(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085008
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】基板の製造方法及び面状光源
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20240619BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240619BHJP
【FI】
H05K3/34 505A
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199286
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 貴之
(72)【発明者】
【氏名】爲本 広昭
【テーマコード(参考)】
5E319
5F142
【Fターム(参考)】
5E319AC02
5E319AC03
5E319BB04
5E319CC33
5E319CD26
5E319GG20
5F142CA11
5F142CE08
5F142DA12
5F142DB16
5F142EA02
5F142EA08
5F142FA46
(57)【要約】
【課題】放熱性を向上できる基板の製造方法及び面状光源を提供すること。
【解決手段】金属コア及び前記金属コアの表面に設けられた導電性の被覆部材を有し、前記被覆部材が前記金属コアよりも融点が低い少なくとも1つの金属部材を準備する工程と、上面視において支持体の第1貫通孔とマスクの第2貫通孔とが重なるように、前記マスクを前記支持体上に配置する工程と、前記第1貫通孔内及び前記第2貫通孔内に前記金属部材を配置する工程と、前記被覆部材を加熱することで溶融させ、溶融した前記被覆部材が前記支持体及び前記マスクに接した導電部材を形成する工程と、を含む、基板の製造方法。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属コア及び前記金属コアの表面に設けられた導電性の被覆部材を有し、前記被覆部材が前記金属コアよりも融点が低い少なくとも1つの金属部材を準備する工程と、
上面視において支持体の第1貫通孔とマスクの第2貫通孔とが重なるように、前記マスクを前記支持体上に配置する工程と、
前記第1貫通孔内及び前記第2貫通孔内に前記金属部材を配置する工程と、
前記被覆部材を加熱することで溶融させ、溶融した前記被覆部材が前記支持体及び前記マスクに接した導電部材を形成する工程と、
を含む、基板の製造方法。
【請求項2】
断面視において、前記第2貫通孔の最小幅が、前記第1貫通孔の最小幅よりも小さい、
請求項1に記載の基板の製造方法。
【請求項3】
前記第2貫通孔は、
断面視において前記第1貫通孔の最小幅よりも小さい幅狭部と、前記第1貫通孔の最小幅よりも大きい幅広部と、有し、
上下方向において、前記幅広部が前記幅狭部と前記第1貫通孔の間に位置する、
請求項2に記載の基板の製造方法。
【請求項4】
前記導電部材を形成する工程において、上下方向における前記幅広部の最大長さが、上下方向における前記金属コアの最大長さよりも短い、
請求項3に記載の基板の製造方法。
【請求項5】
前記支持体が配線を有し、
前記導電部材は、前記配線と電気的に接続される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項6】
前記金属コアが球状である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項7】
前記被覆部材は、前記金属コアの表面の全てを覆っている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項8】
断面視において、前記金属部材の最大長さが、前記金属コアの最大長さの1.4倍以上3倍以下である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項9】
前記金属部材を配置する工程において、前記第1貫通孔における前記マスクの反対側の開口が発光装置で塞がれている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項10】
前記金属コアが銅又は銅合金を含み、前記被覆部材がはんだを含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項11】
第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを有し、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔が形成された支持体と、
前記支持体の前記第1面に配置された発光装置と、
少なくとも一部が前記貫通孔内に配置され、各々が球状である複数の金属コアと、
少なくとも一部が前記貫通孔内に配置され、前記複数の金属コアを覆い、前記発光装置に電気的に接続された導電部材と、
を備え、
上面視において、前記金属コアが前記支持体と重ならず、かつ前記導電部材が前記支持体と重なり、
前記導電部材における前記支持体と重なった部分の上下方向の最大長さが、前記複数の金属コアの少なくとも1つの金属コアの上下方向の最大長さよりも短い、
面状光源。
【請求項12】
前記導電部材における前記支持体と重なった部分の上下方向の最大長さは、前記複数の金属コアの全ての金属コアの上下方向の最大長さよりも短い、
請求項11に記載の面状光源。
【請求項13】
上面視において、前記導電部材の全てが、前記発光装置に重なっている、
請求項11又は請求項12に記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、基板の製造方法及び面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子を有する面状光源は、例えば、液晶ディスプレイのバックライト等に広く利用されている。例えば、特許文献1には、光源部を備えた発光モジュールと、発光モジュールを支持する支持部材と、を備えた面状光源が開示されている。支持部材は、配線層を有する配線基板と、配線層と光源部とを接続する接続部材と、を備える。接続部材は、例えば、バインダー樹脂中に導電性のフィラーが分散された導電ペーストであることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板は、接続部材における更なる放熱性の向上が求められている。本発明に係る実施形態は、放熱性を向上できる基板の製造方法及び面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、基板の製造方法は、金属コア及び前記金属コアの表面に設けられた導電性の被覆部材を有し、前記被覆部材が前記金属コアよりも融点が低い少なくとも1つの金属部材を準備する工程と、上面視において支持体の第1貫通孔とマスクの第2貫通孔とが重なるように、前記マスクを前記支持体上に配置する工程と、前記第1貫通孔内及び前記第2貫通孔内に前記金属部材を配置する工程と、前記被覆部材を加熱することで溶融させ、溶融した前記被覆部材が前記支持体及び前記マスクに接した導電部材を形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、基板の放熱性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態の基板の模式断面図である。
【
図2】本発明の実施形態の基板の製造方法に用いる金属部材の模式断面図である。
【
図3A】本発明の実施形態のマスク配置工程を説明する模式断面図である。
【
図3B】本発明の変形例のマスク配置工程を説明する模式断面図である。
【
図4】本発明の実施形態の金属部材配置工程を説明する模式断面図である。
【
図5A】本発明の実施形態の溶融工程を説明する模式断面図である。
【
図6】本発明の実施形態の面状光源の模式断面図である。
【
図7】
図6のVII部分における模式拡大図である。
【
図8】本発明の実施形態の光源装置の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係等が誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。本明細書では、Z軸の矢印方向を上方とし、Z軸の矢印方向と反対側の方向を下方とする。上方から対象物を見ることを上面視といい、上面視は、平面視と同義である。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本明細書以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
[実施形態]
本実施形態に係る基板1の製造方法を、
図1から
図5Bを参照して説明する。
図1に示すように、基板1の主面に対して平行であり、かつ互いに直交する2方向を、X方向とY方向とする。X方向及びY方向と直交する方向を、Z方向とする。本明細書において、X方向及びY方向と平行な平面を、XY平面と称することがある。また、XY平面においてX方向から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向と称し、Z方向を上下方向と称することがある。
【0011】
基板1は、第1貫通孔23を有する支持体2と、少なくとも一部が第1貫通孔23内に配置されている導電部材3と、金属コア51と、を備える。導電部材3は、少なくとも1つの金属部材5の被覆部材52が溶融することで形成されている。金属部材5は、
図2に示すように、金属コア51と、金属コア51の表面に設けられた導電性の被覆部材52とを備える。被覆部材52は、金属コア51よりも融点が低い。
【0012】
基板1は、金属部材5を準備する工程(以下、「準備工程」という)と、第2貫通孔71を有するマスク7を支持体2上に配置する工程(以下、「マスク配置工程」という)と、第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に金属部材5を配置する工程(以下、「金属部材配置工程」という)と、金属部材5を加熱することで被覆部材52を溶融させて導電部材3を形成する工程(以下、「溶融工程」という)と、を行うことで形成される。
【0013】
準備工程、マスク配置工程、金属部材配置工程、及び溶融工程は、この順に行われてもよいし、マスク配置工程、準備工程、金属部材配置工程、及び溶融工程の順に行われてもよい。
【0014】
基板1の製造方法によれば、導電部材3は、金属製の被覆部材52が溶融することで形成される。これにより、導電部材3が樹脂を含む導電性ペーストである場合に比べて、基板1の放熱性が高くなる。
【0015】
以下、本実施形態に係る基板1の製造方法及び面状光源100を詳細に説明する。
【0016】
(基板1)
基板1は、
図1に示すように、支持体2と、導電部材3と、金属コア51と、を備える。支持体2は、少なくとも導電部材3を支持する。支持体2は板状である。支持体2は、第1面21と、第1面21の反対側の第2面22と、を有する。支持体2は、第1面21から第2面22まで貫通する第1貫通孔23を有する。第1貫通孔23は、上面視において、円形である。第1貫通孔23は、上面視において、楕円形状、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。支持体2の第1貫通孔23は、1つでもよく、複数でもよい。支持体2は、リジッドであってもよく、フレキシブルであってもよい。薄型化を図るために、支持体2は、フレキシブルであることが好ましい。支持体2は、上下方向において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。支持体2の材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ガラスエポキシ、ガラスコンポジット、ガラスポリイミド等を用いることができる。
【0017】
支持体2は、配線4を有することが好ましい。配線4は、支持体2の第1面21側に配置されている。配線4は、支持体2の第1面21の一部である。本実施形態では、支持体2の第1面21の少なくとも一部が、配線4によって構成される。配線4は、支持体2の第2面22側に配置されてもよいし、第1面21側と第2面22側との両方に配置されてもよい。配線4は、支持体2の全面に形成されてもよいし、面の一部に形成されてもよい。配線4の融点は、金属部材5の被覆部材52の融点よりも高いことが好ましい。これによって、溶融工程によって、配線4が溶けることを低減できる。本実施形態では、配線4は、導電性を有する膜で構成されたプリント配線である。配線4の材料としては、例えば、銅膜等の金属膜で構成される。
【0018】
導電部材3は、第1貫通孔23を通して支持体2の第1面21から第2面22まで導電する。金属部材5を加熱し、金属部材5の被覆部材52が溶融することで、導電部材3は形成されている。導電部材3は、少なくとも1つの金属コア51を覆う。本実施形態に係る導電部材3の一部は、配線4と電気的に接続されており、導電部材3の他の一部は、閉塞部材6と電気的に接続される。閉塞部材6としては、例えば、発光装置、一面に配線を有する基板、電子部品等が挙げられる。
【0019】
閉塞部材6は、第1貫通孔23の一方の開口を塞ぐように配置される。閉塞部材6は、上面視において、第1貫通孔23に重なる位置に配置される。上面視において、第1貫通孔23は、閉塞部材6内に収まる。閉塞部材6は、電極824を含む。閉塞部材6の電極824は、導電部材3に接することで、導電部材3に電気的に接続される。閉塞部材6の電極824の少なくとも一部は、上面視において、第1貫通孔23に重なる。上面視において、電極824は、第1貫通孔23の全部に重なってもよいし、第1貫通孔23の一部にのみ重なってもよい。閉塞部材6の電極824は、導電性の部材であればよい。例えば、閉塞部材6の電極824は、発光装置の電極でもよく、基板の配線でもよい。
【0020】
(準備工程)
準備工程は、金属部材5を準備する工程である。金属部材5は、
図2に示すように、金属コア51と、導電性の被覆部材52と、を有する。本実施形態では、金属部材5は、球状である。金属部材5は、例えば、長球状(長楕円体)、棒状、角錘状、円錐状、直方体状、立方体状等であってもよい。
【0021】
金属コア51は、球状であることが好ましい。金属コア51が球状であることで、金属部材5を球状に近い形状にすることができる。このようにすることで、金属部材5を第1貫通孔23及び第2貫通孔71内に配置する際に、隣り合う金属部材5の重心の間隔のバラつきを低減しやすくなる。これにより、被覆部材52が溶融することで形成される導電部材3の形状のバラつきを低減しやすくなる。金属コア51は、例えば、長球状(長楕円体)、棒状、角錘状、円錐状、直方体状、立方体状等であってもよい。被覆部材52は、金属コア51の表面の全てを覆っていることが好ましい。このようにすることで、金属部材5を第1貫通孔23及び第2貫通孔71内に配置する際に、隣り合う金属部材5の重心の間隔のバラつきを低減しやすくなる。これより、導電部材3の形状のバラつきを低減しやすくなる。
【0022】
金属コア51の直径は、40μm以上120μm以下であることが好ましく、より好ましくは、60μm以上100μm以下であり、更に好ましくは、70μm以上90μm以下である。金属コア51の上下方向における最大長さD1は、支持体2の上下方向における最小長さ(厚さ)よりも小さいことが好ましい。このようにすることで、支持体2の厚さを低減することができるので、基板1を薄くしやすくなる。
【0023】
金属コア51の材料としては、例えば、銅、銅合金、銀、銀合金、金、金合金、錫、錫合金等が挙げられる。金属コア51の熱伝導率は、被覆部材52の熱伝導率よりも高いことが好ましい。このような金属コア51を有する金属部材5を用いることで、被覆部材52と同じ材料のみで構成された金属部材5を用いるよりも、導電部材3の放熱性が高くなる。
【0024】
金属コア51は、被覆部材52よりも融点が高い。金属部材5を加熱した際、被覆部材52の全部が溶け、金属コア51が溶けずに残ることが好ましい。金属コア51は、金属部材5を加熱した際、一部が溶けてもよい。導電部材3には、金属コア51の少なくとも一部が含まれていてもよい。また、被覆部材52の全部が溶けずに一部だけが溶けてもよい。
【0025】
被覆部材52は、金属コア51の表面に設けられている。本実施形態では、被覆部材52は、金属コア51の表面の全てを覆う。被覆部材52は、金属コア51の表面の一部に設けられてもよい。被覆部材52の材料としては、はんだを含む。はんだは、はんだめっきが好ましい。はんだめっきとしては、例えば、Sn-Bi合金めっき、Sn-Pb合金めっき、Sn-Cu合金めっき、Sn-Ag合金めっき、リフローSnめっき等が挙げられる。被覆部材52は、はんだめっきと他のめっき(例えば、Niめっき等)との積層体であってもよい。被覆部材52の材料としては、例えば、銀ロウ、銅ロウ、黄銅ロウ等であってもよい。
【0026】
図2に示すように、断面視において、金属部材5の最大長さD2は、金属コア51の最大長さD1に対して、1.4倍以上3倍以下が好ましく、より好ましくは、1.9倍以上2.5倍以下であり、更に好ましくは、2.1倍以上2.3倍以下である。金属コア51の最大長さD1に対して金属部材5の最大長さD2が長くなることにより、導電部材3の体積を大きくしやすくなる。これにより、導電部材3によって第1貫通孔23内を満たしやすくなる。また、金属コア51の最大長さD1に対して金属部材5の最大長さD2が短くなることにより、第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に配置される金属コア51の体積を大きくしやすくなる。金属コア51の熱伝導率が導電部材3の熱伝導率よりも高い場合には、金属コア51の体積が大きくなることにより基板1の放熱性を向上させやすくなる。
【0027】
このような金属部材5は、購入を含む譲受によって準備することができる。または、金属コア51の表面に被覆部材52を設けて、金属部材5を形成する工程を行うことにより準備してもよい。複数の金属部材5の平均粒径は、70μm以上150μm以下であることが好ましく、より好ましくは、90μm以上130μm以下であり、更に好ましくは、100μm以上120μm以下である。本明細書でいう金属部材5の平均粒径は、任意に抽出した5個以上の金属部材5について、走査電子顕微鏡を用いて測定した粒径の平均値である。
【0028】
(マスク配置工程)
マスク配置工程は、支持体2上にマスク7を配置する工程である。マスク7は、例えば、メタルマスクである。マスク7は、
図3Aに示すように、上面と、支持体2に対向する下面と、を備える。マスク7は、上面から下面まで貫通する第2貫通孔71を有する。本実施形態では、第2貫通孔71は、幅狭部711と、幅狭部711と支持体2との間に位置する幅広部712と、を含む。幅狭部711の上端は、マスク7の上面に位置している。幅広部712は、幅狭部711の下端から下方向に行くに従って横方向の長さが長くなっている。幅広部712の下端は、支持体2の下面に位置している。
【0029】
横方向において、幅広部712の長さは、幅狭部711の長さよりも長い。幅広部712の形状は、横方向に直交する任意の断面において、少なくとも一部が幅狭部711の下端から横方向における幅広部712の長さが長くなるように延びている。幅広部712は、幅狭部711の下端の全周にわたって横方向における幅広部712の長さが長くなるように延びてもよい。上面視において、幅狭部711の全周が幅広部712の外縁に囲まれていてもよい。
図3Bに示すように、幅広部712は、幅狭部711の下端の全周のうちの一部から横方向における幅広部712の長さが長くなるように延びる形状であってもよい。上面視において、幅狭部711の全周のうちの一部が幅広部712の外縁よりも内側に位置し、幅狭部711の全周のうちの他の一部が幅広部712の外縁よりも外側に位置していてもよい。
【0030】
上面視において、支持体2の第1貫通孔23とマスク7の第2貫通孔71とが重なるように、マスク7を支持体2上に配置する。
図3Aに示すように、断面視において、第2貫通孔71の最小幅L2が、第1貫通孔23の最小幅L3よりも小さいことが好ましい。第2貫通孔71の最小幅L2は、任意の断面視における第2貫通孔71の横方向の最小長さを意味する。本実施形態では、第2貫通孔71の最小幅L2は、幅狭部711における横方向の最小長さを指す。第1貫通孔23の最小幅L3は、第2貫通孔71の最小幅L2と同じ断面視における第1貫通孔23の横方向の最小長さを意味する。また、本実施形態では、上面視において、幅狭部711の全てが、第1貫通孔23に重なる。このようにすることで、金属部材5を第1貫通孔23及び第2貫通孔71内に配置する際に、金属部材5が支持部材9上に載ることを低減させやすくなる。上面視において、幅狭部711の一部のみが、第1貫通孔23に重なってもよい。
【0031】
幅広部712は、幅狭部711と第1貫通孔23との間に位置する。断面視において、幅広部712の最大幅L1は、第1貫通孔23の最小幅L3よりも大きい。本実施形態では、幅広部712の一部が、支持体2の配線4の一部に面する。このようにすることで、導電部材3が支持体2の配線4に電気的に接続しやすくなる。
【0032】
図5Bに示すように、上面視において支持体2とマスク7の幅広部712とが重なる部分における幅広部712の上下方向の最大長さL42は、上下方向における金属コア51の最大長さD1よりも短いことが好ましい。このようにすることで、被覆部材52が溶融した際に、金属コア51が支持体2と幅広部712との間に入り込みにくくなる。これにより、上下方向において、支持体2と金属コア51が重なることを低減できるので、基板1を薄くしやすくなる。なお、上下方向における幅広部712の最大長さL42とは、第1貫通孔23を構成する支持体2の第1面21の端部から幅広部712までの上下方向における最大長さを意味する。さらに、上下方向における幅広部712の最大長さL41は、上下方向における金属コア51の最大長さD1よりも短いことが好ましい。このようにすることで、被覆部材52が溶融した際に、更に、金属コア51を支持体2の第1面21と幅広部712との間に入り込みにくくできる。
【0033】
第2貫通孔71の幅狭部711の形状としては、上面視において、例えば、円形、楕円形状、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状が挙げられる。第2貫通孔71は、1つでもよく、複数でもよい。第2貫通孔71が複数ある場合には、第2貫通孔71の幅とは、任意の断面視において横方向と平行に延びる直線上における複数の第2貫通孔71のそれぞれの横方向の長さの合計を意味する。例えば、第2貫通孔71が複数ある場合には、第2貫通孔71の最小幅L2は、断面視において横方向と平行に延びる直線上における複数の第2貫通孔71のそれぞれの横方向の長さの合計が最小になるときの長さを意味する。マスク配置工程では、上面視において、1つの第1貫通孔23に対して、複数の第2貫通孔71が重なってもよい。
【0034】
(金属部材配置工程)
金属部材配置工程は、第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に少なくとも1つの金属部材5を配置する工程である。本実施形態では、
図4に示すように、第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に複数の金属部材5が配置される。本実施形態では、第1貫通孔23内において、隣り合う金属部材5の間に隙間が存在している。第1貫通孔23内において、隣り合う金属部材5の間に隙間が存在しなくてもよい。第1貫通孔23内の少なくとも一部に金属部材5が配置されていればよい。また、第2貫通孔71内の少なくとも一部に金属部材5があればよい。複数の金属部材5の総体積は、第1貫通孔23の容積に対して、1.3倍以上5倍以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5倍以上4.5倍以下であり、更に好ましくは、2倍以上4倍以下である。複数の金属部材5の総体積を大きくすることにより、被覆部材52を溶融した時に、溶融した被覆部材52が支持体2とマスク7とに接しやすくなる。複数の金属部材5の総体積を小さくすることにより、被覆部材52を溶融した時に、第1貫通孔23の外側に配置される溶融した被覆部材52の体積を低減しやすくなる。これにより、基板1を薄くしやすくなる。
【0035】
金属部材5は、マスク7の上方から第2貫通孔71内に入れられる。上述したように、断面視において、第2貫通孔71の最小幅L2が第1貫通孔23の最小幅L3よりも小さいため、金属部材5が支持体2上に載ることを低減させやすい。
【0036】
(溶融工程)
溶融工程は、第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に配置された金属部材5を加熱し、被覆部材52を溶融させる工程である。本実施形態では、溶融した被覆部材52は、
図5Aに示すように、第1貫通孔23内を満たしている。さらに、溶融した被覆部材52は、マスク7に接する。溶融した被覆部材52が硬化することで、支持体2及びマスク7に接した導電部材3が形成される。溶融した被覆部材52は、幅広部712の上面に接することが好ましい。このようにすることで、導電部材3が配線4に電気的に接続されやすい。溶融した被覆部材52は、幅広部712の内面に接しなくてもよい。なお、溶融した被覆部材52は、幅狭部711の内面に接してもよいし、接しなくてもよい。
【0037】
導電部材3は、少なくとも1つの金属コア51を覆う。このため、溶融した被覆部材52は、金属コア51との表面張力により複数に分かれることが低減される。溶融した被覆部材52が複数に分かれないことで、被覆部材52から形成される導電部材3も複数に分かれることを低減できる。このようにすることで、閉塞部材6と接する導電部材3の体積を大きくしやすくなる。これにより、閉塞部材6である発光装置等から発生する熱を体積の大きい導電部材3で放熱しやすくなる。複数の金属コア51が、上下方向に重なることが好ましい。これによって、溶融した被覆部材52の厚さが、支持体2の厚さよりも厚くなりやすい。このようにすることで、導電部材3は、支持体2とマスク7とに接しやすい。また、第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に複数の金属コア51が配置されている場合には、少なくとも1つの金属コア51の最大長さD1が、上面視において支持体2とマスク7の幅広部712とが重なる部分における幅広部712の上下方向の最大長さL42よりも長いことが好ましい。このようにすることで、被覆部材52が溶融した際に、金属コア51が支持体2とマスク7の幅広部712との間に入り込みにくくなる。第1貫通孔23内及び第2貫通孔71内に複数の金属コア51が配置されている場合には、複数の金属コア51の全ての最大長さD1のそれぞれが、上面視において支持体2とマスク7の幅広部712とが重なる部分における幅広部712の上下方向の最大長さL42よりも長いことが好ましい。このようにすることで、被覆部材52が溶融した際に、複数の金属コア51の全てが支持体2とマスクの幅広部712との間に入り込みにくくなる。
【0038】
金属部材5の加熱方法としては、マスク7を含めて上方から加熱してもよいし、閉塞部材6を含めて下方から加熱してもよいし、全方向から加熱してもよい。支持体2、マスク7、閉塞部材6及び金属部材5を、リフロー炉によって加熱することが好ましい。
【0039】
本実施形態では、金属部材5を加熱した際に、溶融した被覆部材52が、マスク7の幅広部712と支持体2の配線4によって形成される空間の少なくとも一部に入り込むが、マスク7によって配線4上への濡れ広がりを低減することができる。このため、溶融した被覆部材52が硬化することによって形成される導電部材3が、第1貫通孔23内に留まりやすくなる。これにより、第1貫通孔23の内壁に予め導電性の膜を形成していない場合においても、導電部材3によって支持体2の配線4と閉塞部材6の電極824とを電気的に接続しやすくなる。
【0040】
導電部材3が硬化した後、マスク7が支持体2上から外される。これによって、基板1が完成する。このように構成された基板1は、導電部材3が金属製の被覆部材52が溶融することで形成されるため、導電部材3が樹脂を含む導電性ペーストである場合に比べて、基板1の放熱性が高くなる。
【0041】
(面状光源100)
上述した製造方法で製造した基板1は、例えば、面状光源100に用いることができる。以下では、本実施形態の製造方法を用いて製造された基板1を備えた面状光源100について説明する。なお、面状光源100の説明においては、基板1の製造方法で説明した「上」を「下」として、上下反転して説明する。
【0042】
面状光源100は、
図6に示すように、発光モジュール8と、基板1を含む支持部材9と、を備える。発光モジュール8は、支持部材9上に配置される。発光モジュール8は、導光部材81と、発光装置82と、透光性部材83と、光調整部材84と、を備える。
【0043】
(支持部材9)
支持部材9は、発光モジュール8が配置される部材である。支持部材9は、基板1を有する。基板1は、支持体2と、支持体2に設けられた導電部材3と、を備える。
【0044】
支持体2は、第1面21と、第1面21の反対側の第2面22とを有する。支持体2は、第1面21から第2面22まで貫通する貫通孔(第1貫通孔23)を有する。支持体2は、絶縁基材24と、絶縁基材24上に配置された第1接着層25と、第1接着層25上に配置された反射部材26と、配線4と、を備える。支持体2は、複数の層の積層体で構成されている。上述したように、支持体2は、単層で構成されてもよい。配線4は、絶縁基材24の下面(支持体2の第1面21側)に設けられている。
【0045】
第1接着層25は、絶縁基材24と反射部材26との間に配置され、絶縁基材24と反射部材26を接着する。第1接着層25は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1接着層25の樹脂部材として、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。第1接着層25の光散乱粒子として、例えば、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。第1接着層25として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0046】
反射部材26は、発光装置82が発する光に対する反射性を有する。反射部材26は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。反射部材26の樹脂部材として、例えば、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。反射部材26の反射体の材料としては、第1接着層25の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材26の反射体として窒素及び/又は酸素等の気体を用いてもよい。また、反射部材26は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0047】
支持部材9は、反射部材26上に配置された第2接着層91を更に備える。第2接着層91は、反射部材26と導光部材81との間に配置され、反射部材26と導光部材81を接着している。発光装置82は、導光部材81の貫通孔(以下、導光部貫通孔811という)内において第2接着層91上に配置される。第2接着層91は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第2接着層91の樹脂部材として、例えば、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第2接着層91の光散乱粒子として、例えば、第1接着層25の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第2接着層91として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0048】
導電部材3は、発光装置82に電気的に接続されている。導電部材3は、複数の金属コア51を覆う。各金属コア51は球状である。1つの発光装置82に対して、複数の導電部材3が接続されている。導電部材3は、第2接着層91、反射部材26、第1接着層25、及び絶縁基材24を上下方向において貫通している。上面視において、導電部材3の一部は、支持体2に重なる。導電部材3は、配線4と接続される。
図7に示すように、上面視において導電部材3における支持体2と重なった部分の上下方向の最大長さL5は、複数の金属コア51の全ての金属コア51の上下方向の最大長さL6よりも短いことが好ましい。上面視において、金属コア51は、全て第1貫通孔23内に配置されており、支持体2と重なっていない。このようにすることで、基板1の厚さを低減でき、面状光源100を薄くできる。
【0049】
また、上面視において、導電部材3の全ては発光装置82に重なっていることが好ましい。これにより、導電部材3の体積を一定にした場合に、上面視において発光装置82よりも外側に延びた導電部材3を有する場合よりも、上面視における導電部材3の支持体2に重なる部分の厚さを厚くできる。この結果、導電部材3における支持体2に重なる部分の強度を向上することができ、当該部分のクラックの発生を低減できる。
【0050】
発光装置82の正負の一対の電極824に対応して、一対の導電部材3が互いに離れて配置されている。一方の導電部材3の端部は、発光装置82の下方において正側の電極824と接続され、他方の導電部材3の端部は、発光装置82の下方において負側の電極824と接続されている。発光装置82の電極824は、導電部材3及び配線4と電気的に接続されている。
【0051】
支持部材9は、絶縁層92をさらに有する。絶縁層92は、基板1の下面に配置され、配線4を覆っている。絶縁層92の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0052】
(発光装置82)
発光モジュール8は、複数の発光装置82を備える。発光モジュール8が備える発光装置82の数は、1つでもよい。発光装置82は、支持体2の第1面21に配置されている。発光装置82は、上述の製造方法における閉塞部材6である。発光装置82は、支持体2の第1貫通孔23の一方の開口を塞ぐように位置している。
【0053】
図8に示すように、発光装置82は、発光素子821を含む。発光素子821は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた発光層とを含む。また、発光素子821は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。n側電極、及び、p側電極は、発光素子821の下面の一部を構成する。さらに、発光装置82は、正負の一対の電極824を含む。正負の一対の電極824は、発光装置82の下面の一部を構成する。一対の電極824のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。なお、発光装置82は電極824を含んでいなくてもよい。発光装置82が正負の一対の電極824を含んでいない場合には、発光素子821のn側電極とp側電極が、発光装置82の下面の一部を構成する。また、発光装置82はサファイア又は窒化ガリウム等の基板を備えていなくてもよい。このようにすることで、上下方向において発光装置82を小型化しやすくなる。
【0054】
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体積層体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のバラつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光等の組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0055】
図8に示す発光装置82は、発光素子821を1つ含んでいる。発光装置82は、複数の発光素子821を含んでいてもよい。各発光装置82が含む複数の発光素子821の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。例えば、各発光装置82が2つの発光素子821を含む場合、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光、又は緑色光と赤色光等の組み合わせで発光素子821の発光ピーク波長を選択することができる。例えば、各発光装置82が3つの発光素子821を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光等の組み合わせで発光素子821の発光ピーク波長を選択することができる。
【0056】
図8に示すように、発光装置82は、透光性部材(以下、光源透光性部材825という)を更に含むことができる。光源透光性部材825は、発光素子821の上面及び側面を覆っている。光源透光性部材825によって発光素子821を保護することができる。光源透光性部材825は、発光素子821の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていてもよい。このようにすることで、上下方向において発光装置82を小型化しやすくなる。
【0057】
例えば、光源透光性部材825は、発光素子821が発する光に対する透光性を有する。光源透光性部材825は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。光源透光性部材825に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0058】
発光装置82は、さらに被覆体822を含むことができる。被覆体822は、発光素子821の下面に配置される。被覆体822は、発光装置82の電極824の下面が被覆体822から露出するように配置される。被覆体822は、発光素子821の側面を覆う光源透光性部材825の下面にも配置される。
【0059】
被覆体822は、発光素子821が発する光に対する反射性を有する。被覆体822には、例えば、窒素及び/又は酸素等の気体を含む樹脂部材、又は、光散乱粒子を含む樹脂部材等を用いることができる。被覆体822の樹脂部材としては、例えば、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。被覆体822は、気体と光散乱粒子の両方を含んでいてもよい。
【0060】
図8に示すように、発光装置82は光調整部材(以下、光源光調整部材823という)を含むことができる。光源光調整部材823は、発光装置82の上面の少なくとも一部を構成する。光源光調整部材823は、発光素子821の上側に配置される。上面視において光源光調整部材823と発光素子821とが重なり、その重なる部分において光源光調整部材823が発光素子821の上側に位置する。光源光調整部材823は、光源透光性部材825の上側に配置され、光源透光性部材825の上面から出射する光の量及び/又は出射方向を調整する。光源光調整部材823は、発光素子821が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源透光性部材825の上面から出射した光の一部は光源光調整部材823により反射し、他の一部は光源光調整部材823を透過する。発光素子821のピーク波長に対する光源光調整部材823の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。発光装置82が光源光調整部材823を含むことにより、発光装置82の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。これにより、発光モジュール8の輝度むらが低減される。
【0061】
光源光調整部材823は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。光源光調整部材823の樹脂部材としては、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光源光調整部材823の光散乱粒子としては、被覆体822の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。また、光源光調整部材823は、例えば、アルミニウム若しくは銀等の金属部材5、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0062】
発光装置82は、光源光調整部材823を含まなくてもよい。このようにすることで、発光装置82が発光素子821の上側に配置される光源光調整部材823を含む場合よりも、上下方向において発光装置82を小型化しやすくなる。他の発光装置82の形態としては、発光装置82は被覆体822を含まなくてもよい。例えば、発光素子821の下面、一対の電極824の下面、及び、光源透光性部材825の下面によって発光装置82の下面が構成されていてもよい。他の発光装置82の形態としては、発光装置82は発光素子821の単体のみであってもよい。他の発光装置82の形態としては、発光装置82は、被覆体822及び光源透光性部材825を含まず、発光素子821の上面に光源光調整部材823が配置されたものであってもよい。他の発光装置82の形態としては、発光装置82は、光源透光性部材825を含まず、発光素子821の上面に光源光調整部材823が配置され、発光素子821の下面に被覆体822が配置されたものであってもよい。
【0063】
上面視における発光装置82の形状は特に限定されない。上面視における発光装置82の形状は、例えば、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。上面視における発光装置82の形状が四角形の場合には、発光装置82の一対の外縁がX方向と平行でもよく、X方向に対して傾斜していてもよい。
【0064】
(導光部材81)
導光部材81は、発光装置82が発する光に対する透光性を有する部材である。発光装置82のピーク波長に対する導光部材81の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。導光部材81は、上下方向に貫通する導光部貫通孔811を有する。導光部材81の導光部貫通孔811には、発光装置82が配置される。本実施形態における導光部貫通孔811は、上面視において、例えば、円形状、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。
【0065】
導光部材81の材料としては、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、導光部材81の材料として、ガラス等を用いてもよい。導光部材81は、蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0066】
(透光性部材83)
発光モジュール8は透光性部材83を備える。透光性部材83は、発光装置82が発する光に対する透光性を有する部材である。透光性部材83の少なくとも一部は、導光部貫通孔811内に配置されている。上面視において、透光性部材83は、発光装置82を囲む。透光性部材83は、第1透光部831と、第2透光部832と、を有する。本実施形態では、第1透光部831と第2透光部832とは別体である。第1透光部831と第2透光部832は、同じ材料で一体に形成されていてもよい。発光装置82のピーク波長に対する第1透光部831及び第2透光部832のそれぞれの透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0067】
第1透光部831は、発光装置82の側面と接していることが好ましい。このようにすることで、発光装置82からの光が第1透光部831に入射しやすくなる。第1透光部831は導光部材81と接していることが好ましい。このようにすることで、発光装置82からの光が導光部材81に入射しやすくなる。
【0068】
第1透光部831は、発光装置82の上面の全てを覆っていてもよいし、発光装置82の一部を覆ってもよい。第1透光部831が発光装置82の上面の全てを覆うことによって、発光装置82の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、発光装置82の上面を覆う部分の第1透光部831の厚さを変更することにより発光装置82の直上領域における輝度を調整できる。これにより、輝度の調整が容易になるので、発光モジュール8の輝度むらを低減させやすくなる。第1透光部831が発光装置82の上面を覆う場合には、第2透光部832は、第1透光部831を介して発光装置82の上面を覆ってもよいし、覆わなくてもよい。
【0069】
第1透光部831は、上下方向において、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光部831は蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光部831が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第1透光部831が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。第1透光部831の材料として、例えば、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。
【0070】
第2透光部832は、発光装置82の上側に位置する。また、第2透光部832は、第1透光部831の上側に位置する。第2透光部832は、発光装置82の上面及び/又は第1透光部831の上面と接していることが好ましい。このようにすることで、上下方向において発光モジュール8を小型化しやすくなる。また、上面視における導光部貫通孔811の外側において、第2透光部832は、光調整部材84と導光部材81との間に位置することが好ましい。これにより、光調整部材84が安定して固定されるうえに、導光部材81からの光が光調整部材84に入射しやすい。なお、横方向における導光部貫通孔811の外側において、第2透光部832は、導光部材81と光調整部材84との間になくてもよい。
【0071】
第2透光部832の材料としては、例えば、第1接着層25の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、第2透光部832としては、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を用いてもよい。第2透光部832は蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0072】
(光調整部材84)
光調整部材84は、発光装置82が発する光に対する反射性及び透光性を有する。発光装置82から出射した光の一部は光調整部材84により反射し、他の一部は光調整部材84を透過する。発光装置82のピーク波長に対する光調整部材84の透過率は、発光装置82のピーク波長に対する導光部材81の透過率よりも低い。例えば、発光装置82のピーク波長に対する光調整部材84の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光調整部材84は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0073】
光調整部材84は、発光装置82の上側に配置される。上面視において光調整部材84と発光装置82とが重なり、その重なる部分において光調整部材84が発光装置82の上側に位置する。光調整部材84が、発光装置82の上側に位置することにより、発光装置82の直上領域が明るくなり過ぎることを低減することができる。
【0074】
光調整部材84は、第1透光部831の上側に配置される。上面視において、光調整部材84と第1透光部831が重なり、その重なる部分において光調整部材84が第1透光部831の上側に位置する。光調整部材84が、第1透光部831の上側に位置することにより、第1透光部831の直上領域が明るくなり過ぎることを低減することができる。
【0075】
光調整部材84は、第2透光部832の上側に配置される。上面視において、光調整部材84と第2透光部832が重なり、その重なる部分において光調整部材84が第2透光部832の上側に位置する。光調整部材84が、第2透光部832の上側に位置することにより、第2透光部832の直上領域が明るくなり過ぎることを低減することができる。
【0076】
本明細書は、下記の実施形態を含む。
項1.金属コア及び前記金属コアの表面に設けられた導電性の被覆部材を有し、前記被覆部材が前記金属コアよりも融点が低い少なくとも1つの金属部材を準備する工程と、上面視において支持体の第1貫通孔とマスクの第2貫通孔とが重なるように、前記マスクを前記支持体上に配置する工程と、前記第1貫通孔内及び前記第2貫通孔内に前記金属部材を配置する工程と、前記被覆部材を加熱することで溶融させ、溶融した前記被覆部材が前記支持体及び前記マスクに接した導電部材を形成する工程と、を含む、基板の製造方法。
項2.断面視において、前記第2貫通孔の最小幅が、前記第1貫通孔の最小幅よりも小さい、項1に記載の基板の製造方法。
項3.前記第2貫通孔は、断面視において前記第1貫通孔の最小幅よりも小さい幅狭部と、前記第1貫通孔の最小幅よりも大きい幅広部と、有し、上下方向において、前記幅広部が前記幅狭部と前記第1貫通孔の間に位置する、項2に記載の基板の製造方法。
項4.前記導電部材を形成する工程において、上下方向における前記幅広部の最大長さが、上下方向における前記金属コアの最大長さよりも短い、項3に記載の基板の製造方法。
項5.前記支持体が配線を有し、前記導電部材は、前記配線と電気的に接続される、項1から4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
項6.前記金属コアが球状である、項1から項5のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
項7.前記被覆部材は、前記金属コアの表面の全てを覆っている、項1から項6のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
項8.断面視において、前記金属部材の最大長さが、前記金属コアの最大長さの1.4倍以上3倍以下である、項1から項7のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
項9.前記金属部材を配置する工程において、前記第1貫通孔における前記マスクの反対側の開口が発光装置で塞がれている、項1から項8のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
項10.前記金属コアが銅又は銅合金を含み、前記被覆部材がはんだを含む、項1から項9のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
項11.第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを有し、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔が形成された支持体と、前記支持体の前記第1面に配置された発光装置と、少なくとも一部が前記貫通孔内に配置され、各々が球状である複数の金属コアと、少なくとも一部が前記貫通孔内に配置され、前記複数の金属コアを覆い、前記発光装置に電気的に接続された導電部材と、を備え、上面視において、前記金属コアが前記支持体と重ならず、かつ前記導電部材が前記支持体と重なり、前記導電部材における前記支持体と重なった部分の上下方向の最大長さが、前記複数の金属コアの少なくとも1つの金属コアの上下方向の最大長さよりも短い、面状光源。
項12.前記導電部材における前記支持体と重なった部分の上下方向の最大長さは、前記複数の金属コアの全ての金属コアの上下方向の最大長さよりも短い、項11に記載の面状光源。
項13.上面視において、前記導電部材の全てが、前記発光装置に重なっている、項11又は項12に記載の面状光源。
【0077】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0078】
1 基板
2 支持体
21 第1面
22 第2面
23 第1貫通孔
3 導電部材
4 配線
5 金属部材
51 金属コア
52 被覆部材
7 マスク
71 第2貫通孔
711 幅狭部
712 幅広部
82 発光装置
100 面状光源