(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084703
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240618BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G02B5/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198967
(22)【出願日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0173636
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ウォンジン
【テーマコード(参考)】
2H148
4M118
【Fターム(参考)】
2H148BB01
2H148BC46
2H148BD02
2H148BD11
2H148BD14
2H148BD21
2H148BE32
2H148BG11
2H148BH28
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA03
4M118CA34
4M118FA06
4M118FA26
4M118FA27
4M118GC09
4M118GC14
4M118GC20
4M118GD04
4M118GD07
(57)【要約】
【課題】ホワイトカラーを含むイメージセンシング装置のカラーフィルタをさらに容易に形成する。
【解決手段】本技術の一実施形態に係るイメージセンシング装置の製造方法は、半導体基板112上にカラーフィルタが形成される領域を定義するグリッド構造物140を形成するステップと、グリッド構造物140により定義された空間の一部の空間に、第1~第3カラーのそれぞれを有する第1~第3カラーフィルタ130R,130G,130Bをそれぞれ形成するステップと、グリッド構造物140により定義された空間のうち、第1~第3カラーフィルタ130R,130G,130Bが形成されていない空間を満たし、かつ、第1~第3カラーフィルタ130R,130G,130Bをカバーするようにオーバーコーティング膜152を形成するステップと、オーバーコーティング膜152上にマイクロレンズ154を形成するステップと、を含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にカラーフィルタが形成される領域を定義するグリッド構造物を形成するステップと、
前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に第1カラーを有する第1カラーフィルタ、第2カラーを有する第2カラーフィルタ、および第3カラーを有する第3カラーフィルタを形成するステップと、
前記グリッド構造物により定義された空間のうち、前記第1~第3カラーフィルタが形成されていない空間を満たし、かつ、前記第1~第3カラーフィルタをカバーするようにオーバーコーティング膜を形成するステップと、
前記オーバーコーティング膜上にマイクロレンズを形成するステップと、
を含む、イメージセンシング装置の製造方法。
【請求項2】
前記グリッド構造物を形成するステップは、
金属層と犠牲膜パターンの積層構造物を形成するステップと、
前記積層構造物および前記半導体基板をカバーするキャッピング膜を形成するステップと、
プラズマ工程を行って前記犠牲膜パターンを除去するステップと、を含む、請求項1に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1~第3カラーフィルタを形成するステップは、
前記キャッピング膜上に前記第1~第3カラーフィルタを順次形成する、請求項2に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1~第3カラーフィルタを形成するステップは、
グリーンカラーフィルタ、レッドカラーフィルタ、ブルーカラーフィルタの順にカラーフィルタを形成する、請求項1に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1~第3カラーフィルタを形成するステップは、
同一色のカラーフィルタが2×2の形態に隣接して配列されるようにする、請求項1に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1~第3カラーフィルタを形成するステップは、
形成されたカラーフィルタに対してデスカム(descum)工程を行うステップをさらに含む、請求項1に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項7】
前記デスカム工程は、
窒素(N2)ガスを用いたデスカム工程である、請求項6に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項8】
前記オーバーコーティング膜を形成するステップは、
前記第1~第3カラーフィルタにおける互いに異なる色のカラーフィルターが互いに隣接しないように、前記第1~第3カラーフィルタの間の空間に満たされるように前記オーバーコーティング膜が形成される、請求項1に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項9】
前記オーバーコーティング膜を形成するステップは、
顔料が含まれていないフォトレジスト物質が前記第1~第3カラーフィルタの間の空間に満たされ、かつ、一定高さだけ前記第1~第3カラーフィルタの上部をカバーするように形成される、請求項1に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項10】
半導体基板上に位置し、エア層を含むグリッド構造物と、
前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に位置し、第1カラーを有する複数の第1カラーフィルタと、
前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に位置し、第2カラーを有する複数の第2カラーフィルタと、
前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に位置し、第3カラーを有する複数の第3カラーフィルタと、
前記グリッド構造物により定義された空間のうち、前記第1~第3カラーフィルタが形成されていない空間に位置し、前記第1~第3カラーフィルタをカバーするオーバーコーティング膜と、
前記オーバーコーティング膜上に位置するマイクロレンズと、
を含む、イメージセンシング装置。
【請求項11】
前記グリッド構造物は、
金属層と、
前記金属層上に位置するエア層と、
前記金属層と前記エア層が積層された構造物をカバーするキャッピング膜と、を含む、請求項10に記載のイメージセンシング装置。
【請求項12】
前記キャッピング膜は、
前記第1~第3カラーフィルタと前記半導体基板との間の領域まで延びて位置する、請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項13】
前記オーバーコーティング膜は、
前記第1~第3カラーフィルタにおける互いに異なる色のカラーフィルターが互いに隣接しないように、前記第1~第3カラーフィルタの間に位置する、請求項10に記載のイメージセンシング装置。
【請求項14】
前記オーバーコーティング膜は、
前記グリッド構造物により定義された空間において、前記第1~第3カラーフィルタそれぞれと隣接する空間に位置する、請求項13に記載のイメージセンシング装置。
【請求項15】
前記第1~第3カラーフィルタは、
同一色のカラーフィルタが2×2の形態に隣接して配列される、請求項10に記載のイメージセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンシング装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサ(image sensor)は、光学画像を電気信号に変換させる素子である。近年、コンピュータ産業および通信産業の発達に伴い、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PCS(Personal Communication System)、ビデオゲーム機器、セキュリティ用カメラ、医療用マイクロカメラ、ロボットなどの様々な分野における集積度および性能が向上したイメージセンサの需要が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、ホワイトカラーを含むイメージセンシング装置のカラーフィルタをさらに容易に形成することができる方法を提供することを目的とする。
【0004】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置の製造方法は、半導体基板上にカラーフィルタが形成される領域を定義するグリッド構造物を形成するステップと、前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に第1カラーを有する第1カラーフィルタ、第2カラーを有する第2カラーフィルタ、および第3カラーを有する第3カラーフィルタを形成するステップと、前記グリッド構造物により定義された空間のうち、前記第1~第3カラーフィルタが形成されていない空間を満たし、かつ、前記第1~第3カラーフィルタをカバーするようにオーバーコーティング膜を形成するステップと、前記オーバーコーティング膜上にマイクロレンズを形成するステップと、を含むことができる。
【0006】
本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置は、半導体基板上に位置し、エア層を含むグリッド構造物と、前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に位置し、第1カラーを有する複数の第1カラーフィルタと、前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に位置し、第2カラーを有する複数の第2カラーフィルタと、前記グリッド構造物により定義された空間の一部の空間に位置し、第3カラーを有する複数の第3カラーフィルタと、前記グリッド構造物により定義された空間のうち、前記第1~第3カラーフィルタが形成されていない空間に位置し、前記第1~第3カラーフィルタをカバーするオーバーコーティング膜と、前記オーバーコーティング膜上に位置するマイクロレンズと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態は、ホワイトカラーを含むイメージセンシング装置のカラーフィルタをさらに容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1のピクセルアレイにおけるピクセルが配置された平面構造を例示的に示す図である。
【
図3】
図2のピクセルアレイにおけるA-A’線に沿って切断された断面構造の一実施形態を示す図である。
【
図4a】
図3におけるカラーフィルタを形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
【
図4b】
図3におけるグリッド構造物を形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
【
図4c】
図3におけるグリッド構造物を形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
【
図4d】
図3におけるグリッド構造物を形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
【
図4e】
図3におけるグリッド構造物を形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
【
図4f】
図3におけるグリッド構造物を形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
【
図5】
図1のピクセルアレイにおけるピクセルが配置された平面構造を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにあたり、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図1を参照すると、イメージセンシング装置は、ピクセルアレイ(pixel array)100、ロウドライバ(row driver)200、相関二重サンプラ(correlated double sampler、CDS)300、アナログ-デジタルコンバータ(analog digital converter、ADC)400、出力バッファ(output buffer)500、カラムドライバ(column driver)600、およびタイミングコントローラ(timing controller)700を含むことができる。
【0011】
ピクセルアレイ100は、ロウ(row)方向およびカラム(column)方向に連続的に配列された複数のユニットピクセルを含むことができる。複数のユニットピクセルは、外部から入射した光を光電変換し、入射光に対応する電気信号(ピクセル信号)を生成することができる。各ユニットピクセルは、レッドカラーフィルタ、グリーンカラーフィルタ、ブルーカラーフィルタ、およびホワイトカラーフィルタのいずれか1つを含むことができる。この際、ホワイトカラーフィルタは、全てのカラーの可視光を通過できるフィルタであり、レンズ層のオーバーコーティング膜で形成されることができる。
【0012】
ピクセルアレイ100は、ロウ選択信号、リセット信号、および転送信号のような駆動信号をロウドライバ200から提供を受けることができる。ユニットピクセルは、駆動信号が受信されると活性化され、ロウ選択信号、リセット信号、および転送信号に対応する動作を行うことができる。
ロウドライバ200は、タイミングコントローラ700のような制御回路から提供される制御信号に基づいてユニットピクセルを動作させることができる。
【0013】
相関二重サンプラ300は、相関二重サンプリング(CDS:correlated double sampling)方式を用いて、ユニットピクセルの所望しないオフセット(offset)値を除去することができる。相関二重サンプラ300は、基準信号とピクセル信号を相関二重サンプリング(CDS)信号としてアナログ-デジタルコンバータ400に出力することができる。
【0014】
アナログ-デジタルコンバータ400は、相関二重サンプラ300から受信するCDS信号をデジタル信号に変換することができる。
出力バッファ500は、アナログ-デジタルコンバータ400から提供されるそれぞれのカラム単位のデータをタイミングコントローラ700の制御に応じて一時的に格納することができる。
【0015】
カラムドライバ600は、タイミングコントローラ700の制御に応じて出力バッファ500のカラムを選択し、選択された出力バッファ500のカラムに一時的に格納されたデータを順次出力することができる。
【0016】
タイミングコントローラ700は、ロウドライバ200、アナログ-デジタルコンバータ400、出力バッファ500、およびカラムドライバ600の動作を制御するための信号を生成することができる。
【0017】
図2は、
図1のピクセルアレイにおけるピクセルが配置された構造を例示的に示す図である。
図2を参照すると、ピクセルアレイ100は、複数のサブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)を含むことができる。サブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)は、2×2の形態に隣接して配列され、2×2の形態に配列されたサブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)は、X方向およびY方向に連続的に配列されることができる。
【0018】
サブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)それぞれは、複数のユニットピクセルがN×N(Nは2以上の自然数)の形態に隣接して配列された構造を含むことができる。各ユニットピクセルは、入射した光を変換し、入射光に対応する電気信号(ピクセル信号)を生成することができる。
【0019】
本実施形態において、各サブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)は、4つのユニットピクセルが2×2の形態に隣接して配列される構造を有することができる。この際、各サブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)は、互いに異なる2種類のカラーフィルタを含むことができる。
【0020】
例えば、サブピクセルブロック(PB_RW)は、第1対角線方向に隣接して配置され、レッド(red)カラーフィルタを含む2つのレッドカラーピクセル、および第1対角線方向と交差する第2対角線方向に隣接して配置され、オーバーコーティング膜(OCL:over coating film)を含む2つのホワイトカラーピクセルを含むことができる。サブピクセルブロック(PB_GWr、PB_GWb)それぞれは、第1対角線方向に隣接して配置され、グリーン(green)カラーフィルタを含む2つのグリーンカラーピクセル、および第2対角線方向に隣接して配置され、オーバーコーティング膜を含む2つのホワイトカラーピクセルを含むことができる。サブピクセルブロック(PB_BW)は、第1対角線方向に隣接して配置され、ブルー(blue)カラーフィルタを含む2つのブルーカラーピクセル、および第2対角線方向に隣接して配置され、オーバーコーティング膜を含む2つのホワイトカラーピクセルを含むことができる。本実施形態において、ホワイトカラーピクセルは、グリッド構造物140により定義された空間にレンズ層の一部として用いられるオーバーコーティング膜が形成されたピクセルを示すことができる。すなわち、本実施形態では、ホワイトカラーフィルタが形成される位置にオーバーコーティング膜152が形成されることで、オーバーコーティング膜152がホワイトカラーフィルタの役割を行うことができる。
【0021】
各サブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)に含まれるレッドカラーフィルタ、グリーンカラーフィルタ、およびブルーカラーフィルタを基準とするとき、サブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)は、ベイヤーパターンで配列されることができる。また、ピクセルアレイ100を全体的に見るとき、レッドカラーフィルタ、グリーンカラーフィルタ、およびブルーカラーフィルタが互いに隣接しないように、レッドカラーフィルタ、グリーンカラーフィルタ、およびブルーカラーフィルタの間にオーバーコーティング膜が位置することができる。
【0022】
カラーフィルタとオーバーコーティング膜との間には、グリッド構造物140が位置することができる。例えば、グリッド構造物140により定義された空間には、カラーフィルタとオーバーコーティング膜が交互に形成されることができる。グリッド構造物140は、エア層(air layer)を含むことができる。例えば、グリッド構造物140は、金属層とエア層が積層されたハイブリッド構造を含むことができる。
【0023】
図3は、
図2のピクセルアレイにおけるA-A’線に沿って切断された断面構造の一実施形態を示す図である。
図3を参照すると、ピクセルアレイ100は、基板層110、反射防止層120、カラーフィルタ(130R、130G、130B)、グリッド構造物140、およびレンズ層150を含むことができる。
【0024】
基板層110は、基板112、光電変換領域114、および素子分離構造物116を含むことができる。基板層110は、第1面、および第1面の反対側に位置する第2面を含むことができる。この際、第1面は、外部から光が入射する面を示すことができる。
【0025】
基板112は、単結晶(Single crystal)のシリコンを含む半導体基板を含むことができる。基板112は、P型不純物を含むことができる。
【0026】
光電変換領域114は、各ユニットピクセルに対応するように半導体基板112の内部に形成されることができる。光電変換領域114は、カラーフィルタ層130によりフィルタリングされて入射した可視光を光電変換して光電荷を生成することができる。光電変換領域114は、N型不純物を含むことができる。
【0027】
素子分離構造物116は、基板112内で隣接するユニットピクセルの光電変換領域114間に形成され、光電変換領域114をアイソレーションさせることができる。素子分離構造物116は、BDTI(Back Deep Trench Isolation)またはFDTI(Front Deep Trench Isolation)のようなトレンチ構造を含むことができる。または、素子分離構造物116は、基板112に高濃度の不純物(例えば、P型不純物)が注入された接合分離(Junction isolation)構造を含むことができる。
【0028】
反射防止層120は、基板層110の第1面上に位置することができ、基板層110の第1面に入射する光が光電変換領域114に円滑に到達できるように光の反射を防止することができる。例えば、反射防止層120は、カラーフィルタ(130R、130G、130B)およびオーバーコーティング膜152と基板層110との屈折率差を補償し、カラーフィルタ(130R、130G、130B)およびオーバーコーティング膜152を通過する光が基板層110の内部に効果的に入射するようにすることができる。反射防止層120は、基板層110に形成された所定の構造物による段差を除去するための平坦化層の役割を行うこともできる。反射防止層120は、グリッド構造物140のキャッピング膜146と同一の物質膜で形成されることができる。例えば、反射防止層120は、キャッピング膜146がカラーフィルタ(130R、130G、130B)と基板層110との間、およびオーバーコーティング膜152と基板層110との間の領域まで延びて形成されたものであってもよい。反射防止層120は、シリコン酸化膜(SiO2)のような低温酸化(ULTO;ultra low temperature oxide)膜を含むことができる。
【0029】
カラーフィルタ(130R、130G、130B)は、反射防止層120上でグリッド構造物140により定義された空間の一部の空間に位置することができる。カラーフィルタ(130R、130G、130B)は、レンズ層150を介して入射した光から可視光をフィルタリングし、対応する光電変換領域114に伝達することができる。例えば、レッドカラーフィルタ130Rは、レッドカラーの可視光を通過させ、グリーンカラーフィルタ130Gは、グリーンカラーの可視光を通過させ、ブルーカラーフィルタ130Bは、ブルーカラーの可視光を通過させることができる。
【0030】
反射防止層120上でグリッド構造物140により定義された空間のうち、カラーフィルタ(130R、130G、130B)間の空間には、オーバーコーティング膜152が形成されることができる。すなわち、本実施形態では、オーバーコーティング膜152がホワイトカラーフィルタの役割を行うことができる。
【0031】
グリッド構造物140は、基板層110の第1面上でカラーフィルタ(130R、130G、130B)とオーバーコーティング膜152との間に位置し、カラーフィルタ(130R、130G、130B)とオーバーコーティング膜152との間のクロストークを防止することができる。グリッド構造物140は、素子分離構造物116と垂直方向に重なるように位置することができる。
【0032】
グリッド構造物140は、金属層142、エア層144、およびキャッピング膜146を含むことができる。金属層142は、タングステンを含むことができる。エア層144は、金属層142と重なるように金属層142に位置することができる。キャッピング膜146は、グリッド構造物140の最外郭に形成される物質膜であり、金属層142とエア層144の積層構造をカバーするように形成されることができる。キャッピング膜146は、シリコン酸化膜(SiO2)のような低温酸化(ULTO)膜を含むことができる。
【0033】
レンズ層150は、オーバーコーティング膜152およびマイクロレンズ154を含むことができる。オーバーコーティング膜152は、カラーフィルタ(130R、130G、130B)をカバーするように形成されることができる。また、オーバーコーティング膜152は、カラーフィルタ(130R、130G、130B)が形成されていない領域でグリッド構造物140と反射防止層120をカバーするように形成されることができる。オーバーコーティング膜152は、カラーフィルタ(130R、130G、130B)により発生し得る段差を補償するための平坦化層の役割を行うことができる。オーバーコーティング膜152は、顔料が含まれていないフォトレジスト物質を含むことができる。または、オーバーコーティング膜152は、熱硬化性樹脂を含むことができる。オーバーコーティング膜152は、グリッド構造物140により定義された空間のうち、カラーフィルタ(130R、130G、130B)が形成されていない空間、例えば、カラーフィルタ(130R、130G、130B)間の空間を満たすことで、ホワイトカラーフィルタの役割を行うことができる。
【0034】
マイクロレンズ154は、オーバーコーティング膜152上に位置することができる。マイクロレンズ154それぞれは、凸レンズの形態に形成され、ユニットピクセル毎に形成されることができる。マイクロレンズ154は、入射光を対応する光電変換領域114に集光させることができる。マイクロレンズ154は、オーバーコーティング膜152のような光透過性フォトレジスト物質から形成されることができる。
【0035】
図4a~
図4fは、
図3におけるカラーフィルタを形成する過程を例示的に示す工程断面図である。
先ず、
図4aを参照すると、光電変換領域および素子分離構造物を含む基板層110上でグリッド構造物140が形成される領域に、金属層142と犠牲膜パターン144’が積層されるように形成され、その積層された構造物および基板層110をカバーする絶縁膜146、120が形成されることができる。
【0036】
この際、金属層142は、タングステンを含むことができ、犠牲膜パターン144’は、炭素が含まれたSOC(spin-on carbon)膜を含むことができる。そして、絶縁膜146、120は、シリコン酸化膜のような低温酸化(ULTO)膜を含むことができる。酸化膜146、120において、金属層142と犠牲膜パターン144’をカバーする領域がキャッピング膜146となり、基板層110をカバーする領域が反射防止層120となることができる。すなわち、反射防止層120とキャッピング膜146は、同一の物質から形成され、同一の工程により形成されることができる。
【0037】
次に、
図4bを参照すると、
図4aの積層構造物に対して、O
2、N
2、H
2、CO、CO
2、CH
2など、酸素、窒素、水素のうち少なくとも1つが含まれたガスを用いたプラズマ工程が行われ、犠牲膜パターン144’が除去され、その位置にエア層144が形成されることができる。
【0038】
例えば、O2プラズマ工程が行われると、酸素基(Oxygen Radical)(O*)がキャッピング膜146を介して犠牲膜パターンに流入し、流入した酸素基は、犠牲膜パターン144’の炭素と結合してCOまたはCO2を生成する。生成されたCOまたはCO2は、キャッピング膜146を介して外側に出る。このような過程により犠牲膜パターン144’が除去され、その除去された位置にエア層144が形成されることで、グリッド構造物140が形成されることができる。
【0039】
次に、
図4cを参照すると、グリッド構造物140により定義された空間の一部の空間にグリーンカラーフィルタ130Gが形成されることができる。例えば、反射防止層120およびグリッド構造物140を覆うように第1カラーフィルタ物質層が形成された後、第1カラーフィルタ物質層がパターニングされることで、グリーンカラーフィルタ130Gが形成されることができる。
【0040】
このようなグリーンカラーフィルタ130Gは、
図2のサブピクセルブロック(PB_GWr、PB_GWb)内でグリーンカラーフィルタが形成される位置に形成されることができる。第1カラーフィルタ物質層は、緑色顔料(pigment)が含まれたフォトレジスト物質を含むことができ、フォトリソグラフィ工程によりパターニングされることができる。
【0041】
次に、グリーンカラーフィルタ130Gに対する表面処理のためのデスカム(descum)工程が行われることができる。デスカム工程は、窒素(N2)ガスを用いたN2デスカム工程であってもよい。
【0042】
次に、
図4dを参照すると、グリッド構造物140により定義された空間の一部の空間にレッドカラーフィルタ130Rが形成されることができる。例えば、反射防止層120、グリーンカラーフィルタ130G、およびグリッド構造物140を覆うように第2カラーフィルタ物質層が形成された後、第2カラーフィルタ物質層がパターニングされることで、レッドカラーフィルタ130Rが形成されることができる。
【0043】
このようなレッドカラーフィルタ130Rは、
図2のサブピクセルブロック(PB_RW)内でレッドカラーフィルタが形成される位置に形成されることができる。第2カラーフィルタ物質層は、赤色顔料が含まれたフォトレジスト物質を含むことができ、フォトリソグラフィ工程によりパターニングされることができる。
【0044】
次に、レッドカラーフィルタ130Rに対する表面処理のためのデスカム工程が行われることができる。デスカム工程は、窒素(N2)ガスを用いたN2デスカム工程であってもよい。
【0045】
次に、
図4eを参照すると、グリッド構造物140により定義された空間の一部の空間にブルーカラーフィルタ130Bが形成されることができる。例えば、反射防止層120、グリーンカラーフィルタ130G、レッドカラーフィルタ130R、およびグリッド構造物140を覆うように第3カラーフィルタ物質層が形成された後、第3カラーフィルタ物質層がパターニングされることで、ブルーカラーフィルタ130Bが形成されることができる。
【0046】
このようなブルーカラーフィルタ130Bは、
図2のサブピクセルブロック(PB_BW)内でブルーカラーフィルタが形成される位置に形成されることができる。第3カラーフィルタ物質層は、青色顔料が含まれたフォトレジスト物質を含むことができ、フォトリソグラフィ工程によりパターニングされることができる。
【0047】
次に、ブルーカラーフィルタ130Bに対する表面処理のためのデスカム工程が行われることができる。デスカム工程は、窒素(N2)ガスを用いたN2デスカム工程であってもよい。
【0048】
次に、
図4fを参照すると、グリッド構造物140により定義された空間のうち、カラーフィルタ(130G、130R、130B)間の空間を全て満たし、かつ、カラーフィルタ(130G、130R、130B)の上部を覆うようにオーバーコーティング膜152が形成されることができる。例えば、顔料が含まれていないフォトレジスト物質がグリッド構造物140により定義された空間のうち、カラーフィルタ(130G、130R、130B)が形成されていない空間に全て満たされ、かつ、一定高さだけカラーフィルタ(130G、130R、130B)をカバーするように形成されることができる。オーバーコーティング膜152の上部面は平坦化されることができる。
【0049】
次に、オーバーコーティング膜152上にマイクロレンズ154が形成されることができる。例えば、各ユニットピクセルに対応するようにオーバーコーティング膜152上にフォトレジストパターンを形成した後、フォトレジストパターンをリフロー(reflow)させることで、上方に凸状のマイクロレンズ154が形成されることができる。
【0050】
図5は、
図1のピクセルアレイにおけるピクセルが配置された他の構造を例示的に示す図である。
図5を参照すると、ピクセルアレイ100は、複数のサブピクセルブロック(PB_RW’、PB_GWr’、PB_GWb’、PB_BW’)を含むことができる。
【0051】
サブピクセルブロック(PB_RW’、PB_GWr’、PB_GWb’、PB_BW’)は、上述した
図2のサブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)と同様に、互いに異なる2種類のカラーフィルタが互いに交差する対角線方向に配置されることができる。ただし、サブピクセルブロック(PB_RW’、PB_GWr’、PB_GWb’、PB_BW’)は、
図2のサブピクセルブロック(PB_RW、PB_GWr、PB_GWb、PB_BW)とは異なり、同一色のカラーフィルタが2×2の形態に隣接して配列されるクアッド(quad)構造に形成されることができる。
このようなクアッド構造のカラーフィルタも、上述した
図4a~
図4eの方法を用いて形成されることができる。
【0052】
上述した実施形態では例示的にカラーフィルタが
図2または
図5のように配列される構造についてのみ説明したが、ホワイトカラーフィルタを含む他の配列構造に対してもカラーフィルタの形成時に上述した
図4a~
図4eの方法が使用可能であることは明らかである。
【0053】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正および変形が可能である。
【0054】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、後述する特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0055】
154:マイクロレンズ
200:ロウドライバ
300:相関二重サンプラ
400:アナログ-デジタルコンバータ
500:出力バッファ
600:カラムドライバ
700:タイミングコントローラ