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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024084958
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】コンピュータシステムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20240619BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240619BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20240619BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240619BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240619BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/792
A63F13/79
A63F13/798
A63F13/53
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199184
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 浩文
(57)【要約】
【課題】ゲームオブジェクトを生産する仕組みを実現して、ゲームに新たな興趣を追加することができる技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、ユーザ所有オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する生産処理部233を備える。また、サーバシステム1100は、生産処理部233が行う生産オブジェクトの生産の対価となる所与の生産コストを、当該生産オブジェクトの原型とするユーザ生成オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて算出するコスト算出部243と、生産コストをユーザに通知するコスト通知部245と、を備える。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームオブジェクトであるユーザ所有オブジェクトをユーザ間で取引するための制御を行うコンピュータシステムであって、
前記ユーザ所有オブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得手段と、
前記オブジェクト情報に基づいて前記ユーザ所有オブジェクトを評価する評価手段と、
前記ユーザ所有オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する生産手段と、
を備えるとともに、
前記生産手段による前記生産オブジェクトの生産の対価となる所与の生産コストを、前記評価手段による評価結果に基づいて算出するコスト算出手段と、
前記生産コストをユーザに通知するコスト通知手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記オブジェクト情報は、前記ユーザ所有オブジェクトを所有する前記ユーザのユーザ情報を含み、
前記コスト算出手段は、前記ユーザ情報に基づいて前記生産コストを算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、ゲームにおけるスキルの獲得状況を含む、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記オブジェクト情報は、前記ユーザ所有オブジェクトのパラメータ値を含み、
前記コスト算出手段は、前記パラメータ値に基づいて前記生産コストを算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記コスト算出手段は、前記生産オブジェクトの生産個数および/又は生産時間に基づいて前記生産コストを算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記コスト算出手段は、前記ユーザ所有オブジェクトと所定の相等条件を満たす前記ゲームオブジェクトのゲーム内流通量に基づいて前記生産コストを算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
新たな前記ユーザ所有オブジェクトとなる前記ゲームオブジェクトとして、前記ユーザの操作に基づいてユーザ生成オブジェクトを生成する生成手段、
をさらに備え、
前記取得手段は、前記ユーザ生成オブジェクトの生成過程に関する生成過程情報を前記ユーザ生成オブジェクトの前記オブジェクト情報に少なくとも含めて取得し、
前記コスト算出手段は、前記ユーザ生成オブジェクトに係る生産を行う場合の前記生産コストを、前記生成過程情報を用いて算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記生成過程情報は、前記ユーザ生成オブジェクトの生成に要した時間、当該生成に要した工程数、および、当該生成に用いた素材、のうちの何れかの情報を含む、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記生成過程情報は、前記ユーザ生成オブジェクトの生成に使用可能な所与のテンプレートを使用したか否か、および、使用した前記テンプレートの種類、の情報を含む、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記生成過程情報は、前記ユーザ生成オブジェクトの生成に用いた素材の情報を含み、
前記素材の情報は、当該素材の入手難易度の情報を含む、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記生産オブジェクトを取引する際に、当該生産オブジェクトの原型となった前記ユーザ生成オブジェクトの前記生成過程情報を表示制御する生成過程情報表示制御手段、
をさらに備える請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記生産手段の役割を果たすゲームキャラクタ又はゲーム世界内のゲームスポット(以下包括して「オブジェクトメーカー」という)を、前記オブジェクトメーカー毎に異なる生産能力を設定してゲーム世界に複数登場させる制御を行うオブジェクトメーカー制御手段、
をさらに備え、
前記コスト算出手段は、前記オブジェクトメーカーに応じた前記生産コストを算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記オブジェクトメーカー毎の前記生産能力は、1)前記生産オブジェクトと、当該生産オブジェクトの原型のゲームオブジェクトである前記ユーザ所有オブジェクトとがどの程度同じであるかを示す再現度と、2)良品生産率と、3)単位時間当たりの生産可能量又は単位生産数の生産に要する生産時間と、を含む、
請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記生産オブジェクトを取引する際に、当該生産オブジェクトを生産した前記オブジェクトメーカーの識別情報を表示制御するメーカー情報表示制御手段、
をさらに備える請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記生産オブジェクトの取引の価値を設定する取引価値設定手段、
をさらに備える請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
取引候補となる複数の前記生産オブジェクトを選択可能に表示する際に、前記オブジェクト情報に基づく優遇表示制御を行う表示制御手段、
をさらに備える請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
ゲームオブジェクトであるユーザ所有オブジェクトをユーザ間で取引するための制御をコンピュータシステムが実行するための制御方法であって、
前記ユーザ所有オブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得ステップと、
前記オブジェクト情報に基づいて前記ユーザ所有オブジェクトを評価する評価ステップと、
前記ユーザ所有オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する生産ステップと、
を含むとともに、
前記生産ステップにおける前記生産オブジェクトの生産の対価となる所与の生産コストを、前記評価ステップでの評価結果に基づいて算出するコスト算出ステップと、
前記生産コストをユーザに通知するコスト通知ステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームオブジェクトの取引の実行を制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザ(プレーヤ)が所有する所有アイテムを売却する等の取引を行う際に、当該所有アイテムの価値を取引価格に反映させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-048002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術のように、アイテム等のゲームオブジェクトの取引等の技術は既に知られている。しかし、新たにゲームオブジェクトを作る、現実世界での「生産」に相当する仕組みはなかった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ゲームオブジェクトを生産する仕組みを実現して、ゲームに新たな興趣を追加することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、ゲームオブジェクトであるユーザ所有オブジェクトをユーザ間で取引するための制御を行うコンピュータシステムであって、前記ユーザ所有オブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得手段(例えば、図15のユーザ生成オブジェクト情報生成部239)と、前記オブジェクト情報に基づいて前記ユーザ所有オブジェクトを評価する評価手段(例えば、図15の評価部241)と、前記ユーザ所有オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する生産手段(例えば、図15の生産処理部233)と、を備えるとともに、前記生産手段による前記生産オブジェクトの生産の対価となる所与の生産コストを、前記評価手段による評価結果に基づいて算出するコスト算出手段(例えば、図15のコスト算出部243)と、前記生産コストをユーザに通知するコスト通知手段(例えば、図15のコスト通知部245)と、を備えるコンピュータシステムである。
【0007】
第1の発明によれば、ユーザ所有オブジェクトを原型とする生産オブジェクトを複数生産することができる。生産オブジェクトの生産にあたり、原型としたユーザ所有オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて当該ユーザ所有オブジェクトを評価し、評価結果に基づいて対価となる所与の生産コストを算出して、ユーザに通知することができる。これによれば、原型としたいユーザ所有オブジェクトに応じた対価を支払って、ゲームオブジェクトを生産する仕組みが実現できる。
【0008】
また、第2の発明は、上記の発明において、前記オブジェクト情報が、前記ユーザ所有オブジェクトを所有する前記ユーザのユーザ情報を含み、前記コスト算出手段は、前記ユーザ情報に基づいて前記生産コストを算出する、コンピュータシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、原型のユーザ所有オブジェクトを所有するユーザのユーザ情報に基づいて、生産コストを算出することができる。
【0010】
また、第3の発明は、上記の発明において、前記ユーザ情報が、ゲームにおけるスキルの獲得状況を含む、コンピュータシステムである。
【0011】
第3の発明によれば、例えば、ユーザが所定のスキルを獲得しているかどうかに応じて生産コストを算出する、といったことが可能となる。
【0012】
また、第4の発明は、上記の発明において、前記オブジェクト情報が、前記ユーザ所有オブジェクトのパラメータ値を含み、前記コスト算出手段は、前記パラメータ値に基づいて前記生産コストを算出する、コンピュータシステムである。
【0013】
第4の発明によれば、原型のユーザ所有オブジェクトのパラメータ値に基づいて、生産コストを算出することができる。
【0014】
また、第5の発明は、上記の発明において、前記コスト算出手段が、前記生産オブジェクトの生産個数および/又は生産時間に基づいて前記生産コストを算出する、コンピュータシステムである。
【0015】
第5の発明によれば、例えば、生産する個数や、生産に要する時間に応じて生成コストを減額し、或いは増額する、といったことが可能となる。
【0016】
また、第6の発明は、上記の発明において、前記コスト算出手段が、前記ユーザ所有オブジェクトと所定の相等条件を満たす前記ゲームオブジェクトのゲーム内流通量に基づいて前記生産コストを算出する、コンピュータシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、例えば、原型のユーザオブジェクトと所定の相当条件を満たすゲームオブジェクトのゲーム内流通量が多いほど生産コストを低く算出したり、逆に高く算出する、といったことが可能となる。
【0018】
また、第7の発明は、上記の発明において、新たな前記ユーザ所有オブジェクトとなる前記ゲームオブジェクトとして、前記ユーザの操作に基づいてユーザ生成オブジェクトを生成する生成手段(例えば、図15の生成処理部231)、をさらに備え、前記取得手段は、前記ユーザ生成オブジェクトの生成過程に関する生成過程情報を前記ユーザ生成オブジェクトの前記オブジェクト情報に少なくとも含めて取得し、前記コスト算出手段は、前記ユーザ生成オブジェクトに係る生産を行う場合の前記生産コストを、前記生成過程情報を用いて算出する、コンピュータシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、ユーザ生成オブジェクトを原型とする生産オブジェクトを生産する場合に、当該ユーザ生成オブジェクトの生成過程情報に基づいて生産コストを算出することができる。
【0020】
また、第8の発明は、上記の発明において、前記生成過程情報が、前記ユーザ生成オブジェクトの生成に要した時間、当該生成に要した工程数、および、当該生成に用いた素材、のうちの何れかの情報を含む、コンピュータシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、ユーザ生成オブジェクトの生成に要した時間や工程数、生成に用いた素材を生成過程情報として取得して用いて、生産コストを算出することができる。
【0022】
また、第9の発明は、上記の発明において、前記生成過程情報が、前記ユーザ生成オブジェクトの生成に使用可能な所与のテンプレートを使用したか否か、および、使用した前記テンプレートの種類、の情報を含む、コンピュータシステムである。
【0023】
第9の発明によれば、ユーザ生成オブジェクトを生成するのにテンプレートを使用したか否か、および、当該テンプレートの種類を生成過程情報に含め、当該生成過程情報を用いて生産コストを算出することができる。
【0024】
また、第10の発明は、上記の発明において、前記生成過程情報が、前記ユーザ生成オブジェクトの生成に用いた素材の情報を含み、前記素材の情報は、当該素材の入手難易度の情報を含む、コンピュータシステムである。
【0025】
第10の発明によれば、ユーザ生成オブジェクトの生成に用いた素材の入手難易度を生成過程情報として取得して用いて、生産コストを算出することができる。
【0026】
また、第11の発明は、上記の発明において、前記生産オブジェクトを取引する際に、当該生産オブジェクトの原型となった前記ユーザ生成オブジェクトの前記生成過程情報を表示制御する生成過程情報表示制御手段(例えば、図15の生成過程情報表示制御部253)、をさらに備えるコンピュータシステムである。
【0027】
第11の発明によれば、生産オブジェクトの取引にあたって、原型であるユーザ生成オブジェクトの生成過程情報を確認することができる。
【0028】
また、第12の発明は、上記の発明において、前記生産手段の役割を果たすゲームキャラクタ又はゲーム世界内のゲームスポット(以下包括して「オブジェクトメーカー」という)を、前記オブジェクトメーカー毎に異なる生産能力を設定してゲーム世界に複数登場させる制御を行うオブジェクトメーカー制御手段(例えば、図15のオブジェクトメーカー制御部237)、をさらに備え、前記コスト算出手段は、前記オブジェクトメーカーに応じた前記生産コストを算出する、コンピュータシステムである。
【0029】
第12の発明によれば、オブジェクトメーカーの生産能力に応じて、生産コストを算出することができる。
【0030】
また、第13の発明は、上記の発明において、前記オブジェクトメーカー毎の前記生産能力が、1)前記生産オブジェクトと、当該生産オブジェクトの原型のゲームオブジェクトである前記ユーザ所有オブジェクトとがどの程度同じであるかを示す再現度と、2)良品生産率と、3)単位時間当たりの生産可能量又は単位生産数の生産に要する生産時間と、を含む、コンピュータシステムである。
【0031】
第13の発明によれば、再現度や良品生産率、生産可能量、生産時間に応じて、生産コストを算出することができる。
【0032】
また、第14の発明は、上記の発明において、前記生産オブジェクトを取引する際に、当該生産オブジェクトを生産した前記オブジェクトメーカーの識別情報を表示制御するメーカー情報表示制御手段(例えば、図15のメーカー情報表示制御部255)、をさらに備えるコンピュータシステムである。
【0033】
第14の発明によれば、生産オブジェクトの取引にあたって、当該生産オブジェクトを生産したオブジェクトメーカーを確認することができる。
【0034】
また、第15の発明は、上記の発明において、前記生産オブジェクトの取引の価値を設定する取引価値設定手段(例えば、図15の取引価格設定部249)、をさらに備えるコンピュータシステムである。
【0035】
第15の発明によれば、生産オブジェクトを取引する際の価値を設定することができる。
【0036】
また、第16の発明は、上記の発明において、取引候補となる複数の前記生産オブジェクトを選択可能に表示する際に、前記オブジェクト情報に基づく優遇表示制御を行う表示制御手段(例えば、図15の表示制御部251)、をさらに備えるコンピュータシステムである。
【0037】
第16の発明によれば、取引候補となる複数の生産オブジェクトを選択可能に表示してユーザに提示するにあたり、オブジェクト情報に基づく優遇表示制御を行うことができる。
【0038】
また、第17の発明は、ゲームオブジェクトであるユーザ所有オブジェクトをユーザ間で取引するための制御をコンピュータシステムが実行するための制御方法であって、前記ユーザ所有オブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得ステップと、前記オブジェクト情報に基づいて前記ユーザ所有オブジェクトを評価する評価ステップと、前記ユーザ所有オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する生産ステップと、を含むとともに、前記生産ステップにおける前記生産オブジェクトの生産の対価となる所与の生産コストを、前記評価ステップでの評価結果に基づいて算出するコスト算出ステップと、前記生産コストをユーザに通知するコスト通知ステップと、を含む制御方法である。
【0039】
第17の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏する制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】ゲームシステムの全体構成例を示す図。
図2】ユーザ端末の装置構成例を示す図。
図3】ゲームのホーム画面例を示す図。
図4】生産能力の設定例を示す図。
図5】つくるメニューのサブメニュー画面例を示す図。
図6図5に続く画面遷移例を示す図。
図7図5に続く画面遷移例を示す図。
図8】量産メニューからの画面遷移例を示す図。
図9】量産メニューからの他の画面遷移例を示す図。
図10】マーケットメニューからの画面遷移例を示す図。
図11】ユーザ生成オブジェクト情報のデータ構成例を示す図。
図12】生産オブジェクト情報のデータ構成例を示す図
図13】取引候補画面の画面構成例を示す図。
図14】変形例における取引候補画面の表示例を示す図。
図15】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
図16】サーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
図17】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
図18】ゲーム設定データのデータ構成例を示す図。
図19】ユーザ端末の機能構成例を示すブロック図。
図20】サーバシステムが行う処理の流れを示すフローチャート。
図21図20に続く処理の流れを示すフローチャート。
図22】出品画面例を示す図。
図23図22での出品に関する取引状況の表示画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0042】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのユーザ(プレーヤ)2が所有するユーザ端末1500と、を含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0043】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0044】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備えるコンピュータシステムである。本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0045】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、ユーザ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0046】
また、本実施形態では、サーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、創作者ユーザの操作に基づいてゲームオブジェクトであるユーザ生成オブジェクトを生成する生成機能と、当該生成機能によって生成されたユーザ生成オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する量産機能と、生成機能によって生成されたユーザ生成オブジェクトや量産機能によって生産された生産オブジェクトをユーザ間で取引するための制御を行う取引実行機能と、を実現する。
【0047】
ユーザ2は、自分のユーザ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(ユーザID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。また、ユーザ2は、ゲームオブジェクトを自由にデザインしたり、パラメータ値の設定をカスタマイズしてユーザ生成オブジェクトを生成し、生成したユーザ生成オブジェクトを他のユーザとの間で取引して楽しむ。後述する量産スキルを獲得して生産オブジェクトを複数生産したり、生産オブジェクトを他のユーザとの間で取引することもできる。
【0048】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をユーザ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額に相当するゲームコインをユーザ2に付与する。
【0049】
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0050】
ユーザ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このユーザ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0051】
図2は、ユーザ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、不図示の電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0052】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0053】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてユーザ端末1500の各部を制御することで、ユーザ2のゲームプレイを可能にする。
【0054】
[詳細]
1.ゲームについて
図3は、本実施形態のゲームのホーム画面例を示す図である。図3に示すように、ホーム画面には、「ゲームプレイ」「つくる」「量産」「マーケット」等の各種メニューM11,M17,M18,M19が、それらの選択ボタンによって提示される。
【0055】
本実施形態のゲームでは、ユーザ端末1500のユーザが創作者となって、ゲームで使用可能なゲームオブジェクト(ユーザ生成オブジェクト)を生成することができる。ユーザには、予め創作スキルが設定されており、ユーザ生成オブジェクトの生成を繰り返すことで創作スキルのランクが上昇する。例えば、ユーザがユーザ生成オブジェクトを生成すると、当該ユーザ生成オブジェクトについて算出される評価値に応じた創作ポイントが付与される。創作ポイントは、評価値が高いほど多く付与されるようになっている。そして、獲得した創作ポイントの総数に応じて、創作スキルのランクが上がっていく。
【0056】
また、本実施形態のゲームでは、量産スキルを獲得していることを条件にユーザが生産者となって、ユーザ生成オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとする生産オブジェクトを複数生産する(量産する)ことができるようになる。量産スキルは、例えば、創作スキルのランクが所定のランクに達したユーザに追加されるスキルである。量産スキルにもランクがあり、創作スキルと同様に、生産オブジェクトの生産を繰り返すことでランクが上がっていく。
【0057】
量産スキルの各ランクには、予め生産オブジェクトの生産能力が定められている。図4は、生産能力の設定例を示す図である。生産能力は、例えば、図4に示すように、再現度と、良品生産率と、単位時間当たりの生産可能量と、を含む。これら生産能力の各値は、対応する量産スキルのランクが上がるにつれて、高くなるように設定される。
【0058】
再現度は、生産オブジェクトと、原型のユーザ生成オブジェクト(以下「原型オブジェクト」ともいう)とがどの程度同じであるか(生産オブジェクトが原型オブジェクトをどれだけ再現できているか)を示す。量産スキルのランクが上がるにつれて、原型オブジェクトをより忠実に再現したゲームオブジェクトを生産オブジェクトとして生産できるようになる。
【0059】
良品生産率は、生産前に予定した生産個数に対する、完成品の個数の割合である。量産スキルのランクが上がるにつれて完成品の数が予定の生産個数に近づき、生産ロスを削減できる。
【0060】
単位時間当たりの生産可能量は、単位時間当たり(図4では1日当たり)に生産することができる生産オブジェクトの数である。量産スキルのランクが上がれば、単位時間内により多くの生産オブジェクトを生産できる。なお、単位時間当たりの生産可能量にかえて、単位生産数の生産に要する生産時間(例えば、生産オブジェクトを1個生産するのに要する時間)を設定しておく構成としてもよい。
【0061】
また、本実施形態のゲームでは、ユーザは、手持ちのユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトをマーケットに出品して、他のユーザとの間で取引することができる。
【0062】
ゲームオブジェクトには、例えば、1)プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、2)プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、アクセサリー、弾、薬、強化素材等の各種アイテム、3)プレーヤキャラクタの乗り物、4)スキン、5)召喚獣、6)必殺技や魔法、スキル、属性等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、7)新しいゲームステージやマップ、等を抽選する抽選券(抽選チケット)等が含まれる。
【0063】
1-1.プレイメニュー
プレイメニューM11は、ゲームのプレイ開始を指示するメニューである。サーバシステム1100は、ゲーム管理機能によって、ゲームの実行制御を管理する。ゲームの内容は特に限定されないが、本実施形態では、例えば、いわゆるオープンワールドタイプのロールプレイングゲーム(role-playing game)を例示する。ゲームプレイに先立ち、ユーザは、所有しているキャラクタの中からプレーヤキャラクタを選び、装備や所持品等のアイテムの設定を適宜行う。プレーヤキャラクタのスキン(外観)を設定することもできる。
【0064】
そして、ゲームプレイ中は、ゲーム空間内でプレーヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇すると、エンカウントが発生してバトル(対戦)が発動する。敵キャラクタは、コンピュータ制御のキャラクタ(NPC)とするが、複数のユーザがゲーム空間を共有する場合には、遭遇した他のプレーヤキャラクタとバトルを行う構成でもよい。或いは、他のプレーヤキャラクタと遭遇した場合に、そのユーザとチャットしたり、一緒にゲームをプレイする構成としてもよい。
【0065】
また、ゲームプレイ中、ユーザには、ログインボーナス、ドロップオブジェクト、各種イベントの参加報酬やクリア報酬、抽選等によってゲームオブジェクトが付与される。ゲーム空間内の宝箱から出現させることで付与される場合もある。また、本実施形態のゲームでは、ゲームオブジェクトの他にも、ユーザ生成オブジェクトの生成に使用可能なテンプレートや、後述する創作レシピが付与される。
【0066】
1-2.つくるメニュー
図5は、つくるメニューM17を選択すると表示されるサブメニュー画面例を示す図である。つくるメニューM17では、サーバシステム1100は、ユーザ生成オブジェクトの生成機能により、創作者ユーザの操作に基づいてユーザ生成オブジェクトを生成する。
【0067】
図5に示すように、サブメニュー画面では、つくるタブT21を選択すると、テンプレートは使用せずにベースから生成するサブメニューM21と、テンプレートを使用して生成するサブメニューM23と、創作レシピを使用して特定のゲームオブジェクトを生成するサブメニューM25と、が提示される。何れかのサブメニューM21,M23,M25を選んで選択状態にし、創作開始ボタンB2を選択すると、選択したサブメニューM21,M23,M25に応じた手順でユーザ生成オブジェクトを生成することができる。
【0068】
また、ユーザは、生成過程の様子を配信したいときには、チェックボックスCB2をチェックした上で創作開始ボタンB2を選択する。その場合には、サーバシステム1100は、配信機能によって、その後ユーザ生成オブジェクトの生成過程を動画配信する。
【0069】
また、図示しないが、みるタブT23に切り替えると、配信中の生成過程を視聴する視聴メニューと、公開されているユーザ生成オブジェクトを閲覧する閲覧メニューと、が提示される。視聴メニューからは、後述する図6図7の視聴ボタンB32の選択時と同様に、配信中の生成過程の様子を視聴することができる。閲覧メニューからは、図6図7の閲覧ボタンB33の選択時と同様に、公開されているユーザ生成オブジェクトを閲覧することができる。
【0070】
「ベースからつくる」場合は、ユーザは、サブメニューM21を選択する。図6は、サブメニューM21を選択した場合の画面遷移例を示す図である。先ず、ユーザは、図6(a)のベース指定画面W31にて、ベースにするゲームオブジェクトを指定する。例えば、ベースにしたいユーザ生成オブジェクトのカテゴリ、カテゴリに応じたタイプおよびサブタイプ等を各選択ボックスで選択することで、ベースの指定を行う。その後は、図6(b)の創作画面W33にてベースに対する操作を行って、ユーザ生成オブジェクトを生成する。
【0071】
創作画面W33は、作業ウィンドウW331と、チャットウィンドウW333と、を備える。また、創作画面W33は、配信中のユーザ生成オブジェクトの生成過程の様子を視聴するための視聴ボタンB32と、公開されているユーザ生成オブジェクトを閲覧するための閲覧ボタンB33と、を備える。
【0072】
作業ウィンドウW331には、ベース指定画面W31で指定されたベースのゲームオブジェクトが表示され、パーツ単位で加工や強化等の操作を受け付ける。例えば、ユーザは、色や模様の追加・変更・削除等を行ってデザインを変えたり、素材とする装備や強化素材を合成して能力値を向上させ、或いはスキルを追加する等してパラメータ値を変えるための操作を行う。リセットボタンB34を選択し、ベースの状態に戻して操作をやり直すこともできる。図6(a)では、ベースとして「ロングソード」を指定しているので、創作者ユーザは、パーツ毎に好みのデザインを施したり、素材を自由に組み合わせて合成する等して強化した、オリジナルのロングソードを一から創作することができる。
【0073】
チャットウィンドウW333では、他のユーザとの間でテキストのメッセージを送受できる。動画やスタンプを送受したり、ボイスチャットが行える構成としてもよい。ユーザは、チャットウィンドウW333で他のユーザとチャットしながら、作業ウィンドウW331にてユーザ生成オブジェクトの生成に係る操作を行うことができる。生成過程の様子を配信している場合であれば、視聴者ユーザから感想を聞いたり、アドバイスを求めながら作業することもできる。
【0074】
また、視聴ボタンB32を選択すると、配信中の生成過程の様子を視聴できる。一方、閲覧ボタンB33を選択すると、閲覧時点までに生成されたユーザ生成オブジェクトを閲覧できる。本実施形態では、ユーザの操作に基づいて生成されたユーザ生成オブジェクトは、全て公開されるようになっている。もちろん、生成時にユーザが許可した場合にのみ公開する構成としてもよい。これによれば、ユーザは、例えば、他のユーザによる生成過程の様子や、他のユーザの創作物の外観等を参考にしながら、ユーザ生成オブジェクトを生成することが可能となる。生成過程の配信画面や、ユーザ生成オブジェクトの公開画面は、視聴者ユーザや閲覧者ユーザによる「いいね」の操作や「拍手」の操作、創作者ユーザに向けたコメントの入力、創作者ユーザとのチャットの操作を受け付ける構成となっている。
【0075】
作業ウィンドウW331での操作を終了し、ユーザ生成オブジェクトを完成させる場合には、ユーザは、完成ボタンB35を選択する。図6(b)の例では、作業ウィンドウW331でブレード部分に彫刻の模様を追加し、グリップ部分の色を変更し、ガード部分に強化素材の宝石を合成する操作を行った例を示しており、図6(c)の確認画面W35において、当該操作に基づくユーザ生成オブジェクトの生成例を示している。
【0076】
確認画面W35では、ユーザ生成オブジェクトの外観の他、当該ユーザ生成オブジェクトの生成に際して設定されたパラメータ値についても提示される。パラメータ値は、各種能力値やスキルの他、属性、レア度等を含む。本実施形態では、例えば、予め各種パラメータ値の初期値がベース毎に設定されている。そして、サーバシステム1100は、合成の操作がなされた素材の種類等に応じて初期値を変更することで、パラメータ値の設定を行う。
【0077】
図5に戻る。「テンプレートを使う」場合は、ユーザは、サブメニューM23を選択する。図7は、サブメニュー23を選択した場合の画面遷移例を示す図である。先ず、ユーザは、図7(a)のテンプレート指定画面W41にて、使用するテンプレートを指定する。テンプレート指定画面W41にて指定することができるテンプレートには、ゲームの開始初期から使用が可能なテンプレートの他、ユーザがゲームプレイ中に入手したテンプレートや、プレイレベルに応じて使用可能となったテンプレート等が含まれる。ユーザは、使用するテンプレートを選択することで、テンプレートの指定を行う。その後は、図7(b)の創作画面W43にてテンプレートに対する操作を行って、ユーザ生成オブジェクトを生成する。
【0078】
ここで、テンプレートは、例えば、主要な装備アイテム等について用意され、基本的には、外観を変えて好みのデザインのものを作りたいとき等に使用する。パラメータ値については、予めテンプレート毎に設定される規定値を用いる。テンプレートの種類によっては、付属品の装着部位に強化素材や専用のアクセサリーを装着することでパラメータ値の強化が可能なものも含まれる。その場合のパラメータ値の設定は、テンプレートに定められた規定値を装着された素材に応じて変更することで実現できる。
【0079】
創作画面W43は、図6(b)の創作画面W33と同様の画面構成とされ、作業ウィンドウW331と、チャットウィンドウW333と、視聴ボタンB32と、閲覧ボタンB33と、を備える。そして、作業ウィンドウW331には、テンプレート指定画面W41で指定されたテンプレートが表示され、図6(b)の作業ウィンドウW331と同様に、パーツ単位で加工や強化等の操作を受け付ける。作業ウィンドウW331での操作を終了してユーザ生成オブジェクトを完成させる場合には、ユーザは、完成ボタンB35を選択する。図7(b)の例では、テンプレート指定画面W41で「魔法使いのマント」を選択し、作業ウィンドウW331にてマント部分に模様を付加し、リボン部分の色を変更する操作を行った例を示しており、図7(c)の確認画面W45において、当該操作に基づくユーザ生成オブジェクトの生成例を示している。
【0080】
図5に戻る。「レシピを使う」場合は、ユーザは、サブメニューM25を選択する。そして、不図示のレシピ選択画面にて、創作レシピを選択する。その後は、続いて表示される不図示の創作画面での手順に従い必要な素材等を選択することで、当該創作レシピに係るゲームオブジェクトを生成することができる。
【0081】
ここで、創作レシピは、特定のゲームオブジェクトの生成に必要な素材の種類、数、組み合わせ、素材を合成する順番等を定めたものである。創作レシピは、例えば、ゲームプレイ中に入手することができる。ユーザは、目的のゲームオブジェクトについて創作レシピを入手できたときには、必要な素材を集めた上で上記した創作画面での手順に従って操作を行うことで、当該ゲームオブジェクトをユーザ生成オブジェクトとして生成することができる。
【0082】
1-3.量産メニュー
図8および図9は、量産メニューM15からの画面遷移例を示す図である。量産メニューM15では、サーバシステム1100は、生産オブジェクトの量産機能により、生産者ユーザの操作に基づいて生産オブジェクトを複数生産する。
【0083】
量産メニューM15は、ユーザが量産スキルを有していると表示される。本実施形態では、量産メニューM15を選択するとサブメニュー画面W51が表示され(図8(a))、ユーザ自身が所望の生産個数や生産期間を指定して生産を行うためのサブメニューM51が表示される。
【0084】
一方で、ユーザは、量産スキルを獲得すると、オブジェクトメーカーのキャラクタとして、他のユーザからの生産依頼を請け負うことができるようになる。依頼があったときには、図8(a)に示すように、サブメニュー画面W51において、依頼を受けて生産するためのサブメニューM53が選択可能に表示される。
【0085】
サブメニューM51を選択した場合は、ユーザは、先ず、不図示のオブジェクト指定画面にて手持ちのユーザ生成オブジェクトを1つ選び、原型オブジェクト(生産するユーザ生成オブジェクト)を指定する。続いて、図8(b)の生産情報指定画面W53にて、生産個数を入力欄IB51に入力し、生産期間を入力欄IB53に入力する。そして、図8(c)のコスト確認画面W55にて生産コストを確認する。コスト確認画面W55には、生産を行うのに必要となる生産コストが表示される。ここでの処理は、サーバシステム1100が、後述するコスト算出処理と、コスト通知処理と、を実行することで実現される。
【0086】
生産コストは、例えば、生産者ユーザがゲームの運営側に対価として支払うゲームコインの消費額である。ユーザは、生産オブジェクトを生産するときには、生産コスト分のゲームコインを支払う。本実施形態では、生産コストは、原型とするユーザ生成オブジェクトの評価値を基準にして、生産個数や生産期間等を加味して算出される。
【0087】
ユーザは、図8(c)のコスト確認画面W55にて生産コストを確認したならば、生産コストの支払いを済ませた後、生産情報指定画面W53にて生産開始ボタンB5を選択する。生産開始ボタンB5は、支払い後に選択できるようになる。その後は、生産期間が経過すると、図8(d)の生産終了画面W57が表示されて、生産オブジェクトの生産が終了する。ここでの処理は、サーバシステム1100が、オブジェクト生産処理を実行することで実現できる。
【0088】
具体的には、サーバシステム1100は、生産者ユーザの量産スキルに応じた再現度および良品生産率を用いて原型のユーザ生成オブジェクトを再現したゲームオブジェクトを生成する処理を行うことで、生産オブジェクトを生産する。そして、サーバシステム1100は、生産期間の経過を待って、生産オブジェクトを生産者ユーザのユーザ所有オブジェクトとして追加する制御を行う。
【0089】
必ずしも指定した生産数個の生産オブジェクトを生産できるとは限らない。サーバシステム1100は、良品生産率が低いときには、実際の生産個数を指定された予定の生産個数よりも少なくする制御を行うからである。また、生産オブジェクトの中には、その外観が原型のユーザ生成オブジェクトを完全には再現できていないものも含まれ得る。サーバシステム1100は、再現度によっては、一部又は全部の生産オブジェクトを、原型のユーザ生成オブジェクトと比べて模様が粗いもの、似たような色味ではあるが同じではないもの、パラメータ値が劣ったもの等として生成するからである。
【0090】
次に、受託生産の流れについて、図9を参照して説明する。本実施形態では、量産スキルを持たないユーザは、例えば、図9(a)に示すように、ゲーム世界内にゲームスポットとして配置された量産工場(オブジェクトメーカー)11で、量産スキルを有するユーザ(有資格者ユーザ)のキャラクタに生産オブジェクトの生産を依頼することができる。
【0091】
量産スキルを持たない依頼主ユーザのキャラクタ13が量産工場9を訪れると、有資格者ユーザの一覧が表示される。依頼主ユーザは、先ず、一覧の中から希望の有資格者ユーザを探して、依頼先に指定する。そして、ユーザは、依頼先を指定すると表示される不図示の生産情報指定画面にて生産個数および生産期間を入力し、不図示のコスト確認画面にて報酬付きコストを確認する。そして、ユーザは、報酬付きコスト分のゲームコインを支払って、依頼先ユーザに対する生産依頼を終了する。
【0092】
報酬付きコストは、上記した生産コストに、有資格者ユーザへの報酬額を上乗せした額とされる。報酬額は、例えば、依頼先の有資格者ユーザ(依頼先ユーザ)の量産スキルに応じて設定することができる。量産スキルのランクが高いほど報酬額を高額にする等の設定が可能である。
【0093】
なお、報酬額は、量産スキルのランクを問わずに、一律の額としてもよい。また、有資格者ユーザが、徴収する報酬額を設定可能な構成とすることもできる。或いは、依頼主ユーザが希望額を入力して、依頼先ユーザと交渉できるようにしてもよい。
【0094】
また、量産工場は、量産スキルを有するユーザ毎に別個のゲームスポットとしてゲーム世界内に配置された構成とすることもできる。その場合は、1)高ランクの有資格者ユーザが構える量産工場であるために高い再現度や良品生産率で依頼通りの納品が期待できるものの割高な量産工場や、2)低ランクの有資格者ユーザが構える量産工場であるために再現度や良品生産率は低いが安く仕上がる量産工場、等の生産能力の異なる量産工場をゲーム世界内に点在させることが可能となる。
【0095】
また、依頼先のゲームキャラクタは有資格者ユーザのキャラクタ(プレーヤキャラクタ)である必要はなく、コンピュータ制御の有資格者キャラクタとする構成でもよい。
【0096】
さて、上記の要領で生産依頼があったときには、依頼先ユーザのユーザ端末1500には、サブメニュー画面W51において受託生産を行うサブメニューM53が表示されることとなる(図9(b))。依頼先ユーザは、依頼を請け負う場合には、サブメニューM53を選択して、図9(c)の依頼画面W61にて、依頼主ユーザや生産個数、生産期間、報酬額等の依頼内容を確認する。そして、サブメニューM51を選択した場合と同様の要領で所定のコスト確認画面から生産コストを支払い、生産情報指定画面W63にて生産開始ボタンB6を選択する。その後は、サーバシステム1100は、生産期間の経過を待って、依頼主ユーザのユーザ所有オブジェクトに生産オブジェクトを追加する制御を行う。また、サーバシステム1100は、依頼主ユーザが報酬付きコストとして依頼時に支払ったゲームコインを、依頼先ユーザ(生産者ユーザ)に付与する制御を行う。なお、依頼先ユーザが依頼主ユーザからの依頼を受けないまま所定時間が経過したときには、サーバシステム1100は、依頼主ユーザの生産依頼を取り消して、支払われたゲームコインを依頼主ユーザに返金する。
【0097】
なお、生産オブジェクトの生産又は生産依頼の際に指定を受け付ける生産個数は、量産スキルのランクに応じて指定可能な上限が設定される構成とすることもできる。例えば、サーバシステム1100は、量産スキルのランクが低いほど、上限の生産個数を少なく設定する。量産スキルのランクが所定のランク以上の場合は、上限値を設定しない等の構成も可能である。
【0098】
1-4.マーケットメニュー
図3に戻り、マーケットメニューM19は、ユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトをユーザ間で取引するためのメニューである。図10は、マーケットメニューM19からの画面遷移例を示す図である。マーケットメニューM19を選択するとサブメニュー画面W71が表示され(図10(a))、出品メニューM71と、検索メニューM73と、が提示される。ユーザは、手持ちのユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトを出品したい場合は出品メニューM71を選択する。そして、出品オブジェクト指定画面W72にて、出品するユーザ生成オブジェクト又は生産オブジェクトを出品オブジェクトとして選択し、取引価格を確認した上で(図10(b))、当該出品オブジェクトをマーケットに出品する。
【0099】
取引価格については、取引価格設定処理で設定される。詳細は後述するが、取引価格設定処理では、サーバシステム1100は、出品オブジェクトがユーザ生成オブジェクトなのか生産オブジェクトなのかに応じた取引価格の設定を行う。
【0100】
なお、取引の形態は、例示した有償での譲渡に限らず、取引相手のユーザのユーザ所有オブジェクトと交換するトレードや、無償で行う譲渡等でもよい。
【0101】
一方、ユーザは、図10(a)のサブメニュー画面W71にて検索メニューM73を選択することで、欲しいユーザ生成オブジェクトを探して購入することができる。その場合は、ユーザは、先ず、検索条件指定画面W73にて入力欄IB7にキーワードを入力したり、選択ボックスSB71,SB73,SB75,・・・でカテゴリ等の分類を選択して、検索条件を指定する(図10(c))。
【0102】
サーバシステム1100は、検索条件指定画面W73での検索条件の指定を検出すると、全ての出品オブジェクトの中から検索条件に合致する出品オブジェクトを検索し、取引候補のユーザ生成オブジェクト(以下「取引候補オブジェクト」ともいう)として抽出する。そして、サーバシステム1100は、取引候補画面W8において、取引候補オブジェクトを選択可能に一覧表示する制御を行う(図10(d))。ここでの表示の詳細については後述する。
【0103】
ユーザが取引候補画面W8において一覧の中から取引候補オブジェクトO7を選択すると、取引画面W75が表示される(図10(e))。取引画面W75では、選択した取引候補オブジェクトの取引価格を提示して、取引実行の操作を受け付ける。取引実行ボタンB71が選択された場合には、サーバシステム1100は、取引ユーザから徴収した取引価格分のゲームコインを出品者ユーザに支払って、当該取引候補オブジェクトに係る取引を行う。
【0104】
また、取引画面W75では、取引ユーザは、取引候補オブジェクトのパラメータ値や生成過程情報、生産者情報を確認することができる。サーバシステム1100は、取引画面W75にて情報表示ボタンB73が選択された場合には、図10(f)のパラメータ値画面W76を表示し、パラメータ値データ545又は596を参照して、取引候補オブジェクトのパラメータ値を表示する制御を行う。
【0105】
また、サーバシステム1100は、情報表示ボタンB75が選択された場合には、図10(g)の生成過程情報画面W77を表示して、取引候補オブジェクトに係る生成過程情報を表示する制御を行う。例えば、取引候補オブジェクトがユーザ生成オブジェクトの場合には、サーバシステム1100は、そのユーザ生成オブジェクト情報540から生成過程情報550を読み出して表示する。取引候補オブジェクトが生産オブジェクトの場合には、サーバシステム1100は、その原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540から生成過程情報550を読み出して表示する。
【0106】
また、サーバシステム1100は、取引候補オブジェクトが生産オブジェクトの場合に、生産者情報を表示するための情報表示ボタンB77を選択可能に表示する制御を行う。そして、取引画面W75にて情報表示ボタンB77が選択された場合には、サーバシステム1100は、図10(h)の生産者情報画面W78を表示して、当該生産オブジェクトの生産者情報を表示する制御を行う。例えば、サーバシステム1100は、当該生産オブジェクトの生産オブジェクト情報590を参照して、生産者ユーザや、生産時点での当該生産者ユーザの量産スキルのランク等を表示する制御を行う。
【0107】
ここで、本実施形態においてマーケットメニューM19で取引の対象となるのは、ユーザ生成オブジェクトと、ユーザ生成オブジェクトが原型の生産オブジェクトと、である。これらの中には、デザインが斬新で手間のかかった珍しいユーザ生成オブジェクトや、そのようなユーザ生成オブジェクトを原型とした生産オブジェクトもあれば、デザイン性が低くパラメータ値の設定もよくあるようなありふれたものも混在する。そのため、取引候補画面W8において取引候補オブジェクトを単に出品の順や価格の順に並べて一覧表示するのでは、珍しいものがあっても他の取引候補に埋もれてしまって探し難い問題があった。そこで、本実施形態では、サーバシステム1100は、取引候補画面W8を表示する際に優遇表示制御を行って、手間のかかった取引候補オブジェクト等が目につき易いようにする。
【0108】
また、本実施形態では、生産オブジェクトの生産に際して生産者に生産コストの支払いを要求することとしているが、その際に、原型オブジェクトが手間のかかった珍しいものなのかを考慮する。量産機能によれば、例えば、滅多に入手できない希少な強化素材を使用したユーザ生成オブジェクトを、当該強化素材の入手過程を省略して量産できることになる。そのようなユーザ生成オブジェクトと、簡単で誰でも作れるようなユーザ生成オブジェクトや、似たものがマーケットで多く出品されている等ゲーム内流通量が多く、直ぐに入手できるようなユーザ生成オブジェクトと、では価値が大きく異なるからである。
【0109】
そのために、本実施形態では、サーバシステム1100は、新たなユーザ生成オブジェクトの生成時において、その生成過程に関する生成過程情報を含むユーザ生成オブジェクト情報を生成するユーザ生成オブジェクト情報生成処理と、少なくとも生成過程情報を用いて当該ユーザ生成オブジェクトを評価する評価処理と、を実行する。
【0110】
一方、サーバシステム1100は、量産メニューM15から行う生産オブジェクトの生産に先立ち、原型とするユーザ生成オブジェクトの評価値を用いて生産コストを算出するコスト算出処理と、生産コストを生産者ユーザに通知するコスト通知処理と、を実行する。生産オブジェクトの生産を行った場合には、サーバシステム1100は、生産オブジェクト情報を生成する生産オブジェクト情報生成処理を実行する。
【0111】
また、サーバシステム1100は、マーケットメニューM19での出品に際し、出品オブジェクトがユーザ生成オブジェクトなのか生産オブジェクトなのかに応じて取引価格を設定する取引価格設定処理を実行する。取引候補画面W8の表示に際しては、サーバシステム1100は、ユーザ生成オブジェクト情報540に基づく優遇表示制御を行って、複数の取引候補オブジェクトを選択可能に表示する表示制御処理を実行する。取引候補オブジェクトがユーザ生成オブジェクトの場合はそのユーザ生成オブジェクト情報540基づく優遇表示制御を行い、生産オブジェクトの場合はその原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540に基づく優遇表示制御を行う。
【0112】
2.ユーザ生成オブジェクト情報生成処理
ユーザ生成オブジェクト情報生成処理では、サーバシステム1100は、新たに生成されたユーザ生成オブジェクトについて、その生成過程に関する生成過程情報を含むユーザ生成オブジェクト情報を生成する。
【0113】
図11は、ユーザ生成オブジェクト情報540のデータ構成例を示す図である。図11に示すように、ユーザ生成オブジェクト情報540は、当該ユーザ生成オブジェクトに固有のユーザ生成オブジェクトID541と、創作者ユーザ情報543と、パラメータ値データ545と、生成過程情報550と、評価値579と、優遇表示用設定580と、を含む。
【0114】
創作者ユーザ情報543は、当該ユーザオブジェクトの創作者ユーザのユーザ名と、ゲームのプレイレベルと、ゲームのプレイ時間と、創作スキルのランクと、属性と、を格納する。
【0115】
パラメータ値データ545は、当該ユーザ生成オブジェクトの各種能力値やスキル、属性、レア度等の各種パラメータ値を格納する。パラメータ値データ545は、当該ユーザ生成オブジェクトがゲームで使用されると成長する構成の場合には、最新のパラメータ値で随時更新される。
【0116】
生成過程情報550は、当該ユーザオブジェクトの生成に要した時間である生成時間551と、当該ユーザオブジェクトの生成に要した工程数553と、素材情報560と、テンプレート使用情報571と、レシピ使用情報573と、創作者ユーザの操作履歴情報であって、生成過程でなされた他のユーザとのコミュニケーションに係る操作履歴情報575と、コミュニケーション相手リスト577と、を格納する。
【0117】
工程数553は、図5のサブメニュー画面で創作開始ボタンB2を選択した後、ユーザ生成オブジェクトが完成するまでの間に創作者ユーザが行った当該ユーザ生成オブジェクトの生成に係る操作の回数として設定される。具体的には、サーバシステム1100は、例えば、生成過程での各種画面で創作者ユーザがボタンや選択ボックス、入力欄に対して行った操作の回数、図6図7の作業ウィンドウW331でのベースやテンプレートに対して行った操作の回数等の合計回数を、工程数553として格納する。
【0118】
素材情報560は、当該ユーザ生成オブジェクトの生成に用いた素材毎に用意され、当該素材の種類561と、使用した数563と、入手難易度565と、を格納する。
【0119】
入手難易度565は、当該素材が入手困難なものであれば高難易度、容易に入手できるものであれば低難易度として設定される。例えば、サーバシステム1100は、開催時期が限られた特定のイベントをクリアすると入手可能な素材や、プレイレベルが所定の高レベルに達すると入手可能な素材、なかなか出現しない敵キャラクタに勝利すると入手可能な素材等の場合に、入手難易度565を高難易度として設定する。また、当該素材がユーザ生成オブジェクトの場合の入手難易度565は、当該ユーザ生成オブジェクトについて評価処理で算出された評価値をもとに設定することができる。例えば、評価値が高いほど高難易度とするといった具合である。
【0120】
テンプレート使用情報571は、当該ユーザ生成オブジェクトを生成するのにテンプレートを使用したか否かの情報と、テンプレートを使用した場合は当該テンプレートの種類と、を格納する。
【0121】
レシピ使用情報573は、当該ユーザ生成オブジェクトを生成するのに創作レシピを使用したか否かの情報と、創作レシピを使用した場合は当該創作レシピの種類と、を格納する。
【0122】
操作履歴情報575は、他のユーザがユーザ生成オブジェクトを生成した情報を閲覧した旨の情報として、創作者ユーザが図6図7の視聴ボタンB32から生成過程の様子を視聴した視聴回数と、図6図7の閲覧ボタンB33からユーザ生成オブジェクトを閲覧した閲覧回数と、を格納する。また、操作履歴情報575は、ユーザ生成オブジェクトの生成に関する他ユーザとのコミュニケーション情報として、創作者ユーザが配信の視聴時に行った「いいね」や「拍手」の操作の回数と、当該視聴時に行ったコメントの送信回数と、閲覧時に行った「いいね」や「拍手」の操作の回数と、当該閲覧時に行ったコメントの送信回数と、図6図7のチャットウィンドウW333でのチャットの回数(他のユーザとのメッセージの送受信回数)と、視聴画面又は視聴画面でのチャットの回数と、を格納する。
【0123】
コミュニケーション相手リスト577は、創作者ユーザが生成過程でチャットを行ったコミュニケーション相手のユーザIDを格納する。
【0124】
その他、生成過程情報550には、図6図7の作業ウィンドウW331でリセットボタンB34を選択した回数、作業ウィンドウW331での作業中に元に戻す操作を行った回数、或いはそれらの合計回数を失敗回数等として含めることができる。また、描画ツールを使用して当該ユーザ生成オブジェクトのデザインをした等の場合には、使用した描画ツールでの操作の内容を含めることができる。
【0125】
評価値579は、当該ユーザ生成オブジェクトについて評価処理で算出された評価値を格納する。
【0126】
優遇表示用設定580は、当該ユーザ生成オブジェクトを優遇表示制御の対象(優遇表示対象)とするか否かを示すフラグ情報581と、優遇表示対象とする場合は優遇表示期間583と、を格納する。この優遇表示用設定580は、当該ユーザ生成オブジェクトについて行う優遇表示制御に関する設定であり、取引候補画面W8において当該ユーザ生成オブジェクトを取引候補オブジェクトとして表示する際に参照される。例えば、サーバシステム1100は、当該ユーザ生成オブジェクトの評価値579が所定値以上の場合に、「優遇表示対象とする」としてフラグ情報581の設定を行う。また、その場合には、サーバシステム1100は、例えば、当該ユーザ生成オブジェクトの生成時からの期間として優遇表示期間583を設定する。したがって、フラグ情報581が優遇表示対象とする設定の場合であっても、優遇表示期間583を経過している場合には、優遇表示対象とはされない。例えば、優遇表示期間583は、評価値579が高いほど長い期間とされる。
【0127】
3.評価処理
評価処理では、サーバシステム1100は、評価対象のユーザ生成オブジェクトを評価する。本実施形態では、サーバシステム1100は、ユーザ生成オブジェクト情報生成処理で生成された当該ユーザ生成オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540を参照して、評価値を算出する。具体的には、評価値は、例えば、評価項目毎のn個の係数Knに基づく評価関数(1)を用いて算出する。
評価値=f{K1,K2,・・・,Kn} ・・・(1)
【0128】
評価項目は適宜設定することができるが、少なくとも、生成過程情報に関する評価項目が含まれる。例えば、(a)プレイレベル、(b)創作スキル、(c)生成時間、(d)工程数、(e)素材の入手難易度、(f)テンプレート又は創作レシピを使用したか否か、(g)他のユーザによる配信の視聴状況、(h)他のユーザの創作物の閲覧状況、(i)他のユーザとのコミュニケーション状況、の各評価項目が挙げられる。
【0129】
そして、評価処理では、サーバシステム1100は、当該ユーザ生成オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540を用いて、(a)~(i)の評価項目に係る各係数Kn(本例ではn=9)を決定する。例えば、(a)~(i)の評価項目毎に、当該評価項目に係る係数Knの算出式を用意しておくことで実現できる。そして、サーバシステム1100は、決定した(a)~(i)の各評価項目に係る係数Knを用い、評価関数(1)に従って、当該ユーザ生成オブジェクトの評価値を算出する。
【0130】
(a)プレイレベル
プレイレベルに係る係数は、創作者ユーザ情報543を参照して決定する。例えば、サーバシステム1100は、プレイレベルが高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、プレイレベルが高いユーザの創作物は、評価値が高くなる。なお、当該係数は、プレイレベルが低いほど値が大きくなるように決定することとしてもよい。
【0131】
(b)創作スキル
創作スキルに係る係数は、創作者ユーザ情報543を参照して決定する。例えば、サーバシステム1100は、創作スキルのランクが高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、創作スキルのランクが高いユーザの創作物は、評価値が高くなる。なお、当該係数は、評価スキルのランクが低いほど値が大きくなるように決定することとしてもよい。
【0132】
(c)生成時間
生成時間に係る係数は、生成時間551を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、生成時間551が長いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。創作に長い時間をかけたユーザ生成オブジェクトは手間がかかっているとして、評価値を高く算出することが可能となる。
【0133】
(d)工程数
工程数に係る係数は、工程数553を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、工程数553が多いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。生成過程でなされたユーザ生成オブジェクトの生成に係る操作の回数が多いほど手間がかかっているとして、評価値を高く算出することが可能となる。
【0134】
(e)素材の入手難易度
素材の入手難易度に係る係数は、入手難易度565を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、入手難易度565が高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。使用した素材が入手困難なものの場合、その入手に手間がかかっているとして、評価値を高く算出することが可能となる。
【0135】
(f)テンプレート又は創作レシピを使用したか否か
テンプレート又は創作レシピを使用したか否かに係る係数は、テンプレート使用情報571およびレシピ使用情報573を参照して決定する。例えば、サーバシステム1100は、当該ユーザ生成オブジェクトを生成するのにテンプレート又は創作レシピを使用している場合に比べて、何れも使用していない場合(本実施形態では、ベースを用いて一から創作された場合)の値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、テンプレート等を使用せず一から創作されたものは手間がかかっているとして、評価値を高く算出することが可能となる。
【0136】
(g)他のユーザによる配信の視聴状況
他のユーザによる配信の視聴状況に係る係数は、操作履歴情報575を参照して決定する。例えば、サーバシステム1100は、生成過程の配信の視聴回数が少ないほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。視聴回数が少ない場合、創作時に他人の生成過程を参考にしていないためオリジナリティの高いものであると判断して、評価値を高く算出することができる。
【0137】
なお、当該係数は、視聴回数が多いほど値が大きくなるように決定してもよい。視聴回数が多い場合、様々なユーザの生成過程を参考にして創作を行っており、手間がかかっているともいえる。また、視聴回数にかえて、当該視聴時に行った「いいね」や「拍手」の操作の回数、当該視聴時に行ったコメントの送信回数をもとに当該係数を決定してもよい。或いは、視聴回数や「いいね」等の操作の回数、およびコメントの送信回数を組み合わせて用いて、当該係数を決定するとしてもよい。
【0138】
(h)他のユーザの創作物の閲覧状況
他のユーザの創作物の閲覧状況に係る係数は、操作履歴情報575を参照して決定する。例えば、サーバシステム1100は、公開されたユーザ生成オブジェクトの閲覧回数が少ないほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。閲覧回数が少ない場合、創作時に他人のユーザ生成オブジェクトを参考にしていないためオリジナリティの高いものであると判断して、評価値を高く算出することができる。
【0139】
なお、当該係数は、(g)の視聴回数の場合と同様に、閲覧回数が多いほど値が大きくなるように決定してもよい。また、閲覧回数の他、当該閲覧時に行った「いいね」や「拍手」の操作の回数、当該閲覧時に行ったコメントの送信回数をもとに当該係数を決定してもよいし、それらを組み合わせて用いて当該係数を決定するとしてもよい。
【0140】
(i)他のユーザとのコミュニケーション状況
他のユーザとのコミュニケーション状況に係る係数は、操作履歴情報575を参照して決定する。例えば、サーバシステム1100は、図6図7のチャットウィンドウW333でのチャットの回数が少ないほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。チャットの回数が少ない場合、他のユーザからアドバイスを受けたりしていないためオリジナリティの高いものであると判断して、評価値を高く算出することができる。
【0141】
なお、当該係数は、(g)の視聴回数等の場合と同様に、チャットの回数が多いほど値が大きくなるように決定してもよい。また、コミュニケーション相手リスト577を参照し、コミュニケーション相手の数(つまり、生成過程でチャットを行った他のユーザの数)を計数して用いて、当該係数を決定するとしてもよい。或いは、視聴画面や公開画面でのチャットの回数、「いいね」等の操作の回数、コメントの送信回数を組み合わせて用いて、当該係数を決定するとしてもよい。
【0142】
また、(a)~(i)の評価項目以外にも、創作者ユーザのゲームプレイ時間、属性、使用した素材の種類や数、使用したテンプレートの種類、使用した創作レシピの種類等の評価項目に係る係数をユーザ生成オブジェクト情報540を参照して決定し、評価値の算出に用いることとしてもよい。
【0143】
4.コスト算出処理
コスト算出処理では、サーバシステム1100は、生産者ユーザが生産オブジェクトを生産する際に要求する生産コストを算出する。基本的には、原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540を参照し、評価値579が高いほど高額になるように、生産コストの算出を行う。
【0144】
本実施形態では、サーバシステム1100は、先ず、原型オブジェクトの評価値579に加えて、(j)生産者ユーザの量産スキルと、(k)生産時点での原型オブジェクトのゲーム内流通量と、を用いて、次式(2)に従って1個当たりの生産コスト(以下「単位コスト」という)を算出する。係数Kαは(j)生産者ユーザの量産スキルに係る係数であり、Kβは(k)生産時点でのゲーム内流通量に係る係数である。基準コストは、予め設定しておけばよい。
単位コスト=基準コスト×評価値×Kα×Kβ ・・・(2)
【0145】
(j)量産スキル
量産スキルに係る係数Kαは、生産者ユーザの量産スキルのランクを用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、ランクが低いほど値が大きくなるように、係数Kαを決定する。これによれば、量産スキルのランクが上がるにつれて、生産コストを低く調整することができる。なお、ランクが高いほど値が大きくなるように決定するのでもよい。
【0146】
(k)ゲーム内流通量
ゲーム内流通量に係る係数Kβは、原型オブジェクトと所定の相当条件を満たすゲームオブジェクトのゲーム内流通量を、ゲーム内流通量テーブル640(図16を参照)から取得して決定する。例えば、サーバシステム1100は、取得したゲーム内流通量が少ないほど値が大きくなるように、係数Kβを決定する。ゲーム内流通量が少ないものは希少価値が高いといえる。
【0147】
ここで、相当条件は、「外観が近似しており、且つ、パラメータ値が同一の範囲内であること」等として予め定められる。具体的には、比較対象のゲームオブジェクト同士が完全に同じではない場合でも、色の違いが類似色の違いである場合や模様の違いが些細な差である場合、パラメータ値に異なるところがあってもその差が十分に小さい場合は、相当条件を満たす。外観の近似の判定は、例えば、画像に基づく所定の類似度算出処理を用いることができる。算出された類似度が、近似すると認定できる所定の数値範囲内の場合に外観が近似すると判定する。
【0148】
なお、(j),(k)の各係数Kα,Kβ以外にも、例えば、パラメータ値に係る係数や、他のユーザによる原型オブジェクトの評価に係る係数をさらに用いて、単位コストを算出することとしてもよい。
【0149】
パラメータ値に係る係数は、原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540においてパラメータ値データ545に設定されている各種パラメータ値を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、原型オブジェクトのレア度が高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。レア度が低いほど値が大きくなるように決定するのでもよい。また、レア度以外のパラメータ値を用いて決定することとしてもよい。生産オブジェクトが成長する構成の場合には、生産時点でのパラメータ値を生産コストに反映させると好適である。
【0150】
他のユーザによる原型オブジェクトの評価に係る係数は、例えば、生産時点までに公開画面にて原型オブジェクトについてされた「いいね」や「拍手」の操作の回数を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、当該操作の回数が多く評価が高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。当該操作の回数が少なく評価が低いほど値が大きくなるように決定するのでもよい。
【0151】
また、取引回数に係る係数や、在庫数に係る係数をさらに用いて、単位コストを算出することとしてもよい。その場合は、サーバシステム1100は、原型オブジェクトと相当条件を満たすゲームオブジェクトが過去に取引された取引回数を取引実績データ635(図16を参照)から取得する。そして、サーバシステム1100は、例えば、取得した取引回数が少ないほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。また、サーバシステム1100は、原型オブジェクトと相当条件を満たすゲームオブジェクトの在庫数を在庫管理テーブル633(図16を参照)から取得する。そして、サーバシステム1100は、例えば、取得した在庫数が少ないほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。
【0152】
単位コストを算出したならば、サーバシステム1100は、生産個数と生産期間とに基づいて、生産コストを算出する。例えば、サーバシステム1100は、単位コストに生産個数を乗じた額を求め、生産個数および/又は生産期間に応じて増減することで、生産コストを算出する。例えば、生産期間が短い場合には、所定の割増額分増額するとか、生産個数が多い場合には、当該生産個数に応じた割引額分減額する等して、最終的な生産コストを算出する。
【0153】
5.コスト通知処理
コスト通知処理では、サーバシステム1100は、コスト算出処理で算出された生産コストを、生産者ユーザ又は依頼主ユーザのユーザ端末1500に表示させて、当該ユーザに通知する制御を行う。
【0154】
6.生産オブジェクト情報生成処理
生産オブジェクト情報生成処理では、サーバシステム1100は、新たに生産された生産オブジェクト毎に、生産オブジェクト情報を生成する。
【0155】
図12は、生産オブジェクト情報590のデータ構成例を示す図である。図12に示すように、生産オブジェクト情報590は、当該生産オブジェクトに固有の生産オブジェクトID591と、生産者ユーザのユーザID592と、生産者ユーザの量産スキルのランク593と、原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクトIDである原型オブジェクトID594と、原型オブジェクトの創作者ユーザのユーザID595と、パラメータ値データ596と、原価597と、優遇表示用設定600と、を含む。
【0156】
パラメータ値データ596は、当該生産オブジェクトの各種能力値やスキル、属性、レア度等の各種パラメータ値を格納する。パラメータ値データ596は、当該生産オブジェクトがゲームで使用されると成長する構成の場合には、最新のパラメータ値で随時更新される。
【0157】
原価597は、例えば、当該生産オブジェクトの生産にあたって徴収した生産コストを生産個数で除した額を格納する。
【0158】
優遇表示用設定600は、当該生産オブジェクトを優遇表示制御の対象(優遇表示対象)とするか否かを示すフラグ情報601と、優遇表示対象とする場合は優遇表示期間603と、を格納する。サーバシステム1100は、評価値579にかえて原価597を用いることで、ユーザ生成オブジェクト情報540の優遇表示用設定580と同様の要領で優遇表示用設定600を設定する。
【0159】
7.取引価格設定処理
取引価格設定処理では、サーバシステム1100は、マーケットでの取引価格を出品オブジェクトの価値として算出・設定する。なお、設定のタイミングは出品時に限らず、取引の実行時でもよい。その場合は、取引のタイミングで必要な値を取得して、取引価格を算出・設定すればよい。
【0160】
7-1.出品オブジェクトがユーザ生成オブジェクトの場合
出品オブジェクトがユーザ生成オブジェクトの場合は、基本的には、当該ユーザ生成オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540を参照し、評価値579が高いほど高額になるように、取引価格を算出する。本実施形態では、サーバシステム1100は、評価値579に加えて、(l)出品時点での当該ユーザ生成オブジェクトのゲーム内流通量を用いて、次式(3)に従って取引価格を算出する。
取引価格=基準価格×評価値×Kγ ・・・(3)
【0161】
係数Kγは、(l)出品時点でのゲーム内流通量に係る係数である。サーバシステム1100は、当該ユーザ生成オブジェクトと相当条件を満たすゲームオブジェクトのゲーム内流通量をゲーム内流通量テーブル640から取得して用い、係数Kβと同様の要領で決定する。
【0162】
基準価格は、例えば、ゲームオブジェクト毎に、所定の相当条件を満たすユーザ生成オブジェクトが出品された場合に適用する取引価格を予め設定しておくことで実現できる。カテゴリやタイプ、サブタイプ等の分類毎に取引価格を設定しておき、当該ユーザ生成オブジェクトの分類に応じて基準価格を決めてもよい。
【0163】
なお、その他にも、単位コストの算出と同様の要領で、出品時点での当該ユーザ生成オブジェクトの各種パラメータ値や、出品時点での他のユーザによる当該ユーザ生成オブジェクトの評価、取引回数に係る係数、在庫数に係る係数等をさらに用いて、取引価格を算出することとしてもよい。
【0164】
7-2.出品オブジェクトが生産オブジェクトの場合
出品オブジェクトが生産オブジェクトの場合は、基本的には、当該生産オブジェクトの生産オブジェクト情報590を参照し、原価597が高いほど高額になるように、取引価格を算出する。本実施形態では、サーバシステム1100は、原価597に加えて、(m)出品時点での当該生産オブジェクトのゲーム内流通量を用いて、次式(4)に従って取引価格を算出する。
取引価格=原価×KΔ ・・・(4)
【0165】
係数KΔは、(m)出品時点でのゲーム内流通量に係る係数である。サーバシステム1100は、当該生産オブジェクトと相当条件を満たすゲームオブジェクトのゲーム内流通量をゲーム内流通量テーブル640から取得して用い、係数Kβ等と同様の要領で決定する。
【0166】
なお、その他にも、単位コストの算出と同様の要領で、出品時点での当該生産オブジェクトの各種パラメータ値や、取引回数に係る係数、在庫数に係る係数等をさらに用いて、取引価格を算出することとしてもよい。
【0167】
8.表示制御処理
表示制御処理では、サーバシステム1100は、ユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトの取引を希望する取引ユーザが図10(c)の検索条件指定画面W73にて検索条件を指定した場合に、取引候補画面W8を表示して取引候補オブジェクトを選択可能に表示する。そして、その際に、サーバシステム1100は、ユーザ生成オブジェクト情報540に基づく取引候補オブジェクトの優遇表示制御を行う。
【0168】
本実施形態では、サーバシステム1100は、先ず、取引候補オブジェクトのうちの優遇表示対象の取引候補オブジェクトを、第1のグループに振り分ける。具体的には、サーバシステム1100は、取引候補オブジェクトの優遇表示用設定580(図11を参照)又は優遇表示用設定600(図12を参照)に従って、フラグ情報581又は601が優遇表示対象とする設定の取引候補オブジェクトのうち、優遇表示期間583又は603が経過していない取引候補オブジェクトを第1のグループに振り分ける。取引候補オブジェクトのうち、評価値579や原価597の高い取引候補オブジェクトが、第1のグループに振り分けられることとなる。
【0169】
次に、サーバシステム1100は、残った取引候補オブジェクトの中から取引ユーザ向けのおすすめオブジェクトを抽出し、第2のグループに振り分ける。おすすめオブジェクトの抽出は、取引ユーザのユーザ管理データ510(図17を参照)を用いて行う。ここでは、サーバシステム1100は、例えば、取引履歴データ525や検索履歴データ527を参照して、取引ユーザが過去に取引したユーザ生成オブジェクトのカテゴリやタイプ、サブタイプ等の分類、過去の検索時に検索条件として指定した分類やキーワード等をもとに、取引ユーザが興味・関心を持っているゲームオブジェクトの分類や、取引ユーザが好むデザイン等を推定する。そして、サーバシステム1100は、推定結果をもとに取引候補オブジェクトの中からおすすめオブジェクトを抽出して、第2のグループに振り分ける。
【0170】
そして、サーバシステム1100は、残った取引候補オブジェクトを第3のグループに振り分ける。
【0171】
次に、サーバシステム1100は、出品オブジェクト全体の中から、取引ユーザ向けのおすすめオブジェクトを抽出して、第4のグループに振り分ける。第2のグループの振り分け時と同様の推定を、全ての出品オブジェクトを対象に行うことで実現できる。
【0172】
なお、取引ユーザが視聴画面にて生成過程を視聴したユーザ生成オブジェクトの分類や、取引ユーザが公開画面にて閲覧したユーザ生成オブジェクトの分類をさらに用いて、おすすめオブジェクトを抽出することとしてもよい。また、取引ユーザのプレイレベル513や、年齢、性別等に応じたおすすめオブジェクトの抽出を行う構成としてもよい。
【0173】
そして、サーバシステム1100は、取引候補オブジェクトをグループ毎の表示エリアに取引価格の順番で並べた取引候補画面W8を表示することで、当該取引候補オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540に基づく優遇表示制御を実現する。取引価格には、取引候補オブジェクトがユーザ生成オブジェクトであればそのユーザ生成オブジェクト情報540の内容が、生産オブジェクトであればその原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540の内容が、それぞれ反映されている。
【0174】
図13は、取引候補画面W8の画面構成例を示す図である。例えば、取引候補画面W8にはページ番号が表示され、ページを選択することによって取引候補オブジェクトを所定数個ずつ閲覧する構成となっている。ページ送り機能によって取引候補オブジェクトを所定数個ずつ表示し、1ページ目から順番にページをめくりながら閲覧する構成とすることもできる。なお、図13では、取引候補オブジェクトの図示を簡略化して、取引候補オブジェクトを全て四角形で示している。
【0175】
本実施形態では、図13において取引候補画面W8の欄外に示すように、各ページの最上段の表示位置が、第1のグループの表示エリアA81とされる。サーバシステム1100は、当該表示エリアA81にて、第1のグループの取引候補オブジェクトを、例えば、1ページ目の左端の表示位置から取引価格が高い順に並べて表示する。したがって、取引候補画面W8において、手間のかかった珍しいユーザ生成オブジェクトや、そのようなユーザ生成オブジェクトを原型とする生産オブジェクトが目につき易くなる。
【0176】
次に、1ページ目の最上段を除く各表示位置が、第4のグループの表示エリアA82とされる。例えば、サーバシステム1100は、当該表示エリアA82にて、第4のグループのおすすめオブジェクトを、取引価格が高い順に並べて表示する。第4のグループに属する全てのおすすめオブジェクトを閲覧する場合には、ページ内に配置される不図示の表示ボタンを選択する。すなわち、取引価格の順が下位であるため1ページ目に表示できないおすすめオブジェクトについては、当該表示ボタンを選択することで閲覧できる。これによれば、取引ユーザのユーザ管理データ510をもとに、出品オブジェクトの中から抽出したおすすめオブジェクトのうち、取引価格の高いものを取引候補画面W8の1ページ目に表示することが可能である。
【0177】
次に、2ページ目以降の最上段を除く各表示位置であって、第2のグループに属するおすすめオブジェクトの個数分の表示位置が、第2のグループの表示エリアA83とされる。例えば、サーバシステム1100は、当該表示エリアA83にて、第2のグループのおすすめオブジェクトを、取引価格が高い順に並べて表示する。これによれば、取引ユーザのユーザ管理データ510をもとに、取引候補オブジェクトの中から抽出したおすすめオブジェクトを、取引候補画面W8の2ページ目から取引価格の順で表示することが可能となる。
【0178】
そして、第2のグループのおすすめオブジェクトの最後尾以降の表示位置が、第3のグループの表示エリアA84となる。例えば、サーバシステム1100は、当該表示エリアA84にて、第3のグループの取引候補オブジェクトを、取引価格が高い順に並べて表示する。
【0179】
なお、上記の例では、第1~第4のグループ毎に、取引候補オブジェクトやおすすめオブジェクトを取引価格の順に並べて表示する例を説明した。これに対し、評価値579や原価597を用いて並び替えを行う構成としてもよい。また、各オブジェクトの検索時点でのゲーム内流通量や取引回数、在庫数をさらに用いて、優遇表示制御を行うこととしてもよい。その場合は、サーバシステム1100は、取引候補オブジェクトおよびおすすめオブジェクトのそれぞれの取引価格や評価値579、原価597に、当該ゲーム内流通量等を反映させた上で、並び替えに用いることとしてもよい。単位コストの算出時等と同様の要領で、検索時点でのゲーム内流通量等に係る係数を算出することにより実現できる。
【0180】
また、上記の例では、優遇表示対象のユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトについて優遇表示用設定580および優遇表示用設定600を設定し、取引候補画面W8での優遇表示制御に用いる例を説明した。これに対し、優遇表示制御を行う回数又は頻度を設定する構成としてもよい。その場合には、優遇表示用設定580,600において、優遇表示回数又は優遇表示頻度を設定しておく。
【0181】
具体的には、サーバシステム1100は、評価値579や原価597が高いほど優遇表示回数を多く、或いは、優遇表示頻度を高くする設定を行う。そして、表示制御処理では、サーバシステム1100は、フラグ情報581又は601が優遇表示対象とする設定の取引候補オブジェクトのうちのどの取引候補オブジェクトを第1のグループに振り分けるのかを、優遇表示回数又は優遇表示頻度に基づいて決定する。すなわち、優遇表示回数が多い取引候補オブジェクトを優先的に第1のグループに振り分けるようにすることで、優遇表示対象とする設定のユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトを、最低でも優遇表示回数は表示エリアA81に表示されるように制御する。或いは、優遇表示頻度が高い取引候補オブジェクトを優先的に第1のグループに振り分けるようにすることで、優遇表示対象とする設定のユーザ生成オブジェクト等を、最低でもその優遇表示頻度で表示エリアA81に表示されるように制御する。ここでの処理は、出品オブジェクト毎に、取引候補画面での表示エリアA81への表示履歴を記憶しておくことで実現できる。
【0182】
また、上記の例では、取引候補オブジェクトの表示位置と並び順とを制御することで優遇表示制御を行うこととした。これに対し、取引候補オブジェクトの表示サイズを制御することとしてもよい。図14は、本変形例の取引候補画面における取引候補オブジェクトの表示例を示す図である。なお、図14では、図13と同様に取引候補オブジェクトの表示を簡略化して四角形で示している。本変形例では、上記の例のグループ分けはせず、検索条件に合致する取引候補オブジェクトを画面左上から出品の順で表示することとする。そして、その際に、図14に示すように、優遇表示制御をする取引候補オブジェクトO81の表示サイズを、それ以外の取引候補オブジェクトO83と比べて大きい表示サイズで表示する制御を行う。表示サイズの制御によっても、評価値579や原価597の高いユーザ生成オブジェクトが目につき易い表示を実現できる。
【0183】
[機能構成]
1.サーバシステム
図15は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図15に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0184】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0185】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0186】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0187】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびユーザID(アカウント)に紐付けられる各登録ユーザのデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0188】
課金処理部220は、ユーザによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該ユーザに付与する。
【0189】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームであるので、ゲーム管理部230は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0190】
また、ゲーム管理部230は、生成処理部231と、生産処理部233と、配信制御部235と、オブジェクトメーカー制御部237と、ユーザ生成オブジェクト情報生成部239と、評価部241と、コスト算出部243と、コスト通知部245と、生産オブジェクト情報生成部247と、取引価格設定部249と、表示制御部251と、生成過程情報表示制御部253と、メーカー情報表示制御部255と、取引実行制御部257と、を含む。
【0191】
生成処理部231は、ユーザ生成オブジェクトの生成機能を実現するための処理を行う機能部であり、ユーザの操作に基づいて、ユーザ生成オブジェクトを生成する。
【0192】
生産処理部233は、生産オブジェクトの生産機能を実現するための処理を行う機能部である。本実施形態では、生産処理部233は、生産者ユーザの量産スキルのランクに応じた生産能力を生産能力テーブル539から読み出して用いて、ユーザ生成オブジェクトを原型オブジェクトとする生産オブジェクトを生成する。
【0193】
配信制御部235は、配信機能を実現するための処理を行う機能部であり、ユーザがユーザ生成オブジェクトを生成する生成過程の様子を配信する制御を行う。
【0194】
オブジェクトメーカー制御部237は、生産オブジェクトの生産を行うキャラクタ又はゲームスポットであるオブジェクトメーカーであって、生産能力の異なる複数のオブジェクトメーカーを、ゲーム世界に登場させる制御を行う。本実施形態では、生産能力テーブル539において、ユーザが獲得可能な量産スキルのランク毎に、異なる生産能力を定めておく。そして、オブジェクトメーカー制御部237は、ゲーム世界内に量産工場を配置し、ユーザのキャラクタ(プレーヤキャラクタ)を登場させることで、当該制御を行う。
【0195】
ユーザ生成オブジェクト情報生成部239は、ユーザ生成オブジェクト情報生成処理を実行する機能部であり、生成処理部231によってユーザ生成オブジェクトが生成されるたびに、当該ユーザ生成オブジェクトについて、生成過程情報550(図11を参照)を含むユーザ生成オブジェクト情報540を生成する。
【0196】
評価部241は、評価処理を実行する機能部であり、生成処理部231によってユーザ生成オブジェクトが生成されるたびに、生成過程情報550を少なくとも用いて当該ユーザ生成オブジェクトの評価値を算出する。
【0197】
コスト算出部243は、コスト算出処理を実行する機能部であり、生産オブジェクトの生産の対価となる所与の生産コストを、原型オブジェクトの生成過程情報550を含むユーザ生成オブジェクト情報540に基づいて算出する。
【0198】
コスト通知部245は、コスト通知処理を実行する機能部であり、コスト算出部243によって算出された生産コストを生産者ユーザ又は依頼主ユーザに通知する制御を行う。
【0199】
生産オブジェクト情報生成部247は、生産オブジェクト情報生成処理を実行する機能部であり、生産処理部233によって生産オブジェクトが生産された場合に、生産オブジェクト毎に、生産オブジェクト情報590を生成する。
【0200】
取引価格設定部249は、取引価格設定処理を実行する機能部である。本実施形態では、取引価格設定部249は、ユーザ生成オブジェクトの出品時には、その評価値579をもとに、上記式(3)に従って取引価格を算出する。一方、取引価格設定部249は、生産オブジェクトの出品時には、その原価597をもとに、上記式(4)に従って取引価格を算出する。
【0201】
表示制御部251は、表示制御処理を実行する機能部であり、取引候補画面の表示に際し、ユーザ生成オブジェクト情報540に基づく取引候補オブジェクトの優遇表示制御を行う。
【0202】
生成過程情報表示制御部253は、生産オブジェクトの取引の際に、原型のユーザ生成オブジェクトの生成過程情報を表示する制御を行う。本実施形態では、図10(e)の取引画面W75にて情報表示ボタンB75が選択された際に生成過程情報画面W77(図10(g))を表示し、この生成過程情報画面W77にて生成過程情報550を表示制御する処理がこれに該当する。
【0203】
メーカー情報表示制御部255は、生産オブジェクトの取引の際に、当該生産オブジェクトのオブジェクトメーカーを表示する制御を行う。本実施形態では、図10(e)の取引画面W75にて情報表示ボタンB77が選択された際に生産者情報画面W78(図10(g))を表示し、この生産者情報画面W78にて生産者ユーザや量産スキルのランク等を表示制御する処理がこれに該当する。
【0204】
取引実行制御部257は、取引実行機能を実現するための処理を行う機能部であり、ユーザ生成オブジェクトや生産オブジェクトを出品し、その取引の実行を制御する。
【0205】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0206】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0207】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0208】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばユーザ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0209】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0210】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0211】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0212】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0213】
図16は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。図16に示すように、本実施形態におけるサーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ530と、ユーザ生成オブジェクト情報540と、生産オブジェクト情報590と、配信データ610と、公開オブジェクトデータ620と、出品管理データ630と、ゲーム内流通量テーブル640と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0214】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0215】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、ユーザ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図10を参照)の原本である。
【0216】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたユーザ毎に用意され、該当するユーザのユーザ情報を含む当該ユーザのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、図17に示すように、当該ユーザのユーザID511と、決済媒体帳簿データ512と、プレイレベル513と、創作スキルデータ515と、量産スキルデータ516と、所有オブジェクト情報517と、テンプレート使用設定521と、レシピ使用設定522と、プレイ履歴データ523と、取引履歴データ525と、検索履歴データ527と、を含む。また、その他にも、当該ユーザのゲームのプレイ状況に係るセーブデータや、年齢、性別、誕生日等の個人情報等を格納する。
【0217】
決済媒体帳簿データ512は、当該ユーザに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0218】
創作スキルデータ515は、当該ユーザの創作スキルのランクを格納する。量産スキルデータ516は、当該ユーザが量産スキルを獲得している場合に、当該ユーザの量産スキルのランクを格納する。
【0219】
所有オブジェクト情報517は、当該ユーザがゲームの過程で入手し、現時点で所有しているキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクト(ユーザ所有オブジェクト)のリストを格納する。所有するユーザ生成オブジェクトについては、当該ユーザ生成オブジェクトのユーザ生成オブジェクトIDによって識別され、生産オブジェクトについては、当該生産オブジェクトの生産オブジェクトIDによって識別される。
【0220】
テンプレート使用設定521は、当該ユーザが使用可能なテンプレートのリストを格納する。レシピ使用設定522は、当該ユーザが使用可能な創作レシピのリストを格納する。
【0221】
プレイ履歴データ523は、当該ユーザのゲームのプレイ日時やプレイ時間等を格納する。取引履歴データ525は、当該ユーザが行った取引毎に、取引したユーザ生成オブジェクトのカテゴリやタイプ、サブタイプ等の分類を示す分類データ、出品者ユーザのユーザID、取引価格等を格納する。検索履歴データ527は、当該ユーザが検索条件指定画面で検索条件として指定したカテゴリ等の分類を示す分類データや、キーワード等を格納する。
【0222】
図16に戻る。ゲーム設定データ530は、ゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。具体的には、ゲーム設定データ530は、図18に示すように、ゲームオブジェクトデータ531と、ベースデータ533と、テンプレートデータ535と、レシピデータ537と、生産能力テーブル539と、を含む。また、その他にも、例えば、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ、ゲーム中に出現する敵キャラクタの種類や各種パラメータ値、モデルデータ、行動パターン等を定義する敵キャラクタ設定データ等を格納する。
【0223】
ゲームオブジェクトデータ531は、ゲームの過程でユーザが入手し、使用することができるキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトであって、予め用意されるゲームオブジェクト毎に用意される。具体的には、1つのゲームオブジェクトデータ531は、該当するゲームオブジェクトのオブジェクトID、名称、分類データ、各種パラメータ値の設定等を格納する。その他にも、それがキャラクタであれば、モデルデータや動作制御に用いるモーションデータ等を格納する。
【0224】
ベースデータ533は、ベースの種類毎に用意され、当該ベースの名称、当該ベースに係るゲームオブジェクトの分類データ、外観を定義する外観データ、各種パラメータ値の初期値の設定等を格納する。
【0225】
テンプレートデータ535は、テンプレートの種類毎に用意され、当該テンプレートの名称、当該テンプレートに係るゲームオブジェクトの分類データ、外観データ、各種パラメータ値の規定値の設定等を格納する。
【0226】
レシピデータ537は、創作レシピ毎に用意され、当該創作レシピの名称、当該創作レシピに係るゲームオブジェクトのオブジェクトID、分類データ、外観データ、必要な素材の種類や数、合成の順番の設定等を格納する。
【0227】
生産能力テーブル539は、図4に示した量産スキルのランクと生産能力との対応関係を設定したデータテーブルである。
【0228】
ユーザ生成オブジェクト情報540(図11を参照)は、新たにユーザ生成オブジェクトが生成されるたびに、ユーザ生成オブジェクト情報生成部239によって当該ユーザ生成オブジェクトについて生成されて追加される。
【0229】
生産オブジェクト情報590(図12を参照)は、生産オブジェクトの生産が行われるたびに、生産オブジェクト情報生成部247によって生産オブジェクト毎について生成されて追加される。
【0230】
配信データ610は、配信中の生成過程毎に用意される。そして、1つの配信データ610は、当該生成過程に係るユーザ生成オブジェクトの創作者ユーザのユーザID、当該生成過程の動画データ等を格納する。
【0231】
公開オブジェクトデータ620は、創作者ユーザの操作に基づき生成されて公開されたユーザ生成オブジェクト毎に用意され、当該ユーザ生成オブジェクトのユーザ生成オブジェクトIDの他、「いいね」や「拍手」の操作の数等を格納する。
【0232】
出品管理データ630は、出品オブジェクトに関する管理用の各種データを格納する。例えば、出品管理データ630は、出品オブジェクトデータ631と、在庫管理テーブル633と、取引実績データ635と、を含む。
【0233】
出品オブジェクトデータ631は、出品オブジェクト毎に用意される。そして、1つの出品オブジェクトデータ631は、該当する出品オブジェクトのユーザ生成オブジェクトID又は生産オブジェクトID、名称、分類データ、出品者ユーザのユーザID、取引価格等を格納する。出品オブジェクトがユーザ生成オブジェクトの場合で、出品者ユーザが創作者ユーザと異なる場合には、創作者ユーザのユーザIDも格納する。また、出品オブジェクトが生産オブジェクトの場合には、生産者ユーザのユーザIDも格納する。
【0234】
在庫管理テーブル633は、マーケットにおけるユーザ生成オブジェクトおよび生産オブジェクトの在庫数を管理する。本実施形態では、例えば、ゲームオブジェクト毎に、当該ゲームオブジェクトと相当条件を満たすユーザ生成オブジェクト又は生産オブジェクト(以下包括して、当該ゲームオブジェクトの「相当オブジェクト」ともいう)が出品オブジェクトとして出品されている個数を、当該ゲームオブジェクトの在庫数として随時更新して管理する。
【0235】
取引実績データ635は、マーケットにおけるユーザ生成オブジェクトおよび生産オブジェクトの取引回数を管理する。本実施形態では、例えば、ゲームオブジェクト毎に、当該ゲームオブジェクトの相当オブジェクトが過去に取引された取引回数(本実施形態では、マーケットでの相当オブジェクトの販売数)を、当該ゲームオブジェクトの取引回数として随時更新して管理する。
【0236】
ゲーム内流通量テーブル640は、ゲームオブジェクトのゲーム内流通量を管理する。本実施形態では、例えば、ゲームオブジェクト毎に、ゲーム世界にある当該ゲームオブジェクトの数と、その相当オブジェクトの数と、の合計個数をゲーム内流通量として随時更新して管理する。例えば、各ユーザが所有している当該ゲームオブジェクトおよび相当オブジェクトの合計個数と、マーケットに出品されている相当オブジェクトの数と、の合算値として算出することができる。
【0237】
2.ユーザ端末
図19は、ユーザ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図19に示すように、ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0238】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0239】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、ユーザ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0240】
ユーザ端末演算部270は、ユーザ端末1500をユーザのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、ユーザ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0241】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0242】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0243】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0244】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0245】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0246】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0247】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0248】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0249】
端末記憶部500には、ユーザ端末1500を動作させ、ユーザ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0250】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をユーザ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図16を参照)のコピーとする。
【0251】
[処理の流れ]
図20および図21は、ユーザ生成オブジェクトの生成、生産(量産)、および取引の実行に関するサーバシステム1100の処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、図20等では、1つのユーザ端末1500に着目した処理の流れを示している。
【0252】
本処理では、ユーザによるつくるメニューM17(図3を参照)の選択操作を検出した場合に(ステップS1:YES)、生成処理部231が、その後の創作者ユーザによるユーザ生成オブジェクトの生成に係る操作に基づいて、ユーザ生成オブジェクトを生成する(ステップS3)。その際、創作者ユーザによって生成過程の配信が指示された場合には、配信制御部235が、当該生成過程の様子を配信する制御を行う。また、当該ユーザ生成オブジェクトが完成した際に創作者ユーザによって公開の指示がされた場合には、生成処理部231は、当該ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトIDを公開オブジェクトデータ620に追加する。
【0253】
続いて、ユーザ生成オブジェクト情報生成部239がユーザ生成オブジェクト情報生成処理を実行し、ステップS3で生成されたユーザ生成オブジェクトの生成過程情報550を含むユーザ生成オブジェクト情報540を生成する(ステップS5)。そして、評価部241が評価処理を実行し、ステップS3で生成されたユーザ生成オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540を参照して、評価値579を算出する(ステップS7)。
【0254】
また、本処理では、ユーザによる量産メニューM15(図3を参照)の選択操作を検出した場合に(ステップS9:YES)、生産処理部233が、その後の生産者ユーザによる生産に係る操作に基づいて、生産オブジェクトの生産を行う。先ず、受託生産ではない場合は(ステップS11:NO)、生産処理部233は、生産者ユーザの操作を受け付けて、原型オブジェクトの指定と(ステップS13)、生産個数および生産期間の指定と(ステップS15)、を行う。
【0255】
続いて、コスト算出部243が、原型オブジェクトのユーザ生成オブジェクト情報540を参照し、生産個数と生産期間とに基づいて、生産コストを算出する(ステップS17)。そして、コスト通知部245がコスト通知処理を実行し、ステップS17で算出された生産コストを生産者ユーザに通知する制御を行う(ステップS19)。そして、生産処理部233は、生産者ユーザの量産スキルのランクに応じた再現度や良品生産率、単位時間当たりの生産可能量を生産能力テーブル539から読み出して用いて、生産オブジェクトを生産する(ステップS21)。そして、生産処理部233は、生産オブジェクトを、生産者ユーザのユーザ所有オブジェクトとして所有オブジェクト情報517に追加する制御を行う(ステップS23)。その後、図21のステップS33に移行する。
【0256】
一方、受託生産の場合は(ステップS11:YES)、別途依頼主ユーザがゲーム世界の量産工場11(図9を参照)で、原型オブジェクトと、生産個数と、生産期間と、を指定している。そして、依頼主ユーザは、当該指定の際、報酬額を生産コストに上乗せした報酬付き生産コストの支払いを済ませている。そのため、生産処理部233は、それらの原型オブジェクト、生産個数、生産期間、生産コスト、報酬額の情報を取得する(ステップS25)。
【0257】
そして、生産処理部233は、生産者ユーザの量産スキルのランクに応じた再現度や良品生産率、単位時間当たりの生産可能量を生産能力テーブル539から読み出して用いて、生産オブジェクトを生産する(ステップS27)。そして、生産処理部233は、生産オブジェクトを依頼主ユーザのユーザ所有オブジェクトとして所有オブジェクト情報517に追加する制御を行う(ステップS29)。その後、図21のステップS31に移行する。
【0258】
そして、ステップS31では、生産オブジェクト情報生成部247が生産オブジェクト情報生成処理を実行し、ステップS21又はステップS27で生産された生産オブジェクト毎に、生産オブジェクト情報590を生成する。
【0259】
また、本処理では、ユーザによるマーケットメニューM19(図3を参照)での出品メニューM71(図8(a)を参照)の選択操作を検出した場合に(ステップS33:YES)、取引価格設定部249が取引価格設定処理を実行し、当該出品メニューM71で指定されたユーザ生成オブジェクト又は生産オブジェクトである出品オブジェクトの取引価格を設定する(ステップS35)。そして、取引実行制御部257が、ステップS35で設定された取引価格で、出品オブジェクトを出品する制御を行う(ステップS37)。
【0260】
また、ユーザによるマーケットメニューM19(図3を参照)での検索メニューM73(図8(a)を参照)の選択操作を検出した場合には(ステップS39:YES)、取引実行制御部257は、出品オブジェクトの中から、当該検索メニューで指定された検索条件に合致する取引候補オブジェクトを抽出する(ステップS41)。その後、表示制御部251が表示制御処理を実行し、ユーザ生成オブジェクト情報540に基づく取引候補オブジェクトの優遇表示制御を行って、取引候補画面を表示する(ステップS43)。
【0261】
そして、取引候補オブジェクが選択されて取引の実行が指示された場合には(ステップS45:YES)、取引実行制御部257は、当該取引候補オブジェクトの取引の実行を制御する(ステップS47)。また、取引の実行に先立ち、生成過程情報表示制御部253が、ユーザの操作に応じて当該取引候補オブジェクトの生成過程情報を表示する制御を行う。また、当該取引候補オブジェクトが生産オブジェクトの場合に、メーカー情報表示制御部255が、ユーザの操作に応じて当該生産オブジェクトの生産者情報を表示する制御を行う。
【0262】
その後は、ステップS49で終了判定を行い、所定の終了操作がなされるまでの間は(ステップS49:NO)、ステップS1に戻る。
【0263】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザの操作に基づいて生成されたユーザ生成オブジェクトが原型のゲームオブジェクトを、当該ユーザ生成オブジェクトに応じた対価を支払って生産する仕組みが実現できる。この仕組みにより、ゲームに新たな興趣を追加することができる。
【0264】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0265】
例えば、上記実施形態では、ユーザ生成オブジェクトを原型のゲームオブジェクトとして生産オブジェクトを生産する例を説明したが、ユーザ生成オブジェクト以外の手持ちのゲームオブジェクト(ユーザ所有オブジェクト)の生産を行う場合にも同様に適用できる。その場合には、生産者ユーザの量産スキルのランク、プレイレベル、生産時点での当該ゲームオブジェクトのゲーム内流通量、各種能力値やレア度の等のパラメータ値等を用いて、生産コストを算出する。
【0266】
また、上記実施形態では、生産コスト分のゲームコインを対価として支払う構成を例示した。これに対し、対価の支払いは、ゲームコインで支払う構成に限らず、生産コストの額に相当するゲームオブジェクトによって支払う構成も可能である。例えば、レア度が高い等高価値のゲームオブジェクトを所有している場合に、当該ゲームオブジェクトを生産コストに相当する対価として処分するのと引き換えに、生産オブジェクトの生産を行う等としてもよい。
【0267】
また、上記実施形態では、評価値等を用いて生産コストを算出する例を説明したが、生産コストを減額したりゼロにするアイテムを用意しておき、当該アイテムが使用された場合に生産コストを減額等する構成としてもよい。バトルパスの報酬として生産コストを所定期間の間減額等する構成としてもよい。
【0268】
また、上記実施形態では、生産と出品とを別個独立に分けて、生産されたオブジェクトを個別に出品する例を説明したが、生産と出品とを一連の工程として行ってもよい。その場合は、ゲーム世界に生産オブジェクトの取引を行うショップを点在させる構成としてもよい。そして、出品に際しては、出品する卸先のショップや、当該ショップへの出品数を指定できるようにしてもよい。
【0269】
図22は、本変形例において生産オブジェクトの完成時に表示される出品画面W91の一例を示す図である。例えば、出品画面W91は、上記実施形態で例示した図8(d)の生産終了画面W57に続いて表示される。出品画面W91において、ユーザは、前段の生産処理で得られた生産オブジェクト(図22の例では6個の生産オブジェクト)の卸先のショップと、当該ショップへの出品数と、を指定する。より詳細には、本変形例の出品画面W91では、卸先として複数のショップの指定が可能であり、卸先のショップ毎に出品数を指定することができる。図22の例では、生産された6つの生産オブジェクトを、2つのショップSa,Sdに半数ずつ出品する例を示している。出品ボタンB9を選択すると、各ショップSa,Sdに生産オブジェクトが3つずつ出品されることとなる。
【0270】
また、本変形例では、上記の要領で出品を終えた後に、ゲームのホーム画面等から出品オブジェクトの取引状況を確認できるようにすると好適である。図23は、図22での出品に関する取引状況の表示画面W93の一例を示す図である。図23に示すように、表示画面W93には、該当する生産オブジェクトの卸先のショップ毎に、出品数と、既に取引を終えた取引数と、が表示される。この表示画面W93において、ユーザは、生産オブジェクトがどのショップで何個取引されたのかを確認することができる。
【符号の説明】
【0271】
1000,1200…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…生成処理部
233…生産処理部
235…配信制御部
237…オブジェクトメーカー制御部
239…ユーザ生成オブジェクト情報生成部
241…評価部
243…コスト算出部
245…コスト通知部
247…生産オブジェクト情報生成部
249…取引価格設定部
251…表示制御部
253…生成過程情報表示制御部
255…メーカー情報表示制御部
257…取引実行制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
513…プレイレベル
515…創作スキルデータ
516…量産スキルデータ
517…所有オブジェクト情報
521…テンプレート使用設定
522…レシピ使用設定
523…プレイ履歴データ
525…取引履歴データ
527…検索履歴データ
530…ゲーム設定データ
533…ベースデータ
535…テンプレートデータ
537…レシピデータ
539…生産能力テーブル
540…ユーザ生成オブジェクト情報
543…創作者ユーザ情報
545…パラメータ値データ
550…生成過程情報
551…生成時間
553…工程数
560…素材情報
561…種類
563…使用数
565…入手難易度
571…テンプレート使用情報
573…レシピ使用情報
575…操作履歴情報
577…コミュニケーション相手リスト
579…評価値
580…優遇表示用設定
581…フラグ情報
583…優遇表示期間
590…生産オブジェクト情報
592…生産者ユーザID
593…生産者量産スキルランク
594…原型オブジェクトID
595…原型オブジェクト創作者ユーザID
596…パラメータ値データ
597…原価
600…優遇表示用設定
601…フラグ情報
603…優遇表示期間
610…配信データ
620…公開オブジェクトデータ
630…出品管理データ
631…出品オブジェクトデータ
633…在庫管理テーブル
635…取引実績データ
640…ゲーム内流通量テーブル
1500…ユーザ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…ユーザ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
N…ネットワーク
2…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23