(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082960
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】半導体チップを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240613BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240613BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240613BHJP
C09J 7/22 20180101ALI20240613BHJP
【FI】
H01L21/78 Q
H01L21/78 M
H01L21/304 622J
H01L21/304 631
C09J7/38
C09J7/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197199
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100140578
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】牧野 竜也
(72)【発明者】
【氏名】白坂 敏明
【テーマコード(参考)】
4J004
5F057
5F063
【Fターム(参考)】
4J004AB01
4J004CA04
4J004CA05
4J004FA08
5F057AA21
5F057BA15
5F057CA14
5F057CA31
5F057CA36
5F057DA11
5F057DA14
5F057DA38
5F057EC03
5F057EC04
5F057EC13
5F057EC14
5F057EC30
5F057FA28
5F057FA30
5F057FA37
5F063AA04
5F063AA11
5F063AA15
5F063AA33
5F063AA36
5F063BA07
5F063CA01
5F063CA04
5F063CC33
5F063DD01
5F063DD59
5F063DD85
5F063DF06
5F063DF11
5F063DF20
5F063DF21
5F063DG04
5F063EE07
5F063EE21
5F063EE43
5F063EE44
5F063EE85
5F063FF34
(57)【要約】
【課題】保護層によって保護された半導体ウェハをダイシング用テープ上で分割することを含む方法により半導体チップを製造する場合において、ダイシング用テープの熱収縮による影響を抑制すること。
【解決手段】回路面及び裏面を有する半導体ウェハ1と保護層3とバックグラインドテープ5とを有する表面保護積層体10を準備することと、半導体ウェハ1を裏面側から研削し、それにより半導体ウェハ1を薄くすることと、表面保護積層体10を、ダイシング用テープ7上に固定することと、表面保護積層体10からバックグラインドテープ5を剥離することと、ダイシング用テープ7上の半導体ウェハ1を保護層3とともに分割し、それにより半導体チップ20を形成することと、半導体チップ20に付着した保護層3を除去することと、を含む、半導体チップを製造する方法。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路面及びその反対側の裏面を有する半導体ウェハと保護層とバックグラインドテープとを有する表面保護積層体であって、前記保護層が前記回路面を覆うように設けられ、前記バックグラインドテープが前記保護層の前記半導体ウェハとは反対側の面上に積層されている、表面保護積層体を準備することと、
前記表面保護積層体が有する前記半導体ウェハを前記裏面側から研削し、それにより前記半導体ウェハを薄くすることと、
薄くされた前記半導体ウェハを有する前記表面保護積層体を、ダイシング用テープ上に、前記半導体ウェハが前記ダイシング用テープ側に位置する向きで固定することと、
薄くされた前記半導体ウェハを有する前記表面保護積層体から、前記バックグラインドテープを剥離することと、
前記バックグラインドテープが前記表面保護積層体から剥離された後、前記ダイシング用テープ上の前記半導体ウェハを前記保護層とともに分割し、それにより、分割された前記保護層が付着している半導体チップを形成することと、
前記半導体チップに付着した前記保護層を除去することと、
を含む、
半導体チップを製造する方法。
【請求項2】
前記バックグラインドテープがUV硬化型のバックグラインドテープであり、
当該方法が、前記半導体ウェハが薄くされた後、前記表面保護積層体から前記バックグラインドテープが剥離される前に、前記バックグラインドテープに対して紫外線を照射することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面保護積層体が、
前記半導体ウェハの前記回路面上に保護層形成用のコーティング組成物の膜を形成することと、
前記膜を50℃以上に加熱し、それにより前記保護層を形成することと、
を含む方法によって準備される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記保護層の厚さが0.3~20.0μmである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ダイシング用テープが、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、又はエチレン-酢酸ビニル共重合体を含む基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着層と、を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記保護層が、アルカリ水溶性の有機樹脂を含み、
前記半導体チップに付着した前記保護層が、アルカリ性水溶液によって除去される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
アルカリ水溶性の前記有機樹脂が、塩を形成していてもよいカルボキシ基を有するアクリル樹脂、塩を形成していてもよいカルボキシ基を有するウレタン化合物、酸無水物をモノマー単位として含む共重合体、及び多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウェハから半導体チップを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの製造のための半導体ウェハのダイシングにおいて、ダイシングに伴う微細な屑の付着、及び半導体ウェハの損傷を避けるために、ダイシングの間、半導体ウェハの表面を一時的に保護する保護層を設けることが検討されている(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-172932号公報
【特許文献2】特開2018-129365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウェハの表面を保護する保護層は、加熱を含む方法によって形成されることがある。保護層の形成のための加熱の影響により、ダイシングのために半導体ウェハが固定されるダイシング用シートが熱収縮し、それが工程の安定性に影響し得ることが明らかとなった。
【0005】
本開示の一側面は、保護層によって保護された半導体ウェハをダイシング用テープ上で分割することを含む方法により半導体チップを製造する場合において、ダイシング用テープの熱収縮による影響を抑制することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、少なくとも以下の事項を含む。
[1]
回路面及びその反対側の裏面を有する半導体ウェハと保護層とバックグラインドテープとを有する表面保護積層体であって、前記保護層が前記回路面を覆うように設けられ、前記バックグラインドテープが前記保護層の前記半導体ウェハとは反対側の面上に積層されている、表面保護積層体を準備することと、
前記表面保護積層体が有する前記半導体ウェハを前記裏面側から研削し、それにより前記半導体ウェハを薄くすることと、
薄くされた前記半導体ウェハを有する前記表面保護積層体を、ダイシング用テープ上に、前記半導体ウェハが前記ダイシング用テープ側に位置する向きで固定することと、
薄くされた前記半導体ウェハを有する前記表面保護積層体から、前記バックグラインドテープを剥離することと、
前記バックグラインドテープが前記表面保護積層体から剥離された後、前記ダイシング用テープ上の前記半導体ウェハを前記保護層とともに分割し、それにより、分割された前記保護層が付着している半導体チップを形成することと、
前記半導体チップに付着した前記保護層を除去することと、
を含む、
半導体チップを製造する方法。
[2]
前記バックグラインドテープがUV硬化型のバックグラインドテープであり、
当該方法が、前記半導体ウェハが薄くされた後、前記表面保護積層体から前記バックグラインドテープが剥離される前に、前記バックグラインドテープに対して紫外線を照射することを更に含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記表面保護積層体が、
前記半導体ウェハの前記回路面上に保護層形成用のコーティング組成物の膜を形成することと、
前記膜を50℃以上に加熱し、それにより前記保護層を形成することと、
を含む方法によって準備される、
[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記保護層の厚さが0.3~20.0μmである、[1]~[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]
前記ダイシング用テープが、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、又はエチレン-酢酸ビニル共重合体を含む基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着層と、を有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]
前記保護層が、アルカリ水溶性の有機樹脂を含み、
前記半導体チップに付着した前記保護層が、アルカリ性水溶液によって除去される、
[1]~[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7]
アルカリ水溶性の前記有機樹脂が、塩を形成していてもよいカルボキシ基を有するアクリル樹脂、塩を形成していてもよいカルボキシ基を有するウレタン化合物、酸無水物をモノマー単位として含む共重合体、及び多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[6]に記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
保護層によって保護された半導体ウェハをダイシング用テープ上で分割することを含む方法により半導体チップを製造する場合において、ダイシング用テープの熱収縮による影響を抑制することができる。高い柔軟性を有し、耐熱性があまり高くないダイシング用テープを選択することができる。高い柔軟性を有するダイシング用テープを用いると、ダイシング後の半導体チップをより容易にピックアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】半導体チップを製造する方法の一例を示す工程図である。
【
図2】半導体チップを製造する方法の一例を示す工程図である。
【
図3】半導体チップを製造する方法の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は以下の例に限定されない。
【0010】
図1、
図2及び
図3は、半導体チップを製造する方法の一例を示す工程図である。
図1~3に示される方法は、回路面S1及びその反対側の裏面S2を有する半導体ウェハ1と保護層3とバックグラインドテープ5とを有する表面保護積層体10を準備することと(
図1の(a)、(b)及び(c))、表面保護積層体10が有する半導体ウェハ1を裏面S2側から研削し、それにより半導体ウェハ1を薄くすることと(
図2の(d))、薄くされた半導体ウェハ1を有する表面保護積層体10を、ダイシング用テープ7上に、半導体ウェハ1がダイシング用テープ7側に位置する向きで固定することと(
図2の(f))、薄くされた半導体ウェハ1を有する表面保護積層体10から、バックグラインドテープ5を剥離することと(
図3の(g))、ダイシング用テープ7上の半導体ウェハ1を保護層3とともに分割し、それにより、分割された保護層3が付着している半導体チップ20を形成することと(
図3の(h))、半導体チップ20に付着した保護層3を除去することと(
図3の(i))を含む。半導体ウェハ1を分割するダイシングにより、複数の半導体チップ20が形成される。
【0011】
半導体ウェハ1は、例えばシリコンウェハであることができる。半導体ウェハ1の回路面S1側の表層部に集積回路が形成されている。回路面S1が熱酸化膜を含んでいてもよい。薄くされる前の半導体ウェハ1の厚さは、例えば400~900μmであってもよい。
【0012】
保護層3は、回路面S1を覆うように設けられる。保護層3が回路面S1の全体を覆ってもよい。保護層3は、アルカリ水溶性の有機樹脂を含んでいてもよい。保護層3は、例えば、有機樹脂及び溶媒を含む保護層形成用のコーティング組成物の膜を回路面S1上に形成することと、その膜を加熱することとを含む方法によって形成される。この時点で半導体ウェハ1がダイシング用テープ7上に固定されていないため、ダイシング用テープ7に対して熱履歴を与えることなく、保護層3を形成することができる。コーティング組成物が溶剤を含む場合、膜の加熱により溶剤が除去される。保護層3を形成するための加熱温度は、保護層3が適切に形成されるように適宜設定されるが、例えば、50℃以上、60℃以上、又は70℃以上であってもよい。加熱温度の上限は、特に制限されないが、通常、150℃程度である。保護層3を構成する有機樹脂、及び保護層3を形成するためのコーティング組成物の詳細は後述される。基材フィルム上に形成された保護層3を予め準備し、保護層3を回路面S1上に積層してもよい。
【0013】
保護層3の厚さは、半導体ウェハの適切な保護の観点から、0.3μm以上、0.5μm以上、又は0.8μm以上であってもよい。保護層3の厚さは、半導体ウェハ表面の凹凸構造に依存するが、除去のために要する時間の短縮の観点から、20.0μm以下、15.0μm以下、又は10.0μm以下であってもよい。例えば、保護層の厚さが、0.3~20.0μm、0.5~15.0μm、又は0.8~10.0μmであってもよい。
【0014】
保護層3が形成された後、バックグラインドテープ5が保護層3の半導体ウェハ1とは反対側の面S3上に積層される。バックグラインドテープ5は、例えば、紫外線照射によって粘着力が減少するUV硬化型のバックグラインドテープであってもよい。支持フィルムと、バックグラインドテープ5と、保護層3とを有し、これらがこの順で積層されている積層フィルムを予め準備し、それを保護層3が半導体ウェハ1側に位置する向きで半導体ウェハ1上に積層することを含む方法により、表面保護積層体10を準備してもよい。
【0015】
バックグラインドテープ5によって固定された状態で、半導体ウェハ1が裏面S2側から研削される。研削によって半導体ウェハ1の厚さが減少する。研削の方法は、例えば化学的機械研磨のような、通常のバックグラインドの方法であることができる。薄くされた半導体ウェハ1の厚さは、例えば30~200μmであってもよい。
【0016】
バックグラインドテープ5がUV硬化型である場合、表面保護積層体10からバックグラインドテープ5が剥離される前に、
図2の(e)に示されるように、バックグラインドテープ5に対して紫外線hνが照射される。UV硬化型のバックグラインドテープは、保護層3から特に容易に剥離することができる。
【0017】
続いて、
図2及び
図3の例の場合、表面保護積層体10がダイシング用テープ7上に固定された後、バックグラインドテープ5が表面保護積層体10から剥離される。あるいは、バックグラインドテープ5が表面保護積層体10から剥離された後、半導体ウェハ1及び保護層3から構成される表面保護積層体10がダイシング用テープ7上に固定されてもよい。
【0018】
ダイシング用テープ7は、半導体ウェハのダイシングのために通常用いられるものから選択することができる。ダイシング用テープ7が、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた粘着層とを有していてもよい。基材フィルムが高い柔軟性を有すると、ダイシング後に半導体チップ20を良好にピックアップし易い。この観点から、基材フィルムが、例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、又はエチレン-酢酸ビニル共重合体を含む樹脂フィルムであってもよい。高い柔軟性を有する基材フィルムは、比較的熱収縮し易い傾向があるが、本開示に係る方法では基材フィルムが高温で熱履歴を受けることを回避できるため、高い柔軟性を有する基材フィルムも選択することができる。
【0019】
ダイシング用テープ7の厚さは、特に制限されないが、例えば50~300μmであってもよい。ダイシング用テープ7が、基材フィルム及び粘着層を有する場合、例えば、基材フィルムの厚さが30~275μmであってもよく、粘着層の厚さが1~50μmであってもよい。
【0020】
バックグラインドテープ5が表面保護積層体10から剥離された後、ダイシング用テープ7上の半導体ウェハ1が、ダイシングによって保護層3とともに分割される。その結果、分割された保護層3が付着している複数の半導体チップ20がダイシング用テープ7上に形成される。ダイシングは、例えば、ダイシングソー30を用いて行われる。
【0021】
ダイシングの後、各半導体チップ20に付着した保護層3が除去される。保護層3は、例えば、洗浄液との接触によって除去される。保護層3の除去のための保護層3と洗浄液との接触時間が、例えば5~300秒であってもい。洗浄液の温度は、例えば5~30℃であってもよい。保護層3がアルカリ水溶性の有機樹脂を含む場合、洗浄液としてアルカリ性水溶液を用いることができる。洗浄液としてのアルカリ性水溶液は、例えば、アンモニア水溶液又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液であってもよい。アンモニア水溶液の濃度は、例えば0.01~5質量%、0.1~3.0質量%、又は0.5~2.0質量%であってもよい。TMAH水溶液の濃度は、例えば0.1~10質量%、0.5~5質量%以下、又は1.0~5.0質量%であってもよい。
【0022】
保護層3が除去された後、半導体チップ20は、ダイシング用テープ7上からピックアップされる。ピックアップされた半導体チップ20は、配線基板又は他の半導体チップ等、目的に応じた種々の部材にマウントされる。
【0023】
保護層3を構成する有機樹脂は、アルカリ水溶性の有機樹脂であってもよい。保護層3が非水溶性でアルカリ水溶性の有機樹脂を含むと、保護層3が水を用いたダイシングに対する耐性を特に有し易い。具体的には、保護層3が、塩を形成していてもよいカルボキシ基を有するアクリル樹脂、塩を形成していてもよいカルボキシ基を有するウレタン化合物、酸無水物をモノマー単位として含む共重合体、及び多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ水溶性の有機樹脂を含んでいてもよい。
【0024】
カルボキシ基を有するアクリル樹脂は、カルボキシ基を有するモノマーに由来するモノマー単位と、カルボキシル基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位とを有する共重合体であることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」はメタクリル又はアクリルを意味する。アクリル樹脂中のカルボキシ基のうち一部又は全部が、金属塩又はアンモニウム塩等の塩を形成していてもよい。
【0025】
カルボキシ基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、α-ブロモ(メタ)アクリル酸、α-クロル(メタ)アクリル酸、β-フリル(メタ)アクリル酸、β-スチリル(メタ)アクリル酸、フマール酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、及びプロピオール酸が挙げられる。カルボキシ基を有するモノマーが、保護層3のアルカリ水溶液に対する溶解性向上の観点から、(メタ)アクリル酸であってもよい。
【0026】
ダイシング時の耐水性とアルカリ水溶液への溶解性とのバランスの観点から、カルボキシ基に由来するモノマー単位の割合は、アクリル樹脂を構成するモノマー単位の全質量を基準として、5~25質量%、8~20質量%、又は10~15質量%であってもよい。
【0027】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(ラウリル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、及び(メタ)アクリル酸エイコシルが挙げられる。アクリル樹脂は、これらから選ばれる1種以上のモノマーをモノマー単位として含んでいてもよい。
【0028】
ダイシング時の耐水性向上の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位の割合が、アクリル樹脂を構成するモノマー単位の全質量を基準として、40質量%以上、50質量%以上、又は55質量%以上であってもよい。アルカリ水溶液への溶解性向上の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位の割合が、アクリル樹脂を構成するモノマー単位の全質量を基準として、90質量%以下、88質量%以下、又は85質量%以下であってもよい。
【0029】
カルボキシ基を有するアクリル樹脂は、ダイシング時の耐水性向上の観点から、スチレン又はスチレン誘導体に由来するモノマー単位を更に有してもよい。スチレン誘導体の例としては、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、及びp-エチルスチレンが挙げられる。
【0030】
カルボキシ基を有するアクリル樹脂は、アルカリ水溶液への溶解性向上の観点から、水酸基を有するモノマーに由来するモノマー単位を更に有していてもよい。水酸基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、及びグリセロールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0031】
カルボキシ基を有するアクリル樹脂は、以上例示されたもの以外のモノマーに由来するモノマー単位を更に有していてもよい。その例としては、(メタ)アクリル酸ベンジル又はその誘導体、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0032】
カルボキシ基を有するアクリル樹脂の酸価は、アルカリ水溶液への溶解性向上の観点から、50mgKOH/g以上、60mgKOH/g以上、又は70mgKOH/g以上であってもよい。カルボキシ基を有するアクリル樹脂の酸価は、ダイシング時の耐水性向上の観点から、150mgKOH/g以下、140mgKOH/g以下、又は130mgKOH/g以下であってもよい。
【0033】
カルボキシ基を有するウレタン化合物は、例えば、複数のウレタン基を有する直鎖状のポリウレタン鎖と、ポリウレタン鎖に結合した、カルボキシ基を有する構成単位とを有する化合物であることができる。ウレタン化合物中のカルボキシ基のうち一部又は全部が、金属塩又はアンモニウム塩等の塩を形成していてもよい。カルボキシ基又はその塩を有する構成単位は、例えば、下記式(1)又は(1)’:
【化1】
で表される2価の基であってもよい。式(1)及び(1)’中、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキレン基を示し、R
3は、炭素数1~10のアルキル基を示し、A
+は対カチオンを示す。
【0034】
アクリル樹脂又はウレタン化合物中のカルボキシ基が形成するアンモニウム塩は、例えば、カルボキシ基から形成されたカルボキシラートアニオン(-COO
-)と、下記式(2):
【化2】
で表されるアンモニウムカチオンとで形成された塩であってもよい。式(2)中、R
4、R
5及びR
6は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基又は炭素数1~10のアルキルを示す。式(1)’中のA
+が式(2)で表されるアンモニウムカチオンであってもよい。
【0035】
酸無水物をモノマー単位として含む共重体は、酸無水物及び疎水性モノマーをモノマー単位として含む共重合体であってもよい。
【0036】
酸無水物は、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水安息香酸から選ばれる少なくとも1種であってもよく、無水マレイン酸であってもい。
【0037】
酸無水物に由来するモノマー単位の割合は、共重合体を構成するモノマー単位の合計量を基準として、30モル%以上、40モル%以上、又は50モル%以上であってもよく、95モル%以下、90モル%以下、又は85モル%以下であってもよい。
【0038】
疎水性モノマーは、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、α-メチルスチレン、酢酸ビニル、及び塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種であってもよく、スチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種であってもよい。(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸sec-ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ter-ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸アリルエステル、(メタ)アクリル酸フェニルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、及び(メタ)アクリル酸ステアリルエステルが挙げられる。
【0039】
疎水性モノマーに由来するモノマー単位の割合は、共重合体を構成するモノマー単位の合計量を基準として、5モル%以上、10モル%以上、又は15モル%以上であってもよく、70モル%以下、60モル%以下、又は50モル%以下であってもよい。
【0040】
多糖類は、例えば、セルロースに由来し6炭糖を含む糖鎖と、6炭糖の水酸基を置換することにより導入された有機基とを有する変性セルロースであってもよい。有機基は、例えば、-R、-O-R、-NH-R、-C(=O)-R、-C(=O)-R-OH、-R-O-R、-R-NH-R、-R-COOH、-C(=O)-R-COOH、-C(=O)-R-OH、-C(=O)-R-COOH、及び-NH2から選ばれる少なくとも1種であってもよい。ここでのRは、1価又は2価の炭化水素基を示す。同一分子中の複数のRは同一でも異なってもよい。
【0041】
有機樹脂(例えばアクリル樹脂)の重量平均分子量は、保護層3の安定した形成の観点から、10000以上、15000以上、20000以上、30000以上、又は40000以上であってもよい。有機樹脂(例えばアクリル樹脂)の重量平均分子量は、保護層3の容易な除去の観点から、100000以下、90000以下、80000以下、70000以下、又は60000以下であってもよい。有機樹脂の重量平均分子量は、10000以上100000以下であってもよい。ここでの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される、標準ポリスチレンの検量線に基づく換算値である。
【0042】
保護層3における有機樹脂の含有量が、保護層3の質量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよく、100質量%以下であってもよい。
【0043】
保護層3は、有機樹脂以外のその他の成分を更に含んでもよい。その他の成分は、例えば、レベリング剤、カップリング剤、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0044】
レベリング剤は、有機樹脂を含むコーティング組成物を半導体ウェハに塗布したときのストリエーション(ハジキ、ムラ等)を抑制する成分である。レベリング剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及びポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられる。レベリング剤の市販品の例としては、メガファックF171、F173、R-08(DIC株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社製、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
【0045】
保護層3がレベリング剤を含む場合、その含有量は、有機樹脂100質量部に対して、5質量部以下、3質量部以下、又は2質量部以下であってもよく、0.01質量部以上、0.03質量部以上、又は0.05質量部以上であってよい。レベリング剤の含有量が、有機樹脂100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下であってもよい。
【0046】
カップリング剤は、ダイシング時に保護層の剥離を更に抑制し得る。カップリング剤は、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0047】
有機シラン化合物の例としては、ビニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n-プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n-ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert-ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n-プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n-ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert-ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn-プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n-ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert-ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n-プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n-ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert-ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4-ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、及び1,4-ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼンが挙げられる。
【0048】
保護層3がカップリング剤を含む場合、その含有量は、有機樹脂100質量部に対して、10質量部以下、8質量部以下、又は5質量部以下であってもよく、0.1質量部以上、0.3質量部以上、又は0.5質量部以上であってもよい。カップリング剤の含有量が、有機樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
【0049】
保護層3を形成するためのコーティング組成物は、以上例示された有機樹脂と、有機樹脂を溶解可能な溶剤とを含んでもよい。
【0050】
有機樹脂がカルボキシ基を有するアクリル樹脂である場合、溶剤は、例えば、グリコールエーテル、脂肪族カルボン酸エステル、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0051】
グリコールエーテルの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、及びプロピレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。
【0052】
脂肪族カルボン酸エステルの例としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-プロピル、乳酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n-アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n-ブチル、及びプロピオン酸イソブチルが挙げられる。
【0053】
有機樹脂がカルボキシ基を有するウレタン化合物である場合、溶剤は、例えば、イソプロピルアルコール、及びテトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコールであってもよい。
【0054】
有機樹脂が酸無水物をモノマー単位として含む共重体である場合、溶剤は、アンモニア、又はアルカリ性のアミン系有機溶媒であってもよい。アミン系有機溶媒の例としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、有機アンモニウム(例えば第4級アンモニウムヒドロキシド)が挙げられる。
【0055】
有機樹脂が多糖類である場合、溶剤は、例えば、ケトン、アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチル-2-ピロリドンから選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。ケトンの例としては、シクロヘキサノン、及びメチルエチルケトンが挙げられる。アルコールの例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロピルアルコール、及びベンジルアルコールが挙げられる。
【0056】
コーティング組成物における有機樹脂の含有量は、例えば、コーティング組成物の質量を基準として、5~30質量%、8~25質量%、又は10~20質量%であってもよい。
【実施例0057】
本発明は以下の実施例に限定されない。
【0058】
1.コーティング組成物
撹拌機、冷却器、ガス導入管、滴下ロート、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80質量部及び乳酸エチル80質量部を入れ、窒素ガスを導入しながらこれらを80℃で撹拌し、反応液を形成した。反応液に対して、メタクリル酸22質量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル34質量部、メタクリル酸メチル42質量部、アクリル酸ブチル102質量部、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート44質量部及び乳酸エチル44質量部を含む混合液を3時間かけて滴下した。滴下後、反応液を80℃で4時間撹拌し、続いて100℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却して、カルボキシ基及び水酸基を有するアクリル樹脂の溶液(濃度:45質量%)を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)は、44000であった。
【0059】
アクリル樹脂の溶液10質量部を乳酸エチル20質量部と混合した。形成された混合液を孔径0.5μmのフィルターでろ過して、保護層形成用のコーティング組成物を得た。
【0060】
2.ダイシング試験
最表層として熱酸化膜を有するシリコンウェハ(厚み:625mm)を準備した。シリコンウェハの熱酸化膜の面に、コーティング組成物をスピンコーターで塗布して、コーティング組成物の膜を形成した。シリコンウェハ、及びコーティング組成物の膜を、100℃に設定したホットプレート上で2分間加熱して、シリコンウェハの熱酸化膜側の表面全体を覆う厚さ1μmの保護層を形成した。
【0061】
保護層上にUV硬化型のバックグラインドテープ(厚さ:約180μm)を積層して、シリコンウェハ、保護層及びバックグラインドテープから構成される表面保護積層体を得た。シリコンウェハを保護層とは反対側の表面からバックグラインド装置によって研削することにより、シリコンウェハを厚さ100μmまで薄くした。その後、バックグラインドテープに対して紫外線を照射した。
【0062】
ポリオレフィンフィルム及びその上に設けられた粘着層を有するダイシング用テープを準備した。このダイシング用テープ上に、シリコンウェハ、保護層及びバックグラインドテープからなる表面保護積層体を、シリコンウェハがダイシング用テープ側に位置する向きで固定した。次いでバックグラインドテープを表面保護積層体から剥離して、保護層を露出させた。バックグラインドテープは、保護層に癒着することなく保護層から剥離することができた。その状態で、ダイシングソーを用いたダイシングによって、互いに直交する複数のスクライブラインに沿ってシリコンウェハを保護層とともに切断した。シリコンウェハの切断により、5mm×5mmの正方形の主面を有する個片化された半導体チップが形成された。個片化された複数の半導体チップそれぞれに保護層が付着していた。ダイシング後の積層体を顕微鏡で観察したところ、保護層の剥離は観察されなかった。
【0063】
3.ダイシング用テープの耐熱性
ダイシングに用いられたダイシング用テープを、50℃、60℃、70℃又は80℃で5分間加熱処理した。50℃の加熱処理の場合、ダイシング用テープは概ね加熱処理前の形状を維持していた。しかし、60℃又は70℃の加熱処理により、熱収縮によるフィルムの変形が認められ、80℃の加熱処理により、著しい熱収縮による基材フィルムの硬化が認められた。この結果から、ダイシング用テープ上に固定された半導体ウェハ上に60℃以上の加熱処理をともなう方法で保護層を形成すると、ダイシング用テープが熱収縮によって変形し、正常なダイシングを行うことが困難になることが確認された。保護層及びバックグラインドテープを有する表面保護積層体を準備し、半導体ウェハを薄くした後、半導体ウェハをダイシング用テープ上に固定することを含む方法によれば、ダイシング用テープの熱収縮の影響を受けることなく、安定して半導体チップを製造することができる。
1…半導体ウェハ、3…保護層、5…バックグラインドテープ、7…ダイシング用テープ、10…表面保護積層体、20…半導体チップ、30…ダイシングソー、hν…紫外線、S1…回路面、S2…裏面。