時または修理時におけるベース体20の姿勢を安定化することができる。
【0066】
また、特に、ベース構造体1では、ベース体20が、ベース体20のカバー本体10への挿入を補助する挿入補助部33を有し、カバー本体10が、挿入補助部33がスライド可能に係合される補助係合部16を有するので、カバー本体10に収容されているベース体20を上方向(+z方向)にスライドさせてカバー本体10からベース体20を離脱させた場合であっても、ベース体20をカバー本体10へ容易に組み付けることができる。さらに、ベース構造体1では、挿入補助部33が、平面視にてベース体20の斜め方向にて対向する2つの角部に設けられているので、ベース体20がカバー本体10へ組み付けられる際に、ベース体20に収容されている部品200が逆配置の状態で、ベース体20がカバー本体10へ組み付けられることを確実に防止できる。
【0067】
また、特に、ベース構造体1では、第2係合部32が係止部11に係合されている状態にて、挿入補助部33が補助係合部16にスライド可能に係合されているので、挿入補助部33と補助係合部16がベース体20のカバー本体10への組み付け作業性の向上に寄与する。従って、ベース体20に収容されている部品200の交換または修理の後にベース体20をカバー本体10に容易に組み付けることができる。
【0068】
次に、本発明のベース構造体の他の実施形態例について、以下に説明する。上記実施形態例のベース構造体では、カバー本体の係止部はカバー本体の短手方向を形成する周面に設けられ、ベース体の第1係合部と第2係合部はベース体の短手方向を形成する側面に設けられていたが、これに代えて、カバー本体の係止部はカバー本体の長手方向を形成する周面に設けられ、ベース体の第1係合部と第2係合部はベース体の長手方向を形成する側面に設けられていてもよい。また、上記実施形態例のベース構造体では、カバー本体の係止部はカバー本体の短手方向を形成する各周面に1つ設けられ、ベース体の第1係合部と第2係合部はベース体の短手方向を形成する各側面に1つ設けられていたが、これに代えて、カバー本体の係止部はカバー本体の短手方向を形成する各周面に複数設けられ、ベース体の第1係合部と第2係合部はベース体の短手方向を形成する各側面に複数設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 ベース構造体
10 カバー本体
11 係止部
15 先端
16 補助係合部
20 ベース体
21 部品収容部
31 第1係合部
32 第2係合部
33 挿入補助部
40 着脱部
100 電気接続箱