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特開2024-85215通信システム、通信装置、移動体、プログラム及び通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085215
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置、移動体、プログラム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240619BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240619BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240619BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20240619BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20240619BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240619BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240619BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/16 A
H04W88/02 140
H04W28/18 110
H04W4/40
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199622
(22)【出願日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】杉村 竹三
(72)【発明者】
【氏名】矢板 信
(72)【発明者】
【氏名】黒田 政彦
(72)【発明者】
【氏名】椎野 雅人
【テーマコード(参考)】
5H181
5K067
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA07
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL09
5H181MB02
5H181MC27
5K067AA23
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】移動体との間で所要の通信品質の確保を可能とする通信システム、通信装置、移動体、プログラム及び通信方法を提供すること。
【解決手段】通信システム100は、移動体1を含み、その移動体1との間で無線通信を行う通信システム100であって、移動体1の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部202、302と、傾き情報取得部202、302によって取得された傾き情報に基づいて、移動体1との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部203、303と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を含み、その移動体との間で無線通信を行う通信システムであって、
前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部と、
前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部と、を備える通信システム。
【請求項2】
前記傾き情報は、前記移動体に設けた加速度センサによって検出される加速度情報と前記移動体に設けた角速度センサによって検出される角速度情報の少なくともいずれかに基づいて特定される請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記傾き情報は、前記移動体に設けた傾斜センサによって検出される傾斜情報に基づいて特定される請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記移動体は、地表面を走行する車両であり、
前記地表面を含む前記移動体の周囲のマップを生成するマップ生成部を更に備え、
前記傾き情報は、生成された前記マップ内の前記移動体の走行予定方向における前記地表面の傾斜の変化の予測結果に基づいて特定される請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記移動体は、電波を送受信するアンテナ部により無線通信を行い、
前記通信品質判定部によって前記通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、前記アンテナ部によって送受信される電波の指向性を変更する指向性変更部を更に備える請求項1~4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信品質判定部によって前記通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、無線通信のモードを変更する無線通信モード変更部を更に備える請求項1~4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項7】
請求項1に記載の通信システムに含まれる移動体であって、
自身の傾きに関する傾き情報を送信する送信処理部を備える移動体。
【請求項8】
請求項1に記載の通信システムに含まれる通信装置であって、
前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部と、
前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部と、
通信品質判定部による通信品質の判定結果に基づいて、前記移動体に無線通信の通信品質の改善を要求する品質改善要求信号を出力する信号出力部と、を備える通信装置。
【請求項9】
移動体を含み、その移動体との間で無線通信を行う通信システムに含まれるコンピュータに、
前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得機能と、
前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定機能と、を実行させるプログラム。
【請求項10】
移動体を含み、その移動体との間で無線通信を行う通信方法であって、
前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得ステップと、
前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定ステップと、を含む通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、移動体、プログラム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体との間で無線通信を行う通信システムにおいて、通信品質を判定する技術が知られている。例えば特許文献1には、端末装置が基地局を介した通信を行う場合の端末装置の位置と該通信において予測される通信遅延とを関連付けた情報を、通信遅延の情報として取得する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/202382号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、位置情報として経度や緯度等の情報に加えて高さの情報を用いて通信遅延の情報を取得するものの、通信品質をより正確に判定するという点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、移動体との間で所要の通信品質の確保を可能とする通信システム、通信装置、移動体、プログラム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)通信システムは、移動体を含み、その移動体との間で無線通信を行う通信システムであって、前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部と、前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部と、を備える。
【0007】
(2)(1)に記載の通信システムにおいて、傾き情報は、前記移動体に設けた加速度センサによって検出される加速度情報と前記移動体に設けた角速度センサによって検出される角速度情報の少なくともいずれかに基づいて特定される。
【0008】
(3)(1)に記載の通信システムにおいて、前記傾き情報は、前記移動体に設けた傾斜センサによって検出される傾斜情報に基づいて特定される。
【0009】
(4)(1)に記載の通信システムにおいて、前記移動体は、地表面を走行する車両であり、前記地表面を含む前記移動体の周囲のマップを生成するマップ生成部を更に備え、前記傾き情報は、生成された前記マップ内の前記移動体の走行予定方向における前記地表面の傾斜の変化の予測結果に基づいて特定される。
【0010】
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記移動体は、電波を送受信するアンテナ部により無線通信を行い、前記通信品質判定部によって前記通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、前記アンテナ部によって送受信される電波の指向性を変更する指向性変更部を更に備える。
【0011】
(6)(1)~(4)のいずれかに記載の通信システムは、前記通信品質判定部によって前記通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、無線通信のモードを変更する無線通信モード変更部を更に備える。
【0012】
(7)(1)~(6)のいずれかに記載の通信システムに含まれる移動体であって、自身の傾きに関する傾き情報を送信する送信処理部を備える。
【0013】
(8)(1)~(6)のいずれかに記載の通信システムに含まれる通信装置であって、前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部と、前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部と、通信品質判定部による通信品質の判定結果に基づいて、前記移動体に無線通信の通信品質の改善を要求する品質改善要求信号を出力する信号出力部と、を備える。
【0014】
(9)プログラムは、移動体を含み、その移動体との間で無線通信を行う通信システムに含まれるコンピュータに、前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得機能と、前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定機能と、を実行させる。
【0015】
(10)通信方法は、移動体を含み、その移動体との間で無線通信を行う通信方法であって、前記移動体の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得ステップと、前記傾き情報取得部によって取得された前記傾き情報に基づいて、前記移動体との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、移動体との間で所要の通信品質の確保を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る通信システム及び通信システムが適用される農耕地を示す模式図である。
図2】第1実施形態に係る通信システムの移動体のハードウェア及び機能ブロックの構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る通信システムの基地局のハードウェア及び機能ブロックの構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る通信システムの管制サーバのハードウェア及び機能ブロックの構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る通信システムの移動体のアンテナの指向性が変更された状態を示す模式図である。
図6】地表面の傾斜に応じてアンテナの指向性が変更されない場合の状態の一例を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係る通信システムの通信品質判定処理のうち移動体によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る通信システムの通信品質判定処理のうち管制サーバによって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係る通信システム及び通信システムが適用される道路を示す模式図である。
図10】第2実施形態に係る通信システムの移動体のハードウェア及び機能ブロックの構成を示すブロック図である。
図11】第2実施形態に係る通信システムの基地局のハードウェア及び機能ブロックの構成を示すブロック図である。
図12】第2実施形態に係る通信システムの管制サーバのハードウェア及び機能ブロックの構成を示すブロック図である。
図13】第2実施形態に係る通信システムにおいて無線通信のモードの変更の一例を示す模式図である。
図14】第2実施形態に係る通信システムにおいて無線通信のモードの変更の一例を示す模式図である。
図15】第2実施形態に係る通信システムにおいて無線通信のモードの変更の一例を示す模式図である。
図16】第2実施形態に係る通信システムの通信品質判定処理のうち移動体によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る通信システム100について説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものでない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。即ち、本発明は、各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものでない。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る通信システム100の全体的な構成について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る通信システム100及び通信システム100が適用される農耕地4の一例を示す概略図である。
【0020】
通信システム100は、移動体1と基地局2等の通信装置との間で無線通信を行うためのシステムである。通信システム100は、移動体1と、少なくとも1つの基地局2と、基地局2と通信ネットワークNWを介して通信可能に接続される管制サーバ(通信装置)3と、を備える。本実施形態では、凹凸が多く存在する農耕地4等の地表面41を移動する車両である移動体1と基地局2との間での無線通信を例に説明する。
【0021】
移動体1は、例えば油圧ショベルや移動式クレーン等の建設機械や土木機械、運搬車両、農業機械等が挙げられる。本実施形態の移動体1は、農耕地4で作業する農業機械である。移動体1は、例えば、カーナビゲーション、ITS(Intelligent Transportation System)及びV2X(Vehicle-to-everything)通信等を使用する機能を有する車載装置、移動体1の走行を制御する制御装置等を備える。
【0022】
通信ネットワークNWは、プライベートネットワークやインターネットを含むような広域通信網WAN(wide area network)が考えられる。前者のプライベートネットワークでは、例えばOLT(optical line terminal)、OLTと光回線を介して接続される複数のONU(optical network unit)等によって形成されたPONアクセスシステムや、レイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチなどで構成することができる。一方でWAN通信網の例では、例えば、MPLS(Multiprotocol Label Switching)ネットワークなどで構成することができる。
【0023】
基地局2は、農耕地4に存在する移動体1と無線通信可能である。基地局2は、通信ネットワークNWを介して管制サーバ3や他の基地局2と通信可能に接続される。
【0024】
管制サーバ3は、通信ネットワークNWを介して複数の基地局2と通信可能に接続される。管制サーバ3は、基地局2を介して、農耕地4の地表面41上を移動する各移動体1と通信を行う。本実施形態では、基地局2又は管制サーバ3は、移動体1と基地局2等の無線通信装置との間の無線通信の通信品質を判定する処理(以下、通信品質判定処理という)を実行する。なお、通信品質としては、通信速度、通信信号の遅延時間、スループット、通信途絶の頻度等に基づく指標である。
【0025】
<第1実施形態の移動体1の構成と動作について>
次に、通信品質判定処理における移動体1の機能的構成について説明する。図2は、移動体1のハードウェア及び機能ブロックの構成を例示するブロック図である。
【0026】
移動体1は、GNSS部11と、センサ部12と、無線通信部13と、記憶部14と、出力部15、処理部10と、を備える。
【0027】
処理部10は、CPU等のプロセッサによって構成される演算装置であり、後述の記憶部14から各種プログラム、データを読み込んで実行し、各種機能を実現する。本実施形態では、処理部10は、自己位置情報推定部101と、マップ生成部102と、傾き情報特定部103と、送信処理部104と、信号取得部105と、基地局位置情報取得部106と、指向性変更部107と、の各機能部のデータ処理を実行する。各機能部の動作については後述する。
【0028】
GNSS(Global Navigation Satellite System)部11は、アンテナを含み、GNSS信号等を受信する。GNSS信号は、GPS(Global Positioning System)又は準天頂衛星システム等のGNSSを構成する航法衛星等から送信される。GNSS部11は、受信したGNSS信号を処理部10に送信する。
【0029】
センサ部12は、移動体1の傾きに関する傾き情報を取得するためのデータを検出する装置である。センサ部12は、例えば移動体1の周囲の情報を検出する装置であってもよく、地表面41の傾斜に関する傾斜情報を検出する傾斜センサであってもよく、移動体1の加速度情報を検出する加速度センサ及び移動体1の角速度情報を検出する角速度センサであってもよい。移動体1の周囲の情報を検出する装置としては、例えばカメラやレーダ、LiDAR(Light Detection And Ranging)等が挙げられる。カメラは、移動体1の周囲等の静止画又は動画等の画像を撮像することで物体1の周囲の情報を検出する。レーダやLiDARは、移動体1の周囲に送信した送信波と反射された受信波に基づいて、移動体1の周囲に存在する物体との距離、方向、相対速度等を検出する。本実施形態では、センサ部12として移動体1の周囲にレーザ光を照射し、周囲の物体を点群データとして検出するLiDARを用いている。LiDARにより、高い精度で周囲の物体の位置や形状等を検出できる。センサ部12は、検出した点群データを処理部10に送信する。
【0030】
無線通信部13は、移動体1が基地局2等の無線通信装置と無線通信を行うための処理を実行する。無線通信部13は、電波を送受信するアンテナ部131を備える。アンテナ部131は、例えば配列された複数のアンテナ素子で構成され、位相を調整することで電波の指向性を変更可能なアレイアンテナであってもよい。本実施形態のアンテナ部131は、仰角方向における電波の指向性を変更可能なアレイアンテナによって構成される。
【0031】
記憶部14は、ハードウェア群を移動体1として機能させるための各種プログラム、及び各種データなどの記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードウェア(HDD)などで構成することができる。具体的には、記憶部14は、本実施形態の各機能を処理部10に実行させるためのプログラム、各種パラメータ、移動体1のIDやIPアドレス等の識別情報、マップ情報、通信品質判定処理に利用されるデータ等が記憶される。マップ情報としては、例えばダイナミックマップ等が挙げられる。
【0032】
出力部15は、例えば映像を表示するディスプレイや音を発生させるスピーカ、光を発生させるLED等の発光機器等によって構成される。
【0033】
次に、処理部10が通信品質判定処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0034】
自己位置情報推定部101は、移動体1自身の位置を示す自己位置情報を推定する処理を実行する。自己位置情報は、例えば移動体1が存在する位置の緯度、経度及び高さ等の情報であってもよい。自己位置情報推定部101は、例えばGNSS部11から受信したGNSS信号に基づいて、移動体1の自己位置情報を推定してもよい。また例えば自己位置情報推定部101は、基地局2や管制サーバ3から受信したマップ情報とセンサ部12から受信した移動体1の周囲の点群データ等に基づいて、自己位置情報を推定してもよい。
【0035】
マップ生成部102は、センサ部12から受信した移動体1の周囲の点群データに基づいて地表面41を含む移動体1の周囲のマップを生成する処理を実行する。このマップに基づいて、地表面41の形状の把握が可能となる。
【0036】
傾き情報特定部103は、移動体1の傾きに関する傾き情報を特定する処理を実行する。傾き情報としては、例えば移動体1の水平面に対する傾きを示す角度であってもよい。
【0037】
傾き情報特定部103は、マップ生成部102によって生成されたマップ内の移動体1の走行予定方向における地表面41の傾斜の変化を予測し、その予測結果に基づいて傾き情報を特定してもよい。また例えば傾き情報特定部103は、移動体1に設けたセンサ部12としての加速度センサから検出される加速度情報、センサ部12としての角速度センサから検出される角速度情報の少なくともいずれかを用いて傾き情報を特定してもよい。また例えば傾き情報特定部103は、移動体1に設けた傾斜センサから検出される地表面41の傾斜情報に基づいて傾き情報を特定してもよい。
【0038】
送信処理部104は、無線通信部13を介してデータを基地局2等の無線通信装置に送信する処理を実行する。本実施形態では、送信処理部104は、例えば管制サーバ3を宛先として基地局2に品質判定要求信号、自己位置情報、傾き情報等を送信する。品質判定要求信号とは、移動体1と基地局2等の無線通信装置との間の無線通信の通信品質の判定を管制サーバ3に要求する信号である。基地局2及び管制サーバ3は、品質判定要求信号を受信すると、無線通信の通信品質の判定を開始する。
【0039】
信号取得部105は、基地局2又は管制サーバ3から送信される品質改善要求信号を取得する処理を実行する。品質改善要求信号は、移動体1と基地局2との間の無線通信の通信品質を向上させる処理を移動体1に実行させるための信号である。移動体1は、品質改善要求信号を受信すると、基地局2等の無線通信装置との間の無線通信の通信品質を改善させる処理(以下、通信品質改善処理という)を実行する。
【0040】
基地局位置情報取得部106は、基地局2又は管制サーバ3から送信される基地局位置情報を取得する処理を実行する。基地局位置情報とは、移動体1が無線通信を行っている基地局2の位置を示す情報である。基地局位置情報は、例えば基地局2が存在する位置の緯度、経度及び高さ等の情報であってもよい。
【0041】
指向性変更部107は、無線通信部13のアンテナ部131を制御することで該アンテナ部131による電波の指向性を変更する処理(以下、指向性変更処理という)を実行する。例えば指向性変更部107は、自己位置情報と基地局位置情報取得部106によって取得された基地局位置情報に基づいてアンテナ部131による仰角方向における電波の指向性を変更する。具体的には、指向性変更部107は、移動体1自身の緯度、経度及び高さの情報と、基地局2の緯度、経度及び高さの情報を用いて、移動体1から見た基地局2の水平面に対する角度を算出する。そして、指向性変更部107は、移動体1から見た基地局2の水平面に対する角度と移動体1の水平面に対する傾きを示す角度である傾き情報とを比較して、仰角方向における電波の指向性を通信品質が向上するように変更する。なお、指向性変更部107は、例えば信号取得部105によって品質改善要求信号を取得した場合に、指向性変更処理を実行してもよい。
【0042】
<第1実施形態の基地局2の構成と動作について>
次に、通信品質判定処理における基地局2の機能的構成について説明する。図3は、基地局2のハードウェア及び機能ブロックの構成を例示するブロック図である。
【0043】
基地局2は、図3に示すように処理部20と、記憶部21と、通信I/F部22と、無線通信部23と、を備える。
【0044】
処理部20は、CPU等のプロセッサによって構成される演算装置であり、後述の記憶部21から各種プログラム、データを読み込んで実行し、各種機能を実現する。本実施形態では、処理部20は、位置情報取得部201と、傾き情報取得部202と、通信品質判定部203と、信号出力部204と、の各機能部のデータ処理を実行する。各機能部の動作については後述する。
【0045】
記憶部21は、ハードウェア群を基地局2として機能させるための各種プログラム、及び各種データなどの記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードウェア(HDD)などで構成することができる。具体的には、記憶部21は、本実施形態の各機能を処理部20に実行させるためのプログラム、基地局2の制御プログラム、各種パラメータ、基地局2のIPアドレスやMACアドレス等の識別情報、複数の基地局2の通信可能エリアを含む地理的なマップ情報、複数の移動体1と基地局2自身との間で行われた過去の無線通信の通信品質、各無線通信時における移動体1の位置情報等が記憶される。
【0046】
通信I/F部22は、基地局2が通信ネットワークNWを介して通信するためのインターフェイスである。基地局2は、通信I/F部22を介して管制サーバ3や他の基地局2と通信可能に接続される。
【0047】
無線通信部23は、基地局2が周囲の装置と無線によりV2X通信するための処理を実行する。無線通信部23は、基地局2の通信可能エリア内を走行する移動体1と無線通信を行う。
【0048】
次に、処理部20が通信品質判定処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0049】
位置情報取得部201は、無線通信部23を介して移動体1から該移動体1の自己位置情報を取得する処理を実行する。
【0050】
傾き情報取得部202は、無線通信部23を介して移動体1から該移動体1の傾き情報を取得する処理を実行する。
【0051】
通信品質判定部203は、位置情報取得部201によって取得された自己位置情報と傾き情報取得部202によって取得された傾き情報に基づいて、移動体1との間で行われる無線通信の通信品質を判定する処理を実行する。通信品質判定部203は、例えば移動体1の自己位置情報に基づいて第1通信品質を判定し、判定された第1通信品質と移動体1の傾き情報に基づいて第2通信品質を移動体1との間での無線通信の通信品質として判定してもよい。なお、本実施形態では、通信品質判定部203は、移動体1から品質判定要求信号を受信すると、該移動体1との間の無線通信の通信品質の判定を開始する。
【0052】
通信品質判定部203は、例えば複数の移動体1と基地局2自身との間で行われた過去の無線通信の通信品質を参照し、農耕地4の各地点における通信品質を推定することで第1通信品質を判定してもよい。例えば通信品質判定部203は、複数の移動体1と基地局2自身との間で行われた過去の無線通信の通信品質と、各無線通信時における移動体1の位置情報とが対応付けられたテーブル(以下、通信履歴テーブルという)を用いて第1通信品質を判定してもよい。具体的には、通信品質判定部203は、通信履歴テーブルを参照し、通信品質判定処理の対象である移動体1の自己位置情報が示す位置における第1通信品質を判定してもよい。第1通信品質は、例えば無線通信のスループットや受信電力値、通信速度、遅延時間等の定量的な値として示される。
【0053】
次いで通信品質判定部203は、例えば移動体1の傾き情報に応じて第1通信品質を増減させて第2通信品質として判定してもよい。例えば通信品質判定部203は、基準面に対する移動体1の傾きが大きいほど第1通信品質を示すスループットや通信速度等の定量的な値を減少させて第2通信品質として判定してもよい。また例えば通信品質判定部203は、移動体1が基準面に対して-10度傾いていた場合、第1通信品質を示すスループットや通信速度等の定量的な値を10%減少させて第2通信品質として判定してもよい。基準面は、例えば水平面であってもよく、移動体1と基地局2とが存在する仮想平面であってもよい。
【0054】
信号出力部204は、通信品質判定部203による判定結果に応じて、品質改善要求信号を出力し、移動体1に送信する処理を実行する。具体的には、信号出力部204は、通信品質判定部203によって通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、品質改善要求信号を出力する。例えば信号出力部204は、通信品質判定部203によって判定された第2通信品質を示す定量的な値と基準値とを比較して、通信品質が許容されない品質であるか否かを判定してもよい。例えば通信品質判定部203は、スループットや受信電力値、通信速度等の第2通信品質が基準値以下であった場合に、移動体1との間の無線通信の通信品質が許容されない品質であると判定してもよい。本実施形態では、信号出力部204は、品質改善要求信号とともに基地局2自身の位置を示す基地局位置情報を品質判定要求信号の送信元である移動体1に向けて送信する。
【0055】
<第1実施形態の管制サーバ3の構成と動作について>
次に、通信品質判定処理における管制サーバ3の機能的構成について説明する。図4は、管制サーバ3のハードウェア及び機能ブロックの構成を例示するブロック図である。なお、上述した基地局2が含む機能ブロックと同名の機能ブロックは同等の機能を有しており、重複する再度の説明を省略する場合がある。
【0056】
管制サーバ3は、図4に示すように処理部30と、記憶部31と、通信I/F部32と、を備える。
【0057】
処理部30は、CPU等のプロセッサによって構成される演算装置であり、後述の記憶部31から各種プログラム、データを読み込んで実行し、各種機能を実現する。本実施形態では、処理部30は、位置情報取得部301と、傾き情報取得部302と、通信品質判定部303と、信号出力部304と、の各機能部の処理を実行する。各機能部の動作については後述する。なお、処理部30の通信品質判定処理の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されていてもよい。
【0058】
記憶部31は、ハードウェア群を管制サーバ3として機能させるための各種プログラム、及び各種データなどの記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードウェア(HDD)などで構成することができる。具体的には、記憶部31は、本実施形態の各機能を処理部30に実行させるためのプログラム、管制サーバ3の制御プログラム、各種パラメータ、管制サーバ3に通信可能に接続される複数の基地局2のIPアドレスやMACアドレス等の識別情報、複数の基地局2の通信可能エリアを含む地理的なマップ情報、複数の移動体1と複数の基地局2それぞれとの間で行われた過去の無線通信の通信品質と、各無線通信時における移動体1の位置情報等が記憶される。
【0059】
通信I/F部32は、管制サーバ3が通信ネットワークNWを介して通信するためのインターフェイスである。管制サーバ3は、通信I/F部32を介して複数の基地局2や他の通信装置と通信可能に接続される。
【0060】
次に、処理部30が通信品質判定処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0061】
位置情報取得部301は、通信I/F部32を介して基地局2から移動体1の自己位置情報を取得する処理を実行する。
【0062】
傾き情報取得部302は、通信I/F部32を介して基地局2から移動体1の傾き情報を取得する処理を実行する。
【0063】
通信品質判定部303は、位置情報取得部301によって取得された自己位置情報と傾き情報取得部302によって取得された傾き情報に基づいて、移動体1と基地局2との間で行われる無線通信の通信品質を判定する処理を実行する。通信品質判定部303は、例えば上述した基地局2の通信品質判定部203と同様の処理により、移動体1と基地局2との間の無線通信の通信品質を判定する処理を実行してもよい。
【0064】
信号出力部304は、通信品質判定部303による判定結果に応じて、品質改善要求信号を出力し、基地局2を介して移動体1に送信する処理を実行する。本実施形態では、信号出力部304は、品質改善要求信号とともに基地局2の位置を示す基地局位置情報を品質判定要求信号の送信元である移動体1を宛先として送信してもよい。
【0065】
次に、農耕地4における通信品質判定処理の一例について図1図5図6を参照しながら説明する。図1では、移動体1が略水平で平らな地表面41を走行している状態を示している。図5では、移動体1が水平面に対して傾斜のある地表面41を走行している状態であり、アンテナ部131の指向性が変更された状態を示している。図6では、移動体1が水平面に対して傾斜のある地表面41を走行している状態であり、アンテナ部131の指向性が変更されない場合の状態を示している。図1図5図6では、基地局2から送信される電波を破線の矢印で示している。また図1図5図6では、アンテナ部131による電波の送受信強度が高い範囲を二点鎖線で示している。
【0066】
図1に示すように、移動体1が略水平で平らな地表面41を走行している状態では、アンテナ部131の指向性は水平方向から水平方向よりも所定の角度上方の範囲において電波を強く送受信可能であり、基地局2に対する電波の送受信強度が高い状態となっている。一方、図6に示すように、移動体1が水平面に対して傾斜のある地表面41を走行している状態では、移動体1の車体が傾くため、アンテナ部131による電波の送受信強度が高い範囲から基地局2の位置がズレ、基地局2との間の電波の送受信強度が低下する。これにより、移動体1と基地局2との間の通信速度やスループットの低下や遅延時間の増加等が起こり、通信品質が低下する。これに対して、本実施形態では、図5に示すように、移動体1が走行する地表面41が傾斜している場合であっても、基地局2や管制サーバ3等によって通信品質が許可されない品質であると判定された場合にアンテナ部131の指向性が基地局2との間で強い電波を送受信するように変更されるので、良好な通信品質を維持することができる。
【0067】
次に、本実施形態に係る通信システム100による通信品質判定処理の流れについて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0068】
まず、通信システム100による通信品質判定処理のうち移動体1によって実行される処理の一例について説明する。図7は、通信品質判定処理のうち移動体1によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
図7に示すように、ステップS11において、処理部10は、GNSS部11によって受信されGNSS信号を取得する処理と、センサ部12によって検出された移動体1の周囲の地表面41を含む物体の点群データを取得する処理を実行する。
【0070】
ステップS12において、自己位置情報推定部101は、自己位置情報を推定する処理を実行する。自己位置情報推定部101は、例えばステップS11で取得したGNSS信号に基づいて、移動体1の自己位置情報を推定する。
【0071】
ステップS13において、マップ生成部102は、ステップS11で取得した点群データに基づいて、地表面41の形状を含む移動体1の周囲のマップを生成する処理を実行する。
【0072】
ステップS14において、傾き情報特定部103は、ステップS13で生成されたマップ内の移動体1の走行予定方向における地表面41の傾斜の変化を予測する処理を実行する。
【0073】
ステップS15において、傾き情報特定部103は、ステップS15で予測された傾斜の変化に基づいて移動体1の傾きを予測し、その予測結果に基づいて傾き情報を特定する。
【0074】
ステップS16において、ステップS12で推定した自己位置情報及びステップS15で特定した傾き情報を、品質判定要求信号とともに基地局2及び管制サーバ3に送信する。
【0075】
ステップS17において、信号取得部105は、基地局2又は管制サーバ3から品質改善要求信号を受信したか否かを判定する。信号取得部105は、品質改善要求信号を受信したと判定した場合(ステップS17;YES)、処理をステップS18に移行する。このとき、処理部10は、品質改善要求信号とともに基地局位置情報を基地局2又は管制サーバ3から受信する。一方で、信号取得部105は、品質改善要求信号を受信していないと判定した場合(ステップS17;NO)、通信品質判定処理を終了する。
【0076】
ステップS18において、指向性変更部107は、ステップS12で取得した自己位置情報とステップS17で取得した基地局位置情報とに基づいて、アンテナ部131による仰角方向における電波の指向性を変更する。その後、処理部10は通信品質判定処理を終了する。
【0077】
次に、通信システム100による通信品質判定処理のうち管制サーバ3によって実行される処理の一例について説明する。図8は、管制サーバ3によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図8に示すように、ステップS21において、処理部30は、品質判定要求信号とともに、ステップS16で移動体1から送信された自己位置情報及び傾き情報を、基地局2を介して取得する処理を実行する。
【0079】
ステップS22において、通信品質判定部303は、ステップS21で取得した自己位置情報に基づいて第1通信品質を判定する処理を実行する。具体的には、通信品質判定部303は、通信履歴テーブルを抽出して参照し、自己位置情報が示す移動体1が存在する位置における第1通信品質を判定する。
【0080】
ステップS23において、通信品質判定部303は、ステップS22で判定した第1通信品質を示す定量的な値を、ステップS21で取得した傾き情報に基づいて増減することで第2通信品質を判定する処理を実行する。通信品質判定部303は、例えば移動体1と基地局2とが存在する仮想平面である基準面に対する移動体1の傾きが大きいほど第1通信品質を示す定量的な値を減少させた値を第2通信品質としてもよい。
【0081】
ステップS24において、信号出力部304は、ステップS23で判定された第2通信品質が基準値以下であるか否かを判定する。信号出力部304は、第2通信品質が基準値以下である場合(ステップS24;YES)、処理をステップS25に移行する。一方で、信号出力部304は、第2通信品質が基準値を超える場合(ステップS24;NO)、通信品質判定処理を終了する。
【0082】
ステップS25において、信号出力部304は、品質判定要求信号の送信元である移動体1に品質改善要求信号を送信する。その後、処理部30は通信品質判定処理を終了する。
【0083】
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
【0084】
(1)本実施形態に係る通信システム100は、移動体1を含み、その移動体1との間で無線通信を行う通信システム100であって、移動体1の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部202、302と、傾き情報取得部202、302によって取得された傾き情報に基づいて、移動体1との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部203、303と、を備える。これにより、移動体1が走行する地表面41の形状に連動して変化する傾き情報を考慮して通信品質を判定するので、移動体1との間の無線通信の通信品質をより正確に判定できる。よって、移動体1との間での所要の通信品質を確保することが可能となる。
【0085】
(2)また本実施形態に係る通信システム100において、傾き情報は、移動体1に設けた加速度センサによって検出される加速度情報と移動体1に設けた角速度センサによって検出される角速度情報の少なくともいずれかに基づいて特定される。これにより、移動体1のより正確な傾き情報を特定することができる。
【0086】
(3)また本実施形態に係る通信システム100において、傾き情報は、移動体1に設けた傾斜センサによって検出される傾斜情報に基づいて特定される。これにより、移動体1のより正確な傾き情報を特定することができる。
【0087】
(4)また本実施形態に係る通信システム100において、移動体1は、地表面41を走行する車両であり、地表面41を含む移動体1の周囲のマップを生成するマップ生成部102を更に備え、傾き情報は、生成されたマップ内の移動体1の走行予定方向における地表面41の傾斜の変化の予測結果に基づいて特定される。これにより、移動体1が移動する予定の地表面41の傾斜の変化に応じた移動体1の傾き情報を予め取得することができるので、前もって通信品質の判定を行うことができる。このため、例えば通信品質が低下する状況になることを予め把握できるので、通信品質の維持に必要な処理を円滑に行いながら、移動体1との通信を継続することができる。
【0088】
(5)また本実施形態に係る通信システム100において、移動体1は、電波を送受信するアンテナ部131により無線通信を行い、通信品質判定部203、303によって通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、アンテナ部131によって送受信される電波の指向性を変更する指向性変更部107を更に備える。これにより、移動体1の傾きの変化に応じてアンテナ部131の指向性を調整できるので、所要の通信品質を維持しながら無線通信を継続することができる。
【0089】
(6)本実施形態に係る通信システム100に含まれる移動体1は、自身の傾きに関する傾き情報を送信する送信処理部104を備える。これにより、移動中の移動体1との間での所要の通信品質を確保することが可能となる。
【0090】
(7)本実施形態に係る通信システム100に含まれる基地局2、管制サーバ3は、移動体1の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得部202、302と、傾き情報取得部202、302によって取得された傾き情報に基づいて、移動体1との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定部203、303と、通信品質判定部203、303による通信品質の判定結果に基づいて、移動体1に無線通信の通信品質の改善を要求する品質改善要求信号を出力する信号出力部204、304と、を備える。これにより、移動体1との間での所要の通信品質を確保することが可能となる。
【0091】
(8)本実施形態に係るプログラムは、移動体1を含み、その移動体1との間で無線通信を行う通信システム100に含まれるコンピュータに、移動体1の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得機能と、傾き情報取得機能によって取得された傾き情報に基づいて、移動体1との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定機能と、を実行させる。これにより、移動体1が走行する地表面41の形状に連動して変化する傾き情報を考慮して通信品質を判定するので、移動体1との間の無線通信の通信品質をより正確に判定できる。よって、移動体1との間での所要の通信品質を確保することが可能となる。
【0092】
(9)本実施形態に係る通信方法は、移動体1を含み、その移動体1との間で無線通信を行う通信方法であって、移動体1の傾きに関する傾き情報を取得する傾き情報取得ステップと、傾き情報取得ステップで取得された傾き情報に基づいて、移動体1との無線通信の通信品質を判定する通信品質判定ステップと、を含む。これにより、移動体1が走行する地表面41の形状に連動して変化する傾き情報を考慮して通信品質を判定するので、移動体1との間の無線通信の通信品質をより正確に判定できる。よって、移動体1との間での所要の通信品質を確保することが可能となる。
【0093】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る通信システム100Aについて説明する。なお、以下の説明において、第2実施形態と同じ構成については詳細な説明を省略する。まず、第2実施形態に係る通信システム100Aの全体的な構成について図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係る通信システム100A及び通信システム100Aが適用される道路5の一例を示す概略図である。
【0094】
通信システム100Aは、移動体1Aとの間で無線通信を行い、移動体1Aの自動運転を実行するためのシステムである。通信システム100Aは、移動体1Aと、複数の基地局2Aと、複数の基地局2Aや複数の路側機(通信装置)6と、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続される管制サーバ3Aと、を備える。本実施形態では、勾配が変化する道路5等の地表面51を走行する移動体1Aの自動運転の処理を例に説明する。
【0095】
移動体1Aは、例えば遠隔操作や自律走行によって自動運転を行う自動運転車両である。移動体1Aは、基地局2Aや路側機6、他の移動体1A、歩行者が携帯する通信端末(通信装置)7等と無線通信可能に構成される。移動体1Aは、Wi-Fi通信等によるV2I(vehicle-to-infrastructure)通信、V2V(vehicle-to-vehicle)通信、V2P(vehicle-to-pedestrian)通信、セルラー通信を含む様々な無線通信技法を使用することができる。
【0096】
基地局2Aは、道路5を走行する移動体1Aとセルラー通信により無線通信可能に構成される。複数の基地局2Aは、それぞれ異なるエリアに設置される。即ち、複数の基地局2Aは、それぞれセルを形成し、自身が形成したセル内に存在する移動体1Aや通信端末7等の各種通信装置と接続して無線通信を行う。図9には、2つの基地局2Aである基地局21A、22Aが異なるエリアに設定されている。なお、各基地局2Aが形成するセルは他の基地局2Aが形成するセルとその一部のエリアが重畳するように配置されていてもよい。また基地局2Aは、無線通信が可能なセル内を走行する移動体1Aや各種装置との無線通信等によって取得したデータを、通信ネットワークNWを介して管制サーバ3に送信する。
【0097】
路側機6は、RSU(road side unit)等とも呼ばれる。複数の路側機6は、道路5の周辺(路側)等におけるそれぞれ異なるエリアに設置される。路側機6は、道路5を走行する移動体1や周囲に存在する各種装置と無線通信することでV2X通信サービスを提供する。また路側機6は、無線通信が可能なエリア(以下、通信可能エリア)内を走行する移動体1や各種装置との無線通信等によって取得したデータを、通信ネットワークNWを介して管制サーバ3に送信する。
【0098】
管制サーバ3Aは、通信ネットワークNWを介して複数の基地局2及び複数の路側機6と通信可能に接続される。管制サーバ3は、移動体1Aの遠隔操作等の自動運転のための処理を行うために基地局2Aや路側機6の無線通信装置を介して、道路5の地表面51上を移動する各移動体1Aと通信を行う。本実施形態では、管制サーバ3Aは、基地局2A等の無線通信装置と移動体1Aとの間の無線通信の通信品質を判定する処理(以下、通信品質判定処理という)を実行する。
【0099】
<第2実施形態の移動体1Aの構成と動作について>
次に、第2実施形態に係る移動体1Aの機能的構成について説明する。図10は、移動体1Aのハードウェア及び機能ブロックの構成を例示するブロック図である。なお、上述した第1実施形態の移動体1と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0100】
移動体1Aは、GNSS部11と、センサ部12と、無線通信部13と、記憶部14と、出力部15、処理部10Aと、を備える。
【0101】
処理部10Aは、CPU等のプロセッサによって構成される演算装置であり、後述の記憶部14から各種プログラム、データを読み込んで実行し、各種機能を実現する。本実施形態では、処理部10Aは、自己位置情報推定部101と、傾き情報特定部103と、送信処理部104と、信号取得部105と、基地局位置情報取得部106と、運転モード切替部108と、無線通信モード変更部109と、の各機能部の処理を実行する。各機能部の動作については後述する。なお、処理部10Aの品質判定処理の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されていてもよい。
【0102】
運転モード切替部108は、管制サーバ3Aから送信される運転モード切替信号に基づいて、移動体1Aの運転モードを遠隔操作モードと自律走行モードとに切り替える処理を実行する。遠隔操作モードは、移動体1Aの走行が管制サーバ3A又は遠隔操作者によって送信される操作信号に基づいて操作されるモードである。自律走行モードは、移動体1Aが操作信号によらず自律的に走行するモードである。運転モード切替部108は、例えば信号取得部105が品質改善要求信号を所定の回数以上取得した場合に遠隔操作モードから自律操作モードに切り替えてもよい。所定の回数としては、例えば1回であってもよく、2回以上であってもよい。
【0103】
無線通信モード変更部109は、無線通信のモードを変更する処理(以下、無線通信モード変更処理という)を実行する。本明細書における無線通信モード変更処理は、セルラー通信における通信キャリアを切り替える処理やセルラー通信、V2I通信、V2V通信、V2P通信等の無線通信技法及び通信相手を切り替える処理、無線通信の周波数を切り替える処理等を含む。無線通信モード変更部109は、例えば信号取得部105が品質改善要求信号を取得した場合に、無線通信モード変更処理を実行してもよい。無線通信モード変更処理の具体的な例については後述する。
【0104】
<第2実施形態の基地局2Aの構成と動作について>
次に、第2実施形態に係る基地局2Aの機能的構成について説明する。図11は、基地局2Aのハードウェア及び機能ブロックの構成を例示するブロック図である。なお、上述した第2実施形態の基地局2と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0105】
基地局2Aは、図11に示すように処理部20Aと、記憶部21と、通信I/F部22と、無線通信部23と、を備える。
【0106】
処理部20Aは、CPU等のプロセッサによって構成される演算装置であり、後述の記憶部21から各種プログラム、データを読み込んで実行し、各種機能を実現する。本実施形態では、処理部20Aは、データ中継処理部205と、の各機能部の処理を実行する。各機能部の動作については後述する。なお、処理部20Aの品質判定処理の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されていてもよい。
【0107】
データ中継処理部205は、通信I/F部22又は無線通信部23を介して移動体1Aと管制サーバ3Aとの間のデータの送受信を中継する処理を実行する。データ中継処理部205は、例えば無線通信により移動体1から品質判定要求信号や自己位置情報、傾き情報等を受信し、これらの情報を、通信ネットワークNWを介して管制サーバ3Aに送信する。反対にデータ中継処理部205は、例えば管制サーバ3から品質改善要求信号や操作信号、運転モード切替信号、品質判定処理の判定結果を受信し、これらの情報を自身の位置情報とともに、無線通信により移動体1Aに送信する。
【0108】
<第2実施形態の管制サーバ3Aの構成と動作について>
次に、第2実施形態に係る管制サーバ3Aの機能的構成について説明する。図12は、管制サーバ3Aのハードウェア及び機能ブロックの構成を例示するブロック図である。なお、上述した第2実施形態の管制サーバ3Aと同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0109】
管制サーバ3Aは、図12に示すように処理部30Aと、記憶部31Aと、通信I/F部32と、を備える。
【0110】
処理部30Aは、CPU等のプロセッサによって構成される演算装置であり、後述の記憶部31Aから各種プログラム、データを読み込んで実行し、各種機能を実現する。本実施形態では、処理部30Aは、位置情報取得部301と、傾き情報取得部302と、通信品質判定部303と、信号出力部304Aと、の各機能部の処理を実行する。各機能部の動作については後述する。なお、処理部30の自動運転処理及び通信品質判定処理の機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されていてもよい。
【0111】
信号出力部304Aは、通信品質判定部303による判定結果に応じて、品質改善要求信号や運転モード切替信号、操作信号等の各種信号を出力し、基地局2を介して移動体1に送信する処理を実行する。例えば信号出力部304Aは、通信品質判定部303によって判定された第2通信品質を示す定量的な値と基準値とを比較して、通信品質が許容されない品質であるか否かを判定してもよい。信号出力部304Aは、通信品質が許容されない品質であると判定した場合に、品質改善要求信号とともに運転モード切替信号を出力してもよい。本実施形態では、信号出力部304Aは、品質改善要求信号とともに移動体1の周囲に存在する基地局2や路側機6の位置を示す基地局位置情報を品質判定要求信号の送信元である移動体1に向けて送信してもよい。
【0112】
次に、無線通信モード変更処理の一例について図9図13図14図15を参照しながら説明する。図9では、移動体1Aが水平面に対して傾斜のある地表面51を走行しながら基地局2Aを介して管制サーバ3Aと通信を行っている状態を示している。図13図15は、図9に示す状態から無線通信のモードを変更した状態を示す図である。図9では、基地局2Aから送信される電波を破線の矢印で示している。また図9図13図15では、アンテナ部131による電波の指向性を二点鎖線で示している。
【0113】
図9に示すように、移動体1Aが水平面に対して傾斜のある地表面51を走行している状態では、移動体1Aの車体が傾くため、アンテナ部131による電波の送受信強度が高い範囲から基地局2Aの位置がズレ、基地局2Aとの間の電波の送受信強度が低下する。これにより、移動体1Aと基地局2Aとの間の通信速度や遅延時間、スループット等の通信品質が低下する。これに対して、本実施形態では、移動体1Aと管制サーバ3Aとの間の円滑な通信を維持するために無線通信のモードを変更している。移動体1Aは、例えば図13に示すように、無線通信により移動体1Aと管制サーバ3Aの通信を中継する通信装置を、基地局21Aから移動体1Aが走行する道路5の周辺に位置する路側機6に変更してもよい。また例えば移動体1Aは、図14に示すように、他の移動体1Aを経由して基地局21Aと無線通信を行ってもよい。また例えば移動体1Aは、図15に示すように、通信を中継する基地局21Aを他の基地局22Aに変更するとともに、歩行者等が携帯する通信端末7を経由して基地局22Aと無線通信を行ってもよい。無線通信のモードをよりよい通信条件の無線通信のモードに変更することで、移動体1Aと管制サーバ3Aとの間で所要の品質の通信を維持でき、移動体1Aの自動運転を円滑に行うことができる。また移動体1Aは、基地局21Aとの間で送受信される電波の周波数をより低い周波数に変更してもよい。これにより、移動体1Aと基地局21Aとの間で送受信される電波は、その直進性を抑え、より回り込み易くなる。
【0114】
次に、本実施形態に係る通信システム100Aによる自動運転の処理中に行われる通信品質判定処理の流れについて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0115】
通信システム100Aによる通信品質判定処理のうち移動体1Aによって実行される処理の一例について説明する。図16は、通信品質判定処理のうち移動体1Aによって実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、通信品質判定処理のうち管制サーバ3Aによって実行される処理については上述した第1実施形態と同様な処理が行われるのでその説明を省略する。
【0116】
図16に示すように、ステップS31において、処理部10Aは、GNSS部11によって受信されGNSS信号を取得する処理と、センサ部12の加速度センサによって検出された加速度情報及び角速度センサによって検出された角速度情報を取得する処理を実行する。
【0117】
ステップS32において、自己位置情報推定部101は、自己位置情報を推定する処理を実行する。自己位置情報推定部101は、例えばステップS11で取得したGNSS信号に基づいて、移動体1Aの自己位置情報を推定する。
【0118】
ステップS33において、傾き情報特定部103は、ステップS31で取得した加速度情報及び角速度情報を用いて移動体1Aの傾き情報を特定する。
【0119】
ステップS34において、ステップS32で推定した自己位置情報及びステップS33で特定した傾き情報を、品質判定要求信号とともに基地局2A及び管制サーバ3Aに送信する。
【0120】
ステップS35において、信号取得部105Aは、管制サーバ3Aから品質改善要求信号を受信したか否かを判定する。信号取得部105Aは、品質改善要求信号を受信したと判定した場合(ステップS35;YES)、処理をステップS36に移行する。このとき、処理部10Aは、品質改善要求信号とともに運転モード切替信号を管制サーバ3から受信する。一方で、信号取得部105Aは、品質改善要求信号を受信していないと判定した場合(ステップS35;NO)、通信品質判定処理を終了する。
【0121】
ステップS36において、運転モード切替部108は、移動体1Aの運転モードを遠隔操作モードから自律走行モードに切り替える。
【0122】
ステップS37において、無線通信モード変更部109は、無線通信モード変更処理を実行する。無線通信モード変更部109は、例えば基地局2Aとの無線通信の周波数をより低い周波数に切り替える。これにより、移動体1Aと基地局2Aとの間で送受信される電波が低い周波数になるのでより回り込み易くなり、電波を送受信し易くなる。
【0123】
ステップS38において、運転モード切替部108は、移動体1Aの運転モードを自律走行モードから遠隔操作モードに切り替える。その後、処理部10Aによる品質判定処理を終了する。
【0124】
以上説明した実施形態によれば、上記効果(1)~(4)、(6)~(9)に加えて、以下の効果が奏される。
【0125】
(10)本実施形態に係る通信システム100Aは、通信品質判定部303によって通信品質が許容されない品質であると判定された場合に、無線通信のモードを変更する無線通信モード変更部109を更に備える。これにより、無線通信の通信品質が許容されない品質である場合に、無線通信のモードを変更できるので、所要の通信品質を維持しながら無線通信を継続することができる。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0127】
上記実施形態では、通信履歴テーブルは過去の無線通信の通信品質と、移動体1が存在する経度、緯度、高度等の位置情報とが対応付けられたテーブルであったが、移動体1の位置情報に移動体1の傾き情報が含まれていてもよい。そして、通信品質判定部203、303は、過去の無線通信の通信品質と、無線通信時の移動体1の傾き情報を含む位置情報とが対応付けられたテーブルを用いて通信品質を判定してもよい。
【0128】
第1実施形態の移動体1は指向性変更部107を備える構成であったが、指向性変更部107の代わりに無線通信モード変更部109を備える構成であってもよい。また第2実施形態の移動体1は無線通信モード変更部109を備える構成であったが、無線通信モード変更部109の代わりに指向性変更部107を備える構成であってもよい。
【0129】
また上記実施形態では、アンテナ部131がアレイアンテナで構成されていたが、指向性の異なる複数のアンテナを備える構成であってもよい。そして指向性変更部107は、基地局位置情報及び傾き情報に応じて複数のアンテナから無線通信を行うアンテナを選択することでアンテナ部131による電波の指向性を変更する構成であってもよい。
【0130】
また例えばアンテナ部131は、送受信面の向きを機械的に変更可能な構成であってもよい。指向性変更部107は、基地局位置情報及び傾き情報に応じて、基地局2等の無線通信装置との通信品質が向上するようにアンテナ部131の送受信面の向きを変更する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0131】
1、1A 移動体
202、302 傾き情報取得部
203、303 通信品質判定部
100、100A 通信システム
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