(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084743
(43)【公開日】2024-06-25
(54)【発明の名称】荷電粒子装置用の交換可能モジュール
(51)【国際特許分類】
H01J 37/20 20060101AFI20240618BHJP
H01J 37/16 20060101ALN20240618BHJP
H01J 37/18 20060101ALN20240618BHJP
【FI】
H01J37/20
H01J37/16
H01J37/18
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024013933
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2022567224の分割
【原出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】63/037,481
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20197510.9
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オッテン,クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】クラン,ピーター-ポール
(72)【発明者】
【氏名】スミッツ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】デル ティン,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】テウニッセン,クリスタン
(72)【発明者】
【氏名】ホァン,ヤン-シャン
(72)【発明者】
【氏名】スティーンブリンク,ステイン,ウィレム,ヘルマン,カレル
(72)【発明者】
【氏名】フー,シュエラン
(72)【発明者】
【氏名】シー,シンポ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,シンアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シュエドン
(57)【要約】
【課題】荷電粒子装置内で交換可能なモジュールが提供される。
【解決手段】本明細書に開示されるのは、荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、デバイスを支持するように構成されたサポート構成であって、デバイスが荷電粒子装置内で荷電粒子パスを操作するように構成される、サポート構成と、モジュール内でサポート構成を移動させるように構成されたサポート位置決めシステムとを含み、モジュールが、荷電粒子装置において、現場で交換可能であるように配置される、モジュールである。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、
前記荷電粒子装置内で荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスと、
前記デバイスを支持するように構成されたサポート構成と、
前記モジュール内で前記サポート構成を移動させるように構成され、及び前記デバイスを前記荷電粒子パスとアライメントさせるために、少なくとも、前記荷電粒子パスの周りで前記サポート構成を回転させるように構成されたサポート位置決めシステムと、
前記モジュールが前記荷電粒子装置において現場で交換可能であるように配置されるように、前記荷電粒子装置のハウジングのハウジングフランジに取り付ける、及び前記ハウジングフランジから取り外されるように構成されたモジュールフランジと、
を含む、モジュール。
【請求項2】
前記サポート位置決めシステムが、少なくとも3自由度の移動で前記サポート構成を移動させるように構成される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記モジュールが、前記サポート構成及び/又は前記サポート構成によって保持される前記デバイスの前記移動及び/又は位置を決定するように構成された位置検出システムをさらに含み、前記位置検出システムが、好ましくは、前記サポート構成及び/又は前記サポート構成によって保持される前記デバイスの前記移動及び/又は位置を決定する際に使用するためのエンコーダなどのグリッドマークを含む、請求項1又は2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記モジュールが、前記荷電粒子装置のアクチュエータアームのそれぞれの端部を受け入れるように構成された受入部分をさらに含み、前記アクチュエータアームが、好ましくは、前記モジュールの外部のアクチュエータによって含まれ、前記サポート位置決めシステムが、前記アクチュエータによって移動されるように構成される、請求項1~3の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記サポート位置決めシステムが、
ディスクと、
前記モジュール内で前記ディスクを支持するように構成された複数の耐荷重回転可能物体と、
を含む、請求項1~4の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記サポート位置決めシステムが、フレクシャ構成を含む、請求項1~5の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項7】
前記フレクシャ構成が、z軸を中心とした回転移動のためのRzフレクシャ構成と、xyフレクシャ構成とを含み、前記Rzフレクシャ構成及び前記xyフレクシャ構成が、積み重ねて配置され、前記Rzフレクシャ構成が、好ましくは、前記xyフレクシャ構成のダウンビームにある、請求項6に記載のモジュール。
【請求項8】
前記サポート位置決めシステムが、1つ又は複数の線形アクチュエータを含む、請求項1~7の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項9】
各前記アクチュエータが、ピエゾアクチュエータ構成である、請求項8に記載のモジュール。
【請求項10】
各ピエゾアクチュエータ構成が、2軸剪断モードピエゾデバイスを含む、請求項9に記載のモジュール。
【請求項11】
前記サポート位置決めシステムによって含まれる線形アクチュエータの数が3である、請求項8~10の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項12】
前記サポート位置決めシステムが、ステージを含み、前記アクチュエータが、前記ステージの平面内の第1の方向に前記ステージを移動させるために前記アクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成される、請求項8~11の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項13】
前記アクチュエータが、前記ステージの前記平面内にある第2の方向に前記ステージを移動させるために前記アクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成され、前記第2の方向が、前記第1の方向に対して直交する、請求項12に記載のモジュール。
【請求項14】
前記荷電粒子装置が、ソース及び対物レンズを含み、前記荷電粒子装置の前記荷電粒子パスが、前記ソースと前記対物レンズとの間に位置する、請求項1~13の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項15】
荷電粒子装置内で電子光学デバイスを荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる方法であって、
前記電子光学デバイスを含む現場で交換可能なモジュールを前記荷電粒子装置に固定し、それによって、前記荷電粒子装置内に前記電子光学デバイスを設置することと、
前記モジュールの本体に対する前記電子光学デバイスのx位置、y位置、及び/又はRz状態に対して、1つ又は複数の微調整を加えることであって、前記電子光学デバイスの前記Rz状態に対して微調整を加えることが、前記荷電粒子のパスの周りで前記電子光学デバイスを回転させることを含む、微調整を加えることと、
前記荷電粒子装置内で荷電粒子ビーム又はマルチビームの前記パスに対する調整を加えることと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年6月10日に出願された米国特許出願第63/037,481号、及び2020年9月22日に出願された欧州特許出願第20197510.9号の優先権を主張するものであり、これらの出願はそれぞれ、全体として本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本明細書に提供される実施形態は、一般に、荷電粒子装置における電子光学アセンブリの提供について述べる。電子光学アセンブリは、1つ又は複数の荷電粒子ビームを偏向させること、及び/又は集束させることなどによって、荷電粒子ビームを操作するように構成される。実施形態は、荷電粒子装置において交換可能なモジュールに電子光学デバイスを設ける。実施形態は、電子光学アセンブリを入射ソースビームと適切にアライメントさせるための技術も提供する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体集積回路(IC)チップを製造する際に、例えば、光学効果及び偶発的粒子の結果として、望ましくないパターン欠陥が、製作プロセス中に、基板(すなわち、ウェーハ)又はマスク上で不可避的に生じ、それによって歩留まりが低下する。したがって、望ましくないパターン欠陥の程度をモニタリングすることは、ICチップの製造において重要なプロセスである。より一般的に、基板又は他の物体/材料の表面の検査及び/又は測定は、その製造中及び/又は製造後において重要なプロセスである。
【0004】
[0004] 荷電粒子ビームを用いたパターン検査ツールは、物体を検査するために、例えば、パターン欠陥を検出するために使用されてきた。これらのツールは、一般的に、走査電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡法技術を使用する。SEMでは、比較的高いエネルギーの電子の一次電子ビームが、比較的低い着地エネルギーでサンプル上に着地するために、最終減速ステップでターゲットにされる。電子ビームは、サンプル上にプロービングスポットとして集束される。プロービングスポットにおける材料構造と、電子ビームからの着地電子の相互作用により、二次電子、後方散乱電子、又はオージェ電子などの電子が表面から放出される。発生した二次電子は、サンプルの材料構造から放出され得る。サンプル表面にわたり、プロービングスポットとして一次電子ビームを走査することによって、サンプルの表面にわたり二次電子を放出させることができる。サンプル表面からのこれらの放出二次電子を収集することによって、パターン検査ツールは、サンプルの表面の材料構造の特徴を表す画像を取得し得る。
【0005】
[0005] 荷電粒子ビームの別の用途は、リソグラフィである。荷電粒子ビームは、基板表面上のレジスト層と反応する。レジストにおける所望のパターンは、荷電粒子ビームが誘導されるレジスト層上の場所を制御することによって作成することができる。荷電粒子装置は、1つ又は複数の荷電粒子ビームを発生させるため、1つ又は複数の荷電粒子ビームの照明、投影、及び/又は検出を行うための装置でもよい。荷電粒子装置内で、1つ又は複数の荷電粒子ビームを操作するために1つ又は複数の電子光学デバイスが設けられる。電子光学デバイスを荷電粒子装置に設けるための既知の技術を改良する一般的必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書で提供される実施形態は、電子光学デバイスを含むモジュールを開示する。モジュールは、現場で、荷電粒子装置内で交換可能である。したがって、電子光学デバイスは、荷電粒子装置からモジュールを取り外すこと、及び異なる電子光学デバイスが取り付けられたモジュールを再び設置することによって簡単に交換され得る。代替的に、異なる電子光学デバイスを含む異なるモジュールが設置されてもよい。
【0007】
[0007] 実施形態は、荷電粒子装置内の他のコンポーネントと電子光学デバイスをアライメントさせるための技術も提供する。
【0008】
[0008] 本発明の第1の態様によれば、荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、デバイスを支持するように構成されたサポート構成であって、デバイスが荷電粒子装置内で荷電粒子パスを操作するように構成される、サポート構成と、モジュール内でサポート構成を移動させるように構成されたサポート位置決めシステムとを含み、モジュールが、荷電粒子装置において、現場で交換可能であるように配置される、モジュールが提供される。
【0009】
[0009] 本発明の第2の態様によれば、荷電粒子装置において荷電粒子のパスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、荷電粒子装置内でモジュールが現場で交換可能であるように、荷電粒子装置のハウジングのハウジングフランジに取り付けられる、及びハウジングフランジから取り外されるように構成されたモジュールフランジを含む、モジュールが提供される。
【0010】
[0010] 本発明の第3の態様によれば、第1又は第2の態様による現場で交換可能なモジュールを含む荷電粒子装置が提供される。
【0011】
[0011] 本発明の第4の態様によれば、電子光学デバイスを荷電粒子装置内に設置する方法であって、電子光学デバイスをモジュールに取り付けることと、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのRx状態、Ry状態、及び/又はz位置に対して粗調整を加えることと、モジュールを荷電粒子装置に固定することとを含む方法が提供される。
【0012】
[0012] 本発明の第5の態様によれば、荷電粒子装置内で電子光学デバイスを荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる方法であって、電子光学デバイスを含むモジュールを荷電粒子装置に固定し、それによって、荷電粒子装置内に電子光学デバイスを設置することと、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのx位置、y位置、及び/又はRz状態に対して、1つ又は複数の微調整を加えることと、荷電粒子装置内で荷電粒子ビーム又はマルチビームのパスに対する調整を加えることとを含む方法が提供される。
【0013】
[0013] 本発明の第6の態様によれば、電子ビームをサンプルに投影するように構成された電子光学コラムであって、コラムの座標系を規定するように構成されたフレームと、電子光学デバイスを含む現場で交換可能なモジュールを受け入れるためのチャンバと、現場で交換可能なモジュールをフレームとアライメントさせるために、現場で交換可能なモジュールと係合するように構成された係合構成と、微細アライメントのためにビーム及びデバイスを互いに対して位置決めするように構成された能動位置決めシステムと、を含むコラムが提供される。
【0014】
[0014] 本発明の第7の態様によれば、電子光学コラムに取り外し可能に挿入できるように配置された、現場で交換可能なモジュールであって、電子光学コラムにおいて電子ビームのパスを操作するように構成された電子光学要素と、電子光学要素を支持するように構成されたサポートと、全自由度でサポートを電子光学コラムのフレームとアライメントさせるように構成された係合構成と、を含む現場で交換可能なモジュールが提供される。
【0015】
[0015] 実施形態によるモジュールは、荷電粒子装置の実質的な分解なしに電子光学デバイスが簡単に交換されることを有利に可能にする。
【0016】
[0016] 本発明の他の利点は、実例及び例として、本発明の特定の実施形態が記載される、添付の図面と併せた以下の説明から明らかとなるだろう。
【0017】
[0017] 本開示の上記及び他の態様は、添付の図面と併せた例示的実施形態の説明からより明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】[0018]例示的な荷電粒子ビーム検査装置を示す概略図である。
【
図2】[0019]
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置の一部である例示的なマルチビーム装置を示す概略図である。
【
図3】[0020]
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置のソース変換ユニットの例示的な構成を示す例示的なマルチビーム装置の概略図である。
【
図4A】[0021]ある実施形態による荷電粒子装置の一部の概略図である。
【
図4B】[0022]ある実施形態による荷電粒子装置の一部の概略図である。
【
図5】[0023]荷電粒子装置に設置された、ある実施形態によるモジュールを通る断面の概略図である。
【
図6】[0024]荷電粒子装置に設置された、ある実施形態による電子光学デバイスを通る断面の概略図である。
【
図7】[0025]荷電粒子装置内に挿入されている過程の、ある実施形態によるモジュールを通る断面の概略図である。
【
図8】[0026]第1の実施形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図9】[0027]第1の実施形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図10A】[0028]第2の実施形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図10B】[0029]第2の実施形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図11A】[0030]第3の実施形態の一実装形態によるモジュールを通る断面の概略図である。
【
図11B】[0031]第3の実施形態の一実装形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図11C】[0032]第3の実施形態の一実装形態によるピエゾアクチュエータの動作状態を示すステージの概略平面図である。
【
図11D】[0032]第3の実施形態の一実装形態によるピエゾアクチュエータの動作状態を示すステージの概略平面図である。
【
図11E】[0032]第3の実施形態の一実装形態によるピエゾアクチュエータの動作状態を示すステージの概略平面図である。
【
図11F】[0033]第3の実施形態の一実装形態によるモジュールを通る断面の概略図である。
【
図11G】[0034]第3の実施形態の一実装形態によるピエゾアクチュエータの動作状態を示すステージの概略平面図である。
【
図11H】[0034]第3の実施形態の一実装形態によるピエゾアクチュエータの動作状態を示すステージの概略平面図である。
【
図11I】[0034]第3の実施形態の一実装形態によるピエゾアクチュエータの動作状態を示すステージの概略平面図である。
【
図12A】[0035]第4の実施形態の一実装形態によるモジュールを通る断面の概略図である。
【
図12B】[0036]第4の実施形態の一実装形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図12C】[0037]第4の実施形態の一実装形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図12D】[0038]第4の実施形態の一実装形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図13】[0039]第5の実施形態によるモジュールの一部を通る断面の概略図である。
【
図14A】[0040]第6の実施形態による荷電粒子装置に固定されたモジュールの概略図である。
【
図14B】[0041]第6の実施形態による荷電粒子装置上のフランジの概略図である。
【
図15A】[0042]荷電粒子装置内の第7の実施形態によるモジュールの一部の概略図である。
【
図15B】[0043]第7の実施形態による締め付けボルト構成の概略図である。
【
図16】[0044]ある実施形態による荷電粒子装置の概略図である。
【
図17】[0045]ある実施形態による方法のフローチャートである。
【
図18】[0046]ある実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0047] これより、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を、添付の図面に示す。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表示がない限り、異なる図面における同一の番号は、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明と一致するすべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0020】
[0048] デバイスの物理的サイズの減少、及び電子デバイスの計算能力の向上は、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることによって達成することができる。これは、さらに小さい構造の作製を可能にする分解能の向上によって可能にされてきた。例えば、親指の爪の大きさであり、2019年以前に利用可能なスマートフォンのICチップは、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪の1/1000未満である。したがって、半導体IC製造が、数百の個々のステップを有する、複雑で時間のかかるプロセスであることは驚くに値しない。たとえ1つのステップのエラーであっても、最終製品の機能に劇的に影響を与える可能性がある。たった1つの「キラー欠陥」が、デバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップを有するプロセス(ここでは、ステップが、ウェーハ上に形成される層の数を示し得る)に関して75%の歩留まりを得るためには、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有していなければならない。個々のステップが95%の歩留まりを有する場合、全体的なプロセス歩留まりは、7~8%と低い。
【0021】
[0049] ICチップ製造設備において、高いプロセス歩留まりが望ましい一方で、一時間当たりに処理される基板の数と定義される高い基板(すなわち、ウェーハ)スループットを維持することも必須である。高いプロセス歩留まり及び高い基板スループットは、欠陥の存在による影響を受け得る。これは、欠陥を調査するためにオペレータの介入が必要な場合に特に当てはまる。したがって、検査ツール(走査電子顕微鏡(「SEM」)など)によるマイクロスケール及びナノスケール欠陥の高スループット検出及び識別は、高い歩留まり及び低いコストを維持するために必須である。
【0022】
[0050] SEMは、走査デバイス及び検出器装置を含む。走査デバイスは、一次電子を発生させるための電子源を含む照明装置と、一次電子の1つ又は複数の集束ビームで基板などのサンプルを走査するための投影装置と、を含む。一次電子は、サンプルと相互作用し、二次電子及び/又は後方散乱電子などの相互作用生成物を発生させる。検出装置は、SEMがサンプルの走査エリアの画像を生成し得るように、サンプルが走査されるときに、サンプルからの二次電子及び/又は後方散乱電子を捕捉する。高スループットの検査のために、検査装置の一部は、一次電子の複数の集束ビーム、すなわち、マルチビームを使用する。マルチビームの成分ビームは、サブビーム又はビームレットと呼ばれることがある。マルチビームは、サンプルの異なる部分を同時に走査し得る。したがって、マルチビーム検査装置は、単一ビーム検査装置よりもはるかに高速でサンプルを検査し得る。
【0023】
[0051] マルチビーム検査装置では、一次電子ビームの幾つかのパスが、走査デバイスの中心軸、すなわち、一次電子光軸(本明細書では、荷電粒子軸とも呼ばれる)の中点から離れて変位する。すべての電子ビームが実質的に同じ入射角でサンプル表面に達することを確実にするために、中心軸からより大きな半径方向距離を有するサブビームパスが、中心軸により近いサブビームパスよりも大きな角度を移動するように操作される必要がある。このより強力な操作は、結果として生じる像をぼやけさせ、像の焦点を外させる収差を生じさせ得る。一例は、各サブビームパスの焦点を異なる焦点面に至らせる球面収差である。具体的には、中心軸上にないサブビームパスに関して、サブビームの焦点面の変化は、中心軸からの半径方向変位と共に大きくなる。このような収差及びデフォーカス効果は、ターゲットからの二次電子が検出されたときにそれらの二次電子に関連付けられたままとなり得、例えば、ターゲット上のサブビームによって形成されるスポットの形状及びサイズが影響を受ける。したがって、このような収差は、検査中に生成される、結果として生じる画像の品質を低下させる。
【0024】
[0052] 既知のマルチビーム検査装置の実装形態を以下に説明する。
【0025】
[0053] 図は、概略図である。したがって、図面では、コンポーネントの相対寸法は、明瞭にするために拡大される。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。説明及び図面は電子光学装置を対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するためには使用されないことが理解される。したがって、本文書全体を通して、電子への言及は、より一般的に、荷電粒子への言及であると見なすことができ、荷電粒子は、必ずしも電子ではない。
【0026】
[0054] ここで
図1を参照すると、
図1は、例示的な荷電粒子ビーム検査装置100を示す概略図である。
図1の荷電粒子ビーム検査装置100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、電子ビームツール40、機器フロントエンドモジュール(EFEM)30、及びコントローラ50を含む。
【0027】
[0055] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の1つ又は複数の装填ポートを含んでもよい。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、検査予定の基板(例えば、半導体基板若しくは他の材料で作られた基板)又はサンプルを含む基板前面開口式一体型ポッド(FOUP(front opening unified pod))を受け取ることができる(以下では、基板、ウェーハ、及びサンプルは、まとめて「サンプル」と呼ばれる)。EFEM30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填ロックチャンバ20にサンプルを運ぶ。
【0028】
[0056] 装填ロックチャンバ20は、サンプルの周囲の気体を取り除くために使用される。これは、周囲環境の圧力より低い局所気体圧力である真空を生じさせる。装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続されてもよく、装填ロック真空ポンプシステムは、装填ロックチャンバ20内の気体粒子を取り除く。装填ロック真空ポンプシステムの動作により、装填ロックチャンバが大気圧を下回る第1の圧力に達することが可能になる。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10にサンプルを運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。メインチャンバ真空ポンプシステムは、サンプルの周囲の圧力が第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内の気体分子を取り除く。第2の圧力に達した後に、サンプルは、電子ビームツールに運ばれ、サンプルは、電子ビームツールによって検査され得る。電子ビームツール40は、単一ビーム又はマルチビームの電子光学装置を含み得る。
【0029】
[0057] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100を制御するように構成されたプロセッサ(コンピュータなど)でもよい。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。
図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもよいことが理解される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置のコンポーネント要素の1つの内部に位置してもよく、又はコントローラ50は、コンポーネント要素の少なくとも2つに分散されてもよい。本開示は、電子ビーム検査ツールを収納するメインチャンバ10の例を提供しているが、本開示の態様は、広い意味で、電子ビーム検査ツールを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、第2の圧力下で動作する装置の他のツール及び他の配置にも適用できることが理解される。
【0030】
[0058] ここで
図2を参照すると、
図2は、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部であるマルチビーム検査ツールを含む例示的な電子ビームツール40を示す概略図である。マルチビーム電子ビームツール40(本明細書では、装置40とも呼ばれる)は、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220、一次投影装置230、電動ステージ209、及びサンプルホルダ207を含む。電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220は、マルチビーム電子ビームツール40によって包含される照明装置のコンポーネントである。サンプルホルダ207は、検査のためにサンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するために、電動ステージ209によって支持される。マルチビーム電子ビームツール40は、二次投影装置250及び関連する電子検出デバイス240をさらに含み得る。一次投影装置230は、対物レンズ231を含み得る。電子検出デバイス240は、複数の検出要素241、242、及び243を含み得る。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は、一次投影装置230内に配置され得る。
【0031】
[0059] 一次ビームを発生させるために使用されるコンポーネントは、装置40の一次電子光軸とアライメントされ得る。これらのコンポーネントは、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220、ビームセパレータ233、偏向走査ユニット232、及び一次投影装置230を含み得る。二次投影装置250及びそれに関連した電子検出デバイス240は、装置40の二次電子光軸251とアライメントされ得る。
【0032】
[0060] 一次電子光軸204は、照明装置である電子ビームツール40の部分の電子光軸によって構成される。二次電子光軸251は、検出装置である電子ビームツール40の部分の電子光軸である。一次電子光軸204は、本明細書では、(参照しやすいように)主光軸、又は一次荷電粒子光軸とも呼ばれることがある。二次電子光軸251は、本明細書では、副光軸又は二次荷電粒子光軸とも呼ばれることがある。
【0033】
[0061] 電子源201は、カソード(図示せず)、及び抽出器又はアノード(図示せず)を含み得る。動作中に、電子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成される。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されることによって、一次ビームクロスオーバー(虚像又は実像)203を形成する一次電子ビーム202を形成する。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバー203から放出されると視覚化することができる。
【0034】
[0062] 形成された一次電子ビーム202は、単一ビームでもよく、マルチビームは、この単一ビームから生成されてもよい。したがって、ビームパスに沿った異なる場所で、一次電子ビーム202は、単一ビーム又はマルチビームのどちらか一方であり得る。それがサンプルに到達する時までには、好ましくは、それが投影装置に到達する前には、一次電子ビーム202は、マルチビームである。このようなマルチビームは、多くの異なるやり方で、一次電子ビームから発生させることができる。例えば、マルチビームは、クロスオーバー203の前に位置するマルチビームアレイ、ソース変換ユニット220に位置するマルチビームアレイ、又はこれらの場所の間にある任意の地点に位置するマルチビームアレイによって発生させることができる。マルチビームアレイは、ビームパスにわたりアレイに配置された複数の電子ビーム操作要素を含み得る。各操作要素は、サブビームを発生させるように一次電子ビームの少なくとも一部に影響を与え得る。したがって、マルチビームアレイは、入射一次ビームパスと相互作用することによって、マルチビームアレイのダウンビームでマルチビームパスを生成する。一次ビームとのマルチビームアレイの相互作用は、1つ又は複数のアパーチャアレイ、個々の偏向器(例えば、サブビームごとに)、レンズ、非点収差補正装置及び(収差)補正器(ここでも、例えば、サブビームごとに)を含み得る。
【0035】
[0063] ガンアパーチャプレート271は、動作時に、クーロン効果を低減するために、一次電子ビーム202の周辺電子をブロックするように構成される。クーロン効果は、一次サブビーム211、212、213のプローブスポット221、222、及び223のそれぞれのサイズを拡大し、したがって、検査分解能を低下させ得る。ガンアパーチャプレート271は、ソース変換ユニット220の前であっても一次サブビーム(図示せず)を発生させるための複数の開口も含むことができ、クーロンアパーチャアレイとも呼ばれることがある。
【0036】
[0064] 集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束させる(又はコリメートする)ように構成される。ある実施形態では、集光レンズ210は、実質的に平行なビームとなり、ソース変換ユニット220に実質的に垂直に入射するように一次電子ビーム202を集束させる(又はコリメートする)ように設計され得る。集光レンズ210は、それの主平面の位置が可動であるように構成され得る可動集光レンズでもよい。ある実施形態では、可動集光レンズは、例えば、光軸204に沿って物理的に移動するように構成され得る。代替的に、可動集光レンズは、集光レンズの主平面が個々の電気光学要素(レンズ)の強度の変動に応じて移動する2つ以上の電気光学要素から構成されてもよい。(可動)集光レンズは、磁気、静電気、又は磁気レンズ及び静電レンズの組み合わせであるように構成されてもよい。さらなる実施形態では、集光レンズ210は、回転防止集光レンズでもよい。回転防止集光レンズは、集光レンズ210の集束力(コリメート力)が変化したときに、及び/又は集光レンズの主平面が移動したときに、回転角度を不変に保つように構成され得る。
【0037】
[0065] ソース変換ユニット220の一実施形態では、ソース変換ユニット220は、像形成要素アレイ、収差補償器アレイ、ビーム制限アパーチャアレイ、及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイを含み得る。事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、例えば、任意選択のものでもよく、例えば、ビーム制限アパーチャアレイ、像形成要素アレイ、及び/又は収差補償器アレイ上へのクーロンアパーチャアレイに由来するサブビームの実質的に垂直な入射を集光レンズが保証しない実施形態において存在してもよい。像形成要素アレイは、マルチビームパスの複数のサブビーム、すなわち一次サブビーム211、212、213を発生させるように構成され得る。像形成要素アレイは、例えば、一次電子ビーム202の複数の一次サブビーム211、212、213に影響を与えるため、及び一次ビームクロスオーバー203の複数の平行像(虚像又は実像)を形成するために、マイクロ偏向器、マイクロレンズ(又は両者の組み合わせ)などの複数の電子ビームマニピュレータを含み得る(一次サブビーム211、212、及び213のそれぞれに対して1つずつ)。収差補償器アレイは、例えば、像面湾曲補償器アレイ(図示せず)、及び非点収差補償器アレイ(図示せず)を含み得る。像面湾曲補償器アレイは、例えば、一次サブビーム211、212、及び213の像面湾曲収差を補償するための複数のマイクロレンズを含み得る。非点収差補償器アレイは、一次サブビーム211、212、及び213の非点収差を補償するための複数のマイクロ非点収差補正装置を含んでもよい。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次サブビーム211、212、及び213の直径を規定するように構成され得る。
図2は、一例として3つの一次サブビーム211、212、及び213を示すが、ソース変換ユニット220は、任意の数の一次サブビームを形成するように構成され得ることが理解されるものとする。コントローラ50は、ソース変換ユニット220、電子検出デバイス240、一次投影装置230、又は電動ステージ209などの
図1の荷電粒子ビーム検査装置100の様々な部分に接続され得る。以下により詳細に説明するように、コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子マルチビーム装置を含む荷電粒子ビーム検査装置の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
【0038】
[0066] 集光レンズ210はさらに、集光レンズ210の集束力(コリメート力)を異ならせることによって、ソース変換ユニット220のダウンビームで一次サブビーム211、212、213の電流を調整するように構成され得る。代替的又は追加的に、一次サブビーム211、212、213の電流は、個々の一次サブビームに対応するビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャの半径方向サイズを変えることによって変更され得る。
【0039】
[0067] 対物レンズ231は、検査のためにサンプル208上にサブビーム211、212、及び213を集束させるように構成することができ、この実施形態では、サンプル208の表面に3つのプローブスポット221、222、及び223を形成し得る。
【0040】
[0068] ビームセパレータ233は、例えば、静電双極子場及び磁気双極子場(
図2では図示せず)を含むウィーンフィルタでもよい。動作時には、ビームセパレータ233は、静電双極子場によって、一次サブビーム211、212、及び213の個々の電子に対して静電力をかけるように構成され得る。ある実施形態では、静電力は、ビームセパレータ233の磁気双極子場によって一次サブビーム211、212、及び213の個々の一次電子にかけられる磁力に対して、大きさは等しいが、方向は逆である。したがって、一次サブビーム211、212、及び213は、少なくとも実質的にゼロの偏向角度で、ビームセパレータ233を少なくとも実質的に真っすぐに通過し得る。磁力の方向は、電子の動きの方向に依存し、静電力の方向は、電子の動きの方向に依存しない。したがって、二次電子及び後方散乱電子は、一般に、一次電子と比較して反対方向に移動するため、二次電子及び後方散乱電子にかかる磁力は、もはや静電力を相殺せず、その結果、ビームセパレータ233を通って進む二次電子及び後方散乱電子は、光軸204から離れて偏向される。
【0041】
[0069] 偏向走査ユニット232は、動作時に、サンプル208の表面の一セクションの個々の走査エリアにわたってプローブスポット221、222、及び223を走査するために、一次サブビーム211、212、及び213を偏向させるように構成される。サンプル208上へのプローブスポット221、222、及び223上への一次サブビーム211、212、及び213の入射に応答して、二次電子及び後方散乱電子を含む電子が、サンプル208から発生する。この実施形態では、二次電子は、3つの二次電子ビーム261、262、及び263において伝搬する。二次電子ビーム261、262、及び263は、一般的に、(50eV以下の電子エネルギーを有する)二次電子を有し、(50eVと一次サブビーム211、212、及び213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する)後方散乱電子の少なくとも一部も有し得る。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262、及び263のパスを二次投影装置250に向けて偏向させるように配置される。続いて、二次投影装置250は、二次電子ビーム261、262、及び263のパスを電子検出デバイス240の複数の検出領域241、242、及び243上に集束させる。検出領域は、例えば、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出するように配置された別個の検出要素241、242、及び243でもよい。検出領域は、対応する信号を生成し得、これらの信号は、例えば、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するために、例えば、コントローラ50又は信号処理システム(図示せず)に送られる。
【0042】
[0070] 検出要素241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出することができる。検出要素241、242、及び243への二次電子ビームの入射時に、要素は、対応する強度信号出力(図示せず)を生成し得る。出力は、画像処理システム(例えば、コントローラ50)に向けられ得る。各検出要素241、242、及び243は、1つ又は複数のピクセルを含み得る。検出要素の強度信号出力は、検出要素内のすべてのピクセルによって生成された信号の合計でもよい。
【0043】
[0071] コントローラ50は、画像取得器(図示せず)及びストレージデバイス(図示せず)を含む画像処理システムを含み得る。例えば、コントローラは、プロセッサ、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、コントローラの処理機能の少なくとも一部を含み得る。したがって、画像取得器は、少なくとも1つ又は複数のプロセッサを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機、又はこれらの組み合わせなどの信号通信を可能にする装置40の電子検出デバイス240に通信可能に結合され得る。画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信し、信号に含まれるデータを処理し、そこから画像を構築することができる。したがって、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成、及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体でもよい。ストレージは、画像取得器と結合されてもよく、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存したり、後処理された画像を保存したりするために使用することができる。
【0044】
[0072] 画像取得器は、電子検出デバイス240から受信された撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。単一の画像は、ストレージに保存することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。各領域は、サンプル208の特徴を含む1つの撮像エリアを含み得る。取得画像は、ある期間にわたって複数回サンプリングされたサンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに保存することができる。コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを行うように構成され得る。
【0045】
[0073] コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ-デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓の間に収集された電子分布データは、サンプル表面に入射した一次サブビーム211、212、及び213の各々の対応する走査パスデータと組み合わせて、検査中のサンプル構造の画像を再構築するために使用し得る。再構築された画像は、サンプル208の内部又は外部の構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用し得る。したがって、再構築された画像は、サンプルに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用し得る。
【0046】
[0074] コントローラ50は、例えば、さらに、サンプル208の検査中、検査前、又は検査後にサンプル208を移動させるように電動ステージ209を制御することができる。ある実施形態では、コントローラ50は、電動ステージ209が、少なくともサンプルの検査中に、例えば、継続的に、例えば、一定の速度で、ある方向にサンプル208を移動させることを可能にし得る。コントローラ50は、例えば、様々なパラメータに依存してサンプル208の移動の速度が変わるように、電動ステージ209の移動を制御することができる。例えば、コントローラは、走査プロセスの検査ステップの特性に応じて、ステージ速度(その方向を含む)を制御することができる。
【0047】
[0075]
図2は、装置40が3つの一次電子サブビームを使用することを示しているが、装置40は、2つ以上の数の一次電子サブビームを使用し得ることが理解される。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0048】
[0076] ここで
図3を参照すると、
図3は、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置のソース変換ユニットの例示的な構成を示す例示的なマルチビーム装置の概略図である。装置300は、電子源301、プレサブビーム形成アパーチャアレイ372(さらにクーロンアパーチャアレイ372とも呼ばれる)、集光レンズ310(
図2の集光レンズ210に類似)、ソース変換ユニット320、対物レンズ331(
図2の対物レンズ231に類似)、及びサンプル308(
図2のサンプル208に類似)を含み得る。電子源301、クーロンアパーチャアレイ372、集光レンズ310は、装置300によって含まれる照明装置のコンポーネントでもよい。ソース変換ユニット320及び対物レンズ331は、装置300によって含まれる投影装置のコンポーネントでもよい。ソース変換ユニット320は、
図2のソース変換ユニット220に類似してもよく、ソース変換ユニット320では、
図2の像形成要素アレイは、像形成要素アレイ322であり、
図2の収差補償器アレイは、収差補償器アレイ324であり、
図2のビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャアレイ321であり、
図2の事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323である。電子源301、クーロンアパーチャアレイ372、集光レンズ310、ソース変換ユニット320、及び対物レンズ331は、装置の一次電子光軸304とアライメントされる。電子ソース301は、概ね一次電子光軸304に沿って、及び(仮想又は実在の)ソースクロスオーバー301Sを用いて一次電子ビーム302を発生させる。クーロンアパーチャアレイ372は、結果として生じるクーロン効果を低減するために、一次電子ビーム302の周辺電子をカットする。一次電子ビーム302は、プレサブビーム形成機構のクーロンアパーチャアレイ372によって、指定数のサブビーム(3つのサブビーム311、312、及び313など)に削減され得る。3つのサブビーム及びそれらのパスが、前述及び以下の説明において言及されるが、この説明は、任意の数のサブビームを用いた装置、ツール、又はシステムへの適用を意図したものであることが理解されるものとする。
【0049】
[0077] ソース変換ユニット320は、一次電子ビーム302のサブビーム311、312、及び313の外寸を規定するように構成されたビーム制限アパーチャを備えたビームレット制限アパーチャアレイ321を含み得る。ソース変換ユニット320は、像形成マイクロ偏向器322_1、322_2、及び322_3を備えた像形成要素アレイ322も含み得る。各サブビームのパスに関連付けられたそれぞれのマイクロ偏向器が存在する。マイクロ偏向器322_1、322_2、及び322_3は、サブビーム311、312、及び313のパスを電子光軸304に向けて偏向させるように構成される。偏向したサブビーム311、312、及び313は、ソースクロスオーバー301Sの虚像(図示せず)を形成する。この実施形態では、これらの虚像は、対物レンズ331によってサンプル308上に投影され、及びサンプル上にプローブスポットを形成し、これらのプローブスポットは、3つのプローブスポット391、392、及び393である。各プローブスポットは、サンプル表面上のサブビームパスの入射場所に対応する。ソース変換ユニット320は、各サブビームに存在し得る収差を補償するように構成された収差補償器アレイ324をさらに含み得る。収差補償器アレイ324は、例えば、マイクロレンズを備えた像面湾曲補償器アレイ(図示せず)を含み得る。像面湾曲補償器及びマイクロレンズは、例えば、プローブスポット391、392、及び393において顕著な像面湾曲収差に関して個々のサブビームを補償するように構成され得る。収差補償器アレイ324は、マイクロ非点収差補正装置を備えた非点収差補償器アレイ(図示せず)を含み得る。マイクロ非点収差補正装置は、例えば、そうでなければプローブスポット391、392、及び393に存在する非点収差を補償するためにサブビームに対して作用するように制御され得る。
【0050】
[0078] ソース変換ユニット320は、サブビーム311、312、及び313をそれぞれ屈曲させるための事前屈曲マイクロ偏向器323_1、323_2、及び323_3を備えた事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323をさらに含み得る。事前屈曲マイクロ偏向器323_1、323_2、及び323_3は、サブビームのパスをビームレット制限アパーチャアレイ321上へと屈曲させることができる。ある実施形態では、事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323は、サブビームのサブビームパスをビームレット制限アパーチャアレイ321上の平面の直交方向に向けて屈曲させるように構成され得る。代替実施形態では、集光レンズ310は、サブビームのパス方向をビームレット制限アパーチャアレイ321上に調整し得る。集光レンズ310は、例えば、一次電子光軸304に沿って実質的に平行なビームとなるように、3つのサブビーム311、312、及び313を集束させる(コリメートする)ことができ、したがって、3つのサブビーム311、312、及び313は、ソース変換ユニット320に実質的に垂直に入射し、ソース変換ユニット320は、ビームレット制限アパーチャアレイ321に対応し得る。このような代替実施形態では、事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323は、必要ではない場合がある。
【0051】
[0079] 像形成要素アレイ322、収差補償器アレイ324、及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323は、サブビーム操作デバイスの複数の層を含んでもよく、それらの一部は、アレイ状の形状であってもよい(例えば、マイクロ偏向器、マイクロレンズ、又はマイクロ非点収差補正装置)。
【0052】
[0080] ソース変換ユニット320のこの例では、一次電子ビーム302のサブビーム311、312、及び313は、一次電子光軸304に向けて、それぞれ像形成要素アレイ322のマイクロ偏向器322_1、322_2、及び322_3によって偏向される。サブビーム311のパスは、マイクロ偏向器322_1に到達する前に既に電子光軸304に一致し得るため、サブビーム311のパスは、マイクロ偏向器322_1によって偏向されなくてもよいことが理解されるものとする。
【0053】
[0081] 対物レンズ331は、サブビームをサンプル308の表面上に集束させ、すなわち、対物レンズ331は、3つの虚像をサンプル表面上に投影する。3つのサブビーム311~313によってサンプル表面上に形成された3つの像は、サンプル表面上に3つのプローブスポット391、392、及び393を形成する。ある実施形態では、サブビーム311~313の偏向角度は、3つのプローブスポット391~393のオフアクシス収差を低減又は制限するために、対物レンズ331の前側焦点を通過するように、又は対物レンズ331の前側焦点に近づくように調整される。
【0054】
[0082]
図3に示されるようなマルチビーム検査ツール300の実施形態では、二次電子のビームパス、ビームセパレータ(ウィーンフィルタ233に類似)、二次投影光学系(
図2の二次投影光学系250に類似)、及び電子検出デバイス(電子検出デバイス240に類似)は、明確にするために省略されている。しかしながら、二次電子又は後方散乱電子を用いてサンプル表面の像を登録及び生成するために、類似のビームセパレータ、二次投影光学系、及び電子検出デバイスが
図3のこの実施形態に存在し得ることは明白となるはずである。
【0055】
[0083]
図2及び
図3の上記のコンポーネントの少なくとも幾つかは、それらが1つ又は複数の荷電粒子ビーム又はサブビームを操作することから、個々に、又は互いに組み合わせて、マニピュレータアレイ又はマニピュレータと呼ばれることがある。
【0056】
[0084] マルチビーム検査ツールの上記の実施形態は、単一の荷電粒子ソースを備えたマルチビーム荷電粒子装置(マルチビーム荷電粒子光学装置と呼ばれることがある)を含む。マルチビーム荷電粒子装置は、照明装置及び投影装置を含む。照明装置は、ソースの電子ビームから荷電粒子マルチビームを発生させ得る。投影装置は、荷電粒子マルチビームをサンプルに向けて投影する。サンプルの表面の少なくとも一部は、荷電粒子マルチビームで走査され得る。
【0057】
[0085] マルチビーム荷電粒子装置は、荷電粒子マルチビームのサブビームを操作するための1つ又は複数の電子光学デバイスを含む。適用される操作は、例えば、サブビームのパスの偏向、及び/又はサブビームに適用される集束動作でもよい。1つ又は複数の電子光学デバイスは、MEMSを含み得る。
【0058】
[0086] 荷電粒子装置は、電子光学デバイスのアップビームに位置する、及び任意選択的に電子光学デバイス内に位置するビームパスマニピュレータを含み得る。ビームパスは、例えば、ビーム全体にわたって動作する2つの静電偏向器セットによって、荷電粒子軸、すなわち光軸に対して直交する方向に線形に操作され得る。2つの静電偏向器セットは、直交方向にビームパスを偏向させるように構成され得る。各静電偏向器セットは、ビームパスに沿って連続的に配置された2つの静電偏向器を含み得る。各セットの第1の静電偏向器は、補正偏向を与え、第2の静電偏向器は、電子光学デバイスへの正しい入射角にビームを復元する。第1の静電偏向器によって与えられる補正偏向は、MEMSへの所望の入射角を保証するための偏向を第2の静電偏向器が与えることができるように、過剰補正でもよい。静電偏向器セットの場所は、電子光学デバイスのアップビームにある幾つかの場所でもよい。ビームパスは、回転操作され得る。回転補正が磁気レンズによって与えられてもよい。追加的又は代替的に、回転補正は、集光レンズ構成などの既存の磁気レンズによって達成されてもよい。
【0059】
[0087] マルチビーム荷電粒子装置などの荷電粒子装置において、電子光学デバイスの交換が必要となる場合がある。例えば、ある特定の用途のために、荷電粒子装置の異なるビーム仕様を必要とするなど、異なる電子光学デバイスが必要とされる場合がある。別の例は、荷電粒子装置内の電子光学デバイスが故障し、交換される必要がある場合である。
【0060】
[0088] 荷電粒子装置において電子光学デバイスを交換するための既知の技術は、交換用電子光学デバイスが設置され得るように、少なくとも部分的に荷電粒子装置を分解することを含む。少なくとも部分的な分解の結果は、荷電粒子装置内の真空状態が失われることである。交換用電子光学デバイスが設置された後に、荷電粒子装置を組み立て直す必要がある。このとき、荷電粒子装置内の真空状態が復元される必要があり、このプロセスだけで何時間もかかり得る。したがって、荷電粒子装置において電子光学デバイスを交換するための既知の技術は、複雑で、時間がかかるものである。
【0061】
[0089] 交換用電子光学デバイスは、それが荷電粒子パスのビーム又はマルチビームと適切にアライメントされるように、荷電粒子装置内に適切に位置決めされる必要もある。
【0062】
[0090] 実施形態は、荷電粒子装置において電子光学デバイスを交換するための既知の技術を改良する。実施形態は、最大で6自由度の、電子光学デバイスを荷電粒子パスのビーム又はマルチビームと適切にアライメントさせるための粗動及び/又は微動位置決め技術も提供する。
【0063】
[0091] 実施形態によれば、電子光学デバイスは、マルチビーム荷電粒子装置などの荷電粒子装置内で、モジュールによって支持される。モジュールは、簡単に荷電粒子装置から取り外すことができ、及び荷電粒子装置に再挿入することができる。したがって、モジュールは、荷電粒子装置の現場で交換可能なコンポーネントである。現場で交換可能とは、荷電粒子装置を取り除く必要なく、荷電粒子装置が稼働する工場でコンポーネントを交換できることを意味することが意図される。ツールのダウンタイムがほとんどなく、機械的プロセスが可能な限りシンプルであるように、コンポーネントは、簡単に取り外され、効率的に交換され得る。これは、稼働時間を最大にすること、並びに修理時間及びコンポーネントの交換に必要とされる資源を減少させることを有利に試みる。したがって、荷電粒子装置において電子光学デバイスを交換するプロセスは、モジュールを取り外すことと、モジュールによって支持される電子光学デバイスを交換することと、その後に、荷電粒子装置内にモジュールを再挿入することとを含む。代替的に、異なる電子光学デバイスを含む異なるモジュールが、荷電粒子装置内に挿入されてもよい。荷電粒子装置の少なくとも一部の実質的な分解及び再組み立てが、有利に不要である。例えば荷電粒子装置の使用の変更により、又は生じている電子光学デバイスの故障により、電子光学デバイスが交換される必要がある場合、荷電粒子装置のダウンタイムは、大幅に減少し得る。
【0064】
[0092] 実施形態によるモジュールによって支持される電子光学デバイスは、MEMSデバイス及びPCBを含み得る。PCBは、MEMSデバイス用のステージを提供し得る。電子光学デバイスのMEMSデバイスは、荷電粒子ビーム又はマルチビームを操作するためのものでもよい。電子光学デバイスは、モジュールのステージに固定され得る。
【0065】
[0093] 実施形態は、交換可能モジュールを収納する荷電粒子装置の部分が、荷電粒子装置の残りの部分の真空状態から分離され得るように、荷電粒子装置に真空ロックを設けることを含む。モジュールが挿入された後に、真空状態を確立するために必要な時間は、荷電粒子装置全体で真空状態を確立するために必要な時間よりも有利に大幅に少ない。
【0066】
[0094] 実施形態によるモジュールは、電子光学デバイスがモジュールの本体に対して移動できるように構成され得る。この移動は、電子光学デバイス404が荷電粒子ビーム又はマルチビームと適切にアライメントされ得るようにモジュールが設置された後に、電子光学デバイスが再位置決めされることを可能にする。
【0067】
[0095] 実施形態の説明は、以下でより詳細に行う。
【0068】
[0096]
図4Aは、ある実施形態による荷電粒子装置401の一部の概略図である。
図4Bは、
図4Aに示された荷電粒子装置401の一部の概略図である。
【0069】
[0097] 荷電粒子装置401は、ソース402を含む。ソース402は、本明細書でソースビームと呼ばれる荷電粒子ビームを放出する。上記の光軸204及び304に類似して、荷電粒子装置401内には、荷電粒子軸が存在する。マルチビームパスでもよい、本明細書では荷電粒子パス403と呼ばれる荷電粒子ビームパス403は、荷電粒子軸に実質的に沿い得る。
【0070】
[0098] 電子光学デバイス404は、荷電粒子パス403に設けられる。電子光学デバイス404は、モジュール405によって、荷電粒子パス403において支持され得る。モジュール405、及び結果的にモジュール405によって支持される電子光学デバイス404が、荷電粒子装置401の交換可能コンポーネントであるように、荷電粒子装置401の壁に開口が存在する。荷電粒子装置401は、アップビーム真空ロック406を含む。アップビーム真空ロック406は、モジュール405よりもソース402に近い。荷電粒子装置401は、ダウンビーム真空ロック407も含む。ダウンビーム真空ロック407は、モジュール405よりもソース402からさらに遠い。動作時には、サンプル/基板408は、荷電粒子装置401から放出された荷電粒子ビーム又はマルチビームで照射される。
【0071】
[0099] 実施形態は、電子光学デバイス404が荷電粒子パス403と適切にアライメントされることを保証するための幾つかの技術を含む。適切なアライメントは、幾つかの自由度の電子光学デバイス404及び/又は荷電粒子パス403の位置調整を必要とし得る。具体的には、荷電粒子パス403は、z方向を規定し得る。荷電粒子パス403に対して直交する平面では、直交するx方向及びy方向が規定され得る。x方向、y方向、及びz方向の線形位置調整、並びにx軸(すなわちRx)、y軸(すなわちRy)、及びz軸(すなわちRz)を中心とする回転位置調整として、最大で6自由度が規定され得る。現場で交換可能なモジュールに取り付けられ得るデバイスの一部が、平面的でもよく、又は平面構造を有してもよいことは注目に値し得る。動作時に、この構造は、ビームパスに対して直交する平面とアライメント可能であってもよく、したがって、平面構造は、x軸及びy軸に存在し、並びにRzの周りで回転可能であり得る。
【0072】
[00100] 実施形態は、位置調整を加えるための粗大アライメント技術及び微細アライメント技術を含む。粗大アライメント技術は、プレキャリブレーション技術を含み得る。
【0073】
[00101] 粗大アライメント技術は、荷電粒子装置401の物理的構造に対する既知の領域に電子光学デバイス404を位置決めし得る。例えば、粗大アライメント技術は、荷電粒子装置401のハウジング及び/又はモジュール405を受け入れるための荷電粒子装置401の真空チャンバに対する既知の領域に電子光学デバイス404を位置決めし得る。粗大アライメント技術は、
図4Bの411によって示されるように、モジュール405のフランジ701と、荷電粒子装置401との間の接続によって提供される。つまり、粗大アライメント技術は、荷電粒子装置401の座標系においてモジュールを固定するために、フレーム(図示せず)などによる、荷電粒子装置401へのモジュール405の固定を可能にする。フランジ701と荷電粒子装置401との間の接続において、アライメントピンが使用される。アライメントピンは、最大で6自由度の荷電粒子装置401に対するモジュール405の位置が分かることを可能にし得る。モジュール405の位置は、粗大アライメントプロセスの公差の対象となることが知られている。粗動位置決め技術の説明は、第6の実施形態において、以下でより詳細に行う。
【0074】
[00102] 実施形態によるプレキャリブレーション技術は、モジュール405が荷電粒子装置401に挿入される前に適用され得る。プレキャリブレーション技術は、
図4Bでは410によって示される。プレキャリブレーション技術は、モジュール405の本体に対する、及び特にモジュール405のフランジ701に対する、モジュール405に固定された電子光学デバイス404の位置を調整する。プレキャリブレーション技術は、最大で6自由度のフランジ701に対する電子光学デバイス404の位置を調整し得る。プレキャリブレーション技術の説明は、第7の実施形態において、以下でより詳細に行う。
【0075】
[00103] 微細アライメント技術は、電子光学デバイス404を荷電粒子パス403とアライメントさせるためのものである。
【0076】
[00104] 微細アライメント技術は、
図4Bの409によって示されるように、モジュール405が荷電粒子装置401内に設置されるときに、モジュール405の本体に対する電子光学デバイス404の位置を機械的に調整することを含み得る。機械的微細アライメント技術は、最大で6自由度の電子光学デバイス404の位置を調整し得る。好適な実装形態では、機械的微細アライメント技術は、3自由度(つまりx、y、及びRz)の電子光学デバイス404の位置を調整し得る。機械的微細アライメント技術の説明は、第1~第5の実施形態において、より詳細に行う。
【0077】
[00105] 微細アライメント技術は、追加的又は代替的に、
図4Bの412によって示されるように、電子光学デバイス404が荷電粒子装置401内に設置されるときに、電子光学デバイス404に対する荷電粒子パス403の位置を電子的に調整することを含み得る。電子的微細アライメント技術は、例えば、最大で6自由度の荷電粒子パス403の位置を調整するために、静電及び磁気マニピュレータ及びレンズを使用し得る。好適な実装形態では、電子的微細アライメント技術は、4自由度(つまりx、y、z、及びRz)の電子光学デバイス404の位置を調整し得る。z方向の荷電粒子パス403の調整は、荷電粒子ビーム又はマルチビームの焦点を変更することによって行われ得る。電子的微細アライメント技術の説明は、第8の実施形態において、より詳細に行う。
【0078】
[00106] 粗大アライメント技術及びプレキャリブレーション技術は、荷電粒子装置401に電子光学デバイス404を固定するプロセスの前に、及びそのようなプロセス中に、これらの技術が適用される点で、受動的技術である。微細アライメント技術は、電子光学デバイス404が荷電粒子装置401に設置された後に、これらの技術が機械的又は電子的に適用される点で、能動的技術である。
【0079】
[00107]
図4A及び4Bには示されないが、荷電粒子装置401は、
図1~3を参照して先述したようなレンズ及び他のコンポーネントなどの代替及び/又は追加のコンポーネントを荷電粒子パス403上に含み得る。具体的には、実施形態は、ソースからの荷電粒子ビームを複数のサブビームに分割する荷電粒子投影装置も含む。複数のそれぞれの対物レンズは、サブビームをサンプル上に投影し得る。幾つかの実施形態では、複数の集光レンズが、対物レンズからアップビームに設けられる。集光レンズは、各サブビームを対物レンズのアップビームにある中間焦点に集束させる。幾つかの実施形態では、コリメータが、対物レンズからアップビームに設けられる。フォーカスエラー及び/又は収差を減少させるために、補正器が設けられてもよい。幾つかの実施形態では、このような補正器は、対物レンズに組み込まれ、又は対物レンズに直接隣接して位置決めされる。集光レンズが設けられる場合は、このような補正器は、追加的又は代替的に、集光レンズに組み込まれてもよく、若しくは集光レンズに直接隣接して位置決めされてもよく、及び/又は中間焦点に位置決めされてもよく、若しくは中間焦点に直接隣接して位置決めされてもよい。サンプルによって放出された荷電粒子を検出するために、検出器が設けられる。検出器は、対物レンズに組み込まれてもよい。検出器は、使用中のサンプルに対向するように、対物レンズの底面に設けられてもよい。集光レンズ、対物レンズ、及び/又は検出器は、MEMS又はCMOSデバイスとして形成されてもよい。
【0080】
[00108]
図4Aに示されるように、アップビーム真空ロック406及びダウンビーム真空ロック407は、荷電粒子装置の真空チャンバが、荷電粒子装置401の残りの部分の真空状態から分離されることを可能にする。
【0081】
[00109] モジュール405を交換するプロセスは、以下のステップを含み得る。ソースへの電力供給は、荷電粒子が放出されないように遮断され得る。アップビーム真空ロック406及びダウンビーム真空ロック407は、モジュール405を含む荷電粒子装置401の領域が荷電粒子装置401の残りの部分の真空状態から分離され得るように閉められ得る。次に、モジュール405を含む荷電粒子装置401の領域が通気され、モジュール405が荷電粒子装置401から取り外され得る。次に、プレキャリブレーションが行われた新しいモジュールが、挿入され、実施形態による粗動位置決め技術を使用して荷電粒子装置401に固定され得る。モジュール405を含む荷電粒子装置401の領域を真空状態に戻すためにポンピングプロセスが行われてもよく、ベーキングプロセスも行われてもよい。次に、アップビーム真空ロック406及びダウンビーム真空ロック407が共に開けられ得る。荷電粒子が放出されるように、ソースへの電力供給がオンにされ得る。アップビーム真空ロック406及びダウンビーム真空ロック407が開いているとき、これらのロックは、荷電粒子パス403に対する障害を生じさせない。したがって、荷電粒子パス403は、アップビーム真空ロック406及びダウンビーム真空ロック407が共に開いているときは、アップビーム真空ロック406及びダウンビーム真空ロック407の両方を通過し得る。実施形態による機械的微細アライメントプロセスが行われ得る。高電圧テストが行われ得る。実施形態による電気的微細アライメントプロセスが行われ得る。電子光学デバイスが荷電粒子パス403と適切にアライメントされたと決定されると、荷電粒子装置401は、いつでも使用できる状態である。
【0082】
[00110]
図5及び
図6は、荷電粒子装置401に設置されたモジュール405の概略図である。
【0083】
[00111]
図5は、モジュール405、及びモジュール405を含む荷電粒子装置401の部分を通る概略断面図を示す。断面は、荷電粒子パス403に対して直交し得る平面内にある。
【0084】
[00112] モジュール405が交換可能であるためには、荷電粒子装置401の実質的なコンポーネントの実質的な移動なしに、モジュール405を取り外すこと、及び荷電粒子装置401内に挿入することの両方が可能であることが好ましい。
図5では、コンポーネント501、502、及び504は、荷電粒子装置401のコンポーネントの描写である。コンポーネント504は、モジュールが適合する必要がある体積を規定する構造でもよい。例えば、コンポーネント504は、真空チャンバ壁でもよい。コンポーネント501及び502は、コンポーネント504の最大サイズを制限する、フラッドコラム又は他の実質的なコンポーネントなどの荷電粒子装置の実質的なコンポーネントでもよい。
【0085】
[00113] コンポーネント504にわたる最も近い間隔は、例えば、80mm~120mmの範囲内でもよい。モジュール405の最大幅は、コンポーネント504にわたる最も近い間隔以下となるべきである。
【0086】
[00114] モジュール405は、電子光学デバイス404を含む。モジュールは、フランジ701を含み得る。フランジ内には、電子光学デバイス404のためのサポート回路及び接続が存在し得る。
【0087】
[00115]
図6は、モジュール405を含む荷電粒子装置401の部分を通る別の概略断面図を示す。断面は、荷電粒子パス403を含み得る平面内にある。モジュールによって支持される電子光学デバイスが示されているが、モジュールの本体は、示されていない。
【0088】
[00116]
図6では、コンポーネント601及び602は、間にモジュール405が適合する必要がある荷電粒子装置401のコンポーネントである。コンポーネント601は、例えば、アップビーム真空ロック406又は他のコンポーネントなどの照明装置のコンポーネントでもよい。コンポーネント602は、例えば、ダウンビーム真空ロック407又は他のコンポーネントでもよい。荷電粒子パス403に沿った方向において、間にモジュール405が適合する必要がある、荷電粒子装置401の部分間の最も近い間隔は、40mm~70mmの範囲内でもよい。モジュール405の最大高さは、荷電粒子パス403に沿った、この最も近い間隔以下となるべきである。
【0089】
[00117]
図7は、モジュール405、及びモジュール405を含む荷電粒子装置401の部分を通る、さらなる概略断面図を示す。断面は、
図6に示されるものと同じ平面内にある。矢印によって示されるように、
図7は、モジュール405が荷電粒子装置401内に設置されている過程のモジュール405を示す。
【0090】
[00118] モジュール405は、電子光学デバイス404を支持する本体702を含む。本体702は、荷電粒子装置401内に挿入されるモジュール405の部分である。モジュール405の本体702は、荷電粒子装置401内でモジュール405を受け入れるための真空チャンバ内に挿入され得る。モジュール405は、本明細書ではモジュールフランジ701と呼ばれるフランジ701も含む。モジュールフランジ701は、荷電粒子装置401に固定でき、及び荷電粒子装置401から取り外しできるモジュール405の部分でもよい。モジュールフランジ701は、荷電粒子装置401の外にとどまり、荷電粒子装置401内に挿入されない。電子光学デバイス404とフランジ701内のサポート回路との間に幾つかの電気コネクタが設けられてもよい。
【0091】
[00119] 荷電粒子装置401における他のコンポーネントの位置が、荷電粒子パス403を規定する。モジュール405は、電子光学デバイス404が荷電粒子パス403上に存在し得るように、電子光学デバイス404を荷電粒子装置401内で位置決めし得る。モジュール405が荷電粒子装置401に固定された後に、電子光学デバイス404及び/又は荷電粒子パスの位置の微調整が、電子光学デバイスが荷電粒子パス403と適切にアライメントされるように行われ得る。
【0092】
[00120] 実施形態は、モジュール405が荷電粒子装置401に固定されるときに、荷電粒子パス403に対する電子光学デバイス404の位置の微調整を行うための幾つかの異なる技術を含む。
【0093】
[00121] モジュール405は、モジュール405において電子光学デバイス404を支持するように配置されたサポート構成を含み得る。電子光学デバイス404は、それがサポート構成に固定されるようにサポート構成によって保持される。電子光学デバイス404は、サポート構成に固定されたPCB/ステージを含み得る。追加的又は代替的に、サポート構成は、電子光学デバイス404が固定されるステージを含み得る。
【0094】
[00122] モジュール405は、モジュール405の本体702に対してサポート構成を移動させるように配置されたサポート位置決めシステムをさらに含み得る。電子光学デバイス404は、サポート構成に固定され、それによって、サポート位置決めシステムがサポート構成を移動させるときに動かされる。
【0095】
[00123] 電子光学デバイス404は、荷電粒子パス403に対して実質的に直交する、実質的に平面の構造でもよい。電子光学デバイス404の平面は、xy平面と呼ばれることもある。荷電粒子軸は、z軸と呼ばれることもある。モジュールは、実質的にxy平面内にある実質的に平面の構造であると見なすこともできる。
【0096】
[00124] サポート構成及びサポート位置決めシステムも、xy平面内の実質的に平面の構造であってもよい。
【0097】
[00125] サポート位置決めシステムは、サポート構成の移動及び/又は位置を決定するための位置検出システムを含み得る。位置検出システムを使用することによって、サポート構成の移動及び位置決めの精度を向上させることができる。位置検出システムは、エンコーダなどのグリッドマークを使用して、サポート構成の位置を決定することができる。位置検出システムは、サポート構成及び/又は電子光学デバイス404のフィーチャを使用して、サポート構成及び/又は電子光学デバイス404の移動及び/又は位置を決定することができる。例えば、サポート構成及び/又は電子光学デバイス404は、マーカ(例えばフィデューシャル)、(例えば、電子光学デバイス404の製造で使用するための)アライメント開口、及び機能的フィーチャ(例えば、ビームマニピュレータを通る開口)などのフィーチャを含み得る。これらのフィーチャの何れかを使用して、サポート構成及び/又は電子光学デバイス404の移動及び/又は位置を決定することができ、それによって、適用された移動の精度を決定することができる。
【0098】
[00126]
図8は、第1の実施形態による、モジュール405を通る断面図の概略図を示す。断面は、荷電粒子パス403を含む平面内にあり、第1の実施形態のサポート位置決めシステム801の幾つかの詳細を示す。
【0099】
[00127]
図9は、第1の実施形態による、モジュール405を通る断面図の概略図を示す。断面は、荷電粒子パス403に対して直交する平面内にあり、第1の実施形態のサポート位置決めシステム801の幾つかのさらなる詳細を示す。
【0100】
[00128] サポート構成807は、電子光学デバイス404を保持するように配置される。サポート構成807は、サポート位置決めシステム801に固定される。本実施形態では、サポート構成807は、サポート位置決めシステム801とは別個のコンポーネントであってもよく、サポート位置決めシステム801に固定されてもよい。例えば、サポート構成は、電子光学デバイスの熱膨張に対処できるように、フレクシャ構成を含み得る。代替的に、サポート構成807は、サポート構成807及びサポート位置決めシステム801が同じ構造の部分であるように、サポート位置決めシステム801と一体化されてもよい。
【0101】
[00129] サポート位置決めシステム801は、実質的なディスクを含む。ディスクは、アップビーム面及びダウンビーム面を有する。アップビーム面及びダウンビーム面は、ディスクの反対の主面である。この実施形態では、ディスクのアップビーム面は、電子光学デバイス404に最も近いディスクの主面である。ディスクのダウンビーム面は、電子光学デバイス404から最も遠いディスクの主面であり、モジュール405のベース805の一部に対向する。しかしながら、これは単に、この設計における設計上の選択であり、電子光学デバイス404がディスクのダウンビーム面のより近くに位置決めされてもよいことが明らかとなるはずである。
【0102】
[00130] ディスクは、実質的に環状であってもよく、荷電粒子パス403のための好ましくは中心の開口806を含み得る。サポート構成807も、実質的に環状であってもよく、荷電粒子パス403のための中心開口を含み得る。平面視では、ディスクの外周囲は、実質的に円形でもよい。しかしながら、実施形態は、平面視で実質的に円形ではないディスクの外周囲も含む。例えば、ディスクの外周囲は、実質的に六角形でもよく、又は不規則な形状を有してもよい。
【0103】
[00131] この実施形態におけるディスクは、モジュール405において、複数のボールベアリング803、804、又は他のタイプの耐荷重回転可能物体によって支持される。ディスクのアップビーム面に接触した1つ又は複数のボールベアリング804が存在し得る。例えば、ディスクのアップビーム面に接触した3つのボールベアリング804が存在し得る。ディスクのダウンビーム面に接触した少なくとも3つのボールベアリング803が存在し得る。代替的に、ボールベアリングの代わりに、ばねが、ディスクのアップビーム面に接触して設けられてもよい。ばねは、モジュール405のベース805に向けて誘導されるアップビーム面に力を加えるように配置され得る。
【0104】
[00132] ダウンビーム面と接触したボールベアリング803はそれぞれ、モジュール405のベース805と接触し得る。ディスクのアップビーム面と接触したボールベアリング804はそれぞれ、板ばね、圧縮ばね、又は他のタイプの弾性部材などのばね802と接触したプレート808と接触し得る。各ばね802は、軸ばねでもよい。各ばね802は、モジュール405のベース805を含むモジュール405のハウジングに固定されてもよい。ばね802は、ボールベアリング803、804のすべてをディスクに押し付ける力を加える。ダウンビーム面と接触したボールベアリング803は、モジュール405のベースにも押し付けられる。それによって、ばね802による圧縮下で、ボールベアリング803、804のすべてが保持される。
【0105】
[00133] 各プレート808につき1つの対応するばねが存在してもよいが、実施形態は、すべてのプレートに作用する単一の環状軸ばねが存在することも含む。代替的に、使用されるばねの数がプレート808の数に限定されることなく、2つ以上のばねが使用されてもよい。
【0106】
[00134] 代替実装形態では、軸ばねが、
図8でプレート808が示されている場所に設けられ、剛性プレートが、ばね802が示されている場所に設けられる。圧縮ばね又は他のタイプの弾性部材でもよい軸ばねが、ボールベアリング803、804のすべてをディスクに押し付ける力を同様に加える。
【0107】
[00135] モジュール405の平面内でディスクを移動させるために、複数のアクチュエータ901、902、903が設けられる。各アクチュエータ901、902、903は、アクチュエータアームを含み得る。各アクチュエータアームは、アクチュエータ901、902、903の一部でもよい。代替的に、各アクチュエータアームは、各アクチュエータアームがアクチュエータ901、902、903に接続された状態で、各アクチュエータ901、902、903とは別個のコンポーネントでもよい。各アクチュエーターアームの端部のローラベアリング、又はアクチュエータが比較的少ない摩擦を生じさせながらディスク801に沿って移動することを可能にするその他の手段が存在し得る。各アクチュエータ901、902、903は、例えば、アクチュエータアームが縦軸に沿って移動するように構成されるように、縦軸を有する線形アクチュエータでもよい。アクチュエータ901、902、903の一部又はすべては、例えば手動で、及び/又は自動的に操作され得る。代替的に、アクチュエータ901、902、903の一部又はすべては、アクチュエータアームが自動的に動かされ得るように、モータが取り付けられてもよく、空気圧で制御されてもよく、又は他の方法で可動であってもよい。この実施形態のディスクは、ディスクの側壁に複数の受入部分906、907、908を含む。各受入部分906、907、908は、アクチュエータアームが力をディスクに加えることができ得るように、アクチュエータアームの1つの端部を受け入れるように配置され得る。受入部分906及び908のそれぞれは、ディスクの円筒側壁の実質的に平滑な面でもよい。各アクチュエータアームの端部のローラベアリングは、側壁に沿った移動を可能にする。受入部分907は、ディスクの側壁において、例えば、くぼみ、溝、又は他の構造要素を構成し得る。代替的に、各受入部分906、907、908は、ディスクの側壁において、例えば、くぼみ、溝、又は他の構造要素を構成し得る。
【0108】
[00136] 第1のアクチュエータ901は、xy平面内に存在し得る第1の線形方向にディスクを移動させるように配置され得る。第2のアクチュエータ902は、第1の方向に対して直交し、及び同様にxy平面内に存在し得る第2の方向にディスクを移動させるように配置され得る。第3のアクチュエータ903は、例えば、Rz回転(すなわち、z軸を中心としたディスクの移動)でもよい回転をxy平面内でディスクに与えるように配置され得る。
【0109】
[00137] この実施形態では、第1のアクチュエータ901は、第1のアクチュエータ901の縦軸が第1の方向及びディスクのRz回転の中心とアライメントされるように配向され得る。したがって、縦軸に沿った第1のアクチュエータ901のアームの移動は、ディスクを第1の方向にのみ移動させ、ディスクを実質的に回転させない。アームによる第1の方向の移動は、ローラが受入部分908、907、及び906の表面上を転がり得るように、受入部分908、907、及び906と、それらに対応するローラとの間の相対運動を生じさせる。
【0110】
[00138] この実施形態では、第2のアクチュエータ902は、第2のアクチュエータ902の縦軸が第2の方向及びディスクのRz回転の中心とアライメントされるように配向され得る。したがって、縦軸に沿った第2のアクチュエータ902のアームの移動は、ディスクを第2の方向にのみ移動させ、ディスクを実質的に回転させない。アームによる第2の方向の移動は、ローラが受入部分908、907、及び906の表面上を転がり得るように、受入部分908、907、及び906と、それらに対応するローラとの間の相対運動を生じさせる。
【0111】
[00139] この実施形態は、第3のアクチュエータ903の縦軸がディスクのRz回転の中心とアライメントされないように配向され得る第3のアクチュエータ903をさらに示す。第3のアクチュエータのアームの縦軸の受入部分907は、ディスクの側壁からの突出でもよい。したがって、縦軸に沿った第3のアクチュエータ903のアームの移動は、ディスクを回転させる。ディスクの回転移動は、ローラが受入部分908、907、906の表面上を転がり得るように、受入部分908、907、906と、それらに対応するローラとの間の相対回転運動を生じさせる。
【0112】
[00140] サポート位置決めシステム801は、モジュール405のxy平面内でディスクの位置をアクチュエータに偏奇させるための、複数の平面ばね904、905、又は他の力印加デバイス若しくは弾性部材も含み得る。
【0113】
[00141] 各平面ばね904、905は、例えば、縦軸の方向に力を加えるように配置された線形ばねでもよい。各平面ばね904、905の端部は、モジュール405のベース805に固定されてもよく、各ばね904、905の反対側の端部は、ディスクの側壁に固定されてもよく、又はディスクの側壁に押し付けられてもよい。
【0114】
[00142] xy平面ばね905の縦軸は、ディスクのRz回転の中心(これは、
図9に示されるように、開口806の中心に位置する)とアライメントされ得る。xy平面ばね905は、例えば、第1のアクチュエータ901のアクチュエータアームの受入部分908及び第2のアクチュエータ902のアクチュエータアームの受入部分906に対してディスクの反対側に配置されると説明することができる。すなわち、xy平面ばね905の接続は、xy平面ばねが、アクチュエータ901、902によって第1及び第2の受入部分906、908においてディスク901に加えられる力に対抗し得るように、ディスク上に配置され得る。xy平面ばねは、例えば、第1及び第2の方向の圧縮下でディスクを保持することに寄与するように構成され得る。
【0115】
[00143] この実施形態では、回転平面ばね904の縦軸は、ディスクのRz回転の中心とアライメントされない。回転平面ばね904は、例えば、ディスクの側面の突出909に固定されてもよい。回転平面ばねは、第3のアクチュエータ903のアクチュエータアームがディスクを回転させるために伸びるときに回転平面ばねが伸びるように配置され得る。ある実施形態では、第3のアクチュエータアームは、ディスクの側面の第3の受入面907に対して動作する。
図9に示されるように、アクチュエータアームが伸びて、ディスクを時計回りの方向に回転させる。回転平面ばね904は、ディスクが時計回りの方向に回転させられるときに伸び、ディスクが反時計回りの方向に回転するときに圧縮されるようにディスクに接続される。それによって、回転平面ばね904は、第3のアクチュエータ903のアクチュエータアームが伸びるときに与えられる回転に対して偏奇される。
【0116】
[00144] 本実施形態の代替実装形態では、第1及び第2の方向の圧縮下でディスクを保持するため、並びに第3のアクチュエータ903のアクチュエータアームが伸びるときに与えられる回転に対して偏奇するためにも、単一の平面ばねが使用される。平面ばねの一方の端部は、モジュール405のベース805に固定されてもよく、ばねの反対側の端部は、ディスクの中心開口のエッジ付近に固定されてもよい。ばねは、ディスクのRz回転の中心とアライメントしないように配置されてもよい。
【0117】
[00145] アクチュエータ901、902、903は、荷電粒子装置401の一部でもよく、そのようなアクチュエータは、モジュール405の一部でなくてもよい。アクチュエータアームは、モジュール405の開口を通って伸びることによって、受入部分906、907、908と接触し得る。代替的に、アクチュエータ901、902、903は、全体的にモジュール405内に含まれてもよく、モジュール405の一体化された部分であってもよい。
【0118】
[00146] 位置検出システムは、各アクチュエータアームの移動及び/又は位置を決定するように構成及び配置されてもよい。代替的又は追加的に、位置検出システムは、アクチュエータアームの端部の各ローラベアリングの移動及び/又は位置を決定するように構成及び配置されてもよい。位置及び/又は移動の変化は、エンコーダによって決定され得る。位置検出システムは、各アクチュエータアーム及び/又は各ローラベアリングにおいて、アクチュエータのローラベアリングとは反対の端部における各アクチュエータの本体に位置してもよい。これらの位置及び/又は移動の決定を用いて、サポート構成807の移動及び/又は位置、並びにそれによって、電子光学デバイス404の移動及び/又は位置を推定することができる。代替的に、位置検出システムは、電子光学デバイス404の移動及び/又は位置を決定するために、サポート構成807を含む回転ディスクの移動及び/又は位置を決定するように構成及び配置され得る。
【0119】
[00147] したがって、第1のアクチュエータ901、第2のアクチュエータ902、及び第3のアクチュエータ903の動作は、xy平面内で、モジュール405の本体702、特にモジュール405のフランジ701に対してサポート構成を移動させ、また、サポート構成にRz回転を与え得る。
【0120】
[00148] 第2の実施形態によれば、サポート位置決めシステムは、Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成を含む。Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成は、積み重ねて配置され得る。各フレクシャ構成は、xy平面内に配置された実質的に平面の構造でもよい。第2の実施形態によるサポート位置決めシステムは、第1の実施形態で説明したサポート位置決めシステムの代わりに使用されてもよい。実施形態は、第1の実施形態で説明したものに加えて、第2の実施形態によるサポート位置決めシステムの要素が使用されることも含む。
【0121】
[00149]
図10Aは、第2の実施形態によるRzフレクシャ構成を通る断面図の概略図を示す。断面は、荷電粒子パス403に対して直交する平面内にある。
【0122】
[00150]
図10Bは、第2の実施形態によるxyフレクシャ構成を通る断面図の概略図を示す。断面は、荷電粒子パス403に対して直交する平面内にあり、且つ荷電粒子パスに沿って、
図10Aに示される断面とは異なる位置にある。
【0123】
[00151]
図10Aに示されるように、Rzフレクシャ構成は、好ましくはその中心においてRzフレクシャ構成の開口1017を規定する、実質的に円形の構造1005を含む。開口1017は、荷電粒子パス403がRzフレクシャ構成を通過することを可能にする。使用時には、Rzフレクシャ構成は、開口1017の中心が好ましくは荷電粒子パス403の中心と実質的にアライメントされるように位置決めされ得る。実質的に円形の構造は、平面視で円形でもよく、ビームパスに沿って実質的に円筒形でもよい。
【0124】
[00152] この実施形態では、Rzフレクシャ構成は、十字形状を成すように配置されたクロスバーも含む。十字は、第1のクロスバー及び第2のクロスバーによって形成される。第1及び第2のクロスバーは、実質的に円形の構造1005で互いに交差する。
【0125】
[00153] 第1及び第2のクロスバーは、好ましくは共にxy平面内にある。第1のクロスバーは、第1の方向にアライメントされ得る。第2のクロスバーは、第2の方向にアライメントされ得る。第1及び第2の方向は、互いに直交してもよい。
【0126】
[00154] 第1のクロスバーは、第1の部分1001及び第2の部分1003を含み得る。実質的に円形の構造1005は、第1のクロスバーの第1の部分1001と第2の部分1003との間に位置し、及びそれらによって支持され得る。第2のクロスバーは、第1の部分1004及び第2の部分1002を含み得る。実質的に円形の構造1005は、第2のクロスバーの第1の部分1004と第2の部分1002との間に位置し、及びそれらによって支持され得る。実質的に円形の構造1005は、平面視で円形の円筒構造でもよい。
【0127】
[00155] フレクシャ構成は、フレクシャベース1011及び可動本体1010を含む。フレクシャベース1011は、モジュール405の本体702に固定され、モジュール405の本体702に対して実質的に移動することができない。
【0128】
[00156] 可動本体1010は、実質的にC字形、又は三日月形でもよい。
【0129】
[00157] 第1のクロスバーの第1の部分1001の一方の端部は、第1の部分1001の他方の端部が実質的に円形の構造1005に固定された状態で、フレクシャベース1011に固定されてもよい。第1のクロスバーの第2の部分1003の一方の端部は、第2の部分1003の他方の端部が実質的に円形の構造1005に固定された状態で、可動本体1010に固定されてもよい。
【0130】
[00158] 第2のクロスバーの第1の部分1004の一方の端部は、第1の部分1004の他方の端部が実質的に円形の構造1005に固定された状態で、フレクシャベース1011に固定されてもよい。第2のクロスバーの第2の部分1002の一方の端部は、第2の部分1002の他方の端部が実質的に円形の構造1005に固定された状態で、可動本体1010に固定されてもよい。したがって、可動本体1010は、第1のクロスバー、第2のクロスバー、及び実質的に円形の構造1005によって、フレクシャベース1011に取り付けられる。
【0131】
[00159] 第1のクロスバー及び第2のクロスバーは、可動本体1010がRzに回転し得るように屈曲し得る。可動本体1010のRz回転の中心は、実質的に円形の構造1005の中心点付近に、又は中心点に存在し得る。
【0132】
[00160] サポート位置決めシステムは、ばね1006、又は他の力印加デバイス若しくは弾性部材を含み得る。ばね1006の一方の端部は、フレクシャベース1011に固定されてもよく、他方の端部は、可動部分1010の端部に固定されてもよい。フレクシャベース1011に固定されたばね1006の一方の端部は、フレクシャベース1011に固定された第2のクロスバーの第1の部分1004の一方の端部と実質的に同じ位置に固定されてもよい。ばねが圧縮される際に、ばね1006によって加えられるバイアス力は、フレクシャベースの側壁に対して直交し、実質的に円形の構造1005と一列に並ばない方向であってもよい。したがって、ばね1006によって加えられる力は、可動本体1010の回転の中心に向けて誘導されない。したがって、ばね1006の効果は、z軸を中心として可動本体1010を回転させるバイアス力を加えることである。
【0133】
[00161] 第1の実施形態に関して説明したように、Rzフレクシャ構成を回転させるための第3の線形アクチュエータ1009が設けられてもよい。第3の線形アクチュエータ1009は、手動で、又は自動的に操作されてもよい。Rzフレクシャ構成は、受入部分1018を含む。受入部分1018は、アクチュエータアームがRzフレクシャ構成を回転させるための力を加えることができるように、第3のアクチュエータ1009のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置される。
【0134】
[00162] 可動本体1010は、xyフレクシャ構成に固定されてもよい(ボルト固定など)。
【0135】
[00163]
図10Bに示されるように、xyフレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成に固定され得る外側構造1014を含む。外側構造1014は、実質的にL字形でもよい。外側構造1014は、剛体でもよい。
【0136】
[00164] xyフレクシャ構成は、xyフレクシャ構成における開口を規定する、実質的に円形の構造1017を含む中心構造1012を含む。中心構造1012は、剛体でもよい。開口は、荷電粒子パス403がxyフレクシャ構成を通過することを可能にする。使用時には、xyフレクシャ構成は、開口の中心が荷電粒子パス403と実質的にアライメントされるように位置決めされ得る。
【0137】
[00165] 第1の実施形態に関して説明したように、xy平面内の直交方向にxyフレクシャ構成を移動させるための第1の線形アクチュエータ1007及び第2の線形アクチュエータ1008が設けられる。第1の線形アクチュエータ1007及び第2の線形アクチュエータ1008は、手動で、又は自動的に操作されてもよい。xyフレクシャ構成は、第1の受入部分1015及び第2の受入部分1016を含む。各受入部分1015、1016は、アクチュエータアームがxyフレクシャ構成に力を加えることができるように、これらのアクチュエータアームのうちの1つの端部を受け入れるように配置される。
【0138】
[00166] xyフレクシャ構成は、中間構造1013を含む。中間構造1013は、実質的に正方形の開口の周りに実質的に正方形の外周を有し得る。中間構造1013は、剛体でもよい。中心構造1012は、中心構造1012がxy平面内で中間構造1013によって取り囲まれるように、中間構造1013の開口に設けられ得る。中間構造1013は、外側構造1014、受入部分1015、及び受入部分1016によって、少なくとも部分的に取り囲まれ得る。
【0139】
[00167] 受入部分1015は、ロッド又はバーなどの第1のコネクタによって中心構造1012に直接接続されてもよい。第2の線形アクチュエータ1008の縦軸と実質的に一列に並び、且つ中心構造の第1のコネクタの接続点とは反対側に、ばね1019又は他のタイプのバイアスデバイスが、中間構造1013と外側構造1014との間に設けられてもよい。
【0140】
[00168] 受入部分1016は、ロッド又はバーなどの第2のコネクタによって中心構造1012に直接接続されてもよい。第1の線形アクチュエータ1007の縦軸と実質的に一列に並び、且つ中心構造の第2のコネクタの接続点とは反対側に、ばね1020又は他のタイプのバイアスデバイスが、中心構造1012と外側構造1014との間に設けられてもよい。
【0141】
[00169] xyフレクシャ構成は、板ばね1021、1022、1023、及び1024を含む。代替的に、板ばね1021、1022、1023、及び1024は、他のタイプの弾性部材でもよい。
【0142】
[00170] 中間構造1013は、板ばね1021及び1024によって外側構造1014に接続され得る。板ばね1021及び1024は、中間構造1013の両側に配置され得る。板ばね1021及び1024は共に、それらが第2の線形アクチュエータ1008の縦軸と実質的に直交してアライメントされるように配置され得る。
【0143】
[00171] 中間構造1013は、板ばね1022及び1023によって中心構造1012に接続され得る。板ばね1022及び1023は、中間構造1013の両側に配置され得る。板ばね1022及び1023は共に、それらが第1の線形アクチュエータ1007の縦軸と実質的に直交してアライメントされるように配置され得る。
【0144】
[00172] 板ばね1022及び1023は、中間構造1013に対する中心構造1012の移動を可能にする。それによって、中心構造1012は、外側構造1014に対して移動させられる。したがって、第1のアクチュエータ1007のアームの線形伸長は、ばね1020のバイアスに逆らって第2の方向に中心構造1012を移動させ得る。同様に、ばね1020のバイアスは、第1のアクチュエータ1007のアームが後退した場合に、反対方向に中心構造1012を移動させ得る。
【0145】
[00173] 板ばね1021及び1024は、外側構造1014に対する、中間構造1013、ひいては中心構造1012の移動を可能にする。したがって、第2のアクチュエータ1008のアームの線形伸長は、ばね1019のバイアスに逆らって第2の方向に中心構造1012を移動させ得る。同様に、ばね1019のバイアスは、第2のアクチュエータ1008のアームが後退した場合に、反対方向に中心構造1012を移動させ得る。
【0146】
[00174] したがって、第1のアクチュエータ1007及び第2のアクチュエータ1008は、xy平面内の直交方向に中心構造1012を移動させるように構成され得る。
【0147】
[00175] 上記の通り、本実施形態のフレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成のスタックでもよい。Rzフレクシャ構成は、モジュールのベースに固定されてもよく、xyフレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成の上に(例えば、アップビームに)固定されてもよい。Rzフレクシャ構成の円形構造1005は、xyフレクシャ構成の円形構造1017と実質的にアライメントされてもよい。
【0148】
[00176] 第1のアクチュエータ1007のアームの縦軸は、Rzフレクシャ構成の第1のクロスバーの縦軸及び可動本体1010のRz回転の中心と実質的にアライメントされてもよい。したがって、縦軸に沿ったアームの移動は、可動本体1010を第1の方向にのみ移動させ、可動本体1010を実質的に回転させない。
【0149】
[00177] 第2のアクチュエータ1008のアームの縦軸は、Rzフレクシャ構成の第2のクロスバーの縦軸及び可動本体1010のRz回転の中心と実質的にアライメントされてもよい。したがって、縦軸に沿ったアームの移動は、可動本体1010を第2の方向にのみ移動させ、可動本体1010を実質的に回転させない。
【0150】
[00178] 第3のアクチュエータ1009のアームの縦軸は、可動本体1010のRz回転の中心とアライメントされない。第3のアクチュエータ1009のアームの縦軸の受入部分は、可動本体1010の側面の凹所又はノッチでもよい。したがって、縦軸に沿ったアームの移動は、フレクシャ構成をRzに回転させる。第3のアクチュエータ1009のアームの伸長によって与えられたRz回転は、回転圧縮下で可動本体1010が保持されるように、ばね1006を圧縮し得る。
【0151】
[00179] xyフレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成の可動本体1010に固定され、したがって、可動本体1010が回転させられるときに、xyフレクシャ構成全体が回転させられる。
【0152】
[00180] xyフレクシャ構成の中心構造1012は、サポート構成でもよく、電子光学デバイス404を保持するためのフィーチャを含み得る。
【0153】
[00181] 代替的に、サポート構成は、
図10Bに示されるものとは別個の構造であってもよく、中心構造1012に固定されてもよい。サポート構成は、サポート構成と中心構造1012との間に相対移動が実質的に存在しないように、中心構造1012に固定されてもよい。
【0154】
[00182] したがって、フレクシャ構成は、xy平面内で、及びRzにおいて、アクチュエータ1007、1008、1009によって移動されることが可能な可動本体1010を含む。第1の実施形態に関して説明したように、位置検出システムは、各アクチュエータアーム又は可動本体の移動及び/又は位置を決定することができる。これらの決定を用いて、サポート構成の移動及び/又は位置を推定することができ、最終的に、電子光学デバイス404(図示せず)の移動及び/又は位置を決定することができる。
【0155】
[00183] xyフレクシャ構成は、単一構造でもよい。代替的に、xyフレクシャ構成は、複数の積み重ねられたフレクシャを含み得る。例えば、それは、第1のアクチュエータ1007による第1の方向の移動のための第1のフレクシャと、第2のアクチュエータ1008による第2の方向の移動のための第2の線形フレクシャとを含み得る。
【0156】
[00184] xyフレクシャ構成の代替実装形態では、受入部分1015は、第1のコネクタが中心構造1012に接続する代わりに、第1のコネクタによって中間構造1013に直接接続されてもよい。第1のアクチュエータ1007による第1の方向の移動は、板ばね1022に及ぼす力が有利に小さい。ばね1020は、中心構造1012及び外側構造1014の代わりに、中心構造1012と中間構造1013との間に配置されることも可能である。第2のアクチュエータ1008による第2の方向の移動は、板ばね1021に及ぼす力が有利に小さい。
【0157】
[00185] 第2の実施形態の好適な実装形態では、Rzフレクシャ構成が、モジュールの本体に直接固定され、xyフレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成の上に設けられ、Rzフレクシャ構成にのみ固定される。この実装形態では、第1の線形アクチュエータ1007及び第2の線形アクチュエータ1008によって加えられる力は、Rzフレクシャ構成のクロスバーの縦軸に実質的に沿う。しかしながら、実施形態は、xyフレクシャ構成がモジュールの本体に直接固定されること、及びRzフレクシャ構成がxyフレクシャ構成の上に設けられ、xyフレクシャ構成にのみ固定されることも含む。
【0158】
[00186] 第3の実施形態によれば、サポート位置決めシステムは、ステージを移動させるように構成された複数のピエゾアクチュエータ構成を含む。第1及び/又は第2の実施形態に記載したサポート位置決めシステムの代わりに、第3の実施形態によるサポート位置決めシステムが使用されてもよい。第1及び第2の実施形態とは異なり、アクチュエータは、モジュール内に含まれ得る。実施形態は、第1及び/又は第2の実施形態で説明したものに加えて、第3の実施形態によるサポート位置決めシステムの要素が使用されることも含む。このような構成では、アクチュエータは、モジュール内、及びモジュールの外部の両方に位置し得る。
【0159】
[00187] 第3の実施形態は、
図11A~11Iに示される。
図11Aは、荷電粒子パス403に対して直交する平面内のモジュール405を通る断面の概略平面図を示す。
図11Bは、荷電粒子パス403を含む平面内のモジュール405を通る断面の概略図を示す。
図11C~11Eは、第3の実施形態の第1の実装形態のピエゾアクチュエータ構成の動作状態を示すステージ1109の概略平面図を示す。
【0160】
[00188]
図11C~11Eに示されるように、例えば、ステージ1109の周囲に等距離に間隔をあけた3つのピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103が存在し得る。ピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103のすべてが、ステージ1109の同じ主面、例えば、
図11Bに示されるようにモジュール405に対向するステージ1109の主面と接触し得る。平面視では、ピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103のすべてが、ステージ1109と重なる。ピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103のそれぞれに関して、ピエゾアクチュエータとステージ1109との間にコンタクトパッドが設けられてもよい。コンタクトパッドは、セラミック、又は絶縁層と共に異なる材料でもよい。
【0161】
[00189] 各ピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103は、例えば、2軸剪断モードピエゾアクチュエータでもよい。
図11Bに示されるように、各ピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103は、2つのピエゾアクチュエータのスタックを含み得る。各スタックの各ピエゾアクチュエータは、ステージを2つの反対方向に移動させるように配置され得る。各ピエゾアクチュエータ構成1101、1102、1103は、一方のピエゾアクチュエータによるステージの移動が、他方のピエゾアクチュエータによるステージの移動と直交するように配置された2つのピエゾアクチュエータを含み得る。
【0162】
[00190] 各ピエゾ構成1101、1102、1103は、弾性部材、例えば、ばね1104、1105、又は他の力印加デバイスによって作用を受け得る。
図11Bには示されないが、各ばねは、コイルばねでもよい。各ばね1104、1105は、ばね1104、1105によって作用を受ける、対応するピエゾアクチュエータ1101、1102、1103とは反対のステージ1109の主面と接触するように配置される。それによって、ステージ1109は、ばね1104、1105によってピエゾアクチュエータ1101、1102、1103に押し付けられる。
図11A及び11Bに示されるように、ピエゾ構成1101は、ばね1104によって作用を受け、ピエゾ構成1102は、ばね1105によって作用を受ける。
【0163】
[00191] ピエゾ構成1101、1102、1103は、ステージを第1の方向(これは、x方向でもよい)に線形に移動させ、第2の方向(これは、第1の方向に直交してもよく、すなわちy方向)に線形に移動させ、及びステージ1109の平面内でステージ1109を回転させる(これは、Rzの移動でもよい)ように制御され得る。
【0164】
[00192]
図11Cに示されるように、ピエゾ構成1101、1102、1103のすべては、異なって誘導される線形力を生成するように動作させることができ、それの正味の効果は、ステージを回転させる力である。回転の方向は、ピエゾ構成1101、1102、1103のすべての線形移動の方向を変更することによって変更することができる。
【0165】
[00193]
図11Dに示されるように、ピエゾ構成1101、1102、1103のすべては、異なって誘導される線形力を生成するように動作させることができ、それの正味の効果は、ステージをx方向に線形に移動させる力である。移動の方向は、ピエゾ構成1101、1102、1103のすべての線形移動の方向を変更することによって変更することができる。
【0166】
[00194]
図11Eに示されるように、ピエゾ構成1101及び1102のすべては、異なって誘導される線形力を生成するように動作させることができ、それの正味の効果は、ステージをy方向に線形に移動させる力である。移動の方向は、ピエゾ構成1101及び1102の線形移動の方向を変更することによって変更することができる。
【0167】
[00195] 第3の実施形態の第2の実装形態は、
図11F~11Iに示される。第2の実装形態は、ピエゾアクチュエータ構成1106、1107、1108の少なくとも2つが3軸剪断モードピエゾアクチュエータであることにより、第1の実装形態とは異なり得る。3つのピエゾアクチュエータの積み重ねられた構成は、さらなる移動度を提供し、それによって、x方向及びy方向のピエゾアクチュエータ構成1106、1107、1108によって与えられる移動、並びにRzを中心とした回転移動の精度を向上させることができる。
【0168】
[00196] 第2の実装形態は、ピエゾアクチュエータ構成1106、1107、1108の配向の仕方においても、第1の実装形態とは異なり得る。第2の実装形態では、ピエゾ構成1106、1107、1108のそれぞれは、第1の実装形態に関して説明したように、ばね1104、1105、又は他の力印加デバイスによって予圧されてもよい。
【0169】
[00197]
図11Fは、第2の実装形態においてピエゾアクチュエータ構成1106、1107、1108の配向を示すステージ1109の概略平面図を示す。
【0170】
[00198]
図11Gは、ピエゾアクチュエータ構成1106における、第1のピエゾアクチュエータ1106a、第2のピエゾアクチュエータ1106b、及び第3のピエゾアクチュエータ1106cの可能な動作状態を示す。各ピエゾアクチュエータは、2つの反対方向に線形にステージ1109を移動させるように配置される。第1のピエゾアクチュエータ1106aによって与えられる移動は、y方向のものでもよい。第2のピエゾアクチュエータ1106bによって与えられる移動は、x方向のものでもよい。第3のピエゾアクチュエータ1106cは、第1及び第2のピエゾアクチュエータによって与えられる移動の方向に対して斜めの、すなわち、平行又は直交ではない線形移動を与え得る。第3のピエゾアクチュエータ1106cによって与えられる移動の方向は、ステージ1109の周囲の最も近い部分に対して実質的に接線であり、それによって、回転をステージ1109に与えるように配置された方向のものでもよい。
【0171】
[00199]
図11Hは、ピエゾアクチュエータ構成1107における、第1のピエゾアクチュエータ1107a、第2のピエゾアクチュエータ1107b、及び第3のピエゾアクチュエータ1107cの可能な動作状態を示す。各ピエゾアクチュエータは、2つの反対方向に線形にステージを移動させるように配置される。第1のピエゾアクチュエータ1107aによって与えられる移動は、y方向のものでもよい。第2のピエゾアクチュエータ1107bによって与えられる移動は、x方向のものでもよい。第3のピエゾアクチュエータ1107cは、第1及び第2のピエゾアクチュエータによって与えられる移動の方向に対して斜めの、すなわち、平行又は直交ではない線形移動を与え得る。第3のピエゾアクチュエータ1107cによって与えられる移動の方向は、ステージ1109の周囲の最も近い部分に対して実質的に接線であり、それによって、回転をステージ1109に与えるように配置された方向のものでもよい。
【0172】
[00200] ピエゾアクチュエータ構成1108は、2つのピエゾアクチュエータのスタックのみを含み得る。
図11Iは、ピエゾアクチュエータ構成1108における、第1のピエゾアクチュエータ1108a及び第2のピエゾアクチュエータ1108bの可能な動作状態を示す。各ピエゾアクチュエータ構成は、2つの反対方向に線形にステージを移動させるように配置される。第1のピエゾアクチュエータ1108aによって与えられる移動は、y方向のものでもよい。第2のピエゾアクチュエータ1108bによって与えられる移動は、x方向のものでもよい。
【0173】
[00201] スタックは、他のスタックと同じ高さであるようにスペーサ1108c、すなわちブランクを含み得る。
【0174】
[00202]
図11F~11Iに示される実施形態は、x方向及びy方向の移動を与えるように配置された各スタックのピエゾアクチュエータを作動させるだけで、ステージがこれらの方向に移動されることを可能にする。ステージは、第3のピエゾアクチュエータ1106c及び1107cによる移動、並びに第2のピエゾアクチュエータ1108bによる移動を与えることによって回転され得る。
【0175】
[00203] 本実施形態の上記の第1及び第2の実装形態では、ステージが移動されたときに、予圧ばねの端部が、ステージ1109の表面上を移動し得る。これを回避するために、代替的に、本実施形態の上記の第1及び第2の実装形態は、共にステージのアップビーム主面及びダウンビーム主面に作用するように配置された、対応するピエゾアクチュエータ構成を有し得る。つまり、予圧ばね、又は他の力印加デバイスは、アップビーム主面ステージ1109と接触した第1のピエゾアクチュエータ構成と接触し得る。第1のピエゾアクチュエータ構成に対応し、及びz方向に第1のピエゾアクチュエータ構成と一列に並んで配置された第2のピエゾアクチュエータ構成は、ダウンビーム主面ステージ1109及びモジュールのベースと接触し得る。各コンポーネント間にコンタクトパッドが設けられてもよい。
【0176】
[00204] 本実施形態では、サポート構成は、電子光学デバイス404を保持するように構成されたステージ1109の一部でもよい。代替的に、サポート構成は、ステージ1109に固定された別個のコンポーネントでもよい。
【0177】
[00205]
図12A~12Dに示される第4の実施形態によれば、サポート位置決めシステムは、ステージを移動させるように構成された複数のピエゾアクチュエータ構成1201、1202、1205、1206を含む。第1、第2、及び/又は第3の実施形態に記載したサポート位置決めシステムの代わりに、第4の実施形態によるサポート位置決めシステムが使用されてもよい。実施形態は、第1、第2、及び/又は第3の実施形態で説明したものに加えて、第4の実施形態によるサポート位置決めシステムの要素が使用されることも含む。
【0178】
[00206]
【0179】
[00207]
図12Aは、モジュール405の概略平面図を示す。モジュールは、ピエゾ構成1205及びピエゾ構成1206を含む。ピエゾ構成1205は、それがピエゾ構成1206をx方向において双方向に移動させ得るように配置され得る。ピエゾ構成1206は、それが、ステージを含むモジュール405の部分をy方向において双方向に移動させ得るように配置され得る。実施形態は、ピエゾ構成1205が代替的にy方向に移動を与えること、及びピエゾ構成1206が代替的にx方向に移動を与えることも含む。モジュール405は、Rzを中心としてステージに双方向回転を与えるための1つ又は複数のピエゾ構成も含む。
【0180】
[00208]
図12Bは、ステージ及びピエゾアクチュエータ構成1201、1202を含むモジュール405の部分の概略平面図である。
【0181】
[00209]
図12Bに示されるように、サポート位置決めシステムは、2つのピエゾ構成1201、1202を含み得る。この実施形態では、ピエゾ構成1201、1202は、ステージの両側に存在し得る。つまり、ピエゾアクチュエータ構成1201は、第1の場所でステージの側壁に接触してもよく、ピエゾアクチュエータ構成1202は、例えば第1の場所の直径方向の反対にある第2の場所で、ステージの側壁に接触してもよい。
【0182】
[00210] 第4の実施形態では、各ピエゾ構成1201、1202は、第1の軸(これはx軸でもよい)に沿った両線形方向に移動するように配置された1つ又は複数のピエゾアクチュエータを含み得る。各ピエゾアクチュエータ構成1201、1202は、ピエゾアクチュエータ構成1201、1202によって移動され、及びステージの側壁に押し付けられるピエゾアクチュエータ構成1201、1202の部分であるブロックも含み得る。第3の実施形態に関して先に説明したように、各ピエゾアクチュエータ構成とステージとの間にコンタクトパッドが設けられてもよい。
【0183】
[00211] ピエゾアクチュエータ構成1201、1202のそれぞれは、ばね1203、1204、又は他の力印加デバイスによって予圧されてもよい。ばね1203は、ピエゾアクチュエータ構成1201のステージとは反対側に配置され、ピエゾアクチュエータ構成1201をステージに押し付けるように配置される。同様に、ばね1204は、ピエゾアクチュエータ構成1202のステージとは反対側に配置され、ピエゾアクチュエータ構成1202をステージに押し付けるように配置される。それによって、ステージが、ピエゾアクチュエータ構成1201、1202による圧縮下で保持される。
図12Bに示されるように、ピエゾアクチュエータ構成1201は、ばね1203によって予圧され、ピエゾ構成1202は、ばね1204によって予圧される。
【0184】
[00212] 第4の実施形態では、ステージは、ピエゾアクチュエータ構成1205によってx方向に移動され得る。ステージは、ピエゾアクチュエータ構成1206によってy方向に移動され得る。
【0185】
[00213] ピエゾアクチュエータ構成1201及びピエゾアクチュエータ構成1202が、互いに反対方向であるが、同じ量だけ移動するように配置される場合、ステージは、Rzを中心として回転されるだろう。
【0186】
[00214]
図12Cに示されるように、ピエゾアクチュエータ構成1201及び1202は、ステージと同じ平面内に設けられてもよい。ピエゾアクチュエータ構成1201及び1202は、ステージを支持するベアリングとして配置され、ステージに回転を与え得る。
【0187】
[00215]
図12Dは、
図12Cに示される構成の代替構成を示す。ステージは、ステージを支持するための機械的ベアリング上に設けられる。ピエゾアクチュエータ構成1201及び1202は、ステージの一次サポートであることなく、ステージに回転を与え得る。
【0188】
[00216] 実施形態は、機械的ベアリングを使用することの代替であるステージのサポート構成も含む。ステージは、固定されたサポート上に位置する円形の溝を含み得る。板ばねなどの1つ又は複数のバイアス部材が、ステージをサポートに押し付けるために設けられてもよい。
【0189】
[00217] 本実施形態では、サポート構成は、電子光学デバイス404を保持するように構成されたステージの一部でもよい。代替的に、サポート構成は、ステージに固定された別個のコンポーネントでもよい。
【0190】
[00218]
図13に示される第5の実施形態は、ステージを回転させるように構成された単一のピエゾアクチュエータ構成1302を含むサポート位置決めシステムによって、第4の実施形態とは異なる。
【0191】
[00219]
図13は、ステージ、及びステージを回転させるためのピエゾアクチュエータ構成1302を含むモジュール405の部分の概略平面図を示す。
【0192】
[00220] ピエゾアクチュエータ構成1302は、第5の実施形態で既に説明したようなピエゾアクチュエータ構成1201、1202の1つと同じでもよい。したがって、ピエゾアクチュエータ構成は、線形に移動することができる。
【0193】
[00221] ピエゾアクチュエータ構成は、平面視で、ステージに隣接し、及び接触する。ピエゾアクチュエータ構成1302は、ばね1301又は他の力印加デバイスによって予圧され得る。ばね1301は、ピエゾアクチュエータ構成1302のステージとは反対側に配置され、ピエゾアクチュエータ構成1302をステージに押し付けるように配置される。
【0194】
[00222] ステージに対して接線の方向におけるピエゾアクチュエータ構成1302の線形移動は、ステージを回転させる。
【0195】
[00223] ステージの線形移動は、第4の実施形態に関して既に説明したようなピエゾアクチュエータ構成1205、1206によって与えられ得る。
【0196】
[00224] ステージは、
図12Dに示されるように、ステージを支持するための機械的ベアリング上に設けられてもよい。代替的に、ステージは、第4の実施形態に関して既に説明したように、円形溝を含んでもよい。
【0197】
[00225] 本実施形態では、サポート構成は、電子光学デバイス404を保持するように構成されたステージの一部でもよい。代替的に、サポート構成は、ステージに固定された別個のコンポーネントでもよい。
【0198】
[00226] 上記の第3~第5の実施形態のすべてにおいて、位置検出システムが設けられてもよい。位置検出システムは、各ピエゾ構成、ひいてはステージの移動及び/又は位置を決定するためのエンコーダを含んでもよい。
【0199】
[00227] 上記の第1~第5の実施形態は、モジュール405内のサポート構成の再位置決めを可能にする。それによって、サポート構成に固定された電子光学デバイス404は、電子光学デバイス404を荷電粒子装置401の他のコンポーネントと適切にアライメントさせるために必要とされ得るような、それの位置に対して行われる微調整を有し得る。上記の第1~第5の実施形態は、幾つかの自由度で電子光学デバイス404を移動させることができ得る。具体的には、上記の第1~第5の実施形態は、xy平面内で電子光学デバイス404の位置に対して微調整を加えることができ、及びz軸を中心としてそれを回転させることができ得る。実施形態は、記載した第1~第5の実施形態が、1自由度又は2自由度の微細アライメントのみを与えるように適応することも含む。例えば、実施形態は、xy平面内で単一の軸に沿って双方向に位置微調整を加えること、xy平面内で直交方向に位置微調整を加えるが、Rz移動は与えないこと、又はRz移動のみを与えることだけが可能な構成を含む。
【0200】
[00228] 実施形態は、モジュール405内で電子光学デバイス404の位置決めを行うための下記の技術も含む。
【0201】
[00229] 第6の実施形態によれば、モジュール405を荷電粒子装置401のハウジングに係合する技術が提供される。第6の実施形態の技術は、上記の第1~第5の実施形態の技術の何れかと一緒に適用されてもよい。
【0202】
[00230]
図14Aは、第6の実施形態による荷電粒子装置401に固定されたモジュール405の概略図を示す。
【0203】
[00231]
図7を参照して先に説明した通り、モジュール405は、モジュールフランジ701及び本体702を含む。
図14A及び14Bに示されるように、荷電粒子装置401は、本明細書ではハウジングフランジ1401と呼ばれるフランジ1401も含む。モジュール405を荷電粒子装置401に固定するプロセスは、モジュール405を荷電粒子装置401内に挿入することと、モジュールフランジ701をハウジングフランジ1401に係合することとを含む。モジュールフランジ701がハウジングフランジ1401と係合された後に、モジュールフランジ701は、任意の公知の技術によってハウジングフランジ1401に固定されてもよい。例えば、モジュールフランジ701は、ハウジングフランジ1401上にボルトで固定されてもよい。
【0204】
[00232] モジュールフランジ701及びハウジングフランジ1401は、互いに係合する、対応する係合面を含む。
図14Bに示されるように、ハウジングフランジ1401の係合面の平面内で、係合面の形状は、矩形開口を取り囲む矩形係合面の形状でもよい。モジュールフランジ701の係合面は、対応する形状を有し得る。モジュールフランジ701及びハウジングフランジ1401の対向面は、互いに固定されたときにシールを提供するように互いに一致し得る。対向面は、同一平面上に存在してもよく、及び平坦でもよい。閉じられたときに、モジュール405を含む荷電粒子装置401の部分において真空が生じ得るように、モジュールフランジ701とハウジングフランジ1401との間の接続が気密であることを確実にする真空シールが設けられ得る。モジュールが荷電粒子装置401から取り外されるときに、真空シールが開けられ得る。
【0205】
[00233]
図14Bにも示されるように、ハウジングフランジ1401は、表面から突出する2つ以上のアライメントピン1402、1403を含み得る。好ましくは、2つのアライメントピンが存在し、アライメントピンは、ハウジングフランジ1401の開口の両側に設けられる。モジュールフランジ701は、アライメントピンを受け入れるための対応する凹所を含み得る。アライメントピンは、モジュール405が荷電粒子装置401内に挿入されるときに、対応する凹所に挿入され得る。それぞれの凹所へのアライメントピンの挿入は、荷電粒子装置401におけるモジュール405の粗動位置決めを有利に可能にする。具体的には、モジュールフランジ701及びハウジングフランジ1401の直接係合により、モジュール405は、z方向でもよい荷電粒子パス403に沿って位置決めされる。この実施形態では、モジュール405は、y方向でもよいアライメントピン間の方向においても、粗動位置決めが行われ得る。モジュール405は、x方向でもよい荷電粒子パス403内へのモジュール405の挿入方向に対しても、粗動位置決めが行われ得る。モジュール405は、x方向を中心とした回転(すなわちRx)、y方向を中心とした回転(すなわちRy)、及びz方向を中心とした回転(すなわちRz)に対しても、粗動位置決めが行われ得る。したがって、モジュール405は、荷電粒子装置の荷電粒子パスに対して直交する平面内で、6自由度で粗動位置決めが行われ得る。
【0206】
[00234] 実施形態は、モジュールフランジ701がアライメントピンを含み、ハウジングフランジ1401が対応する凹所を含む代替実装形態も含む。代替的に、モジュールフランジ701及びハウジングフランジ1401の両方が、アライメントピン及び対応する凹所を含んでもよい。
【0207】
[00235] アライメントピン及び対応する凹所は、共に円形断面を有してもよい。しかしながら、実施形態は、楕円形断面を有するアライメントピンも含む。代替的又は追加的に、凹所は、円形の代わりにスロット形状であってもよい。非円形アライメントピン及び/又は凹所の使用は、アライメント公差が製造公差よりも小さいことを可能にし得る。
【0208】
[00236] 第7の実施形態によれば、モジュール405は、モジュール405内のサポート位置決めシステムの位置が調整され得るように構成される。
【0209】
[00237]
図15Aは、荷電粒子パス403を含む平面内のモジュール405の本体702の部分を通る断面を示す。モジュール405のサポート位置決めシステムは、
図8及び9を参照して上記で説明したようなモジュールの第1の実施形態による。
【0210】
[00238] サポート位置決めシステムは、複数の調整可能サポート1501、1502によってモジュール405の本体702において支持される。調整可能サポート1501、1502は、例えば、調整可能ばね付きボルト又は調整可能ファスナ(締め付けボルトを備えたピンなど)でもよい。ディスクのアップビーム及び/又はダウンビーム面と接触したボールベアリング804のそれぞれに対して、対応する調整可能サポート1501、1502が存在してもよい。例えば、サポート位置決めシステムの周りに等しく間隔をあけた3つの調整可能サポートが存在してもよい。
【0211】
[00239] 各調整可能サポート1501、1502は、半球状端部及び長手方向本体を含み得る。長手方向本体は、ねじ山の付いていないピンでもよい。各調整可能サポート1501、1502の半球状端部は、底板1505の円錐又はV字形凹所によって受け入れられてもよい。モジュール405の本体702は、各調整可能サポート1501、1502の長手方向本体を受け入れるためのチャネルを備えた部分1503、1504を含み得る。各調整可能サポート1501、1502がチャネル内に挿入される範囲は、調整可能であってもよい。例えば、各調整可能サポート1501、1502の長手方向本体は、対応するチャネル内で任意の場所に移動され、その後、適所に固定されてもよい。各調整可能サポート1501、1502の長手方向本体は、
図15Bに示されるもののような締め付けボルト構成によってチャネル内で適所に固定されてもよい。
図15Bに示される締め付けボルト構成は、ねじ切りボルト1506及びプレスピース1507を含む。ねじ切りボルト1506及びプレスピース1507は、調整可能サポート1501の長手方向本体用のチャネルに対して直交し得るチャネル内に配置される。ボルトの端部がプレスピース1507に押し付けられるようにボルトが回転されると、プレスピース1507は、長手方向本体に押し付けられ、それによって、チャネル内の長手方向本体の位置が固定される。反対方向のボルト1506の回転は、長手方向本体に加えられた力を解放し、それによって、チャネルに沿って移動する。
【0212】
[00240] したがって、各部分1503、1504及び底板1505のz方向の分離は、各調整可能サポート1501、1502がそれぞれのチャネル内に挿入される範囲を調整することによって調整され得る。
【0213】
[00241]
図15Aに示されるように、ボールベアリング804は、ディスクのアップビーム面、及びモジュールプレート802にも接触してもよい。各モジュールプレート802は、モジュールプレート802と底板1505との間の圧縮下で、ボールベアリング804、ディスク、及びボールベアリング803のすべてが保持されるように、ボールベアリング804に力を加えるように偏奇される。したがって、ディスクの平面、ひいてはサポート位置決めシステム全体が、底板1505の上面と平行に、及び実質的に固定された関係で保持され得る。
【0214】
[00242] 部分1503、1504は、フランジ701に対して実質的に移動することができないように、モジュール405のフランジ701と固定接続されてもよい。底板は、調整可能サポート1501、1502によって、モジュールの残りの部分に接続されるだけでもよい。その結果、調整可能サポート1501、1502が対応する部分1503、1504に挿入される量を調整することによって、フランジ701に対する底板のz位置を調整することができる。調整可能サポート1501、1502のすべてに異なる調整を加えることによって、底板、ひいてはサポート位置決めシステム全体が、Rx及びRyに傾斜され得、並びにz方向に調整され得る。
【0215】
[00243] その結果、この実施形態では、モジュール405が荷電粒子装置401の外にある場合、各調整可能サポート1501、1502は、モジュール405のフランジ701に対するサポート位置決めシステムの位置を調整するために、手動で、及び/又は自動的に操作され得る。それによって、モジュール405が荷電粒子装置401内に挿入される前に、サポート位置決めシステム、ひいては電子光学デバイス404のz位置及び傾斜、すなわちRx及びRy状態が、調整可能サポート1501、1502によって設定され得る。したがって、電子光学デバイス404及びそれのサポート構成の位置は、z、Rx、及びRyにおいてモジュール405のフランジ701に対して、並びに2つのフランジが互いに固定される場合はハウジングフランジ1401に対しても調整され得る。したがって、電子光学デバイス404の位置は、荷電粒子装置401へのモジュール405の挿入前に、荷電粒子装置、例えば荷電粒子装置のフレーム(図示せず)に対してプレキャリブレーション(すなわち、事前調整)が行われ得る。したがって、荷電粒子装置401へのモジュール405の取り付け後に、サポート構成及び支持された電子光学デバイス404は、フレームに対する所望の場所に粗動位置決めが行われる。
【0216】
[00244] 第7の実施形態によるモジュール405のフランジ701に対する電子光学デバイス404のz位置及び/又は傾斜、すなわちRx及びRy状態の調整は、プレキャリブレーション動作と呼ばれることがある。第6の実施形態及び第1~第5の実施形態の何れかの技術に加えて、第7の実施形態の技術が適用されてもよい。
【0217】
[00245] 第8の実施形態によれば、電子光学デバイス404をソースビームとアライメントさせるためのさらなる技術が適用される。電子光学デバイス404を含むモジュール405が荷電粒子装置401に固定された後に、電子光学アライメント技術を使用して、ソースビームを電子光学デバイス404とアライメントさせることができる。例えば、ソースビームのパスが電子光学デバイス404と適切にアライメントされるようにソースビームのパスを制御するために、偏向器及びレンズ(図示せず)などの電気及び磁気荷電粒子マニピュレータが、モジュール405のアップビームで使用されてもよい。例えば、例えば多極形式の偏向器などのマニピュレータを使用して、x軸及び/又はy軸などのビームパスに直交する軸においてビームパスを調整することができる。各軸において調整するために、2つの偏向器の一セットがビームパスに沿って使用されてもよい。各ペアの第1の偏向器は、パスに補正を加え、各セットの第2の偏向器は、デバイスへの所望の入射角(これは、セットの第1の偏向器に対するビームパスの入射角に一致し得る)に対応するパスに沿ってビームを再誘導する。セットの第2の偏向器の再誘導により、各セットの第1の偏向器の補正は、事実上、過剰補正である。マイクロ偏向器アレイ323が、例えばそれがモジュールのアップビームに位置していた場合には、この静電補正のために使用されてもよい。ビームのパスに対してRzにおける補正を加えるように、集光レンズ210又は310などの集光レンズ構成が制御され得る。偏向器及びレンズ(図示せず)などの電気及び磁気荷電粒子マニピュレータが、追加的及び/又は代替的に、モジュール405から出力されるビーム又はマルチビームの1つ又は複数のパスを制御するために、モジュール405のダウンビームで使用されてもよい。
【0218】
[00246] 第1~第7の実施形態の1つ又は複数の技術に加えて、又はそれらの代わりに、第8の実施形態の電子光学アライメント技術が適用されてもよい。具体的には、荷電粒子ビーム又はマルチビームとの電子光学デバイス404のアライメントプロセスは、電子光学デバイスを通過した1つ若しくは複数のビーム、及び/又は電子光学デバイスによって反射された1つ若しくは複数のビームの場所を決定することと、その後に、決定されたビームの場所に応じて位置微調整を加えることとを含み得る。位置微調整は、第1~第5の実施形態の技術、及び/又は第8の実施形態の電子/電子光学アライメント技術による機械的調整を含み得る。
【0219】
[00247] 第7の実施形態のプレキャリブレーション技術によってもたらされる再位置決めの範囲は、モジュールの設計に左右される。z方向の調整は、50μm未満~200μmを上回る範囲でもよい。Rx及びRyの調整は、0.1mrad未満~1mradを上回る範囲でもよい。
【0220】
[00248] 第6の実施形態は、粗動位置決め技術と呼ばれることがある。第6の実施形態を使用して、荷電粒子装置内のモジュール用の真空チャンバに対して50μm~200μmの範囲内へと電子光学デバイス404をx、y、及びzにおいて位置決めすることができる。Rx、Ry、及びRzの位置は、真空チャンバに対して1mrad~5mradの間にあり得る。
【0221】
[00249] 第6及び第7の実施形態の技術は、真空チャンバに対する既知の場所範囲内に電子光学デバイスを位置決めすることができる。しかしながら、荷電粒子ビームパスの位置の変動により、電子光学デバイスは、荷電粒子ビームパスからx方向及び/又はy方向に1mmの範囲内、並びに荷電粒子ビームパスからRzにおいて100mradの範囲内にあり得る。
【0222】
[00250] 第1~第5の実施形態及び第8の実施形態は、微動位置決め技術と呼ばれることがある。これらを使用して、電子光学デバイス404を荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせることができる。
【0223】
[00251] 第1~第5の実施形態は、電子光学デバイスをx方向及び/又はy方向に0.5μm~100μm移動させることができ、並びにRzにおいて最大で1radまでの回転を与えることができ得る。
【0224】
[00252] 第8の実施形態は、荷電粒子ビームパスをx方向及び/又はy方向に最大で2mmまで移動させることができ、並びにRzにおいて最大で1radまでの回転を与えることができ得る。第8の実施形態は、荷電粒子ビーム又はマルチビームの焦点を変更することによって、荷電粒子ビームパスをz方向に移動させることができ得る。
【0225】
[00253] 実施形態は、荷電粒子装置401の他のコンポーネントに手動及び/又は自動再位置決め技術を適用することも含む。例えば、ソース402及び/又は対物レンズが移動され得る。例えば、ソースビームは、まず、対物レンズとアライメントされてもよく、次に、本明細書に記載の実施形態の何れかによる技術が、荷電粒子ビーム又はマルチビームを電子光学デバイス404とアライメントさせるために適用されてもよい。
【0226】
[00254] 実施形態は、荷電粒子装置401に電子光学デバイス404を設置する方法も含む。この方法は、電子光学デバイス404をモジュール405に取り付けるステップ、電子光学デバイス404及びモジュール405の相対位置を調整するためにプレキャリブレーションプロセスを行うステップ、モジュール405の本体702に対する電子光学デバイス404のRx状態に対して粗調整を加えるステップ、モジュール405の本体702に対する電子光学デバイス404のRy状態に対して粗調整を加えるステップ、モジュール405の本体702に対する電子光学デバイス404のz位置に対して粗調整を加えるステップ、及び/又はモジュール405を荷電粒子装置401に固定するステップのうちの1つ又は複数を含み得る。モジュール405は、上記の第1~第5の実施形態の何れかによるモジュールでもよい。プレキャリブレーションプロセスは、上記の第7の実施形態によるものでもよい。粗大アライメントプロセスは、上記の第6の実施形態によるものでもよい。
【0227】
[00255] 電子光学デバイス404を含むモジュール405が荷電粒子装置401に固定された後に、実施形態は、荷電粒子装置401内で電子光学デバイス404を荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる方法を含む。この方法は、モジュール405の本体702に対する電子光学デバイス404のx位置に微調整を加えるステップ、モジュール405の本体702に対する電子光学デバイス404のy位置に微調整を加えるステップ、モジュール405の本体702に対する電子光学デバイス404のRz状態に微調整を加えるステップ、及び/又は荷電粒子装置401内で荷電粒子ビーム若しくはマルチビームのパスに調整を加えるステップのうちの1つ又は複数を含み得る。モジュール405は、上記の第1~第5の実施形態の何れかによるモジュール405でもよい。荷電粒子装置内で荷電粒子ビーム又はマルチビームのパスに加えられる調整は、上記の第8の実施形態の技術によるものでもよい。
【0228】
[00256] 荷電粒子装置401に電子光学デバイス404を設置する上記方法は、荷電粒子装置401内で電子光学デバイス404を荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる上記方法と一緒に適用されてもよい。
【0229】
[00257] 荷電粒子装置401内の電子光学デバイス404を交換する方法は、ソースへの電力供給をオフにすることと、モジュール405を含む真空チャンバを分離する弁を閉めることと、真空チャンバを通気することと、真空チャンバの真空シールを解除することと、荷電粒子装置401からモジュール405を取り外すことと、荷電粒子装置401内に交換用モジュール405を挿入することと、真空チャンバの真空シールを封止することと、真空チャンバを真空状態に復元するために真空チャンバのポンピングを行い、及びモジュール405のベーキングを行うことと、真空チャンバを分離する弁を開くことと、機械的微細アライメントを行うことと、ソースへの電力供給をオンにすることと、高電圧テストを行うことと、電子光学デバイス404及び荷電粒子パス403の電気的微細アライメントを行うこととを含み得る。
【0230】
[00258]
図17は、ある実施形態による、荷電粒子装置内に電子光学デバイスを設置する方法のフローチャートを示す。
【0231】
[00259] ステップ1701では、方法が開始される。
【0232】
[00260] ステップ1703では、電子光学デバイスがモジュールに取り付けられる。
【0233】
[00261] ステップ1705では、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのRx状態、Ry状態、及び/又はz位置に対して粗調整が加えられる。
【0234】
[00262] ステップ1707では、モジュールが荷電粒子装置に固定される。
【0235】
[00263] ステップ1709では、方法が終了する。
【0236】
[00264]
図18は、ある実施形態による、荷電粒子装置内で電子光学デバイスを荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる方法のフローチャートを示す。
【0237】
[00265] ステップ1801では、方法が開始される。
【0238】
[00266] ステップ1803では、電子光学デバイスを含むモジュールが荷電粒子装置に固定され、それによって、荷電粒子装置内に電子光学デバイスが設置される。
【0239】
[00267] ステップ1805では、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのx位置、y位置、及び/又はRz状態に対して、1つ又は複数の微調整が加えられる。
【0240】
[00268] ステップ1807では、荷電粒子装置内で荷電粒子ビーム又はマルチビームのパスに対する調整が加えられる。
【0241】
[00269] ステップ1809では、方法が終了する。
【0242】
[00270] 実施形態は、上記の技術に対する多数の変更形態及びバリエーションを含む。
【0243】
[00271] 上記の実施形態では、モジュール405の本体702は、モジュールフランジ701に恒久的に固定される。実施形態は、荷電粒子装置401内で、モジュール405の本体と同等なフィーチャが固定されること、及び任意選択的に恒久的に存在することも含む。フランジと同等なフィーチャ(図示せず)は、本体から分離され、効果的に、本体と同等なフィーチャにアクセスするための取り外し可能なカバーである。電子光学デバイスは、フランジを取り外し、それによって本体と同等なフィーチャ上の電子光学デバイスにアクセスすることによって、交換され得る。フランジがサポート及びデバイスを含むモジュールの残りの部分から分離され、及び機械的に独立している、このような配置では、モジュールは、装置内の係合構成と相互作用する係合構成、好ましくは、装置のフレームに対してモジュール、ひいてはデバイスの粗大アライメントを行うためのコラムを有する。装置及びモジュールの係合構成は、全自由度でフレームに対するモジュールのアライメントが可能な引き出しの形態を取ってもよく、並びに、この構成に適用され、及び第6の実施形態から適応させたフランジ及びピンフィーチャを含んでもよい。
【0244】
[00272] 複数の実施形態全体を通して、電子光学デバイスを位置決めするための技術が説明される。
【0245】
[00273] 真空ロックは、荷電粒子装置401及び荷電粒子装置401を含むツールの他の場所にも設けられ得る。例えば、
図16に示されるように、アップビーム真空ロック406とソース402との間に、ソース真空ロック(図示せず)が存在してもよい。ソース真空ロックは、ソース402を含む荷電粒子装置401の領域が、荷電粒子装置401の残りの部分から分離されることを可能にし、ソース402を交換する時間を減らすことを可能にする。ソース402は、ソース402が現場で交換可能であるように、交換可能モジュールによって含まれてもよい。
【0246】
[00274]
図16に示されるように、通気/ポンプ弁1601が、アップビーム弁406及びダウンビーム弁407によって分離されるモジュール領域1607に設けられてもよい。モジュール405が交換されるときに、通気/ポンプ弁1601を使用して、モジュール領域1607の通気及びポンピングの両方を行うことができる。アップビーム弁406が開かれ、及びダウンビーム弁407が閉められた状態で、通気/ポンプ弁1601を使用して、ソース領域1606の通気及びポンピングも行うことができる。モジュール領域1607が通気された状態で、モジュール405を取り外すことができる。
【0247】
[00275] ソース領域が通気され、及びアップビーム弁が閉められた状態で、ソース402及びソース領域1606を含むソースモジュールが、装置から取り外され得る。別の配置では、ソース領域は、指定された通気/ポンプ弁を有し得る。ソース領域は、モジュール領域1607から独立して操作され得る。ソースモジュールは、現場で交換可能であってもよい。
【0248】
[00276]
図16に示されるように、荷電粒子装置401を含むツールは、検出器(図示せず)及びプローブ(図示せず)を含む二次コラム1605も含み得る。検出器は、サンプルからの電子、例えば二次電子を検出するように構成され得る。アップビーム真空ロック1602及びダウンビーム真空ロック1603が、検出器のアップビーム及びダウンビームに設けられてもよく、二次コラムにおいて分離された検出器領域1608を提供する。通気/ポンプ弁1604が、アップビーム弁1602及びダウンビーム弁1603によって分離された検出器領域1608に設けられてもよい。したがって、検出器も、現場で交換可能であってもよい。アップビーム弁1602が閉められ、及びダウンビーム弁1603が開かれた状態で、通気/ポンプ弁1604を使用して、プローブ領域1609の通気及びポンピングを行うこともできる。
【0249】
[00277] ある配置では、装置は、1つ又は複数の分離可能な、及び/又は独立して動作可能なモジュール領域に位置し得る2つ以上のモジュール405を含み得る。検出器コラムは、1つ又は複数の分離可能な、及び/又は独立して動作可能なモジュール領域に、1つ又は複数のモジュールを有し得る。各追加のモジュールは、現場で交換可能であってもよい。
【0250】
[00278] 実施形態は、モジュール405によって支持されるデバイスが、電子光学デバイス404とは異なるタイプのデバイスであることも含む。
【0251】
[00279] 荷電粒子装置401は、具体的には、マルチビーム荷電粒子装置でもよい。荷電粒子装置は、
図1、2、及び3を参照して上記で説明した装置のコンポーネントの何れかを含み得る。
【0252】
[00280] マルチビーム荷電粒子装置は、検査(若しくはメトロ検査)ツールのコンポーネント、又は電子ビームリソグラフィツールの一部でもよい。マルチビーム荷電粒子装置は、SEMだけではなく電子顕微鏡法全般、及びリソグラフィを含む多くの異なる用途で使用することができる。
【0253】
[00281] マルチビーム荷電粒子装置は、2つ以上の荷電粒子ソースを含み得る。
【0254】
[00282] 複数の実施形態全体を通して、荷電粒子軸が説明される。この軸は、ソース201、301を通り、及びソース201、301から出力される荷電粒子のパスを表す。出力されたマルチビームのサブビームはすべて、荷電粒子光軸403と実質的に平行でもよい。荷電粒子光軸204、304は、照明装置の機械軸と同じでもよいし、又は異なってもよい。
【0255】
[00283] 実施形態は以下の記載を含む。
【0256】
[00284] 本発明の第1の態様によれば、荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、デバイスを支持するように構成されたサポート構成であって、デバイスが荷電粒子装置内で荷電粒子パスを操作するように構成される、サポート構成と、モジュール内でサポート構成を移動させるように構成されたサポート位置決めシステムとを含み、モジュールが、荷電粒子装置において、現場で交換可能であるように配置される、モジュールが提供される。
【0257】
[00285] 好ましくは、モジュールが、サポート構成によって保持されたデバイスを備えた荷電粒子装置において使用中であるときに、荷電粒子パスは、荷電粒子装置の荷電粒子軸と実質的に平行である。
【0258】
[00286] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、少なくとも3自由度の移動でサポート構成を移動させるように構成される。
【0259】
[00287] 好ましくは、荷電粒子軸は、z軸に一致し、モジュールは、xy平面内で実質的に平面の構造であり、少なくとも3自由度の移動は、xy平面内の移動及びz軸(Rz)を中心とした回転を含む。
【0260】
[00288] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、手動及び/又は自動位置決めシステムである。
【0261】
[00289] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、サポート構成の所望の位置の約0.5μm~100μmの範囲内へとサポート構成を移動させるように、及び/又はサポート構成に対してRzにおいて最大1radまでの回転を与えるように構成される。
【0262】
[00290] 好ましくは、モジュールは、サポート構成及び/又はサポート構成によって保持されるデバイスの移動及び/又は位置を決定するように構成された位置検出システムをさらに含む。
【0263】
[00291] 好ましくは、位置検出システムは、サポート構成及び/又はサポート構成によって保持されるデバイスの移動及び/又は位置を決定する際に使用するためのエンコーダなどのグリッドマークを含む。
【0264】
[00292] 好ましくは、位置検出システムは、サポート構成によって保持されるデバイスの1つ又は複数のフィーチャに基づいて、サポート構成及び/又はサポート構成によって保持されるデバイスの移動及び/又は位置を決定するように構成される。
【0265】
[00293] 好ましくは、デバイスの1つ又は複数のフィーチャは、開口のアレイ、及び/又は1つ若しくは複数のフィデューシャルを含む。
【0266】
[00294] 好ましくは、開口のアレイは、デバイスの製造中にデバイスによって含まれる基板スタックの基板をアライメントさせるのに使用するための開口のアレイである。
【0267】
[00295] 好ましくは、開口のアレイは、デバイスによって含まれるビームマニピュレータを通る荷電粒子パスのためのものである。
【0268】
[00296] 好ましくは、モジュールは、アクチュエータアームのそれぞれの端部を受け入れるように構成された受入部分をさらに含む。
【0269】
[00297] 好ましくは、アクチュエータアームは、モジュールの外部のアクチュエータによって含まれ、サポート位置決めシステムは、アクチュエータによって移動されるように構成される。
【0270】
[00298] 好ましくは、第1の受入部分が、第1の方向にサポート位置決めシステムを移動させるための第1のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置され、第2の受入部分が、第1の方向に対して直交してもよい第2の方向にサポート位置決めシステムによってサポート構成を移動させるための第2のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置され、第3の受入部分が、サポート構成を回転させるための第3のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置される。
【0271】
[00299] 好ましくは、第1及び第2の方向は、xy平面内にあり、回転は、xy平面に対して直交するz軸などの軸を中心とする。
【0272】
[00300] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、ディスクと、モジュール内でディスクを支持するように構成された複数の耐荷重回転可能物体とを含む。
【0273】
[00301] 好ましくは、ディスクは、アップビーム面及びダウンビーム面を有し、1つ又は複数の耐荷重回転可能物体の第1のセットは、ディスクのアップビーム面に接触するように配置され、複数の耐荷重回転可能物体の第2のセットは、ディスクのダウンビーム面に接触するように配置される。
【0274】
[00302] 好ましくは、耐荷重回転可能物体の第1のセットは、1つ、2つ、又は3つの耐荷重回転可能物体を含み、耐荷重回転可能物体の第2のセットは、3つの耐荷重回転可能物体を含む。
【0275】
[00303] 好ましくは、平面視で、モジュールが荷電粒子装置内に設置されるときに、荷電粒子パスがディスクにおいて規定された開口を通過するように、ディスクが配置される。
【0276】
[00304] 好ましくは、平面視で、ディスクは実質的に環状である。
【0277】
[00305] 好ましくは、ディスクは、好ましくはxy平面内の実質的に平面の構造である。
【0278】
[00306] 好ましくは、ディスクは、サポート構成を含む。
【0279】
[00307] 好ましくは、モジュールは、ディスクに力を加えるように配置された第1の力印加デバイスを含み、力は、ディスクと実質的に同じ平面内にあり、及び平面内でディスクを移動させるためのものであり、モジュールは、ディスクに力を加えるように配置された第2の力印加デバイスを含み、力は、ディスクと実質的に同じ平面内にあり、及びディスクを回転させるためのものである。
【0280】
[00308] 好ましくは、第1の力印加デバイスによる加えられる力が、力が実質的にディスクを回転させないようにディスクの回転の軸を通過する方向に実質的にあるように、第1の力印加デバイスが構成される。
【0281】
[00309] 好ましくは、使用時に、ディスクは、第1の力印加デバイスからの力、第1の受入部分に加えられた力、及び第2の受入部分に加えられた力によって圧縮される。
【0282】
[00310] 好ましくは、使用時に、第2の力印加デバイスは、第3の受入部分を第3のアクチュエータアームの端部に押し付ける力を加えるように配置される。
【0283】
[00311] 好ましくは、第2の力印加デバイスは、ディスクの側壁からの第1の突出に力を加えるように配置され、及び/又は第3の受入部分は、ディスクの側壁からの第2の突出を含む。
【0284】
[00312] 好ましくは、モジュールは、力をディスクに加えるように配置された力印加デバイスを含み、加えられた力は、ディスクと実質的に同じ平面内にあり、加えられた力は、平面内でディスクを線形に移動させるためのものであり、及び加えられた力は、ディスクを回転させるためのものである。
【0285】
[00313] 好ましくは、モジュールは、耐荷重回転可能物体の第1のセットと耐荷重回転可能物体の第2のセットとの間の圧縮下でディスクが保持されるように配置された1つ又は複数の軸方向力印加デバイスを含む。
【0286】
[00314] 好ましくは、各軸方向力印加デバイスは、耐荷重回転可能物体の1つと接触するプレートを含み、及び/又は軸方向力印加デバイスの1つ若しくは複数は、ばねなどの弾性部材である。
【0287】
[00315] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、フレクシャ構成を含む。
【0288】
[00316] 好ましくは、フレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成を含む。
【0289】
[00317] 好ましくは、Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成は共に、好ましくはxy平面内の実質的に平面の構造である。
【0290】
[00318] 好ましくは、Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成は、積み重ねて配置され、Rzフレクシャ構成は、好ましくは、xyフレクシャ構成のダウンビームにある。
【0291】
[00319] 好ましくは、平面視で、Rzフレクシャ構成は、Rzフレクシャ構成において開口を規定する実質的に円形の構造を含む。
【0292】
[00320] 好ましくは、実質的に円形の構造の中心は、実質的にz軸とアライメントされる。
【0293】
[00321] 好ましくは、平面視で、Rzフレクシャ構成は、十字を含み、十字は、交点で交差する第1及び第2のクロスバーを含み、第1のクロスバーは、Rzフレクシャ構成の平面内にある第1の方向にアライメントされ、第2のクロスバーは、Rzフレクシャ構成の平面内にある第2の方向にアライメントされ、第2の方向は、第1の方向に対して直交する。
【0294】
[00322] 好ましくは、円形の構造は、第1及び第2のクロスバーの交点に位置し、円形の構造は、第1のクロスバーの第1の部分と第2の部分との間、及び第2のクロスバーの第1の部分と第2の部分との間に支持される。
【0295】
[00323] 好ましくは、第1のクロスバーは、第1の受入部分とアライメントされ、第2のクロスバーは、第2の受入部分とアライメントされる。
【0296】
[00324] 好ましくは、Rzフレクシャ構成は、ベース及び可動本体を含む。
【0297】
[00325] 好ましくは、第3の受入部分は、Rzフレクシャ構成の側壁に凹所を含む。
【0298】
[00326] 好ましくは、Rzフレクシャ構成は、可動本体を回転させるための力を加えるように構成された回転力印加デバイスを含む。
【0299】
[00327] 好ましくは、使用時に、回転力印加デバイスによって加えられる回転力は、第3の受入部分を第3のアクチュエータアームの端部に押し付けるように構成される。
【0300】
[00328] 好ましくは、xyフレクシャ構成は、外側構造、中間構造、中心構造、及び複数の板ばねを含み、xyフレクシャ構成の平面内で、中間構造は、外側構造、第1の受入部分、及び第2の受入部分によって実質的に取り囲まれ、xyフレクシャ構成の平面内で、中心構造は、中間構造によって実質的に取り囲まれ、外側構造は、少なくとも1つの板ばねによって中間構造に接続され、中間構造は、少なくとも1つの板ばねによって中心構造に接続される。
【0301】
[00329] 好ましくは、中心構造が第1の受入部分に加えられた力に応答して外側構造に対して第1の方向に移動するように配置されるように、中間構造を中心構造に接続する少なくとも1つの板ばねが配置され、中間構造が第2の受入部分に加えられた力に応答して外側構造に対して第2の方向に移動するように配置されるように、外側構造を中間構造に接続する少なくとも1つの板ばねが配置される。
【0302】
[00330] 好ましくは、中間構造は、中心構造の両側に配置された2つの板ばねによって中心構造に接続され、中間構造は、中間構造に対して両側に配置された2つの板ばねによって外側構造に接続される。
【0303】
[00331] 好ましくは、モジュールは、中間構造及び/又は中心構造が第1の方向の圧縮下で保持されるように力を加えるように配置された第1のバイアスデバイスと、中間構造及び/又は中心構造が第2の方向の圧縮下で保持されるように力を加えるように配置された第2のバイアスデバイスとをさらに含む。
【0304】
[00332] 好ましくは、xyフレクシャ構成の外側構造は、Rzフレクシャ構成の可動本体に固定される。
【0305】
[00333] 好ましくは、第1及び/又は第2のバイアスデバイスは、ばねなどの弾性部材である。
【0306】
[00334] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、1つ又は複数の線形アクチュエータを含む。
【0307】
[00335] 好ましくは、各アクチュエータは、ピエゾアクチュエータ構成である。
【0308】
[00336] 好ましくは、各ピエゾアクチュエータ構成は、2軸剪断モードピエゾデバイスを含む。
【0309】
[00337] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、複数のアクチュエータを含む。
【0310】
[00338] 好ましくは、サポート位置決めシステムによって含まれるアクチュエータの数は3である。
【0311】
[00339] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、ステージを含む。
【0312】
[00340] 好ましくは、平面視で、ステージは実質的に環状である。
【0313】
[00341] 好ましくは、アクチュエータは、ステージの中点を中心として実質的に等しい角度位置に間隔をあける。
【0314】
[00342] 好ましくは、アクチュエータは、隣接するアクチュエータの縦軸間の角度が60度であるようにアライメントされる。
【0315】
[00343] 好ましくは、アクチュエータは、ステージの平面内でステージを回転させるためにアクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成される。
【0316】
[00344] 好ましくは、アクチュエータは、ステージの平面内にある第1の方向にステージを移動させるためにアクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成される。
【0317】
[00345] 好ましくは、アクチュエータは、ステージの平面内にある第2の方向にステージを移動させるためにアクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成され、第2の方向は、第1の方向に対して直交する。
【0318】
[00346] 好ましくは、モジュールは、1つ又は複数の力印加デバイスをさらに含み、各力印加デバイスは、アクチュエータをステージに押し付ける力を加えるように配置される。
【0319】
[00347] 好ましくは、平面視で、少なくとも1つのアクチュエータが、ステージのそばに配置され、及びアクチュエータの線形移動がステージを回転させるように構成され、ステージのそばの各アクチュエータに対して、アクチュエータをステージに押し付ける力を加えるように構成された力印加デバイスが存在する。
【0320】
[00348] 好ましくは、ステージのそばに2つのアクチュエータが存在し、アクチュエータは、ステージの両側にある。
【0321】
[00349] 好ましくは、モジュールは、第1及び第2の線形アクチュエータをさらに含み、第1の線形アクチュエータは、第2の線形アクチュエータを第1の方向に移動させるように配置され、第2の線形アクチュエータは、ステージのそばに配置された少なくとも1つのアクチュエータを第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させるように配置される。
【0322】
[00350] 本発明の第2の態様によれば、荷電粒子装置において荷電粒子のパスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、荷電粒子装置内でモジュールが現場で交換可能であるように、荷電粒子装置のハウジングのハウジングフランジに取り付けられる、及びハウジングフランジから取り外されるように構成されたモジュールフランジを含む、モジュールが提供される。
【0323】
[00351] 好ましくは、モジュールがデバイスを支持した状態で、モジュールが荷電粒子装置において使用中であるときに、デバイスは、荷電粒子装置の荷電粒子軸に実質的に沿う荷電粒子パスを操作するように構成される。
【0324】
[00352] 好ましくは、荷電粒子軸は、z軸に一致し、モジュールは、xy平面内の実質的に平面の構造である。
【0325】
[00353] 好ましくは、モジュールフランジは、ハウジングフランジのアライメントピンを受け入れるための1つ若しくは複数の孔を含み、及び/又はモジュールフランジは、ハウジングフランジの孔に挿入するための1つ若しくは複数のアライメントピンを含む。
【0326】
[00354] 好ましくは、モジュールフランジは、ハウジングフランジに挿入するための1つ又は複数のアライメントピンを含む。
【0327】
[00355] 好ましくは、モジュールは、デバイスを支持するためのデバイスサポート構成と、少なくとも1自由度の移動でデバイスサポート構成の位置を調整するための機構とを含む。
【0328】
[00356] 好ましくは、デバイスサポートシステムは、デバイスサポート構成の位置が3自由度の移動で調整されることを可能にし、3自由度の移動は、好ましくは、デバイスサポート構成のz、Rx、及びRy位置である。
【0329】
[00357] 好ましくは、デバイスサポート構成のz、Rx、及びRy位置を調整するための機構は、調整可能ばね付きボルト、調整可能ファスナ、又は調整可能ピンなどの1つ又は複数の調整可能サポートを含む。
【0330】
[00358] 好ましくは、調整可能サポートは、デバイスサポート構成の周りに配置される。
【0331】
[00359] 好ましくは、調整可能サポートは、デバイスサポート構成の中点を中心として実質的に等しい角度位置に間隔をあける。
【0332】
[00360] 好ましくは、3つの調整可能サポートが存在する。
【0333】
[00361] 好ましくは、調整可能サポートは、個々に調整可能である。
【0334】
[00362] 好ましくは、デバイスサポート構成のz、Rx、及びRy位置を調整するための機構は、モジュールが荷電粒子装置の外にあるときに操作されるように構成される。
【0335】
[00363] 好ましくは、モジュールは、第1及び/又は第2の態様の何れかによるモジュールである。
【0336】
[00364] 好ましくは、デバイスサポート構成は、第1の態様によるサポート位置決めシステム及びサポート構成を含む。
【0337】
[00365] 本発明の第3の態様によれば、第1及び/又は第2の態様の何れかによる現場で交換可能なモジュールを含む荷電粒子装置が提供される。
【0338】
[00366] 好ましくは、モジュールは、荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを含む。
【0339】
[00367] 好ましくは、荷電粒子装置は、モジュールのサポート位置決めシステムを動かすためのアクチュエータを含み、アクチュエータは、線形アクチュエータである。
【0340】
[00368] 好ましくは、各アクチュエータは、モジュールによって含まれる対応する受入部分と係合するように構成されたアクチュエータアームを含む。
【0341】
[00369] 好ましくは、アクチュエータアームの端部は、ローラベアリングを含む。
【0342】
[00370] 好ましくは、デバイスは、荷電粒子のマルチビームのサブビームを操作するように配置されたビームマニピュレータを含む。
【0343】
[00371] 好ましくは、荷電粒子装置は、モジュールのモジュールフランジに取り付け可能であるように、及びモジュールフランジから取り外し可能であるように構成されたハウジングフランジを含む。
【0344】
[00372] 好ましくは、ハウジングフランジは、モジュールフランジの対応する開口に挿入するための1つ又は複数のアライメントピンを含む。
【0345】
[00373] 好ましくは、モジュールフランジは、ハウジングフランジの対応する開口に挿入するための1つ又は複数のアライメントピンを含む。
【0346】
[00374] 好ましくは、荷電粒子装置は、デバイスの移動及び/又は位置を決定するように構成された位置検出システムをさらに含む。
【0347】
[00375] 好ましくは、荷電粒子装置は、荷電粒子ソースと、デバイスのアップビーム及び/又はダウンビームにある荷電粒子パスを操作するように構成された1つ又は複数のマニピュレータ構成とをさらに含む。
【0348】
[00376] 好ましくは、1つ又は複数のマニピュレータ構成は、荷電粒子パスを調整するように構成され、及び/又はモジュールは、荷電粒子パスがデバイスとアライメントされるようにデバイスの位置を調整するように構成される。
【0349】
[00377] 好ましくは、荷電粒子システムは、1つ又は複数のマニピュレータ構成を制御するように構成された制御システムをさらに含む。
【0350】
[00378] 好ましくは、マニピュレータ構成の第1のセットが、モジュールのアップビームに設けられ、マニピュレータ構成の第2のセットが、モジュールのダウンビームに設けられる。
【0351】
[00379] 好ましくは、マニピュレータ構成の1つ又は複数は、荷電粒子パスを偏向させるための静電偏向器を含む。
【0352】
[00380] 好ましくは、マニピュレータ構成の1つ又は複数は、荷電粒子パスを偏向させるための磁気レンズを含む。
【0353】
[00381] 好ましくは、荷電粒子装置は、ソースの位置を調整するためのソース移動機構をさらに含む。
【0354】
[00382] 好ましくは、荷電粒子装置は、対物レンズをさらに含み、荷電粒子装置は、対物レンズの位置を調整するためのレンズ移動機構をさらに含む。
【0355】
[00383] 好ましくは、マニピュレータ構成の少なくとも1つが、デバイス及び対物レンズとアライメントされるようにソースからの荷電粒子パスを操作するように制御可能であるように構成される。
【0356】
[00384] 好ましくは、荷電粒子装置は、モジュールのアップビーム側にアップビーム真空ロックと、モジュールのダウンビーム側にダウンビーム真空ロックとをさらに含む。
【0357】
[00385] 好ましくは、アップビーム真空ロック及びダウンビーム真空ロックは、モジュールを含む荷電粒子装置の領域を荷電粒子装置の隣接領域の真空状態から分離するように動作可能である。
【0358】
[00386] 好ましくは、荷電粒子システムは、ソースからダウンビームにソース真空ロックをさらに含む。
【0359】
[00387] 好ましくは、ソース真空ロックは、ソースを含む荷電粒子装置の領域を荷電粒子装置の隣接領域の真空状態から分離するように動作可能である。
【0360】
[00388] 好ましくは、ソースは、現場で交換可能なモジュールによって含まれる。
【0361】
[00389] 好ましくは、荷電粒子装置は、二次コラムをさらに含み、二次コラムは、サンプルからの電子を検出するように構成された検出器を含む。
【0362】
[00390] 好ましくは、二次コラムは、検出器を含む二次コラムの領域を二次コラムの1つ又は複数の隣接領域の真空状態から分離するための1つ又は複数の真空ロックをさらに含む。
【0363】
[00391] 好ましくは、検出器は、現場で交換可能なモジュールによって含まれる。
【0364】
[00392] 本発明の第4の態様によれば、電子光学デバイスを荷電粒子装置内に設置する方法であって、電子光学デバイスをモジュールに取り付けることと、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのRx状態、Ry状態、及び/又はz位置に対して粗調整を加えることと、モジュールを荷電粒子装置に固定することとを含む方法が提供される。
【0365】
[00393] 好ましくは、モジュールは、第1及び/又は第2の態様によるモジュールであり、並びに荷電粒子装置であってもよい。
【0366】
[00394] 本発明の第5の態様によれば、荷電粒子装置内で電子光学デバイスを荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる方法であって、電子光学デバイスを含むモジュールを荷電粒子装置に固定し、それによって、荷電粒子装置内に電子光学デバイスを設置することと、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのx位置、y位置、及び/又はRz状態に対して、1つ又は複数の微調整を加えることと、荷電粒子装置内で荷電粒子ビーム又はマルチビームのパスに対する調整を加えることとを含む方法が提供される。
【0367】
[00395] 好ましくは、電子光学デバイスが荷電粒子装置内に設置される前に、モジュールを受け入れるための荷電粒子装置内のモジュール受入領域は、モジュール受入領域が通気され、荷電粒子装置の外の大気状態となり得るように、閉められた内部真空シールによって、荷電粒子装置内の隣接領域の実質的な真空状態から分離される。
【0368】
[00396] 好ましくは、この方法は、モジュールが荷電粒子装置に固定された後に、モジュール受入領域が荷電粒子装置の外の大気状態から分離されるように、モジュール受入領域の外部真空シールを閉めることと、モジュール受入領域が実質的な真空状態にあるように、モジュール受入領域のポンピングを行うことと、モジュールのベーキングを行うことと、内部真空シールを開けることと、荷電粒子装置内に荷電粒子ビーム又はマルチビームが存在するように荷電粒子装置のソースを作動させることとをさらに含む。
【0369】
[00397] 好ましくは、モジュールは、第1及び/又は第2の態様によるモジュールであり、並びに荷電粒子装置は、第3の態様による荷電粒子装置である。
【0370】
[00398] 本発明の第6の態様によれば、電子ビームをサンプルに投影するように構成された電子光学コラムであって、コラムの座標系を規定するように構成されたフレームと、電子光学デバイスを含む現場で交換可能なモジュールを受け入れるためのチャンバとを含むコラムが提供される。電子光学コラムは、現場で交換可能なモジュールをフレームとアライメントさせるために、現場で交換可能なモジュールと係合するように構成された係合構成を含み得る。電子光学コラムは、微細アライメントのためにビーム及びデバイスを互いに対して位置決めするように構成された能動位置決めシステムを含み得る。
【0371】
[00399] 好ましくは、能動位置決めシステムは、レンズなどの電子ビームのパスを操作するように、又は電子ビームパスを偏向させるように制御可能な、現場で交換可能なモジュールのアップビームに電子光学要素を含む。
【0372】
[00400] 好ましくは、能動位置決めシステムは、現場で交換可能なモジュールと係合可能であるように、及び好ましくは電子ビームのパスに対して直交する平面内のデバイスの自由度である自由度で、電子ビームのパスに対してデバイスを移動させるように制御可能であるように構成されたアクチュエータを含み、好ましくは、デバイスは、電子ビームのパスに対して直交する平面内の平面構造である。
【0373】
[00401] 好ましくは、電子光学コラムは、好ましくはチャンバがコラムの残りの部分からセグメント化されるように、チャンバのアップビームのコラムを封止するためのアップビーム弁と、コラムのダウンビーム部分からチャンバを封止するためのダウンビーム弁とをさらに含む。
【0374】
[00402] 好ましくは、チャンバは、現場で交換可能なモジュールを受け入れるように構成されたコラムの側面の開口を規定し、及び現場で交換可能なモジュールで封止可能であるように構成される。
【0375】
[00403] 本発明の第7の態様によれば、電子光学コラムに取り外し可能に挿入できるように配置された、現場で交換可能なモジュールであって、電子光学コラムにおいて電子ビームのパスを操作するように構成された電子光学要素と、電子光学要素を支持するように構成されたサポートとを含む、現場で交換可能なモジュールが提供される。現場で交換可能なモジュールは、全自由度でサポートを電子光学コラムのフレームとアライメントさせるように構成された係合構成を含み得る。
【0376】
[00404] 好ましくは、現場で交換可能なモジュールは、要素がコラムを通る電子ビームのパスに対して位置決めされることを可能にするように、モジュールの残りの部分に対して要素を変位させるように構成されたサポート位置決めシステムをさらに含む。
【0377】
[00405] 好ましくは、要素は、荷電粒子ビームのパスに対して直交するように配置された平面構造であり、サポート位置決めシステムは、好ましくはx軸における、y軸における、及び/又はz軸を中心とした回転における、平面構造の平面の少なくとも1自由度でサポートを変位させるように構成される。
【0378】
[00406] 好ましくは、サポート位置決めシステムは、電子光学コラムのフレームに関連付けられたアクチュエータと係合可能であるように構成され、アクチュエータは、平面構造の平面の自由度と関連付けられ、サポートは、フレームに対するサポートの位置が調整されるように、アクチュエータによって制御可能に動作可能である。
【0379】
[00407] 好ましくは、係合構成は、平面と、それぞれが軸自由度に割り当てられた2つのインターロックフィーチャとを含む。
【0380】
[00408] 好ましくは、係合構成は、コラムの側面に対して封止するように構成される。
【0381】
[00409] 好ましくは、現場で交換可能なモジュールは、好ましくはサポート位置決めシステムによって調整されるもの以外の自由度で、及び/又は好ましくはデバイスの平面構造の平面外の自由度で、フレームに対するサポートのアライメントを調整するために調整可能であるように構成されたプレキャリブレーションシステムをさらに含む。
【0382】
[00410] 様々な実施形態に関連して本発明を説明したが、ここに開示される本発明の明細書及び実施に鑑みて、本発明の他の実施形態が当業者には明らかとなるだろう。本明細書及び実施例は、単なる例示と見なされることが意図され、本発明の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0383】
[00411] 上記の説明は、限定ではなく、理解を助けるものであることが意図される。したがって、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明されたように変更を加え得ることが当業者には明らかとなるだろう。
【0384】
[00412] 多数の条項が提供される。
【0385】
[00413] 条項1:荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、デバイスを支持するように構成されたサポート構成であって、デバイスが荷電粒子装置内で荷電粒子パスを操作するように構成される、サポート構成と、モジュール内でサポート構成を移動させるように構成されたサポート位置決めシステムとを含み、モジュールが、荷電粒子装置において、現場で交換可能であるように配置される、モジュール。
【0386】
[00414] 条項2:モジュールが、サポート構成によって保持されたデバイスを備えた荷電粒子装置において使用中であるときに、荷電粒子パスが、荷電粒子装置の荷電粒子軸と実質的に平行である、条項1に記載のモジュール。
【0387】
[00415] 条項3:サポート位置決めシステムが、少なくとも3自由度の移動でサポート構成を移動させるように構成される、条項1又は2に記載のモジュール。
【0388】
[00416] 条項4:荷電粒子軸が、z軸に一致し、モジュールが、xy平面内で実質的に平面の構造であり、少なくとも3自由度の移動が、xy平面内の移動及びz軸(Rz)を中心とした回転を含む、先行する条項の何れか一項に記載のモジュール。
【0389】
[00417] 条項5:サポート位置決めシステムが、手動及び/又は自動位置決めシステムである、先行する条項の何れか一項に記載のモジュール。
【0390】
[00418] 条項6:サポート位置決めシステムが、サポート構成の所望の位置の約0.5μm~100μmの範囲内へとサポート構成を移動させるように、及び/又はサポート構成に対してRzにおいて最大1radまでの回転を与えるように構成される、先行する条項の何れか一項に記載のモジュール。
【0391】
[00419] 条項7:モジュールが、サポート構成及び/又はサポート構成によって保持されるデバイスの移動及び/又は位置を決定するように構成された位置検出システムをさらに含む、先行する条項の何れか一項に記載のモジュール。
【0392】
[00420] 条項8:位置検出システムが、サポート構成及び/又はサポート構成によって保持されるデバイスの移動及び/又は位置を決定する際に使用するためのエンコーダなどのグリッドマークを含む、条項7に記載のモジュール。
【0393】
[00421] 条項9:位置検出システムが、サポート構成によって保持されるデバイスの1つ又は複数のフィーチャに基づいて、サポート構成及び/又はサポート構成によって保持されるデバイスの移動及び/又は位置を決定するように構成される、条項7又は8に記載のモジュール。
【0394】
[00422] 条項10:デバイスの1つ又は複数のフィーチャが、開口のアレイ、及び/又は1つ若しくは複数のフィデューシャルを含む、条項9に記載のモジュール。
【0395】
[00423] 条項11:開口のアレイが、デバイスの製造中にデバイスによって含まれる基板スタックの基板をアライメントさせるのに使用するための開口のアレイである、条項10に記載のモジュール。
【0396】
[00424] 条項12:開口のアレイが、デバイスによって含まれるビームマニピュレータを通る荷電粒子パスのためのものである、条項10に記載のモジュール。
【0397】
[00425] 条項13:モジュールが、アクチュエータアームのそれぞれの端部を受け入れるように構成された受入部分をさらに含む、先行する条項の何れか一項に記載のモジュール。
【0398】
[00426] 条項14:アクチュエータアームが、モジュールの外部のアクチュエータによって含まれ、サポート位置決めシステムが、アクチュエータによって移動されるように構成される、条項13に記載のモジュール。
【0399】
[00427] 条項15:第1の受入部分が、第1の方向にサポート位置決めシステムを移動させるための第1のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置され、第2の受入部分が、第1の方向に対して直交してもよい第2の方向にサポート位置決めシステムによってサポート構成を移動させるための第2のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置され、第3の受入部分が、サポート構成を回転させるための第3のアクチュエータアームの端部を受け入れるように配置される、条項14に記載のモジュール。
【0400】
[00428] 条項16:第1及び第2の方向が、xy平面内にあり、回転が、xy平面に対して直交するz軸などの軸を中心とする、条項15に記載のモジュール。
【0401】
[00429] 条項17:サポート位置決めシステムが、ディスクと、モジュール内でディスクを支持するように構成された複数の耐荷重回転可能物体とを含む、先行する条項の何れか一項に記載のモジュール。
【0402】
[00430] 条項18:ディスクが、アップビーム面及びダウンビーム面を有し、1つ又は複数の耐荷重回転可能物体の第1のセットが、ディスクのアップビーム面に接触するように配置され、複数の耐荷重回転可能物体の第2のセットが、ディスクのダウンビーム面に接触するように配置される、条項17に記載のモジュール。
【0403】
[00431] 条項19:耐荷重回転可能物体の第1のセットが、1つ、2つ、又は3つの耐荷重回転可能物体を含み、耐荷重回転可能物体の第2のセットが、3つの耐荷重回転可能物体を含む、条項17又は18に記載のモジュール。
【0404】
[00432] 条項20:平面視で、モジュールが荷電粒子装置内に設置されるときに、荷電粒子パスがディスクにおいて規定された開口を通過するように、ディスクが配置される、条項17~19の何れか一項に記載のモジュール。
【0405】
[00433] 条項21:平面視で、ディスクが実質的に環状である、条項17~20の何れか一項に記載のモジュール。
【0406】
[00434] 条項22:ディスクが、好ましくはxy平面内の実質的に平面の構造である、条項17~21の何れか一項に記載のモジュール。
【0407】
[00435] 条項23:ディスクがサポート構成を含む、条項17~22の何れか一項に記載のモジュール。
【0408】
[00436] 条項24:モジュールが、ディスクに力を加えるように配置された第1の力印加デバイスを含み、力が、ディスクと実質的に同じ平面内にあり、及び平面内でディスクを移動させるためのものであり、モジュールが、ディスクに力を加えるように配置された第2の力印加デバイスを含み、力が、ディスクと実質的に同じ平面内にあり、及びディスクを回転させるためのものである、条項17~23の何れか一項に記載のモジュール。
【0409】
[00437] 条項25:第1の力印加デバイスによる加えられる力が、力が実質的にディスクを回転させないようにディスクの回転の軸を通過する方向に実質的にあるように、第1の力印加デバイスが構成される、条項24に記載のモジュール。
【0410】
[00438] 条項26:使用時に、ディスクが、第1の力印加デバイスからの力、第1の受入部分に加えられた力、及び第2の受入部分に加えられた力によって圧縮される、条項24又は25に記載のモジュール。
【0411】
[00439] 条項27:使用時に、第2の力印加デバイスが、第3の受入部分を第3のアクチュエータアームの端部に押し付ける力を加えるように配置された、条項24~26の何れか一項に記載のモジュール。
【0412】
[00440] 条項28:第2の力印加デバイスが、ディスクの側壁からの第1の突出に力を加えるように配置され、及び/又は第3の受入部分が、ディスクの側壁からの第2の突出を含む、条項24~27の何れか一項に記載のモジュール。
【0413】
[00441] 条項29:モジュールが、力をディスクに加えるように配置された力印加デバイスを含み、加えられた力が、ディスクと実質的に同じ平面内にあり、加えられた力が、平面内でディスクを線形に移動させるためのものであり、及び加えられた力が、ディスクを回転させるためのものである、条項17~23の何れか一項に記載のモジュール。
【0414】
[00442] 条項30:モジュールが、耐荷重回転可能物体の第1のセットと耐荷重回転可能物体の第2のセットとの間の圧縮下でディスクが保持されるように配置された1つ又は複数の軸方向力印加デバイスを含む、条項17~29の何れか一項に記載のモジュール。
【0415】
[00443] 条項31:各軸方向力印加デバイスが、耐荷重回転可能物体の1つと接触するプレートを含み、及び/又は軸方向力印加デバイスの1つ若しくは複数が、ばねなどの弾性部材である、条項30に記載のモジュール。
【0416】
[00444] 条項32:サポート位置決めシステムがフレクシャ構成を含む、条項1~16の何れか一項に記載のモジュール。
【0417】
[00445] 条項33:フレクシャ構成が、Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成を含む、条項32に記載のモジュール。
【0418】
[00446] 条項34:Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成が共に、好ましくはxy平面内の実質的に平面の構造である、条項33に記載のモジュール。
【0419】
[00447] 条項35:Rzフレクシャ構成及びxyフレクシャ構成が、積み重ねて配置され、Rzフレクシャ構成が、好ましくは、xyフレクシャ構成のダウンビームにある、条項33又は34に記載のモジュール。
【0420】
[00448] 条項36:平面視で、Rzフレクシャ構成が、Rzフレクシャ構成において開口を規定する実質的に円形の構造を含む、条項33~35の何れか一項に記載のモジュール。
【0421】
[00449] 条項37:実質的に円形の構造の中心が、実質的にz軸とアライメントされる、条項36に記載のモジュール。
【0422】
[00450] 条項38:平面視で、Rzフレクシャ構成が十字を含み、十字が、交点で交差する第1及び第2のクロスバーを含み、第1のクロスバーが、Rzフレクシャ構成の平面内にある第1の方向にアライメントされ、第2のクロスバーが、Rzフレクシャ構成の平面内にある第2の方向にアライメントされ、第2の方向が、第1の方向に対して直交する、条項36又は37に記載のモジュール。
【0423】
[00451] 条項39:円形の構造が、第1及び第2のクロスバーの交点に位置し、円形の構造が、第1のクロスバーの第1の部分と第2の部分との間、及び第2のクロスバーの第1の部分と第2の部分との間に支持される、条項36~38の何れか一項に記載のモジュール。
【0424】
[00452] 条項40:第1のクロスバーが、第1の受入部分とアライメントされ、第2のクロスバーが、第2の受入部分とアライメントされる、条項39に記載のモジュール。
【0425】
[00453] 条項41:Rzフレクシャ構成がベース及び可動本体を含む、条項33~40の何れか一項に記載のモジュール。
【0426】
[00454] 条項42:第3の受入部分が、Rzフレクシャ構成の側壁に凹所を含む、条項41に記載のモジュール。
【0427】
[00455] 条項43:Rzフレクシャ構成が、可動本体を回転させるための力を加えるように構成された回転力印加デバイスを含む、条項41又は42に記載のモジュール。
【0428】
[00456] 条項44:使用時に、回転力印加デバイスによって加えられる回転力が、第3の受入部分を第3のアクチュエータアームの端部に押し付けるように構成される、条項43に記載のモジュール。
【0429】
[00457] 条項45:xyフレクシャ構成が、外側構造、中間構造、中心構造、及び複数の板ばねを含み、xyフレクシャ構成の平面内で、中間構造が、外側構造、第1の受入部分、及び第2の受入部分によって実質的に取り囲まれ、xyフレクシャ構成の平面内で、中心構造が、中間構造によって実質的に取り囲まれ、外側構造が、少なくとも1つの板ばねによって中間構造に接続され、中間構造が、少なくとも1つの板ばねによって中心構造に接続される、条項33~44の何れか一項に記載のモジュール。
【0430】
[00458] 条項46:中心構造が第1の受入部分に加えられた力に応答して外側構造に対して第1の方向に移動するように配置されるように、中間構造を中心構造に接続する少なくとも1つの板ばねが配置され、中間構造が第2の受入部分に加えられた力に応答して外側構造に対して第2の方向に移動するように配置されるように、外側構造を中間構造に接続する少なくとも1つの板ばねが配置される、条項45に記載のモジュール。
【0431】
[00459] 条項47:中間構造が、中心構造の両側に配置された2つの板ばねによって中心構造に接続され、中間構造が、中間構造に対して両側に配置された2つの板ばねによって外側構造に接続される、条項46に記載のモジュール。
【0432】
[00460] 条項48:中間構造及び/又は中心構造が第1の方向の圧縮下で保持されるように力を加えるように配置された第1のバイアスデバイスと、中間構造及び/又は中心構造が第2の方向の圧縮下で保持されるように力を加えるように配置された第2のバイアスデバイスとをさらに含む、条項45~47の何れか一項に記載のモジュール。
【0433】
[00461] 条項49:xyフレクシャ構成の外側構造が、Rzフレクシャ構成の可動本体に固定される、条項41に従属したときの条項45~48の何れか一項に記載のモジュール。
【0434】
[00462] 条項50:第1及び/又は第2のバイアスデバイスが、ばねなどの弾性部材である、条項32~49の何れか一項に記載のモジュール。
【0435】
[00463] 条項51:サポート位置決めシステムが、1つ若しくは複数の線形アクチュエータ、又はアクチュエータ構成を含む、条項1~16の何れか一項に記載のモジュール。
【0436】
[00464] 条項52:各アクチュエータが、ピエゾアクチュエータ構成である、条項51に記載のモジュール。
【0437】
[00465] 条項53:各ピエゾアクチュエータ構成が、2軸剪断モードピエゾデバイスを含む、条項52に記載のモジュール。
【0438】
[00466] 条項54:サポート位置決めシステムが、複数のアクチュエータを含む、条項51~53の何れか一項に記載のモジュール。
【0439】
[00467] 条項55:サポート位置決めシステムによって含まれるアクチュエータの数が3である、条項54に記載のモジュール。
【0440】
[00468] 条項56:サポート位置決めシステムが、ステージを含む、条項51~55の何れか一項に記載のモジュール。
【0441】
[00469] 条項57:平面視で、ステージが実質的に環状である、条項56に記載のモジュール。
【0442】
[00470] 条項58:アクチュエータが、ステージの中点を中心として実質的に等しい角度位置に間隔をあける、条項56又は57に記載のモジュール。
【0443】
[00471] 条項59:アクチュエータが、隣接するアクチュエータの縦軸間の角度が60度であるようにアライメントされる、条項58に記載のモジュール。
【0444】
[00472] 条項60:アクチュエータが、ステージの平面内でステージを回転させるためにアクチュエータのすべて又はアクチュエータ構成が一緒に操作され得るように構成される、条項51~59の何れか一項に記載のモジュール。
【0445】
[00473] 条項61:アクチュエータが、ステージの平面内にある第1の方向にステージを移動させるためにアクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成される、条項51~60の何れか一項に記載のモジュール。
【0446】
[00474] 条項62:アクチュエータが、ステージの平面内にある第2の方向にステージを移動させるためにアクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成され、第2の方向が、第1の方向に対して直交する、条項51~61の何れか一項に記載のモジュール。
【0447】
[00475] 条項63:1つ又は複数の力印加デバイスをさらに含み、各力印加デバイスが、アクチュエータをステージに押し付ける力を加えるように配置される、条項51~62の何れか一項に記載のモジュール。
【0448】
[00476] 条項64:平面視で、少なくとも1つのアクチュエータが、ステージのそばに配置され、及びアクチュエータの線形移動がステージを回転させるように構成され、ステージのそばの各アクチュエータに対して、アクチュエータをステージに押し付ける力を加えるように構成された力印加デバイスが存在する、条項51~57の何れか一項に記載のモジュール。
【0449】
[00477] 条項65:ステージのそばに2つのアクチュエータが存在し、アクチュエータが、ステージの両側にある、条項64に記載のモジュール。
【0450】
[00478] 条項66:第1及び第2の線形アクチュエータをさらに含み、第1の線形アクチュエータが、第2の線形アクチュエータを第1の方向に移動させるように配置され、第2の線形アクチュエータが、ステージのそばに配置された少なくとも1つのアクチュエータを第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させるように配置される、条項64又は65に記載のモジュール。
【0451】
[00479] 条項67:荷電粒子装置において荷電粒子のパスを操作するように構成されたデバイスを支持するためのモジュールであって、モジュールが、荷電粒子装置内でモジュールが現場で交換可能であるように、荷電粒子装置のハウジングのハウジングフランジに取り付けられるように、及びハウジングフランジから取り外されるように構成されたモジュールフランジを含む、モジュール。
【0452】
[00480] 条項68:モジュールがデバイスを支持した状態で、モジュールが荷電粒子装置において使用中であるときに、デバイスが、荷電粒子装置の荷電粒子軸に実質的に沿う荷電粒子パスを操作するように構成される、条項67に記載のモジュール。
【0453】
[00481] 条項69:荷電粒子軸が、z軸に一致し、モジュールが、xy平面内の実質的に平面の構造である、条項68に記載のモジュール。
【0454】
[00482] 条項70:モジュールフランジが、ハウジングフランジのアライメントピンを受け入れるための1つ若しくは複数の孔を含み、及び/又はモジュールフランジが、ハウジングフランジの孔に挿入するための1つ若しくは複数のアライメントピンを含む、条項67~69の何れか一項に記載のモジュール。
【0455】
[00483] 条項71:モジュールフランジが、ハウジングフランジに挿入するための1つ又は複数のアライメントピンを含む、条項70に記載のモジュール。
【0456】
[00484] 条項72:モジュールが、デバイスを支持するためのデバイスサポート構成と、少なくとも1自由度の移動でデバイスサポート構成の位置を調整するための機構とを含む、条項67~71の何れか一項に記載のモジュール。
【0457】
[00485] 条項73:デバイスサポートシステムが、デバイスサポート構成の位置が3自由度の移動で調整されることを可能にし、3自由度の移動が、好ましくは、デバイスサポート構成のz、Rx、及びRy位置である、条項72に記載のモジュール。
【0458】
[00486] 条項74:デバイスサポート構成のz、Rx、及びRy位置を調整するための機構が、調整可能ばね付きボルト、調整可能ファスナ、又は調整可能ピンなどの1つ又は複数の調整可能サポートを含む、条項72又は73に記載のモジュール。
【0459】
[00487] 条項75:調整可能サポートが、デバイスサポート構成の周りに配置される、条項74に記載のモジュール。
【0460】
[00488] 条項76:調整可能サポートが、デバイスサポート構成の中点を中心として実質的に等しい角度位置に間隔をあける、条項74又は75に記載のモジュール。
【0461】
[00489] 条項77:3つの調整可能サポートが存在する、条項74~76の何れか一項に記載のモジュール。
【0462】
[00490] 条項78:調整可能サポートが、個々に調整可能である、条項74~76の何れか一項に記載のモジュール。
【0463】
[00491] 条項79:デバイスサポート構成のz、Rx、及びRy位置を調整するための機構が、モジュールが荷電粒子装置の外にあるときに操作されるように構成される、条項72~78の何れか一項に記載のモジュール。
【0464】
[00492] 条項80:モジュールが、条項1~66の何れか一項に記載のモジュールである、条項67~79の何れか一項に記載のモジュール。
【0465】
[00493] 条項81:デバイスサポート構成が、条項1~67の何れか一項に記載のサポート位置決めシステム及びサポート構成を含む、条項80に記載のモジュール。
【0466】
[00494] 条項82:条項1~81の何れか一項に記載の現場で交換可能なモジュールを含む、荷電粒子装置。
【0467】
[00495] 条項83:モジュールが、荷電粒子装置において荷電粒子パスを操作するように構成されたデバイスを含む、条項82に記載の荷電粒子装置。
【0468】
[00496] 条項84:荷電粒子装置が、モジュールのサポート位置決めシステムを動かすためのアクチュエータを含み、アクチュエータが、線形アクチュエータである、条項83に記載の荷電粒子装置。
【0469】
[00497] 条項85:各アクチュエータが、モジュールによって含まれる対応する受入部分と係合するように構成されたアクチュエータアームを含む、条項84に記載の荷電粒子装置。
【0470】
[00498] 条項86:アクチュエータアームの端部が、ローラベアリングを含む、条項85に記載の荷電粒子装置。
【0471】
[00499] 条項87:デバイスが、荷電粒子のマルチビームのサブビームを操作するように配置されたビームマニピュレータを含む、条項83~86の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0472】
[00500] 条項88:荷電粒子装置が、モジュールのモジュールフランジに取り付け可能であるように、及びモジュールフランジから取り外し可能であるように構成されたハウジングフランジを含む、条項82~86の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0473】
[00501] 条項89:ハウジングフランジが、モジュールフランジの対応する開口に挿入するための1つ又は複数のアライメントピンを含む、条項88に記載の荷電粒子装置。
【0474】
[00502] 条項90:モジュールフランジが、ハウジングフランジの対応する開口に挿入するための1つ又は複数のアライメントピンを含む、条項88又は89に記載の荷電粒子装置。
【0475】
[00503] 条項91:荷電粒子装置が、デバイスの移動及び/又は位置を決定するように構成された位置検出システムをさらに含む、条項83~90の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0476】
[00504] 条項92:荷電粒子装置が、荷電粒子ソースと、デバイスのアップビーム及び/又はダウンビームにある荷電粒子パスを操作するように構成された1つ又は複数のマニピュレータ構成とをさらに含む、条項83~91の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0477】
[00505] 条項93:1つ又は複数のマニピュレータ構成が、荷電粒子パスを調整するように構成され、及び/又はモジュールが、荷電粒子パスがデバイスとアライメントされるようにデバイスの位置を調整するように構成される、条項92に記載の荷電粒子装置。
【0478】
[00506] 条項94:荷電粒子システムが、1つ又は複数のマニピュレータ構成を制御するように構成された制御システムをさらに含む、条項92又は93に記載の荷電粒子装置。
【0479】
[00507] 条項95:マニピュレータ構成の第1のセットが、モジュールのアップビームに設けられ、マニピュレータ構成の第2のセットが、モジュールのダウンビームに設けられる、条項92~94の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0480】
[00508] 条項96:マニピュレータ構成の1つ又は複数が、荷電粒子パスを偏向させるための静電偏向器を含む、条項92~95の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0481】
[00509] 条項97:マニピュレータ構成の1つ又は複数が、荷電粒子パスを偏向させるための磁気レンズを含む、条項92~96の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0482】
[00510] 条項98:荷電粒子装置が、ソースの位置を調整するためのソース移動機構をさらに含む、条項92~97の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0483】
[00511] 条項99:荷電粒子装置が、対物レンズをさらに含み、荷電粒子装置が、対物レンズの位置を調整するためのレンズ移動機構をさらに含む、条項92~98の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0484】
[00512] 条項100:マニピュレータ構成の少なくとも1つが、デバイス及び対物レンズとアライメントされるようにソースからの荷電粒子パスを操作するように制御可能であるように構成される、条項99に記載の荷電粒子装置。
【0485】
[00513] 条項101:荷電粒子装置が、モジュールのアップビーム側にアップビーム真空ロックと、モジュールのダウンビーム側にダウンビーム真空ロックとをさらに含む、条項92~100の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0486】
[00514] 条項102:アップビーム真空ロック及びダウンビーム真空ロックが、モジュールを含む荷電粒子装置の領域を荷電粒子装置の隣接領域の真空状態から分離するように動作可能である、条項101に記載の荷電粒子装置。
【0487】
[00515] 条項103:荷電粒子システムが、ソースからダウンビームにソース真空ロックをさらに含む、条項92~102の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0488】
[00516] 条項104:ソース真空ロックが、ソースを含む荷電粒子装置の領域を荷電粒子装置の隣接領域の真空状態から分離するように動作可能である、条項103に記載の荷電粒子装置。
【0489】
[00517] 条項105:ソースが、現場で交換可能なモジュールによって含まれる、条項104に記載の荷電粒子装置。
【0490】
[00518] 条項106:荷電粒子装置が、二次コラムをさらに含み、二次コラムが、サンプルからの電子を検出するように構成された検出器を含む、条項92~105の何れか一項に記載の荷電粒子装置。
【0491】
[00519] 条項107:二次コラムが、検出器を含む二次コラムの領域を二次コラムの1つ又は複数の隣接領域の真空状態から分離するための1つ又は複数の真空ロックをさらに含む、条項106に記載の荷電粒子装置。
【0492】
[00520] 条項108:検出器が、現場で交換可能なモジュールによって含まれる、条項107に記載の荷電粒子装置。
【0493】
[00521] 条項109:電子光学デバイスを荷電粒子装置内に設置する方法であって、電子光学デバイスをモジュールに取り付けることと、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのRx状態、Ry状態、及び/又はz位置に対して粗調整を加えることと、モジュールを荷電粒子装置に固定することと、を含む方法。
【0494】
[00522] 条項110:モジュールが、条項1~81の何れか一項に記載のモジュールであり、及び荷電粒子装置が、条項82~108の何れか一項に記載の荷電粒子装置である、条項109に記載の方法。
【0495】
[00523] 条項111:荷電粒子装置内で電子光学デバイスを荷電粒子ビーム又はマルチビームとアライメントさせる方法であって、電子光学デバイスを含むモジュールを荷電粒子装置に固定し、それによって、荷電粒子装置内に電子光学デバイスを設置することと、モジュールの本体に対する電子光学デバイスのx位置、y位置、及び/又はRz状態に対して、1つ又は複数の微調整を加えることと、荷電粒子装置内で荷電粒子ビーム又はマルチビームのパスに対する調整を加えることと、を含む方法。
【0496】
[00524] 条項112:電子光学デバイスが荷電粒子装置内に設置される前に、モジュールを受け入れるための荷電粒子装置内のモジュール受入領域が、モジュール受入領域が通気され、荷電粒子装置の外の大気状態となり得るように、閉められた内部真空シールによって、荷電粒子装置内の隣接領域の実質的な真空状態から分離される、条項111に記載の方法。
【0497】
[00525] 条項113:方法が、モジュールが荷電粒子装置に固定された後に、モジュール受入領域が荷電粒子装置の外の大気状態から分離されるように、モジュール受入領域の外部真空シールを閉めることと、モジュール受入領域が実質的な真空状態にあるように、モジュール受入領域のポンピングを行うことと、モジュールのベーキングを行うことと、内部真空シールを開けることと、荷電粒子装置内に荷電粒子ビーム又はマルチビームが存在するように荷電粒子装置のソースを作動させることと、をさらに含む、条項112に記載の方法。
【0498】
[00526] 条項114:モジュールが、条項1~81の何れか一項に記載のモジュールであり、及び荷電粒子装置が、条項82~108の何れか一項に記載の荷電粒子装置である、条項111~113の何れか一項に記載の方法。
【0499】
[00527] 条項115:電子ビームをサンプルに投影するように構成された電子光学コラムであって、コラムの座標系を規定するように構成されたフレームと、電子光学デバイスを含む現場で交換可能なモジュールを受け入れるためのチャンバと、現場で交換可能なモジュールをフレームとアライメントさせるために、現場で交換可能なモジュールと係合するように構成された係合構成と、微細アライメントのためにビーム及びデバイスを互いに対して位置決めするように構成された能動位置決めシステムと、を含むコラム。
【0500】
[00528] 条項116:能動位置決めシステムが、レンズなどの電子ビームのパスを操作するように、又は電子ビームパスを偏向させるように制御可能な、現場で交換可能なモジュールのアップビームに電子光学要素を含む、条項115に記載の電子光学コラム。
【0501】
[00529] 条項117:能動位置決めシステムが、現場で交換可能なモジュールと係合可能であるように、及び好ましくは電子ビームのパスに対して直交する平面内のデバイスの自由度である自由度で、電子ビームのパスに対してデバイスを移動させるように制御可能であるように構成されたアクチュエータを含み、好ましくは、デバイスが、電子ビームのパスに対して直交する平面内の平面構造である、条項115又は116に記載の電子光学コラム。
【0502】
[00530] 条項118:好ましくはチャンバがコラムの残りの部分からセグメント化されるように、チャンバのアップビームのコラムを封止するためのアップビーム弁と、コラムのダウンビーム部分からチャンバを封止するためのダウンビーム弁と、をさらに含む、条項115~117の何れか一項に記載の電子光学コラム。
【0503】
[00531] 条項119:チャンバが、現場で交換可能なモジュールを受け入れるように構成されたコラムの側面の開口を規定し、及び現場で交換可能なモジュールで封止可能であるように構成される、条項115~118の何れか一項に記載の電子光学コラム。
【0504】
[00532] 条項120:電子光学コラムに取り外し可能に挿入できるように配置された、現場で交換可能なモジュールであって、a)電子光学コラムにおいて電子ビームのパスを操作するように構成された電子光学要素と、b)電子光学要素を支持するように構成されたサポートと、c)全自由度でサポートを電子光学コラムのフレームとアライメントさせるように構成された係合構成と、を含む、現場で交換可能なモジュール。
【0505】
[00533] 条項121:要素がコラムを通る電子ビームのパスに対して位置決めされることを可能にするように、モジュールの残りの部分に対して要素を変位させるように構成されたサポート位置決めシステムをさらに含む、条項120に記載の現場で交換可能なモジュール。
【0506】
[00534] 条項122:要素が、荷電粒子ビームのパスに対して直交するように配置された平面構造であり、サポート位置決めシステムが、好ましくはx軸における、y軸における、及び/又はz軸を中心とした回転における、平面構造の平面の少なくとも1自由度でサポートを変位させるように構成される、条項121に記載の現場で交換可能なモジュール。
【0507】
[00535] 条項123:サポート位置決めシステムが、電子光学コラムのフレームに関連付けられたアクチュエータと係合可能であるように構成され、アクチュエータが、平面構造の平面の自由度と関連付けられ、サポートが、フレームに対するサポートの位置が調整されるように、アクチュエータによって制御可能に動作可能である、条項121又は122に記載の現場で交換可能なモジュール。
【0508】
[00536] 条項124:係合構成が、平面と、それぞれが軸自由度に割り当てられた2つのインターロックフィーチャとを含む、条項120~123の何れか一項に記載の現場で交換可能なモジュール。
【0509】
[00537] 条項125:係合構成が、コラムの側面に対して封止するように構成される、条項120~124の何れか一項に記載の現場で交換可能なモジュール。
【0510】
[00538] 条項126:好ましくはサポート位置決めシステムによって調整されるもの以外の自由度で、及び/又は好ましくはデバイスの平面構造の平面外の自由度で、フレームに対するサポートのアライメントを調整するために調整可能であるように構成されたプレキャリブレーションシステムをさらに含む、条項120~125の何れか一項に記載の現場で交換可能なモジュール。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子光学コラムに取り外し可能に挿入できるように配置された、現場で交換可能なモジュールであって、
a)前記電子光学コラムにおいて電子ビームを操作するように構成された電子光学要素と、
b)前記電子光学要素を支持するように構成されたサポートと、
c)全自由度でサポートを前記電子光学コラムのフレームとアライメントさせるように構成された係合構成と、
d)1または複数の調整可能サポートを有する前記サポートの位置を調整するための機構であって、前記モジュールが荷電粒子装置の外にあるときに操作されるように構成され、前記1または複数の調整可能サポートは、前記モジュールが前記電子光学コラムの内部にある時、前記電子光学コラムの内部にある、機構と、
を含む、現場で交換可能なモジュール。
【請求項2】
要素がコラムを通る電子ビームのパスに対して位置決めされることを可能にするように、前記モジュールの残りの部分に対して前記要素を変位させるように構成されたサポート位置決めシステムをさらに含む、
請求項1に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項3】
前記要素が、荷電粒子ビームのパスに対して直交するように配置された平面構造であり、
サポート位置決めシステムが、x軸における、y軸における、及び/又はz軸を中心とした回転における、前記平面構造の平面の少なくとも1自由度で前記サポートを変位させるように構成される、
請求項2に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項4】
前記サポート位置決めシステムが、前記x軸における、前記y軸における、及び/又は前記z軸を中心とした前記回転における、前記平面構造の前記平面の少なくとも1自由度で前記サポートを変位させるように構成される、
請求項3に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項5】
前記サポート位置決めシステムが、前記電子光学コラムの前記フレームに関連付けられたアクチュエータと係合可能であるように構成され、
前記アクチュエータが、前記平面構造の前記平面の前記自由度と関連付けられ、前記サポートが、前記フレームに対する前記サポートの前記位置が調整されるように、前記アクチュエータによって制御可能に動作可能である、
請求項2に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項6】
前記係合構成が、平面と、それぞれが軸自由度に割り当てられた2つのインターロックフィーチャとを含む、
請求項1に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項7】
前記係合構成が、前記コラムの側面に対して封止するように構成される、
請求項1に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項8】
前記サポート位置決めシステムによって調整されるもの以外の自由度で、前記フレームに対する前記サポートの前記アライメントを調整するために調整可能であるように構成されたプレキャリブレーションシステムをさらに含む、
請求項1に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項9】
デバイスの前記平面構造の平面外の自由度で、前記フレームに対する前記サポートの前記アライメントを調整するために調整可能であるように構成されたプレキャリブレーションシステムをさらに含む、
請求項1に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項10】
前記サポート位置決めシステムは、ステージを含む、請求項5に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項11】
前記アクチュエータは、前記ステージの中点を中心として等しい角度位置に間隔をあける、請求項10に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項12】
前記アクチュエータは、隣接するアクチュエータの縦軸間の角度が60度であるようにアライメントされる、請求項11に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項13】
前記アクチュエータは、前記ステージの平面内で前記ステージを回転させるために前記アクチュエータのすべて又はアクチュエータ構成が一緒に操作され得るように構成される、請求項12に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項14】
前記アクチュエータは、前記ステージの平面内にある第1の方向に前記ステージを移動させるために前記アクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成される、請求項12に記載の現場で交換可能なモジュール。
【請求項15】
前記アクチュエータは、前記ステージの平面内にある第2の方向に前記ステージを移動させるために前記アクチュエータのすべてが一緒に操作され得るように構成され、前記第2の方向が、前記第1の方向に対して直交する、請求項14に記載のモジュール。
【外国語明細書】